(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリーズレギュレータはスイッチングレギュレータに比べ、低価格でノイズも少なく、安定性も良い。しかし、その一方で、電圧変換の際に入出力電流がほぼ同じとなるため、入出力間の電位差が大きいときには損失が増え、消費電力が大きくなるという不利な面も有している。これに対し、スイッチングレギュレータは、スイッチング制御が必要である反面、低損失で高効率な電圧安定化が可能である。
【0005】
照明装置において光源を点灯させる点灯装置においても、シリーズレギュレータとスイッチングレギュレータとを併用する場合がある。これらのレギュレータは、交流電源電圧、PFC(力率改善)出力電圧、あるいは半導体発光素子の出力電圧などの高電圧を降下させて、コンバータ制御用ICの制御電源電圧(30V以下)およびスタンバイモード時動作用ICの電源電圧を生成する際に用いられる。スタンバイモード時動作用ICは、点灯装置が備えるコンバータ非動作中(スタンバイ)のときに待機し、外部からの点灯オン指示があるとこれらのコンバータの動作を開始させるという役割を担っている。
【0006】
コンバータ制御用ICの制御電源電圧(例えば30V以下)を生成する際には、高電圧から制御電源電圧(例えば30V以下)へと電圧を降下させる。この程度に大きな幅で電圧を降下させるには、シリーズレギュレータでは損失が大きくなりすぎてしまうので、スイッチングレギュレータを用いることが好ましい。
【0007】
一方、スタンバイモード時動作用ICの電源電圧は例えば5V以下程度であり、コンバータ制御用ICの制御電源電圧よりもさらに低い。そこで、スイッチングレギュレータからさらに電圧を降下させて電源電圧を生成することが必要となる。この程度の幅で電圧を降下させるのであればシリーズレギュレータを用いても弊害が少なく、低価格や安定性といった利点を得ることもできる。従って、スタンバイモード時動作用ICには、スイッチングレギュレータからシリーズレギュレータを経由された電源が用いられることが多い。
【0008】
しかしながら、上述したように、シリーズレギュレータは入出力電流がほぼ同じとなるという特性を持っている。これに起因して、スイッチングレギュレータからシリーズレギュレータを経由された電源が用いられるときにシリーズレギュレータの入出力間の電位差が大きいほど電力損失が増えてしまい、スタンバイモード時の消費電力、すなわち待機電力が大きくなってしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、待機電力を低減した点灯装置および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる点灯装置は、
制御回路とスイッチング素子を備え、前記制御回路が前記スイッチング素子を制御して主電源から所定の直流電圧を生成
し、前記所定の直流電圧から生成した直流電流を半導体発光素子に供給する
ための点灯用コンバータと、
前記
点灯用コンバータからの電圧を降圧して出力電圧を出力し、前記出力電圧を第1電圧と前記第1電圧より低い第2電圧の間で可変な
制御電源スイッチングレギュレータと、
前記制御回路と前記
制御電源スイッチングレギュレータとの間に介在し、オン状態で前記制御回路に前記出力電圧を供給し、オフ状態で前記制御回路への電源供給を遮断する制御電源スイッチと、
前記制御電源スイッチを介さずに前記
制御電源スイッチングレギュレータから前記出力電圧を受け、前記出力電圧をマイコン用電圧に降圧する
制御電源シリーズレギュレータと、
前記マイコン用電圧を受けて動作し、点灯オンオフを指示する点灯信号がオンのとき前記制御電源スイッチをオンとし且つ前記第1電圧を出力するように前記
制御電源スイッチングレギュレータを制御し、前記点灯信号がオフのとき前記制御電源スイッチをオフとし且つ前記第2電圧を出力するように前記
制御電源スイッチングレギュレータを制御するマイクロコンピュータと、
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる照明装置は、
半導体発光素子を含む光源と、
前記半導体発光素子に電流を供給する点灯装置と、
を備え、
前記点灯装置は、
制御回路とスイッチング素子を備え、前記制御回路が前記スイッチング素子を制御して主電源から所定の直流電圧を生成
し、前記所定の直流電圧から生成した直流電流を前記半導体発光素子に供給する
点灯用コンバータと、
前記
点灯用コンバータからの電圧を降圧して出力電圧を出力し、前記出力電圧を第1電圧と前記第1電圧より低い第2電圧の間で可変な
制御電源スイッチングレギュレータと、
前記制御回路と前記
制御電源スイッチングレギュレータとの間に介在し、オン状態で前記制御回路に前記出力電圧を供給し、オフ状態で前記制御回路への電源供給を遮断する制御電源スイッチと、
前記制御電源スイッチを介さずに前記
制御電源スイッチングレギュレータから前記出力電圧を受け、前記出力電圧をマイコン用電圧に降圧する
制御電源シリーズレギュレータと、
前記マイコン用電圧を受けて動作し、点灯オンオフを指示する点灯信号がオンのとき前記制御電源スイッチをオンとし且つ前記第1電圧を出力するように前記
制御電源スイッチングレギュレータを制御し、前記点灯信号がオフのとき前記制御電源スイッチをオフとし且つ前記第2電圧を出力するように前記
制御電源スイッチングレギュレータを制御するマイクロコンピュータと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる点灯装置および照明装置によれば、待機電力を減少させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
[実施の形態1の装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる点灯装置100および照明装置200の構成を説明するための図である。照明装置200は、点灯装置100およびこれと接続する光源110を備えている。光源110の内部には直列に接続した複数の発光ダイオード37が設けられており、点灯装置100からの電流供給を受けて発光ダイオード37が発光する。
【0015】
図1に示すように、点灯装置100は、ブリッジ整流器12と、力率改善型昇圧コンバータ回路20と、定電流型の降圧コンバータ回路30を備える。
【0016】
ブリッジ整流器12は、商用交流電源11の交流を全波整流して力率改善型昇圧コンバータ回路20に供給する。
【0017】
力率改善型昇圧コンバータ回路20は、制御IC21、スイッチング素子であるFET22、インダクタ23、スイッチングダイオード24、平滑コンデンサ25、26、電流検出抵抗27、および出力電圧検出抵抗28、29を備えている。FET22、インダクタ23、スイッチングダイオード24、平滑コンデンサ25、26により昇圧チョッパ回路が形成されている。
【0018】
制御IC21がFET22のゲートに制御信号を送りスイッチング制御を実施することで、ブリッジ整流器12で全波整流された電源から、力率改善制御をしながら昇圧した直流電源電圧Vdcを生成することができる。電流検出抵抗27は、制御IC21のカレントセンス端子CSと接続する。出力電圧検出抵抗28、29は、2つの抵抗が直列接続した分圧回路であり、分圧した電圧が制御IC21のフィードバック端子FB1に入力される。
【0019】
定電流型の降圧コンバータ回路30は、制御IC31、スイッチング素子であるFET32、インダクタ33、スイッチングダイオード34、平滑コンデンサ35、および電流検出抵抗36を備えている。FET32、インダクタ33、スイッチングダイオード34、平滑コンデンサ35により、降圧チョッパ回路が形成されている。
【0020】
制御IC31がFET32のゲートに制御信号を送りスイッチング制御を実施する。これにより、負荷である光源110の発光ダイオード37に対して、力率改善型昇圧コンバータ回路20により得られた直流電源電圧Vdcから定電流制御された直流電源を供給することができる。なお、抵抗36が光源110に直列に接続しており、抵抗36と光源110の間の電圧が制御IC31のフィードバック端子FB2に入力される。
【0021】
以上のように、力率改善型昇圧コンバータ回路20および定電流型の降圧コンバータ回路30は、制御IC21および制御IC31とスイッチング素子を備え、制御IC21および制御IC31がスイッチング素子を制御して商用交流電源11から所定の直流電圧を生成する。
【0022】
図1に示すように、点灯装置100は、スイッチングレギュレータ40と、シリーズレギュレータ50と、パワーマネジメント(PM)回路60と、制御電源スイッチ70と、点灯操作デバイス80を備えている。
【0023】
スイッチングレギュレータ40の入力端子は、力率改善型昇圧コンバータ回路20におけるスイッチングダイオード24のカソード側に接続している。これにより、直流電源電圧Vdcがスイッチングレギュレータ40に入力される。スイッチングレギュレータ40は、直流電源電圧Vdcを降圧して、制御電源電圧VCC1を出力する。
【0024】
後述するようにマイクロコンピュータ61が抵抗48に対する抵抗63の並列接続の有無を切り替えることで、スイッチングレギュレータ40は制御電源電圧VCC1を「第1電圧」と「第2電圧」との間で切り替えることができる。
【0025】
「第1電圧」は、具体的には、本実施の形態では、力率改善型昇圧コンバータ回路20および降圧コンバータ回路30を作動させるときに制御IC21および制御IC31が必要とする電圧である。「第1電圧」は、本実施の形態では、20V程度の電圧とする。「第2電圧」は第1電圧よりも低い電圧であり、後述するパワーマネジメント回路60が備えるマイクロコンピュータ61に対してスタンバイ時に電源電圧を供給する観点から定めた電圧である。「第2電圧」は、本実施の形態では、5Vに数Vをプラスした程度の電圧とする。
【0026】
スイッチングレギュレータ40、シリーズレギュレータ50、および制御電源スイッチ70は、共通の配線で接続している。この共通配線における分岐点Pにおいて、スイッチングレギュレータ40の出力する電圧は、シリーズレギュレータ50側と制御電源スイッチ70側にそれぞれ供給される。
【0027】
シリーズレギュレータ50の入力端子には、スイッチングレギュレータ40が出力する出力電圧(つまり制御電源電圧VCC1)が入力される。シリーズレギュレータ50は、パワーマネジメント回路60と接続しており、制御電源電圧VCC1を降圧してマイコン用電圧VCC3を生成し、パワーマネジメント回路60内のマイクロコンピュータ61へと供給する。
【0028】
制御電源スイッチ70は、制御IC21および制御IC31とスイッチングレギュレータ40との間に介在している。制御電源スイッチ70は、オン状態で制御IC21および制御IC31に制御電源電圧VCC1を供給する。制御電源スイッチ70は、オフ状態で制御IC21および制御IC31への電源供給を遮断する。制御電源スイッチ70により、点灯装置100を作動させる作動モードと点灯装置100を非作動とするスタンバイモードとを切り替えることができる。
【0029】
点灯操作デバイス80は、ユーザが点灯消灯の操作をするデバイスであり、具体例としてはリモートコントローラや壁スイッチ等である。点灯操作デバイス80は、ユーザの操作を受けて、点灯装置100の作動とスタンバイ(停止)とを切り替えるための点灯信号S
ON/OFFをパワーマネジメント回路60に無線又は有線で送信する。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態1にかかる点灯装置100および照明装置200の構成を説明するための図である。
図2は、
図1のスイッチングレギュレータ40、シリーズレギュレータ50、パワーマネジメント回路60、および制御電源スイッチ70の詳細を示す回路図である。
【0031】
スイッチングレギュレータ40は、DCDCコンバータIC41、ダイオード42、インダクタ43、コンデンサ44、シャントレギュレータ46、抵抗47、および抵抗48を備えている。DCDCコンバータIC41は、その内部にスイッチング素子としてのFETを備えている。FETのゲートへの制御信号により、ソースおよびドレインの間の電気的接続がオンオフされる。DCDCコンバータIC41のドレイン端子41aに、直流電源電圧Vdcが入力される。DCDCコンバータIC41のソース端子41bは、インダクタ43の一端と接続する。
【0032】
インダクタ43の他端側の電圧を抵抗47および抵抗48で分圧する分圧回路が設けられている。抵抗47、48の抵抗値の比は、後述するように抵抗48に抵抗63を並列に挿入することで可変である。
【0033】
スイッチングレギュレータ40は、抵抗47および抵抗48の中間点の電圧をDCDCコンバータIC41の制御内容にフィードバックする。このフィードバックは、シャントレギュレータ46およびフォトカプラ45によって実現される。
【0034】
シャントレギュレータ46は、そのゲートに抵抗47と抵抗48の中間点の電圧が入力され、インダクタ43の他端側にシャント接続する。フォトカプラ45は、発光素子部(発光ダイオード)と受光部(フォトトランジスタ)とを備えている。フォトカプラ45の発光素子部は、インダクタ43の他端側とシャントレギュレータ46のカソードとの間に接続している。フォトカプラ45の受光部は、DCDCコンバータIC41のフィードバック端子41cに接続する。
【0035】
一般に、シャントレギュレータは出力電圧のばらつき抑制が可能であり、温度特性の改善が可能である。シャントレギュレータ46はこれらの効果を発揮することができる。また、フォトカプラ45により絶縁性を確保することができる。このため、実用性が確保された回路となっている。
【0036】
シリーズレギュレータ50は、トランジスタ51、ツェナーダイオード52、および抵抗53を備えている。トランジスタ51のコレクタには、スイッチングレギュレータ40の出力電圧つまり制御電源電圧VCC1が入力される。トランジスタ51のエミッタからは、マイクロコンピュータ61の電源端子に対してマイコン用電圧VCC3が出力される。
【0037】
トランジスタ51のベースには、ツェナーダイオード52のカソードが接続している。ツェナーダイオード52のアノードはグランドに接続されている。トランジスタ51のベースとツェナーダイオード52のカソードとの接続点と、トランジスタ51のコレクタは、抵抗53で接続されている。
【0038】
パワーマネジメント回路60は、マイクロコンピュータ61、トランジスタ62、および抵抗63を備えている。マイクロコンピュータ61は、点灯操作デバイス80からの点灯信号S
ON/OFFの内容がオンかオフに応じて、トランジスタ62のベースにハイ信号とロー信号のいずれかを出力する。トランジスタ62のエミッタはグランドと接続し、トランジスタ62のコレクタは、抵抗63の一端に接続している。抵抗63の他端は、抵抗47と抵抗48の分圧回路の中間点に接続している。
【0039】
制御電源スイッチ70は、トランジスタ71、抵抗72、および抵抗73を備えている。トランジスタ71はpnpトランジスタであり、そのエミッタに制御電源電圧VCC1が入力されている。トランジスタ71のコレクタから、制御IC21および制御IC31の電源端子へと、制御電源電圧VCC2が供給されることになる。
【0040】
トランジスタ71のベースは、抵抗72の一端および抵抗73の一端が接続している。抵抗72の他端はトランジスタ71のエミッタに接続している。抵抗73の他端は、抵抗63とトランジスタ62のコレクタとの間に接続している。
【0041】
上記回路構成において、制御IC21および制御IC31への電源供給が遮断されると、力率改善型昇圧コンバータ回路20および定電流型の降圧コンバータ回路30は停止し、点灯装置100はスタンバイモードにおかれる。点灯装置100では、スタンバイモード時は、スイッチングレギュレータ40が出力する制御電源電圧VCC1を低下させ、シリーズレギュレータ50の入出力間電圧を下げる。これによりシリーズレギュレータ50での電力損失を抑制し、待機電力を抑制できる。
【0042】
以下に具体的な動作説明をする。先ず、点灯操作デバイス80で点灯オン信号が生じた時(パワーオン時)の動作を説明する。
【0043】
パワーマネジメント回路60は、点灯操作デバイス80で点灯オン信号が生じた時(パワーオン時)は、スイッチングレギュレータ40および制御電源スイッチ70にハイ信号を送る。ここでいう制御電源スイッチ70にハイ信号を送るとは、トランジスタ62のベースにハイ信号が送られることでトランジスタ71をオンするということである。
【0044】
このとき、トランジスタ62はオンとなり、抵抗63はグランドに接続する。そうすると、抵抗48に対して抵抗63が並列接続し、抵抗47、抵抗48および抵抗63の分圧回路で分圧された電圧がシャントレギュレータ46のゲートに印加される。これに応じて、制御IC21および制御IC31が必要とする電圧(上述した第1電圧)となるように制御電源電圧VCC1が生成され、制御電源スイッチ70を介して制御IC21および制御IC31へと供給される。
【0045】
次に、点灯操作デバイス80で点灯オフ信号が生じた時(スタンバイモード時)の動作を説明する。
【0046】
パワーマネジメント回路60は、点灯操作デバイス80からの点灯信号S
ON/OFFが点灯オフを示すときには、スタンバイモードへと切り替えるための制御動作を実行する。スタンバイモード時は、先ず、制御電源スイッチ70にロー信号が送られることで、マイクロコンピュータ61以外への電源供給が止められる。さらに、スイッチングレギュレータ40の出力電圧を下げるための制御を行うことにより、シリーズレギュレータ50の入出力間電圧を下げ、消費電力を低減させる。
【0047】
ここでいう制御電源スイッチ70にロー信号を送るとは、つまりトランジスタ62のベースにロー信号が送られることでトランジスタ71をオフするということである。トランジスタ71がオフとなり、制御電源スイッチ70はオフ状態に切り替わる。これにより、分岐点Pと制御IC21および制御IC31とが遮断され、スイッチングレギュレータ40と制御IC21および制御IC31とが電気的に遮断される。これにより、マイクロコンピュータ61以外への電源供給を止めることができる。
【0048】
マイクロコンピュータ61がロー信号を発したときは、トランジスタ62のベースにロー信号が与えられることでトランジスタ62はオフとなる。そうすると、抵抗48に対して抵抗63は並列接続しないことになり、抵抗47および抵抗48で分圧された電圧がシャントレギュレータ46のゲートに印加される。従ってシャントレギュレータ46のゲートに印加する電圧を生成する分圧回路の分圧比を、前述したパワーオン時とは異なる分圧比に変えることができる。
【0049】
このようにマイクロコンピュータ61の出力で抵抗48に対する抵抗63の並列接続の有無を切り替えることで、マイクロコンピュータ61の制御によりスイッチングレギュレータ40が出力する制御電源電圧VCC1を可変とすることができる。つまり、点灯信号S
ON/OFFがオフのとき、スイッチングレギュレータ40の出力する制御電源電圧VCC1が低下するように、シャントレギュレータ46のゲートに印加する電圧を切り替えることができる。
【0050】
スタンバイモード時には、スイッチングレギュレータ40は、その出力電圧を低下させることで、上述した第2電圧すなわち「パワーマネジメント回路60が必要とする直流電源電圧に数Vをプラスした電圧」を出力する。ここでは、制御電源電圧VCC1とマイコン用電圧VCC3の間に、VCC1≧VCC3という関係が確保されるようにしている。
【0051】
つまり、スタンバイに切り替わると、スイッチングレギュレータ40は、制御IC21および制御IC31の必要電圧(例えば20V程度)ではなく、「マイクロコンピュータ61の必要電圧(例えば5V程度)に、さらに数Vを加えた低電圧」を生成する。これにより、マイクロコンピュータ61の電源電圧は確保しつつ、スイッチングレギュレータ40の出力電圧を下げることができる。
【0052】
以上説明したように、実施の形態1にかかる点灯装置100によれば、スタンバイモード時にマイクロコンピュータ61以外への電源供給を絶ち、かつ、スイッチングレギュレータ40の出力電圧を下げることができる。スイッチングレギュレータ40の出力電圧を下げることで、シリーズレギュレータ50の入出力間電圧を下げることができ、スタンバイモード時の消費電力(待機電力)を低減させることができる。
【0053】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2にかかる点灯装置および照明装置の構成を説明するための図である。
図3は、実施の形態2にかかるスイッチングレギュレータ140、シリーズレギュレータ50、パワーマネジメント回路60、および制御電源スイッチ70の詳細を示す回路図である。
【0054】
実施の形態2にかかる点灯装置100は、実施の形態1のスイッチングレギュレータ40を
図3のスイッチングレギュレータ140に置換した点を除き、実施の形態1と同様の回路構成(
図1参照)を備えている。従って、ここでは相違点を中心に説明し、共通事項は説明を省略する。
【0055】
スイッチングレギュレータ140は、DCDCコンバータIC141を備えている点を除き、スイッチングレギュレータ40と同様の構成を備えている。DCDCコンバータIC141もDCDCコンバータIC41と同じく内部にFETを有し、FETのスイッチング制御を行うものである。DCDCコンバータIC141のソース端子141bおよびドレイン端子141aには、DCDCコンバータIC41と同様に、直流電源電圧Vdcおよびインダクタ43の一端が接続する。
【0056】
ただし、DCDCコンバータIC141は、
図2に示すDCDCコンバータIC41とは次の点が異なっている。DCDCコンバータIC41では、自身のソース電圧を基準電圧とし、フォトカプラ、抵抗47、48およびシャントレギュレータ46を用いて出力電圧をフィードバック制御した。これに対し、DCDCコンバータIC141では、基準電圧がグランドであり、抵抗47と抵抗48の中間点の電圧が配線149で直接にフィードバック端子141cに入力されている。
【0057】
DCDCコンバータIC141のフィードバック端子141cには、配線149の一端が接続している。配線149の他端は、分圧回路の抵抗47および抵抗48の中間点に接続している。マイクロコンピュータ61の制御により抵抗48に対する抵抗63の並列接続の有無を切り替えることができる点は、実施の形態1で述べたとおりである。
【0058】
抵抗47、48の中間点の電圧を、DCDCコンバータIC141内のFETのスイッチング制御にフィードバックすることができる。従って、実施の形態1と同様にマイクロコンピュータ61の出力で抵抗48に対する抵抗63の並列接続の有無を切り替えることで、点灯信号S
ON/OFFがオフのとき制御電源電圧VCC1が低下するようにDCDCコンバータIC141のフィードバック制御の内容を変更することができる。
【0059】
以上説明したように、実施の形態2にかかる点灯装置100においても、スタンバイモード時に、スイッチングレギュレータ140の出力電圧を下げることでシリーズレギュレータ50の入出力間電圧を下げることができる。これにより、スタンバイモード時の消費電力(待機電力)を低減させることができる。