(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の回胴を含むリールユニットと、前記複数の回胴をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数の回胴の回転を開始させるためのスタートスイッチと、前記複数のモータにそれぞれ駆動信号を与えて前記複数の回胴を回転させる回胴制御手段と、前記スタートスイッチからのスタート信号に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段とを備え、
少なくとも、前記内部抽選の結果に基づき前記回胴の動作態様により所定の報知を行う回胴演出を行う遊技機において、
前記複数のモータは、それぞれ、固定子として、少なくとも第1巻線、第2巻線、第3巻線及び第4巻線を備えるステッピングモータであり、
前記回胴演出は、前記回胴制御手段が前記モータの前記第1巻線乃至第4巻線のうちのいずれかを予め定められた順番で励磁して前記回胴を一方向へ動かすとともに前記第1巻線乃至第4巻線のうちのいずれかを異なる順番で励磁して前記回胴を他方向へ動かすことを繰り返すことにより振動する演出であり、
前記回胴制御手段は、
前記回胴演出の前に、前記第1巻線乃至第4巻線のうち二つを予め定められた第1時間励磁する第1ステップと、前記第1巻線乃至第4巻線のうち一つ又は二つを予め定められた第2時間順番に励磁する第2ステップとを備える予備動作処理を行い、前記回胴演出に係る振動の振幅よりも小さな振幅の予備動作を行わせ、
前記予備動作処理の後に、前記第1巻線乃至第4巻線のうち一つ又は二つを予め定められた第3時間順番に励磁することにより前記回胴演出を行い、
前記第1時間、前記第2時間及び前記第3時間について、第1時間>第2時間≧第3時間の関係が成立していることを特徴とする遊技機。
前記予備動作処理の前記第2ステップにおいて、前記第1ステップで励磁された前記巻線の一方を初期位置として、前記初期位置から順番に一つ又は二つの前記巻線を順番に励磁し、
前記回胴演出において、前記予備動作処理の前記第2ステップにおいて最後に励磁された前記巻線を終了位置として、前記終了位置から順番に一つ又は二つの前記巻線を順番に励磁することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
複数の回胴を含むリールユニットと、前記複数の回胴をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数の回胴の回転を開始させるためのスタートスイッチと、前記複数のモータにそれぞれ駆動信号を与えて前記複数の回胴を回転させる回胴制御手段と、前記スタートスイッチからのスタート信号に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段とを備え、
少なくとも、前記内部抽選の結果に基づき前記回胴の動作態様により所定の報知を行う回胴演出を行う遊技機において、
前記複数のモータは、それぞれ、固定子として、少なくとも第1巻線、第2巻線、第3巻線及び第4巻線を備えるステッピングモータであり、
前記回胴演出は、前記回胴制御手段が前記モータの前記第1巻線乃至第4巻線のうちのいずれかを予め定められた順番で励磁して前記回胴を一方向へ動かすとともに前記第1巻線乃至第4巻線のうちのいずれかを異なる順番で励磁して前記回胴を他方向へ動かすことを繰り返すことにより振動する演出であり、
前記回胴制御手段は、
前記回胴演出の前に、
前記第1巻線乃至第4巻線のうち二つを予め定められた第1時間励磁する第1ステップと、
前記第1巻線乃至第4巻線のうち一つ又は二つと、前記第1巻線乃至第4巻線のうち一つ又は二つとを予め定められた第2時間順番に励磁する第2ステップと
を備える予備動作処理を行い、前記回胴演出に係る振動の振幅よりも小さな振幅の予備動作を行わせ、
前記予備動作処理の後に、
前記第1巻線乃至第4巻線のうち一つ又は二つと、前記第1巻線乃至第4巻線のうち一つ又は二つとを予め定められた第3時間順番に励磁することにより前記回胴演出を行い、
前記第1時間、前記第2時間及び前記第3時間について、第1時間>第2時間≧第3時間の関係が成立していることを特徴とする遊技機。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数の回胴を備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数の回胴の回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数の回胴を停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数の回胴が停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄の組み合わせによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
また、スロットマシンの中には、内部当選を報知する際に回胴を動かすものがある。通常、回胴はスタートスイッチの押下による遊技の開始で回転し、ストップボタンの押下で停止するものであるが、回胴による演出機能を備えるスロットマシンでは、スタートスイッチ押下からストップボタン押下までの期間、より正確に言えばスタートスイッチ押下から回胴が定常回転になるまでの期間において、各回胴を不規則に上下に動かすなどの特殊な動作を行うことで、内部当選を報知することがある。通常遊技における回胴の動きは一方向かつ一定速度の規則的なものであるから、演出による回胴の動きとは容易に区別することができる。このような回胴の動作は、回胴演出と呼ばれる。
【0004】
遊技機の回胴を回転させるためのモータとして、固定子として4相の巻線(コイル)を備えるステッピングモータが使用されている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。各巻線に順番に電流を流すとモータは電流の流された巻線に従って回転し、逆の順番に電流を流すとモータは逆回転する。以下の説明において、巻線に電流を流すことを「励磁」と表記する。
【0005】
図11及び
図14を参照してモータを回転させるための励磁の手順について説明を加える。なお、
図11及び
図14の見方については、後述の
図5の説明も参照されたい。
【0006】
図14は、スタートスイッチの押下により遊技を開始する際における励磁の手順、すなわち通常遊技における回胴の回転のための励磁の手順を示す。
図14の○印で示すように4つの巻線のうち一つ又は二つを、第4巻線から第1巻線の順番に予め定められた時間を単位として励磁する。第1巻線の励磁の次は第4巻線の励磁に戻る。
図14では時間=1単位時間となっているが、例えば、1単位時間=1.5msである。通常遊技における回胴の回転は一方向かつ一定速度であるので、ストップボタンの押下により(あるいは所定時間経過したことにより)回胴が停止するまで、
図14の励磁が繰り返される。
【0007】
図11(a)及び(b)は、回胴演出における励磁の手順を示す。
図11(a)は、通常遊技における回胴の回転とは反対側へ回転させるための励磁の手順であり、
図11(b)は、通常遊技における回胴の回転と同じ方向へ回転させるための励磁の手順である。
図11(a)及び(b)においても○印で示すように4つの巻線のうち一つ又は二つを、第1巻線から第4巻線の順番、又は、第4巻線から第1巻線の順番に予め定められた時間を単位として励磁する。
図11(a)の励磁が所定時間繰り返されると、
図11(b)の励磁が所定時間繰り返される。回胴演出においてはこれらの励磁が所定回数繰り返される。
図11(a)及び(b)では時間=2単位時間となっているが、例えば、2単位時間=3msである。励磁の時間が長いと回転速度は低くなる。上記例では、回胴演出時の回転速度は、通常遊技における回転速度の半分である。
【0008】
回胴演出における回胴の動きについて、
図15を参照して説明を加える。この図はひとつの回胴についてその速度変化を測定したグラフである。
【0009】
横軸は時間でありその格子のひとつの幅は200msである。
図15(a)のt2’はt1’から200ms経過した時刻である。t3’、t4’についても同様である。t0’が回胴演出の開始タイミング(回胴演出を行うために巻線に電流を流すこと、励磁を開始したタイミング)である。なお、測定を開始する前(t0’以前)に回胴を測定位置に戻す処理、いわば測定の準備処理を行っている。txから始まっている動きがその処理に対応しており、これは回胴演出とは無関係である。以後、もっぱらt0’以降の動作について説明を加える。
【0010】
縦軸は回胴の速度である。+方向(グラフの上方向)が通常遊技における回胴の回転方向の動きに対応し、−方向(グラフの下方向)がその反対の方向(遊技者から見て上方向)の動きに対応する。
【0011】
図15(a)からわかるように、まず
図11(a)の励磁が行われ回胴は−方向へ動き、その後
図11(b)の励磁が行われ+方向へ動く。このような回転方向が頻繁に切り替わる、いわば回胴が振動するような動きが回胴演出のひとつである。図の例ではその周期は約60msである。また上下がほぼ対称(グラフの+の面積と−の面積がほぼ等しい)であるので、回胴は同じ図柄を中心に振動することになる。通常遊技における回胴の動きは一方向かつ一定速度の規則的なものであるから、
図15(a)に示す回胴の動きは、通常遊技の動きと容易に区別することができる。
【0012】
図15(a)の動きを行わせるためには、各巻線に一定時間(例えば約30ms)通常遊技とは反対の順番で各巻線に電流を流し、その後一定時間通常遊技と同じ順番で各巻線に電流を流し、そしてこれらを繰り返すようにする。巻線の切り替え時間(言い換えればひとつの巻線に電流を流す時間)により回転速度を調節することができる。上記のように、回胴演出における回転速度を通常遊技における回転速度の半分にする場合には、回胴演出における巻線の切り替え時間を通常遊技における巻線の切り替え時間の2倍にすればよい。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、
図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0029】
図1及び
図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、
図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、
図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0030】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴(第1回胴40a〜第3回胴40c)のそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の右側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
【0031】
スロットマシン本体120の内部には、
図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴40a、40b、40cからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴40a、40b、40cを備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回胴40a、40b、40cの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の上側のリールユニット203との間には電源部205が設けられている。
【0032】
前記前扉130の裏面には、
図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0033】
また、メダルセレクタ1の下側には、
図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0034】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
【0035】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0036】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴40a、40b、40cの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROM及び処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0037】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROM及び処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0038】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134、ストップボタン140、リールユニット203の回胴位置検出器159とステッピングモータ155、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
【0039】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0040】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0041】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0042】
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴40a〜第3回胴40cの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴40a〜第3回胴40cの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態及びボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0043】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0044】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本発明の実施の形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0045】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0046】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、及びビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、及びボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0047】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0048】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0049】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)及びビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナス及びビッグボーナス以外の役(小役及びリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0050】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、及びリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0051】
回胴制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴40a〜第3回胴40cをステッピングモータにより回転駆動して、第1回胴40a〜第3回胴40cの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴40a〜第3回胴40cを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0052】
また、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴40a〜第3回胴40cの各回胴を停止させる制御を行う。
【0053】
すなわち、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴40a〜第3回胴40cのうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴40a〜第3回胴40cの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴40a〜第3回胴40cを停止させる制御を行う。
【0054】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1回胴40a〜第3回胴40cの位置(押下検出位置)と、第1回胴40a〜第3回胴40cの実際の停止位置(又は押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴40a〜第3回胴40cの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0055】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(
図7の遮蔽板160)を備えており、回胴制御手段1300は、回胴が1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0056】
回胴制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本発明の実施の形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴40a〜第3回胴40cを停止させる制御を行っている。
【0057】
本発明の実施の形態の遊技機では、第1回胴40a〜第3回胴40cが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0058】
回胴制御手段1300は、回胴演出に係る制御も行う。スロットマシンの中には、内部当選を報知する際に回胴を動かすものがある。通常、回胴はスタートスイッチの押下による遊技の開始で回転し、ストップボタンの押下で停止するものであるが、回胴による演出機能を備えるスロットマシンでは、スタートスイッチ押下からストップボタン押下までの期間、より正確に言えばスタートスイッチ押下から回胴が遊技者による停止操作が可能になるまでの期間において、各回胴を不規則に上下に動かすなどの特殊な動作を行うことで、内部当選を報知することがある(通常遊技における回胴の動きは一方向かつ一定速度の規則的なものであるから、演出による回胴の動きとは容易に区別することができる)。このような回胴の動作は、回胴演出と呼ばれる。なお、回胴演出においても遊技者のストップボタンの押下操作を有効とし、演出中の回胴が一時停止(擬似停止)するという動作が可能なこともあり、これも回胴演出に含まれる。
【0059】
なお、全ての回胴が停止した後から次回遊技に係るメダル投入受け付け開始までの間に上記回胴演出が行われるようにすることもできる。
【0060】
擬似停止操作の際は入賞判定を行わないと上述したが、これには限定されず、回胴演出の際にも入賞判定を行うようにしてもよい。例えば、擬似停止時に目押しによって所定の図柄組み合わせ(例えば「7・7・7」)を揃えることができた場合に、いわゆるAT(当選役に対応した図柄組み合わせのナビあるいは押し順のナビ)などの特典を遊技者に与えるようにしてもよい。このようにすることにより、回胴演出中において擬似停止を行う動機付けを遊技者に与えることができ、遊技者にスムーズに擬似遊技(擬似停止操作)を行わせることができるという効果が生じる。これは、特に回胴演出に制限時間(回胴演出開始時にセットされ、タイムアップで回胴演出が終了して定常回転へ向かうシーケンスが開始されるといった場合の制限時間)を設けた場合に好適である。
【0061】
上述の回胴演出が終了すると、その直後に通常の方向の定常回転を行わせる処理(シーケンス)が開始される。
【0062】
入賞判定手段1400は、第1回胴40a〜第3回胴40cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴40a〜第3回胴40cの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組み合わせが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0063】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0064】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0065】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0066】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0067】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、及びボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0068】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0069】
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cを備えるが、3つの回胴40a〜40cそれぞれにひとつずつステッピングモータ155a〜155cが取り付けられている。ステッピングモータ155a〜155cは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。相(巻線)の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0070】
また、ステッピングモータには、ユニポーラ型とバイポーラ型がある。
【0071】
ユニポーラ型とは、センタタップの設けられた巻線を備えるもので、ひとつの巻線に対し常に一定方向に電流を流す方式(ユニポーラ駆動)に適するものである。この駆動方式は、駆動回路がシンプルになるというメリットがあるが、反面、巻線の利用効率が悪く(下記のバイポーラ駆動に対して1/2)、低速回転時の出力トルクが低くなるというデメリットがある。
【0072】
バイポーラ型とは、センタタップのない通常の巻線を備え、ひとつの巻線に対し双方向に電流を流す方式(バイポーラ駆動)に適するものである。この駆動方式は、駆動回路が複雑になるというデメリットがあるが、巻線の利用効率がよく、低速回転時の出力トルクは高くなるというメリットがある。
【0073】
本発明の実施の形態は、ユニポーラ型とバイポーラ型のいずれのステッピングモータにも適用できる。
【0074】
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
【0075】
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
【0076】
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
【0077】
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
【0078】
スロットマシンでは、例えば、基本ステップ角度1.43度の4相(巻線)のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
【0079】
図4は、スロットマシンのステッピングモータ155の駆動回路のブロック図である。なお、
図4では、各回胴の位置を検出するためのインデックスなど要素は省略している。
【0080】
同図において、1310−1〜3はステッピングモータ155a〜155cのA相の巻線とB相の巻線のオンオフ(電流を流すかどうか)を切り替える駆動回路である。1320−1〜3は、駆動回路1310−1〜3の出力に従いステッピングモータ155a〜155cのA相の巻線とB相の巻線へ電流を流す励磁回路である。ステッピングモータ155aのA相の巻線を符号155a−Aで示し、B相の巻線の符号155a−Bで示している。ステッピングモータ155bと155cのA相の巻線とB相の巻線の表示は省略している。
【0081】
A相の巻線は、Aと/Aの2つの巻線を含む。B相の巻線は、Bと/Bの2種類の巻線を含む。A相の巻線とB相の巻線は、例えば、A、B、/A、/B、・・・のように交互に配置されている。A→B→/A→/B→・・・の順に励磁するとモータは一方へ回転し、/B→/A→B→A→・・・の順に励磁すると逆回転を行う。各相の励磁を切り替える間隔を短くすればモータは速く回り、間隔を長くすると遅く回る。ここで励磁する巻線を切り替えずに同じステータに電流を流し続けると、ロータが同じステータの位置に固定され、モータが現在の位置を保持しつづけることになる。
【0082】
図5は、スロットマシンのステッピングモータの駆動方法の説明図である。同図は一−二相励磁の例を示している。同図の表の○は巻線に電流を流していることを示す。同図の表のステップ1、2、・・・、8の順番で巻線に電流を流すとモータは回転し、逆の順番にするとモータは逆回転する。
【0083】
次に、回胴(リール)の具体的構成について説明を加える。
【0084】
図6(a)はリールユニット203の正面図、
図6(b)は同左側面図である。
【0085】
図6(a)に示すように、各回胴40a〜40cはリールユニット203として構成されており、フレーム151に図示しないブラケットなどを介して取り付けられている。また、各回胴40a〜40cにはステッピングモータ155a〜155cが設けられており、各回胴40a〜40cはこれらモータ155a〜155cで駆動されて回転する。
【0086】
リールユニット203の本体であるフレーム151は、それぞれの辺が回胴の直径よりやや大きい略コの字型(後方、つまり遊技機の背面側が開放されている)の金属部材(アルミ板)であり、その幅は3つの回胴40a〜40cの幅の合計よりも大きい。なお、略コの字型の開放側が前方であってもよい。
【0087】
遊技機正面から見てフレーム151の下面の前面側の端部は
図7中下方に向けてL字型に小さく折り曲げられており、その部分の両端にはリールユニット203の固定穴が設けられている。ここにネジ161bを挿入して、遊技機のフレームに連結された略水平の下側バー161のネジ穴にしっかりと締め付けることにより、リールユニット203は遊技機の内部に固定される。
図6において、下側バー161と遊技機のフレーム(図示せず)の結合状態は示していないが、下側バー161の端部161aはそれぞれ遊技機筐体のフレームにしっかりと結合されている。
【0088】
また、
図6においては、リールユニット203の前面側の上端部にも同様に上側バー162が設けられており、フレーム151の背面上部の両端に設けられた固定穴にそれぞれネジ162bを挿入して上側バー162のネジ穴にしっかりと締め付けることにより、リールユニット203は遊技機の内部に固定される。
図6において、上側バー162と遊技機のフレーム(図示せず)の結合状態は示していないが、上側バー162の端部162aはそれぞれ遊技機のフレームにしっかりと結合されている。
【0089】
すなわち、
図6によれば、リールユニット203はその前面の上端及び下端の両方で固定されている。
【0090】
各回胴40a〜40cの構造は
図7(a)に示される。
【0091】
各回胴40a〜40cはドラム153の外周に帯154が貼られて構成されている。帯154の外周面には図柄が描かれている。
【0092】
帯154の背後のドラム153内部にはランプケース156が設けられており、このランプケース156の3個の各部屋にはそれぞれバックランプ157a、157b、157cが取り付けられている。これらバックランプ157a〜157cは
図7(b)に示すように基板158に実装されており、この基板158がランプケース156の背後に取り付けられている。また、ブラケット152には回胴位置検出器159が取り付けられている。回胴位置検出器159はフォトインタラプタであり、これは1つのケースの中に発光素子(発光ダイオードなど)と受光素子(フォトトランジスタ、フォトダイオードなど)を対向配置し、その間に検出用の溝を設け、当該検出溝間を物体が通過したことを非接触で検知するものである。この回胴位置検出器159は、ドラム153に設けられた遮蔽板160がドラム153の回転に伴って回胴位置検出器159を通過するのを検出する。回胴位置検出器159から出力される遮蔽板160の検出信号は、インデックス検出信号とも呼ばれ、メイン基板10へ送られる。
【0093】
各バックランプ157a〜157cは図示しないランプ駆動回路によって個別に点灯制御される。各バックランプ157a〜157cの点灯により、帯154に描かれた図柄の内、各バックランプ157の前部に位置する3個の図柄が背後から個別に照らし出され、図柄表示窓13にそれぞれ3個ずつの図柄が映し出される。
【0094】
図8は、発明の実施の形態に係る遊技機における回胴演出の処理フローチャートを示す。まず、
図8と
図9のタイミングチャートを参照して発明の実施の形態に係る回胴演出の作用について説明を加える。回胴演出(特に予備動作)の詳細については後に説明を加える。
【0095】
図8のフローチャートは、従来の回胴演出に係る回転処理を行う前に、予備動作を行うことにより、モータの発熱による回胴演出の不具合を解消するものである。
【0096】
ST10:予備動作(1)
ステッピングモータ155の2つの巻線を長時間励磁することにより、回転子を確実に保持(ホールド)する。ここで励磁する時間は第1時間T1である。励磁する巻線は同じものであり、巻線の切り替えは行わない。
【0097】
ST11:予備動作(2)
励磁する巻線を切り替えつつ回転子を回転させる。その際、励磁時間を徐々に短くする。「徐々に短くする」ことは、単調に減少することのみを意味せず、これに代えて又はこれとともに、最初の励磁時間よりも最後の励磁時間が短く、前半よりも後半の方が平均的に短くなっている程度の意味を含む。ひとつの巻線を励磁する時間を第2時間とする。第2時間は複数存在する。
【0098】
ST12:回胴演出に係る回転処理
各回胴を不規則に上下に動かすなどの動作を行わせる。この処理は公知であるので詳細な説明は領略する。ひとつの巻線を励磁する時間を第3時間とする。
【0099】
第1時間、第2時間及び第3時間について、例えば、第1時間>第2時間≧第3時間の関係が成立している。なお、第2時間についてはそれらの平均値を求め、上記関係が成立するようにしてもよい。
【0100】
図8の処理により回胴は
図9のように動く。
図9(a)はひとつの回胴についてその速度変化を測定したグラフであり、
図9(b)は横軸を2倍に拡大した図である。
【0101】
図9(a)において横軸は時間でありその格子のひとつは200msである。
図9(a)のt2はt1から200ms経過した時刻である。t3、t4についても同様である。t0が
図8の処理S10の開始タイミングである。taは
図8の処理S11を終了し、S12を開始するタイミングである。つまり、t0からtaの期間が
図8のS10とS11からなる予備動作を実行している期間である。
【0102】
なお、測定を開始する前(t0以前)に回胴を測定位置に戻す処理、いわば測定の準備処理を行っている。txから始まっている動きがその処理に対応しており、これは回胴演出とは無関係の処理であり、説明は省略する。
【0103】
縦軸は回胴の速度である。+方向が通常遊技における回胴の回転方向の動きに対応し、−方向がその反対の方向(遊技者から見て上方向)の動きに対応する。
【0104】
図9(a)からわかるように、最初に予備動作が行われ、その後回胴演出が行われる。回胴演出では回胴は−方向へ動き、その後+方向へ動く。このような回転方向が頻繁に切り替わる、いわば回胴が振動するような動きが回胴演出のひとつである。図の例ではその周期は約60msである。また、時刻ta以降は上下がほぼ対称(グラフの+の面積と−の面積がほぼ等しい)であるので、回胴は同じ図柄を中心に振動することになる。通常遊技における回胴の動きは一方向かつ一定速度の規則的なものであるから、
図9(a)に示す時刻ta以降の回胴の動きは、通常遊技の動きと容易に区別することができる。
【0105】
これに対し、予備動作を行っているt0からtaの期間は上下対称ではなく、規則的な動きでもないが、その持続時間は比較的短く(57単位時間、約85.5ms)であり、しかも最初の1回のみの動作であるから遊技者が気づきにくい動きである。従って、遊技者にとって、発明の実施の形態に係る遊技機の回胴演出は従来の回胴演出と同じに見える。
【0106】
図9(b)において横軸は時間でありその格子のひとつは100msである。縦軸は
図9(a)と同じである。
【0107】
図9(b)の符号t0〜t4、taは、
図9(a)のそれらに対応している。
【0108】
tbは、予備動作ST10とST11が終了した後における、回胴演出に係る回転処理の最初の回転方向の切り替えタイミングである。同様に、tc、td、teも回転方向の切り替えタイミングである。
【0109】
モータの発熱の影響の有無にかかわらず
図9(a)(b)のような動きになる。
図15(b)のような波形にはならない。
図8の処理のように予備動作を追加することにより、モータが発熱しトルクが低下しても、発熱していない状態とほぼ同様の波形・動作となる。
【0110】
発明の実施の形態によれば、回胴演出の前に予備動作を行うことにより、モータ発熱時にトルクが低下しても脱調等の不具合が発生せず、常に意図した回胴演出を行うことが可能になる。
【0111】
次に、
図10及び
図11を参照して、発明の実施の形態に係る具体的な励磁手順を説明する。なお、第1巻線〜第4巻線は、
図4及び
図5のA、B、/A、/Bに対応する。例えば、第1巻線=A、第2巻線=B、第3巻線=/A、第4巻線=/B、あるいは、第1巻線=B、第2巻線=/A、第3巻線=/B、第4巻線=A、・・・のように対応している。
【0112】
ST10:予備動作(1)
図10の最初の行の励磁を行う。この例では励磁する時間は第1時間T1=35単位時間である。例えば、1単位時間=1.5msである。励磁する巻線を切り替えないので回転子は回転しないが、回転子の位置が励磁している巻線(
図10の例では第1巻線と第2巻線)との関係においてズレが生じているときは、このズレが解消するように少し動くことがある。
【0113】
ST11:予備動作(2)
第2行〜第5行の励磁を行う。それぞれの励磁時間(第2時間)は、5単位時間、8単位時間、2単位時間、5単位時間、2単位時間である。励磁する巻線を切り替えていくので回転子は回転する。
図10の例では、最初の励磁時間(=5単位時間)よりも最後の励磁時間(=2単位時間)が短く、前半よりも後半の方が平均的に短くなっている(前半の平均は6.5単位時間、後半の平均は3.5単位時間)ので、励磁時間を徐々に短くしていると言える。
【0114】
ST10の第1時間は、ST11の第2時間の平均の約8倍、第2時間の最大値の約4.4倍であり、著しく長い。S10の時間はST11全体の時間よりも長く、それらの比は、35:22=1.6:1である。ST10で保持をしっかりと行うためには、このような長い時間が必要である。
【0115】
ST11では、ST10で励磁された巻線の一方(第1巻線又は第2巻線)を初期位置として、初期位置から順番に一つ又は二つの巻線を順番に励磁することが望ましい。
図10では、そのようになっている。
【0116】
上記ST10とST11の処理が行われるのが、
図9のt0〜taである。
【0117】
ST12:回胴演出に係る回転処理
図11(a)の励磁と
図11(b)の励磁が繰り返される。
【0118】
ta〜tbの期間において、
図11(a)の励磁が行われる。回転速度が所望の速度に達したとき(所望の速度に達するために要する時間励磁を行ったとき)、励磁パターンを切り替える。所望の速度は、例えば従来の回胴演出における最大回転速度である。
【0119】
tb〜tcの期間において、
図11(b)の励磁が所定時間行われる。
【0120】
tc〜tdの期間において、
図11(a)の励磁が所定時間行われる。
【0121】
td〜teの期間において、
図11(b)の励磁が所定時間行われる。
【0122】
図11に示すように、ひとつの巻線を励磁する時間である第3時間は、2単位時間である。
【0123】
ST12において、ta〜tbの期間について、予備動作処理のST11において最後に励磁された巻線を終了位置として、終了位置から順番に一つ又は二つの巻線を順番に励磁することが望ましい。例えば、
図10の最後の励磁が第4巻線であるから、第4巻線と第1巻線を終了位置として励磁し、これ以降、
図11(a)に従って励磁を切り替える。
【0124】
図8のST10においては、任意の2つの巻線を励磁していた。回胴制御手段1300が、回胴演出直前における回胴の停止時に励磁した巻線の位置を記憶している場合は、これに基づきST10において励磁する巻線を選択するようにしてもよい。
【0125】
図12にその処理を示す。
図12のST101〜ST103は、
図8のST10に対応する。回胴制御手段1300が記憶している前回の回胴の停止時に励磁していた巻線位置を「停止時巻線位置」とする。
【0126】
ST101:停止時に励磁した巻線の情報を読み出す。
停止時巻線位置を、メモリなどから読み出す。
【0127】
ST102:読み出した情報に基づき予備動作の2つの巻線を決定する。
読み出した停止時巻線位置に基づき二つの巻線を選択する。
【0128】
停止時巻線位置がひとつの巻線を示す場合、例えば次のようになる。
【0129】
Aのとき、AとB、又は、/BとA。AとBの場合は
図13(a)のような励磁パターンになる。
【0130】
Bのとき、Bと/A、又は、AとB。Bと/Aの場合は
図13(b)のような励磁パターンになる。
【0131】
/Aのとき、/Aと/B、又は、Bと/A。/Aと/Bの場合は
図13(c)のような励磁パターンになる。
【0132】
/Bのとき、/BとA、又は、/Aと/B。/BとAの場合は
図13(d)のような励磁パターンになる。
【0133】
ST103:選択された2つの巻線を長時間(第1時間T1)励磁する。
【0134】
図12の処理を実行することで、回転子をより確実に保持することができる。
【0135】
なお、以上の説明では、A、B、/A、/Bの4つの巻線を備えるステッピングモータを例に取り説明を加えたが、本発明の実施の形態は5つ以上の巻線を備えるステッピングモータに適用することができる。例えば、A、B、C、Dの巻線を持つ4相のステッピングモータにおいて、AとB(ユニポーラの場合、A、B、/A、/B)、BとC、CとD又はDとAの巻線について上述の制御を適用することができる。A〜Fの巻線を持つ6相のステッピングモータにおいても同様である(例えば、第1巻線〜第4巻線がABCDやCDEFに対応する)。
【0136】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。