(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示するメンテナンスサーバ、テーブル更新プログラム及びテーブル更新方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示するメンテナンスサーバ、テーブル更新プログラム及びテーブル更新方法が限定されるものではない。また、各実施例において同一の機能を有する構成、及び、同一の処理を行うステップには同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
また、以下の実施例では、リモートメンテナンスの対象となる端末装置として、ATM端末を一例に挙げて説明する。しかし、開示の技術が適用可能な端末装置は、ATM端末に限定されない。開示の技術は、通信機能を有するあらゆる端末装置に適用可能である。
【0011】
[実施例1]
<リモートメンテナンスシステムの構成>
図1は、実施例1のリモートメンテナンスシステムの構成例を示す図である。
図1に示すリモートメンテナンスシステム1は、メンテナンスサーバ10と、ATM端末20−1〜20−3とを有する。メンテナンスサーバ10と、ATM端末20−1〜20−3とは、ネットワーク30を介して接続されている。
【0012】
以下では、ATM端末20−1〜20−3を区別しない場合には、ATM端末20と総称することがある。また、
図1では3台のATM端末を一例として挙げているが、メンテナンスサーバ10に接続可能なATM端末の台数は3台に限定されない。
【0013】
<ATM端末の構成>
図2は、実施例1のATM端末の一例を示す機能ブロック図である。
図2に示すATM端末20は、端末情報記憶部21と、端末情報取得部22と、ネットワーク30に接続された通信部23と、メンテナンス実行部24とを有する。
【0014】
端末情報記憶部21は、ATM端末20の端末情報を記憶する。
図3は、実施例1の端末情報の一例を示す図である。
図3に示すように、端末情報は、端末IDと、IPアドレスと、銀行コードと、店番号と、機番と、機種コードとを有する。端末IDは、ATM端末20−1〜20−3のそれぞれを一意に特定するIDである。IPアドレスは、ATM端末20−1〜20−3毎に異なるものであり、メンテナンスサーバ10から送信される制御コマンドの宛先を示す。銀行コードは、金融機関毎に異なるコードである。店番号は、ATM端末20−1〜20−3が設置されている店舗や場所を特定するものである。機番は、同一店舗内の複数のATM端末20に対してそれぞれ付与される互いに異なる番号である。機種コードは、ATM端末20−1〜20−3のそれぞれの機種を特定するコードである。端末情報は、ATM端末20−1〜20−3のそれぞれが設置されるときに各ATM端末に個別に設定されて、端末情報記憶部21に記憶される。
【0015】
端末情報取得部22は、ATM端末20の起動時に、端末情報記憶部21から端末情報を取得して、取得した端末情報を通信部23に出力する。
【0016】
通信部23は、端末情報取得部22から入力された端末情報をネットワーク30を介してメンテナンスサーバ10へ送信する。また、通信部23は、メンテナンスサーバ10から送信された制御コマンドをネットワーク30を介して受信し、受信した制御コマンドをメンテナンス実行部24に出力する。
【0017】
メンテナンス実行部24は、通信部23から入力された制御コマンドに従って、ATM端末20の各種のメンテナンスを行う。例えば、メンテナンス実行部24は、ATM端末20に記憶されているソフトウェアを、制御コマンドに従って修正する。
【0018】
<メンテナンスサーバの構成>
図4は、実施例1のメンテナンスサーバの一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すメンテナンスサーバ10は、ネットワーク30に接続された通信部11と、テーブル更新部12と、メンテナンステーブル記憶部13と、コマンド発行部14とを有する。
【0019】
通信部11は、ATM端末20−1〜20−3からそれぞれ送信された端末情報をネットワーク30を介して受信し、受信した端末情報をテーブル更新部12に出力する。また、通信部11は、コマンド発行部14から入力される制御コマンドをIPアドレスに従ってATM端末20−1〜20−3のそれぞれへネットワーク30を介して送信する。
【0020】
メンテナンステーブル記憶部13は、メンテナンステーブルを記憶する。
図5は、実施例1のメンテナンステーブルの一例を示す図である。ここでは、ATM20−1の端末IDを「ATM1」、ATM20−2の端末IDを「ATM2」、ATM20−3の端末IDを「ATM3」とする。メンテナンステーブルに登録されているATM端末20が、リモートメンテナンスの対象となる。
図5に示すメンテナンステーブルにおいて、「稼働フラグ」は、「1」または「0」の値を採り、毎日定刻でのATM端末20の稼働状況を示す。すなわち、ある日の定刻において、電源がオンになっていて稼働しているATM端末20の稼働フラグは「1」となり、電源がオフになっているか、または、撤去されていて稼働していないATM端末20の稼働フラグは「0」となる。
【0021】
テーブル更新部12は、通信部11から入力された端末情報に基づいて、メンテナンステーブル記憶部13に記憶されているメンテナンステーブルを更新する。
【0022】
コマンド発行部14は、リモートメンテナンスのための制御コマンドを発行する。コマンド発行部14は、制御コマンドを発行する際に、メンテナンステーブル記憶部13に記憶されているメンテナンステーブルを参照し、メンテナンステーブルからATM端末20−1〜20−3の各IPアドレスを取得する。コマンド発行部14は、制御コマンドに各IPアドレスをヘッダとして付加し、IPアドレス付加後の制御コマンドを通信部11に出力する。
【0023】
<リモートメンテナンスシステムの動作>
図6は、実施例1のリモートメンテナンスシステムの動作の説明に供する図である。
図6では、メンテナンステーブルの更新状況が時系列に示されている。なお、
図6におけるメンテナンステーブルでは、説明を簡潔にするために、メンテナンステーブルの各項目のうち、端末IDと、稼働フラグだけが示されている。また、ATM1はATM端末20−1に相当し、ATM2はATM端末20−2に相当し、ATM3はATM端末20−3に相当する。また、
図6における各時刻は24時間表示されている。
【0024】
3月1日16時に、ATM1、ATM2、ATM3が新設された。ATM1、ATM2は、銀行の店舗に設置されたものであり、ATM1、ATM2の稼働時間は8時〜22時である。このため、ATM1、ATM2の電源は、毎日8時に自動的にオンになり、毎日22時に自動的にオフになるように設定されている。一方で、ATM3は、24時間営業のコンビニエンスストアに設置されたものであり、24時間稼働のATMである。このため、ATM3は、毎日2時に再起動するように設定されている。
【0025】
3月2日2時に電源がオンになったATM3は、起動後、メンテナンスサーバ10との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ10へ送信する。ATM3の端末情報を受信したメンテナンスサーバ10では、テーブル更新部12が、メンテナンステーブルにATM3の端末情報を登録する。また、テーブル更新部12は、ATM3の稼働フラグを「1」にセットする。
【0026】
3月2日8時に電源がオンになったATM1、ATM2は、起動後、メンテナンスサーバ10との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ10へ送信する。ATM1、ATM2の各端末情報を受信したメンテナンスサーバ10では、テーブル更新部12が、メンテナンステーブルにATM1の端末情報とATM2の端末情報とを追加する。また、テーブル更新部12は、ATM1、ATM2の稼働フラグを「1」にセットする。
【0027】
テーブル更新部12は、毎日の定刻10時に、稼働フラグが「0」の端末情報をメンテナンステーブルから削除した後に、残りの端末情報の稼働フラグを「0」にリセットする。3月2日10時の時点では、ATM1、ATM2、ATM3の稼働フラグがすべて「1」であるため、メンテナンステーブルから削除される端末情報はない。そこで、テーブル更新部12は、3月2日10時に、ATM1、ATM2、ATM3の稼働フラグを「0」にリセットする。
【0028】
3月2日22時には、ATM1、ATM2の電源がオフになる。
【0029】
3月3日2時に再起動されたATM3は、起動後、メンテナンスサーバ10との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ10へ送信する。ATM3の端末情報を受信したメンテナンスサーバ10では、テーブル更新部12は、メンテナンステーブルに稼働フラグ「0」のATM3の端末情報が存在するので、ATM3の稼働フラグを「0」から「1」に更新する。
【0030】
ここで、特別なスケジュールの発生により、3月3日のATM2の起動時刻が8時から14時に変更された。
【0031】
よって、3月3日8時には、ATM1、ATM2のうち、ATM1の電源だけがオンになる。電源がオンになったATM1は、起動後、メンテナンスサーバ10との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ10へ送信する。ATM1の端末情報を受信したメンテナンスサーバ10では、テーブル更新部12は、メンテナンステーブルに稼働フラグ「0」のATM1の端末情報が存在するので、ATM1の稼働フラグを「0」から「1」に更新する。
【0032】
よって、3月3日10時の時点では、ATM1、ATM3の稼働フラグは「1」であるのに対し、ATM2の稼働フラグは「0」である。そこで、テーブル更新部12は、3月3日10時に、メンテナンステーブルからATM2の端末情報を削除する。また、テーブル更新部12は、ATM2の端末情報を削除後、ATM1、ATM3の稼働フラグを「0」にリセットする。
【0033】
3月3日14時には、ATM2の電源がオンになる。電源がオンになったATM2は、起動後、メンテナンスサーバ10との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ10へ送信する。ATM2の端末情報を受信したメンテナンスサーバ10では、テーブル更新部12が、メンテナンステーブルにATM2の端末情報が存在するか否かを確認する。ここでは、メンテナンステーブルにATM2の端末情報が存在しないので、テーブル更新部12は、ATM2の端末情報をメンテナンステーブルに追加する。また、テーブル更新部12は、ATM2の稼働フラグを「1」にセットする。
【0034】
3月3日22時には、ATM1、ATM2の電源がオフになる。
【0035】
3月4日2時に再起動されたATM3は、起動後、メンテナンスサーバ10との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ10へ送信する。ATM3の端末情報を受信したメンテナンスサーバ10では、テーブル更新部12は、メンテナンステーブルに稼働フラグ「0」のATM3の端末情報が存在するので、ATM3の稼働フラグを「0」から「1」に更新する。
【0036】
3月4日8時にはATM1、ATM2の電源がオンになる。電源がオンになったATM1、ATM2は、起動後、メンテナンスサーバ10との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ10へ送信する。ATM1、ATM2の各端末情報を受信したメンテナンスサーバ10では、テーブル更新部12は、メンテナンステーブルに稼働フラグ「0」のATM1の端末情報が存在するので、ATM1の稼働フラグを「0」から「1」に更新する。また、テーブル更新部12は、メンテナンステーブルに稼働フラグ「1」のATM2の端末情報が存在するので、ATM2の稼働フラグを「1」のまま維持する。
【0037】
そして、3月4日10時の時点では、ATM1、ATM2、ATM3の稼働フラグがすべて「1」であるため、メンテナンステーブルから削除される端末情報はない。そこで、テーブル更新部12は、3月4日10時に、ATM1、ATM2、ATM3の稼働フラグを「0」にリセットする。
【0038】
よって、3月2日10時から3月3日10時までは、3月2日10時の時点で稼働しているATM1、ATM2、ATM3がメンテナンステーブルに含まれるため、ATM1、ATM2、ATM3がリモートメンテナンスの対象となる。また、3月3日10時から3月3日14時までは、3月3日10時の時点で稼働しているATM1、ATM3がメンテナンステーブルに含まれるため、ATM1、ATM3がリモートメンテナンスの対象となる。そして、3月3日14時にATM2がメンテナンステーブルに追加されるため、3月3日14時から3月4日10時まではATM1、ATM2、ATM3がリモートメンテナンスの対象となる。
【0039】
<メンテナンスサーバの処理>
図7は、実施例1のメンテナンスサーバの処理の説明に供するフローチャートである。
図7に示すフローチャートは、メンテナンスサーバ10の電源がオンになったときに開始され、オフになったときに終了する。
【0040】
テーブル更新部12は、現在時刻が定刻か否かを判断する(ステップS01)。現在時刻が定刻でないときは(ステップS01:No)、処理はステップS05に進む。
【0041】
現在時刻が定刻であるときは(ステップS01:Yes)、テーブル更新部12は、メンテナンステーブルに登録されている各端末情報の稼働フラグを確認する(ステップS02)。そして、テーブル更新部12は、稼働フラグが「0」の端末情報をメンテナンステーブルから削除した後(ステップS03)、メンテナンステーブルに残った端末情報の稼働フラグを「1」から「0」にリセットする(ステップS04)。
【0042】
次いで、テーブル更新部12は、端末情報が受信されたか否か、つまり、通信部11から端末情報が入力されたか否かを判断する(ステップS05)。端末情報が受信されていないときは(ステップS05:No)、処理はステップS01に戻る。
【0043】
端末情報が受信されると(ステップS05:Yes)、テーブル更新部12は、受信された端末情報の端末IDがメンテナンステーブルに存在するか否かを判断する(ステップS06)。
【0044】
受信された端末情報の端末IDがメンテナンステーブルに存在するときは(ステップS06:Yes)、テーブル更新部12は、その端末IDに対応する稼働フラグを「1」に更新する(ステップS07)。稼働フラグの更新後、処理はステップS01に戻る。
【0045】
受信された端末情報の端末IDがメンテナンステーブルに存在しないときは(ステップS06:No)、テーブル更新部12は、その端末情報をメンテナンステーブルに追加するとともに、その端末情報に対応する稼働フラグを「1」にセットする(ステップS08)。端末情報のメンテナンステーブルへの追加後、処理はステップS01に戻る。
【0046】
[実施例2]
実施例2では、リモートメンテナンスシステムの構成及びATM端末の構成は実施例1と同様であるため、説明を省略する。但し、実施例2のメンテナンステーブルは、
図5に示したメンテナンステーブルから「稼働フラグ」の項目を削除したものになる。以下、実施例2では、メンテナンスサーバの構成と、リモートメンテナンスシステムの動作と、メンテナンスサーバの処理とについて説明する。
【0047】
<メンテナンスサーバの構成>
図8は、実施例1のメンテナンスサーバの一例を示す機能ブロック図である。
図8に示すメンテナンスサーバ40は、ネットワーク30に接続された通信部11と、テーブル更新部41と、テンポラリテーブル記憶部42と、メンテナンステーブル記憶部13と、コマンド発行部14とを有する。
【0048】
テーブル更新部41は、通信部11から入力された端末情報に基づいて、テンポラリテーブル記憶部42に記憶されているテンポラリテーブル、及び、メンテナンステーブル記憶部13に記憶されているメンテナンステーブルを更新する。テンポラリテーブルは、メンテナンステーブルと同一の項目を有する。
【0049】
<リモートメンテナンスシステムの動作>
図9は、実施例2のリモートメンテナンスシステムの動作の説明に供する図である。
図9では、テンポラリテーブル及びメンテナンステーブルの更新状況が時系列に示されている。なお、
図9におけるテンポラリテーブル及びメンテナンステーブルでは、説明を簡潔にするために、各項目のうち端末IDだけが示されている。また、テンポラリテーブル及びメンテナンステーブルは、
図5に示した各項目のうち「稼働フラグ」以外の項目を有する。つまり、本実施例では、「稼働フラグ」は不要である。また、ATM1はATM端末20−1に相当し、ATM2はATM端末20−2に相当し、ATM3はATM端末20−3に相当する。また、
図9における各時刻は24時間表示されている。
【0050】
3月1日16時に、ATM1、ATM2、ATM3が新設された。ATM1、ATM2は、銀行の店舗に設置されたものであり、ATM1、ATM2の稼働時間は8時〜22時である。このため、ATM1、ATM2の電源は、毎日8時に自動的にオンになり、毎日22時に自動的にオフになるように設定されている。一方で、ATM3は、24時間営業のコンビニエンスストアに設置されたものであり、24時間稼働のATMである。このため、ATM3は、毎日2時に再起動するように設定されている。
【0051】
3月2日2時に電源がオンになったATM3は、起動後、メンテナンスサーバ40との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ40へ送信する。ATM3の端末情報を受信したメンテナンスサーバ40では、テーブル更新部41が、テンポラリテーブルにATM3の端末情報を登録する。
【0052】
3月2日8時に電源がオンになったATM1、ATM2は、起動後、メンテナンスサーバ40との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ40へ送信する。ATM1、ATM2の各端末情報を受信したメンテナンスサーバ40では、テーブル更新部41が、テンポラリステーブルにATM1の端末情報とATM2の端末情報とを追加する。
【0053】
テーブル更新部41は、毎日の定刻10時に、メンテナンステーブル記憶部13に記憶されているメンテナンステーブルを、テンポラリテーブル記憶部42に記憶されているテンポラリテーブルによって全更新する。よって、3月2日10時に、テーブル更新部41は、ATM1、ATM2、ATM3の各端末情報が登録されているテンポラリテーブルによってメンテナンステーブルを全更新する。全更新後、テーブル更新部41は、テンポラリテーブルをクリアする。
【0054】
3月2日22時には、ATM1、ATM2の電源がオフになる。
【0055】
3月3日2時に再起動されたATM3は、起動後、メンテナンスサーバ40との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ40へ送信する。ATM3の端末情報を受信したメンテナンスサーバ40では、テーブル更新部41が、テンポラリテーブルにATM3の端末情報を登録する。
【0056】
ここで、特別なスケジュールの発生により、3月3日のATM2の起動時刻が8時から14時に変更された。
【0057】
よって、3月3日8時には、ATM1、ATM2のうち、ATM1の電源だけがオンになる。電源がオンになったATM1は、起動後、メンテナンスサーバ40との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ40へ送信する。ATM1の端末情報を受信したメンテナンスサーバ40では、テーブル更新部41が、テンポラリテーブルにATM1の端末情報を追加する。
【0058】
よって、3月3日10時の時点では、テンポラリテーブルには、ATM1の端末情報とATM3の端末情報とが存在するが、ATM2の端末情報は存在しない。よって、テーブル更新部41は、3月3日10時に、ATM1、ATM3の各端末情報が登録されているテンポラリテーブルによってメンテナンステーブルを全更新する。全更新後、テーブル更新部41は、テンポラリテーブルをクリアする。
【0059】
3月3日14時には、ATM2の電源がオンになる。電源がオンになったATM2は、起動後、メンテナンスサーバ40との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ40へ送信する。ATM2の端末情報を受信したメンテナンスサーバ40では、テーブル更新部41が、メンテナンステーブルにATM2の端末情報が存在するか否かを確認する。ここでは、メンテナンステーブルにATM2の端末情報が存在しないので、テーブル更新部41は、ATM2の端末情報をメンテナンステーブルに追加する。
【0060】
3月3日22時には、ATM1、ATM2の電源がオフになる。
【0061】
3月4日2時に再起動されたATM3は、起動後、メンテナンスサーバ40との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ40へ送信する。ATM3の端末情報を受信したメンテナンスサーバ40では、テーブル更新部41が、テンポラリテーブルにATM3の端末情報を登録する。
【0062】
3月4日8時にはATM1、ATM2の電源がオンになる。電源がオンになったATM1、ATM2は、起動後、メンテナンスサーバ40との通信が確立すると、自端末の端末情報をメンテナンスサーバ40へ送信する。ATM1、ATM2の各端末情報を受信したメンテナンスサーバ40では、テーブル更新部41が、テンポラリテーブルにATM1の端末情報とATM2の端末情報とを追加する。
【0063】
よって、3月4日10時の時点では、テンポラリテーブルには、ATM1、ATM2、ATM3の各端末情報が存在する。テーブル更新部41は、3月4日10時に、ATM1、ATM2、ATM3の各端末情報が登録されているテンポラリテーブルによってメンテナンステーブルを全更新する。全更新後、テーブル更新部41は、一時記憶テーブルをクリアする。
【0064】
よって、実施例1と同様に、3月2日10時から3月3日10時までは、3月2日10時の時点で稼働しているATM1、ATM2、ATM3がメンテナンステーブルに含まれるため、ATM1、ATM2、ATM3がリモートメンテナンスの対象となる。また、3月3日10時から3月3日14時までは、3月3日10時の時点で稼働しているATM1、ATM3がメンテナンステーブルに含まれるため、ATM1、ATM3がリモートメンテナンスの対象となる。そして、3月3日14時にATM2がメンテナンステーブルに追加されるため、3月3日14時から3月4日10時まではATM1、ATM2、ATM3がリモートメンテナンスの対象となる。
【0065】
<メンテナンスサーバの処理>
図10は、実施例2のメンテナンスサーバの処理の説明に供するフローチャートである。
図10に示すフローチャートは、メンテナンスサーバ40の電源がオンになったときに開始され、オフになったときに終了する。
【0066】
テーブル更新部41は、現在時刻が定刻か否かを判断する(ステップS01)。現在時刻が定刻でないときは(ステップS01:No)、処理はステップS05に進む。
【0067】
現在時刻が定刻であるときは(ステップS01:Yes)、テーブル更新部41は、メンテナンステーブル記憶部13に記憶されているメンテナンステーブルを、テンポラリテーブル記憶部42に記憶されているテンポラリテーブルによって全更新し、全更新後、テンポラリテーブルをクリアする(ステップS71)。
【0068】
次いで、テーブル更新部41は、端末情報が受信されたか否か、つまり、通信部11から端末情報が入力されたか否かを判断する(ステップS05)。端末情報が受信されていないときは(ステップS05:No)、処理はステップS01に戻る。
【0069】
端末情報が受信されると(ステップS05:Yes)、テーブル更新部41は、受信された端末情報の端末IDがメンテナンステーブルに存在するか否かを判断する(ステップS06)。
【0070】
受信された端末情報の端末IDがメンテナンステーブルに存在するときは(ステップS06:Yes)、テーブル更新部41は、その端末情報をテンポラリテーブルに追加する(ステップS72)。端末情報のテンポラリテーブルへの追加後、処理はステップS01に戻る。
【0071】
受信された端末情報の端末IDがメンテナンステーブルに存在しないときは(ステップS06:No)、テーブル更新部41は、その端末情報をメンテナンステーブルに追加する(ステップS08)。端末情報のメンテナンステーブルへの追加後、処理はステップS01に戻る。
【0072】
以上、実施例1、2の各実施例について説明した。
【0073】
以上のように、上記の各実施例では、メンテナンステーブルには、リモートメンテナンスの対象であるATM端末20の情報が登録される。テーブル更新部12,41は、ATM端末20の起動時にATM端末20から送信される情報に基づいて毎日定刻(例えば、毎日10時)にメンテナンステーブルを更新して、定刻に稼働しているATM端末20をリモートメンテナンス対象としてメンテナンステーブルに含める一方で、定刻に稼働していないATM端末20をメンテナンステーブルに含めない。
【0074】
こうすることで、メンテナンスサーバ10,40では、各ATM端末20の起動時に自動的に各ATM端末20から端末情報が収集されてメンテナンステーブルが更新されるため、メンテナンス作業者の作業負担を軽減できるとともに、端末情報の登録ミス及び削除ミスを防ぐことができる。
【0075】
また、上記の各実施例では、テーブル更新部12,41は、定刻に稼働していないATM端末20が定刻以降に起動したときに、その起動時点でそのATM端末20をリモートメンテナンス対象としてメンテナンステーブルに含める。
【0076】
こうすることで、定刻以外の時刻でもリモートメンテナンス対象のATM端末20をメンテナンステーブルに追加することができるため、メンテナンステーブルへの登録漏れを防ぐことができる。
【0077】
[他の実施例]
[1]メンテナンスサーバ10,40は、例えば、次のようなハードウェア構成により実現することができる。
図11は、メンテナンスサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図11に示すように、メンテナンスサーバ10,40は、ハードウェアの構成要素として、プロセッサ10aと、メモリ10bと、ネットワークインタフェースモジュール10cとを有する。プロセッサ10aの一例として、CPU(Central Processing Unit),DSP(Digital Signal Processor),FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。また、メンテナンスサーバ10は、プロセッサ10aと周辺回路とを含むLSI(Large Scale Integrated circuit)を有してもよい。メモリ10bの一例として、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられる。通信部11は、ネットワークインタフェースモジュール10cによって実現される。テーブル更新部12,41と、コマンド発行部14とは、プロセッサ10aによって実現される。メンテナンステーブル記憶部13と、テンポラリテーブル記憶部42とは、メモリ10bによって実現される。
【0078】
そして、メンテナンスサーバ10,40での上記説明における各処理は、各処理に対応するプログラムをプロセッサ10aに実行させることによって実現してもよい。例えば、上記説明における各処理に対応するプログラムがメモリ10bまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部に記憶され、プログラムがプロセッサ10aによって記憶部から読み出されて実行されてもよい。
【0079】
[2]ATM端末20は、例えば、次のようなハードウェア構成により実現することができる。
図12は、ATM端末のハードウェア構成例を示す図である。
図12に示すように、ATM端末20は、ハードウェアの構成要素として、プロセッサ20aと、メモリ20bと、入出金機構20cと、ネットワークインタフェースモジュール20dとを有する。プロセッサ20aの一例として、CPU,DSP,FPGA等が挙げられる。また、ATM端末20は、プロセッサ20aと周辺回路とを含むLSIを有してもよい。メモリ20bの一例として、SDRAM等のRAM,ROM,フラッシュメモリ等が挙げられる。通信部23は、ネットワークインタフェースモジュール20dによって実現される。端末情報取得部22と、メンテナンス実行部24とは、プロセッサ20aによって実現される。端末情報記憶部21は、メモリ20bによって実現される。
【0080】
そして、ATM端末20での上記説明における各処理は、各処理に対応するプログラムをプロセッサ20aに実行させることによって実現してもよい。例えば、上記説明における各処理に対応するプログラムがメモリ20bに記憶され、プログラムがプロセッサ20aによってメモリ20bから読み出されて実行されてもよい。