特許第6205917号(P6205917)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205917
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】銀含有組成物及び銀要素形成基材
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/14 20060101AFI20170925BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20170925BHJP
   H01B 1/20 20060101ALI20170925BHJP
   C08K 5/092 20060101ALI20170925BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20170925BHJP
   C08F 20/36 20060101ALI20170925BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20170925BHJP
   C09D 133/14 20060101ALI20170925BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20170925BHJP
   H05K 3/10 20060101ALI20170925BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   C08L33/14
   H01B5/14 Z
   H01B1/20 A
   C08K5/092
   C08K5/17
   C08F20/36
   C09D7/12
   C09D133/14
   H05K1/09 A
   H05K3/10 D
   H05K3/12 610B
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-143756(P2013-143756)
(22)【出願日】2013年7月9日
(65)【公開番号】特開2014-37527(P2014-37527A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2016年6月28日
(31)【優先権主張番号】特願2012-160565(P2012-160565)
(32)【優先日】2012年7月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】神津 達也
(72)【発明者】
【氏名】疋田 真也
(72)【発明者】
【氏名】姜 義哲
【審査官】 藤井 勲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−151953(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/148684(WO,A1)
【文献】 特開2008−081579(JP,A)
【文献】 特開2009−114232(JP,A)
【文献】 特開2012−092299(JP,A)
【文献】 特開2012−153634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 220/00 − 220/70
C09D 1/00 − 13/00
C09D 101/00 − 201/10
C08L 33/00 − 33/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表される銀化合物(A)と、式(2)で表されるアミン化合物(B)と、式(3)で表されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)を含む単量体組成物を重合して得た重合体(C)を含み、
前記単量体組成物における前記ウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)の含有割合が前記単量体組成物全量基準で50〜100質量%であり、
銀化合物(A)及びアミン化合物(B)の合計量に対する銀化合物(A)の含有割合が10〜50質量%、アミン化合物(B)の含有割合が50〜90質量%であり、重合体(C)の含有割合が、銀化合物(A)中の銀元素量100質量部に対して0.10〜0.95質量部である銀含有組成物。
【化1】
(式(2)中、R1は水素原子、−(CY2)a−CH3、又は((CH2)b−O−CHZ)c−CH3を表し、R2は、−(CY2)d−CH3又は((CH2)e−O−CHZ)f−CH3を表す。ここで、Yは水素原子又は(CH2)g−CH3を表し、Zは水素原子又は(CH2)h−CH3を表す。aは0〜8の整数、bは1〜4の整数、cは1〜3の整数、dは0〜8の整数、eは1〜4の整数、fは1〜3の整数、gは0〜3の整数、hは0〜2の整数である。)
【化2】
(式(3)中、R3は水素原子又はメチル基を表す。R4は−(CH2)n−であり、nは1〜4の整数である。)
【請求項2】
前記単量体組成物が、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、アクリルアミドモノマー、ビニルモノマー、ビニルエーテルモノマー及びエポキシ基含有モノマーの少なくとも1種からなる単量体成分(c2)を含む請求項1記載の銀含有組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の組成物20〜80質量%と、溶媒20〜80質量%とからなる銀含有組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の銀含有組成物を基材上に塗布し、加熱して銀要素を形成させた銀要素形成基材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材上に金属銀膜や金属銀線等の銀要素を作製できる、銀含有量が高い銀含有組成物及び該組成物により銀要素を形成した銀要素形成基材に関する。
【背景技術】
【0002】
金属薄膜や線を作製する方法として、金属をリキッドインク状又はペーストインク状とし、これらを基材に塗布又は印刷後、加温する方法が知られている。使用される金属としては、金、銀、銅、アルミニウムであり、配線材料の材料としては銀が汎用されている。銀を用いたインクの場合、一般に金属銀が分散溶媒中に分散したインクを用い、配線基板上にパターン形成し、前記インク中の金属銀を焼結させ、配線を形成する。金属銀を導電性材料として使用する場合、分散した金属銀の微細化による融点降下を利用して、低温で焼結する方法が知られている。しかし、融点降下を示すほどの微小な金属銀の粒子は、互いに接触して凝集しやすいことから、凝集を防止するために前記インクには分散剤を添加する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
該特許文献1には、分散性を発現させるために、金属との相互作用が高いスルフィド基あるいはリン酸基を分散剤に導入することが開示されている。また、これらの官能基を導入する理由も記載されている。即ち、R.G.Pearsonの考案したHSAB原理によれば、イオウ含有基及びリン酸基はソフトな塩基、銀イオンはソフトな酸として、また銀粒子のような還元金属もソフトな酸として整理分類され、これらは相互に親和性が高く、安定な結合を形成する傾向が強いので、金属表面に対しても強いアンカー効果を発揮し、金属粒子の分散性を良好とするからである。
しかしながら、前記分散剤を含むペーストを用いて金属銀の粒子を焼結させると、金属との相互作用が高いゆえに、分散剤由来の不純物が残存してしまう。このため、150℃以上もの高温での処理などによって不純物を除去することが望ましいとされている。
有機酸を用いた銀塩を利用した金属銀の形成方法も報告されている。前記有機酸銀としては、例えば、長鎖カルボン酸の銀塩を窒素雰囲気下で焼結する方法が報告されている(特許文献2)、また、α−ケトカルボン酸銀を用いた銀の形成材料も報告されている(特許文献3)。
しかし、これらの銀塩を速やかに分解するには、150℃以上の高温処理を行わなければならず、銀塩中に含まれる銀の含有量が低いため、優れた平坦性や密着性を有する銀要素が得られ難い。
【0003】
近年では、透明樹脂基板に対し金属銀の作製が盛んに試みられている。しかし、一般的に透明樹脂基板はガラス等と比較し低い軟化点を有する為に、150℃未満の加熱によって金属銀を作製できる低温焼結性の銀形成材料が望まれている。低温焼結性を実現する為には、銀塩の熱分解温度を低くすることが必要である。そこで、150℃未満の分解温度を有し、低温焼結性を示す銀化合物としてβ−ケトカルボン酸銀が提案されている(特許文献4)。しかし、この銀塩は、単官能カルボン酸と銀から成る銀塩であるために化合物中の銀含有率が低く、焼結時に残存する有機成分が多くなるため、有機成分を分解・蒸発させるために焼結時間が長くなること、銀要素の平坦性が悪くなること及び基板に対する密着性が低下することが問題となる。特に、焼結時間の長期化は生産性の観点より好ましくない。
一方、マロン酸やシュウ酸といったジカルボン酸との銀塩は銀含有率が高いが、短時間で分解させるためには約210℃以上の加熱が必要であるため低温焼結性を実現し難い。
【0004】
ところで、ジカルボン酸であるアセトンジカルボン酸銀がアセトンジカルボン酸エステルを合成する際の中間体として用いられた報告がある(非特許文献1)。但し、ここではアセトンジカルボン酸銀の熱分解特性については報告されていない。銀含有率の高いアセトンジカルボン酸銀の熱分解性を評価したところ、熱分解温度が150℃以上であるために低温焼結性インクに用いることが困難と思われる。
また、ウレタン結合含有化合物を含む重合体と金属微粒子とを組み合わせた材料が知られている(特許文献5)。しかし、この材料は、金属微粒子に対する重合体の添加量が多く、分散性は良好となるが、導電性に優れた膜等を得ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−209421号公報
【特許文献2】特開2005−298921号公報
【特許文献3】特開2004−315374号公報
【特許文献4】特開2008−159535号公報
【特許文献5】国際公開第2007/148684号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Jornal fur praktische Chemie. Band 312(1970)pp.240−244
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、銀含有率が高く、銀塩の分解温度未満の低温で且つ短時間の加熱でも、導電性、平坦性、密着性に優れた金属銀膜や金属銀線等の銀要素が得られる、保存安定性の高い銀含有組成物を提供することにある。
本発明の別の課題は、導電性、平坦性、密着性に優れた金属銀膜や金属銀線等の銀要素を形成した銀要素形成基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、アセトンジカルボン酸銀と特定構造を有するアミン化合物と、ウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート構造単位を有する重合体とを含む組成物について鋭意検討を重ねた。該重合体は、上記R.G.Pearsonの考案したHSAB原理によれば、水酸基を有するのでハードな塩基として分類される。一方、銀はソフトな酸として整理分類されるので、これらは相互に親和性がそれほど高くない。しかし、前記重合体を構成するウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレートは、水酸基を2つ有するので、ある程度銀表面へのアンカー効果が期待できる。そこで、前記重合体を含む各成分の含有割合を検討した結果、特に、前記重合体の含有量を特定範囲とすることにより、金属粒子の分散性を良好とすることができ、組成物の加熱時に容易に銀粒子表面より解離し、相分離して低温焼結性を維持することができることを見出した。さらに、相分離した重合体が基材と銀膜の中間に存在し、密着層として作用するために金属/基材異種界面でも十分な密着性が確保できることも見出し、発明を完成するに至った。
【0009】
本発明によれば、式(1)で表される銀化合物(A)と、式(2)で表されるアミン化合物(B)と、式(3)で表されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)を含む単量体組成物を重合して得た重合体(C)を含み、銀化合物(A)及びアミン化合物(B)の合計量に対する銀化合物(A)の含有割合が10〜50質量%、アミン化合物(B)の含有割合が50〜90質量%であり、重合体(C)の含有割合が、銀化合物(A)中の銀元素量100質量部に対して0.10〜0.95質量部である銀含有組成物(以下、組成物(a1)と略すことがある)が提供される。
【0010】
【化1】
(式(2)中、R1は水素原子、−(CY2)a−CH3、又は((CH2)b−O−CHZ)c−CH3を表し、R2は、−(CY2)d−CH3又は((CH2)e−O−CHZ)f−CH3を表す。ここで、Yは水素原子又は(CH2)g−CH3を表し、Zは水素原子又は(CH2)h−CH3を表す。aは0〜8の整数、bは1〜4の整数、cは1〜3の整数、dは0〜8、好ましくは1〜8の整数、eは1〜4の整数、fは1〜3の整数、gは0〜3、好ましくは1〜3の整数、hは0〜2、好ましくは1〜2の整数である。)
【化2】
(式(3)中、R3は水素原子又はメチル基を表す。R4は−(CH2)n−であり、nは1〜4の整数である。)
また本発明によれば、前記組成物(a1)20〜80質量%と、溶媒20〜80質量%とからなる銀含有組成物(以下、組成物(a2)と略すことがある)が提供される。
更に本発明によれば、前記銀含有組成物を基材上に塗布し、加熱して銀要素を形成させた銀要素形成基材が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の銀含有組成物は、上記銀化合物(A)とアミン化合物(B)と重合体(C)とを特定割合で用いるので、例えば、組成物中の銀濃度を高めることができ、触媒非存在下、150℃未満の低温で速やかに金属銀を得ることができる。低温での金属銀形成が可能となったことから、例えば、耐熱性の低い樹脂製基材上への金属銀形成が短時間で可能となる。更に、150℃以上の高温ではさらに短時間で金属銀の形成が可能となることから生産性の向上が期待できる。この様にして得られる金属銀膜や線等の銀要素は基板に対する平坦性、密着性が高いことから、この組成物を基材上に塗布・印刷後加熱することで得られる銀要素形成基板は、配線材料や反射材等の様々な分野への使用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】合成例1で合成したアセトンジカルボン酸銀の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。
図2】合成例1で合成したアセトンジカルボン酸銀の熱重量分析結果を示すグラフである。
図3】実施例2−1において、アセトンジカルボン酸銀を用いて作製した銀膜のSEM観察結果を示す写真の写しである。
図4】比較例2−6において、α−メチルアセト酢酸銀を用いて作製した銀膜のSEM観察結果を示す写真の写しである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の組成物(a1)は、上記式(1)で表される銀化合物(A)、上記式(2)で表されるアミン化合物(B)、及び上記式(3)で表されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)を含む単量体組成物を重合して得た重合体(C)を特定割合で含有する。
銀化合物(A)は、アセトンジカルボン酸銀であり、その形態は通常粉体である。該銀化合物(A)は、溶剤に希釈した際、粘度が高くなり、印刷等のパターニングが難しい物質である。しかし、上記アミン化合物(B)と組み合わせることで、銀含有量の高い組成物においても粘度を低く設定することができる。また、銀化合物(A)は、単体での分解温度が高く150℃以下の焼成にて金属銀を生成するには長時間を有するが、上記アミン化合物(B)と組み合わせることにより、150℃以下の低温・短時間焼成にて金属銀を生成することが可能となる。さらには、銀化合物(A)及びアミン化合物(B)の相乗効果により、他のカルボン酸銀を用いたときに比べ保存安定性(銀粒子の沈殿の生成により判断)が格段に向上する。
【0014】
本発明の組成物(a1)において、銀化合物(A)及びアミン化合物(B)の合計量に対する銀化合物(A)の含有割合は10〜50質量%、アミン化合物(B)の含有割合は50〜90質量%であり、銀濃度を高くしたい場合には50〜70質量%が好ましい。アミン化合物(B)の含有割合が50質量%未満では銀化合物(A)の溶解性が著しく低下する。
また、前記重合体(C)の含有割合は、銀化合物(A)中の銀元素量100質量部に対して0.10〜0.95質量部、好ましくは0.10〜0.92質量部である。重合体(C)の含有割合0.95質量部を超える場合には、得られる銀要素の導電性及び平坦性が悪化するおそれがある。
【0015】
本発明に用いるアセトンジカルボン酸銀である銀化合物(A)の製造方法は、何ら制限されないが、具体例として、前述の非特許文献1に記載の方法が挙げられる。特に、塩基性物質を用いてアセトンジカルボン酸銀を製造する場合、金属イオンの混入を避けるために有機塩基を用いることが望ましい。
【0016】
本発明に用いるアミン化合物(B)は、上記式(2)で表される化合物であり、式中のR1は、水素原子、−(CY2)a−CH3、又は((CH2)b−O−CHZ)c−CH3を表し、R2は、フェニル基、−(CY2)d−CH3又は((CH2)e−O−CHZ)f−CH3を表す。ここで、Yは水素原子又は(CH2)g−CH3を表し、Zは水素原子又は(CH2)h−CH3を表す。aは0〜8の整数、bは1〜4の整数、cは1〜3の整数、dは0〜8、好ましくは1〜8の整数、eは1〜4の整数、fは1〜3の整数、gは0〜3、好ましくは1〜3の整数、hは0〜2、好ましくは1〜2の整数である。
【0017】
アミン化合物(B)としては、例えば、エチルアミン、1−プロピルアミン、1−ブチルアミン、1−ペンチルアミン、1−ヘキシルアミン、1−ヘプチルアミン、1−オクチルアミン、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、tert−アミルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−エトキシエチルアミン、2−エトキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミンの1種又は2種以上が挙げられる。
【0018】
本発明の銀含有組成物を、例えば、光反射機能を必要とする反射電極等に適用する場合には、得られる銀要素に対しより高い平坦性(平滑性)が求められる。このような用途の場合、アミン化合物(B)のR1は、水素原子、−(CY2)a−CH3、又は−((CH2)b−O−CHZ)c−CH3であり、Y及びZは水素原子又はメチル基であり、aは2〜6の整数、bは1〜3の整数及びcは1又は2であることが特に好ましい。同様に、R2は、−(CY2)d−CH3又は((CH2)e−O−CHZ)f−CH3であり、Y及びZは水素原子、dは1〜6の整数、eは1〜3の整数及びfは1〜2の整数であることが望ましい。
【0019】
本発明の銀含有組成物に、150℃未満の低温焼結性を発揮させる場合、沸点が130℃未満のアミン化合物(B)を用いることがより好ましい。このようなアミン化合物(B)としては、例えば、1−プロピルアミン、1−ブチルアミン、1−ペンチルアミン、1−ヘキシルアミン、1−ヘプチルアミン、1−オクチルアミン、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、2−エチルヘキシルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−エトキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミンの1種又は2種以上が好適に挙げられる。
【0020】
本発明に用いる重合体(C)は、上記式(3)で表されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)を含む単量体組成物を重合して得たものであり、該式(3)において、R3は水素原子又はメチル基を表し、重合性の高さの点からは水素原子が好ましい。R4は−(CH2)n−を示し、nは1〜4の整数である。R4は具体的に−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−のいずれかであり、入手のし易さから−CH2−又は−CH2CH2−が好ましい。式(3)で表されるウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)としては、例えば、グリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン、グリセロール−1−アクリロイルオキシエチルウレタンが挙げられ、合成のし易さからグリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンが好ましく挙げられる。
ウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)の製造は、例えば、上記特許文献5に開示される方法に準じて合成することができる。
【0021】
前記単量体組成物は、必要に応じて、前記ウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)と共重合可能な他の単量体(c2)を含んでいても良い。他の単量体(c2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ビニルモノマー、ビニルエーテルモノマー、エポキシ基含有モノマー、アクリルアミドモノマーの少なくとも1種が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシルシラン、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、α−ナフチル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−(パーフロロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフロロメチル)トリフロロエチルアクリレートが挙げられる。
前記ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、2−クロロスチレン、β−ブロモスチレン、ビニルカルバゾール、パーフロロヘキシルエチレンが挙げられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテルが挙げられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルが挙げられる。
前記アクリルアミドモノマーとしては、例えば、N−メチロールアクリルアミドが挙げられる。
【0022】
前記単量体組成物において、前記ウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート(c1)の含有割合は、他の単量体(c2)の種類や量に応じて適宜選択できるが、組成物全量基準で、通常10〜100質量%、好ましくは50〜100質量%である。
重合体(C)の重量平均分子量は、通常5000〜1000000が好ましい。
【0023】
重合体(C)は、例えば、前記単量体組成物を、公知の溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の方法を用いて、必要に応じて重合系を不活性ガス、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウムで置換ないし雰囲気下でラジカル重合させる方法により調製することができる。この際、重合温度は通常0〜100℃、重合時間は通常1〜48時間である。
重合にあたっては重合開始剤を用いることができる。該重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2'−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビスイソブチルアミド二水和物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート(商品名「パーブチルND」、日油(株)社製)又はこれらの混合物が挙げられる。重合開始剤には各種レドックス系の促進剤を用いても良い。
重合開始剤の使用量は、単量体組成物100質量部に対して0.01〜5.0質量部が好ましい。重合体の精製は、再沈澱法、透析法、限外濾過法等の一般的な精製法により行うことができる。
【0024】
本発明の組成物(a2)は、基材への塗工性の改善や粘度の調節等を目的に、上記組成物(a1)20〜80質量%、好ましくは40〜60質量%と、溶媒20〜80質量%、好ましくは40〜60質量%を含む銀含有組成物である。溶剤が80質量%を超える場合は、銀含有量が低下し、均一な金属銀膜や線等の銀要素が得られないおそれがある。
【0025】
前記溶媒は特に制限されないが、銀要素作製時に除去しやすいものが好ましく、溶媒は、用途に応じて単独もしくは混合して用いることができる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、1−ヘキサノール、エチレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、アセトキシメトキシプロパン、フェニルグリシジルエーテル及びエチレングリコールグリシジル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸メトキシブチル及びメチルナノフルオロバレレート等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル及びイソブチロニトリル等のニトリル類、DMSO等のスルホキシド類、水ならびに1−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
得られる銀要素の平坦性及び組成物(a2)の低温焼結性を更に向上させるための溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、tert−アミルアルコール、1−ヘキサノール、エチレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、水の1種又は2種以上が好ましく挙げられる。
【0026】
本発明の組成物には、必要により、基材に対するレベリング性を調整するために、例えば、炭化水素、アセチレンアルコール、シリコーンオイルを、また、組成物の粘度特性を調整せるために、例えば、樹脂や可塑剤を適宜配合することができる。更に、必要により、例えば、他の導電体粉末、ガラス粉末、界面活性剤、金属塩や、その他銀含有組成物に一般に使用される添加剤を適宜配合しても良い。
【0027】
本発明の銀要素形成基材は、本発明の銀含有組成物を、基板等の基材上に塗布し、該基材を加熱して金属銀を膜状や線状に形成した銀要素を具備した基材である。
本発明の組成物を塗布する基材の材質は特に制限されず、例えば、ガラス、シリコン、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネートが挙げられる。生産性の点からは、各種印刷法に適するとされるフレキシブルなポリエステル等の樹脂製が好ましい。
【0028】
本発明の組成物の基材への塗布は、塗布又は印刷等により行うことができる。基材を加熱処理する際の加熱温度は、室温以上であれば特に限定されないが、生産性を考慮した場合、短時間で焼成するためには80℃以上の加熱が好ましい。特に、ポリエステルやポリカーボネート等の耐熱性の低い樹脂製基材上に、金属銀膜や銀配線等の銀要素を形成する場合、80℃以上150℃未満の温度で加熱処理することが好ましい。また、耐熱性の優れる基材を用いる場合、生産性の点から120℃以上170℃未満の加熱処理が好ましい。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<合成例1> 銀化合物(A)の合成
アセトンジカルボン酸43.8gを1000mLビーカーに秤量後、イオン交換水600gに添加し溶解させ氷冷し、さらに硝酸銀102gを溶解させた。そこへ、ヘキシルアミン48gを投入後、30分間撹拌した。得られた白色の固体をろ取しアセトンで洗浄後、減圧乾燥することでアセトンジカルボン酸銀である銀化合物(A)88.2gを得た。収率は82%であった。得られた銀化合物(A)の赤外吸収スペクトルを図1に示す。1372.10cm-1、1581.34cm-1に強い吸収を示した。
得られた銀化合物(A)のTGA分析を、熱重量分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を用いて行った。分析条件は、昇温速度10℃/分、測定雰囲気を空気中とした。その結果、熱分解温度は175℃であった。また、熱重量分析後の残分は59.7%であり、理論残存率59.4%と一致していた。得られた分析結果を図2に示す。
【0030】
<合成例2> 重合体(C−1)の合成
グリセロール−1−メタクリロイルオキシエチルウレタン(式(3)中のR3がメチル基、R4が−(CH2)3−、以下、GLYMOUと略す)1gと、エタノール/水混合溶媒(4/1(v/ v))5mL及びアゾイソブチロニトリルを全モノマー100質量部に対して1質量部をねじ口試験管に秤取り、均一に混合して、窒素ガスで試験管内を置換した。その後、密栓し、70℃で24時間反応させることで重量平均分子量(Mw)24×103のGLYMOU単独重合体を含有する有機ポリマー(重合体(C−1)と略す)を0.95g得た(表1)。
【0031】
<合成例3〜7>
表1に記載の単量体を用いて共重合した以外は、合成例2と同様な手順にて重合体(C−2)〜重合体(C−6)を得た。得られた各重合体のMwを表1に示す。
尚、表1中のMMAはメチルメタクリレート、N−MAAmはN−メチロールアクリルアミド、Stはスチレン、MBEはメチルビニルエーテル、HBAGEは4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルの略号である。
【0032】
【表1】
【0033】
<合成例8>
メチルエチルケトン(以下、MEKと略す)70質量部を、窒素気流中80℃に保ち、攪拌しながらメタクリル酸ジメチルアミノエチル10質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8質量部、重量平均分子量1000のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート80質量部、チオグリコール2質量部、MEK80質量部、及び重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル(全モノマー100質量部に対して1質量部)からなる混合物を2時間かけて滴下した。次いで80℃で22時間攪拌し、末端に2−ヒドロキシエチルチオ基を有するスルフィド基含有重合体(以下、重合体Sと略す)を得た。得られた重合体の重量平均分子量は7600であった。
【0034】
実施例1−1
遮光瓶中で、合成例1で合成した銀化合物(A)200mg及び合成例2で合成した重合体(C−1)0.6mgを、ヘキシルアミン(HA)800mgに溶解させ、銀含有組成物を得た(表2)。
【0035】
実施例1−2〜1−16
遮光瓶中で、表2に記載の組成で、銀化合物(A)及び合成例2〜7で合成した重合体(C−1)〜(C−6)を、各種アミン化合物(B)に溶解させ、銀含有組成物を得た。
尚、表2中、IAAはイソアミルアミン、BAはブチルアミン、PAはプロピルアミン、DBAはジブチルアミン、2−EOEAは2−エトキシエチルアミン、2−EHAは2−エチルヘキシルアミン、TEAはトリエチルアミンの略号である。
【0036】
比較例1−1
遮光瓶中で、合成例1で合成した銀化合物(A)200mg及び合成例8で合成した重合体S1.2mgを、HA800mgに溶解させ、銀含有組成物を得た(表2)。
【0037】
比較例1−2〜1−8
遮光瓶中で、表2に記載の組成で、各種銀塩及び重合体を各種アミン化合物に溶解させ、銀含有組成物を得た。
【0038】
【表2】
【0039】
実施例2−1
遮光瓶中で、実施例1−1で得られた銀含有組成物の溶液800mgを、イソプロピルアルコール(IPA)200mgに添加混合し、溶媒及び銀含有組成物を得た。
得られた溶媒及び銀含有組成物について、室温で2週間静置した時の保存安定性を沈澱の有無にて確認した。結果を表3に示す。評価は沈澱の状態によって、○:沈澱なし、△:微量の沈澱あり、×:多量の沈澱ありとした。△あるいは○評価を本発明の効果を満たすものとする。
【0040】
実施例2−2〜2−27
遮光瓶中で、表3に記載の組成で、実施例1−2〜実施例1−16で得られた銀含有組成物の溶液を各種溶媒へ添加混合し、溶媒及び銀含有組成物を得た。得られた溶媒及び銀含有組成物について、実施例2−1と同様に保存安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
尚、表3中、IPAはイソプロピルアルコール、BuOHは1−ブタノール、PGMはプロピレングリコールモノメチルエーテル、n−HAは1−ヘキサノール、TAAはtert−アミルアルコール、MeOHはメタノールの略号である。
【0041】
比較例2−1
遮光瓶中で、比較例1−1で得られた銀含有組成物の溶液800mgをIPA 200mgに添加混合し、溶媒及び銀含有組成物を得た。得られた溶媒及び銀含有組成物について、実施例2−1と同様に保存安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0042】
比較例2−2〜2−8
遮光瓶中で、表3に記載の組成で、比較例1−2〜比較例1−8で得られた銀含有組成物を各種溶媒へ添加混合し、溶媒及び銀含有組成物を得た。得られた溶媒及び銀含有組成物について、実施例2−1と同様に保存安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
実施例3−1〜3−45
実施例1−1〜1−16及び実施例2−1〜2−27で調製した組成物の各溶液を表4に示すように用い、これらをSelect-Roller(オーエスジーシステムプロダクツ(株)製)にてポリエチレンテレフタラートフィルム上に塗布し、実施例3−1〜3−43においては、100℃で30分間加熱処理し、また、実施例3−44及び3−45においては、80℃で90分間加熱処理し、銀膜を形成した基材を得た。得られた銀膜について以下の評価を行った。結果を表4に示す。
【0045】
<外観>
目視にて評価した。
<導電性評価>
四端針方式の低抵抗率計(ロレスターGP:三菱化学社製)を用いて行った。体積抵抗値が5.0×10-5Ω・cm以下であれば本発明の効果を満たすものとする。
<平坦性評価>
銀膜のSEM写真をとり、50nm未満の空隙が無いものを◎、50nm以上100nm未満の空隙があるものを○、100nm以上200nm未満の空隙があるものを△、200nm以上の空隙があり銀膜に光沢の無いものを×とした。○あるいは◎評価を本発明の効果を満たすものとする。
<密着性評価>
銀膜にセロハンテープを密着し、剥離することで、銀膜の基板に対する密着性を評価した。評価は、剥離しなかったものを○、一部銀膜の剥離が確認されたものを△、全て剥離したものを×とした。△あるいは○評価を本発明の効果を満たすものとする。
【0046】
比較例3−1〜3−16
比較例1−1〜1−8及び2−1〜2−8で調製した組成物の各溶液を、表4に示すとおり用い、表4に示す条件で加熱処理した以外は、実施例3−1〜3−45と同様に銀膜を形成した基材を得た。得られた銀膜について、実施例3−1〜3−45と同様に評価を行った。結果を表4に示す。尚、表4中の「O.L.」は、体積抵抗値が測定器の測定限界を超えたことを意味する。
【0047】
【表4】
【0048】
表3及び4の結果より以下のことが理解できる。
実施例3−1、3−2と比較例3−4、3−12との比較より、銀化合物及びアミン化合物(B)の合計量に対するアミン化合物(B)の含有割合が50質量%より多いと、銀塩の溶解性が不十分で銀膜ができないことがわかる。
実施例3−3、3−20と比較例3−1、3−9との比較より、GLYUMOUを構成単位に有する重合体(C)ではなく、スルフィド基を含有する重合体Sを用いると、該重合体Sが銀との相互作用が大きく膜中に残存し、導電性を悪化させることがわかる。
実施例3−3、3−20と比較例3−2、3−10との比較より、GLYUMOUを構成単位に有する重合体(C)の添加量が多いと、密着性は良好なものの、銀膜中に残存し導電性、平坦性が悪化することがわかる。
実施例3−3、3−20と比較例3−3、3−11との比較より、アミン化合物(B)ではなく、3級アミンを添加すると、銀の還元が進み、銀粒子へと成長するため、より焼成温度を高くする必要があり、同一条件での焼成では、銀粒子同士の融着が進まず、導電性、平坦性及び密着性が悪化することがわかる。
実施例3−3、3−20と比較例3−4、3−12との比較より、銀化合物及びアミン化合物(B)の合計量に対するアミン化合物(B)の含有割合が50質量%より少ないと、銀塩の溶解性が悪化し、析出するため、銀膜自体が生成できないことがわかる。
実施例3−3、3−20と比較例3−5〜3−8、3−13〜3−16との比較より、銀塩構造が違うと、導電性、平坦性及び密着性が悪化することがわかる。
図1
図2
図3
図4