【文献】
Fancl, Japan,Cream Foundation Moisture,Mintel GNPD,2014年 5月,ID:2395041,URL,http://www.gnpd.com/sinatra/gnpd/frontpage/
【文献】
Fancl, Japan,Skincare Base Brightening UV SPF 25/PA++,Mintel GNPD,2013年 3月,ID:2064487,URL,http://www.gnpd.com/sinatra/gnpd/frontpage/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ファンデーションやサンケアなどのメイク製品は、日焼け止め効果だけでなく、汗、皮脂に強いことが要求され、そのために油中水型の剤型のものが多い。しかし、油中水型剤型は外相が油系であるため、油特有のべたつきを強く感じる場合があった。
さっぱりとしてべたつきのない使用感を出すため、また化粧持ちを向上させるために、油剤としてシリコーン油が多く使用されている。
しかし、シリコーン油は他の炭化水素やエステル油などの一般的な化粧料油剤との相溶性が悪く、均一に乳化することが困難となり、粘度低下、分離などの経時安定性に問題が生じる。
ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールを配合したクレンジングミルクが開示されている(特許文献1)。
カプリリルメチコンと特定の酸化亜鉛、揮発性シリコーン、親油性活性剤、有機変性粘土鉱物を含有する化粧料持ちと洗浄性に優れた油中水型乳化日焼け止め化粧料が開示されている(特許文献2)。カプリリルメチコンとシリコーン樹脂、日焼け止め剤を含有する日焼け止め化粧料が開示されている(特許文献3)。カプリリルメチコンと、紫外線吸収剤、デキストリン脂肪酸エステルを含有する油中水型乳化日焼け止め化粧料が開示されている(特許文献4)。カプリリルメチコンとフッ素変性シリコーン樹脂を含有する化粧料が開示されている(特許文献5)。
シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉体の表面を酸化亜鉛で被覆した複合粉体と油分を含有する油性皮膚外用剤が開示されている(特許文献6)。特定のシリコーン樹脂被覆ゴム粉末とシリコーン化プルランとシリコーン油を含有する外用組成物が開示されている(特許文献7)。シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉体と揮発性油分、不揮発性油分、水相を含む油中水型乳化化粧料が開示されている(特許文献8)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に用いるジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールは、1,3−プロパンジオールとカプリル酸及びカプリン酸からなる混合脂肪酸とのジエステルである。ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールは市販品を用いることができる。市販品としては、日清オイリオグループ製サラコスPR−85が挙げられる。
本発明に用いるジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールの配合量は0.5質量%以上5質量%以下が好ましい。0.5質量%未満では、効果が不十分な場合があり、5質量%を超えて配合しても、さらに効果が高まることは必ずしも期待できない。
【0009】
本発明に用いるカプリリルメチコンはアルキル変性トリシロキサンの一種であり、トリシロキサン骨格の2番目の(中央の)ケイ素原子に結合する2つのメチル基のうちの1つが、カプリリル基(n−オクチル基)に置換された化合物である。カプリリルメチコンは市販品を用いることができる。市販品としては、東レ・ダウコーニング製SS−3408、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製SILSOFT034が挙げられる。
本発明に用いるカプリリルメチコンの配合量は0.3質量%以上5質量%以下が好ましい。0.3質量%未満では、効果が不十分な場合があり、5質量%を超えて配合しても、さらに効果が高まることは必ずしも期待できない。
【0010】
本発明に用いるシリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体は、化粧品表示名称が「ポリシリコーン−1クロスポリマー」で特定される複合粉体であり、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコン、とシルセスキオキサンの共重合体をビスビニルジメチコンで架橋したものである。シリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体は、市販品を用いることができる。市販品として信越化学工業製KSP−411が挙げられる。
本発明に用いるシリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体の配合量は0.5質量%以上5質量%以下が好ましい。0.5質量%未満では、効果が不十分な場合があり、5質量%を超えて配合しても、さらに効果が高まることは必ずしも期待できない。
【0011】
本発明の油中水型乳化化粧料には、デキストリン脂肪酸エステルを配合することができる。デキストリン脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等が挙げられる。
本発明に用いるデキストリン脂肪酸エステルの配合量は0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。0.1質量%未満では、効果が不十分な場合があり、5質量%を超えて配合しても、さらに効果が高まることは必ずしも期待できない。
【0012】
本発明の油中水型乳化化粧料には、有機変性粘土鉱物を配合することができる。膨潤性層状ケイ酸塩であるスメクタイトは、陽イオン性粘土鉱物であり、その陽イオンを第四級アンモニウム塩等の有機カチオンで置換したものは、有機変性粘土鉱物と呼ばれる。スメクタイトに含まれる鉱物として、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、スチブンサイト、バーミキュライト、ボルコンスコイト、ソコナイト、マガダイト、ケニアライト等が挙げられる。有機カチオンとしては、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、ジメチルジパルミチルアンモニウムクロライド、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。有機変性粘土鉱物としては、ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアラルコニウムベントナイト等が挙げられる。
本発明に用いる有機変性粘土鉱物の配合量は0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。0.1質量%未満では、効果が不十分な場合があり、5質量%を超えて配合しても、さらに効果が高まることは必ずしも期待できない。
有機変性粘土鉱物を配合すると経時的に粘度が低下するという問題があったが、本発明によればそのような所定の粘度を有し、経時的な粘度低下が抑制され、安定に粘度を維持することができる。所定の粘度としては、15,000mPa・s以上が望ましく、20,000mPa・s以上がさらに望ましい。
また、経時的な安定性としては、2週間後の低下率が20%未満であることが望ましく、さらには3週間後の低下率が20%未満であることが望ましく、4週間後の低下率が20%未満であることがいっそう望ましい。
【0013】
本発明の油中水型乳化化粧料には、金属酸化物を配合することができる。紫外線遮蔽効果を付与するために、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム等の微粒子金属酸化物を配合することが好ましい。微粒子金属酸化物としては入手可能な種々の粒子径、形状のものを目的に応じて選択すればよい。例えば、酸化チタンであれば粒状、針状、紡錘状、板状、薄片状等の形状のものを、酸化亜鉛であれば球状または板状の六方晶系のものを、酸化セリウムであれば、球状のものを適宜用いることができる。また、同一物質の異なる粒子径や形状のものを組み合わせて用いても、2以上の物質を任意に組み合わせて用いても良い。
【0014】
微粒子金属酸化物は、その一次粒子の平均粒子径が1nm〜100nm、より好ましくは5〜50nmのものが好適に用いられる。
【0015】
微粒子金属酸化物の一次粒子の平均粒子径が100nmより大きくなると、粒子の可視光に対する散乱が大きくなるため、可視光の透過性、即ち透明性が低下する。
【0016】
微粒子金属酸化物の表面活性を低下させるため、シリカ、水酸化アルミニウムなどにて表面が被覆されているものが好適に用いられる。
【0017】
更に微粒子金属酸化物の油性成分への分散性を向上させるため、その表面の一部または全部を疎水化処理剤にて処理したものを好ましく用いることができる。疎水化表面処理剤としては、シリコーン処理剤、脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等が挙げられる。シリコーン処理剤としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどの各種のシリコーンオイルや、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどの各種のアルキルシランや、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランなどの各種のフルオロアルキルシランなどが挙げられる。脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12―ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。脂肪酸石鹸としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12―ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらはいずれも一般的に化粧料の調製の際の微粒子金属酸化物の疎水化処理に用いられるものであり、特に限定されるものではないが、メチルポリシロキサン処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理が好ましく用いられる。
【0018】
本発明の油中水型乳化化粧料への微粒子金属酸化物の配合量は、微粒子金属酸化物の種類、所望する紫外線遮蔽性等に基づき適宜設定すればよく、特に限定されないが、油中水型乳化化粧料の1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%とされる。
【0019】
本発明の油中水型乳化化粧料には、エステル油、植物油のような油脂類、炭化水素類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、多価アルコール類、糖類、糖アルコール類、水溶性高分子、増粘剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤、等を含有させることができる。ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
【0020】
エステル油として、例えば、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸1,3−ブチレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸1,3−ブチレングリコール、ジイソノナン酸ジプロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ジプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
油脂類として、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
炭化水素類として、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
【0021】
高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
シリコン油として、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのシクロメチコン等が挙げられる。
【0022】
アニオン界面活性剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤として、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤として、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤として、例えば、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、PEG−9ジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG/PPG−19/19ジメチコン等のシリコン系界面活性剤類、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体が挙げられる。
【0023】
多価アルコール類として、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
糖類、糖アルコール類として、例えば、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、トレハロース、スクロース、キシリトール、マルトース、ラクトース等が挙げられる。
【0024】
水溶性高分子として、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルハイドロキシプロピルセルロース、ハイドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
増粘剤として、例えば、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル等を挙げることができる。
【0025】
防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
【0026】
紫外線吸収剤として、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジハイドロキシベンゾフェノン、等を配合することができる。しかしながら、安全性を高めるためには紫外線吸収剤を配合しないことが好ましい。
【0027】
保湿剤として、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0028】
薬効成分として、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。
【0029】
グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等を挙げることができる。
さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を挙げることができる。
【0030】
本発明の油中水型乳化化粧料は、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールとカプリリルメチコンとシリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体を含み、さらにデキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物、および金属酸化物を含むことが好ましい。これらの各成分の配合量としては、上述のとおりであるが、さらに好ましい配合例としては以下が挙げられる。
ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール 0.1〜1.5重量%
カプリリルメチコン 0.1〜1.5重量%
シリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体 0.1〜2重量%
デキストリン脂肪酸エステル 0.1〜2重量%
有機変性粘土鉱物 0.1〜1重量%
金属酸化物 5〜30重量%
また、よりいっそう好ましい配合例としては以下が挙げられる。
ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール 0.5〜1.0重量%
カプリリルメチコン 0.5〜1.0重量%
シリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体 0.5〜1.5重量%
デキストリン脂肪酸エステル 0.5〜1.5重量%
有機変性粘土鉱物 0.1〜0.6重量%
金属酸化物 15〜25重量%
【0031】
本発明の油中水型乳化化粧料は、油相成分と共に水相成分が配合される。水相成分は、水もしくは水を主成分とする水相に、これに各種水溶性成分を含むものである。具体的には、水のほかに、ソルビトールや塩化ナトリウムを含む水溶液が挙げられる。水相成分は、油中水型乳化化粧料全量に対して、30〜60重量%配合することが望ましい。
水相成分は30重量%未満であると、粘度が低くなり、クリーム状になりにくい場合がある。また、60重量%を超えると油中水型乳化組成物とすることが困難である。
【0032】
本発明の油中水型乳化化粧料の調製方法は、例えば、次のように行う。
シリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体、油剤の一部、有機変性粘土鉱物、乳化剤、粉体を室温で混合し、高温で混合溶解した残りの油剤、増粘剤混合物を高温のまま添加し、撹拌混合し、室温まで冷却し、室温で混合した水相を徐々に添加しながら撹拌する。
【実施例】
【0033】
表1の組成にて、油中水型乳化化粧料を調製した。シリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体(1)、油剤(3)、(4)、有機変性粘土鉱物(7)、乳化剤(8)〜(12)、粉体(13)〜(17)を室温で混合し、90℃で混合溶解した油剤(2)、(5)、増粘剤(6)混合物を高温のまま添加し、撹拌混合し、室温まで冷却する。室温で混合した水相(18)〜(20)を徐々に添加しながら撹拌し、油中水型乳化化粧料を調製した。
【0034】
【表1】
【0035】
(主な成分の入手先)
1 ポリシリコーン−1クロスポリマー:信越化学工業製KSP−411
2 ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール:日清オイリオグループ製サラコスPR−85
3 カプリリルメチコン:東レ・ダウコーニング製SS−3408
6 パルミチン酸デキストリン:千葉製粉製レオパールKL2
7 ジステアルジモニウムヘクトライト:日光ケミカルズ製NIKKOLニコムルスWO由来
【0036】
(評価方法)
1.粘度の測定
粘度はB型粘度計、ローターNo.4、12rpm、30秒の条件で測定した。
【0037】
2.調製翌日粘度の評価
粘度15,000以上30,000以下を○、粘度10,000以上15,000未満を△、粘度10,000未満を×とした。
【0038】
3.粘度の経時安定性
室温保管1か月後の粘度変化が±30%未満を○、±30%以上50%未満を△、±50%以上を×とした。
【0039】
4.使用感(のび)
専門パネラー10名に「のび」を評価させた。評価基準は以下の通りとした。
よい :3点
ふつう:2点
わるい:1点
上記評価基準にもとづき専門パネラーの点数を集計し、以下の基準により評価した。
23点以上 :○
18点以上22点以下:△
17点以下 :×
【0040】
5.SPF測定:
油中水乳化化粧料をPMMAプレート(HelioScreen Laboratoire社製)に1.3mg/cm
2になるよう均一に塗布し、SPFAnalyzer UV-2000S (Labsphere社製)にてin-vitro SPF値の測定を行った。
【0041】
(評価結果)
ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールとカプリリルメチコンとシリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体を含む実施例1は、20,000mPa・s以上の粘度を有し、経時的な粘度低下も抑制され、使用感(のび)もよく、紫外線遮蔽効果も高いものであった。
一方、カプリルメチコンを含まない比較例1、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールを含まない比較例2、シリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体を含まない比較例3は、経時的な粘度低下により、1か月後には、約1/3以下にまで低下し、また、使用感(のび)や紫外線遮蔽効果も満足できるようなものではなかった。
【0042】
【0043】
【0044】