(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貫通孔の先端開口の前記長手軸方向の投影形状が円形であり、前記電極先端部の前記長手軸方向の投影形状が前記先端開口の口径より大きな外接円と前記口径より小さな内接円とを有する非円形である請求項1に記載の高周波処置具。
【背景技術】
【0002】
従来、高周波電流を通電して粘膜等の生体組織を処置する高周波処置具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この高周波処置具は、シースの先端に設けられた電気絶縁性のキャップ部材の貫通孔に、軸方向に進退可能に棒状電極部を挿入配置し、シース内を送液されてきた液体をキャップ部材の送液開口を介して前方に放出することができる構造を有している。
【0003】
棒状電極部の先端には放射状に拡がる先端部が設けられているため、キャップ部材の正面視において送液開口の少なくとも一部が先端部の外側に露呈するように形成することで、送液開口から放出される液体が棒状電極部の先端部の裏側で遮られることを防止している。そして、特許文献1の高周波処置具では、送液開口は、棒状電極部に近接して支持する小径部分と、先端部の外側に露呈する大径部分とを有する非円形に構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、キャップ部材は極めて小さく精密な加工が必要とされる部品であるため、非円形の送液開口を精密に形成することは容易ではない。逆に、送液開口を加工容易な円形等の単純な形状に形成する場合には、液体を真っ直ぐ前方に放出するために、平面視で先端部の外側に露呈するように口径を大きくする必要があるが、このようにすると棒状電極部を前方に突出させた状態での支持が失われ、棒状電極部と送液開口の中心軸とが合いにくくなるという不都合がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、円滑な送液と電極の安定的な支持を両立し得る製造容易な高周波処置具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、体内に挿入される細長い筒状のシースと、該シース内に長手軸方向に進退可能に配置され、高周波電流が供給される直棒状の電極部材と、前記シースの先端に配置され、前記電極部材を貫通させる貫通孔を有する先端部材と、前記シースの基端側に接続され、該シースに形成された流路および該流路に連絡する前記貫通孔と前記電極部材との隙間を介して前記シースの長手軸方向前方に液体を放出させる送液手段とを備え、前記電極部材が、
棒状の柱状部と、該柱状部の先端に設けられ径方向外方に放射状に延びる電極先端部と、前記先端部材よりも基端側に配置され
るとともに前記柱状部を介して前記電極先端部と固定され前記電極部材の中心軸を中心とする略回転体形状のストッパ部とを備え、前記先端部材は、前記電極部材が最大限に
前記先端部材の先端よりも前方に移動させられたときに、前記ストッパ部を前記長手軸方向に突き当てる、先端に向かって先細になるテーパ内面を備え
、前記ストッパ部
には、
前記中心軸回りの周方向の一部分に形成され、前記テーパ内面と前記ストッパ部とが相互に突き当たった状態
で前記液体を流通させることができる流路を構成する凹部が設けられ、
前記ストッパ部が前記凹部を除く全周において前記テーパ内面と突き当たることで前記液体が前記凹部のみから前記ストッパ部の先端側へ流れ出るように前記液体の流通が規定され、前記電極先端部が周方向の少なくとも一部に
前記電極先端部の径方向に窪む小径部を備え、
前記電極部材が前記中心軸周りに回転しても前記小径部を経由して真っ直ぐ前方に前記液体が放出されるように、前記凹部
によって構成される流路と前記小径
部の周方向位置
が一致し前記凹部から流れ出た前記液体の前記長手軸方向前方に前記小径部が位置するように構成される高周波処置具である。
【0008】
体内の組織の切断等の処置は、シースに対して電極部材を前進させて電極先端部の突出量を増大させ、電極部材に高周波電流を供給することにより行われる。組織の切断や剥離を行う際に、放射状の電極先端部を周辺組織に引っ掛けることにより、滑らずに安定して処置を行うことができる。
【0009】
この場合において、電極部材を前進させると、電極部材の基端側に設けられたストッパ部が、シースの先端に配置され電極部材を貫通孔に貫通させている先端部材のテーパ内面に突き当たり、それ以上の前進が制限される。そして、ストッパ部が略回転体形状に形成されていることにより、テーパ内面に突き当たる際に、電極部材を取り囲む各位置においてストッパ部がテーパ内面に同時に突き当たって、電極部材を貫通孔に対してセンタリングした状態に保持することができる。
【0010】
このとき、テーパ内面またはストッパ部のいずれかに設けられた凹部により、相互に突き当たったテーパ内面とストッパ部との間に流路が構成される。そして、処置を行っている部位において出血が生じた場合には、送液手段を作動させて、シースに形成された流路およびシースの先端に設けられた先端部材の貫通孔と電極部材との隙間を介してシースの長手軸方向前方に液体を放出させることにより、出血部位近傍に液体を放出して洗浄することができる。
【0011】
また、ストッパ部とテーパ内面が突き当たった状態で凹部によって形成される流路と電極先端部の小径部との位相を常に一致させた状態に保持し、電極先端部が貫通孔に対して長手軸回りに回転しても、流路から放出される液体を常に電極先端部の小径部を経由して真っ直ぐ前方に放出することができる。
【0012】
この場合においても、電極部材は、電極部材を取り囲む各位置においてテーパ内面とストッパ部を突き当てることによって強固に支持されているので、貫通孔との隙間を液体が流動しても電極先端部が振動しないように保持される。
すなわち、本態様によれば、貫通孔に電極部材を支持させるのではなく、先端部材に設けたテーパ内面と電極部材に設けたストッパ部との当接により、センタリングおよび強固な支持を行うので、貫通孔と電極部材との隙間を十分に大きく確保することができる。その結果、該隙間を経由して前方に放出される液体を、電極先端部に邪魔されることなく、かつ、電極部材を振動させることなく放出することができる。
【0013】
上記態様においては、前記ストッパ部が、前記テーパ内面と面接触させられるテーパ面を備えていてもよい。
このようにすることで、ストッパ部とテーパ内面との面接触により、電極部材を貫通孔にセンタリングした状態で、先端部材に、より強固に支持することができる。
【0014】
上記態様においては、前記貫通孔の先端開口の前記長手軸方向の投影形状が円形であり、前記電極先端部の前記長手軸方向の投影形状が前記先端開口の口径より大きな外接円と前記口径より小さな内接円とを有する非円形であってもよい。
このようにすることで、シースに対して電極部材を最大限に後退させると、円形からなる貫通孔の先端開口に対して、非円形からなる電極先端部の径方向に突出する部分が先端部材の先端面に突き当たって、それ以上の後退が制限される。また、円形からなる貫通孔の先端開口が、非円形からなる電極先端部の径方向に突出する部分においては、先端開口から放出される液体が電極先端部によって完全には遮られることなく真っ直ぐ前方に放出されやすくなる。
【0015】
上記態様においては、前記ストッパ部に前記凹部が形成されていてもよい。
このようにすることで、ストッパ部とテーパ内面が突き当たった状態で凹部によって形成される流路と電極先端部との位相を常に一定に保持し、電極先端部が貫通孔に対して長手軸回りに回転しても、流路が電極先端部によって変化することが防止される。
【0016】
上記態様においては、前記小径部が、周方向に等間隔をあけて複数設けられ、前記凹部が、各前記小径部に対応する位置に設けられていてもよい。
このようにすることで、凹部および小径部を経由して電極先端部の前方に真っ直ぐ放出される液体の流れを電極先端部の周方向に偏らせることなく、周方向に均等に分布させ、より真っ直ぐ前方に液体を放出することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、円滑な送液と電極の安定的な支持を両立し、かつ容易に製造することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る高周波処置具1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る高周波処置具1は、例えば、内視鏡の挿入部に設けられたチャネルを介して先端が体内に導入される処置具であって、
図1に示されるように、チャネル内に挿入可能な細長い円筒状に形成され、可撓性を有するシース2と、該シース2の先端において進退させられる電極部材3と、該電極部材3をシース2の基端側において押し引きする操作部4と、シース2の内孔(流路)2aを経由してシース2の先端から液体を放出させる送液手段5とを備えている。
【0020】
シース2の先端には内孔2aを閉塞するようにプラグ状の先端部材6が固定されている。先端部材6には、
図2に示されるように、長手軸方向に貫通し電極部材3を移動可能に貫通させる貫通孔6aが設けられている。貫通孔6aは、円形の横断面を有しており、その基端側には、先端側に向かって先細になる円錐内面状のテーパ内面6bが設けられている。シース2および先端部材6は電気絶縁性の材料によって構成されている。
【0021】
電極部材3は導電性材料により構成されている。電極部材3は、貫通孔6aよりも十分に径寸法の小さい横断面円形の柱状部3aと、該柱状部3aの先端に設けられ、径方向外方に放射状に延びる3角形平板状の電極先端部3bと、柱状部3aの基端に設けられ、柱状部3aより大径の横断面形状を有し、柱状部3aと同心の円柱状に構成されたストッパ部7とを備えている。ストッパ部7の先端側にはテーパ内面6bと相補的な形状のテーパ面7aを有している。
【0022】
テーパ面7aには、径方向内方に窪み、長手軸方向に延びる溝状の凹部9が、周方向に間隔をあけて3カ所に設けられている。各凹部9は、
図3に示されるように、3角形の電極先端部3bの各辺の中央に対応する周方向位置に設けられている。
【0023】
電極先端部3bは、
図4に示されるように、外接円Aが貫通孔6aの口径より大きく、内接円Bが貫通孔6aの口径より小さくなる形状を有している。好ましくは、外接円Aの寸法がφ1.2、貫通孔6aの寸法がφ0.8である。これにより、電極部材3を先端部材6に対して最大限に基端側に移動させると、電極部材3の大部分がシース2内に収容され、電極先端部3bの背面が、先端部材6の先端面6cに突き当たってそれ以上の後退を規制するようになっている。このとき、円形の貫通孔6aは、
図4に示されるように、電極先端部3bによって完全に閉塞されることなく、電極先端部3bの径方向外方にはみ出して、開口10により部分的に開口するようになっている。
【0024】
また、
図1に示されるように、電極先端部3bを先端部材6に対して最大限に先端側に移動させると、電極部材3は先端部材6の先端面6cから前方に突出し、ストッパ部7のテーパ面7aが先端部材6のテーパ内面6bに突き当たって、それ以上の前進を規制するようになっている。このとき、テーパ内面6bと相補的な形状のテーパ面7aは面接触によりテーパ内面6bに密着し、電極部材3が先端部材6に強固に支持されるようになっている。また、貫通孔6aに接続するテーパ内面6bに、電極部材3の柱状部3aと同心のテーパ面7aを密着させることにより、電極部材3が貫通孔6aに対して中心軸を一致させられる(センタリングされる)ようになっている。
【0025】
操作部4は、シース2の基端側に取り付けられる指かけ孔4aを有するハンドル4bと、該ハンドル4bに対してシース2の長手軸方向に移動可能に設けられた可動部4cと、シース2の内孔2a内に配置され可動部4cと電極部材3とを連結する導電性材料からなるワイヤ4dとを備えている。図中符号4eは可動部4cに設けられた指かけ孔である。
【0026】
ハンドル4bに対して可動部4cをシース2の先端側に移動させると押圧力がワイヤ4dを介して電極部材3に伝達され、電極部材3が先端部材6に対して前進する方向に移動させられるようになっている。また、ハンドル4bに対して可動部4cをシース2の基端側に移動させると、牽引力がワイヤ4dを介して電極部材3に伝達され、電極部材3が先端部材6の貫通孔6aに引き込まれる方向に後退させられるようになっている。
ワイヤ4dの基端側には図示しない電源が接続されており、ワイヤ4dを介して電極部材3に高周波電流を供給することができるようになっている。
【0027】
ハンドル4bには、シース2の内孔2aに連絡する接続口8が設けられている。
送液手段5は、接続口8に接続されるシリンジあるいはポンプ等であり、送液手段5の作動によって生理食塩水のような液体をシース2の内孔2aに送り込むようになっている。
【0028】
このように構成された本実施形態に係る高周波処置具1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る高周波処置具1を使用して、内視鏡的粘膜下層剥離術を行うには、操作部4を操作して、
図4に示されるように、電極部材3を最大限に後退させた状態で、内視鏡の挿入部のチャネルを介してシース2を先端側から体内に導入していき、内視鏡の挿入部の先端からシース2の先端を突出させる。
【0029】
これにより、シース2の先端部分が内視鏡の視界に入るので、操作者は内視鏡により取得された画像をモニタで確認しながら、処置を行う。電極部材3を最大限に後退させた状態では、電極部材3の電極先端部3bのみが先端部材6の先端面6cに露出しているので、この状態で電極部材3に高周波電流を印加しても組織が深く切り込まれることはなく、組織表面のみを焼酌するいわゆるマーキングを行うことができる。
【0030】
すなわち、操作者はモニタに表示された内視鏡画像において切除すべき病変と思われる部位を取り囲む複数箇所に先端部材6の先端面6cを押し当てて電極部材3に通電することにより、切除すべき病変部位の周囲を取り囲むマークを形成することができ、その後の処置の目安とすることができる。
【0031】
この後に、操作部4を操作して、
図3に示されるように、電極部材3を先端部材6の先端面6cから突出させ、高周波電流を印加することにより、組織を切開して先端部材6を病変部位の下の粘膜下層近傍まで刺し入れる。次いで、操作部4を操作して電極部材3を最大限に後退させた状態とし、送液手段5を作動させて生理食塩水等の液体を先端面6cの開口10から放出させる。これにより、液体が粘膜下層に局注され、病変部位が浮上させられた状態となる。
【0032】
この状態で、シース2を粘膜下層から抜き出し、再度、操作部4を操作して電極部材3を突出させた状態として、マーキングにより形成されたマークを目安として病変部位の周囲の組織を切開していく。
切開途中で出血があった場合には、送液手段5を作動させて生理食塩水等の液体を先端部材6の先端面6cの開口10から放出させることにより洗浄することができる。
【0033】
この場合において、シース2に対して電極部材3を最大限に前進させ、電極先端部3bを先端部材6の先端面6cから突出させると、ストッパ部7のテーパ面7aが先端部材6のテーパ内面6bに密着して、電極部材3が貫通孔6aに対してセンタリングされた状態に固定される。そして、テーパ面7aとテーパ内面6bとが密着させられた状態でも、テーパ面7aに設けられた凹部9によって、ストッパ部7を挟んだ前後の空間が連絡した状態に維持される。
【0034】
この状態で、送液手段5を作動させると、シース2の内孔2aを介して送られてきた液体が、凹部9によってテーパ面7aとテーパ内面6bとの間に形成された隙間Cを経由し、さらに、柱状部3aと貫通孔6aとの間の円筒状の隙間Cを経由して、先端部材6の前方に放出される。
【0035】
柱状部3aと貫通孔6aとの間の隙間Cを流動する流体の流れによって柱状部3aを振動させる力が作用するが、テーパ面7aをテーパ内面6bに密着させることで、電極部材3が先端部材6に強固に支持されているので、柱状部3aの振動が小さく抑制され、先端部材6の前方に流体を安定して放出することができる。
【0036】
すなわち、貫通孔6aの内径を柱状部3aの外径に対して十分に大きくしても、テーパ面7aとテーパ内面6bとの密着により柱状部3aが振動しないように支持されるので、貫通孔6aと柱状部3aとの間の流動面積を十分に大きく確保することができ、大流量の流体を円滑に放出することができるという利点がある。これにより、出血をより確実に素早く洗い流すことができる。
また、貫通孔6aによって柱状部3aを径方向に振動しないように支持しなくて済むので、貫通孔6a自体を柱状部3aの外径よりも十分に大きな内径の簡易な横断面円形に形成することができ、容易に製造することができるという利点もある。
【0037】
また、病変部位の周囲の組織を切開する途中で、粘膜下層に局注した液体が他の部位に吸収される等して、病変部位が沈んできた場合には、先端部材6を再度、粘膜下層に押し当てて液体を局注することが行われる。この場合にも、電極部材3を最大限に後退させて液体を吐出させることにより電極部材3が必要以上に組織に刺さらないようにすることができる。
【0038】
この場合においても、本実施形態に係る高周波処置具1によれば、電極部材3を最大限に後退させて、電極先端部3bを先端部材6の先端面6cに突き当てても、大きな口径の貫通孔6aが3角形の電極先端部3bの径方向外方にはみ出して開口しているので、その開口10から液体を放出することができる。特に、テーパ面7aに設けられた凹部9と、電極先端部3bの径方向への突出量が小さい部分(小径部)との位相が一致しているので、凹部9を経由して流動してきた流体を電極先端部3bによって完全には遮られることなく前方に放出しやすくすることができる。
【0039】
なお、本実施形態においては、電極先端部3bとして、三角形の平板状のものを採用したが、これに限定されるものではなく、4角形以上の多角形状、星形状あるいは楕円形状のように、径方向に突出する部分と窪む部分とを周方向に交互に配列してなる任意の電極先端部3bを採用してもよい。これらの形状の外接円Aが貫通孔6aの口径より大きく、内接円Bが貫通孔6aの口径より小さければ、任意の形状を採用してよい。そして、これらの場合に径方向に窪む部分(小径部)に対応する位置に溝状の凹部9を設けることが好ましい。
【0040】
また、本実施形態においては、ストッパ部7としてテーパ内面6bに面接触するテーパ面7aを有するものを例示したが、これに代えて、テーパ面7aではなく、
図5および
図6に示されるように円柱のエッジ7bあるいは球面7c等の回転体形状を有し、円環状に線接触するものを採用してもよい。
また、テーパ内面6bにテーパ面7aを密着させた状態でも両者間に流体を流通させる溝状の凹部9をテーパ面7a側に設けることとしたが、これに代えて、
図7に示されるように、凹部9をテーパ内面6b側に設けることにしてもよい。
【0041】
また、本実施形態においては、ストッパ部7の凹部9として、溝状のものを採用したが、これに限られるものではなく、
図8および
図9に示されるように、シース2の長手軸方向に沿ってDカット部11と、シース2の長手軸回りにDカット部11を挟んで等間隔に設けられた溝12とからなるものを採用してもよい。符号13は、ストッパ部7にワイヤ4dをロウ付けするために設けられた穴であり、符号14は、ストッパ部7に柱状部3aをロウ付けするために設けられた穴である。
【0042】
この場合には、
図10に示されるように、Dカット部11によってテーパ面7aとテーパ内面6aとの間に隙間Eが、溝12によってテーパ面7aとテーパ内面6aとの間に隙間Fが形成されるようになっている。これにより、溝12よりも溝幅の大きいDカット部11が形成する隙間Eは、溝12が形成する隙間Fよりも単位時間当たりの流量が多いため、ストッパ部7の全周を用いて単位時間当たりの総流量を増大させることができる。