(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記対応付け部は、前記測定プローブの先端部の端面に対して、前記照明ファイバを中心とした対称の強度分布の空間プロファイルを有する光が投影された際に、前記検出部が検出した前記各々の信号強度と、前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバから各受光ファイバの距離とを対応付けることを特徴とする請求項1に記載の光学測定装置。
前記対応付け部は、前記検出部が検出した前記各々の信号強度のうち信号強度が高い順に、前記複数の受光ファイバのうち前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバからの距離が近い前記受光ファイバを順次対応付けることを特徴とする請求項1または2に記載の光学測定装置。
前記対応付け部は、前記検出部が検出した前記各々の信号強度に基づいて、前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバから前記複数の受光ファイバそれぞれの距離毎にグループ化を行うとともに、該グループに対応する前記各々の信号強度を一つの信号強度としてまとめて対応付けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光学測定装置。
前記測定プローブの先端部から前記複数の受光ファイバの端面に対して、強度が空間的に一様な光が入射された際に、前記検出部が検出した前記各々の信号強度を平滑化する補正部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光学測定装置。
前記ファイババンドルは、基端部の端面における前記複数の光ファイバの配置と先端部の端面における前記複数の光ファイバの配置とが異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光学測定装置。
前記測定プローブの先端部に設けられ、前記照明ファイバおよび前記複数の受光ファイバの先端と前記生体組織との距離を一定に保つ光学部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の光学測定装置。
前記測定プローブの先端部に対して、前記照明ファイバを中心とした対称の強度分布の空間プロファイルの光を投影する投影ステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のファイババンドルの対応付け方法。
前記対応付けステップは、前記検出部が検出した前記各々の信号強度のうち信号強度が高い順に、前記複数の受光ファイバのうち前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバからの距離が近い前記受光ファイバを順次対応付けることを特徴とする請求項9または10に記載のファイババンドルの対応付け方法。
前記対応付けステップは、前記検出部が検出した前記各々の信号強度に基づいて、前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバから前記複数の受光ファイバそれぞれの距離毎にグループ化を行うとともに、該グループに対応する前記各々の信号強度を一つの信号強度としてまとめて対応付けることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載のファイババンドルの対応付け方法。
前記測定プローブの先端部から前記複数の受光ファイバに対して、強度が空間的に一様の光を入射された際に、前記検出部が検出した前記各々の信号強度を平滑化する補正ステップをさらに含むことを特徴とする請求項9〜12のいずれか一つに記載のファイババンドルの対応付け方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、光ファイバは、細径のため、ファイババンドルを用いる場合、先端部および基端部それぞれの端面における各光ファイバの配置を対応させて作成するのに多大な労力がかかるという問題点があった。このため、簡易な構成でファイババンドルの先端部および基端部それぞれの端面における各光ファイバの位置関係を対応させることができる技術が望まれていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成でファイババンドルの先端部と基端部とそれぞれの端面における各光ファイバの位置を対応付けることができる光学測定装置およびファイババンドルの対応付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光学測定装置は、生体組織を測定するための光を出射する光源部と、複数の光ファイバを不規則に束ねたファイババンドルを有し、前記光源部からの光を照明光として先端に伝播して前記生体組織に照射する照明ファイバと、前記照明ファイバが照射した前記照明光であって、前記生体組織で反射および/または散乱した前記照明光の戻り光を受光して伝播する複数の受光ファイバと、を有する測定プローブと、前記複数の受光ファイバがそれぞれ検出した前記照明光の戻り光を受光して光電変換を行うことによって各々の信号強度を検出する検出部と、前記測定プローブの先端部の端面に対して、前記照明ファイバを中心とした強度勾配を持つ光が投影された際に、前記検出部が検出した前記各々の信号強度と、前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバから各受光ファイバの距離とを対応付ける対応付け部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる光学測定装置は、上記発明において、前記対応付け部は、前記測定プローブの先端部の端面に対して、前記照明ファイバを中心とした対称の強度分布の空間プロファイルを有する光が投影された際に、前記検出部が検出した前記各々の信号強度と、前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバから各受光ファイバの距離とを対応付けることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる光学測定装置は、上記発明において、前記対応付け部は、前記検出部が検出した前記各々の信号強度のうち信号強度が高い順に、前記複数の受光ファイバのうち前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバからの距離が近い前記受光ファイバを順次対応付けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる光学測定装置は、上記発明において、前記対応付け部は、前記検出部が検出した前記各々の信号強度に基づいて、前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバから前記複数の受光ファイバそれぞれの距離毎にグループ化を行うとともに、該グループに対応する前記各々の信号強度を一つの信号強度としてまとめて対応付けることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる光学測定装置は、上記発明において、前記測定プローブの先端部から前記複数の受光ファイバの端面に対して、強度が空間的に一様な光が入射された際に、前記検出部が検出した前記各々の信号強度を平滑化する補正部をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる光学測定装置は、上記発明において、前記ファイババンドルは、基端部の端面における前記複数の光ファイバの配置と先端部の端面における前記複数の光ファイバの配置とが異なることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる光学測定装置は、上記発明において、前記ファイババンドルは、ライトガイドであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる光学測定装置は、上記発明において、前記測定プローブの先端部に設けられ、前記照明ファイバおよび前記複数の受光ファイバの先端と前記生体組織との距離を一定に保つ光学部材をさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかるファイババンドルの対応付け方法は、生体組織を測定するための光を出射する光源部と、複数の光ファイバを不規則に束ねたファイババンドルを有し、前記光源部からの光を照明光として先端に伝播して前記生体組織に照射する照明ファイバと、前記照明ファイバが照射した前記照明光であって、前記生体組織で反射および/または散乱した前記照明光の戻り光を受光して伝播する複数の受光ファイバと、を有する測定プローブと、前記複数の受光ファイバがそれぞれ検出した前記照明光の戻り光を受光して光電変換を行うことによって各々の信号強度を検出する検出部と、を備えた光学測定装置が実行するファイババンドルの対応付け方法であって、前記測定プローブの先端部の端面に対して、前記照明ファイバを中心とした強度勾配を持つ光が投影された際に、前記検出部が検出した前記各々の信号強度と、前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバから各受光ファイバの距離とを対応付ける対応付けステップを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかるファイババンドルの対応付け方法は、上記発明において、前記測定プローブの先端部に対して、前記照明ファイバを中心とした対称の強度分布の空間プロファイルの光を投影する投影ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかるファイババンドルの対応付け方法は、上記発明において、前記対応付けステップは、前記検出部が検出した前記各々の信号強度のうち信号強度が高い順に、前記複数の受光ファイバのうち前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバからの距離が近い前記受光ファイバを順次対応付けることを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかるファイババンドルの対応付け方法は、上記発明において、前記対応付けステップは、前記対応付け部は、前記検出部が検出した前記各々の信号強度に基づいて、前記測定プローブの先端部の端面における前記照明ファイバから前記複数の受光ファイバそれぞれの距離毎にグループ化を行うとともに、該グループに対応する前記各々の信号強度を一つの信号強度としてまとめて対応付けることを特徴とする。
【0021】
また、本発明にかかるファイババンドルの対応付け方法は、上記発明において、前記測定プローブの先端部から前記複数の受光ファイバに対して、強度が空間的に一様の光を入射された際に、前記検出部が検出した前記各々の信号強度を平滑化する補正ステップをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、対応付け部が測定プローブの先端部の端面に対して、照明ファイバを中心として強度勾配を持つ光が投影された際に、検出部が検出した複数の受光ファイバの各々の信号強度と、測定プローブの先端部の端面における照明ファイバから受光ファイバの距離とを対応付けるので、簡易な構成でファイババンドルの先端部と基端部とそれぞれの端面における各光ファイバの位置を対応付けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の構成を模式的に示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブのファイババンドルの要部を拡大した模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置が実行するファイババンドルの対応付け処理の概要を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの先端部の端面の照明ファイバを中心に強度勾配が対称に変化する空間プロファイルを測定プローブの先端部に発生させる際の模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの先端部の端面の照明ファイバを中心に強度勾配が対称に変化する空間プロファイルを測定プローブの先端部に発生させる際の模式図である。
【
図6】
図6は、光散乱部材に対して照明光を照射した際の空間プロファイルを模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの先端部に照明ファイバを中心として光強度が変化する空間プロファイルを有する光を投影した状態を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの先端部に照明ファイバを中心として光強度が変化する空間プロファイルを有する光を投影した際に基端部における各受光ファイバの光強度の分布を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの基端部における各受光ファイバの番号と、各受光ファイバの検出強度の順位とを示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの検出強度の高い順に受光ファイバの番号を並べたテーブルを示す。
【
図11】
図11は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの先端部における各受光ファイバの強度順位を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの照明ファイバから各受光ファイバまでの距離と各受光ファイバが検出する検出強度との関係を示す図である。
【
図13】
図13は、光散乱部材に対して照明光を照射した際の別の空間プロファイルを模式的に示す図である。
【
図14】
図14は、別の空間プロファイルを模式的に示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの先端部に光学部材を設けた際の概略構成図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブにおけるファイババンドルの照明ファイバと受光ファイバとが六方細密状に配置された先端部の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブにおけるファイババンドルの照明ファイバと受光ファイバとが同心円状に配置された先端部の別の一例を示すである。
【
図18】
図18は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブにおけるファイババンドルの照明ファイバと受光ファイバとが格子状に配置された状態であって、照明ファイバの位置がファイババンドルの中心からずれた位置に配置された先端部の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブにおけるファイババンドルの照明ファイバと受光ファイバとがランダムに配置された先端部の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の一実施の形態の変形例1にかかる光学測定装置を模式的に示す概略構成図である。
【
図21】
図21は、本発明の一実施の形態の変形例2にかかる光学測定装置を模式的に示す概略構成図である。
【
図22】
図22は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの照明ファイバを中心とした軸対象に強度が変化する空間プロファイルを測定プローブの先端部に発生させる際の別の模式図である。
【
図23】
図23は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置の測定プローブの照明ファイバを中心として光強度が変化する空間プロファイルを有する光を測定プローブの先端部に発生させる際の別の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明にかかる光学測定装置およびファイババンドルの対応付け方法の好適な実施の形態として、LEBS技術を用いた光学測定装置を例に詳細に説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。また、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係および各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれる。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる光学測定装置を模式的に示す概略構成図である。
図1に示す光学測定装置1は、散乱体である生体組織等の測定対象物S1に対して光学測定を行って測定対象物S1の光学特性を測定する本体部2と、本体部2に着脱自在に接続され、内視鏡の処理具チャンネルを介して被検体内に挿入される測定プローブ3と、を備える。
【0026】
まず、本体部2について説明する。本体部2は、電源21と、光源部22と、光学系23と、検出部24と、入力部25と、出力部26と、記録部27と、制御部28と、を備える。電源21は、本体部2の各構成部に電力を供給する。
【0027】
光源部22は、測定対象物へ照射する少なくとも一つのスペクトル成分を有する光を照明光として測定プローブ3に出射する。光源部22は、LED(Light Emitting Diode)、キセノンランプ、タングステンランプおよびハロゲンランプ、レーザーといった光源と、複数のレンズを含む光学系、たとえば集光レンズやコリメートレンズと、光源ドライバ等を用いて構成される。光源部22は、制御部28の制御のもと、照明光を測定プローブ3に向けて出射する。たとえば、光源部22は、制御部28の制御のもと、照明光の点灯や消灯を切り替える。光源部22は、光源(図示せず)が発した光を光学系(図示せず)により後述する測定プローブ3の照明ファイバに集光させることにより、光源と測定プローブ3との光束結合効率が増大し、照明光の光量が増加するので、測定対象物S1の測定品質を向上させることができる。
【0028】
光学系23は、測定プローブ3から出射された光を平行光にして検出部24に出射する。光学系23は、複数のレンズ、たとえば集光レンズやコリメートレンズを用いて構成される。
【0029】
検出部24は、光学系23を介して測定プローブ3の先端から照射された照明光であって、測定対象物S1で反射および/または散乱した照明光の戻り光を検出し、この検出結果(信号強度)を制御部28に出力する。検出部24は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の2次元光検出器等を用いて構成される。なお、検出部24は、後述する測定プローブ3の受光ファイバの数が少ない場合、PD(Photo Diode)、APD(Avalanche Photo Diode)およびPMT(Photomultiplier tube)等の光感受性検出器を複数用いて構成してもよい。
【0030】
入力部25は、本体部2の起動を指示する指示信号または他の各種の動作を指示する指示信号の入力を受け付けて制御部28に出力する。入力部25は、ブッシュ式のスイッチ、タッチパネル、キーボードやマウス等の入力デバイスを用いて構成される。
【0031】
出力部26は、光学測定装置1における各種処理に関する情報、測定対象物の測定結果を出力する。出力部26は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等の表示ディスプレイおよびスピーカ等を用いて構成される。
【0032】
記録部27は、光学測定装置1を動作させるための各種プログラム、光学測定処理に使用される各種データや各種パラメータを記録する。記録部27は、光学測定装置1の処理中の情報を一時的に記録する。また、記録部27は、測定対象物の測定結果を記録する。記録部27は、揮発性メモリや不揮発性メモリ等を用いて構成される。なお、記録部27は、本体部2の外部から装着されるメモリカード等を用いて構成されてもよい。
【0033】
制御部28は、本体部2の各部の処理動作を制御する。制御部28は、本体部2の各部に対する指示情報やデータの転送等を行うことによって、本体部2の動作を統括的に制御する。制御部28は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。また、制御部28は、演算部28aと、補正部28bと、対応付け部28cと、を有する。
【0034】
演算部28aは、検出部24が検出した検出結果に基づいて、複数の演算処理を行い、測定対象物の光学特性や性状に関する特性値を演算する。この特性値の種別は、たとえば入力部25が受け付けた指示信号または記録部27に記録された各種プログラムに従って設定される。
【0035】
補正部28bは、測定プローブ3の先端部33から複数の受光ファイバに対して、強度が空間的に一様の光を入射された際に、検出部24が検出した複数の受光ファイバの各々の信号強度を平滑化して検出部24および測定プローブ3それぞれの感度を補正する。
【0036】
対応付け部28cは、測定プローブ3の先端部33の端面33aに対して、照明ファイバ341を中心とした強度勾配を持つ光が投影された際に、検出部24が検出した後述する測定プローブ3の複数の受光ファイバにおける各々の信号強度と、測定プローブ3の先端部33の端面33aにおける照明ファイバ341から各々の受光ファイバの距離とを対応付けて記録部27に記録する。具体的には、対応付け部28cは、測定プローブ3の先端部33の端面33aに対して、照明ファイバ341を中心とした対称の強度分布の空間プロファイルを有する光が投影された際に、検出部が検出した前記各々の信号強度と、検出部24が検出した後述する測定プローブ3の複数の受光ファイバにおける各々の信号強度と、測定プローブ3の先端部33の端面33aにおける照明ファイバ341からの距離とを対応付けて記録部27に記録する。たとえば、対応付け部28cは、検出部24が検出した各々の信号強度のうち信号強度が高い順に、測定プローブの複数の受光ファイバのうち測定プローブ3の先端部の端面における照明ファイバからの距離が近い位置に配置された受光ファイバを順次対応付けて記録部27に記録する。
【0037】
つぎに、測定プローブ3について説明する。
図1に示す測定プローブ3は、本体部2に着脱自在に接続される基端部31と、可撓性を有する可撓部32と、光源部22から供給される照明光を測定対象物S1に照射するとともに、測定対象物S1で反射および/散乱した照明光の戻り光を受光する先端部33と、基端部31から入射された照明光を先端部33に伝播するとともに、先端部33が受光した測定対象物S1で反射および/散乱した照明光の戻り光を検出部24へ伝播するファイババンドル34と、ファイババンドル34を覆うことによってファイババンドル34の遮光や傷防止を行う被覆部35と、を備える。
【0038】
ファイババンドル34は、複数の光ファイバを用いて構成される。具体的には、ファイババンドル34は、複数の光ファイバが不規則に束ねられたライトガイドやランダムファイバ、または複数の光ファイバが規則的に束ねられたイメージファイバを用いて構成される。より好ましくは、ファイババンドル34は、ライトガイドまたはランダムファイバを用いて構成される。ここで、ライトガイドとは、ファイババンドル34の基端部31の端面31aとファイババンドル34の先端部33の端面33aとの各光ファイバの配列位置(空間配列)が異なるものである。また、ファイババンドル34は、光源部22から供給された照明光を測定対象物S1に照射する照明ファイバ341と、測定対象物S1で反射および/または散乱した照明光の戻り光を受光する複数の受光ファイバ342と、を有する。
【0039】
ここで、測定プローブ3のファイババンドル34の構成について詳細に説明する。
図2は、測定プローブ3のファイババンドル34の要部を拡大した模式図である。
【0040】
図2に示すように、ファイババンドル34は、光源部22から供給された照明光を伝播して測定プローブ3の先端部33から測定対象物S1に照射する照明ファイバ341と、測定対象物S1からの戻り光が異なる角度で入射する複数の受光ファイバ342と、を有する。たとえば、ファイババンドル34は、測定対象物S1からの戻り光が異なる角度で入射する第1受光ファイバ342a(第1受光チャンネル)、第2受光ファイバ342b(第2受光チャンネル)および第3受光ファイバ342c(第3受光チャンネル)と、他の複数の光ファイバ342dとを不規則に束ねて構成される。
【0041】
このようにファイババンドル34は、先端部33の端面33aにおける位置と基端部31の端面31aにおける位置とで照明ファイバ341、第1受光ファイバ342a、第2受光ファイバ342b、第3受光ファイバ342cおよび他の複数の光ファイバ342dそれぞれの配置位置(位置座標)が異なる。なお、
図2において、基端部31および先端部33それぞれに斜線(ハッチング)を施したものが対応関係を満たす例を示す。さらに、
図2においては、第1受光ファイバ342a、第2受光ファイバ342b、第3受光ファイバ342cおよび他の複数の光ファイバ342dの位置は、後述する対応付け処理に応じてファイババンドル34を構成する複数の光ファイバの中から設定される。
【0042】
照明ファイバ341は、光源部22から供給された照明光を伝播し、測定対象物S1に照明光を照射する。なお、照明ファイバ341の数は、検査項目および測定対象物の種類、たとえば血流や、胃や膵臓等の部位に応じて適宜変更することができる。
【0043】
第1受光ファイバ342a、第2受光ファイバ342bおよび第3受光ファイバ342cは、先端部33の端面33aから入射した測定対象物S1からの戻り光を伝播して光学系23を介して検出部24に出射する。なお、受光ファイバの数は、検査項目および測定対象物の種類、たとえば血流や部位に応じて適宜変更することができる。
【0044】
このように構成された光学測定装置1は、内視鏡(内視鏡スコープ)に設けられた処置具チャンネルを介して測定プローブ3が被検体内に挿入され、照明ファイバ341が測定対象物S1に照明光を照射し、第1受光ファイバ342a、第2受光ファイバ342bおよび第3受光ファイバ342cがそれぞれ測定対象物S1からの戻り光を受光して本体部2の検出部24へ伝播する。その後、演算部28aは、検出部24の検出結果に基づいて、測定対象物S1の光学特性を演算する。
【0045】
つぎに、光学測定装置1が実行する先端部33における照明ファイバ341から各受光ファイバ342までの距離と、各受光ファイバ342を介して検出部24で検出される信号強度とを対応付ける対応付け処理について説明する。
図3は、光学測定装置1が実行するファイババンドル34の対応付け処理の概要を示すフローチャートである。
【0046】
図3に示すように、まず、補正部28bは、測定プローブ3の各受光ファイバ342の検出感度を補正する(ステップS101)。具体的には、強度が空間的に一様な光を測定プローブ3の先端部33から各受光ファイバ342に入射された際に、補正部28bは、検出部24が各受光ファイバ342に対応する各々の検出強度に基づいて、各受光ファイバ342の検出感度が一定になるように検出部24の感度を補正するキャリブレーション処理を実行する(補正ステップ)。この場合、測定対象物S1の受光ファイバ342の入射NAと感度補正時の強度が空間的に一様な光の受光ファイバ342の入射NAが略等しいことが好ましい。これにより、補正部28bは、感度補正をより安定して行うことができる。この結果、検出部24は、強度が空間的に一様な光に対して各受光ファイバ342に応じた一律の値を検出することができる。なお、検出部24は、各受光ファイバ342に対応する画素毎に受光して光電変換を行った検出強度(信号強度)を検出する、または各受光ファイバ342に対応する複数の画素を一組とした検出強度の平均値を検出する。
【0047】
続いて、対応付け部28cは、先端部33における照明ファイバ341から各受光ファイバ342までの距離と各受光ファイバ342の検出強度とを対応付ける対応付け処理を実行する(ステップS102)。具体的には、光学測定装置1は、測定プローブ3の先端部33の端面33aから照明ファイバ341を中心とした強度勾配を持つ光、たとえば、照明ファイバ341を中心とした対称の強度分布の空間プロファイルを有する光を投影する(投影ステップ)。
【0048】
図4は、照明ファイバ341を中心に強度勾配が対称に変化する空間プロファイルを測定プローブ3の先端部33の端面33aに発生させる際の模式図である。
図4に示すように、光学測定装置1は、測定プローブ3の先端部33から所定の距離離れた位置に配置された散乱特性が一様な光散乱部材4に対して、照明ファイバ341から照明光を照射させることによって各受光ファイバ342の先端部33に空間プロファイルを有する光を投影(入射)させる。ここで、光散乱部材4は、測定対象の波長の光を効率的に均一に散乱する物質を用いて形成される。具体的には、光散乱部材4は、散乱粒子を透明媒質に均一に分散させた溶液や樹脂、たとえば牛乳等を用いて形成される。また、光散乱部材4は、白色の標準反射板等を用いてもよい。さらに、光学測定装置1は、
図5に示すように、測定プローブ3の先端部33に光散乱部材4を密着させた状態で照明ファイバ341から照明光を照射させてもよい。
【0049】
図6は、光散乱部材4に対して照明光を照射した際の空間プロファイルを模式的に示す図である。先端部33における各受光ファイバ342が受光する光強度は、照明ファイバ341からの距離に応じて変化する。具体的には、
図6に示すように、空間プロファイルP1は、照明ファイバ341を中心とした位置に近づくほど光強度が高く、外縁に向けて照明ファイバ341から距離が離れるほど、連続的に光強度が低くなる分布になる(同心円パターン)。
【0050】
ここで、光学測定装置1が測定プローブ3の先端部33に照明ファイバ341を中心として光強度が変化する空間プロファイルを有する光を投影した状態について説明する。
【0051】
図7は、測定プローブ3の先端部33に照明ファイバ341を中心として光強度が変化する空間プロファイルP1を有する光を投影した状態を示す図である。
図8は、測定プローブ3の先端部33に照明ファイバ341を中心として光強度が変化する空間プロファイルP1を有する光を投影した際に基端部31における各受光ファイバ342の光強度の分布を示す図である。
【0052】
図7に示すように、たとえば、空間プロファイルP1は、照明ファイバ341から距離d離れた受光ファイバ342が検出する光強度が低くなる。この場合、
図8に示すように、ファイババンドル34は、基端部31の各受光ファイバ342の位置と先端部33の各受光ファイバ342とが異なるので、基端部31においては光強度がまばらな分布になる。
【0053】
図3に戻り、ステップS103以降の説明を続ける。ステップS103において、対応付け部28cは、基端部31における各受光ファイバ342の番号(番地)と各受光ファイバ342の検出強度とを対応付ける対応付け処理を実行する。
【0054】
図9は、基端部31における各受光ファイバ342の番号と、各受光ファイバ342の検出強度の順位とを示す図である。
図10は、検出強度の高い順に受光ファイバ342の番号を並べたテーブルを示す。なお、
図9の各受光ファイバ342内の数字は、基端部31における受光ファイバ342の検出強度の順位を示す。具体的には、数字が大きいほど検出強度が小さくなる。
【0055】
図9および
図10に示すように、対応付け部28cは、検出部24が検出した検出結果に基づいて、基端部31における各受光ファイバ342の番号(番地)と各受光ファイバ342の検出強度とを対応付けたテーブルT1を生成して記録部27に記録する。たとえば、
図10に示すように、対応付け部28cは、基端部31における受光ファイバ342の縦の番号「c」と、横の番号「5」とを、検出強度の順位が1の受光ファイバ342として対応付けたテーブルT1を生成する。
【0056】
続いて、対応付け部28cは、測定プローブ3の先端部33における照明ファイバ341から各受光ファイバ342までの距離と測定プローブ3の基端部31における各受光ファイバ342の番号とを対応付ける対応付け処理を実行する(ステップS104)。
【0057】
図11は、先端部33における各受光ファイバ342の強度順位を示す図である。
図11に示すように、対応付け部28cは、照明ファイバ341の順位を1とするとき、照明ファイバ341からの距離に応じて、先端部33における各受光ファイバ342の順位を設定する。具体的には、
図11に示すように、対応付け部28cは、照明ファイバ341に距離が近い受光ファイバ342ほど高い順位を設定する。たとえば、
図11に示すように、対応付け部28cは、受光ファイバ342の番号「4,c」を「2」に、「5,d」を「3」、「4,e」を「4」、「3,d」を「5」にそれぞれ設定する。これにより、対応付け部28cは、検出強度(
図10のテーブルT1)と先端部33における照明ファイバ341から各受光ファイバ342までの距離に応じた光強度(
図11のテーブルT2)とに基づいて、ファイババンドル34の先端部33の端面33aと基端部31の端面31aの各受光ファイバ342の位置を対応付けることができる。
【0058】
図12は、照明ファイバ341から各受光ファイバ342までの距離と各受光ファイバ342が検出する検出強度との関係を示す図である。
図12に示すように、測定プローブ3の先端部33における照明ファイバ341から各受光ファイバ342までの距離は、基端部31における各受光ファイバ342の距離も離散的であるので、基端部31における各受光ファイバ342の検出強度も離散的になる。このため、対応付け部28cは、
図10のテーブルT1と
図11のテーブルT2とに基づいて、測定プローブ3の先端部33の端面33aにおける照明ファイバ341から各受光ファイバ342の距離毎にグループ化を行うとともに、このグループ化に対応する各々の信号強度を一つの信号強度としてまとめた対応付けを行う。具体的には、対応付け部28cは、測定プローブ3の先端部33の端面33aにおいて照明ファイバ341に最も近い受光ファイバ342を一つのグループ化にするとともに、このグループに基端部31において検出強度が高い順の受光ファイバ342の位置番号(ファイバ番地)を対応付ける。たとえば、対応付け部28cは、
図11に示すテーブルT2を参照して、測定プローブ3の先端部33の端面33aにおける照明ファイバ341から各受光ファイバ342の距離が等しい4つの受光ファイバ342(c,4)、(d,5)、(e,4)、(d,3)と、測定プローブ3の基端部31の端面31aにおいて強度順位が2(d,3)、3(b,5)、4(g,1)、5(a、1)とを対応付ける。これにより、対応付け部28cは、測定プローブ3の基端部31の端面31aおよび先端部33の端面33aにおける各受光ファイバ342の配置が仮想的に対応付けることができる。
【0059】
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、対応付け部28cが照明ファイバ341を中心とした軸対象に強度が変化する空間プロファイルP1を投影することにより、検出部24が検出する各々の信号強度に基づいて、照明ファイバ341から各受光ファイバ342の距離までの対応付けを行うので、各光ファイバの位置座標が設定されていないランダムなファイババンドル34を用いても、LEBS信号または散乱媒質表面上の強度減衰分布の解析を行うことができる。
【0060】
また、本発明の一実施の形態によれば、先端部33と基端部31で各受光ファイバの配置がランダムに配置されたファイババンドル34を用いるので、製造のコストを低下させることができる。
【0061】
また、本発明の一実施の形態によれば、照明ファイバ341を中心とした軸対称に強度が変化する空間プロファイルP1を有する光を投影することで、先端部33の端面33aにおける各受光ファイバ342が検出する光の検出強度が照明ファイバ341からの距離に応じて変化する。これにより、基端部31の端面31aにおける各受光ファイバ342の検出強度に基づいて、先端部33の端面33aにおける照明ファイバ341からの各受光ファイバ342の距離を対応付けることができる。
【0062】
また、本発明の一実施の形態によれば、照明ファイバ341を中心とした軸対称に強度が変化する空間プロファイルP1を得る方法の一つとして、測定対象物S1の測定と同様の方法で光散乱部材4を測定することによって、上述した対応付け作業用の空間プロファイルを得ることができるので、実際の測定を行ったとしても、容易に対応付け処理を行うことができる。
【0063】
また、本発明の一実施の形態によれば、照明ファイバ341を中心とした軸対称に強度が変化する空間プロファイルP1を得る方法の一つして、光散乱部材4を用いるだけでよいので、空間プロファイルP1を有する光の発生を容易に行うことができる。
【0064】
また、本発明の一実施の形態によれば、照明ファイバ341からの距離に基づいた解析が可能であり、より詳細な解析を行うことができる。たとえば、散乱シミュレーションとの比較を行うことができる。
【0065】
また、本発明の一実施の形態によれば、対応付け部28cが測定プローブ3の先端部33に対して一様な光を入射された際に、検出部24が検出した各受光ファイバ342の各々の信号強度を平滑化することによって、各受光ファイバ342の感度を補正するので、より正確な測定を行うことができる。なお、対応付け部28cが行った感度補正の結果を記録部27に予め記録させてもいてもよい。
【0066】
また、本発明の一実施の形態によれば、新たな測定プローブ3が本体部2に接続される毎に、対応付け部28cが上述したファイババンドル34の対応付けを行ってもよい。
【0067】
また、本発明の一実施の形態によれば、測定プローブ3が本体部2に固定されている場合、または同じ測定プローブ3が本体部2に接続される場合、対応付け部28cが行った上述した対応付けの処理の結果を記録部27に記録し、この結果を再利用してもよい。
【0068】
(その他の実施の形態)
本発明では、測定プローブ3の先端部33に投影する空間プロファイルを変更することもできる。
図13は、光散乱部材4に対して照明光を照射した際の別の空間プロファイルを模式的に示す図である。
【0069】
図13に示す空間プロファイルP2は、照明ファイバ341を中心とした位置から近づくほど光強度が低く、外縁に向けて照明ファイバ341から距離が離れるほど、連続的に光強度が高くなる分布にしてもよい。さらに、
図14に示す空間プロファイルP3のように、ファイババンドル34の1例のみに投影させてもよい。
【0070】
また、本発明では、測定プローブ3の先端部33に、測定対象物S1と照明ファイバ341および受光ファイバ342との距離を一定にする光学部材5を設けてもよい。
図15は、光学測定装置1の測定プローブ3の先端部33に光学部材5を設けた際の概略構成図である。
【0071】
図15に示すように、光学部材5は、照明ファイバ341が出射した照明光を中継して測定対象物S1に照明光を照射するとともに、測定対象物S1からの照明光の戻り光を受光ファイバ342に中継する。光学部材5は、所定の屈折率を有する硝材やプラスティック等の材質を用いて構成される。
【0072】
これにより、光学測定装置1は、測定対象物S1の表面の凹凸形状の影響を受けずに測定対象物S1の測定を行うことができる。なお、光学部材5の先端部を、長手方向に対して斜めに切り欠くことによって傾斜面を形成してもよい。さらに、光学部材5は、測定波長の光を中継できればよく、空気などの気体、水などの液体であってもよい。この場合、金属や樹脂からなる中空の部材を用いればよい。
【0073】
さらにまた、光学部材5が測定プローブ3の先端部33に対して着脱自在であってもよい。これにより、測定対象物S1によって測定対象物S1と測定プローブ3の先端との距離を設定した光学測定を行うことができる。また、光学部材5の着脱は、結合部(図示せず)にそれぞれ雄ネジおよび雌ネジを設けることにより着脱自在に構成してもよい。もちろん、一方に溝を設け、他方に爪を設けて着脱自在に構成してもよい。
【0074】
また、本発明では、異なる配置のファイババンドル34を用いることができる。
図16は、照明ファイバ341と受光ファイバ342とが六方細密状に配置された先端部33の一例を示す図である。
図17は、照明ファイバ341と受光ファイバ342とが同心円状に配置された先端部33の別の一例を示すである。
図18は、照明ファイバ341と受光ファイバ342とが格子状に配置された状態であって、照明ファイバ341の位置がファイババンドル34の中心からずれた位置に配置された先端部33の一例を示す図である。
図19は、照明ファイバ341と受光ファイバ342とがランダムに配置された先端部33の一例を示す図である。
【0075】
対応付け部28cは、上述した対応付け処理を行うことによって、
図16〜
図19に示すように配置されたファイババンドル34を用いる場合であっても、先端部33の各受光ファイバ342と基端部31の各受光ファイバ342との位置合わせを容易に行うことができる。
【0076】
また、本発明では、光源部22と照明ファイバ341との接続方法を変更することができる。
図20は、本発明の一実施の形態の変形例1にかかる光学測定装置を模式的に示す概略構成図である。
【0077】
図20に示す光学測定装置200は、ファイババンドル34の途中から個別に延ばした照明ファイバ341を本体部201の光源部22に接続する。この場合、検出部24は、測定プローブ3の基端部31に接続させてもよい。
【0078】
また、本発明では、光源部22と照明ファイバ341との接続方法をさらに変更することができる。
図21は、本発明の一実施の形態の変形例2にかかる光学測定装置を模式的に示す概略構成図である。
【0079】
図21に示す光学測定装置300は、本体部301に光源部22が照射する照明光を測定プローブ3の照明ファイバ341に向けて反射するとともに、測定プローブ3の各受光ファイバ342から出射された測定対象物S1からの照明光の戻り光を検出部24に透過させる光学系302を備える。光学系302は、光源部22が照射する照明光を集光する集光レンズ302aと、集光レンズ302aが出射した照明光を測定プローブ3の照明ファイバ341に向けて反射する一方、測定プローブ3から出射された測定対象物からの照明光の戻り光を透過させる光分割素子302bと、測定プローブ3が出射した測定対象物S1からの照明光の戻り光を集光する一方、光分割素子302bから反射された照明光を照明ファイバ341に集光する集光レンズ302cと、光分割素子302bを透過した照明光の戻り光を伝播するコリメートレンズ302dと、を有する。
【0080】
また、本発明では、測定プローブ3の先端部33から照明ファイバ341を中心とした軸対象に強度が変化する空間プロファイルを別の投影で行ってもよい。
図22は、照明ファイバ341を中心とした軸対象に強度が変化する空間プロファイルを測定プローブ3の先端部33に発生させる際の別の模式図である。
【0081】
図22に示すように、リレー光学系401を介して同心円状に強度が変化する少なくとも1種類の1次像P4の中心と測定プローブ3の先端部33の照明ファイバ341の中心とを一致させて投影させる。これにより、対応付け部28cは、1次像P4のパターンとリレー光学系401の倍率に基づいて、先端部33の受光ファイバ342の強度分布と照明ファイバ341の距離とを対応付けることができる。さらに、1次像を投影する方法は、空間プロファイルの制御がしやすく、既知の空間プロファイルを得る場合に適用することが容易である。
【0082】
また、本発明では、測定プローブ3の先端部33から照明ファイバ341を中心とした軸対象に強度が変化する空間プロファイルを有する光を別の投影で行ってもよい。
図23は、照明ファイバ341を中心として光強度が変化する空間プロファイルを有する光を測定プローブ3の先端部33に発生させる際の別の模式図である。
【0083】
図23に示すように、レーザ等によって構成された外部光源402によって、集光レンズ403を介して測定プローブ3の先端部33における照明ファイバ341に1波長の波長長光を入射させる。これにより、照明ファイバ341のクラッド厚みが波長長光を漏れ出し、測定対象波長の光を閉じ込めた空間プロファイルを先端部33に投影される。具体的には、
図24に示す空間プロファイルが測定プローブ3の先端部33に投影される。なお、外部光源402として、測定プローブ3の照明ファイバ341のコア径と同一以下のコア径の照明ファイバからの射出光を用いても良い。この場合、LED、Xeランプなどの任意の光源から得られる光を用いてもよい。
【0084】
また、本発明では、照明光の波長範囲は、生体組織の情報取得のために最適化されるべきもので、適用先によって任意に設定可能であり、分光情報が有用である場合は、その波長範囲をカバーして広めに設定したり、離散的に複数帯域を設定したり、不要な場合はある程度帯域を限定したりすることで設定することができる。
【0085】
また、本発明では、検出部24が測定プローブ3の受光ファイバ342から入射された測定対象物S1内部を伝播して戻ってきた光のスペクトル成分および強度分布を検出して、各波長の検出値を測定してもよい。この場合、検出部24は、分光のための回折格子等の分光デバイスを用いればよい。この回折格子等の分光デバイスは、リレー光学系の平行光路中に配置されることが望ましい。
【0086】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態を含みうるものであり、特許請求の範囲によって特定される技術的思想の範囲内で種々の設計変更等を行うことが可能である。