(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205434
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】経皮的薬剤配達装置
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
A61M37/00
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-558334(P2015-558334)
(86)(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公表番号】特表2016-507310(P2016-507310A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】CN2013089618
(87)【国際公開番号】WO2014146464
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年8月25日
(31)【優先権主張番号】201310095217.0
(32)【優先日】2013年3月22日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515186024
【氏名又は名称】ベイジン サイノハンファン ファーマシューティカル エスシーアイ アンド テック シーオー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(72)【発明者】
【氏名】チェン ガン
(72)【発明者】
【氏名】ワン メイリン
【審査官】
田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第101284157(CN,A)
【文献】
中国実用新案第201061675(CN,Y)
【文献】
中国実用新案第203169820(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1頂面(1)と、
第1頂面(1)の2つの側に配置されて、前記第1頂面(1)の1の側に固定して接続され、前記第1頂面(1)と共に第1環状キャビティ(4)を構成する環状外壁(2)および環状内壁(3)と、
一端は前記第1環状キャビティ(4)に接続され、他端は負圧源に接続される第1接続チューブ(5)と、
薬を置くための中央環状キャビティ(6)と、
を備え、
前記中央環状キャビティ(6)は、第1環状壁(7)および第2頂面(8)を備え、
前記第1環状壁(7)の一端は、皮膚(20)と接触する第1環状底(9)を介して前記環状内壁(3)の一端と接続され、
前記環状内壁(3)の他端は前記第1頂面(1)と接続され、
前記第1環状壁(7)の他端は前記第2頂面(8)と接続され、
前記環状内壁(3)、前記皮膚(20)と接触した前記第1環状底(9)、および前記第1環状壁(7)は、前記第1頂面(1)の方向に開いた第1環状溝(10)を形成することを特徴とする経皮的薬剤配達装置。
【請求項2】
第2環状壁(21)、第3環状壁(22)および第2環状底(23)を更に含み、
これらの要素は、前記第2頂面(8)の方向へ開く第2環状溝(24)を構成することを特徴とする請求項1に記載の経皮的薬剤配達装置。
【請求項3】
第4環状壁(11)および第2接続チューブ(12)を更に含み、
前記第4環状壁(11)および前記第2頂面(8)は第2環状キャビティ(13)を構成し、
前記第1環状壁(7)、前記第4環状壁(11)および前記第2頂面(8)は、中央環状分離キャビティ(14)を構成し、
前記第2接続チューブ(12)の一端は前記第2環状キャビティ(13)に接続され、
その他端は負圧源に接続されることを特徴とする請求項1に記載の経皮的薬剤配達装置。
【請求項4】
前記第2頂面(8)上に配置され前記第1接続チューブ(5)を支持する連結柱(15)を更に含み、
前記第1接続チューブ(5)の一端は前記連結柱(15)を通過して前記第1環状キャビティ(4)に接続され、
その他端は負圧源に接続されることを特徴とする請求項1に記載の経皮的薬剤配達装置。
【請求項5】
前記第1接続チューブ(5)が負圧源接続部(16)および第1環状キャビティ接続部(17)を更に含み、
前記負圧源接続部(16)は前記第1環状キャビティ接続部(17)と接続され、
前記第1環状キャビティ接続部(17)の一端は前記第1環状キャビティ(4)と接続され、
その他端は、前記第1環状キャビティ接続部(17)が前記負圧源接続部(16)と接続される箇所において前記第2環状キャビティ(13)と接続されることを特徴とする請求項3に記載の経皮的薬剤配達装置。
【請求項6】
前記第1環状キャビティ接続部(17)の長さが前記第1環状キャビティ(4)と前記第2環状キャビティ(13)との間の水平状態下での直線距離より長いことを特徴とする請求項5に記載の経皮的薬剤配達装置。
【請求項7】
第3環状壁(22)および第4環状壁(11)を更に含み、
前記第3環状壁(22)および前記第2頂面(8)が第3環状キャビティ(18)を構成し、
前記第4環状壁(11)および前記第2頂面(8)が第4環状キャビティ(19)を構成し、
さらに、前記第2環状キャビティ(13)、前記第3環状キャビティ(18)および前記第4環状キャビティ(19)は、互いに等しい距離で前記第2頂面(8)に配置されることを特徴とする請求項6に記載の経皮的薬剤配達装置。
【請求項8】
前記第1接続チューブ(5)が、
一端が前記第3環状キャビティ(18)に接続され、他端が前記負圧源に接続される第2環状キャビティ接続部と、
一端が前記第4環状キャビティ(19)に接続され、他端は前記負圧源に接続される第3環状キャビティ接続部と、
を備えることを特徴とする請求項7に記載の経皮的薬剤配達装置。
【請求項9】
皮膚(20)が負圧力によって過度に伸ばされ、損傷を受けるのを防止する環状クッション(25)を更に含み、
当該環状クッション(25)は前記第1環状キャビティ(4)に配置されることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の経皮的薬剤配達装置。
【請求項10】
前記環状クッション(25)が通気性の環状クッション(25)であることを特徴とする請求項9に記載の経皮的薬剤配達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療装置に関し、特に経皮的薬剤配達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2001年7月18日に発表された中国特許CN99126047.3には経皮的薬剤配達装置について記載されている。アプリケーションディスクは皮膚の上で使用され、治療のために薬を皮膚に押圧する。装置が治療に使用されるとき、アプリケーションディスクは皮膚の上で使用され、外側の環状キャビティが負圧源に接続されていることによる負圧力により生じる吸引力によって、外側の環状キャビティが皮膚を持ち上げ、そして、アプリケーションディスクが皮膚上で使用されると、同時に中央キャビティは完全に封止され、中央キャビティに入れられた薬の揮発成分はキャビティの外へ逃れることが出来なくなる。実際の使用においては、アプリケーションディスクは幾つかの状況において、落ちる傾向にある。
【0003】
1.外側の環状キャビティの頂面と中央キャビティの頂面は密接に接続された1つの平面または曲面である。アプリケーションディスクは特定の厚みを有し、その頂面は皮膚からの距離があるため、アプリケーションディスクは体の平らな部分には確実に使用されることができる。しかし、例えば部分曲率の大きい項部、脚および腕などの平らではない部分にアプリケーションディスクが使用される時、アプリケーションディスクの中央キャビティの頂面は外側のキャビティの頂面に大きな力を印加し、そのため、負圧力による外側の環状キャビティの吸引力は弱まり、アプリケーションディスクは落ちやすくなり、治療に悪影響がでる。
【0004】
2.中央キャビティの温度は、皮膚および/または外部の熱源により加熱されるため、徐々に上昇し、そして薬は徐々に揮発し、このため、中央キャビティの圧力は徐々に上昇し、薬の経皮的配達を加速する。上昇した圧力は、中央キャビティの頂面を外側に持ち上げる力を印加する。圧力が比較的大きい場合は、頂面は押し出て、外側のキャビティの頂面に対して大きな力を発生させる。負圧力による外側の環状キャビティの吸引力は弱まり、アプリケーションディスクは落ちやすくなり、治療に悪影響がでる。
【0005】
3.この解決方法では真空チューブは外側の環状キャビティの頂面上に配置される。治療中に、たとえば偶然触られるなどして真空状態が引っ張られた時、真空チューブに加わる引っ張り力は、外側の環状キャビティの頂面を通して環状外壁に届き、このため、負圧力による吸引力は弱まり、アプリケーションディスクは落ちやすくなり、治療に悪影響がでる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、外側の環状キャビティの負圧力から生じる吸引力が弱まる事で、アプリケーションディスクが落ちやすくなると言う先行技術の問題点を解決するための経皮的薬剤配達装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
技術的な解決方法は以下のように実行される。
本発明における経皮的薬剤配達装置は、
第1頂面と、外壁と内壁が第1頂面の2つの側に配置されて、第1頂面の1の側に固定して接続され、第1頂面と共に第1環状キャビティを構成する環状外壁および環状内壁と、
第1接続チューブの一端が第1環状キャビティと接続され、他端は負圧源と接続される第1接続チューブと、
薬を置くための中央環状キャビティと、を備える。
中央環状キャビティは、第1環状壁および第2頂面を備え、第1環状壁は第1環状底を介して環状内壁の一端と接続される。
環状内壁、第1環状底および第1環状壁は、第1頂面の方向に開いた第1環状溝を形成する。
【0008】
好ましくは、経皮的薬剤配達装置は、第2環状壁、第3環状壁および第2環状底を含み、これらの3つは第2頂面の方向に開いた第2環状溝を構成する。
【0009】
好ましくは、経皮的薬剤配達装置は、第4環状壁および第2接続チューブを含む。第4環状壁および第2頂面は第2環状キャビティを構成する。第1環状壁、第4環状壁および第2頂面は中央環状分離キャビティを構成する。第2接続チューブの一端は第2環状キャビティに接続され、その他端は負圧源に接続される。
【0010】
好ましくは、経皮的薬剤配達装置は、第2頂面の上に配置され、第1接続チューブを支持するための連結柱を更に含む。第1接続チューブの一端は、連結柱を通過して第1環状キャビティに接続され、他端は負圧源に接続される。
【0011】
好ましくは、第1接続チューブは負圧源接続部と第1環状キャビティ接続部を更に含み、負圧源接続部は第1環状キャビティ接続部と接続され、第1環状キャビティ接続部の一端は第1環状キャビティと接続され、第1環状キャビティ接続部が負圧源接続部と接続される箇所において、その他端は第2環状キャビティと接続される。
【0012】
好ましくは、第1環状キャビティ接続部は、第1環状キャビティと第2環状キャビティ間の水平状態での直線距離よりも長い。
【0013】
好ましくは、経皮的薬剤配達装置は、第3環状壁および第4環状壁を更に含む。第3環状壁および第2頂面は第3環状キャビティを構成する。第4環状壁および第2頂面は第4環状キャビティを構成する。第2環状キャビティ、第3環状キャビティおよび第4環状キャビティは、互いに等しい距離で第2頂面の上に配置される。
【0014】
好ましくは、第1接続チューブは第2環状キャビティ接続部と第3環状キャビティ接続部を含み、第2環状キャビティ接続部の一端は第3環状キャビティに接続され、その他端は負圧源に接続される。第3環状キャビティ接続部の一端は第4環状キャビティに接続され、その他端は負圧源に接続される。
【0015】
好ましくは、装置は、皮膚が負圧力により過度に伸ばされ、損傷することを防ぐ環状クッションを更に含む。環状クッションは第1環状キャビティの中に配置される。
【0016】
好ましくは、環状クッションは通気性の環状クッションである。
【発明の効果】
【0017】
環状内壁、第1環状底および第1環状壁が第1環状溝を構成する。装置が項部、脚または腕などの平らではない部分に使用される時、第1環状溝が第1頂面と第2頂面を分けるため、第1環状溝は頂面が開閉することで曲率の変化に適合し、そのため、第1環状キャビティが第2頂面に制御されるのを防ぎ、そして平らではない部分に使用された装置は落ちにくくなる。
【0018】
さらに、負圧源と第2接続チューブを接続することにより皮膚上で使用することが出来る第2環状キャビティを配置することにより、空気圧による頂面の外側への押し出しおよび変形度を減らすことが可能になり、装置は落ちにくくなる。
【0019】
さらに、第1接続チューブは連結柱を通って中央キャビティの上に固定されるため、第1接続チューブが引っ張られたとき、力は最初に第2頂面に印加され、第2頂面は状況に応じた弾性的な変形により力を和らげることが可能であり、このため、力が第1環状キャビティに直接届くのを防ぎ、第1環状キャビティの吸引力が弱まるのを防ぎ、そして、装置は落ちにくくなる。負圧源接続部が第1環状キャビティ接続部に接続されるとき、第1接続チューブに印加された力は第2頂面に届くため、第1環状キャビティの吸引力が弱まるのが防がれ、そして装置は落ちにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の技術的な解決方法、または従来の技術を更にはっきり説明するために、実施形態または従来の技術の説明に使われる図の簡単な説明を行う。明らかに、以下に示される図は本発明の実施形態に過ぎない。技術に熟練した人であれば創造的な労働をせずに、これらの図から他の図を得ることができる。
【
図1】本発明による経皮的薬剤配達装置の第1実施形態を示す。
【
図2】本発明による経皮的薬剤配達装置の第2実施形態を示す。
【
図3】本発明による経皮的薬剤配達装置の第3実施形態を示す。
【
図4】本発明による経皮的薬剤配達装置の第4実施形態を示す。
【
図5】本発明による経皮的薬剤配達装置の第5実施形態を示す。
【
図6】本発明による経皮的薬剤配達装置の第6実施形態を示す。
【
図7】本発明による経皮的薬剤配達装置の中央環状キャビティの実施形態を示す。
【符号の説明】
【0021】
1.第1頂面、2.環状外壁、3.環状内壁、4.第1環状キャビティ、5.第1接続チューブ、6.中央環状キャビティ、7.第1環状壁、8.第2頂面、9.第1環状底、10.第1環状溝、11.第4環状壁、12.第2接続チューブ、13.第2環状キャビティ、14.中央環状分離キャビティ、15.連結柱、16.負圧源接続部、17.第1環状キャビティ接続部、18.第3環状キャビティ、19.第4環状キャビティ、20.皮膚、21.第2環状壁、22.第3環状壁、23.第2環状底、24.第2環状溝、25.環状クッション
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態の技術的な解決方法は、図を結合させて明確に、完全に記載される。明らかに、記載される実施形態は使用の一部であり、全てではない。本発明の実施形態に基づき、技術に熟練した人であれば創造的な労働をせずに得られる他の全ての実施形態は、全て本発明の範囲に含まれる。
【0023】
図1−7によると、本発明の経皮的薬剤配達装置は以下を備える。
第1頂面1および、環状外壁2および環状内壁3。ここで後者は、第1頂面1の2つの側に配置され、第1頂面1の1の側に固定して接続され、第1頂面1と共に第1環状キャビティ4を構成する。
第1接続チューブ5。ここで第1接続チューブ5の一端は第1環状キャビティ4と接続され、他端は負圧源と接続される。
薬を入れるための中央環状キャビティ6。
中央環状キャビティ6は、第1環状壁7、第2頂面8を備え、第1環状壁7は第1環状底9を介して環状内壁3の一端と接続される。
環状内壁3、第1環状底9および第1環状壁7は、第1頂面1の方向に開いた第1環状溝10を形成する。
【0024】
第1環状溝10が第1頂面1と第2頂面8を分けるため、装置が項部、脚または腕などの平らではない部分に使用される時、第1環状溝10は帳面が開閉することで曲率の変化に適合し、このため、第1環状キャビティ4が第2頂面によって制御されるのが防がれ、平らではない部分に使用される装置は落ちにくくなる。ここで、第1環状溝10は環状内壁3、第1環状底9および第1環状壁7により形成される。
【0025】
本発明のひとつの実施形態では、第1頂面1、環状外壁2および環状内壁3は第1環状キャビティ4を構成し、第1接続チューブ5の一端は第1環状キャビティ4に接続され、第1接続チューブ5の他端は負圧源に接続される。第1環状壁7と第2頂面8は中央環状キャビティ6を構成し、第1環状壁7は第1環状底9の一端と接続され、第1環状底9の他端は環状内壁3と接続され、このため、環状内壁3、第1環状底9および第1環状壁7は第1環状溝10を構成する。使用時には、第1環状キャビティ4および中央環状キャビティ6は皮膚20に適用され、薬は中央環状キャビティ6に置かれる。そして、皮膚20は、第1接続チューブ5を介し負圧源によって生じる吸引力によって持ち上げられ、このため、第1環状キャビティは皮膚20の上で吸引されることが可能であり、同時に、中央環状キャビティ6は完全に封止されることが可能であり、このため、中央環状キャビティ6に置かれた薬は揮発の後、外に逃れることが出来ない。さらに、装置が平らではない部分に使用される時、第1環状溝10の開放端は開き、曲率の変化に適合し、そして第2頂面8は第1頂面1によって制御されるのを防がれ、第1環状キャビティ4の吸引力は弱められるのを防がれ、このため装置は落ちにくくなる。
【0026】
図5に示すように、本発明のもう一つの実施形態では、経皮的薬剤配達装置は好ましくは、第2環状壁21、第3環状壁22および第2環状底23を含み、これらの3つの構成要素は第2頂面8の方向へ開いた第2環状溝24を構成する。
【0027】
第2環状底23の一端は第2環状壁21と接続され、第2環状底23の他端は第3環状壁22と接続される。第2環状壁21、第2環状底23および第3環状壁22は、第2環状溝24を構成する。装置が大きな曲率を有する部分に使用されるときに、第2環状溝24は第1環状溝10を調整し、両方の溝の解放端は開いて、大きな曲率を有する部分の曲率に適応する。この設計では、第1環状キャビティ4の吸引力は弱められるのを更に防がれることが可能であり、装置は落ちにくくなる。
【0028】
図2に示すように、本発明のもう一つの実施形態では、経皮的薬剤配達装置は好ましくは第4環状壁11および第2接続チューブ12を含む。第4環状壁11および第2頂面8は第2環状キャビティ13を構成する。第1環状壁7、第4環状壁11および第2頂面8は中央環状分離キャビティ14を構成する。第2接続チューブ12の一端は第2環状キャビティ13接続され、その他端は負圧源に接続される。
【0029】
第4環状壁11および第2頂面8は、第2接続チューブ12によって負圧源と接続される第2環状キャビティ13を構成する。中央環状キャビティ6は第2環状キャビティ13によって、中央環状分離キャビティ14に分けられる。この場合、第2接続チューブ12は負圧源と直接接続される。もちろん、第2接続チューブ12を第1接続チューブ5と接続し、そして第1接続チューブ5を介して負圧源と接続する事もできる。この方法ではコストをある程度節約することができる。これは実施の要求に依存し、限定は無い。使用時には、第2環状キャビティ13の下にある皮膚20は負圧源を介し第2接続チューブ12により吸引され、すなわち、第2頂面8の中心部は碇止され、空気が膨張し、または、圧力が徐々に上昇する状況において、膨張もしくは突出せず、このため、第1環状キャビティ4の吸引力は弱められるのを防がれることが可能になり、装置は落ちにくくなる。
【0030】
図3に示すように、本発明のもう一つの実施形態では、経皮的薬剤配達装置は好ましくは、第1接続チューブ5を支持するための連結柱15を含む。連結柱15は、第2頂面8上に配置される。第1接続チューブ5の一端は連結柱15を通過して、第1環状キャビティ4に接続され、その他端は負圧源に接続される。
【0031】
本実施形態において、連結柱15は、第2頂面8の上に備えられ、第1接続チューブ5の一端は連結柱15を通って連結柱15に固定され、第1接続チューブ5は連結柱15の一端を通過して第1環状キャビティ4に接続される。連結柱15の端を通過する第1接続チューブ5の長さは、水平状態での第1頂面1の中心位置および第1環状キャビティ4の中心位置の間の直線距離より長い。すなわち、第2頂面8が水平状態にあるときに、第1接続チューブ5は曲線である。第1接続チューブ5の長さは、大きな曲率を有する体の部分に吸着されるとき、拡大した距離に適応することが可能であり、第1頂面を抑制しない。同時に、第1接続チューブ5は連結柱15を介して第2頂面8に固定されているので、第1接続チューブ5が引っ張られるとき、力は最初に第2頂面8に印加され、第2頂面8は状況に応じた弾性的な変形により力を和らげることが可能であり、そのため、力が第1環状キャビティ4に直接届くのを防ぎ、第1環状キャビティの吸引力が弱まるのを防ぎ、そして、装置は落ちにくくなる。
【0032】
好ましくは、第1接続チューブ5は、負圧源接続部16および第1環状キャビティ接続部17を更に含む。負圧源接続部16は、第1環状キャビティ接続部17に接続される。第1環状キャビティ接続部17の一端は第1環状キャビティ4と接続され、第1環状キャビティ接続部17が負圧源接続部16と接続される箇所において、その他端は第2環状キャビティ13と接続される。
【0033】
好ましくは、第1環状キャビティ接続部17の長さは、第1環状キャビティ4および第2環状キャビティ13間の水平状態での直線距離より長い。
【0034】
図4に示すように、本発明のもう一つの実施形態では、第1接続チューブ5は、負圧源接続部16および第1環状キャビティ接続部17を含む。第1環状キャビティ接続部17の一端は第1環状キャビティ4に接続され、第1環状キャビティ接続部17が負圧源接続部16と接続される箇所において、その他端は第2環状キャビティ13と接続される。ここで、第1環状キャビティ接続部17の長さは、第1環状キャビティ4および第2環状キャビティ13間の水平状態での直線距離より大きい。装置が大きな曲率を有する部分に使用されるときに、第1環状キャビティ接続部17は、2つの端の間の距離の増加に適応し、第1頂面1が制御されるのを防ぐのに十分な長さを持つ。同時に、負圧源によって、第2環状キャビティ13の下にある皮膚20は第1接続チューブ5を通して吸引される。すなわち、第2頂面8の中心部は碇止され、空気が膨張し、または、圧力が徐々に上昇する状況において、膨張および突出をせず、このため、第1環状キャビティ4の吸引力は弱められるのを防がれることが可能であり、装置は落ちにくくなる。
【0035】
好ましくは、経皮的薬剤配達装置は、第3環状壁22および第4環状壁11を更に含む。第3環状壁22および第2頂面8は、第3環状キャビティ18を構成する。第4環状壁11および第2頂面8は、第4環状キャビティ19を構成する。第2環状キャビティ13、第3環状キャビティ18および第4環状キャビティ19は、互いに等しい距離で第2頂面8の上に配置される。
【0036】
図7に示すように、本発明のもう一つの実施形態では、第3環状壁22および第2頂面8は、第3環状キャビティ18を構成する。第4環状壁11および第2頂面8は、第4環状キャビティ19を構成する。第2環状キャビティ13、第3環状キャビティ18および第4環状キャビティ19は、互いに等しい距離で第2頂面8に配置される。3つの環状キャビティが好ましくは備えられるが、4つ、5つ、もしくは、より多い環状キャビティは全て、第2頂面8が膨張および外側へ突出するのを防ぐために、備える事を考慮することができる。本実施形態において、第2環状キャビティ13、第3環状キャビティ18および第4環状キャビティ19を伝達する環状通路が、第2頂面8内に設けられる。第2頂面8は3つの部分で碇止され、このため、第2頂面8は効果的に抑制されることが可能になり、膨張および突出ができない。このように、第1環状キャビティ4の吸引力が弱められるのを防ぐ事が可能になり、落ちにくくなる。
【0037】
本発明の他の実施形態において、好ましくは、第1接続チューブ5は第2環状キャビティ接続部および第3環状キャビティ接続部を含み、第2環状キャビティ接続部の一端は第3環状キャビティ18に接続され、その他端は負圧源に接続される。第3環状キャビティ接続部の一端は第4環状キャビティ19に接続され、その他端は負圧源に接続される。
【0038】
本実施形態において、第2環状キャビティ13と第2環状キャビティ接続部および第4環状キャビティ19と第3環状キャビティ接続部の別々の接続によって、第2頂面8は薬の配達の前に、負圧力により3箇所で効果的に碇止および抑圧され、このため、第2頂面8は膨張および外向きに突出することができず、従って、第1環状キャビティ4の吸引力が弱められるのを防ぐ事ができ、アプリケーションディスクは落ちにくくなる。
【0039】
図6に示すように、本発明のもう一つの実施形態において、好ましくは、皮膚20が負圧力により過度に伸ばされ、損傷することを防ぐ環状クッション25を更に含む。環状クッション25は第1環状キャビティ4の中に配置される。
【0040】
好ましくは、環状クッション25は通気性の環状クッションである。
【0041】
環状クッション25は、第1環状キャビティ4の中に設けられる。皮膚20は負圧力によって伸ばされ、皮膚20がある程度伸ばされると環状クッション25にぶつかり、このため、皮膚20は過度に伸ばされて損傷を受けるのを防がれる。環状クッション25は、第2環状キャビティ13の中に設けられることが可能であり、また、第1環状キャビティ4の1つまたは2つの側に接続されることができる。あるいは、環状クッション25の片側は第1頂面1に接続され、すなわち、環状クッション25は接着剤によって、第1頂面1に付けられる事ができる。環状クッション25は他の方法で第1環状キャビティ4に固定することもできるが、記載はしない。本実施形態における環状クッション25は通気性の環状クッションでもよく、このとき、皮膚20は、効果的に負圧源によって持ち上げられる事が可能である。もちろん、環状クッション25は、通気を確実にすることができ、皮膚20が過度に伸ばされて損傷を受けるのを防ぐ事が出来る綿のクッション、不織布クッションまたはその他でもよい。
【0042】
上記は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を制限するものではなく、本発明の意図および原則の範囲内のどんな修正、等価の置き換え、および改良も全て、本発明の範囲に含まれる。