特許第6205797号(P6205797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6205797プレイリスト作成装置、音響機器装置、プレイリスト作成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205797
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】プレイリスト作成装置、音響機器装置、プレイリスト作成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20170925BHJP
   G11B 27/02 20060101ALI20170925BHJP
   G10L 19/00 20130101ALI20170925BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   G10K15/04 302F
   G11B27/02 B
   G10L19/00 312E
   G06F17/30 170E
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-78419(P2013-78419)
(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公開番号】特開2014-202893(P2014-202893A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2015年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野口 隆吉
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−521979(JP,A)
【文献】 特開2006−073043(JP,A)
【文献】 特開2012−018719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00 − 15/06
G11B 27/00 − 27/06
G06F 17/30
G10L 19/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲情報を取得する取得手段と、
n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段と、
前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成手段と、
ユーザが前記選曲手段に望む選曲傾向を入力する第2の入力手段を備え、
前記選曲傾向は前記プレイリストの進行における曲調の変動を時系列で示すパラメータであり、
前記選曲手段は、前記n番目楽曲に対して前記楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲を抽出し、前記複数の候補楽曲の中から、前記選曲傾向に基づいて前記n+1番目楽曲を選択することを特徴とするプレイリスト作成装置。
【請求項2】
前記楽曲情報は、楽曲を解析して得られる解析情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のプレイリスト作成装置。
【請求項3】
前記楽曲情報は、楽曲に付随して記憶されている付随情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプレイリスト作成装置。
【請求項4】
前記選曲手段は、前記n番目楽曲の再生中に、前記n+1番目の楽曲を選曲することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプレイリスト作成装置。
【請求項5】
前記選曲手段による選曲に利用する前記楽曲情報をユーザに選択可能とさせる入力手段を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプレイリスト作成装置。
【請求項6】
楽曲情報を取得する取得工程と、
n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段によって選曲を行う選曲工程と、
前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成工程と、
ユーザが前記選曲手段に望む選曲傾向を入力する工程と、
前記選曲傾向は前記プレイリストの進行における曲調の変動を時系列で示すパラメータであり、
前記選曲手段は、前記n番目楽曲に対して前記楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲を抽出し、前記複数の候補楽曲の中から、前記選曲傾向に基づいて前記n+1番目楽曲を選択する工程と、
を備えることを特徴とするプレイリスト作成方法。
【請求項7】
コンピュータを、
楽曲情報を取得する取得手段と、
n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段と、
前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成手段と、
ユーザが前記選曲手段に望む選曲傾向を入力する手段と、
前記選曲傾向は前記プレイリストの進行における曲調の変動を時系列で示すパラメータであり、
前記選曲手段は、前記n番目楽曲に対して前記楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲を抽出し、前記複数の候補楽曲の中から、前記選曲傾向に基づいて前記n+1番目楽曲を選択する手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の楽曲の再生順序情報を含むプレイリストを作成するプレイリスト作成装置、音響機器装置、プレイリスト作成方法、及びプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、再生する楽曲を自動的に選曲してプレイリストを作成する装置が知られている。プレイリスト作成時の選曲は、連続再生される楽曲のスムーズな切替えを実現するために、前後の曲に対するテンポ等の共通性や類似性を判断して行われる。
【0003】
例えば特許文献1では、全体制約条件及び時系列思考条件の2つの条件を利用してプレイリストを作成する技術が提案されている。また特許文献2では、ユーザ端末から受信した選曲情報に基づいてプレイリストを作成するという技術が提案されている。特許文献3では、n個の楽曲データを用いてn!個のプレイリスト候補を作成するという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−039704号公報
【特許文献2】特開2002−073041号公報
【特許文献3】特開2009−205751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した各特許文献に係る技術を利用した場合、プレイリストを構成する楽曲として設定条件が類似した楽曲ばかりが選択されてしまうおそれがある。このため、楽曲のスムーズな切替えが実現できたとしても、似たような楽曲ばかりが再生されることになり、繰り返し聴いているうちに聴き手が飽きてしまうという技術的問題点が生ずる。
【0006】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、楽曲のスムーズな切替えを実現すると共に、聴き手に飽きさせない選曲を実行可能なプレイリスト作成装置、音響機器装置、プレイリスト作成方法、及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプレイリスト作成装置は上記課題を解決するために、楽曲情報を取得する取得手段と、n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段と、前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成手段と、ユーザが前記選曲手段に望む選曲傾向を入力する第2の入力手段を備え、前記選曲傾向は前記プレイリストの進行における曲調の変動を時系列で示すパラメータであり、前記選曲手段は、前記n番目楽曲に対して前記楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲を抽出し、前記複数の候補楽曲の中から、前記選曲傾向に基づいて前記n+1番目楽曲を選択する
【0009】
本発明のプレイリスト作成方法は上記課題を解決するために、楽曲情報を取得する取得工程と、n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段によって選曲を行う選曲工程と、前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成工程と、ユーザが前記選曲手段に望む選曲傾向を入力する工程と、前記選曲傾向は前記プレイリストの進行における曲調の変動を時系列で示すパラメータであり、前記選曲手段は、前記n番目楽曲に対して前記楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲を抽出し、前記複数の候補楽曲の中から、前記選曲傾向に基づいて前記n+1番目楽曲を選択する工程とを備える。
【0010】
本発明のプログラムは上記課題を解決するために、コンピュータを、楽曲情報を取得する取得手段と、n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段と、前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成手段と、ユーザが前記選曲手段に望む選曲傾向を入力する手段と、前記選曲傾向は前記プレイリストの進行における曲調の変動を時系列で示すパラメータであり、前記選曲手段は、前記n番目楽曲に対して前記楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲を抽出し、前記複数の候補楽曲の中から、前記選曲傾向に基づいて前記n+1番目楽曲を選択する手段として機能させる。
【0011】
本発明の作用及び利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例に係る音響機器装置のハード構成を示すブロック図である。
図2】実施例に係る音響機器装置のソフト構成を示す機能ブロック図である。
図3】実施例に係る音響機器装置のプレイリスト作成時の動作を示すフローチャートである。
図4】先頭楽曲を決定するための選曲条件の設定方法を示す概念図である。
図5】n+1番目楽曲を決定するための選曲条件の設定方法を示す概念図である。
図6】速度シナリオの設定方法を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置は上記課題を解決するために、楽曲情報を取得する取得手段と、n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段と、前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成手段とを備える。
【0014】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の各種演算回路や、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を含んで構成される。また、プレイリストに含まれる楽曲データを保存するための大容量ストレージ等を備えて構成されてもよい。
【0015】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置の動作時には、先ず取得手段によって、楽曲が有している楽曲情報が取得される。なお、ここでの「楽曲情報」とは、連続再生される楽曲の共通性や類似性を判断するためのパラメータであり、例えば楽曲のジャンルやテンポ等が挙げられる。楽曲情報は、例えば楽曲データの解析や楽曲の付随データ等から取得できる。楽曲情報は、1種類のパラメータで足りるが、複数種類のパラメータが取得されても構わない。なお、楽曲情報は、全ての楽曲について取得されずともよい。
【0016】
楽曲情報が取得されると、選曲手段によって、n番目楽曲の楽曲情報に基づきn+1番目楽曲(即ち、n番目楽曲の次に再生される楽曲)が選曲される。より具体的には、例えば楽曲のジャンルがn番目楽曲と同一である楽曲や楽曲のテンポがn番目楽曲に近い楽曲等が、n+1番目楽曲として選曲される。
【0017】
n+1番目楽曲が選曲されると、リスト作成手段によって、n番目楽曲及びn+1番目楽曲を含むプレイリストが作成される。プレイリストは、n番目楽曲及びn+1番目楽曲の2曲のみを含むものであってもよいし、それ以外の楽曲(例えば、n+1番目楽曲以降に再生されるn+2番目楽曲やn+3番目楽曲等)を含むものであってもよい。なお、n+1番目楽曲以降に再生される楽曲については、n+1番目楽曲をn番目とみなすことで順次選曲できる。具体的には、n+1番目楽曲の楽曲情報に基づいてn+2番目の楽曲を選曲でき、n+2番目楽曲の楽曲情報に基づいてn+3番目の楽曲が選曲できる。
【0018】
上述のように、n番目楽曲の楽曲情報に基づいてn+1番目楽曲を選曲すれば、連続再生される複数の楽曲の再生順序を好適に決定できる。ここで特に、プレイリストの各楽曲は、前曲の楽曲情報に基づいて選曲されるため、プレイリストを用いて楽曲を連続再生する場合に、楽曲の切替わりを適切なものとできる。具体的には、連続して再生される2の楽曲は互いに楽曲情報が類似する楽曲となるため、例えばクロスフェード等のミキシング処理をして楽曲を連続再生する場合に、スムーズで違和感ない切替わりを実現できる。
【0019】
また本実施形態では特に、各楽曲が原則として前曲の楽曲情報にのみ基づいて選曲される(即ち、原則として前曲の楽曲情報以外には拘束されずに選曲される)ため、プレイリスト全体で見た場合に、楽曲情報が互いに類似する楽曲ばかりが選曲されてしまうことを防止できる。具体的には、n+1番目楽曲は直前のn番目楽曲と楽曲情報が類似する楽曲として選曲され、n+2番目楽曲は直前のn+1番目楽曲と楽曲情報が類似する楽曲として選曲されるが、n+2番目楽曲は必ずしもn番目楽曲と楽曲情報が類似する楽曲としては選曲されない。よって、似たような楽曲ばかりが再生され、聴き手が飽きてしまうことを好適に防止できる。
【0020】
以上説明したように、本実施形態に係るプレイリスト作成装置によれば、楽曲のスムーズな切替えを実現すると共に、聴き手に飽きさせない選曲を実行可能である。
【0021】
なお、n番目楽曲がプレイリストの最初に再生される楽曲である場合、直前に再生される楽曲が存在しないため、n番目楽曲を前曲の楽曲情報に基づいて決定することができない。このため、プレイリストに含まれる最初の1曲は、他の楽曲とは異なる方法で決定される(例えば、完全にランダムに決定されてもよいし、ユーザが直接指定してもよい、或いはユーザが指定した条件に基づいて決定されてもよい)。
【0022】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置の一態様では、前記楽曲情報は、楽曲を解析して得られる解析情報を含む。
【0023】
この態様によれば、例えばn楽曲を解析して得られるテンポや拍タイミング等に基づいてn+1番目楽曲が決定されるため、n番目楽曲からn+1番目楽曲への切り替わりを違和感ないものとできる。なお、解析情報を得るための解析処理は、取得手段によって実行されてもよいし、装置外部において実行されてもよい。即ち、プレイリスト作成装置自身が解析処理をしてもよいし、装置外部での解析処理の結果として解析情報のみを取得してもよい。
【0024】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置の他の態様では、前記楽曲情報は、楽曲に付随して記憶されている付随情報を含む。
【0025】
この態様によれば、例えばn番目楽曲に付随して記憶されるメタデータ等に含まれるテンポやジャンル等に基づいてn+1番目楽曲が決定されるため、n番目楽曲からn+1番目楽曲への切り替わりを違和感ないものとできる。また、予め記憶されている付随情報をそのまま用いることができるため、比較的容易に楽曲情報の取得が行える。
【0026】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置の他の態様では、前記選曲手段は、前記n番目楽曲の再生中に、前記n+1番目の楽曲を選曲する。
【0027】
この態様によれば、n番目楽曲の再生中にはn+1番目楽曲のみが選曲され、n+1番目楽曲以降に再生される楽曲(即ち、n+2番目楽曲やn+3番目楽曲)の選曲は実行されない。このように選曲すれば、プレイリストが楽曲の再生中に順次作成されるため、リアルタイム感を好適に演出できる。また、予め多くの楽曲を選曲することが求められないため、選曲処理が集中して実行されることに起因する装置負担の増加を軽減できる。このような負担軽減の効果は、例えば再生曲が途中で変更されることに伴うプレイリストの再作成を実行する場合に顕著に発揮される。
【0028】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置の他の態様では、前記選曲手段による選曲に利用する前記楽曲情報をユーザに選択可能とさせる入力手段を更に備える。
【0029】
この態様によれば、ユーザが楽曲情報を選択できるため、ユーザの意思を介在させた選曲を実行でき、ユーザが所望するプレイリストを好適に作成できる。なお、ユーザは楽曲情報として複数の情報を選択することも可能である。
【0030】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置の他の態様では、前記選曲手段は、前記n番目楽曲に対して前記楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲を抽出し、前記複数の候補楽曲の中から、ランダムに前記n+1番目楽曲を選択する。
【0031】
この態様によれば、n+1番目楽曲の選曲時には、先ずn番目楽曲に対して楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲が抽出される。なお、ここでの「所定類似範囲」とは、楽曲を連続再生する際に自然な楽曲の切り替わりを実現できる程度に楽曲情報が類似していることを判定するために予め設定される範囲である。所定類似範囲は、装置の製造時に設定されてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。
【0032】
複数の候補楽曲が抽出されると、その候補楽曲の中からランダムにn+1番目楽曲が選択される。なお、ここでの「ランダムに選択する」とは、楽曲情報には基づかずに選択するという趣旨であり、完全なランダムでなくとも構わない。
【0033】
上述したようにn+1番目楽曲を選曲すれば、自然な楽曲の切り替わりを実現しつつ、似た楽曲ばかりが選曲されてしまうことを効果的に防止できる。具体的には、例えば楽曲情報の共通度又は類似度が最も高い楽曲ばかりが選択されることを回避できるため、楽曲情報が適切な範囲内でばらつくような楽曲群が選曲される。従って、聴き手に飽きさせないようなプレイリストを作成することができる。
【0034】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置の他の態様では、ユーザが前記選曲手段に望む選曲傾向を入力する入力手段を更に備え、前記選曲手段は、前記n番目楽曲に対して前記楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲を抽出し、前記複数の候補楽曲の中から、前記選曲傾向に基づいて前記n+1番目楽曲を選択する。
【0035】
この態様によれば、n+1番目楽曲の選曲時には、先ずn番目楽曲に対して楽曲情報が所定の類似範囲内にある複数の候補楽曲が抽出される。
【0036】
そして、複数の候補楽曲が抽出されると、その候補楽曲の中からユーザ入力する選曲傾向に基づいてn+1番目楽曲が選択される。なお、ここでの「選曲傾向」とは、ユーザが再生したいと考える楽曲の時系列での傾向変動を示すパラメータであり、例えば徐々に盛り上がるように楽曲が切り替わっていくような傾向や、徐々に落ち着くように楽曲が切り替わっていくような傾向、或いは一度盛り上がった後に落ち着くように楽曲が切り替わっていく傾向等が挙げられる。
【0037】
上述したようにn+1番目楽曲を選曲すれば、自然な楽曲の切り替わりを実現しつつ、選曲の最終段階でユーザの意思を介在させてプレイリストを作成できる。このため、ユーザが所望するプレイリストを好適に作成できる。
【0038】
本実施形態に係る音響機器装置は上記課題を解決するために、楽曲情報を取得する取得手段と、n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段と、前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成手段と、前記プレイリストにおいて連続して再生される2の楽曲を、BPM及び拍タイミングの少なくとも一方が同期するようにミキシングして出力する出力手段とを備える。
【0039】
本実施形態に係る音響機器装置によれば、上述したプレイリスト作成装置と同様に、n番目楽曲の楽曲情報に基づいてn+1番目楽曲が選曲される。このため、楽曲のスムーズな切替えを実現すると共に、聴き手に飽きさせない選曲を実行可能である。
【0040】
また、プレイリストにおいて連続して再生される2の楽曲が、BPM及び拍タイミングの少なくとも一方が同期するようにミキシングして出力される。このため、作成したプレイリストを用いて楽曲を再生する場合に、より自然な楽曲の切り替わりを実現できる。
【0041】
なお、本実施形態に係る音響機器装置においても、上述したプレイリスト作成装置の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0042】
本実施形態に係るプレイリスト作成方法は上記課題を解決するために、楽曲情報を取得する取得工程と、n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲工程と、前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成工程とを備える。
【0043】
本実施形態に係るプレイリスト作成方法によれば、上述したプレイリスト作成装置と同様に、n番目楽曲の楽曲情報に基づいてn+1番目楽曲が選曲される。このため、楽曲のスムーズな切替えを実現すると共に、聴き手に飽きさせない選曲を実行可能である。
【0044】
なお、本実施形態に係るプレイリスト作成方法においても、上述したプレイリスト作成装置の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0045】
本実施形態に係るプログラムは上記課題を解決するために、コンピュータを、楽曲情報を取得する取得手段と、n番目(nは自然数)に再生される楽曲であるn番目楽曲に関する前記楽曲情報に基づいて、n+1番目に再生される楽曲であるn+1番目楽曲を選曲する選曲手段と、前記n番目楽曲及び前記n+1番目楽曲を含むプレイリストを作成するリスト作成手段として機能させる。
【0046】
本実施形態に係るプログラムによれば、上述したプレイリスト作成装置と同様に、n番目楽曲の楽曲情報に基づいてn+1番目楽曲が選曲される。このため、楽曲のスムーズな切替えを実現すると共に、聴き手に飽きさせない選曲を実行可能である。
【0047】
なお、本実施形態に係るプログラムにおいても、上述したプレイリスト作成装置の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0048】
本実施形態に係るプレイリスト作成装置、音響機器装置、プレイリスト作成方法、及びプログラムの作用及び他の利得については、以下に示す実施例において、より詳細に説明する。
【実施例】
【0049】
以下では、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。
【0050】
<装置構成>
先ず、本実施例に係る音響機器装置のハード構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、実施例に係る音響機器装置のハード構成を示すブロック図である。
【0051】
図1において、本実施例に係る音響機器装置100は、楽曲データ及び映像データを再生可能な装置として構成されており、大容量ストレージ110、CPU120、画像処理回路130、LCD(Liquid Crystal Monitor)140、ROM150、RAM160、サウンド処理回路170及びスピーカ180を備えて構成されている。
【0052】
大容量ストレージ110は、例えばハードディスク等の記録媒体を含んで構成されており、音響機器装置100において再生する楽曲データ及び映像データ等を記憶している。
【0053】
CPU120は、音響機器装置100全体の動作を制御可能なコントローラユニットとして構成されている。
【0054】
画像処理回路130は、映像データを再生するための各種処理を実行可能に構成されており、処理した映像データをLCD140に出力する。LCD140は、画像処理回路130から入力された映像データに応じた映像を表示可能なディスプレイとして構成されている。
【0055】
ROM150及びRAM160は、音響機器装置100において扱う各種情報を適宜記憶可能に構成された記録媒体であり、記憶した情報を必要に応じて各種部位に出力する。
【0056】
サウンド処理回路170は、楽曲データを再生するための各種処理を実行可能に構成されており、処理した楽曲データをスピーカ180に出力する。スピーカ180は、サウンド処理回路170から入力された楽曲データに応じた音声を出力可能に構成されている。
【0057】
次に、本実施例に係る音響機器装置のソフト構成について、図2を参照して説明する。ここに図2は、実施例に係る音響機器装置のソフト構成を示す機能ブロック図である。
【0058】
図2において、本実施例に係る音響機器装置100は、楽曲データ記憶部210、楽曲情報抽出部220、楽曲情報記憶部230、選曲制御部240及び再生制御部250を備えている。
【0059】
楽曲データ記憶部210は、例えば上述した大容量ストレージ110として構成され、楽曲データを楽曲情報抽出部220、選曲制御部240及び再生制御部250に出力可能とされている。
【0060】
楽曲情報抽出部220は、楽曲のメタデータ(例えば、再生の長さ等)を抽出する楽曲メタデータ抽出部221、楽曲の小節及び拍位置を検出する楽曲小節・拍位置検出部222、及び楽曲のテンポを検出する楽曲テンポ検出部223を備えている。楽曲情報抽出部220は、楽曲データ記憶部210に記憶されている楽曲データのタグ情報や楽曲解析処理の結果等から楽曲に関する各種データを抽出し、楽曲情報記憶部230へ出力可能とされている。
【0061】
楽曲情報記憶部230は、楽曲のメタデータを記憶する楽曲メタデータ記憶部231、楽曲の小節及び拍位置を記憶する楽曲小節・拍位置記憶部232、及び楽曲のテンポを記憶する楽曲テンポ検出部233を備えている。楽曲情報記憶部220は、楽曲情報抽出部220で抽出された楽曲に関する各種情報を記憶し、適宜選曲制御部240に出力可能とされている。
【0062】
選曲制御部240は、プレイリストを構成する楽曲を選曲する際の条件を指定する選曲条件指定部241、及び選曲条件に基づいてプレイリストを作成するプレイリスト作成部242を備えている。選曲制御部240は、楽曲情報記憶部230に記憶されている楽曲情報を適宜利用してプレイリストを作成し、作成したプレイリストを再生制御部250へと出力可能とされている。
【0063】
再生制御部250は、再生テンポ制御部251、ミキシング処理部252及びエフェクト処理部253を備えている。再生テンポ制御部251は、必要に応じて再生テンポの制御を行いながら、プレイリストに含まれる楽曲を再生する。また、再生楽曲が切り替わる部分では、音楽が途切れることのないように、前曲及び次曲を部分的にミックスさせながら再生する。ミキシング処理部252は、必要に応じて、前曲及び次曲のテンポ、並びに小節・拍位置が互いに揃うように制御を行う。エフェクト処理部253は、ミキシング処理を行うミックス区間におけるクロスフェード等のエフェクト処理を行う。
【0064】
<動作説明>
次に、本実施例に係る音響機器装置の動作について、図3から図6を参照して説明する。ここに図3は、実施例に係る音響機器装置のプレイリスト作成時の動作を示すフローチャートである。また図4は、先頭楽曲を決定するための選曲条件の設定方法を示す概念図であり、図5は、n+1番目楽曲を決定するための選曲条件の設定方法を示す概念図である。図6は、速度シナリオの設定方法を示す概念図である。なお、以下では、本実施例に係る音響機器装置の動作のうち、本発明と関連の深いプレイリスト作成処理について詳細に説明し、他の一般的な動作については適宜説明を省略するものとする。
【0065】
図3において、本実施例に係る音響機器100によるプレイリストの作成時には、先ずプレイリストの最初に再生される先頭楽曲が決定される(ステップS101)。先頭楽曲は、例えばユーザが指定する選曲条件に基づいて決定される。
【0066】
図4に示すように、ユーザは先頭楽曲を決定するための選曲条件として、例えばジャンル及び基準テンポを設定することができる。この場合、先頭楽曲は、ユーザが指定した基準テンポに合致し、且つユーザが指定したジャンルである楽曲の中からランダムで決定される。なお、先頭楽曲は、選曲条件によらずにランダムに決定されてもよいし、ユーザによって直接選択されてもよい。
【0067】
図3に戻り、決定された先頭楽曲は、次曲を選曲する際の基準となるn番目楽曲として設定される(ステップS102)。n番目楽曲が設定されると、n番目楽曲の楽曲情報が取得される(ステップS102)。楽曲情報としては、例えば楽曲のテンポ、拍位置、ジャンル等が挙げられる。楽曲情報は、楽曲データのメタデータ等から得られる情報であってもよいし、楽曲データの解析によって得られる情報であってもよい。また、複数種類の楽曲情報が取得されても構わない。
【0068】
n番目楽曲の楽曲情報が取得されると、取得された楽曲情報に基づいて複数の候補楽曲が抽出される(ステップS104)。例えば、楽曲情報としてテンポを利用する場合、n番目楽曲のテンポに対して、テンポが一定の範囲(例えば、±10%)内のテンポである楽曲が候補楽曲として抽出される。また、範囲内の楽曲が極端に少ない場合には、範囲を広げて(例えば、±15%として)再び抽出処理を行うようにしてもよい。
【0069】
図5に示すように、基準テンポは数値的な範囲として具体的に設定されてもよい。図に示す例ではテンポの下限値が120BPMに設定され、上限値が130BPMに設定されているため、テンポが120BPMから130BPMの範囲内である楽曲が候補楽曲として抽出される。
【0070】
再び図3に戻り、複数の候補楽曲が抽出されると、選曲傾向が入力されているか否かが判定される(ステップS105)。ここでの選曲傾向とは、例えばプレイリストの進行における曲調の変動を時系列で示す速度シナリオ等のパラメータとしてユーザに設定される。なお、ここでの曲調とは、楽曲の調子を表すパラメータであり、例えば明るい楽曲又は暗い楽曲、激しい楽曲又は落ち着いた楽曲等のように各楽曲を分類可能とするパラメータである。曲調は、例えばテンポやジャンル等の楽曲情報に基づいて決定できる。
【0071】
図5において、速度シナリオは、例えば予め設定された複数のシナリオから、所望のシナリオを選択することで決定できる。例えば図に示すように、曲調が一定となるシナリオ、徐々に盛り上がるシナリオ、盛り上がった後落ち着くシナリオ、徐々に落ち着くシナリオ等が選択できる。このように選択的に速度シナリオを入力可能とすれば、ユーザが選曲傾向を入力する負担を効果的に低減できる。
【0072】
図6において、速度シナリオは、ユーザが自由に設定可能とされてもよい。具体的には、ユーザは、入力画面に曲調の盛り上がりを示す曲線を描くことで速度シナリオを決定する。なお、図に示す曲線は、縦軸が曲調の盛り上がり、横軸が時間を示している。このように速度シナリオを入力可能とすれば、ユーザが所望する選曲傾向をより詳細に設定することができ、極めて好適な選曲を実現することが可能となる。
【0073】
図3に戻り、上述した選曲傾向が入力されている場合(ステップS105:YES)、選曲傾向に基づいて、候補楽曲の中からn+1番目楽曲が選択される(ステップS106)。具体的には、速度シナリオで示された曲調の変化を実現するのに最も適した楽曲が選択される。一方で、選曲傾向が入力されていない場合(ステップS105:NO)、候補楽曲の中からランダムにn+1番目楽曲が選択される(ステップS107)。なお、ランダムにn+1番目楽曲を選択する場合であっても、選択対象が候補楽曲に限られているため、不適切な楽曲が選択されることはない。
【0074】
n+1番目楽曲が選択されると、選択された楽曲の総数が設定曲数(即ち、プレイリストに含まれるべき楽曲数)に達しているか否かが判定される(ステップS108)。ここで、総曲数が設定曲数に達していない場合(ステップS108:NO)、直前に選択されたn+1番目楽曲が新たなn番目楽曲に設定され(ステップS109)、ステップS103以降の処理が再び実行される。このようにすれば、選択されたn+1番目楽曲以降に再生される楽曲(即ち、n+2番目楽曲やn+3番目楽曲等)を順次決定できる。そして、総曲数が設定曲数に達すると(ステップS108:YES)、選択された複数の楽曲を含むプレイリストが作成される(ステップS110)。
【0075】
なお、上述した一連の処理は、典型的には楽曲が再生される前に行われるものであるが、楽曲の再生中に実行されても構わない。即ち、楽曲を再生しつつ、以降に再生される楽曲を適宜選択するような態様で実現されても構わない。
【0076】
以上のようにプレイリストを作成すれば、プレイリストに含まれる各楽曲を、直前に再生される楽曲の楽曲情報に基づいて決定できる。このため、プレイリストを利用して楽曲を再生する場合に、スムーズな楽曲の切り替わりを実現できる。具体的には、n番目楽曲の次に再生されるn+1番目楽曲は、n+1番目と楽曲情報が類似した楽曲として選択されているため、楽曲情報が大きく異なる楽曲への切り替わりが実行されることによる違和感を低減できる。
【0077】
また本実施例に係る音響機器装置100では、n番目楽曲からn+1番目楽曲への切り替わりが、クロスフェードを利用したミキシング処理によって実現される。具体的には、n番目楽曲がn+1番目楽曲に切り替わるミックス区間において、n番目楽曲がフェードアウトすると共に、n+1番目楽曲がフェードインするようにミックスされる。更に、n番目楽曲とn+1番目楽曲とは、拍位置が同期するようにミックスされる。このようにミキシング処理を実行して楽曲を切替える場合には特に、上述した楽曲の切り替わりタイミングにおける違和感を低減するという効果は顕著に発揮される。
【0078】
本実施例では更に、プレイリストに含まれる各楽曲が、原則として前曲の楽曲情報にのみ基づいて選曲される(即ち、原則として前曲の楽曲情報以外には拘束されずに選曲される)ため、プレイリスト全体で見た場合に、楽曲情報が互いに類似する楽曲ばかりが選曲されてしまうことを防止できる。よって、似たような楽曲ばかりが再生され、聴き手が飽きてしまうことを好適に防止できる。
【0079】
以上説明したように、本実施例に係る音響機器装置100によれば、楽曲のスムーズな切替えを実現すると共に、聴き手を飽きさせないプレイリストを作成することが可能である。
【0080】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うプレイリスト作成装置、音響機器装置、プレイリスト作成方法、及びプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
100 音響機器装置
110 大容量ストレージ
120 CPU
130 画像処理回路
140 LCD
150 ROM
160 RAM
170 サウンド処理回路
180 スピーカ
210 楽曲データ記憶部
220 楽曲情報抽出部
221 楽曲メタデータ抽出部
222 楽曲小節・拍位置検出部
223 楽曲テンポ検出部
230 楽曲情報記憶部
231 楽曲メタデータ記憶部
232 楽曲小節・拍位置記憶部
233 楽曲テンポ記憶部
240 選曲制御部
241 選曲条件指定部
242 プレイリスト作成部
250 再生制御部
251 再生テンポ制御部
252 ミキシング処理部
253 エフェクト制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6