特許第6205619号(P6205619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6205619-再生半導体ウエハの製造方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205619
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】再生半導体ウエハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20170925BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20170925BHJP
【FI】
   H01L21/304 622D
   H01L21/304 622N
   H01L21/304 622Q
   H01L21/304 631
   B24B37/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-230841(P2013-230841)
(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-90945(P2015-90945A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】391011102
【氏名又は名称】株式会社岡本工作機械製作所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 生成
(72)【発明者】
【氏名】久保 富美夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 栄一
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−138192(JP,A)
【文献】 米国特許第06451696(US,B1)
【文献】 特開平09−237771(JP,A)
【文献】 特開2000−216122(JP,A)
【文献】 特開2006−181417(JP,A)
【文献】 特開2001−028359(JP,A)
【文献】 特開2004−296463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の表面をエッチング処理後にCMP処理加工、洗浄処理する半導体基板の再生方法において、次の工程を経ることを特徴とする再生半導体ウエハの製造方法。
1).使用済みの半導体基板の基盤上構造層表面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基板上構造層を除去する工程;
2).前記ウエット・エッチング処理加工された半導体基板の前記基盤上構造層表面に対して、コロイダル砥粒、塩基性化合物および純水を含むpH9.0以上の研磨剤スラリー組成物を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する化学機械研磨加工による第1のCMP研磨加工処理を実行する工程、
3).前記第1のCMP研磨加工処理された半導体基板の表面に対して、カセイカリおよび水素ガスを純水に溶解させたpH12.0以上のアルカリ水素水を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する第2の仕上げCMP研磨加工処理および洗浄処理を実行する工程。
【請求項2】
半導体基板の基盤上構造層面をカップホイール型研削砥石により研削加工して前記基盤上構造層全層を除去して基盤面を露呈させる研削加工処理後にCMP処理加工、洗浄処理する半導体基板の再生方法において、次の工程を経ることを特徴とする再生半導体ウエハの製造方法。
1).使用済みの半導体基板の基盤上構造層表面に対して、カップホイール型研削砥石をインフィード送りするとともに、研削加工中に研削に供されていない前記カップホイール型研削砥石の刃先に向けて洗浄液噴射装置のノズルより圧力3〜20Mpaの高圧洗浄液を噴射角度5〜18度で扇形状に噴射する砥石洗浄を行う前記基盤上構造層の全層を除去して基盤面を露呈させる研削加工処理工程。
2).前記研削加工処理された半導体基板の前記基盤表面に対して、コロイダル砥粒、塩基性化合物および純水を含むpH9.0以上の研磨剤スラリー組成物を用い、研磨パフを半導体基盤表面に摺擦する化学機械研磨加工による第1のCMP研磨加工処理を実行する工程、
3).前記第1のCMP研磨加工処理された半導体基板の基盤表面に対して、カセイカリおよび水素ガスを純水に溶解させたpH12.0以上のアルカリ水素水を用い、研磨パフを半導体基板の基盤表面に摺擦する第2の仕上げCMP研磨加工処理および洗浄処理を実行する工程。
【請求項3】
再生半導体ウエハの製造方法の2)工程において、pH9.0以上の研磨剤スラリー組成物が、コロイダル砥粒、塩基性化合物、水素ガスおよび純水を含むpH9.0以上の研磨剤スラリー組成物であることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の再生半導体ウエハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン基盤の表面に配線プリント、絶縁層、電極等の構造層が施された半導体基板の再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン基盤の表面に配線プリントや絶縁層が設けられた半導体基板の配線プリント層や絶縁層をエッチング処理し、さらに、化学的機械研磨加工(CMP)をして前記配線プリントや絶縁層を2〜3μm取り除き、数ナノメートルの平滑度(Ra)を持つ処理された半導体基板表面とする再生半導体ウエハの製造方法が実施されている。
【0003】
例えば、特開2002−158207号公報(特許文献1)は、少なくとも硫酸−過酸化水素液で銅膜を溶解除去するウエット・エッチング工程、銅膜を除去したウエハの表面を鏡面研磨する工程を含むことを特徴とする銅膜付着シリコン単結晶ウエハの再生方法を開示する。
【0004】
特開2007−49145号公報(特許文献2)は、(a).酸化剤1〜50質量%と、(b).フッ素化合物0.1〜35質量%と、(c).残部の水と含むエッチング剤組成物(トータル100質量%)を用い、半導体基板の表面に設けられた低誘電率材料もしくは保護材料のいずれか一方または両方を含む絶縁材料を除去する方法を開示する。
【0005】
また、特開2009−147104号公報(特許文献3)は、
(a)表面に機能層を有する使用済みの半導体ウエハ又は基板を粗削りし、前記機能層を除去する工程と、
(b)粗削りした半導体ウエハ又は基板の表面に、ドライエッチングにより除去可能な保護層を形成する工程と、
(c)前記保護層を形成した粗削りした表面を有する半導体ウエハ又は基板を、前記保護層とともにドライエッチングする工程と、
(d)ドライエッチングした半導体ウエハ又は基板における前記粗削りを行った表面の平坦度を計測する工程と、を含み、
前記(d)工程において所望の平坦度が得られない場合、前記(b)から(d)までの工程を繰り返すことを特徴とする使用済み半導体ウエハ(基板)の再生方法を提案する。
【0006】
さらに、特開2010−283184号公報(特許文献4)は、以下の工程を含む再生半導体ウエハ(表面粗さRaは1.9〜3.0nm)の製造方法を提案する。
(a)使用済みの半導体ウエハの第1の主面に対して、ウエット・エッチングを実行す
ることにより、基板上構造層を実質的に除去する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、研磨スラリ
ー(研磨スラリーは、pHが9以上、12以下であって、(i)コロイダルシリカ砥粒;(ii)塩基性化合物;(iii)1,2,4-トリアゾール0.03〜0.175重量
%;および、(iv)水溶性高分子0.05〜0.15重量%を含む)用いた化学機械研磨による第1の主研磨処理を実行する工程、
(c)第2の仕上げ研磨加工をする工程、
(d)純水による洗浄工程。
【0007】
上記特許文献2および特許文献3のエッチング処理方法では、エッチング処理された半導体基板表面の粗さ(Ra)が10〜30ナノメートル(nm)と粗いので、特許文献1および特許文献3は、エッチング処理加工後に、研磨パフを使用する化学的機械研磨加工
(CMP)を加えることを提案するものである。
【0008】
一方、半導体基板の半導体が突出した表面のエッチング液としてpH8〜9のアルカリ混合水素水を用い、エッチング処理・洗浄処理・スピン乾燥する方法(表面異物の存在は、20個/W)が特開2001−28359号公報(特許文献5)により開示されている。
【0009】
また、特開2011−35300号公報(特許文献6)は、純水にオゾンガスを溶解させたオゾン水(pHは4以下)を洗浄対象物(半導体基板)に向けて噴射する第1の噴射手段と、純水に水素ガスおよびアンモニア水を溶解させたアルカリ水素水(pHは7.1〜10)を前記洗浄対象物に向けて噴射する第2の噴射手段と、前記第1の噴射手段、及び前記第2の噴射手段を制御して、前記オゾン水及び前記水素水の噴射態様(交互に噴射させるか同時に噴射させる)を制御する制御手段を備える洗浄装置を用い、表面に付着した不純物量が極めて少量の帯電防止機能のついた洗浄処理半導体基板を製造する洗浄方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−158207号公報
【特許文献2】特開2007−49145号公報
【特許文献3】特開2009−147104号公報
【特許文献4】特開2010−283184号公報
【特許文献5】特開2001−28359号公報
【特許文献6】特開2011−35300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1および特許文献4のエッチング処理後にCMP処理加工する半導体基板の再生方法は、基板表面の粗さ(Ra)が数ナノメートルと優れるものであるが、目に見えない研磨屑が多く付着している欠点がある。
【0012】
本願発明者らは、特許文献4記載の仕上げCMP工程または洗浄工程において、特許文献5および特許文献6に記載のアルカリ水素水を利用すれば再生された半導体基板表面に付着する目に見えないCMP研磨屑の付着量が減少すると着想し、本発明に到った。
【0013】
本発明の目的は、pHが12以上のアルカリ水素水を利用し、エッチング処理後、CMP処理加工された半導体基板表面のCMP研磨屑の付着量の少ない再生半導体ウエハを得る再生方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、半導体基板の表面をエッチング処理後にCMP処理加工、洗浄処理する半導体基板の再生方法において、次の工程を経ることを特徴とする再生半導体ウエハの製造方法を提供するものである。
1).使用済みの半導体基板の基盤上構造層表面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基板上構造層を除去する工程;
2).前記ウエット・エッチング処理加工された半導体基板の前記基盤上構造層表面に対して、コロイダル砥粒、塩基性化合物および純水を含むpH9.0以上の研磨剤スラリー組成物を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する化学機械研磨加工による第1のCMP研磨加工処理を実行する工程、
3).前記第1のCMP研磨加工処理された半導体基板の表面に対して、カセイカリ(KOH)および水素ガスを純水に溶解させたpH12.0以上のアルカリ水素水を用い、
研磨パフを半導体基板表面に摺擦する第2の仕上げCMP研磨加工処理および洗浄処理を実行する工程。
【0015】
請求項2の発明は、半導体基板の基盤上構造層面をカップホイール型研削砥石により研削加工して前記基盤上構造層全層を除去して基盤面を露呈させる研削加工処理後にCMP処理加工、洗浄処理する半導体基板の再生方法において、次の工程を経ることを特徴とする再生半導体ウエハの製造方法を提供するものである。
1).使用済みの半導体基板の基盤上構造層表面に対して、カップホイール型研削砥石をインフィード送りするとともに、研削加工中に研削に供されていない前記カップホイール型研削砥石の刃先に向けて洗浄液噴射装置のノズルより圧力3〜20Mpaの高圧洗浄液を噴射角度5〜18度で扇形状に噴射する砥石洗浄を行う前記基盤上構造層の全層を除去して基盤面を露呈させる研削加工処理工程。
2).前記研削加工処理された半導体基板の前記基盤表面に対して、コロイダル砥粒、塩基性化合物および純水を含むpH9.0以上の研磨剤スラリー組成物を用い、研磨パフを半導体基盤表面に摺擦する化学機械研磨加工による第1のCMP研磨加工処理を実行する工程、
3).前記第1のCMP研磨加工処理された半導体基板の基盤表面に対して、カセイカリ(KOH)および水素ガスを純水に溶解させたpH12.0以上のアルカリ水素水を用い、研磨パフを半導体基板の基盤表面に摺擦する第2の仕上げCMP研磨加工処理および洗浄処理を実行する工程。
【0016】
請求項3の発明は、上記請求項1または請求項2の再生半導体ウエハの製造方法の2)工程において、pH9.0以上の研磨剤スラリー組成物が、コロイダル砥粒、塩基性化合物、水素ガスおよび純水を含むpH9.0以上の研磨剤スラリー組成物であることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の再生半導体ウエハの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
仕上げCMP研磨剤として、エッチング効果があり、かつ、洗浄効果の高いpH12以上のアルカリ水素水を用いたので、再生処理された半導体ウエハの表面に付着する目に見えない研磨屑の付着量が殆どなくなった。また、得られる再生半導体ウエハの表面粗さRaは、0.6〜1.0ナノメートル(nm)と極めて平坦性の優れるものである。
【0018】
半導体基板の基盤上構造層面をカップホイール型研削砥石により研削加工して前記基盤上構造層全層を除去して基盤面を露呈させる研削加工を、カップホイール型研削砥石の刃先に向けて洗浄液噴射装置のノズルより圧力3〜20Mpaの高圧洗浄液を噴射角度5〜18度で扇形状に噴射する砥石洗浄を行うので、露呈された基盤上に付着する目に見えないイオンレベルの金属汚染(例えば、Cu Smearing)は、1x1010atoms/cmから8x1010atoms/cmの範囲に縮減される。よって、3)工程のCMP研磨加工処理および洗浄処理の時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本発明の実施に用いる研削装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0020】
本発明の半導体基板の再生方法は、次の工程を経て実施される。
1).使用済みの半導体基板の基盤上構造層(プリント配線、電極、絶縁層など)表面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基盤上構造層の一部または全部を除去する工程;
2).前記ウエット・エッチング処理加工された半導体基板の表面に対して、コロイダル砥粒、塩基性化合物および純水を含むpH9.0以上の研磨剤スラリー組成物を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する化学機械研磨加工による基板表面の第1のCMP研磨加工処理を実行する工程、
3).前記CMP研磨加工処理された半導体基板の表面に対して、カセイカリ(KOH)および水素ガスを純水に溶解させたpH12.0以上のアルカリ水素水を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する第2の仕上げCMP研磨加工処理を実行する工程。
【0021】
被加工材の半導体基板としては、シリコン基盤、サファイア基盤、SiC基盤、ガラス基盤等の基盤上に設けられた構造層(プリント配線、銅メッキ層、電極、絶縁層など)を有する使用済みの半導体基板が挙げられる。
【0022】
ウエット・エッチング剤としては、特許文献1、特許文献2、特許文献5などに記載のエッチング剤の他に、現在市場で利用されているオゾン水等のウエット・エッチング剤を利用することができる。ウエット・エッチング処理後、半導体基板のエッチング処理面は純水により洗浄され、スピン乾燥されたのち、次のCMP処理工程へと搬送される。
【0023】
上記ウエット・エッチング処理は、半導体基板の基盤上構造層面の一部(厚み2〜5μ
m)を除去する方法としては好ましいが、半導体基板の基盤上構造層全部を除去する場合
は、エッチング処理時間が長く要することとなるので、上記1)工程のウエット・エッチング処理工程を、次の研削加工処理工程1)に変更するのが好ましい。
【0024】
1).使用済みの半導体基板の基盤上構造層表面に対して、カップホイール型研削砥石をインフィード送りするとともに、研削加工中に研削に供されていない前記カップホイール型研削砥石の刃先に向けて洗浄液噴射装置のノズルより圧力3〜15Mpaの高圧洗浄液を噴射角度5〜18度で扇形状に噴射する砥石洗浄を行う前記基盤上構造層の全層を除去して基盤面を露呈させる研削加工処理工程。
【0025】
具体的には、図1に示す研削装置1を用い、半導体基板wの表面をカップホイール型研削砥石3により表面平坦化加工を行う。
【0026】
前記研削装置1は、基板チャック2aを回転軸2bに軸承させた基板吸着チャック機構2、砥石軸3bに軸承された高い砥番のカップホイール型研削砥石3aを備える砥石ヘッド3、該研削砥石の砥石刃先3aを高圧ジェット洗浄するノズル4aを備える洗浄液噴射装置4および半導体基板の基盤上構造体層表面に研削液を供給する研削液供給ノズル5を備える。図中、6は脱気管、7は給水管、および、8は流体室である。
【0027】
前記カップホイール型研削砥石3は、砥粒素材として砥番#300〜#1,200のダイヤモンド、cBN、SiCの砥粒を用いたビトリアイドボンド砥石、メタルボンド砥石、レジンボンド砥石などが利用できる。なかでも、ダイヤモンドビトリファイドボンドカップホイール型研削砥石が面平坦度仕上げおよび研削速度の面で優れる。
【0028】
研削液供給ノズル5より供給される研削液としては、純水が一般であるが、セラミックおよび電極素材の金属によっては、純水以外のエタノールアミン水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、苛性カリ水溶液、酢酸、塩酸等の導電性水溶液、セリア水分散液、コロイダルシリカ水分散液、アルミナ水分散液なども利用してもよい。
【0029】
洗浄液噴射装置4のノズル4aより供給される洗浄液としては、上述の研削液を用いてもよいが、排水処理の面から純水が一般的である。洗浄水の砥石刃3aへの噴射角度は5〜18度の扇形状である。
【0030】
洗浄液噴射装置4としては、旭サナック株式会社の精密高圧ジェット水洗浄機械“HPMJ AFS5400S”(商品名)が利用できる。
【0031】
上記研削装置1のカップホイール型研削砥石3gを用いて半導体基板wの表面平坦化加工を行う構造層全層除去加工作業は、回転軸2bを100〜150min−1回転させることにより半導体基板wを回転させ、高粒度カップホイール型研削砥石3aの砥石軸3bを1,200〜2,000min−1回転させながら30μm/分の下降速度で下降(インフィード)させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3aを前記半導体基板表面上で摺擦させて厚みを所望量(2〜50μm)減少させる研削加工をするとともに、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の半導体基板の表面研削加工に供されていないポーラスセラミックテーブル2a外領域部分に存在する砥石刃先3aにこの砥石刃までの距離5〜20mm位置にあるノズル噴出口4aより圧力3〜20MPa、好ましくは、10〜12MPaの洗浄水を噴射させて砥石刃に付着した銅電極研削屑、絶縁層研削屑、樹脂研削屑等を洗い流す砥石刃洗浄工程(加圧水ドレッシング)を行う。上記研削加工中、半導体基板の表面には研削液供給ノズル5より研削液が10〜20リットル/分の割合で供給される。
【0032】
半導体基板の露呈された基盤上に付着する目に見えないイオンレベルの金属汚染(例えば、Cu Smearing)は、1x1010atoms/cm〜8x1010atoms/cmの範囲に縮減される。研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の半導体基板の表面研削加工に供されていないポーラスセラミックテーブル2a外領域部分に存在する砥石刃先3aを砥石ドレッサーで成形する従来の研削方法では、半導体基板の露呈された基盤上に付着する目に見えないイオンレベルの金属汚染(例えば、Cu Smearing)は、2x1012atoms/cm
〜6x1013atoms/cmのレベルであるので、前記3)工程の仕上げCMP処理時間
を短い時間で終わらせることができると推量される。
【0033】
次いで、前述の2).前記ウエット・エッチング処理加工された半導体基板の表面に対して、コロイダル砥粒、塩基性化合物および純水を含むpH9.0以上の研磨剤スラリー組成物を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する化学機械研磨加工による基板表面の第1のCMP研磨加工処理を実行する工程が、岡本工作機械製作所の研磨装置“PNX332B”(商品名)を使用して行われる。
【0034】
使用される研磨剤スラリー組成物のコロイダル砥粒としては、コロイダルシリカ、コロイダルセリアの砥粒が研磨剤スラリー組成物中の2.0〜6.5重量%(固形分量)の割合で使用される。この含有率は高いほどCMP加工処理された半導体基板の表面粗さRaを小さくする。前記2.0〜6.5重量%の含有率の研磨剤組成物スラリーの使用では、0.6〜1.0ナノメートル(nm)のRAの半導体基板表面平坦度が得られる。
【0035】
研磨剤スラリー組成物のpHを9以上とするために使用される塩基性化合物としては、水酸化カリウム(カセイカリ)、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、1,2,4−トリアゾール、テトラメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、メチルトリ(ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、テトラ(ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(BTMAH)、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、第3ブチルジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の塩基性化合物の1種単独又は2種以上の混合物を利用できる。
塩基性化合物の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。後記する実施例では、研磨剤スラリー組成物として、6.4重量%(固形分)のコロイダルシリカ砥粒、カセイカリ(KOH)、水素水、純水を含有するpH12.6の研磨剤水分散液(スラリー)を用いた。
【0036】
300mm径の半導体基板wの回転速度は、100rpm、研磨パフ(研磨パッド)の回転速度は、120rpmで行った。
【0037】
前述の2)の第1のCMP研磨加工処理を実行した後に、CMP研磨加工処理された半導体基板を研磨装置の第2の仕上げCMP研磨加工処理ステージへと移送する。そこで、前記CMP研磨加工処理された半導体基板の表面に対して、カセイカリ(KOH)および水素ガスを純水に溶解させたpH12.0以上のアルカリ水素水を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する第2の仕上げCMP研磨加工処理の前述の3)工程を実行する。
【0038】
異物除去洗浄剤の酸化還元電位は、水素水(pH7)が−320mV、純水(pH7)が−320mV、pH9のアルカリ水素水が―500mV、実施例で用いたpH12.8のアルカリ水素水は―760mVであるので、本発明では、これまで文献で発表(pH10以下)されていないpH12.8のアルカリ水素水を調製し、実施例で用いた。
【0039】
300mm径の半導体基板wの回転速度は、80rpm、研磨パフ(研磨パッド)の回転速度は、100rpmで行った。
【0040】
実施例1
使用済みの300mm径の半導体基板の基盤上構造層(プリント配線、電極、絶縁層など)表面に対して、特許文献2記載のウエット・エッチング剤(フッ化水素、過硫酸アンモニウム、純水を含有)を用い、基盤上構造層の一部の2μmを除去する1)工程を実施した。
【0041】
前記ウエット・エッチング処理加工された半導体基板の表面に対して、コロイダルシリカ6.4重量%、カセイカリ、水素ガスを含有するpH10のアルカリ水素水(研磨剤スラリー組成物)を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する化学機械研磨加工による基板表面の第1のCMP研磨加工処理工程を実施した。
【0042】
前記CMP研磨加工処理された半導体基板の表面に対して、カセイカリ(KOH)および水素ガスを純水に溶解させたpH12.8のアルカリ水素水を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する第2の仕上げCMP研磨加工処理を実施した。
【0043】
前記第2の仕上げCMP研磨加工処理を実施して得られた半導体基板の構造層の表面粗さRaは、0.55〜0.6nm、表面付着異物粒子の数は0個/w、半導体基板の構造層のイオンレベルの金属汚染は、8x1010atoms/cm〜5x1011atoms/cmであった。
【0044】
実施例2
使用済みの300mm径の半導体基板の基盤上構造層(プリント配線、電極、絶縁層など)表面に対して、研削装置1のカップホイール型研削砥石3gを用いて、シリコン基盤上の構造層全層(厚み4μm)除去加工作業を行った。回転軸2bを100〜150min−1回転させることにより半導体基板wを回転させ、高粒度カップホイール型研削砥石3aの砥石軸3bを1,800min−1回転させながら30μm/分の下降速度で下降(インフィード)させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3aを前記半導体基板の構造層表面上で摺擦させて厚みを所望量(5μm)減少させる研削加工を開始すると
ともに、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の半導体基板の表面研削加工に供されていないポーラスセラミックテーブル2a外領域部分に存在する砥石刃先3aにこの砥石刃までの距離15mm位置にあるノズル噴出口4aより圧力10MPaの洗浄水を噴射させて砥石刃に付着した銅電極研削屑、絶縁層研削屑、樹脂研削屑等を洗い流す砥石刃洗浄工程(加圧水ドレッシング)を行った。上記研削加工中、半導体基板の表面には研削液供給ノズル5より研削液が16リットル/分の割合で供給された。
【0045】
前記研削加工処理された半導体基板のシリコン基盤表面に対して、コロイダルシリカ6.4重量%、カセイカリ、水素ガスを含有するpH10のアルカリ水素水(研磨剤スラリー組成物)を用い、研磨パフを半導体基板表面に摺擦する化学機械研磨加工による基板表面の第1のCMP研磨加工処理工程を実施した。
【0046】
前記CMP研磨加工処理された半導体基板のシリコン基盤表面に対して、カセイカリ(KOH)および水素ガスを純水に溶解させたpH12.8のアルカリ水素水を用い、研磨パフを半導体基板のシリコン基盤表面に摺擦する第2の仕上げCMP研磨加工処理を実施した。
【0047】
前記第2の仕上げCMP研磨加工処理を実施して得られた半導体基板のシリコン基盤の表面粗さRaは、0.57〜0.62nm、表面付着異物粒子の数は0個/w、半導体基板のシリコン基盤表面のイオンレベルの金属汚染は、6x1010atoms/cm〜8x1010atoms/cmであった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
再生処理された半導体基板は、再生された表面粗さ(Ra)が0.5〜0.6nm、イオンレベルの金属汚染は、1x1010atoms/cm〜1x1011atoms/cmのレベルのものであるので、再生半導体ウエハとして十分に実用に供されるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 研削装置
w 半導体基板
2 基板チャック機構
3 カップホイール型研削砥石
4 洗浄液噴射装置
4a 高圧ジェット洗浄するノズル
5 研削液供給ノズル
図1