(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無段変速機用の第一スプールバルブと、前記無段変速機の変速を補助する副変速機用の第二スプールバルブと、前記第一スプールバルブに制御圧P1を供給する第一リニアソレノイドバルブと、前記第二スプールバルブに制御圧P2を供給する第二リニアソレノイドバルブと、前記第一スプールバルブおよび第二スプールバルブは、それぞれ、その内部に、受圧面積の異なる小径ランド部及び大径ランド部並びに前記小径ランド部から前記大径ランド部に向けた付勢力F、F’を付与するバネ部材を有し、前記制御圧P1又は前記制御圧P2を供給するためのポート形成位置において前記小径ランド部及び前記大径ランド部を連結部を介して連結する構成とされており、
さらに、前記第二リニアソレノイドバルブからの制御圧P2を遮断または連通させる第三スプールバルブと、
第三スプールバルブの作動を制御する信号圧を供給するON/OFFバルブと、を備え、
無段変速機による走行中、前記ON/OFFバルブがOFF(遮断)状態のときに、前記第二リニアソレノイドバルブからの制御圧P2が前記第三スプールバルブによりロックアップ制御バルブに供給されて、ロックアップを作動させ、ロックアップクラッチを係合せしめ、
前記ロックアップ作動後に前記ON/OFFバルブがON(連通)状態にされると、クラッチモジュレータ圧Pmが、前記第二リニアソレノイドバルブからの制御圧P2に代わってロックアップ制御バルブに供給されて、ロックアップクラッチの係合が継続される、
ことを特徴とする油圧制御装置。
【背景技術】
【0002】
車両用無段変速機には、有効径が可変の入力側プーリと出力側プーリに無端ベルトが掛け渡されて、両プーリの有効径(巻き掛け径)を変化させることで両プーリ間の回転速度比を連続的に変化させ、無段階に変速比を可変させ得るベルト式無段変速機構を備えたものや、入力側と出力側の2枚のディスクを平行に配置し、その間に複数のパワーローラー(コマ)が配設されて、パワーローラーの傾斜角を変化させ、それに応じて入力側と出力側のディスクの回転速度比を連続的に変化させ、無段階に変速比を可変させ得るトロイダル式無段変速機構を備えたもの等がある。
【0003】
上記したような無段変速機は、エンジンを高効率回転領域で連続して運転させつつ、車両を停車・低速走行状態から高速走行状態へ移行させることが可能であり、市街地で停車と発進・加速を繰り返すような走行モードでは、遊星ギヤを用いた有段変速機よりも燃費がよく、変速時のショックもないため快適な走行を提供し得る点で有利である。
【0004】
しかしながら、入力側から出力側へ動力を伝えるベルトやパワーローラーと、プーリやディスクとが相対的にスリップしてしまい、部品が損傷することを防止するため、常時プーリやディスクを押すために使用している油圧を、高速走行時には特に高くする必要がある。
【0005】
上記のプーリやディスクを押すために使用する油圧は、無段変速機に備える油圧ポンプで発生させる。油圧ポンプの動力源はエンジンであり、高い油圧を発生させるためには油圧ポンプの駆動に大きな動力が必要となり、相対的に車両の走行に使用できるエンジン出力が減少するため、特に高速走行時には燃費向上の妨げとなる。
【0006】
上記の問題を解消する手段として、無段変速機に副変速機を備えたスプリット型の車両用無段変速機が考案されている。変速機の変速範囲を拡大するため、無段変速機と、無段変速機の増速側より高い高速ギヤ段を有する副変速機と、を備えており、発進時から高速走行までの変速は無段変速機が担い無段変速機モードで走行し、高速走行時においては副変速機に切り替えてスプリットモードで走行することで、無段変速機における高速走行時の燃費の低下を回避している。
【0007】
ところで、上記したスプリット型車両用無段変速機のように、変速機の入力軸から出力軸の間に複数の動力伝達手段を有し、走行に使用する動力伝達手段の切替をクラッチの持ち替えにより行う変速機において、同時に複数のクラッチが係合してしまうと、インターロックと呼ばれる状態に陥る場合がある。
【0008】
また、無段変速機を制御する電子制御装置(ECU)が走行中に故障した場合に、上記の無段変速機モードとスプリットモードとのモード切替えが意図せず行われ、上記インターロック状態に陥る場合もある。
【0009】
上記インターロック状態では、エンジンからの動力が変速機に入力されるにも関わらず、動力が出力軸から外部へ出力されない状態となり、高速走行中にインターロック状態になると車両が急減速して挙動が乱れたり、動力が変速機内に留まるため、変速機を構成するベルトやクラッチ等の部品が破損したりしてしまう。
【0010】
上記した無段変速機による無段変速機走行モードと、副変速機によるスプリット走行モードの切替えをスムーズに行うためのモード切替制御性を確保したうえで、インターロック状態を機械的に回避したり、上記無段変速機のトルクコンバータがロックアップ(直接結合。以下、単に「直結」とも称する)機構を有する場合、ロックアップクラッチの係合制御を精度良く行うために専用のソレノイドバルブを追加すると、コストや容積の増大が避けられない。また、制御的に回避しようとすると制御ロジックの構成が複雑になり、開発工数が増大してしまう。
【0011】
さらに、電子制御装置(ECU)やソレノイドバルブの故障、制御要素の電気配線の断線等により一つ、または複数のソレノイドバルブ等の制御要素が故障し、フェール状態に陥った場合、その場で停止してしまうと特に寒冷地等では乗員に危険を及ぼすこととなるため、エンジンが正常に運転可能な状態であれば、修理工場等へ走行できるようにしておく必要がある。
【0012】
車両用自動変速機において、上記のようなフェール状態における走行を可能とするのが、一般にフェールセーフモードと称される制御モードである。上記フェールセーフモードでの走行を可能とするために、専用のソレノイドや予備のソレノイドを備えたりすると、コストや容積が増大してしまう。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の本発明の実施形態が適用される油圧制御用ECUとスプリット型無段変速機の構成を示す概念図である
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るスプリット型無段変速機100の走行モード切替制御について説明する。上記スプリット型無段変速機200(以下、単に「スプリット型変速機」とも称す)は、スプリット型変速機200の内部に設けられるベルト式無段変速機100(以下、単に「CVT」とも称す)と、副変速機110と、を含む。
【0022】
スプリット型無段変速機200の入力軸は、図示しない動力伝達手段を介してエンジン220のクランクシャフトに接続され、上記スプリット型変速機200の出力軸は、デファレンシャルギヤ250などを介して駆動輪130に接続される。エンジン220の回転がスプリット型変速機200によって変速されて駆動輪130へ伝達されることにより、図示しない車両は走行する。
【0023】
スプリット型無段変速機200は、概ねベルト式無段変速機100と、副変速機110と、油圧制御部120と、により構成される。エンジン220から入力された動力はベルト式無段変速機100、及び/又は副変速機110とにより変速され、駆動輪130へ出力される。
【0024】
上述したようにスプリット型変速機200は、CVT100と、副変速機110と、を有し、走行状態によって、走行に使用する変速手段をCVT100と、副変速機110と、のいずれかに切替える。走行状態は、図示しない検出手段、例えば車速センサ、エンジン回転数センサ等からの信号を受けたECU150(油圧制御指示手段)により判定される。
【0025】
上記信号を受けて走行状態を判定したECU150は、無段変速機走行モード(以下、「CVTモード」とも称す)と、副変速機走行モード(以下、「スプリットモード」とも称す)と、のいずれのモードで走行すればよいかを判断し、上記無段変速機走行モードを選択したときはCVTクラッチ圧制御信号152を、上記副変速機走行モードを選択したときは副変速機クラッチ圧制御信号154を、それぞれスプリット型変速機200が備える油圧制御部120へ出力する。
【0026】
上記信号を受けた油圧制御部120は、CVTクラッチ圧制御信号152を受けた場合にはCVTクラッチ圧の制御を開始する。また、副変速機クラッチ圧制御信号154を受けた場合には副変速機クラッチ圧の制御を開始する。
【0027】
また、上記信号を受けて走行状態を判定したECU150は、流体継手の一種であるトルクコンバータ6(以下、単に「トルコン」とも称する)のロックアップクラッチ7(以下、単に「直結クラッチ」とも称する)を係合するか否かを判断し、係合を選択したときはロックアップクラッチ制御圧信号156を、スプリット型変速機200が備える油圧制御部120へ出力する。
【0028】
上記信号を受けた油圧制御部120は、直結クラッチ7の係合制御を開始する。上記直結クラッチ7の係合が完了すると、トルコン6の内部滑りは無くなり、エンジン220のクランクシャフト回転がそのままスプリット型変速機200への入力回転となる。
【0029】
図2に、本発明の実施形態が適用される車両用スプリット型無段変速機の構造を示す略図を示し、これを参照しながらスプリット型無段変速機200の構造と、変速方法について詳細に説明する。
【0030】
前進走行する場合、前進クラッチ2が係合されると、エンジン220からトルコン6を介して、スプリット型変速機200の入力軸230へ入力された動力は、ギヤ3からギヤ4へ伝達される。また、スプリット型変速機200では、発進時から巡航速度域での走行時にかけてはCVT100により変速を行うため、
図1のECU150からCVTクラッチ圧制御信号152が出力され、油圧制御部120により無段変速機走行モードに用いるCVTモードクラッチ10が制御油圧により係合される。
【0031】
上記により、エンジン220からスプリット型変速機200の入力軸230へ入力された動力は、CVT100のCVTベルト102を介して出力軸240へ伝達され、さらにデファレンシャルギヤ250などを介して駆動輪130へ出力される。
【0032】
上記CVT100は、入力側プーリ104と出力側プーリ106とを具備し、各プーリの溝幅を変化させ、CVTベルト102の有効径(巻き掛け径)を入力側プーリ104と出力側プーリ106とで互いに変化させることで、変速を行う。具体的には、発進時には入力側プーリ104の溝幅を最も広くし、出力側プーリ106の溝幅を最も狭くする。上記により、入力側プーリ104のCVTベルト102の有効径(巻き掛け径)は最小となり、出力側プーリ106のCVTベルト102の有効径は最大となり、減速比が最大となる。
【0033】
上記で減速比が最大となった状態で、エンジン220からの入力回転を最小にまで減速して駆動輪130へ出力し、図示しない車両を発進させる。発進後は、図示しない運転者の所望する車両速度が、図示しないアクセルペダルにより
図1のECU150へ入力され、ECU150からの制御に応じて入力側プーリ104の溝幅を徐々に狭めるとともに、出力側プーリ106の溝幅を徐々に広げ、減速比を連続的に無段階に変化させるよう制御を行うことにより、エンジン220を
図1に示すECU150からの燃料噴射制御信号158等により高効率回転領域で運転しながら、運転者の所望する車両速度で走行することを可能としている。
【0034】
しかしながら、ベルト式無段変速機100は高速走行時、即ち減速比が小さく、入力回転より出力回転が大となるオーバードライブ状態ではエネルギー効率が悪化する。詳述すると、
図2において、オーバードライブ状態では入力側プーリ104の溝幅を最も狭くし、出力側プーリ106の溝幅を最も広くして走行する。
【0035】
上記の場合、入力側プーリ104のCVTベルト102の有効径(巻き掛け径)は最大となり、出力側プーリ106のCVTベルト102の有効径は最小となり、出力側プーリの回転数が入力側プーリの回転数より大きくなって、エンジン220からの入力回転数よりも大きな出力回転を駆動輪130に付与することができ、高速走行が可能となる。
【0036】
上述したように、オーバードライブ状態での高速走行時には入力側プーリ104の溝幅を最も狭くした状態を維持する必要がある。上記の状態を維持するためには、図示しない油圧ポンプで高圧の作動油を大量に発生させ、入力側プーリ104を押し付け、溝幅を狭くした状態を維持させなければならない。
【0037】
上記の図示しない油圧ポンプはエンジン220により駆動される構造となっており、高圧の作動油を大量に発生させるとエンジン220が発生させたエネルギーのうち、油圧ポンプの駆動のために消費される割合が増加し、図示しない車両を走行させるために使用可能なエネルギーが減少する。このため、オーバードライブ状態での高速走行時にはエネルギー伝達効率が低下し、燃費が悪化してしまう。
【0038】
また、高速走行時にはCVTベルト102も高速で回転するが、CVTベルト102を構成する図示しないエレメント部材同士の摩擦によるエネルギー損失(熱ロス)が高速回転状態では大きくなり、これもエネルギー伝達効率の低下や燃費の悪化の一因となる。
【0039】
上述した、高速走行時のエネルギー効率の低下や燃費の悪化を防止するため、スプリット型無段変速機200には副変速機110が備えられている。
【0040】
図2の副変速機110は、スプリットモードクラッチ20を係合することで、遊星ギヤ30のリングギヤ32の外周部に設けられた大径スプロケット34から、小径スプロケット36へ、チェーン38を介して入力軸230からのエンジン回転を出力軸250へ、増速して出力するように構成されている。
【0041】
かかる構成にしておくことにより、図示しない車両がベルト式無段変速機100を用いて停車状態から発進、加速しオーバードライブ状態での高速走行に至った場合、動力の伝達手段を副変速機110に切り替えることが可能となる。
【0042】
上記の方法により、停車状態から発進、加速し高速走行状態に至るまでの間は、CVT100により変速しエンジン220を高効率回転領域で運転させ、高速走行状態では副変速機110により増速状態を維持し、エンジン220の運転を高効率回転領域で継続させ
ることを実現し得る。
【0043】
上記の無段変速機走行モードと、副変速機走行モードと、の切替えは、CVTモードクラッチ10と、スプリットモードクラッチ20と、を持ち替えることで行われる。
【0044】
上記クラッチの持ち替えは、上記で説明したように高速走行中に行われる。クラッチの持ち替えの途中に、CVTモードクラッチ10と、スプリットモードクラッチ20とが同時に係合されると、スプリット型無段変速機200はインターロック状態となり、急減速して車両の挙動が乱れ、事故に至ったり、プーリ104、106とCVTベルト100とが相対的に滑り、双方が損傷したり、クラッチ10、20が滑って損傷を受けたり、動力伝達経路の最弱部分等が破損してしまうといった重大な問題が生じる。
【0045】
本発明における油圧制御装置は、CVTモードクラッチ10と、スプリットモードクラッチ20とが同時に係合されることが生じ得ない油圧回路構成とするため、受圧面積が大小のランド部を1つずつ有するスプールバルブとバネ部材と、の2組からなる簡易なインターロック防止機構を備える。
【0046】
図3〜
図6を参照して、上記のインターロック防止機構を備えた油圧制御装置について詳細に説明する。上記の無段変速機走行モードと、副変速機走行モードと、の切替えは、
図3〜
図5に示すCVTモードクラッチ10と、スプリットモードクラッチ20と、を持ち替えることで行われる。
【0047】
また、上記したインターロックを防止するため、受圧面積Aの大径ランド部14と受圧面積A’の小径ランド部13とを有する無段変速機用の第一スプールバルブ15と、受圧面積Bの大径ランド部24と受圧面積B’の小径ランド部23とを有する副変速機用の第二スプールバルブ25と、を備える。
【0048】
上記第一スプールバルブ15と、第二スプールバルブ25と、はそれぞれ小径ランド部から大径ランド部に向けた付勢力F、F’を付与するバネ部材18、28を具備する。
【0049】
また、CVTモードクラッチ10の係合制御圧は、第一スプールバルブへの制御圧P1を送出する第一リニアソレノイドバルブ12により、スプリットモードクラッチ20の係合制御圧は第二スプールバルブへの制御圧P2を送出する第二リニアソレノイドバルブ22により、それぞれ出力される。
【0050】
上記制御圧P1は、第一スプールバルブ15の大径ランド部14と小径ランド部13との連結部側と、第二スプールバルブ25の大径ランド部24の端部側と、に供給される。また、上記制御圧P2は、第一スプールバルブ15の大径ランド部14の端部側と、第二スプールバルブ25の大径ランド部24と小径ランド部23との連結部側と、に供給される。上記制御圧P1および制御圧P2の元圧となるクラッチモジュレータ圧Pmは、上記制御圧P1および制御圧P2の最大値と略同一であり、第一スプールバルブ15、および第二スプールバルブ25の小径ランド部13、23の端部側に供給される油圧回路構成となっている。
【0051】
ここで、無段変速機用の第一スプールバルブ15と副変速機用の第二スプールバルブ25の動作について、上記第一スプールバルブ15と、第二スプールバルブ25と、バネ部材18、28と、制御圧P1と、制御圧P2と、制御圧の元圧となるライン圧Pcと、バネ部材18、28のバネ力F、F’と、を示した略図である
図7を参照して詳細に説明する。尚、
図7に示す第一・第二スプールバルブは、大径ランド部14、24と小径ランド部13、14との連結部を省略して図示したものである。
【0052】
まず、第一スプールバルブ14を本図において下方向、即ち小径部13方向へ押す力F1dは、F1d=P2×Aの式で表される。また、上記第一スプールバルブ14を本図において上方向、即ち大径部14方向へ押す力F1uは、F1u=P1×(A−A’)+(Pc×A’)+Fと表される。
【0053】
上記において、F1d>F1uの関係が成立する場合は、第一スプールバルブ15が本図の下方向、即ち小径部13方向へ移動させられる。
図5に示すように、第一スプールバルブ15が小径部13方向へ移動させられた状態では、制御圧P1がCVTモードクラッチ10へ導入される油路は大径部14で遮断される。
【0054】
このとき、上記制御圧P1は図示しないドレーンポートへ導かれ、大気圧に解放されるため、P1≒0となる。よって、F1u=P1×(A−A’)+(Pc×A’)+F=(Pc×A’)+Fとなり、第一スプールバルブ15はP1に依存せず大径部14方向へ移動させられた状態に維持される。
【0055】
また、上記において、F1d<F1uの関係が成立する場合は、第一スプールバルブ15が本図の上方向、即ち大径部14方向へ移動させられる。
図3に示すように、第一スプールバルブ15が大径部14方向へ移動させられた状態では、制御圧P1がCVTモードクラッチ10へ導入される油路が連通される。
【0056】
このとき、上記制御圧P1はCVTモードクラッチ10の係合を制御し、係合後は制御圧の元圧となるライン圧Pcと同一となる。P1=Pcとすると、F1u=P1×(A−A’)+(Pc×A’)+F=P1×A+Fとなり、仮に制御圧P2が最大出力=Pcとなった場合も、P1=P2=Pcであるため、F1d:F1u=P2×A:P1×A+F=Pc×A:Pc×A+Fの関係となり、バネ力Fの付勢によってF1d<F1uとなり、第一スプールバルブ15は大径部14方向へ移動させられた状態に維持される。即ち、制御圧P1がCVTモードクラッチ10へ導入される油路が連通された状態が継続される。
【0057】
次に、第二スプールバルブ24を本図において下方向、即ち小径部23方向へ押す力F2dは、F2d=P1×Bの式で表される。また、上記第二スプールバルブを本図において上方向、即ち大径部24方向へ押す力F2uは、F2u=P2×(B−B’)+(Pc×B’)+F’と表される。
【0058】
上記において、F2d>F2uの関係が成立する場合は、第二スプールバルブ25が本図の下方向、即ち小径部23方向へ移動させられる。
図3の第二スプールバルブ25の図の左半分に示すように、第二スプールバルブ25が小径部23方向へ移動させられた状態では、制御圧P2がスプリットモードクラッチ20へ導入される油路は大径部24で遮断される。
【0059】
このとき、上記制御圧P2は図示しないドレーンポートへ導かれ、大気圧に解放されるため、P2≒0となる。よって、F2u=P2×(B−B’)+(Pc×B’)+F’=(Pc×B’)+Fとなり、第二スプールバルブ25はP2に依存せず大径部24方向へ移動させられた状態に維持される。
【0060】
また、上記において、F2d<F2uの関係が成立する場合は、第二スプールバルブ25が本図の上方向、即ち大径部24方向へ移動させられる。
図5に示すように、第二スプールバルブ25が大径部24方向へ移動させられた状態では、制御圧P2がスプリットモードモードクラッチ20へ導入される油路が連通される。
【0061】
このとき、上記制御圧P2はスプリットモードクラッチ20の係合を制御し、係合後は制御圧の元圧となるライン圧Pcと同一となる。P2=Pcとすると、F2u=P2×(B−B’)+(Pc×B’)+F’=P2×A+Fとなり、仮に制御圧P1が最大出力=Pcとなった場合も、P1=P2=Pcであるため、F2d:F2u=P1×B:P2×A+F=Pc×B:Pc×A+Fの関係となり、バネ力Fの付勢によってF2d<F2uとなり、第二スプールバルブ25は大径部24方向へ移動させられた状態に維持される。即ち、制御圧P2がスプリットモードモードクラッチ20へ導入される油路が連通された状態が継続される。
【0062】
停止状態から発進・加速状態へ移行はCVTモードで行われる。CVTモードとスプリットモードとの切替えを行う時の、上記制御圧P1と制御圧P2のタイミングチャートである
図6において、CVTモード時に係合されるCVTモードクラッチ10の係合制御圧P1は、時間t1で、第一リニアソレノイドバルブ12により出力される。CVTモードのときの、油圧回路構成の一例を示す略図である
図3において、上記制御圧P1は、第一スプールバルブ15の大径ランド部14と小径ランド部13との連結部側と、第二スプールバルブ25の大径ランド部24の端部側と、に供給される。
【0063】
CVTモードでの発進時は、
図6に示すように時間t1からt2にかけて、第一リニアソレノイドバルブ12により制御圧P1が増大され、P1×B>P2×(B−B’)+(Pc×B’)+F’ かつ P1×(A−A’)+(Pc×A’)+F>P2×Aの関係が成立すると、第二スプールバルブ25が小径ランド部23側に移動して(
図3の第二スプールバルブ25の左側の状態)制御圧P2の油圧経路を遮断し、第一スプールバルブ15が大径ランド部14側に留まって(
図3の第一スプールバルブ15の状態)CVTモードクラッチ10へ係合制御圧(≒P1)が供給され、CVTモードでの発進・走行が可能となり、図示しない車両は停止状態から発進し、走行を開始する。
【0064】
このとき、
図1に示したECU150等の異常により、第二リニアソレノイドバルブ22から制御圧P2が誤出力された場合、上述したように制御圧P2の油圧経路は、
図3の第二スプールバルブ25の左側の状態において、大径ランド部24で遮断され、制御圧P2は図示しないドレーンポートへ導かれ、大気圧に解放されるため、P2≒0となる。よって、F2u=P2×(B−B’)+(Pc×B’)+F’=(Pc×B’)+Fとなり、第二スプールバルブ25はP2に依存せず小径部23方向へ移動させられた状態に維持されるため、スプリットモードクラッチ20へ係合圧が供給されることはない。よって、インターロック状態は確実に防止され、また、無段変速機モードからスプリットモードへの急激な切替えによる変速ショックや減速感等が生じることもない。
【0065】
さらに、CVTモードクラッチ10と、スプリットモードクラッチ20と、の双方が解放状態になることも防止され、変速機による負荷が減少することによるエンジンの吹け上がりも防止し得る。
【0066】
CVTモードからスプリットモードへの切替え時は、
図6のt3からt4の間に、第一リニアソレノイドバルブ12により制御圧P1が最大値PmaxからP1×B<P2×(B−B’)+(Pc×B’)+F’の関係が成立するまで減少されて切替準備圧Ppを維持し、第二スプールバルブ25が大径ランド部23側に移動(
図4の第二スプールバルブ25の右側の状態)することで第二スプールバルブ22からスプリットモードクラッチ20への油圧経路が連通された後、
図6の時間t5で第二リニアソレノイドバルブ22により制御圧P2が供給開始され、増大されて上記スプリットモードクラッチ20の係合制御が開始される。
【0067】
同時に
図6の時間t5で、第一リニアソレノイドバルブ12により制御圧P1がさらに低減され始め、第一スプールバルブ15が小径ランド部13側に移動する(
図4の第一スプールバルブ15の右側の状態)。その結果、
図6の時間t6においてP2×A>P1×(A−A’)+(Pc×A’)+Fの関係が成立し、CVTモードクラッチ10への係合圧を遮断する(
図5に示す第一スプールバルブ15の状態)。
【0068】
上述したように、
図6の時間t3からt6の間に、インターロック状態を防止しつつ、CVTモードクラッチ10から上記スプリットモードクラッチ20への持ち替えが完了され、図示しない車両は副変速機110を用いたスプリットモードでの高速走行が可能となる。
【0069】
スプリットモードでの高速走行時は、
図6に示すように時間t6以降、第一リニアソレノイドバルブ12により制御圧P1が低減された状態が継続され、P1×B<P2×(B−B’)+(Pc×B’)+F’の関係が維持され、第二スプールバルブ25が大径ランド部24側に移動した状態(
図5の第二スプールバルブ25の状態)を維持するため、第二リニアソレノイドバルブ22による制御圧P2の上記スプリットモードクラッチ20への係合圧の供給が継続される。
【0070】
また、P2×A>P1×(A−A’)+(Pc×A’)+Fの関係が成立することで、第一スプールバルブ15が小径ランド部13側に移動した状態(
図5の第一スプールバルブ15の状態)を維持し、第一リニアソレノイドバルブ12からCVTモードクラッチ10への油圧経路は、第一スプールバルブ15の大径ランド部14で遮断された状態を維持する。
【0071】
このとき、
図1に示したECU150等の異常により、第一リニアソレノイドバルブ12から制御圧P1が誤出力された場合、上述したように制御圧P1の油圧経路は、
図5の第一スプールバルブ15において、大径ランド部14で遮断され、制御圧P1は図示しないドレーンポートへ導かれ、大気圧に解放されるため、P1≒0となる。よって、F1u=P1×(A−A’)+(Pc×A’)+F=(Pc×A’)+Fとなり、第一スプールバルブ15はP1に依存せず大径部14方向へ移動させられた状態に維持されるため、CVTモードクラッチ10へ係合圧が供給されることはない。よって、インターロック状態は確実に防止され、また、スプリットモードから無段変速機モードへの急激な切替えによる車両の挙動の乱れが生じることもない。
【0072】
車速が低下し、スプリットモードからCVTモードへの切替えを行う場合は、
図6に油圧制御を示し上記で説明したように、CVTモードからスプリットモードへの切替えを行った時にP1圧を低減させながらP2圧を増加させるよう制御した手順と同様に、時間t7よりP2圧を低減させながら時間t9よりP1圧を増加させるよう制御すれば時間t10で切替えが完了する。制御フローは同じであるため詳しい説明は省略する。
【0073】
上述したように、無段変速機走行モード用第一リニアソレノイドバルブ12と、副変速機走行モード用第二リニアソレノイドバルブ22と、からなる油圧回路に、受圧面積が大小のランド径を有するスプールバルブ15、25と、バネ部材18、28と、を2セットのみ追加配設する簡易な機構により、コストや容積の増大を抑制しつつ複数の入力クラッチが同時に係合することを確実に防止し得る。
【0074】
ここまで説明してきたように、スプリットモードでの走行は高速走行時のみであり、第二リニアソレノイドバルブ22がスプリットモードクラッチ20の係合圧を供給するのは、高速走行時のみである。発進からスプリットモードでの走行へ切替えが行われるまで、即ち、CVTモードでの走行中、第二リニアソレノイドバルブ22は変速制御等に使用されていない。
【0075】
トルコン7のロックアップ制御は、CVTモードでの走行中に行われるため、本発明においては、トルコン7のロックアップ制御を第二リニアソレノイドバルブ22で行う。
【0076】
図8〜
図9に、本発明の油圧制御装置が用いられる油圧回路例の略図を示し、これを参照しながら第二リニアソレノイドバルブ22でロックアップ制御を行う場合について、制御要素の動作や油圧の流れを詳細に説明する。
【0077】
まず、CVTモードでの走行中に、第二リニアソレノイドバルブ22から制御圧P2を出力させる。CVTモードでの走行中は、
図3に示したように、P2圧は第二スプールバルブ25の大径ランド部24で遮断されており、スプリットモードクラッチ20が係合することはなく、インターロック状態になることが防止されている。
【0078】
また、ロックアップコントロールバルブ50には、セカンダリモジュレータバルブ60からロックアップ元圧Puが供給されている。上記で第二リニアソレノイドバルブ22から出力された制御圧P2は、第三スプールバルブ35を介して、ロックアップコントロールバルブ50へ導入され、制御圧P2により上記ロックアップコントロールバルブ50は移動させられ(
図9の右半分の状態)、上記ロックアップ元圧Puを制御し、上記で制御されたPuがトルコン6に内蔵されるロックアップクラッチ7に供給されて、ロックアップクラッチ7が係合することでトルコン6はエンジン220と直結されて回転する状態となり、ロックアップ状態が成立する。
【0079】
上記でロックアップ状態が成立した後、第一ON/OFFバルブ45をON(連通)状態
に制御する。上記制御により、第三スプールバルブ35は移動させられ(
図9の右半分の状態)、第二リニアソレノイドバルブ22から副変速機用の第二スプールバルブ25へ通じる油路が形成され、第二リニアソレノイドバルブ22によりスプリットモードクラッチ20を制御可能な油圧回路が形成される。
【0080】
次に、クラッチモジュレータバルブ70で調圧されたクラッチモジュレータ圧Pmが、第一ON/OFFバルブ45と第三スプールバルブ35とを介して、ロックアップコントロールバルブ50に導入され、上記クラッチモジュレータ圧Pmによりロックアップコントロールバルブ50が移動させられた状態(
図9の右半分の状態)が維持される。
【0081】
上記により、セカンダリモジュレータバルブ60からロックアップ元圧Puが継続してロックアップクラッチ7に供給され、トルコン6に内蔵されるロックアップクラッチ7に作用し、ロックアップ状態が継続される。
【0082】
上述したように、第三スプールバルブ35と、第一ON/OFFバルブ45と、を追加することにより、第二リニアソレノイドバルブ22によってトルコン7のロックアップ制御を行うことが可能となる。
【0083】
また、上記した第三スプールバルブ35と、第一ON/OFFバルブ45と、に加えて、電磁弁を備えることにより、スプリット走行モードでの高速走行中に第二リニアソレノイドバルブ22が制御不能となり、全開出力状態で固定された場合において、意図しない走行モード切替えを回避したうえで、フェールセーフモードでの走行が可能となる。
【0084】
図3と、
図10の本発明の油圧制御装置が用いられる油圧回路例の略図をおもに参照しながら、第二リニアソレノイドバルブ22が全開出力状態で制御不能となった際に、フェールセーフモードでの走行を行う場合について、制御要素の動作や油圧の流れを詳細に説明する。
【0085】
上記のフェール状態となった場合、
図2を参照すると、まず、ロックアップ状態となっているトルコン6に内蔵されるロックアップクラッチ7の係合を解除する。次に、CVTモードクラッチ10を係合させると同時にスプリットモードクラッチ20の係合を解除させ、CVT走行モードに切り替える。以下に、その手順を説明する。
【0086】
高速運転中、車速が所定値まで低下すると、スプリット走行モードから、CVT走行モードへの切替え指示が、ECU150から出力される。即ち、第二リニアソレノイドバルブ22によりスプリットモードクラッチ20の係合制御圧P2を減少させ、第一リニアソレノイドバルブ12によりCVTモードクラッチ10の係合制御圧P1を増大させる指示が、ECU150から出力される。
【0087】
図10に示す第一リニアソレノイドバルブ12、および第二リニアソレノイドバルブ22が正常であれば、CVT走行モードに切り替わり、スプリット型変速機200の減速比はCVT100の減速比と同一になる。
【0088】
減速比検知手段、一例として、スプリット型変速機200の入力回転数と出力回転数を、図示しない検出手段により検知して、ECU150で演算することにより減速比は算出され、上記で算出した減速比がCVT100の減速比と一致していなければ、ECU150は第二リニアソレノイドバルブ22がフェール状態であると判定する。
【0089】
上記判定がなされると、
図10の第二ON/OFFバルブ46が連通状態になる。一例として、ノーマルオープン式の電磁弁を用いておけば、電源を喪失した場合であっても、連通状態に移行することが可能である。
【0090】
上記で第二ON/OFFバルブ46が連通状態になることで、クラッチモジュレータバルブ70で調圧されたクラッチモジュレータ圧Pmが、フェールセーフバルブ90に導入される。
【0091】
上記でフェールセーフバルブ90にクラッチモジュレータ圧Pmが導入されることにより、フェールセーフバルブ90が移動させられ、ロックアップコントロールバルブ50はクラッチモジュレータ圧Pmにより、ロックアップを解除する方向に移動させられる。以上により、まずロックアップクラッチ7の解放がなされる。
【0092】
上記と同時に、フェールセーフバルブ90の移動により無段変速機100の変速比を概ね1とする油圧回路が形成される。また同時に上記第一スプールバルブ15にクラッチモジュレータ圧Pmが供給される。
【0093】
車両の速度が徐々に低下し、図示しない車速検出手段により車速信号がECU150へ入力され、ECU150により車速がゼロ(車両が停止)、もしくは極低速と判定されればと、第一ON/OFFバルブ45をOFF(遮断)状態にする。
【0094】
上記で第一ON/OFFバルブ45がOFF(遮断)状態にされるより、第三スプールバルブ35が移動させられ、上記第一スプールバルブ14と、記第一スプールバルブ24と、に供給されていた、フェール状態の第二リニアソレノイドバルブ22からの制御圧P2が遮断される。
【0095】
また、上記第三スプールバルブ35の移動により、第二リニアソレノイドバルブ22からの制御圧P2が、ロックアップコントロールバルブ50へ導入されるが、上記ロックアップコントロールバルブ50はクラッチモジュレータ圧Pm(P1、P2の元圧であり、Pm>P2)により強制OFF状態にされているので、ロックアップコントロールバルブ50は上記制御圧P2により移動させられることはなく、ロックアップクラッチ7は解放状態で維持される。
【0096】
また、上記で制御圧P2が遮断されると同時に、第一スプールバルブ15が大径ランド部14側に移動させられ(
図3に示した第一スプールバルブ15の状態)、フェールセーフバルブ90からのクラッチモジュレータ圧PmがCVTモードクラッチ10へ供給される。また、同時に、副変速機用の第二スプールバルブ25が小径ランド部23側へ移動し(
図3に示した第二スプールバルブ25の左半分の状態)、第二リニアソレノイドバルブ22とスプリットモードクラッチ20を結ぶ油圧回路を遮断し、制御圧P2がスプリットモードクラッチ20へ供給されることを防止すし、CVTモードクラッチ10とスプリットモードクラッチ20との同時係合が防止される。
【0097】
上記により、インターロック状態を防止しつつ、スプリットモードクラッチ20からCVTモードクラッチ10への持ち替えが完了する。上記持ち替えの際、副変速機110と無段変速機(CVT)の変速比には差があり、かつ、通常時のクラッチ持ち替え制御、即ちスプリットモードクラッチ20を徐々に解放しながら、CVTモードクラッチ10を係合する制御は行われない。
【0098】
しかし、上記のクラッチ持ち替え時、車両は停止状態、又は極低速状態であり、極低速状態であれば変速ショックは小さく、乗員に不快感を与えない。停止状態であれば、変速ショックは生じない。また、停止状態、又は極低速状態では入力トルクも小さいため、動力伝達部品の損傷も発生しない。
【0099】
上述した手順により、高速走行中に第二リニアソレノイドバルブ22が全開出力状態で制御不能なフェール状態になった場合でも、フェールセーフバルブ90によりトルコン6に内蔵されるロックアップクラッチ7を解除し、スプリットモードクラッチ20を解放し、CVTモードクラッチ10を安全に係合させることが可能となり、無段変速機の変速比が概ね1となる油圧回路がフェールセーフバルブ90により形成される。
【0100】
無段変速機の変速比が概ね1となっていれば、停止状態からでもゆっくりとではあるが発進、加速、走行することが可能であり、修理工場や自宅まで走行し得る。
【0101】
上記で説明してきたように、上記した第三スプールバルブ35と、第一ON/OFFバルブ45と、に加えて、電磁弁(第二ON/OFFバルブ)46を備えることにより、高速走行中に第二リニアソレノイドバルブ22が制御不能となり、全開出力状態で固定された場合において、フェールセーフモードでの走行が可能となる。
【0102】
本実施形態においては、ベルト式無段変速機100を用いることとしたが、無段変速機であれば形式を問わない。また、副変速機の伝達手段としてチェーンを用いることとしたが、動力伝達が可能であれば良く、一例として歯車を用いても良い。
【0103】
また、本実施形態においては、第三スプールバルブ35と、第一ON/OFFバルブ45と、に加えて、電磁弁(第二ON/OFFバルブ46)を備え、上記電磁弁の作動によりクラッチモジュレータバルブ70で調圧されたクラッチモジュレータ圧Pmが、フェールセーフバルブ90に導入されることとしたが、別の実施形態も考えられる。
【0104】
一例として、油圧制御回路を構成する既存要素の中に、フェール状態において使用しない電磁弁があれば、該電磁弁を用いて制御油圧をフェールセーフバルブ90に導き、フェールセーフ状態となるように上記フェールセーフバルブ90を移動させても良い。
【0105】
尚、
図11に示すような、遊星ギヤ40を追加し、副変速機110を用いてスプリットモードで走行中に、遊星ギヤ40によりさらに増速比を増加させるタイプのスプリット型無段変速機においても、トルコンのロックアップ制御や、フェールセーフ時の制御は上述した実施形態と同様であり、本発明によりインターロック状態の発生を同様に防止し得る。
【0106】
以上、本発明の油圧制御装置についての実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。