(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ECUは、前記車両の前記速度を前記目標設定速度に維持するように、前記パワートレインサブシステムにおけるオーバーラン状態の影響を防ぐために前記車両の前記車輪のうちの1つまたは複数に制動トルクを印加するよう自動的に命令することによって、制動トルクを印加するよう自動的に命令するように構成されているか、又は、前記ECUは、前記車両の前記速度を一時的に前記目標設定速度を下回って低減するために、制動トルクを印加するように自動的に命令することによって、制動トルクを印加するよう自動的に命令し、その後、前記目標設定速度を回復するように、前記パワートレインサブシステムおよび前記制動トルクの前記印加を制御するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
前記ECUは、車両関連情報を表す前記1つまたは複数の電気信号を使用して、前記車両の縦加速度を監視し、前記車両の縦加速度が所定の加速プロファイルを超えるときに、前記車両の前記車輪のうちの1つまたは複数が障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしていると判定するように構成されているか、又は、前記ECUは、車両関連情報を表す前記1つまたは複数の電気信号を使用して、前記車両の前記速度を監視し、前記車両の前記速度が前記目標設定速度を超えるときに、前記車両の前記車輪のうちの1つまたは複数が障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしていると判定するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
前記ECUは、前記車両の前記1つまたは複数の車輪に印加されている制動トルクを増大させるよう自動的に命令することによって、前記車両の前記1つまたは複数の車輪に制動トルクを印加するよう自動的に命令するように構成されている、請求項2〜8のいずれか一項に記載のシステム。
前記ECUは、前記車両の前記パワートレインサブシステムおよびブレーキサブシステムの一方または両方に、前記車両の前記1つまたは複数の車輪に制動トルクを印加するよう自動的に命令することによって、前記車両の前記1つまたは複数の車輪に制動トルクを印加するよう自動的に命令するように構成されている、請求項2〜9のいずれか一項に記載のシステム。
前記ECUは、電気機械によってパワートレインに制動トルクを印加するよう自動的に命令するように構成されている、ハイブリッド車両のために構成される、請求項10に記載のシステム。
前記車両の前記1つまたは複数の車輪に制動トルクを印加するよう自動的に命令する前に、前記ECUは、駆動トルクが所定の割合だけ過剰に増大することが検出されたことに応答して、前記車両の前記ブレーキサブシステムが準備されるように構成されている、請求項10又は11に記載のシステム。
前記車両の前記速度を前記目標設定速度に維持するために、前記加えられる駆動トルクを低減することが必要になることが検出されたことに応答して、前記ECUは、前記車両の前記1つまたは複数の車輪において前記加えられる駆動トルクを低減するよう自動的に命令し、かつ、前記パワートレインサブシステムにおけるオーバーラン状態の影響によって前記車両の前記速度が増大するのを防ぐために、前記車両の前記車輪のうちの1つまたは複数における前記加えられる駆動トルクの低減を、前記車両の前記車輪のうちの1つまたは複数に対する前記制動トルクの前記印加と平衡させるように更に構成されている、請求項2〜12のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記で確認された欠陥の1つまたは複数を最小限に抑え、および/またはなくす速度制御システムおよびそれを使用するための方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
保護を求める本発明の一態様によれば、複数の車輪を有する車両の速度制御システムを動作させるための方法が提供される。方法は、車両関連情報を表す1つまたは複数の電気信号を受信するステップと、車両関連情報を表す1つまたは複数の電気信号に基づいて、車両の車輪のうちの1つまたは複数が障害物を乗り越えたか、または乗り越えようとしていること、および、それゆえ、車両の速度を速度制御システムの目標設定速度に維持するために、パワートレインサブシステムによって車両の車輪のうちの1つまたは複数に加えられる駆動トルクを低減することが必要になることを判定するステップと、車両の速度を目標設定速度に維持するために加えられる駆動トルクを低減することが必要になるという判定に応答して、パワートレインサブシステムにおけるオーバーラン状態の影響によって車両の速度が増大するのを妨げるために、車両の車輪のうちの1つまたは複数に制動トルクを加えるよう自動的に命令するステップとを含む。
【0007】
保護を求める本発明の別の態様によれば、複数の車輪を有する車両のための速度制御システムが提供される。システムは、電子制御ユニットであって、車両関連情報を表す1つまたは複数の電気信号を受信し、車両関連情報を表す1つまたは複数の電気信号に基づいて、車両の車輪のうちの1つまたは複数が障害物を乗り越えたか、または乗り越えようとしていること、および、それゆえ、車両の速度を速度制御システムの目標設定速度に維持するために、パワートレインサブシステムによって車両の車輪のうちの1つまたは複数に加えられる駆動トルクを低減することが必要になることを判定し、車両の速度を目標設定速度に維持するために加えられる駆動トルクを低減することが必要になるという判定に応答して、パワートレインサブシステムにおけるオーバーラン状態の影響によって車両の速度が増大するのを妨げるために、車両の車輪のうちの1つまたは複数に制動トルクを加えるよう自動的に命令するように構成されている、電子制御ユニットを備える。
【0008】
保護を求める本発明の別の態様によれば、本明細書において説明されるシステムを備える、複数の車輪を有する車両が提供される。
【0009】
保護を求める本発明のさらなる態様によれば、本明細書において説明されるような本発明の方法を実行するために複数の車輪を有する車両を制御するためのコンピュータ可読コードを担持するキャリア媒体が提供される。
【0010】
上記の本発明の1つまたは複数の態様の1つまたは複数の例によれば、例えば、オフハイウェイ状態で動作可能な速度制御システムが提供され、システムはパワートレインに、地上で所定の設定速度を維持するために必要とされるトルク(すなわち、駆動トルク)を車両の1つまたは複数の車輪に送達するよう命令し、システムは、車両が例えば、障害物の頂上に達しているという判定に応答して車両の1つまたは複数の車輪に制動トルクを自動的に加え、それによって、車両が障害物を乗り越えるときにパワートレインオーバーランを妨げて、実質的に設定速度を維持するように動作可能である。
【0011】
制動トルクは、ブレーキシステム、電気機械、ギア転換装置、または任意の他の適切な手段の中から選択される1つまたは複数によって加えられてもよい。したがって、1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるための手段は、例えば、車輪のブレーキディスクによって1つまたは複数の車輪に直接的に、または、例えば、パワートレインの一部分に制動トルクを加えることによって間接的に加えるように動作可能であってもよいことは理解されたい。したがって、発電機として動作可能な電気機械を有するハイブリッド車両の場合、オフロード速度制御システムが、電気機械によってパワートレインに制動トルクを加えるように動作可能であってもよい。他の構成も有用である。
【0012】
本発明の実施形態は、車両が障害物を乗り越えるときに、乗員によって車両本体が急に揺れているものとして知覚されるようにし得る速度の過剰な変化なしに、車両安定性が維持され得るという利点を有する。
【0013】
車両が障害物の頂上に達しているかまたは他の様態で乗り越えている(例えば、脱出している)という判定は、例えば、コントローラエリアネットワーク(CAN)もしくは他の適切なデータバス、直接センサ入力または任意の他の適切な手段を介して、システムによって受信される、車両姿勢を示す信号に応答して行われてもよい。例えば、システムは、例えば、車両姿勢、車両姿勢の変化、車両サスペンションアーティキュレーション(伸長または圧縮)および任意の他の適切なパラメータのうちの1つまたは複数を参照することによって車両の1つまたは複数の車輪が頂上に達していることを検出するように動作可能であってもよい。加えて、または代わりに、頂上に達していることは、前進を維持するのに必要とされる、要求されるトルクの大幅な上昇の後に、必要とされるトルクに関して降下が検出される場合に推測され得る。
【0014】
任意選択的に、システムは、頂上に達していることが検出される前に車両が障害物の少なくとも一部分を上るときに車両が障害物を乗り越えていることが検出されるときに、1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるように動作可能であってもよい。さらに、システムは、車両が頂上に達しているという判定に応じて、加えられる制動トルクの量を調節し、それによって、実質的に設定速度を維持するように動作可能であってもよい。この特徴は、いくつかの状況において、パワートレインが制動力によって加えられる減衰力に抗して作用しており、障害物が乗り越えられるときの車両速度の変動を低減するため、車両安定性がさらに向上し得るという利点を有する。さらに、この減衰力は、車輪の望ましくないフレア(スリップ)を軽減するように作用し、困難な地形の上での車両の牽引力を増強する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態は、車両がその上で動作している地形、ならびに車両の姿勢、ホイールアーティキュレーション、車輪速度、ギア選択、タイヤ摩擦、転がり抵抗およびTR(地形レスポンス)モードに関する情報を用いるオフロード速度制御システムを提供することは理解されたい。いくつかの実施形態において、ユーザが、マンホールまたは段差などの障害物を越えて進むためにオフロード速度制御装置を使用している場合、オフロード速度制御システムは、障害物を乗り越えるのに十分なトルクを供給することができ、車両が障害物の頂上に達しているためにトルク(設定速度を維持するための)に対する需要が低減していることをシステムが検出すると、(例えば)車両ブレーキシステムを展開して適切な制動力を提供することができる。システムは、パワートレインオーバーランを妨げるために制動力を与え、車両が意図せず設定速度を超えることを防止して安定性および制御を維持する。
【0016】
(例えば)車両ブレーキシステムによって加えられる制動トルクは一般に、アクセルペダルまたは他の加速装置入力信号(例えば、速度制御システムからの信号)の変化に対する内燃エンジン(ICE)の応答の遅延に起因してパワートレインと比較して、車両の車輪に加えられるトルクの変化速度に関してはるかにより反応性が高いことは理解されたい。すなわち、ICEの物理的性質に起因して、トルク出力は、トルク需要から遅れる傾向にある。特に、トルク需要が高い状態から低くなる場合、エンジンに減速する時間ができるまで、エンジンの回転モーメントは、人為的にトルク出力を高いままにする。駆動がクラッチまたは同様の手段によって車輪から遮断されない限り、エンジンの応答遅延は、車両が障害物の頂上に達するときに車両オーバーランとなり得、すなわち、車両速度が所望される速度を超えて増大する。これは障害物の上での車両の急な揺れとして知覚され得、車両が連続した障害物に向かって速く進み過ぎ、かつ/または後輪が障害物に激しく接触するようになる。これらの特性は、本発明の実施形態によるオフロード速度制御システムによって克服、または少なくとも軽減される。
【0017】
上記のように、オフロード速度制御システムは、車両の姿勢、ならびに、車輪速度、ギア選択、タイヤ摩擦、転がり抵抗、ホイールアーティキュレーションおよびTRモードのうちの1つまたは複数に関する情報を提供され得る。このように、ユーザが低速、例えば3mph(およそ5kph)でオフロードを進むためにオフロード速度制御システムを使用している場合、車両が段差などの障害物を越えてまたはマンホールを越えて進んでいるとき、オフロード速度制御システムは、必要とされるトルクの変化速度を参照することによって車両がほとんど障害物の頂上に達したときを判定し、エンジンオーバーランを妨げるために(例えば)ブレーキシステムによって適切な制動トルクを与えることができる。このように、本発明の一実施形態によるオフロード速度制御システムは、結果としてエンジンオーバーランに起因して車両を不快に前方に急に揺らすことになり得る、必要なトルクの低減を予測し、エンジンオーバーランが車両安定性に悪影響を与える前に、エンジンオーバーランに対向するための対策を講じることができる。したがって、車両は、前進を維持するためのトルク需要の突然の増大を、必要とされるトルクの対応する突然の低減がある可能性が高いという指標として解釈し得ることは理解されたい。それゆえ、速度制御システムは、パワートレインがブレーキシステムの動作に対抗して作用しているように、ブレーキシステムを作動させる。車両が頂上に達すると、ユーザが本体の動きを急な揺れとして知覚する危険性を低減するためにブレーキ力の量を増大させることができる。
【0018】
本発明によるオフロード速度制御システムは、車両がその頂上に達しなくてはならない複数の障害物を有する岩塊原などの地形を乗り越えるために、極限の状態においては車両を一時的に停止(またはほぼ停止)させ得ることは理解されたい。そのような事象において、制動トルクの印加(例えば、ブレーキシステムの動作による)は、そうでなければオーバーラン状況を引き起こし得る主車輪のいずれかが頂上に達する事象に応答するものであり得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、オフロード速度制御システムは、エンジン失速を回避し適切な前進を維持するのに適切なギアで車両がオフロードを低速で進んでいることを保証するために、ギアおよび/または「高/低」比選択を制御し、または他の様態で影響を及ぼすように動作可能であってもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、エンジントルクが加えられるときに1つまたは複数の車輪にホイールスピンが予測される場合に、要求されるエンジントルクを平衡させるために、上記1つまたは複数の車輪に制動トルクが加えられてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、オフロード速度制御システムは、1つまたは複数のシステム構成を調整するための時間を見越して、車両速度を制御し、または他の様態で影響を及ぼすように動作可能であってもよい。例えば、これは、支配的な地形に適切な構成で車両が進んでいることを保証するために、最低地上高またはタイヤ圧または任意の他の適切なパラメータの変更のための時間を見越したものである。したがって、車両が相対的に起伏の多い地形に遭遇した場合、速度制御システムは、最低地上高調整および/またはタイヤ圧調整を可能にするために、車両を停止するか、または速度を低減し得る。いくつかの実施形態において、速度制御システムは、車両が牽引力を失って動きがとれなくなる危険性を低減するために、車両を停止するのではなく車両速度を低減してもよい。
【0022】
本発明の実施形態は、ヒルディセントコントロール(HDC)と協働して、たとえ下り勾配にある障害物を乗り越えるときであっても、車両安定性を最適化するように、車両のHDCシステムの動作を制御し、または他の様態で影響を及ぼすことが可能であり得ることは理解されたい。いくつかの実施形態において、車両は、車両が進んでいる勾配が規定値よりも大きい場合に、HDCブレーキコマンドがオフロード速度制御コマンドを無効にするか、または他の様態でそれに優先し得るように構成されてもよい。
【0023】
本発明の実施形態はまた、相対的に急激なトルクの増大が必要とされるときにブレーキシステムをプリチャージするようにも動作可能であってもよい。多くの場合、急激なトルクの増大の後、パワートレインまたは駆動トルクを低減し、任意選択的にブレーキ/制動トルクを加えることが必要である。相対的に急激にブレーキ/制動トルクを与えることは、特に障害物の頂上に達しているときに、車両安定性を維持するのに有用である。
【0024】
いくつかの実施形態において、オフロード速度制御システムは、パワートレインおよび制動トルクを加えるための手段に、協働して、車両に対するそれらのトルク効果を平衡させ、特に動作されているデバイスと関連付けられる任意の時間遅延特性に関して互いに平衡させるよう意図的に命令し得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、ユーザが、マンホールまたは段差などの障害物を越えて進むためにオフロード速度制御装置を使用している場合、オフロード速度制御システムは、障害物を乗り越えるのに十分なトルクを供給し、上昇信号に、下降信号に対してとは異なる利得またはフィルタ値を適用し、ここで、信号は、パワートレイン、および/または、ブレーキシステムなどの1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるための手段からのトルク需要に応答するものである。この利得の変化が、信号によって制御されているシステムの物理制約を補償し、オフロード速度制御システムは、安定性を維持し車両性能を増強するように、制動トルクを加えるための手段(ブレーキシステムなど)の制御を、パワートレインの制御と平衡させるように構成されている。
【0026】
本発明の実施形態は、手動運転に関するユーザ作業負荷を大きく低減し、車両が不必要な高速で障害物と接触させられ得る状況を回避することによって車両の傷みを最小限に抑えることができるという利点を有する。提案されるシステムは、頂上に達するか、または他の様態で障害物を乗り越えた後のオーバーランを軽減するために車両に対する機械的制動または減衰力を利用することによって、障害物を乗り越えるとともに、既知の制御遅延を管理するのに必要なトルク要件を積極的に監視し、例えば、オフロード駆動中の車両安定性を大きく向上させるように意図されている。上記のように、車両ブレーキシステム、電気機械、ギア転換装置または任意の他の適切な手段によって、減衰力が加えられてもよい。
【0027】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の1つまたは複数の実施形態を例としてのみ説明する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書において説明される方法およびシステムは、車両の速度を制御するために使用され得る。一実施形態において、本方法およびシステムは、車両関連情報を表す1つまたは複数の電気信号を受信し、次いで、1つまたは複数の受信した電気信号および/またはそれによって表される情報を使用して、車両の車輪のうちの1つまたは複数が障害物を乗り越えたか、または乗り越えようとしていること、および、それゆえ、車両の速度を特定の目標設定速度に維持するために、パワートレインサブシステムによって車両の1つまたは複数の車輪に加えられる駆動トルクを低減することが必要になることを判定する。加えられる駆動トルクを低減することが必要になると判定される場合、方法およびシステムは、パワートレインサブシステムにおけるオーバーラン状態の影響によって車両の速度が増大するのを妨げるために、車両の車輪のうちの1つまたは複数に制動トルクを加えるよう自動的に命令し得る。そうすることによって、システムおよび方法は、例えば、車両が地形関連障害物を乗り越える(例えば、岩塊の頂上に達する、クレータを出る、抵抗の大きい環境から抵抗の小さい環境に遷移する、など)ときに、車両速度が設定速度を超えるのを防止する、または少なくともその度合いを制限するように動作可能である。
【0030】
本明細書において機能ブロックなどのブロックが参照されている場合、これは、1つまたは複数の入力に応答して出力が提供される、指定の機能または動作を実施するためのソフトウェアコードに対する参照を含むものとして理解されたい。コードは、メインコンピュータプログラムと呼ばれるソフトウェアルーチンもしくは関数の形態であってもよく、または、別個のルーチンもしくは関数ではないコードのフローの一部を形成するコードであってもよい。本発明の一実施形態による制御システムの動作の様態の説明を簡単にするために、機能ブロックが参照される。
【0031】
図1および
図2を参照すると、本方法およびシステムがそれとともに使用され得る、車両10の構成要素のいくつかが示されている。以下の説明は、
図1および
図2に示す特定の車両10の文脈において与えられているが、この車両は一例に過ぎないこと、および、代わりに他の車両が確かに使用されてもよいことが理解されよう。例えば、様々な実施形態において、本明細書において説明される方法およびシステムは、いくつか可能性を挙げると、従来の車両、ハイブリッド電気自動車(HEV)、航続距離延長型電気自動車(EREV)、バッテリ式電動輸送機器(BEV)、乗用車、スポーツ用多目的車両(SUV)、クロスオーバ車両、およびトラックを含む、オートマチック、マニュアル、または無段変速機を有する任意のタイプの車両によって使用されてもよい。一実施形態によれば、車両10は概して、図示されておらず、または別様に本明細書において説明されていない任意の数の他の構成要素、システム、および/またはデバイスの中で、複数のサブシステム12と、複数の車両センサ14と、車両制御ユニット16(VCU16)とを含む。
【0032】
車両10のサブシステム12は、車両に関係する様々な機能および動作を実施または制御するように構成されてもよく、
図2に示すように、例えば、いくつか可能性を挙げると、パワートレインサブシステム12
1、シャーシ制御または管理サブシステム12
2、ブレーキサブシステム12
3、駆動系サブシステム12
4、およびステアリングサブシステム12
5などのような、任意の数のサブシステムを含んでもよい。
【0033】
当該技術分野において既知であるように、パワートレインサブシステム12
1は、車両を推進するのに使用される動力またはトルクを生成するように構成されている。パワートレインサブシステムによって生成されるトルクの量はまた、車両の速度を制御するように調整されてもよい(例えば、車両10の速度を増大させるために、トルク出力が増大される)。異なるパワートレインサブシステムは異なる最大出力トルク容量を有するため、パワートレインサブシステムが出力することが可能であるトルクの量は、サブシステムの特定のタイプまたは設計に応じて決まる。しかしながら、一実施形態において、車両10のパワートレインサブシステム12
1の最大出力容量は、600Nm程度であってもよい。当該技術分野において既知であるように、パワートレイン出力トルクは、下記において説明される車両センサ14(例えば、エンジントルクセンサ、駆動系トルクセンサなど)または他の適切な感知手段のうちの1つまたは複数を使用して測定されてもよく、例えば、パワートレインサブシステム12
1に加えて、限定ではなく下記において説明されるもののうちの1つまたは複数を含む、車両10の1つまたは複数の構成要素、モジュール、またはサブシステムによって様々な目的に使用されてもよい。パワートレインサブシステム12
1は、任意の数の異なる実施形態に従って提供されてもよく、任意の数の異なる構成において接続されてもよく、出力トルクセンサ、制御ユニット、および/または任意の他の当該技術分野において既知の任意の他の適切な構成要素のような、任意の数の異なる構成要素を含んでもよいことを、当業者は理解しよう。例えば、一実施形態において、パワートレインサブシステム12
1は、1つまたは複数の電気機械、例えば、車両にブレーキサブシステム(例えば、摩擦ブレーキ)を用いてまたは用いずに減速させるように、パワートレインサブシステムの一部分および/または車両の1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるように構成されている、発電機として動作可能な1つまたは複数の電気機械をさらに含んでもよい。したがって、本発明は、任意の1つの特定のパワートレインサブシステムには限定されない。
【0034】
シャーシ管理サブシステム12
2は、例えば、ほんのいくつか例を挙げると、牽引力制御(TC)、ダイナミックスタビリティコントロール(DSC)などの安定性制御システム(SCS)、ヒルディセントコントロール(HDC)、およびステアリング制御に関係するものを含む、いくつかの重要な機能を実施するように構成されてもよく、またはその実施に寄与するように構成されてもよい。その目的のために、また当該技術分野において既知であるように、シャーシ管理サブシステム12
2は、例えば、センサ14および/または本明細書において説明されるまたは確認される他の車両サブシステム12のうちの1つまたは複数から受信する読み値、信号、または情報を使用して車両の様々な態様または操作パラメータを監視および/または制御するようにさらに構成されている。例えば、サブシステム12
2は、例えば、各タイヤと関連付けられているタイヤ圧センサから車両のタイヤの圧力に関係する読み値または他の情報を受信するように構成されてもよい。そのため、シャーシ管理サブシステム12
2は、タイヤ圧を監視することができ、必要な場合、かつ車両がそのように構成されている場合、車両に搭載されている空気圧縮器を使用して圧力に対する調整を自動的に行うか、または調整が行われるようにすることができる。同様に、シャーシ管理サブシステム12
2はまた、例えば、車両の周りに分散され得る1つまたは複数の空気サスペンションセンサから、車両の最低地上高に関係する読み値または他の情報を受信するようにも構成されてもよい。そのような場合、シャーシ管理サブシステム12
2は、車両の最低地上高を監視することができ、必要な場合、かつ車両がそのように構成されている場合、車両に搭載されている空気圧縮器(サスペンション圧縮器)を使用して最低地上高に対する調整を自動的に行うか、または調整が行われるようにすることができる。シャーシ管理サブシステム12
2は、車両の姿勢を監視するようにさらに構成されてもよい。より詳細には、サブシステム12
2は、車両(および/または特に車両本体)のピッチ、ロール、ヨー、横加速度、振動(例えば、振幅および振動数)、および、それゆえ車両の姿勢全般を評価するために、センサ14および/または本明細書において説明されるまたは確認されるサブシステム12(例えば、ジャイロセンサ、車両加速度センサなど)のうちの1つまたは複数から読み値または情報を受信してもよい。各場合において、シャーシ管理サブシステム12
2によって受信もしくは判定された情報は、上述したようにそれによって単独で利用されてもよく、または代替的に、任意の数の目的のために情報を使用することができる車両10の他のサブシステム12または構成要素(例えば、VCU16)と共有されてもよい。シャーシ管理サブシステム12
2が監視および/または制御し得る車両の操作パラメータおよび/または態様がほんの数例与えられているが、サブシステム12
2は、車両10の任意の数の他のまたは追加のパラメータ/態様を、上述したものと同じまたは類似の様式で制御および/または監視するように構成されてもよいことが理解されよう。そのため、本発明は、任意の特定のパラメータ/態様の制御および/または監視には限定されない。そのうえ、シャーシ管理サブシステム12
2は、任意の数の異なる実施形態に従って提供されてもよく、センサ、制御ユニット、および/または当該技術分野において既知の任意の他の適切な構成要素のような任意の数の異なる構成要素を含んでもよいこともさらに理解されよう。したがって、本発明は、任意の1つの特定のシャーシ管理サブシステムには限定されない。
【0035】
図1に示すように、駆動系サブシステム12
4は、パワートレインサブシステム12
1の推進機構(例えば、
図1において参照符号202として識別されるパワートレインサブシステム12
1のエンジンまたは電気モータ)の出力軸と機械的に結合されている多段変速機またはギアボックス200を含んでもよい。変速機200は、フロントディファレンシャル204および一対のフロントドライブシャフト206
1、206
2によって車両10の前輪を駆動するように構成されている。例示されている実施形態において、駆動系サブシステム12
4はまた、補助ドライブシャフトまたはプロップシャフト210、リアディファレンシャル212、および一対のリアドライブシャフト214
1、214
2によって車両10の後輪を駆動するように構成されている補助駆動系部分208をも備える。様々な実施形態において、駆動系サブシステム12
4は、前輪もしくは後輪のみを駆動するように構成されてもよく、または、選択可能2輪駆動/4輪駆動車両であってもよい。
図1に示すもののような一実施形態において、変速機200は、トランスファーケースまたは出力伝達装置216によって補助駆動系部分208に解放可能に接続可能であり、これによって選択可能な2輪駆動または4輪駆動動作が可能になる。特定の事例において、または当該技術分野においてよく知られているように、伝達装置216は、ハイレンジ(HI)またはローレンジ(LO)のいずれかのギア比において動作するように構成されてもよく、これは、駆動系サブシステム12
4自体および/または、例えば、VCU16などの車両10の別の構成要素によって調整可能であってもよい。駆動系サブシステム12
4は、任意の数の異なる実施形態に従って提供されてもよく、任意の数の異なる構成において接続されてもよく、センサ(例えば、HI/LO比センサ、変速機ギア比センサなど)、制御ユニット、および/または任意の他の当該技術分野において既知の任意の他の適切な構成要素などの、任意の数の異なる構成要素を含んでもよいことを、当業者は理解しよう。したがって、本発明は、いかなる1つの特定の駆動系サブシステムにも限定されない。
【0036】
上述したサブシステムに加えて、車両10は、例えば、ブレーキサブシステム12
3およびステアリングサブシステム12
5などの、任意の数の他のまたは追加のサブシステムをさらに備えてもよい。本発明の目的のために、前述のサブシステム12の各々、およびそれに対応する機能は、当該技術分野において慣行のものである。そのため、詳細な説明は与えられず、むしろ、認められる各サブシステム12の構造および機能は、当業者には容易に理解されよう。
【0037】
一実施形態において、サブシステム12のうちの1つまたは複数は、少なくとも一定程度、VCU16による制御下にあってもよい。そのような実施形態において、それらのサブシステム12は、車両の操作または動作パラメータに関係するフィードバックをVCU16に提供するとともに、VCU16から命令またはコマンドを受信するために、VCU16に電気的に結合されるとともにVCU16と通信するように構成される。パワートレインサブシステム12
1を例に挙げると、パワートレインサブシステム12
1は、例えば、トルク出力、エンジンまたはモータ速度などなどのその特定の動作パラメータに関係する様々なタイプの情報を収集し、その後、その情報をVCU16に通信するように構成されてもよい。この情報は、例えば、下記において説明される車両センサ14のうちの1つまたは複数から収集されてもよい。パワートレインサブシステム12
1はまた、例えば、状態の変化がそのような変更を指示するとき(例えば、車両速度の変更が、車両10のブレーキペダル(
図1におけるペダル18)またはアクセルペダル(
図1におけるペダル20)を介して要求されたとき)に特定の動作パラメータを調整するためにVCU16からコマンドを受信し得る。上記の説明は特にパワートレインサブシステム12
1を参照しているが、同じ原理が、VCU16と情報/コマンドを交換するように構成されているそのような他の各サブシステム12に当てはまることが理解されよう。
【0038】
各サブシステム12は、VCU16によって提供される命令もしくはコマンドを受信および実行し、ならびに/または、VCU16から独立した特定の機能を実施もしくは制御するように構成されている専用電子制御ユニット(ECU)を備えてもよい。代替的に、2つ以上のサブシステム12が単一のECUを共有してもよく、または、1つもしくは複数のサブシステム12が、VCU16自体によって直接制御されてもよい。サブシステム12がVCU16および/または他のサブシステム12と通信する一実施形態において、そのような通信は、例えば、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、システム管理バス(SMBus)、固有通信リンクなどのような任意の適切な接続を介して、または、当該技術分野において既知の何らかの他の構成を通じて促進されてもよい。
【0039】
上記は、含まれ得る車両10の特定のサブシステム、および、それらのサブシステムのVCU16との構成に関する可能性のいくつかのみを表していることが理解されよう。したがって、他のまたは追加のサブシステムおよびサブシステム/VCU構成を含む車両10の実施形態は、依然として本発明の精神および範囲内にあることがさらに了解されよう。
【0040】
車両センサ14は、任意の数の異なるセンサ、構成要素、デバイス、モジュール、システム等を含んでもよい。一実施形態において、センサ14のいくつかまたはすべては、サブシステム12および/またはVCU16に、本方法によって使用することができる情報または入力を提供してもよく、そのため、VCU16、1つまたは複数のサブシステム12、または車両10の何らかの他の適切なデバイスに(例えば、ワイヤを介してまたは無線で)電気的に結合され、それらと通信するように構成されてもよい。センサ14は、車両10ならびにその動作および構成に関係する様々なパラメータを監視、感知、検出、測定、または他の様態で判定するように構成されてもよく、例えば、限定ではなく、当該技術分野において既知の数ある中で、車輪速度センサ、周囲温度センサ、大気圧センサ、タイヤ圧センサ、車両のヨー、ロール、およびピッチを検出するためのジャイロセンサ、車両速度センサ、縦加速度センサ、エンジントルクセンサ、駆動系トルクセンサ、スロットルバルブセンサ、ステアリング角センサ、ハンドル速度センサ、勾配センサ、例えば、安定性制御システム(SCS)上の横加速度センサ、ブレーキペダル位置センサ、ブレーキペダル圧力センサ、アクセルペダル位置センサ、空気サスペンションセンサ(すなわち、最低地上高センサ)、車輪位置センサ、ホイールアーティキュレーションセンサ、車両本体振動センサ、水検出センサ(ウェーディング事象の近接性および深さの両方のための)、トランスファーケースHI−LO比センサ、空気取り入れ経路センサ、乗車率センサ、ならびに縦、横、および垂直運動センサのうちのいずれか1つまたは複数を含んでもよい。
【0041】
上記に確認したセンサ、および、本方法によって使用することができる情報を提供し得る任意の他のセンサは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの何らかの組合せにおいて具現化されてもよい。センサ14は、それらが提供する状態を直接的に感知もしくは測定してもよく、または、他のセンサ、構成要素、デバイス、モジュール、システムなどによって提供される情報に基づいてそのような状態を間接的に評価してもよい。さらに、これらのセンサは、VCU16および/または1つもしくは複数の車両サブシステム12に直接的に結合されてもよく、他の電子デバイス、車両通信バス、ネットワークなどを介してそれらに間接的に結合されてもよく、あるいは、当該技術分野において既知の何らかの他の構成に従って結合されてもよい。これらのセンサのいくつかまたはすべては、上記で確認された車両サブシステム12のうちの1つもしくは複数の中に統合されてもよく、または、単独型の構成要素であってもよく、何らかの他の構成に従って設けられてもよい。最後に、本方法において使用される様々なセンサ読み値のいずれも、実際のセンサ素子によって直接提供される代わりに、車両10の何らかの他の構成要素、モジュール、デバイス、サブシステムなどによって提供されることが可能である。例えば、VCU16は、センサ14から直接にではなく、サブシステム12のECUから特定の情報を受信してもよい。車両10は任意の特定のセンサまたはセンサ構成に限定されないため、上記のシナリオは、可能性のほんのいくつかを表しているに過ぎず、むしろ、任意の適切な実施形態が使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0042】
VCU16は、任意の適切なECUを含んでもよく、任意の様々な電子処理デバイス、メモリデバイス、入出力(I/O)デバイス、および/または他の既知の構成要素を含んでもよく、様々な制御および/または通信関連機能を実施してもよい。一実施形態において、VCU16は、様々な情報、センサ読み値(例えば、車両センサ14によって生成されるものなど)、ルックアップテーブルまたは他のデータ構造(例えば、下記において説明される方法を実施するのに使用されるものなど)、アルゴリズム(例えば、下記において説明される方法において具現化されるアルゴリズム)などを記憶してもよい電子メモリデバイス22を含む。一実施形態において、メモリデバイス22は、下記において説明される方法を実行するために車両を制御するためのコンピュータ可読コードを担持するキャリア媒体を含む。メモリデバイス22はまた、車両10およびサブシステム12に関する関連特性および背景情報をも記憶してもよい。VCU16はまた、メモリデバイス22に記憶されているソフトウェア、ファームウェア、プログラム、アルゴリズム、スクリプト、アプリケーションなどのための命令を実行する電子処理デバイス24(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)など)も含んでもよく、本明細書において説明される方法を支配してもよい。上述したように、VCU16は、適切な車両通信を介して他の車両デバイス、モジュール、サブシステム、および構成要素(例えば、センサ)に電子的に接続されてもよく、必要に応じてそれらとやり取りすることができる。本明細書の他の箇所において説明されているVCU16によって実施されてもよい機能に加えて、一実施形態において、VCU16はまた、特にサブシステム12が同様にそうするようには構成されていないとき、サブシステム12に関連する上述した様々な機能にも関与してもよい。他の実施形態も使用され得るため、これらは無論、VCU16の可能性のある構成、機能、および性能のうちのほんのいくつかに過ぎない。特定の実施形態に応じて、VCU16は、独立型車両電子モジュールであってもよく、別の車両電子モジュールの中に(例えば、上記で確認されたサブシステム12のうちの1つまたは複数の中に)組み込まれるかもしくは含まれてもよく、または、当該技術分野において既知の様式で別様に配置および構成されてもよい。したがって、VCU16は、いかなる特定の一実施形態または構成にも限定されない。
【0043】
上述した構成要素およびシステムに加えて、一実施形態において、車両10は、1つまたは複数の車両速度制御システムをさらに備えてもよい。例えば、引き続き
図2を参照して、一実施形態において、車両10は、「オンハイウェイ」または「オンロード」クルーズコントロールシステムとも称されるクルーズコントロールシステム26、および、「オフハイウェイ」または「オフロード」進行制御システムと称される場合がある低速進行(LSP)制御システム28をさらに備えてもよい。
【0044】
当該技術分野において既知の任意の数の従来のクルーズコントロールシステムを含んでもよいオンハイウェイクルーズコントロールシステム26は、車両速度を、ユーザによって設定される所望の「設定速度」に自動的に維持するように動作可能である。そのようなシステムは、一般に、システムが動作可能であるために車両が一定の最小閾値速度(例えば、30mph(およそ50kph))を上回って進んでいなければならないという点において、用途が制限される。そのため、これらのシステムは、幹線道路での運転、または少なくとも、発進および停止の繰り返しが多くなく、車両が相対的に高速で進むことを可能にする運転に使用するのに特に適している。当該技術分野において既知であるように、オンハイウェイクルーズコントロールシステム26は、システムの機能を実行および実施するように構成されている専用もしくは独立型ECUを含んでもよく、または代替的に、クルーズコントロールシステム26の機能は、車両10の別のサブシステム12(例えば、パワートレインサブシステム12
1)、または例えば、VCU16(
図2に示すような)に統合されてもよい。
【0045】
さらに、当該技術分野において既知であるように、クルーズコントロールシステム26は、ユーザ(例えば、運転者)によって、システム26(例えば、そのECU)と対話するのに使用されてもよく、特定の実施形態において、システムがユーザと対話することを可能にする1つまたは複数のユーザインターフェースデバイス30を含んでもよい。例えば、これらのデバイスは、ユーザが、いくつか可能性を挙げると、システム26を起動/停止すること、ならびに、システムの設定速度を設定および/または調整することを可能にすることができる。これらのデバイスの各々は、例えば、限定ではなく、押しボタン、スイッチ、タッチスクリーン、画像表示装置、スピーカ、ヘッドアップディスプレイ、キーパッド、キーボード、または任意の他の適切なデバイスのうちの1つまたは複数などの、任意の数の形態をとってもよい。加えて、これらのデバイスは、車両客室内でユーザに相対的に近接近している任意の数の箇所(例えば、ハンドル、ステアリングコラム、ダッシュボード、中央コンソールなど)に位置してもよい。例えば、
図3を参照して、車両10のハンドル(すなわち、
図1におけるハンドル32)は、押しボタンの形態の、クルーズコントロールシステム26の複数のユーザインターフェースデバイスを有して構成されてもよい。1つのそのようなデバイスは、特定の様式で操作されると、クルーズコントロールシステム26の動作を起動して、また、所望の設定速度を設定することができる「設定速度」ボタン30
1であってもよい。クルーズコントロールシステム26は、ユーザがシステムの設定速度を増大または低減することを可能にする1つまたは複数の他のユーザ選択可能インターフェースデバイス(例えば、ボタン)をさらに備えてもよい。例えば、ユーザが設定速度を離散的な増分(例えば、1mph(または1kph))で増加させることを可能にするための「+」ボタン30
2、および、ユーザが設定速度を同じまたは異なる離散的な増分で低減することを可能にするための「−」ボタン30
3が設けられてもよい。代替的に、「+」ボタン30
2および「−」ボタン30
3は、単一のユーザ選択可能デバイスに統合されてもよい。システム26の追加のユーザ選択可能インターフェースデバイスは、例えば、システムを停止または一時停止するための「キャンセル」ボタン30
4、および、システム機能の一時的な保留または停止後にシステムが再起動されることを可能にするための「再開」ボタン30
5を含んでもよい。
【0046】
車両10はいかなる特定のクルーズコントロールシステムもしくはユーザインターフェースデバイスまたは構成にも限定されないため、上記のシナリオは、クルーズコントロールシステム26およびそのユーザインターフェースデバイスの可能性のほんのいくつかを表しているに過ぎず、むしろ、任意の適切な実施形態が使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0047】
LSP制御システム28は、例えば、そのようなシステムを装備した車両のユーザが、ユーザによっていかなるペダル入力も必要とされずに車両が進行することができる非常に遅い目標速度または設定速度を選択することを可能にする速度制御システムを提供する。クルーズコントロールシステム26とは異なり、システムが動作可能であるために車両が相対的に速い速度(例えば、30mph(およそ50kph))で進んでいる必要がないという点において、この低速進行制御機能は、クルーズコントロールシステム26のものとは異なる(ただし、システム28は、停車〜約30mph(およそ50kph)以上の速度における自動速度制御を促進するように構成されてもよく、それゆえ、「低速」動作に限定されない)。さらに、既知のオンハイウェイクルーズコントロールシステムは、ユーザがブレーキまたはクラッチペダルを踏み込んだ場合に、例えば、オンロードクルーズコントロールシステムがキャンセルされ、車両が、車両速度を維持するためにユーザのペダル入力を必要とするマニュアル動作モードに戻るように構成されている。加えて、少なくとも特定のクルーズコントロールシステムにおいては、牽引力が失われることによって開始され得る車輪スリップ事象の検出も、クルーズコントロール機能をキャンセルする効果を有し得る。LSP制御システム28はまた、少なくとも1つの実施形態において、それによって提供される速度制御機能が上述した事象に応答してキャンセルまたは停止されないように構成されている点においても、そのようなクルーズコントロールシステムとは異なるものであり得る。一実施形態において、LSP制御システム28は、オフロードまたはオフハイウェイ運転での使用に特に適している。
【0048】
一実施形態において、LSP制御システム28は、可能性のある他の構成要素の中でも、ECU42(例示されている実施形態において、下記において説明される理由でVCU16を含むものとして示されている)と、1つまたは複数のユーザ入力デバイス44とを含む。ECU42は、任意の様々な電子処理デバイス、メモリまたは記憶デバイス、入出力(I/O)デバイス、および任意の他の既知の構成要素を含んでもよく、下記において説明される、本方法において具現化されるものを含む、LSP制御システム28の任意の数の機能を実施してもよい。その目的のために、ECU42は、様々なソース(例えば、車両センサ14、車両サブシステム12、ユーザ入力デバイス44)から情報を受信し、例えば、車両の1つまたは複数の操作パラメータを監視すること、駆動トルクおよび/または制動トルクの、車両の1つまたは複数の車輪への印加および低減を命令すること、車両速度をLSP制御システム28の特定の目標設定速度に維持するために駆動トルクを低減することが必要とされていることを検出すること、車両10がその上を進んでいる地形のタイプおよび/または特性を判定することなどの、車両10の1つまたは複数の動作態様を制御または監視する試みにおいてその情報を評価、分析、および/または処理するように構成されてもよい。さらに、一実施形態において、ECU42は、下記においてより詳細に説明される本方法の1つまたは複数のステップを実行または実施するように構成されている。ECU42は、独立型電子モジュールであってもよく、または、車両10の別のサブシステム12、もしくは例えば、VCU16のいずれかに統合または組み込まれてもよいことが理解されるべきである。例示および明瞭性のために、下記の説明は、ECU42の機能がVCU16に統合または組み込まれており、それによって、
図2を参照して、VCU16が、LSP制御システム28のECUを含む一実施形態を参照することになる。したがって、そのような実施形態において、VCU16、およびその、またはそれによってアクセス可能なメモリデバイス(例えば、メモリデバイス22)は、特に、下記において説明される方法において具現化されるものを含む、LSP制御システム28の機能を実施するのに必要とされる、様々な情報、データ(例えば、所定の設定速度)、センサ読み値、ルックアップテーブルまたは他のデータ構造、アルゴリズム、ソフトウェアなどを記憶する。
【0049】
上述したオンハイウェイクルーズコントロールシステム26と同様に、LSP制御システム28は、システム28と対話するために、および、特定の実施形態において、システム28がユーザと対話することを可能にするために、ユーザによって使用され得る1つまたは複数のユーザインターフェースデバイス44をさらに備える。これらのデバイスは、ユーザが、例えば、LSP制御システム28を起動/停止し、システムの設定速度を設定および/または調整し、複数の所定の設定速度から所望の設定速度を選択し、2つ以上の所定の設定速度間で切り替え、および、下記において説明され得るように他の様態でシステム28と対話することを可能にし得る。これらのユーザインターフェースデバイスはまた、システム28が、特定の通知、警告、メッセージ、要求などをユーザに提供することも可能にし得る。これらのデバイスの各々は、例えば、限定ではなく、押しボタン、スイッチ、タッチスクリーン、画像表示装置、スピーカ、ヘッドアップディスプレイ、キーパッド、キーボード、または任意の他の適切なデバイスのうちの1つまたは複数などの、任意の数の形態をとってもよい。加えて、これらのデバイスは、車両客室内でユーザに相対的に近接近している任意の数の箇所(例えば、ハンドル、ステアリングコラム、ダッシュボードなど)に位置してもよい。一実施形態において、オンハイウェイクルーズコントロールシステム26およびLSP制御システム28のユーザインターフェースデバイス30、44はそれぞれ、車両10内で互いに隣接して、また、一実施形態において、車両10のハンドル32上に配置されてもよい。しかしながら、例えば、本明細書において説明されるもののような他の実施形態において、オンハイウェイクルーズコントロールシステム26およびLSP制御システム28は、同じユーザインターフェースデバイスのいくつかまたはすべてを共有してもよい。そのような実施形態において、スイッチ、押しボタン、または任意の他の適切なデバイスなどの追加のユーザ選択可能デバイスが、2つの速度制御システム間で切り替えるために設けられてもよい。したがって、
図3に示す実施形態において、クルーズコントロールシステム26に関連して上述したユーザインターフェースデバイス30
1〜30
5はまた、LSP制御システム28の動作においても使用されてもよく、そのため、システム28の文脈において説明されるときは、ユーザインターフェースデバイス44
1〜44
5と称される場合もある。
【0050】
例示の目的のために、下記において説明されるLSP制御システム28の機能に加えて、ここで、LSP制御システム28の例示的な一実施形態の一般的な動作を説明する。最初に、本明細書において説明される実施形態においてはLSP制御システム28のECUを含むVCU16が、車両が進むべき所望の速度(本明細書において「所望の設定速度」と称する)を判定する。これは、ユーザインターフェースデバイス44を介してユーザによって選択される設定速度であってもよく、または代替的に、VCU16が、特定の状態または要因に基づいてユーザが一切関与することなく所望の設定速度を自動的に判定または選択するように構成されてもよい。いずれにせよ、所望の設定速度の選択に応答して、VCU16は、車両が所望の設定速度に達するか、またはその速度を維持するために、車両の車輪にまとめてまたは個々に、選択的パワートレイン、牽引力制御、および/またはブレーキ動作の適用を実行することによって、車両に、所望の設定速度に従って動作させるように構成される。一実施形態において、これは、VCU16が、例えば、適切なコマンドを生成して適切なサブシステム12(パワートレインサブシステム12
1およびブレーキサブシステム12
3など)に送ること、および/または、車両10の1つまたは複数の構成要素、モジュール、サブシステムなどの動作を直接制御することを含んでもよい。
【0051】
より詳細には、
図4を参照して、所望の設定速度が判定されると、車両シャーシまたは駆動系と関連付けられている車両速度センサ(
図4においてセンサ14
1として識別される)が、車両速度を示す信号46をVCU16に提供する。一実施形態において、VCU16は、所望の設定速度(
図4において参照符号49によって表されている)を、測定速度46と比較し、比較を示す出力信号50を提供する比較器48を含む。出力信号50は評価ユニット52に提供され、評価ユニット52は、所望の設定速度を維持するか、または所望の設定速度に達するために、また、後者の場合は所定のまたは規定の加速プロファイル、加速コリダ(例えば、±(0.1g〜0.2g))、またはその両方に従ってそうするために、車両速度を増大する必要があるか、または低減する必要があるかに応じて、出力信号50を、追加のトルクが、例えば、パワートレインサブシステム12
1によって車両車輪に加えられることを求める需要、または、トルクの低減が、例えば、ブレーキサブシステム12
3によって車両車輪に適用されることを求める需要のいずれかとして解釈する。評価ユニット52からの出力54はその後、評価ユニット52からのトルクに対する正の需要があるかまたは負の需要があるかに応じて、車輪に加えられるトルクを管理するように、1つまたは複数のサブシステム12に提供される。必要な正または負のトルクの車輪への印加を開始するために、評価ユニット52は、追加の出力が車両車輪に与えられること、および/または、ブレーキ力が車両車輪に加えられることのいずれかを命令してもよく、これらのいずれかまたは両方が、所望の車両設定速度に達するか、またはその速度を維持するために必要であるトルクの変更を実施するのに使用され得る。車輪に加えられる正味のトルクを制御するために正および負のトルクを車輪に同期して加えることは、特に、1つまたは複数の車輪において発生するスリップ事象の場合に車両安定性および平静を維持し、各車軸にわたって加わるトルクを調整するために、LSP制御システム28によって命令される。特定の事例において、VCU16はまた、車輪スリップ事象が発生したことを示す信号56も受信してもよい。そのような実施形態において、車輪スリップ事象の間、VCU16は、車両速度を所望の設定速度に維持し、スリップ事象を管理するように、測定車両速度を所望の設定速度と比較し続け、車両車輪にわたって加えられるトルクを自動的に制御し続ける。
【0052】
上述した機能に加えて、一実施形態において、LSP制御システム28は、車両10がその上を進んでいる地形(例えば、表面タイプ、地形分類、地形または表面の起伏など)に関係する情報を検出、感知、導出、または他の様態で判定するようにさらに構成されてもよい。一実施形態によれば、VCU16は、この機能を実施し、いくつかの方法でこれを行うように構成されてもよい。1つのそのような方法は、2013年1月16に公開された英国特許出願公開第2492748A号明細書に記載されているものであり、当該特許文献の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。より詳細には、一実施形態において、車両と関連付けられる様々な異なるパラメータに関係する情報が、例えば、上述したセンサ14および/またはサブシステム12のいくつかまたはすべてを含む、複数の車両センサおよび/または様々な車両サブシステムから受信または取得される。受信された情報はその後、地形のタイプ、および、特定の実施形態では、例えば、地形の分類、起伏などのようなその1つまたは複数の特性を表し得る1つまたは複数の地形指示子を求めるために評価および使用される。
【0053】
より詳細には、一実施形態において、速度制御システム(例えば、VCU16)は、1つまたは複数のセンサ14および/またはサブシステム12から取得または受信される情報(下記においてはまとめて「センサ/サブシステム出力」と称する)の提供先である推定モジュールの形態の評価手段を含んでもよい。推定モジュールの第1の段の中で、様々なセンサ/サブシステム出力がいくつかの地形指示子を導出するために使用される。第1の段において、車両速度が車輪速度センサから導出され、車輪加速度が車輪速度センサから導出され、車輪に対する縦力が車両縦加速度センサから導出され、車輪スリップが発生するトルク(車輪スリップが発生する場合)が、パワートレインサブシステムによって提供されるパワートレイントルク信号から、および、付加的にまたは代替的に、駆動系サブシステム(例えば、変速機)によって提供されるトルク信号から、および、ヨー、ピッチおよびロールを検出するための運動センサから導出される。推定モジュールの第1の段の中で実施される他の計算は、車輪慣性トルク(回転する車輪の加速または減速と関連付けられるトルク)、「進行の連続性」(例えば、車両が岩の多い地形の上を進んでいるときに当てはまり得るような、車両の発進および停止が繰り返されるか否かの評価)、空力抵抗、および、車両横加速度を含む。
【0054】
推定モジュールはまた、以下の地形指示子、すなわち、表面転がり抵抗(車輪慣性トルク、車両に対する縦力、空力抵抗、および車輪に対する縦力に基づく)、ハンドルに対するステアリング力(横加速度ならびにハンドルセンサおよび/またはステアリングコラムセンサからの出力に基づく)、車輪縦スリップ(車輪に対する縦力、車輪加速度、安定性制御システム(SCS)の活動、および車輪スリップが発生したか否かを示す信号に基づく)、側面摩擦(測定横加速度と、予測横加速度およびヨーに対するヨーとから計算される)、およびコルゲーション検出(洗濯板形の表面を示す、高振動数、低振幅の垂直車輪刺激)が計算される第2の段をも含む。SCS活動信号は、ダイナミックスタビリティコントロール(DSC)機能、地形制御(TC)機能、アンチロックブレーキシステム(ABS)およびヒルディセントコントロール(HDC)アルゴリズムを含む安定性制御システム(SCS)のECUからの、DSC活動、TC活動、ABS活動、個々の車輪に対するブレーキ介入、および、SCS ECUからパワートレインサブシステムへのパワートレイントルク低減要求を示す、いくつかの出力から導出される。これらはすべて、スリップ事象が発生したこと、および、SCS ECUがそれを制御するための措置をとったことを示す。推定モジュールはまた、車輪速度センサからの出力も使用し、4輪車両において、各車軸にわたって、各側面上の前方から後方へと出力を比較して、車輪速度変動およびコルゲーション検出信号を判定する。
【0055】
一実施形態において、推定モジュールに加えて、空気サスペンションセンサ(最低地上高またはサスペンションアーティキュレーションセンサ)および車輪加速度計に基づいて地形起伏を計算するための道路起伏モジュールも含まれてもよい。そのような実施形態において、起伏出力信号の形態の地形指示子信号が、道路起伏モジュールから出力される。
【0056】
車輪縦スリップおよび側面摩擦推定に関する推定値が、信頼性検査として推定モジュール内で互いと比較される。車輪速度変動およびコルゲーション出力に関する計算、表面転がり抵抗推定、車輪縦スリップおよびコルゲーション検出が、摩擦信頼性検査とともに、その後、推定モジュールから出力されて、車両がその上を進んでいる地形の性質を示す地形指示子出力信号を、VCU16によってさらに処理するために提供する。例えば、地形指示子は、複数の車両サブシステム制御モード(例えば、地形モード)のいずれが、車両がその上を進んでいる地形のタイプの指示子に基づいて、その後それに従って適切なサブシステム12を自動的に制御するのに最も適切であるかを判定するのに使用されてもよい。
【0057】
別の実施形態において、LSP制御システム28が上述した地形感知/検出機能を実施するのではなく、例えば、VCU16(LSP制御システム28の機能を実施しない場合)、シャーシ管理サブシステム12
2、または別の適切な構成要素などの、車両10の別の構成要素、モジュール、またはサブシステムがこれを行うように適切に構成されてもよく、そのような他の実施形態は依然として、本発明の精神および範囲内にある。
【0058】
LSP制御システム28の構成、機能、および性能の上記の説明は、例および例示の目的でのみ提供されており、本質的に限定であるようには意図されていないことが理解されるべきである。したがって、LSP制御システム28は、いかなる特定の一実施形態または構成にも限定されるようには意図されていない。
【0059】
ここでも、車両10の先行する記述ならびに
図1および
図2の図解は、1つの可能性のある車両構成を例示し、また一般的な方法でこれを行うように意図されているに過ぎない。
図1および
図2に示すものとは大幅に異なるものを含む、任意の数の他の車両構成およびアーキテクチャが、代わりに使用されてもよい。
【0060】
ここで
図5を参照すると、速度制御システムの動作を通じて速度を制御するための方法100の一例が示されている。例示および明瞭性のために、方法100は、上述した
図1および
図2に示す車両10の文脈において説明する。より具体的には、方法100は、例示の目的のために、VCU16内に統合されている、車両10の低速進行(LSP)制御システム28の文脈において説明する(すなわち、VCU16はLSP制御システム28のECU42を備える)。しかしながら、本方法の適用はそのような構成のみに限定されるようには意図されておらず、むしろ、方法100は、例えば、上述したもの以外のLSP制御システム(例えば、車両のVCUに統合されていない、かつ/またはVCUが速度制御システムのECUを備えない)、および、特定の事例において、例えば、上述したクルーズコントロールシステム26などの、従来の「オンハイウェイ」クルーズコントロールシステムを含む、任意の数の他の速度制御システム構成に応用されてもよいことが理解されよう。したがって、本発明は、いかなる特定の構成またはタイプの速度制御システムにも限定されるようには意図されていない。加えて、方法100の実施は、いかなる1つの特定の順序または並びのステップにも限定されるようには意図されていないことが理解されよう。
【0061】
一実施形態において、方法100の手順は、例えば、車両が、例えば、岩塊、段差、抵抗の大きい地形などのような、地形関連障害物を乗り越えるときに、車両の速度が速度制御システム目標設定速度を超えるのを防止するか、または少なくとも大幅に制限するために提供される。より詳細には、方法100は、例えば、実質的に目標設定速度を維持するか、または、パワートレインもしくはエンジンのオーバーランに起因する、車両速度が設定速度を超える量、および、したがって、これが車両安定性および/もしくは乗員の快適性に対して及ぼす悪影響を少なくとも最小限に抑えるために、車両が障害物を乗り越え、異なるまたは変動する量の駆動トルクを必要とする環境間で遷移するときの車両の速度を制御するのに使用され得る。例えば、一実施形態において、車両が岩塊原または段差を越えるとき、車両が障害物または段差の頂点に達したときに発生するパワートレインまたはエンジンのオーバーランを妨げ、それによって、車両の速度を目標設定速度に維持するために方法100が使用されてもよい。同様に、方法100は、車両が抵抗の大きい地形または環境(例えば、砂地、ぬかるみ、礫岩など)から抵抗の小さい地形または環境(例えば、舗装道路)へと遷移するときに、ほぼ同じように、車両の速度を目標設定速度に維持するために使用されてもよい。
【0062】
したがって、
図5を参照すると、一実施形態において、方法100は、車両関連情報を表す1つまたは複数の電気信号を受信するステップ102を含む。電気信号は、限定ではなく、車両センサ14のうちの1つもしくは複数、車両サブシステム12のうちの1つもしくは複数、1つもしくは複数のメモリデバイス(例えば、VCU16のメモリデバイス22)、または、車両10の任意の他の適切なもしくは妥当なデバイス又は構成要素を含む、任意の数のソースから発してもよい。さらに、電気信号は、車両、およびその動作に関係する、特に下記において説明される目的のために使用されてもよい様々な情報を表してもよい。
【0063】
ステップ102において受信される電気信号によって表されてもよい1タイプの情報は、車両の1つまたは複数の動作パラメータに関係するものである。これは、例えば、いくつか可能性を挙げると、限定ではなく、車両縦加速度、車両速度、車輪速度、車両姿勢(例えば、車両本体のピッチ、ロール、ヨーなど、車両姿勢の変化など)、ホイールアーティキュレーション、加えられる駆動トルク、加えられる制動トルク、駆動および/もしくは制動トルクに対する要求される変化、実際の変化、および変化率、車輪スリップ、最低地上高、タイヤ圧、タイヤ抵抗、タイヤ摩擦、ハンドル角、車両横加速度、地形応答(TR)モード、転がり抵抗、ギア選択、車両サスペンションアーティキュレーション(例えば、伸長または圧縮)、ならびに/または車両本体の運動に影響を与える他のパラメータに関係する情報を含んでもよい。受信される電気信号によって表されるこれらのパラメータに関係する情報は、例えば、動作パラメータまたは他の有用な情報の特定の値または大きさを含んでもよい。車両10の1つまたは複数の動作パラメータを表す電気信号は、1つもしくは複数の車両センサ14、および/または、限定ではなく、本明細書における他の箇所において説明されているものを含む1つまたは複数の車両サブシステム12から、あるいは、車両10の任意の他の適切な構成要素またはデバイスから受信されてもよい。
【0064】
別のタイプの情報は、車両がその上を進んでいる地形のタイプ(例えば、雪、水、砂地、礫岩、岩塊、ぬかるみ、草地など)、および/または、その地形の1つまたは複数の特性(例えば、起伏、勾配など)であってもよい。一実施形態において、この情報は、そのような地形関連情報を判定するように構成されている、車両10のサブシステム12から受信されてもよい。例えば、適切な車両サブシステム12が問い合わせされてもよく、適切な地形情報(例えば、タイプ/分類、特性など)がそこから受信されてもよい。別の実施形態において、この情報は、方法100の少なくとも特定のステップを実施するように構成されている構成要素もしくはデバイスの、またはそれによってアクセス可能なメモリデバイスにすでに記憶されていてもよく、したがって、情報は、そのメモリデバイスから受信されてもよい。例えば、VCU16が方法100の少なくとも特定のステップを実施するように構成されている場合、情報は、VCU16のメモリデバイス22に記憶されてもよく、したがって、VCU16の処理デバイス24が、メモリデバイス22から情報を受信してもよい。
【0065】
別のタイプの情報は、車両が越えている地形のタイプおよび/または1つもしくは複数の特性を判定、検出、または感知するのに必要とされるものであってもよい。例えば、車両10の1つまたは複数の動作パラメータを表す電気信号が受信される、上述したもののような一実施形態において、これらの電気信号は、様々なタイプの地形関連情報を判定するのに使用されてもよい、車両の動作パラメータに関係する情報を表してもよい。これらの動作パラメータは、例えば、地形タイプ/分類および/もしくはその特性、または他の関連パラメータを判定するための例示的なプロセスに関連して上述したものを含んでもよい。受信された情報は、例えば、所望の地形関連情報を判定するために、上述したように評価および使用されてもよい。例えば、VCU16が方法100の少なくとも特定のステップを実施するように構成されている一実施形態においては、VCU16が、1つまたは複数の車両センサ14および/または1つまたは複数のサブシステム12から車両10の様々な操作または動作パラメータに関係する情報を表す電気信号を受信してもよい。VCU16はその後、受信された情報を、所望の地形関連情報を判定するために、例えば、上述したように評価および使用してもよい。
【0066】
特定のタイプの情報しか上記では明示的に説明されていないが、本発明はそれらのタイプの情報のみに限定されるようには意図されていないことが理解されよう。むしろ、上述したものに加えたまたはそれに代わる情報も、取得または受信されて、下記により詳細に説明されるものと同じように使用されてもよい。したがって、本発明は、いかなる1つまたは複数の特定のタイプの情報にも限定されない。加えて、VCU16が、方法100のステップのいくつかまたはすべてを実施するように構成されている一実施形態において、VCU16は、車両関連情報を表す電気信号を受信するように構成されている。しかしながら、他の実施形態において、VCU16に加えてまたはVCU16に代えて、車両10の構成要素が、電気信号を受信するように構成されてもよい。
【0067】
図5に示すように、方法100は、駆動トルクの低減が、パワートレインサブシステム12
1によって車両10の1つまたは複数の車輪に加えられる駆動トルク(「加えられる駆動トルク」)を低減することが、車両の速度を速度制御システムの目標設定速度に維持するために必要になるか否かを判定するステップ104をさらに含む。本発明の目的のために、車両の速度を速度制御システムの目標設定速度に維持することは、車両速度を、目標設定速度に正確に、および、例えば、限定ではなく、目標設定速度の10%上以内でかつ目標設定速度の20%下以内、または、所定の速度、すなわち、所定キロメートル毎時、例えば、目標設定速度を上回るまたは下回る2kphなどのような、目標設定速度を上回るもしくは下回る所定の許容可能量以内に維持することを含む。目標設定速度を上回るまたは下回る特定の百分率値が与えられているが、本発明はそのような値に限定されるようには意図されておらず、むしろ、特定の実施態様に応じて、任意の数の他の百分率が代わりに使用されてもよいことが理解されよう。一実施形態において、この判定ステップは、車両関連情報を表す、ステップ102において受信された電気信号に全体的にまたは部分的に基づく。ステップ104は、いくつかの方法で実施されてもよい。
【0068】
一実施形態において、ステップ104は、車両10の1つまたは複数の車輪が、車両が移動している地形の障害物を乗り越えたか、または乗り越えようとしているか否かを判定するために、ステップ102において受信された電気信号を使用することを含む。そのような実施形態において、車両の1つまたは複数の車輪が地形関連障害物を乗り越えたかまたは乗り越えようとしていると判定される場合、速度制御システムは、加えられる駆動トルクを低減することが、車両の速度を目標設定速度に維持するために必要になることをさらに判定してもよい。この判定は、多数の技法を使用して行われてもよい。
【0069】
1つのそのような技法は、要求されるまたは加えられる駆動トルクの変化率を監視するために、ステップ102において受信された電気信号のうちの1つまたは複数を使用することを含む。より詳細には、一実施形態において、要求される駆動トルクが監視されてもよく、加えられる駆動トルクが突然に急上昇した後、加えられる駆動トルクを突然に低減することが要求されたことが感知される場合、車両の1つまたは複数の車輪が地形関連障害物を乗り越えている(または乗り越えた)と判定され得る。「急激」であると考えるべき、要求されるまたは加えられる駆動トルクの上昇または低減について、上昇または低減はそれぞれ、所定の期間にわたる、場合による、以前に要求されたまたは加えられていた駆動トルク値を超えるまたはそれ未満の、以前に要求されていたまたは加えられていた駆動トルクの少なくとも特定の割合の増大または低減、例えば、20%を超える増大(例えば、30%を超える、40%を超える、または50%を超える、を含んでもよい)であってもよい。期間は、車両の速度に応じて決まってもよいが、例えば、5秒未満、3秒未満、または2秒未満であり得る。より速い速度では、より遅い速度のものよりも短い期間が使用されてもよい。運転者トルクに要求される上昇率は、車両がその上を進んでいる地形に最良に適するように適合されてもよく、そのため、駆動トルクの最大の増大は、例えば、地形プログラムもしくはモード、車両姿勢、ステアリング角、または任意の他の適切な制限因子などの、支配的な状態または動作パラメータに応じて上限を定められるかまたはその他の方法で制限され得、そのため、要求される駆動トルクの増大は、上限を定められているトルク増大率の相当の割合と等価な増大率における、以前に要求されたトルク値を20%以上上回ってもよい。例えば、車両10がおよそ2,000kg(4,400lbs)の質量、およそ0.38m(15in)の回転半径を有し、相対的に平坦で平滑な地形を進んだ後、4inの高さを有する段差をおよそ0.1m(4in)上ると仮定する。所与の設定速度を維持しながら、車両を段差の上に持ち上げるために段差を上る車両車輪において要求される駆動トルクの増大は、295lb ft程度、すなわち、段差を乗り越える前の相対的に平坦で平滑な表面の上を進行するのに必要とされていた値であり得る、例えば、およそ100Nm(74lb ft)を超える、およそ400Nm(295lb ft)の増大であり得る。したがって、車両が段差の頂上に達すると、車両を目標設定速度において推進するのに必要とされるトルクははるかに小さくなり、したがって、加えられる駆動トルクを低減することが必要になる。加えられる駆動トルクの急上昇の後の、加えられる駆動トルクのそのような低減または要求される低減に応答して、車両の1つまたは複数の車輪が、車両が乗り越えている(例えば、頂上に達している、または抵抗の大きい表面から抵抗の小さい表面へと遷移している)障害物を乗り越えたかまたは乗り越えようとしていること、および、それゆえ、加えられる駆動トルクが、急激に低減しない限り、車両速度が設定速度を超えるようにすることを判定することができる。車両のサイズが異なれば、必要となるトルクの量も異なり得るため、実際のトルク値(すなわち、加えられる駆動トルクの上昇および低減)は、特定の車両に応じて決まることが理解されよう。
【0070】
別の実施形態において、車両10の1つまたは複数の車輪が、車両が乗り越えている障害物を乗り越えたかまたは乗り越えようとしているという判定は、ステップ102において受信された電気信号によって表される車両の1つまたは複数の動作パラメータを監視し、その後、監視される動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の車両車輪が障害物を乗り越えたかまたは乗り越えようとしているか否かを判定することによって行われてもよい。より詳細には、1つまたは複数の監視される動作パラメータが、例えば、1つまたは複数の対応する閾値または範囲と比較されてもよく、監視される動作パラメータが所与の閾値または範囲を満たすか、超えるか、またはそれより下になるかに応じて、車両の1つまたは複数の車輪が、車両が乗り越えている障害物を乗り越えているか(または乗り越えたか)否かに関して判定を行うことができる。一実施形態において、これらの動作パラメータは、車両の姿勢(例えば、ピッチ、ヨー、ロールなど)もしくは車両の姿勢の変化、車両サスペンションアーティキュレーション(すなわち、伸長または圧縮)、および/または任意の他の適切なパラメータに関係するものを含んでもよい。
【0071】
特定の一実施形態において、監視される動作パラメータは、車両10の縦加速度である。この実施形態において、ステップ104は、車両10の縦加速度を監視し、その後、それに少なくとも部分的に基づいて、車両の1つまたは複数の車輪が、障害物を乗り越えたかまたは乗り越えようとしているか否かを判定することを含む。より詳細には、一実施形態において、車両の縦加速度、および、車両の1つまたは複数の車輪における加えられる駆動トルクが、規定の加速プロファイルを考慮して監視されてもよい。縦加速度および加えられる駆動トルクの両方が、ステップ102において、1つもしくは複数の車両センサ14(例えば、縦加速度の場合の車輪速度センサ、縦加速度センサ、車両速度センサなど、および、トルクの場合のトルクセンサ)、1つもしくは複数の車両サブシステム12(例えば、パワートレインサブシステム12
1)、および/または車両10の任意の他の適切な構成要素から受信または取得される情報または読み値を使用して監視されてもよい。所与の加えられる駆動トルクにおいて、縦加速度が加速プロファイルに追従するか、またはそれと一致し、それによって、車両速度が所望のまたは目標設定速度に維持されることになる場合、車両は予測どおりに加速していると判定することができ、したがって、車両の車輪のいずれも障害物を乗り越えておらず、または乗り越えようとしていないと判定することができる。一方、逆に、車両の縦加速度がプロファイルから予測される加速度を超える(または、少なくとも、所定の許容可能量を超える分だけ、または、所定の時間量を超える時間にわたってプロファイルを超える)場合、車両の1つまたは複数の車輪が障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしていると判定され得る。
【0072】
また別の実施形態において、監視される動作パラメータは、車両の速度である。この実施形態において、ステップ104は、設定速度を考慮して車両の速度を監視し、その後、それに少なくとも部分的に基づいて、車両の1つまたは複数の車輪が、障害物を乗り越えたかまたは乗り越えようとしているか否かを判定することを含む。より詳細には、車両の速度が、ステップ102において、1つもしくは複数の車両センサ14(例えば、車輪速度センサ、車両速度センサなど)、1つもしくは複数の車両サブシステム12(例えば、パワートレインサブシステム12
1)、および/または車両10の任意の他の適切な構成要素から受信または取得される情報または読み値を使用して監視されてもよい。車両の速度が速度制御システムの設定速度に一致する(または少なくとも、所定の許容範囲内を下回る)場合、車両は、設定速度において動作しているか、または設定速度に十分に近いと判定することができ、したがって、車両の車輪のいずれも障害物を乗り越えておらず、または乗り越えようとしていないと判定することができる。一方、逆に、車両速度が設定速度を超える(または、少なくとも一定量だけ、かつ/または少なくとも一定の時間量にわたって設定速度を超える)場合、車両の1つまたは複数の車輪が障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしていると判定され得る。
【0073】
したがって、一実施形態において車両の1つまたは複数の車輪が、車両が乗り越えている障害物を乗り越えているか(または乗り越えたか)否かを判定するために、当該技術分野において既知の技法を使用して、1つまたは複数の動作パラメータが監視および評価され得る。
【0074】
別の実施形態において、車両10の1つまたは複数の車輪が、車両が乗り越えている障害物を乗り越えたかまたは乗り越えようとしているという判定は、ステップ102において受信された電気信号を使用して、車両が移動している地形に関係する情報を監視し、その後、監視される地形関連情報に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の車両車輪が障害物を乗り越えたかまたは乗り越えようとしているか否かを判定することによって行われてもよい。より詳細には、一実施形態において、ステップ104は、車両が移動している地形の変化を感知または判定し、それに応答して、車両の1つまたは複数の車輪が障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしているか否かを判定することを含んでもよい。そのような実施形態において、地形関連変化は、例えば、ステップ102において受信された電気信号の一部または全部、および、特定の事例においては、地形分類/タイプおよび/またはその特性を判定するための、上述した技法とともにステップ102において受信された電気信号を使用して感知されてもよい。
【0075】
例えば、特定の地形タイプ/分類の識別情報、または、地形のタイプ/分類を導出するのに使用され得る、車両の前輪に対応する動作パラメータに関係する情報のいずれかを表す、ステップ102において受信された電気信号を使用して、車両が1つのタイプの地形(例えば、砂地)から別の地形(例えば、平坦な岩)へと遷移していると判定することができる。地形タイプ/分類および設定速度を駆動トルクと相関付ける、メモリデバイス(例えば、VCU16のメモリデバイス22)に記憶されているルックアップテーブルまたは他のデータ構造を使用して、新たな地形の上で所望のまたは目標設定速度で車両を推進するのに必要とされる駆動トルクを判定することができ、その後、この判定に基づいて、現在加えられている駆動トルクが、新たな地形の上で車両の設定速度を維持するのに必要とされる駆動トルクを超えるか否かについて、さらに判定を行うことができる。現在加えられている駆動トルクが新たな地形に必要とされる駆動トルクを超えるか、または少なくとも、所定量だけ超える場合、車両の1つまたは複数の車輪が地形関連障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしていると判定され得る。
【0076】
他の実施形態において、地形の分類またはタイプの変化に基づいて判定することに加えて、またはそれに代えて、例えば、判定は、地形の特定の特性(例えば、傾斜、表面起伏、変形能など)の変化に基づいてもよい。例えば、地形の特性の識別情報、または、地形の特性を導出するのに使用され得る、車両の前輪に対応する動作パラメータに関係する情報のいずれかを表す、ステップ102において受信された電気信号を使用して、車両が1つの特性を有する地形(例えば、上り坂)から異なる特性を有する同じ地形(例えば、下り坂、平坦な領域など)へと遷移していると判定することができる。地形特性および設定速度を駆動トルクと相関付ける、メモリデバイス(例えば、VCU16のメモリデバイス22)に記憶されているルックアップテーブルまたは他のデータ構造を使用して、新たな地形の上で所望のまたは目標設定速度で車両を推進するのに必要とされる駆動トルクを判定することができ、その後、この判定に基づいて、現在加えられている駆動トルクが、新たな地形特性の上で車両の設定速度を維持するのに必要とされる駆動トルクを超えるか否かについて、さらに判定を行うことができる。現在加えられている駆動トルクが新たな地形特性に必要とされる駆動トルクを超えるか、または少なくとも、所定量だけ超える場合、車両の1つまたは複数の車輪が地形関連障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしていると判定され得る。したがって、限定ではなく、上述したものを含む、様々なタイプの地形関連情報が、ステップ104を実施するのに使用されてもよいことが理解されよう。
【0077】
地形関連情報がステップ104においてすぐ上で説明したように使用される事例において、ステップ104は、車両関連情報を表す1つまたは複数の電気信号を使用して、車両の1つまたは複数の動作パラメータおよび/または、車両が移動している地形に関係する情報を監視することと、監視される動作パラメータおよび/または、車両が移動している地形に関係する情報に少なくとも部分的に基づいて、車両が移動している地形の変化を感知することと、感知された地形変化に少なくとも部分的に基づいて、車両の1つまたは複数の車輪が障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしており、それゆえ、車両の速度を、速度制御システムの目標設定速度に維持するために加えられる駆動トルクを低減することが必要になると判定することとを含んでもよい。
【0078】
車両の1つまたは複数の車輪が、車両が乗り越えている障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしているか否かを判定するための技法の特定の例だが、上述したもの以外の技法も利用されてもよいことを、当業者は理解しよう。これらの技法は、例えば、車両の様々な追加のまたは代替的な動作パラメータ(例えば、例えば車両最低地上高、車両駆動系(例えば、PTUまたは変速機)のギア比、車輪スリップまたはスピン、タイヤ圧、車両が動作している特定のモード(例えば、地形モード)などに関するパラメータ)に関係する情報などの、様々なタイプの車両関連情報を使用することを含んでもよく、ステップ104の実施において評価および使用されてもよい。したがって、本発明は、いかなる特定の情報の使用にも限定されるようには意図されていない。一実施形態において、ステップ104の機能は、VCU16によって、例えば、特に内部のソフトウェアにおいて具現化されるPIDコントローラの動作の一部として実施されてもよく、一方、他の実施形態においては、車両10の別の適切な構成要素によって実施されてもよい。したがって、本発明は、車両10のいかなる1つの特定の構成要素またはデバイスによってステップ104が実施されることにも限定されない。
【0079】
ステップ104において、車両の車輪のいずれも、車両が乗り越えている障害物を乗り越えておらずまたは乗り越えようともしていないことが判定または検出された場合、一実施形態において方法100はステップ102にループバックして、上述したように手順が繰り返される。しかしながら、ステップ104において、車両の1つまたは複数の車輪が障害物を乗り越えたまたは乗り越えようとしていることが判定または検出された場合、方法100は、車両車輪のうちの1つまたは複数に制動トルクを加えるよう自動的に命令することを含む、ステップ106に進む。命令される制動トルクは、任意のエンジンまたはパワートレインのオーバーラン、ならびに、上記オーバーランが車両の速度に対して及ぼすおそれがある付随効果を妨げる。言い換えれば、制動トルクは、車両のパワートレインサブシステム内のオーバーラン状態の効果が、車両の速度を増大させるのを(例えば、車両速度を、実質的に、例えば、目標設定速度以下に維持するために)妨げるように動作可能である。一実施形態において、ステップ106において制動トルクを加えることは、加えられる駆動トルクの命令されている低減とともに行われ(例えば、加えられる駆動トルクが減少または低減される割合の増大)、したがって、少なくとも特定の事例において、ステップ106は、制動トルクの印加を、加えられる制動トルクの低減と平衡させることを含んでもよい。加えられる駆動トルクの低減(または駆動トルク低減の割合の増大)がそれ自体で目標設定速度の超過を防止または少なくとも大幅に制限するのに十分でない場合がある1つの理由は、一般に、内燃エンジンの、速度制御信号の変化への応答には遅延があることである。より詳細には、内燃エンジンの物理的性質に起因して、トルク出力はトルク需要から遅れる傾向にある。例えば、トルク需要が高い状態から低くなるとき、エンジンに減速する時間ができるまで、エンジンの回転運動量は、人為的にトルク出力を高いままにする。エンジンがクラッチまたは他の同様の手段によって車輪から解放されない限り、エンジンの応答遅延は、車両が障害物を乗り越えるときにパワートレインまたはエンジンのオーバーランとなり得る。車両のパワートレイン/エンジンは一般に反応が遅いが、制動トルクの印加は一般にはるかに反応性が高く、それゆえ、パワートレインオーバーラン状態を妨げるのに使用されてもよい。
【0080】
ステップ106は、いくつかのソースのうちの1つまたは複数から制動トルクを加えるよう命令することを含んでもよい。例えば、一実施形態において、車両10のブレーキサブシステム12
3が、車両10の1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるよう命令されてもよい。適切に構成された場合、パワートレインサブシステム12
1も、あるいは代替的に、車両10の1つまたは複数の車輪に間接的に制動トルクを加えるよう命令されてもよい。より詳細には、パワートレインサブシステム12
1が、1つまたは複数の電気機械、例えば、車両にブレーキサブシステムを用いてまたは用いずに減速させるように、パワートレインサブシステムの一部分および/または車両の1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるように構成されている、発電機として動作可能な1つまたは複数の電気機械を含む一実施形態において、パワートレインサブシステム12
1は、制動トルクを加えるよう命令されてもよい。他の実施形態において、例えば、限定ではなく、車両のヒルディセントコントロール(HDC)システム、車両の駆動系または変速機(例えば、ギア転換装置またはギア比の変更)などを含む、車両10のブレーキおよびパワートレインサブシステム以外の構成要素が利用されてもよい。したがって、本発明は、いかなる特定の制動トルク源にも限定されず、むしろ、任意の数のソースが、単独でまたは組み合わされて、車両10の1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるか、または加えられるようにするのに利用されてもよいことが理解されよう。
【0081】
ステップ106において加えられるように命令される制動トルクの特定の量(および、これが達成または加えられる(すなわち、増大される)割合)は、任意の数の要因に応じて決まり得る。これらの要因は、例えば、車輪に加えられている加えられる駆動トルクの特定量または大きさ、加えられる駆動トルクの必要とされる低減の必要になる度合い、車両の縦加速度が、例えば、規定の加速プロファイルによって定義される予測加速から逸脱する量(すなわち、逸脱が大きくなるほど、制動トルクおよび制動トルクが加えられる/増大される割合も大きくなる)を含んでもよい。制動トルクの大きさおよび/または割合は、例えば、ルックアップテーブルまたは他のデータ構造もしくはプロファイルを使用して、閉ループ制御システム(例えば、ステップ106を実施する構成要素内のソフトウェアにおけるPIDコントローラ実施形態)を使用して、または任意の他の適切な方法で判定されてもよい。
【0082】
一実施形態において、ステップ106における制動トルクを加えるよう自動的に命令することは、車両の速度を速度制御システムの目標設定速度に維持するように、1つまたは複数の車輪に駆動トルクを加えているパワートレインサブシステムにおけるオーバーラン状態の影響を妨げるために車両の1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるよう自動的に命令することを含む。上述したように、これは、車両速度が実質的に目標設定速度に維持されるように、車両の速度を、目標設定速度に正確に、または、目標設定速度を上回るもしくは下回る許容可能範囲内に維持することを含んでもよい。
【0083】
別の実施形態において、ステップ106における制動トルクを加えるよう自動的に命令することは、車両の速度を一時的に所定量だけ目標設定速度を下回って低減するために、車両の1つまたは複数の車輪に制動トルクを加えるよう自動的に命令し、その後、車両速度を目標設定速度に上げ戻す(すなわち、回復する)ように、パワートレインサブシステムおよび制動トルクの印加を制御することを含む。これは、車両が極端に急峻な障害物を乗り越えており、ユーザが、障害物の他方の側にあるものを見ることができない事例において特に有利であり得る。車両を目標設定速度を下回る速度まで一時的に減速することによって、ユーザは、目標設定速度において進行する前に状態をより良好に検査または観測することが可能である。したがって、車両速度が目標設定速度を下回って低減される時間の長さは、これらの目的にとって十分な時間区間であり得、それゆえ、例えば、数秒〜数十秒程度であってもよい。加えて、車両速度が低減される特定の量は、所定の値(例えば、特定のmph(kph)値)であってもよく、または代替的に、目標設定速度の特定の百分率(例えば、例えば10〜50%)であってもよい。したがって、本発明は、任意の特定の値によってまたは任意の特定の値に対して車両速度が低減される該特定の値に限定されない。
【0084】
制動トルクを命令および印加するための特定の方式が特に上記によって説明されたが、上述したもの以外の方式を含む、任意の数の方式が実施されてもよいことが理解されよう。したがって、本発明は、いかなる特定の制動トルク命令および印加方式にも限定されるようには意図されていない。一実施形態において、ステップ106の機能は、VCU16によって、例えば、特に内部のソフトウェアにおいて具現化されるPIDコントローラの動作の一部として実施されてもよく、一方、他の実施形態においては、車両10の別の適切な構成要素によって、単独でまたはVCU16と組み合わせてのいずれかで実施されてもよい。したがって、本発明は、車両10のいかなる1つの特定の構成要素またはデバイスによってステップ106が実施されることにも限定されない。
【0085】
ステップ106において命令された適切な制動トルクが加えられた後、車両が障害物を通過または乗り越えると(例えば、岩塊の頂点に達した、クレータを出た、抵抗の大きい環境から抵抗の小さい環境に完全に遷移した)、ステップ106において加えられるように命令された制動トルクは低減されてもよく(例えば、実質的にゼロまで)、加えられる駆動トルクが、車両の速度を速度制御システムの目標設定速度に維持するのに十分な値に落ち着き得る。
【0086】
上記に加えて、方法100はまた、いくつかの追加のステップをも含んでもよい。例えば、一実施形態において、ステップ104および/または106の前に、方法は、例えば、パワートレインが車両の推進においてそれに対抗して作用する減衰力としての役割を果たす、所定のベースライン制動トルクまたは制動トルクを1つまたは複数の車輪に加えさせる(例えば、そのように命令する)ステップ(図示せず)を含んでもよい。車両のサイズが異なれば、必要とされるトルクの大きさも異なることになるため、所定の制動トルクの特定の大きさは、例えば、特定の車両に応じて決まることになる。しかしながら、一実施形態において、所定の制動トルクの大きさは、例えば、ブレーキサブシステムのパッドおよびディスクがちょうど接触するようにするのに十分である大きさ(例えば、通常は約3bar)になる。一実施形態において、所定のベースライン制動トルクは、速度制御システムがアクティブであるときはいつでも加えられてもよい。代替的に、制動トルクは、例えば、ステップ102において受信される電気信号を使用して検出されてもよい1つまたは複数の状態に応答してのみ加えられてもよい。これらの状態は、限定ではなく、いくつかの可能性を挙げると、障害物(例えば、岩塊、段差など)が乗り越えられているという判定、車両の加速が、規定の加速プロファイルによって定義される予測加速を超えているという判定、ならびに/または、加えられる駆動トルクの要求されるまたは実際の突然のおよび/もしくは急激な上昇があったという判定を含んでもよい。閾制動トルクまたはベースライン制動トルクが上述したように加えられる一実施形態において、ステップ106は、所定の閾値制動トルクまたはベースライン印加制動トルクの調整を命令することによって、車両の1つまたは複数の車輪に制動トルクを印加するよう命令することを含むことになる。そのような実施形態の1つの利点は、ステップ106が実施されるときにはブレーキサブシステムがすでにアクティブであり、それによって、システムの反応性がより高くなり、速度制御がより正確になることである。一実施形態において、上述した機能は、VCU16によって実施されてもよいが、他の実施形態において、上述した機能は、車両10の別の適切な構成要素によって、単独でまたはVCU16と組み合わせてのいずれかで実施されてもよい。したがって、本発明は、車両10のいかなる1つの特定の構成要素またはデバイスによってこのステップが実施されることにも限定されない。
【0087】
方法100は、付加的にまたは代替的に、ステップ104および106の一方または両方の前に、車両のブレーキサブシステムを準備またはチャージする(またはブレーキの準備またはチャージを命令する)ステップ(図示せず)を含んでもよい。言い換えれば、速度制御システムは、ブレーキサブシステムに、車両の1つまたは複数の車輪に制動トルクを加える準備をするよう命令してもよい。一実施形態において、ブレーキサブシステムは、検出される状態に応答して準備されてもよい。例えば、ブレーキサブシステムは、駆動トルクが所定の割合だけ過剰に加えられるまたは要求されるのに応答して準備されてもよく、これは経験的に導出されてもよく、例えば、車両タイプ依存であってもよい。例えば、上述したように検出された増大が、加えられるトルクの突然の急激な増大を構成する場合、要求されるまたは加えられるトルクの突然の急激な低減が差し迫っている場合があり、それゆえ、制動トルクを加える必要があると予期してブレーキサブシステムが準備されてもよいと予測され得る。そのような実施形態の1つの利点は、ステップ106において命令されるときにはブレーキサブシステムがすでに動作する準備ができており、それによって、システムの反応性がより高くなり、速度制御がより正確になることである。一実施形態において、上述した機能は、VCU16によって実施されてもよいが、他の実施形態において、上述した機能は、車両10の別の適切な構成要素によって、単独でまたはVCU16と組み合わせてのいずれかで実施されてもよい。したがって、本発明は、車両10のいかなる1つの特定の構成要素またはデバイスによってこのステップが実施されることにも限定されない。
【0088】
ステップ106において制動トルクが命令される事例では、一実施形態において、方法100は、制動トルクの命令後に終了するが、別の実施形態においては方法100は反復される。方法100が反復される一実施形態において、ステップ106の後、方法100はステップ102にループバックして、上述したように手順が繰り返される。そのような反復または連続プロセスが、車両の速度に対する精密な制御を可能にする。
【0089】
図6を参照して、上述した本発明の様々な態様のより良好な理解を提供するために、ここで、上述した態様のいくつかまたはすべての応用形態を示すために、方法100の非限定例またはシナリオを説明する。
図6は、車両が岩塊または段差などの障害物を乗り越えるときの、本発明の一実施形態による、それぞれ車両のパワートレインおよびブレーキサブシステムによって生じる駆動トルク(プロットP)および制動トルクまたはブレーキトルク(プロットB)の量のプロットを示す。
【0090】
時刻t<t
1において、車両は、トルクP
1を生じるパワートレインによって相対的に平坦な地形を移動している。時刻t=t
1において、車両は障害物に遭遇する。速度制御システムが、障害物によって呈される運動に対する抵抗の増大の結果として車両の速度が落ちることを検出し、車両設定速度を維持するために、パワートレインサブシステムからの出力を増大させることを自動的に要求する。いくつかの実施形態において、速度制御システムは、障害物が存在することを検出したことに起因して、設定速度の最大許容可能値を一時的に低減する。この速度は、いくつかのシナリオにおいては運転者設定速度よりも遅くてもよい。
【0091】
時刻t=t
2において、速度制御システムは、必要とされるパワートレイン駆動トルクPの増大が障害物に乗り上るのと一致していると判定することができ、車両ブレーキサブシステムの準備をトリガする。上述したように、これは、頂上に達していることがその後検出されるときのために相対的に迅速に展開するためにブレーキサブシステムを準備するためのものである。時刻t=t
3において、速度制御システムは、車両がその後障害物の頂上に達してその他方の側を下り始める場合に、車両の運動に少量の抵抗を与え、車両本体が加速する量を低減するために、ブレーキサブシステムの相対的にゆるやかな起動を命令する。時刻t=t
4において、頂上に達するのと一致した車両速度の増大が検出され、速度制御システムが直ちに、パワートレインサブシステムによって生じる駆動トルクPの量を低減するよう命令する。速度制御システムはまた、ブレーキトルクまたは制動トルクBの量を増大させ、命令されたパワートレイン駆動トルクPの低減の後のパワートレイン応答遅延に起因して車両速度が増大する量を低減するために、ブレーキサブシステムの起動も命令する。
【0092】
車両が障害物を通過または乗り越えると、時刻t=t
5において、速度制御システムが、ブレーキトルクまたは制動トルクBを実質的にゼロまで低減するよう命令し、パワートレイン駆動トルクPが車両速度を支配的な設定速度に維持するのに十分な値に落ち着く。
【0093】
上記を考慮して、本システムおよび方法の利点は、中でも、車両が例えば、障害物を越えるときに、車両の速度を目標設定速度に、またはその非常に近くに維持することができることであることが理解されよう。この精密な速度制御の結果として、車両安定性を維持することができ、車両乗員の快適性を向上することができる。
【0094】
上述した実施形態は例としてのみ与えられており、本発明を限定するようには意図されておらず、その範囲は添付の特許請求の範囲に規定されることが理解されよう。本発明は、本明細書において開示されている特定の実施形態には限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。さらに、上記の説明に含まれている記述は特定の実施形態に関し、本発明の範囲、または、用語または語句が上記で明示的に定義されている場合を除き、本発明の範囲に対する限定、または特許請求の範囲において使用される用語の定義に対する限定として解釈されるべきではない。様々な他の実施形態ならびに開示されている実施形態に対する様々な変更および修正が当業者には明らかとなろう。例えば、本方法は、本明細書において示されているものよりも少ない、多い、または異なるステップを有するステップの組合せを含んでもよいため、ステップの特定の組合せおよび順序はほんの1つの可能性に過ぎない。すべてのそのような他の実施形態、変更、および修正が、添付の特許請求項の範囲内に入るように意図されている。
【0095】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、用語「例えば(for example)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for instance)」、「〜などの(such as)」および「〜のような(like)」、ならびに動詞「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」およびそれらの他の動詞の形態は、1つまたは複数の構成要素または他の項目のリストとともに使用されるときは、各々、無制限として解釈されるべきであり、つまり、そのリストは他の追加の構成要素または項目を除外するものとして考えられるべきではない。さらに、用語「電気的に接続される(electrically connected)」または「電気的に結合される(electrically coupled)」およびその変化形は、無線電気接続、および、1つまたは複数のワイヤ、ケーブル、または導体を介して行われる電気接続(有線接続)の両方を包含するように意図されている。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈において使用されていない限り、それらの最も広い妥当な意味を使用して解釈されるべきである。