【実施例】
【0072】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお諸特性は以下の方法により測定、評価した。
【0073】
1.150℃における2倍伸長時の長手方向および幅方向の応力(F100
MD値、F100
TD値)
引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUCT−100)を用いて、長手方向および幅方向に切り出した幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mm(初期試料長)となるようにセットし、温度150℃、湿度65%RHの条件に設定した恒温層中で60秒間の予熱後、引張速度300mm/分で引張試験を行い、2倍伸張時の応力をそれぞれF100
MD値、F100
TD値とした。測定数(以下、Nとする)は、長手方向、幅方向にそれぞれN=5で行い、その平均値を2倍伸張時の応力とした。
【0074】
なお、フィルムの長手方向や幅方向が分からない場合は、フィルムにおいて最大の屈折率を有する方向を長手方向、それに長手方向に直行する方向を幅方向とみなす。また、フィルムにおける最大の屈折率の方向は、フィルムの全ての方向の屈折率をアッベ屈折率計で測定して求めてもよく、例えば、位相差測定装置(複屈折測定装置)などにより遅相軸方向を決定することで求めてもよい。
【0075】
2.静摩擦係数
ASTM D1894B(1963)に従い、スリップテスターを用いて、静止摩擦係数を測定した。
【0076】
3.RSm、RSk、2倍伸長時のRSk
菱化システム社製、非接触表面・層断面形状計測システム、VertScan2.0を用いて測定した。測定条件は下記のとおり。5サンプルについて測定を実施し、その平均値をRSm、RSkとする。
測定長さ(Lr:基準長さ):1252μm
レンズ:10倍
2倍伸長時のRSkについては、引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUCT−100)を用いて、長手方向および幅方向に切り出した幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mm(初期試料長)となるようにセットし、温度150℃、湿度65%RHの条件に設定した恒温層中で60秒間の予熱後、引張速度300mm/分で引張し、2倍に伸張したサンプルを未延伸サンプルのRSkの測定方法と同様にして測定を行った。長手方向に切り出したサンプルフィルムを2倍に伸長したサンプル、幅方向に切り出したサンプルフィルムを2倍に伸長したサンプルについて、それぞれ5サンプルについてRSkの測定を実施し、10サンプルの平均値を2倍伸長時のRSkとした。
【0077】
4.成形性、離型性、耐熱性
離型層に、順にトップコート層、インキ層、接着層をコーティングし、転写箔を作成した。トップコート層として、紫外線硬化型アクリル系樹脂(BASFジャパン(株)製“LAROMER”(登録商標) LR8983)(厚み60μm)、インキ層として、ポリウレタン系樹脂グラビアインキ(大日精化工業(株)製“ハイラミック”、主要溶剤:トルエン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール、インキ:723B黄/701R白)(厚み70μm)を形成し、さらに、接着層として、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合樹脂フィルム(オカモト(株)製ABSフィルム“ハイフレックス”、厚み100μm)を塗布した。インキ層を硬化させるために40℃で72時間エージングを行った。次に、直径50mm、絞り比(深さ/底面直径)が0.2の円筒型の金型にセットして120℃で減圧成形を行い、ABS樹脂(東レ(株)製、ABS樹脂“トヨラック”(登録商標) 930)を用い、射出成形して、円筒型成形物を作成した。
【0078】
(1)成形性
S:円筒型成形物底側のコーナーがシャープに成形されている。
A:円筒型成形物底側のコーナーが丸みを帯びているが、成形されている。
B:成形されているが、白化している部分がある。
C:成形できていない。
A以上を合格とした。
【0079】
(2)離型性
さらに、転写箔を貼り付けたままトップコート層を紫外線硬化させるため波長365nmの紫外線を2000mJ/cm
2照射した後、外表面の成形転写用積層フィルムを剥離し、外表面からインキ層が見えるABS樹脂製箱型成形物を作成した。これを各水準につき10個作成し、評価に用いた。
S:10個全て問題なく剥離できた。
A:やや抵抗はあったが、10個全て剥離できた。
B:紫外線硬化前に剥がれてしまものがあった。
C:剥がれないものがあった。
A以上を合格とした。
【0080】
(3)耐熱性
S:転写箔、成形体ともに樹脂流れの跡が見られない。
A:転写箔にわずかに樹脂うち込み跡が見られるが、成形体には見られない。
B:成形体にわずかな樹脂流れの跡が見られる。
C:成形体に明らかな樹脂流れの跡が見られる。
A以上を合格とした。
【0081】
5.離型層中のメラミン樹脂含有量
離型層を構成する樹脂0.1gをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、
1H−NMRおよび
13C−NMRを用いてメラミン骨格から構成される樹脂の含有量を定量した。また、必要に応じてGPC(東ソー社製 HLC−8020)による分取操作を行い構成ポリマーを単離したのち、
1H−NMRおよび
13C−NMR測定を行うことによりメラミン樹脂の含有量を特定した。
【0082】
6.フィルム厚み
打点式フィルム厚み計(Anritsu、K402B)を用い、フィルム幅方向の任意の場所50箇所、フィルム幅の中心付近の長手方向で任意の場所50箇所について厚みを測定し、全100箇所の数平均値をフィルム厚みとした。
【0083】
7.離型層厚み
離型層の厚みは、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を3000〜200000倍に拡大観察し、断面写真を撮影し、当該断面写真より離型層の厚みを測定した。なお、層構成を明確にするためにRuO
4染色法にて染色を行い、異なる樹脂層同士の染め分けを行った。なお、本発明のフィルムについては、フィルム表面の1平米当たりの塗布体積A(cm
3/m
2)を樹脂の比重を1g/cm
3として塗剤の固形分濃度から算出し、このAを塗布厚み(μm)とした。
【0084】
(ポリエステルチップα)
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85質量%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.65,副生したジエチレングリコール成分が、樹脂中のグリコール成分に対して、2モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
【0085】
(ポリエステルチップβ)
1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が、ポリエチレンテレフタレートのグリコール成分に対して、33モル%共重合された共重合ポリエステルを使用した。
【0086】
(粒子マスターM)
上記ポリエステルチップαを製造する際、エステル交換反応後に平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度2質量%の粒子マスターを作製した。
【0087】
(離型層形成用溶液)
以下に示す、架橋剤:バインダー樹脂:離型剤:粒子をそれぞれ表に記載の質量比で混合し、固形分が1%の質量比となるように純水で希釈して調整した。
・架橋剤I:メチル化メラミン/尿素共重合の架橋製樹脂((株)三和ケミカル製“ニカラック” (登録商標)「MW12LF」)
・架橋剤II:ブチル化メラミン/尿素共重合の架橋製樹脂(大日本インキ化学工業製“ベッカミン”(登録商標):「J101」)
・バインダー樹脂I:アクリルモノマー共重合体(日本カーバイド製)
・バインダー樹脂II:テレフタル酸25モル%、イソフタル酸24モル%、5−Naスルホイソフタル酸1モル%、エチレングリコール25モル%、ネオペンチルグリコール25モル%の混合重合物を25質量%に水で希釈した分散体。
・離型剤I:4つ口フラスコにキシレン200部、オクタデシルイソシアネート600部を加え、攪拌下に加熱した。キシレンが還流し始めた時点から、平均重合度500、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール100部を少量ずつ10分間隔で約2時間にわたって加えた。ポリビニルアルコールを加え終わってから、さらに2時間還流を行い、反応を終了した。反応混合物を約80℃まで冷却してから、メタノール中に加えたところ、反応生成物が白色沈殿として析出したので、この沈殿を濾別し、キシレン140部を加え、加熱して完全に溶解させた後、再びメタノールを加えて沈殿させるという操作を数回繰り返した後、沈殿をメタノールで洗浄し、乾燥粉砕して得た粉末を8.6質量%となるように水で希釈した分散体。
・離型剤II:攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.5Lの乳化設備に融点105℃、酸価16mgKOH/g、密度0.93g/mL、平均分子量5000の酸化ポリエチレンワックス300g、イオン交換水650gとデカグリセリンモノオレエート界面活性剤を50g、48%水酸化カリウム水溶液10gを加え窒素で置換後、密封し150℃で1時間高速攪拌した後130℃に冷却し、高圧ホモジナイザーを400気圧下で通過させ40℃に冷却し得られたワックスエマルション。
・離型剤III: ガラス製反応容器中に、パーフルオロアルキル基含有アクリレートであるCF
3(CF
2)
nCH
2CH
2OCOCH=CH
2(n=5〜11、nの平均=9)80.0g、アセトアセトキシエチルメタクリレート20.0g、ドデシルメルカプタン0.8g、脱酸素した純水354.7g、アセトン40.0g、C
16H
33N(CH
3)
3Cl1.0gおよびC
8H
17C
6H
4O(CH
2CH
2O)
nH(n=8)3.0gを入れ、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩0.5gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しつつ60℃で10時間共重合反応させて得られた共重合体エマルション。
・粒子:数平均粒子径170nmのシリカ粒子(日産化学工業(株)製“スノーテックス”(登録商標)MP2040)を固形分濃度が40重量%となるように純水で希釈して得られた水分散体。
【0088】
(実施例1)
基材フィルムは3層積層フィルム(B層/A層/B層)とした。
ポリエステルチップα、ポリエステルチップβと粒子マスターMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し水分を十分に除去した。その後、A層がポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=60:40の質量比になるように、B層がポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターM=88:10:2の質量比で原料をブレンドした。それぞれ別の単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った。その後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてB層/A層/B層の厚み比が1/8/1になるように積層し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を90℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。その後、コロナ放電処理を施し、表に示した組成の離型層形成用溶液(水分散体)をメタリングバーを用いてウェット厚みが13.5μmとなるように塗布した。次いでテンター式横延伸機にて予熱前半温度(横延伸予熱温度1)100℃、予熱後半温度(横延伸予熱温度2)130℃、延伸温度150℃で幅方向に3.5倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で8間の熱処理を行い、フィルム厚み50μmの離型フィルムを得た。
【0089】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが67μmであり、高い剥離安定性と耐熱性を示すとともに、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0090】
(実施例2)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0091】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが68μmであり、高い剥離安定性と耐熱性を示すとともに、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0092】
(実施例3)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0093】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが75μmであり、メラミン樹脂濃度を高めたことに起因した高い耐熱性を示したが、2倍伸長時のRSkが0.61と低下した。しかしながら、該フィルムは離型フィルムとしては十分な特性を有していた。
【0094】
(実施例4)
製膜条件を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0095】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが50μmであり、熱処理温度を低くしたことに起因した耐熱性の低下、およびRSkの低下が見られたが、離型フィルムとしては十分な特性を示した。また、該離型フィルムは成形性にも優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0096】
(実施例5)
製膜条件を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0097】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが70μmであり、熱処理温度を高くしたことにより高い耐熱性を示した。また、該離型フィルムは成形性にも優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0098】
(実施例6)
離型層の厚みを表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0099】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが75μmであり、離型層の厚みを低下させたことによる耐熱性の低下が見られたが、離型フィルムとしては十分な特性を示していた。また、該離型フィルムは成形性にも優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0100】
(実施例7)
離型層の厚みを表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0101】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが77μmであり、離型層の厚みを大きくしたことに起因した高い耐熱性を示した。また、該離型フィルムは成形性にも優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0102】
(実施例8)
離型層の厚みを表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0103】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが73μmであり、高い剥離安定性と耐熱性を示すとともに、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0104】
(実施例9)
製膜条件を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0105】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが50μmであり、熱処理時間を長くしたことによる脆化が確認された。しかしながら、該フィルムは離型性、耐熱性に優れ、また、高い成形性を示すことから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0106】
(実施例10)
製膜条件を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0107】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが55μmであり、熱処理時間を長くしたことによる白化が確認された。しかしながら、該フィルムは離型性、耐熱性に優れ、また、高い成形性を示すことから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0108】
(実施例11)
製膜条件を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0109】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが52μmであり、耐熱性と離型性に優れ、離型フィルムとして好適な特性を有していた。しかしながら、熱処理時間を短くしたことに起因する成形応力の上昇が確認された。
【0110】
(実施例12)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0111】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが52μmであり、耐熱性と離型性に優れ、離型フィルムとして好適な特性を有していた。しかしながら、離型層への粒子添加に起因したRSk、および2倍伸長時のRSkの低下により、成形延伸後の離型性が低下した。
【0112】
(実施例13)
基材フィルムと離型層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0113】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが66μmであり、耐熱性と離型性に優れ、離型フィルムとして好適な特性を有していた。しかしながら、離型層への粒子添加に起因したRSk、および2倍伸長時のRSkの低下により、成形延伸後の離型性がやや低下したが離型フィルムとして有用なフィルムであった。
【0114】
(実施例14)
基材フィルムの組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0115】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが72μmであり、高い剥離安定性と耐熱性を示すとともに、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0116】
(実施例15)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0117】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが68μmであり、高い剥離安定性示すとともに、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0118】
(実施例16)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0119】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが54μmであり、高い剥離安定性示すとともに、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0120】
(実施例17)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0121】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが45μmであり、高い剥離安定性示すとともに、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0122】
(実施例18)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0123】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが45μmであり、高い剥離安定性示すとともに、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0124】
(実施例19)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0125】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが73μmであり、バインダーポリマーの高いガラス転移温度に起因した高い耐熱性を示した。また、成形性に優れることから、特に成形同時転写用途に好適な特性を有していた。
【0126】
(実施例20)
基材フィルムの組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0127】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが78μmであり、離型フィルムとして十分な特性を有していた。
【0128】
(実施例21)
基材フィルムを単層フィルム(A層のみの構成)とした。
【0129】
ポリエステルチップαと粒子マスターMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、A層はポリエステルチップα:粒子マスターM=50:50の質量比でブレンドした。このブレンド原料を単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0130】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが44μmであり、高い離型性と耐熱性を示し、離型フィルムとして十分な特性を有していた。しかしながら、成形応力が高いため、深い形状の型へ成形同時転写する用途にはやや不向きであった。
【0131】
(比較例1)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0132】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが72μmであるが、離型層のメラミン樹脂濃度が低いため、耐熱性が十分でなく、耐熱性の求められる離型フィルム用途には不向きであった。
【0133】
(比較例2)
離型層形成用溶液中の固形分の組成を表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0134】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが77μmであるが、離型層のメラミン樹脂濃度が低いため、耐熱性、および離型性が十分でなく、耐熱性の求められる離型フィルム用途には不向きであった。
【0135】
(比較例3)
製膜条件を表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0136】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが130μmと大きく、耐熱性、および離型性が不十分であり、耐熱性の求められる離型フィルム用途には不向きであった。
【0137】
(比較例4)
製膜条件を表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0138】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが112μmと大きく、耐熱性の求められる離型フィルム用途には不向きであった。
【0139】
(比較例5)
製膜条件を表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0140】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが91μmと大きく、離型性が不十分であり、離型フィルム用途には不向きであった。
【0141】
(比較例6)
離型層の厚みを表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0142】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが108μmと大きく、離型性が不十分であり、離型フィルム用途には不向きであった。
【0143】
(比較例7)
離型層の厚みを表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0144】
この離型フィルムは、離型層表面のRSmが78μmであり、離型層の厚みが0.012μmと小さいことから離型性にばらつきが生じ、離型フィルム用途には不向きであった。
【0145】
(比較例8)
基材フィルムを3層積層フィルム(B層/A層/B層)とした。
ポリエステルチップα、ポリエステルチップβと粒子マスターMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=60:40の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターM=88:10:2の質量比でブレンドしてそれぞれ別の単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてB層/A層/B層の厚み比が1/8/1になるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度90℃で幅方向に3.5倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行い、基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムのドラム面に対して、表3に示した離型層組成物をグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、離型フィルムを得た。この離型フィルムのRSmは144μmと大きく、耐熱性、離型性ともに不十分であり、また、平面性が大きく悪化していることから、離型フィルム用途には不向きであった。
【0146】
【表1】
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
表中の略称は下記のとおり。
α:ポリエステルチップα
β:ポリエステルチップβ
M:粒子マスターM
バインダーI:バインダー樹脂I
バインダーII:バインダー樹脂II