特許第6205562号(P6205562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6205562-納骨堂 図000002
  • 特許6205562-納骨堂 図000003
  • 特許6205562-納骨堂 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205562
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】納骨堂
(51)【国際特許分類】
   E04H 13/00 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   E04H13/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-96964(P2013-96964)
(22)【出願日】2013年5月2日
(65)【公開番号】特開2014-218799(P2014-218799A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】599018550
【氏名又は名称】株式会社秋田石材
(72)【発明者】
【氏名】清瀧 和敏
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−300358(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3057172(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
A47B 47/00 − 47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚さを有する矩形板状の石材から成り、上部に墓の石碑等が配置される上面部石材と、基礎となる下面部石材と、前記上面部石材と前記下面部石材との間の左右側に設けられる左側面部石材及び右側面部石材と、前記上面部石材と前記下面部石材との間の背面側に設けられる背面部石材とを備え、正面側を開口させて略直方体状に囲んで内部に充分の数の納骨壺を収納できる空間を有する納骨室が形成される納骨堂において、前記左側面部石材及び前記右側面部石材の内面側には、納骨室内を左右に平行移動させ、区画室を形成することが出来る区画板を設けることを特徴とする納骨堂。
【請求項2】
前記上面部石材及び前記下面部石材は、納骨室側の内面に区画板の凸及び/又は凹溝が嵌合する凹溝及び/又は凸を左右方向に延びるように複数列に形成することを特徴とする請求項1記載の納骨堂。
【請求項3】
前記区画板は、納骨室内を左側面部石材側の区画板を右に及び右側面部石材側の区画板を左に平行移動させ、区画室を形成することが出来る大きさに形成され、上端面及び下端面には前記上面部石材及び前記下面部石材の凹溝及び/又は凸に嵌合する凸及び/又は凹溝が形成されることを特徴とする請求項1記載の納骨堂。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家族墓として区画板を移動して納骨室を分割できるようにした納骨堂に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大きな墓とすることなく、夫妻がそれぞれの実家を供養でき、しかも供養をする夫妻の心情にやさしく、第三者にも違和感がなく、供養し易い墓として二世帯カロートを備えた墓石が知られている(特許文献1を参照)。
この公知技術は、納骨室内部に仕切を設けて左右二室の納骨室に区画した二世帯カロートを備えた墓石である。
【0003】
また、納骨室部分を堅固にし、且つ家族単位の納骨室とするように納骨室に補強兼用の仕切板を設けると共に、骨壺を収納する地上納骨室と、古い遺骨を土に返して弔うための地下納骨室を有する家族墓における納骨室構造が知られている(特許文献2を参照)。
この公知技術は、納骨室の前壁と後壁の内面に上下に貫通した溝を設け、該溝に補強兼用の仕切板の両端部を嵌合して家族単位の納骨室を形成した家族墓における納骨室構造である。
【0004】
しかし、これらの公知技術は、仕切又は仕切板が移動できなく固定されたものであったため、必要に応じて仕切又は仕切板の位置を自由に変えることができる納骨堂が望まれていた。
そして、必要に応じて仕切又は仕切板の位置を変えることにより、納骨壺ごとに区分け供養ができると共に、地震等でも仕切又は仕切板に挟持されるので納骨壺の転倒の恐れがなく、安心して利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3117055号公報(図2の仕切11)
【特許文献2】実用新案登録第3057172号公報(図2の仕切り板9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、家族墓として区画板を移動して納骨室を分割できるようにした納骨堂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の納骨堂は、所定の厚さを有する矩形板状の石材から成り、上部に墓の石碑等が配置される上面部石材と、基礎となる下面部石材と、前記上面部石材と前記下面部石材との間の左右側に設けられる左側面部石材及び右側面部石材と、前記上面部石材と前記下面部石材との間の背面側に設けられる背面部石材とを備え、正面側を開口させて略直方体状に囲んで内部に充分の数の納骨壺を収納できる空間を有する納骨室が形成される納骨堂において、前記左側面部石材及び前記右側面部石材の内面側には、納骨室内を左右に平行移動させ、各区画室を形成することが出来る区画板を設けるものである。
【0008】
前記上面部石材及び前記下面部石材は、納骨室側の内面に区画板の凸及び/又は凹溝が嵌合する凹溝及び/又は凸を左右方向に延びるように複数列に形成する。
前記区画板は、納骨室内を左側面部石材側の区画板を右に及び右側面部石材側の区画板を左に平行移動させ、区画室を形成することが出来る大きさに形成され、上端面及び下端面には前記上面部石材及び前記下面部石材の凹溝及び/又は凸に嵌合する凸及び/又は凹溝が形成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の納骨堂は、左側面部石材及び右側面部石材の内面側には納骨室内を左右に平行移動させ、各区画室を形成することが出来る区画板を設けるため、納骨壺ごとに区分け供養ができると共に、地震等でも区画板に挟持されるので納骨壺の転倒の恐れがなく、安心して利用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の納骨堂の斜視図である。
図2】本発明の納骨堂の一部断面斜視図である。
図3】本発明の納骨堂の一部省略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の納骨堂の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の斜視図に示すように、本発明の納骨堂は、所定の厚さを有する矩形板状の石材から成り、上部に墓の石碑等が配置される上面部石材1と、基礎となる下面部石材2と、前記上面部石材1と前記下面部石材2との間の左右側に設けられる左側面部石材3及び右側面部石材4と、前記上面部石材1と前記下面部石材2との間の背面側に設けられる背面部石材5とを備え、正面側を開口させて略直方体状に囲んで内部に充分の数の納骨壺を収納できる空間を有する納骨室が形成され、正面側の開口部分が入口になる。
また、前記左側面部石材3及び前記右側面部石材4の内面側には、納骨室内を左右に平行移動させ、各区画室を形成することが出来る区画板A及び区画板Bを設ける。
【0012】
前記上面部石材1は、図2の一部断面斜視図に示すように、納骨室側の内面に後述する区画板A及び区画板Bの凸部6が嵌合する凹溝7を左右方向に延びるように2列に形成する。なお、この実施例では2列に形成したが、これに限らず複数個設けることもできる。
【0013】
前記下面部石材2は、納骨室側の内面に後述する区画板A及び区画板Bの凸下部8が嵌合する凹溝9を左右方向に延びるように2列に形成する。なお、この実施例では2列に形成したが、これに限らず複数個設けることもできる。
【0014】
前記区画板A及び区画板Bは、納骨室内を左右に平行移動させ、各区画室を形成することが出来る大きさに形成され、上端面及び下端面には前記上面部石材1の凹溝7及び前記下面部石材2の凹溝9に嵌合する凸部6及び凸部8が形成される。
なお、区画板A及び区画板Bに凸、上面部石材1及び下面部石材2に凹溝を設けたが、例えば上面部石材1に凸、区画板A及び区画板Bに凹溝のように、上面部石材1及び下面部石材2に凸及び/又は凹溝、区画板A及び区画板Bに凹溝及び/又は凸を設けた構成でも良い。
【0015】
次に、本発明の納骨堂の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図3の一部省略斜視図に示すように、区画板A及び区画板Bを中央方向へ移動させて区画室を3つ形成して、各区画室に納骨壺10を2個ずつ収納している。なお、図3においては上面部石材1を省略して示している。
図1の左側面部石材3及び右側面部石材4の内面側にある区画板A及び区画板Bの状態から、図2のように区画板Aを中央に移動し、さらに図3のように区画板Bを中央に移動して区画室を3つ形成して、各区画室に納骨壺10を2個ずつ収納する。
このようにして、区画板Aを右に及び区画板Bを左に平行移動させ、区画室を形成することが出来るため、納骨壺10毎に区分け供養ができると共に、地震等でも区画板A及び区画板Bに挟持されるので納骨壺10の転倒の恐れがなく、安心して利用することができる。
【符号の説明】
【0016】
1 上面部石材
2 下面部石材
3 左側面部石材
4 右側面部石材
5 背面部石材
6 凸
7 凹溝
8 凸
9 凹溝
10 納骨壺
A 区画板
B 区画板
図1
図2
図3