(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に示す照明器具の斜視図、
図2は、
図1に示す照明器具の分解斜視図である。
【0011】
照明器具1000は、光源である蛍光ランプ2000が取り付けられる本体部100と、この本体部100に蓄電池3000が取り付けられた状態で、反射板取付つまみねじ110によって本体部100に取り付けられる反射板200で構成されている。
【0012】
図3は、
図2に示す照明器具の本体部の分解斜視図である。
本体部100は、天井などの被取付部に取り付けられる長尺状の本体金具120と、この本体金具120に取り付けられ、照明器具1000の外部から引き込まれた電源電線が接続される端子台130と、この本体金具120に取り付けられる点灯装置ユニット140と、本体金具120の長手方向の両端部に設けられ、蛍光ランプ2000が取り付けられるソケット部150と、蓄電池3000を本体金具120に固定する蓄電池固定具160と、本体金具120に取り付けられる制御装置170と、を備える。
【0013】
点灯装置ユニット140は、本体金具120に取り付けられる取付金具141と、この取付金具141に取り付けられる点灯装置142及び点検用スイッチ143で構成される。
点灯装置142は、商用電源が供給されている常用時に、蛍光ランプ2000を点灯させるものである。
この点灯装置142は、ケース本体142aと、このケース本体142aに収納され、蛍光ランプ2000を点灯させる点灯回路装置(図示しない。)と、この点灯回路装置を覆うように、ケース本体142aに取り付けられるケースカバー142bとからなる。この点灯装置142の外殻は、ケースカバー142bをケース本体142aに取り付けたとき直方体形状をなし、幅方向に対して高さ方向が短い形状である。
点検用スイッチ143は、直方体形状をなす点検スイッチ本体部143aと、点灯スイッチ本体部143aの内部に有するスイッチを操作するための引き紐143bと、この引き紐143bに取り付けられている目隠し板143cからなる。
【0014】
この点検用スイッチ143は、端子台130から点灯装置142及び制御装置170に接続されている電源線の間に介在するように設けられており、点検用スイッチ143の引き紐を引くことによって、一時的に商用電源から点灯装置142及び制御装置170への電力供給を遮断して停電状態を模擬し、蓄電池3000によって蛍光ランプ2000が点灯され、蓄電池3000の状態(寿命や接続不良による充電不良など)を点検するものである。
【0015】
端子台130は、ネジ等の締結部材によって本体金具120に固定されており、照明器具1000の外部から引き込まれた電源線が接続される。
制御装置170は、ネジ等の締結部材によって本体金具120に固定されており、端子台130、点灯装置142、蛍光ランプ2000及び蓄電池3000にそれぞれ電線が接続されている。
この制御装置170は、商用電源が供給されているときは蓄電池3000を充電するとともに、点灯装置142が出力する電力を蛍光ランプ2000に供給させるように電気的に接続し、商用電源が供給されない状態、例えば停電時などの災害時に、蓄電池3000からの電力によって動作し、蛍光ランプ2000を点灯させる。
【0016】
反射板200は、反射板平面部210と、この反射板平面部210の両端から被取付部方向へ幅広になるように傾斜する反射板傾斜部220と、長手方向の両端部に取り付けられる端板230と、から形成される。
反射板平面部210は、長手方向の端部に設けられ、本体部100に取り付けたときに後述するソケット152が挿入されるソケット用開口部211と、反射板200を本体部100に固定するための反射板取付つまみねじ110が挿入される反射板取付孔212と、点検用スイッチ143の引き紐143b部分が挿通するスイッチ開口部213を有している。
この反射板200は、本体部100に取り付けられた点灯装置142、制御装置170、端子台130、蓄電池3000、点検用スイッチ143を覆うように、反射板取付つまみねじ110によって本体部100に取り付けられる。
スイッチ開口部213は引き紐143を操作しやすいように楕円形に形成されており、反射板200の内部が目立たないように、目隠し板143cによって塞がれている。
【0017】
次に、ソケット部150の詳細について説明する。
図4は、
図3に示す本体部のソケット部の分解斜視図である。
【0018】
ソケット部150は、本体金具120に取り付けられるとともに反射板200が固定されるソケット取付金具151と、このソケット取付金具151に取り付けられるソケット152からなる。
【0019】
ソケット取付金具151は、ソケット取付金具平面部151aと、立上部151bとからなる略「コ」の字状の断面形状をなしている。
ソケット取付金具平面部151aは、ソケット152を取り付けるためのソケット取付開口部151aaと、反射板200を本体部100に固定するための反射板取付つまみねじ110が螺合する取付ねじ孔151abを有している。
立上部151bは、本体金具120の内側と嵌合する爪部151baを有している。
ソケット152は、蛍光ランプ2000の口金(例えばG13口金)が取り付けられる受金部152aと、ソケット取付金具151に取り付けられる固定溝152bを有する。
このソケット152は、固定溝152bがソケット取付開口部151aaの周枠部に差し込まれ、ソケット取付金具151に取り付けられる。
【0020】
次に、蓄電池取付具160の詳細について説明する。
図5は、
図3に示す本体部の蓄電池固定具の斜視図である。
蓄電池取付具160は、蓄電池差込金具161と、蓄電池取付金具162と、取付台163と、この取付台163に蓄電池取付金具162を取り付ける電池取付金具用つまみネジ164を有する。
【0021】
蓄電池差込金具161は、本体金具120とソケット取付金具162の間に配置され、本体金具120にネジ等の締結部材によって固定される。これにより、本体金具120の内面と蓄電池差込金具161の内面の間に蓄電池3000の一部を差し込める空間を形成する。
【0022】
取付台163は、蓄電池取付金具162が電池取付金具用つまみネジ164により固定される金具取付面163aと、取付台立上部163bと、本体金具120に取り付けられる本体取付部163cから形成されており、本体取付部163cが本体金具120にネジ等の締結部材によって固定されている。
【0023】
蓄電池取付金具162は、電池取付金具用つまみネジ164が挿入され、取付台163に固定されるための蓄電池取付金具固定孔162aを有している。この蓄電池取付金具162は、取付台163に固定されることで、蓄電池3000の蓄電池差込金具161により保持されている側と反対の側を保持する。
【0024】
このように蓄電池取付具160は、蓄電池3000を蓄電池差込金具161の内面側の空間に収納した状態で、蓄電池取付金具162をネジで本体取付部141aに固定することによって、蓄電池3000を本体金具120に固定することができる。
【0025】
なお、蓄電池3000は、蓄電池取付金具162を取付台163から取り外し、蓄電池差込金具161と本体金具120が形成する空間から抜き出すことで、交換することが可能となっている。
【0026】
次に本体部100の詳細について説明する。
図6は、
図2に示す照明器具の本体部の斜視図であり、
図7は、
図6に示す本体部の下面図である。
【0027】
本体金具120は、被取付部に面する略長方形状の板状の本体金具取付部121と、この本体金具取付部121の短手方向の両端から折り曲げられて形成される本体金具立上部122とを有し、略「コ」の字状の形状をなしている。
本体金具取付部121は、中央部よりも長手方向の両側端側にそれぞれ取付孔121aが設けられ、また中央部には第一の電源孔121b、中央部よりも長手方向の端部寄りの位置に配置される点灯装置142側には第二の電源孔121cが設けられている。
【0028】
取付孔121aは、天井や壁等の被取付面に照明器具1000を固定するために使用する孔である。
【0029】
第一の電源孔121bは、商用電源からの電力を照明器具1000に供給するための入力用電線を本体部100(照明器具1000)内外へ挿通する孔である。なお、商用電源からの電力を端子台130を介して他の照明器具へ供給するための渡り電線を使用する場合に、この第一の電源孔121bに渡り電線を挿通する場合がある。
【0030】
第二の電源孔121cは、第一の電源孔121bと同様の機能を持っており、第一の電源孔121bと大きさを変えて、挿通される電線径が太いものを引き込むことをできるようにしたり、あるいは、第一の電源孔121bとは異なる本体金具取付部121の位置に配置することによって、被取付部に本体部100に取り付ける際に、既に設けられている電源線と本体部100を取り付けたい位置とをあわせることをできるようにしたりするための孔である。
本体金具立上部122は、本体金具取付部121の短手方向から折り曲げられて形成されることにより、本体金具取付部121の長手方向の撓みを抑制するとともに、ソケット取付金具151などの部品を取り付ける部品取付部となる。
【0031】
次に、点灯装置ユニット140を構成する取付金具141及び点灯装置142の詳細について説明する。
図8は、
図6に示す本体部の点灯装置ユニットを分解した分解斜視図であり、
図9は、
図7に示す本体部のA−A断面を表す断面図である。
【0032】
取付金具141は、断面が略L字形状になっており、一面に本体金具取付部121に固定される本体取付部141a、他面に点灯装置142が固定される点灯装置取付部141bが形成されている。また、取付金具141は、さらに、点灯装置取付部141bが対向するように、本体取付部141aから折り曲げられて、点検用スイッチ143が取り付けられる点検用スイッチ取付部141cが形成されている。
【0033】
本体取付部141aは、第二の電源孔121cと係り合う位置に、電源孔用開口部141aaを有している。
【0034】
点検用スイッチ取付部141cは、点灯装置取付部141bに対向する面に、点検用スイッチ143を固定する固定部が形成されている。
【0035】
点灯装置142は、取付金具141の点灯装置取付部141bに取り付けられて本体金具120に固定され、このとき点灯装置142の取付面は、本体部100(本体金具取付部121)に対して略垂直になっている。
【0036】
点灯装置142の幅Wは、本体金具120の短手方向の長さLに対してほぼ等しく(幅W≦長さL)、点灯装置142の高さHは、幅Wよりも短い長さ(高さH<幅W)である。
【0037】
そのため、点灯装置142の高さHは本体金具120の短手方向の長さLよりも短いので、点灯装置142を点灯装置取付部141bに取り付けることにより、本体金具取付部121(本体取付部141a)に対する垂直方向に、作業者が本体部100を天井面などの被取付部に取り付ける作業空間(
図9に示すC部)ができ、作業者の作業性を向上させることができる。
【0038】
また、点灯装置142を点灯装置取付部141bに取り付けることにより、点灯装置取付部141bに対する水平方向に、電源線を通す第二の電源孔121cを設けたり部品を設置したりする設置空間(
図9に示すD部)ができる。
【0039】
このように、点灯装置142の取付面を取付金具141により本体金具120の本体金具取付部121に対し垂直方向に配置することで、本体金具取付部121に部品の設置が可能なスペースを確保することができるとともに、部品配置の効率化をすることができる。
【0040】
さらに、点灯装置ユニット140により、点灯装置142と点検用スイッチ143を対向した状態で、本体金具120に取り付けるので、本体金具120の長手方向にも部品を配置する設置空間ができる。そのため、この実施の形態では本体金具120の両端側にそれぞれ蓄電池3000を設置することができ、従来の本体金具120の大きさとほぼ同じでありながら、蓄電池3000の容量の大型化が実現できる。
【0041】
また、点灯装置142と点検用スイッチ143を、取付金具141に取り付けて一体化することにより、照明器具1000を組立てするときの作業性を向上させることができる。
【0042】
この実施の形態では、点灯装置142の取付面を配置する方向(以下、単に配置方向という。)が、本体金具120の本体金具取付部121に対して略垂直とする場合について説明したが、点灯装置142の配置方向は垂直に限らず、本体金具120のスペースや反射板200の内側(本体金具120側)の形状などに応じて、配置方向を鋭角にしてもよいし、鈍角にしてもよい。
【0043】
この実施の形態では、点灯装置142の取付面を本体金具取付部121に対し垂直に配置した場合について説明したが、制御装置170を本体金具取付部121に対して略垂直に配置することでも同様の効果を得ることができる。
【0044】
なお、この実施の形態では、光源として蛍光ランプ2000を用いる場合について説明したが、LEDランプや有機ELなどの光源であってもかまわない。また、非常用照明器具に用いるLEDランプはガラス管を用いた直管形LEDランプが望ましい。
【0045】
また、この実施の形態における照明器具1000では、1本の蛍光ランプ2000を用いる場合について説明したが、複数本のランプを用いてもよい。また、複数本のランプを用いる場合は、ランプの種類を1種類とせずに、複数の種類のランプを組み合わせ(例えば、蛍光ランプとLEDランプを組み合わせ)てもよい。蛍光ランプとLEDランプの組み合わせの具体的な実施例として、例えば常用点灯と非常点灯を兼用する非常用照明器具が最適であり、通常時はLEDランプが単独で点灯、もしくはLEDランプおよび蛍光ランプがともに点灯し、商用電源が切断されたなどの非常時は蛍光ランプが点灯する構成とするとよい。
【0046】
また、この実施の形態では、光源である蛍光ランプ2000を照明器具1000から着脱が可能な場合について説明したが、光源にLEDランプや有機ELなどを用いる場合にあっては、光源が照明器具に着脱可能な構成としてもよいし、光源が照明器具に内蔵される構成としてもよい。
【0047】
この実施の形態では、蓄電池取付金具162は蓄電池取付金具用つまみネジ164が貫通する蓄電池取付金具固定孔162aが設けられているが、この孔の形状は正円形でなくてもよく、長円形などであってもよい。このように蓄電池取付金具固定孔162aの孔形状を長円形にした場合、蓄電池取付金具162を取付台163から取り外すことなく、蓄電池取付金具用つまみネジ164を緩めた状態で、蓄電池取付金具162を横方向にスライドさせることができ、蓄電池3000を交換することが可能となる。
【0048】
本実施の形態では、第一の電源孔121bが通常使用する電源孔として説明したが、通常使用する電源孔は第一の電源孔121b、第二の電源孔121cのどちらでもよく、両方を通常使用してもよい。
【0049】
実施の形態2.
本実施の形態における照明器具の構造は、実施の形態1と同じため、実施の形態と同符号を付し説明を省略し、実施の形態1と異なる取付金具の形状について詳細に説明する。
【0050】
図10は、実施の形態2に示す照明器具の本体部の斜視図であり、
図11は、
図10に示す本体部の点灯装置ユニットを分解した分解斜視図であり、
図12は、
図10に示す本体部の下面図であり、
図13は、
図12に示す照明器具の本体部のE−E断面を表す断面図である。
【0051】
この実施の形態の取付金具141’は、断面が略コ字形状になっており、本体金具取付部121に固定される本体取付部141aと、この本体取付部141aの短手方向の一端から折り曲げられて形成され、点灯装置142が固定される点灯装置取付部141bと、本体取付部141aの短手方向の他端から折り曲げられて形成され、点灯装置取付部141bが対向するように、点検用スイッチ143が取り付けられる点検用スイッチ取付部141dで構成されている。
【0052】
本体取付部141aは、第二の電源孔121cと係り合う位置に、電源孔用開口部141aaを有している。
【0053】
点検用スイッチ固定部141dは、点灯装置取付部141に対向し、本体取付部141aの長手辺全辺から立ちあがり形成されている。
【0054】
取付金具141’は、取付金具141’の内側に商用電源から端子台130に接続される配線および端子台130から点灯装置142および制御装置170へ電源線300を配置し、取付金具141’の外側に点灯装置142および制御装置170からソケット152へのランプ線400を配置する。
【0055】
そのため、取付金具141’は、点灯装置取付部141bもしくは点検用スイッチ取付部141dをランプ線400と電源線300の間に介在させるように配置されることにより、ランプ線400からの電源線300へのノイズの漏洩を抑制させることができ、ノイズの低減をさせることができる。
【0056】
さらに、本体部100は、端子台130を介してあるいは直接、アース線に電気的に接続されており、また、取付金具141’は、本体部100に直接または金属製のネジなどの締結金具を介して電気的に接続される。そのため、本体部100および取付金具141’は、アース接地されている。
このように、本体部100及び取付金具141’はアース接地されることにより、ランプ線400から電源線300へのノイズの漏洩をより抑制させることができる。
【0057】
また、この実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。