(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン1の斜視図である。
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが左右に並べて配置されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rは、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、21個の図柄が周方向に並べて配列されている。
【0014】
前扉3には、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rと対向する位置に、表示パネルユニット5が配置されている。
表示パネルユニット5には、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの周面の一部を視認可能にするためのリール窓6が形成されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転中は、リール窓6内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、リール窓6内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
【0015】
また、表示パネルユニット5には、遊技に関する基本的な情報を表示するための各種の表示器が備えられている。この表示器には、たとえば、兼用表示器7、配当数表示器8、3個のベット数表示LED9、リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が含まれる。兼用数表示器7および配当数表示器8は、リール窓6の下方において、左右に並べて配置されている。兼用数表示器7および配当数表示器8は、それぞれドット付きの2桁の7セグメント表示器を横方向に並べて構成されている。3個のベット数表示LED9は、兼用表示器7の左側において、上下に並べて配置されている。リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12は、配当数表示器8の右側において、上下に並べて配置されている。
【0016】
図2は、ドット付きの2桁の7セグメント表示器で構成される兼用表示器7を示している。兼用表示器7の2桁の7セグメント部分は、クレジット数表示器CRと指示モニタNMとで兼用している。また、兼用表示器7のドット部分は、有利状態ランプYLとして利用している。
【0017】
指示モニタNMは、後述する主制御装置31から副制御装置32に対し、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作順を指示するコマンドを送信する際に当該コマンドの種別に応じた識別情報を表示する。
有利状態ランプYLは、後述する通常状態中には消灯状態とされ、有利状態中には点灯状態とされる。
【0018】
図1に戻り、前扉3には、表示パネルユニット5の下方に、操作部13が設けられている。操作部13は、表示パネルユニット5の前面に対して前側に張り出しており、平坦な上面14および前側に緩やかに凸湾曲した前面15を有している。
【0019】
上面14の右端部には、メダル投入口16が設けられている。上面14の左端部には、MAXベットボタン17および1枚ベットボタン18が設けられている。1枚ベットボタン18は、MAXベットボタン17の左側に配置されている。
また、上面14の中央部には、液晶表示装置24にて遊技者介入型の演出が実行された場合に、操作が促される演出ボタンPBが配置されている。
【0020】
前面15には、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rおよび精算ボタン21が設けられている。左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rは、前面15の左右方向の中央部において、左からこの順に並べて配置されている。スタートレバー19は、左ストップボタン20Lの左側に配置されている。精算ボタン21は、スタートレバー19のさらに左側に配置されている。
【0021】
メダル受付可否表示LED12の点灯中は、メダル投入口16からメダルが投入されると、その投入が受け付けられる。メダル受付可否表示LED12の消灯中は、メダル投入口16からメダルが投入されても、その投入が受け付けられず、前扉3の最下部に設けられたメダル排出口22からメダルトレイ23にメダルが排出される。
【0022】
ゲームに供するメダルがベットされていない状態において、メダルの投入が受け付けられると、そのメダルがゲームにベットされ、1個のベット数表示LED9が点灯される。つづいて、メダルがメダル投入口16から投入されると、2枚目のメダルがゲームに追加ベットされ、2個のベット数表示LED9が点灯される。さらに、メダルがメダル投入口16から投入されると、3枚目のメダルがゲームに追加ベットされ、3個のベット数表示LED9が点灯される。スロットマシン1では、1ゲーム(1回のゲーム)に対して規定数(スロットマシン1においては常時3枚)のメダルがベットされると、1ゲームが開始可能となり、スタート可否表示LED11が点灯されるとともに、リール窓6内に設定される所定の入賞ラインが有効化される。規定数のメダルがゲームにベットされている状態で、メダル投入口16からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、50枚を上限として、スロットマシン1にクレジットされる。クレジットされているメダルの枚数は、クレジット数表示器CRに表示される。50枚のメダルがクレジットされている状態で、メダル投入口16からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、メダル排出口22からメダルトレイ23に排出される。
【0023】
規定数以上のメダルがスロットマシン1にクレジットされ、ゲームに対してメダルがベットされていない状態において、MAXベットボタン17が操作されると、そのクレジットされているメダルから規定数のメダルがゲームにベットされ、3個のベット数表示LED9およびスタート可否表示LED11が点灯されるとともに、リール窓6内に設定される所定の入賞ラインが有効化される。また、クレジット数が規定数分だけ減り、クレジット数表示器CRの表示が更新される。1枚ベットボタン18が操作された場合には、クレジットされているメダルから1枚のメダルがゲームにベットされ、1個のベット数表示LED9が点灯されるとともに、クレジット数が1だけ減り、クレジット数表示器CRの表示が更新される。
【0024】
ベットされたメダルは、ゲームの開始とともに消費される。スタートレバー19が操作されると、1ゲームが開始となり、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの順方向の回転が開始される。また、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が消灯される。左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rは、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rに対応して設けられている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転開始後、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されると、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転が停止される。
【0025】
左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのすべてが停止した時点で、有効化されている入賞ライン(以下、「有効ライン」という。)上に所定の図柄の組合せが並ぶと、その図柄の組合せに応じた処理が行われる。以上で1ゲームが終了となり、すべてのベット数表示LED9が消灯され、メダル受付可否表示LED12が点灯される。
【0026】
たとえば、有効ライン上に小役に係る図柄の組合せが並ぶと、所定の配当数のメダルが配当として付与され、その配当数が配当数表示器8に表示される。配当は、スロットマシン1に50枚を上限としてクレジットされ、50枚を超える分については、メダル排出口22からメダルトレイ23に排出される。配当がクレジットされると、クレジット数が配当数だけ増え、クレジット数表示器CRの表示が更新される。
【0027】
また、有効ライン上にリプレイ役に係る図柄の組合せが並ぶと、メダルのベットなしで次の1ゲームの実行が許可され、リプレイ表示LED10が点灯される。この場合、メダル受付可否表示LED12が消灯されたまま、点灯中のベット数表示LED9が一旦消灯された後に再び点灯されるとともに、スタート可否表示LED11が点灯される。
【0028】
メダル受付可否表示LED12が点灯され、1枚以上のメダルがクレジットされている状態で、精算ボタン21が操作されると、クレジットされている全メダルがメダル排出口22からメダルトレイ23に排出されて、クレジット数表示器CRの表示が「0」に更新される。
【0029】
また、スロットマシン1には、液晶表示装置24、1対のスピーカ25L,25Rおよび1対のスピーカ26L,26Rが搭載されている。液晶表示装置24は、表示パネルユニット5の上方に配置されている。スピーカ25L,25Rは、液晶表示装置24の左側および右側に分かれて配置されている。スピーカ26L,26Rは、メダル排出口22の左側および右側に分かれて配置されている。遊技(ゲーム)の進行に合わせて、液晶表示装置24に演出画像や各種の情報などが表示され、また、スピーカ25L,25R,26L,26Rから効果音などが出力される。
【0030】
図3は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0031】
スロットマシン1は、ゲームの中枢的な制御を実行する主制御装置31と、ゲームに付随する演出のための制御を実行する副制御装置32と、液晶表示装置24を制御する液晶制御装置33とを備えている。
【0032】
主制御装置31には、CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44およびデータ送出回路45が備えられている。CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44およびデータ送出回路45は、バスにより、データを通信可能に接続されている。また、主制御装置31には、CPU41にクロックパルスを与えるクロック発生回路46と、乱数を生成する乱数生成回路47とが備えられている。
【0033】
CPU41は、ROM42に格納されているプログラムを実行し、入出力ポート44から入力される信号に基づいて、入出力ポート44に接続されている各制御対象を制御する。
【0034】
RAM43は、CPU41によるプログラムの実行時のワークエリアとして使用される。
【0035】
入出力ポート(入力ポート)44には、MAXベットボタン17、1枚ベットボタン18、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20R、精算ボタン21、左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51C、右リール位置検出センサ51R、メダル投入センサ52およびメダル払出センサ53が接続されている。
【0036】
入出力ポート(出力ポート)44には、クレジット数表示器CR/指示モニタNM、有利状態ランプYL、配当数表示器8、ベット数表示LED9、リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が制御対象として接続されている。また、入出力ポート(出力ポート)44には、左リール4Lを回転駆動する左リール駆動モータ61L、中リール4Cを回転駆動する中リール駆動モータ61C、右リール4Rを回転駆動する右リール駆動モータ61R、メダル投入口16から投入されるメダルの受付/拒否を切り替えるためのメダルブロックソレノイド62および本体2内に設けられたメダル貯留部(図示せず)からメダルを払い出すためのメダル払出駆動モータ63が制御対象として接続されている。
【0037】
MAXベットボタン17、1枚ベットボタン18、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rおよび精算ボタン21が操作されると、それらの個々に設けられたスイッチまたはセンサから信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。また、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが1回転する度に、それぞれ左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51Cおよび右リール位置検出センサ51Rから信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。メダル投入口16からメダルが1枚投入される度に、メダル投入センサ52から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。メダル払出駆動モータ63が駆動されて、メダル貯留部からメダルが払い出される度に、メダル払出センサ53から信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
【0038】
左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rには、ステッピングモータが採用されている。規定数のメダルがゲームにベットされた後、スタートレバー19が操作されると、CPU41は、左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rに駆動パルス信号を入力し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転を開始させる。CPU41は、左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51Cおよび右リール位置検出センサ51Rの出力信号ならびに左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rへの駆動パルス信号の出力数に基づいて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転位置を常に把握している。
【0039】
また、スタートレバー19が操作されると、CPU41は、内部抽選を実行する。具体的には、CPU41は、スタートレバー19が操作されたタイミングで、乱数生成回路47から乱数を取得する。そして、CPU41は、ROM42に格納されている抽選テーブルを参照する。抽選テーブルでは、乱数生成回路47が生成する乱数の範囲(たとえば、0〜65535)が複数の抽選区分に分けられ、抽選区分の個々に1以上の役が対応づけられている。CPU41は、乱数生成回路47から取得した乱数が属する抽選区分に対応づけられた役を当選役として決定する。また、CPU41は、乱数生成回路47から取得した乱数がどの抽選区分にも属さない場合には、内部抽選の結果を不当選(純ハズレ)と決定する。
【0040】
その後、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転速度が一定になると、CPU41は、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rを有効化する。そして、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されると、CPU41は、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されたタイミングと内部抽選の結果とに基づいて、左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止を制御する。このとき、左ストップボタン20Lが押操作されたタイミングでの左リール4Lの回転位置を基準として、所定コマ数分の図柄が移動する引込範囲内で左リール4Lの回転が停止される(引込制御)。中リール4Cおよび右リール4Rについても同様である。
【0041】
そして、CPU41は、有効ライン上に内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが並んでいるか否かを判定する。有効ライン上に当選役に対応した図柄の組合せが並んでいれば、CPU41は、その当選役に入賞と判定し、当選役に応じた処理を実行する。
【0042】
また、CPU41は、データ送出回路45を介して、副制御装置32に各種データを送出する。各種データには、ゲーム開始の条件が成立したことを表すベット信号、スタートレバー19が操作されたことを表すレバーオン信号、左ストップボタン20Lが操作されたことを表す左停止信号、中ストップボタン20Cが操作されたことを表す中停止信号、右ストップボタン20Rが操作されたことを表す右停止信号、内部抽選やAT抽選の結果に係るデータ、及び左ストップボタン20L、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作順を指示する指示データなどが含まれる。
【0043】
副制御装置32には、データ入力回路71が備えられている。データ入力回路71は、主制御装置31のデータ送出回路45とデータを通信可能に接続されている。データ送出回路45とデータ入力回路71との間では、データ送出回路45からデータ入力回路71への一方向に通信が行われ、データ入力回路71からデータ送出回路45への通信は行われない。
【0044】
また、副制御装置32には、CPU72、ROM73、RAM74、サウンドプロセッサ75、入出力ポート76およびデータ入出力回路77が備えられている。データ入力回路71、CPU72、ROM73、RAM74、サウンドプロセッサ75、入出力ポート76およびデータ入出力回路77は、バスにより、データを通信可能に接続されている。さらに、副制御装置32は、CPU72にクロックパルスを与えるクロック発生回路78が備えるとともに、CPU72に操作信号を出力する演出ボタンPBが接続されている。
【0045】
CPU72は、ROM73に格納されているプログラムを実行し、データ入力回路71データ入出力回路77、及び演出ボタンPBから入力される信号に基づいて、サウンドプロセッサ75にデータ(コマンド)を送信し、入出力ポート76に接続されている各制御対象を制御する。制御対象には、スロットマシン1の各部の照明のためのLED79およびバックライト80などが含まれる。また、CPU72は、データ入出力回路77を介して、液晶制御装置33に液晶表示装置24の制御に必要なデータを送出する。
【0046】
RAM74は、CPU41によるプログラムの実行時のワークエリアとして使用される。
【0047】
サウンドプロセッサ75は、CPU72から与えられるデータに基づいて、スピーカ25L,25R,26L,26Rからの効果音や音声の出力を制御する。
【0048】
液晶制御装置33には、データ入出力回路81が備えられている。データ入出力回路81は、副制御装置32のデータ入出力回路77とデータを通信可能に接続されている。データ入出力回路77とデータ入出力回路81との間では、双方向に通信が行われる。
【0049】
また、液晶制御装置33には、CPU82、ROM83、RAM84および駆動回路85が備えられている。データ入出力回路81、CPU82、ROM83、RAM84および駆動回路85は、バスにより、データを通信可能に接続されている。さらに、液晶制御装置33には、CPU82にクロックパルスを与えるクロック発生回路86が備えられている。
【0050】
CPU82は、ROM83に格納されているプログラムを実行し、データ入出力回路81から入力される信号に基づいて、駆動回路85を介して、液晶表示装置24を制御する。また、CPU82は、データ入出力回路81を介して、副制御装置32にスピーカ25L,25R,26L,26Rからの効果音や音声の出力制御などに必要なデータを送出する。
【0051】
また、スロットマシン1には、貸出機中継基板91が備えられている。主制御装置31とスロットマシン1に隣接して設けられるメダル貸出機(図示せず)の制御基板とは、貸出機中継基板91を介して通信可能に接続されている。
【0052】
図4は、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの各周面(リール帯)に描かれている図柄の配列を示す図である。
【0053】
左リール4Lの周面には、「チェリー」、「ベル1」、「リプレイ1」、「プラム1」、「スイカ1」、「赤7」、「ベル1」、「リプレイ1」、「プラム1」、「青7」、「スイカ1」、「ベル1」、「リプレイ1」、「チェリー」、「黒BAR」、「ベル1」、「リプレイ1」、「プラム1」、「スイカ1」、「ベル1」および「リプレイ1」の21個の図柄が左リール4Lの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0054】
中リール4Cの周面には、「スイカ1」、「ベル1」、「リプレイ1」、「スイカ1」、「プラム1」、「赤7」、「ベル1」、「リプレイ1」、「ブランク」、「プラム1」、「青7」、「ベル1」、「リプレイ1」、「ブランク」、「ベル1」、「リプレイ1」、「スイカ1」、「黒BAR」、「プラム1」、「ベル1」および「リプレイ1」の21個の図柄が中リール4Cの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0055】
右リール4Rの周面には、「ベル1」、「スイカ1」、「リプレイ1」、「ベル1」、「赤7」、「プラム1」、「ブランク」、「リプレイ1」、「ベル1」、「青7」、「プラム1」、「スイカ1」、「リプレイ1」、「ベル1」、「スイカ1」、「リプレイ1」、「ベル1」、「黒BAR」、「プラム1」、「スイカ1」および「リプレイ1」の21個の図柄が右リール4Rの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0056】
図5は、図柄停止位置PL1,PL2,PL3,PC1,PC2,PC3,PR1,PR2,PR3および有効ラインL1〜L5について説明するための図である。
【0057】
左リール4Lが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PL1,PL2,PL3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0058】
中リール4Cが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PC1,PC2,PC3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0059】
右リール4Rが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PR1,PR2,PR3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0060】
スロットマシン1は、リール窓6内の上段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC1,PR1を通る上段ラインL1、中段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL2,PC2,PR2を通る中段ラインL2、下段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC3,PR3を通る下段ラインL3、右下がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC2,PR3を通る右下がりラインL4、及び右上がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC2,PR1を通る右上がりラインL5のうち、中段ラインL2のみを有効ラインとするいわゆる1ライン機である。
【0061】
内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが有効ラインL2に並ぶと、その当選役に入賞となる。内部抽選の抽選対象の役には、ボーナス役、小役、及びリプレイ役を含む。ボーナス役は、当選した場合は入賞するまで当選状態が維持される、所謂持越し役である。これに対し、小役及びリプレイ役は、3つのリール4L,4C,4Rが全て停止して1回のゲームが終了すると、当選状態が消滅する役である。小役は、入賞に伴いメダルが払い出される役、リプレイ役は、入賞に伴い、メダルのベット不要で次ゲームを実行することが出来る役である。
【0062】
図6は、スロットマシン1に搭載された条件装置(以下、役ともいう)の名称及び種別、個々の役に対応づけられた入賞図柄組合せ、及び入賞に対する配当(メダル払出枚数)または特典を示す図である。
図6に示す如く、スロットマシン1では、ボーナス役としてBB役、小役として小役1〜小役12の12通り、及びリプレイ役として通常RP及び特殊RP1〜3の4通り、合計17通りの役を設定している。
ボーナス役BB役は、遊技関連規則上の第1種特別役物に係る役物連続作動装置(以下、1種BBという)である。
【0063】
BB役の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に「赤7」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。BB役が入賞した場合、該入賞に対する配当はないが、次ゲームからビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)が開始される。BBゲームは、BBゲーム中に払い出されたメダル枚数が262枚を超えたゲームで終了する。また、BBゲーム中には、毎ゲーム小役1の入賞が許容されるとともに、小役1の配当が9枚であることから、BBゲームの開始から終了までに30ゲームを要することになる。
【0064】
小役1の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に「ベル1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役1が入賞した場合、配当として9枚のメダルが払い出される。
【0065】
小役2の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「黒BAR」「リプレイ1」「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役2が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
小役3の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「青7」「リプレイ1」「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役3が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
小役4の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「赤7」「リプレイ1」「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役4が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
【0066】
小役5の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「リプレイ1」「黒BAR」「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役5が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
小役6の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「リプレイ1」「青7」「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役6が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
小役7の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「リプレイ1」「赤7」「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役7が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
【0067】
小役8の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「リプレイ1」「リプレイ1」「黒BAR」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役8が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
小役9の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「リプレイ1」「リプレイ1」「青7」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役9が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
小役10の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「リプレイ1」「リプレイ1」「赤7」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役10が入賞した場合には1枚のメダルが払い出される。
【0068】
小役11の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に、左リール4Lについては「チェリー」図柄、中リール4C及び右リール4Rについては各リールに配された何れの図柄でもよいことを示すANY図柄に設定している。小役11が入賞した場合には2枚のメダルが払い出される。
小役12の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に「スイカ」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。小役12が入賞した場合には5枚のメダルが払い出される。
【0069】
通常RPの入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。
特殊RP1の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「ベル1」「リプレイ1」「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。
特殊RP2の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「リプレイ1」「ベル1」「リプレイ1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。
特殊RP3の入賞図柄組合せは、有効ラインL2上に左から順に「リプレイ1」「リプレイ1」「ベル1」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。
【0070】
図7は、スロットマシン1における遊技状態の遷移を示す図である。
初期化状態のRT0において、後述する押し順小役1〜6の何れかに当選したゲームで、配当が9枚の小役1(以下、9枚役ともいう)を取り零し、配当が1枚の小役2〜10(以下、1枚役ともいう)が入賞するか、1枚役も取り零した場合に、次ゲームからRT1に移行する。
RT1において、後述する押し順RP1〜3の何れかに当選したゲームで、特殊RP1〜3の何れかが入賞した場合に、次ゲームから、リプレイ役の合算当選確率がRT0及びRT1に比べて高いRT2に移行する。
RT2において、押し順小役1〜6の何れかに当選したゲームで、9枚役を取り零し、1枚役入賞するか、1枚役も取り零した場合には、次ゲームからRT1に移行する。
【0071】
また、RT0、RT1及びRT2において、BB役に当選したゲームで、BB役が入賞しなかった場合には、次ゲームからBB内部中のRT3に移行する。RT3において、BB役の入賞した場合には、次ゲームからBBゲームが開始され、BBゲームの終了後にはRT0へ移行する。
【0072】
図8に、スロットマシン1の設定値1における、遊技状態毎の各内部抽選処理結果の当選範囲に相当する抽選値を示している。なお、内部抽選処理での乱数値の範囲は0〜65535のため、各抽選グループの当選確率は、抽選値/65536により算出できる。
RT0、RT1及びRT2中のBB役の抽選値は228、その当選確率は約1/327.7に設定している。BB内部中のRT3中には、BB役の抽選を行わない。
【0073】
押し順小役1〜6の抽選値はそれぞれ、RT0、RT1、RT2及びRT3中ともに5334、その当選確率は約1/12.3に設定している。
押し順小役1〜6は、配当が9枚の小役1と、配当が1枚の9種類の小役2〜10のうち、互いに組合せの異なる2種類の小役とが重複当選する役である。
押し小役1に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを右→中→左の順で操作した場合には9枚役が入賞する一方、他の順で操作した場合には9枚役が入賞することはなく、1枚役の入賞及び1枚役も取り零す非入賞の何れかとなる。
押し小役2に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを右→左→中の順で操作した場合には9枚役が入賞する一方、他の順で操作した場合には9枚役が入賞することはなく、1枚役の入賞及び非入賞の何れかとなる。
【0074】
押し小役3に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを中→左→右の順で操作した場合には9枚役が入賞する一方、他の順で操作した場合には9枚役が入賞することはなく、1枚役の入賞及び非入賞の何れかとなる。
押し小役4に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを中→右→左の順で操作した場合には9枚役が入賞する一方、他の順で操作した場合には9枚役が入賞することはなく、1枚役の入賞及び非入賞の何れかとなる。
【0075】
押し小役5に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを左→中→右の順で操作した場合には9枚役が入賞する一方、他の順で操作した場合には9枚役が入賞することはなく、1枚役の入賞及び非入賞の何れかとなる。
押し小役6に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを左→右→中の順で操作した場合には9枚役が入賞する一方、他の順で操作した場合には9枚役が入賞することはなく、1枚役の入賞及び非入賞の何れかとなる。
以下、押し順小役1〜6に当選したゲームで、9枚役が入賞することとなる各ストップボタン20L、20C、20Rの操作順を正解押し順という。
【0076】
小役11の抽選値は、RT0、RT1、RT2及びRT3中ともに820、その当選確率は約1/79.9に設定している。
小役12の抽選値は、RT0、RT1、RT2及びRT3中ともに550、その当選確率は約1/119.2に設定している。
【0077】
通常RPの抽選値は、RT0及びRT3中には8978、その当選確率は約1/7.3、RT2中には31962、その当選確率は1/2.1に設定している。RT1中には、通常RPの単独当選役の抽選は行わない。
【0078】
押し順RP1〜3は、RT1中のみ抽選対象となる役で、RT1中の抽選値はそれぞれ2993、その当選確率は役1/21.9に設定している。
押し順RP1〜3は、通常RPと特殊RP1〜3の何れかとが、重複当選する役である。
押し順RP1に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを右→中→左の順で操作した場合には特殊RP1が入賞する一方、他の順で操作した場合には通常RPが入賞する。
押し順RP2に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを中→右→左の順で操作した場合には特殊RP2が入賞する一方、他の順で操作した場合には通常RPが入賞する。
押し順RP3に当選したゲームでは、各ストップボタン20L、20C、20Rを左→右→中の順で操作した場合には特殊RP3が入賞する一方、他の順で操作した場合には通常RPが入賞する。
以下、押し順RP1〜3に当選したゲームで、特殊RP1〜3が入賞することとなる各ストップボタン20L、20C、20Rの操作順についても正解押し順という。
【0079】
また、何れの役にも当選しないハズレの抽選値は、RT0中には22984、その確率は約1/2.85、RT1中には22983、その確率は1/2.85、RT3中には23184、その確率は1/2.83となる。なお、RT2中にはハズレとなることはない。
【0080】
図8からわかるように、リプレイ役の合算当選確率は、RT0、RT1及びRT3中には約1/7.3、RT2中には1/2.1となる。従って、RT2は他の3つの遊技状態に比べて、リプレイ役の合算当選確率が著しく高くなる。
【0081】
なお、BB役が入賞した次のゲームから開始されるBBゲームについては、一般的なボーナスゲームと同様であるため、説明を省略する。
【0082】
また、本スロットマシン1において、
図2に示す有利状態ランプYLが消灯状態とされる通常状態中に、所定の抽選条件を満たした場合に、有利状態ランプYLが点灯状態とされる有利状態へ移行するか否かに係る有利状態移行抽選が行われ、該有利状態移行抽選に当選したことを条件に、有利状態へ移行する。
有利状態には、有利状態移行抽選の当選確率が通常状態に比べて高くなる高確状態と、RT0及びRT1中から遊技者に最も有利なRT2へスムーズに移行させるためのART準備状態と、RT2に移行後、当該RT2を維持するART状態の3通りの遊技状態を含む。
【0083】
具体的に、ART準備状態中には、RT0中には押し順小役1〜6に当選したゲームで正解押し順の報知を行わないことで、早期に9枚役の取り零しを生じさせてRT1へ移行させ、RT1中には、押し順小役1〜6に当選したゲームで正解押し順を報知することでRT0への転落を防止するとともに、押し順RP1〜3に当選したゲームで正解押し順を報知することで、早期に特殊RP1〜3を入賞させてRT2へ移行させる。
また、ART状態中には、押し順小役1〜6に当選したゲームで正解押し順を報知することでRT1への転落を防止する。
【0084】
以下、通常状態中及び有利状態中の遊技制御について説明する。
<1.通常状態>
図9は、通常状態中のゲーム処理の流れを示している。
先ず、ステップS901にて内部抽選処理を実行し、次のステップS902にて、内部抽選処理の結果に応じて、有利状態移行抽選処理(低確)を実行する。
図10(a)は、有利状態移行抽選処理(低確)の具体的な抽選内容を示している。
図10(a)に示す如く、有利状態移行抽選処理(低確)は、通常状態中の内部抽選処理の結果、BB役、小役11及び小役12の何れかに当選したゲームでのみ実行され、他の役に当選したゲーム及びハズレとなったゲームではスキップされる。また、通常状態中であっても、ボーナス内部中のRT3及びBBゲーム中に小役11または小役12に当選したゲームでは、有利状態移行抽選処理(低確)は実行しない。
【0085】
通常状態中にBB役に当選したゲームでは、ART準備状態を経てART状態へ移行させるか否かのみを判定する。ART準備状態を経てART状態へ移行させると判定する確率は、50%に設定している。
【0086】
通常状態中に小役11または小役12に当選したゲームでは、ART準備状態を経てART状態へ移行させるか否か、及び高確状態へ移行させるか否かの双方を判定する。
先ず、ART準備状態を経てART状態へ移行させるか否かを判定する。ART準備状態を経てART状態へ移行させると判定する確率は、小役11に当選したゲームでは20%、小役12に当選したゲームでは33%に設定している。
【0087】
ART準備状態を経てART状態へ移行させると判定されなかった場合には、次に高確状態へ移行させるか否かを判定する。高確状態へ移行させると判定する確率は、小役11に当選したゲームでは50%、小役12に当選したゲームでは100%に設定している。
【0088】
図9に戻り、次のステップS903では、有利状態移行抽選処理(低確)の結果、当選したか否かを判定する。具体的には、有利状態移行抽選処理(低確)の結果、ART準備状態を経てART状態に移行させる、または高確状態に移行させると判定された場合に当選と判定する。
ステップS903にてイエスと判断した場合には、ステップS904の有利状態中処理へ移行して通常状態中処理を終了する一方、ノーと判断した場合にはステップS901に戻る。
【0089】
<2.有利状態>
図11は、有利状態中のゲーム処理の流れを示している。
先ず、ステップS1101にて、有利状態ランプYLを点灯させるとともに、有利ゲーム数にゼロをセットする。次のステップS1102では、前述の有利状態移行抽選処理(低確)の結果、ART準備状態を経てART状態へ移行させると判定されたか否かを判断する。ステップS1102にて、イエスと判断した場合にはステップS1103にてART準備中処理へ移行させる一方、ノー判断した場合にはステップS1104にて高確中処理へ移行させて、リターンする。
【0090】
<2−1.高確中処理>
図12は、高確中のゲーム処理の流れを示している。
先ず、ステップS1201では内部抽選処理を実行し、これに応じて、次のステップS1202にて、有利ゲーム数に1を加算する。
次のステップS1203では、有利状態移行抽選処理(高確)を実行する。
有利状態移行抽選処理(低確)は、高確状態中の内部抽選処理の結果、BB役、小役11及び小役12の何れかに当選したゲームでのみ実行され、他の役に当選したゲーム及びハズレとなったゲームではスキップされる。
【0091】
高確状態中にBB役、小役11または小役12に当選したゲームにおいて、ART準備状態を経てART状態へ移行させると判定する確率はそれぞれ、100%、40%、66%に設定している。
有利状態移行抽選処理(高確)では、
図10(a)に示す有利状態移行抽選処理(低確)に比べて、BB役、小役11または小役12に当選したゲームにおいて、ART準備状態を経てART状態へ移行させると判定されるART移行確率がそれぞれ高くなる。
【0092】
図12に戻り、次のステップS1204では、ステップS1203の有利状態移行抽選処理(高確)に当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合にはART準備中処理へ移行させて高確中処理を終了する。
一方、ステップS1204にてノーと判断した場合には、次のステップS1205にて転落抽選処理を実行する。具体的に転落抽選処理は、
図10(b)に示す如く、通常RP及び押し順RP1〜3の何れか役に当選したゲームのみで実行され、他の役に当選したゲーム及びハズレとなったゲームではスキップされる。
通常RP及び押し順RP1〜3の何れか役に当選したゲームでの転落抽選処理の当選確率は20%に設定している。
【0093】
図12に戻り、次のステップS1206では、ステップS1205の転落抽選処理に当選したか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1201に戻り高確中処理を継続する。
一方、ステップS1206にてイエスと判断した場合、即ち転落抽選処理に当選した場合には、ステップS1207にて有利状態終了処理を実行した後、次のステップS1208にて通常状態中処理へ移行させて、高確中処理を終了する。
具体的に有利状態終了処理では、有利状態ランプYLの消灯処理、並びに有利状態中の制御に係る各種変数が記憶されているRAM43上の領域のクリア処理を行う。
【0094】
<2−2.ART準備中処理>
上述の如く、ART準備状態では、RT0及びRT1中から遊技者に最も有利なRT2へスムーズに移行させるための制御を実行する。
図13は、ART準備中のゲーム処理の流れを示している。
先ず、ステップS1301にてRT2に滞在中か否かを判断し、イエスと判断した場合にはステップS1309にてART中処理へ移行させ、リターンする。
ステップS1301にてノーと判断した場合には、ステップS1302にて内部抽選処理を実行し、これに応じて、次のステップS1303にて、有利ゲーム数に1を加算する。
【0095】
次のS1304ではRT1に滞在中か否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1301に戻る。
また、ステップS1304にてイエスと判断した場合には、ステップS1305にて、内部抽選処理の結果、押し順小役1〜6の何れかに当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、次のステップS1306にて正解押し順を報知する一方、ノーと判断した場合にはステップS1306をスキップしてステップS1307に移行する。
【0096】
ステップS1307では、内部抽選処理の結果、押し順RP1〜3の何れかに当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、次のステップS1308にて正解押し順を報知してステップS1301に戻る一方、ノーと判断した場合にはステップS1308をスキップしてステップS1301に戻る。
【0097】
<2−3.ART中処理>
上述の如く、ART状態では、基本的に遊技者に最も有利なRT2において、内部抽選処理の結果、押し順小役1〜6に当選したゲームにて正解押し順の報知を実行するとともに、ゲーム消化に応じて、残りゲーム数及び有利ゲーム数の更新処理を実行する。
図14は、ART中のゲーム処理の流れを示している。
先ず、ステップS1401にて残りゲーム数に初期ゲーム数をセットする。本実施例では、初期ゲーム数を一律30ゲームとしているが、これに代えて、前述のART移行抽選処理の当選時に、任意の初期ゲーム数を決定する仕様を採用してもよい。
【0098】
次のステップS1402にて内部抽選処理を実行し、これに応じて、次のステップS1403にて、有利ゲーム数に1を加算するとともに、残りゲーム数から1を減算する。
次のステップS1404では、BB役に当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1410にてBB処理を実行してステップS1402に戻る。BB処理については後述する。
【0099】
一方、ステップS1404にてノーと判断した場合には、ステップS1405に移行して残りゲーム数上乗せ抽選処理を実行する。
残りゲーム数上乗せ抽選処理では、
図16に示す如く、内部抽選処理の結果、小役11または小役12に当選したゲームで実行される。小役11に当選したゲームでは、5〜30ゲームの範囲で、平均で10ゲームが上乗せされる。小役12に当選したゲームでは、30〜300ゲームの範囲で、平均で50ゲームが上乗せされる。
【0100】
次にステップS1406では有利ゲーム数が1500ゲームに至ったか否か、またステップS1406にてノーと判断した場合にはステップS1407にて残りゲームがゼロか否かを判断する。
ステップS1406及びS1407ともにノーと判断した場合には、ステップS1402に戻る。一方、ステップS1406またはS1407にてイエスと判断した場合には、ステップS1408にて有利状態終了処理を実行して有利状態を終了し、次のステップS1409にて通常状態中処理へ移行させて処理を終了する。
【0101】
<2−4.BB処理>
BB処理では、ART状態中にBB役に当選してから、BB役の入賞を経て、BBゲームが終了するまでの一連の処理を実行する。
図15は、BB処理の流れを示している。
先ず、ステップS1501にて、有利ゲーム数と残りゲーム数との和が1500ゲーム以上で、且つ有利ゲーム数が1460ゲーム以上か否かを判断し、ノーと判断した場合にはBB役に当選した旨を告知するボーナス告知連続演出を実行する一方、イエスと判断した場合には、ボーナス告知を行わないこととしている。先ず、この理由について説明する。
【0102】
有利ゲーム数と残りゲーム数との和が1500ゲーム以上という、ステップS1501の第1の判断条件を満たす場合、有利期間のゲーム数が1500ゲームに到達し、リミッタ機能が作動することが確定していることになる。且つ、有利ゲーム数が1460ゲーム以上という、ステップS1501の第2の判断条件を満たす場合、BBゲームの消化に30ゲームを要することを考慮すると、リミッタ機能作動までの実質的なARTの残りゲーム数は10ゲームということになる。
さらに、例えば、ボーナス当選時の有利ゲーム数が1460ゲームであった場合、上述の通り、BBゲームの消化に30ゲームを要することを考慮すると、BB役の当選ゲームでBB役が入賞したとしても、BBゲーム終了後の有利ゲーム数は1490ゲームとなる。従って、BBゲーム終了後、リミッタ機能作動まで10ゲームしか残っていないことになる。実際には、BB役の当選から入賞まで数ゲームを要するため、リミッタ機能作動までの実質的なARTの残りゲーム数は10ゲーム未満となる。
よって、ステップS1501にてイエスと判断された場合は、リミッタ機能の作動が確定し、その作動まで実質的には数ゲームという状況下で、BB役に当選した状況であるといえる。
【0103】
そこで、本スロットマシン1において、上記のような状況下では、BB役に当選した旨の告知を行わないこととしている。この仕様の採用により、BB役の入賞を可能な限り遅らせ、BBゲーム以外でのART残りゲーム数の消化を図ることが出来る。
また、この仕様の採用により、リミッタ機能作動直前の有利期間中に当選したBB役の入賞、即ちBBゲームの開始を、リミッタ機能作動後の通常状態中まで持ち越す可能性を高めることが出来る。さらに、リミッタ機能作動直前の有利期間中に当選したBB役の入賞、即ちBBゲームの開始を、リミッタ機能作動後の通常状態中まで持ち越すことが出来た場合には、通常状態に転落後にBB役に当選した旨を告知することにより、BB役の入賞を促し、入賞に応じて即座にBBゲームを開始することが出来るので、リミッタ機能作動による喪失感を和らげることが出来る。
【0104】
一方、ボーナス告知連続演出を実行する他方のルートでは、ボーナス告知連続演出の開始ゲーム(BB役当選ゲーム)から、BB役に当選した旨を告知するボーナス告知連続演出の最終ゲームまでは、内部抽選結果に応じた残りゲーム数上乗せ処理、並びに押し順小役1〜6に当選したゲームでの正解押し順報知を実行する代わりに、残りゲーム数の減算処理を行うこととしている。
【0105】
これに対し、ボーナス告知連続演出の最終ゲームの次ゲーム、即ち、BB役に当選した旨が告知された後のゲームから、BB役が入賞するまでのゲームについては、内部抽選結果に応じた残りゲーム数上乗せ処理、並びに押し順小役1〜6に当選したゲームでの正解押し順報知を実行しない代わりに、残りゲーム数の減算も一時中断することとしている。
ボーナス内部中のRT3はRT2に比べてリプレイ役に係る合算当選確率も低い上、押し順小役1〜6に当選したゲームでの正解押し順報知も実行されないため、BB役に当選した旨を告知した後は、早期にBB役を入賞させないと損をする。この仕様の採用により、前記他方のルートでは、遊技者に早期のBB役の入賞を強いることができる。
【0106】
図15に戻り、先ずステップS1501にてノーと判断される、ボーナス告知有ルートについて説明し、次にステップS1501にてイエスと判断される、ボーナス告知なしルートについて説明する。
ステップS1502では、ボーナス告知連続演出抽選処理を実行する。当該処理では、複数種類用意されたボーナス告知連続演出の中から、何れを実行するかを抽選する。当該抽選の結果、ボーナス告知連続演出に要するゲーム数も決定される。
次のステップS1503では、ステップS1502にて決定したボーナス告知連続演出を開始する。
【0107】
次のステップS1504では、BB役が入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合にはボーナス告知連続演出を終了し、ステップS1516へ移行してBBゲームを開始する。一方、ステップS1504にてノーと判断した場合には、ボーナス告知連続演出を継続する。
【0108】
次のステップS1505では、内部抽選処理を実行し、これに応じて、次のステップS1506にて、有利ゲーム数に1を加算するとともに、残りゲーム数から1を減算する。
次のステップS1507では、残りゲーム数上乗せ抽選処理を実行する。これについては、
図14のステップS1405と同様であるため、説明は省略する。
次のステップS1508では、有利期間を終了させるか否か、具体的には有利ゲーム数が1500ゲームに至ったか、及び残りゲーム数がゼロとなったかを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1529にて有利状態終了処理を実行して有利状態を終了し、次のステップS1530にて通常状態中処理へ移行させて処理を終了する。
【0109】
ステップS1508にてノーと判断した場合には、ステップS1509にてBB役が入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合にはボーナス告知連続演出を終了し、ステップS1516へ移行してBBゲームを開始する。一方、ステップS1509にてノーと判断した場合には、ステップS1510にてボーナス告知連続演出の終了ゲームか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1505に戻り、ボーナス告知連続演出を継続する。
【0110】
ステップS1510にてイエスと判断した場合には、ステップS1511にてBB役に当選している旨を告知する。従って、ステップS1511以降は、BB役に当選した旨が告知された後のゲームとなる。
次のステップS1512では、内部抽選処理を実行し、これに応じて、次のステップS1506にて、有利ゲーム数に1を加算する。上述の通り、残りゲーム数の減算処理は行わない。
【0111】
次のステップS1514では、有利期間を終了させるか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1529にて有利状態終了処理を実行して有利状態を終了し、次のステップS1530にて通常状態中処理へ移行させて処理を終了する。
上述の通り、ボーナス当選告知後は、残りゲーム数の減算処理を行わないので、残りゲーム数がゼロとなることはない。従って、これによって有利期間が終了することはない。
ステップS1514にてノーと判断した場合には、ステップS1515にてBB役が入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合にはステップS1516へ移行してBBゲームを開始する一方、ノーと判断した場合にはステップS1517に戻る。
【0112】
ステップS1516にてBBゲームを開始した後は、ステップS1517にて内部抽選処理を実行し、これに応じて、次のステップS1518にて、有利ゲーム数に1を加算する。BBゲーム中も、上述のボーナス内部中と同様に残りゲーム数の減算処理は行わない。
次のステップS1519では、残りゲーム数上乗せ抽選処理を行う。当該残りゲーム数上乗せ抽選処理は、BBゲーム中専用の処理で、具体的には、内部抽選結果にかかわらず、毎ゲーム上乗せ抽選を行う。
【0113】
次のステップS1520では、有利期間を終了させるか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1529にて有利状態終了処理を実行して有利状態を終了し、次のステップS1530にて通常状態中処理へ移行させて処理を終了する。
上述の通り、BBゲーム中は残りゲーム数の減算処理を行わないので、残りゲーム数がゼロとなることはない。従って、これによって有利期間が終了することはない。
ステップS1520にてノーと判断した場合には、ステップS1521にてBBゲームを終了させるか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1517へ戻る一方、イエスと判断した場合には、ステップS1522にてART準備中処理へ移行させて処理を終了する。
【0114】
次に、ボーナス告知なしルートについて説明する。
ステップS1501にてイエスと判断した場合には、ステップS1523にてBB役が入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合にはステップS1516へ移行してBBゲームを開始する。
ステップS1523にてノーと判断した場合には、ステップS1524にて内部抽選処理を実行し、これに応じて、次のステップS1525にて、有利ゲーム数に1を加算するとともに、残りゲーム数から1を減算する。次のステップS1526では残りゲーム数上乗せ抽選処理を実行する。これについては、
図14のステップS1405と同様であるため、説明は省略する。
【0115】
次のステップS1527では、有利期間を終了させるか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1529にて有利状態終了処理を実行して有利状態を終了し、次のステップS1530にて通常状態中処理へ移行させて処理を終了する。
ステップS1527にてノーと判断した場合には、ステップS1528にてBBゲームを終了させるか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1524へ戻る一方、イエスと判断した場合には、ステップS1516へ移行してBBゲームを開始する。
【0116】
以上説明した通り、本スロットマシン1においては、有利期間の終了に係るリミッタ機能の作動が確定しており、且つ、ボーナスゲームの消化に要するゲーム数を考慮すると、その作動までの実質的な有利期間の残りゲーム数が数ゲームという状況下で、ボーナス役に当選した場合には、ボーナス役に当選した旨の告知を行わない仕様を採用している。これにより、リミッタ機能作動直前の有利期間中に当選したボーナス役の入賞、即ちボーナスゲームの開始を、リミッタ機能作動後の通常状態中まで持ち越す可能性を高めることが出来る。
【0117】
さらに、リミッタ機能作動直前の有利期間中に当選したボーナス役の入賞、即ちボーナスゲームの開始を、リミッタ機能作動後の通常状態中まで持ち越すことが出来た場合には、通常状態に転落後にボーナス役に当選した旨を告知することにより、ボーナス役の早期入賞を促し、入賞に応じて即座にBBゲームを開始することが出来るので、リミッタ機能作動による喪失感を和らげることが出来る。
【0118】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、上記実施例では、有利期間の終了に係るリミッタの作動条件として、有利期間の継続ゲーム数を採用し、この上限を1500ゲームに設定したが、これについては、市場動向や行政からの要請に合わせて任意に変更可能である。例えば、上記実施例記載の条件に代えて、有利期間の終了に係るリミッタの作動条件として、有利期間中に払い出されたメダル枚数を採用し、この上限を3000枚に設定する等が挙げられる。
【0119】
上記リミッタ作動条件として有利期間中に払い出されたメダル枚数を採用した場合には、ボーナスゲームの終了条件に係るボーナスゲーム中のメダル払出枚数と、ボーナス当選時までの有利期間中に払い出されたメダル枚数とを考慮し、上記実施例の
図15のステップS1501の判断条件を設定すればよい。例えば、有利期間中に払い出されたメダル枚数が3000枚以上となった場合にリミッタ機能が作動し、ボーナスゲーム中のメダル払出枚数が272枚を超えた場合にボーナスゲームが終了する仕様の場合には、ボーナス当選時までの有利期間中に払い出されたメダル枚数が、3000−272=2728枚を基準とし、ボーナス入賞までに要するゲーム期間等を考慮し、上記実施例の
図15のステップS1501の判断条件として、2700枚を超えるか否か、程度の判断条件を設定するのが好適である。
【解決手段】 有利ゲーム数が1500ゲームに至った場合に強制的に有利期間を終了させるリミッタ機能を搭載したスロットマシンにおいて、リミッタ機能の作動直前にBB役に当選した場合、BB役の当選を告知しない。これにより、BBゲームの開始を、リミッタ機能作動後の通常状態中まで持ち越す可能性を高めることが出来、持ち越せた場合には、リミッタ到達時の喪失感を和らげることが出来る。