(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の従来の車両用灯具は、半導体型光源と、投影レンズと、筒状をしたレンズホルダと、を備えるものである。そして、特許文献1の従来の車両用灯具は、レンズホルダの内径と略等しい外径をした投影レンズを、筒状のレンズホルダ内に収容させ、その後、その投影レンズをレンズホルダにネジでネジ止め固定している。この構造では、レンズホルダの内径と投影レンズの外径とがほぼ等しく形成されているので、組立の作業性が悪いという問題点があった。
【0004】
そこで、例えば
図7〜
図10に示すような車両用灯具50が提案されている。
図8に示すように、車両用灯具50は、半導体型光源61と、半導体型光源61からの光を光入射面53aから入射し、光出射面53bから出射し、配光パターンとして照射するレンズ部56を有するレンズ52と、レンズ部56の光出射面53bに対応する矩形状をしたレンズ配置用開口54を有するベゼル部材55とを備えている。そして、ベゼル部材55は、レンズ配置用開口54内にレンズ部56の光出射面53b側の一部を収容配置し、レンズ配置用開口54の内面によりレンズ部56の光出射面53b側の一部外周を囲ってレンズ部56の外周から漏れる直射光を遮光している。
【0005】
また、レンズ52は、
図10に示すように、レンズ配置用開口54の矩形形状と略等しい正面視矩形状をしたレンズ部56と、レンズ部56の両側部からそれぞれ外方に延出された1対のレンズ取付片57、57を一体に有している。そして、ベゼル部材55の背面(灯具の内側)から、レンズ部56の光出射面53b側の一部をレンズ配置用開口54内に収容させるとともに、ベゼル部材55の背面側にレンズ取付片57、57の取付孔58、58と対応して設けられた取付ピン59を、取付孔58、58に挿入させる。その後、取付孔58、58から取付片57、57の裏面側に突出している取付けピン59の一部を加締めることにより、レンズ52がベゼル部材55に固定して取付けられている。
【0006】
また、このようにして一体化されたレンズ52とベゼル部材55は、
図8に示すように、車両用灯具50のベース部材(図示せず)に取付けられた発光チップ60を有する半導体型光源61の前方において、レンズ52の基準光軸Zを発光チップ60の中心Oに合わせて、ベース部材を介してランプハウジング(図示せず)に取付けられて、半導体型光源61と共にランプユニットとして配置される。
【0007】
従来の車両用灯具50は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0008】
半導体型光源61の発光チップ60を点灯すると、
図8に示すように、発光チップ60の発光面から放射される直射光Laはレンズ52のレンズ部56中に光入射面53aから入り、その光入射面53aにおいて配光制御される。また、レンズ部56中に入射した入射光は、レンズ部56の光出射面53bから出射する。このとき、出射光は光出射面53bにおいて配光制御され、レンズ部56からの出射光L1が出射される。
このようにして、出射された光は、例えば
図11に示すような配光パターンMPで表される等光度曲線を形成する。
【0009】
ところで、この構造の車両用灯具50では、レンズ配置用開口54内にレンズ部56を収納配置し易くするために、
図8に示すように、ベゼル部材55のレンズ配置用開口54とレンズ部56との境目に隙間62が設けられている。このため、レンズ部56に向かう半導体型光源61からの直射光Laの一部Lbは、隙間62を通って外部に光L2として出射する。そうすると、
図11に示すように、通常の第1の配光パターンである配光パターンMPの上方に、配光パターンMPに沿って細長く延びる第2の配光パターンSPが形成される。この配光パターンSPはグレア光となる。なお、
図11は、コンピュータシミュレーションにより作図されたスクリーン上の配光パターンを簡略化して示す等光度曲線の図である。この等光度曲線図において、中央の等光度曲線は、高光度ゾーン(HZ)を示し、外側の等光度曲線は、低光度ゾーン(LZ)を示す。さらに、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、従来の車両用灯具において、ベゼル部材のレンズ配置用開口内にレンズ部を収納配置し易くするのに、ベゼル部材のレンズ配置用開口をレンズ部の外径よりも大きめに余裕を持たせて形成すると、レンズ部との境目に隙間ができる。そのため、レンズ部に向かう半導体型光源からの直射光の一部が、境目の隙間を通って外部に洩れ出て、通常の配光パターンとは別のグレア光を発生させる。このグレア光は、車両用灯具を見た人に眩惑を与えるという問題点があった。
【0012】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、ベゼル部材のレンズ配置用開口とレンズ部との境目の隙間から、光の一部が洩れ出て作られるグレア光を無くした車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の車両用灯具は、半導体型光源と、前記半導体型光源からの光を第1光入射面から入射して光出射面から配光パターンとして照射するレンズ部を有するレンズと、前記光出射面に対応するレンズ配置用開口を有して、前記レンズ配置用開口により前記光出射面外周を囲って配置されるベゼル部材とを備え、前記レンズ部が、前記第1光入射面の延長上であって前記半導体型光源から前記レンズ配置用開口と前記レンズ部との境目の隙間に向かう光に介在する第2の面を備えた光制御部を有している。
【0014】
(2)上記(1)の構成において、前記第2の面が、前記第2の面と前記光出射面とによって、前記第2の面に入射した光を下方に向かう出射光にする。
【0015】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記光制御部が前記レンズ部の上部側に設けられ、前記第2の面が前記第2の面に入射した光を前記第1光入射面の上端に入射して光出射面の上端に向かう光と交差させる方向に導く面形状を有する。
【0016】
(4)上記(1)〜(3)の構成において、前記光出射面が2次曲面で形成され、前記第1光入射面が自由曲面で形成される。
【0017】
(5)上記(1)〜(4)の構成において、前記第2の面は、レンズ中央側から両端側に向かって、上下方向の幅が小さくなるように形成されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ベゼル部材のレンズ配置用開口とレンズ部との境目の隙間から、光の一部が洩れ出て作られるグレア光を無くした車両用灯具を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について説明する。実施形態の説明では全体を通じて、同じ要素には同じ番号を付与している。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
図1〜
図6は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を示す。
図2に示すように、車両用灯具11は、ランプハウジング(図示せず)とランプレンズ(図示せず)とによって形成された灯室内に配置され、半導体型光源12と、レンズ13と、ベゼル部材14とを備えるものである。
【0022】
半導体型光源12は、例えば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。半導体型光源12は、
図2に示すように、発光チップ(LEDチップ)15と、発光チップ(LEDチップ)15を実装した基板17等から構成され、冷却部材18、ベース部材(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取付けられている。また、発光チップ15の発光面の中心Oは、レンズ13の基準焦点F若しくはその近傍に位置し、かつ、レンズ3の基準光軸Z上若しくはその近傍に位置する。
【0023】
レンズ13は、光透過性部材から構成されている。光透過性部材は、例えばアクリルやポリカーボネートなどの樹脂部材からなる。レンズ13は、
図4に示すように、レンズ部19と、取付部20とで構成されている。
【0024】
取付部20は、レンズ部19の左右両端部に一体に設けられている。取付部20には、ベゼル部材14に取付けるための複数個の取付孔21が設けられている。
【0025】
レンズ部19は、この例では正面視横長四角形をなし(
図1参照)、
図2に示されるように、半導体型光源12(発光チップ15)からの直射光Laがレンズ部19中に入射する第1光入射面19aと、第1光入射面19aからレンズ部19中に入射した光が出射する光出射面19bとを有している。また、レンズ部19の第1光入射面19aは、自由曲面で形成されている。レンズ部19の光出射面19bは、半導体型光源12と反対側に突出した凸形状をなし、2次曲面で形成されている。
【0026】
レンズ部19は、半導体型光源12から放射される直射光Laが第1光入射面19aに入射されると、その光を光出射面19bから光L1として出射させ、
図5に示すように、通常の第1の配光パターンMPを形成する。なお、
図5は、コンピュータシミュレーションにより作図されたスクリーン上の配光パターンMPを簡略化して示す等光度曲線の図である。この等光度曲線図において、中央の等光度曲線は、高光度ゾーン(HZ)を示し、外側の等光度曲線は、低光度ゾーン(LZ)を示す。さらに、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。
【0027】
また、
図2及び
図4に示すように、レンズ部19には、第1光入射面19a側の第1光入射面19aの延長上に、レンズ部19とベゼル部材14のレンズ配置用開口25との間の隙間26に向かう光Lbに介在する第2の面23aを備える光制御部23が一体に設けられている。光制御部23は、レンズ部19の上部側で、第1光入射面19aに沿って、第1光入射面19aの延長上に上下方向の幅S(
図2、
図4参照)を有する概略帯状に連続して形成された第2の面23aを備えている。なお、この概略帯状をした光制御部23の第2の面23aの上下方向の幅Sは、
図4及び
図6に示すようにレンズ部19の中央側が大きく、両端側に向かって小さくなるように形成されている。
【0028】
また、
図2に示すように、光制御部23の第2の面23aに、半導体型光源12からレンズ部19とベゼル部材14のレンズ配置用開口25との間の隙間26に向かう光Lbが入射されると、入射した光が光出射面19bから出射するように配光制御されているとともに、第2の面23aと光出射面19bとによって、前述した配光パターンMP内に向かう光L2として出射するように配光制御されている。従って、第2の面23aに入射した光Lbの出射光L2は、
図5のLCで表される部分として、前述した配光パターンMP内に合成される。
【0029】
ベゼル部材14は、
図1及び
図4に示すように、レンズ13のレンズ部19の光出射面19bに対応する矩形状をしたレンズ配置用開口25を有している。また、
図1に示されるように、ベゼル部材14の半導体型光源12と反対側となる面14b、つまり、レンズ部19の光出射面19bを眺める正面視で見たときの面14bが、水平方向(横方向)に細長い小判形をした横長湾曲部材として形成されている。
【0030】
また、
図4に示されるように、半導体型光源12側のベゼル部材14の面14aには、レンズ13の両取付部20、20に各々設けられている取付孔21にそれぞれ対応して、取付ピン27が取付けられている。そして、レンズ13は、ベゼル部材14の面14a側からベゼル部材14に組付けられる。この組付けでは、レンズ13の取付孔21にベゼル部材14側の取付ピン27を係合させて取付けて行くと、レンズ部19の光出射面19b側の一部または全部がレンズ配置用開口25内に侵入され、
図1〜
図4に示すように、レンズ部19の外周側面がレンズ配置用開口25の内周縁で囲まれた状態で配置される。
ここで、
図1のA−A線断面を見た側面視である
図3に示されるように、側面視で見て、ベゼル部材14の半導体型光源12と反対側となる面14bは、外側方向(光が出射する方向)への凸状の曲面形状を有し、中央にレンズ配置用開口25がある。
上記のように、レンズ部19の光出射面19bがレンズ配置用開口25に配置されると、レンズ配置用開口25には、レンズ部19の光出射面19bの凸状の曲面形状が位置し、側面視で見たときに、レンズ部材19の光出射面19bとベゼル部材14の面14bとで、外側方向(光が出射する方向)の面は、全体として凸状の曲面形状の面となる。
【0031】
その後、レンズ13の両取付部20、20の取付孔21を通って裏面側に突出されている取付ピン27の一部を加締めることにより、ベゼル部材14とレンズ13とが一体化される。
【0032】
また、このようにして一体化されたレンズ13とベゼル部材14は、
図2に示すように、車両用灯具11のベース部材(図示せず)に取付けられた発光チップ15を有する半導体型光源12の前方において、レンズ13の基準光軸Zを発光チップ15の中心Oに合わせて、ベース部材を介してランプハウジング(図示せず)に取付けられて、半導体型光源12と共にランプユニットとして配置される。そして、このようにしてベゼル部材14と共にレンズ13が半導体型光源12の前方に配置された状態では、そのレンズ部19の光制御部23は、この例では
図2に示すように半導体型光源12の発光チップ15から放射されてレンズ部19の上辺とレンズ配置用開口25との境目の隙間26方向に向う光Lbに介在する位置に第2の面23aを形成する。
【0033】
この実施形態にかかる車両用灯具11は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0034】
半導体型光源12の発光チップ15を点灯すると、発光チップ15の発光面から放射される直射光Laはレンズ13のレンズ部19中に第1光入射面19aから入り、その第1光入射面19aにおいて配光制御される。また、レンズ部19中に入射した入射光L1は、レンズ部19の光出射面19bから出射する。このとき、出射光は光出射面19bにおいて配光制御され、例えば
図5に示すような配光パターンMPで表される等光度曲線を形成する。
【0035】
一方、発光チップ15の発光面から放射される光Lb、すなわち半導体型光源12から、ベゼル部材14のレンズ配置用開口25とレンズ部19の境目の隙間26の方向に向う光Lbは、光制御部23の第2の面23aから光制御部23に入射する。そして、入射した光Lbは、第2の面23aによって光出射面19bに向かうように配光制御されるとともに、光出射面19bによって配光制御を受け、前述の配光パターンMP内に向かう光L2として出射される。つまり、第2の面23aは、第2の面23aに入射した光Lbを光出射面19bから出射させるとともに、第2の面23aと光出射面19bとによって、水平線より下方に向かうとともに、配光パターンMP内に向かう光L2として出射させる面形状をしている。この結果、L1の光で形成された配光パターンMP内に、さらにL2の光が、
図5のLCとして表される部分に合成されている。
【0036】
ところで、
図2に点線で示される出射光L3は、半導体型光源12の発光チップ15から第1光入射面19aの上端に入射し、光出射面19bの上端から出射する光を示したものである。つまり、出射光L3は、
図8に示されるレンズ部56の上端を通って出射する光に当たり、
図2に示されるレンズ部19の出射光L3の点線よりも上の部分が光制御部23として新たに設けられている部分である。
【0037】
つまり、従来のレンズ部56の光入射面53aの上端に入射する光は、
図2にL3として示した軌道を通り、それよりも上方から下方に向かう光を有していないので、従来のレンズ部56では、光出射面53bの上端から出射する光は、他の光と交差しない。
なお、
図8に示される従来のレンズ部56では、出射光L3のような光は、光源から直接外部に向かう光のため、グレア光となり易いという問題がある。
【0038】
一方、本実施形態のレンズ部19では、本来、レンズ部の更に上部に存在するグレア光となる光に光制御部23を介在させて配光パターン内に向かわせ有効利用しようとしている。
このため、第2の面23aから入射した光を、レンズ部19の光入射面19aの上端から光出射面19bの上端に向かう光と交差させる方向に導くような面形状となるように、第2の面23aは形成されている。
【0039】
このように、光制御部23の第2の面23aに入射した光がレンズ部19の第1入射面19aの上端から光出射面19bの上端に向かう光に交差するような水平線より下方に向かう光とされている結果、従来、
図11にSPとして示されているグレア光となる光が、
図5にLCとして示すように配光パターン内に合成される。
【0040】
また、上記説明の通り、
図2に示される光L3は、従来のレンズ部56(
図8参照)の上端を通る光であり、レンズ部19において、光L3のラインより下側の部分は、
図8に示される従来のレンズ部56と同じである(以下、この部分を「従来のレンズ部」という。)。このことから、光出射面19bは、従来の光出射面56bとほぼ同じ形状であるので、光出射面19bとベゼル部材14との間の隙間26の状態は、従来と同じ程度の隙間になっている。このため、レンズ部19をレンズ配置用開口25に配置させるときの作業性は従来と変わらず悪くない。その上で、光制御部23は、従来のレンズ部と同じ材料からなるため、光制御部23と従来のレンズ部とは、視覚上、境目はない。そして、外部からこの隙間26を見たときには、この隙間26の奥側にある光制御部23によって、外側から直接半導体型光源12が見えないので隙間から奥を見たときの見栄えが良くなるとともに、半導体型光源12が直視されることも防止できる。
【0041】
なお、この実施形態では、
図6に示されるように、光制御部23の第2の面23aは、第1光入射面19aに沿って光出射面19bの方向に湾曲した略平面状のものとされているが、これに限定されるものではない。
この第2の面23aは、この第2の面23aに入射する光を第1光入射面19aと共有する光出射面19bに向かうように配光制御するとともに、第2の面23aと光出射面19bとで、
図5に示されるような配光パターン内に位置する光LCが形成できる表面形状であればよい。
【0042】
また、この実施形態では、
図2に示されるような第1光入射面19aの上端部から直線状に上方に延長された第2の面23aとされているが、このように直線状に上方に延長された面に限定されるものではない。
図5に示されるような配光パターン内に位置する光LCが形成できるように、第1光入射面19aの上端部から緩やかな曲面として延長された第2の面23aであってもよい。
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用灯具11は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0043】
この実施形態にかかる車両用灯具11は、半導体型光源12の発光チップ15からベゼル部材14とレンズ配置用開口25との境目の隙間26方向に向かった光Lbは、レンズ13におけるレンズ部19の光制御部23で遮られ、境目の隙間26を通って外部に洩れ出ることがない。このため、通常の配光とは別のグレア光が発生するのを抑えることができる。これにより、車両用灯具11を見た人に眩惑を与えることがなく、安全性の向上が図れる。
【0044】
また、この実施形態にかかる車両用灯具11は、光制御部23の第2の面23aが第2の面23aに入射する光を第1光入射面19aと共有する光出射面19bに向かうように配光制御する表面形状であるとともに、且つ、第2の面23aが第2の面23aと光出射面19bとで、
図5に示されるような配光パターン内に位置する光LCが形成できる表面形状とされている。この結果、光制御部23は、半導体型光源12の発光チップ15からベゼル部材14のレンズ配置用開口25とレンズ部19との境目の隙間26方向に向かった光Lbに介在して、その光Lbをレンズ部19の配光パターンMP内に向かう光L2として出射させて前記配光パターンMP内に合成させるように制御している。従って、簡単な構成でありながら、隙間26から漏れるグレア光を無くすことができるだけでなく、本来、活用されていなかった光を配光パターン内に合成しているので、半導体型光源12の周辺光を有効に利用して配光パターン全体の光束を向上させることができる。
【0045】
また、この実施形態にかかる車両用灯具11は、レンズ部19の光出射面19bは、従来とほぼ同じ形状である。従って、光出射面19bとベゼル部材14との間の隙間26も、従来とほぼ同様である。このことから、レンズ部19をベゼル部材14のレンズ配置用開口25に配置するときの組付け作業性が悪くなることは無い。
【0046】
また、この実施形態にかかる車両用灯具11は、レンズ13におけるレンズ部19の第1光入射面19aを自由曲面で、光出射面19bを2次曲面で形成している。これにより、
図5に示すように、高光度ゾーン(HZ)の等光度曲線及び低光度ゾーン(LZ)の等光度曲線を有する配光パターンを容易に形成することができる。
【0047】
さらに、この実施形態にかかる車両用灯具11は、光制御部23の第2の面23aの上下方向の幅Sが、レンズ13の中央側が大きく、両端側に向かうほど小さくなるように形成されている。すなわち、半導体型光源12の発光チップ15から隙間26方向に向かう直射光Lbは、レンズ部19の中央ほど強く、両端側に向かうほど小さくなるので、レンズ部19を上辺全体の平均的に遮り、それを配光パターン内に合成させることができる。
【0048】
なお、この実施形態では、光制御部23をレンズ部19aの上部にだけ設けている構造を開示したが、そのレンズ部19aの上部に加えて、レンズ部19aの下部(下辺)に設けてもよい。