(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
出力画像のピクセルカウント累積値、及び、トナーを含む現像剤を現像部に補給する補給機構による現像剤補給時間に基づいて、前記補給機構に異常の可能性があると推定する推定手段と、
該推定手段により、前記補給機構に異常の可能性があることが推定された場合、前記補給機構の異常の有無を診断する診断手段と、
を備えた補給機構の異常診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
≪第1の実施の形態≫
本発明の実施の形態の一例を、図面に基づき説明する。まず、画像形成装置の全体構成及び動作を説明し、次いで、本実施の形態の要部について説明することとする。なお、以下の説明では、
図1に矢印Hで示す方向を装置高さ方向、
図1に矢印Wで示す方向の装置幅方向とする。また、装置高さ方向及び装置幅方向のそれぞれに直交する方向(適宜矢印Dで示す)を装置奥行き方向とする。
【0025】
<画像形成装置の全体構成>
《全体》
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10を正面側から見た全体構成を示す概略図である。この図に示される如く、画像形成装置10は、画像形成部8と、制御部24と、を含んで構成されている。ここで、制御部24は、後述する補給機構22の異常診断装置及びコンピュータの一例である。
【0026】
画像形成部8は、媒体収容部12と、トナー画像形成部14と、搬送部16と、定着装置18と、排出部20と、補給機構22と、を備えている。画像形成部8は、後述する記録媒体Pに画像を形成するようになっている。制御部24は、画像形成装置10の各部の動作を制御するようになっている。
【0027】
《画像形成部》
〔トナー画像形成部〕
トナー画像形成部14は、露光装置30と、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kと、中間転写ユニット50と、を備えている。ここで、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)は、トナー色の一例である。
【0028】
また、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kにおいては、用いられるトナー以外はほぼ同様の構成である。そこで、
図1では、画像形成ユニット40M、40C、40Kを構成する各部の符号が省略されている。
【0029】
〈露光装置〉
露光装置30は、画像形成装置10を正面から見て、ほぼ中央の領域に配置されている。露光装置30は、制御部24から送られる画像信号に基づいて光ビームを出射し、後述する各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kの外周面に静電潜像を形成するようになっている。制御部24から送られる画像信号とは、後述する画像処理部246で処理される画像信号をいう。ここで、感光体ドラム42とは、像保持体の一例である。
【0030】
露光装置30から出射される光ビームは、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kの外周面に同じ光量で入射するようになっている。そして、この光ビームは、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kの外周面の主走査方向及び副走査方向に、上記画像信号に基づいて静電潜像(上記光ビームの1ドットを上記各方向に並べた潜像)を形成するようになっている。ここで、主走査方向とは、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kにおける自軸方向をいう。副走査方向とは、この自軸方向に直交する方向をいう。
【0031】
〈画像形成ユニット〉
画像形成ユニット40Yは、感光体ドラム42Yと、帯電装置44Yと、現像装置46Yと、除去装置48Yと、を有している。同じように、画像形成ユニット40M、40C、40Kは、各色に対応するように、感光体ドラム42M、42C、42Kと、帯電装置44M、44C、44Kと、現像装置46M、46C、46Kと、除去装置48M、48C、48Kと、を有している。以降の説明では、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40K及びこれらを構成する各部材について、トナー色(Y、M、C、K)毎の区別が不要な場合は添字Y、M、C、Kを省略する。ここで、現像装置46とは、現像部の一例である。
【0032】
各画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kでは、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kの外周面にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を形成するようになっている。また、画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kは、全体として、装置幅方向に対して各ユニットが傾斜して並んだ状態で配置されている(
図1参照)。
【0033】
(感光体ドラム)
感光体ドラム42は、
図1に示されるように、円筒状に形成され、駆動手段(図示省略)によって自軸周り(矢印R1方向(
図1参照))に回転駆動されるようになっている。感光体ドラム42は、アルミ製の基材と、この基材上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層の順で形成された感光層(図示省略)と、を備えている。
【0034】
(帯電装置)
帯電装置44は、
図1に示されるように、感光体ドラム42の自軸方向(装置奥行き方向)に沿って配置されている。帯電装置44は、帯電ロール440と、クリーニングロール450と、を備えている。帯電ロール440の軸(図示省略)には、感光体ドラム42の外周面を帯電させるために必要な電圧が印加されるようになっている。そして、帯電ロール440は、感光体ドラム42の外周面を負極性に帯電させるようになっている。クリーニングロール450は、帯電ロール440の外周面に付着したトナー、紙粉、埃等を除去するようになっている。
【0035】
(現像装置)
現像装置46は、
図1に示されるように、感光体ドラム42の自軸方向に沿って配置されている。現像装置46は、感光体ドラム42の外周面へトナーを供給するトナー供給体46Aと、トナー供給体46AへトナーT及びキャリアCAを含む現像剤Gを搬送する複数の搬送部材46Bと、現像装置46内のトナーTの濃度を検出するトナー濃度センサ60と、を備えている。現像装置46は、トナーTで感光体ドラム42の外周面に形成された静電潜像をトナー画像として現像することで、感光体ドラム42の外周面にトナー画像を形成するようになっている。また、現像装置46は、補給機構22(
図2参照)から、現像剤Gが補充されるようになっている。ここで、現像装置46は、現像部の一例である。また、トナー濃度センサ60は、トナー濃度測定手段の一例である。
【0036】
トナー濃度センサ60は、トナーTとキャリアCAとを含む現像剤Gの透磁率がそのトナー濃度に応じて変化することを利用し、現像装置46内の現像剤Gの透磁率を検出し、検出結果に基づいてトナー濃度を算出するようになっている。
【0037】
(除去装置)
除去装置48は、感光体ドラム42の自軸方向に沿って配置され、感光体ドラム42の外周面に接触するブレード48Aを備えている。ブレード48Aは、後述する中間転写ベルト52に1次転写されずに、感光体ドラム42の外周面に残留したトナー(1次転写残りトナー)、紙粉、埃等を、感光体ドラム42の外周面から除去するようになっている。
【0038】
〈中間転写ユニット〉
中間転写ユニット50は、中間転写ベルト52と、複数(4つ)の1次転写ロール54と、対向ロール56と、2次転写ロール58と、を備えている。
【0039】
中間転写ベルト52は、無端状のベルトである。複数(4つ)の1次転写ロール54及び対向ロール56は、中間転写ベルト52の内周面に接触するように配置されている(
図1参照)。4つの1次転写ロール54は、中間転写ベルト52を挟んで、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kに対し1つずつ対向するように配置されている。1次転写ロール54は、1次転写に必要な電圧が印加されることにより、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kの外周面に形成されたトナー画像を、中間転写ベルト52の外周面に1次転写させるようになっている。
【0040】
2次転写ロール58は、中間転写ベルト52を挟んで、対向ロール56に対向するように配置されている。2次転写ロール58は、2次転写に必要な電圧が印加されることにより、中間転写ベルト52の外周面に1次転写されたトナー画像を、記録媒体Pに2次転写させるようになっている。
【0041】
〔補給機構〕
補給機構22Y、22M、22C、22Kは、現像剤Gを現像装置46Y、46M、46C、46Kへ補給する機能を有する。以降の説明では、補給機構22Y、22M、22C、22K及びこれらを構成する各部材について、トナー色(Y、M、C、K)毎の区別が不要な場合は添字Y、M、C、Kを省略する。
【0042】
図2は、補給機構22Y、22M、22C、22Kの構成を示す概略図である。補給機構22Yは、現像剤収容部220Yと、現像剤輸送部222Yと、を備えている。現像剤輸送部222Yの一端側には、開口部224Yが形成されている。補給機構22Yは、現像剤収容部220Yに収容された現像剤Gを開口部224Yから現像剤輸送部222Yにより輸送させて、現像剤Gを現像装置46Yに補給する機能を有する。ここで、現像剤収容部220は、収容部の一例である。
【0043】
現像剤収容部220Y、220M、220C、220Kは、装置幅方向に対して並んだ状態で、中間転写ユニット50の上方に、配置されている(
図1参照)。そして、現像剤収容部220には、現像装置46に補充するための現像剤Gが収容されている。
【0044】
現像剤輸送部222は、現像剤収容部220と、現像剤収容部220の下方に配置された現像装置46と、を接続している。現像剤輸送部222は、開口部224を介して、現像装置46に接続されている。そして、現像剤輸送部222は、現像剤収容部220に収容された現像剤Gを現像装置46へ輸送するようになっている。
【0045】
なお、現像剤輸送部222M、222C、222Kは、
図2に示されるように、それぞれが接続される現像剤収容部220M、220C、220Kと現像装置46M、46C、46Kとの配置の関係から、屈曲した形状となっている。そして、現像剤輸送部222M、222C、222Kのうち装置幅方向に沿った部分には、オーガ220M1、220C1、220K1が設けられている。これにより、現像剤輸送部222M、222C、222Kでは、現像剤収容部220M、220C、220Kから流入された現像剤Gが、現像剤輸送部222M、222C、222Kの屈曲した部位まで輸送されるようになっている。また、現像剤輸送部222M、222C、222Kは、その装置高さ方向に沿った部分で、重力により、屈曲した部位まで輸送された現像剤Gを開口部224M、224C、224Kへ輸送するようになっている。
【0046】
一方、現像剤輸送部222Yは、装置高さ方向に沿った、ほぼ真っ直ぐな形状となっている。このため、現像剤輸送部222Yは、重力により、現像剤Gを開口部224Yへ輸送するようになっている。
【0047】
補給機構22は、制御部24により現像剤Gを現像装置46に補給するように命令を受けると、現像剤収容部220内のアジテーター220Y2、220M2、220C2、220K2が、モーター(図示省略)により駆動されるようになっている。そして、補給機構22は、上記モーターが駆動している間、予め定められた補給速度で、現像装置46に現像剤Gを補給する補給動作を行うようになっている。補給速度とは、現像剤収容部220から補給機構22によって現像装置46に補給される、単位時間当たりの現像剤Gの量をいう。なお、現像剤収容部220は、画像形成装置10本体に取り換え可能とされている。
【0048】
〔搬送部〕
搬送部16は、送出ロール16Aと、複数の搬送ロール対16Bと、反転搬送部16Dと、後述する排出ロール16Eと、を備えている。送出ロール16Aは、媒体収容部12に収容された記録媒体Pを、排出ロール16Aよりも記録媒体Pの搬送方向下流側へ送り出すようになっている。複数の搬送ロール対16Bは、送出ロール16Aにより送り出された記録媒体Pが搬送される搬送路16Cに沿って配置されている。そして、複数の搬送ロール対16Bは、送出ロール16Aによって送り出された記録媒体Pを対向ロール56と2次転写ロール58との対向位置(2次転写位置T2(
図1参照))へ搬送するようになっている。
【0049】
また、搬送部16には、記録媒体Pの両面に画像形成を行うことができるように、記録媒体Pの表裏を反転させて搬送させる反転搬送部16Dが設けられている。反転搬送部16Dは、画像形成装置10を正面側から見て、搬送路16Cを挟んで中間転写ユニット50の反対側に設けられている。反転搬送部16Dは、表面にトナー画像が定着された記録媒体Pをスイッチバックさせる。その後、反転搬送部16Dは、記録媒体Pの裏面が中間転写ベルト52の外周面に対向するように、記録媒体Pを、2次転写位置T2に搬送させるようになっている。
【0050】
〔定着装置〕
定着装置18は、定着ロール18Aと、加圧ロール18Bと、を備えている。定着装置18は、2次転写位置T2に対し、記録媒体Pの搬送方向下流側に配置されている(
図1参照)。定着装置18は、記録媒体Pに2次転写されたトナー画像を、記録媒体Pに定着させるようになっている。定着ロール18Aは、記録媒体Pにおけるトナー画像が転写された側に配置され、その内周面側にハロゲンヒータ(図示省略)が配置されている。加圧ロール18Bは、搬送路16Cを搬送され、定着ロール18Aとの対向位置T3(
図1参照)を通過する記録媒体Pを、定着ロール18Aに向けて加圧するようになっている。
【0051】
〔排出部〕
排出部20は、定着装置18よりも記録媒体Pの搬送方向下流側であって、画像形成装置10本体の外側上面の一部に、形成されている。トナー画像が定着された記録媒体Pは、搬送路16Cにおける定着装置18と排出部20との間の部位に設けられた排出ロール16Eによって、排出部20に排出されるようになっている。
【0052】
《制御部》
制御部24は、前述のとおり、画像形成装置10の各部の動作を制御するようになっている。
図3は、制御部24と画像形成装置10の各部との関係を示す制御ブロック図である。制御部24は、操作表示部240、画像処理部246、画像記憶部244、画像形成部8及び記憶部248に、バス250を介して接続されている。
【0053】
操作表示部240(
図1では図示省略)は、画像形成装置10本体の外装の一部に設けられ、画像成形装置10の状態(例えば、紙ジャム等が発生していること)を表示できるようになっている。また、紙ジャム処理等が終了した後、その情報をバス250を介して制御部24に送信できるようになっている。なお、操作表示部240は、後述する補給機構22の異常診断の結果、異常があることを表示(報知)できるようになっている。ここで、操作表示部240は、報知手段の一例である。
【0054】
制御部24は、外部のPC(図示省略)等から画像記憶部244に送信された画像信号を、画像処理部246に処理させるようになっている。さらに、制御部24は、画像処理部246で処理された画像信号に基づいて、画像形成部8を動作させるようになっている。
【0055】
記憶部248には、画像形成装置10を動作させるためのプログラム、補給機構22の制御プログラム等が予め記憶されている。また、記憶部248は、制御部24が処理した情報がバス250を介して送信され、その都度記憶できるようになっている。なお、制御部20及び記憶部248に記憶された補給機構22の異常診断プログラム300は、本実施の形態の要部であるため、後述する。
【0056】
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置10における動作について、
図1を参照しつつ説明する。
【0057】
制御部24は、画像記憶部244に画像信号が送信されると、画像形成装置10を作動させる。制御部24は、この画像信号を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像データに変換する。そして、これらの各色の画像データは、露光装置30に出力される。
【0058】
続いて、露光装置30から各色の画像データに応じて出射された光は、帯電装置44により帯電された感光体ドラム42の外周面に入射される。そして、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kの外周面には、各色の画像データに対応した静電潜像が形成される。
【0059】
さらに、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kの外周面に形成された静電潜像は、各現像装置46Y、46M、46C、46Kによって、各色のトナー画像として現像される。
【0060】
そして、各感光体ドラム42Y、42M、42C、42Kの外周面の各色のトナー画像は、これらの外周面が対向する各色ごとに設けられた1次転写ロール54によって、中間転写ベルト52の外周面に1次転写される。
【0061】
一方、記録媒体Pは、中間転写ベルト52の外周面であってトナー画像が1次転写された部位が、周回移動することで2次転写位置T2に到達するタイミングに合わせるように、媒体収容部12から送り出され、2次転写位置T2へ搬送される。そして、2次転写位置T2に搬送されて通過する記録媒体Pには、中間転写ベルト52の外周面に1次転写されたトナー画像が2次転写される。
【0062】
続いて、トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置18に向けて搬送される。定着装置18では、トナー画像が、定着ロール18A及び加圧ロール18Bによって加熱、加圧されて、記録媒体Pに定着される。
【0063】
トナー画像が定着された記録媒体Pは、排出部20に排出され、画像形成動作が終了する。
【0064】
なお、記録媒体Pの両面に画像を形成する場合は、
図1に示すように、記録媒体Pは、定着装置18で表面にトナー画像が定着された後、反転搬送部16Dに搬送される。そして、表面にトナー画像が定着された記録媒体Pは、反転搬送部16Dでスイッチバックされる。その後、記録媒体Pは、2次転写位置T2で裏面にトナー画像が2次転写され、更に定着装置18で2次転写されたトナー画像が定着される。最後に、両面にトナー画像が定着された記録媒体Pは、排出部20に排出され、画像形成動作が終了する。
【0065】
<要部の構成>
次に、補給機構22の異常診断装置としての制御部24の構成について、説明する。まず、推定手段としての制御部24の構成について、
図4及び5に基づいて説明する。次に、診断手段としての制御部24の構成について、
図6に基づいて説明する。
【0066】
《推定手段としての制御部》
図4は、本実施の形態に係るピクセルカウント累積値Xに対する現像剤補給時間Yの上限Y
U及び下限Y
Lと、求められたピクセルカウント累積値Xに対する現像剤補給時間Yの推移の一例と、を示すグラフである。
図5は、本実施の形態に係る補給機構22の異常状態推定方法のフロー図である。なお、制御部24は、後述する補給機構22の異常診断プログラム300を用いて、補給機構22の異常状態を診断するようになっている。
【0067】
制御部24は、出力画像のピクセルカウント累積値Xと現像剤補給時間Yとの相関から、補給機構22の異常状態を診断するようになっている。具体的には、制御部24は、この相関から、補給機構22に異常の可能性があると推定するようになっている。さらに、制御部24は、補給機構22に異常の可能性があると推定した場合には、補給機構22の異常の有無を診断するようになっている。なお、制御部24は、画像形成装置10によるそれぞれの記録媒体Pに画像形成動作が行われる度に(画像形成動作が行われる前に)、この診断をするようになっている。ここで、制御部24とは、推定手段の一例である。また、制御部24とは、診断手段の一例である。
【0068】
出力画像のピクセルカウント累積値X(以下、累積値Xとする。)とは、過去のピクセルカウント値の累積値である。つまり、累積値Xは、過去の画像データに基づいて求められる、現像装置46のトナーTの総使用量に関連する値である。なお、1ピクセルとは、制御部24から出力される画像データに基づいて、露光装置30により感光体ドラム42の外周面に入射される光ビームの1ドットのことをいう。例えば、主走査方向及び副走査方向において600dpi相当の出力画像の場合、露光装置30は、感光体ドラム42の外周面の約42×60μm
2相当の領域に対し、1ドットの光ビームを出射する。そして、ピクセルカウント値とは、1枚の記録媒体Pに画像形成を行う場合に、露光装置30により感光体ドラム42の外周面に入射される光ビームのピクセル数をいう。なお、1枚の記録媒体Pとは、A4サイズの記録媒体Pに換算して数えられる。
【0069】
また、現像剤補給時間Y(以下、補給時間Yとする。)とは、現像剤収容部220に収容された現像剤Gを現像装置46に補給させるために、過去に、補給機構22が補給動作を行った累積時間(アジテーター220が駆動された累積時間)である。つまり、補給時間Yとは、過去に補給機構22から現像装置46に補給された総補給量である。なお、補給時間Yは、タイマー242(
図3参照)によって計測され、記憶部248に記憶されるようになっている。
【0070】
制御部24は、常時、累積値X、補給時間Yのデータ及び画像形成を行った記録媒体Pの枚数を記憶部248に書き換えて記憶させるようになっている。そして、制御部24は、次に補給機構22の異常診断を行う場合、記憶部248に記憶された累積値X及び補給時間Yのデータを、記憶部246から読み出して、この診断を行うようになっている。
【0071】
制御部24は、補給機構22の異常診断を行う場合、記憶部246から読み出した累積値X及び補給時間Yのデータから、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
U及び下限Y
Lを求めるようになっている。そして、制御部24は、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
U及び下限Y
Lを、それぞれ式(1)及び式(2)によって、求めるようになっている。なお、式(1)及び式(2)は、補給機構22の異常診断プログラム300の一部として、記憶部246に記憶されている。
【0072】
制御部24は、実際の補給時間Yが、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
Uよりも大きい(Y>Y
U)、又は、下限Y
Lよりも小さい(Y<Y
L)場合、カウンタ400にカウント値を1増やして、記憶部246に記憶するようになっている(
図5の判断ステップS130及びステップS150参照)。一方、制御部24は、実際の補給時間Yが、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
U以下(Y≦Y
U)、且つ、下限Y
L以上(Y≧Y
L)の場合(許容範囲内の一例)、カウンタ400のカウント値を初期状態にして、記憶部246に記憶するようになっている(
図5の判断ステップS130及びステップS140参照)。なお、記憶部248は、後述するカウンタ400、402を有している(
図1参照)。
【0073】
式(1) Y
U=C
1U・X+C
2U
式(2) Y
L=C
1L・X+C
2L
【0074】
定数C
1Uは、制御部24により求められた累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
Uを導く際の傾きである。定数C
2Uは、補給時間Yに対する累積値Xを表すY−X座標におけるY切片(オフセット値)である。また、定数C
1Lは、制御部24により求められた累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
Lを導く際の傾きである。定数C
2Lは、補給時間Yに対する累積値Xを表すY−X座標におけるY切片(オフセット値)である。
【0075】
定数C
1U及び定数C
1Lは、現像装置46における現像剤G(トナーT)が収容される容積、トナー供給体46Aによる感光体ドラム42への供給能力(供給速度)、補給機構22による現像装置46への現像剤Gの補給能力(補給速度)等を考慮して定められる。一方、定数C
2U及び定数C
2Lは、画像形成装置10の設置する際(初期設定の際)に実施される現像剤輸送部222に対する現像剤補充動作や現像装置46に補充される現像剤Gの量等を考慮して定められる。
【0076】
図4は、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
U及び下限Y
Lと、求められた累積値Xに対する補給時間Yの推移の一例と、を示すグラフである。このグラフでは、式(1)及び式(2)に、C
1Uを0.5、C
2Uを75、C
1Lを0.3、C
2Lを−25と入力した場合を示している。
【0077】
制御部24が補給機構22の異常診断を行うときに、例えば、求められた累積値Xが200、補給時間Yが140である場合、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
Uは175、累積値Xに対する補給時間Yの下限Y
Lは35となる。この場合の補給時間Y(140)は、補給時間Yの上限Y
U(175)よりも小さく、下限Y
L(35)よりも大きいたいため、推定手段としての制御部24は、補給機構22が異常状態でないと推定するようになっている。そして、制御部24は、カウンタ400の値を初期状態にして、記憶させるようになっている(
図5のステップS140参照)。
【0078】
また、制御部24がこの診断を行うときに、求められた累積値Xが300、補給時間Yが280である場合、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
Uは225、累積値Xに対する補給時間Yの下限Y
Lは65となる。そうすると、この場合の補給時間Y(280)は補給時間Yの上限Y
U(225)よりも大きいため、制御部24は、カウンタ400にカウント値を1増やして記憶させるようになっている。
【0079】
さらに、補給機構22の異常状態の診断が複数回行われた結果、カウンタ400のカウント値が予め定められた閾値T1に達した場合、診断手段としての制御部24は、補給機構22の異常の有無を診断する異常診断をするようになっている。
【0080】
《診断手段としての制御部》
次に、診断手段としての制御部24の構成について、
図6に基づいて説明する。
図6は、
図5のステップS170における具体的なフローを示している。
【0081】
制御部24は、現像剤収容部220内の現像剤Gの残量が十分であるかについて判断できるようになっている。一例として、現像剤収容部220内の現像剤Gの残量が容量の10%となる量を、この判断の閾値Nとする。現像剤収容部220内のすべての現像剤Gを現像装置46内に補給するための補給動作に必要な時間を1500秒と仮定する。そうすると、現像剤Gを現像装置46内に補給するための補給動作に要した総補給時間(過去に補給動作を行った時間)が1350秒未満であれば、制御部24は、現像剤収容部220内の現像剤Gの残量が十分であると判断するようになっている。ここで、前述したこの判断の閾値Nとは、予め定められた最少残量の一例である。
【0082】
一方、制御部24は、現像剤収容部220内の現像剤Gの残量が十分でないと判断した場合は、補給機構22の異常の有無の診断を終了するようになっている。
【0083】
また、制御部24は、現像剤収容部220内の現像剤Gの残量が十分であると判断した場合、トナー濃度センサ60を用いて、現像装置46内のトナー濃度を測定するようになっている。そして、制御部24は、トナー濃度センサ60による測定結果と累積値X及び補給時間Yに応じて決められるトナー濃度の目標値Mとの差(以下、トナー濃度差という。)が累積値X及び補給時間Yに応じて決められる乖離値T2−1を超えているかを判断するようになっている。さらに、制御部24は、乖離値T2−1を超えているかの判断をすることに加え、過去に出力した画像の累積値Xが、高像密度画像の出力ではないかについても判断するようになっている(
図6のステップS210参照)。なお、ここで、トナー濃度差とは、絶対値である。
【0084】
ここで、トナー濃度の目標値Mとは、画像形成装置10内の環境(温度、湿度等)、出力画像の像密度並びに補給機構22、現像剤G、現像装置46及び感光体ドラム42等の劣化の要因による出力画像の濃度変動を抑制するために用いられる。本実施の形態では、製品製造時に補充された現像装置46内の現像剤Gに対するトナー濃度センサ60による検出結果を基準としたうえで、上記要因を考慮してこの基準に対して補正し、トナー濃度の目標値Mとしている。また、乖離値T2−1は、トナー濃度センサ60の検出誤差を考慮して決められるものであり、この検出誤差を超える変動を検出するために用いる。
【0085】
また、累積値Xが高像密度画像の出力ではないかについての判断は、例えば、以下のように行われる。制御部24は、累積値X及び出力した記録媒体Pの総数等のデータから、記録媒体当たりの出力画像の平均ピクセルカウント値を求めるようになっている。制御部24は、高像密度画像と判断するピクセルカウント値を一例として25%以上としている。制御部24は、記録媒体Pに対するピクセルの密度が100%において、ピクセルカウント値を4000とした場合、過去に出力したピクセルカウント値が200であれば、平均像密度を5%とするようになっている。そして、過去に出力した画像の記録媒体当たりの出力画像の平均ピクセルカウント値が1000以上であれば、平均像密度が25%となり、高像密度画像の出力であると判断するようになっている。なお、記録媒体当たりの出力画像の平均ピクセルカウント値は、過去の一定期間(直近の画像形成動作の行われた期間等)のデータから求めてもよい。
【0086】
制御部24は、トナー濃度センサ60の測定結果が乖離値T2−1を超えており、且つ、過去に出力した画像が高像密度画像の出力ではない、と判断した場合には、カウンタ402のカウント値を1増やして、記憶させるようになっている(
図6のステップS210及びS230参照)。ここで、このカウント値とは、充足回数の一例である。
【0087】
さらに、制御部24は、1増えて記憶されたカウンタ402のカウント値が、予め定められた閾値T2−2に達しているかを判断するようになっている(
図6のステップS240参照)。そして、このカウント値が閾値T2−2に達している場合、補給機構22に異常があると判断し、達していない場合異常があるとは判断せずに、補給機構22の異常の有無の診断を終了するようになっている。
【0088】
一方、制御部24は、トナー濃度センサ60の測定結果が乖離値T2−2を超えていない、又は、過去に出力した画像が高像密度画像の出力である、と判断した場合には、カウンタ402のカウント値を初期状態にして、この診断を終了するようになっている(
図6のステップS220参照)。
【0089】
なお、補給機構22の異常診断は、補給機構22Y、22M、22C、22Kに対して独立して行われる。
【0090】
<第1の実施の形態の作用>
次に、第1の実施の形態の作用について、
図5及び
図6に基づいて説明する。まず、
図5に基づいて説明する。
【0091】
画像形成装置10による画像形成動作が開始され、帯電装置44により感光体ドラム42の外周面が帯電される前に、補給機構22の異常診断が開始される。
【0092】
補給機構22の異常診断が開始されると、ステップS100において、制御部24によって累積値Xが求められる。
【0093】
次に、ステップS110において、制御部24により補給時間Yが求められる。
【0094】
次に、ステップS120において、ステップS100で求めた累積値Xに基づいて、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
Uである式(1)及び累積値Xに対する補給時間Yの下限Y
Lである式(2)が、求められる。
【0095】
次に、判断ステップS130において、S110で求めた補給時間Yが、S120で求めた累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
U以下、且つ、下限Y
L以上かが判断される(
図5参照)。
【0096】
判断ステップS130において、S110で求めた補給時間Yが許容範囲
内である場合、ステップS140において、カウンタ400のカウント値が初期状態とされ、記憶部246に記憶される。そして、補給機構22の異常診断が終了する。
【0097】
また、判断ステップS130において、S110で求めた補給時間Yが許容範囲
外である場合、推定手段としての制御部24により、ステップS150において、カウンタ400の値が1増やされて、記憶部246に記憶される。
【0098】
そして、判断ステップS160において、ステップS150で1増えたカウンタ400のカウント値が、予め定められた閾値T1に達しているかが判断される。
【0099】
判断ステップS160において、カウンタ400の値が予め定められた閾値T1に達していると判断された場合、ステップS170において、診断手段としての制御部24により、補給機構22の異常の有無の診断が開始される。なお、補給機構22の異常の有無の診断については、後述する。
【0100】
また、判断ステップS160でカウンタ400のカウント値が予め定められた閾値T1に達していないと判断された場合、制御部24は、補給機構22の異常の有無の診断を行わず、この診断は終了する。この場合、カウンタ400のカウント値は、次回の診断まで持ち越される。
【0101】
以上の説明のとおり、本実施の形態の制御部24は、累積値Xと補給時間Yとの相関に基づいて、補給機構22に異常の可能性があるかを推定する。また、補給機構22に異常の有無を診断する。
【0102】
したがって、本実施の形態の制御部24によれば、累積値Xと補給時間Yとの相関に基づかないで異常診断するものと比べて、補給機構の異常を、現像剤の補給及び消費状況に応じて適切に診断することができる。
【0103】
次に、比較例(比較例1)として、補給時間Yが累積値Xの許容範囲外となったときに、補給機構の異常の有無が診断される場合を想定する。この場合、補給時間Yが累積値Xの許容範囲外となれば、直ちに、補給機構の異常の可能性があると推定され、異常の有無の診断に移行される。
【0104】
これに対し、本実施の形態の制御部24では、補給時間Yが累積値Xの許容範囲外となる回数が数えられる。そして、制御部24は、その回数が予め定められた閾値T1に達して初めて、補給機構22に異常の可能性があると推定し、補給機構22の異常の有無の診断に移行する。
【0105】
したがって、本実施の形態の制御部24によれば、比較例1の場合に比べて、補給機構の異常を、現像剤の補給及び消費状況に応じて適切に補給機構22に異常の可能性が推定される。
【0106】
次に、比較例(比較例2)として、補給時間Yが累積値Xの許容範囲内となったときに、過去に許容範囲外となった回数が初期状態にならない場合を想定する。この場合、次回以降の異常診断で補給時間Yが許容範囲外となり、許容範囲外となった回数が予め定められた閾値に達すると、制御部24は、補給機構の異常の有無の診断に移行する。
【0107】
これに対し、本実施の形態の制御部24では、補給時間Yが累積値Xの許容範囲内となった場合、過去に許容範囲外となった回数が初期状態とされる。例えば、高像密度画像の出力が続いたため現像剤の消費量が多い状況となり、一度許容範囲を外れても、再度許容範囲内に戻った場合、過去に許容範囲外となった回数が初期状態とされる。つまり、過去の現像剤の補給及び消費状況に関わらずに、次回の異常診断が行われる。そうすると、前回の異常診断において許容範囲外であったとしても、今回の異常診断において、許容範囲内であれば、異常状態ではないものとみなされる。
【0108】
したがって、本実施の形態の制御部24によれば、比較例2の場合に比べて、補給機構の異常を、現像剤の補給及び消費状況に応じて適切に診断することができる。
【0109】
また、本実施の形態の制御部24は、現像剤輸送部のオーガやアジテーター等の回転数を計測するセンサ等の手段を用いる必要がないため、その分、低コスト化、省スペース化が実現できる。また、本実施の形態の制御部24は、上記センサ等の手段を用いる必要がないため、そもそもセンサに起因する現像剤Gの残量の予想精度のばらつきの影響を受けない。
【0111】
補給機構22の異常の有無の診断では、判断ステップS200のとおり、補給機構22の補給動作の総補給時間に基づいて現像剤収容部220内の現像剤Gの残量が十分かについて判断される。現像剤Gの残量が十分でないと判断された場合は、この診断が終了する。
【0112】
現像剤Gの残量が十分であると判断された場合は、判断ステップS210のとおり、トナー濃度センサ60の測定結果と目標値Mとの差が乖離値T2−1を超えており、且つ、過去に出力した画像が高像密度画像の出力ではないことの条件(以下、条件Aとする。)が判断される。
【0113】
条件Aを満たさない場合には、ステップS220のとおり、カウンタ402が初期状態にされて、この診断が終了する。
【0114】
一方、条件Aを満たす場合には、ステップS230のとおり、カウンタ402のカウント値が1増やされる。そして、判断ステップS240のとおり、1増えたカウンタ402のカウント値が、予め定められた閾値T2−2に達しているかが判断される。
【0115】
そして、カウンタ402の値が予め定められた閾値T2−2に達している場合には、ステップS250のとおり、補給機構22には異常があると判断されて、この診断が終了される。これに対し、カウンタ402の値が予め定められた閾値T2−2に達していない場合には、補給機構22には異常がないと判断されて、この診断が終了される。
【0116】
以上の説明のとおり、本実施の形態の制御部24は、補給機構22の異常の有無の診断において、最初に、現像剤Gを現像装置46内に補給するための補給動作に要した総補給時間から、現像剤収容部220内の現像剤Gの残量が十分かについて判断される。そして、現像剤Gの残量が十分でないと判断された場合は、この診断が終了する。
【0117】
ここで、比較例(比較例3)として、
図6の判断ステップS200において条件を満たせば、補給機構22に異常であると判断される場合を想定する。この場合、現像装置内にトナーT(又は現像剤G)が閾値より多いかが判断されない。また、高像密度画像の出力に起因する現像剤Gの補給の追従性に低下の疑いがあるかについても判断されない。
【0118】
これに対し、本実施の形態の制御部24では、条件Aを満たしているかが判断される。
【0119】
したがって、本実施の形態の制御部24によれば、比較例3の場合に比べて、補給機構の異常を、現像剤の補給及び消費状況に応じて適切に診断することができる。
【0120】
次に、比較例(比較例4)として、条件Aを満たす場合、その回数に関わらず、補給機構の異常があると診断される場合を想定する。この場合、条件Aを満たせば、直ちに、補給機構の異常があると診断される。
【0121】
これに対し、本実施の形態の制御部24では、条件Aを満たす場合の回数が数えられる。そして、その回数が予め定められた閾値T2−2に達して初めて、補給機構22の異常があると診断される。
【0122】
したがって、本実施の形態の制御部24によれば、比較例4の場合に比べて、補給機構の異常を、現像剤の補給及び消費状況に応じて適切に診断することができる。
【0123】
また、比較例(比較例5)として、条件Aを満たさない場合、過去に条件Aを満たした回数が初期状態にならない場合を想定する。この場合、次回以降の異常診断で条件Aを満たし、予め定められた閾値に達すると、補給機構の異常があると診断される。
【0124】
これに対し、本実施の形態の制御部24では、条件Aを満たさない場合、過去に条件Aを満たした回数が初期状態とされる。つまり、過去の現像剤の補給及び消費状況関わらず、次回の異常診断が行われる。そうすると、前回の異常診断において、条件Aを満たしていたとしても、今回の異常診断において条件Aを満たさない場合には、異常状態ではないものとみなされる。
【0125】
したがって、本実施の形態の制御部24によれば、比較例5の場合に比べて、補給機構の異常を、現像剤の補給及び消費状況に応じて適切に診断することができる。
【0126】
また、本実施の形態の画像形成装置10によれば、出力画像のピクセルカウント累積値と現像剤補給時間との相関に基づいて異常診断を行った結果、少なくとも異常があることを報知しないものと比べて、累積値Xと補給時間Yとの相関に基づいた補給機構22の異常診断の結果、異常があった場合に異常があることを報知することができる。
【0127】
また、本実施の形態の補給機構の異常診断プログラムによれば、制御部(コンピュータ)に、出力画像のピクセルカウント累積値と現像剤補給時間との相関に基づかないで異常診断させるものと比べて、制御部24を、上記推定手段及び上記判断手段として機能させることができる。
【0128】
≪第1の実施の形態の変形例≫
<第1の実施の形態の変形例の構成>
次に、第1の実施の形態の変形例における、補給機構22の異常診断装置としての制御部24の構成について、
図7に基づいて説明する。この場合の制御部24は、後述する補給機構22の異常診断プログラム302を用いて、補給機構22の異常状態を診断できるようになっている。補給機構22の異常診断プログラム304は、記憶部248に記憶されている。
図7は、本実施の形態に係る補給機構22の異常診断方法のフロー図である。以下、前述の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。なお、前述の実施の形態と同じ部分(部品等)について、同じ物等については同じ符号を用いて説明する。
【0129】
本変形例の判断ステップS310では、第2の実施の形態の判断ステップS210と異なり、累積値Xが高像密度画像の出力ではないかについての判断を行わないようになっている。
【0130】
補給機構22による現像装置46内への現像剤Gの補給速度が十分である場合又は補給量が十分である場合(高像密度画像の出力が行われても、現像剤Gの補給に高像密度画像出力に対する追従性がある場合)、本変形例が適用される。また、現像剤収容部220と現像装置64との間に一時的に現像剤Gを貯留するリザーブタンク(サブタンク)が設けられている場合にも、本変形例が適用される。つまり、このような場合、累積値Xが高像密度画像の出力ではないかについての判断を行う必要がない。
【0131】
<第1の実施の形態の変形例の作用>
本実施の形態の制御部24によれば、現像剤補給時間から見積もった現像剤の残量が予め定められた最少残量よりも多い場合であって、現像部内のトナー濃度を測定するトナー濃度測定手段の測定結果と予め定められたトナー濃度の目標値との差が乖離値を超えていること、の条件を満たす第3回数を数え、該第3回数が予め定められた閾値に達したとき、補給機構に異常があると診断しない場合に比べて、補給機構22の異常を、現像剤の補給及び消費状況に応じて適切に診断することができる。
本変形例の作用は、前述の実施の形態と同様である。
【0132】
≪第2の実施の形態≫
<第2の実施の形態の構成>
次に、第2の実施の形態における、補給機構22の異常診断装置としての制御部24の構成について、
図8及び
図9に基づいて説明する。
図8は、本実施の形態に係る補給機構22の異常診断方法のフロー図である。
図9は、補給機構の異常診断方法で用いる平均像密度とカテゴリ毎の濃度平均の関係を示す表である。以下、前述の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。なお、前述の実施の形態と同じ部分(部品等)について、同じ物等については同じ符号を用いて説明する。
【0133】
制御部24は、補給機構22の異常診断プログラム304を用いて、補給機構22の異常状態を診断できるようになっている。補給機構22の異常診断プログラム304は、記憶部248に記憶されている。また、記憶部246には、カウンタ404が設けられている。
【0134】
本実施の形態の制御部24は、前述の実施の形態におけるステップS170(
図5参照)において、補給機構22の異常の有無の診断開始後のフローを示している。
【0135】
制御部24は、出力画像の平均像密度を4つのカテゴリに分類し(
図9参照)、トナー濃度差の平均値(Δ濃度平均とする。)を求めるようになっている(
図8のステップS410参照)。この4つのカテゴリとは、
図9に示されるように、カテゴリ1〜4として、それぞれ、平均像密度が10%以下、10%より大きく20%以下、20%より大きく70%以下、70%より大きく100%以下に、分類される。また、制御部24は、
図9に示されるように、平均像密度0〜10%の場合のΔ濃度平均を基準として、他のカテゴリのΔ濃度平均の差を求めるようになっている(
図8のステップS420参照)。ここで、Δ濃度平均とは、カテゴリ平均値の一例である。
【0136】
具体的には、制御部24は、常時、画像形成した記録媒体Pの出力画像のピクセルカウント値から、各記録媒体Pに対して上記4つのカテゴリに分類し、それぞれの記録媒体P毎に記憶されている累積値X及び補給時間Yのデータから、Δ濃度平均を求めるようになっている。なお、記録媒体当たりの出力画像の平均ピクセルカウント値は、過去の一定期間(直近の画像形成動作の行われた期間等)のデータから求めてもよい。
【0137】
そして、制御部24は、平均像密度の大きい側の2つのカテゴリ(カテゴリ3、4)のΔ濃度平均の差の何れか一方が予め定められた閾値T3−1以下の場合(
図8の判断ステップS430参照)、補給機構22の高像密度画像出力に対する追従性が低下している可能性があると判断するようになっている。この場合、平均像密度の小さい側の2つのカテゴリ(
図9のカテゴリ1、2参照)のΔ濃度平均の何れか一方が予め定められた閾値T3−2
以下であるかを判断するようになっている(
図8の判断ステップS440参照)。ここで、Δ濃度平均の差とは、カテゴリ平均値の差の一例である。
【0138】
そして、制御部24は、判断ステップS440の何れの条件も満たさない場合、カウンタ404のカウント値を初期状態にして、この診断を終了するようになっている。一方、制御部24は、判断ステップS440の条件を満たす場合、カウンタ404のカウント値を1増やし、更に、その値が予め定められた閾値T3−3に達している場合は、補給機構22に異常があると判断し、この診断を終了するようになっている(
図8のステップS450〜S480参照)。ここで、このカウント値とは、充足回数の一例である。
【0139】
制御部24は、平均像密度の大きい側の2つのカテゴリ(カテゴリ3、4)のΔ濃度平均の差の何れか一方が予め定められた閾値T3−1以下でない場合(
図8の判断ステップS430参照)、補給機構22の高像密度画像出力に対する追従性の低下の疑いがないと判断するようになっている。この場合、制御部24は、前述の
図7(第2の実施の形態の変形例)のフローに従い、補給機構22の異常診断を行うようになっている。
【0140】
ここで、
図8及び9に基づいて、制御部24による補給機構22の異常診断について更に詳しく説明する。例えば、Δ濃度平均の差が−0.7%以下の場合、高像濃度密度画像の追従性の低下の疑いがあると判断する閾値T3−1とする。そうすると、
図9に示されるように、カテゴリ4(平均像密度70%より大きく100%以下)では、Δ濃度平均の差が閾値T3−1よりも低下していることになる。この場合は、制御部24は、
図8に示す判断ステップS440以降のフローに従い、補給機構22の異常診断を行うようになっている。
【0141】
<第2の実施の形態の作用>
次に、本実施の形態の作用について、
図8に基づいて説明する。
【0142】
補給機構22の異常の有無の診断では、ステップS400のとおり、補給機構22の補給動作の総補給時間に基づいて現像剤収容部220内の現像剤Gの残量が十分かについて判断される。現像剤Gの残量が十分でないと判断された場合は、この診断が終了する。
【0143】
現像剤Gの残量が十分であると判断された場合は、ステップS410において、カテゴリ毎のΔ濃度平均が求められる。また、ステップS420において、Δ濃度平均の基準に対する各Δ濃度平均の差も求められる。
【0144】
次に、判断ステップS430において、平均像密度の大きい側の2つのカテゴリ(カテゴリ3、4)のΔ濃度平均の差の少なくとも何れか一方が予め定められた閾値T3−1以下であるかが判断される。
【0145】
そして、この条件を満たさない場合には、判断ステップS310以降に従い、補給機構22の異常診断が行われる。なお、ステップS310以降のフローは、
図8に示す判断ステップS440以降のフローに準じる。
【0146】
一方、この条件を満たす場合、補給機構22の高像密度画像出力に対する追従性の低下の疑いがあると判断される。そして、判断ステップS440で、平均像密度の小さい側の2つのカテゴリ(図カテゴリ1、2)のΔ濃度平均の何れか一方が予め定められた閾値T3−2以下かが判断される。
【0147】
そして、判断ステップS440の何れの条件も満たさない場合、ステップS490において、カウンタ404が初期状態とされて、この診断が終了する。この場合、判断ステップS430の条件を満たしているにも関わらず、相対的に低像密度画像出力であるカテゴリ1、2のΔ濃度平均が定められた閾値T3−2よりも大きいことから、低像密度画像出力を行う限りでは現像剤Gの補給の追従性については異常とは認められない。つまり、高像密度画像出力において追従性が低下していると判断できる。
【0148】
一方、判断ステップS440の条件を満たす場合、ステップS450でカウンタ404のカウント値が1増やされ、更に、判断ステップS460でそのカウント値が予め定められた閾値T3−3に達している場合は、補給機構22に異常があると判断されて、この診断が終了する。
【0149】
以上の説明のとおり、本実施の形態の制御部24により、カテゴリ3、4のΔ濃度平均の差の何れか一方が閾値T3−1未満であるかが判断される(判断ステップS430)。
【0150】
ここで、ステップS430において、カテゴリ1をΔ濃度平均の差を求めるための基準とするのは、カテゴリ1が他のカテゴリに比べて平均像密度が最も小さいため、カテゴリ1のΔ濃度平均の値のばらつきが他のカテゴリに対して小さいと考えられるためである。
【0151】
さらに、ステップS430において、この基準に対する差で判断するのは、補給機構22毎のばらつき(いわゆる個体ばらつき)によって、現像剤Gの補給能力が慢性的に低下している状態等でも、Δ濃度平均を用いる場合に比べて、高像密度画像出力における追従性の低下を確実に検出するためである。ここで、現像剤Gの補給能力が慢性的に低下している状態とは、補給機構22の個体ばらつきに起因して、現像剤Gの補給能力が設計値よりも低下し、高像密度画像出力だけでなく、低像密度画像出力においても追従できない状態をいう。
【0152】
具体的には、判断ステップS430の条件を満たす場合、高像密度画像出力の追従性について低下の疑いがあると判断される。その後、判断ステップS440の判断が行われる。ここで、判断ステップS430の条件及び判断ステップS440の条件を満たし、更に、ステップS450でカウンタ404のカウント値が1増やされ、判断ステップS460でそのカウント値が予め定められた閾値T3−3に達している場合を考える。この場合、高像密度画像出力の追従性に異常があり、低像密度画像出力の追従性にも異常があると判断される。すなわち、現像剤Gの補給能力が慢性的に低下している状態と判断される。つまり、判断ステップS430においてΔ濃度平均の差による判断が行われたうえで、この条件を満たす場合に判断ステップS440が行われることで、現像剤Gの補給能力が慢性的に低下しているのか、高像密度画像出力の場合に追従性が満たされていないのかについて判断できる。
【0153】
したがって、本実施の形態の制御部24によれば、判断ステップS430においてΔ濃度平均に基づいて判断する場合に比べて、正確に高像密度画像出力の追従性の低下の疑いが判断される。
【0154】
また、判断ステップS430の条件を満たす場合、高像密度画像出力の追従性の低下の疑いがあると判断され、その後、判断ステップS440で、相対的に低像密度画像出力であるカテゴリ1、2のΔ濃度平均が定められた閾値T3−2以下かが判断される。判断ステップS440の条件を満たした場合、ステップS450において、カウンタ404のカウント値が1増やされる。そして、カウンタ404のカウント値が予め定められた閾値T3−3に達した場合は、像密度に関係なくトナー濃度センサ60の出力が低下しており、ステップS480で補給機構22に異常があると判断される。
【0155】
したがって、本実施の形態の制御部24によれば、判断ステップS430の後、判断ステップS440を行わないに比べて、補給機構の異常を、現像剤の補給及び消費状況に応じて適切に診断することができる。
【0156】
なお、Δ濃度平均の差に対する閾値T3−1又はΔ濃度平均に対する閾値T3−2は、カテゴリ毎に設定してもよい。これにより、各閾値T3−1、T3−2に応じて、異常状態の程度を分類することができる。ここで、異常状態の程度とは、推定される現像剤Gの残量に対する異常状態の分類である。例えば、現像剤Gの残量が多いと推定されるにも関わらず、異常状態である場合、現像剤輸送部222に現像剤Gが詰まっている等がある。
【0157】
その他の作用は、前述の実施の形態と同様である。
【0158】
以上のとおり、本発明を特定の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施の形態が可能である。
【0159】
例えば、第1の実施の形態では、制御部24は、
図5に示されるように、累積値Xを求めた後、補給時間Yを求めている。しかし、累積値X及び補給時間Yの相関を求めることができればよく、逆に求めても同時に求めてもよい。
【0160】
また、第1の実施の形態では、制御部24は、
図5のステップS120のように、累積値Xに対する補給時間Yの上限Y
U及び下限Y
Lを求めている。しかし、累積値X及び補給時間Yの相関が分かればよいため、補給時間Yに対する累積値Xの上限及び下限を求めた上で、判断ステップS130において、累積値Xは、補給時間の上限及び下限内かを判断してもよい。
【0161】
また、第1の実施の形態における閾値T1について特に例示はしていないが、1と設定してもよい。
【0162】
また、第2の実施の形態では、カウンタ402が予め定められた閾値T2−2を超えたかを判断せず、ステップS210の条件を満たす場合、補給機構22に異常があると判断してもよい。
【0163】
また、第2の実施の形態では、現像剤Gの残量の判断に、現像剤Gの補給量が推定できる情報を用いればよい。例えば、ピクセルカウント累積値Xを用いてもよいし、現像剤供給機構におけるオーガ222の駆動回転数を用いてもよい。
【0164】
また、第2の実施の形態では、高像密度画像の出力であるかの判断は、現像剤Gの補給量の高像密度追従性に応じて実施するかを決定すればよい。
【0165】
また、第2の実施の形態では、トナー濃度センサ60の測定結果の予め定められた乖離値T2−1に対する判断は、閾値を複数設けてもよい。この場合、乖離値T2−1に応じて異常状態(故障)の深刻度を規定することができる。乖離値T2−1のより大きい閾値を閾値2(>閾値1)としたときに、閾値1を超えた場合には警告とし、更に、閾値2を超えた場合にはサービス対応が必要等の報知をしてもよい。
【0166】
また、第2の実施の形態では、トナー濃度センサ60の測定結果の予め定められた乖離値T2−1に対する判断は、現像装置46内のトナー濃度低下を検出することができればよく、中間転写体上に固定電位条件で作成した濃度検出用パッチを、光学式トナー濃度センサで検出した結果を用いてもよい。
【0167】
また、補給機構22が異常であることの報知は、操作表示部240に表示することで行うとしたが、表示以外の方法(音等)により報知するようにしてもよい。さらに、操作表示部240を用いずに、異常であることをネットワーク等を介して、サービスマン、カストマーセンター等に報知してもよい。
【0168】
第2の実施の形態では、カテゴリ1〜4のうち、平均像密度が相対的に大きいカテゴリ3、4について、判断ステップS410を行うとした。これに対し、カテゴリを分類した後、Δ濃度平均の差が閾値を超えて低下しているカテゴリを選択して、判断ステップS410を行うようにしてもよい。
【0169】
また、補給機構22の異常診断プログラム300、302、304、306は、記憶部248に記憶されているとしたが、CD−ROM等の情報記憶媒体に記憶された異常診断プログラムをインストールするようにしてもよい。また、ネットワークを介して、異常診断プログラムをインストールするようにしてもよい。