(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態のランキンサイクルのシステム全体を表した概略構成図を示している。
図2は冷媒ポンプ及び膨張機を一体化した膨張機ポンプの概略断面図である。
【0012】
図1において、エンジン2は排気通路3を備え、排気通路3は、排気マニホールド4と、排気マニホールド4の集合部に接続される排気管5とから構成される。
【0013】
まず、エンジン冷却水回路について説明する。エンジン2を出た80〜90℃程度の冷却水は、ラジエータ11を通る冷却水通路13と、ラジエータ11をバイパスするバイパス冷却水通路14とに別れて流れる。その後、2つの流れは、両通路13、14を流れる冷却水流量の配分を決めるサーモスタットバルブ15で再び合流し、さらに冷却水ポンプ16を経てエンジン2に戻る。冷却水ポンプ16はエンジン2によって駆動され、その回転速度はエンジン回転速度と同調している。
【0014】
サーモスタットバルブ15は、冷却水温度が高い場合に冷却水通路13側のバルブ開度を大きくしてラジエータ11を通過する冷却水量を相対的に増やす。冷却水温度が低い場合には冷却水通路13側のバルブ開度を小さくしてラジエータ11を通過する冷却水量を相対的に減らす。エンジン2の暖機前など特に冷却水温度が低い場合には、完全にラジエータ11をバイパスさせて冷却水の全量がバイパス冷却水通路14側を流れる。一方、バイパス冷却水通路14側のバルブ開度は全閉になることはなく、ラジエータ11を流れる冷却水流量が多くなったときに、バイパス冷却水通路14を流れる冷却水の流量は、冷却水の全量がバイパス冷却水通路14側を流れる場合と比べて低下する。この場合、流れが完全に停止することがないようにサーモスタットバルブ15が構成されている。
【0015】
バイパス冷却水通路14には、ランキンサイクル21の冷媒と熱交換を行なう蒸発器26を備える。すなわち、蒸発器26には冷却水通路26aが、また、冷媒と冷却水が熱交換可能なようにランキンサイクル21の冷媒が流れる冷媒通路26bが冷却水通路26aと隣接して設けられている。さらに蒸発器26の全体を俯瞰して見たときにランキンサイクル21の冷媒と冷却水が互いに流れ方向が逆向きとなるように各通路26a、26bが構成されている。
【0016】
詳細には、ランキンサイクル21の冷媒にとって冷却水通路26aは、バイパス冷却水通路14に介装されている。この冷却水通路26a及びこの冷却水通路26aに隣接する冷媒通路26bで構成される蒸発器26は、エンジン2から出た冷却水を冷却水通路26aに導入することで、冷媒通路26bを流れるランキンサイクル21の冷媒を加熱するためのものである。
【0017】
バイパス冷却水通路14からサーモスタットバルブ15に向かう冷却水の温度が、例えば蒸発器26でランキンサイクル21の冷媒と熱交換することによって十分低下していれば、サーモスタットバルブ15の冷却水通路13側のバルブ開度が小さくされる。これによって、ラジエータ11を通過する冷却水量は相対的に減らされる。この逆にバイパス冷却水通路14からサーモスタットバルブ15に向かう冷却水の温度が、ランキンサイクル21が運転されていないことなどによって高くなると、サーモスタットバルブ15の冷却水通路13側のバルブ開度が大きくされる。これによって、ラジエータ11を通過する冷却水量は相対的に増やされる。このようなサーモスタットバルブ15の動作に基づいて、エンジン2の冷却水温度が適当に保たれ、熱がランキンサイクル21へ適当に供給(回収)されるように構成されている。
【0018】
次に、本発明の前提となる基本発明のランキンサイクル21について述べる。基本発明のランキンサイクル21は、エンジン2の冷却水を介してエンジン2の廃熱を冷媒に回収し、回収した廃熱を動力として回生するシステムで、本発明の出願時に未公開である。ランキンサイクル21は、冷媒ポンプ22、蒸発器26、膨張機27及び空冷凝縮器(コンデンサ)28を備え、各構成要素は冷媒(R134a等)が循環する冷媒通路31〜34により接続されている。なお、
図1に示す凝縮器28は水冷凝縮器であるが、基本発明の凝縮器は空冷凝縮器であるので、空冷凝縮器として説明する。
【0019】
図2にも示したように冷媒ポンプ22の軸22aは同一の軸上で膨張機27の出力軸27aと連結配置され、膨張機27の発生する出力(動力)によって冷媒ポンプ22を駆動すると共に、発生動力をエンジン2の出力軸(クランク軸)に供給する構成である。すなわち、
図1に示したように冷媒ポンプ22の軸22a及び膨張機27の出力軸27aがエンジン2の出力軸と平行に配置され、冷媒ポンプ22の軸22aの先端に設けたポンププーリ23と、クランクプーリ2aとの間にベルト24を掛け回している。なお、本実施形態の冷媒ポンプ22としてはギヤ式のポンプを、膨張機27としてはスクロール式の膨張機を採用している(
図3、
図4参照)。
【0020】
また、ポンププーリ23と冷媒ポンプ22との間に電磁式のクラッチ(このクラッチを以下「膨張機クラッチ」という。)25を設けて、冷媒ポンプ22及び膨張機27とを、エンジン2と断接可能にしている(
図2参照)。このため、膨張機27の発生する出力が冷媒ポンプ22の駆動力及び回転体が有するフリクションを上回る場合に膨張機クラッチ25を接続することで、膨張機27の発生する出力によってエンジン出力軸の回転をアシスト(補助)することができる。このように廃熱回収によって得たエネルギを用いてエンジン出力軸の回転をアシストすることで、燃費を向上できる。また、冷媒を循環させる冷媒ポンプ22を駆動するためのエネルギも、回収した廃熱で賄うことができる。
【0021】
冷媒ポンプ22からの冷媒は冷媒通路31を介して蒸発器26に供給される。蒸発器26は、エンジン2の冷却水と冷媒との間で熱交換を行わせ、冷媒を気化し加熱する熱交換器である。
【0022】
蒸発器26からの冷媒は冷媒通路32を介して膨張機27に供給される。膨張機27は、気化し加熱された冷媒を膨張させることにより熱を回転エネルギに変換する蒸気タービンである。膨張機27で回収された動力は冷媒ポンプ22を駆動し、ベルト伝動機構を介してエンジン2に伝達され、エンジン2の回転をアシストする。
【0023】
膨張機27からの冷媒は冷媒通路33を介して空冷凝縮器28に供給される。空冷凝縮器28は、外気と冷媒との間で熱交換を行わせ、冷媒を冷却し液化する熱交換器である。このため、空冷凝縮器28をラジエータ11と並列に配置し、ラジエータファン12によって冷却するようにしている。ここで説明した凝縮器28は基本発明に用いている場合であるため空冷式であるが、後述するように本実施形態では、空冷凝縮器に代えて水冷凝縮器28を構成することとなる。
【0024】
空冷凝縮器28により液化された冷媒は、冷媒通路34を介して冷媒ポンプ22に戻される。冷媒ポンプ22に戻された冷媒は、冷媒ポンプ22により再び蒸発器26に送られ、ランキンサイクル21の各構成要素を循環する。
【0025】
ランキンサイクル21には、サイクル内を流れる冷媒を制御するため、回路途中に各種の弁が適宜設けられている。例えば、ランキンサイクル21を循環する冷媒を制御するため、凝縮器28と冷媒ポンプ22とを連絡する冷媒通路34にポンプ上流弁51、蒸発器26と膨張機27とを連絡する冷媒通路32に膨張機上流弁52を備える。また、冷媒ポンプ22と蒸発器26とを連絡する冷媒通路31には、蒸発器26から冷媒ポンプ22への冷媒の逆流を防止するため逆止弁53を備えている。膨張機27と凝縮器28とを連絡する冷媒通路33にも、凝縮器28から膨張機27への冷媒の逆流を防止するため逆止弁54を備えている。また、膨張機上流弁52上流から膨張機27をバイパスして逆止弁54上流に合流する膨張機バイパス通路55を設け、この膨張機バイパス通路55にバイパス弁56を設けている。さらに、バイパス弁56をバイパスする通路57に圧力調整弁58を設けている。
【0026】
上記3つの弁51、52、56はいずれも電磁式の開閉弁である。圧力センサ62により検出される膨張機上流圧力の信号、圧力センサ63により検出される凝縮器28の出口の冷媒圧力Pdの信号、膨張機27の回転速度信号等がエンジンコントローラ61に入力されている。エンジンコントローラ61では、所定の運転条件に応じ、これらの各入力信号に基づいて、ラジエータファン12の制御を行なうとともに、上記3つの電磁式開閉弁51、52、56の開閉を制御する。
【0027】
例えば、圧力センサ62により検出される膨張機上流側圧力及び膨張機回転速度に基づいて膨張機トルク(回生動力)を予測し、この予測膨張機トルクが正のとき(エンジン出力軸の回転をアシストすることができるとき)に膨張機クラッチ25を締結する。一方、予測膨張機トルクがゼロないし負のときに膨張機クラッチ25を解放する。センサ検出圧力と膨張機回転速度とに基づくことで、排気温度から膨張機トルク(回生動力)を予測する場合とくらべ、高い精度で膨張機トルクを予測することができ、膨張機トルクの発生状況に応じて膨張機クラッチ25の締結・解放を適切に行うことができる。これで、基本発明のランキンサイクル21の説明を終える。
【0028】
次に、エンジン2にはターボチャージャ81(過給機)を備える。ターボチャージャ81は、排気タービン82と吸気コンプレッサ83とを同軸に連結したものである。ここで、排気タービン82は排気管5を流れる排気のエネルギーによって回転駆動される。スロットル弁7上流の吸気管6に介装される吸気コンプレッサ83は吸気を圧縮して吐出する。排気タービン82をバイパスする通路86にはこの通路86を開閉するウエイストゲートバルブ87を設けてある。
【0029】
吸気コンプレッサ83により圧縮された吸気は高温・高圧となるため、この高温・高圧となった吸気を冷却する空冷インタークーラ85を、吸気コンプレッサ83とスロットル弁7の間の吸気管6に設けている。なお、ここではインタークーラ85を空冷として説明したが、後述するように本実施形態では、空冷インタークーラに代えて水冷インタークーラに変更することとなる。
【0030】
さて、ランキンサイクルとターボチャージャの空冷インタークーラを組み合わせた従来装置はある。
【0031】
ここで、ランキンサイクル21とターボチャージャ81を組み合わせるため、ランキンサイクル21の空冷凝縮器28及び空冷インタークーラ85を共に水冷(液冷)に変更し、これら水冷凝縮器と水冷インタークーラとに冷却水を流すことに発明者が初めて思い至ったとき、次のメリットが生じることがわかった。すなわち、非過給領域ではランキンサイクル21の水冷凝縮器の放熱が支配的となるのに対して、過給領域では水冷インタークーラの放熱が支配的になる。水冷凝縮器の放熱と水冷インタークーラの放熱とが負荷条件で重複しないのであれば、冷却水を冷却するサブラジエータ(第2熱交換器)としては、過給領域での水冷インタークーラの放熱と非過給領域での水冷凝縮器の放熱との合計を賄う放熱能力は必要ないこととなる。しかしながら、こうした知見は上記従来装置に一切記載がない。
【0032】
そこで本発明者の知見に基づき、本発明の第1実施形態では、基本発明のランキンサイクル21に用いた空冷凝縮器28及び空冷インタークーラ85を水冷に変更し、水冷凝縮器、水冷インタークーラを含む冷却水回路91を、上記のエンジン冷却水回路とは独立に構成する。この冷却水回路91を上記のエンジン冷却水回路と区別するため、「第2冷却水回路」という。なお、第1実施形態のランキンサイクルに用いる水冷凝縮器及び水冷インタークーラにそれぞれ付する符号としては、基本発明のランキンサイクル21に用いる空冷凝縮器28、空冷インタークーラ85にそれぞれ付している符号と同じ符号を付するものとする。
【0033】
第2冷却水回路91は、水冷凝縮器28、水冷インタークーラ85、サブラジエータ92(第2凝縮器)、冷却水ポンプ93を備え、各構成要素を冷却水が循環する冷却水通路95〜97により接続する。
【0034】
サブラジエータ92はラジエータ11と並列に配置し、ラジエータファン12によってサブラジエータ92内の冷却水を冷却する。サブラジエータ92により冷却された冷却水を、冷却水ポンプ93によって水冷インタークーラ85に供給する。冷却水ポンプ93は、サブラジエータ92と水冷インタークーラ85を接続する冷却水通路95に介装する。冷却水ポンプ93は、エンジンコントローラ61からの指令を受けるモータ94によって駆動する。
【0035】
水冷インタークーラ85は、吸気コンプレッサ83によって高温・高圧となった吸気を冷却水との熱交換によって冷却するものである。冷却された吸気はスロットル弁7によって調量された後にコレクタ8に蓄えられ、吸気マニホールドより各気筒の燃焼室に分配される。
【0036】
一方、水冷インタークーラ85によって温度上昇した冷却水を、水冷インタークーラ85と水冷凝縮器28を接続する冷却水通路96を介して水冷凝縮器28に供給する。水冷凝縮器28は、膨張機27からの冷媒と冷却水との間で熱交換を行わせ、ランキンサイクル21の冷媒を冷却し液化する熱交換器である。水冷凝縮器28により温度上昇した冷却水は、水冷凝縮器28とサブラジエータ92を接続する冷却水通路97を介してサブラジエータ92に戻し、サブラジエータ92で冷却する。サブラジエータ92で冷却した冷却水を冷却水ポンプ93によって吐出し、冷却水通路95、96、97を再び循環させる。
【0037】
次に、ランキンサイクル21の空冷凝縮器、空冷インタークーラを共に水冷に変更するとともに、水冷凝縮器28と水冷インタークーラ85とに循環する第2冷却水回路91を構成した理由を
図5を参照してさらに説明する。
【0038】
図5(a)はエンジン回転速度が一定の条件下での第2冷却水回路91の放熱量の特性図である。同じく
図5(b)はエンジン回転速度が一定の条件下で水冷凝縮器入口の冷媒温度と水冷インタークーラ入口の吸気温度とを重ねて示した特性図である。まず第2冷却水回路91の放熱量は、水冷凝縮器28の放熱量と水冷インタークーラ85の放熱量の合計であるが、
図5(a)には水冷凝縮器28の放熱量、水冷インタークーラ85の放熱量の個別の放熱量を重ねて記載している。すなわち、エンジントルク域を大雑把に低、中、高の3つの各エンジントルク域に分けたとき、ランキンサイクル21は主に低中エンジントルク域(低中負荷域)で運転される。このため、エンジントルクの小さい側ではエンジントルクの増加とともに水冷凝縮器28の放熱量が徐々に増え、エンジントルクの大きい側になると増加の程度は小さくなっている。
【0039】
一方、ターボチャージャ81による過給が効くのは、エンジントルクが所定値a以上となる高エンジントルク領域(つまり過給領域)のみである。このため、所定値aより小さいエンジントルク域(つまり非過給領域)では、水冷インタークーラ85の放熱量は水冷凝縮器28の放熱量よりも格段に小さく、過給領域になって、水冷インタークーラ85の放熱量が急激に上昇する。そして、水冷インタークーラ85の放熱量はエンジントルクが所定値bで水冷凝縮器28の放熱量と交差し、所定値b以上のエンジントルク域で水冷凝縮器28の放熱量を上回る。
【0040】
次に、
図5(b)では、横軸のパラメータを
図5(a)と同じに採っている。水冷凝縮器入口の冷媒温度は40℃〜50℃よりエンジントルクの増加と共に上昇し、過給領域になると、急激に上昇し、150℃〜200℃に至っている。一方、水冷インタークーラ入口の吸気温度は、非過給領域で水冷凝縮器入口冷媒温度より低く、過給領域になると、急上昇する。このため、エンジントルクが所定値cのとき水冷インタークーラ入口吸気温度と水冷凝縮器入口冷媒温度が交差し、所定値c以上のエンジントルク域で水冷インタークーラ入口空気温度が水冷凝縮器入口冷媒温度を上回っている。
【0041】
なお、
図5(a)では水冷凝縮器28の放熱量の特性を、
図5(a)では水冷凝縮器入口冷媒温度の特性をエンジントルクが最大となるまで示しているが、実際には全てのエンジントルク域でランキンサイクル21を運転することはしていない。高エンジントルク側でランキンサイクル21を運転しておらず、ランキンサイクル21を運転するのは低中エンジントルク域だけである。
【0042】
図5(a)、
図5(b)よりエンジントルクが所定値a以上となる過給領域で水冷インタークーラ85の放熱が支配的となるのに対して、エンジントルクが所定値a未満の非過給領域で水冷凝縮器28の放熱が支配的となっている。つまり、水冷凝縮器28の放熱と水冷インタークーラ85の放熱とがエンジントルク条件(負荷条件)で重複していないのである。このため、水冷インタークーラ85の最大放熱量に対応する放熱能力を有するサブラジエータ92を設けておけば、水冷インタークーラ85が働くことのない低中エンジントルク域で水冷凝縮器28が放熱できる。水冷凝縮器28と水冷インタークーラ85の放熱量を単純に合計した放熱量に対応する放熱能力を有するサブラジエータを設けることは必要なく、水冷インタークーラ85の最大放熱量に対応する放熱能力のサブラジエータ92を設けることで足りるのである。
【0043】
このように、本実施形態では、エンジン2の廃熱を冷媒に回収する熱交換器26、この熱交換器26出口の冷媒を用いて動力を発生させる膨張機27、この膨張機27を出た冷媒を凝縮させる凝縮器28、この凝縮器28からの冷媒を熱交換器26に供給する冷媒ポンプ22を含むランキンサイクル21と、吸気を過給するターボチャージャ81(過給機)と、ターボチャージャ81により過給される吸気を冷却するインタークーラ85とを備え、前記凝縮器28は膨張機27を出た冷媒を冷却水(冷却液)との熱交換によって凝縮させる水冷凝縮器であり、前記インタークーラ85は冷却水(冷却液)との熱交換によって吸気を冷却する水冷インタークーラであり、前記水冷液冷凝縮器28と、前記水冷インタークーラ85と、冷却水(冷却液)を冷却するサブラジエータ92(第2熱交換器)と、冷却水ポンプ98(第2熱交換器を出た冷却液を吐出するポンプ)とを冷却水が循環する冷却水通路95〜97(冷却液通路)で接続している。
図5(a)、
図5(b)に示したように非過給領域ではランキンサイクルの液冷凝縮器28の放熱が支配的であるのに対して、過給領域では水冷インタークーラ85の放熱が支配的になる。このようにランキンサイクルの水冷凝縮器28の放熱と水冷インタークーラ85の放熱とが負荷条件で重複しないとき、過給領域での水冷インタークーラ85の放熱と非過給領域での水冷凝縮器28の放熱との合計を賄う放熱能力のサブラジエータ92を設けることは不要であることから、本実施形態によれば、ランキンサイクル21の凝縮器28及びインタークーラ85を共に水冷とし、この水冷凝縮器28と、水冷インタークーラ85と、サブラジエータ92と、冷却水ポンプ93とを冷却水通路95〜97で接続したので、サブラジエータ92としては、過給領域での水冷インタークーラ85の放熱と非過給領域での水冷凝縮器28の放熱との合計よりも小さな放熱能力のサブラジエータ92で足りる。これによってサブラジエータ92の放熱能力を効果的に活用し、サブラジエータ92の放熱能力不足や大型化を回避できる。
【0044】
次に、
図6は水冷インタークーラ入口の冷却水温度の特性図で、水冷凝縮器28、水冷インタークーラ85の順に冷却水を流した場合を一点破線で、水冷インタークーラ85、水冷凝縮器28の順に冷却水を流した場合を実線で重ねて示している。
図1にも示したように水冷インタークーラ85、水冷凝縮器28の順に冷却水を流すときには、サブラジエータ92を出た最も温度の低い冷却水が水冷インタークーラ85に先に流れる。このため、水冷インタークーラ入口の冷却水温度は、
図6に実線で示したようにエンジントルクが所定値a未満の非過給領域では殆ど上昇せず、エンジントルクが所定値a以上の過給領域に入ってから上昇する。
【0045】
一方、水冷凝縮器28、水冷インタークーラ85の順に冷却水を流すときには、非過給領域での水冷凝縮器28の放熱によって温度上昇した冷却水が水冷インタークーラ85に流れる。これによって、水冷インタークーラ入口の冷却水温度が
図6に一点鎖線で示したように水冷インタークーラ85、水冷凝縮器28の順に冷却水を流す場合の水冷インタークーラ入口冷却水温度より上昇する。過給領域でこの水冷インタークーラ入口冷却水温度が上昇する分だけ吸気温度が上昇するため、作動ガス温度が上昇してノッキングが生じ勝ちとなり、エンジンの燃費・出力が悪化する。
【0046】
このように、本実施形態によれば、水冷インタークーラ85と水冷凝縮器28とを直列に設け、上流から水冷インタークーラ85、水冷凝縮器28の順にサブラジエータ92出口の冷却水を流すので、例えばアクセルペダルを急激に踏み込むことによってランキンサイクル21の運転域(非過給領域)から過給領域へと移行する加速時に一時的に水冷インタークーラ85と水冷凝縮器28とで放熱が重複したとしても、水冷インタークーラ85の冷却性能を確保できる。
【0047】
次に、
図7のフローはエンジンコントローラ61が膨張機クラッチ25を制御するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
【0048】
ステップ1では水冷凝縮器入口の冷媒温度T1を温度センサ65(
図1参照)により、ステップ2では水冷インタークーラ入口の吸気温度T2を温度センサ66(
図1参照)により検出する。
【0049】
ステップ3では2つの温度T1、T2を比較し、水冷凝縮器入口の冷媒温度T1が水冷インタークーラ入口の吸気温度T2以下であるときにはステップ4に進み、ランキンサイクルを運転するため膨張機クラッチ25を接続状態とする。膨張機クラッチ25を接続状態とすればエンジン2により冷媒ポンプ22が駆動される。ここで、膨張機クラッチ25としての電磁式のクラッチでは、ソレノイドコイル(図示しない)への通電で電磁力を発生させ、この電磁力で2つの部材を圧着させてクラッチを接続状態とする。また、ソレノイドコイルへの通電を停止し電磁力を消失させることで電磁式のクラッチを切断状態としているものとすると、膨張機クラッチ25を接続状態とするには、ソレノイドコイルに通電すればよい。
【0050】
一方、ステップ3で水冷凝縮器入口冷媒温度T1よりも水冷インタークーラ入口吸気温度T2のほうが高くなったときにはステップ5に進み、膨張機クラッチ25を切断することにより冷媒ポンプ22を停止させる。冷媒ポンプ22が停止すれば、ランキンサイクル21の運転が停止する。膨張機クラッチ25を切断するには、ソレノイドコイルへの通電を中止すればよい。膨張機クラッチ25を切断すると、冷媒ポンプ22の軸22aの回転が停止するため冷媒ポンプ22が停止し、ランキンサイクル21の運転が停止する。ここで、T1よりT2のほうが高くなるのは、
図5(b)に示したようにほぼ過給領域である。
【0051】
図5(b)より、過給領域においてもランキンサイクル21を運転したのでは、水冷凝縮器28が放熱する。サブラジエータ92の放熱能力には限りがあるので、過給領域で行う水冷凝縮器28の放熱の全てを熱交換できるわけでないので、サブラジエータ92出口の冷却水温度がその分上昇し、インタークーラの放熱を邪魔することとなる。そこで、本実施形態では、T1よりもT2のほうが高くなったときに膨張機クラッチ25を切断することで、過給領域での水冷インタークーラの放熱を邪魔しないようにするのである。
【0052】
このように、本実施形態によれば、膨張機27からエンジン2への回転力の伝導を断接する膨張機クラッチ25を備え、水冷凝縮器28(液冷凝縮器)入口の冷媒温度T1よりも水冷インタークーラ85(液冷インタークーラ)入口の吸気温度T2のほうが高くなったときには膨張機クラッチ25を切断することにより冷媒ポンプ22を停止させるので(
図7のステップ3、5参照)、ランキンサイクル21の運転が停止し、水冷凝縮器28の放熱がなくなる。これによって、水冷凝縮器28の放熱が水冷インタークーラ85の放熱を邪魔することがなくなり、過給領域で水冷インタークーラ85を効率よく働かせることができる。
【0053】
(第2実施形態)
図8は第2実施形態のランキンサイクルのシステム全体を表した概略構成図で、第1実施形態の
図1と置き換わるものである。
図1と同一部分には同一の符号を付している。
【0054】
第1実施形態では、水冷凝縮器入口の冷媒温度T1よりも水冷インタークーラ入口の吸気温度T2のほうが高くなったときに膨張機クラッチ25を切断することとして、過給領域で水冷インタークーラ85を効率よく働かせるようにした。しかしながら、膨張機クラッチ25が常時接続状態となる固着が生じることがある。膨張機クラッチ25に固着が生じたときには膨張機クラッチ25を切断することができない。膨張機クラッチ25を切断できないと、過給領域になっても水冷凝縮器25が放熱を続ける。すると、水冷凝縮器28の放熱が水冷インタークーラ85の放熱を邪魔することとなり、過給領域で水冷インタークーラ85を効率よく働かせることができなくなる。過給領域で水冷インタークーラ85を効率よく働かせることができないと、作動ガスの高温化でノッキングが生じ勝ちとなり、エンジンの燃費・出力が悪化する。
【0055】
そこで第2実施形態では、膨張機クラッチ25が常時接続状態となる固着が生じたときにはターボチャージャ81(過給機)による過給を中止する。
【0056】
具体的に説明すると、
図9のフローはエンジンコントローラ61が膨張機クラッチ25に固着が生じたときにターボチャージャ81による過給を停止するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
【0057】
図9においてステップ11で膨張機クラッチ25に固着が生じたか否かをみる。ここでも、膨張機クラッチ25としての電磁式のクラッチでは、ソレノイドコイルへの通電で電磁力を発生させ、この電磁力で2つの部材を圧着させてクラッチを接続状態とする。また、ソレノイドコイルへの通電を停止し電磁力を消失させることで電磁式のクラッチを切断状態としているものとする。このとき、電磁式のクラッチに滑り入力のような大きな入力が入ることによって、2つの部材がはりついたり、焼き付いたりしてクラッチに固着が生じることがまれにあるのである。また、経時劣化などによってもクラッチに固着が生じ得る。また、ソレノイドコイルへの通電、非通電はリレーによって行っているので、リレーの故障によってクラッチ固着の状態が生じ得る。
【0058】
膨張機クラッチ25に固着が生じたか否かは、冷媒ポンプ軸22aの回転速度を検出するポンプ軸回転速度センサ101(
図9参照)に基づけばよい。すなわち、過給領域ではランキンサイクル21を運転しないので、ソレノイドコイルへの通電を停止することで、膨張機クラッチ25を切断している。従って、ランキンサイクル21を運転しない過給領域でも冷媒ポンプ軸22aが回転していれば、膨張機クラッチ25に固着が生じていることとなる。そこで、ランキンサイクル21を運転しない過給領域でポンプ軸回転速度センサ101により検出される回転速度Npmpがゼロでなければ、膨張機クラッチ25に固着が生じていると判定できる。この判定結果、つまり膨張機クラッチ25に固着が生じているか否かの情報(データ)はメモリに記憶しておく。そして、ステップ11でこの情報をみて膨張機クラッチ25に固着が生じてなければそのまま今回の処理を終了する。
【0059】
ステップ11で膨張機クラッチ25に固着が生じているときにはステップ12に進み、ターボチャージャ81による過給を停止するため、排気タービン82をバイパスする通路86に設けてあるウエイストゲートバルブ87(
図8参照)を開く。同様に、第4実施形態で後述するスーパーチャージャ121の場合には(
図13参照)、電磁式のクラッチ123をOFF(切断)とするか、バイパス弁125を全開とすることによってスーパーチャージャ121による過給を停止する。過給を停止する方法はこれに限らない。例えば、スロットル弁7の開度を全開側で制限することにより過給領域を用いないようにすることによっても、ターボチャージャ81やスーパーチャージャ121による過給を停止することができる。
【0060】
このように第2実施形態によれば、膨張機クラッチ25が常時接続状態となる固着が生じたときにはターボチャージャ81(過給機)による過給を中止するので(
図9のステップ11、12参照)、膨張機クラッチ25に固着が生じたときにも、ターボチャージャ81を働かせることに伴うノッキングを抑制して、エンジンの燃費・出力の悪化を抑制することができる。
【0061】
(第3実施形態)
図10は第3実施形態のランキンサイクルのシステム全体を表した概略構成図で、第1実施形態の
図1と置き換わるものである。
図1と同一部分には同一の符号を付している。
【0062】
ここで、水冷凝縮器28と水冷インタークーラ85を並列に接続した構成を見やすくため、
図10より第2冷却水回路91のみを取り出した概略構成図を
図11に示す。この
図11を参照して第2冷却水回路91’を説明すると、サブラジエータ92の出口に接続する冷却水通路95を2つに分岐し、一方の分岐冷却水通路95aを水冷インタークーラ85に、他方の分岐冷却水通路95bを水冷凝縮器28に接続する。また、サブラジエータ92の入口に接続する冷却水通路97を2つに分岐し、一方の分岐冷却水通路97aを水冷インタークーラ85に、他方の分岐冷却水通路97bを水冷凝縮器に接続する。このようにして水冷凝縮器28と水冷インタークーラ85を並列接続したとき、冷却水ポンプ93出口の冷却水は、分岐冷却水通路95a、95bを介して水冷凝縮器28、水冷インタークーラ85に流れる。
【0063】
このように第3実施形態によれば、水冷インタークーラ85(液冷インタークーラ)と水冷凝縮器28(液冷凝縮器)とを並列に設け、これら85、92にサブラジエータ92(第2熱交換器)出口の冷却水(冷却液)を流すので、水冷インタークーラと水冷凝縮器とを直列に設けた第1実施形態の場合と同様に、サブラジエータ92の放熱能力を効果的に活用し、サブラジエータ92の放熱能力不足や大型化を回避できる。
【0064】
次に、第3実施形態においても、膨張機クラッチに固着が生じたときの対策を考える。すなわち、第2実施形態では水冷凝縮器28と水冷インタークーラ85とを直列に接続した第2冷却水回路91を前提として、膨張機クラッチ25に固着が生じたときにターボチャージャ81による過給を停止した。一方、第3実施形態形態では、水冷凝縮器28と水冷インタークーラ85とを並列に接続した第2冷却水回路91’を前提として、膨張機クラッチ25に固着が生じたときに水冷凝縮器28への冷却水の流れを遮断する。
【0065】
膨張機クラッチが常時接続状態となる固着が生じたときには水冷凝縮器28への冷却水の流れを遮断するため、分岐冷却水通路95bに常開の開閉弁111を設ける。開閉弁111は、例えば電磁式の弁から構成され、ON信号を与えたとき全閉となり、OFF信号を与えることによって全開状態に戻る。なお、分岐冷却水通路97bに常開の開閉弁111を設けてもかまわない。
【0066】
図12のフローは第3実施形態の膨張機クラッチ25に固着が生じたときに開閉弁111を制御するためのもので、エンジンコントローラ61が一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
【0067】
ステップ21では、過給領域にあるか否かをみる。過給領域にあるか否かはエンジントルクに基づいて判定すればよい。例えば、エンジン負荷に基づいてエンジントルクを算出し、この算出したトルクと所定値aを比較し、算出したエンジントルクが所定値a以上であれば過給領域にあると、算出したエンジントルクが所定値a未満であれば非過給領域にあると判定する。ここで、エンジントルクの代用値としては、アクセルペダルの開度や、ガソリンエンジンでは燃料噴射制御に用いられる基本噴射パルス幅を用いればよい。エンジントルクより過給領域にないと判定されたときにはそのまま今回の処理を終了する。
【0068】
ステップ21でエンジントルクより過給領域にあると判定されたときにはステップ22に進み、膨張機クラッチ25に常時接続状態となる固着が生じているか否かをみる。膨張機クラッチ25に固着が生じていないときにはステップ23に進み開閉弁111にOFF信号を出力し開閉弁111を全開状態とする。
【0069】
ステップ22で膨張機クラッチ25に固着が生じているときにはステップ24に進み、開閉弁111にON信号を出力し開閉弁111を全閉状態とする。これによって、
図11において水冷凝縮器28に冷却水が流れなくなるので、水冷凝縮器28の放熱により温度上昇した冷却水がサブラジエータ92に戻されることがなくなる。
【0070】
第3実施形態によれば、膨張機27からエンジン2への回転力の伝導を断接する膨張機クラッチ25と、分岐冷却水通路95b(液冷凝縮器に流れる冷却液通路)を開閉する開閉弁111とを備え、膨張機クラッチ25が常時接続状態となる固着が生じたときには開閉弁111を閉じるので(
図12のステップ22、24参照)、膨張機クラッチ25に固着が生じて、ランキンサイクル21が常時熱回収状態となり水冷凝縮器28の放熱があっても、水冷凝縮器28に冷却水が流れることがないので、冷却水温度が上昇しない。つまり、水冷凝縮器28の放熱が水冷インタークーラ85の放熱を邪魔しないので、サブラジエータ92の能力を超えないようにすることができる。
【0071】
(第4実施形態)
図13は第4実施形態の第2冷却水回路91の概略構成図である。第1実施形態の
図1と同一部分には同一の符号を付している。なお、ランキンサイクル21は第1実施形態と同じに構成されているが、
図13には水冷凝縮器28しか示していない。
【0072】
第1実施形態では、ランキンサイクル21とターボチャージャ81を組み合わせた場合に、ランキンサイクル21の凝縮器28及びインタークーラ85を共に水冷に変更して第2冷却水回路91を構成するものであった。一方、第4実施形態は、ランキンサイクル21とスーパーチャージャ121(過給機)を組み合わせた場合に、ランキンサイクル21の凝縮器28及びスーパーチャージャ用のインタークーラ85を共に水冷に変更して第2冷却水回路91を構成するものである。
【0073】
まず、スーパーチャージャ121の構成を簡単に説明すると、
図13においてスロットル弁7上流の吸気管6にスーパーチャージャ121を備える。ここでのスーパーチャージャ121はリショルム式で説明するが、リショルム式に限定されるものでない。スーパーチャージャ121をエンジン2により駆動するため、スーパーチャージャ121のプーリ121aとクランクシャフトプーリ2aとにベルト122を掛け回し、クランクシャフトの回転力をベルト122を介してプーリ121aに伝える。
【0074】
プーリ121aとスーパーチャージャ121の駆動軸121bの間にエンジンコントローラ61によってON、OFF制御する電磁式のクラッチ123を設ける。なお、電磁式のクラッチ123はなくてもかまわない。
【0075】
スーパーチャージャ121をバイパスする通路124が設けられ、このバイパス通路124に、エンジンコントローラ61により制御されるデューティ制御可能なバイパス弁125を有している。
【0076】
エンジンコンローラ61では、電磁式のクラッチ123をONとすると共に、バイパス弁125を全閉とすることで、スーパーチャージャ121を運転する。すなわち、電磁式のクラッチ123をONにしてプーリ121aと駆動軸121bを接続したとき、スーパーチャージャ121の内部で一対のねじれたスクリュー状のロータが逆方向に回転し空気を吸入して吐出する(過給する)。
【0077】
スーパーチャージャ121により圧縮された吸気は高温・高圧となるため、この高温・高圧となった吸気を冷却する空冷インタークーラ126を、スーパーチャージャ121とスロットル弁7の間の吸気管6に設けている。
【0078】
一方、スーパーチャージャ121の運転を停止するには、電磁式のクラッチ123をONとした状態でバイパス弁125を全開とするか、または電磁式のクラッチ123をOFFとする。
【0079】
このように構成されるスーパーチャージャ121を備えるエンジン2の場合にも、スロットル弁7の開度とバイパス弁125の開度とを協調制御することで、自然吸気ではこれ以上吸気を燃焼室に供給できなくなるスロットル弁開度付近よりスーパーチャージャ121による過給を行わせることができる。このときには、エンジントルクに対する水冷インタークーラ126の放熱量、水冷インタークーラ入口吸気温度の特性は
図5(a)、
図5(b)と同様となる。なお、スーパーチャージャ121の使い方としてはこれに限られるものでない。
【0080】
第4実施形態では上記スーパーチャージャ121と、前述の基本発明のランキンサイクル21を組み合わせる場合に、ランキンサイクル21の空冷凝縮器28及び空冷インタークーラ126を水冷に変更し、水冷凝縮器、水冷インタークーラを含む第2冷却水回路91を構成する。なお、水冷凝縮器、水冷インタークーラに付する符号としては、空冷凝縮器28、空冷インタークーラ126に付している符号と同じ符号を付するものとする。
【0081】
第2冷却水回路91は、水冷凝縮器28、水冷インタークーラ126、サブラジエータ92(第2凝縮器)、冷却水ポンプ93を備え、各構成要素を冷却水が循環する冷却水通路95〜97により接続する。
【0082】
第4実施形態は、第1実施形態のターボチャージャに代えてスーパーチャージャとしただけのものであるので、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0083】
実施形態では、第2冷却水回路91、91’を流れる液体が冷却水である場合で説明したが、これに限られるものでない。冷却水と同等の冷却用の液体であればよい。
【0084】
実施形態では、冷媒ポンプ22と膨張機27を同軸で連結配置し、膨張機27の出力(動力)で冷媒ポンプ22を駆動すると共に、動力を伝導装置を介してエンジン2の出力軸に供給する場合(動力回生)で説明したが、この場合に限定されるものでない。例えば、冷媒ポンプ、膨張機及びモータジェネレータを同軸で連結配置し、膨張機の出力(動力)で冷媒ポンプ及びモータジェネレータを駆動し、動力を電力として回収する場合(電力回生)にも本発明を適用できる。