特許第6205364号(P6205364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205364
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】薬物徐放性眼用レンズ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20170914BHJP
   A61K 9/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/4535 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/4402 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/335 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   G02C7/04
   A61K9/00
   A61P27/02
   A61P29/00
   A61P37/08
   A61K31/4535
   A61K31/4402
   A61K31/335
   A61K31/445
   A61K47/32
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-534073(P2014-534073)
(86)(22)【出願日】2012年9月5日
(86)【国際出願番号】JP2012072543
(87)【国際公開番号】WO2014038004
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2015年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138082
【氏名又は名称】株式会社メニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100078190
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 三千雄
(74)【代理人】
【識別番号】100115174
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 正博
(72)【発明者】
【氏名】濱口 真一
(72)【発明者】
【氏名】小川 晋
(72)【発明者】
【氏名】福田 義正
(72)【発明者】
【氏名】新居田 理
(72)【発明者】
【氏名】島川 伸太郎
【審査官】 小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−528714(JP,A)
【文献】 特表2009−542674(JP,A)
【文献】 特表2008−511870(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/073193(WO,A2)
【文献】 国際公開第97/031019(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00 − 13/00
A61F 2/16
A61F 9/00
A61K 9/00
A61P 27/02
A61P 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと共に、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート及び不飽和カルボン酸のうちの少なくとも1種を含む複数のモノマーの所定のモル分率における重合物からなり、且つ各モノマー成分の分配係数とモル分率の積の総和にて表わされる該重合物の分配係数が0.43〜0.82である水膨潤性のレンズ材料にて構成されてなる眼用レンズに対して、分配係数が1.3〜2.2である薬物を1〜50μgの割合で担持せしめて、かかる担持された薬物が、該眼用レンズの使用中において漸次放出せしめられるように構成したことを特徴とする薬物徐放性眼用レンズ。
【請求項2】
前記レンズ材料が、親水性であって、0.6〜1.1MPaの引張弾性率を有している請求項1に記載の薬物徐放性眼用レンズ。
【請求項3】
前記重合物を与える複数のモノマーのうちの一つとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが用いられ、且つそのモル分率が0.5〜0.95とされている請求項1又は請求項2に記載の薬物徐放性眼用レンズ。
【請求項4】
前記薬物が、1〜30μgの割合で担持されている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の薬物徐放性眼用レンズ。
【請求項5】
前記薬物が、抗アレルギー薬である請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の薬物徐放性眼用レンズ。
【請求項6】
前記薬物が、ケトチフェン、クロルフェニラミン、レボカバスチン、及びそれらの薬学的に許容され得る塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の薬物徐放性眼用レンズ。
【請求項7】
前記重合物を与える複数のモノマーが、メチル(メタ)アクリレート及び/又はエチル(メタ)アクリレートを含んでいる請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載の薬物徐放性眼用レンズ。
【請求項8】
前記エチル(メタ)アクリレートのモル分率が0.01〜0.45とされている請求項7に記載の薬物徐放性眼用レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物徐放性眼用レンズ及びその製造方法に係り、特に、担持した薬物を経時的に徐々に放出することの出来るコンタクトレンズと、それを有利に製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンタクトレンズや眼内レンズの如き眼用レンズの一つとして、所定の薬物を高分子ゲルからなるレンズ材料に吸着乃至は担持(保持)させて、眼用レンズとしての使用中において、かかる薬物が経時的に少しずつ放出せしめられるようにすることにより、そのような薬物の薬効が長時間に亘って発揮され得るようにした薬物徐放性レンズが注目され、各種のものが提案されている。
【0003】
例えば、特許第4379778号公報においては、水酸基を有する親水性モノマーとリン酸基を有するメタクリレートと側鎖に窒素原子を有するモノマーとを必須の構成成分として含んで構成される共重合体を、レンズ材料として用いた薬物徐放性眼用レンズが、明らかにされており、そのようなレンズ材料を構成する共重合体の内部に、カチオン性置換基を有する薬物が含有、保持せしめられるようになっている。要するに、そこでは、共重合体中のリン酸基にて、カチオン性置換基を有する薬物をイオン結合により強く保持し、更に、共重合体中の窒素原子と薬物分子内の窒素原子との比較的弱い分子間相互作用により、安定した薬物包括様式の形成を可能ならしめて、薬物を効果的に保持して、徐放することが出来るようにしているのである。
【0004】
また、WO2010/095478に開示の薬物徐放性ハイドロゲルコンタクトレンズにあっても、少なくともカチオン性モノマーとアニオン性モノマーとをイオン性モノマーとして共重合して得られるハイドロゲルを、レンズ材料として用いて、これに、アニオン性薬剤をイオン結合させて保持せしめるようになっている。そして、そのようなレンズ材料中のカチオン性基とイオン的相互作用を形成しているアニオン性薬剤が、涙液中のマイナスイオン成分とイオン交換反応することにより遊離して、持続的に放出されるようにすることにより、かかる薬剤の投薬効果が有利に発揮され得るとされている。
【0005】
しかしながら、それら特許文献に開示の薬物徐放性レンズにあっては、レンズ材料を構成する共重合体を与えるモノマーとして、特許第4379778号公報に開示されているような、リン酸基を有する特定構造のメタクリレートの如き、一般的でないモノマー種を必須成分としていたり、レンズ材料に保持される薬物がカチオン性或いはアニオン性であることが必要とされているために、適用可能な薬物やレンズ材料が限定されることとなって、汎用性に欠けることが問題視されている。
【0006】
一方、WO2008/042454においては、眼のアレルギー性結膜炎の症状を軽減させるべく、市販のコンタクトレンズに対して、ケトチフェンの如き、抗アレルギー性薬剤を保持せしめることが、明らかにされており、その実施例では、コンタクトレンズを装用してから60分で80%以上の薬物が放出され、そして120分が経過すると、レンズに保持されている薬物の90%或いはそれ以上が放出されてしまうことが、示されている(図1参照)。而して、そのようなレンズからの保持薬物の早期の放出は、終日装用されるコンタクトレンズから薬物を持続的に放出せしめる目的に合致するとは言い難いものである。このため、そこでは、レンズを25μg/ml(ppm)のケトチフェン溶液に浸漬して、ケトチフェンを充分に保持させることで、アレルギー症状の抑制を達成するようにしており、これに対して、ケトチフェンの10μg/mlの溶液に浸すだけでは、その抑制効果はやや不充分であることが、明らかにされているのである。また、そこでは、3mlの浸漬液が使用されているために、実際、ケトチフェンが含有される量としては、レンズ1枚当たり75μgとなる量において、ケトチフェンが含有せしめられるようになっているのである。
【0007】
ところで、薬物徐放性眼用レンズにおいて、それから放出される薬物の薬理効果をより高めるべく、そのような薬物の保持量を多くしたりすると、その多量の薬物による副作用が惹起される恐れがあり、問題となるところから、かかる薬物徐放性眼用レンズには、なるべく少量の薬物を保持して長時間に亘って薬効が持続する特性、例えば、一日使い捨て用のコンタクトレンズにあっては、終日に亘って薬効が持続する特性が付与されることが、望まれている。なお、そのような要請に応えるために、レンズ材料を与えるポリマーの架橋密度を高くすることで、薬物保持性を高めようとすると、レンズ材料の引張弾性率の上昇を惹起し、それによって、レンズの硬化や含水率低下による表面接触角の上昇等の問題が惹起されるようになるのであり、以て、レンズの装用に際して、使用者に不快感を与える等の問題を惹起するようになるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
かかる状況下、本発明者らは、薬物徐放性眼用レンズにおける薬物徐放機構について、種々検討した結果、そのような眼用レンズに保持せしめられる薬物とレンズ材料のそれぞれの分配係数(LogP)に着目して、かかる薬物が疎水性(LogP>0)であれば、眼用レンズ材料の分配係数(LogP)の数値が大きい程、その眼用レンズは薬物を保持する能力が高いという知見を得、そしてこの知見に基づいて、更に検討を進めて、特定の分配係数のレンズ材料にて構成される眼用レンズが、特定の分配係数の薬物を有利に担持し、そしてレンズとしての使用中においては、その薬物を長時間に亘って持続的に放出することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。しかも、そのような薬物徐放性眼用レンズにあっては、レンズへの薬物の担持量を最適化することにより、従来から採用されている薬物担持量よりも少ない割合において担持せしめても、かかる薬物の薬理効果を有利に発揮させることが出来ることが、明らかとなったのである。
【0009】
従って、本発明の課題とするところは、新規な構成からなる薬物徐放性眼用レンズと、その有利な製造方法を提供することにあり、また他の課題とするところは、レンズ材料と担持されるべき薬物とを巧みに組み合わせることにより、薬物の持続的な放出を有利に向上せしめ、更には少ない薬物担持量にて、その薬効を効果的に発揮せしめることの出来る薬物徐放性眼用レンズと、その製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、本発明にあっては、上記した課題を解決するために、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと共に、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート及び不飽和カルボン酸のうちの少なくとも1種を含む複数のモノマーの所定のモル分率における重合物からなり、且つ各モノマー成分の分配係数とモル分率の積の総和にて表わされる該重合物の分配係数が0.43〜0.82である水膨潤性のレンズ材料にて構成されてなる眼用レンズに対して、分配係数が1.3〜2.2である薬物を1〜50μgの割合で担持せしめて、かかる担持された薬物が、該眼用レンズの使用中において漸次放出せしめられるように構成したことを特徴とする薬物徐放性眼用レンズを、その要旨とするものである
【0011】
ここで、本発明に従う薬物徐放性眼用レンズの望ましい態様の一つによれば、前記レンズ材料は親水性であって、0.6〜1.1MPaの引張弾性率を有している。
【0012】
また、本発明に従う薬物徐放性眼用レンズの望ましい態様の他の一つによれば、前記重合物を与える複数のモノマーのうちの一つとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが用いられ、且つそのモル分率が0.5〜0.95となるように構成されることとなる。更に、本発明にあっては、有利には、かかる2−ヒドロキシエチルメタクリレートと共に、メチル(メタ)アクリレート及び/又はエチル(メタ)アクリレートが組み合わされて、用いられる。エチル(メタ)アクリレートが用いられる場合、そのモル分率は0.01〜0.45となるように構成されることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明に従う薬物徐放性眼用レンズの望ましい態様の他の一つによれば、前記薬物は、1〜30μgの割合で担持されることとなる。
【0014】
更にまた、本発明において眼用レンズに担持される薬物としては、一般に、抗アレルギー薬が用いられ、有利には、ケトチフェン、クロルフェニラミン、レボカバスチン、及びそれらの薬学的に許容され得る塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が用いられる。
【発明の効果】
【0016】
このような本発明に従う薬物徐放性眼用レンズにあっては、分配係数が所定の範囲内にある水膨潤性のレンズ材料を用いて、これに、分配係数が所定の範囲内にある薬物を担持せしめるものであるところから、かかる薬物を保持し得る能力が有利に高められ得ているのであり、これによって、眼用レンズに担持された薬物を、そのようなレンズの使用中において、持続的に且つ長時間に亘って効果的に漸次放出せしめることが、可能となったのである。
【0017】
また、そのような本発明に従う薬物徐放性眼用レンズの高い薬物保持能力によって、より少ない薬物担持量において、かかる薬物を長時間に亘って持続的に放出せしめて、その薬理効果を持続的に発揮することが出来るという特徴も有しているのである。
【0018】
そして、そのような特徴を有する薬物徐放性眼用レンズは、単に、所定の薬物の溶液に浸漬せしめるだけで得られるものであるところから、かかる眼用レンズの包装溶液にそのような薬物を溶解、含有せしめて、眼用レンズを浸漬し、そのユーザーに対して提供するようにすれば、目的とする薬物が効果的に担持された眼用レンズを、ユーザーに対して有利に提供することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例において求められた、ケトチフェン含有レンズからの経時的なケトチフェン放出率を示すグラフである。
図2】実施例において求められた、ケトチフェン含有レンズの24時間後における薬効の評価結果を示すグラフである。
図3】実施例において求められた、担持量の異なるケトチフェン含有レンズの24時間後の薬効の評価結果を示すグラフである。
図4】実施例において求められた、薬物担持量の異なるレンズと細胞毒性の関係の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここにおいて、本発明に従う薬物徐放性眼用レンズは、複数のモノマーを所定のモル分率にて重合せしめて得られる重合物からなる、分配係数が0.35以上の水膨潤性のレンズ材料から構成されるものであって、そのようなレンズ材料は、一般に、水酸基含有モノマーを主体として、これに、レンズ材料を与えるモノマーとして通常用いられている公知のモノマーを組み合わせ、それらモノマーを共重合せしめることによって、眼用レンズにふさわしい特性を付与せしめ得るように構成された、好ましくは親水性の材料である。なお、ここにおいて、「モノマー」とは、重合性の不飽和結合を有する化合物を意味するものである。
【0021】
そして、そのような特性のレンズ材料の主体となる水酸基含有モノマーとしては、公知の各種のものが適宜に選択され、例えば、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることが出来る。また、それらモノマーの中でも、後述する分配係数が0.35以上であるレンズ材料を有利に得る上において用いられる水酸基含有モノマーも、その分配係数が0.35以上であることが望ましく、更にその中でも、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが有利に用いられることとなる。また、そのような水酸基含有モノマーは、モノマー全体において、モル分率が0.5以上となるような割合において用いられることとなる。なお、本明細書において、「・・・(メタ)アクリレート」なる表記は、「・・・アクリレート」及び「・・・メタクリレート」を含む総称であり、また、「(メタ)アクリル酸」なる表記は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」を含む総称であることが、理解されるべきである。
【0022】
また、かくの如き水酸基含有モノマーに組み合わされて共重合せしめられる他のモノマーとしては、公知の各種のレンズ材料形成モノマーの中から、適宜に選択され得るところであって、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸、更にはポリシロキサンマクロモノマー、シリコン含有アルキル(メタ)アクリレート、シリコン含有スチレン誘導体の如きシリコンモノマー等を挙げることが出来るが、本発明の目的とする薬物徐放特性の向上の観点から、分配係数が0.35以上であるモノマーが有利に選択されることとなる。そして、その中でも、本発明にあっては、メチル(メタ)アクリレート及びエチル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種が、上記した水酸基含有モノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリレートと共に、有利に用いられることとなる。なお、そのようなメチル(メタ)アクリレート及び/又はエチル(メタ)アクリレートは、一般に、モル分率が0.01以上となる割合において、好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上となる割合において、用いられることとなる。
【0023】
さらに、本発明の対象とする眼用レンズを与えるレンズ材料は、従来のレンズ材料と同様に架橋されていることが望ましく、そのために、上記した水酸基含有モノマーに共重合せしめられる他のレンズ材料構成モノマーの一つとして、架橋性モノマーも有利に用いられることとなる。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の、従来から架橋剤として用いられている多官能モノマーを挙げることが出来、その中でも、特に、分配係数が0.35以上である多官能モノマーが、有利に用いられることとなる。なお、そのような架橋性の多官能モノマーは、従来から公知の範囲内において用いられ得るものであって、例えば、モル分率が0.001〜0.04程度となる割合において、用いられることとなる。
【0024】
そして、かくの如き複数のモノマーが組み合わされて、重合せしめられることによって得られる重合物にて構成されるレンズ材料の分配係数は、そのような重合物を構成する各モノマー成分の分配係数とモル分率の積の総和にて表わされるものであって、この分配係数が0.35以上となるように、該重合物が構成されるのである。具体的には、M1 、M2 ・・・Mn のn個のモノマーを重合して得られる重合物の分配係数(LogP)は、それらモノマーM1 、M2 ・・・Mn のそれぞれのモル分率をm1 、m2 ・・・mn とすると、下式(1)にて表わされるものである。
重合物(レンズ材料)の分配係数(LogP)
=(M1 の分配係数)×m1 +(M2 の分配係数)×m2 +・・・・・・
+(Mnの分配係数)×mn ・・・(1)
【0025】
このように、本発明においては、目的とする眼用レンズを構成するレンズ材料の分配係数が0.35以上となるように、公知の複数のモノマーを組み合わせて、共重合せしめるものであり、そしてそれによって、長時間に亘る持続的な薬物徐放性を実現するものであるところから、何等特別な構造のモノマー成分を用いる必要がなく、そのために、汎用性に欠ける等の問題を惹起することがないのであり、またレンズ材料の製造も、容易となっているのである。
【0026】
さらに、かくの如き複数のモノマーを所定のモル分率にて重合せしめて得られた重合物からなる水膨潤性のレンズ材料は、望ましくは、その引張弾性率が1.5MPa以下となるように、また親水性となるように、特にその表面の水に対する接触角が60°以下、中でも30°以下となるように、構成されることとなる。そのような引張弾性率や接触角をレンズ材料に付与することにより、装用性に優れたコンタクトレンズを有利に得ることが出来るのである。
【0027】
なお、上述の如き複数のモノマーを重合せしめて、目的とするレンズ材料(重合物)を得るには、従来から公知の各種の重合方法を採用することが、可能である。例えば、特開2002−311395号公報や特開2003−344812号公報等に明らかにされている如く、所定のモノマー混合物に重合開始剤を添加した後、段階的に加熱、昇温して、重合せしめ、最終的に約120℃の温度で重合を完結させる方法(熱重合法)や、増感剤を添加した後、適当な光線を照射して重合を行なう方法(光重合法)、又はそれら熱重合法と光重合法とを組み合わせて重合を行なう方法等が、挙げられる。また、重合形式としては、一般に、塊状重合法が採用されることとなるが、必要に応じて、溶液重合法が採用されても何等差支えない。
【0028】
また、そのようにして得られるレンズ材料から、目的とする眼用レンズ、例えば、コンタクトレンズや眼内レンズ等を成形する方法にあっても、特に限定されるものではなく、従来から公知の各種の成形手法を採用することが可能である。なお、そのような成形方法としては、例えば、特開2002−308954号公報等に明らかにされている如く、切削加工法や鋳型(モールド)法等を例示することが出来る。具体的には、切削加工法は、重合を適当な型内又は容器内で行ない、棒状、ブロック状、板状等の素材(重合物)を得た後、切削加工、研磨加工等の機械的加工によって、所望の眼用レンズ形状に成形する方法であり、一方、鋳型法は、所望とする眼用レンズ形状の成形キャビティを有する型を用意し、この成形キャビティ内で前記したモノマー成分の重合を行なって、目的とする成形物を得、更に必要に応じて機械的に仕上げ加工を施す方法である。
【0029】
そして、本発明にあっては、かくの如くして得られるコンタクトレンズや眼内レンズの如き眼用レンズに対して、分配係数が0.00又はそれよりも大なる薬物を担持せしめるようにしたものであって、これにより、かかる薬物の担持を効果的に行なわしめ、以て眼用レンズからの薬物の長時間に亘る持続的な放出を、効果的に実現せしめ得たのである。また、そのような特定の分配係数を有する薬物を、より分配係数の高いレンズ材料からなる眼用レンズに保持させるようにしたことにより、薬物保持性がより向上せしめられ得ることとなり、これによって、薬物のレンズへの担持量を有利に低減させても、長時間に亘って持続的に薬効を発揮せしめ得ることとなったのであり、以て薬物の副作用の問題も有利に回避され得ることとなったのである。
【0030】
また、本発明において、そのような所定の分配係数を有する薬物としては、公知の各種のものの中から適宜に選定されることとなるが、有利には、抗アレルギー薬が選択され、その中でも、ケトチフェン、クロルフェニラミン、オロパタジン、レボカバスチン、トラニラストや、それらの薬学的に許容され得る塩等を挙げることが出来る。そして、それらからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が、担持せしめられるのである。また、それらの薬物の眼用レンズ1枚当たりの担持量(保持量)としては、一般に、1〜50μg、好ましくは、1〜30μg、より好ましくは、1〜20μgの少ない割合とされ、これによって、薬物による副作用が可及的に回避され得るようになっている。
【0031】
ところで、上述の如く、本発明において重要な意義を有するモノマーの分配係数や薬物の分配係数は、それぞれ、JIS Z 7260−107:2000にて規定される「分配係数(1−オクタノール/水)の測定−フラスコ振とう法」に準拠して、1−オクタノールとリン酸緩衝液(pH=7.4)の二相に対する、被験物質(モノマー又は薬物)の平衡濃度を測定して、下式(2)にて求めたものである。
LogP=Log(CO /CW ) ・・・(2)
[但し、CO :1−オクタノール相中の被験物質の濃度
W :リン酸緩衝液相中の被験物質の濃度]
【0032】
また、本発明に従って、分配係数が0.35以上であるレンズ材料からなる眼用レンズに対して、分配係数が0.00又はそれよりも大なる薬物を担持させる際には、そのような眼用レンズを、かかる薬物の溶液、一般には、水性溶液に浸漬せしめることにより、薬物は、眼用レンズの組織内に容易に浸透して、担持されるようになるのである。また、その際、目的とする薬物の担持量が1〜50μgとなるように、浸漬溶液量や浸漬溶液中の薬物の濃度が適宜に設定されることとなる。
【0033】
このように、目的とする薬物の眼用レンズへの担持が、単に、かかる薬物の溶液中に浸漬するだけで実現され得るところから、そのような眼用レンズの包装溶液や保存液に、かかる薬物を溶解、含有せしめた状態において、本発明に従う眼用レンズを浸漬するようにすれば、そのような眼用レンズがユーザーに提供された段階において、眼用レンズには、既に目的とする薬物が担持されているところから、直ちに、当該眼用レンズをユーザーが使用しても、かかる薬物の効果的な徐放特性を有利に発揮させることが可能となるのである。
【実施例】
【0034】
以下に、本発明の実施例を含む幾つかの実験例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実験例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0035】
−分配係数の測定−
以下の実験例において用いられる各種のモノマー及び薬物について、JIS Z 7260−107:2000「分配係数(1−オクタノール/水)の測定−フラスコ振とう法」に準拠して、それぞれの分配係数(LogP)を測定した。即ち、被験物質であるモノマー又は薬物を、100ppmの濃度となるように、1−オクタノール或いはpH=7.4に調整したリン酸緩衝液に溶解した後、1−オクタノールとリン酸緩衝液とが1:1(容積比)となる割合において良く混合せしめて分配平衡を達成せしめ、そして、1−オクタノール相とリン酸緩衝液相のそれぞれの相における被験物質の濃度を、高速液体クロマトグラフィにて定量して、先の式(2)に基づいて、各被験物質の分配係数(LogP)を算出した。そして、その結果を、下記表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
−レンズ材料の調製−
下記表2及び表3に示されるモノマーの組み合わせと使用量(モル分率)において、通常の塊状重合法に従って重合せしめることにより、レンズ1乃至レンズ10を与える10種のレンズ材料を、それぞれ製造した。そして、その得られたレンズ材料の分配係数(LogP)を、前記表1に示される各モノマーの使用量(モル分率)と分配係数とに基づいて、式(1)に従って算出し、その結果を、下記表2及び表3に併せ示した。
【0038】
また、それら10種のレンズ材料のヤング率と接触角についても調べ、その結果を、下記表2及び表3に示した。なお、接触角の測定は、測定対象のレンズ材料からなるプレート上に水滴を載せ、それら水滴とレンズとの接触角(°)を測定する手法(sessile drop法)により、実施した。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
−ケトチフェンの放出率−
前記表2及び表3に示される各種分配係数を有するレンズ材料から得られたコンタクトレンズであるレンズ1〜レンズ10について、それぞれ、ケトチフェンの放出開始から4時間経過後に至るまでの放出量を測定し、その4時間放出率を求めて、それぞれのレンズの徐放性評価を行ない、それらの結果を、下記表4及び表5に示した。
【0042】
なお、ケトチフェンの放出率の測定には、先ず、各レンズを、ケトチフェンフマル酸塩(分配係数=2.19)の5ppm水溶液の2mLに、それぞれ浸漬せしめて、18時間放置することにより、ケトチフェンフマル酸塩が約10μg担持された、各種の薬物保持レンズを得た。なお、この薬物保持レンズ中のケトチフェンフマル酸塩の担持量は、それぞれのレンズを浸漬した液中に残存するケトチフェンフマル酸塩量を、高速クロマトグラフィ(HPLC)にて定量して得られた結果から、算出された。
【0043】
次いで、かかる薬物担持レンズのそれぞれを、生理食塩水の10mLに浸漬し、そしてその浸漬開始から4時間経過した後の生理食塩水中のケトチフェンフマル酸塩の存在量を、HPLCにて測定することにより、それぞれの薬物担持レンズからの4時間浸漬中のケトチフェン放出量を求め、そしてその放出量から、ケトチフェンフマル酸塩の放出率を算出した。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
かかる表4及び表5の結果から明らかなように、分配係数が0.35以上のレンズ材料からなるレンズ1〜レンズ7にあっては、生理食塩水への浸漬開始から4時間経過した後においても、ケトチフェンフマル酸塩は、レンズ中に約40〜60%程度も残存していることが認められたのに対して、分配係数が0.35よりも小さなレンズ材料からなるレンズ8〜レンズ10にあっては、何れも、ケトチフェンフマル酸塩の4時間放出率が80%〜90%以上にもなり、徐放性において充分でないことが認められた。
【0047】
−ケトチフェンの経時的放出率−
分配係数が0.82であるレンズ材料からなるレンズ1と、分配係数が0.34であるレンズ材料からなるレンズ9について、先の実験と同様にして、約10μgのケトチフェンフマル酸塩を担持せしめた後、生理食塩水中において、その放出率を経時的に測定し、その結果を、図1に示した。
【0048】
かかる図1には、レンズ9よりも分配係数の大きなレンズ1の方が、浸漬してから数時間の間における放出率が低く抑えられていると共に、その放出率は経時的に増大していることが認められ、これによって、徐放性に優れたものであることが理解される。
【0049】
−家兎眼装用による薬効確認試験−
先の表2及び表3に示されるレンズ1、5及び9に対して、先の実験と同様にして、ケトチフェンフマル酸塩を約10μg担持せしめてなる薬物保持レンズを用い、それらを家兎眼に装用せしめた。即ち、瞬膜を切除した日本白色家兎(雄)眼にそれぞれの薬物保持レンズを装用せしめ、その12時間後にレンズを外し、更に12時間後に、10%ヒスタミン溶液50μLを点眼して、結膜炎症状を惹起させた。更にその30分後、結膜炎症状(充血、腫脹)を観察し、スコア化した。また、比較のために、薬物含有溶液を点眼投与した後、24時間後において同様な処置を施し、そして同様にして結膜炎症状を観察し、スコア化した。なお、結膜の状態の評価は、Draize法に準じて、発赤を0〜2の3段階、浮腫を0〜4の5段階、分泌物を0〜3の4段階のトータルスコア9においてスコア化し、その結果を、図2に示した。
【0050】
また、同様な薬効評価試験を、レンズ1について、ケトチフェンフマル酸塩の担持量を0.1μg、1μg又は10μgの割合とした形態において、処置後24時間後の薬効について、上記と同様に調べ、また点眼投与した場合と比較して、その結果を、図3に示した。
【0051】
それら図2及び図3の結果から明らかなように、分配係数が0.35以上であるレンズ材料からなるレンズ1やレンズ5においては、24時間後においても優れた薬効が認められ、また薬物の担持量がレンズ当たり1μg以上となることにより、24時間後においても、優れた薬効が発揮され得ることが、認められるのである。
【0052】
−各種薬物の4時間放出率−
先の表2及び表3に示されるレンズ材料からなるレンズ1、レンズ5及びレンズ9に対して、それぞれ、オロパタジン塩酸塩(分配係数=0.35)、クロルフェニラミンマレイン酸塩(分配係数=1.31)又はペミロラストカリウム(分配係数=−0.55)を、薬物として、先の表4及び表5の場合と同様にして、10μgの担持量となるように保持せしめた。そして、それぞれの薬物担持レンズについて、生理食塩水に浸漬してから4時間経過するまでの薬物放出量を測定して、それぞれ、4時間放出率を算出し、その結果を、徐放性評価と共に、下記表6、表7及び表8に示した。なお、表6は、オロパタジン塩酸塩の4時間放出率を示し、また表7は、クロルフェニラミンマレイン酸塩の4時間放出率を示し、更に表8は、ペミロラストカリウムの4時間放出率を示している。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
上記表6及び表7から明らかな如く、本発明に従うレンズ材料からなるレンズ1及びレンズ5にあっては、分配係数が0よりも大きな薬物である、オロパタジン塩酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩に対して、高い薬物保持性を発揮し、薬物徐放性において優れていることを認めたが、分配係数の小さなレンズ材料からなるレンズ9にあっては、何れの薬物にあっても、生理食塩水中に4時間浸漬されることによって、殆どの薬物が放出されてしまうことが明らかとなった。
【0057】
また、表8の結果より明らかな如く、分配係数が0よりも小さな薬物であるペミロラストカリウムに対しては、レンズ材料の分配係数に関係なく、レンズ1、レンズ5及びレンズ9の何れのレンズにおいても、生理食塩水中に4時間浸漬されることにより、担持された薬物の殆どが放出されてしまうことが認められた。
【0058】
−蒸留水中における薬物放出特性の評価−
薬物としてケトチフェンフマル酸塩(分配係数=2.19)を、先の表4及び表5の場合の如く、約10μg担持せしめてなる、レンズ1、レンズ5及びレンズ9を用いて、眼内環境とは異なる、蒸留水中でのケトチフェンフマル酸塩の4時間放出率を、先の表4及び表5の場合と同様にして求め、その結果を、下記表9に示した。
【0059】
【表9】
【0060】
かかる表9の結果から明らかなように、眼内環境に相当する生理食塩水中とは異なり、レンズ1やレンズ5に担持されたケトチフェンフマル酸塩は、蒸留水中に全く放出されなかったのに対して、レンズ9においては、担持されたケトチフェンフマル酸塩の大部分が蒸留水中に放出されてしまっていることが認められるのである。
【0061】
−安全性確認試験−
分配係数が0.82であるレンズ材料からなるレンズ1に対して、薬物としてのケトチフェンフマル酸塩をレンズ1枚当たり1μg、10μg、20μg、50μg又は100μgの担持量となるように保持せしめて、それぞれのレンズについて、以下の如き細胞毒性試験を実施し、コロニー形成率を求めて、その結果を、図4に示した。
【0062】
(細胞毒性試験)
細胞培養液(5容量%牛胎仔血清添加MEM培地)に約50個のV79細胞(チャイニーズハムスター肺由来繊維芽細胞)を播種して、炭酸ガスインキュベータ内で4時間培養することにより、培養液を準備した。次いで、かかる得られた培養液に対して、先の薬物担持量の異なるレンズ1を、それぞれ沈めて、炭酸ガスインキュベータ内で1週間の培養を行なった後、その培養液に形成された細胞のコロニー数をカウントして、下式により、コロニー形成率を算出した。なお、対照として、レンズ1を浸漬することなく、培養液のみで1週間培養した場合におけるコロニー形成数も求めて、下式における分母として用いた。
コロニー形成率(%)
=(試験レンズを浸漬した培養液中で形成したコロニー数)
/(培養液のみで形成したコロニー数)×100
【0063】
そして、図4の結果より明らかな如く、レンズ内への薬物(ケトチフェンフマル酸塩)の担持量が増加するに従って、コロニー形成率が低下し、50μgを超えるようになるとコロニー形成率が著しく低くなり、細胞毒性が顕著となることが認められる。
【0064】
−包装溶液組成に対する薬物担持率の評価−
下記表10に示される、溶液組成の異なる各種の包装溶液1〜6に対して、分配係数が0.82であるレンズ材料からなるレンズ1をそれぞれ浸漬せしめ、48時間保持した後における薬物(ケトチフェンフマル酸塩)の担持率を求め、その結果を、下記表10に併せ示した。なお、薬物の担持率は、レンズ1の浸漬前の包装溶液中のケトチフェンフマル酸塩量と、レンズ1の48時間浸漬後における包装溶液中に残存するケトチフェンフマル酸塩量とを測定することにより、算出されたものである。
【0065】
【表10】
【0066】
かかる表10に示される如く、各種の包装溶液中に含有せしめられたケトチフェンフマル酸塩(薬物)は、何れも、レンズ1に対して、高い割合において取り込まれて担持されることとなるところから、本発明に従う薬物を包装溶液中に存在せしめて、本発明に従う眼用レンズを浸漬させ、そして包装して、ユーザーに提供するようにすれば、ユーザーに提供されるまでの間に、眼用レンズ内に包装溶液中の薬物が取り込まれることとなり、以て目的とする薬物徐放性眼用レンズとして、ユーザーに対して有利に提供され得ることとなることが認められる。
図1
図2
図3
図4