(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかる実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明における平面方向とは遊技領域902に沿う(平行な)方向を、前後方向とは遊技領域902に直交する方向(遊技者側を前、その反対側を後とする)を、左右方向(幅方向)とは
図1の左右方向を、上下方向とは
図1の上下方向をいうものとする。
【0017】
まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0018】
遊技領域902には、表示装置91、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91は、例えば液晶表示装置が用いられ、表示装置91の表示画面(表示部)において特別図柄や普通図柄等が表示される。かかる表示装置91の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。
【0019】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0020】
このような遊技機1では、発射装置(図示省略)を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。その他、大当たりの抽選方法や演出等は、公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。なお、本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆるぱちんこ遊技機であるが、以下で説明する構成は、スロットマシン等、他の種類の遊技機にも適用可能である。
【0021】
以下、本実施形態にかかる遊技機1が備える演出装置1aについて詳細に説明する。
図2〜
図4に全体を示す演出装置1aは、駆動源10、動力伝達機構20、光源30、演出部材(第一演出部材40および第二演出部材50)を備える。
【0022】
駆動源10(
図4参照)は、第一演出部材40および第二演出部材50を動作(本実施形態では回転)させるための動力を生じさせるものである。本実施形態における駆動源10はモータである。かかる駆動源10の動力は、動力伝達機構20を介して第一演出部材40および第二演出部材50に伝達される。本実施形態における動力伝達機構20は、平歯車21およびリング歯車22を含む(
図3参照)。リング歯車22は、内歯歯車であり、当該リング歯車22に平歯車21が噛み合っている。つまり、環状のリング歯車22の内側に平歯車21が位置する。平歯車21は、駆動源10であるモータの出力軸に固定されている。リング歯車22は、第一演出部材40および第二演出部材50と一体的に回転する。
【0023】
平歯車21には、光源30から出射された光を透過させることが可能な移動透過部221が形成されている(
図3参照)。本実施形態における移動透過部221は貫通孔であるが、光源30の光を透過させることができる部分であればどのようなものであってもよい。光の色を変化させる有色の透過部であってもよい。本実施形態における平歯車21には、その回転中心から等距離かつそれぞれが等間隔に並ぶように複数の移動透過部221が形成されている。平歯車21が回転すると、それに合わせて各移動透過部221は変位することとなる(移動透過部221における「移動」の意は、平歯車21の動きによって変位するということである)。つまり、平歯車21が回転すると、それに合わせて各移動透過部221は平歯車21の回転中心周りに変位することとなる。
【0024】
図3等に示すように、光源30は、円形の基板31上に実装されている。本実施形態では、一つの基板31上に複数の光源30が実装されている。光源30が実装された基板31は、ベース部材60に支持されている。本実施形態におけるベース部材60は、第一ベース部61と第二ベース部62を有する。基板31は、第一ベース部61と第二ベース部62の間に挟まれている。第一ベース部61の周縁部と第二ベース部62の周縁部は接続されて一体化されている。第一ベース部61は、リング歯車22の内側に位置している。第一ベース部61には、上記平歯車21が回転自在に支持されている。その他、第一ベース部61には、回転方向位置を検出するためのセンサ等を固定することができる。また、第一ベース部61には、光を透過させることが可能な部分が形成されている。本実施形態における当該部分は、空間(貫通孔)である(以下、当該部分を固定透過部611と称する)。
【0025】
図7に示すように、光源30から出射された光は固定透過部611を通じて演出部材側に向かう。固定透過部611の少なくとも一部は、平歯車21に形成された移動透過部221の少なくとも一部と前後方向において重なる。平歯車21が回転すると、固定透過部611と重なる移動透過部221が変化する。つまり、平歯車21が回転し、その回転方向位置がどのような位置であっても、平歯車21に形成されたいずれかの移動透過部221の少なくとも一部が、常に、固定透過部611の少なくとも一部と重なっている。そして、移動透過部221と固定透過部611が重なり得る(平歯車21が一回転する間に重なることがある)領域の後方には、光源30の少なくとも一部が位置する。したがって、当該光源30から出射された光は、移動透過部221と固定透過部611が重なったとき、当該重なった領域を通じて演出部材側に向かう。第二ベース部62の後方には駆動源10であるモータが取り付けられている。
【0026】
第一演出部材40は、光源30や動力伝達部材よりも前方に設けられた、外縁が略円形の部材である。具体的には、最も前方に位置する第一前壁部41と、それより一段後方に位置する第一中壁部42と、そこから周縁に向かって傾斜した第一周辺壁部43と、を有する(
図3〜
図5等参照)。第一演出部材40には、光源30から出射された光を透過させる第一透過部が形成されている。本実施形態では、第一演出部材40の全体が無色透明な材料で形成されている(第一演出部材40の全体が第一透過部であるともいえる)。第一透過部を構成する第一前壁部41には、前方(光源30が位置する側の反対側)に向かって突出する透過凸部411が形成されている。当該透過凸部411も光透過性を有する(第一透過部の一部である)。当該透過凸部411は、第一演出部材40の前面に複数形成されている(
図5等参照)。当該凸部411の先端面は、凸レンズ面となっている。当該透過凸部411の数や形成される位置は、後述する第二演出部材50の第二透過部511の数や位置と一致する。
【0027】
第一中壁部42には、前方に向かって突出する係合突起421が形成されている(
図3〜
図5参照)。係合突起421は、周方向に沿って等間隔に並ぶよう形成されている。当該係合凸部の数や係合突起421同士の間隔は、後述する第二演出部材50の被係合部521の数や被係合部521同士の間隔と一致する。本実施形態では、係合突起421も光透過性を有する。係合突起421は、先端側が先端に向かって先細となる形状を有する。
【0028】
第二演出部材50は、第一演出部材40よりさらに前方に設けられた、外縁が略円形の部材である。具体的には、最も前方に位置する第二前壁部51と、それより一段後方に位置する第二中壁部52と、そこから周縁に向かって傾斜した第二周辺壁部53と、を有する(
図3、
図4、
図6等参照)。第二演出部材50は、第一演出部材40と異なり、後述する第二透過部511や被係合部521(両方とも貫通孔である)以外の部分は光を透過させるものではなく、表面は反射材料に覆われている。本実施形態における第二演出部材50は、蒸着によって反射材料(例えばアルミニウム)が母材(プラスチック)に固定化されたものである。
【0029】
第二演出部材50には、光源30から出射された光を透過させる第二透過部511が形成されている。本実施形態における第二透過部511は、第二前壁部51を貫く貫通孔の集合体である。本実施形態における個々の貫通孔(以下、第二透過部511を構成する一つ一つの貫通孔を個々の第二透過部511と称することもある)の断面形状は円形であり(円形以外の形状であってもよい)、孔の内周面は前方(光の出射方向)に向かって広がる部分5111を含む。本実施形態における当該部分5111はテーパ形状である。つまり、個々の第二透過部511(貫通孔)の内周面は、前方に向かうに従い直径が大きくなっていく形状である。本実施形態における第二演出部材50の表面は反射材料で覆われているため、当該個々の第二透過部511(貫通孔)の内周面も反射材料で覆われているということとなる。
【0030】
このような貫通孔の集合体(点状の光透過部の集合体)である第二透過部511は、第二演出部材50の中心(回転中心C)から外側に向かって延びる線状を呈する。本実施形態では、五つの貫通孔が線状に並ぶことにより、集合体としての線状の第二透過部511を構成する。本実施形態では、このような線状の第二透過部511が周方向に等間隔に並んで複数形成されている。線状の第二透過部511は、第二演出部材50の中心から径方向に沿って延びるものではなく、湾曲または(径方向に対して)傾斜した形状を呈する。本実施形態では、第二演出部材50の中心から離れるにつれて、周方向位置が変化するよう湾曲している。後述するように、第二演出部材50は駆動源10の動力によって一方向に回転するものであるが、線状の第二透過部511が第二演出部材50の中心(回転中心C)から外側に向かって延びる(湾曲または傾斜する)方向は、第二演出部材50の回転方向側となるように設定されている。本実施形態における第二演出部材50は、前方から見て反時計回りで回転するものであるため、線状の第二透過部511も第二演出部材50の中心から反時計回りとなる方向に湾曲する形状を呈する。本実施形態では、このような線状の第二透過部511が、周方向において等間隔に並ぶ(
図6等参照)。
【0031】
個々の第二透過部511(貫通孔)の数や位置は、上記透過凸部411の数や形成される位置と一致する。第一演出部材40と第二演出部材50は、第二演出部材50を前方にして重ねられる(第一前壁部41と第二前壁部51が重ねられる)こととなるが、第一演出部材40と第二演出部材50の相対位置関係を所定の関係とすると、各透過凸部411は各第二透過部511(貫通孔)内に入り込んだ状態となる。つまり、各透過凸部411は、各第二透過部511(孔部分)と前後方向において重なる。本実施形態では、透過凸部411の周囲に、各第二透過部511(貫通孔)の内周面における前方に向かって広がる部分5111が位置する(
図8参照)。
【0032】
第二演出部材50の第二中壁部52には、貫通孔である被係合部521が形成されている(
図3、
図4、
図6参照)。被係合部521は、周方向に沿って等間隔に並ぶよう形成されている。当該被係合部521の数や被係合部521同士の間隔は、上記係合突起421の数や係合突起421同士の間隔と一致する。第一演出部材40と第二演出部材50の相対位置関係を所定の関係とすると、各透過凸部411が各第二透過部511(貫通孔)内に入り込んだ状態となるのみならず、各係合突起421が各被係合部521内に入り込んだ状態となる。このように、係合突起421と被係合部521が係合した状態にあるため、第一演出部材40と第二演出部材50の周方向における相対位置はほとんど変化しない(係合突起421と被係合部521の間の隙間分わずかに変化してもよい)。つまり、係合突起421と被係合部521の係合により、一方の演出部材に対して他方の演出部材が位置決めされ、第一演出部材40と第二演出部材50は一体的に回転する。
【0033】
第二周辺壁部53は、第一周辺壁部43と傾斜角度が略同じに設定されている。第一演出部材40と第二演出部材50の相対位置関係を所定の関係とすると、第一周辺壁部43と第二周辺壁部53は密接する。
【0034】
第二演出部材50は、上記リング歯車22と一体化されている。本実施形態では、第二演出部材50(第二周辺壁部53)の外縁側に設けられたねじ穴を利用し、複数のねじによって第二演出部材50とリング歯車22が一体化されている。
【0035】
さらに、本実施形態では、第二演出部材50は、それよりさらに前方に位置する反射球体70に覆われている(
図2〜
図4等参照)。反射球体70は、全体形状は球体(反球体)であるものの、厳密にはその外面が完全な球面ではない。後述するように、第二演出部材50の第二透過部511等からは光が出射されることとなるが、当該光を乱反射させるような外面形状となっている。なお、このような反射球体70が設けられていなくてもよい。
【0036】
このように構成される演出装置1aの動作および演出効果について、一部上記説明と重複するが以下詳細に説明する。本実施形態における演出装置1aは、第一演出部材40と第二演出部材50を回転させつつ、所定の態様で発光させる(光源30の光で照らす)ものである。なお、演出装置1a全体は、表示装置91の表示領域の上方に位置し、大部分が遊技盤90に覆われた原位置と、表示装置91の表示領域に重なる進出位置との間を移動することが可能である。かかる演出装置1a全体を移動させるための構造はどのようなものであってもよいため、具体的な説明を省略する。本実施形態における演出装置1aは、遊技盤90の後方に設けられたセンターベース80に、演出装置1a全体を上下方向にスライドさせる駆動機構が設けられている。演出装置1aは、その幅方向両側がセンターベースに対してスライド自在に支持されている(
図2参照)。なお、第一演出部材40と第二演出部材50は回転するものの、演出装置1a全体が移動することがないものであってもよい。
【0037】
第一演出部材40と第二演出部材50を動作(回転)させる際には、駆動源10であるモータを一方に回転(正転)させる。当該駆動源10の動力は、平歯車21を介してリング歯車22に伝達される。リング歯車22が回転するとそれに固定された第二演出部材50が回転する。第二演出部材50の被係合部521には、第一演出部材40の係合突起421が係合しているため、第一演出部材40は第二演出部材50とともに回転する。上述したように、本実施形態における当該回転方向は反時計回りである。本実施形態では、第二演出部材50の外形は、第一演出部材40の外形より大きいため、遊技者には第二演出部材50が反時計回りに回転しているように見える。
【0038】
本実施形態では、このように第一演出部材40と第二演出部材50を回転させている際に光源30を駆動する。なお、光源30を駆動させずに第一演出部材40と第二演出部材50を回転させるだけの演出が実行されることがあってもよい。光源30から出射された光は、第一ベース部61に形成された固定透過部611を通過する。また、固定透過部611の少なくとも一部は、平歯車21に形成された移動透過部221の少なくとも一部と前後方向において重なっている(
図7参照)。そのため、固定透過部611を通過した光の少なくとも一部は、固定透過部611と重なる移動透過部221を通じて前方に向かう。第一演出部材40と第二演出部材50を回転させているということは、平歯車21が回転しているということであるため、固定透過部611と重なる移動透過部221は経時的に変化する。光源30から出射された光の少なくとも一部は、当該固定透過部611と移動透過部221が重なった領域を通じて前方に向かうこととなる。平歯車21が回転し、移動透過部221が変位しているため、当該重なった領域の位置や形状は経時的に変化する。それゆえ、移動透過部221を通過する光の位置は一定ではなく、平歯車21が回転(駆動源10が駆動)している限り変化する。つまり、移動透過部221を通過する光の位置は一定ではないため、平歯車21よりも前方に位置する第一演出部材40や第二演出部材50を照らす光量のばらつきを低減することが可能である。
【0039】
演出装置1a全体の大型化を抑制しようとすると、光源30の光出射側に駆動源10の動力伝達機構20を構成する動力伝達部材が位置してしまう(光源30と動力伝達部材が光の出射方向において重なってしまう)。これに対し本実施形態では、動力伝達部材である平歯車21と光源30を重ねて設置することで(具体的には、リング歯車22の内側に光源30や平歯車21を設けることで)演出装置1aの大型化を抑制しつつ、当該平歯車21に移動透過部221を形成することで、平歯車21と光源30とが重なることによって明るさのばらつきが生じてしまうのを抑制している。
【0040】
なお、このような移動透過部221を形成する対象(動力伝達部材)は、歯車に限られない。駆動源10の動力を伝達する部材であって、平面方向における面積が所定量以上であるため、光源30から出射される光を阻害するおそれがあるものについて、同様に移動透過部221を形成してもよい。二以上の動力伝達部材のそれぞれに移動透過部221を形成してもよい。この場合には、同時に変位する二以上の動力伝達部材のそれぞれに形成された移動透過部221同士が重なり、当該重なった領域を光が通過する構造としてもよい。
【0041】
固定透過部611や当該固定透過部611と移動透過部221の重なった領域を通過した光は、第一演出部材40に到達する。第一演出部材40はその全体が光透過性材料で形成されている(全体が第一透過部である)ため、光は第一演出部材40を透過する。
【0042】
第二演出部材50の後方に到達した光は、第二演出部材50に形成された光を透過させる部分を通じて前方に出射される。本実施形態では、第二演出部材50に形成された第二透過部511を通過することとなる。貫通孔である個々の第二透過部511内には、第一演出部材40に形成された透過凸部411が入り込んでいる。つまり、第一演出部材40の透過凸部411内を通った光が、第二透過部511を通じて前方に出射される。
【0043】
第二透過部511は、光を透過させる貫通孔が第二演出部材50の中心から外側に向かって線状に並んだものである。したがって、第二透過部511から出射される光は、第二演出部材50が停止しているとするのであれば、第二透過部511の形状に沿った線状の光となる。ただし、第二演出部材50は反時計回りで回転している(
図6参照)ため、当該線状の光は高速で周方向に変位することとなり、第二演出部材50における中心から所定位置(第二透過部511の径方向外側の先端位置)までの部位が万遍なく光っているかのように見える。第二演出部材50に適当に光透過部を形成すると、第二演出部材50を回転させたとしても、一部が局所的に明るくまたは暗くなり、明るさにばらつき(発光ムラ)が生じてしまうことがある。本実施形態では、上記のような第二透過部511の形状とすることで、第二演出部材50を回転させたときの光のばらつきを低減させることが可能である。特に、本実施形態における線状の第二透過部511は、第二演出部材50の中心から反時計回りとなる方向に湾曲または傾斜する形状を呈するものであるため(径方向に延びる形状である場合よりも)、第二演出部材50を回転させたときにおける当該ばらつきが小さい。本実施形態のように湾曲している方が、当該ばらつきを小さくすることが可能である。
【0044】
また、本実施形態では、第一透過部(第一演出部材40)に到達した光の少なくとも一部は、光源30とは反対側に突出した透過凸部411より出射されることとなるが、当該透過凸部411の存在により、第一透過部(第一演出部材40)に到達した光が当該透過凸部411に集まる。例えば、このような透過凸部411が形成されていないとすると、第一透過部である第一前壁部41から出射される光は平面方向に均等になってしまうところ、本実施形態では、透過凸部411による集光作用により、透過凸部411から出射される光の量を増加させることが可能である。また、平面方向における第一透過部(第一演出部材40)に到達する光量にばらつきがあっても、実際に光が出射される部分は集光作用を発揮する透過凸部411等に限定されることとなるため、見た目上の光量のばらつきを低減することが可能である。
【0045】
そして、反射材料で覆われている第二透過部511の内周面は、前方に向かって広がる部分5111を有し、その内側に透過凸部411が位置する(
図8参照)。したがって、透過凸部411から出射した光は、当該広がる部分5111によって反射し、外側に向かって広がる光となる。したがって、個々の第二透過部511(貫通孔)の中心部分が明るくなることによる明るさのばらつきを低減することが可能である。また、個々の第二透過部511(貫通孔)同士の間の部分が暗くなることを抑制することが可能である。
【0046】
また、本実施形態における第一演出部材40は、その全体が光透過性材料で形成されているため、各係合突起421内を光は通過する。各係合突起421は、第二演出部材50に形成された貫通孔である各被係合部521内に入り込んでいるため、係合突起421内を通過した光は、被係合部521を通じて前方に向かって出射される。つまり、本実施形態では、一方の演出部材に対して他方の演出部材を位置決めする(第一演出部材40と第二演出部材50を一体的に回転させる)ための係合突起421と被係合部521を、第二演出部材50の前方に向かって光を出射させるための構成としても利用している。そして、係合突起421およびそれが係合する被係合部521は、周方向に等間隔に形成されているため、係合突起421および被係合部521が並ぶ方向における明るさのばらつきを低減することが可能である。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態における第一透過部や第二透過部511は、光が通過可能な部分であればよく、通過する光の色を変化させたり、通過する光の光量を制限したりする部分(例えば半透明な部分)であってもよい。また、光源30から出射される光の態様(発光色等)はどのようなものであってもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、点状の光透過部(貫通孔)が線状に並ぶことによって線状の第二透過部511が形成されていることを説明したが、このような複数の点状の光透過部の集合体によって第二透過部511を構成するのではなく、細長い線状の貫通孔等によって第二透過部511を構成してもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、第一演出部材40の係合突起421と第二演出部材50の被係合部521が係合することによって一方の演出部材に対して他方の演出部材を位置決めしている(第一演出部材40と第二演出部材50が一体的に回転するようにしている)ことを説明したが、このような係合突起421、被係合部521が設けられていなくてもよい。具体的には、第一演出部材40の各透過凸部411と、第二演出部材50の各第二透過部511(各貫通孔)との係合によって一方の演出部材に対して他方の演出部材が位置決めされるようにしてもよい。事実、上記実施形態において、係合突起421、被係合部521が設けられていなくても、透過凸部411と第二透過部511(貫通孔)の係合により、両演出部材の相対的な位置関係が決まり(一方の演出部材に対して他方の演出部材が位置決めされ)、両演出部材は一体的に回転する。このように、明るさのばらつきを低減するための構造を、一方の演出部材に対して他方の演出部材を位置決めするための構造としても利用すること可能である。
【0051】
当該位置決め機能をより正確なものとするためには、
図9に示すような構造にするとよい。第二透過部511は、前方に向かって広がる部分5111と、断面の大きさが一定である部分5112を所定長さ含むものとする。透過凸部411は、少なくともその基端側に太さが一定である部分4111を所定長さ含むものとする。当該断面の大きさが一定である部分5112と、太さが一定である部分4111が接触することによって、一方の演出部材に対し他方の演出部材が位置決めされるようにするとよい。
【0052】
また、上記実施形態では、第一ベース部61に形成された固定透過部611と平歯車21(動力伝達部材)に形成された移動透過部221が重なった領域を光が通過することを説明したが、かかる第一ベース部61(固定透過部611)に相当する構成が設けられていなくてもよい。上記実施形態でいえば、光源30が実装された基板31に貫通孔が形成され、当該貫通孔を通じて第二ベース部62に相当する構成に平歯車21が支持された構造としてもよい。つまり、光源30の前方に動力伝達部材が位置するため、当該動力伝達部材によって明るさにばらつきが生じてしまうおそれがある場合に、当該動力伝達部材に移動透過部221を形成することで、当該ばらつきを抑制することが可能である。
【0053】
上記実施形態における演出装置1aは、演出部材(第二演出部材50)が前方(遊技者側)に向かって光を出射する(光を出射しているかのように見せる)ことを前提として設計されたものであるが、当該方向は適宜変更可能である。つまり、光の出射方向が前方以外の方向に設定されるものについても、同様の技術思想が適用可能である
。
以下、上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
手段1にかかる遊技機は、一または複数の光源と、光源から出射された光を透過させる第一透過部が形成された第一演出部材と、前記第一透過部を透過した光を透過させる第二透過部が形成された第二演出部材と、を備え、前記第一透過部は、前記第二透過部に重なる、前記光源が位置する側の反対側に突出する透過凸部を含むことを特徴とする。
手段1にかかる遊技機によれば、第一演出部材に到達した光は、透過凸部によって集光された上で第二透過部を通じて出射する。つまり、透過凸部による集光機能によって、第二透過部から出射する光の量を増加させることが可能である。
手段2にかかる遊技機は、手段1に記載の遊技機において、前記第二演出部材には、前記第二透過部である貫通孔が形成され、当該貫通孔内に前記透過凸部が入り込んでいることを特徴とする。
手段2にかかる遊技機によれば、第一演出部材と第二演出部材が占める範囲を小さくすること(コンパクト化)が可能である。
手段3にかかる遊技機は、手段2に記載の遊技機において、前記第二透過部である貫通孔の内周面は、反射材料によって被覆されるとともに、光の出射方向に向かって広がる部分を含むことを特徴とする
手段3にかかる遊技機によれば、透過凸部411から出射する光は、当該反射材料によって覆われた光の出射方向に向かって広がる部分によって反射し、外側に向かって広がる光となる。したがって、明るさのばらつきを低減することが可能である。
手段4にかかる遊技機は、手段2または手段3に記載の遊技機において、前記第二透過部である貫通孔の内周面は、断面の大きさが一定である部分を含むとともに、前記透過凸部は、その基端側に太さが一定である部分を含み、前記第二透過部である貫通孔の内周面における断面の大きさが一定である部分と、前記透過凸部の太さが一定である部分とが接触することにより、前記第一演出部材および前記第二演出部材の一方が他方に対して位置決めされていることを特徴とする。
手段4にかかる遊技機のようにすることで、第二透過部と透過凸部によって、第一演出部材および第二演出部材の一方が他方に対して位置決めされる。つまり、第二透過部や透過凸部を、光学的な機能を向上させる要素としてだけでなく、演出部材同士の相対的な位置関係を規制する要素として機能させることが可能である。