(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205501
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】活栓
(51)【国際特許分類】
A61B 1/015 20060101AFI20170914BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20170914BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
A61B1/015 511
A61B1/00 650
G02B23/24 A
A61B1/00 T
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-550262(P2016-550262)
(86)(22)【出願日】2015年2月10日
(65)【公表番号】特表2017-506946(P2017-506946A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】EP2015000284
(87)【国際公開番号】WO2015124273
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2017年6月8日
(31)【優先権主張番号】102014002158.0
(32)【優先日】2014年2月19日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510320416
【氏名又は名称】オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】ブロマースマ,ピーター
【審査官】
増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−147401(JP,U)
【文献】
特開昭61−2838(JP,A)
【文献】
特開平11−155807(JP,A)
【文献】
特開2013−27638(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0179878(US,A1)
【文献】
独国特許発明第19819814(DE,C1)
【文献】
米国特許第3882935(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用の内視鏡(13)の流動媒体を通す通路(7)のための活栓(1)であって、
前記通路(7)により貫通されるテーパ着座部(6)にコック(4)をその軸(3)を中心として回転可能に収容しているハウジング(2)を備え、
該ハウジング(2)が、前記軸(3)の方向にて前記テーパ着座部(6)に後続するように軸受ブッシュ(8)を有し、
該軸受ブッシュには前記軸(3)を中心として回転可能となるようにグリップ本体(9)が支承され、
該グリップ本体は、前記ハウジング(2)の外部にてハンドグリップ(10)を支持し、前記軸(3)の方向にスライド可能となるように前記コック(4)に回転連結されるとともに、これに対して弾性作用によって支持されており、
前記グリップ本体(9)が、前記軸(3)の方向にてロックを行うように前記軸受ブッシュ(8)における周回する内側溝(17)に係合する係止装置であって、半径方向へ反発力のある係止装置を有している、活栓において、
前記コック(4)は、ロック解除位置へと前記軸(3)の方向にスライドした場合に前記係止装置を前記軸受ブッシュ(8)に対して係合解除させるように配置される構成となっており、
前記係止装置は、前記グリップ本体(9)における周回する外側溝(18)の中にて支承されたスナップリング(16)として構成されており、
前記コック(4)は、円周方向に配分されるように配置されるとともに半径方向外側に向かって突出する複数のカム(19)を担持し、
該カムは、前記コック(4)がロック解除位置にある場合に、前記スナップリングが拡張して前記グリップ本体(9)における前記外側溝(18)と係合解除されるように、前記スナップリング(16)に対して拡張状態の係合をすることを特徴とする、活栓。
【請求項2】
前記カム(19)は、前記コック(4)から前記グリップ本体(9)に向かう方向に突き出すように前記グリップ本体(9)のフィンガ(14)の間に配置されたフィンガ(12)の自由端に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の活栓。
【請求項3】
前記カム(19)は、スライド方向の両方に進入斜面(20)を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の活栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載されている種類の活栓に関する。
【背景技術】
【0002】
極めて厳格に殺菌状態に保つことが必要とされる医療用の内視鏡には、活栓が据えつけられるようになっている。これには、内視鏡が使用されるたびに洗浄、殺菌されなければならない活栓もまた該当する。
【0003】
活栓においては、コックがそのテーパ面によってハウジングのテーパ着座部に対して圧着される。このように広い面積となる当接部は、組付状態にある場合に洗浄可能ではなくなっている。すなわち、洗浄及び殺菌をするために活栓を分解しなければならなくなっている。これは、活栓が使用されるたびに必要となることである。
【0004】
当分野に属する活栓としては、特許文献1に示されるものが挙げられる。かかる活栓はコック及びこれと連結されるグリップ本体をハウジングの中に有しており、グリップ本体はスナップリングを介して軸方向でハウジングに対して支持され、このロックを外してから、コックとグリップ本体とをハウジングから取り出すことができるようになっている。しかしながら、このような構成における欠点として、そのためにグリップ本体を、予定破断個所としての役目をするスナップリングの個所で破壊しなければならないということがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第10126540A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、当分野に属する活栓を簡素かつ非破壊的に分解可能となるように構成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、係止装置を係合解除することができ、その後に、グリップ本体とコックとをハウジングから取り出すことができる。ロック解除は、コックが軸の方向へスライドする場合における作用によって行われる。このことが当分野に属する構成において可能である理由は、そこではグリップ本体とコックとが相互に軸の方向にスライド可能に連結されているからである。
【0008】
係止装置は、種々の形式にて、ロックボルト等を有するように構成されていてよい。請求項2によれば、係止装置は、グリップ本体における周回する外側溝の中で支承されるスナップリングとして構成されるのが好ましく、このことはそれ自体、冒頭に挙げた文献から公知となっている。
【0009】
係止装置の係合解除は種々の形式で行うことができる。そのために、請求項3の構成要件が意図されるのが好ましい。コックにはカムが配置されていて、該カムは、コックがロック解除位置まで軸方向スライドした場合にスナップリングを内側から外側に向かって拡張させ、それは、スナップリングがコックの外側溝との係合部から引き出されるまで行われる。それによって、グリップ本体がロック解除され、コックとともにハウジングから取り出すことができるようになる。
【0010】
このとき、請求項4に基づいて、カムは、グリップ本体のそれぞれのフィンガ間にて係合するフィンガにて構成されると好ましい。それによって、コックとグリップ本体とがスナップリングのロック解除のために必要である形式にて互いに係合できることが確保され、互いに噛み合うフィンガによって、回り止めをする形状接合がコックとグリップ本体との間で保証されることとなる。
【0011】
このとき、請求項5に基づいて、カムにはそれぞれ可能なスライドの両方の方向で進入斜面が構成されていると好ましい。すなわち、カムは、活栓を分解できるようにするために、一方の方向へスライドした場合にスナップリングをロック解除できるだけでなく、組立のために他方の方向へもスライドするようになっている。
【0012】
図面には本発明が一例として模式的に示され、次のものを示している:
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図3の1−1線に基づく角度位置で本発明による活栓を示す軸方向の断面図である。
【
図2】
図3の2−2線に基づく角度位置で本発明による活栓を示す軸方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜
図3は、実質的に管状に軸3を取り囲むハウジング2を備える活栓1を種々の断面図として示している。
【0015】
軸3に対して同心的に、外側のテーパ面5によってハウジング2のテーパ着座部6に着座するコック4が据えつけられている。このような良好に適合する広い面積の着座部は、封止の役目を果たすようになっている。
【0016】
ハウジング2は、部分区域7’にてコック4をも貫通するとともに活栓1の外部にて内視鏡13の中まで延びる通路7により貫通されている。
図1の回転位置の場合、通路7,7’が一直線上に並ぶ。すなわち、活栓1が開く。コック4を回すと、通路7を閉じることができる。
【0017】
テーパ着座部6に接して、コック4の一部が中へ突入する軸受ブッシュ8がハウジング1にて構成されている。さらに、この軸受ブッシュ8には、軸3に対して同心的な円筒状の外面をもつグリップ本体9が回転支承されている。コックと反対を向いている側のグリップ本体9の端面には、グリップ本体9を回転操作する役目をするように構成されるグリップ10が取り付けられている。
【0018】
グリップ本体9は、コック4とは別個に、かつこれに対して軸3の方向にスライド可能なように構成されている。グリップ本体9及びコック4の間には、これら両方の部品を軸3の方向にて互いに離れるように押圧するコイルばね11であって、軸3に対して同心的に構成されたコイルばね11が配置されている。
【0019】
図3は、
図1及び
図2の3−3線に沿った断面図を示し、すなわち、コック4及びグリップ本体9間の半分の高さのところで、これらが長手方向スライドは許容するが相互の回動は阻止する回転係合をする領域で示している。
図3に見られる通り、ハウジング2の内部には軸受ブッシュ8の領域に4つのフィンガが配置され、そのうち2つのフィンガ12がコック4に取り付けられ、2つのフィンガ14がグリップ本体9に取り付けられている。
【0020】
図1、
図2、及び
図3は、
図3に示すように正確な回転連結を保証するために回転方向でわずかなクリアランスをもって構成されたフィンガ12,14の噛み合いを示している。さらに、フィンガ12,14はグリップ本体9に対するコック4の長手方向スライドを許容し、その際に、フィンガ12はコック4とともに動き、フィンガ14はグリップ本体9とともに動く。
【0021】
図1及び
図2は、軸3の方向にロックされた位置にてハウジング2及びグリップ本体9を示している。このロックは、通常の形式にて弾性作用により拡張可能なように構成されたスナップリング16によって実現され、このスナップリングは、
図1及び
図2に示すように、部分的には軸受ブッシュ8の内側溝17の中に位置し、部分的にはグリップ本体9の外面にある外側溝18の中に位置している。この個所では、
図3のように、グリップ本体9は部分円周領域においてフィンガ14の形態で存在しているに過ぎない。すなわち、外側溝18はフィンガ14に構成され、そこで、スナップリング16を保持するようになっている。
【0022】
これらの間にコック4のフィンガ12が据えつけられ、その正確な形状が
図1に示されている。フィンガ12の自由端に、それぞれ、軸3の方向で見て両方の方向に向かって進入斜面20を有する1つのカム19が構成されている。
【0023】
グリップ本体9と向かい合っているコック4の端部に、コックは、テーパ着座部6の延長として開口部を通ってハウジング2から突き出す軸方向の突起22を備えている。矢印23の方向へ突起22が押圧されると、コック4がグリップ本体9に向かう方向へと動く。カム19がその傾いた進入面20でスナップリング16の内面に達し、これを外方へ拡張させながらハウジング2の内側溝17へと押し込む。それにより、グリップ本体9及びハウジング2間の軸方向のロック作用が解消されることとなる。グリップ本体9を、及びこれとともにコック4もまた、軸の方向へ自由にハウジング2から押し出せるようになる。このようにして活栓1が全体として分解される。
【0024】
洗浄と殺菌とが行われてからの組立は非常に容易である。ばね11をグリップ本体9とコック4との間に配置し、これらをフィンガ12乃至14で互いに嵌め合わせ、その様子は
図3に示されている。スナップリング16は内側溝17の中に配置される。
【0025】
引き続いて、コック4、ばね11、及びグリップ本体9から成る組立ユニットを、軸3の方向にてハウジング2の中へ差し込む。カム19の進入斜面20がスナップリング16まで到達し、カムを通過させるようになるまでこれを拡張させる。すると、
図1及び
図2に示す組立位置が実現されることとなる。
【符号の説明】
【0026】
1 活栓
2 ハウジング
3 軸
4 コック
5 テーパ面
6 テーパ着座部
7 通路
8 軸受ブッシュ
9 グリップ本体
10 グリップ
11 コイルばね
12 フィンガ(コック)
13 内視鏡
14 フィンガ(グリップ)
16 スナップリング
17 内側溝
18 外側溝
19 カム
20 進入斜面
22 突起
23 矢印