特許第6205550号(P6205550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205550
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】バルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20170925BHJP
【FI】
   A61M25/10 510
   A61M25/10 500
【請求項の数】12
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-560599(P2014-560599)
(86)(22)【出願日】2013年2月7日
(86)【国際出願番号】JP2013052925
(87)【国際公開番号】WO2014122760
(87)【国際公開日】20140814
【審査請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】591140938
【氏名又は名称】テルモ・クリニカルサプライ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089060
【弁理士】
【氏名又は名称】向山 正一
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 達也
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−291900(JP,A)
【文献】 特開2008−264118(JP,A)
【文献】 特開2010−201027(JP,A)
【文献】 特開2000−217923(JP,A)
【文献】 特開2012−223426(JP,A)
【文献】 特表平10−511873(JP,A)
【文献】 国際公開第93/020882(WO,A1)
【文献】 特開2011−206171(JP,A)
【文献】 特許第2933389(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0079727(US,A1)
【文献】 特開2002−355313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00−25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のルーメンを有する内管と、前記内管と同軸的に設けられ、前記内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管部と、先端部が前記内管の先端部に固定され、内部が前記第2のルーメンと連通するバルーン部とを備えるバルーンカテーテルであって、
前記バルーン部は、あらかじめ形成された膨張形成形態を有する膨出部を有し、さらに、注入されるバルーン膨張用液体により、前記膨張形成形態を越えて、弾性変形可能であり、
前記外管部は、前記バルーン部の前記膨出部の後端部より基端方向に延び、前記バルーン部と同一材料により一体に形成され、かつ、実質的に膨張不能な先端側スリーブ部と、前記先端側スリーブ部の後端部に先端部が固定された外管本体を備え、
前記先端側スリーブ部は、前記外管本体の先端部より、可撓性が高いものとなっており、
前記外管本体の先端部は、前記外管本体の中心軸に対して斜めである傾斜先端面を備え、前記先端側スリーブ部は、前記外管本体の中心軸に対して、所定角度傾斜した傾斜後端面を有する後端部を備え、さらに、前記外管本体の前記先端部と前記先端側スリーブ部の前記後端部は、前記バルーンカテーテルの軸方向に重なり合う部分を有し、かつ、前記重なり合う部分に設けられ、前記外管本体の中心軸に対して傾斜し、かつ気密に形成された帯状の傾斜環状固定部を有することを特徴とするバルーンカテーテル。
【請求項2】
前記先端側スリーブ部の前記傾斜後端面を有する後端部内に、前記外管本体の前記傾斜先端面を有する先端部が進入することにより、前記外管本体の先端部と前記先端側スリーブ部の後端部の前記重なり合う部分を形成している請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
前記先端側スリーブ部の前記傾斜後端面の前記外管本体の中心軸に対する傾斜角度Cより、前記外管本体の前記傾斜先端面の前記外管本体の中心軸に対する傾斜角度Dが、大きいものとなっている請求項1または2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記バルーン部の膨出部は、弾性変形可能部と、前記弾性変形可能部より先端側に設けられ、先端側に向かって縮径するとともに、実質的に弾性変形不能な先端側テーパー部と、前記弾性変形可能部より後端側に設けられ、後端側に向かって縮径するとともに、実質的に弾性変形不能な後端側テーパー部とを備えている請求項1ないしのいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記バルーンカテーテルは、血管閉塞用バルーンカテーテルである請求項1ないし4のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記バルーン部の前記先端側テーパー部は、先端方向に向かって徐々に肉厚となる肉厚変化部となっており、前記後端側テーパー部は、後端方向に向かって徐々に肉厚となる肉厚変化部となっている請求項4または5に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
前記バルーンカテーテルは、前記バルーン部の前記膨出部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A1と、前記先端側スリーブ部部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A2と、前記外管本体の先端側部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A3が、A1<A2<A3であって、前記三点曲げ荷重値A1と前記三点曲げ荷重値A3の差が、300mN/mm以下であり、かつ、前記三点曲げ荷重値A1は、50mN/mm以下である請求項ないし6のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
前記バルーンカテーテルは、前記バルーン部の前記膨出部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A1と、前記先端側スリーブ部と前記外管本体との境界部における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A4が、A1<A4であって、前記三点曲げ荷重値A1と前記三点曲げ荷重値A4の差が、50mN/mm以下であり、かつ、前記三点曲げ荷重値A1は、50mN/mm以下である請求項ないし7のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【請求項9】
前記三点曲げ荷重値A2は、100mN/mm以下である請求項7または8に記載のバルーンカテーテル。
【請求項10】
前記三点曲げ荷重値A1は、40mN/mm以下である請求項7ないし9のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【請求項11】
前記外管部の前記先端側スリーブ部の長さは、前記バルーン部の前記膨出部の長さの2.5倍以上である請求項1ないし10のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【請求項12】
前記バルーンカテーテルは、内径が1.1mmのガイディングカテーテル内に挿入可能であり、かつ、前記内管内に、0.53mmのガイドワイヤーを挿入可能である請求項1ないし11のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーンカテーテル、特に、血管に挿入される血管閉塞用のバルーンカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
バルーンカテーテルは、血管造影、化学療法剤等の薬液注入、塞栓術等に使用されている。
バルーンカテーテルとしては、本願出願人が提案する特許文献1(特開2005−103120)がある。
特許文献1のバルーンカテーテル1は、インナーチューブ9とアウターチューブ21とを備えた二重管構造のカテーテル本体3を備える。カテーテル本体の先端部にバルーン7が取り付けられ、その内部に、インナーチューブとアウターチューブとの間に形成された注入液通路23がアウターチューブの先端開口22を介して連通している。
また、拡張体付カテーテルとしては、特許文献2(特開平09−10314)がある。この拡張体付カテーテルは、外管1と内管2を同軸的に配置されている。そして、外管1は柔軟な先端部11と、先端部11より大なる内外径の中間部12と、中間部12よりさらに大なる内外径で厚肉の基端部13とから構成され、先端部11には収縮あるいは折り畳み可能な拡張体10を有する。拡張体10を含めた先端部11から基端部13まで継ぎ目なくなめらかに一体に成形されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−103120
【特許文献2】特開平09−10314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のようなバルーンカテーテルは、最近では、より細く、かつ湾曲した血管への挿入が求められるようになってきている。
また、特許文献2の拡張体付カテーテルでは、拡張体10を含めた先端部11から基端部13まで継ぎ目なくなめらかに一体に成形されており、物性の急激な変化点を持たないものとなっている。そして、拡張体は、収縮あるいは折り畳み可能なものが用いられている。しかし、特許文献2のものでは、血管内に発生した狭窄部を拡張して、狭窄部の末梢側における血液の流量を増大させるためのものであり、高い圧力にて液体を注入するにより拡張体を拡張させる。
【0005】
しかし、血管塞栓術に用いられるバルーンカテーテルでは、挿入される血管が細径であること、血管内壁に損傷を与えないことより、バルーンの弾性変形を利用し、低い注入圧において、かつ確実に血管を閉塞できることが求められている。
そこで、本発明の目的は、より細径かつ湾曲した血管内への挿入が可能であり、かつ、低い液体注入圧によって、バルーンを確実に膨張させ、血管を確実に閉塞することが可能なバルーンカテーテルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
第1のルーメンを有する内管と、前記内管と同軸的に設けられ、前記内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管部と、先端部が前記内管の先端部に固定され、内部が前記第2のルーメンと連通するバルーン部とを備えるバルーンカテーテルであって、前記バルーン部は、あらかじめ形成された膨張形成形態を有する膨出部を有し、さらに、注入されるバルーン膨張用液体により、前記膨張形成形態を越えて、弾性変形可能であり、前記外管部は、前記バルーン部の前記膨出部の後端部より基端方向に延び、前記バルーン部と同一材料により一体に形成され、かつ、実質的に膨張不能な先端側スリーブ部と、前記先端側スリーブ部の後端部に先端部が固定された外管本体を備え、前記先端側スリーブ部は、前記外管本体の先端部より、可撓性が高いものとなっており、前記外管本体の先端部は、前記外管本体の中心軸に対して斜めである傾斜先端面を備え、前記先端側スリーブ部は、前記外管本体の中心軸に対して、所定角度傾斜した傾斜後端面を有する後端部を備え、さらに、前記外管本体の前記先端部と前記先端側スリーブ部の前記後端部は、前記バルーンカテーテルの軸方向に重なり合う部分を有し、かつ、前記重なり合う部分に設けられ、前記外管本体の中心軸に対して傾斜し、かつ気密に形成された帯状の傾斜環状固定部を有するバルーンカテーテル。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明のバルーンカテーテルの一実施例の部分省略外観図である。
図2図2は、図1に示したバルーンカテーテルの先端部の拡大外観図である。
図3図3は、図1に示したバルーンカテーテルのバルーン膨張時における先端部の拡大縦断面図である。
図4図4は、図1に示したバルーンカテーテルの基端部の拡大縦断面図である。
図5図5は、本発明のバルーンカテーテルを説明するための説明図である。
図6図6は、本発明の他の実施例のバルーンカテーテルを説明するための説明図である。
図7図7は、本発明の他の実施例のバルーンカテーテルを説明するための説明図である。
図8図8は、本発明における単位撓み当たりの三点曲げ荷重の測定方法を説明するための説明図である。
図9図9は、本発明のバルーンカテーテルの他の実施例の部分省略外観図である。
図10図10は、図9に示したバルーンカテーテルの先端部の拡大外観図である。
図11図11は、図10の縦断面図である。
図12図12は、図9に示したバルーンカテーテルの基端部の拡大縦断面図である。
図13図13は、図9に示したバルーンカテーテルのバルーン後端部と外管先端部の固着部を説明するための説明図である。
図14図14は、図9に示したバルーンカテーテルのバルーン後端部と外管先端部の固着部を説明するための説明図である。
図15図15は、図9に示したバルーンカテーテルのバルーン後端部と外管先端部の固着部を説明するための説明図である。
図16図16は、本発明の他の実施例のバルーンカテーテルのバルーン後端部と外管先端部との固着部付近の拡大外観図である。
図17図17は、図16の縦断面図である。
図18図18は、本発明の他の実施例のバルーンカテーテルのバルーン後端部と外管先端部との固着部付近の拡大外観図である。
図19図19は、図18の縦断面図である。
図20図20は、本発明の他の実施例のバルーンカテーテルのバルーン後端部と外管先端部との固着部付近の拡大断面図である。
図21図21は、本発明の他の実施例のバルーンカテーテルのバルーン後端部と外管先端部との固着部付近の拡大断面図である。
図22図22は、本発明の他の実施例のバルーンカテーテルのバルーン後端部と外管先端部との固着部付近の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のバルーンカテーテルを図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明のバルーンカテーテル1は、第1のルーメン11を有する内管3と、内管3と同軸的に設けられ、内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管部2と、先端部が内管3の先端部に固定され、内部が第2のルーメン12と連通するバルーン部4とを備える。そして、バルーン部4は、あらかじめ形成された膨張形成形態を有する膨出部40を有し、さらに、注入されるバルーン膨張用液体により、膨張形成形態を越えて、弾性変形可能であり、外管部2は、バルーン部4の膨出部40の後端部より基端方向に延び、かつ、バルーン部4と同一材料により一体に形成され、さらに、実質的に膨張不能な先端側スリーブ部21を有している。
そして、図1ないし7に示すバルーンカテーテル1、10,20では、外管部2は、全体がバルーン部4と同一材料により一体に形成されている。また、図9ないし22に示すバルーンカテーテル100,110,130,150,160,170では、外管部は、先端側スリーブ部120と、先端側スリーブ部120の後端部に先端部が固定された外管本体102とにより構成されている。
【0009】
図1ないし7に示す実施例のバルーンカテーテルについて説明する。
この実施例のバルーンカテーテル1は、バルーン部4と一体化した先端側スリーブ部21を有する外管部2と、内管3と、分岐ハブ5とにより形成されている。
内管3は、先端が開口した第1のルーメン11を有するチューブ体である。第1のルーメン11は、ガイドワイヤーの挿通、薬液等の注入などに使用される。そして、この実施例のバルーンカテーテル1では、内管3の第1のルーメン11は、分岐ハブ5に設けられた第1の開口部54と連通している。
内管3としては、外径が、0.6〜1.7mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.6〜0.7mmであり、内径が、0.4〜1.4mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.4〜0.50mmである。
そして、内管3は、外管部2の内部に挿通され、その先端部が外管部2より突出している。この内管3の外面と外管部2の内面間により第2のルーメン(バルーン膨張用ルーメン)12が形成されており、十分な容積を有している。
【0010】
そして、内管3には、先端部(先端31より若干基端側、バルーン部4の先端部42付近)に造影マーカー32が固定されている。造影マーカーは、X線不透過材料(例えば、金、白金、タングステン若しくはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金、白金−イリジウム合金等)により形成することが好ましい。このようにすることにより、バルーンカテーテル1の先端部をX線造影により確認することができる。また、内管3には、剛性付与体35を設けてもよい。剛性付与体としては、金属線もしくは合成樹脂線により形成されたブレードが好ましい。そして、内管3に剛性付与体を設ける場合には、図3に示すように、先端部を除く全体に設けることが望ましい。具体的には、造影マーカー32より基端まで設けることが好ましい。
【0011】
また、この実施例のものでは、図1に示すように、内管3は、先端側より、柔軟な第1柔軟領域3aと、第1領域3aと連続し、柔軟であるが第1柔軟領域3aより硬度が高い第2柔軟領域3bと、第2柔軟領域3bと連続し、第2柔軟領域3bより硬度が高い第3領域3cを有している。特に、この実施例では、最も柔軟な第1柔軟領域3aは、図1に示すように、内管3の先端より、後端方向に延び、第1柔軟領域3aの後端は、所定長後端側に位置するものとなっている。第1領域3aの長さとしては、100〜350mmが好ましく、特に、200〜300mmが好ましい。
【0012】
また、第1領域3aにおける単位撓み当たりの三点曲げ荷重は、20〜75mN/mmであることが好ましい。また、第1柔軟領域3aと連続する第2柔軟領域3bの長さとしては、100〜350mmが好ましく、特に、200〜300mmが好ましい。また、第2領域3bにおける単位撓み当たりの三点曲げ荷重は、65〜105mN/mmであることが好ましく、第1柔軟領域より、10〜85mN/mm三点曲げ荷重が高いことが好ましい。また、第2柔軟領域3bと連続する第3領域3cの長さとしては、500〜1500mmが好ましく、特に、800〜1200mmが好ましい。また、第3領域3cにおける単位撓み当たりの三点曲げ荷重は、95〜320mN/mmであることが好ましく、第2領域3bより、30〜250mN/mm三点曲げ荷重が高いことが好ましい。
【0013】
また、内管2は、外管の固定部付近となる部分が、内管の他の部分に比べて変形が容易な易変形性部分となっているものであってもよい。このような易変形部は、例えば、内管の外管の固定部付近となる部分のみ剛性付与体を設けないものとすること、内管の外管の固定部付近となる部分のみ肉薄のものとすることにより形成することができる。
【0014】
内管3の形成材料としては、ある程度の硬度とある程度の可撓性を有する材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、PTFE、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、さらには、オレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)、ポリウレタン、ウレタン系エラストマー、フッ素樹脂系エラストマーなどの合成樹脂エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴムなどのゴム類が使用される。
【0015】
また、本発明において、単位撓み当たりの三点曲げ荷重値とは、図8に示すような支台E上にて、一定の距離(L)を持った支点X−X間で、試験サンプルYを支え、その中央に金属性の加圧棒Z(外径1.5mm)で垂直方向に一定距離動かして試験サンプルYに荷重を加えたときの荷重値である。本発明では、支点間距離を10 mm、試験機:RTC−1210A(株式会社オリエンテック製)、加圧棒垂直方向移動距離2.0mm、加圧棒テストスピード5.0mm/min)とし、1.0mm押し込み時の荷重を記録した。そして、本発明では、単位撓み当たりの三点曲げ荷重をカテーテルの剛性を簡単に表す指標として用いている。
【0016】
外管部2は、内部に内管3を挿通し、先端部(バルーンの基端部)が内管3の先端より所定長後退した部分(所定長基端側)に位置するチューブ体である。第2のルーメン12は、その先端が後述する先端側スリーブ部120の後端と連通し、第2のルーメン12の後端は分岐ハブ5に設けられた、バルーンを膨張させるための流体(例えば、バルーン膨張用液体、具体的は、血管造影剤)を注入するためのインジェクションポート53の第2の開口部55と連通している。
外管部2としては、外径が、0.8〜2.0mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.8〜1.0mmであり、内径が、0.7〜1.9mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜0.8mmである。
【0017】
そして、この実施例のバルーンカテーテル1では、外管部2は、先端側スリーブ部21と、先端側スリーブ部21の後端部よりバルーンカテーテル1の基端まで延び、かつ、先端側スリーブ部21より硬い外管本体22とを備えている。
また、外管部2の外管本体22にも、剛性付与体を設けてもよい。剛性付与体としては、金属線もしくは合成樹脂線により形成されたブレードが好ましい。
そして、この実施例のバルーンカテーテル1では、バルーン部4の膨張可能部分P1における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A1と、先端側スリーブ部21(P2)における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A2と、外管本体22の先端側部分P3における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A3が、A1<A2<A3であって、三点曲げ荷重値A1と前記三点曲げ荷重値A3の差が、300mN/mm以下であり、かつ、三点曲げ荷重値A1は、50mN/mm以下となっている。
【0018】
なお、三点曲げ荷重値A1の測定部位は、バルーン部4の膨張可能部41かつ内管3がマーカーを持たない部位である。膨張可能部41の中央部に位置する部位に、マーカーが設けられていない場合には、中央部を測定部位とすることが好ましい。
さらに、三点曲げ荷重値A1は、先端側スリーブ部21と外管本体22との境界部23(P4)における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A4が、A1<A4であって、三点曲げ荷重値A1と三点曲げ荷重値A4の差が、50mN/mm以下であり、かつ、三点曲げ荷重値A1は、50mN/mm以下であることが好ましい。よって、三点曲げ荷重値A1、A2、A3、A4は、A1<A2<A4<A3であることが特に好ましい。
【0019】
このため、カテーテルのバルーンは、先端側から後端側に向かって段階的に可撓性が低く、言い換えれば、段階的に硬くなるものとなっている。よって、先端部分(可撓性変化領域)におけるキンクの発生が少なく、さらに、可撓性が変化する先端部分(可撓性変化領域)における可撓性(硬度)差が少ないため、血管の湾曲部の通過性が高いものとなる。よって、本発明のバルーンカテーテルは、体腔内への挿入操作性に優れたものとなっている。
【0020】
そして、バルーンカテーテル1における三点曲げ荷重値A1は、40mN/mm以下であることが好ましい。三点曲げ荷重値A2は、80mN/mm以下であることが好ましい。三点曲げ荷重値A3は、350mN/mm以下、特に、130mN/mm以下であることが好ましい。三点曲げ荷重値A4は、120mN/mm以下、特に、100mN/mm以下であることが好ましい。さらに、バルーンカテーテルは、外管本体22の基端部における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A5は、外管本体22の先端部における三点曲げ荷重値A3より大きく、かつ、前記三点曲げ荷重値A3と前記三点曲げ荷重値A5の差が、450mN/mm以下であることが好ましい。
【0021】
そして、外管部2の先端側スリーブ部21と外管本体22との境界部23は、図5に示すように、先端側スリーブ部21の基端より外管本体22の先端に向かって徐々に硬度が高くなる傾斜物性を有するものとなっている。具体的には、境界部23は、先端側スリーブ部21の基端より外管本体22の先端に向かって徐々に肉厚が厚くなり、内径は実質的に変化せず、外径が徐々に大きくなるものとなっている。なお、このような形態のものに限定されるものではなく、例えば、図6に示す実施例のバルーンカテーテル10のように、境界部23は、先端側スリーブ部21の基端より外管本体22の先端に向かって徐々に肉厚が厚くなり、内径が徐々に小さくなり、かつ外径が実質的にかわらないものであってもよい。さらに、上記のような境界部を備えることが好ましいが、図7に示す実施例のバルーンカテーテル20のように、境界部を持たず、外管部2部分が、全体にわたりほぼ同じ物性を有するものであってもよい。この実施例では、先端側スリーブ部21と外管本体22は、同じ物性を有するものとなっている。
【0022】
そして、バルーン部4は、あらかじめ形成された膨張形成形態を有し、かつ、注入されるバルーン膨張用液体により、膨張可能なものとなっている。具体的には、バルーン部4は、塑性変形により形成された膨張形成形態を有する膨出部40と、膨出部40の先端側に形成され、膨出部40より小径かつ肉厚であり、実質的に膨張不能な先端側筒状部42を備えている。膨出部40の後端側は、膨出部40より小径かつ肉厚であり、実質的に膨張不能な先端側スリーブ部21となっている。膨出部40は、弾性変形可能部41を有する。弾性変形可能部41は、内圧を負荷することにより、弾性変形により伸張可能である。そして、この実施例のカテーテルでは、バルーン部4は、軸方向に延びるしわ71を有する縮径形態に形状付けされていることが好ましい。なお、膨出部40は、周方向に延びるしわは持たないものとなっている。
【0023】
また、バルーン部4の膨出部40は、注入される液体により、膨張し、かつ、形成形態を越えて弾性変形し、血管内壁に密着可能なものとなっている。具体的には、膨出部40は、バルーン膨張用液体の注入により、縮径形態より成形形態に復元し、さらに、伸張(膨張)可能である。このため、血管内壁に確実に密着し、かつ内壁に損傷を与えないものとなっている。特に、この実施例では、膨出部40は、ガラス転移点以上かつ軟化点未満の温度条件下にて、延伸することにより形成されている。そして、塑性変形している形態(成形形態)までは、抵抗なく膨張し、その後の膨張は、注入されるバルーン膨張用液体の圧力に従って、弾性変形により膨張(伸張)し、圧力の低下により、弾性変形による膨張前の形態に復元する。
【0024】
そして、この実施例のバルーンカテーテル1では、バルーン部4は、塑性変形により膨張形成形態に形成された膨出部40を備える。さらに、膨出部40は、弾性変形可能部41と、弾性変形可能部41より先端側に設けられ、先端側に向かって縮径するとともに、実質的に弾性変形不能な先端側テーパー部73と、弾性変形可能部より後端側に設けられ、後端側に向かって縮径するとともに、実質的に弾性変形不能な後端側テーパー部72とを備えている。そして、弾性変形可能部41は、成形した径よりも大きく膨張可能であり、具体的には、形成形態時の外径Rに対して、2R以上、破断することなく膨張可能であることが好ましい。特に、弾性変形可能部41は、2.5R以上、破断することなく膨張可能であることが好ましい。
【0025】
また、膨出部40は、肉厚が、先端側筒状部42および先端側スリーブ部21より肉薄のものとなっている。そして、上述した先端側筒状部42および先端側スリーブ部21は、半径方向には、実質的に延伸されていない。そして、膨出部40は、弾性変形可能部41と、先端側テーパー部73と、後端側テーパー部72とを備える。先端側テーパー部73および後端側テーパー部72は、弾性変形可能部41に向かって徐々に肉薄となる肉厚変化部となっている。先端側テーパー部73および後端側テーパー部72は、実質的に弾性変形不能なものとなっている。
【0026】
膨出部40は、後述するように、形成材料である合成樹脂のガラス転移点以上かつ軟化点以下にて部分的に負荷された内圧による塑性変形により形成されていることが好ましい。さらに、膨出部40は、塑性変形により形成された形態より縮径した状態に形状付けされていることが好ましい。膨出部の形状付けは、熱収縮チューブを用いた圧迫と加熱によるヒートセットにより行うことが好ましい。このようにすることにより、膨出部40に、良好かつ確実に、軸方向に延びるしわ71を有する縮径形態に形状付けすることができる。
また、上記のヒートセットは、合成樹脂の軟化点付近もしくは軟化点から10度以下以内での加熱により行われていることが好ましい。このようにすることにより、膨出部の塑性変形に影響を与えることなく、確実に、軸方向に延びるしわを有する縮径形態に形状付けされる。
【0027】
先端側筒状部42は、ほぼ同一外径にて延びる短い筒状部であり、膨出部40より肉厚なものとなっている。先端側スリーブ部21は、ほぼ同一外径にて延び、かつ、膨出部40より肉厚なものとなっている。また、先端側筒状部42は、先端側スリーブ部21より外径が小径のものとなっており、内管3の先端部に固定されている。また、先端側筒状部42の最先端は、造影マーカー32の後端に位置するもしくは後端に到達することなく近接することが好ましい。また、先端側筒状部42は、造影マーカー32を被覆しないことが好ましい。内管3への先端側筒状部42の固定は、熱シールにより行うことが好ましい。
また、先端側スリーブ部21は、液体が注入されても、実質的に膨張しないものとなっている。また、先端側スリーブ部21は、その内面と内管3の内面間とによりバルーン膨張用ルーメン12の一部を形成している。
【0028】
バルーン部4を一体に有する外管部2の形成材料としては、所定以下の肉厚では弾性変形が可能であり、所定以上の肉厚では、弾性変形不能であり、かつ可撓性を有する熱可塑性合成樹脂が用いられる。具体的には、例えば、ポリウレタンおよびウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリアミドおよびアミド系エラストマー(例えば、ポリアミドエラストマー)、フッ素樹脂エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの合成樹脂エラストマーが好適である。特に、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(例えば、芳香族ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、脂肪族ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどが好ましい。ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの例としては、芳香族及び脂肪族熱可塑性エラストマーポリウレタンが挙げられる。また、バルーン部4を一体に有する外管部2の形成材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴムなどのゴム類も使用可能である。
【0029】
さらに、バルーン部4を一体に有する外管部2の形成材料としては、ガラス転移点が、0℃以下のものが好ましく、特に、−10℃以下のものが好ましい。軟化点(ビカット軟化点)が、70℃以上のもの好ましく、特に、80℃から130℃のものが好ましい。また、バルーン部4は、内管3より、可撓性、柔軟性が高いものとなっている。
バルーン部4としては、膨出部40の外径(成形形態復元時の外径)が、0.9〜2.1mmであることが好ましく、特に、0.9〜1.0mmであることが好ましく、また、膨張時外径(拡径可能外径)は、3.0〜15.0mmであることが好ましく、特に、4.0〜8.0mmであることが好ましい。また、膨出部40の長さは、3.5〜14.5mmであることが好ましく、特に好ましくは、4.0〜5.5mmである。また、膨出部の半径方向延伸度は、300〜900%であることが好ましく、軸方向延伸度は、200〜350%であることが好ましい。
【0030】
また、先端側筒状部42の外径は、0.6〜1.9mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜0.9mmであり、長さは1.0〜3.0mmであることが好ましく、特に好ましくは、1.5〜2.5mmである。また、先端側スリーブ部21の外径は、0.9〜2.1mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.9〜1.0mmである。
そして、先端側スリーブ部21の長さBは、バルーンの膨張可能部41の長さAの2.5倍以上であることが好ましい。特に、先端側スリーブ部21の長さBは、膨張可能部41の長さAの3倍以上6倍未満であることが好ましい。先端側スリーブ部21の長さBは、具体的には、10〜60mmであることが好ましい。特に、好ましくは、15〜45mmであり、特に好ましくは、20〜30mmである。なお、膨張可能部41の長さAは、先端側テーパー部73および後端側テーパー部72を含むものである。
【0031】
また、バルーン部4の膨出部40は、先端側筒状部42および先端側スリーブ部21より肉薄となっている。膨出部40の肉厚は、先端側スリーブ部21、先端側筒状部42より、0.03〜0.18mm肉薄であることが好ましく、特に0.04〜0.11mm肉薄であることが好ましい。また、先端側スリーブ部21,先端側筒状部42の肉厚は、0.07〜0.20mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.08〜0.15mmである。
そして、この実施例のカテーテル1では、バルーン部4は、軸方向に伸張された状態にて内管に固定されている。このため、図2に示すように、バルーン部4は、軸方向に若干延びた状態となっており、縮径形態に形状付けされた膨出部がより細径なものとなっている。
【0032】
そして、本発明のバルーンカテーテルは、内径が1.1mmのガイディングカテーテル内に挿入可能であることが好ましく、特に0.95mmのガイディングカテーテル内に挿入可能であることが好ましい。カテーテルをこのような細径のものとすることにより、より細径の体腔内(血管内)への挿入が可能となる、さらに、本発明のバルーンカテーテルは、内管内に、外径が0.36mmのガイドワイヤーを挿入可能であることが好ましく、特に0.53mmのガイドワイヤーを挿入可能であることが好ましい。このようにすることにより、ある程度の太さを持ち、十分な誘導機能を発揮しうるガイドワイヤーを使用することが可能となり、体腔(血管)内への挿入が容易となる。
【0033】
分岐ハブ5は、図4に示すように、第1のルーメン11と連通する第1の開口部54を有し、内管3の後端部に固着された内管ハブ52と、第2のルーメン12と連通しインジェクションポート53を形成する第2の開口部55を有し、外管部2の後端部に固着された外管ハブ51とを備え、外管ハブ51と内管ハブ52は、固着されている。外管ハブ51と内管ハブ52の固定は、外管部2の基端部に取り付けられた外管ハブ51の後端から内管3をその先端から挿入し接合することにより行われている。また、この分岐ハブ5では、外管部2の基端部および分岐ハブ5の先端部を被包する折曲がり防止用チューブ56が設けられている。インジェクションポート53は、外管ハブ51の側壁より延びる分岐ポート53aと、インジェクションポートハブ53bと、分岐ポート53aとインジェクションポートハブ53bとを接続する接続チューブ53cにより形成されている。分岐ハブの形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。また、接続チューブとしては、可撓性もしくは軟質の合成樹脂チューブが使用される。
【0034】
本発明のバルーンカテーテルを図9ないし22に示した実施例を用いて説明する。図9ないし22に示すバルーンカテーテル100,110,130,150,160,170では、外管部は、先端側スリーブ部120と、先端側スリーブ部120の後端部に先端部が固定された外管本体102とにより構成されている。
この実施例のバルーンカテーテル100は、第1のルーメン111を有する内管103と、内管103と同軸的に設けられ、内管103の先端より所定長後退した位置に先端を有し、内管103の外面との間に第2のルーメン112を形成する外管部と、先端部142が内管103に固定され、後端部144が外管部に固定され、内部が第2のルーメン112と連通する膨張可能なバルーン部104とを備える。
【0035】
そして、バルーン部104は、あらかじめ形成された膨張形成形態を有し、かつ、注入されるバルーン膨張用液体により、膨張可能なものとなっている。具体的には、バルーン部104は、塑性変形により形成された膨張形成形態を有する膨出部140と、膨出部140の先端側に形成され、膨出部140より小径かつ肉厚であり、実質的に膨張不能な先端側筒状部142を備えている。膨出部140の後端側は、膨出部140より小径かつ肉厚であり、実質的に膨張不能な外管部の先端側スリーブ部120となっている。膨出部140は、弾性変形可能部141を有する。弾性変形可能部141は、内圧を負荷することにより、弾性変形により伸張可能である。そして、この実施例のカテーテルでは、バルーン部104は、軸方向に延びるしわ171を有する縮径形態に形状付けされていることが好ましい。
【0036】
そして、バルーンカテーテル100は、バルーンの膨張可能部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A10と、先端側スリーブ部の後端部と外管本体の先端部との固定部における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A20が、A10<A20となっている。さらに、三点曲げ荷重値A10と三点曲げ荷重値A20の差が、50mN/mm以下、三点曲げ荷重値A10が、50mN/mm以下となっている。
なお、三点曲げ荷重値A10の測定部位は、バルーン部104の膨張可能部141かつ内管103がマーカーを持たない部位である。膨張可能部141の中央部に位置する部位に、マーカーが設けられていない場合には、中央部を測定部位とすることが好ましい。
また、本発明において、単位撓み当たりの三点曲げ荷重値は、上述した方法により測定される。
【0037】
この実施例のバルーンカテーテル100は、外管部と、内管103と、バルーン部104と、分岐ハブ105とにより形成されている。
内管103は、先端が開口した第1のルーメン111を有するチューブ体である。第1のルーメン111は、ガイドワイヤーの挿通、薬液等の注入などに使用される。そして、この実施例のバルーンカテーテル100では、内管103の第1のルーメン111は、分岐ハブ105に設けられた第1の開口部154と連通している。
内管103としては、外径が、0.6〜1.7mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.6〜0.7mmであり、内径が、0.4〜1.4mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.4〜0.5mmである。
そして、内管103は、外管部の内部に挿通され、その先端部が外管部より突出している。この内管103の外面と外管部の内面間により第2のルーメン(バルーン膨張用ルーメン)112が形成されており、十分な容積を有している。
【0038】
そして、内管103には、先端部(先端131より若干基端側、バルーン部104の先端部142付近)に造影マーカー132が固定されている。造影マーカーは、X線不透過材料(例えば、金、白金、タングステン若しくはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金、白金−イリジウム合金等)により形成することが好ましい。このようにすることにより、バルーンカテーテル100の先端部をX線造影により確認することができる。また、内管103には、剛性付与体135を設けてもよい。剛性付与体としては、金属線もしくは合成樹脂線により形成されたブレードが好ましい。そして、内管103に剛性付与体を設ける場合には、図11に示すように、先端部を除く全体に設けることが望ましい。具体的には、造影マーカー132より基端まで設けることが好ましい。
【0039】
また、この実施例のものでは、図9に示すように、内管103は、先端側より、柔軟な第1柔軟領域3aと、第1領域3aと連続し、柔軟であるが第1柔軟領域3aより硬度が高い第2柔軟領域3bと、第2柔軟領域3bと連続し、第2柔軟領域3bより硬度が高い第3領域3cを有している。特に、この実施例では、最も柔軟な第1柔軟領域3aは、図9に示すように、内管103の先端より、後端方向に延び、第1柔軟領域3aの後端は、後述する外管本体102と先端側スリーブ部120との帯状の傾斜環状固定部106を越え、所定長後端側に位置するものとなっている。第1領域3aの長さとしては、100〜350mmが好ましく、特に、200〜300mmが好ましい。
【0040】
また、第1領域3aにおける単位撓み当たりの三点曲げ荷重は、20〜75mN/mmであることが好ましい。また、第1柔軟領域3aと連続する第2柔軟領域3bの長さとしては、100〜350mmが好ましく、特に、200〜300mmが好ましい。また、第2領域3bにおける単位撓み当たりの三点曲げ荷重は、65〜105mN/mmであることが好ましく、第1柔軟領域より、10〜85mN/mm三点曲げ荷重が高いことが好ましい。また、第2柔軟領域3bと連続する第3領域3cの長さとしては、500〜1500mmが好ましく、特に、800〜1200mmが好ましい。また、第3領域3cにおける単位撓み当たりの三点曲げ荷重は、95〜320mN/mmであることが好ましく、第2領域3bより、30〜250mN/mm三点曲げ荷重が高いことが好ましい。
また、内管103は、外管の固定部付近となる部分が、内管の他の部分に比べて変形が容易な易変形性部分となっているものであってもよい。このような易変形部は、例えば、内管の外管の固定部付近となる部分のみ剛性付与体を設けないものとすること、内管の外管の固定部付近となる部分のみ肉薄のものとすることにより形成することができる。
【0041】
外管部は、内部に内管103を挿通するチューブ状のものである。第2のルーメン112の後端は分岐ハブ105に設けられた、バルーンを膨張させるための流体(例えば、バルーン膨張用液体、具体的は、血管造影剤)を注入するためのインジェクションポート153の第2の開口部155と連通している。
外管部は、先端側スリーブ部120と外管本体102により形成されている。
外管本体102としては、外径が、0.8〜2.0mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.8〜1.0mmであり、内径が、0.7〜1.9mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜0.8mmである。
外管部の先端側スリーブ部120は、液体が注入されても、実質的に膨張しないものとなっている。また、先端側スリーブ部120は、その内面と内管103の内面間とによりバルーン膨張用ルーメン112の一部を形成している。外管部の先端部にこのような所定長軸方向に延びる先端側スリーブ部120を設けることにより、当該部分は、外管本体102に比べて可撓性が高いため、変形しやすく、ロープロファイル化(生体内挿入時の細径化)が可能となり、より細径の体腔(例えば、血管)への挿入が容易となる。
【0042】
また、先端側スリーブ部120の外径は、0.9〜2.1mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.9〜1.0mmであり、長さは10〜60mmであることが好ましく、特に好ましくは、15〜30mmである。
そして、外管本体102の先端部は、外管本体の他の部分に比べて変形が容易な易変形性先端部となっていることが好ましい。この実施例では、外管本体102は、先端部に外管本体102の中心軸に対して斜めである傾斜先端面121を備えており、先端が柔軟なものとなっている。なお、図21および図22に示す実施例のように、外管本体102の先端部を肉薄先端部とすること、また、スリットを形成することなどにより、先端を柔軟なものとしてもよい。
【0043】
外管本体102および内管103の形成材料としては、ある程度の硬度とある程度の可撓性を有する材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、PTFE、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、さらには、オレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)、ポリウレタン、ウレタン系エラストマー、フッ素樹脂系エラストマーなどの合成樹脂エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴムなどのゴム類が使用される。
また、外管本体102にも、剛性付与体を設けてもよい。剛性付与体としては、金属線もしくは合成樹脂線により形成されたブレードが好ましい。
【0044】
バルーン部104の膨張可能部141は、注入される液体により、膨張し、血管内壁に密着可能である。具体的には、膨張可能部141は、バルーン膨張用液体の注入により、形状付けられた縮径形態より成形形態に復元し、さらに、伸張(膨張)可能である。このため、血管内壁に確実に密着し、かつ内壁に損傷を与えないものとなっている。特に、この実施例では、膨張可能部141は、ガラス転移点以上かつ軟化点未満の温度条件下にて、延伸することにより形成されている。そして、塑性変形している形態(成形形態)までは、抵抗なく膨張し、その後膨張は、注入されるバルーン膨張用液体の圧力に従って、弾性変形により膨張(伸張)し、圧力の低下により、弾性変形による膨張前の形態に復元する。
【0045】
また、膨張可能部141は、肉厚が、先端側筒状部142および外管部の先端側スリーブ部120より肉薄のものとなっている。そして、上述した先端側筒状部142および先端側スリーブ部120は、半径方向には、実質的に延伸されていない。そして、膨張可能部141の先端側部分173および後端側部分172は、膨張可能部141に向かって徐々に肉薄となる肉厚変化部となっている。さらに、膨張可能部141の先端側部分173,後端側部分172は、膨張可能部141の内側に倒れた形態に形状付けされていることが好ましい。このようにすることにより、膨張可能部141の立ち上がり部が、血管内での進行時、ガイディングカテーテルへの挿入時、収納時に障害となることを防止し、カテーテルの挿入操作が良好となる。
【0046】
膨張可能部141は、後述するように、形成材料である合成樹脂のガラス転移点以上かつ軟化点以下にて部分的に負荷された内圧による塑性変形により形成されていることが好ましい。さらに、膨張可能部141は、塑性変形により形成された形態より縮径した状態に形状付けされていることが好ましい。膨張可能部の形状付けは、熱収縮チューブを用いた圧迫と加熱によるヒートセットにより行うことが好ましい。このようにすることにより、膨張可能部141に、良好かつ確実に、軸方向に延びるしわ171を有する縮径形態に形状付けすることができる。
また、上記のヒートセットは、合成樹脂の軟化点付近もしくは軟化点から10度以下以内での加熱により行われていることが好ましい。このようにすることにより、膨張可能部の塑性変形に影響を与えることなく、確実に、軸方向に延びるしわを有する縮径形態に形状付けされる。
【0047】
先端側筒状部142は、ほぼ同一外径にて延びる短い筒状部であり、膨張可能部141より肉厚なものとなっている。そして、外管部の先端側スリーブ部120は、ほぼ同一外径にて延び、かつ、先端側筒状部142より軸方向に長い長さを有するものとなっており、かつ、膨張可能部141より肉厚なものとなっている。また、先端側筒状部142は、先端側スリーブ部120より外径が小径のものとなっており、内管103の先端部に固定されている。また、先端側筒状部142の最先端は、造影マーカー132の後端に位置するもしくは後端に到達することなく近接することが好ましい。また、先端側筒状部142は、造影マーカー132を被覆しないことが好ましい。内管103への先端側筒状部142の固定は、熱シールにより行うことが好ましい。
【0048】
バルーン部104および先端側スリーブ部120の形成材料としては、弾性を有する熱可塑性合成樹脂が用いられる。具体的には、例えば、ポリウレタンおよびウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリアミドおよびアミド系エラストマー(例えば、ポリアミドエラストマー)、フッ素樹脂エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの合成樹脂エラストマーが好適である。特に、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(例えば、芳香族ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、脂肪族ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどが好ましい。ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの例としては、芳香族及び脂肪族熱可塑性エラストマーポリウレタンが挙げられる。
【0049】
さらに、バルーン部104および先端側スリーブ部120の形成材料としては、ガラス転移点が、0℃以下のものが好ましく、特に、−10℃以下のものが好ましい。軟化点(ビカット軟化点)が、70℃以上のもの好ましく、特に、80℃から130℃のものが好ましい。また、バルーン部104は、外管部の先端側スリーブ部120より、可撓性、柔軟性が高いものとなっている。特に、バルーン部104は、内管103および先端側スリーブ部120より、可撓性および柔軟性が高いものが好ましい。
そして、この実施例のバルーン部104では、先端側筒状部142の膨張可能部側端部および先端側スリーブ部120の膨張可能部側端部174は、小径となっている。さらに、先端側スリーブ部120は、先端側筒状部の軸方向長より長く後端部方向に延びるものとなっていることが好ましい。このようにすることにより、バルーンの全長が長くなり、カテーテルの先端側部分に、長いロープロファイル部分を形成することができる。
【0050】
特に、この実施例のバルーン部104は、図10および図11に示すように、先端側スリーブ部120は、後端部方向に所定長延びる膨張不能な筒状部(言い換えれば、スリーブ部)を有するものとなっている。そして、先端側スリーブ部120は、筒状部の中心軸に対して斜めである傾斜後端面145を備える。外管部の先端側スリーブ部120と後述する外管本体102の先端部とは、外管本体102の中心軸に対して傾斜し、かつ気密に形成された帯状の傾斜環状固定部106により固定されている。
【0051】
バルーン部104としては、膨張可能部141の外径(成形形態復元時の外径)が、0.9〜2.1mmであることが好ましく、特に、0.9〜1.0mmであることが好ましく、また、膨張時外径(拡径可能外径)は、3.0〜15.0mmであることが好ましく、特に、4.0〜8.0mmであることが好ましい。また、膨張可能部141の長さは、3.5〜14.5mmであることが好ましく、特に好ましくは、4.0〜5.5mmである。また、膨張可能部の半径方向延伸度は、300〜900%であることが好ましく、軸方向延伸度は、200〜350%であることが好ましい。
また、先端側筒状部142の外径は、0.6〜1.9mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜0.9mmであり、長さは1.0〜3.0mmであることが好ましく、特に好ましくは、1.5〜2.5mmである。
【0052】
また、バルーン部104の膨張可能部141は、先端側筒状部142および先端側スリーブ部120より肉薄となっている。膨張可能部141の肉厚は、先端側スリーブ部120、先端側筒状部142より、0.03〜0.18mm肉薄であることが好ましく、特に0.04〜0.11mm肉薄であることが好ましい。また、先端側スリーブ部120,先端側筒状部142の肉厚は、0.07〜0.20mmであることが好ましく、特に好ましくは、0.08〜0.15mmである。
そして、この実施例のカテーテル100では、バルーン部104は、軸方向に伸張された状態にてシャフト部に固定されている。このため、図10および図11に示すように、バルーン部104は、軸方向に若干延びた状態となっており、縮径形態に形状付けされた膨張可能部がより細径なものとなっている。
【0053】
そして、本発明のバルーンカテーテル100では、バルーンの膨張可能部分(図10および図11のP10、この例では、マーカーが位置しない膨張可能部の中央部)における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A10と、先端側スリーブ部の後端部と外管本体の先端部との固定部(図10および図11のP20)における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A20が、A10<A20となっている。さらに、三点曲げ荷重値A10(図10および図11のP10)と三点曲げ荷重値A20(図10および図11のP20)の差が、50mN/mm以下となっている。
そして、本発明のバルーンカテーテルでは、上述したように三点曲げ荷重値A20が、A10<A20でありかつA10とA20の差が、50mN/mm以下であることの両者を備えている。このため、カテーテルの先端から先端側スリーブ部と外管本体との固定部を含む先端部領域において、先端側から後端側に向かって段階的に可撓性が低く、言い換えれば、段階的に硬くなるものとなっている。このため、先端部分(可撓性変化領域)におけるキンクの発生が少なく、さらに、可撓性が変化する先端部分(可撓性変化領域)における可撓性(硬度)差が少ないため、血管の湾曲部の通過性が高いものとなる。よって、本発明のバルーンカテーテルは、体腔内への挿入操作性に優れたものとなっている。
【0054】
そして、三点曲げ荷重値A10(図10および図11のP10)は、50mN/mm以下であることが好ましい。特に、A10は、50mN/mm以下であることが好ましい。三点曲げ荷重値A20(図10および図11のP20)は、100mN/mm以下であることが好ましい。また、図10および図11のP10と図10および図11のP20間に位置する外管部の先端側スリーブ部120における三点曲げ荷重値は、A10より大きくかつA30より小さいことが好ましい。このようなものであれば、よりキンク発生が少なく、かつ、血管の湾曲部の通過性が高いものとなる。
【0055】
また、外管本体102の固定部106より基端側の部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A30(図10および図11のP30)は、三点曲げ荷重値A20(図10および図11のP20)より大きいことが好ましい。さらに、三点曲げ荷重値A30(図10および図11のP30)と三点曲げ荷重値A20(図10および図11のP20)の差は、300mN/mm以下であることが好ましい。このようなものとすることにより、カテーテルの先端から外管本体の先端部分までの先端部領域において、先端側から後端側に向かって段階的に可撓性が低く、言いかえれば、段階的に硬くなるものとなる。これにより、外管本体の先端部を含む先端部領域におけるキンクの発生が少ないものとなる。さらに、外管本体102の固定部106より基端側の部分は、ある程度の硬さを有するため、カテーテルの基部にて与えた押し込み力の伝達性も良好なものとなる。
【0056】
そして、三点曲げ荷重値A30(図10および図11のP30)は、350mN/mm以下であることが好ましい。また、A20とA30の差は、300mN/mm以下であることが好ましい。
そして、本発明のバルーンカテーテルは、内径が1.1mmのガイディングカテーテル内に挿入可能であることが好ましく、特に0.95mmのガイディングカテーテル内に挿入可能であることが好ましい。本発明のバルーンカテーテルは、上述したように三点曲げ荷重値A20が、A10<A20でありかつA10とA20の差が、50mN/mm以下であることの両者を備えている。このため、細径のバルーンカテーテルとしても十分な挿入操作性を備える。また、カテーテルをこのような細径のものとすることにより、より細径の体腔内(血管内)への挿入が可能となる、さらに、本発明のバルーンカテーテルは、内管内に、外径が0.36mmのガイドワイヤーを挿入可能であることが好ましく、特に0.53mmのガイドワイヤーを挿入可能であることが好ましい。このようにすることにより、ある程度の太さを持ち、十分な誘導機能を発揮しうるガイドワイヤーを使用することが可能となり、体腔(血管)内への挿入が容易となる。
【0057】
そして、この実施例のバルーンカテーテルでは、先端側スリーブ部120の後端と外管本体102の先端部とを接合する固定部106は、傾斜環状固定部(言い換えれば、傾斜環状接合部)となっている。そして、三点曲げ荷重値A20(図10および図11のP20)は、傾斜環状固定部における硬度である。言い換えれば、環状固定部の中央部分を加圧棒により垂直方向に荷重を加えたときの荷重値である。
図13ないし15を用いて、この実施例のバルーンカテーテルにおける先端側スリーブ部120と外管本体102の先端部とを接合する傾斜環状固定部106について説明する。
【0058】
上述したように、外管本体102の先端部は、外管本体102の中心軸に対して斜めである傾斜先端面121を備え、バルーン部104は、後端部144に先端側スリーブ部120の中心軸に対して斜めである傾斜後端面145を備えている。そして、外管本体102の先端部と先端側スリーブ部120の後端は、バルーンカテーテルの軸方向に重なり合う部分を有している。さらに、この外管本体102の先端部と先端側スリーブ部120の後端部の重なり合う部分に設けられ、外管本体102の中心軸に対して傾斜し、かつ気密に形成された帯状の傾斜環状固定部106を備えている。外管本体102とバルーン部104は、この傾斜環状固定部106により固定されている。外管部の先端側スリーブ部120は、外管本体102の先端部より、可撓性、柔軟性が高いものであるので、傾斜環状固定部106の形成部位は、後端側から先端側に向かって可撓性、柔軟性が高いものとなる。したがって、外管本体102の先端部付近での急激な物性変化点が形成されず、キンクの発生を防止するとともに、良好な変形性を有している。
【0059】
特に、この実施例のバルーンカテーテル100では、先端側スリーブ部120の後端は、拡径部(言い換えれば、傾斜拡径部、傾斜膨張可能部)となっており、その後端面145が、先端側スリーブ部120(外管本体102)の中心軸に対して、所定角度傾斜した傾斜後端面となっている。また、拡径した後端部144内に、外管本体102の先端部が進入し、この進入部分が、外管本体102の先端部と先端側スリーブ部120の後端部の重なり合う部分を形成している。また、外管本体102は、外管部の先端側スリーブ部120とほぼ同じ外径となっており、先端側スリーブ部120の後端が膨出した状態となっている。
【0060】
そして、この実施例のバルーンカテーテル100では、図14に示すように、先端側スリーブ部120の傾斜後端面145と外管本体102の傾斜先端面121は、ほぼ平行もしくは外管の中心軸に対する傾斜角度の相違が、44度以下、好ましくは20度以下となっている。図14に示すもののように、先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端側スリーブ部120(外管本体102)の中心軸に対する傾斜角度Cより、外管本体102の傾斜先端面121の外管本体102の中心軸に対する傾斜角度Dが、大きいことが好ましい。そして、先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端側スリーブ部120(外管本体102)の中心軸に対する傾斜角度Cは、20度〜30度が好ましく、特に、22度〜28度が好ましい。また、外管本体102の傾斜先端面121の外管本体102の中心軸に対する傾斜角度Dは、30度〜45度が好ましく、特に、35度〜43度が好ましい。
【0061】
そして、先端側スリーブ部120の拡径した後端部144内に進入した外管本体102の先端部は、バルーン部104に気密に固着されており、帯状の傾斜環状固定部106を形成している。傾斜環状固定部106は、環状固着部161を有している。環状固着部161は、傾斜環状固定部106の外管本体102の先端部の外面と接触する先端側スリーブ部120の基端部144の内面の全体に形成されている。なお、後述するように、両者間の気密性に影響を与えない非固着部を有していてもよい。
環状固着部161は、ほぼ同じ幅もしく後端に向かって徐々に幅が広くなっていることが好ましい。この実施例のバルーンカテーテル100では、図14に示すように、環状固着部161は、後端に向かって徐々に幅が広くなっている。
【0062】
また、図14に示すバルーンカテーテル100では、外管本体102の傾斜先端面121の先端122と先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端146とを結ぶ仮想線は、外管本体102の中心軸とほぼ平行となっている。つまり、先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端146の先端方向のほぼ前方に外管本体102の傾斜先端面121の先端122が位置している。同様に、外管本体102の傾斜先端面121の後端123と先端側スリーブ部120の傾斜後端面146の後端147とを結ぶ仮想線は、外管本体102の中心軸とほぼ平行となっている。つまり、先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の後端147の先端方向のほぼ前方に外管本体102の傾斜先端面121の後端123が位置している。このため、環状固着部161には、幅が狭い部分が形成されない。
【0063】
さらに、この実施例では、先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端146は、外管本体102の傾斜先端面121の後端123より、先端側に位置している。このため、傾斜環状固定部106は、継続的に物性が変化するものとなっている。外管部の先端側スリーブ部120は、外管本体102の先端部より、可撓性、柔軟性が高いものであるので、傾斜環状固定部106の形成部位は、後端側から先端側に向かって可撓性、柔軟性が徐々に高いものとなる。特に、この実施例の傾斜環状固定部106では、後端側より、先端側スリーブ部120の後端部144が外管本体102の先端部を被包する部分が増加し、外管本体102の傾斜先端面121の後端123を越えると、先端側スリーブ部120の後端は、軸方向に直交する断面の断面積の増加は継続するものの外管本体102の先端部の軸方向に直交する断面の断面積は減少する。そして、先端側スリーブ部120の後端の傾斜面145の先端146において、先端側スリーブ部120の後端部144の断面が、環状となり、その前方にて、さらに、外管本体102の先端部は、断面積が減少し、先端122にて終端している。つまり、この実施例のものでは、傾斜環状固定部106はその全体において、外管本体102の中心軸に直交する切断面において、先端側スリーブ部120の後端部と外管本体102の先端部が、ともに環状である部分を持たないものとなっている。
【0064】
そして、図14における外管本体102の先端122と先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端146間の距離Oは、0.5〜2.0mmであることが好ましく、特に、0.6〜1.5mmであることが好ましい。また、外管本体102の傾斜先端面121の後端123と先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の後端147間の距離Nは、0.5〜4.0mmであることが好ましく、特に、0.6〜1.0mmであることが好ましい。また、傾斜環状固定部106の軸方向長L(言い換えれば、外管本体102の先端122と先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の後端147間の距離L)は、2.0〜8.0mmであることが好ましく、特に、2.3〜3.5mmであることが好ましい。また、外管本体102の傾斜先端面121の後端123と先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端146間の距離Mは、0.6〜2.5mmであることが好ましく、特に、0.8〜1.5mmであることが好ましい。
なお、外管本体102の傾斜先端面121の後端123と先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端146間の距離Mは0、すなわち、図15に示す実施例のように、外管本体102の傾斜先端面121の後端123と先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端146が、外管本体102の軸方向の同じ位置に位置するものであってもよい。外管本体102の傾斜先端面121の後端123は、先端側スリーブ部120の傾斜後端面145の先端146より、先端側に位置しないことが好ましい。
【0065】
また、傾斜環状固定部106は、例えば、図15に示すように、先端側スリーブ部120の後端内に、外管本体102の先端部を挿入した後、重なっている部分及びその前後約2mmに熱収縮チューブを被嵌し、熱収縮チューブの上から熱型7により、外面より加熱することにより、両者を融着することにより、形成される。そして、外管本体102の傾斜先端面の外縁は、溶融によりエッジのない丸みを帯びたものとなっている。また、この融着工程において、図15に示すように、外管本体102の傾斜先端面121の先端部が、直接加熱されないよう行ってもよい。このようにすることにより、外管本体102の先端に先端側スリーブ部120の後端との非融着部176もしくは弱融着部を形成することができる。このような弱融着部を形成することにより、言い換えれば、外管本体102が存在しない部分(重なっていない部分)の先端側スリーブ部120の後端が、熱収縮チューブにより加熱圧縮されることがなく、シール部に薄肉部が形成されることを防止する。
【0066】
また、先端側スリーブ部120の後端と外管本体102の先端部との接合形態は、上述したものに限定されるものではなく、図16および図17に示す実施例のバルーンカテーテル110が備えるタイプのものであってもよい。
この実施例のバルーンカテーテル110では、外管本体102の先端部は、傾斜小径部125となっており、その先端に傾斜先端面121が形成されている。また、先端側スリーブ部120の後端の外径は、外管本体102の傾斜小径部より基端側の外管本体部の外径とほぼ同じものとなっている。そして、外管本体102の傾斜小径部が、先端側スリーブ部120の傾斜後端部144内に挿入され、固定されることにより、傾斜環状固定部106aが形成されている。そして、このバルーンカテーテル110では、先端側スリーブ部120の後端部分が、傾斜膨張可能部となっているが、それより後端側は、外管本体102の後端部までほぼ同一外径で延びるものとなっている。また、先端側スリーブ部120の後端と外管本体102の先端部との接合形態は、図18および図19に示す実施例のバルーンカテーテル130が備えるタイプのものであってもよい。
【0067】
この実施例のバルーンカテーテル130では、先端側スリーブ部120の後端は、傾斜拡径部となっておらず、先端側スリーブ部120がそのまま延長し、斜めに終端することにより形成されている。そして、外管本体102の先端部は、傾斜小径部125とそれに続く、肉厚部124を備えている。そして、傾斜小径部125の先端に傾斜先端面121が形成されている。また、外管本体102の傾斜小径部より基端側の外管本体部の外径は、外管部の先端側スリーブ部120および後端部の外径とほぼ同じものとなっている。そして、外管本体102の傾斜小径部125が、先端側スリーブ部120の傾斜後端部内に挿入され、固定されることにより、傾斜環状固定部106bが形成されている。そして、このバルーンカテーテル130では、先端側スリーブ部120の膨張可能部141より後端側は、外管本体102の後端部までほぼ同一外径で延びるものとなっている。そして、このカテーテル130においても、外面に露出するバルーン部104と外管本体102の接合端に段差を持たないものとなっている。
なお、図20に示すバルーンカテーテル150のように、外管本体102は、全体の内径が、傾斜小径部125の内径にて、後端部まで延びるものであってもよい。この実施例のバルーンカテーテル150においても、外管本体102の傾斜先端部が、先端側スリーブ部120の傾斜後端部内に挿入され、固定されることにより、傾斜環状固定部106cが形成されている。
【0068】
また、先端側スリーブ部120の後端と外管本体102の先端部との接合形態は、上述したものに限定されるものではなく、図21に示す実施例のバルーンカテーテル160が備えるタイプのものであってもよい。
この実施例のバルーンカテーテル160では、外管本体102の先端部は、肉薄小径部127となっており、かつ、上述した実施例のような傾斜部とはなっていない。この実施例においても、外管の先端部は、外管の他の部分に比べて変形が容易な易変形性先端部となっている。
また、先端側スリーブ部120の後端の内径は、外管本体102の肉薄小径部127の外径とほぼ同じものとなっている。そして、外管本体102の肉薄小径部127が、先端側スリーブ部120の後端内に挿入され、固定されることにより、環状固定部106fが形成されている。そして、このバルーンカテーテル160では、先端側スリーブ部120の後端部分が、拡径部となっており、外管本体102の肉薄小径部127を被覆している。また、先端側スリーブ部120の後端の外径は、外管本体102の肉薄小径部127より後端側部分の外径とほぼ同じものとなっている。そして、カテーテル160の外面に露出する先端側スリーブ部120の後端と外管本体102の接合端間に段差および隙間を持たないものとなっている。
【0069】
また、先端側スリーブ部120の後端と外管本体102の先端部との接合形態は、図22に示す実施例のバルーンカテーテル170が備えるタイプのものであってもよい。
この実施例のバルーンカテーテル170では、上述したバルーンカテーテル160と同様に、外管本体102の先端部は、肉薄小径部127となっており、かつ、上述した実施例のような傾斜部とはなっていない。この実施例においても、外管の先端部は、外管の他の部分に比べて変形が容易な易変形性先端部となっている
また、先端側スリーブ部120の後端は、上述したバルーンカテーテル160と異なり、拡径部となっていない。このため、外管部の先端側スリーブ部120は、全体がほぼ同じ内径および外径にて延びるものとなっている。そして、外管本体102の先端部の肉薄小径部127の外径は、外管部の先端側スリーブ部120の内径とほぼ同じものとなっている。
そして、外管本体102の肉薄小径部127が、先端側スリーブ部120の後端内に挿入され、固定されることにより、環状固定部106gが形成されている。そして、カテーテル170の外面に露出するバルーン部104と外管本体102の接合端に段差を持たないものとなっている。
【0070】
分岐ハブ105は、図12に示すように、第1のルーメン111と連通する第1の開口部154を有し、内管103の後端部に固着された内管ハブ152と、第2のルーメン112と連通しインジェクションポート153を形成する第2の開口部155を有し、外管本体102の後端部に固着された外管ハブ151とを備え、外管ハブ151と内管ハブ152は、固着されている。外管ハブ151と内管ハブ152の固定は、外管本体102の基端部に取り付けられた外管ハブ151の後端から内管103をその先端から挿入し接合することにより行われている。また、この分岐ハブ105では、外管本体102の基端部および分岐ハブ105の先端部を被包する折曲がり防止用チューブ156が設けられている。インジェクションポート153は、外管ハブ151の側壁より延びる分岐ポート153aと、インジェクションポートハブ153bと、分岐ポート153aとインジェクションポートハブ153bとを接続する接続チューブ153cにより形成されている。分岐ハブの形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。また、接続チューブとしては、可撓性もしくは軟質の合成樹脂チューブが使用される。
【0071】
なお、バルーンカテーテルの構造は、上記のようなものに限定されるものではなく、バルーンカテーテルの中間部分(傾斜環状固定部106より後端側)にガイドワイヤールーメンと連通するガイドワイヤー挿入口を有するものであってもよい。
そして、本発明のバルーンカテーテルは、血管閉塞機能付薬剤投与用カテーテルに応用されることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明のバルーンカテーテルは、以下のものである。
(1) 第1のルーメンを有する内管と、前記内管と同軸的に設けられ、前記内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管部と、先端部が前記内管の先端部に固定され、内部が前記第2のルーメンと連通するバルーン部とを備えるバルーンカテーテルであって、前記バルーン部は、あらかじめ形成された膨張形成形態を有する膨出部を有し、さらに、注入されるバルーン膨張用液体により、前記膨張形成形態を越えて、弾性変形可能であり、前記外管部は、前記バルーン部の前記膨出部の後端部より基端方向に延び、前記バルーン部と同一材料により一体に形成され、かつ、実質的に膨張不能な先端側スリーブ部と、前記先端側スリーブ部の後端部に先端部が固定された外管本体を備え、前記先端側スリーブ部は、前記外管本体の先端部より、可撓性が高いものとなっており、前記外管本体の先端部は、前記外管本体の中心軸に対して斜めである傾斜先端面を備え、前記先端側スリーブ部は、前記外管本体の中心軸に対して、所定角度傾斜した傾斜後端面を有する後端部を備え、さらに、前記外管本体の前記先端部と前記先端側スリーブ部の前記後端部は、前記バルーンカテーテルの軸方向に重なり合う部分を有し、かつ、前記重なり合う部分に設けられ、前記外管本体の中心軸に対して傾斜し、かつ気密に形成された帯状の傾斜環状固定部を有するバルーンカテーテル。
特に、バルーン部が、あらかじめ形成された膨張形成形態を有するものであり、膨張形成形態までは、きわめて低い液体の注入圧にて膨張し、さらなる液体の注入により、膨張形成形態を越えて、弾性変形可能であるため、確実に血管内壁に密着し、血管を閉塞することができる。さらに、外管部が、バルーン部と一体に形成された先端側スリーブ部を有するため、カテーテルの先端から外管の先端側スリーブ部までの領域(先端側領域)における物性の急激な変化がなく、先端側領域内でのキンク発生が少なく、かつ、良好な屈曲部通過性を有する。さらに、バルーン部は、弾性変形可能であるが、外管部の先端側スリーブ部は、実質的に膨張不能なものであるため、バルーン膨張時に先端側スリーブ部が拡径することがなく、カテーテルの操作性の低下もない。
【0073】
そして、本発明の実施態様は、以下のものであってもよい。
(2) 前記先端側スリーブ部の前記傾斜後端面を有する後端部内に、前記外管本体の前記傾斜先端面を有する先端部が進入することにより、前記外管本体の先端部と前記先端側スリーブ部の後端部の前記重なり合う部分を形成している上記(1)に記載のバルーンカテーテル。
(3) 前記先端側スリーブ部の前記傾斜後端面の前記外管本体の中心軸に対する傾斜角度Cより、前記外管本体の前記傾斜先端面の前記外管本体の中心軸に対する傾斜角度Dが、大きいものとなっている上記(1)または(2)に記載のバルーンカテーテル。
(4) 前記バルーン部の膨出部は、弾性変形可能部と、前記弾性変形可能部より先端側に設けられ、先端側に向かって縮径するとともに、実質的に弾性変形不能な先端側テーパー部と、前記弾性変形可能部より後端側に設けられ、後端側に向かって縮径するとともに、実質的に弾性変形不能な後端側テーパー部とを備えている上記(1)ないし()のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【0074】
(5) 前記バルーンカテーテルは、血管閉塞用バルーンカテーテルである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
(6) 前記バルーン部の前記先端側テーパー部は、先端方向に向かって徐々に肉厚となる肉厚変化部となっており、前記後端側テーパー部は、後端方向に向かって徐々に肉厚となる肉厚変化部となっている上記(4)または(5)に記載のバルーンカテーテル。
(7) 前記バルーンカテーテルは、前記バルーン部の前記膨出部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A1と、前記先端側スリーブ部部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A2と、前記外管本体の先端側部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A3が、A1<A2<A3であって、前記三点曲げ荷重値A1と前記三点曲げ荷重値A3の差が、300mN/mm以下であり、かつ、前記三点曲げ荷重値A1は、50mN/mm以下である上記()ないし(6)のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【0075】
(8) 前記バルーンカテーテルは、前記バルーン部の前記膨出部分における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A1と、前記先端側スリーブ部と前記外管本体との境界部における単位撓み当たりの三点曲げ荷重値A4が、A1<A4であって、前記三点曲げ荷重値A1と前記三点曲げ荷重値A4の差が、50mN/mm以下であり、かつ、前記三点曲げ荷重値A1は、50mN/mm以下である上記()ないし(7)のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
(9) 前記三点曲げ荷重値A2は、100mN/mm以下である上記(7)または(8)に記載のバルーンカテーテル。
【0076】
(10) 前記三点曲げ荷重値A1は、40mN/mm以下である上記(7)ないし(9)のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
(11) 前記外管部の前記先端側スリーブ部の長さは、前記バルーン部の前記膨出部の長さの2.5倍以上である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
(12) 前記バルーンカテーテルは、内径が1.1mmのガイディングカテーテル内に挿入可能であり、かつ、前記内管内に、0.53mmのガイドワイヤーを挿入可能である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
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