特許第6205830号(P6205830)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205830
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】車両用照明装置及び灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20170925BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170925BHJP
【FI】
   F21S8/10 171
   F21S8/10 173
   F21S8/10 352
   F21S8/10 371
   F21S8/10 531
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-99656(P2013-99656)
(22)【出願日】2013年5月9日
(65)【公開番号】特開2014-220158(P2014-220158A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
(72)【発明者】
【氏名】土屋 竜二
(72)【発明者】
【氏名】畑中 登志浩
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/040280(WO,A2)
【文献】 特開2009−289749(JP,A)
【文献】 米国特許第04084215(US,A)
【文献】 特開2006−253099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の発光素子を有する発光部と、
前記発光部を保持する保持部と、
前記発光部からの光を導光し、前記発光部側と反対側の先端部から照射する円柱状のライトガイドと、
前記保持部に固定される第1固定部と、前記第1固定部よりも小径であり、先端部を露出させた状態で前記ライトガイドを内部に固定する円筒状の第2固定部とを有する蓋部と、
前記ライトガイドからの光が照射される照射対象物に対して車両用照明装置を取り付ける複数の取付部と、
を有し、
前記複数の取付部は、前記第2固定部の外周面から突出して形成され
前記ライトガイドの外周面は、前記第2固定部の内周面に接して配置され、
前記ライトガイドの外径D1と、前記第2固定部の外径D2との比D1/D2は、
0.1≦D1/D2≦0.9 …(1)
を満たす車両用照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用照明装置において、
前記ライトガイドの前記先端部には、凹部が形成されている車両用照明装置。
【請求項3】
請求項に記載の車両用照明装置において、
前記凹部は、凹部表面に反射材料あるいは散乱材料が密接している車両用照明装置。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1つに記載の車両用照明装置において、
前記ライトガイドが固定された前記蓋部は、前記保持部に対して着脱可能である車両用照明装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用照明装置を備えたことを特徴とする灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置及び灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を光源とした車両用照明装置は、フロントコンビネーションライトやリアコンビネーションライトに用いられている。発光素子を照明装置として用いる場合は、発光素子の熱対策が重要な項目となる。発光素子は、素子自体の温度上昇に伴い発光効率が低下する特性を有しているためである。特に、車両用照明装置では、車載のため、−40℃の低温環境から85℃の高温環境までの使用環境下で機能を維持することが要求されており、高温環境下での熱対策が重要となる。また、車両用照明装置では、小型化が要求されているため、放熱面積を十分に確保することができないため、熱対策がさらに重要となる。また、基板実装可能にすでにユニット化された複数のLEDユニットをプリント基板に単に実装するとプリント基板が大きくなり、車両用照明装置の大型化が避けられない。ところで、照明装置では、発光素子からの光を導光するライトガイドを有するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−249348号公報
【特許文献2】特開2010−129300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱対策や大きなプリント基板を内部に収容することを考慮すると車両用照明装置の小型化が図れず、結果として車両用照明装置の外径が大きくなる。車両用照明装置からの光が照射される例えば灯具に対して車両用照明装置を取り付ける取付部は、車両用照明装置の外周面に設けられている。この場合、取付部は、車両用照明装置の径に応じて外径が大きくなる。ここで、通常、灯具に車両用照明装置を取り付ける場合は、車両用照明装置の一部を灯具内に突出させるため、灯具には車両用照明装置を挿入する挿入口が形成されている。取付部は、挿入口近傍において、灯具に取り付けられるため、挿入口は車両用照明装置の外径に合わせて大きくなる。従って、車両用照明装置の径が大きくなると、灯具外部から車両用照明装置を正面に見た場合、発光素子のように光を照射する発光領域に対して光を照射しない非発光領域が占める割合が大きくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、正面から見た場合に発光領域に対する非発光領域が占める割合を小さくすることができる車両用照明装置及び灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の車両用照明装置は、発光部と、保持部と、ライトガイドと、蓋部と、取付部とを有する。発光部は、1以上の発光素子を有する。保持部は、発光部を保持する。ライトガイドは、発光部からの光を導光し、発光部側と反対側の先端部から照射する。蓋部は、保持部に固定される第1固定部と、第1固定部よりも小径であり、先端部を露出させた状態でライトガイドを内部に固定する第2固定部とを有する。取付部は、ライトガイドからの光が照射される照射対象物に対して車両用照明装置を取り付けるものであり、第2固定部に形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、正面から見た場合に発光領域に対する非発光領域が占める割合を小さくすることができる車両用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1の車両用照明装置と灯具との関係を示す図である。
図2図2は、実施形態1の車両用照明装置を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態1の車両用照明装置の配光特性を示す図である。
図4図4は、実施形態2の車両用照明装置を示す図である。
図5図5は、実施形態2の車両用照明装置の配光特性を示す図である。
図6図6は、実施形態2の車両用照明装置の変形例1を示す図である。
図7図7は、実施形態2の車両用照明装置の変形例2を示す図である。
図8図8は、実施形態2の車両用照明装置の変形例3を示す図である。
図9図9は、実施形態2の車両用照明装置の変形例4を示す図である。
図10図10は、実施形態3の車両用照明装置を示す図である。
図11図11は、実施形態3の車両用照明装置の配光特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る車両用照明装置1−1〜1−3は、発光部2と、保持部3と、ライトガイド4と、蓋部5と、取付部6とを有する。発光部2は、1以上の発光素子21を有する。保持部3は、発光部2を保持する。ライトガイド4は、発光部2からの光を導光し、発光部2側と反対側の先端部4aから照射する。蓋部5は、保持部3に固定される第1固定部51と、第1固定部51よりも小径であり、先端部4aを露出させた状態でライトガイド4を内部に固定する第2固定部52とを有する。取付部6は、ライトガイド4からの光が照射される照射対象物(灯具)100に対して車両用照明装置1−1〜1−3を取り付けるものであり、第2固定部52に形成されている。
【0010】
また、以下に説明する実施形態に係る車両用照明装置1−1〜1−3は、ライトガイド4は、円柱形状であり、ライトガイド4の外径D1と、第2固定部52の外径D2と比D1/D2の関係は、0.1≦D1/D2≦0.9である。
【0011】
また、以下に説明する実施形態に係る車両用照明装置1−1,1−2は、ライトガイド4の先端部4aには、凹部41が形成されている。
【0012】
また、以下に説明する実施形態に係る車両用照明装置1−2は、凹部41は、凹部表面41aに反射材料42〜44あるいは散乱材料が密接している。
【0013】
また、以下に説明する実施形態に係る車両用照明装置1−1〜1−3からは、ライトガイド4が固定された蓋部5は、保持部3に対して着脱可能である。
【0014】
〔実施形態1〕
図1図3を参照して、実施形態を説明する。図1は、実施形態の車両用照明装置と灯具との関係を示す図である。図2は、実施形態の車両用照明装置を示す斜視図である。図3は、実施形態の車両用照明装置の配光特性を示す図である。なお、図3図5および図11も同様)は、径方向の軸が車両用照明装置から照射された光の強度(外側に向かって光の強度が強くなる)、円周方向の軸が照射角度であり、同図に示す実線は水平面における配光特性を示すものであり、同図に示す一点鎖線は水平面と直交する垂直面における配光特性を示すものであり、紙面上方が発光方向である。
【0015】
本実施形態の車両用照明装置1−1は、車両のエクステリア、あるいはインテリアにおいて用いられる車両用照明装置であり、例えば、フロントコンビネーションライト、リアコンビネーションライトなどを構成するストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、フォグランプである。図1に示すように、車両用照明装置1−1は、本実施形態では、灯具100に光を照射するものである。車両用照明装置1−1は、発光部2と、保持部3と、ライトガイド4と、蓋部5と、取付部6とを含んで構成されている。車両用照明装置1−1は、発光部2および保持部3が蓋部5に収納され、ライトガイド4が蓋部5に固定されている。本実施形態では、灯具100には、1つの車両用照明装置1−1が装着されているがこれに限定されるものではなく、2以上の車両用照明装置1−1が装着されていてもよい。
【0016】
ここで、灯具100は、照射対象物であり、車両用照明装置1−1から照射、すなわちライトガイド4から照射された光を所定の配光で外部、本実施形態では、図示しない車両外部に放射するものである。灯具100は、リフレクタ101と、レンズ102と、受け部103を含んで構成されている。ここで、灯具100は、レンズ102が車両外部に露出しており、リフレクタ101および車両用照明装置1−1が車両内部に配置されている。
【0017】
リフレクタ101は、凹状に形成されており、車両用照明装置1−1を囲繞して配置されている。リフレクタ101は、通常樹脂材料で形成され、内周面にアルミニウムなどの反射材料により反射層が形成されることで、リフレクタ101の内周面が反射面(鏡面)として形成されている。リフレクタ101は、車両用照明装置1−1を内部に露出させるための挿入口104が形成されている。なお、リフレクタ101の挿入口104には、蓋部5の後述する第2固定部52の一部が挿入され、リフレクタ101と車両用照明装置1−1との間が図示しないパッキンによりシールされている。
【0018】
レンズ102は、透過性を有する材料、本実施形態では、例えば、無色透明な樹脂材料、ガラスなどで形成されたクリアレンズであり、リフレクタ101の内部を閉塞するものである。レンズ102が透過性を有しているので、車両用照明装置1−1から放射された光、リフレクタ101の反射面で反射した光などは、レンズ102を透過して、灯具100の外部に照射、すなわち車両外部に照射される。
【0019】
受け部103は、車両用照明装置1−1の取付部6が係合されることで、灯具100に対して車両用照明装置1−1を支持、固定するものである。受け部103は、挿入口104のレンズ102側と反対側に突出して形成されており、取付部6が挿入される空間部103aが形成されている。受け部103は、後述する取付部6の個数に対応した個数形成され、挿入口104の周囲に配置されている。隣り合う受け部103の間隔は、取付部6が車両用照明装置1−1の軸方向に挿入することができるように設定されている。また、受け部103の周方向の側面のうち一方の側面には、空間部103aと連通する図示しない開口が形成されている。
【0020】
発光部2は、光を照射するものであり、例えば放熱性の基板22に実装された発光素子21を有する。発光素子21は、LED、LDなどの光を照射する半導体素子であり、1個以上、本実施形態では複数個が直列あるいは並列に基板22に直接実装されている。各発光素子21は、図1示すように、ワイヤ23を介して基板22と電気的に接続されている。発光部2は、発光素子21からの光を反射するリフレクタ24がすべての発光素子21を囲うように設けられている。リフレクタ24は、内周面が基板22側からライトガイド4側に向かって拡幅する傾斜面24aを有する。発光部2は、発光素子21の損傷およびワイヤ23の切断の防止を目的として、リフレクタ24によりできた空間部、すなわち、発光素子21を収容する発光容器に透過性を有する樹脂25を充填することで、発光素子21が樹脂封止されている。従って、複数の発光素子21をリフレクタ24内に収容するので、基板実装可能にすでにユニット化された複数のLEDユニットをプリント基板に実装する場合と比較して、光源を小さくすることができ、基板の小型化を図ることができる。基板22は、発光素子21を実装する実装用基板であるとともに発光部2に電力を供給する駆動回路を実装する駆動用基板でもある。基板22は、ライトガイド4側が部品配置面であり、上記各発光素子21、リフレクタ24や各発光素子21を制御する図示しない制御素子が実装されている。基板22は、部品配置面と反対側が放熱面であり、本実施形態では、保持部3のマウント31に当接した状態で固定されている。また、基板22は、熱伝導率の高い金属やセラミックスなど発光素子21が発生する熱移動が容易な材料で形成されている絶縁基板である。基板22は、図示しない給電部材と接続されており、車両用照明装置1−1の外部に設けられた図示しない外部電源と電気的に接続され、各発光素子21に給電部材を介して外部電源の電力が供給される。なお、各発光素子21と給電部材との接続は、並列あるいは直列のいずれであってもよい。
【0021】
保持部3は、発光部2を保持するものであり、発光部2からの熱を放熱する放熱部材でもある。保持部3のうち、発光部2が載置されるマウント31を含む本体部32は、樹脂材料で構成されており、本実施形態では、放熱性を向上させるために、図1に示すように、金属を材料として形成されたヒートシンク33が樹脂材料で構成された本体部32に取り付けられている。ヒートシンク33は、保持部3の外部に対する表面積を拡大するものであるので、放熱面積が向上し、放熱効果が向上する。なお、保持部3の本体部32とヒートシンク33は、放射性の高い樹脂などに一体的に成形された構成でもよい。
【0022】
ライトガイド4は、発光部2からの光を導光して、灯具100に照射するものである。ライトガイド4は、円柱状に形成されており、発光部2側と反対側の先端部4aから導光された発光部2からの光が放射される。ライトガイド4は、例えば、透明なアクリル樹脂、ガラス、ポリカーボネートなどの光線透過率の高い材料により形成されている。ライトガイド4は、軸方向において先端部4aと反対側が発光部2と対向して配置されている。ライトガイド4は、発光部2からの光の全部あるいは大部分を導光するために、発光部2と接触あるいは若干の隙間をもって光学的に接続されている。つまり、発光部2からの光は、ライトガイド4の発光部2側の端部から入射され、ライトガイド4内を全反射しながら先端部4aから外部、すなわち灯具100内に照射される。
【0023】
ここで、ライトガイド4は、先端部4aに凹部41が形成されている。凹部41は、例えば円錐台状(ライトガイド4の軸を含む平面における断面形状では、先端部4aに向かって裾広がりとなる台形)に形成されており、外部に連通する空間部である。従って、凹部41を形成するライトガイド4と外部との境界面である凹部表面41aのうち、軸方向に対して傾斜している部分に入射した光は、発光方向に集光される。本実施形態におけるライトガイド4は、アクリルなどの透明樹脂材料で外径が9mm、高さが24mmの円柱状に形成され、凹部41は、先端部4aにおける直径が9mm、深さが5mm、底面(ライトガイド4の内部の端部)における直径が4mmの円錐台状に形成されている。
【0024】
蓋部5は、保持部3およびライトガイド4を固定するものであり、第1固定部51と、第2固定部52と、貫通穴53とを含んで構成されている。第1固定部51は、保持部3に固定されるものであり、有底円筒状に形成されている。第1固定部51は、保持部3とともに、発光部2を外部に対して閉塞するものである。第1固定部51は、内部で貫通穴53と連通しており、本実施形態では、第1固定部51が保持部3の本体部32に固定されると、発光部2の一部が貫通穴53に挿入された状態となる。従って、第1固定部51と保持部3との間に、発光部2からの光が照射されることを抑制することができる。第1固定部51は、弾性を有する材料で構成された図示しないパッキンを介して保持部3に固定されている。つまり、蓋部5の保持部3に固定されている部分から外部の雰囲気が侵入することをパッキンにより防止することができる。なお、第1固定部51は、ヒートシンク33が第1固定部51よりも外部に突出するように、本体部32に固定される。第2固定部52は、ライトガイド4を内部に固定するものである。第2固定部52は、円筒形状であり、内部に貫通穴53が形成されている。ここで、第2固定部52の外径D2は、第1固定部51の外径D3よりも小さく設定されている。第2固定部52の外径D2は、取付部6により車両用照明装置1−1が灯具100に取り付けられた際に、車両の走行や灯具100に対する車両用照明装置1−1の取り付け時あるいは取り外し時の外力に十分耐えうることを前提に、ライトガイド4の外径D1に接近する極力小径であることが好ましい。第2固定部52は、先端部4aが露出した状態で貫通穴53に挿入されたライトガイド4を固定する。ここで、ライトガイド4の固定方法は、特に限定されるものではなく、係合手段や、締結手段などの機械的な固定手段や、接着などの化学的な固定手段のいずれであってもよい。
【0025】
ここで、ライトガイド4の外径D1と第2固定部52の外径D2との比D1/D2は、0.1≦D1/D2≦0.9の関係である。比D1/D2が0.1未満であると、非発光領域が占める割合が大きくデザイン性を損なうことになる。一方、比D1/D2が0.9を超えると、取付部6の強度が低下し、振動・衝撃による破損が発生することになる。
【0026】
取付部6は、照射対象物である灯具100に対して車両用照明装置1−1を取り付けるものである。取付部6は、第2固定部52に形成されており、受け部103に係合されるものである。取付部6は、本実施形態では、第2固定部52の周方向に複数個形成されている。ここで、取付部6による車両用照明装置1−1の灯具100に対する取り付けは、まず、レンズ102側と反対側からライトガイド4の先端部4aを挿入口104に挿入しつつ、各取付部6を周方向において各受け部103と対向するまで第2固定部52を挿入口104に挿入する。次に、車両用照明装置1−1を灯具100に対して軸回りに回転させ、各取付部6を開口から各空間部103aに挿入することで、各取付部6を各受け部103に係合させる。これにより、車両用照明装置1−1は、灯具100に対して、ライトガイド4の先端部4aが灯具100の内部に露出した状態で取り付けられる。
【0027】
次に、車両用照明装置1−1の動作について説明する。車両用照明装置1−1は、上述のように灯具100に固定され、給電部材が外部電源と電気的に接続される。外部電源から電力の供給が開始されると、給電部材を介して基板22に供給された外部電源からの電力は、各発光素子21が供給された電力により発光することで発光部2が発光する。発光部2から照射された光は、貫通穴53内で、発光部2と対向する端面からライトガイド4に照射される。ライトガイド4内を導光された光は、先端部4aから灯具100内に照射され、灯具100内からレンズ102を透過して外部、すなわち車両外部に照射される。
【0028】
ここで、車両用照明装置1−1から照射された光の配光特性は、図3に示すように、車両用照明装置1−1から、すなわちライトガイド4の先端部4aから発光方向に向かって集光するように光が放射されている。特に、発光方向に放射される光の強度が最も強くなっている。従って、車両用照明装置1−1は、ライトガイド4に、凹部41を形成することで、発光方向への指向性が強い配光特性を得ることができる。つまり、ライトガイド4に凹部41を形成することで、凹部41が形成されていないライトガイド4に対して、光の指向性を調整でき、所望の配光特性を得ることができる。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る車両用照明装置1−1は、先端部4aを露出させた状態でライトガイド4を固定した第2固定部52の外径D2が第1固定部51の外径D3よりも小さく、第2固定部52に形成された取付部6により灯具100に対して車両用照明装置1−1が取り付けられるので、取付部6の外径を小さくすることができ、灯具100の車両用照明装置1−1を突出させる挿入口104の径を小さくすることができる。また、車両用照明装置1−1のうち、灯具100に露出している部分は、ライトガイド4および第2固定部52となる。つまり、灯具100から第1固定部51が視認できないようにすることができる。従って、車両用照明装置1−1を正面から見た場合において、発光領域となるライトガイド4に対する非発光領域となる蓋部5が占める割合を小さくすることができる。これにより、灯具100の外部から車両用照明装置1−1を見た場合に、蓋部5が目立つことを抑制することができ、灯具100のデザイン性に対する非発光領域の影響を小さくすることができる。
【0030】
また、灯具100に取り付けられる取付部6が形成された第2固定部52とライトガイド4は別部材であるため、第2固定部52に対するライトガイド4の軸方向における固定位置を変更することができる。従って、灯具100に対するライトガイド4の先端部4aの高さを変更することができるため、灯具100に対する車両用照明装置1−1の配光特性を任意に変更することができる。
【0031】
また、発光部2を灯具100に対して離間できるので、車両用照明装置1−1が放熱の熱によって灯具100が例えば熱変形などの影響を受けることを抑制することができるとともに、熱のこもりやすい灯具100の内部に車両用照明装置1−1から放熱されることを抑制できるので、車両用照明装置1−1を灯具100に取り付けることで放熱性が低下することを抑制することができる。また、基板22などの形状で決まる第1固定部51の形状と比較して、第2固定部52は取付部6が形成でき、内部にライトガイド4が固定できれば、形状の制限はないので、非発光領域の形状、すなわち灯具100の外部から車両用照明装置1−1を見た場合に第2固定部52の形状は適時選択することができるので、車両用照明装置1−1のデザイン性を向上することができる。
【0032】
なお、上記実施形態1では、円錐台状の凹部41について説明したが、凹部41の形状はこれに限定されるものではなく、有底円筒状(例えば、底面は水平)、円錐状や楕円錐状やなどに形成されていてもよい。また、凹部41は、断面形状における外周線が直線、曲線いずれであってもよい。また、ライトガイド4の先端部4aの外周面は、例えば先端部4a側から発光部2側に向かって裾広がり、すなわちテーパー状に形成されていてもよい。
【0033】
また、上記実施形態1では、凹部41の凹部表面41aは、粗面で形成されていてもよい。例えば、凹部表面41aは、表面粗さRaが0.2以上と、凹部表面41aが荒くなるように形成されている。従って、凹部表面41aに入射する光は、凹部表面41aが粗面であることで、散乱されて凹部表面41aから外部に放射されるので、配光特性を凹部表面41aが粗面で形成されていない場合の配光特性と異ならせることができる。例えば、配光特性を白熱電球状とすることができる。
【0034】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2について説明する。図4は、実施形態2の車両用照明装置を示す図である。図5は、実施形態2の車両用照明装置の配光特性を示す図である。実施形態2に係る車両用照明装置1−2の基本的構成は、実施形態1に係る車両用照明装置1−1と同様であるためその説明は省略あるいは簡略化する(実施形態3についても同様)。図4に示す車両用照明装置1−2が車両用照明装置1−1と異なる点は、凹部41の凹部表面41aに反射材料42が密接している点である。
【0035】
ライトガイド4の凹部41は、円錐状であり、凹部41内に反射材料42を充填することで、凹部表面41aに反射材料42を密接している。反射材料42は、例えば、ライトガイド4を形成する材料と同じ材料を母材として反射材料(酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの白色粒子など)を含んだ材料である。なお、ライトガイド4に対して反射材料42からなる充填部は、一体成型されていても、別部材で光学的に接続されていてもよい。反射材料42は、ライトガイド4から反射材料42に入射した光をライトガイド4内に反射する。従って、反射材料42からライトガイド4の外部に光が放射することが抑制される。本実施形態におけるライトガイド4は、アクリルなどの透明樹脂材料で外径が9mm、高さが24mmの円柱状に形成され、凹部41は、先端部4aにおける直径が9mm、深さが5mmの円錐状に形成されている。
【0036】
ここで、車両用照明装置1−2から照射された光の配光特性は、図5に示すように、車両用照明装置1−2、すなわちライトガイド4の先端部4aから発光方向に放射される光はほとんどなく、ライトガイド4の外周から放射される光が大部分となり、特にライトガイド4の先端部4aよりも斜め後ろ(発光部2側でかつライトガイド4の半径方向外側)に光が放射される。従って、車両用照明装置1−2は、凹部表面41aに反射材料42が密接するように、凹部41に反射材料42を充填することで、発光方向と直交する側方や反対方向である後方への指向性が強い配光特性を得ることができる。つまり、ライトガイド4の凹部表面41aに反射材料42を密接させることで、凹部41のみが形成されているライトガイド4に対して、光の指向性を調整でき、所望の配光特性を得ることができる。
【0037】
また、上記実施形態2では、反射材料42を凹部41に充填したがこれに限定されるものではない。図6は、実施形態2の車両用照明装置の変形例1を示す図である。図7は、実施形態2の車両用照明装置の変形例2を示す図である。例えば、図6に示すように、シート状部材に形成された反射材料43を、凹部41の凹部表面41aに透明な接着剤などにより接着することで反射材料44を凹部表面41aに密接させてもよい。また、例えば、図7に示すように、液状あるいはペースト状の反射材料43を凹部41の凹部表面41aに塗布あるいは塗装し、乾燥させることで、凹部41のすべてを埋めないで、反射材料43を凹部表面41aに密接させてもよい。
【0038】
また、上記実施形態2では、反射材料42〜44を凹部表面41aに密接させたが散乱材料を凹部表面41aに密接してもよい。散乱材料は、例えば、ライトガイド4を形成する材料と同じ材料を母材として散乱材料(酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの散乱粉末など)を含んだ材料である。散乱材料を凹部表面41aに密接させた場合は、凹部表面41aを介して散乱材料に入射する光は、散乱されて凹部41から外部に放射されるので、配光特性を凹部表面41aが粗面で形成されていない場合の配光特性と異ならせることができる。図8は、実施形態2の車両用照明装置の変形例3を示す図である。図9は、実施形態2の車両用照明装置の変形例4を示す図である。例えば、図8に示すように、円錐台状の凹部41に散乱材料45を充填して、散乱材料45を凹部表面41aに密接させてもよい。この場合は、配光特性を全周囲に広げる配光とすることができる。例えば、図9に示すように、有底円筒状の凹部41に散乱材料46を充填して、散乱材料46を凹部表面41aに密接させてもよい。この場合は、配光特性をライトガイド4の先端部4aから発光方向に拡散しながら放射される配光とすることができる。なお、同図におけるライトガイド4は、アクリルなどの透明樹脂材料で外径が9mm、高さが24mmの円柱状に形成され、凹部41は先端部4aにおける直径が2.5mm、深さが5mmの円筒状に形成されている。
【0039】
〔実施形態3〕
次に、実施形態3について説明する。図10は、実施形態3の車両用照明装置を示す図である。図11は、実施形態3の車両用照明装置の配光特性を示す図である。図10に示す車両用照明装置1−3が車両用照明装置1−1と異なる点は、ライトガイド4に凹部41が形成されていない点である。
【0040】
ライトガイド4の先端部4aは、平面に形成されているため、ライトガイド4を導光された光が光路を変更されずそのまま外部に放射される。従って、車両用照明装置1−3から照射された光の配光特性は、図11に示すように、車両用照明装置1−3、すなわちライトガイド4の先端部4aから発光方向に拡散しながら放射されるが、特に発光方向の光の強度が発光方向周囲の光の強度よりも低くなる。
【0041】
車両用照明装置1−3は、例えば、灯具100に光を直接照射する場合のみならず、例えば図示しない灯具側導光体を介して照射する場合に適用することができる。灯具100に間接的に光を照射させる場合では、車両用照明装置1−3の配光特性は、光学的に接続される灯具側導光体から放射される光と同様の配光特性が好ましいので、灯具側導光体と同様の機能をするライトガイド4から放射される光の配光特性を変更せずそのまま灯具側導光体に入射させる。これにより、車両用照明装置1−1,1−2の配光特性のように、想定される配光特性(車両用照明装置1−3の配光特性)と異なるものを適用することで、灯具側導光体から放射される光の配光特性が所望の配光特性と異なることを抑制することができる。
【0042】
なお、上記実施形態1〜3においては、ライトガイド4が固定されている蓋部5は、保持部3に対して着脱可能であってもよい。この場合、各実施形態(変形例)に対応する種類の異なるライトガイド4を蓋部5に予め固定することで予めユニット化する。一方、発光部2を保持部3に保持することで予めユニット化する。そして、取り付ける灯具100(照射対象物)に応じて要求される車両用照明装置1−1〜1−3の配光特性にあったライトガイド4および蓋部5のユニットを選択し、発光部2および保持部3のユニットに装着する。これにより、ライトガイド4および蓋部5のユニットを発光部2および保持部3のユニットに対して選択・交換することで、所望の配光特性の車両用照明装置1−1〜1−3を提供することができる。
【0043】
また、上記実施形態1〜3では、基板22が実装用基板と駆動用基板として機能したが、実装用基板および駆動用基板は別個であってもよい。この場合、駆動用基板は、各発光素子21などの発熱量の多い部品が実装されていないことから熱移動を重視することがないため、紙フェノール、紙エポキシ、ガラスエポキシなどの安価な材料で形成されている絶縁基板とすることができる。
【0044】
また、上記実施形態1〜3のライトガイド4は、円柱状に形成されており、その寸法は、外径が5mm〜20mm、高さのうち、蓋部5から突出している部分が0mm〜50mm、貫通穴53内に挿入されている部分が1mm〜30mmの範囲となるように形成されている。また、ライトガイド4に凹部41が形成されている場合は、円錐台状、円錐状あるいは円筒状に形成されており、その寸法は、先端部4aにおける直径が2mm〜19mm(ライトガイド4の外径を超えない)、深さが1mm〜40mm(ライトガイド4の高さを超えない)、底面(ライトガイド4の内部の端部)における直径が0mm〜19mm(ライトガイド4の外径を超えない)の範囲となるように形成されている。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1−1〜1−3 車両用照明装置
2 発光部
21 発光素子
3 保持部
4 ライトガイド
4a 先端部
41 凹部
42〜44 反射材料
5 蓋部
51 第1固定部
52 第2固定部
6 取付部
100 灯具
図1
図2
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図4
図5
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図10
図11