特許第6205454号(P6205454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6205454
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】ネイル用カラージェル
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/88 20060101AFI20170914BHJP
   A61Q 3/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A61K8/88
   A61Q3/02
   A61K8/81
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-82879(P2016-82879)
(22)【出願日】2016年4月18日
【審査請求日】2016年12月22日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508001947
【氏名又は名称】株式会社ビューティガレージ
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】一幡 利恵子
【審査官】 ▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−163638(JP,A)
【文献】 特開2011−032259(JP,A)
【文献】 特開2000−319132(JP,A)
【文献】 特開2005−314390(JP,A)
【文献】 特開2015−098441(JP,A)
【文献】 特開2002−193746(JP,A)
【文献】 特表平06−507166(JP,A)
【文献】 米国特許第3342686(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリアジェル組成物と、
ナイロンからなる繊維素材と、
顔料と、
を含有し、
前記繊維素材の含有重量%は、3〜8重量%であり、
前記顔料は、前記繊維素材とは異なる色且つ乳白色及び乳白色以外の色であり、
前記顔料の含有重量%は、0.01〜3.00重量%であり、
前記繊維素材は、長さ0.3〜0.8mm、太さ(繊度)4d〜8dであり、
前記繊維素材の含有重量%は、前記顔料の含有重量%より多い
ネイル用カラージェル。
【請求項2】
複数の異なるカラーの前記繊維素材を含有する
請求項1に記載のネイル用カラージェル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪に装飾のために塗布されるネイル用カラージェルに関する。
【背景技術】
【0002】
爪に装飾のために塗布されるネイル用カラージェルがある。
従来のネイル用カラージェルとしては、クリアジェル組成物に単数又は異なる複数の色の顔料を含有させたものが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ネイル用カラージェルの流行に伴い、爪に塗布された状態で顔料のみでは得られない新たな美観を生じさせるネイル用カラージェルの開発が望まれている。
【0004】
本発明の目的は、爪に塗布された状態で顔料のみでは得られない新たな美観を生じさせるネイル用カラージェルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のネイル用カラージェルは、クリアジェル組成物と、ナイロンからなる繊維素材と、顔料と、を含有し、前記繊維素材の含有重量%は、3〜8重量%であり、前記顔料は、前記繊維素材とは異なる色且つ乳白色及び乳白色以外の色であり、前記顔料の含有重量%は、0.01〜3.00重量%であり、前記繊維素材は、長さ0.3〜0.8mm、太さ(繊度)4d〜8dであり、前記繊維素材の含有重量%は、前記顔料の含有重量%より多い。
【0007】
好適には本発明のネイル用カラージェルは、複数の異なるカラーの前記繊維素材を含有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、爪に塗布された状態で顔料のみでは得られない新たな美観を生じさせるネイル用カラージェルを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係わるネイル用カラージェルについて説明する。
本実施形態のネイル用カラージェルは、以下の成分から構成される。
(成分1)硬化性成分のクリアジェル組成物
(成分2)繊維素材
(成分3)顔料
【0015】
ここで、ネイル用カラージェルにおける上記(成分2),(成分3)の重量%が以下である。
(成分2)繊維素材→3〜8重量%
(成分3)顔料→0.01〜3.00重量%
【0016】
[(成分1)硬化性成分のクリアジェル組成物]
硬化性成分のクリアジェル組成物は、例えば、以下の成分かなる。
1.光硬化性成分(光重合性モノマー又はオリゴマー又はポリマー)
2.溶剤
3.光重合開始剤
【0017】
以下において、クリアジェル組成物の成分について順次説明する。
光硬化性成分(光重合性モノマー又はオリゴマー又はポリマー):
光硬化反応に使用される光としては、紫外線又は可視光線(LED光)が利用される。特に、紫外線が普及している。
【0018】
光重合性モノマーとしては、光により架橋や重合できる基を有するモノマーであり、そのような光重合性基を有するモノマーとしては、例えば、広く普及している、(メタ)アクリロイル基を含むものであれば、特に制限なく使用することができる。このような光重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、等が好適に挙げられる。
【0019】
また、光重合性成分としては、上記モノマーだけではなく、そのような光重合性官能基を有するものであれば、オリゴマーやポリマーであってもよい。これらのオリゴマーや、ポリマーは、ネイルアート技術分野において、容易に入手することが可能である。例えば、ポリウレタン(メタ)アクリロイルオリゴマーや、ウレタン構造を有するその他のポリマーなどが典型的に使用される。
【0020】
溶剤:
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルや、エチレングリコールモノブチルエーテル、等が好適に挙げられる。
【0021】
光重合開始剤:
紫外線などによる光硬化反応を促進するための光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、等が好適に挙げられる。
【0022】
[成分2)繊維素材→3〜8%]
本実施形態のネイル用カラージェルに含まれる繊維素材は、例えば、ナイロンファイバーである。ナイロンファイバーは、ネイル用カラージェルを爪に塗ったときに、ニットのような外観となる。
【0023】
当該ネイル用カラージェルにおける繊維素材の含有量の重量%は、3〜8%である。
繊維素材の含有量を8%以下にすることで、ネイル用カラージェルを爪に塗るときの滑らかさを適切にできる。すなわち、8%を超えると、ネイル用カラージェルの硬度が高いために、爪に塗るときに滑らかさが不足してしまう。
【0024】
一方、繊維素材を上述した重量%の範囲で含有させることで、ネイル用カラージェルの粘度を適度に高めることができる。これにより、ネイル用カラージェルを厚く爪に塗ることができ、爪の色が見え難くなる。また、ネイル用カラージェルが爪から落ち難くできる。
【0025】
繊維素材は、長さ0.3〜0.8mm、太さ(繊度)4d〜8dである。一例として、長さが0.5mm、太さ(繊度)6dである。「d」は、デニールを示し、繊維の太さを示す単位である。
【0026】
繊維素材が長いほど、ネイル用カラージェルの硬度が高まり、塗りづらくなると共に、繊維素材が見えやすくなる。繊維素材の長さの上限は、塗りやすさと美観を基準に規定した。
一方、繊維素材が短いほど、ネイル用カラージェルの硬度が下がり、塗りやすくなるが、爪から落ちやすく、厚く塗れなくなる。また、繊維素材が全体の美観に与える影響が小さくなる。
【0027】
ネイル用カラージェルには、例えば、複数の色の繊維素材が含有されている。これにより、多彩な色及び模様を実現できる。
【0028】
ナイロンファイバーとして、基材に化粧品用の法定色素である酸性染料による染色加工を施したものを用い、人体(皮膚、肌、爪)への接触を考慮した安定した品質のものを用いる。これにより、ネイル用カラージェルを化粧品登録することが可能になる。
【0029】
[顔料]
本実施形態のネイル用カラージェルにおける顔料の含有量は、0.01〜3.00重量%である。
顔料を入れすぎると繊維素材の色を消してしまうので、顔料の重量%は1.60%未満であることが望ましい。
【0030】
また、繊維素材の合計重量%が、顔料の合計重量%より大きい。
これにより、ネイル用カラージェルを爪に塗った場合に、繊維素材の美観を強く印象付けることができる。
顔料としては、乳白色や乳白色以外の色の顔料が用いられる。また、上記繊維素材の色とは異なる色の顔料が用いられる。
また、複数の異なる色の顔料をネイル用カラージェルに含有させてもよい。
【0031】
本実施形態のネイル用カラージェルは、以下のように装飾方法で爪に塗布し、
装飾方法
(1)前処理(プリパレーション)
手指を消毒用エタノールにより清浄した後に、爪表面をヤスリ等で研磨して洗浄剤を含む綿で爪表面を洗浄乾燥する。
【0032】
(2)所定のベースジェルを塗る
ベースジェルを筆等により、前処理した爪の上に均一に塗布し、UVライト又はLEDライトを照射して硬化させる。
【0033】
(3)装飾層形成
クリアジェル組成物から形成されたベース層の上に、上述した本実施形態のネイル用カラージェルを筆等により均一に塗布し、UVライト又はLEDライトを照射して硬化させる。当該工程を2回行う。
【0034】
(4)トップジェルを塗布し、UVライト又はLEDライトを照射して硬化させる。
(5)未硬化ジェルを洗浄剤を含むジェルクリーナーで拭き取る。
【0035】
上述した装飾方法で爪に本実施形態のネイル用カラージェルを塗布したところ、繊維素材による美観が視認され、顔料のみでは得られない新たな美観を生じさせることが確認された。
【0036】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0037】
例えば、上述した本実施形態のネイル用カラージェルに、ナイロンの他に、ラメを入れるようにしてもよい。
【要約】
【課題】 爪に塗布された状態で顔料のみでは得られない新たな美観を生じさせるネイル用カラージェルを提供する。
【解決手段】 本実施形態のネイル用カラージェルは、以下の成分から構成される。(成分1)硬化性成分のクリアジェル組成物、(成分2)繊維素材、(成分3)顔料
(成分4)その他。 ここで、(成分2)繊維素材→3〜8重量%、(成分3)顔料→0.01〜3.00重量%である。
【選択図】 なし