(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の識別情報を変動表示させる識別情報表示手段を備え、前記識別情報が特定態様で表示されることに基づいて、可変入球口が入球可能状態となる特定遊技を実行する遊技機において、
移動可能に設けられた移動役物と、
前記移動役物を動作させる移動役物動作手段と、
を備え、
前記識別情報表示手段は、
前記複数の識別情報のうち一の識別情報を除いた他の識別情報を前記特定態様となり得るリーチ態様で停止表示させた状態で該一の識別情報を変動表示させるリーチ演出を実行可能であると共に、
前記リーチ演出の実行中に、前記他の識別情報を第1領域から該第1領域より前記移動役物に近い第2領域まで移動させた後に、前記他の識別情報の前記リーチ態様を第1態様から該第1態様と異なる第2態様に変更する変更演出を実行可能であり、
前記移動役物動作手段は、
前記他の識別図柄が前記第1領域から前記第2領域まで移動されるに際して、前記移動役物を動作させる
ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例においては、特に断りがない限りは、パチンコ機正面に向かって右側を「右」と表現し、左側を「左」と表現する。
【0022】
また、以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の内容:
C.遊技制御処理:
D.演出制御処理:
E.移動役物装置70の駆動を伴うリーチ演出:
E−1.移動役物装置70:
E−1−1.移動役物装置70の構成:
E−1−2.移動役物装置70の動作態様:
E−2.役物連動リーチ演出の態様:
F.変形例:
F−1.変形例1:
F−2.変形例2:
F−3.変形例3:
【0023】
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(
図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(
図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出された状態となる。中枠3は、一端(
図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
【0024】
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(
図2参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
【0025】
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、前面枠4における窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
【0026】
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(
図3参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
【0027】
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(
図3参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
【0028】
また、上皿部7の縁部には遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。また、図示は省略するが、上皿部7の縁部であって演出ボタン10aの左側には方向ボタン10cが設けられている。方向ボタン10cは上下左右方向のそれぞれに対応する4個のボタン(上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタン)から構成されている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10b、方向ボタン10cは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
【0029】
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤20は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(
図3参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
【0030】
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40のほぼ中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の詳しい表示内容については後述する。
【0031】
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(
図3参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
【0032】
また、遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の右下には、遊技球が通過可能な普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(
図3参照)が設けられている。また、普通図柄作動ゲート27の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口(始動口)である第2始動口25が設けられている。すなわち、第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26(図中のハッチング部分)を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。
図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(
図3参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知可能である。
【0033】
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29(図中のハッチング部分)を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。
図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(
図3参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
【0034】
また、遊技領域21における第2始動口25の下方(遊技領域21の右下隅部)には、遊技盤20面から前方(遊技者側)に突出した突出体33が設けられている。突出体33の上面は、左側から右側にかけて下方へ傾斜しており、遊技球が右側から左側(パチンコ機1中央側)に転動可能な転動面34となっている。この転動面34の中途部(遊技球の転動方向の中途部)には、小入賞口35が設けられている。この小入賞口35は、パチンコ機1の前後方向に摺動可能(移動可能)な開閉扉36(図中のハッチング部分)を備えており、開閉扉36が前方側に摺動(移動)して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉36が後方側に摺動(移動)して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。小入賞口35に入球した遊技球は、突出体33内部に設けられた通路37(図中の破線部分)を通って特定口38(いわゆる「V」、図中の破線部分)に導かれる。突出体33の前壁は少なくとも一部が透明板によって形成されており(光透過性を有しており)、遊技者は突出体33の前壁を通して、小入賞口35に入球した遊技球が特定口38に導かれる様子を視認可能である。小入賞口35の内部には小入賞口センサー35s(
図3参照)が設けられており、小入賞口35に入球した遊技球を検知可能である。また、特定口38の内部には特定口センサー38s(
図3参照)が設けられており、特定口38に入球した遊技球を検知可能である。
【0035】
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が入球可能なその他入球口30や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の障害釘(図示省略)が設けられている。また、遊技領域21の最下部にはアウト口32が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、小入賞口35、その他入球口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口32から遊技盤20の裏側に排出される。
【0036】
上述した第1始動口24には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、普通図柄作動ゲート27、第2始動口25、大入賞口28、小入賞口35には、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下する遊技球が入球可能(または通過可能)である。以下では、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「左打ち」とも表現し、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24に遊技球が入球した場合は3個の遊技球が遊技者に払い出され、第2始動口25に遊技球が入球した場合は4個の遊技球が遊技者に払い出され、その他入球口30に遊技球が入球した場合は5個の遊技球が遊技者に払い出される。また、大入賞口28に遊技球が入球した場合は14個の遊技球が遊技者に払い出され、小入賞口35に遊技球が入球した場合は3個払い出される。
【0037】
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(
図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については後述する。
【0038】
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。
図3は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(
図3におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(
図3におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(
図3における203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
【0039】
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球を検知するゲートセンサー27s、小入賞口35に入球した遊技球を検知する小入賞口センサー35s、特定口38に入球した遊技球を検知する特定口センサー38sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、これらのセンサーなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
【0040】
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)第2始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29m、小入賞口35に設けられた開閉扉36に開閉動作を行わせるための(小入賞口35を開放状態、閉鎖状態にするための)小入賞口ソレノイド35m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第2始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、小入賞口ソレノイド35m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
【0041】
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信することによって、演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aや、ジョグシャトル10b、方向ボタン10c(以下「演出操作部10a,10b,10c」ともいう)に対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する演出を行う。
【0042】
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出す。そして、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から出力する。
【0043】
また、画像音声制御基板230は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する動作データをROM232から読み出す。そして、モーター基板229を介して、読み出した動作データに基づく態様で役物用モーター70mを駆動する。ここで、本実施例のパチンコ機1は、演出表示装置41の前面側下方の左右に1つずつ、移動役物装置70が設けられている。役物用モーター70mは、この移動役物装置70の一部として設けられたものであり、後述の(同じく移動役物装置70の一部として設けられた)第1移動役物71や第2移動役物72を移動させるためのモーターである。
【0044】
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(
図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
【0045】
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
【0046】
B.遊技の内容 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で発射ハンドル9が回転されると、貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、
図2を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(左打ちを行ったり)、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(右打ちを行ったり)することができる。
【0047】
本実施例のパチンコ機1では、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態が適宜設定される。詳しくは、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態が「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い(第2始動口25が開放状態となる頻度が低い)非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い(第2始動口25が開放状態となる頻度が高い)電サポ状態」に設定される。そして、非電サポ状態では、第2始動口25よりも第1始動口24に遊技球が入球し易く、電サポ状態では、第1始動口24よりも第2始動口25に遊技球が入球し易い。このため、非電サポ状態では、遊技者に左打ちを行わせる(第1始動口24への入球を狙わせる)ことができ、電サポ状態では、遊技者に右打ちを行わせる(第2始動口25への入球を狙わせる)ことができる。
【0048】
尚、セグメント表示部50には、上述した電サポ状態中であることを示す電サポ表示部58が設けられている。すなわち、
図4に示すように、電サポ表示部58には、3個のLEDが配置されており、電サポ状態中は、この3個のLEDを点灯することによって電サポ状態中であることを示す。また、
図4に示すように、セグメント表示部50には、右打ちを行うことを示す右打ち表示部59が設けられている。電サポ状態中は第2始動口25への遊技球の入球頻度が高く、且つ、第2始動口25は右打ちされた遊技球が入球可能であるので、電サポ状態中は右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。そこで、電サポ状態中は、右打ち表示部59に配置された2個のLEDを点灯することによって右打ちを行うことを遊技者に促す。
【0049】
<特別図柄の変動表示>
図2を用いて前述したように、第1始動口24には(主に非電サポ状態中に)左打ちされた遊技球が入球可能である。左打ちされた遊技球が第1始動口24に入球し、その入球した遊技球が第1始動口センサー24sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する特図当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて「大当り」、「小当り」、「外れ」の何れであるかを判定する特図当り判定を行う。そして、この特図当り判定の結果に基づいて、第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。また、
図2を用いて前述したように、第2始動口25には右打ちされた遊技球が入球可能である。右打ちされた遊技球が第2始動口25に入球し、その入球した遊技球が第2始動口センサー25sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する特図当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて「大当り」、「小当り」、「外れ」の何れであるかを判定する特図当り判定を行う。そして、この特図当り判定の結果に基づいて、第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。ここで、第1特図、第2特図について説明する。
【0050】
図4は、セグメント表示部50を拡大して示す説明図である。前述したように、セグメント表示部50は遊技盤20における遊技領域21の右下方に設けられており(
図2参照)、遊技者は前面枠4の小窓部4c(
図1参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。
図4に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52が設けられており、これらの表示部にはそれぞれ9個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図(以下、これらを特に区別をしない場合は、まとめて「特別図柄」という)は、それぞれの表示部において、9個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、9個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、第1特図として、200種類の大当り図柄(大当り図柄101〜300)、211種類の小当り図柄(小当り図柄101〜311)、1種類の外れ図柄(外れ図柄101)を停止表示可能であり、第2特図として、200種類の大当り図柄(大当り図柄401〜600)、211種類の小当り図柄(小当り図柄401〜611)、1種類の外れ図柄(外れ図柄401)を停止表示可能である。これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。
【0051】
遊技球が第1始動口24に入球することに基づく特図当り判定(以下「第1特図についての特図当り判定」ともいう)の結果が「大当り」である場合は、第1特図が大当り図柄101〜200の何れかで停止表示され、第1特図についての特図当り判定の結果が「小当り」である場合は、第1特図が小当り図柄101〜311の何れかで停止表示され、第1特図についての特図当り判定の結果が「外れ」である場合は、第1特図が外れ図柄101で停止表示される。尚、第1特図についての特図当り判定では、約226分の1の確率で「大当り」と判定され、約20分の1の確率で「小当り」と判定される。
【0052】
また、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく特図当り判定(以下「第2特図についての特図当り判定」ともいう)の結果が「大当り」である場合は、第2特図が大当り図柄401〜600の何れかで停止表示され、第2特図についての特図当り判定の結果が「小当り」である場合は、第2特図が小当り図柄401〜611の何れかで停止表示され、第2特図についての特図当り判定の結果が「外れ」である場合は第2特図が外れ図柄401で停止表示される。尚、第2特図についての特図当り判定では、約226分の1の確率で「大当り」と判定され、約4分の1の確率で「小当り」と判定される。つまり、特図当り判定にて「大当り」と判定される確率は、第1特図と第2特図とで互いに同じであるものの、「小当り」と判定される確率は、第1特図より第2特図の方が高く設定されている。
【0053】
特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄の何れかで停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから確定表示されるまでの遊技、すなわち1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
【0054】
<大当り遊技>
本実施例のパチンコ機1では、大入賞口28(本発明における「可変入球口」)が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技(本発明における「特定遊技」)を実行可能である。大入賞口28に遊技球が入球すると多くの遊技球が払い出される(1個の遊技球が入球する毎に14個の遊技球が払い出される)ので、大当り遊技は遊技者にとって有利な遊技である。
図2を用いて前述したように、大入賞口28には右打ちされた遊技球が入球可能であるので、当然ながら、大当り遊技中は右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。そこで、大当り遊技中も、電サポ状態中と同様に、セグメント表示部50の右打ち表示部59に配置された2個のLEDを点灯することによって右打ちを行うことを促す。本実施例では、このような大当り遊技として、開始契機が互いに異なる「一種大当り遊技」と「二種大当り遊技」とを実行可能である。
【0055】
<一種大当り遊技>
一種大当り遊技は、第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄(特定態様)で停止表示された場合(第1特図または第2特図についての特図当り判定の結果が「大当り」である場合)に開始される。この一種大当り遊技としては、「停止表示された大当り図柄の種類」および「大当り図柄が停止表示された際の遊技状態」に応じて、「ラウンド遊技回数」および「大当り遊技終了後の遊技状態」が異なる複数種類を実行可能である。
【0056】
すなわち、
図5(a)に示すように、非電サポ状態にて第1特図が大当り図柄101〜300で停止表示された場合は(非電サポ状態にて第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、4回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる一種大当り遊技(以下「4R電サポの一種大当り遊技」ともいう)が行われる。また、非電サポ状態にて第1特図が大当り図柄201〜300で停止表示された場合は(非電サポ状態にて第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、6回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技終了後の遊技状態が非電サポ状態となる一種大当り遊技(以下「6R非電サポの一種大当り遊技」ともいう)が行われる。
【0057】
また、
図5(b)に示すように、電サポ状態にて第1特図が大当り図柄101〜120で停止表示された場合は(電サポ状態にて第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は10%の確率で)、4R電サポの一種大当り遊技が行われる。また、電サポ状態にて第1特図が大当り図柄121〜200で停止表示された場合は(電サポ状態にて第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)、4回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技終了後の遊技状態が非電サポ状態となる一種大当り遊技(以下「4R非電サポの一種大当り遊技」ともいう)が行われる。また、電サポ状態にて第1特図が大当り図柄201〜300で停止表示された場合は(電サポ状態にて第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、6R非電サポの一種大当り遊技が行われる。
【0058】
また、
図5(c)に示すように、非電サポ状態にて第2特図が大当り図柄401〜500で停止表示された場合は(非電サポ状態にて第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、4R電サポの一種大当り遊技が行われる。また、非電サポ状態にて第2特図が大当り図柄501〜600で停止表示された場合は(非電サポ状態にて第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、15回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる一種大当り遊技(以下「15R電サポの一種大当り遊技」ともいう)が行われる。
【0059】
また、
図5(d)に示すように、電サポ状態にて第2特図が大当り図柄401〜480で停止表示された場合は(電サポ状態にて第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)、4R非電サポの一種大当り遊技が行われる。また、電サポ状態にて第2特図が大当り図柄481〜500で停止表示された場合は(電サポ状態にて第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は10%の確率で)、4R電サポの一種大当り遊技が行われる。また、電サポ状態にて第2特図が大当り図柄501〜600で停止表示された場合は(電サポ状態にて第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、15R電サポの一種大当り遊技が行われる。
【0060】
<二種大当り遊技>
以上は一種大当り遊技について説明した。これに対して、二種大当り遊技は、遊技球が特定口38(
図2参照)に入球した場合に開始される。すなわち、本実施例のパチンコ機1では、第1特図または第2特図が何れかの小当り図柄で停止表示された場合(第1特図または第2特図についての特図当り判定の結果が「小当り」である場合)に小入賞口35(
図2参照)が開放状態となる小当り遊技が行われる。そして、この小当り遊技中に小入賞口35に入球した遊技球が特定口38に入球すると、二種大当り遊技が開始される。この二種大当り遊技としては、「停止表示された小当り図柄の種類」および「小当り図柄が停止表示された際の遊技状態」に応じて、「ラウンド遊技回数」および「大当り遊技終了後の遊技状態」が異なる複数種類を実行可能である。
【0061】
すなわち、
図6(a)に示すように、非電サポ状態にて第1特図が小当り図柄101〜311で停止表示された場合は(非電サポ状態にて第1特図が小当り図柄で停止表示されて二種大当り遊技が開始される場合は100%の確率で)、4回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技終了後の遊技状態が非電サポ状態となる二種大当り遊技(以下「4R非電サポの二種大当り遊技」ともいう)が行われる。また、
図6(b)に示すように、電サポ状態にて第1特図が小当り図柄101〜311で停止表示された場合も(電サポ状態にて第1特図が小当り図柄で停止表示されて二種大当り遊技が開始される場合も100%の確率で)、4R非電サポの二種大当り遊技が行われる。
【0062】
また、
図6(c)に示すように、非電サポ状態にて第2特図が小当り図柄401〜500で停止表示された場合は(非電サポ状態にて第2特図が小当り図柄で停止表示されて二種大当り遊技が開始される場合は約47%の確率で)、4回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる二種大当り遊技(以下「4R電サポの二種大当り遊技」ともいう)が行われる。また、非電サポ状態にて第2特図が小当り図柄501〜611で停止表示された場合は(非電サポ状態にて第2特図が小当り図柄で停止表示されて二種大当り遊技が開始される場合は約53%の確率で)、15回のラウンド遊技が行われ、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる二種大当り遊技(以下「15R電サポの二種大当り遊技」ともいう)が行われる。
【0063】
また、
図6(d)に示すように、電サポ状態にて第2特図が小当り図柄401〜420で停止表示された場合は(電サポ状態にて第2特図が小当り図柄で停止表示されて二種大当り遊技が開始される場合は約9%の確率で)、4R電サポの二種大当り遊技が行われる。また、電サポ状態にて第2特図が小当り図柄421〜500で停止表示された場合は(電サポ状態にて第2特図が小当り図柄で停止表示されて二種大当り遊技が開始される場合は約38%の確率で)、4R非電サポの二種大当り遊技が行われる。また、電サポ状態にて第2特図が小当り図柄501〜611で停止表示された場合は(電サポ状態にて第2特図が小当り図柄で停止表示されて二種大当り遊技が開始される場合は約53%の確率で)、15R電サポの二種大当り遊技が行われる。
【0064】
尚、本実施例のパチンコ機1では、電サポ状態が設定された場合、大当り遊技が開始されることなく図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)が99回行われると、非電サポ状態が設定される。換言すると、電サポ状態が設定された場合は、電サポ状態にて実行可能な図柄変動遊技の残り回数(以下「電サポ回数」ともいう)が99回に設定される。遊技者にとっては、電サポ状態の方が非電サポ状態よりも有利な状態であることから、電サポ状態においては、非電サポ状態が設定される前に大当り遊技が開始されることを遊技者に期待させることができる。
【0065】
本実施例のパチンコ機1において、1回のラウンド遊技は、10個の遊技球が入球した場合(10カウント)または30秒が経過した場合に終了するので、ほとんどの場合において1回のラウンド遊技では140個(10カウント×払出数14個)の遊技球が払い出される。従って、当然ながら、ラウンド遊技回数の多い大当り遊技の方が、ラウンド遊技回数が少ない大当り遊技よりも遊技者に多くの遊技球が払い出されることとなる。このため、ラウンド遊技回数のより多い大当り遊技が行われることを遊技者に期待させることができる。尚、このことは、遊技者にとっての有利度合が互いに異なる複数の大当り遊技を実行可能であると捉えることができる。
【0066】
上述した大当り遊技の実行中は、セグメント表示部50のラウンド表示部55に実行中の大当り遊技のラウンド遊技回数が表示される。すなわち、
図4に示すように、ラウンド表示部55には3個のLEDが配置されており、このラウンド表示部55では、3個のLEDのうち左のLEDを点灯することでラウンド遊技回数が4回の大当り遊技の実行中であることを示し、中のLEDを点灯することでラウンド遊技回数が6回の大当り遊技の実行中であることを示し、右のLEDを点灯することでラウンド遊技回数が15回の大当り遊技の実行中であることを示す。
【0067】
<特別図柄の保留>
遊技球が第1始動口24に入球すると、上述したように第1特図についての特図当り判定や変動表示が行われるものの、これらの特図当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて特図当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)は、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。すなわち、
図4に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部53では、2個のLEDのうち両方を消灯することで第1特図保留数が0個であることを示し、1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
【0068】
また、遊技球が第2始動口25に入球すると、上述したように第2特図についての特図当り判定や変動表示が行われるものの、これらの特図当り判定や変動表示も、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて特図当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留は1個を上限として記憶される。第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)は、セグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。すなわち、
図4に示すように、第2特図保留表示部54にも2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部54では、2個のLEDを消灯することで第1特図保留数が0個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示す。
【0069】
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り遊技中、小当り遊技中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る特図当り判定や変動表示は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る特図当り判定および第1特図の変動表示を行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、第2特図保留に係る特図当り判定および第2特図の変動表示を行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる(いわゆる第2特図の優先変動機能を有する)。
【0070】
<普通図柄の変動表示、普図当り遊技>
図2を用いて前述したように、普通図柄作動ゲート27は右打ちされた遊技球が通過可能である。右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過し、その遊技球がゲートセンサー27sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する普図当り判定乱数)を取得し、該判定乱数に基づいて普図当りであるか外れであるかを判定する普図当り判定を行う。そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。
図4に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、普図表示部56には2個のLEDが配置されている。普通図柄は、普図表示部56において、2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄と、右のLEDを点灯させた普図外れ図柄の2種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は普通図柄が普図当り図柄で停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は普通図柄が普図外れ図柄で停止表示される。こうして普通図柄を当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となった後に閉鎖状態となる普図当り遊技が行われる。
【0071】
上述した非電サポ状態や電サポ状態は、普通図柄の変動表示の態様や普図当り遊技の態様を異ならせることによって設定される。つまり、非電サポ状態においては、普通図柄の変動時間として長い時間が選択され易く(1000m秒、2000m秒、3000m秒の何れかが均等に選択され)、普図当り遊技中は第2始動口25が短時間(16m秒×1回)だけ開放状態となる。これに対して、電サポ状態においては、普通図柄の変動時間として短い時間が選択され易く(1000m秒、1252m秒、1500m秒の何れかが均等に選択され)、普図当り遊技中は第2始動口25が長時間(840m秒×2回)開放状態となる。これによって、非電サポ状態中は、第2始動口25が開放状態となる頻度が低くなり、第2始動口25への遊技球の入球頻度も低くなる。これに対して、電サポ状態中は、第2始動口25が開放状態となる頻度が高くなり、第2始動口25への遊技球の入球頻度も高くなる。
【0072】
<演出表示装置41の表示内容>
上述したような遊技を行うための処理は、主に主制御基板200のCPU201によって行われる。本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技に合わせて、演出表示装置41に種々の画像を表示する演出を行う。このような演出を行うための処理は、主にサブ制御基板220のCPU221によって行われる。
【0073】
例えば、演出表示装置41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に合わせた演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。すなわち、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示装置41において3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を一斉に開始する。その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で識別図柄41a,41b,41cの変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して識別図柄41a,41b,41cの変動表示を終了する。本実施例のパチンコ機1では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄を表示可能である。
【0074】
図7(a)には、3つの識別図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述した第1特図表示部51または第2特図表示部52にて停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄となる図柄組合せ(以下「ゾロ目」ともいう)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が小当り図柄で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cが特殊な組み合わせ(例えば「2−4−6」、以下「特殊目」ともいう)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が外れ図柄で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(特殊目を除く、以下「バラケ目」ともいう)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄41a、41b、41cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
【0075】
このように、第1特図表示部51または第2特図表示部52で表示される特別図柄と、演出表示装置41で表示される3つの識別図柄41a,41b,41cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の特別図柄が停止表示する際には、3つの識別図柄41a,41b,41cも停止表示するようになっている。しかも、
図2に示すように、演出表示装置41は、第1特図表示部51または第2特図表示部52(セグメント表示部50)よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置41の画面を視認しながら遊技を行うことが通常である。従って、
図7(b)に示すように、演出表示装置41の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄41aと、続いて停止表示される右識別図柄41cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄41bも同じ図柄で停止して、「大当り遊技が開始されるのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、2つの識別図柄(複数の識別図柄のうち1つを除いた識別図柄)を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
【0076】
また、演出表示装置41の表示画面上の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設定されている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数(上限数は4個)を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数(上限数は1個)と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、
図7に示す例では、第1特図保留数が4個であり、第2特図保留数が1個であることが示されている。尚、当然ながら、演出表示装置41の表示画面上に表示された保留図柄によって示される保留数と、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53および第2特図保留表示部54にて示される保留数とは一致する。
【0077】
<遊技の主な進行態様>
本実施例のパチンコ機1では主に次のような態様で遊技が進行される。
図8および
図9は、本実施例の主な遊技の進行態様を示す説明図である。なかでも、
図8には、非電サポ状態における遊技の進行態様が示されており、
図9には、電サポ状態における遊技の進行態様が示されている。
【0078】
非電サポ状態中は、普通図柄作動ゲート27に遊技球を通過させても第2始動口25が開放状態になる頻度が低いため、「右打ち」を行っても第2始動口25には遊技球を入球させ難い。従って、
図8に示すように、非電サポ状態中は、「左打ち」を行うことによって、第1始動口24への入球を狙う遊技(以下「第1特図主体の遊技」ともいう)が主に行われる。左打ちを行うことにより、第1始動口24に遊技球が入球すると(ev.1)、第1特図の変動表示が行われる(ev.2)。第1特図についての特図当り判定では約226分の1の確率で「大当り」と判定されるので、ほとんどの場合は、第1特図は外れ図柄で停止表示される(ev.3)。このような第1特図の変動表示を繰り返しているうちに、第1特図についての特図当り判定で「大当り」と判定されると、大当り図柄が停止表示されて(ev.4)、一種大当り遊技が行われる(ev.5)。
【0079】
そして、この一種大当り遊技が終了すると、
図5(a)を用いて前述したように、50%の確率で遊技状態が非電サポ状態に設定され(ev.6)、50%の確率で遊技状態が電サポ状態に設定される(ev.7)。これらのうち、遊技状態が非電サポ状態に設定された場合は(ev.6)、第2始動口25が開放状態になる頻度が低いままであるので、上述した左打ちを行う遊技(
図8に示す第1特図主体の遊技)が繰り返されることとなる。
【0080】
非電サポ状態においては、以上のような遊技が主に行われるので一種大当り遊技が実行されることを遊技者に期待させると共に、一種大当り遊技の終了後に電サポ状態が設定されることを遊技者に期待させるという遊技性を実現することができる。尚、第1特図についての特図当り判定においては約20分の1で「小当り」と判定されるため、左打ちを行っていても(非電サポ状態中であっても)小当り遊技が行われることがある。そして、小当り遊技中に小入賞口35(特定口38)に遊技球を入球させれば二種大当り遊技が開始される。もっとも、この場合は左打ちを行っている状態であるので、小当り遊技が開始されてから右打ちに変更しても、遊技球が小入賞口35に到達する前に小当り遊技が終了してしまう。このため、非電サポ状態中に二種大当り遊技が行われることは希である。
【0081】
遊技状態が電サポ状態に設定された場合は(ev.7)、次のような遊技が行われる。すなわち、電サポ状態中は、第2始動口25が開放状態になる頻度が高く、遊技球を第2始動口25に入球させ易い。従って、
図9に示すように、電サポ状態中は、「右打ち」を行うことによって第2始動口25への入球を狙う遊技(以下「第2特図主体の遊技」ともいう)が主に行われる。そして、第2始動口25に遊技球が入球すると(ev.11)、第2特図の変動表示が行われる(ev.12)。第2特図についての特図当り判定では約4分の1の確率で「小当り」と判定される。従って、高い頻度で、第2特図が小当り図柄で停止表示されて(ev.13)小当り遊技が行われる(ev.14)。そして、小当り遊技中に小入賞口35に入球した遊技球が特定口38に入球すると(ev.15)、二種大当り遊技が行われる(ev.16)。もちろん、小当り遊技が行われても遊技球が特定口38に入球しなければ(ev.19)二種大当り遊技は行われない。
【0082】
そして、二種大当り遊技が終了すると、
図6(d)を用いて前述したように、約62%(9%+53%)の確率で遊技状態が電サポ状態に設定され(ev.17)、約38%の確率で遊技状態が非電サポ状態に設定される(ev.18)。これらのうち、遊技状態が電サポ状態に設定された場合は(ev.17)、第2始動口25が開放状態になる頻度が高いままであるので、上述した右打ちを行う遊技(
図9に示す第2特図主体の遊技)が繰り返されることとなる。
【0083】
これに対して、遊技状態が非電サポ状態に設定された場合は(ev.18)、
図8を用いて前述した左打ちを行う遊技(第1特図主体の遊技)が行われることとなる。もっとも、この場合は、第2特図保留が記憶されていることがある。つまり、今回終了した二種大当り遊技が開始される前に(電サポ状態中に)第2特図保留が記憶され、該第2特図保留が記憶されたままになっていることがある。このような場合は、二種大当り遊技終了後(非電サポ状態設定後)、先ずは、第2特図についての特図当り判定(第2特図の変動表示)および第2特図の変動表示が行われる。以下では、このように非電サポ状態が設定されて最初に行われる第2特図の変動表示を「第2特図の初回変動」とも表現する。
【0084】
第2特図についての特図当り判定では「小当り」と判定される確率が高いので、当然ながら、「第2特図の初回変動」においても「小当り」と判定されて小当り遊技が行われる可能性が高い。そして、この小当り遊技中に遊技球が特定口38に入球したら、二種大当り遊技が行われることとなる。従って、大当り遊技終了後に遊技状態が非電サポ状態に設定されても、「第2特図の初回変動」が終了するまでは、小当り遊技が開始されること(遊技球が特定口38に入球すること)を遊技者に期待させて、右打ちを行わせることができる。そして、このような過程で二種大当り遊技が行われた場合は、
図6(c)を用いて前述したように、100%(47%+53%)の確率で遊技状態が電サポ状態に設定される。尚、「第2特図の初回変動」は、その後に行われる第1特図の変動表示よりも小当り遊技が行われる可能性が高い(ひいては二種大当り遊技が行われる可能性が高い)ので、「泣きの1回」と呼ばれることもある。
【0085】
尚、第2特図についての特図当り判定でも約226分の1の確率で「大当り」と判定されるので、当然ながら非電サポ状態中も、第2特図が大当り図柄で停止表示されて(ev.20)一種大当り遊技が行われることがある(ev.21)。そして、この一種大当り遊技が終了すると、
図5(d)を用いて前述したように、60%(10%+50%)の確率で遊技状態が電サポ状態に設定され(ev.22)、40%の確率で遊技状態が非電サポ状態に設定される(ev.23)。これらのうち、遊技状態が電サポ状態に設定された場合は(ev.22)、第2始動口25が開放状態になる頻度が高いままであるので、上述した右打ちを行う遊技(
図9に示す第2特図主体の遊技)が繰り返されることとなる。
【0086】
これに対して、遊技状態が非電サポ状態に設定された場合は(ev.23)、
図8を用いて前述した左打ちを行う遊技(第1特図主体の遊技)が行われることとなるものの、この場合も、上述したような「第2特図の初回変動」が行われることとなる。つまり、今回終了した一種大当り遊技が開始される前に(電サポ状態中に)第2特図保留が記憶され、該第2特図保留が記憶されたままになっていることがある。従って、この場合も、「第2特図の初回変動」が終了するまでは、小当り遊技が開始されること(遊技球が特定口38に入球すること)を遊技者に期待させて、右打ちを行わせることができる。
【0087】
以上のように、電サポ状態中は(右打ちを行う遊技では)、高い頻度で第2始動口25に遊技球が入球し、高い頻度で小当り遊技が実行される。そして、小当り遊技が実行されれば、遊技球が特定口38に入球しさえすれば、二種大当り遊技が行われる。すなわち、電サポ状態中は、持ち球の減少を抑えつつ比較的早い段階で二種大当り遊技が行われることを期待させる遊技性を実現することができる。また、大当り遊技が行われた結果、非電サポ状態が設定されたとしても、「第2特図の初回変動」で二種大当り遊技が開始されることを遊技者に期待させる遊技性を実現することができる。
【0088】
C.遊技制御処理 :
図10は、遊技の進行に係る制御を行うための遊技制御処理を示すフローチャートである。遊技制御処理は、主制御基板200のCPU201によって、所定周期毎に(例えば4msec毎に発生するタイマ割り込みに基づいて)行われる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200のCPU201が行う遊技制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
【0089】
<出力処理>
図10に示すように、主制御基板200のCPU201は遊技制御処理を開始すると先ず、出力処理(S100)を行う。本実施例のパチンコ機1では、後述する各種処理において、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドをRAM203に確保された出力バッファに記憶する。出力処理(S100)では、このように出力バッファに記憶された各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになり、払出制御基板240では、払出モーター243の駆動制御(遊技球の払い出し)が行われることとなる。
【0090】
<入力処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、入力処理(S200)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、第1始動口24、第2始動口25、その他入球口30、大入賞口28、小入賞口35の何れかに遊技球が入球した場合は遊技球が払い出される。そこで、入力処理(S200)では、これらの入球を検知するセンサー類(第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s、小入賞口センサー35s等)について、遊技球を検知したか否かを判断する。その結果、遊技球を検知している場合は、払い出す遊技球の数を示す払出コマンドを上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは次回の出力処理(S100)で払出制御基板240に向けて送信される。
【0091】
<乱数更新処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、乱数更新処理(S300)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、所定の判定乱数に基づいて特図当り判定や普図当り判定が行われる。詳しくは、特図当り判定は「特図当り判定乱数」に基づいて行われ、普図当り判定は「普図当り判定乱数」に基づいて行われる。また、本実施例のパチンコ機1における特別図柄の変動表示は後述する変動パターンに基づいて行われるが、この変動パターンは「変動パターン選択乱数」に基づいて選択される。また、本実施例のパチンコ機1では、特図当り判定結果が「大当り」である場合は200種類の大当り図柄のうち何れかの大当り図柄が停止表示され、特図当り判定結果が「小当り」である場合は211種類の大当り図柄のうち何れかの大当り図柄が停止表示されるが、これらの図柄の種類は「図柄選択乱数」に基づいて選択される。乱数更新処理(S300)では、これらの乱数を更新する。尚、これらの乱数の更新は、乱数更新処理(S300)においてだけでなく、遊技制御処理を終了してから次の遊技制御処理を開始する(次のタイマ割り込み)までの期間にも行うこととしてもよい。また、乱数更新の専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新することとしてもよい。
【0092】
<始動口等センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、始動口等センサー検出処理(S400)を行う。この始動口等センサー検出処理(S400)では、先ず、ゲートセンサー27sの検知結果に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判断する。その結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した場合は、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合は、普図当り判定乱数を取得すると共に該普図当り判定乱数を記憶する。
【0093】
こうしてゲートセンサー27sに係る処理を行ったら、続いて、第1始動口センサー24sの検知結果に基づいて、遊技球が第1始動口24に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第1始動口24に入球した場合は、第1特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第1特図保留数が4個に達していなければ、特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第1特図保留として記憶する。第1特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第1特図保留記憶領域に記憶される。
【0094】
ここで、第1特図の変動表示(図柄変動遊技)は、第1特図保留として取得された特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。また、第1特図の変動表示に合わせて行われる演出(図柄変動演出)も、第1特図保留として取得された特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。従って、第1特図保留を記憶した場合は、未だ該第1特図保留に基づく変動表示が開始されていなくても(変動開始条件が成立していなくても)、該第1特図保留に基づく変動表示や演出(第1特図保留に基づく図柄変動遊技や図柄変動演出)の態様を判定することが可能である。例えば、第1特図保留に基づく変動表示が行われる前であっても、該第1特図保留に基づく変動表示が行われた場合に大当り図柄が停止表示されるか否かや、リーチ演出が行われるか否か等を判定することが可能である。このような判定は事前判定と称されるものであって、本実施例のパチンコ機1では、第1特図保留を記憶すると、該第1特図保留について事前判定を行い、該事前判定結果を該第1特図保留と対応付けて記憶する。
【0095】
こうして、第1特図保留を記憶すると共に該第1特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第1始動口24に入球していなかった場合や、第1特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第1特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
【0096】
こうして第1始動口センサー24sに係る処理を行ったら、続いて、第2始動口センサー25sの検知結果に基づいて、遊技球が第2始動口25に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第2始動口25に入球した場合は、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されているか否かを判断する。そして、第2特図保留が記憶されていなければ、特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第2特図保留記憶領域に第2特図保留として記憶する。第2特図保留を記憶したら、該第2特図保留についても上述と同様の事前判定を行い、該事前判定結果を該第2特図保留と対応付けて記憶する。こうして、第2特図保留を記憶すると共に該第2特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドも、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第2特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第2始動口25に入球していなかった場合や、第2特図保留数が既に記憶されていた場合は、新たな第2特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。すなわち、本実施例のパチンコ機1では、第2特図保留は1個までしか記憶しないこととしている。
【0097】
<普通動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、普通動作処理(S500)を行う。この普通動作処理(S500)では、普通図柄を変動表示させたり、普図当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。そして、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合は、上述の始動口等センサー検出処理(S400)にて普図当り判定乱数を記憶したか否かを判断する。その結果、普図当り判定乱数を記憶した場合は、記憶した普図当り判定乱数を読み出し、該普図当り判定乱数に基づいて普図当り判定を行う。
【0098】
普図当り判定を行ったら、該普図当り判定の結果が普図当りであるか否かを判断する。その結果、普図当り判定の結果が普図当りである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図当り図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の左のLED(
図4参照)を点灯することを記憶する。これに対して、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図外れ図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の右のLED(
図4参照)を点灯することを記憶する。
【0099】
こうして、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の左のLEDを点灯すること、あるいは、普図表示部56の右のLEDを点灯することを記憶したら、普通図柄の変動時間を設定する。詳しくは、非電サポ状態中であれば、1000m秒、2000m秒、3000m秒の何れかを設定し、電サポ状態中であれば、1000m秒、1252m秒、1500m秒の何れかを設定する。普通図柄の変動時間を設定したら、普通図柄の変動表示を開始する。そして、今回の普図当り判定の対象となった普図当り判定乱数を記憶領域から消去する。
【0100】
以上は、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の普通図柄を予め記憶しておいた態様で停止表示する。すなわち、普図当り判定の結果が普図当りであった場合は普図表示部56の左のLEDを点灯した状態とし(普図当り図柄を停止表示し)、普図当り判定の結果が外れであった場合は普図表示部56の右のLEDを点灯した状態した状態とする(外れ図柄を停止表示する)。このように普通図柄を停止表示したら、普通図柄の確定表示が開始されるので、普通図柄の確定表示時間を設定する。
【0101】
これに対して、普通図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された普通図柄が普図当り図柄(普図表示部56の左のLEDの点灯)であるか否かを判断する。その結果、停止表示された普通図柄が普図当り図柄であった場合は、普図当り遊技における第2始動口25の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。詳しくは、非電サポ状態中であれば、第2始動口25が短時間(16m秒間×1回)開放状態となる開放パターンを設定し、電サポ状態中であれば第2始動口25が長時間(840m秒×2回)開放状態となる開放パターンを設定する。こうして開放パターンを設定したら、普図当り遊技を開始する。
【0102】
これに対して、普図当り遊技中である場合は、上述の開放パターンで第2始動口25が開放状態・閉鎖状態となるように、第2始動口ソレノイド26mを制御して開閉扉26を動作させる。そして、この開放パターンに従う制御が終了したら普図当り遊技を終了する。
【0103】
<特別動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、特別動作処理(S600)を行う。この特別動作処理(S600)では、特別図柄(第1特図または第2特図)を変動表示させたり、大当り遊技を実行したり、小当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、大当り遊技中、小当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄(第1特図または第2特図)の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、これらの何れでもない場合は、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されている場合は、該第2特図保留(特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第2特図保留に含まれる特図当り判定乱数に基づいて特図当り判定を行う。
【0104】
これに対して、第2特図保留が記憶されていない場合は、今度は、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第1特図保留のうち最先に記憶された第1特図保留(特図当り判定乱数、図柄選択乱数、変動パターン選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第1特図保留に含まれる特図当り判定乱数に基づいて特図当り判定を行う。
【0105】
ここで、本実施例のパチンコ機1では、特図当り判定乱数は、0〜65535の範囲で更新される乱数(65536個の値をとることが可能な乱数)であり、第1特図保留または第2特図保留として取得した特図当り判定乱数が「大当り」に対応する値の何れかであれば「大当り」と判定する。このような「大当り」に対応する値を適宜設定することによって、第1特図についての特図当り判定および第2特図についての特図当り判定の双方において「大当り」と判定される確率が約226分の1に設定される。また、第1特図保留として取得した特図当り判定乱数が「小当り」に対応する値の何れかであれば「小当り」と判定する。このような「小当り」に対応する値を適宜設定することによって、第1特図についての特図当り判定において「小当り」と判定される確率が約20分の1に設定され、第2特図についての特図当り判定において「小当り」と判定される確率が約4分の1に設定される。
【0106】
そして、特図当り判定の結果が「大当り」である場合は、今回読み出した第1特図保留または第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する大当り図柄の種類を選択する。すなわち、
図5を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、第1特図としては大当り図柄101〜300を停止表示可能であり、第2特図としては大当り図柄401〜600を停止表示可能である。そこで、第1特図保留を読み出した場合は、大当り図柄101〜300に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブル(図示省略)を参照して、第1特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。また、第2特図保留を読み出した場合は、大当り図柄401〜600に図柄選択乱数が割り振られた大当り図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。尚、大当り図柄選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
【0107】
また、特図当り判定の結果が「小当り」である場合は、今回読み出した第1特図保留または第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する小当り図柄の種類を選択する。すなわち、
図6を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、第1特図としては小当り図柄101〜311を停止表示可能であり、第2特図としては小当り図柄401〜611を停止表示可能である。そこで、第1特図保留を読み出した場合は、小当り図柄101〜311に図柄選択乱数が割り振られた小当り図柄選択テーブル(図示省略)を参照して、第1特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する小当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。また、第2特図保留を読み出した場合は、小当り図柄401〜611に図柄選択乱数が割り振られた小当り図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する小当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。尚、小当り図柄選択テーブルも、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
【0108】
一方、特図当り判定の結果が「外れ」である場合においては、第1特図保留を読み出した場合は外れ図柄101を停止表示する図柄として選択し、第2特図保留を読み出した場合は外れ図柄401を停止表示する図柄として選択する。尚、停止表示する図柄として選択された大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄は、RAM203に確保された停止図柄記憶領域に記憶される。
【0109】
こうして停止表示する図柄を選択したら、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)の変動パターンを選択する。変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)であり、各変動パターンには他の変動パターンと識別するための情報(変動パターンID)が付されている。変動パターンを選択する処理では変動パターン選択テーブルを参照する。変動パターン選択テーブルとは、
図11に示すように、複数の変動パターン(変動パターンID、変動時間)に変動パターン選択乱数が割り振られたテーブルである。変動パターンを選択する処理では、このような変動パターン選択テーブルを参照して、第1特図保留または第2特図保留として今回読み出した変動パターン選択乱数に対応する変動パターンを、今回の変動パターンとして決定する。従って、各変動パターンが選択される確率は、取得可能な変動パターン選択乱数のうち各変動パターンに割り振られた乱数の割合によって決定される。
【0110】
このように選択された変動パターンは後述の変動パターン指定コマンドとして、サブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、該変動パターン指定コマンドに基づいて今回の図柄変動遊技の変動パターンを認識し、認識した変動パターンに基づく(対応する)演出パターンで図柄変動演出を実行する。
【0111】
上述した変動パターンを選択する処理では、常時同じ変動パターン選択テーブルを参照するのではなく、種々の遊技進行状況に対応する変動パターン選択テーブルを参照する。詳しくは、
図12に示すように、特別図柄の種類(第1特図または第2特図)や、現在設定されている遊技状態、特図当り判定の結果、記憶されている第1特図保留および第2特図保留の数などに対応する変動パターン選択テーブルを参照する。また、図示は省略するが、今回開始される一種大当り遊技の種類(
図5を用いて前述した一種大当り遊技の種類)や、
図9を用いて前述した「第2特図の初回変動」であるか否かにも対応する変動パターン選択テーブルを参照する。こうすることで、種々の遊技進行状況に対応する変動パターンを選択可能となり、ひいては、サブ制御基板220のCPU221は種々の遊技進行状況に対応する演出パターンで図柄変動演出を実行可能となる。例えば、サブ制御基板220のCPU221は、特図当り判定の結果が「大当り」である場合は、リーチ演出の後に識別図柄41a,41b,41cをゾロ目で停止表示する図柄変動演出を実行し、特図当り判定の結果が「小当り」である場合は、識別図柄41a,41b,41cを特殊目で停止表示する図柄変動演出を実行し、特図当り判定の結果が外れである場合は、識別図柄41a,41b,41cをバラケ目で停止表示する図柄変動演出を実行する。また、特図当り判定の結果が外れである場合において所定の変動パターンが選択された場合はリーチ演出を行う(その後にバラケ目で停止表示させる)。尚、各変動パターン選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
【0112】
こうして、今回の特別図柄の変動表示にて停止表示させる図柄を選択すると共に、今回の特別図柄の変動表示の変動パターンを選択したら、特別図柄の変動表示を開始する。そして、今回選択された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動パターン指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。また、今回の特図当り判定の対象となった第1特図保留または第2特図保留を、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域から消去する。
【0113】
以上は、大当り遊技中、小当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、特別図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の特別図柄を予め停止図柄記憶領域に記憶しておいた図柄で停止表示する(確定表示を開始する)。このように特別図柄が停止表示されたら、特別図柄の確定表示が開始されるので、特別図柄の確定表示時間を設定する。そして、特別図柄を停止表示したことを示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動停止コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0114】
以上は、特別図柄の変動表示中である場合の処理について説明した。これに対して、特別図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された特別図柄が大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄の何れであるか否かを判断する。その結果、停止表示された特別図柄が外れ図柄であった場合は、電サポ状態が設定されているか否かも判断し、電サポ状態が設定されている場合は、電サポ回数を1回減算する。その結果、電サポ回数が0回になったら、電サポ状態に代えて非電サポ状態を設定する。このように遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0115】
これに対して、停止表示された特別図柄が小当り図柄であった場合も、先ずは、電サポ状態が設定されているか否かを判断し、電サポ状態が設定されている場合は、電サポ回数を1回減算する。その結果、電サポ回数が0回になったら、電サポ状態に代えて非電サポ状態を設定する。また、小当り図柄が停止表示されたことを受けて、小当り遊技における小入賞口35の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。本実施例のパチンコ機1では、小当り遊技中は、小入賞口35が1.6秒間開放状態となるので、このような小入賞口35の開放パターンを設定する。こうして小入賞口35の開放パターンを設定したら、小当り遊技を開始する。そして、小当り遊技の開始を示す小当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。出力バッファに記憶された小当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0116】
これに対して、停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、一種大当り遊技における大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。
図5を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類などによって一種大当り遊技中のラウンド遊技の回数が異なる。従って、停止表示された大当り図柄の種類などに対応して大入賞口28の開放パターンを設定する。こうして大入賞口28の開放パターンを設定したら、一種大当り遊技を開始する。そして、一種大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。この大当り遊技開始コマンドには、今回開始する一種大当り遊技の種類(
図5参照)を示す情報も含まれている。出力バッファに記憶された大当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0117】
以上は、特別図柄の確定表示中である場合の処理について説明した。これに対して、小当り遊技中である場合は、上述の開放パターンで小入賞口35が開放状態・閉鎖状態となるように、小入賞口ソレノイド35mを制御して開閉扉36を動作させる。そして、小当り遊技中に小入賞口35から入球した遊技球が特定口38に入球したら、その旨を示す特定口入球コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された特定口入球コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0118】
そして、上述の開放パターンに従う小入賞口ソレノイド35mの制御(開閉扉36の動作)が終了したら、今回の小当り遊技中に小入賞口35に遊技球が入球したか否かを判断する。その結果、小入賞口35に遊技球が入球しなかった場合は、そのまま小当り遊技を終了する。そして、小当り遊技の終了を示す小当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された大当り遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0119】
これに対して、今回の小当り遊技中に小入賞口35に遊技球が入球した場合は、該遊技球が特定口38に入球したか否かを判断する。そして、遊技球が特定口38に入球したら、先ず、小当り遊技の終了を示す小当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。そして、小当り遊技中に遊技球が小入賞口35に入球したことを受けて、二種大当り遊技を開始すべく、二種大当り遊技における大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。
図6を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、停止表示された小当り図柄の種類などによって二種大当り遊技中のラウンド遊技の回数が異なる。従って、停止表示された小当り図柄の種類などに対応して大入賞口28の開放パターンを設定する。こうして大入賞口28の開放パターンを設定したら、二種大当り遊技を開始する。そして、二種大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。この大当り遊技開始コマンドには、今回開始する二種大当り遊技の種類(
図6参照)を示す情報も含まれている。出力バッファに記憶された大当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0120】
以上は、小当り遊技中である場合の処理について説明した。これに対して、大当り遊技中(一種大当り遊技中または二種大当り遊技中)である場合は、上述の開放パターンで大入賞口28が開放状態・閉鎖状態となるように、大入賞口ソレノイド29mを制御して開閉扉29を動作させる。そして、ラウンド遊技の開始時には、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶し、ラウンド遊技の終了時には、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶されたラウンド遊技開始コマンド、ラウンド遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0121】
また、上述の開放パターンに従う大入賞口ソレノイド29mの制御(開閉扉29の動作)が終了したら大当り遊技を終了する。そして、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された大当り遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。大当り遊技を終了したら、該大当り遊技の種類(
図5、
図6参照)に応じて、遊技状態を非電サポ状態または電サポ状態に設定する。そして、遊技状態を電サポ状態に設定した場合は、電サポ回数を99回に設定する。このように遊技状態を設定したら、設定された遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0122】
<保留数処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、保留数処理(S700)を行う。この保留数処理(S700)では、第1特図保留記憶領域に記憶されている第1特図保留の数、および、第2特図保留記憶領域に記憶されている第2特図保留の数を読み出して、これらの数を示す保留数伝達コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された保留数伝達コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の数や第2特図保留の数に対応する保留図柄を演出表示装置41に表示する等、これらの数に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。
【0123】
D.演出制御処理 :
図13は、演出に係る制御を行うための演出制御処理を示すフローチャートである。演出制御処理は、サブ制御基板220のCPU221によって、所定周期毎(例えば10msec毎に発生するタイマ割り込みに基づいて)行われる。以下、フローチャートに従って、サブ制御基板220のCPU221が行う演出制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU221の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
【0124】
演出制御処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、コマンド解析処理を行う(S800)。ここで、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からコマンドを受信するたびに、あるいは、各種基板から検知信号を受信するたびに、外部割り込み処理として、受信したコマンドや検知信号をRAM223の受信コマンド記憶領域に記憶している。コマンド解析処理(S800)では、この受信コマンド記憶領域に記憶されたコマンドや検知信号、すなわち、受信したコマンドや検知信号に対応する演出を決定し、この演出を行うために画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に送信するコマンドをRAM223に確保された出力バッファに記憶する。
【0125】
サブ制御基板220のCPU221は、続いて、出力処理を行う(S900)。この処理では、RAM223の出力バッファに記憶されたコマンドを画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に送信する。サブ制御基板220からコマンドを受信すると、画像音声制御基板230は、受信したコマンドに対応する画像を演出表示装置41に表示し、受信したコマンドに対応する音声を各種スピーカー6a,6b等から出力し、受信したコマンドに対応する態様で役物用モーター70mを駆動する。また、ランプ制御基板226は、受信したコマンドに対応する発光パターンで各種ランプ5a〜5c等を発光させる。
【0126】
以上のように、サブ制御基板220は、画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行するが、本明細書では説明の便宜上、このような各種演出を実行することを、単に「サブ制御基板220のCPU221が各種演出を実行する」とも表現する。
【0127】
図14には、各種コマンド等に対応してサブ制御基板220のCPU221が行う処理が示されている。
図14に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、事前判定結果コマンドを受信した場合は、事前判定結果に基づく演出である事前演出を行う。例えば、事前判定結果に対応するキャラクター等の画像を演出表示装置41に表示させたり、演出表示装置41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41fに表示する保留図柄の態様を事前判定結果に対応する態様としたりする。尚、事前演出は、事前判定結果コマンドを受信した場合において、常時行う必要はなく、所定の条件が成立したら(例えば所定の実行抽選に当選したら)行うこととしてもよい。
【0128】
また、
図14に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、保留数伝達コマンドを受信すると、このコマンドによって示される第1特図保留数および第2特図保留数と同数の保留図柄を、演出表示装置41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41fに表示する。尚、第1特図保留数および第2特図保留数の両方を常時表示する必要はなく、例えば、左打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第1特図主体の遊技が行われる状態においては、第1特図保留数を表示し、右打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第2特図主体の遊技が行われる状態においては、第2特図保留数を表示することとしてもよい。
【0129】
また、
図14に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示に合わせて、変動パターン指定コマンドが示す変動パターンに対応する図柄変動演出(識別図柄41a,41b,41cの変動表示を含む)を開始する。
【0130】
ここで、本実施例のパチンコ機1では、
図7(b)を用いて前述したリーチ演出として複数種類のリーチ演出を実行可能である。図柄変動演出は、変動パターンに対応して行われるので、図柄変動演出の一環であるリーチ演出もそれぞれに対応する変動パターンが選択された場合に行われる。詳しくは、特図当り判定の結果が「大当り」である場合に各リーチ演出に対応する変動パターンが選択されると、この変動パターンに対応するリーチ演出が行われた後、識別図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示する図柄変動演出が行われる。また、特図当り判定の結果が「外れ」である場合に各リーチ演出に対応する変動パターンが選択されると、この変動パターンに対応するリーチ演出が行われた後、識別図柄41a,41b,41cがバラケ目で停止表示する図柄変動演出が行われる。
【0131】
各リーチ演出の実行確率、すなわち、各リーチ演出に対応する変動パターンが選択される確率は、
図9を用いて前述した変動パターン選択テーブルにおいて、各変動パターンに割り振られる変動パターン選択乱数の割合によって設定されている。これによって、特図当り判定結果が「大当り」である確率(以下「大当り期待度」ともいう)を、複数種類のリーチ演出間で異ならせている。この結果、大当り期待度のより高いリーチ演出が行われることを遊技者に期待させることができる。
【0132】
リーチ演出の態様としては、これらの相違を遊技者が識別可能な態様であればよく、例えば、リーチ演出間で、表示されるキャラクター画像が互いに異なる態様や、表示される背景画像が互いに異なる態様、表示される色彩が互いに異なる態様、リーチ演出の開始時に停止表示されるゾロ目となり得る識別図柄(左識別図柄41a,右識別図柄41bなど)が互いに異なる態様などが採用される。
【0133】
上述したような図柄変動演出の実行中に変動停止コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、識別図柄41a,41b,41cをゾロ目、特殊目、バラケ目の何れかで停止表示する。
【0134】
尚、本実施例のパチンコ機1では上述したように、大当り遊技が行われるに際しては識別図柄41a,41b,41cをゾロ目で停止表示させる。このことをより詳しく説明すると、該大当り遊技終了後に電サポ状態が設定される場合(遊技者に有利な大当り遊技が行われる場合)は「奇数の数字を意匠化した図柄(第1の図柄)」で識別図柄41a,41b,41cを停止表示させ、該大当り遊技終了後に非電サポ状態が設定される場合(遊技者に不利な大当り遊技が行われる場合)は「偶数の数字を意匠化した図柄(第2の図柄)」で識別図柄41a,41b,41cを停止表示させる。従って、リーチ演出においては、遊技者に有利な大当り遊技が行われる可能性のある「奇数の数字を意匠化した図柄(第1の図柄)」で左識別図柄41aおよび右識別図柄41cが停止表示されることを遊技者に期待させることができる。
【0135】
また、
図14に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、小当り遊技開始コマンドを受信すると、小当り遊技中であることを示す小当り遊技演出を開始する。そして、小当り遊技中に小当り遊技終了コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、小当り遊技演出を終了する。また、小当り遊技中に特定口入球コマンドを受信すると、遊技球が特定口38に入球したことを示す特定口入球演出を実行する。
【0136】
また、
図14に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技開始コマンドを受信すると、大当り遊技中であることを示す大当り遊技演出を開始する。例えば、大当り遊技が開始されるタイミングで、大当り遊技の開始を示すファンファーレ演出を実行すると共に、大当り遊技中であることを示す動画(いわゆるムービー)の表示を開始する。また、開始された大当り遊技のラウンド遊技回数(4ラウンド大当り遊技、6ラウンド大当り遊技、15ラウンド大当り遊技の何れか)を示唆する演出や、開始された大当り遊技終了後に設定される遊技状態(非電サポ状態または電サポ状態)を示唆する演出を実行する。本実施例のパチンコ機1では、このような大当り遊技演出として、態様(例えば、表示する動画など)が互いに異なる複数の大当り遊技演出を実行可能であり、何れの大当り遊技演出を実行するかは、所定の抽選結果や、大当り遊技の種類に応じて決定される。
【0137】
尚、「識別図柄41a,41b,41c」は本発明における「識別情報」に相当する。従って、「識別図柄41a,41b,41c」の変動表示を行うサブ制御基板220のCPU221は本発明における「識別情報表示手段」に相当する。
【0138】
大当り遊技中にラウンド遊技開始コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、ラウンド遊技中であることを示すラウンド遊技演出を(例えば、大当り遊技演出に重ねて)開始する。例えば、実行中の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数を示す演出(例えば、1R,2R,3R・・・を表示する演出など)を開始する。そして、ラウンド遊技終了コマンドを受信すると、ラウンド遊技演出を終了し、大当り遊技終了コマンドを受信すると、大当り遊技演出を終了する。
【0139】
また、
図14に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、遊技状態指定コマンドを受信すると、設定された遊技状態に対応する演出を開始する。例えば、識別図柄41a,41b,41cやその背景画像を遊技状態に対応する態様(色彩や形状など)とする演出を実行したり、電サポ状態が設定された場合は残りの電サポ回数を表示する演出を開始したりする。
【0140】
また、
図14に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して操作信号を検知すると、すなわち、演出操作部10a,10b,10cが操作されると、該操作に対応する演出を開始する。
【0141】
E.移動役物装置70の駆動を伴うリーチ演出 :
ここで、本実施例のパチンコ機1は、上述したように複数種類のリーチ演出を実行可能であるが、リーチ演出の一部においては、移動役物装置70が駆動されて(動作して)、第1移動役物71および第2移動役物72が、遊技者側から視認不能な
図15(a)に示す状態から遊技者側から視認可能である
図15(b)に示す状態となる。本明細書では、このような移動役物装置70の駆動(動作)を伴うリーチ演出を「役物連動リーチ演出」とも表現する。以下では、このような役物連動リーチ演出の態様について説明するが、その準備として先ず、移動役物装置70について説明する。
【0142】
E−1.移動役物装置70 :
E−1−1.移動役物装置70の構成 :
図16および
図17は、移動役物装置70の構成を示す説明図である。なかでも、
図16は、移動役物装置70を前方からみた斜視図と分解斜視図であり、
図17は、移動役物装置70を後方からみた斜視図と分解斜視図である。尚、
図16および
図17には、第1移動役物71および第2移動役物72が上方へ移動し、これらが遊技者側から視認可能となった状態(
図15(b)に示す状態)が示されている。また、
図16および
図17では、演出表示装置41前面側の左右に設けられた2つの移動役物装置70のうち、左側に設けられた移動役物装置70のみを示している。右側に設けられた移動役物装置70については、左側に設けられた移動役物装置70の構成の左右を入れ替えただけであるので、その説明を省略する。
【0143】
図16および
図17に示すように、移動役物装置70はおおまかには、後方が開口した箱状のベース部材74に、種々の遊技部品が組み付けられることによって構成されている。詳しく説明すると、先ず、ベース部材74の前壁には、斜め上方に延びる摺動溝74aが形成されている。この摺動溝74aには、第1移動役物71の後部側の突出部(図示せず)が摺動可能に挿入されており、該突出部(図示せず)には、第1移動役物71と共にベース部材74(摺動溝74aの縁部)を挟むようにして、補助部材71a(
図17参照)が固定されている。これによって、第1移動役物71は、ベース部材74から離脱しないように、且つ、ベース部材74に対して摺動可能に取り付けられている。
【0144】
また、ベース部材74内部の下部には、役物用モーター70mが設けられている。役物用モーター70mの回転軸は、ベース部材74の前壁を貫通してベース部材74の前方側まで延びており、この前方側まで延びた回転軸にはモーター用ギヤ70a(
図16参照)が固定されている。また、ベース部材74の前面側には、このモーター用ギヤ70aと歯合する(噛み合う)中継用ギヤ75(
図16参照)が軸支(回動可能に支持)されている。さらに、ベース部材74の前面側には、下アーム76の一端側に形成されたアーム用ギヤ76aが軸支されており、このアーム用ギヤ76aは、中継用ギヤ75に歯合している。従って、役物用モーター70mを駆動すると、役物用モーター70mの駆動力が、モーター用ギヤ70aおよび中継用ギヤ75を介して、アーム用ギヤ76a(下アーム76)に伝達される。尚、下アーム76の動作態様については、後の「E−1−2.移動役物装置70の動作態様」欄において説明する。
【0145】
下アーム76には、中アーム77が回動可能に連接されている。詳しくは、下アーム76のアーム用ギヤ76aが形成された側(一端側)とは反対側の端部(他端側)には、中アーム77の一端側である軸支部77c(
図16参照)が軸支されている。中アーム77は、この軸支部77c(一端側)から他端側に向かって湾曲されて形成されており、この他端側には、後方に突出した突出部77a(
図17参照)と前方に突出した突出部77b(
図16(b)参照)が形成されている。これらのうち後方に突出した突出部77aは、第1移動役物71の下部に形成された長孔71b(
図16(b)、
図17参照)に摺動可能に挿入されている。一方、前方に突出した突出部77b(
図17(b)参照)は、上アーム78の一端側に形成された長孔78aに摺動可能に挿入されている。
【0146】
上アーム78の他端側には、扇状のピニオン部78b(
図17(b)参照)が形成されている。また、上アーム78の中途部78c(長孔78aとピニオン部78bとの間の箇所)は、第1移動役物71の前面側に軸支されている。従って、上アーム78は、この軸支された中途部78cを中心にして、第1移動役物71に対して回動可能であり、ひいては、両端にそれぞれ形成された長孔78aとピニオン部78bとが互い違いに上下動可能である。
【0147】
役物用モーター70mを駆動することによって、その駆動力が下アーム76に伝達されると(下アーム76が回動すると)、その駆動力はさらに、中アーム77、上アーム78、第1移動役物71に伝達される。尚、中アーム77、上アーム78、第1移動役物71の動作態様についても、後の「E−1−2.移動役物装置70の動作態様」欄において説明する。
【0148】
第1移動役物71の前面側には、第1移動役物71に重ねて第2移動役物72が設けられている。詳しくは、第2移動役物72には後方に突出した突出部72a(
図17(b)参照)が設けられており、この突出部72aは、第1移動役物71の中央に設けられた長孔71c(
図16(b)参照)に摺動可能に挿入されている。この長孔71cは、長手方向がベース部材74の摺動溝74aの長手方向と平行に形成されている。従って、ベース部材74に対する第1移動役物71の移動可能な方向は、第2移動役物72に対する第1移動役物71の移動可能な方向と平行(同一方向または正反対方向)である。
【0149】
また、第2移動役物72の後方側には、歯先を内側に向けてラック部72b(
図16(b)、
図17(b)参照)が設けられており、このラック部72bは、上アーム78のピニオン部78b(
図16(b)参照)と歯合している。尚、第2移動役物72の動作態様についても、後の「E−1−2.移動役物装置70の動作態様」欄において説明する。
【0150】
また、ベース部材74内部の上部には、第1移動役物71を上方に付勢する後アーム79(
図16(b)、
図17参照)が設けられている。詳しくは、ベース部材74の前壁の後面側には、後方に突出した突出部74b(
図17(b)参照)が設けられており、この突出部74bには、後アーム79の一端側が軸支されている。また、この後アーム79の一端側には、トーションバネ79a(ねじりバネ)が設けられている。一方、後アーム79の他端側には、長孔79bが設けられている。第1移動役物71に固定された補助部材71aの後面には、後方に突出した突出部71d(
図17(b)参照)が設けられており、この突出部71dは後アーム79の長孔79bに摺動可能に挿入されている。これによって、後アーム79は、第1移動役物71を上方(摺動溝74aに沿った方向)に付勢している。
【0151】
また、ベース部材74後方の開口部は、少なくとも一部が蓋部材80によって覆われており、この蓋部材80には、モーター基板229等の遊技部品(
図16および
図17では図示省略)が取り付けられている。
【0152】
E−1−2.移動役物装置70の動作態様 :
以下では、移動役物装置70の動作態様について説明するが、先ずは、第1移動役物71に対する第2移動役物72の動作態様について説明し、その後に、移動役物装置70全体の動作態様について説明する。
【0153】
図18は、第1移動役物71に対する第2移動役物72の動作態様を示す説明図である。尚、
図18において、向かって左側には、第2移動役物72の図示が省略された説明図が示されており(第2移動役物72のうちラック部72bのみは表示)、右側には、第2移動役物72が図示された説明図が示されている。また、以下において、「白抜き矢印」は遊技部品の移動方向を示している。
【0154】
図18に示すように、第1移動役物71には、上アーム78の中途部78cが軸支されている。このため、上アーム78は、この軸支された中途部78cを中心にして、第1移動役物71に対して回動可能であり、ひいては、両端にそれぞれ形成された長孔78aとピニオン部78bとが互い違いに上下動可能である。
【0155】
従って、
図18(a)の左側に示すように、上アーム78の長孔78a側が下方に回動された場合は(白抜き矢印[1])、ピニオン部78b側が上方に回動する。この場合、第2移動役物72に設けられたラック部72bは、歯合するピニオン部78bによって、第1移動役物71に対して上方に移動させられる(白抜き矢印[2])。これに伴って、ラック部72bが設けられた第2移動役物72も、第1移動役物71に対して上方に移動させられる(白抜き矢印[3])。この結果、第1移動役物71の上部が遊技者側から視認不能な状態(第1移動役物71の上部が第2移動役物72から露出していない状態)となる。
【0156】
これに対して、
図18(b)の左側に示すように、上アーム78の長孔78a側が上方に回動された場合は(白抜き矢印[4])、ピニオン部78b側が下方に回動する。この場合、第2移動役物72に設けられたラック部72bは、歯合するピニオン部78bによって、第1移動役物71に対して下方に移動させられる(白抜き矢印[5])。これに伴って、ラック部72bが設けられた第2移動役物72も、第1移動役物71に対して下方に移動させられる(白抜き矢印[6])。この結果、第1移動役物71の上部が遊技者側から視認可能な状態(第1移動役物71の上部が第2移動役物72から露出した状態)となる。
【0157】
以上のように、移動役物装置70においては、上アーム78の長孔78a側が下方に回動されると(白抜き矢印[1])、第2移動役物72は上方に移動させられて(白抜き矢印[3])、第1移動役物71の上部が遊技者側から視認不能な状態となる。これに対して、上アーム78の長孔78a側が上方に回動されると(白抜き矢印[4])、第2移動役物72は下方に移動させられて(白抜き矢印[6])、第1移動役物71の上部が遊技者側から視認可能な状態となる。
【0158】
次に、上述のような第2移動役物72の動作態様を踏まえた上で、移動役物装置70の動作態様について説明する。
図19〜
図21は、移動役物装置70の動作態様を示す説明図である。なかでも、
図19〜
図21において、(a)図は、移動役物装置70を前方からみた説明図であり、(b)図は、移動役物装置70を後方からみた説明図である。尚、(a)図において、向かって左側には、第2移動役物72の図示が省略された説明図が示されており(第2移動役物72のうちラック部72bのみは表示)、右側には、第2移動役物72が図示された説明図が示されている。また、
図19〜
図21では、第1移動役物71および第2移動役物72の移動に直接的に関係のない構成については、その図示を省略している。また、以下において、「実線矢印」は、後アーム79(トーションバネ79a)によって遊技部品が付勢された方向を示している。
【0159】
移動役物装置70が駆動されていない場合は、
図19に示すように、中アーム77は、下アーム76によって引き下げられた位置にあり、上アーム78および第1移動役物71(第2移動役物72)は、中アーム77によって引き下げられた位置にある。また、後アーム79の長孔79bには、第1移動役物71の補助部材71aの突出部71dが挿入されているので、後アーム79は、第1移動役物71(補助部材71a)によって引き下げられた位置にある。これらの遊技部品が引き下げられた位置は、移動役物装置70が駆動される前の初期の位置であることから、以下では、これらの位置をそれぞれの遊技部品の「初期位置」とも表現する。
【0160】
このように上述の遊技部品が「初期位置」にある状態においては、後アーム79は、トーションバネ79aによって、斜め上方に回動する方向である「第1方向」(実線矢印<1>)に付勢されている(
図19(b)参照)。また、第1移動役物71に固定されている補助部材71aの突出部71dは、後アーム79の長孔79bに挿入されているので、第1移動役物71も「第1方向」(実線矢印<2>)に付勢されている。さらに、中アーム77の後方に突出した突出部77aは、第1移動役物71の長孔71bに挿入されているので、中アーム77も「第1方向」(実線矢印<3>)に付勢されている。
【0161】
ここで、上述したように第1移動役物71と中アーム77は「初期位置」においては、「第1方向」(実線矢印<2>、実線矢印<3>)に付勢されているものの、この付勢力によっては、該「初期位置」から「第1方向」に移動することはない。これは次の理由による。つまり、中アーム77の軸支部77cは、下アーム76に軸支されているため、下アーム76の回動方向にしか移動できない。このため、中アーム77が「初期位置」にある場合においては、軸支部77cは、下アーム76が斜め下方に回動する方向である「第2方向」(白抜き矢印[7])にしか移動できない(
図19(a)参照)。そして、この「第2方向」は、軸支部77c(中アーム77)が付勢されている方向である「第1方向」と逆方向の方向成分(破線矢印[7a])を含んでいる。換言すると、「第2方向」を分解すると、「第1方向」と逆方向の方向成分(破線矢印[7a])が抽出される。従って、軸支部77c(中アーム77)が「初期位置」にある場合は、「第1方向」に付勢されても、少なくとも該「第1方向」と逆方向に移動せざるを得ないので、軸支部77c(中アーム77)は「第1方向」に移動することができないこととなる。この結果、中アーム77が「初期位置」にある場合には、後アーム79によって「第1方向」に付勢されていても、中アーム77および第1移動役物71を「初期位置」に留めることが可能となる。
【0162】
本実施例の役物連動リーチ演出では、第1移動役物71および第2移動役物72を「初期位置」から離脱する方向へ移動(上昇)させる「上昇動作」と、第1移動役物71および第2移動役物72を「初期位置」に復帰する方向へ移動(下降)させる「下降動作」とが適宜行われる。以下では、このような「上昇動作」、「下降動作」について説明する。
【0163】
<役物連動リーチ演出における上昇動作>
「上昇動作」を行うに際しては、上述したように各遊技部品(下アーム76、中アーム77、上アーム78、第1移動役物71、第2移動役物72、後アーム79)が「初期位置」にある状態において、役物用モーター70mを駆動する。役物用モーター70mを駆動すると、その駆動力が、モーター用ギヤ70a、中継用ギヤ75を介して、アーム用ギヤ76aに伝達される。すると、下アーム76が斜め下方に回動し、これに伴って、中アーム77の軸支部77cも斜め下方(白抜き矢印[7])に移動する(
図19(a)参照)。
【0164】
やがて、軸支部77cが、
図20に示すように、「第3方向」(白抜き矢印[8])に移動可能な位置まで移動したら、第1移動役物71は、後アーム79の付勢力によって、摺動溝74aに沿いながら上方へ移動する。また、この場合、第1移動役物71の上方への移動に追随して中アーム77も上方へ移動する。すなわち、「第3方向」は、軸支部77c(中アーム77)が付勢されている方向である「第1方向」と同一方向の方向成分を含んでいる(反対方向の方向成分を含んでいない)。換言すると、「第3方向」を分解すると、「第1方向」と同一方向の方向成分(破線矢印[8a])が抽出される(反対方向の方向成分が抽出されない)。従って、軸支部77cが「第3方向」(白抜き矢印[8])に移動可能な位置まで移動すると、第1移動役物71と中アーム77は、後アーム79の付勢力によって上方への移動を開始する。このように、役物用モーター70mによって軸支部77cを「初期位置」から「第3方向」に移動可能な位置まで移動させることで、第1移動役物71および中アーム77を後アーム79の付勢力によって上方へ移動させることが可能となる。つまり、第1移動役物71が「初期位置」に停止された状態を解除することが可能となる。
【0165】
尚、役物用モーター70mが中アーム77を上方へ移動させる力(駆動力)は、後アーム79が中アーム77を上方へ移動させる力(付勢力)より小さい。これによって、第1移動役物71と中アーム77は、役物用モーター70mの駆動力ではなく、後アーム79の付勢力によって上方へ移動することとなる。また、この場合、下アーム76は中アーム77の上方への移動に追随して上方へ回動する。
【0166】
こうして第1移動役物71と中アーム77が上方へ移動(上昇)していき、第1移動役物71の突出部(図示せず)が、ベース部材74の摺動溝74a上端部に当接すると、
図21に示す状態で、第1移動役物71の上方への移動(上昇)が停止する。この状態は、換言すると、後アーム79の付勢力によって、第1移動役物71の突出部(図示せず)がベース部材74の摺動溝74a上端部に押しつけられて、第1移動役物71が上方への移動先の位置(いわゆる出現位置)で維持された状態である。もっとも、この状態(第1移動役物71の上方への移動が停止した状態)となった後も、役物用モーター70mを継続して駆動するため、該駆動力によって下アーム76は更に上方へ回動する。
【0167】
このように、第1移動役物71の上方への移動が停止した状態で下アーム76が更に上方へ回動すると、中アーム77は第1移動役物71に対して上方へ移動し、ひいては、
図22に示すように、中アーム77の後方に突出した突出部77aが第1移動役物71の長孔71b内を上方へ移動する(白抜き矢印[9])。この場合、中アーム77の前方に突出した突出部77b(上アーム78の長孔78aに挿入された突出部77b)も第1移動役物71に対して上方に移動するので、上アーム78の長孔78a側は中途部78cを中心にして上方に回動する。
【0168】
このように上アーム78の長孔78a側が上方に回動された場合は、
図18(b)を用いて前述した態様で動作する。すなわち、
図18(b)を用いて前述したように、上アーム78の長孔78a側が上方に回動されると(白抜き矢印[4])、ピニオン部78b側が下方に回動する。そして、この場合、第2移動役物72に設けられたラック部72bは、歯合するピニオン部78bによって、第1移動役物71に対して下方に移動させられる(白抜き矢印[5])。これに伴って、ラック部72bが設けられた第2移動役物72も、第1移動役物71に対して下方に移動させられる(白抜き矢印[6])。この結果、第1移動役物71の上部が遊技者側から視認可能な状態(第1移動役物71の上部が第2移動役物72から露出した状態)となる。
【0169】
以上のように、「上昇動作」では、先ず、第1移動役物71に対する第2移動役物72の位置を維持しつつ、第1移動役物71を「初期位置」から「第1移動役物71の突出部(図示せず)がベース部材74の摺動溝74a上端部に当接する位置」まで移動させる。この移動を本実施例では、「第1段階目の移動」ともいう。
【0170】
そして、「第1段階目の移動」の後、第1移動役物71に対する第2移動役物72の位置を「第1移動役物71の上部が遊技者側から視認不能な位置」から「第1移動役物71の上部が遊技者側から視認可能な位置」まで移動させる。この移動を本実施例では、「第2段階目の移動」ともいう。
【0171】
このように「上昇動作」においては、「第1段階目の移動」では第1移動役物71と第2移動役物72との位置関係を維持しながら移動させ、「第2段階目の移動」では該位置関係を変化させる演出を行うことができる。換言すると、「第1段階目の移動」にて重なった状態で移動させる第1移動役物71と第2移動役物72とを、「第2段階目の移動」にてその重なりの程度を小さくする演出を行うことができる。この結果、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0172】
また、「第2段階目の移動」にて第2移動役物72が第1移動役物71に対して移動する方向(斜め上方)は、「第1段階目の移動」にて第1移動役物71および第2移動役物72が移動する方向(斜め下方)と逆の方向である。この結果、「第1段階目の移動」から「第2段階目の移動」に移る際に遊技者の視線の移動方向を逆に変化させる(下から上→上から下に変化させる)ことができ、更に遊技者に意外性を感じさせることができる。
【0173】
また、「上昇動作」においては、「第1段階目の移動」も「第2段階目の移動」も、1つの駆動源(役物用モーター70m)を駆動することによって実現することができる。この結果、移動役物装置70の軽量化を図ることができると共に、移動役物装置70の生産性を高めることができる。
【0174】
また、本実施例では、「上昇動作」中は役物用モーター70mの駆動を継続させるものの、「第1段階目の移動」が行われている間は、第2移動役物72に対する役物用モーター70mの駆動力の伝達を遮ることによって、「第2段階目の移動」が行われることを防止する。すなわち、「第1段階目の移動」が行われている間は、第1移動役物71が後アーム79によって上方へ付勢されているので、中アーム77の後方に突出した突出部77aは第1移動役物71の長孔71c下端部に当接した状態となる。このため、「第1段階目の移動」が行われている間は、中アーム77の前方に突出した突出部77bが上アーム78の長孔78a側を引き下げた状態となる。従って、「第1段階目の移動」が行われている間は、役物用モーター70mが駆動していても、上アーム78は回動せず(ピニオン部78bに駆動力が伝達されず)、ひいては、第2移動役物72にも駆動力が伝達されない状態となる。この結果、「第1段階目の移動」が行われている間は、「2段階目の移動」が行われることを防止する(第1移動役物71に対する第2移動役物72の位置を維持する)ことができる。
【0175】
そして、その後、第2移動役物72に役物用モーター70mの駆動力を伝達することによって、「第2段階目の移動」を行う。すなわち、「第1段階目の移動」が終了したら(第1移動役物71の突出部(図示せず)がベース部材74の摺動溝74a上端部に当接したら)、第1移動役物71は、それ以上は上方へ移動できないので、役物用モーター70mの駆動力によって、中アーム77の後方に突出した突出部77aが第1移動役物71の長孔71c内を上方に移動していく。このため、中アーム77の前方に突出した突出部77bも上方へ移動していき、上アーム78の長孔78a側を押し上げることとなる。この結果、上アーム78が回動し(ピニオン部78bに駆動力が伝達し)、ひいては、第2移動役物72にも駆動力が伝達される状態となる。この結果、「第2段階目の移動」が行われる。
【0176】
以上のように、本実施例では、「上昇動作」中は役物用モーター70mの駆動を継続させるものの、「第1段階目の移動」が行われている間は、第2移動役物72に対する役物用モーター70mの駆動力の伝達を遮ることによって、「第2段階目の移動」が行われることを防止する。そして、その後、第2移動役物72に役物用モーター70mの駆動力を伝達することによって、「第2段階目の移動」を行う。こうすると、役物用モーター70mを単純に継続して駆動させるだけで、換言すると、役物用モーター70mの複雑な制御を要することなく、「第1段階目の移動」および「第2段階目の移動」を行わせることができる。
【0177】
<役物連動リーチ演出における下降動作>
「下降動作」を行うに際しては、役物用モーター70mを「上昇動作」時とは逆向きに駆動する。こうすると、先ず、
図22に示す状態から
図21に示す状態となる。すなわち、下アーム76が下方に回動し、この下アーム76の回動に追随して、中アーム77も下方に移動する。もっとも、中アーム77が下方に移動しても、第1移動役物71は、後アーム79によって上方に付勢された状態であるので下方へは移動せず、中アーム77の後方に突出した突出部77aが第1移動役物71の長孔71b内を下方へ移動する。この場合、中アーム77の前方に突出した突出部77b(上アーム78の長孔78aに挿入された突出部77b)も第1移動役物71に対して下方に移動するので、上アーム78の長孔78a側は中途部78cを中心にして下方に回動する。
【0178】
このように上アーム78の長孔78a側が下方に回動された場合は、
図18(a)を用いて前述した態様で動作する。すなわち、
図18(a)を用いて前述したように、上アーム78の長孔78a側が下方に回動された場合は(白抜き矢印[1])、ピニオン部78b側が上方に回動する。そして、この場合、第2移動役物72に設けられたラック部72bは、歯合するピニオン部78bによって、第1移動役物71に対して上方に移動させられる(白抜き矢印[2])。これに伴って、ラック部72bが設けられた第2移動役物72も、第1移動役物71に対して上方に移動させられる(白抜き矢印[3])。この結果、第1移動役物71の上部が遊技者側から視認不能な状態(第1移動役物71の上部が第2移動役物72から露出していない状態)となる。この場合、中アーム77の後方に突出した突出部77aは、第1移動役物71の長孔71bの下端部に当接した状態となる。
【0179】
このような状態になった後も、役物用モーター70mを継続して駆動するので、後アーム79によって上方に付勢された第1移動役物71を、該付勢力に抗して引き下げるように、中アーム77と下アーム76とは下方(初期位置側)に移動する。この場合、第1移動役物71は、後アーム79によって上方に付勢されながらも、ベース部材74の摺動溝74aに沿って、下方(初期位置側)に移動する。
【0180】
このように第1移動役物71は上方に付勢されながら下方(初期位置側)に移動するので、この移動の間は、第1移動役物71の長孔71bの下端部に中アーム77の突出部77aが当接したままとなる。すなわち、この移動の間は、第1移動役物71の上部が遊技者側から視認不能な状態(第1移動役物71の上部が第2移動役物72から露出していない状態)のままとなる。
【0181】
やがて、中アーム77、下アーム76、第1移動役物71が「初期位置」まで移動すると、役物用モーター70mの駆動を停止して、「下降動作」を終了する。
【0182】
以上のように、「下降動作」では、先ず、第1移動役物71に対する第2移動役物72の位置を「第1移動役物71の上部が遊技者側から視認可能な位置」から「第1移動役物71の上部が遊技者側から視認不能な位置」まで移動させる。この移動を本実施例では、「第3段階目の移動」ともいう。
【0183】
そして、「第3段階目の移動」の後、第1移動役物71に対する第2移動役物72の位置を維持しつつ、第1移動役物71を「第1移動役物71の突出部(図示せず)がベース部材74の摺動溝74a上端部に当接する位置」から「初期位置(本発明における第1位置)」まで移動させる。この移動を本実施例では、「第4段階目の移動」ともいう。
【0184】
尚、第1移動役物71および第2移動役物72は、本発明における「移動役物」に相当する。従って、第1移動役物71および第2移動役物72を移動(動作)させるサブ制御基板220のCPU221は、本発明における「移動役物動作手段」に相当する。
【0185】
E−2.役物連動リーチ演出の態様 :
役物連動リーチ演出では、移動役物装置70に上述した「上昇動作(第1段階目の移動、第2段階目の移動)」および「下降動作(第3段階目の移動、第4段階目の移動)」のうち少なくとも一部の動作を行わせる。すなわち、サブ制御基板220のCPU221は、役物連動リーチ演出に対応する変動パターンに基づく図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)が開始される場合は(役物連動リーチ演出に対応する変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを受信すると)、該変動パターンに対応するリーチ演出を演出表示装置41の表示画面にて行う。加えて、該変動パターンに対応する態様で移動役物装置70を動作させる(役物用モーター70mを駆動する)。以下では、本実施例における役物連動リーチ演出の具体例について説明する。
【0186】
図23〜
図27には、本実施例における役物連動リーチ演出の一例が示されている。
図23〜
図27において、白抜き矢印は、第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向や、表示された画像の移動方向を示している。
【0187】
役物連動リーチ演出に対応する変動パターンに基づく図柄変動遊技が開始される場合は、先ず、
図23(a)に示すように、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを同じ図柄で停止表示させた状態で中識別図柄41bを変動表示させるリーチ演出が行われる。
図23(a)に示す例では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを「4」の数字を意匠化した図柄で停止表示させた状態で、中識別図柄41bを変動表示させるリーチ演出が行われている。尚、このようにリーチ演出中に左識別図柄41aおよび右識別図柄41cとして停止表示されている図柄(換言すると、リーチ演出を構成する図柄、ここでは「4」の数字を意匠化した図柄)を、以下ではリーチ図柄とも表現する。
【0188】
上述したようなリーチ演出が開始されてから所定の時間(例えば、5秒)が経過したら、
図23(b)に示すように、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを同じ図柄のまま縮小して、表示画面の上部の領域(以下「未変更図柄領域A」ともいう)に移動させる。また、中識別図柄41bの表示を一旦終了(消去)する。
図23(b)に示す例では、左識別図柄41aとして表示されたリーチ図柄「4」を表示画面の左上隅の領域(未変更図柄領域A)に移動させ、右識別図柄41cとして表示されたリーチ図柄「4」を表示画面の右上隅の領域(未変更図柄領域A)に移動させている。尚、リーチ演出の開始当初から表示画面の上部の領域に左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを表示することとしてもよい。つまり、
図23(a)を用いて上述した表示を経ることなく、
図23(b)を用いて上述した表示を行うこととしてもよい。
【0189】
こうして左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを表示画面の上部の領域(未変更図柄領域A)に移動させたら、
図24(a)に示すように、左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)を拡大する。また、この際、移動役物装置70に「上昇動作」を行わせて、第1移動役物71および第2移動役物72を遊技者側から視認可能な状態とする。
【0190】
ここで、移動役物装置70は、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cが表示される表示画面の上部の領域(未変更図柄領域A)に向かって第1移動役物71および第2移動役物72が移動(上昇動作)するように設けられている。
図24(a)に示す例では、左側に設けられた移動役物装置70は、右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)が表示される表示画面の右上隅の領域(未変更図柄領域A)に向かって(白抜き矢印[11])第1移動役物71および第2移動役物72が移動(上昇動作)するように設けられており、また、この逆方向(白抜き矢印[11]の逆方向)に、第1移動役物71および第2移動役物72が移動(下降動作)するように設けられている。また、右側に設けられた移動役物装置70は、左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)が表示される表示画面の左上隅の領域(未変更図柄領域A)に向かって(白抜き矢印[12])第1移動役物71および第2移動役物72が移動(上昇動作)するように設けられており、また、この逆方向(白抜き矢印[12]の逆方向)に、第1移動役物71および第2移動役物72が移動(下降動作)するように設けられている。
【0191】
従って、左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)を拡大するに際して移動役物装置70に「上昇動作」を行わせると、
図24(a)に示すように、左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72は、右識別図柄41c(リーチ図柄「4」、未変更図柄領域A)に向かって移動し(白抜き矢印[11])、右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72は、左識別図柄41a(リーチ図柄「4」、未変更図柄領域A)に向かって移動することとなる(白抜き矢印[12])。
【0192】
こうして左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)を拡大すると共に移動役物装置70に「上昇動作」を行わせたら、
図24(b)に示すように、拡大された左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)を、それぞれに向かって移動された第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていく。すなわち、右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていき(白抜き矢印[13])、左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていく(白抜き矢印[14])。また、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)が移動している間は、これらの図柄の移動経路上に第1のエフェクト画像81を表示する。この第1のエフェクト画像81としては、例えば、この移動経路上を第1移動役物71および第2移動役物72に向かって移動する稲妻の画像などが表示される。
【0193】
さらに、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)が移動している間は、移動役物装置70に「上昇動作」と「下降動作」とを交互に且つ小刻みに繰り返させる。すなわち、
図24(b)に示すように、左側の移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72を、右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)に対して近づく方向(接近方向)と遠のく方向(離反方向)に繰り返し移動させる(白抜き矢印[15])。また、右側の移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72を、左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)に対して近づく方向(接近方向)と遠ざかる方向(離反方向)とに繰り返し移動させる(白抜き矢印[16])。尚、このように第1移動役物71および第2移動役物72を繰り返しの移動させる動作を、以下では「振動動作」ともいう。
【0194】
そして、
図25(a)に示すように、左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域(以下「未変更図柄領域B」ともいう)まで移動させたら、
図25(b)に示すように、左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)、第1のエフェクト画像81を消去する。また、この際、移動役物装置70の「振動動作」を停止することで、移動役物装置70が駆動されていない状態とする。
【0195】
そして、所定の時間(例えば、0.5秒)が経過したら、
図26(a)に示すように、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cをそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域(以下「変更済図柄領域A」ともいう)に表示する。また、移動役物装置70に「振動動作」を再開させる(白抜き矢印[15]、[16])。ここで、
図26(a)に示す例では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを、リーチ図柄「4」からリーチ図柄「7」(「7」の数字を意匠化した図柄)に変更している。このようにリーチ図柄を変更することによる効果については後述する。
【0196】
こうして左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域(変更済図柄領域A)に表示したら、
図26(b)に示すように、それぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるようにこれらの図柄を移動させていく。すなわち、右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるように移動させていき(白抜き矢印[17])、左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるように移動させていく(白抜き矢印[18])。また、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)が移動している間は、これらの図柄の移動経路上に第2のエフェクト画像82を表示する。この第2のエフェクト画像82としては、第1のエフェクト画像81とは異なる画像が表示され、例えば、この移動経路上を第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかる方向に移動する炎の画像などが表示される。さらに、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせる。
【0197】
そして、
図26(b)に示すように、左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)を表示画面の上部の領域(以下「変更済図柄領域B」ともいう)まで移動させたら、左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)を、変更前の左識別図柄41a(リーチ図柄「4」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「4」)よりも大きく表示する。
【0198】
そして、所定の時間(例えば、2秒)が経過したら、第2のエフェクト画像82の表示を終了(消去)すると共に移動役物装置70の「振動動作」を停止する。また、移動役物装置70に「下降動作」を行わせることによって、第1移動役物71および第2移動役物72を遊技者側から視認不能な状態とする。そして、
図27に示すように、左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)をリーチ演出開始時の領域に表示すると共に、中識別図柄41bを変動表示させる。その後、所定の変動時間、すなわち、今回選択された役物連動リーチ演出の変動パターンに対応する変動時間が経過したら、中識別図柄41bを「7」の数字を意匠化した図柄で停止表示させることによって識別図柄41a,41b,41cをゾロ目で停止表示させる。または、中識別図柄41bを「7」の数字を意匠化した図柄以外の図柄で停止表示させることによって識別図柄41a,41b,41cをバラケ目で停止表示させる。
【0199】
以上のように、本実施例のパチンコ機1では、役物連動リーチ演出の実行中に、同じ図柄で停止表示されている左識別図柄41aおよび右識別図柄41b(本発明における「リーチ態様」)を、リーチ図柄「4」(本発明における「第1態様」)からリーチ図柄「7」(本発明における「第2態様」)に変更する演出(リーチ図柄を変更する演出、本発明における「変更演出」)を行う。ここで、本実施例のパチンコ機1では前述したように、大当り遊技が行われるに際しては識別図柄41a,41b,41cをゾロ目で停止表示させるところ、該大当り遊技終了後に電サポ状態が設定される場合(遊技者に有利な大当り遊技が行われる場合)は「奇数の数字を意匠化した図柄(第1の図柄)」で識別図柄41a,41b,41cを停止表示させ、該大当り遊技終了後に非電サポ状態が設定される場合(遊技者に不利な大当り遊技が行われる場合)は「偶数の数字を意匠化した図柄(第2の図柄)」で識別図柄41a,41b,41cを停止表示させる。このため、リーチ図柄を変更する演出を行うと、行われる可能性のある大当り遊技の種類も変更される場合がある。例えば、上述した役物連動リーチ演出のように、リーチ図柄を「偶数の数字を意匠化した図柄(ここではリーチ図柄「4」)」から「奇数の数字を意匠化した図柄(ここではリーチ図柄「7」)」に変更する演出を行うと、行われる可能性のある大当り遊技の種類も遊技者に不利な大当り遊技(非電サポ状態が設定される大当り遊技)から遊技者に有利な大当り遊技(電サポ状態が設定される大当り遊技)に変更されることとなる。このため、リーチ図柄を変更する演出を行うと、より有利な大当り遊技が行われる可能性のあるリーチ図柄に変更されることを遊技者に期待させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0200】
もっとも、このようなリーチ図柄を変更する演出に遊技者が気付かない場合は、せっかく該演出を行っても遊技興趣を高めることができない虞がある。この点、本実施例のパチンコ機1では、リーチ演出が開始されてからリーチ図柄を変更する演出が終了するまでに、移動役物装置70を動作させるので、リーチ図柄を変更する演出に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0201】
また、本実施例のパチンコ機1では、リーチ図柄を変更する演出が行われる前に、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを、未変更図柄領域A(
図23(b)参照、本発明における「第1領域」)から第1移動役物71および第2移動役物72により近い未変更図柄領域B(
図25(a)参照、本発明における「第2領域」)まで移動させる。また、この移動が行われている間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせる。すなわち、「振動動作」を行っている移動役物装置70(第1移動役物71および第2移動役物72)に左識別図柄41aおよび右識別図柄41cが近づいた後に、これらの左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを変更する演出(リーチ図柄を変更する演出)が行われることとなる。このため、左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)の移動と移動役物装置70の「振動動作」とが連動しているように遊技者に感じさせることができ、ひいては、リーチ図柄を変更する演出と移動役物装置70の「振動動作」とが連動しているように遊技者に感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0202】
また、本実施例のパチンコ機1では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cが未変更図柄領域A(
図23(a)参照、本発明における「第1領域」)から未変更図柄領域B(
図25(a)参照、本発明における「第2領域」)まで移動した後に、リーチ図柄を変更する演出が行われるところ、未変更図柄領域A(
図23(b)参照、本発明における「第1領域」)に最初に表示される左識別図柄41aおよび右識別図柄41cよりも、未変更図柄領域B(
図25(a)参照、本発明における「第2領域」)に表示される左識別図柄41aおよび右識別図柄41cの方が大きく表示される。すなわち、リーチ図柄を変更する演出が行われるまでの時間が短い方(該演出の直前)が左識別図柄41aおよび右識別図柄41cが大きく表示されることとなる。このため、リーチ図柄を変更する演出が間もなく行われることを遊技者に認識し易くすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0203】
また、本実施例のパチンコ機1では、リーチ図柄「4」での左識別図柄41aおよび右識別図柄41cの表示を終了した後に、リーチ図柄「7」で左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを表示する演出が行われるところ、リーチ図柄「4」での左識別図柄41aおよび右識別図柄41cの表示が終了されるに際して、移動役物装置70の「振動動作」が停止される。このため、該表示の終了と移動役物装置70の「振動動作」の停止とが連動しているように感じさせることができる。また、リーチ図柄「7」で左識別図柄41aおよび右識別図柄41cが表示される(リーチ図柄の変更が行われる)直前のタイミングを遊技者に認識させることができる。これらの結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0204】
また、本実施例のパチンコ機1では、上述のようにリーチ図柄「4」での左識別図柄41aおよび右識別図柄41cの表示を終了すると共に移動役物装置70の「振動動作」を停止した後、リーチ図柄「7」で左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを表示すると共に移動役物装置70の「振動動作」を再開させる。このため、該表示と移動役物装置70の「振動動作」とが連動しているように遊技者に感じさせることができる。また、リーチ図柄「7」での左識別図柄41aおよび右識別図柄41cの表示(リーチ図柄の変更)が行われるタイミングを遊技者に認識させることができる。これらの結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0205】
また、本実施例のパチンコ機1では、上述のようにリーチ図柄「7」で左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを表示すると共に移動役物装置70の「振動動作」を再開させた後、該左識別図柄41aおよび該右識別図柄41cを変更済図柄領域A(
図26(a)参照)から変更済図柄領域B(
図26(b)参照)まで移動させる。そして、この移動が行われている間は、移動役物装置70の「振動動作」を継続させる。このため、左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)の移動と移動役物装置70の「振動動作」とが連動しているように遊技者に感じさせることができ、ひいては、リーチ図柄を変更する演出と移動役物装置70の「振動動作」とが連動しているように遊技者に感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0206】
また、本実施例のパチンコ機1では、変更される前の左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)より、変更された後の左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)を大きく表示する。この結果、変更された後の左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)、すなわち、リーチ図柄を変更する演出の結果に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0207】
また、本実施例のパチンコ機1では、未変更図柄領域B(
図25(a)参照)、すなわち、変更される直前の左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)に向かって第1移動役物71および第2移動役物72が移動可能である。このため、変更される直前の左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)に遊技者を注目させることができ、ひいては、変更演出に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0208】
また、本実施例のパチンコ機1では、変更済図柄領域A(
図26(a)参照)、すなわち、変更された後の左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)に向かって第1移動役物71および第2移動役物72が移動可能である。このため、変更された後の左識別図柄41aおよび右識別図柄41c(リーチ図柄)、すなわち、リーチ図柄を変更する演出の結果に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0209】
尚、上述した実施例では、リーチ図柄「4」をリーチ図柄「7」に変更する演出について説明したが、当然ながら、これらのリーチ図柄の一方または両方を他のリーチ図柄とする演出を実行可能であることとしてもよい。
【0210】
また、上述した実施例では、「偶数の数字を意匠化した図柄」を「奇数の数字を意匠化した図柄」に変更する演出について説明したが、当然ながら、「偶数の数字を意匠化した図柄」を「偶数の数字を意匠化した図柄」に変更する演出、「奇数の数字を意匠化した図柄」を「偶数の数字を意匠化した図柄」に変更する演出、「奇数の数字を意匠化した図柄」を「奇数の数字を意匠化した図柄」に変更する演出の全部または一部を実行可能であることとしてもよい。
【0211】
また、上述した実施例では、リーチ図柄からリーチ図柄に変更する演出について説明したが、リーチ図柄からリーチ図柄とは異なる図柄に変更する演出(すなわち、左識別図柄41aと右識別図柄41cとを互い異なる図柄で停止表示する演出)を実行可能であることとしてもよい。
【0212】
また、上述した実施例では、第1のエフェクト画像81と第2のエフェクト画像82は異なる画像であることとしたが、第1のエフェクト画像81と第2のエフェクト画像82は互いに同じ画像であることとしてもよい。また、これらの画像の両方または一方を表示しないこととしてもよい。
【0213】
また、上述した実施例では、左識別図柄41aと右識別図柄41cが移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせることとしたが、種々の態様の動作を行わせることとしてもよい。また、左識別図柄41aと右識別図柄41cが移動している期間のうち、一部の期間において移動役物装置70に動作を行わせることとしてもよい。
【0214】
F.変形例 :
上述した実施例では、
図23(a)を用いて前述したようなリーチ演出が開始された後に、移動役物装置70の動作に伴ってリーチ図柄の種類を変更する構成(リーチ図柄[4]をリーチ図柄[7]に変更する構成)とした。これに限らず、リーチ演出が開始される前において、移動役物装置70の動作に伴ってリーチ図柄が選択される構成としてもよい。例えば、以下の変形例1〜3のような構成としてもよい。
【0215】
F−1.変形例1 :
変形例1では、先ず、左識別図柄41aと右識別図柄41cとが互いに異なる図柄で停止表示されると共に中識別図柄41bが変動表示されている状態とする。例えば、先ず、左識別図柄41aを「6」の数字を意匠化した図柄で停止表示し、右識別図柄41cを「7」の数字を意匠化した図柄で停止表示する。そして、
図28(a)に示すように、これらの図柄をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていく。すなわち、右識別図柄41c(図柄「7」)は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていき(白抜き矢印[13])、左識別図柄41a(図柄「6」)は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていく(白抜き矢印[14])。また、このように左識別図柄41a(図柄「6」)および右識別図柄41c(図柄「7」)が移動している間は、これらの図柄の移動経路上に第1のエフェクト画像81を表示する。
【0216】
さらに、このように左識別図柄41a(図柄「6」)および右識別図柄(図柄「7」)が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせる(白抜き矢印[15]、[16])。
【0217】
そして、左識別図柄41a(図柄「6」)および右識別図柄41c(図柄「7」)をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域(実施例の未変更図柄領域Bと同様の領域)まで移動させたら、左識別図柄41a(図柄「6」)および右識別図柄41c(図柄「7」)、第1のエフェクト画像81を消去する。また、この際、移動役物装置70の「振動動作」を停止することで、移動役物装置70が駆動されていない状態とする(
図25(b)を用いて前述した実施例と同様)。
【0218】
そして、所定の時間(例えば、0.5秒)が経過したら、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cをそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域(実施例の変更済図柄領域Aと同様の領域)に表示する。この際、変形例1では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを互いに同じ図柄で表示する。すなわち、リーチ図柄(ここではリーチ図柄[7])を表示することによってリーチ演出を開始する。また、このとき、移動役物装置70に「振動動作」を再開させる。
【0219】
こうして左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域に表示したら、
図28(b)に示すように、それぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるようにこれらの図柄を移動させていく。すなわち、右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるように移動させていき(白抜き矢印[17])、左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるように移動させていく(白抜き矢印[18])。また、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)が移動している間は、これらの図柄の移動経路上に第2のエフェクト画像82を表示する。さらに、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせる。そして、これ以降は、
図27を用いて前述した実施例と同様の演出が行われる。
【0220】
以上のように、変形例1では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cがリーチ図柄でなくても、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを変更する演出を行うと共に、該演出に伴って上述したような移動役物装置70の動作を行う。この結果、該演出に遊技者を注目させることができ、また、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cの変更する演出と移動役物装置70の動作とが連動しているように遊技者に感じさせることができる。これらの結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0221】
尚、上述した変形例1では、リーチ図柄「7」に変更する演出について説明したが、当然ながら、他のリーチ図柄とする演出を実行可能であることとしてもよい。
【0222】
また、上述した変形例1では、リーチ図柄に変更する演出について説明したが、リーチ図柄とは異なる図柄に変更する演出(すなわち、左識別図柄41aと右識別図柄41cとを互い異なる図柄で停止表示する演出)を実行可能であることとしてもよい。
【0223】
また、上述した変形例1では、左識別図柄41aと右識別図柄41cが移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせることとしたが、種々の態様の動作を行わせることとしてもよい。また、左識別図柄41aと右識別図柄41cが移動している期間のうち、一部の期間において移動役物装置70に動作を行わせることとしてもよい。
【0224】
F−2.変形例2 :
次に変形例2について説明する。変形例2の移動役物装置70は、第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向を変更可能に設けられている。例えば、
図29(a)に示すような垂直方向と
図29(b)に示すような斜め方向(実施例と同様の方向)とに、その移動方向を変更可能に設けられている。
【0225】
そして、役物連動リーチ演出に対応する変動パターンに基づく図柄変動遊技が開始される場合は、先ず、リーチ図柄の候補となる図柄(以下「候補図柄」ともいう)を演出表示装置41の表示画面上に複数表示する。この際、第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向にも1つずつ候補図柄が表示されるようにする。例えば、
図29(a)に示す例では、候補図柄として、「4」の数字を意匠化した図柄(候補図柄「4」)、「6」の数字を意匠化した図柄(候補図柄「6」)、「7」の数字を意匠化した図柄(候補図柄「7」)を表示している。そして、これらのうち、候補図柄「4」は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向(垂直上方)に表示され、候補図柄「7」は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向(垂直上方)に表示されている。
【0226】
続いて、第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向に表示された候補図柄を該第1移動役物71および該第2移動役物72に近づけるように移動させていく。すなわち、候補図柄「4」は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていき(白抜き矢印[21])、候補図柄「7」は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていく(白抜き矢印[22])。また、このように候補図柄が移動している間は、これらの図柄の移動経路上に第3のエフェクト画像83を表示する。第3のエフェクト画像83としては、実施例における第1のエフェクト画像81(
図24(b)参照)と同様の画像を表示する。
【0227】
さらに、このように候補図柄「4」および候補図柄「7」が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせる(白抜き矢印[23]、[24])。
【0228】
そして、候補図柄「4」および候補図柄「7」をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域まで移動させたら、候補図柄「4」および候補図柄「7」、第3のエフェクト画像83を消去する。また、この際、移動役物装置70の「振動動作」を停止することで、移動役物装置70が駆動されていない状態とする。
【0229】
そして、所定の時間(例えば、0.5秒)が経過したら、第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向を変更して(垂直方向から斜め方向に変更して)、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cをそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域に表示する。この際、変形例2では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを、候補図柄「4」または候補図柄「7」(移動させた候補図柄)のうち何れかであって、互いに同じ図柄で表示する。すなわち、リーチ図柄(ここではリーチ図柄[7])を表示することによってリーチ演出を開始する。また、このとき、移動役物装置70に「振動動作」を再開させる。
【0230】
こうして左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域に表示したら、
図29(b)に示すように、それぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるようにこれらの図柄を移動させていく。すなわち、右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるように移動させていき(白抜き矢印[17])、左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるように移動させていく(白抜き矢印[18])。また、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)が移動している間は、これらの図柄の移動経路上に第2のエフェクト画像82を表示する。さらに、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせる(白抜き矢印[15]、[16])。そして、これ以降は、
図27を用いて前述した実施例と同様の演出が行われる。
【0231】
以上のように、変形例2では、候補図柄の中から左識別図柄41aとして停止表示する図柄および右識別図柄41cとして停止表示する図柄を選択する演出(ここではリーチ図柄を選択する演出)を行うと共に、該演出に伴って上述したような移動役物装置70の動作を行う。この結果、該演出に遊技者を注目させることができ、また、該演出と移動役物装置70の動作とが連動しているように遊技者に感じさせることができる。これらの結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0232】
尚、上述した変形例2では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cとしてリーチ図柄「7」を表示する演出について説明したが、当然ながら、他のリーチ図柄を表示する演出を実行可能であることとしてもよい。
【0233】
また、上述した変形例2では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cとしてリーチ図柄を表示する演出について説明したが、リーチ図柄とは異なる図柄を表示する演出(すなわち、左識別図柄41aと右識別図柄41cとを互い異なる図柄で停止表示する演出)を実行可能であることとしてもよい。
【0234】
また、上述した変形例2では、候補図柄が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせることとしたが、種々の態様の動作を行わせることとしてもよい。また、候補図柄が移動している期間のうち、一部の期間において移動役物装置70に動作を行わせることとしてもよい。
【0235】
また、上述した変形例2では、左識別図柄41aと右識別図柄41cが移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせることとしたが、種々の態様の動作を行わせることとしてもよい。また、左識別図柄41aと右識別図柄41cが移動している期間のうち、一部の期間において移動役物装置70に動作を行わせることとしてもよい。
【0236】
F−3.変形例3 :
次に変形例3について説明する。変形例3の移動役物装置70は、第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向を変更可能に設けられている。また、移動役物装置70自体が左右方向に移動可能に設けられており、このため自ずと、第1移動役物71および第2移動役物72も左右方向に移動可能である
【0237】
そして、役物連動リーチ演出に対応する変動パターンに基づく図柄変動遊技が開始される場合は、先ず、リーチ図柄の候補となる図柄(候補図柄)を演出表示装置41の表示画面上に表示する。
図30(a)に示す例では、候補図柄として、「4」の数字を意匠化した図柄(候補図柄「4」)を1つ、「6」の数字を意匠化した図柄(候補図柄「6」)を2つ、「7」の数字を意匠化した図柄(候補図柄「7」)を2つ表示している。
【0238】
このように候補図柄を表示したら、左右の移動役物装置70(第1移動役物71および第2移動役物72)を左右方向に移動させる(白抜き矢印[25]、[26])。そして、何れかの候補図柄の下方で左右の移動役物装置70を停止させる。
図30(a)に示す例では、左側の移動役物装置70は左側の候補図柄「7」の下方で停止され、右側の移動役物装置70は右側の候補図柄「7」の下方で停止されている。
【0239】
続いて、第1移動役物71および第2移動役物72の上方に表示された候補図柄を該第1移動役物71および該第2移動役物72に近づけるように移動させていく。すなわち、左側の候補図柄「7」は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていき(白抜き矢印[27])、右側の候補図柄「7」は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72に近づけるように移動させていく(白抜き矢印[28])。また、このように候補図柄が移動している間は、これらの図柄の移動経路上に第4のエフェクト画像84を表示する。第4のエフェクト画像84としては、実施例における第1のエフェクト画像81(
図24(b)参照)と同様の画像を表示する。
【0240】
さらに、このように左右の候補図柄「7」が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせる(白抜き矢印[29]、[30])。
【0241】
そして、左右の候補図柄「7」をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域まで移動させたら、左右の候補図柄「7」、第4のエフェクト画像84を消去する。また、この際、移動役物装置70の「振動動作」を停止することで、移動役物装置70が駆動されていない状態とする。
【0242】
そして、所定の時間(例えば、0.5秒)が経過したら、第1移動役物71および第2移動役物72の移動方向を変更して(垂直方向から斜め方向に変更して)、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cをそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域に表示する。この際、変形例3では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cを、候補図柄「7」(移動させた候補図柄)で表示する。すなわち、リーチ図柄(ここではリーチ図柄[7])を表示することによってリーチ演出を開始する。また、このとき、移動役物装置70に「振動動作」を再開させる。
【0243】
こうして左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)をそれぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72の近傍の領域に表示したら、
図31に示すように、それぞれに対応する第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるようにこれらの図柄を移動させていく。すなわち、左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)は左側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるように移動させていき(白抜き矢印[31])、右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)は右側に設けられた移動役物装置70の第1移動役物71および第2移動役物72から遠ざかるように移動させていく(白抜き矢印[32])。また、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)が移動している間は、これらの図柄の移動経路上に第5のエフェクト画像85を表示する。第5のエフェクト画像85としては、実施例における第2のエフェクト画像82(
図26(b)参照)と同様の画像を表示する。さらに、このように左識別図柄41a(リーチ図柄「7」)および右識別図柄41c(リーチ図柄「7」)が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせる(白抜き矢印[33]、[34])。そして、これ以降は、
図27を用いて前述した実施例と同様の演出が行われる。
【0244】
以上のように、変形例3では、候補図柄の中から左識別図柄41aとして停止表示する図柄および右識別図柄41cとして停止表示する図柄を選択する演出(ここではリーチ図柄を選択する演出)を行うと共に、該演出に伴って上述したような移動役物装置70の動作を行う。この結果、該演出に遊技者を注目させることができ、また、該演出と移動役物装置70の動作とが連動しているように遊技者に感じさせることができる。これらの結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0245】
尚、上述した変形例3では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cとしてリーチ図柄「7」を表示する演出について説明したが、当然ながら、他のリーチ図柄を表示する演出を実行可能であることとしてもよい。
【0246】
また、上述した変形例3では、左識別図柄41aおよび右識別図柄41cとしてリーチ図柄を表示する演出について説明したが、リーチ図柄とは異なる図柄を表示する演出(すなわち、左識別図柄41aと右識別図柄41cとを互い異なる図柄で停止表示する演出)を実行可能であることとしてもよい。
【0247】
また、上述した変形例3では、候補図柄が移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせることとしたが、種々の態様の動作を行わせることとしてもよい。また、候補図柄が移動している期間のうち、一部の期間において移動役物装置70に動作を行わせることとしてもよい。
【0248】
また、上述した変形例3では、左識別図柄41aと右識別図柄41cが移動している間は、移動役物装置70に「振動動作」を行わせることとしたが、種々の態様の動作を行わせることとしてもよい。また、左識別図柄41aと右識別図柄41cが移動している期間のうち、一部の期間において移動役物装置70に動作を行わせることとしてもよい。
【0249】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0250】
例えば、上述した実施例では、一種大当り遊技および二種大当り遊技を実行可能な構成としたが、これらのうち何れかのみを実行可能な構成としてもよい。
【0251】
また、上述した実施例では、電サポ状態は所定回数の図柄変動遊技が行われると終了することとしたが、電サポ状態は次に大当り遊技が行われるまで継続することとしてもよい。
【0252】
また、上述した実施例においては、遊技状態として、特図当り判定にて「大当り」と判定される確率の低い低確率状態と、該確率が低確率状態より高い高確率状態とを、設定可能であることとしてもよい。
【0253】
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
また、上述した実施例または変形例のパチンコ機は、次のような遊技機として把握することもできる。すなわち、
<把握例1>
複数の識別情報を変動表示させる識別情報表示手段を備え、前記識別情報が特定態様で表示されることに基づいて、可変入球口が入球可能状態となる特定遊技を実行する遊技機において、
移動可能に設けられた移動役物と、
前記移動役物を動作させる移動役物動作手段と、
を備え、
前記識別情報表示手段は、
前記複数の識別情報のうち一の識別情報を除いた他の識別情報を前記特定態様となり得るリーチ態様で停止表示させた状態で該一の識別情報を変動表示させるリーチ演出を実行可能であると共に、
前記リーチ演出の実行中に、前記他の識別情報の前記リーチ態様を第1態様から該第1態様と異なる第2態様に変更する変更演出を実行可能であり、
前記移動役物動作手段は、
前記リーチ演出が開始されてから前記変更演出が終了するまでの間の少なくとも一部の期間において、前記移動役物を動作させる
ことを特徴とする。
このような遊技機では、リーチ演出の実行中に、既に停止表示されている他の識別情報のリーチ態様を第1態様から第2態様に変更する変更演出を実行可能である。ここで、リーチ態様は、特定遊技に係る情報を示唆している場合がある。例えば、特定遊技の種類に係る情報や、特定遊技が行われる可能性(複数の識別情報が特定態様で表示される可能性)に係る情報などを示唆している場合がある。このため、リーチ態様を変更する変更演出を行うと、該リーチ態様が示唆する情報も変更されることとなり、遊技興趣を高めることできる。もっとも、この変更演出に遊技者が気付かない場合は、せっかく該変更演出を行っても遊技興趣を高めることができない虞がある。この点、本発明では、リーチ演出が開始されてから変更演出が終了するまでの間の少なくとも一部の期間において移動役物を動作させるので、該変更演出に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例2>
また、こうした遊技機では、
前記識別情報表示手段は、
前記第1態様の前記他の識別情報を第1領域から該第1領域より前記移動役物に近い第2領域まで移動させた後に、前記変更演出を実行するものであり、
前記移動役物動作手段は、
前記他の識別図柄が前記第1領域から前記第2領域まで移動されるに際して、前記移動役物を動作させる
こととしてもよい。
このような遊技機では、変更演出が行われる前に、リーチ態様(第1態様)の他の識別情報を移動役物に近い第2領域に移動させる。また、この移動に際して、移動役物を動作させる。すなわち、動作している移動役物にリーチ態様の他の識別情報が近づいた後に、変更演出が行われることとなる。このため、他の識別情報の移動と移動役物とが連動しているように遊技者に感じさせることができ、ひいては、変更演出と移動役物とが連動しているように遊技者に感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例3>
また、こうした遊技機では、
前記他の識別情報は、前記第1領域に表示される場合よりも前記第2領域に表示される場合の方が大きく表示される
こととしてもよい。
このような遊技機は、他の識別情報が第1領域から第2領域に移動した後に変更演出を行うものであって、該他の識別情報を第2領域に表示する場合に第1領域に表示する場合よりも大きく表示する。すなわち、変更演出が行われるまでの時間が短い方(例えば、変更演出の直前)が他の識別情報が大きく表示されることとなる。このため、変更演出が間もなく行われることを遊技者に認識し易くすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例4>
また、こうした遊技機では、
前記識別情報表示手段は、
前記変更演出として、前記第1態様の前記他の識別情報の表示を終了した後に前記第2態様の前記他の識別情報を表示する演出を行うものであり、
前記移動役物動作手段は、
前記変更演出の実行中に前記第1態様の前記他の識別情報の表示が終了されるに際して、前記移動役物の動作を停止させる
こととしてもよい。
このような遊技機は、第1態様の他の識別情報の表示を終了した後に第2態様の他の識別情報を表示する変更演出を行うものであって、第1態様の他の識別情報の表示を終了するに際して移動役物の動作を停止する。このため、該表示の終了と移動役物とが連動しているように感じさせることができる。また、第2態様の他の識別情報の表示(リーチ態様の変更)が行われる直前のタイミングを遊技者に認識させることができる。これらの結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例5>
また、こうした遊技機では、
前記移動役物動作手段は、
前記変更演出の実行中に、前記第2態様の前記他の識別情報が表示されるに際して、前記移動役物を動作させる
こととしてもよい。
このような遊技機では、上述のように第1態様の他の識別情報の表示を終了すると共に移動役物の動作を停止した後、第2態様の他の識別情報を表示すると共に移動役物を動作させる。このため、該表示と移動役物とが連動しているように感じさせることができる。また、第2態様の他の識別情報の表示(リーチ態様の変更)が行われるタイミングを遊技者に認識させることができる。これらの結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例6>
また、こうした遊技機では、
前記移動役物は、前記第2領域に向かって移動可能に設けられている
こととしてもよい。
第2領域はリーチ態様が変更される直前の他の識別情報が表示される領域であり、このような遊技機では、該第2領域に向かって移動役物が移動可能である。このため、リーチ態様が変更される直前の他の識別情報に遊技者を注目させることができ、ひいては、変更演出に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。