特許第6205286号(P6205286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6205286中継装置、優先制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205286
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】中継装置、優先制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/10 20090101AFI20170914BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20170914BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20170914BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20170914BHJP
【FI】
   H04W72/10
   H04W84/12
   H04W72/04 131
   H04W88/08
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-24623(P2014-24623)
(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2015-154151(P2015-154151A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】崎野 真也
(72)【発明者】
【氏名】寶満 剛
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 悠輝
【審査官】 久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−056753(JP,A)
【文献】 特開2013−192078(JP,A)
【文献】 特開2007−028210(JP,A)
【文献】 特開2004−200878(JP,A)
【文献】 特開2006−211362(JP,A)
【文献】 特開2007−134812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子を利用する中継装置であって、
優先度毎に設定された前記ネットワーク識別子に接続する通信装置毎の通信可能期間を、前記優先度毎に設定された所定期間における通信可能な期間の割合に基づいて算出する算出部と、
算出された前記通信可能期間を用いて制御信号を生成する生成部と、
生成された前記制御信号を前記通信装置に送信する送信部と、
を備え
前記通信可能期間を算出するための第1のモード及び第2のモードを備え、
前記第1のモードは、自装置に帰属している通信装置の台数で通信可能期間を優先度毎に算出するモードであり、
前記第2のモードは、自装置に帰属している通信装置の通信状態に基づいて通信可能期間を優先度毎に算出するモードであり、
前記算出部は、モードに応じた算出方法で前記通信可能期間を算出する中継装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記所定期間と前記通信可能な割合とを乗算することによって優先度毎の通信可能期間を算出し、前記優先度毎に算出された前記通信可能期間を、前記優先度毎の通信装置の接続台数で除算することによって前記通信装置毎の通信可能期間を優先度毎に算出する、請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記算出部は、EDCA(Enhanched Distributed Channel Access)優先制御に基づいて、自装置に接続している通信装置の主な通信のアクセスカテゴリ毎の通信装置の台数と各通信装置のトラフィック量とを乗算し、各アクセスカテゴリの台数に基づいて各アクセスカテゴリのEDCAの各パラメータAIES、Cwmax、Cwminを決定し、決定した各パラメータを用いてアクセスカテゴリ毎の通信可能期間を優先度毎に算出し、算出した通信可能期間から前記通信装置毎の通信可能期間を優先度毎に算出する、請求項1に記載の中継装置。
【請求項4】
互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子を利用する中継装置における優先制御方法であって、
優先度毎に設定された前記ネットワーク識別子に接続する通信装置毎の通信可能期間を、前記優先度毎に設定された所定期間における通信可能な期間の割合に基づいて算出する算出ステップと、
算出された前記通信可能期間を用いて制御信号を生成する生成ステップと、
生成された前記制御信号を前記通信装置に送信する送信ステップと、
を有し、
前記通信可能期間を算出するための第1のモード及び第2のモードを有しており、
前記第1のモードが、自装置に帰属している通信装置の台数で通信可能期間を優先度毎に算出するモードであり、
前記第2のモードが、自装置に帰属している通信装置の通信状態に基づいて通信可能期間を優先度毎に算出するモードであり、
前記算出ステップにおいて、モードに応じた算出方法で前記通信可能期間を算出する優先制御方法。
【請求項5】
互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子を利用する中継装置におけるコンピュータプログラムであって、
優先度毎に設定された前記ネットワーク識別子に接続する通信装置毎の通信可能期間を、前記優先度毎に設定された所定期間における通信可能な期間の割合に基づいて算出する算出ステップと、
算出された前記通信可能期間を用いて制御信号を生成する生成ステップと、
生成された前記制御信号を前記通信装置に送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行させ
前記通信可能期間を算出するための第1のモード及び第2のモードを有しており、
前記第1のモードが、自装置に帰属している通信装置の台数で通信可能期間を優先度毎に算出するモードであり、
前記第2のモードが、自装置に帰属している通信装置の通信状態に基づいて通信可能期間を優先度毎に算出するモードであり、
前記算出ステップにおいて、モードに応じた算出方法で前記通信可能期間を算出するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優先制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンの普及に伴い、近年ではモバイル通信が主流となる中でモバイル網のトラフィックを緩和するために無線LAN(Local Area Network;例えばWi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity))を利用した固定網へのデータオフロードが推進している。Wi−Fi規格にはIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/n/ac等が存在し、理論上最大で6.93Gbpsの超高速通信が可能である。また、特許文献1及び2に開示された技術により、無線LANを利用する通信端末の通信状態(アプリケーションやトラフィック等)に適した優先制御に対応できるため、モバイル網から固定網への高速データオフロードが実現可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−235782号公報
【特許文献2】特開2012−134693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2では、複数のアクセスポイントが互いに干渉する環境における無線LAN全体の通信状態に適した優先制御は可能であるものの、互いに干渉する環境で複数のSSID(Service Set IDentifier)が利用される場合にはSSID毎の優先制御ができない。そのため、無線LAN中継装置(以下、「GW」という。)を外部ユーザに開放することによってGW(Gate Way)を利用可能にするFONのようなサービスが利用されている場合、本来優先して通信が行われるべきGWの所有者の通信に悪影響を及ぼしてしまうという問題があった。このような問題は、SSIDに限らず、互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子を利用する通信全てに共通する問題である。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子が利用されている場合にネットワーク識別子ごとの優先制御を行うことができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子を利用する中継装置であって、優先度毎に設定された前記ネットワーク識別子に接続する通信装置毎の通信可能期間を、前記優先度毎に設定された所定期間における通信可能な期間の割合に基づいて算出する算出部と、算出された前記通信可能期間を用いて制御信号を生成する生成部と、生成された前記制御信号を前記通信装置に送信する送信部と、を備える中継装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の中継装置であって、前記算出部は、前記所定期間と前記通信可能な割合とを乗算することによって優先度毎の通信可能期間を算出し、前記優先度毎に算出された前記通信可能期間を、前記優先度毎の通信装置の接続台数で除算することによって前記通信装置毎の通信可能期間を優先度毎に算出する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の中継装置であって、前記算出部は、EDCA(Enhanched Distributed Channel Access)優先制御に基づいて、自装置に接続している通信装置の主な通信のアクセスカテゴリ毎の通信装置の台数と各通信装置のトラフィック量とを乗算し、各アクセスカテゴリの台数に基づいて各アクセスカテゴリのEDCAの各パラメータAIES、Cwmax、Cwminを決定し、決定した各パラメータを用いてアクセスカテゴリ毎の通信可能期間を優先度毎に算出し、算出した通信可能期間から前記通信装置毎の通信可能期間を優先度毎に算出する。
【0009】
本発明の一態様は、互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子を利用する中継装置における優先制御方法であって、優先度毎に設定された前記ネットワーク識別子に接続する通信装置毎の通信可能期間を、前記優先度毎に設定された所定期間における通信可能な期間の割合に基づいて算出する算出ステップと、算出された前記通信可能期間を用いて制御信号を生成する生成ステップと、生成された前記制御信号を前記通信装置に送信する送信ステップと、を有する優先制御方法である。
【0010】
本発明の一態様は、互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子を利用する中継装置におけるコンピュータプログラムであって、優先度毎に設定された前記ネットワーク識別子に接続する通信装置毎の通信可能期間を、前記優先度毎に設定された所定期間における通信可能な期間の割合に基づいて算出する算出ステップと、算出された前記通信可能期間を用いて制御信号を生成する生成ステップと、生成された前記制御信号を前記通信装置に送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、互いに干渉する環境で複数のネットワーク識別子が利用されている場合にネットワーク識別子ごとの優先制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明における優先制御システム100のシステム構成を示す図である。
図2】本実施形態におけるGW10の機能構成を表す概略ブロック図である。
図3】優先制御テーブルの具体例を表す図である。
図4】送信許可応答のフレームフォーマットの具体例を表す図である。
図5】設定登録画面の表示例を示す図である。
図6】本実施形態におけるGW10の通信可能時間の算出処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本実施形態におけるGW10の送信許可信号の送信処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本実施形態における優先制御システム100の動作を示すシーケンス図である。
図9】本実施形態における優先制御システム100の動作を示すシーケンス図である。
図10】本実施形態におけるGW10の通信可能時間の算出処理の流れを示すフローチャートである。
図11】本実施形態における優先制御システム100の動作を示すシーケンス図である。
図12】本実施形態における優先制御システム100の動作を示すシーケンス図である。
図13】本実施形態における優先制御テーブルの設定変更処理の具体的な動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明における優先制御システム100のシステム構成を示す図である。本発明の優先制御システム100は、GW10及び対象サーバ20を備える。優先制御システム100には、通信装置30−1−30−N(Nは2以上の整数)及びオペレータ端末40が接続される。なお、以下の説明では、通信装置30−1−30−Nについて特に区別しない場合には通信装置30と記載する。
【0014】
GW10は、無線LANのアクセスポイントであり、通信装置30との間で無線LAN接続によって通信を行う。無線LAN接続には、例えばWi−Fiが用いられる。GW10は、通信装置30に対してネットワーク50への接続、例えばネットワーク50を介して対象サーバ20へのアクセスなどを提供する。また、GW10は、オペレータ端末40との間で通信を行う。GW10は、互いに干渉する環境で複数のSSIDを利用可能である。互いに干渉する環境とは、GW10に接続する複数の通信装置30がそれぞれ異なるSSIDで略同一の周波数、略同一のチャネルの信号を送信している環境である。また、GW10は、複数のモード(例えば、第1モード及び第2モード)で動作する。GW10の動作モードは、GW関連者がオペレータ端末40を操作することによって変更可能である。GW関連者とは、GW10の所有者やGW10の所有者の関連者など、本来的にGW10を介した通信が優先されるべき人物である。
【0015】
対象サーバ20は、情報処理装置を用いて構成される。対象サーバ20は、通信装置30が接続を所望するサーバである。
通信装置30は、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、ゲーム機器等の情報処理装置を用いて構成される。通信装置30は、GW10との間で通信を行う。通信装置30は、送信許可要求をGW10に送信する。送信許可要求とは、GW10にデータの送信許可を要求するために用いられる信号である。送信許可要求は、例えば、RTS(request to send)フレームである。
【0016】
オペレータ端末40は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。オペレータ端末40は、GW10の設定を変更する場合にGW関連者によって操作される。
ネットワーク50は、どのように構成されたネットワークでもよい。例えば、ネットワーク50はインターネットを用いて構成されてもよい。
【0017】
図2は、本実施形態におけるGW10の機能構成を表す概略ブロック図である。
GW10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、優先制御プログラムを実行する。優先制御プログラムの実行によって、GW10は、第1通信部101、制御部102、優先制御情報記憶部103、接続端末監視部104、算出部105、信号生成部106、第2通信部107、中継部108、設定登録画面データ記憶部109を備える装置として機能する。なお、GW10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、優先制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、優先制御プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0018】
第1通信部101は、通信装置30との間で通信を行う。例えば、第1通信部101は、通信装置30から送信される送信許可要求を受信する。また、例えば、第1通信部101は、通信装置30に送信許可応答を送信する。送信許可応答とは、送信許可要求の送信元の通信装置30にデータの送信許可を通知するための応答である。送信許可応答は、例えば、CTS(clear to send)フレームである。
制御部102は、GW10の各機能部を制御する。
【0019】
優先制御情報記憶部103は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。優先制御情報記憶部103は、優先制御テーブルを記憶している。優先制御テーブルは、優先度毎の制御情報が登録されたテーブルである。例えば、優先制御テーブルには、優先度毎にSSIDが対応付けている。
接続端末監視部104は、自装置に接続している通信装置30を監視する。例えば、接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照することによって自装置に接続している通信装置30があるか否か監視する。
【0020】
算出部105は、優先制御テーブルに基づいて通信可能期間を優先度毎に算出する。つまり、算出部105は、SSID毎に通信可能期間を算出する。通信可能期間とは、通信装置30がGW10を介して対象サーバ20との間で通信可能な期間を表す。また、算出部105は、優先度毎に算出した通信可能期間の値を、自装置の動作モードに応じてさらに按分することによって優先度毎に設定されたSSIDに接続する通信装置30毎の通信可能期間を算出する。算出部105の具体的な処理については後述する。
信号生成部106は、通信装置30から送信された送信許可要求に応じて送信許可応答を生成する。信号生成部106は、送信許可応答を生成する際、算出部105によって算出された通信可能期間の値をヘッダ部分に格納する。
【0021】
第2通信部107は、対象サーバ20との間で通信を行う。
中継部108は、通信装置30と対象サーバ20との間で行われる通信を中継する。例えば、中継部108は、対象サーバ20から通信装置30へ送信されたデータや、通信装置30から対象サーバ20へ送信されたデータを中継する。
設定登録画面データ記憶部109は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。設定登録画面データ記憶部109は、GW10の設定登録を行うための画面のデータ(以下、「設定登録画面データ」という。)を記憶している。
【0022】
図3は、優先制御情報記憶部103が記憶する優先制御テーブルの具体例を表す図である。優先制御テーブルは、優先度毎の制御情報を表すレコードを複数有する。レコードは、優先度、通信割合、SSID、番号、MAC_STA、通信可能時間の各値を有する。
優先度は、通信装置30が通信を行う際の優先順位を表す。図3では、優先度の具体例として、“高優先”,“中優先”,“低優先”が示されている。「高優先」は、優先順位が高いことを表す。また、「中優先」は、優先順位が高くも低くもないことを表す。また、「低優先」は、優先順位が低いことを表す。通信割合は、所定の期間(例えば、1秒間)内における通信可能期間の割合を表す。SSIDは、GW10に設定されているネットワーク識別名を表す。番号は、GW10に接続している通信装置30の台数を優先度毎に識別するための情報を表す。MAC_STAは、GW10に接続している通信装置30のMACアドレスを表す。通信可能期間は、通信装置30が通信可能な期間を表す。図3の具体例では、通信可能期間の単位として“sec(秒)”が設定されている。
【0023】
図3に示される例では、優先制御テーブルには3つの優先度が登録されている。これら3つの優先度は、“高優先”、“中優先”、“低優先”である。図3において、優先制御テーブルの最上段の行(“高優先”の行)は、通信割合の値が“0.6”、SSIDの値が“SSID1”、番号の値が“1”,“2”,“3”、MAC_STAの値が“AAA”,“BBB”,“CCC”、通信可能期間の値が“0〜0.2”,“0.2〜0.4”,“0.4〜0.6”である。すなわち、高優先のSSID“SSID1”に接続している通信装置30の所定の期間(例えば、1秒間)における通信可能期間の割合が“0.6”であり、高優先のSSIDにはMACアドレス“AAA”、“BBB”、“CCC”で識別される3台の通信装置30が接続しており、それぞれの通信装置30の通信可能期間が“0〜0.2秒の間”、“0.2〜0.4秒の間”、“0.4〜0.6秒の間”であることが表されている。高優先のSSIDは、GW関連者の通信装置30がGW10に接続する際に用いられることが多いSSIDであり、高優先の通信が可能となるSSIDであることを表す。以下、このように高優先の通信が可能となるSSIDを「高優先SSID」と称する。また、高優先SSIDに接続している通信装置30を高優先装置と称する。
【0024】
また、図3において、優先制御テーブルの2段目の行(“中優先”の行)は、通信割合の値が“0.3”、SSIDの値が“SSID2”、番号の値が“1”,“2”、MAC_STAの値が“DDD”,“EEE”、通信可能期間の値が“0.60〜0.75”,“0.75〜0.9”である。すなわち、中優先のSSID“SSID2”に接続している通信装置30の所定の期間における通信可能期間の割合が“0.3”であり、中優先のSSIDにはMACアドレス“DDD”,“EEE”で識別される2台の通信装置30が接続しており、それぞれの通信装置30の通信可能期間が“0.60〜0.75秒の間”,“0.75〜0.9秒の間”であることが表されている。中優先のSSIDは、中優先の通信が可能となるSSIDであることを表す。以下、このように中優先の通信が可能となるSSIDを「中優先SSID」と称する。また、中優先SSIDに接続している通信装置30を中優先装置と称する。
【0025】
また、図3において、優先制御テーブルの3段目の行(“低優先”の行)は、通信割合の値が“0.1”、SSIDの値が“SSID3”、番号の値が“1”、MAC_STAの値が“FFF”、通信可能期間の値が“0.9〜1.0”である。すなわち、低優先のSSID“SSID3”に接続している通信装置30の所定の期間における通信可能期間の割合が“0.1”であり、低優先のSSIDにはMACアドレス“FFF”で識別される1台の通信装置30が接続しており、通信装置30の通信可能期間が“0.9〜1.0秒の間”であることが表されている。低優先のSSIDは、外部ユーザの通信装置30がGW10に接続する際に用いられることが多いSSIDであり、低優先の通信が可能となるSSIDであることを表す。外部ユーザとは、GW関連者以外のユーザの通信装置30である。以下、このように低優先の通信が可能となるSSIDを「低優先SSID」と称する。また、低優先SSIDに接続している通信装置30を低優先装置と称する。
【0026】
なお、優先度、通信割合及びSSIDの各値は、GW関連者がオペレータ端末40を操作することによって適宜変更される。また、番号及びMAC_STAの各値は、GW10に接続する通信装置30に応じて適宜変更される。通信可能期間は、算出部105が算出する通信可能期間の値が登録される。
【0027】
次に、算出部105の処理について具体例を挙げて説明する。
まず、算出部105は、優先制御テーブルに登録されている通信割合の値と所定の期間(例えば、1秒間)の値とを乗算することによって所定の期間内における通信可能期間を優先度毎に算出する。例えば、算出部105は、優先制御テーブルに登録されている優先度“高優先”における通信割合の値(例えば、“0.6”)と、所定の期間(例えば、“1秒間”)の値とを乗算することによって優先度“高優先”における通信可能期間“0.6”を算出する。また、算出部105は、優先制御テーブルに登録されている優先度“中優先”における通信割合の値(例えば、“0.3”)と、所定の期間(例えば、“1秒間”)の値とを乗算することによって優先度“中優先”における通信可能期間“0.3”を算出する。また、算出部105は、優先制御テーブルに登録されている優先度“低優先”における通信割合の値(例えば、“0.1”)と、所定の期間(例えば、“1秒間”)の値とを乗算することによって優先度“低優先”における通信可能期間“0.1”を算出する。上述した処理によって、算出部105は所定の期間における優先度毎の通信可能期間を算出する。
【0028】
その後、算出部105は、優先度毎に算出した通信可能期間を用いて優先度が高い順(高優先⇒中優先⇒低優先の順)に、所定の期間(例えば、“1秒間”)内における通信可能期間を優先度毎に割り当てる。例えば、算出部105は、以下のように通信可能期間を割り当てる。上述した例では、優先度“高優先”における通信可能期間が“0.6秒”であるため、まず算出部105は所定の期間(例えば、“1秒間”)のうち“0〜0.6秒”の期間を優先度“高優先”の通信可能期間に割り当てる。“0〜0.6秒”は、通信装置30が信号を受信してから“0〜0.6秒”の間、対象サーバ20との間でデータの送受信が可能であることを表す。また、上述した例では、優先度“中優先”における通信可能期間が“0.3秒”であるため、次に算出部105は所定の期間内(例えば、“1秒間”)のうち“0.6〜0.9秒”の期間を優先度“中優先”の通信可能期間に割り当てる。“0.6〜0.9秒”は、通信装置30が信号を受信してから“0.6〜0.9秒”の間、対象サーバ20との間でデータの送受信が可能であることを表す。また、上述した例では、優先度“低優先”における通信可能期間が“0.1秒”であるため、算出部105は所定の期間内(例えば、“1秒間”)のうち“0.9〜1.0秒”の期間を優先度“低優先”の通信可能期間に割り当てる。“0.9〜1.0秒”は、通信装置30が信号を受信してから“0.9〜1.0秒”の間、対象サーバ20との間でデータの送受信が可能であることを表す。
上述した処理によって、算出部105は通信可能期間を優先度毎に割り当てる。
【0029】
次に、算出部105が、優先度毎に割り当てた通信可能期間を、自装置の動作モードに応じて按分することによって通信装置30毎の通信可能期間を算出する処理について説明する。
まず、GW10が第1モードで動作している場合について説明する。GW10が第1モードで動作している場合、算出部105は優先度毎に割り当てた通信可能期間の値を、それぞれの優先度毎に対応付けて設定されているSSIDに接続する通信装置30の台数で除算することによって通信装置30毎の通信可能期間を優先度毎に算出する。例えば、高優先装置が複数台(例えば、3台)ある場合、算出部105は優先度“高優先”に割り当てた通信可能期間(上述した例では、“0〜0.6秒”)の値を、高優先装置の台数で除算することによって高優先装置毎の通信可能期間を算出する。この例の場合、各高優先装置の通信可能期間は、それぞれ“0〜0.2秒”,“0.2〜0.4秒”,“0.4〜0.6秒”になる。算出部105は、算出した通信可能期間を各高優先装置に割り当てる。割り当てる順番は、登録された順番が早い(番号の値が小さい)順に通信可能な時間が早い順であってもよいし、その他の順番であってもよい。優先度“中優先”,“低優先”においても優先度“高優先”の場合と同様に、算出部105は通信装置30毎の通信可能期間を算出し、算出した通信可能期間を通信装置30毎に割り当てる。
以上で、GW10が第1モードで動作している場合についての説明を終了する。
【0030】
GW10が第2モードで動作している場合について説明する。GW10が第2モードで動作している場合、算出部105は優先度毎に割り当てた通信可能期間の値を、優先度毎の通信装置30の通信状態に基づいて通信装置30毎の通信可能期間を優先度毎に算出する。例えば、EDCA(Enhanched Distributed Channel Access)優先制御の技術が用いられる。具体的には、まず、算出部105は、自装置に接続している通信装置30の主な通信のアクセスカテゴリ毎の通信装置30の台数と各通信装置30のトラフィック量とを乗算する。次に、算出部105は、各アクセスカテゴリの台数に基づいて各アクセスカテゴリのEDCAの各パラメータAIES、Cwmax、Cwminを決定し、決定した各パラメータを用いてアクセスカテゴリ毎の通信可能期間を算出する。算出部105は、この処理を優先度毎に実行する。その後、算出部105は、通信装置30毎の通信可能期間を算出し、算出した通信可能期間を通信装置30毎に割り当てる。
以上で、GW10が第2モードで動作している場合についての説明を終了する。
【0031】
図4は、GW10が送信する送信許可応答のフレームフォーマットの具体例を表す図である。
送信許可応答は、ヘッダ領域、ペイロード領域及びFCS(Frame Check Sequence)で構成される。ヘッダ領域は、PLCP(physical layer convergence protocol)プリアンブル、PLCPヘッダ及びIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ヘッダの各値を格納するためのフィールドで構成される。ペイロード領域は、データを格納するためのフィールドで構成される。
【0032】
PLCPプリアンブルのフィールドは、同期信号のビット列の情報が格納されるフィールドである。PLCPヘッダのフィールドは、変調方式やデータ長などの情報が格納されるフィールドである。IEEE802.11ヘッダは、フレーム制御、Duration/ID、期間情報、第1アドレス、第2アドレス、第3アドレス、シーケンス制御、第4アドレスの各値を格納するためのフィールドで構成される。フレーム制御のフィールドは、フレームの種類、フレームの宛先、送信元が無線であるか有線であるか、フラグメント情報などの情報が格納されるフィールドである。Duration/IDのフィールドは、Duration又はIDの情報が格納されるフィールドである。期間情報のフィールドは、通信装置30に対して通信可能な期間を通知するためのフィールドである。本実施形態では、期間情報のフィールドに算出部105によって算出された通信可能期間の値が格納される。また、第1アドレス、第2アドレス、第3アドレス及び第四アドレスのフィールドは、宛先のMACアドレス、送信元のMACアドレスなどの情報が格納されるフィールドである。シーケンス制御のフィールドは、送信するデータのシーケンス番号などの情報が格納されるフィールドである。
【0033】
図5は、設定登録画面の表示例を示す図である。
図5に示す設定登録画面は、オペレータ端末40がGW関連者の操作に応じてGW10に設定登録画面データを要求した場合に、オペレータ端末40のWebブラウザに表示される。図5に示される設定登録画面には、モード設定領域70、設定完了ボタン71、優先制御情報設定領域72、設定完了ボタン73及び完了ボタン74が表示されている。
【0034】
モード設定領域70は、GW10の動作モードを設定するための領域である。GW関連者がオペレータ端末40を操作してモード設定領域70を選択すると、変更可能な動作モード(例えば、第1モード及び第2モード)がプルダウン表示される。GW関連者は、プルダウン表示された複数の動作モードの中からGW10に設定したい動作モードを選択する。その後、選択された動作モードがモード設定領域70に表示される。設定完了ボタン71は、動作モードの設定を完了するために使用されるボタンである。設定完了ボタン71が選択されると、GW10の動作モードの設定が完了する。つまり、モード設定領域70に表示されている動作モードがGW10の動作モードに設定される。
【0035】
優先制御情報設定領域72は、優先度毎の情報を設定するための領域である。優先度、通信割合及びSSIDの値は、GW関連者によって適宜変更される。SSIDの項目には、優先度毎に単数又は複数のSSIDが登録される。ただし、同じSSIDを異なる優先度の項目に設定することはできない。設定完了ボタン73は、優先度毎の情報を設定するために使用されるボタンである。設定完了ボタン73が選択されると、GW10の優先度毎の情報の設定が完了する。つまり、優先制御情報設定領域72に表示されている優先度毎の情報が優先制御テーブルに設定される。完了ボタン74は、設定内容の入力完了の際に使用されるボタンである。完了ボタン74が押下されると、モード設定領域70及び優先制御情報設定領域72で設定された内容がGW10に送信される。
【0036】
図6は、本実施形態におけるGW10の通信可能時間の算出処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6では、GW10が第1モードで動作している場合を例に説明する。
接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、通信装置30の自装置への接続を確認する(ステップS101)。自装置への接続が確認されると、接続端末監視部104はその旨を算出部105に通知する。算出部105は、優先制御テーブルに基づいて所定期間内の通信可能期間を優先度毎に算出する(ステップS102)。その後、算出部105は、算出した所定期間内の通信可能期間を優先度毎に割り当てる。接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、高優先装置の台数を確認する(ステップS103)。算出部105は、高優先装置の台数に応じた通信可能期間を算出する(ステップS104)。具体的には、算出部105は、ステップS102の処理で優先度毎に割り当てられた通信可能期間のうち高優先の通信可能期間の値を、高優先装置の台数で除算することによって高優先装置毎の通信可能期間を算出する。その後、算出部105は、ステップS104の処理で算出した通信可能期間を、各高優先装置に割り当てる。算出部105は、高優先装置毎に割り当てた通信可能期間の値を優先制御テーブルに記録する。
【0037】
また、接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、中優先装置の台数を確認する(ステップS105)。算出部105は、中優先装置の台数に応じた通信可能期間を算出する(ステップS106)。具体的には、算出部105は、ステップS102の処理で優先度毎に割り当てられた通信可能期間のうち中優先の通信可能期間の値を、中優先装置の台数で除算することによって中優先装置毎の通信可能期間を算出する。その後、算出部105は、ステップS106の処理で算出した通信可能期間を、各中優先装置に割り当てる。算出部105は、中優先装置毎に割り当てた通信可能期間の値を優先制御テーブルに記録する。
【0038】
また、接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、低優先装置の台数を確認する(ステップS107)。算出部105は、低優先装置の台数に応じた通信可能期間を算出する(ステップS108)。具体的には、算出部105は、ステップS102の処理で優先度毎に割り当てられた通信可能期間のうち低優先の通信可能期間の値を、低優先装置の台数で除算することによって低優先装置毎の通信可能期間を算出する。その後、算出部105は、ステップS108の処理で算出した通信可能期間を、各低優先装置に割り当てる。算出部105は、低優先装置毎に割り当てた通信可能期間の値を優先制御テーブルに記録する。
【0039】
図7は、本実施形態におけるGW10の送信許可信号の送信処理の流れを示すフローチャートである。なお、送信許可信号の送信処理は、GW10が第1モード又は第2モードのいずれのモードで動作している場合も同じである。
第1通信部101は、通信装置30から送信された送信許可要求を受信する(ステップS201)。接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、送信許可要求の送信元である通信装置30に影響のある通信装置30(以下、「影響装置」という。)があるか否か判断する(ステップS202)。送信許可要求の送信元である通信装置30に影響のある通信装置30とは、送信許可要求の送信元である通信装置30と同じSSIDに接続している通信装置30である。影響装置が存在しない場合(ステップS202−NO)、信号生成部106は送信許可要求の送信元である通信装置30に対する送信許可応答を生成する(ステップS203)。具体的には、まず、信号生成部106は、優先制御テーブルを参照し、送信許可要求の送信元である通信装置30のMACアドレスに対応するレコードを選択する。次に、信号生成部106は、選択したレコードの通信可能期間の項目に記録されている値を取得する。そして、信号生成部106は、取得した値をヘッダに格納することによって送信許可応答を生成する。その後、第1通信部101は、生成された送信許可応答を送信許可要求の送信元である通信装置30に送信する(ステップS204)。
【0040】
ステップS202の処理において、影響装置が存在する場合(ステップS202−YES)、信号生成部106は送信許可要求の送信元である通信装置30に対する送信許可応答を生成する(ステップS205)。その後、第1通信部101は、生成された送信許可応答を通信装置30に送信する(ステップS206)。制御部107は、影響装置全てに送信許可応答を送信したか否か判定する(ステップS207)。影響装置全てに送信許可応答を送信した場合(ステップS207−YES)、GW10の処理が終了する。
一方、影響装置全てに送信許可応答を送信していない場合(ステップS207−NO)、信号生成部106は影響装置に対する送信許可応答を生成する(ステップS208)。具体的には、まず、信号生成部106は、優先制御テーブルを参照し、影響装置のMACアドレスに対応するレコードを選択する。次に、信号生成部106は、選択したレコードの通信可能期間の項目に記録されている値を取得する。そして、信号生成部106は、取得した値をヘッダに格納することによって送信許可応答を生成する。第1通信部101は、生成された送信許可応答を影響装置に送信する(ステップS209)。その後、ステップS207以降の処理が繰り返し実行される。
【0041】
図8及び9は、本実施形態における優先制御システム100の動作を示すシーケンス図である。なお、図8及び9の説明では、GW10が第1モードで動作している場合を例に説明する。なお、処理開始時には、GW10には1台も接続されていない。
まず、GW10の第1通信部101は、ビーコン(高優先SSID)を各通信装置(通信装置30−1及び30−2)にブロードキャストする(ステップS301及び302)。
通信装置30−1は、GW10から発出されたビーコン(高優先SSID)を受信する。通信装置30−1は、自装置(通信装置30−1)に設定されているSSID(高優先のSSID)をGW10にプローブ要求する(ステップS303)。
【0042】
GW10の第1通信部101は、通信装置30−1から送信されたプローブ要求を受信する。接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが同じであるか否か判断する。プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが同じである場合、第1通信部101は通信装置30−1にプローブ応答する(ステップS304)。プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが異なる場合、第1通信部101はプローブ応答しない。
【0043】
通信装置30−1は、GW10から送信されたプローブ応答を受信する。通信装置30−1は、プローブ応答を受信すると、GW10との間で認証を行う。具体的には、通信装置30−1は、GW10との間で予め設定されている認証方式(例えば、パスワード)に従って、GW10に高優先SSIDのパスワードを送信する(ステップS305)。
【0044】
第1通信部101は、通信装置30−1から送信された高優先SSIDのパスワードを受信する。制御部102は、受信された高優先SSIDのパスワードと予め設定された高優先SSIDのパスワードとが一致する否か判定する。パスワードが一致する場合、第1通信部101は認証完了を示す旨の通知を通信装置30−1に送信する。また、パスワードが異なる場合、第1通信部101はエラーを通信装置30−1に送信する(ステップS306)。
【0045】
通信装置30−1は、認証が完了すると、GW10にアソシエーション要求を送信する(ステップS307)。第1通信部101は、通信装置30−1から送信されたアソシエーション要求を受信する。第1通信部101は、受信したアソシエーション要求の応答としてアソシエーション応答を通信装置30−1に送信する(ステップS308)。これにより、GW10と通信装置30−1との接続が完了する。
【0046】
接続が完了すると、制御部102は、接続が完了した通信装置30−1の情報(例えば、MACアドレス)を優先制御テーブルに記録する。より具体的には、制御部102は、受信されたアソシエーション要求に含まれるSSID(高優先SSID)に対応する優先制御テーブルのレコードに通信装置30−1の情報を記録する。接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照することによって自装置に接続している通信装置30の台数を確認する(ステップS309)。
【0047】
算出部105は、通信可能期間を優先度毎に算出し、算出した通信可能期間を優先度毎に割り当てる(ステップS310)。次に、算出部105は、接続台数に応じた通信可能期間を優先度毎に算出する(ステップS311)。現時点では、GW10に接続している通信装置30が高優先装置(通信装置30−1)1台のみである。そのため、算出部105は、割り当てた通信可能期間を、高優先装置の台数(例えば、1台)で除算することによって通信装置30−1の通信可能期間を算出する。算出部105は、ステップS311の処理で算出した通信可能期間を通信装置30−1に割り当てる。そして、算出部105は、通信装置30−1に割り当てた通信可能期間の値を、優先制御テーブルのレコードのうち通信装置30−1に対応するレコードの通信可能期間の項目に記録する。
【0048】
通信装置30−1は、送信許可要求をGW10に送信する(ステップS312)。第1通信部101は、通信装置30−1から送信された送信許可要求を受信する。送信許可要求が受信されると、信号生成部106は送信許可応答を生成する(ステップS313)。信号生成部106は、送信許可応答を生成する際、送信許可応答のヘッダに送信許可要求の送信元である通信装置30−1に割り当てた通信可能期間の値を格納する。第1通信部101は、生成された送信許可応答を通信装置30−1に送信する(ステップS314)。
【0049】
通信装置30−2は、GW10から発出されたビーコン(高優先SSID)を受信する。通信装置30−2は、自装置(通信装置30−2)に設定されているSSID(高優先SSID)をGW10にプローブ要求する(ステップS315)。
GW10の第1通信部101は、通信装置30−2から送信されたプローブ要求を受信する。接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが同じであるか否か判断する。プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが同じである場合、第1通信部101は通信装置30−2にプローブ応答する(ステップS316)。プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが異なる場合、第1通信部101はプローブ応答しない。
【0050】
通信装置30−2は、GW10から送信されたプローブ応答を受信する。通信装置30−2は、プローブ応答を受信すると、GW10との間で認証を行う。具体的には、通信装置30−2は、GW10との間で予め設定されている認証方式(例えば、パスワード)に従って、GW10に高優先SSIDのパスワードを送信する(ステップS317)。第1通信部101は、通信装置30−2から送信された高優先SSIDのパスワードを受信する。制御部102は、受信された高優先SSIDのパスワードと予め設定された高優先SSIDのパスワードとが一致する否か判定する。パスワードが一致する場合、第1通信部101は認証完了を示す旨の通知を通信装置30−2に送信する。また、パスワードが異なる場合、第1通信部101はエラーを通信装置30−2に送信する(ステップS318)。
【0051】
通信装置30−2は、認証が完了すると、GW10にアソシエーション要求を送信する(ステップS319)。第1通信部101は、通信装置30−2から送信されたアソシエーション要求を受信する。第1通信部101は、受信したアソシエーション要求の応答としてアソシエーション応答を通信装置30−2に送信する(ステップS320)。これにより、GW10と通信装置30−2との接続が完了する。
【0052】
接続が完了すると、制御部102は、接続が完了した通信装置30−2の情報(例えば、MACアドレス)を優先制御テーブルに記録する。より具体的には、制御部102は、受信されたアソシエーション要求に含まれるSSID(高優先SSID)に対応する優先制御テーブルのレコードに通信装置30−2の情報を記録する。接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照することによって自装置に接続している通信装置30の台数を確認する(ステップS321)。
【0053】
算出部105は、通信可能期間を優先度毎に算出し、算出した通信可能期間を優先度毎に割り当てる(ステップS322)。次に、算出部105は、接続台数に応じた通信可能期間を優先度毎に算出する(ステップS323)。現時点では、GW10に接続している通信装置30が高優先装置(通信装置30−1及び30−2)の2台である。そのため、算出部105は、割り当てた通信可能期間を、高優先装置の台数(例えば、2台)で除算することによって通信装置30−1及び30−2の通信可能期間をそれぞれ算出する。算出部105は、ステップS323の処理で算出した通信可能期間を通信装置30−1及び30−2それぞれに割り当てる。例えば、算出部105は、登録された順番の早い通信装置30−1に通信装置30−2よりも通信開始の時間が早い通信可能期間を割り当てる。算出部105は、通信装置30−1及び30−2それぞれに割り当てた通信可能期間の値を、優先制御テーブルのレコードの通信可能期間の項目にそれぞれ記録する。
【0054】
通信装置30−2は、送信許可要求をGW10に送信する(ステップS324)。第1通信部101は、通信装置30−2から送信された送信許可要求を受信する。送信許可要求が受信されると、信号生成部106は送信許可要求の送信元である通信装置30−2に対する送信許可応答を生成する(ステップS325)。信号生成部106は、送信許可応答を生成する際、送信許可応答のヘッダに送信許可要求の送信元である通信装置30−2に割り当てられている通信可能期間の値を格納する。第1通信部101は、生成された送信許可応答を通信装置30−2に送信する(ステップS326)。通信装置30−2は、GW10から送信された送信許可応答を受信する。しかし、通信装置30−2が受信した送信許可応答に格納されている通信可能期間によって示される期間が経過していないため、通信装置30−2は通信可能期間が経過するまで待機する。
【0055】
信号生成部106は、影響装置(例えば、通信装置30−1)に対する送信許可応答を生成する(ステップS327)。信号生成部106は、送信許可応答を生成する際、送信許可応答のヘッダに通信装置30−1に割り当てられている通信可能期間の値を格納する。第1通信部101は、生成された送信許可応答を通信装置30−1に送信する(ステップS328)。
【0056】
通信装置30−1は、GW10から送信された送信許可応答を受信する。通信装置30−1が受信した送信許可応答に格納されている通信可能期間によって示される期間である場合、通信可能期間はGW10を介して対象サーバ20との間で接続処理を行う(ステップS329)。その後、通信装置30−1は、通信可能期間の間、対象サーバ20との間で通信を行う(ステップS330)。通信装置30−2に割り当てられている通信可能期間になると、通信装置30−1は対象サーバ20と通信を終了する。また、通信装置30−2に割り当てられている通信可能期間になると、通信装置30−2はGW10を介して対象サーバ20との間で接続処理を行う(ステップS331)。その後、通信装置30−2は、通信可能期間の間、対象サーバ20との間で通信を行う(ステップS33)。
【0057】
図10は、本実施形態におけるGW10の通信可能時間の算出処理の流れを示すフローチャートである。なお、図10では、GW10が第2モードで動作している場合を例に説明する。また、図6と同様の処理については、図10において図6と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS103の処理までの処理が終了すると、算出部105は、高優先装置の通信状態に基づいて通信可能期間を算出する(ステップS401)。具体的には、算出部105は、ステップS102の処理で優先度毎に割り当てられた通信可能期間のうち高優先の通信可能期間の値を、高優先装置の通信状態に基づいて高優先装置毎の通信可能期間を算出する。その後、算出部105は、ステップS401の処理で算出した通信可能期間を、各高優先装置に割り当てる。算出部105は、高優先装置毎に割り当てた通信可能期間の値を優先制御テーブルに記録する。
【0058】
また、接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、中優先装置の台数を確認する(ステップS402)。算出部105は、中優先装置の通信状態に基づいて通信可能期間を算出する(ステップS403)。具体的には、算出部105は、ステップS102の処理で優先度毎に割り当てられた通信可能期間のうち中優先の通信可能期間の値を、中優先装置の通信状態に基づいて中優先装置毎の通信可能期間を算出する。その後、算出部105は、ステップS403の処理で算出した通信可能期間を、各中優先装置に割り当てる。算出部105は、高優先装置毎に割り当てた通信可能期間の値を優先制御テーブルに記録する。
【0059】
また、接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、低優先装置の台数を確認する(ステップS404)。算出部105は、低優先装置の通信状態に基づいて通信可能期間を算出する(ステップS405)。具体的には、算出部105は、ステップS102の処理で優先度毎に割り当てられた通信可能期間のうち低優先の通信可能期間の値を、低優先装置の通信状態に基づいて低優先装置毎の通信可能期間を算出する。その後、算出部105は、ステップS405の処理で算出した通信可能期間を、各低優先装置に割り当てる。算出部105は、低優先装置毎に割り当てた通信可能期間の値を優先制御テーブルに記録する。
【0060】
図11及び12は、本実施形態における優先制御システム100の動作を示すシーケンス図である。なお、図11及び12では、GW10が第2モードで動作している場合を例に説明する。また、図11及び12では、通信装置30−1の主な通信はSIP(Session Initiation Protocol)通信であり、通信装置30−2の主な通信はHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)通信である。また、図8及び9と同様の処理については、図11及び12において図8及び9と同様の符号を付して説明を省略する。
【0061】
ステップS310までの処理が終了すると、算出部105は、通信状態に基づいて通信可能期間を優先度毎に算出する(ステップS501)。現時点では、GW10に接続している通信装置30が高優先装置(通信装置30−1)1台のみである。そのため、算出部105は、割り当てた通信可能期間を、高優先装置の通信状態に基づいて按分することによって通信装置30−1の通信可能期間を算出する。算出部105は、ステップS501の処理で算出した通信可能期間を通信装置30−1に割り当てる。そして、算出部105は、通信装置30−1に割り当てた通信可能期間の値を、優先制御テーブルのレコードのうち通信装置30−1に対応するレコードの通信可能期間の項目に記録する。
【0062】
通信装置30−1は、送信許可要求をGW10に送信する(ステップS502)。第1通信部101は、通信装置30−1から送信された送信許可要求を受信する。送信許可要求が受信されると、信号生成部106は送信許可応答を生成する(ステップS503)。信号生成部106は、送信許可応答を生成する際、送信許可応答のヘッダに送信許可要求の送信元である通信装置30−1に割り当てた通信可能期間の値を格納する。第1通信部101は、生成された送信許可応答を通信装置30−1に送信する(ステップS504)。
【0063】
通信装置30−2は、GW10から発出されたビーコン(高優先SSID)を受信する。通信装置30−2は、自装置(通信装置30−2)に設定されているSSID(高優先SSID)をGW10にプローブ要求する(ステップS505)。
GW10の第1通信部101は、通信装置30−2から送信されたプローブ要求を受信する。接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照し、プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが同じであるか否か判断する。プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが同じである場合、第1通信部101は通信装置30−2にプローブ応答する(ステップS506)。プローブ要求された高優先SSIDとブロードキャストした高優先SSIDとが異なる場合、第1通信部101はプローブ応答しない。
【0064】
通信装置30−2は、GW10から送信されたプローブ応答を受信する。通信装置30−2は、プローブ応答を受信すると、GW10との間で認証を行う。具体的には、通信装置30−2は、GW10との間で予め設定されている認証方式(例えば、パスワード)に従って、GW10に高優先SSIDのパスワードを送信する(ステップS507)。第1通信部101は、通信装置30−2から送信された高優先SSIDのパスワードを受信する。制御部102は、受信された高優先SSIDのパスワードと予め設定された高優先SSIDのパスワードとが一致する否か判定する。パスワードが一致する場合、第1通信部101は認証完了を示す旨の通知を通信装置30−2に送信する。また、パスワードが異なる場合、第1通信部101はエラーを通信装置30−2に送信する(ステップS508)。
【0065】
通信装置30−2は、認証が完了すると、GW10にアソシエーション要求を送信する(ステップS509)。第1通信部101は、通信装置30−2から送信されたアソシエーション要求を受信する。第1通信部101は、受信したアソシエーション要求の応答としてアソシエーション応答を通信装置30−2に送信する(ステップS510)。これにより、GW10と通信装置30−2との接続が完了する。
【0066】
接続が完了すると、制御部102は、接続が完了した通信装置30−2の情報(例えば、MACアドレス)を優先制御テーブルに記録する。より具体的には、制御部102は、受信されたアソシエーション要求に含まれるSSID(高優先SSID)に対応する優先制御テーブルのレコードに通信装置30−2の情報を記録する。接続端末監視部104は、優先制御テーブルを参照することによって自装置に接続している通信装置30の台数を確認する(ステップS511)。
【0067】
算出部105は、通信可能期間を優先度毎に算出し、算出した通信可能期間を優先度毎に割り当てる(ステップS512)。次に、算出部105は、自装置に接続している通信装置30の通信状態に基づいて通信可能期間を優先度毎に算出する(ステップS513)。現時点では、GW10に接続している通信装置30が高優先装置(通信装置30−1及び30−2)の2台である。算出部105は、割り当てた通信可能期間を、高優先装置の通信状態に基づいて按分することによって通信装置30−1及び30−2の通信可能期間をそれぞれ算出する。算出部105は、ステップS513の処理で算出した通信可能期間を通信装置30−1及び30−2それぞれに割り当てる。例えば、算出部105は、通信装置30−1の通信がSIP通信であり通信装置30−2の通信がHTTP通信であるため、通信装置30−1に通信装置30−2よりも通信開始の時間が早い通信可能期間を割り当てる。算出部105は、通信装置30−1及び30−2それぞれに割り当てた通信可能期間の値を、優先制御テーブルのレコードの通信可能期間の項目にそれぞれ記録する。
【0068】
通信装置30−2は、送信許可要求をGW10に送信する(ステップS514)。第1通信部101は、通信装置30−2から送信された送信許可要求を受信する。送信許可要求が受信されると、信号生成部106は送信許可要求の送信元である通信装置30−2に対する送信許可応答を生成する(ステップS515)。信号生成部106は、送信許可応答を生成する際、送信許可応答のヘッダに送信許可要求の送信元である通信装置30−2に割り当てられている通信可能期間の値を格納する。第1通信部101は、生成された送信許可応答を通信装置30−2に送信する(ステップS516)。通信装置30−2は、GW10から送信された送信許可応答を受信する。しかし、通信装置30−2は、受信した送信許可応答に格納されている通信可能期間によって示される期間が経過していないため、期間が経過するまで待機する。
【0069】
信号生成部106は、影響装置(例えば、通信装置30−1)に対する送信許可応答を生成する(ステップS517)。信号生成部106は、送信許可応答を生成する際、送信許可応答のヘッダに通信装置30−1に割り当てられている通信可能期間の値を格納する。第1通信部101は、生成された送信許可応答を通信装置30−1に送信する(ステップS518)。
【0070】
通信装置30−1は、GW10から送信された送信許可応答を受信する。通信装置30−1が受信した送信許可応答に格納されている通信可能期間によって示される期間であるため、通信装置30−1はGW10を介して対象サーバ20にINVITEメッセージを送信する(ステップS519)。その後、通信装置30−1と対象サーバ20との間でセッションが確立されると、通信装置30−1は通信可能期間の間、対象サーバ20との間でRTPを送受信する(ステップS520)。通信装置30−2に割り当てられている通信可能期間になると、通信装置30−1は対象サーバ20と通信を終了する。また、通信装置30−2に割り当てられている通信可能期間になると、通信装置30−2はGW10を介して対象サーバ20との間で接続処理を行う(ステップS521)。その後、通信装置30−2は、通信可能期間の間、対象サーバ20との間で通信を行う(ステップS522)。
【0071】
図13は、本実施形態における優先制御テーブルの設定変更処理の具体的な動作を示すシーケンス図である。
オペレータ端末40は、GW関連者に操作されることによってGW10に接続し、設定登録画面データを要求する(ステップS601)。GW10の第1通信部101は、オペレータ端末40から設定登録画面データの要求を受信する(ステップS602)。制御部102は、要求に応じて、設定登録画面データ記憶部109に記憶されている設定登録画面データを取得する(ステップS603)。第1通信部101は、取得された設定登録画面データをオペレータ端末40に送信する(ステップS604)。
【0072】
オペレータ端末40は、GW10から設定登録画面データを受信する。オペレータ端末40は、受信した設定登録画面データを表示する(ステップS605)。オペレータ端末40は、GW関連者に操作されることによってGW10の優先制御情報の設定内容の入力を受け付ける(ステップS606)。GW関連者による設定内容の入力が完了すると、オペレータ端末40は設定登録情報を生成し、生成した設定登録情報をGW10に送信する。設定登録情報には、設定内容の情報が格納される(ステップS607)。
【0073】
第1通信部101は、GW10から送信された設定登録情報を受信する(ステップS608)。制御部102は、受信された設定登録情報に従って優先制御テーブルの各項目(優先度、通信割合、SSID)を、GW関連者によって設定された各項目の値で上書きすることによって更新する(ステップS609)。また、制御部102は、設定登録画面データを更新する。また、制御部102は、設定登録情報に含まれる動作モードの情報に応じて自装置の動作モードを決定する。優先制御テーブルの更新が完了すると、第1通信部101は設定完了を示す通知をオペレータ端末40に送信する(ステップS610)。
【0074】
以上のように構成された優先制御システム100によれば、GW10が通信割合に基づいて優先度毎の通信可能期間を確保したうえで、自装置に接続している通信装置30の台数又は通信状態に応じて通信装置30毎の通信可能期間を算出し、通信装置30毎に割り当てる。これにより、各通信装置30は、割り当てられた通信可能期間にのみデータを送信する。したがって、互いに干渉する環境で複数のSSIDが設定されている場合であっても通信可能な期間が各通信装置30に割り当てられているため、他の通信装置の信号と干渉してしまうおそれが軽減される。また、GW関連者の通信装置30は、高優先SSIDに接続できるため、外部ユーザの通信装置30よりも優先される。そのため、互いに干渉する環境で複数のSSIDが利用されている場合であってもSSID毎の優先制御が可能になる。
【0075】
<変形例>
優先制御システム100には、複数台の対象サーバ20が接続されてもよい。また、優先制御システム100には、複数台の通信装置30が接続されてもよい。また、優先制御システム100には、複数台のオペレータ端末40が接続されてもよい。
設定登録画面は、通信装置30に表示されてもよい。
通信可能期間の情報は、ペイロードに格納されてもよい。
本実施形態では、優先制御テーブルに登録される優先度の数は3つであるが、これに限定される必要はない。例えば、優先制御テーブルには、4つ以上の優先度が登録されてもよいし、2つ優先度(例えば、高優先及び低優先)が登録されてもよい。
【0076】
GW10に接続している通信装置30の台数が1台である場合、GW10は接続している通信装置30の優先度に関わらず、通信可能期間を所定の期間(例えば、1秒間)分割り当てるように構成されてもよい。
このように構成されることによって、優先度に関わらず通信可能な通信装置30に通信可能期間を割り当てることができる。そのため、GW10に接続している通信装置30の通信効率を向上させることが可能になる。
【0077】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10…GW, 20…対象サーバ, 30(30−1〜30−N)…通信装置, 40…オペレータ端末, 50…ネットワーク, 101…第1通信部, 102…制御部, 103…優先制御情報記憶部, 104…接続端末監視部, 105…算出部, 106…信号生成部, 107…第2通信部, 108…中継部、 109…設定登録画面データ記憶部
図1
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図13