【文献】
稲川 哲浩,業界の最新トレンドを徹底予測 2013年のキーワードを読み解く,日経パソコン No.665,日本,日経BP社,2013年 1月14日,第48頁-第49頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のホームネットワークにおけるコンテンツ視聴においては、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることが困難である。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができるサーバ装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るサーバ装置は、コンテンツを画面に表示するクライアント装置に対して、前記コンテンツを配信するサーバ装置であって、前記サーバ装置の向きを検出する向き検出部と、前記向き検出部により前記サーバ装置が予め定められた向きを向いていることが検出された場合に、予め定められたコンテンツであって、秘匿性を確保すべきコンテンツである秘匿コンテンツの配信を停止する制御部とを備える。
【0011】
この構成によると、サーバ装置を予め定められた向きに向けることにより、サーバ装置からの秘匿コンテンツの配信を停止させることができる。このため、クライアント装置における秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0012】
例えば、前記制御部は、さらに、前記向き検出部により前記サーバ装置が予め定められた向きを向いていることが検出された場合に、前記秘匿コンテンツを除くコンテンツの格納場所を示すリストを、前記クライアント装置に対して送信し、前記クライアント装置は、前記制御部から受信した前記リストに示される前記格納場所から前記コンテンツを取得し、取得した前記コンテンツを前記画面に表示しても良い。
【0013】
この構成によると、サーバ装置を予め定められた向きに向けることにより、コンテンツのリストから秘匿コンテンツの格納場所の情報を除くことができる。このため、クライアント装置は秘匿コンテンツへのアクセスをすることができなくなり、これにより、クライアント装置における秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0014】
また、前記制御部は、前記向き検出部により前記サーバ装置の表示画面が下向きであることが検出された場合に、前記秘匿コンテンツの配信を停止しても良い。
【0015】
この構成によると、ユーザは、サーバ装置の表示画面を隠すという動作を行うことにより、秘匿コンテンツの配信を停止させることができる。表示画面を隠すという行為は、人間の直感として見えているものを覆い隠すという行為と直感的に結びついている。このため、サーバ装置のユーザビリティを向上させることができる。
【0016】
また、前記制御部は、さらに、前記向き検出部により、前記サーバ装置が前記予め定められた向きを向いた後に、前記予め定められた向き以外の向きを向いていることが検出された場合には、前記コンテンツの配信の停止を維持しても良い。
【0017】
この構成によると、秘匿コンテンツの配信を停止させた後に、秘匿コンテンツが再配信されるのを防ぐことができる。これにより、他人から秘匿コンテンツを隠すことができる。
【0018】
また、前記サーバ装置は、DLNA(Digital Living Network Alliance)準拠プロトコルの2Boxモデルにおけるデジタルメディアサーバであり、前記クライアント装置に対して前記コンテンツを配信し、前記クライアント装置は、DLNA準拠プロトコルの2Boxモデルにおけるデジタルメディアプレイヤであっても良い。
【0019】
この構成によると、サーバ装置が、DLNA準拠プロトコルの2Boxのモデルのデジタルメディアサーバとして用いられる場合であっても、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0020】
また、前記サーバ装置は、Miracastに基づいて、前記サーバ装置で表示中のコンテンツを前記クライアント装置に配信し、前記制御部は、前記向き検出部により前記サーバ装置が前記予め定められた向きを向いていることが検出された場合に、前記秘匿コンテンツの表示を中止することにより、前記秘匿コンテンツの配信を停止しても良い。
【0021】
この構成によると、サーバ装置が、Miracastのソースデバイスとして用いられる場合であっても、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0022】
本発明の他の態様に係るコンテンツ配信制御装置は、コンテンツを画面に表示するクライアント装置に対する、サーバ装置からの前記コンテンツの配信を制御するコンテンツ配信制御装置であって、前記コンテンツ配信制御装置の向きを検出する向き検出部と、前記向き検出部により、前記コンテンツ配信制御装置が予め定められた向きを向いていることが検出された場合に、予め定められたコンテンツであって、秘匿性を確保すべきコンテンツである秘匿コンテンツの、前記サーバ装置から前記クライアント装置への配信を停止させる制御部とを備える。
【0023】
この構成によると、コンテンツ配信制御装置を予め定められた向きに向けることにより、サーバ装置からの秘匿コンテンツの配信を停止させることができる。このため、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。例えば、コンテンツ配信制御装置が、DLNA準拠プロトコルの3Boxモデルのデジタルメディアコントローラとして用いられる場合であっても、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0024】
本発明のさらに他の態様に係るコンテンツ配信システムは、コンテンツを配信するサーバ装置と、前記サーバ装置から配信される前記コンテンツを受信し、受信した前記コンテンツを画面に表示するクライアント装置とを備え、前記サーバ装置は、前記サーバ装置の向きを検出する向き検出部と、前記向き検出部により前記サーバ装置が予め定められた向きを向いていることが検出された場合に、予め定められたコンテンツであって、秘匿性を確保すべきコンテンツである秘匿コンテンツの配信を停止する制御部とを有する。
【0025】
この構成によると、サーバ装置を予め定められた向きに向けることにより、サーバ装置からの秘匿コンテンツの配信を停止させることができる。このため、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0026】
例えば、前記クライアント装置は、前記サーバ装置から前記秘匿コンテンツの配信が停止された場合に、前記画面に、前記秘匿コンテンツを含まない所定の画像を表示しても良い。
【0027】
この構成によると、秘匿コンテンツを視聴していたことを他人から隠すことができる。
【0028】
具体的には、前記所定の画像は、予め定められたメニュー画像であっても良い。
【0029】
この構成によると、ユーザは、他人に対して、メニュー画像を見ていたように装うことができる。
【0030】
また、前記所定の画像は、前記秘匿コンテンツを除いたコンテンツのリストの画像であっても良い。
【0031】
この構成によると、ユーザは、他人に対して、サーバ装置にそもそも秘匿コンテンツが記憶されていないように装うことができる。
【0032】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備えるサーバ装置として実現することができるだけでなく、サーバ装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとするコンテンツ配信方法として実現することができる。また、サーバ装置に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラムまたはコンテンツ配信方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができるサーバ装置等を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0036】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係るコンテンツ配信システムについて説明する。実施の形態1に係るコンテンツ配信システムは、DLNA準拠プロトコルに基づいて接続されている。
【0037】
<1.構成>
図1は、実施の形態1に係るコンテンツ配信システムの構成を示す図である。
【0038】
コンテンツ配信システム10は、コンテンツ
(画像の一例)を表示するテレビ100
(表示装置の一例)と、コンテンツ
(画像を示す情報の一例)を配信するサーバ装置
(情報装置の一例)として機能するスマートフォン200とを備える。ユーザ300は、スマートフォン200を操作することにより、スマートフォン200に記憶されているコンテンツをテレビ100の表示画面に表示させる。テレビ100及びスマートフォン200は、DLNA準拠プロトコルの2BoxモデルにおけるDMP(Digital Media Player)及びDMSとしてそれぞれ機能する。つまり、スマートフォン200が、スマートフォン200記憶されているコンテンツをネットワーク配信し、テレビ100がネットワーク配信されたコンテンツを受信し、表示画面に表示する。ユーザ300は、テレビ100の表示画面を見ることにより、コンテンツを見ることができる。
【0039】
図2は、スマートフォン200の機能的な構成を示すブロック図である。
【0040】
スマートフォン200は、制御部201と、ROM(Read Only Memory)202と、ジャイロセンサ203と、内部記憶装置204と、外部記憶装置接続部205と、ネットワークインタフェース206と、RAM(Random Access Memory)207とを備える。
【0041】
制御部201は、スマートフォン200の各部を制御する。制御部201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。
【0042】
ROM202は、スマートフォン200を起動するためのプログラムなどを記憶している。
【0043】
ジャイロセンサ203は、向き検出部の一例であり、スマートフォン200の向きを検出するセンサである。
【0044】
内部記憶装置204は、画像データ又は映像データなどのコンテンツを記憶している。内部記憶装置204は、例えば、フラッシュメモリなどにより構成される。
【0045】
外部記憶装置接続部205は、外部記憶装置400とスマートフォン200とを接続するためのインタフェースである。なお、外部記憶装置400は、例えば、メモリカードなどにより構成され、コンテンツを記憶している。
【0046】
ネットワークインタフェース206は、外部の機器と無線通信を行うためのインタフェースである。例えば、ネットワークインタフェース206は、アクセスポイントを介してテレビ100と無線通信を行う。
【0047】
RAM207は、各種データを一時的に記憶する。RAM207は、後述するコンテンツリストを記憶する。
【0048】
制御部201は、プログラムを実行したときに機能的に実現される処理部として、配信制御部211と、コンテンツプロファイル管理部212と、リスト公開処理部213と、リスト生成部214とを有する。
【0049】
配信制御部211は、コンテンツの配信を制御する。具体的には、配信制御部211は、ジャイロセンサ203の出力に基づいてスマートフォン200が予め定められた向きを向いていることを検出した場合に、予め定められたコンテンツであって、秘匿性を確保すべきコンテンツである秘匿コンテンツ
(所定の画像を示す情報の一例)の配信を停止させる。
【0050】
コンテンツプロファイル管理部212は、内部記憶装置204又は外部記憶装置400に記憶されているコンテンツが秘匿コンテンツであるか否かを示すプロファイル情報を生成し、RAM207又は内部記憶装置204に記憶する。
図3は、プロファイル情報の一例を示す図である。プロファイル情報は、コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、コンテンツが秘匿コンテンツであるか否かを示す秘匿フラグとを含む。秘匿フラグの値が1であれば、コンテンツが秘匿コンテンツであることを示し、秘匿フラグの値が0であれば、コンテンツが秘匿コンテンツではないことを示す。
【0051】
リスト生成部214は、コンテンツの格納場所とコンテンツのメタデータとを含むコンテンツリストを生成する。コンテンツのメタデータとは、コンテンツのタイトル、データサイズ及び解像度などを含む。
【0052】
リスト公開処理部213は、リスト生成部214が生成したコンテンツリストを、ネットワークインタフェース206を介してテレビ100に配信する。
【0053】
図4は、テレビ100の機能的な構成を示すブロック図である。
【0054】
テレビ100は、ネットワークインタフェース101と、表示制御部102と、表示画面103と、リスト制御部104と、リスト記憶部105と、コンテンツ要求部106とを備える。
【0055】
ネットワークインタフェース101は、外部の機器と無線通信を行うためのインタフェースである。例えば、ネットワークインタフェース101は、アクセスポイントを介してスマートフォン200と無線通信を行う。
【0056】
表示画面103は、画像を表示する画面であり、例えば、液晶パネルなどにより構成される。
【0057】
表示制御部102は、コンテンツ及びコンテンツリストの表示画面103への表示を制御する。
【0058】
リスト記憶部105は、コンテンツリストを記憶する。リスト記憶部105は、例えば、RAMなどにより構成される。
【0059】
リスト制御部104は、ネットワークインタフェース101を介してスマートフォン200からコンテンツリストを受信し、受信したコンテンツリストをリスト記憶部105に記憶する。
【0060】
コンテンツ要求部106は、ネットワークインタフェース101を介してスマートフォン200にコンテンツの送信を要求する。
【0061】
<2.処理>
次に、コンテンツ配信システム10が実行する処理について具体例を挙げながら説明する。
【0062】
図5は、スマートフォン200が実行する処理のフローチャートである。
【0063】
リスト生成部214は、内部記憶装置204又は外部記憶装置400に格納されているコンテンツから、コンテンツのメタデータを解析する(S1)。つまり、リスト生成部214は、各コンテンツのヘッダ情報から、コンテンツのタイトル、データサイズ及び解像度などのメタデータを取得する。
【0064】
リスト生成部214は、解析したメタデータと、コンテンツの格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)とを含むコンテンツリストを生成する(S2)。
図6は、コンテンツリストの一例を示す図である。コンテンツリストは、コンテンツIDと、メタデータと、URLと、サムネイル画像とを含む。コンテンツIDは、コンテンツの識別子である。サムネイル画像は、コンテンツを代表する画像を縮小した画像の画像データである。コンテンツが映像データの場合には、例えば、先頭フレームの画像を縮小することによりサムネイル画像を生成しても良い。
【0065】
リスト公開処理部213は、生成されたコンテンツリストを、ネットワークを介してテレビ100に配信する(S3)。
【0066】
配信制御部211は、テレビ100からコンテンツの配信要求を受信した場合に、要求されたコンテンツを、ネットワークを介してテレビ100に配信する(S4)。配信要求には、コンテンツのURLが含まれているため、配信制御部211は、そのURLに格納されているコンテンツをテレビ100に配信する。
【0067】
配信制御部211は、ジャイロセンサ203の出力に基づいてスマートフォン200の表示画面が下向きになっているか否かを判断する(S5)。
図7は、床面500にスマートフォン200が置かれている状態を示す図である。(a)は、スマートフォン200の表示画面215が上向きになっている状態を示し、(b)は、スマートフォン200の表示画面215が下向きになっている状態を示す。
【0068】
図7の(b)に示すようにスマートフォン200の表示画面215が下向きになっている場合には(S5でYES)、配信制御部211は、プロファイル情報(
図3)を参照し、現在配信中のコンテンツが秘匿コンテンツであるか否かを判断する(S6)。
【0069】
秘匿コンテンツの配信中の場合には(S6でYES)、配信制御部211は、現在配信中の秘匿コンテンツの配信を停止する(S7)。その際、配信制御部211は、秘匿コンテンツの配信停止信号をテレビ100に対して送信しても良い。
【0070】
また、リスト生成部214は、コンテンツリストの中から秘匿コンテンツの情報を除いたコンテンツリストを生成する(S8)。例えば、リスト生成部214は、
図6に示したコンテンツリストから秘匿コンテンツの情報(コンテンツIDが1の情報)を除き、
図8に示すようなコンテンツリストを生成する。
【0071】
リスト公開処理部213は、コンテンツリストが更新されたことを示すアップデートイベントをテレビ100に通知する(S9)。これにより、テレビ100に新しいコンテンツリストを取得させ、テレビ100がスマートフォン200から秘匿コンテンツを取得できないようにする。
【0072】
なお、スマートフォン200の表示画面の向きが下向き以外の場合や(S5でNO)、秘匿コンテンツを配信していない場合には(S6でNO)、コンテンツの配信が終了するまで(S10でNO)、S5以降の処理が繰り返し実行される。
【0073】
図9は、
図5に示したスマートフォン200の処理に呼応して実行されるテレビ100の処理のフローチャートである。
【0074】
リスト制御部104は、スマートフォン200からコンテンツリストを受信し、受信したコンテンツリストをリスト記憶部105に記憶する(S11)。
【0075】
表示制御部102は、リスト記憶部105に記憶されたコンテンツリストを表示画面103に表示する(S12)。
【0076】
表示画面103に表示されたコンテンツリストの中から、ユーザによりコンテンツの選択が行われた場合には、コンテンツ要求部106は、選択されたコンテンツの送信要求をスマートフォン200に対して送信する(S13)。つまり、コンテンツ要求部106は、コンテンツリストの中から選択されたコンテンツのURLを取得し、取得したURLとともに送信要求をスマートフォン200に対して送信する。なお、コンテンツの選択は、例えば、テレビ100のリモコンにより行われる。
【0077】
表示制御部102は、送信要求に応答してスマートフォン200が送信したコンテンツを受信する(S14)。また、表示制御部102は、受信したコンテンツを表示画面103に表示する(S15)。
【0078】
コンテンツの表示中に、秘匿コンテンツの配信が停止された場合には(S16でYES)、表示制御部102は、秘匿コンテンツに替えて、テレビ100のメニュー画像を表示する(S17)。なお、表示制御部102は、秘匿コンテンツの配信停止信号を受信した場合に秘匿コンテンツの配信が停止されたと判断しても良い。
【0079】
秘匿コンテンツの配信が停止されていない場合には(S16でNO)、コンテンツの受信が終了するまで、S16以降の処理を繰り返し実行する(S18)。
【0080】
<3.利用例>
次に、コンテンツ配信システム10の利用例について説明する。
【0081】
例えば、
図1に示すように、ユーザ300は、自室において、スマートフォン200に格納されている秘匿コンテンツをテレビ100の表示画面に表示させながら視聴しているものとする。この秘匿コンテンツは、ユーザ300以外には見せたくないコンテンツである。
【0082】
このような状況において、家族が自室に入ってきた場合には、ユーザ300はテレビ100に表示されている秘匿コンテンツをとっさに非表示にしたい。このため、ユーザ300は、スマートフォン200の向きを、
図7の(a)のように、表示画面215が上向きの状態から、
図7の(b)のように、表示画面215が下向きの状態に変更する。
【0083】
これにより、スマートフォン200からテレビ100への秘匿コンテンツの配信が停止される。また、テレビ100の画面にはメニュー画像が表示される。このため、テレビ100の表示画面に秘匿コンテンツが表示されていたことを、家族に気づかせることなく、秘匿コンテンツの表示を停止させることができる。
【0084】
なお、その後、スマートフォン200を
図7の(a)のように、表示画面215が上向きの状態に変更したとしても、スマートフォン200は、秘匿コンテンツの配信の停止を維持し続けることとする。これにより、秘匿コンテンツが再配信されるのを防ぐことができる。
【0085】
<4.プロファイル情報の作成処理>
次に、
図3に示したプロファイル情報の作成処理について説明する。
【0086】
図10は、プロファイル情報の作成処理のフローチャートである。プロファイル情報の作成処理は、コンテンツの配信処理の前処理として事前に行われる。
【0087】
スマートフォン200の配信制御部211は、内部記憶装置204又は外部記憶装置400に記憶されているコンテンツのサムネイルを、テレビ100に配信する(S21)。
【0088】
テレビ100の表示制御部102は、スマートフォン200からサムネイルを受信し、受信したサムネイルを表示画面103に表示する(S22)。例えば、
図11に示すように、テレビ100の表示画面に6つのサムネイル(サムネイルA〜F)が表示されたものとする。なお、スマートフォン200の表示画面215にも同じサムネイルが表示されているものとする。
【0089】
このうち、ユーザが、スマートフォン200を操作して、いずれかのサムネイルを選択した場合(S23でYES)、配信制御部211は、選択されたサムネイルの情報をテレビ100に送信する。テレビ100の表示制御部102は、送信された情報に基づいて、ユーザが選択したサムネイルを非表示にする(S24)。例えば、
図12に示すように、ユーザが、スマートフォン200の表示画面215に表示されているコンテンツAをタッチすることにより、コンテンツAを選択したものとする。ここで、選択したコンテンツAを太枠で示している。すると、表示制御部102は、
図13に示すように、選択したコンテンツAを非表示にする。
【0090】
また、スマートフォン200のコンテンツプロファイル管理部212は、ユーザが選択したサムネイルに対応するコンテンツを秘匿コンテンツとして、プロファイル情報(
図3)に設定する(S25)。つまり、コンテンツプロファイル管理部212は、そのコンテンツの秘匿フラグを1に設定する。
【0091】
制御部201は、ジャイロセンサ203の出力に基づいてスマートフォン200の表示画面215が下向きになっているか否かを判断する(S26)。表示画面215が下向きになっていれば(S26でYES)、プロファイル情報の作成処理が完了したと判断し、処理を終了する。表示画面215が、下向きになっていなければ(S26でNO)、S23以降の処理が繰り返し実行される。
【0092】
<5.効果>
以上説明したように、実施の形態1に係るコンテンツ配信システム10によると、スマートフォン200の表示画面を下向きにすることにより、スマートフォン200からの秘匿コンテンツの配信を停止させることができる。このため、テレビ100による秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0093】
また、スマートフォン200の表示画面を下向きにすることにより、コンテンツリストから秘匿コンテンツの情報を除くことができる。特に、秘匿コンテンツの格納場所の情報(URL)を除くことができる。このため、テレビ100は、秘匿コンテンツへのアクセスをすることができなくなり、これにより、テレビ100における秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0094】
また、ユーザは、スマートフォン200の表示画面215を下向きにする、つまり、表示画面215を隠すという動作を行うことにより、秘匿コンテンツの配信を停止させることができる。表示画面215を隠すという行為は、人間の直感として見えているものを覆い隠すという行為と直感的に結びついている。このため、スマートフォン200のユーザビリティを向上させることができる。
【0095】
(実施の形態2)
実施の形態2に係るコンテンツ配信システムについて説明する。実施の形態1では、テレビ100とスマートフォン200とがDLNA準拠プロトコルに基づいて接続されているものとしたが、実施の形態2では、Miracastに基づいて、Wi−Fi Direct(登録商標)を介して、接続されるものとする。Miracastでは、スマートフォンに表示されている映像が、テレビの画面にミラーリングされて表示される。以下では、実施の形態1と同様の構成については、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0096】
コンテンツ配信システムの構成は、
図1に示したものと同様である。実施の形態2では、
図1に示すスマートフォン200の代わりに後述するスマートフォン200Aが用いられ、テレビ100の代わりに後述するテレビ100Aが用いられる。
【0097】
図14は、スマートフォン200Aの機能的な構成を示すブロック図である。
【0098】
スマートフォン200Aは、
図2に示したスマートフォン200における制御部201の代わりに制御部201Aを備える点が異なる。制御部201は、4つの処理部を有していたのに対し、制御部201Aは、1つの処理部(配信制御部211A)を有する点が異なる。
【0099】
配信制御部211は、実施の形態1の配信制御部211と同様に、コンテンツの配信を制御する。ただし、配信制御部211Aは、Wi−Fi Direct(登録商標)を介してコンテンツを配信する点が、配信制御部211とは異なる。
【0100】
図15は、テレビ100Aの機能的な構成を示すブロック図である。
【0101】
テレビ100Aは、ネットワークインタフェース101と、表示制御部102と、表示画面103とを備える。
【0102】
図16は、スマートフォン200Aが実行する処理のフローチャートである。
【0103】
配信制御部211Aは、スマートフォン200で表示中のコンテンツをWi−Fi Direct(登録商標)を介してテレビ100に配信する(S4A)。
【0104】
その後、S5〜S7及びS10の処理を実行する。これらの処理は、実施の形態1の
図5に示した処理と同様である。つまり、配信制御部211Aは、スマートフォン200Aの表示画面が下向きであり(S5でYES)、かつ秘匿コンテンツを配信中の場合に(S6でYES)、秘匿コンテンツの配信を停止する(S7)。なお、Miracastに基づいてコンテンツが配信されているため、配信制御部211Aがスマートフォン200Aの画面への秘匿コンテンツの表示を中止することによって、秘匿コンテンツの配信が停止される。
【0105】
S5以降の処理が、コンテンツの配信終了まで実行される(S10)。
【0106】
図17は、
図16に示したスマートフォン200Aの処理に呼応して実行されるテレビ100Aの処理のフローチャートである。
【0107】
テレビ100Aは、
図9に示したS14〜S18の処理を実行する。
【0108】
つまり、リスト制御部104は、スマートフォン200Aが送信したコンテンツを受信し(S14)、表示制御部102は、受信したコンテンツを表示画面103に表示する(S15)。
【0109】
コンテンツの表示中に、秘匿コンテンツの配信が停止された場合には(S16でYES)、表示制御部102は、秘匿コンテンツに替えて、テレビ100Aのメニュー画像を表示する(S17)。
【0110】
秘匿コンテンツの配信が停止されていない場合には(S16でNO)、コンテンツの受信が終了するまで、S16以降の処理が繰り返し実行される(S18)。
【0111】
以上説明したように、実施の形態2によると、Miracastに基づいて、コンテンツが配信される場合であっても、実施の形態1と同様に、秘匿性の高いコンテンツの表示を瞬時に停止させることができる。
【0112】
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態に係るコンテンツ配信システム装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0113】
例えば、実施の形態1及び2では、スマートフォンの表示画面が下向きの場合に、秘匿コンテンツの配信を停止させることとしたが、スマートフォンの向きはこれに限定されるものではない。たとえば、スマートフォンが横向きの場合に秘匿コンテンツの配信を停止させるようにしてもよい。
【0114】
また、コンテンツ配信に用いられる規格は、DLNA準拠プロトコル又はMiracastに限定されるものではない。たとえば、AirPlay(登録商標)などにより接続されていてもよい。
【0115】
また、コンテンツを配信するサーバ装置は、スマートフォンに限定されるものではなく、タブレット端末など、ユーザがとっさに向きを変えることのできる機器であれば、サーバ装置として用いることができる。また、ユーザがとっさに向きを変えることのできない機器であっても、サーバ装置して利用可能である。この場合には、サーバ装置のリモコンの向きを変えることにより、秘匿コンテンツの配信を制御してもよい。たとえば、サーバ装置がセットトップボックスであり、ユーザがセットトップボックスのリモコンの向きを変えることにより、セットトップボックスが秘匿コンテンツの配信を制御してもよい。
【0116】
また、実施の形態1及び2では、秘匿コンテンツの配信が停止された後は、テレビはメニュー画像を表示することとしたが、秘匿コンテンツに関連しない画像であれば、それ以外の画像を表示してもよい。たとえば、テレビは、アップデート後のコンテンツリスト、つまり、秘匿コンテンツの情報が除かれたコンテンツリストを表示画面に表示するようにしてもよい。
【0117】
また、実施の形態1では、DLNA準拠プロトコルの2Boxモデルに基づいて、スマートフォンとテレビとが接続されていたが、DLNA準拠プロトコルの3Boxモデルに基づいて、これらが接続されていてもよい。
図18は、DLNA準拠プロトコルの3Boxモデルに基づくコンテンツ配信システムの構成の一例を示す図である。コンテンツ配信システム10Bは、テレビ100と、スマートフォン200と、ネットワークアクセスサーバ600とを備える。これらはアクセスポイントを介して相互に接続されている。テレビ100はDMR(Digital Media Renderer)として機能し、スマートフォン200(コンテンツ配信制御装置を構成する)はDMC(Digital Media Controller)として機能し、ネットワークアクセスサーバ600はDMSとして機能する。つまり、ネットワークアクセスサーバ600に記憶されているコンテンツが、テレビ100に配信される。スマートフォン200の表示画面を下向きにすることにより、スマートフォン200又はテレビ100からネットワークアクセスサーバ600に秘匿コンテンツの配信停止信号が送信され、ネットワークアクセスサーバ600が秘匿コンテンツの配信を停止させる。
【0118】
また、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0119】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0120】
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0121】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
【0122】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
【0123】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
【0124】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
【0125】
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【0126】
さらに、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。