【実施例】
【0049】
以下では、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。
【0050】
<装置構成>
先ず、本実施例に係る音響機器装置のハード構成について、
図1を参照して説明する。ここに
図1は、実施例に係る音響機器装置のハード構成を示すブロック図である。
【0051】
図1において、本実施例に係る音響機器装置100は、楽曲データ及び映像データを再生可能な装置として構成されており、大容量ストレージ110、CPU120、画像処理回路130、LCD(Liquid Crystal Monitor)140、ROM150、RAM160、サウンド処理回路170及びスピーカ180を備えて構成されている。
【0052】
大容量ストレージ110は、例えばハードディスク等の記録媒体を含んで構成されており、音響機器装置100において再生する楽曲データ及び映像データ等を記憶している。
【0053】
CPU120は、音響機器装置100全体の動作を制御可能なコントローラユニットとして構成されている。
【0054】
画像処理回路130は、映像データを再生するための各種処理を実行可能に構成されており、処理した映像データをLCD140に出力する。LCD140は、画像処理回路130から入力された映像データに応じた映像を表示可能なディスプレイとして構成されている。
【0055】
ROM150及びRAM160は、音響機器装置100において扱う各種情報を適宜記憶可能に構成された記録媒体であり、記憶した情報を必要に応じて各種部位に出力する。
【0056】
サウンド処理回路170は、楽曲データを再生するための各種処理を実行可能に構成されており、処理した楽曲データをスピーカ180に出力する。スピーカ180は、サウンド処理回路170から入力された楽曲データに応じた音声を出力可能に構成されている。
【0057】
次に、本実施例に係る音響機器装置のソフト構成について、
図2を参照して説明する。ここに
図2は、実施例に係る音響機器装置のソフト構成を示す機能ブロック図である。
【0058】
図2において、本実施例に係る音響機器装置100は、楽曲データ記憶部210、楽曲情報抽出部220、楽曲情報記憶部230、選曲制御部240及び再生制御部250を備えている。
【0059】
楽曲データ記憶部210は、例えば上述した大容量ストレージ110として構成され、楽曲データを楽曲情報抽出部220、選曲制御部240及び再生制御部250に出力可能とされている。
【0060】
楽曲情報抽出部220は、楽曲のメタデータ(例えば、再生の長さ等)を抽出する楽曲メタデータ抽出部221、楽曲の小節及び拍位置を検出する楽曲小節・拍位置検出部222、及び楽曲のテンポを検出する楽曲テンポ検出部223を備えている。楽曲情報抽出部220は、楽曲データ記憶部210に記憶されている楽曲データのタグ情報や楽曲解析処理の結果等から楽曲に関する各種データを抽出し、楽曲情報記憶部230へ出力可能とされている。
【0061】
楽曲情報記憶部230は、楽曲のメタデータを記憶する楽曲メタデータ記憶部231、楽曲の小節及び拍位置を記憶する楽曲小節・拍位置記憶部232、及び楽曲のテンポを記憶する楽曲テンポ検出部233を備えている。楽曲情報記憶部220は、楽曲情報抽出部220で抽出された楽曲に関する各種情報を記憶し、適宜選曲制御部240に出力可能とされている。
【0062】
選曲制御部240は、プレイリストを構成する楽曲を選曲する際の条件を指定する選曲条件指定部241、及び選曲条件に基づいてプレイリストを作成するプレイリスト作成部242を備えている。選曲制御部
240は、楽曲情報記憶部230に記憶されている楽曲情報を適宜利用してプレイリストを作成し、作成したプレイリストを再生制御部250へと出力可能とされている。
【0063】
再生制御部250は、再生テンポ制御部251、ミキシング処理部252及びエフェクト処理部253を備えている。再生テンポ制御部2
51は、必要に応じて再生テンポの制御を行いながら、プレイリストに含まれる楽曲を再生する。また、再生楽曲が切り替わる部分では、音楽が途切れることのないように、前曲及び次曲を部分的にミックスさせながら再生する。ミ
キシング処理部2
52は、必要に応じて、前曲及び次曲のテンポ、並びに小節・拍位置が互いに揃うように制御を行う。エフェクト処理部2
53は、ミキシング処理を行うミックス区間におけるクロスフェード等のエフェクト処理を行う。
【0064】
<動作説明>
次に、本実施例に係る音響機器装置の動作について、
図3から
図6を参照して説明する。ここに
図3は、実施例に係る音響機器装置のプレイリスト作成時の動作を示すフローチャートである。また
図4は、先頭楽曲を決定するための選曲条件の設定方法を示す概念図であり、
図5は、n+1番目楽曲を決定するための選曲条件の設定方法を示す概念図である。
図6は、速度シナリオの設定方法を示す概念図である。なお、以下では、本実施例に係る音響機器装置の動作のうち、本発明と関連の深いプレイリスト作成処理について詳細に説明し、他の一般的な動作については適宜説明を省略するものとする。
【0065】
図3において、本実施例に係る音響機器100によるプレイリストの作成時には、先ずプレイリストの最初に再生される先頭楽曲が決定される(ステップS101)。先頭楽曲は、例えばユーザが指定する選曲条件に基づいて決定される。
【0066】
図4に示すように、ユーザは先頭楽曲を決定するための選曲条件として、例えばジャンル及び基準テンポを設定することができる。この場合、先頭楽曲は、ユーザが指定した基準テンポに合致し、且つユーザが指定したジャンルである楽曲の中からランダムで決定される。なお、先頭楽曲は、選曲条件によらずにランダムに決定されてもよいし、ユーザによって直接選択されてもよい。
【0067】
図3に戻り、決定された先頭楽曲は、次曲を選曲する際の基準となるn番目楽曲として設定される(ステップS102)。n番目楽曲が設定されると、n番目楽曲の楽曲情報が取得される(ステップS102)。楽曲情報としては、例えば楽曲のテンポ、拍位置、ジャンル等が挙げられる。楽曲情報は、楽曲データのメタデータ等から得られる情報であってもよいし、楽曲データの解析によって得られる情報であってもよい。また、複数種類の楽曲情報が取得されても構わない。
【0068】
n番目楽曲の楽曲情報が取得されると、取得された楽曲情報に基づいて複数の候補楽曲が抽出される(ステップS104)。例えば、楽曲情報としてテンポを利用する場合、n番目楽曲のテンポに対して、テンポが一定の範囲(例えば、±10%)内のテンポである楽曲が候補楽曲として抽出される。また、範囲内の楽曲が極端に少ない場合には、範囲を広げて(例えば、±15%として)再び抽出処理を行うようにしてもよい。
【0069】
図5に示すように、基準テンポは数値的な範囲として具体的に設定されてもよい。図に示す例ではテンポの下限値が120BPMに設定され、上限値が130BPMに設定されているため、テンポが120BPMから130BPMの範囲内である楽曲が候補楽曲として抽出される。
【0070】
再び
図3に戻り、複数の候補楽曲が抽出されると、選曲傾向が入力されているか否かが判定される(ステップS105)。ここでの選曲傾向とは、例えばプレイリストの進行における曲調の変動を時系列で示す速度シナリオ等のパラメータとしてユーザに設定される。なお、ここでの曲調とは、楽曲の調子を表すパラメータであり、例えば明るい楽曲又は暗い楽曲、激しい楽曲又は落ち着いた楽曲等のように各楽曲を分類可能とするパラメータである。曲調は、例えばテンポやジャンル等の楽曲情報に基づいて決定できる。
【0071】
図5において、速度シナリオは、例えば予め設定された複数のシナリオから、所望のシナリオを選択することで決定できる。例えば図に示すように、曲調が一定となるシナリオ、徐々に盛り上がるシナリオ、盛り上がった後落ち着くシナリオ、徐々に落ち着くシナリオ等が選択できる。このように選択的に速度シナリオを入力可能とすれば、ユーザが選曲傾向を入力する負担を効果的に低減できる。
【0072】
図6において、速度シナリオは、ユーザが自由に設定可能とされてもよい。具体的には、ユーザは、入力画面に曲調の盛り上がりを示す曲線を描くことで速度シナリオを決定する。なお、図に示す曲線は、縦軸が曲調の盛り上がり、横軸が時間を示している。このように速度シナリオを入力可能とすれば、ユーザが所望する選曲傾向をより詳細に設定することができ、極めて好適な選曲を実現することが可能となる。
【0073】
図3に戻り、上述した選曲傾向が入力されている場合(ステップS105:YES)、選曲傾向に基づいて、候補楽曲の中からn+1番目楽曲が選択される(ステップS106)。具体的には、速度シナリオで示された曲調の変化を実現するのに最も適した楽曲が選択される。一方で、選曲傾向が入力されていない場合(ステップS105:NO)、候補楽曲の中からランダムにn+1番目楽曲が選択される(ステップS107)。なお、ランダムにn+1番目楽曲を選択する場合であっても、選択対象が候補楽曲に限られているため、不適切な楽曲が選択されることはない。
【0074】
n+1番目楽曲が選択されると、選択された楽曲の総数が設定曲数(即ち、プレイリストに含まれるべき楽曲数)に達しているか否かが判定される(ステップS108)。ここで、総曲数が設定曲数に達していない場合(ステップS108:NO)、直前に選択されたn+1番目楽曲が新たなn番目楽曲に設定され(ステップS109)、ステップS103以降の処理が再び実行される。このようにすれば、選択されたn+1番目楽曲以降に再生される楽曲(即ち、n+2番目楽曲やn+3番目楽曲等)を順次決定できる。そして、総曲数が設定曲数に達すると(ステップS108:YES)、選択された複数の楽曲を含むプレイリストが作成される(ステップS110)。
【0075】
なお、上述した一連の処理は、典型的には楽曲が再生される前に行われるものであるが、楽曲の再生中に実行されても構わない。即ち、楽曲を再生しつつ、以降に再生される楽曲を適宜選択するような態様で実現されても構わない。
【0076】
以上のようにプレイリストを作成すれば、プレイリストに含まれる各楽曲を、直前に再生される楽曲の楽曲情報に基づいて決定できる。このため、プレイリストを利用して楽曲を再生する場合に、スムーズな楽曲の切り替わりを実現できる。具体的には、n番目楽曲の次に再生されるn+1番目楽曲は、n+1番目と楽曲情報が類似した楽曲として選択されているため、楽曲情報が大きく異なる楽曲への切り替わりが実行されることによる違和感を低減できる。
【0077】
また本実施例に係る音響機器装置100では、n番目楽曲からn+1番目楽曲への切り替わりが、クロスフェードを利用したミキシング処理によって実現される。具体的には、n番目楽曲がn+1番目楽曲に切り替わるミックス区間において、n番目楽曲がフェードアウトすると共に、n+1番目楽曲がフェードインするようにミックスされる。更に、n番目楽曲とn+1番目楽曲とは、拍位置が同期するようにミックスされる。このようにミキシング処理を実行して楽曲を切替える場合には特に、上述した楽曲の切り替わりタイミングにおける違和感を低減するという効果は顕著に発揮される。
【0078】
本実施例では更に、プレイリストに含まれる各楽曲が、原則として前曲の楽曲情報にのみ基づいて選曲される(即ち、原則として前曲の楽曲情報以外には拘束されずに選曲される)ため、プレイリスト全体で見た場合に、楽曲情報が互いに類似する楽曲ばかりが選曲されてしまうことを防止できる。よって、似たような楽曲ばかりが再生され、聴き手が飽きてしまうことを好適に防止できる。
【0079】
以上説明したように、本実施例に係る音響機器装置100によれば、楽曲のスムーズな切替えを実現すると共に、聴き手を飽きさせないプレイリストを作成することが可能である。
【0080】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うプレイリスト作成装置、音響機器装置、プレイリスト作成方法、及びプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。