特許第6205320号(P6205320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6205320飛行機の補助動力ユニットの起動機の性能検出の方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205320
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】飛行機の補助動力ユニットの起動機の性能検出の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20170914BHJP
   B64D 41/00 20060101ALI20170914BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20170914BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F02C7/00 A
   B64D41/00
   B64D47/00
   F01D25/00 W
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-151115(P2014-151115)
(22)【出願日】2014年7月24日
(65)【公開番号】特開2015-38347(P2015-38347A)
(43)【公開日】2015年2月26日
【審査請求日】2017年6月28日
(31)【優先権主張番号】201310313849.X
(32)【優先日】2013年7月24日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512162041
【氏名又は名称】エア チャイナ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グ,ジュピン
(72)【発明者】
【氏名】フアン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ディン,フイフェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジアジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジェン,フェンリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】シー,グオガン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,レイ
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−18482(JP,A)
【文献】 特開2013−28341(JP,A)
【文献】 特開2013−19413(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0260390(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0195248(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0149550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00
B64D 41/00
B64D 47/00
F01D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機上補助動力ユニット(APU)の起動機の性能を検出する方法であって、
起動機システムによって前記APUを回転させるステップと、
ある期間中の複数の時点のAPU関連メッセージを獲得するステップと、
前記メッセージに基づいて前記APUの起動機の、起動時間(STA)を含む運行パラメータを獲得するステップと、
前記期間中の前記STAの平均値AVG及び偏差指数δを計算するステップと、
前記偏差指数δに基づいて前記APUの起動機の性能が、安定期、衰退期、又は故障期にあることを確定するステップであって、
前記偏差指数δが衰退閾値より小さいことに応えて、前記APUの起動機の性能が安定期にあることを確定するステップと、
前記偏差指数δが前記衰退閾値より大きく且つ故障閾値より小さいことに応えて、前記APUの起動機の性能が衰退期にあることを確定するステップと、
前記偏差指数δが前記故障閾値より大きいことに応えて、前記APUの起動機の性能が故障期にあることを確定するステップと、を含む確定するステップと、
前記APUの起動機が安定期にある時に前記偏差指数δを確定するステップと、を含み、
前記衰退閾値は、安定した前記偏差指数δの約1.5〜2.0倍であり、故障閾値は、安定した前記偏差指数δの約2〜3倍である、方法。
【請求項2】
前記期間は約2〜3日である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記期間中に約5〜10のAPU関連メッセージを獲得する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
直後のAPU関連メッセージについてSTAを確定するステップと、
次の前記STAがAVG+nδより大きいことに応えて、次のAPU関連メッセージに基づいて得られるSTA+1がAVG+nδより大きいかどうかを確定するステップと、
APU関連メッセージに基づいて得られる前記STAが継続的にAVG+nδより大きい回数が、予め設定された警報の回数Zを超えることに応えて、警報を送出するステップと、をさらに含み、
nは2〜5の値であり、Zは3〜5の値である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
APU関連メッセージに基づいて得られる前記STAがAVG+nδより小さいことに応えて、前記STAの平均値AVG及び偏差指数δを再計算する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
APU関連メッセージに基づいて得られる継続的にAVG+nδより大きいSTAが、予め設定された警報の回数Zを超えることに応えて、前記STAの平均値AVG及び偏差指数δを再計算する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
nは2又は3であり、Zは3である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記偏差指数δは標準偏差である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
APUの燃油ユニットが正常に作動していることを確定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
APUの他のパラメータが正常のままであることを確定するステップをさらに含み、前記他のパラメータは、APU排気温度EGT、引起圧力PT、吸気口インペラ角度IGV及びAPUのタービン効率NPAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
機上補助動力ユニット(APU)の起動機の性能検出装置であって、
処理機、及び、以下のユニットを実行することを前記処理機に命令するためのコンピュータ読み取り可能なコードを記憶するメモリと、
起動機システムによって前記APUを回転させるように構成された回転ユニットと、
既定の期間中のAPU関連メッセージを獲得するように構成されたメッセージ獲得ユニットと、
前記APU関連メッセージに基づいて前記APUの起動機の運行パラメータを解析するように構成されたメッセージ解析ユニットであって、前記運行パラメータは、前記既定の期間中の起動時間(STA)を含む、メッセージ解析ユニットと、
前記既定の期間中の前記STAに基づいて前記APUの起動機の性能が、安定期、衰退期、深刻衰退期又は故障期にあることを、
前記既定の期間中の前記STAの偏差指数δが衰退閾値より小さいことに応えて、前記APUの起動機の性能が安定期にあることを確定するステップと、
前記既定の期間中の前記STAの偏差指数δが前記衰退閾値より大きく且つ故障閾値より小さいことに応えて、前記APUの起動機の性能が衰退期にあることを確定するステップと、
前記既定の期間中の前記STAの偏差指数δが前記故障閾値より大きいことに応えて、前記APUの起動機の性能が故障期にあることを確定するステップと、によって確定するように構成された性能検出ユニットと、を含み、
前記性能検出ユニットは、前記APUの起動機が安定期にある時に前記偏差指数δを確定するように構成され、
前記衰退閾値は、安定した前記偏差指数δの約1.5〜2.0倍であり、前記故障閾値は、安定した前記偏差指数δの約2〜3倍である、性能検出装置。
【請求項12】
機上補助動力ユニット(APU)の起動機の性能検出装置であって、
処理機と、
処理機に接続されて、コンピュータ読み取り可能なコードを記憶するメモリと、を含み、
前記コンピュータ読み取り可能なコードは前記処理機で処理されて、
起動機システムによって前記APUを回転させるステップと、
既定の期間中のAPU関連メッセージを獲得するステップと、
前記メッセージに基づいて、前記APUの起動時間(STA)を含む前記APUの起動機の運行パラメータを解析するステップと、
前記APUの起動機の性能が、安定期、衰退期、深刻衰退期又は故障期にあることを確定するステップと、を実行し、前記確定するステップは、
前記既定の期間中の前記STAの偏差指数δが衰退閾値より小さいことに応えて、前記APUの起動機の性能が安定期にあることを確定するステップと、
前記既定の期間中の前記STAの偏差指数δが前記衰退閾値より大きく且つ故障閾値より小さいことに応えて、前記APUの起動機の性能が衰退期にあることを確定するステップと、
前記既定の期間中の前記STAの偏差指数δが前記故障閾値より大きいことに応えて、前記APUの起動機の性能が故障期にあることを確定するステップと、を含み、
前記APUの起動機が安定期にある時に前記偏差指数δが確定され、
前記衰退閾値は、安定した前記偏差指数δの約1.5〜2.0倍であり、前記故障閾値は、安定した前記偏差指数δの約2〜3倍である、性能検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行機の部品性能の検出方法に関し、特に、飛行機の補助動力ユニットの起動機の性能の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機上補助動力ユニット(Airborne Auxiliary Power Unit)は、補助動力ユニットAPUと略称して、飛行機の尾部に取り付けられる一台の小型タービンエンジンである。APUの主な機能は電源及び空気源を提供することであり、少量のAPUによっても、飛行機に付加推力を提供することができる。具体的に、飛行機は、地上からの離陸前、APUにより電力を供給して主エンジンを起動して、地上の電力、空気源車に頼って飛行機を発動する必要はない。地上にある時、APUは電力及び圧縮空気を提供して、キャビン及び操縦室内の照明及びエアコンを確保する。飛行機の離陸時、APUは予備電源として使用されることができる。飛行機の着陸後、APUによって照明とエアコンとには依然として電力が供給される。APUの機能は、その運行の安定性が飛行機の飛行コストと品質とに直接に影響することを決める。
【0003】
APUの点火起動は起動機によって実現される。航空燃焼ガスタービンエンジンの構成及び循環過程によれば、エンジンは自分で点火起動することができない。これは、静止しているエンジンにおいて直接に給油・点火されても、空気に圧力を提供して燃焼ガスを後方に流してタービンを回転させるように圧縮機は回転しない。そのようにして燃焼室とタービンガイドインペラとを焼き尽くすことになる。これによって、燃焼ガスタービンエンジンの起動の特徴は、先ず気流を流し、そして点火・燃焼して、即ちエンジンが回転してから、起動しなければならない。この起動の特徴によれば、点火・燃焼の前に、先ず起動機によって電力消費を通じてエンジンを回転させなければならない。
【0004】
APUの起動過程はAPUの回転子を静止状態から安定の作業状態に移行する加速過程であり、即ちAPUの回転子の回転速度が0から95%以上に加速する作業過程である。この過程の中に、APUの回転子が規定の時間内に規定の作業回転速度に達して安定の作業状態に入ることができるかどうかは、主にAPUの回転子が起動過程に獲得されるトルクの大きさによって決められる。起動機の作業時間の増加に従って、内部の励起場の変形、銅、鉄損の増加及び機械的磨耗などの原因で、炭素ブラシの接触性が低下して、又は内部の摩擦力が増加するなどのことを招いて、その効能が徐々に低下し、出力パワーもそれに従って低下する。起動機の出力パワーがある程度まで低下すると、起動機によりAPUの回転子で十分なトルクを獲得することができず、即ち起動機失効を引き起こす。
【0005】
APUの起動機はAPUの重要な部品であり、起動機が失効すると、直接に起動運行はできず、飛行機の飛行を止める。統計によれば、起動機の故障はAPUの故障合計のほぼ半数を占め、APUの正常作業の主な障害であり、APU保守を改善することを解決する必要がある主な問題である。現在のところ、APUの起動機に対して有効な保守方法はなく、事後で維持しなければならない。且つ、起動機の性能の衰退が比較的に速い(一般的に、衰退段階に入ってから故障を起こすまで大体に三十飛行時間以内)ため、飛行機のAPUの起動機の性能の衰退現象に対して急速に反応して、予備部品を準備する時間を確保する必要がある。これによって、飛行機が時間通り運行することを保障するには十分に重要で、同時に在庫を正確に制御して、さらに零在庫を実現する。
【発明の概要】
【0006】
先行技術に存在する上記技術問題に対して、本発明の一実施形態によれば、ある期間の多数の時点のAPUに関するメッセージを獲得するステップと、前記メッセージに基づいて前記APUの起動機の起動時間STAを含む運行パラメータを獲得するステップと、前記時間の中の前記起動時間STAの平均値AVG及び偏差指数δを計算するステップと、前記偏差指数δに基づいて前記APUの起動機の性能が安定期、衰退期、又は故障期にあることを確定するステップと、を含む補助動力ユニットAPUの起動機の検出方法を提供する。
【0007】
前記のような方法によれば、前記APUの起動機の性能が安定期、衰退期、又は故障期にあることを確定するステップは、前記偏差指数δが衰退閾値以下であることに応えて、前記APUの起動機の性能が安定期にあることを確定するステップと、前記偏差指数δが前記衰退閾値以上且つ故障閾値以下であることに応えて、前記APUの起動機の性能が衰退期にあることを確定するステップと、前記偏差指数が前記故障閾値以上であることに応えて、前記APUの起動機の性能が故障期にあることを確定するステップと、を含む。
【0008】
前記のような方法は、前記APUの起動機が安定期にある時に前記偏差指数δを確定するステップをさらに含み、前記衰退閾値は前記安定偏差指数δの約1.5〜2.0倍であり、故障閾値は前記安定偏差指数δの約2〜3倍である。
【0009】
前記のような方法では、前記時間は約2〜3日である。
【0010】
前記のような方法では、前記時間の中に約5〜10のAPUに関するメッセージを獲得する。
【0011】
前記のような方法は、次のAPUに関するメッセージに基づいて得られる起動時間STAnextを確定するステップと、STAnextがAVG+nδ以上であることに応えて、次のAPUに関するメッセージ基づいて得られるSTAnext+1がAVG+nδ以上であるかどうかを確定するステップと、APUに関するメッセージに基づいて得られる起動時間STAが継続的にAVG+nδ以上であることは予設の警報の回数Zを超えることに応えて、警報するステップと、をさらに含み、nは2〜5であり、Zは3〜5である。
【0012】
前記のような方法によれば、APUに関するメッセージに基づいて得られる起動時間STAがAVG+nδ以下であることに応えて、前記起動時間STAの平均値AVG及び偏差指数δを再計算する。
【0013】
前記のような方法によれば、APUに関するメッセージに基づいて得られる起動時間STAが継続的にAVG+nδ以上であることは予設の警報の回数Zを超えることに応えて、前記起動時間STAの平均値AVG及び偏差指数δを再計算する。
【0014】
前記のような方法によれば、前記偏差指数δは標準偏差である。
【0015】
前記のような方法によれば、前記nは2又は3であり、Zは3である。
【0016】
前記のような方法は、APUの燃油ユニットの作業が正常であることを確定するステップをさらに含む。
【0017】
前記のような方法は、APUの他のパラメータが正常に保持することを確定するステップをさらに含み、前記他のパラメータには、APU排気温度EGT、引起圧力PT、吸気口インペラ角度IGV、APUのタービン効率NPAを含むが、それに限らない。
【0018】
本発明の他の実施形態によれば、ある期間のAPUに関するメッセージを獲得するメッセージ獲得ユニットと、必要とされるAPUの起動機の運行データを解析するメッセージ解析ユニットと、前記起動機運行データに基づいて前記APUの起動機の性能が安定期、衰退期、深刻衰退期又は故障期にあることを確定する性能検出ユニットと、を含む飛行機の補助動力ユニットAPUの起動機の性能の検出装置を提供する。
【0019】
本発明の他の実施形態によれば、処理機と、処理機と接続されて、コンピュータ読み取り可能なコードを記憶するメモリと、を含み、前記コンピュータ読み取り可能なコードは、前記処理機に運行して、ある期間のAPUに関するメッセージを獲得するステップと、前記メッセージに基づいて前記APUの起動機の起動時間STAを含む運行パラメータを解析するステップと、前記APUの起動機の性能が安定期、衰退期、深刻衰退期又は故障期にあることを確定するステップと、を実行する飛行機の補助動力ユニットAPUの起動機の性能の検出装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
下記、図に基づいて、本発明の望ましい実施形態をさらに詳しく説明する。
図1図1は本発明の一実施例における飛行機のAPUの構成の模式図を示す。
図2図2は本発明の一実施例における飛行機のAPUの起動機の構成の模式図を示す。
図3図3は本発明の一実施例におけるAPUの起動機の性能変化のグラフである。
図4図4はAPUの起動機の起動時間のデータの統計傾向図を示す。
図5図5はエアバス会社のA13メッセージの一例を示す。
図6図6は本発明の一実施例におけるAPUの起動機の性能の検出方法のフローチャートを示す。
図7図7は本発明の他の実施例におけるAPUの起動機の性能の検出方法のフローチャートである。
図8図8は本発明の一実施例におけるAPUの起動機の性能変化の例である。
図9図9は本発明の一実施例における飛行機の補助動力ユニットAPUの起動機の性能検出システムの構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例の目的、技術的解決策及び利点を明確にする為に、下記、本発明の実施例の図に基づいて、本発明の実施例における技術案を以下に十分に説明する。言うまでもなく、述べる実施例は、本発明の一部の実施例、全ての実施例ではないことが明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が何らかの創造的活動を行わない前提で取得された他の実施例の全ては、本発明保護範囲のものである。
【0022】
下記の詳細な記載は、本出願の一部分として本出願の特定の実施例の各明細書図面を説明するためである。図面において、同様の図面符号は異なる図面に実質的に類似するユニットを記載する。本分野に関する知識と技術を持つ同業者が本出願の技術案を実施できるように、下記のように本出願の各特定の実施例を十分に詳細な記載を行う。他の実施例を利用することも、又は本出願の実施例に対して構成、ロジック又は電気極性を変更することも可能であると理解すべきである。
【0023】
図1は本発明の一実施例における飛行機のAPUの構成の模式図を示す。図面に示すように、飛行機のAPUは、主にパワー部分100と、荷重部分200と、付属部分300と、を含む。パワー部分100は、主にパワー圧縮機110、タービンユニット120及び排気ユニット130などを含む。荷重部分200は主に荷重圧縮機210を含む。付属部分300は、主に付属ギアケース310、起動機320、及び発電機330などを含む。吸気道に入る気流が二つに分かれて、一方はパワー圧縮機110とタービンユニット120に入って、主にAPUの回転を動かすためのであり、そして気流が排気ユニット130を通じて排出される。他方の気流は荷重圧縮機210に入って、この部分の気流が荷重圧縮機により加圧され、専門に飛行機用の圧縮空気を形成するためのである。この気流の入口には、流量調整バルブ(入口流れ案内インペラ)を有して、飛行機が圧縮空気に対する要求に基づいて、実時間にバルブ(インペラ)開口に対して調整して、荷重圧縮機に入る空気の量を制御する。
【0024】
図2は本発明の一実施例におけるAPUの起動機の模式図を示す。起動機302の主な部分は、Vクランプ322及びOリング323により付属ギアケース310に接続される直流電動機組合せ321である。直流電動機組合せ321には、直流電流給電配線スタッド324及びブラシ磨耗指示器325を有する。一般的に、起動機の二つの給電配線スタッド324の一端は28V DCに接続され、他端はア−ス接続される。ブラシ磨耗指示器325にはプラスチックカバ−から明確に視認できるピンが取り付けられる。指示器ピンが表示されると、ブラシは利用することができるし、指示器ピンが表示されないと、起動機のブラシ部分を交換する必要がある。
【0025】
本発明の一実施様態によれば、起動システムは飛行機の直流システムから電源を獲得して、28Vの直流電圧を電池母線(BAT BUS)に提供して、電流接触器により起動機に提供する。起動システムがAPUの回転子を回転・加速して、燃油と点火システムが作業できる回転速度に達してから、燃油を点火・燃焼して、APUがさらに加速される。回転速度がAPUの正常な回転速度の35%〜60%に達する後に、起動機を閉めて、同時にAPUを正常な作業の回転速度まで続いて加速する。例えば、APS3200型のAPUに対して、回転速度がAPUの正常な回転速度の55%に達すると、起動機を閉める。GTCP131−9A型のAPUに対して、回転速度がAPUの正常な回転速度の50%に達すると、起動機を閉める。
【0026】
起動機の性能変化は一定の法則に従う。使用前期と中期には、起動機の性能は比較的に安定で、後期には性能は故障するまで退化が見える。図3はAPUの起動機の性能変化グラフの模式図である。図から分かるように、使用時間の増加に従って、飛行機のAPUの起動機の性能が徐々に退化するため、衰退指数は徐々に増加する。APUの起動機の性能の衰退指数が比較的に安定する時に、その性能は安定期にある。APUの起動機の性能衰退が徐々に加速する時に、その性能が衰退期に入る。ある閾値を超える時に、その性能が故障期に入って、いつでも故障する可能がある。APUの起動機が故障期に入る後に、APUの使用に影響するし、サービス質量と飛行安全にも不利な結果を招く。それ以外、計画外の維持が発生しやすく、フライトの遅延と飛行停止を起こす。
【0027】
飛行機のAPUの起動機の性能が主にAPUの起動時間によって標識される。図4はAPUの起動機の性能変化によりもたらすAPUの起動時間のデータ変化の統計傾向図である。図4に示したように、起動機が安定期にある時に、APUの起動時間の変化範囲が狭い。APUの起動機が衰退期にある時に、APUの起動時間が上方へジャンプして、故障してAPUが起動できないことを招く。且つ、図4から分かるように、衰退期に入ってから故障するまでの時間は短い。そこで、起動機の衰退期の検出は非常に重要である。
【0028】
先行技術には、APUの起動機の性能が衰退期に入るかどうかを検出する手段はまだない。本発明のいくつかの実施例により、この検出を実現することができる。衰退期に対する検出することによって、以下のメリットがある。APUの起動機が衰退期にある時に、故障する確率はまだ非常に低い。この時機を選択して飛行機に対して点検・修理すれば、飛行安全とサービス質量が保障されることができる。この時、航空会社が適当に飛行機の点検・修理の手配をすることができ、これによって、計画外の維持を避けて、飛行機の遅延を減少する。同時に、固定期限で点検・修理時もたらす点検・修理コストの浪費を避ける。
【0029】
多種の方法によって起動時間STAの運行パラメータを獲得することができる。例えば、飛行機のブラックボックスに記憶されるデータによって上記データを獲得できる。
【0030】
飛行機メーカーから提供されるデータシステムによって、上記データを便利に獲得することもでき、地上で実時間に検出を実現する。例えば、エアバスのAircraft Condition Monitoring System(ACMS)システム及びボーイング会社のAircraft Heath Monitor(AHM)システムによって、実時間に飛行機の運行データを観測することができて、且つ、一定の触発条件を満足すると、一連のデータ情報を含むメッセージを自動的に形成する。
【0031】
本発明の一実施例によれば、APUの関連運行データが飛行機データシステム(例えばACMS又はAHMシステム)により獲得でき、形成される関連メッセージの中に反映する。この種類のメッセージ情報が、飛行機通信アドレス指定及び報告システム(ACARS:Aircraft Communications Addressing and Reporting System)によって地上に送信され、さらにそれぞれの航空会社のサーバーに分配されることができる。本発明の一実施例によれば、APUメッセージが、航空電気通信網(ATN:Aviation Telecommunication Network)の通信装置又はシステムによって送信されることもできる。
【0032】
実際には、既存の飛行データシステムに対して、APUの性能を監視することは既に存在している項目であり、そこで、対応するAPUメッセージを自動的に形成することができ、ACARS又はATNによって地上に送信する。しかし、これらの監視するデータがAPU性能の衰退期を検出することに利用されない。例えば、エアバス会社のA13メッセージ、即ち(APU MES/IDLE REPORT)、又はボーイング会社のAPUメッセージはこのようなAPUメッセージの例である。下記の実施例において、エアバス会社のA13メッセージを例にして説明する。ボーイング会社のAPUメッセージの処理も同様である。
【0033】
図5はエアバス会社のA13メッセージの一例を示す。図面に示したように、A13メッセージには主に、ヘッダ、APU履歴情報、起動飛行機エンジンの運行パラメータ及びAPU起動パラメータの4部分の情報をそれぞれに含む。
【0034】
ヘッダは、CCとC1段から構成されて、主に、飛行機のフライト情報、メッセージを形成する航行段階、ブリード弁の状況、全温度(即ち外界温度)などの情報を含む。APU履歴情報はE1段から構成してAPUコード番号、運行時間と循環などの情報を含む。起動飛行機エンジンの運行パラメータはN1−S3段から構成して、その中に、N1、S1は一番目の飛行機エンジンを起動する時の運行状況を示し、N2、S2は二番目の飛行機エンジンを起動する時の運行状況を示し、N3、S3はAPUがエンジンを起動した後にAPUが徐行する時の状況である。その中に、起動機の性能に関するデータは起動時間STAである。
【0035】
図5から分かるように、起動時間STAのAPU運行パラメータが既存のA13メッセージの中に含まれる。そこで、該メッセージによって獲得するデータは本発明のAPUの起動機の性能検出を実現することができる。
【0036】
図6は本発明の一実施例におけるAPUの起動機の性能を検出する検出方法のフローチャートである。図面に示したように、該APUの起動機の性能の検出方法6000において、ステップ6100では、飛行機のAPUの起動機のある時点の運行データ、例えば起動時間STAを獲得する。
【0037】
本発明の一実施例によれば、ステップ6100において、必要な情報は例えばA13メッセージのAPUメッセージから獲得することができる。例えば、国際航空情報通信機構SITAネット制御中心と中国民間航空データ通信会社ADCCネット制御中心から、リモートから飛行機のAPUに運行されるA13メッセージを実時間に獲得することができ、メッセージデコーダにより前記の飛行機のAPUの運行状況のA13メッセージを解読して、必要される飛行機のAPUの起動機の運行情報を得る。
【0038】
ステップ6200では、前のMの起動時間STAを取って、その平均値AVG及び標準偏差δを求める。本発明の一実施例によれば、Mの値は20であってもいい。
【0039】
ステップ6300では、前のステップに求めた標準偏差δが故障閾値を超えるかどうかを比較する。故障閾値を超えると、ステップ6310で故障警報を出力する。
【0040】
ステップ6300の判定が否であれば、ステップ6400に進んで、ステップ6200で求めた標準偏差δが深刻衰退閾値を超えるかどうかを比較する。深刻衰退閾値を超えると、ステップ6410で深刻衰退警報を出力する。
【0041】
当ステップ6400の判定が否であれば、ステップ6500に進んで、ステップ6200で求めた標準偏差δが衰退閾値を超えるかどうかを比較する。衰退閾値を超えると、ステップ6510で衰退警報を出力する。
【0042】
本発明の一実施例によれば、まず経験データによって、該モデルのAPUの起動機が安定期にある時の起伏比を分析して、そして安定期の起伏比を基準として、他の閾値をさらに確定する。例えば、本発明の一実施例によれば、衰退閾値は安定期の変化傾向の1.5〜2.0倍であり、故障期閾値は安定期の変化傾向の2〜3倍である。
【0043】
このようなある時間には絶えず更新するデータを使って変化傾向を分析する方法は移動ウィンドウ法と言われる。移動ウィンドウの大きさ、即ち計算範囲に収められる点の数Mの選択が多種の要因によって決められて、例えば、測量時間の間隔及び制御策略などである。移動ウィンドウが小されば小さいほど、データの起伏比が正常起伏の影響を受けやすく、過度の誤報を起こし、本発明の効果を影響する。移動ウィンドウが大きすぎれば、変化傾向を反映することは比較的に正確なのに、本発明の適時性が低下して、直ちに正確に警告情報を出すことができない。そこで、移動ウィンドウの大きさは本発明には重要な影響を与える。本発明の一実施例によれば、毎日2〜3点を測量する前提に基づいて、Mの値は約5である。本発明の他の実施例によれば、毎日2点以下を測量する前提に基づいて、Mの値は約10である。
【0044】
本発明の一実施例によれば、誤警告を減少して正確度を向上させるために、継続的に2回の衰退警告が出る時だけに、APUの起動機の性能が衰退期に入ることを確認する。継続的に2回以上の故障警告が出る時だけに、APUの起動機の性能が故障期に入ることを確認する。
【0045】
図7は本発明の他の実施例におけるAPUの起動機の性能の検出方法のフロー図である。図面に示したように、該APUの起動機の性能の検出方法7000において、図6に示した実施例と相似して、ステップ7100で、飛行機のAPUの起動機のある作業時間の運行データ、例えば起動時間STAを獲得する。
【0046】
ステップ7200で、現在の時点の前のMの起動時間STAを取って、その平均値AVG及び標準偏差δを求める。前の一定の数の点の平均値と標準偏差を求めることは、次の点の判定のために変動範囲を設定するのであるが、可能のノイズ点の数値を捨てる必要がある。下記に記載されることによれば、高値計数器は変動が予設範囲を超える偏差点を記録するためのであり、偏差点が継続的に出現する回数が警報数に達しないと、これらの偏差点が平均値と標準偏差計算の見本の範囲に記入されない。本発明の一実施例によれば、Mの値は20であればいい。
【0047】
ステップ7300で、前のステップに求めた標準偏差δが故障閾値を超えるかどうかを比較する。故障閾値を超えると、ステップ7310には、故障警報を出力する。
【0048】
当ステップ7300の判定が否であれば、ステップ7400に進んで、ステップ7200で求めた標準偏差δが衰退閾値を超えるかどうかを比較する。衰退閾値を超えると、ステップ7410で、衰退警報を出力する。
【0049】
当ステップ7400の判定が否であれば、ステップ7500に進んで、計数器をゼロにする。これは、面の判定によって、偏差点が既に切断され、継続的な偏差点の数を計算するために、計数器をゼロにして、新たに計数する必要があるためのである。
【0050】
ステップ7600では、次の時点に対応する起動時間STAがAVG+nδ以上であるかどうかを判定する。その中に、nの値が制御策略によって決められる。nの値が比較的に高いと、突然に変化する点に対する制御が比較的に緩和して、このように、誤報を減少することができるが、報告漏れのリスクがある。nの値が低いと、突然に変化する点に対する制御が比較的に厳格で、このように報告漏れを防止することができるが、頻繁な警報に直面する可能がある。一般的に、nの値は2−5の間にある。本発明の一実施例によれば、nの値は3である。
【0051】
ステップ7600判定が是であれば、ステップ7610に進んで、計数器を+1する。次に、ステップ7620には、高値計数器が予設警報数に等しいかどうかを判定する。判定は否であると、ステップ7600に戻す。判定は是であると、継続的に予設警報数に達する起動時間STAが予設の正常な起伏範囲を超えることがあり、且つ上方へジャンプすることが表われ、この時に、ステップ7630に進んで、上昇ジャンプ警報を出す。
【0052】
本発明の一実施例によれば、単独で一回のジャンプが多種の原因から招かれる可能があるので、継続的に一定数を超える以外に警報しないで、これによって、誤報を排除する。予設警報数の値と制御策略に関して、一般的に値は2〜5である。
【0053】
ステップ7700では、高値計数器をゼロにする。継続的に偏差点の数が予設の警報数時に達すると、偏差点の出現はもう偶発的な現象でなく、ノイズ点として排除すべきではない。この時、計数器をゼロにして、次のステップ7200に循環する時に、これらの偏差点が保留されて、それを参照見本に記入する。このステップが終わる後に、ステップ7100に戻す。
【0054】
図8は本発明の一実施例におけるAPUの起動機の性能変化の例である。図面の実線の位置で、APUの起動機が交換を行う。図8に示したように、APUの起動機を交換する前に、起動時間STAが非常に急速に上昇する。前記の方法を使用すれば、STAが急速に高くなって、偏差指数、例えば標準偏差も急速に上昇して、すぐにAPUの起動機の性能が悪くなって、衰退期に入る警報が発生することが発見される。
【0055】
同時に、起動時間STA以外に、APUの他のパラメータも正常に保持することを注意する。前記他のパラメータには、APU排気温度EGT、引起圧力PT、吸気口インペラ角度IGVを含んで、それに限らない。それらが全部に正常な範囲に保持される。これはAPUの起動機の故障の一つの重要な特徴である。
【0056】
APUの燃油ユニットFCUの性能が悪くなる表現もこれと非常に似ていることも注意する。そこで、燃油制御ユニットの故障と区別する必要がある。先ず、同じような起動時間STAの標準偏差の離散であるが、APUの燃油ユニットFCUの性能が悪くなると、STAの悪くなる速度が遅くて、STAの表現が良いときも悪いときもあり、そこで、離散の面積がもっと大きい。一方、起動機が故障すると、STAが一方的に上昇することがよくあり、速度ももっと速い。且つ、APUの燃油ユニットFCUの性能が悪くなるものの、STA以外に他のパラメータが良く保持されるが、燃料供給が安定しないで、NPAとEGTPとも徐々に悪くなる。
【0057】
図9は本発明の一実施例における飛行機の補助動力ユニットAPUの起動機の性能検出システムの構成の模式図である。図9に示したように、APUの起動機の性能検出システムには、ある期間のAPUに関するメッセージを獲得するメッセージ獲得ユニット901と、必要されるAPUの起動機運行データを解析するメッセージ解析ユニット902と、及び前記起動機の運行データに基づいて前記APUの起動機の性能が安定期、衰退期、深刻衰退期又は故障期にあることを確定する性能検出ユニット903と、を含む。
【0058】
本発明の一実施例によれば、本発明は、処理機と、処理機と接続して、コンピュータ読み取り可能なコードを記憶するメモリを含む飛行機の補助動力ユニットAPUの起動機の性能検出装置に関して、前記コンピュータ読み取り可能なコードは前記処理機で運行して、ある期間のAPUに関するメッセージ獲得するステップと、前記メッセージ基づいて前記APUの起動機の起動時間STAを含む運行パラメータを解析するステップと、前記APUの起動機の性能が安定期、衰退期、深刻衰退期又は故障期にあることを確定するステップと、を実行する。
【0059】
上記の実施形態例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。同業者は、本発明の範囲を逸脱することなく各種の変化又は変更を実施できるので、均等の技術案も全て本発明の開示範囲に属するものと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9