(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記割出しアセンブリは、前記ドライバに接続されたドライバ割出し構成要素を備えており、前記ドライバ割出し構成要素は、前記ドライバ割出し構成要素が回転したとき、前記連結アセンブリが前記ドライバ割出し構成要素の回転運動を前記ブレードに伝達し、前記ブレードを前記シャフトの前記長軸を中心として回転させるように、前記連結アセンブリに係合されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の寛骨臼カップ取外し装置。
前記ドライバ割出し構成要素は、前記ドライバ内の回転シャフトの回転運動を前記ブレードを振動させる振動運動に変換させるように、さらに構成されている、請求項5に記載の寛骨臼カップ取外し装置。
前記ドライバ割出し構成要素は、少なくとも1つのヘッドであって、前記ヘッドは、前記ドライバの作動の結果として、前記ヘッドの軸から横方向に離間した軸を中心として回転するように、前記ドライバに移動可能に接続されており、前記ヘッドは、前記ハンドルの作動の結果として、前記ドライバが作動したときに前記ヘッドが回転する軸が前記ドライバを貫通する固定軸に対する回転方位を変更させるように位置変更するように、前記ハンドルに接続されている、ヘッドと、前記ヘッドを前記シャフトに接続するリンクであって、前記ドライバが作動したとき、前記ヘッドの回転が前記シャフトの振動をもたらし、前記ヘッド位置の変更が前記シャフトの回転をもたらすようになっている、リンクと、を備えており、
前記ブレードは、前記シャフトと共に振動し、前記シャフトと共に回転するように、前記シャフトに取り付けられている、
請求項5または6に記載の寛骨臼カップ取外し装置。
前記アクチュエータアセンブリは、前記ハンドルと前記ブレードとの間に延在し、前記ハンドルの作動時に前記ブレードを枢動させるようになっているアクチュエータロッドを備えている、請求項1〜9のいずれか1つに記載の寛骨臼カップ取外し装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[I.概観]
図1は、本発明の外科用工具、具体的には、寛骨臼カップ取外し装置30および寛骨臼カップ32に対する該工具の関係を示している。カップ32は、多くの場合、典型的には金属から形成された凹んだ半球構造の形態にある。カップ32の外面は、股関節の骨内に埋設されている。カップの内面は、ソケットを画定している。このソケットは、大腿骨ステムのボールを受け入れるように設計されている。図示されていないが、凹んだ半球構造の形態にあることが多いライナーが、カップ32の内面に着座されていてもよい。このライナーが配置されている場合、該ライナーが大腿骨のボールを受け入れるソケット空間を画定することになる。
【0017】
カップ取外し装置30は、枢動ヘッド388を備えている。ヘッド388は、カップ取外し装置30のカップ32内に着座する一部である。シャフト292がヘッド388から近位側に延在している。(「近位側」は、カップ32からカップ取外し装置30を用いる外科医に向かう側を意味すると理解されたい。「遠位側」は、外科医からカップ32に向かう側を意味している。)ブレード402が、ヘッドから近位側後方にいくらか離れた位置において、シャフト292に枢動可能に取り付けられている。ブレード402は、円弧状の輪郭を有しており、ヘッド388の周りに沿って遠位側前方に湾曲するように位置決めされている。さらに詳細には、ブレード402は、ヘッド388がカップ32内に着座したとき、遠位側前方に枢動しながらカップの外面の周りに沿って前進するように、形作られている。
【0018】
ヒンジ418が、シャフト292に接続されている。ヒンジ418は、ブレードをヘッド388の遠位端に対して前進/後退させるように、該ブレードを枢軸を中心として枢動させるようになっている。この枢軸は、シャフト292に対して静止位置にあると理解されたい。ハンドル332が、シャフト292に摺動可能に接続されている。ハンドル332は、ヒンジ418を枢動させるように該ヒンジに接続されている。従って、ハンドル332およびヒンジ418は、協働し、ブレード枢動アセンブリをなすと見なすことができる。
【0019】
カップ取外し装置30は、ドライバ50と呼ばれる動力工具によって作動されるようになっている。ドライバ50は、モータ68を備えている。連結アセンブリ280が、工具30、すなわち、シャフト292およびハンドル332をドライバ50に離脱可能に接続している。変速機アセンブリ89が、モータ68と一体のシャフト70(
図4)の回転運動を振動運動に変換するようになっている。この運動は、連結アセンブリによって、カップ取外しシャフト292に振動運動として伝達される。シャフト292の振動によって、カップ取外しブレード402の同様の振動が生じることになる。
【0020】
ドライバの変速機89および連結アセンブリ280は、協働し、割出しアセンブリ95を構成している。この割出しアセンブリによって、外科医は、ハンドル332を回転させることによって、カップ取外し装置シャフト292を長手方向に貫通する軸を中心とする該シャフト292の回転方位を設定することができる。カップ取外し装置シャフト292の割出しによって、カップ32に対するブレード402の回転方位が同様に設定されることになる。
【0021】
[II.ドライバ]
以下、
図1,
図2B,
図3に関して、カップ取外し装置30と共に用いられる1つの動力式ドライバ50について説明する。ドライバ50は、ハウジング52を備えている。本発明の特定の態様では、ハウジング52は、ハウジングのヘッドを形成するバレル54を有するように、形作られている。ハウジング52は、バレル54の遠位面から内方に延在する孔56を有するように、さらに形成されている。孔56を画定するハウジング52の円筒状内壁には、ネジ部58が形成されている。ネジ部58は、孔56の遠位開端のごく近位側の壁の区域に位置している。ハウジングの内部に、ウエブ53が設けられている。ウエブ53は、孔56の近位端を画定している。ウエブ53は、中心開口55および該開口の両側に位置する1対のノッチ57を有するように、形成されている。ハウジング52の一部でもあるピストルグリップ状のハンドル62が、ヘッド54から下方に延在している。
【0022】
仮想円筒によって表されているモータ68が、ハウジングバレル54内に配置されている。本発明のいくつかの態様では、モータ68は、ブラシレスDCモータである。これは、例示にすぎず、制限的なものではないことを理解されたい。本発明の他の態様では、モータは、ブラシを有するDCモータ、AC駆動モータ、または空圧または油圧によって駆動されるモータであってもよい。モータ68は、回転シャフト70を備えている。
図4から分かるように、モータシャフト70は、円筒ステム72を備えている。モータ68が電動モータである本発明の態様では、ステム72は、モータステータ内に配置されたモータの一部である。ヘッド74が、シャフト70の最遠位区域を形成している。ヘッド74は、円筒状であり、ステム72と同軸である。ヘッド74は、ギア歯76を有するように形成されている。ドライバ50は、モータの(部番が付されていない)ケーシングがウエブ開口55内に着座するように、組み立てられている。モータ68のこの位置決めの結果として、シャフトヘッド74は、ドライバハウジング孔56の近位端内に配置されることになる。図示されておらず、本発明の一部をなすものではないが、ドライバ50の構造要素は、孔56内に配置されていないモータ68の構成要素をオートクレーブ殺菌によって悪影響を受けないように保護している。
【0023】
本発明の図示されている態様では、ドライバ50は、コードレス工具である。
図3においてのみ示されているバッテリー80が、ハンドル62の当接端に取外し可能に取り付けられている。バッテリー80は、モータに通電するための電荷を貯蔵している。ここでも、本発明は、このように制限されるものではないことを理解されたい。本発明の代替的態様では、電源コード、空気ライン、または流体ラインが、モータを作動するのに必要な動力を供給するために、ハンドピースに接続されていてもよい。
【0024】
トリガー84が、ドライバハウジング52に移動可能に取り付けられている。本発明の図示されている形態では、トリガー84は、バレル54のすぐ下方においてハンドル66から遠位側前方に延在している。図示されておらず、本発明の一部をなすものではないハンドル66内の制御回路が、トリガー84の作動を監視している。トリガースイッチ84が作動される程度に基づいて、制御回路は、モータ68に選択的に通電し、シャフト70を所望の速度で回転させるようになっている。
【0025】
図2B,
図5に示されているように、変速機アセンブリ89の多数の構成要素が、ドライバのハウジング孔56内に取り付けられている。これらの構成要素の1つは、
図6,
図7を参照して以下に説明する略円筒状カップインサート92である。カップインサート92は、単一の材料片、典型的には、焼入鋼の単一片から形成されている。カップインサート92は、略チューブ状本体93を有するように、形作られている。本体93の外径は、ドライバハウジング孔56内にスリップ密嵌合するように、寸法決めされている。リング状基部94が、本体93から近位側に延在している。基部94は、本体93の内径および外径よりもいくらか小さい内径および外径を有している。2つの足98が、基部94の近位端から近位側に突出している。足98は、カップインサートを貫通する長軸を中心として直径方向において互いに向き合っている。足98は、ドライバ50が組み立てられるとき、ドライバのノッチ57内に密に着座するように、寸法決めされている。
【0026】
カップインサート92は、近位端に隣接して2つの平坦部102を有するように、さらに形成されている。平坦部102は、本体93の近位端から遠位側に延在している。各平坦部102は、カップインサート92の長軸に対して、隣接する足98から離間している。平坦部102は、本発明の一部をなすものではない。
【0027】
図8−10に最もよく示されている偏心ハウジング108が、カップインサート92内に回転可能に着座されている。偏心ハウジングは、典型的には、焼入鋼から形成される単一片の構成要素である。偏心ハウジング108は、基部110およびステム112を有するように形成されている。基部110およびステム112は、いずれも円筒状である。基部110は、ステム112の外径よりも大きい外径を有している。基部110は、カップインサート本体93の空間内にスリップ密嵌合して該空間内において回転することができる直径を有している。基部の近位端は、中実である。2つの平行孔116が、基部110の中実部を長手方向に貫通している。これらの孔116は、基部110の近位端から延在している。孔116は、偏心ハウジング108を通る長軸に対して直径方向において互いに向き合っている。偏心ハウジング108は、環状溝118が該ハウジングの孔116の個別の1つを画定する円筒状内壁の各々から外方に延在するように、さらに形成されている。各溝118は、孔の近位端からいくらか前方の位置において、孔116から外方に突出している。
【0028】
偏心ハウジング108は、凹部120が該ハウジングの近位面から内方に延在するように、さらに形成されている。凹部120は、ハウジング108を通る長軸を中心とする円を画定している。この凹部は、モータシャフト70のヘッド74が該凹部内に着座することを可能にする外径を有している。従って、凹部120は、孔116の近位開端と交差することを理解されたい。
【0029】
孔116の近位端は、共通孔124内に開いている。孔124は、偏心基部110の遠位部に形成されている。孔124は、円筒状であり、偏心ハウジング108を通る長軸と同軸である。孔124の近位端は、同軸の円筒孔128内に開いている。孔128は、ハウジングステム112に形成されている。孔128は、偏心ハウジング108の遠位端まで延在している。偏心ハウジング108は、内部に位置するリング状棚126を有するように、さらに形成されている。棚126は、ハウジング基部110とステム112との間の段に位置している。従って、棚は、ハウジング108内において、孔124と孔128との間に(部番が付されていない)小さい円板状の空間を画定している。
【0030】
偏心ハウジング108は、直径方向において向き合った2つの開口130を有するように、さらに形成されている。各開口130は、ハウジングステム112を横方向に通って孔128内に延在している。
【0031】
図11に示されている偏心シャフト136が、偏心ハウジング108の各孔116内に回転可能に配置されている。各偏心シャフトは、円筒足138を備えている。足138には、モータシャフト70の歯76に係合するように寸法決めされた(部番が付されていない)歯が形成されている。円筒脚140が、足138から遠位側に延在している。脚140は、リング状カラー142まで延在している。カラー142は、足138および脚140と同軸であり、脚140よりも大きい外径を有している。円筒ヘッド146が、カラー142から遠位側前方に延在している。ヘッド146の長軸は、シャフト足138、脚140、およびカラー142を通る共通長軸と平行に該共通長軸から横方向に位置ずれしている。ヘッド146の遠位端のすぐ近位側において、偏心シャフト136は、ヘッドの外面の周りに周方向に延在する環状溝148を有するように、形成されている。
【0032】
本発明のいくつかの態様では、製造を容易にするために、足138は、別の構成要素として形成されている。(部番が付されていない)ステムが、該足から上方に延在している。シャフト脚には、該脚の近位端から遠位側に延在する(部番が付されていない)孔が形成されている。足138と一体のステムが、脚140と一体の孔内に圧入されている。
【0033】
図12,
図13に最もよく示されている2つの軸受アセンブリ152,158が、各偏心シャフト136が着座する偏心ハウジング孔116内において、該偏心シャフト136を回転可能に保持している。図示されていないが、各軸受アセンブリは、内外レースおよび該レース間の一組のボール軸受を備えていることを理解されたい。軸受アセンブリ152,158の内側レースは、隣接するシャフト脚140の周りに圧入されるように、寸法決めされている。軸受アセンブリ152,158の外側レースは、該軸受アセンブリが着座する孔116内に密嵌合するように、寸法決めされている。軸受アセンブリ152は、2つの軸受アセンブリの近位側のものである。軸受アセンブリ152は、該軸受アセンブリの内側レースがシャフト脚140の近位端のすぐ近位側に位置するように、シャフト136上に配置されている。スナップリング140が、足138と脚140の近位端との間に介設されている。スナップリング150の目的については、以下に説明する。
【0034】
軸受アセンブリ158は、軸受アセンブリ152の前方に位置している。本発明の図示されている態様では、軸受アセンブリ158は、軸受アセンブリ152よりも長くなっている。軸受アセンブリ158の内側レースは、シャフト脚140の半径方向外方に延在するシャフトカラー142の近位面に着座している。
【0035】
各偏心シャフト136および付随する軸受アセンブリ152,158は、軸受アセンブリの外側レースがハウジングの孔116を画定する円筒状内壁に着座するように、偏心ハウジング108内に着座している。スナップリング150は、孔116に連続する溝118内に配置されている。軸受アセンブリ152の外側レースの近位面は、スナップリング150の隣接する露出面に着座している。従って、スナップリング150は、シャフトおよび軸受アセンブリ152,158を孔116内に保持することになる。スペーサ156が、互いに隣接して直線的に並んだ軸受アセンブリ152,158間に配置されている。スペーサ156は、金属またはプラスチックから形成されたリングである。本発明の構成要素は、スペーサ156の外面が壁を画定する隣接孔116に配置されるように、選択されている。シャフト136および軸受アセンブリ152,158の前方運動は、偏心ハウジング内の棚123の隣接する近位面に対する軸受アセンブリ158の外側レースの遠位面の当接によって阻止されている。
【0036】
偏心ハウジング108への偏心シャフト136の取付け時に、足138は、ハウジングの近位端から外に部分的に延出している。シャフトヘッド146は、ハウジング108の孔124内に配置されている。軸受アセンブリ162が、各シャフトヘッド146の周りに配置されている。軸受アセンブリ162は、各々、(図示されていない)内外レースを備えている。内側レースは、シャフトヘッド146に密嵌合されている。スナップリング164が、シャフトヘッド146から内方に延在する溝148内に配置されている。スナップリング164は、隣接する軸受アセンブリ162をシャフトヘッド146に保持するために、該軸受アセンブリの内側レースを覆って延在している。
【0037】
ドライバ50が組み立てられるとき、構成要素が内部に配置された偏心ハウジング108は、カップインサート92内に着座されるようになっている。さらに詳細には、偏心ハウジング基部110の近位部分が、カップインサート本体93の円筒状内壁に配置されることになる。偏心ハウジング108の近位端は、カップインサート基部94の遠位面に配置される。偏心シャフト136の歯付き足138は、駆動モータシャフトと一体の歯76に隣接して配置され、該歯76に係合する。カップインサート92と偏心ハウジングとは、スリップ密嵌合する。これらの構成要素およびそれらを形成する材料の寸法関係に起因して、偏心ハウジング108は、カップインサート92内で回転することができる。ひいては、偏心ハウジング108は、駆動ハウジングバレル54から延出する軸線の延長線を中心として回転することができる。
【0038】
以下、
図14,
図15を参照して、リンク168について説明する。リンク168も偏心ハウジング108内に配置されている。リンク168は、焼入鋼から形成された単一片の構成要素である。リンク168は、2つの平坦な矩形状のプレート170を有するように形作られている。プレート170は、該プレートが軸受アセンブリ162の周りに密嵌合することが可能になるように、互いに平行に離間している。プレート170は、共通ウエブ172まで遠位側前方に延在している。ウエブ172は、平坦な形状であり、略楕円状の外周を有している。円筒ヘッド176が、プレート170が延在する面と反対側のウエブ172の面から遠位側前方に延在している。ヘッド176は、ウエブ172の中心から外方に延在している。ウエブ172にごく隣接して、カラー174が、ヘッド176の近位端の周りに延在している。カラー174は、ヘッド176の外面を超えて半径方向外方に突出している。
【0039】
リンク168は、ヘッド176の遠位端から延在するノーズ178を有するように、さらに形成されている。ノーズ178は、ヘッド176の外周から内方に段をなしている。ノーズは、(部番が付されていない)2つの平坦な外面を有するように、形作られている。これらの表面は、互いにかつプレート170に対して平行である。(部番が付されていない)湾曲面が、平坦な表面の端の各対の対向端間に延在している。孔180が、ノーズ178の遠位端から近位側内方に延在している。孔180を画定するリンクノーズ176の内壁には、(図番が付されていない)ネジ部が形成されている。ノーズ178および孔180は、リンクヘッド176と同軸である。
【0040】
以下、
図16−
図18を参照して、リンク168から前方に延在する出力スピンドル184について説明する。出力スピンドル184は、単一構成要素として、焼入鋼のような金属から形成されている。出力スピンドル168は、円筒足186を有するように形成されている。足186は、リンクヘッド176の直径と等しい外径を有している。円筒脚188は、足186と同軸であり、該足の遠位側前方に延在している。脚188は、足186の外径よりも大きい外径を有している。脚188の前方において、出力スピンドル184は、円形ヘッド190を有している。ヘッド192は、脚188から半径方向外方に延在している。ヘッド190は、足186および脚188と同軸である。2つの耳が、ヘッド190から前方に突出している。各耳194は、ヘッドによって画定された円の断片区域の形態にある。耳194は、それらの間に環状ノッチ196を画定するように、互いに離間している。ノッチ196は、出力スピンドルを横切って直径方向に延在している。ヘッド192の遠位面は、ノッチ196の基部を形成している。
【0041】
出力スピンドル184は、スピンドル足186の近位端から前方に延在する孔198を有するように、さらに形作られている。
図18に示されているように、孔198は、二重D字形状と呼ばれる形状を有している。さらに詳細には、孔198は、リンクノーズ178を密に受け入れるように、形作られている。孔198は、スピンドル足186を通って略半分まで延在している。孔198は、円筒孔204内に開いている。孔204は、孔198と同軸であり、足186、脚188、ネック190、およびヘッド192の遠位部分を貫通している。段199は、孔202,204間におけるスピンドル足186内の移行面である。孔204は、ヘッド190の露出面、すなわち、ノッチ196の基部を画定するヘッドの表面内に開いている。
【0042】
スピンドル脚188は、直径方向において向き合った2つの開口201を有するように、形成されている。開口201は、孔204内に開いている。各開口201には、開口の小径部分が孔204内への入口を形成するように、テーパが付されている。ボール軸受205が、各開口201内に着座している。ボール軸受205が関連する開口201内に完全に着座したとき、該軸受の一部は、スピンドル孔204内に突出するようになっている。
【0043】
出力スピンドル184の脚188は、
図2B,5に示されているように、リンク168と一体のノーズ178の周りに着座している。リンクノーズ178は、出力スピンドル184の孔198内に延在している。
図2Bにおいてのみ部番が示されているワッシャー182が、出力スピンドル184内の段199に着座している。
図2Bにおいてのみ部番が付されているネジ付き固定具206が、スピンドル孔198,204内に着座している。固定具206は、リンク168の孔180に螺合されている。固定具206のヘッドは、ワッシャー182に対して着座している。
【0044】
軸受アセンブリ210,216が、リンク168および出力スピンドル184を偏心ハウジング孔128内に回転可能に保持している。図示されていないが、軸受アセンブリ210,216の両方が内外レースを備えていることを理解されたい。軸受アセンブリ210,216の両方の外側レースは、孔128を画定する偏心ハウジングステム112の内面に配置されている。最近位軸受アセンブリ210の内側レースは、リンクヘッド176上に着座している。軸受アセンブリ210の内側レースの近位端は、リンクカラー174の遠位面に配置されている。
【0045】
偏心ハウジング孔128内に配置されたスペーサ213が、軸受アセンブリ216を軸受アセンブリ210から遠位側に離れる方に保持している。スペーサ213は、
図19,20に示されているように、アルミニウムからチューブ状に形成されている。スペーサ213は、ハウジングステム112の円筒状内壁に対するスペーサの非回転取付けを容易にする外径を有している。スペーサ213の内径は、スペーサと該スペーサ内に配置されるリンクヘッド176および出力スピンドル足186との間に隙間が生じるように設定されている。スペーサには、2対の直径方向において向き合ったネジ付き開口214が形成されている。これらの対の開口は、スペーサを二等分する横方向平面に対して互いに対称的である。各開口214は、スペーサ213の中心空洞内に開いている。以下に明らかになるように、本発明は、単一対の開口214しか必要としない。第2の対の開口は、組立を容易にするために設けられている。
【0046】
ドライバ50が組み立てられるとき、スペーサ213の近位面は、軸受アセンブリ210の外側レースの隣接する面に対して位置するようになっている。軸受アセンブリ216の外側レースの近位面は、スペーサ213の隣接する遠位面に着座する。軸受アセンブリ216の内側レースは、出力スピンドル184の足186の周りに配置される。軸受アセンブリ216の内側レースの遠位端は、スピンドル足186とスピンドル脚188間の移行部を画定する(部番が付されていない)段に隣接して配置される。本発明の図示されている態様では、
図2Bにおいてのみ部番が付されているワッシャー218が、軸受アセンブリ216と段との間に介設されている。ドライバの組立時に、出力スピンドル184の脚188、ヘッド190、および耳194は、偏心ハウジング108の前方に位置することになる。
【0047】
図21,
図22に最もよく示されているロックキャップ222は、偏心ハウジング108および該偏心ハウジング内に配置された構成要素をドライバ50に保持するものである。ロックキャップ222は、概して、チューブの形態にある。ロックキャップのチューブ部分の近位端は、その外面の周りにネジ部224を備えている。ネジ部224は、
図21においてのみ示されている。さらに詳細には、ロックキャップ222のこの部分は、ハウジング孔56内に着座するように設計されており、これによって、キャップネジ部224がドライバハウジングのネジ部58に係合可能になっている。ロックキャップの遠位部分は、キャップの遠位方向に内向きテーパが付された外面を有するように、形成されている。内向きテーパが付された外面の近位側において、キャップ222は、多数の有底孔226を有するように形成されている。孔226は、キャップ168を回転させることができる(図示されていない)工具を受け入れるために設けられている。
【0048】
チューブ状の形状に起因して、ロックキャップ222の内側は、空洞228である。キャップは、キャップの内壁からこの空洞に向かって内方に延在する2つの環状リップ230,232を有するように、さらに形成されている。最近位リップ230は、キャップの遠位端から0.5cm未満の位置に配置されている。最遠位リップ232は、キャップ222の遠位端から内方に延在している。ロックキャップ222を通る長軸に対して、リップ230,232は、互いに離間している。
【0049】
ドライバ50が組み立てられるとき、偏心ハウジング108および該偏心ハウジング内に着座した構成要素は、ドライバハウジング孔56内に嵌合されるようになっている。ロックキャップ222は、孔56内に固定されたネジである。ハウジングバレル54内へのロックキャップ222の近位側への移動は、キャップインサート92の隣接する遠位端に対するキャップの近位端の当接によって制限されている。本発明の構成要素は、偏心ハウジング基部108の外面がロックキャップ222の周囲内面から内方に離間するように、寸法決めされている。ロックキャップリップ230は、基部110をステム112から分離する偏心ハウジングの段付き面を覆って延在している。この配置によって、ドライバハウジングバレル54に対して偏心ハウジング108を回転可能に保持することができる。偏心ハウジングステム112は、ロックキャップ222から前方に延在している。
【0050】
組立プロセスの一部として、Oリング231がロックキャップリップ230,232間に着座している。
図2B,5において部番が付されているOリング231は、偏心ハウジング108とロックキャップ222との間にシールをもたらすものである。
【0051】
図23−
図25を参照して、リテーナ236について最初に説明する。リテーナ236は、偏心ハウジング108の遠位部分および該ハウジングの前方に延在する出力スピンドル184の部分の両方を覆って配置されている。リテーナ236は、単一片ユニットとして形成されており、リテーナの近位部分を形成するリング状スカート238を有している。直径方向において向き合った2つの長孔240が、スカート238の近位端から前方に延在している。本発明の図示されている態様では、長孔240は、U字状である。チューブ状カラー242は、スカート238と一体であり、該スカートから遠位側前方に延在している。カラー242は、スカート238の外径よりも小さい外径を有している。直径方向において向き合った2つのリブ244が、カラー242の遠位端から外方に突出している。各リブ244は、長孔240の個別の1つと長手方向において真っ直ぐに並んでいる。各リブ244は、スカート238およびカラー240間の(部番が付されていない)段において終端するように、近位側に延在している。リング状ネック245が、カラー240から遠位側前方に延在している。ネック245は、隣接するカラー242の外径よりも小さい外径を有している。
【0052】
リテーナ236は、多数の空洞を有するように形成されている。これらの空洞の1つは、孔248である。孔248は、スカート238の近位端から前方に延在している。孔248は、スカート238およびカラー240の隣接する近位部分の全体を長手方向に貫通している。リテーナ236は、孔248が偏心ハウジング108の摺動係合ステム112を受け入れるように、寸法決めされている。長孔240は、孔236内に開いている。孔248と同軸の4つの孔が、孔236からリテーナネック242の遠位端まで遠位側に延在している。孔250は、孔248のすぐ遠位側に位置し、該孔248に連続している。孔250は、孔248の直径よりも小さい直径を有している。孔250は、孔252内に開いている。孔252は、孔250よりも小さい直径を有している。また、孔252は、リテーナカラー240内に配置された環状溝254内に開いている。溝254は、孔252の近位部分から半径方向に離間し、その周りに延在している。溝252の外径は、孔250の直径と等しい。
【0053】
孔256は、孔252のすぐ遠位側に位置し、孔252に連続している。孔256は、孔252の直径よりも大きい直径を有している。孔252と同様、孔256は、リテーナカラー240内にその全体が配置されている。孔256は、リテーナ孔の最遠位側に位置する孔258内に開いている。孔258は、孔256の直径よりも大きい直径を有している。さらに詳細には、孔258は、出力スピンドルヘッド192および耳194が孔258内にスリップ嵌合することを可能にする直径を有している。孔258は、リテーナカラー240の遠位端を貫通すると共に、リテーナネック242の全体を貫通している。
【0054】
リテーナ236は、2つの付加的な孔260を有するように、形成されている。各孔260は、リブ230の1つに形成された有底孔である。各孔260は、該孔が位置するリブ230の遠位面から延在している。孔260は、リテーナ222を通る近位―遠位長軸と平行である。
図2B,
図5に示されている円筒ピン262が、各孔260に圧入されている。ピン262は、リテーナ236から前方に延在している。
【0055】
ドライバ50が組み立てられるとき、
図2B,
図5に示されている2つのネジ264が偏心ハウジング108に取り付けられるようになっている。各ネジ264は、ハウジングステム112の開口130の1つに着座する。各ネジのシャフトは、偏心ハウジング開口130と真っ直ぐに並んでスペーサ開口214内にねじ込まれる。リテーナ236は、各ネジ264のヘッドがリテーナ長孔240の個別の1つに着座するように、偏心ハウジングステム112の周りにスリップ嵌合される。コイルバネ266が、軸受アセンブリ216の前方に配置される。出力スピンドル184は、固定具206によってリンク168に固定されることになる。
【0056】
ドライバ50の残りに対する出力スピンドル184の嵌合の結果として、スピンドルネック192およびヘッド194は、それぞれ、リテーナ孔256,258内に着座することになる。バネ266の遠位端が、溝254を画定するリテーナ236内の環状面内に着座する。バネ266は、リテーナ236に力を加え、リテーナを偏心ハウジング108から遠位側に押圧する。リテーナ236のこの遠位側への運動は、リテーナ内の環状壁の当接によって制限され、これが、孔256−258から出力スピンドルの隣接面への移行、従って、スピンドルネック192からスピンドルヘッド194への移行を画定することになる。リテーナ236がこのように位置決めされたとき、開口201を画定するスピンドル脚188の区域は、孔252を溝254から分離するリテーナ236のリング状内部区域によって包囲される。従って、リテーナ236のこの区域は、ボール軸受205がスピンドル開口201から外方に移動するのを阻止することになる。ドライバ50の組立時に、ピン262が出力スピンドル184から前方に延在し、ドライバ50の最遠位構成要素を構成することをさらに理解されたい。
【0057】
偏心ハウジング108内のドライバ50の構成要素は、ドライバシャフト70の回転運動を振動運動に変換する変速機構成要素を構成している。出力スピンドル184、軸受205、リテーナ236、およびバネ266は、カップ取外し装置30をドライバ50に取外し可能に保持する連結アセンブリ280のドライバ部分を構成している。以下に説明するように、これらの構成要素は、ブレード割出しアセンブリ95の一部も構成することになる。
【0058】
[III.カップ取外し装置]
以下、
図26を参照して、シャフト292について説明する。シャフト292は、ドライバリンク168の回転運動および振動運動をブレード402に伝達するカップ取外し装置30の構成要素の1つである。シャフト292は、略細長のロッドの形態にある。近位端において、シャフト292は、円筒ステム294を有している。孔296が、ステム294を横方向に貫通している。ステム294の近位側において、シャフト292は、幹部298を有している。幹部298は、略円筒形状であり、ステム294の直径よりも大きい直径を有している。幹部298は、長手方向に延在する溝302を有するように、さらに形成されている。溝302は、幹部の長さに沿って略半分の位置から遠位側前方に延在している。溝302は、凹状である。溝302は、前方に延在し、幹部298に形成された平坦部304の上方に開いている。概して、シャフト292は、平坦部304を画定する幹部の湾曲区域が、シャフトの長軸を中心として少なくとも180°の角度を画定するように、形成されている。
【0059】
幹部298の前方において、シャフト292は、円筒ヘッド306を有している。ヘッド306は、ステム294および幹部298と同軸である。従って、ヘッド306は、平坦部304の上に延在する区域を有している。本発明の図示されている態様では、ヘッド306は、幹部298の直径よりも小さい直径を有している。孔307が、ヘッド304を横方向に貫通している。
【0060】
図27,
図28に最もよく示されている入力スピンドル312が、シャフト292をドライバ50に離脱可能に接続している。スピンドル312は、円筒基部314を備えている。円形カラー316が、基部314から近位側に延在している。カラー316は、基部314の外径よりも大きい外径を有している。さらに詳細には、カラー316の外径は、ドライバ50と一体の出力スピンドル184と一体の耳194によって画定される円の直径と等しくなっている。ネック318が、カラー316の露出面から外方に突出している。ネック318は、カラー316の面を直径方向に横切って延在するバーの形態にある。ネックを形成するバーの小さい方の面は、カラー316の外周と同一平面をなすように、湾曲している。ネック318の横方向幅は、ネックが出力スピンドル184によって形成されたノッチ196内にスリップ密嵌合されるように、設定されている。
【0061】
入力スピンドル312は、略円筒ヘッド318がネック318から近位側に延在するように、さらに形成されている。ヘッド318は、基部314およびカラー316と同軸である。ヘッド318は、出力スピンドル184の孔204内にスリップ密嵌合されることを可能にする直径を有している。入力スピンドル312は、環状溝320がヘッド318の周りに周方向に延在するように、さらに形成されている。溝320は、円弧状の断面を有している。入力スピンドル312は、スピンドルヘッド318が出力スピンドル孔204内に着座したとき、ボール軸受205が溝320内に着座するように、形作られている。
【0062】
入力スピンドル312は、スピンドル基部314の遠位面から近位側に延在する孔322を有するように、さらに形成されている。孔322は、シャフトステム294が圧入されるように、寸法決めされている。基部314は、2つの同軸開口324を有するように、さらに形成されている。開口324は、各々、孔322内に開いている。
【0063】
カップ取外し装置30が組み立てられるとき、入力スピンドル基部312は、シャフトステム294の周りに圧入されるようになっている。
図2B、
図41においてのみ示されているピン326が、シャフト292および入力スピンドル312をさらに一緒に保持するために、スピンドル開口324およびシャフト孔296を貫通している。
【0064】
以下、
図29,
図30を参照して、ハンドル332について説明する。ハンドル332は、シャフト292の近位部分および入力スピンドル312の基部314の両方を覆って摺動可能に配置されている。ハンドル332は、カップ取外し装置30を形成する全ての構成要素と本質的に同じように、オートクレーブ殺菌を受けることができる単一片の構成要素である。ハンドル332は、略チューブ状の形態にある。ハンドルは、略一定の外径を有するヘッド334を有するように、形作られている。ヘッド334は、ハンドル332の最近位部分である。幹部336が、ヘッド334から遠位側に延在している。幹部は、変化する外径を有している。具体的には、幹部は、カップ取外し装置30を用いる個人の掌および指を人間工学的に受けるように、形作られている。基部338が、ハンドル332の最遠位部分を形成している。基部338は、一定の外径を有している。本発明の図示されている態様では、基部338の直径は、ヘッド334の直径よりも小さくなっている。
【0065】
一組の孔がハンドル332を軸方向に貫通している。第1の孔342は、ヘッド334の近位面から遠位側前方に延在している。孔342は、ヘッド334内に部分的に延在している。孔342は、入力スピンドル312の基部314を摺動可能に受け入れるように、寸法決めされている。孔342は、孔344内に開いている。孔344は、ヘッド334の遠位部分および幹部336の殆どを貫通している。孔344は、孔342の直径よりも小さい直径を有している。孔344は、シャフト292を摺動可能に受け入れるように、寸法決めされている。孔342に隣接して、溝346が、ハンドル332の孔344を画定する円筒状内壁から外方に延在している。孔344の遠位端は、孔348内に開いている。孔348は、幹部の最遠位部分および基部338の隣接する区域を貫通している。孔348は、孔344の直径よりも大きい直径を有している。孔348は、ハンドル332の最遠位孔350内に開いている。孔350は、孔348からハンドル332の遠位面に延在している。孔350は、孔348の直径よりも大きい直径を有している。ハンドル332は、2つの溝352,354が、ハンドルの孔350を画定する内壁から外方に延在するように、さらに形成されている。溝352は、孔348の近位側に位置している、溝354は、ハンドル332の遠位端の近位側に位置している。溝352は、溝354よりも大きい直径および長さを有している。
【0066】
ハンドル332は、2つの付加的な孔である有底孔356を有するように、形成されている。孔356は、ハンドル332の近位面から内方に延在している。孔356は、直径方向において互いに向き合っている。孔356は、隣接する孔342と平行に離間している。孔356は、カップ取外し装置30がドライバ50に取付けられるとき、各ドライバピン262が孔356の個別の1つに摺動可能に着座するように、寸法決めされ、かつ位置決めされている。
【0067】
以下、
図32,
図33を参照して、静止ヘッド−シャフト連結具360について説明する。連結具360は、カップ取外し装置ヘッド388をシャフト292の遠位端に保持する構成要素である。連結具360は、単一片の構成要素として形成されている。連結具は、ステム362を有している。本発明の一態様では、ステム362は、互いに平行の平坦な側面を有している。凸状の前面および後面が、側面間に延在している(個々の面には、部番が付されていない)。ステム362は、2つのV字状凹み364,366を画定するように形成されている。凹み364,366は、互いに向き合った前面および後面から内方に延在している。凹み364は、2つの凹みの近位側のものである。ステムは、凹み364を画定する最近位斜面が凹部368を有するように、さらに形成されている。
【0068】
ステム362の前方において、連結具360は、円筒ヘッド372を有している。ステム362とヘッドとの間の(部番が付されていない)ネックは、ヘッド372の直径よりも小さい直径を有している。ヘッド372は、その外周面に(部番が付されていない)ネジ部を有している。
【0069】
図33においてのみ点線によって示されている有底孔378が、ステム362の遠位端から前方に延在している。孔378は、シャフトヘッド306が圧入されるように、寸法決めされている。孔380が、ステム362の互いに向き合った側面を貫通している。孔380は、孔378と交差している。カップ取外し装置30が組み立てられるとき、シャフトヘッド306が、連結具孔378内に着座する。
図2Bにおいてのみ示されているピン382が、同軸のヘッド孔306および連結具孔380を貫通し、連結具360をシャフトにさらに保持するようになっている。連結具360は、ステム362を横方向に貫通する第2の孔382を有するように、さらに形成されている、孔382は、ステム362の遠位端の近位側に位置している。
【0070】
図34に示されているように、枢動ヘッド388は、遠位面390を有している。面390は、カップ取外し装置30が取り外すことを意図する寛骨臼カップ32の内面に着座するように、設計されている。表面392は、略球面の断片区域の形態にある。枢動ヘッド388は、面390と向き合った遠位面392を有している。面392は、略平坦である。リング状取付具394が、面390から内方に延在するように、ヘッド388に取り付けられている。取付具394は、有底孔396を画定している。取付具394には、図示されていないが、孔396が連結具ヘッド372を受け入れることを可能にするために、孔396の周囲にネジ部が形成されている。
【0071】
以下、
図35を参照して、ブレード402について説明する。ブレード402は、本体404を備えている。具体的には、本発明のいくつかの態様では、本体404は、(部番が付されていない)近位区域を有している。湾曲した(部番が付されていない)遠位区域が、近位区域から延在している。本体の遠位区域には、歯406が形成されている。
【0072】
ブレード402は、本体404の近位区域から直交して延在するタブ408を有するように、さらに形成されている。タブ408は、矩形ビームの形態にある。本発明の図示されている態様では、本体の遠位部分には、開口410が形成されている。タブ408の端区域は、開口410内に溶接または別の方法によって固定されている。タブ408は。(仮想線によって示されている)有底孔412を有するように、形作られている。孔412は、タブ408の近位面から内方に延在している。
【0073】
図36,37に最もよく示されているヒンジ418は、ブレード408を連結具360に枢動可能に接続するものである。ヒンジ418は、略矩形状の基部420を備えている。基部420は、上部に位置する(部番が付されていない)側面を備えている。これらの側面には、互いに向かって内向きのテーパが付されている。2つの平行脚422が、基部420の一端から外方に突出している。ヒンジ418は、脚422が連結具ステム362の互いに向き合った平行の平坦面の周りにスリップ嵌合することができるように、離間している。各脚422は、(部番が付されていない)丸い自由端を有するように形成されている。
【0074】
ヒンジ418は、矩形長孔426が基部420を貫通するように形成されている。長孔426の長軸は、脚422の長軸と平行である。長孔426は、ブレード402と一体のタブ408を受け入れるように寸法決めされている。開口428が、ヒンジ基部418の上部を貫通している。開口428は、長孔426に延在している。同軸開口430(1つのみが示されている)が、脚422が基部420から延在する箇所において、ヒンジ418の両側面を貫通している。各開口430は、基部420と部分的に交差している。基部の隣接面には、2つの溝431(1つが示されている)が形成されている。各溝431は、開口430の半径と等しい曲率半径を有しており、開口430を通る共通軸を中心とする湾曲を有している。各脚422には、貫通孔423が形成されている。脚のこれらの貫通孔423は、互いに同軸である。
【0075】
図37に示されている、ブレード402をヒンジ418に取外し可能に保持するアセンブリは、スリーブ状ブッシュ432を備えている。ブッシュ432は、ヒンジ開口428内に圧入されている。ロックピン434が、ブッシュ432内において上下に移動するように、該ブッシュ内に配置されている。ロックピン434は、ブレード402と一体の孔412内に着座するように設計されたチップ436を有している。チップ436の上方において、ロックピン434は、リップ438を有している、リップ438は、チップ436の本体の周方向に沿って半径方向外側に突出している。リング状リテーナ452が、ヒンジ418から離間したブッシュ432の端内に圧入されている。これらの構成要素は、チップ436と向き合ったロックピン434の端がリテーナ452の上方に突出するように、さらに寸法決めされている。
【0076】
螺旋バネ450が、ロックピン434の本体の周りに配置されている。バネ450は、リテーナ452の静止内面とロックピン434と一体のリップ438との間に延在している。バネ450は、ロックピン434に力を加え、ピンチップ436をヒンジ長孔426内に保持する傾向にある。チップ436と向き合ったピン434の端、すなわち、リテーナ452の上方に延在する区域は、ボタン454に取り付けられている。他の力が作用しないとき、バネ450は、ボタン454をブッシュ432の上に保持している。この連結アセンブリは、ボタン454を外方に引っ張ることによって、作動状態から装填状態に移行させることができる。この手動力は、チップ436をヒンジ長孔426内に保持するためにピン434に加えられているバネ450の力を上回る力である。
【0077】
カップ取外し装置30の組立時に、ヒンジ418は、各脚貫通孔423が連結具孔382の開口の個別の1つに隣接するように、位置決めされる。ヒンジ418を連結具360に静止状態で保持するために、ピン460がヒンジ孔423および連結具孔382内に通される。
【0078】
アクチュエータロッド468およびアクチュエータ502が、ハンドル332をヒンジ416に接続するようになっている。以下、
図38を参照して、アクチュエータロッド468について説明する。アクチュエータロッド468は、細長の中実円筒ロッドである。ロッド468は、シャフト溝302内へのロッドの着座を容易にする直径を有している。ロッド468は、溝302内に着座することができるが、ロッドの長さは、溝の長さよりも短くなっている。近位端のいくらか前方において、ロッド468は、溝470を有するように形作られている。溝470は、凹状であり、ロッド468の周りに周方向に延在している。アクチュエータロッド468は、遠位端にヘッド472を有するように、さらに形成されている。ロッド468の本体とヘッド472との間のアンダーカットネックには、部番が付されていない。
【0079】
カップ取外し装置30が組み立てられるとき、アクチュエータロッド468は、シャフト溝302内に摺動可能に着座される。
図31,
図39に最もよく示されているロックリング478が、アクチュエータロッド468をハンドル332に保持する。ロックリング478は、略円筒状である。ロックリングは、近位側を向いたヘッド479を有するように形成されている。ヘッド479は、ロックリング478の本体の外径よりも小さい外径を有している。ロックリング478は、孔480を画定するように形成されている。孔480は、円形断面を有しており、ヘッド479を含むロックリングを通る近位−遠位長軸と同軸である。孔480は、シャフト292を受け入れるように寸法決めされている。ロックリング478は、該リングの孔480を画定する内壁から内方に延在する溝482を画定するように、さらに形作られている。溝482は、シャフト292およびロッド468がロックリング内に着座するとき、シャフトの上方に延在するロッド468の部分が溝482内に着座するように、形作られている。溝482は、ロックリングの遠位面から近位側に延在している。溝482は、リング478の近位側に位置するヘッド部479内に延在しないようになっている。すなわち、ロックリング内の段483が、溝482の近位端を画定している。
【0080】
孔484が、ロックリング478の一部を横方向に貫通している。ここで、「横方向」は、ロックリングを通る長軸と直交する面内にあることを理解されたい。孔484は、溝482の基部と交差するように配置されている。
【0081】
カップ取外し装置30が組み立てられるとき、シャフト292は、孔480内に着座さされる。アクチュエータロッド468は、ロックリング溝482内に着座される。ロッドの近位端は、ロックリング478内の段483に対して配置される。従って、アクチュエータロッド468は、ロッド溝479がロックリング溝482と真っ直ぐに並ぶように、位置決めされる。
図2Aにおいてのみ示されているピン486が、ロックリング溝482およびアクチュエータロッド溝470を貫通し、アクチュエータロッドをロックリング478に対して静止位置に保持することになる。
【0082】
ロックリング478が、ハンドル孔350内に回転可能に取り付けられている。また、ロックリングヘッド479が、孔348内に配置されている。ハンドル溝354内に着座した(
図2Aに示されている)スナップリング488が、ロックリングを孔350内に保持している。カップ取外し装置30が組み立てられるときに、Oリング492がハンドル溝346内に配置されるようになっている。Oリング492は、シャフト292の周りに配置されている。Oリング494が、ハンドル溝352内に着座されている。Oリング494は、ハンドル332とロックリング478の外面との間に圧縮されている。Oリング492,494は、ハンドル332内への液体および蒸気の流れを最小限に抑えるようにシールして機能するものである。
【0083】
図40に最もよく示されているように、アクチュエータ502は、単一片ユニットである。アクチュエータは、足504を備えている。足504は、略矩形状である。足504は、シャフトの平坦部304に着座し、該平坦部304の横方向外方に延在しないように、寸法決めされている。脚506が、足504の片側から前方に延在している。脚506は、矩形バーの形態にある。脚506は、足の幅よりも小さい幅を有している。足504および脚506は、単一の共通平面を共有している。段508が、脚506の遠位端から横方向に突出している。ヘッド510が、段508から前方に延在している。アクチュエータヘッド510は、丸形コーナを有する略正三角形の形状にある。ヘッドの直角をなす側面の1つは、脚506に沿った近位−遠位方向長軸と平行である。ヘッドの第2の直角をなす側面は、この長軸と直交しており、段508にごく隣接している。
【0084】
仮想線によって示されている孔512が、アクチュエータ足504の近位端から延在している。孔512は、アクチュエータロッドヘッド472を受け入れるように形作られている。アクチュエータ502は、長孔514をヘッド510内に有するように、さらに形成されている。長孔514は、ヘッド510によって画定された三角形を画定するヘッドの表面の内方に位置している。従って、長孔514の殆どの部分が、アクチュエータ脚506の長軸から斜めに近位側に延在している。
【0085】
アクチュエータ502は、足504がシャフト平坦部304の上に配置され、脚506が連結具360の外側の平坦な側面の1つの上に延在するように、位置決めされる。次いで、アクチュエータロッド468のヘッド472が、アクチュエータ孔472内にねじ込まれる(ネジは、図示されていない)。ピン516が、アクチュエータ502をヒンジ418に接続する。ピン516は、アクチュエータ内の長孔514およびヒンジ418と一体の同軸の開口430および溝431に通される。ピン516の(部番が付されていない)ヘッドは、アクチュエータヘッド510の長孔514を画定する部分の外面上に配置される。従って、ピン516は、2つの機能を果たしている。ピン516は、ヒンジ418をアクチュエータ502に接続する。また、ピン516は、ヒンジ長孔426の後部開口を横切って延在する。従って、ピンは、長孔内のブレードタブ408の運動を制限することになる。さらに詳細には、ブレードタブ408がピン516に対して配置されたとき、タブ孔412は、ロックピンチップ436を受け入れるように、配置されるようになっている。
【0086】
[III.操作]
本発明のカップ取外し装置30は、最初にブレード402をヒンジ418に装着することによって、使用の準備が整えられる。これは、ボタン454を上方に引っ張ることによって達成される。ボタンに加えられる手動力が、ピンチップ436をヒンジ長孔426内に保持するバネ450の力を上回ることになる。いったんピンチップがヒンジ長孔426から後退したなら、ブレードタブ408をヒンジ長孔426内に着座させることによって、ブレード402がヒンジに取り付けられる。ブレードタブ孔412がピン434と真っ直ぐに並んだ時点で、ボタン454が解放される。ロックピン434に加えられたバネ450の力によって、ピンチップ436は、ブレードタブ孔412内に保持される。このようにして、ブレードは、ヒンジ414に取外し可能に連結されることになる。
【0087】
次いで、カップ取外し装置30が、ドライバ50に連結される。これは、リテーナ236を偏心ハウジング108の周りに沿って近位側に引っ張ることによって達成される。リテーナをドライバハウジング52から離れる方に保持するためにリテーナに加えられたバネ266の力を上回る手動力が必要である。リテーナ236の長手方向の変位によって、リテーナが移動し、これによって、軸受268が、リテーナ孔252内に配置されているのに代わって、リテーナ孔256内に配置される。孔256は、孔252の直径よりも大きくなっている。従って、ボール軸受205は、スピンドル孔204から外に横方向に自在に移動し、出力スピンドルの外面と隣接するリテーナ孔256を画定する面との間の環状空間内に移動することができる。この時、ドライバ50は、カップ取外し装置30がドライバに装填可能な状態にあると見なされる。
【0088】
カップ取外し装置連結プロセスは、カップ取外し装置30の装着を継続し、
図41に示されているように、リテーナ236と一体のピン262の各1つをハンドル孔356の個別の1つに着座させる。入力スピンドルネック318を出力スピンドル184と一体のノッチ196内に着座することによって、カップ取外し装置30およびドライバ50がさらに組み合わされる。このプロセスは、ネック318を出力スピンドルノッチ196と真っ直ぐに並べるために、出力スピンドル184を回転させる必要がある。いったんスピンドルがこのように位置決めされたなら、入力スピンドル312と一体の溝320が、出力スピンドル184と一体の開口201と真っ直ぐに並ぶことになる。リテーナ236を装填位置に保持する力が解放される。バネ266がリテーナ236を押圧する。リテーナのこの変位の結果として、軸受205が、リテーナの孔256を画定する環状壁に対して押圧される。従って、リテーナは、軸受205を出力スピンドル孔204内に内方に押し込むことになる。さらに具体的には、これらの軸受は、入力スピンドル312と一体の溝320内に着座する。このとき、ドライバ50は、カップ取外し装置30がドライバに離脱可能に係止された状態にある。
【0089】
カップ取外し装置50は、該取外し装置を用いて取り外される寛骨臼カップ32のソケット内に枢動ヘッド388を位置決めすることによって、使用される。外科医は、ドライバハンドル62を片手で保持すると共に、カップ取外し装置ハンドル332を他の手で保持する。カップ取外し装置ハンドルを枢動ヘッド388に向かって遠位側に押すことによって、ブレード402が、カップ32の外面に隣接する骨に押し付けられる。これによって、アクチュエータロッド468、ひいては、アクチュエータ502に同様の運動が生じる。その結果として生じるピン516の同様の運動によって、ヒンジ418が外方に枢動する。ブレード402の湾曲した形状と組み合わされたヒンジ418の外方枢動によって、ブレードがカップ32の外面に押し付けられることになる。
【0090】
外科医は、トリガー84を押し込むことによって、ブレード402を骨の区域に対して振動させる。これによって、モータ68が作動し、シャフト70が回転する。シャフト70の回転は、偏心シャフト136の同様の同時回転をもたらすことになる。具体的には、各偏心シャフト136は、シャフト足138およびシャフト脚140の共通軸を中心として回転する。シャフトヘッド146は、この同一軸を中心として回転する。シャフトヘッド146は、この軸から心ずれしているので、この軸を中心とする円に沿って回転することを理解されたい。シャフトヘッド146の運動は、偏心シャフトヘッド146の周りに配置されたリンク168によって捕捉される。これらの構成要素の配置に起因して、この運動は、リンクヘッド176およびノーズ178の共通軸を中心とするリンクの振動回転を生じさせることになる。
【0091】
リンク168の振動運動は、出力スピンドル184、入力スピンドル312、シャフト292によって、連結具360に伝達される。連結具360の振動によって、シャフト292の軸を中心とするヒンジ418、従って、ブレード402の同様の振動が生じる。このようにして、ブレード402は、該ブレードが切除するために配置されている骨に対して前後に振動することになる。
【0092】
本発明のいくつかの態様では、ブレード402は、15°から2°の間の円弧に沿って振動するようになっている。本発明のさらに他の態様では、ブレード402は、8°から5°の間の円弧に沿って振動するようになっている。
【0093】
いったんブレード402を用いて、一部の骨に切込みを形成したなら、カップ取外し装置30は、ブレードの回転、すなわち、割出しを行うことが意図されており、これによって、ブレードは、骨の他の区域を除去することができる。このステップは、ハンドル332を回転することによって行われる。ハンドル332の回転は、ピン262を介して、リテーナ236に伝達される。リテーナ236の回転は、ネジ264を介して、偏心ハウジング108に伝達される。このプロセス中、偏心ハウジング基部110がカップインサート本体93の内面に対して回転することを理解されたい。カップインサート92および偏心ハウジング108を形成する材料に起因して、これらの構成要素は、本質的にそれら自体が低摩擦軸受である。偏心ハウジング108に生じた回転によって、モータシャフト70に対する偏心シャフト136の回転位置が回転することになる。換言すれば、偏心シャフト136は、モータシャフト70の固定軸を中心として回転することになる。
【0094】
偏心シャフト136の回転によって、偏心シャフトヘッド146の同様の回転が生じることになる。偏心シャフトヘッドが回転すると、包囲しているプレート170が同様の回転を受ける。偏心プレート170のこの回転によって、リンクがリンクヘッド176を貫通する軸を中心として回転する。前述したように、リンクヘッド176の回転運動は、ブレード402の同じ運動をもたらすようになっている。このようにして、ブレード402は、カップ取外し装置シャフト292に沿って長手方向に延在する固定軸に対して新しい回転位置に回転されることになる。この軸もドライバ50から延在している。ハンドル332を再び押し込み、モータ68を作動させることによって、ブレード402は、その基部が位置決めされた骨の新しい区域を切除することができる。
【0095】
従って、本発明のカップ取外し装置30は、いったんカップ32内に着座されたなら、ブレード402を360°完全に回転させ、カップが埋設されている骨の全てに対して機能することができるように、設計されている。ブレード402は、カップから延在する静止軸に対するドライバ50の位置を変えることなく、このように再位置決めさせることができる。従って、いったん外科医がカップ32に対してドライバ2を保持する無理のない方位を定めたなら、ブレードをカップの周りに完全に周回させるためにドライバ50を最配向させる必要がない。
【0096】
本発明のさらなる特徴は、カップ32内の枢動ヘッド388を取外し、次いで、再挿入することなく、ブレード402の配向が再設定されることにある。従って、この割出し操作に付随する労力は、カップを取り外すために必要な全時間をそれほど増大させるものではない。
【0097】
[IV.代替的実施形態]
前述の説明は、本発明のカップ取外し装置の1つの特定の態様に向けられている。カップ取外し装置の他の態様が、ここに記載されている特徴と異なる特徴を有していてもよい。
【0098】
例えば、本発明の開示されている態様では、多数の構成要素が多数の機能を果たしている。この機能性は、必ずしも本発明の全ての態様において必要ではない。具体的には、記載されているリテーナ236は、ドライバに対するカップ取外し装置の取外し可能な連結、カップ取外し装置の振動、およびブレードの割出しに関連する機能を果たしている。しかし、本発明の代替的態様では、リテーナは、これらの機能の1つまたは2つのみを果たすようになっていてもよい。
【0099】
従って、本発明の代替的実施形態は、モータシャフトの回転運動をブレードを前後に振動させる運動に変換するだけの変速機を有していてもよい。この場合、別の構成要素を有する連結アセンブリが、カップ取外し装置を該変速機に取外し可能に保持するようになっているとよい。また、第3のユニットが、カップ32から延在する固定軸を中心としてブレードを回転させる割出し機能を果たすようになっていてもよい。この第3のユニット、すなわち、割出しアセンブリは、ドライバの一部であってもよいし、またはカップ取外し装置の一部であってもよい。代替的に、ブレード402の割出し、すなわち、シャフト292を中心とする回転を行なうこの第3のユニットは、連結アセンブリおよび変速機アセンブリと別になっていてもよい。
【0100】
同様に、全ての特徴が、本発明の全ての態様に設けられていなくてもよい。例えば、本発明のいくつかの態様では、連結ユニットは、ドライバ50の遠位側の構成要素をドライバに取外し可能に保持していなくてもよい。本発明のこれらの態様では、ブレードのみが本発明の残りに取外し可能に取り付けられていてもよい。
【0101】
さらに、本発明の他の態様は、他のアセンブリを備えていてもよい。例えば、本発明の代替的なカップ取外し装置は、2つのシャフト、例えば、内側シャフトおよび外側シャフトを有していてもよい。この場合、内側シャフトは、ピコットカップに延在し、カップ取外し装置の他の構成要素を枢動ヘッドから離れる方に保持する支持体として主に機能するようになっている。外側シャフトは、内側シャフトの周りに回転可能かつ摺動可能に配置されている。ヒンジは、外側シャフトに枢動可能に取り付けられる。本発明のこれらの態様では、外側シャフトは、内側シャフトに沿って長手方向に移動し、ブレードアセンブリを枢動させ、かつ内側シャフトを中心として回転させ、ブレードアセンブリを割り出すようになっている。
【0102】
本発明のいくつかの態様では、追加的な摩擦軸受構成要素が、静止カップインサート92と偏心ハウジング108との間の介在物として機能してもよい。この「構成要素」は、潤滑剤または被膜であってもよい。
【0103】
同様に、ヘッド388の大きさおよび形状およびブレード402の大きさおよび形状は、取り外されるべきカップ32の特性の関数であることを理解されたい。
【0104】
さらに、アクチュエータロッドおよびアクチュエータが同様にシャフトを中心として回転することができるように構成された本発明の態様も考えられる。本発明のこれらの態様では、ハンドル332の回転は、ハンドルからアクチュエータロッドに直接伝達されることになる。アクチュエータロッドの回転は、ヒンジに作用し、その結果、ヒンジおよびブレードの同様の回転をもたらすことになる。本発明のこの態様の利点は、駆動に関連する変速機要素が割出し操作に関連する回転をもたらすように設計される必要がないことにある。
【0105】
本発明の記載されている態様では、カップ取外し装置をドライバに保持するためにドライバ50と一体の連結特徴部を備えるドライバは、具体的には、カップ取外し装置と共に用いられるように設計されている。これは、本発明の全ての態様に当てはまるものではない。本発明のカップ取外し装置は、他の機能を果たすドライバと連携するように設計されることも考えられる。1つのこのようなドライバは、「小形クラッチおよび耐揺動ヘッドを有する外科用ハンドピース」と題する米国特許出願公開第2007/0021766A1号に記載されている。この文献の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。高馬力ドライバと呼ばれることもあるこのハンドピースは、回転スピンドルを備えている。このスピンドルは、本発明のカップ取外し装置に加えて、外科用器具を受け入れるように形作られている。このような1つの器具は、リーマのシャフトである。この高馬力ドライバ内の電気回路は、スピンドルを振動させることができる。従って、この種のドライバと共に用いられるように設計された本発明のカップ取外し装置は、シャフトをドライバスピンドルに保持するように設計された連結アセンブリと、ブレードを枢動ヘッドを通る静止軸を中心として割出し、すなわち、回転させるためのアセンブリと、ブレードを枢動させるアセンブリと、を備えればよいことになる。
【0106】
上記の説明から、本発明のいくつかのドライバは、モータシャフトの回転運動エネルギーを振動運動に変換する機械的な変速機に必ずしも依存するものではないことを理解されたい。単一の偏心シャフトを備える変速機のような他の機械的な変速機が用いられてもよい。さらに、モータシャフトは、回転しなくてもよい。前述したように、制御回路がモータシャフトへの通電信号の印加を調節し、シャフトの振動のみを生じさせてもよい。本発明のこの態様では、変速機は、モータシャフトの一相における180°―540°の回転を5−15°のブレード運動に変換する減速アセンブリであってもよい。
【0107】
さらに、本発明のいくつかのカップ取外し装置は、2つのハンドルを有していてもよい。施術者は、1つのハンドルを操作して、ブレードの枢動を調整する。第2のハンドルは、割出しアセンブリの一部であり、この第2のハンドルを用いて、ブレードの回転方位を設定する。本発明のこの2つのハンドルを用いる態様は、外科医がブレードを枢動させるときにブレードが不注意によって回転しないので、好ましい。また、この設計は、外科医が回転シフトを行なうことを望むとき、不注意によるブレードの枢動を阻止することができる。
【0108】
枢動ヘッド388は、カップ32内のライナー内に受け入れられるように形作られていてもよい。いくつかの枢動ヘッドは、カップ32の内面に対して受け入れられるように形作られている。この内面は、ライナーが取り外されたときのシェルの露出した内面であってもよい。
【0109】
また、本発明は、寛骨臼カップ取外し装置として設計されているが、他の用途に用いられてもよい。例えば、下孔がドリル加工によって組織に形成された後、本発明の代替的態様を用いて、組織内にソケットを形成することもできる。
【0110】
本発明は、医学および外科手術を越える付加的な用途に用いられてもよい。
【0111】
従って、添付の請求項の目的は、このような修正および変更の全てを本発明の真の精神および範囲内にあるものとして包含することにある。