特許第6206000号(P6206000)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206000
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】LED駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20170925BHJP
【FI】
   H01L33/00 J
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-179469(P2013-179469)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2015-50239(P2015-50239A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】田坂 泰
(72)【発明者】
【氏名】吉永 充達
(72)【発明者】
【氏名】町田 修
(72)【発明者】
【氏名】吉江 徹
(72)【発明者】
【氏名】江原 俊浩
(72)【発明者】
【氏名】木村 研吾
【審査官】 小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−034569(JP,A)
【文献】 特開2011−119237(JP,A)
【文献】 特開2010−170844(JP,A)
【文献】 特開2013−106373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノーマリーオンタイプのスイッチング素子のオンオフ動作によるリアクトルの充放電で生成した直流出力によってLEDを定電流で点灯させるLED駆動回路であって、
前記リアクトルと前記LEDのループ内に実装され、前記リアクトルを流れるリアクトル電流を検出する検出抵抗と、
前記検出抵抗の両端電圧から前記リアクトル電流の平均値を検出する平均値検出回路とを具備し、
前記平均値検出回路によって検出した前記リアクトル電流の平均値に基づいて前記スイッチング素子をオフさせるタイミングを制御することを特徴とするLED駆動回路。
【請求項2】
前記スイッチング素子は、直列に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とからなり、
ローサイド側の第2のスイッチング素子を前記平均値検出回路によって検出した前記リアクトル電流の平均値に応じた定電流値の定電流素子として駆動する制御回路と、
回生期間中は、ハイサイド側の前記第1のスイッチング素子をオフ状態に維持するオフ維持回路とを具備することを特徴とする請求項1記載のLED駆動回路。
【請求項3】
前記平均値検出回路によって検出した前記リアクトル電流の平均値に基づいて決定されるデュティ比のパルス信号を出力するパルス発生回路と、
該パルス発生回路から出力された前記パルス信号をコモン電位からマイナスの波形に変換し、変換した前記パルス信号を前記スイッチング素子の制御端子に出力するパルス信号変換回路とを具備することを特徴とする請求項1記載のLED駆動回路。
【請求項4】
前記スイッチング素子の出力端子の電位に応じて、前記スイッチング素子をオフ動作させる自己バイアス回路を具備することを特徴とする請求項3記載のLED駆動回路。
【請求項5】
前記パルス信号変換回路は、カップリングコンデンサであることを特徴とする請求項3又は4記載のLED駆動回路。
【請求項6】
前記平均値検出回路は、前記検出抵抗の両端電圧と基準電圧との差電圧を検出する差電圧検出手段を備えることを特徴とする請求項1記載のLED駆動回路。
【請求項7】
前記平均値検出回路は、前記差電圧に基づき充放電され、前記リアクトル電流の平均値を検出するコンデンサを備えることを特徴とする請求項6記載のLED駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノーマリーオンタイプのスイッチング素子を用いてLEDを定電流で点灯するLED駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体基板にGaAs(ヒ化ガリウム)、GaN(窒化ガリウム)、SiC(炭化珪素)等を用いた低損失なワイドバンドギャップ半導体素子を、スイッチング電源回路のスイッチング素子として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。スイッチング素子としてワイドバンドギャップ半導体素子を用いることで、電源効率を下げることなく、動作周波数を上げることができ、装置の小型化を実現することができる。
【0003】
ワイドバンドギャップ半導体素子は、通常ノーマリーオンタイプであり、ゲート・ソース間電圧であるVgsが0Vでオン、Vgsが閾値Vth(負電圧)よりも低いマイナス電位でオフといった特性を持ち、特許文献1では、リアクトルに流れる増加電流が所定値に達したときにスイッチング素子(ワイドバンドギャップ半導体素子)をオフさせる自励式のチョッパ回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−199024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、図5に示すように、リアクトル電流のピーク値Ipが一定になるように制御されることになり、入力電圧が変動する場合には、定電流特性が悪化してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来技術の問題を解決し、スイッチング素子としてワイドバンドギャップ半導体を用いて高周波化した降圧チョッパ回路において、入力電圧変動があっても定電流特性を維持できるLED駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のLED駆動回路は、ノーマリーオンタイプのスイッチング素子のオンオフ動作によるリアクトルの充放電で生成した直流出力によってLEDを定電流で点灯させるLED駆動回路であって、前記リアクトルと前記LEDのループ内に実装され、前記リアクトルを流れるリアクトル電流を検出する検出抵抗と、前記検出抵抗の両端電圧から前記リアクトル電流の平均値を検出する平均値検出回路とを具備し、前記平均値検出回路によって検出した前記リアクトル電流の平均値に基づいて前記スイッチング素子をオフさせるタイミングを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スイッチング素子としてワイドバンドギャップ半導体を用いて高周波化した降圧チョッパ回路において、平均値検出回路によって検出したリアクトル電流の平均値に基づいて第1のスイッチング素子Q1をオフさせるタイミングを制御することで、等価的にLED電流の平均値制御を行うことができ、入力電圧変動があっても定電流特性を維持できるため、ワールドワイド入力対応のLED駆動装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るLED駆動回路の第1の実施の形態の構成を示す回路構成図である。
図2図1に示すリアクトルに流れるリアクトル電流を示す波形図である。
図3】本発明に係るLED駆動回路の第2の実施の形態の構成を示す回路構成図である。
図4】本発明に係るLED駆動回路の第3の実施の形態の構成を示す回路構成図である。
図5】従来のLED駆動回路におけるリアクトルに流れるリアクトル電流を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、各図において、同一の構成には、同一の符号を付して一部説明を省略している。
【0011】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態のLED駆動回路10aは、図1を参照すると、ノーマリーオンタイプのワイドバンドギャップ半導体素子を用いた自励式の降圧チョッパ回路であり、整流回路DBと、ノーマリーオンタイプのワイドバンドギャップ半導体素子であるスイッチング素子Q1、Q2と、スイッチング素子Q2を定電流制御する制御回路Taと、バイパスコンデンサC1と、リアクトルLと、巻き線AWと、回生ダイオードD1と、出力コンデンサC2と、ツェナーダイオードZD1と、抵抗R1、R2、R3と、ダイオードD2と、電流検出抵抗Rsと、コンデンサCcompを備え、負荷回路であるLEDアレイLDを定電流で駆動する。以下、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを区別するために、スイッチング素子Q1を第1のスイッチング素子Q1と称し、スイッチング素子Q2を第2のスイッチング素子Q2と称す。
【0012】
LED駆動回路10aの入力端子V+と、入力端子V0とには、ダイオードがブリッジ構成された整流回路DBの整流出力正極端子と、接地された整流出力負極端子とがそれぞれ接続されている。整流回路DBの交流入力端子ACin1、ACin2には商用交流電源AC1が接続され、商用交流電源AC1からのAC入力電圧が全波整流されて整流回路DBから出力される。
【0013】
入力端子V+、すなわち整流回路DBの整流出力正極端子と、入力端子V0、すなわち整流回路DBの整流出力負極端子との間には、第1のスイッチング素子Q1と、第2のスイッチング素子Q2と、リアクトルLと、出力コンデンサC2と、電流検出抵抗Rsとからなる直列回路と、バイパスコンデンサC1とが並列に接続されている。入力端子V+には第1のスイッチング素子Q1のドレイン端子が接続され、第1のスイッチング素子Q1のソース端子には第2のスイッチング素子Q2のドレイン端子が、そして、第2のスイッチング素子Q2のソース端子にはリアクトルLの一方の端子に接続されている。リアクトルLの他方の端子には出力コンデンサC2の正電極が接続され、出力コンデンサC2の負電極が電流検出抵抗Rsの一方の端子と接続されている。
【0014】
出力コンデンサC2の両端が、LED駆動回路10aの出力となり、出力コンデンサC2の正電極が出力端子Vout+に、出力コンデンサC2の負電極が出力端子Vout−となる。この出力端子Vout+、Vout−に負荷であるLEDアレイLDが、アノードが出力端子Vout+側になるように接続される。
【0015】
第2のスイッチング素子Q2のソース端子とリアクトルLの一方の端子との接続点と、入力端子V0との間には、回生ダイオードD1が接続されている。第2のスイッチング素子Q2のソース端子とリアクトルLの一方の端子との接続点には、回生ダイオードD1のカソードが接続され、入力端子V0には、回生ダイオードD1のアノードが接続されている。これにより、第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2との両方がONのときに、リアクトルLとLEDアレイLDとに電圧がかかり、リアクトルLに電力が蓄積される。そして、第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2とのいずれか一方でもOFFのときに、リアクトルLに蓄積された電力がLEDアレイLDに供給される。
【0016】
ハイサイド側の第1のスイッチング素子Q1は、リアクトルLに磁気結合されている巻線AWに誘起される負電圧を用いてオフ制御される。リアクトルLに磁気結合されている巻線AWは、一端がリアクトルLと第2のスイッチング素子Q2のソース端子との接続点に接続され、他端がカップリングコンデンサC3を介して第1のスイッチング素子Q1のゲート端子に接続されている。これにより、リアクトルLの電圧極性が反転すると、巻線AWには第1のスイッチング素子Q1のゲート端子が負電位になる電圧が誘起され、第1のスイッチング素子Q1がオフ状態に維持される。また、第1のスイッチング素子Q1のゲート端子と、入力端子V0との間には、ダイオードD2が接続されている。第1のスイッチング素子Q1のゲート端子には、ダイオードD2のカソードが、入力端子V0には、ダイオードD2のアノードがそれぞれ接続されている。これにより、第1のスイッチング素子Q1のゲート端子がダイオードD2の順方向電圧VFで電圧クランプされる。
【0017】
ローサイド側の第2のスイッチング素子Q2のゲート端子とソース端子との間には、ツェナーダイオードZD1と抵抗R1とが並列に接続されている。ツェナーダイオードZD1は、アノードが第2のスイッチング素子Q2のゲート端子に、カソードが第2のスイッチング素子Q2のソース端子にそれぞれ接続されている。
【0018】
制御回路Taは、第2のスイッチング素子Q2を定電流制御するためのIC回路であり、トランスコンダクタンスアンプ(電圧-電流変換アンプ)OTAと、オペアンプOPと、基準電圧Vref1、Vref2と、バイポーラトランジスタQ3と、ダイオードD3と、コモン端子COMと、電流フィードバック端子Isenseと、外部位相補償端子COMPと、駆動信号出力端子OUTと、起動電流入力端子STとを備えている。
【0019】
制御回路Taのコモン端子COMは、接地された入力端子V0に、電流フィードバック端子Isenseは出力端子Vout−、すなわちLEDアレイLDと検出抵抗Rsとの接続点に、外部位相補償端子COMPはコンデンサCcompを介して接地端子に、駆動信号出力端子OUTは抵抗R2を介してローサイド側の第2のスイッチング素子Q2のゲート端子に、起動電流入力端子STは抵抗R3を介して入力端子V+にそれぞれ接続されている。
【0020】
制御回路Taにおいて、電流フィードバック端子IsenseはトランスコンダクタンスアンプOTAの反転入力端子に接続され、トランスコンダクタンスアンプOTA1の非反転入力端子は基準電圧Vref1の正極端子に接続され、基準電圧Vref1の負極端子はコモン端子COMに接続されている。また、トランスコンダクタンスアンプOTAの出力端子は、外部位相補償端子COMPに接続されている。これにより、トランスコンダクタンスアンプOTAは、リアクトルLを流れるリアクトル電流として検出される検出抵抗Rsの両端間電圧と、基準電圧Vref1との差電圧を電流に変換して出力する。従って、外部位相補償端子COMPに接続されたコンデンサCcompは、トランスコンダクタンスアンプOTAからの出力電流によって充放電されるため、リアクトル電流が所定の電流値よりも低い場合に充電され、リアクトル電流が所定の電流値よりも高い場合に放電されることになる。
【0021】
また、トランスコンダクタンスアンプOTAの出力端子はオペアンプOPの非反転入力端子に接続されており、オペアンプOPの反転入力端子は基準電圧Vref2の正極端子に接続され、基準電圧Vref2の負極端子はコモン端子COMに接続されている。そして、オペアンプOPの出力端子はバイポーラトランジスタQ3のベースに接続され、バイポーラトランジスタQ3のコレクタはダイオードD3を介して駆動信号出力端子OUTに、バイポーラトランジスタQ3のエミッタはコモン端子COMにそれぞれ接続されている。なお、ダイオードD3は、カソードがバイポーラトランジスタQ3のコレクタに、アノードが駆動信号出力端子OUTに接続されている。
【0022】
これにより、バイポーラトランジスタQ3のコレクタ電流は、外部位相補償端子COMPに接続されたコンデンサCcompの充電量、すなわちリアクトル電流の平均値に応じた値となる。従って、ノーマリーオンタイプのワイドバンドギャップ半導体素子であるスイッチング素子Q1、Q2が共にオン状態である場合に、第2のスイッチング素子Q2のゲート端子とソース端子との間に接続された抵抗R1の電圧降下によって、第2のスイッチング素子Q2のゲート・ソース間電圧であるVgsが決まるため、Vgsを外部位相補償端子COMPに接続されたコンデンサCcompの充電量に応じたマイナス電位に制御することができる。このように制御されるVgsを、ワイドバンドギャップ半導体素子を定電流素子として動作させる範囲に設定しておくことで、第2のスイッチング素子Q2は、リアクトル電流の平均値に応じた定電流値の定電流素子として機能する。
【0023】
次に、第1の実施の形態のLED駆動回路10aの動作について図2を参照して詳細に説明する。
直流電源が投入されると、スイッチング素子Q1、Q2がオンしているため、図2に示すようにリアクトル電流が流れ出して、直線的に増加する。これにより、リアクトルLに電力が蓄積されると共に、外部位相補償端子COMPに接続されたコンデンサCcompに充電が行われる。そして、外部位相補償端子COMPに接続されたコンデンサCcompの充電量、すなわちリアクトル電流の平均値に応じた第2のスイッチング素子Q2の定電流値に、増加するリアクトル電流が達しても、リアクトル電流がさらに増加しようとするので、スイッチング素子Q1のドレイン端子、すなわちスイッチング素子Q1のソース端子の電圧が急激に立ち上がる。これにより、スイッチング素子Q1のVgsが閾値Vth(負電圧)よりも低いマイナス電位となり、スイッチング素子Q1はオフする。
【0024】
スイッチング素子Q1がオフすると、リアクトルLの電圧極性が反転し、巻線AWには第1のスイッチング素子Q1のゲート端子が負電位になる電圧が誘起され、第1のスイッチング素子Q1がオフ状態に維持され、リアクトルLに蓄積された電力が放出される回生期間となる。そして、回生期間においてリアクトル電流が0になると、スイッチング素子Q1のゲート端子に負電位になる電圧が誘起されなくなり、再び、スイッチング素子Q1、Q2がオンし、以後上述したのと同様な動作が繰り返される。
【0025】
第1の実施の形態では、第2のスイッチング素子Q2は、リアクトル電流の平均値に応じた定電流値の定電流素子として機能するため、図2に示すように、リアクトル電流のピークは、入力電圧に応じて変更される。従って、等価的にLED電流の平均値制御となり、LED電流は入力電圧変動によるスイッチングDutyの影響を受けず、一定のLED電流になるため、入力電圧変動があっても定電流特性を維持できる。
【0026】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、ノーマリーオンタイプの第1のスイッチング素子Q1のオンオフ動作によるリアクトルLの充放電で生成した直流出力によってLEDを定電流で点灯させるLED駆動回路10aであって、リアクトルLを流れるリアクトル電流の平均値を検出する平均値検出回路(トランスコンダクタンスアンプOTAと、トランスコンダクタンスアンプOTAの出力端子に接続されたコンデンサCcomp)を備え、平均値検出回路によって検出したリアクトル電流の平均値に基づいて第1のスイッチング素子Q1をオフさせるタイミングを制御するように構成されている。具体的には、直列に接続された第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2とを備え、ローサイド側の第2のスイッチング素子Q2を平均値検出回路によって検出したリアクトル電流の平均値に応じた定電流値の定電流素子として駆動する制御回路Taと、回生期間中は、ハイサイド側の前記第1のスイッチング素子をオフ状体に維持するオフ維持回路(巻線AW、カップリングコンデンサC3)とを備えている。
この構成により、スイッチング素子としてワイドバンドギャップ半導体を用いて高周波化した降圧チョッパ回路において、等価的にLED電流の平均値制御を行うことができ、入力電圧変動があっても定電流特性を維持できるため、ワールドワイド入力対応の超小型LED駆動装置を提供することができる。また、電流検出素子である電流検出抵抗Rsを、リアクトルL−回生ダイオードD1−LEDアレイLDのループ内のどこに実装しても、リアクトル電流の平均値を求めることができるため、電流検出素子の実装位置の自由度が高いといったメリットもある。
【0027】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態のLED駆動回路10bは、図3を参照すると、ノーマリーオンタイプのワイドバンドギャップ半導体素子を用いた他励式の降圧チョッパ回路である。第1の実施の形態のLED駆動回路10では、ローサイド側の第2のスイッチング素子Q2を定電流素子として用いたが、第2の実施の形態のLED駆動回路10bでは、ローサイド側の第2のスイッチング素子Q2を制御回路Tbによってオンオフ制御する。
【0028】
ローサイド側の第2のスイッチング素子Q2のゲート端子とソース端子との間には、ツェナーダイオードZD2が接続されている。ツェナーダイオードZD2は、アノードが第2のスイッチング素子Q2のゲート端子に、カソードが第2のスイッチング素子Q2のソース端子にそれぞれ接続されている。また、第2のスイッチング素子Q2のゲート端子と入力端子V0との間には、十分に高抵抗の抵抗R2が接続されている。ツェナーダイオードZD2と抵抗R2とは、制御回路Taが動作するまでの間、第2のスイッチング素子Q2のソース端子の電位に応じて、第2のスイッチング素子Q2をオフ動作させる自己バイアス回路として機能する。すなわち、直列に接続された第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2とは、Vgs=0Vでオン、Vgs=マイナス電位でオフといった特性を持つノーマリーオンタイプであるため、電源投入時などで制御回路Tabが動作するまでの間に、第1のスイッチング素子Q1及び第2のスイッチング素子Q2のゲート電圧がソース電位と同電位であると、オン状態となってしまい大電流が流れてしまう。そこで、第2のスイッチング素子Q2のゲート電圧が、ゲート端子とソース端子との間に接続されたツェナーダイオードZD2のツェナー電圧Vzまで充分にマイナス電圧で自己バイアスされ、第2のスイッチング素子Q2がオフされるように、高抵抗の抵抗R1をゲート端子と入力端子V0(接地端子)との間に接続している。これにより、制御回路Tbが動作していなくても、電源投入時に第2のスイッチング素子Q2をオフ動作させることができるので、制御回路Tbが動作するまでは、第2のスイッチング素子Q2をノーマリーオフタイプの半導体素子として安定に扱えるようになる。
【0029】
制御回路Tbは、第2のスイッチング素子Q2をオンオフ制御するためのIC回路であり、トランスコンダクタンスアンプ(電圧-電流変換アンプ)OTAと、基準電圧Vref1と、三角波発振器OSCと、比較器Tonと、バッファBFと、コモン端子COMと、電流フィードバック端子Isenseと、外部位相補償端子COMPと、駆動信号出力端子OUTと、起動電流入力端子STとを備えている。
【0030】
第2の実施の形態のLED駆動回路10bでは、検出抵抗Rsが第2のスイッチング素子Q2のソース端子とリアクトルLとの接続点との間に接続されており、制御回路Taのコモン端子COMは検出抵抗RsとリアクトルLとの接続点に、電流フィードバック端子Isenseは第2のスイッチング素子Q2のソース端子と検出抵抗Rsと接続点に接続されている。そして、外部位相補償端子COMPはコンデンサCcompを介して検出抵抗RsとリアクトルLとの接続点に、駆動信号出力端子OUTはカップリングコンデンサC4を介してローサイド側の第2のスイッチング素子Q2のゲート端子に、起動電流入力端子STは抵抗R3を介して入力端子V+にそれぞれ接続されている。
【0031】
制御回路Tbにおいて、電流フィードバック端子IsenseはトランスコンダクタンスアンプOTAの反転入力端子に接続され、トランスコンダクタンスアンプOTA1の非反転入力端子は基準電圧Vref1の正極端子に接続され、基準電圧Vref1の負極端子はコモン端子COMに接続されている。また、トランスコンダクタンスアンプOTAの出力端子は、外部位相補償端子COMPに接続されている。これにより、トランスコンダクタンスアンプOTAは、リアクトルLを流れるリアクトル電流として検出される検出抵抗Rsの両端間電圧と、基準電圧Vref1との差電圧を電流に変換して出力する。従って、外部位相補償端子COMPに接続されたコンデンサCcompは、トランスコンダクタンスアンプOTAからの出力電流によって充放電されるため、リアクトル電流が所定の電流値よりも低い場合に充電され、リアクトル電流が所定の電流値よりも高い場合に放電されることになる。
【0032】
また、トランスコンダクタンスアンプOTAの出力端子は比較器Tonの非反転入力端子に接続されており、比較器Tonの反転入力端子には三角波発振器OSCの出力端子が接続されている。そして、比較器Tonの出力端子はバッファBFを介して駆動信号出力端子OUTに接続されている。なお、三角波発振器OSCには、LEDアレイLDのアノード側から逆流防止用のダイオードD4を介して臨界動作信号が入力される構成になっており、回生期間においてリアクトル電流Lが0になった後に、三角波が立ち上がるようなっている。
【0033】
三角波発振器OSCから出力される三角波が外部位相補償端子COMPに接続されたコンデンサCcompの充電量、すなわちリアクトル電流の平均値に応じた電圧を超えると、比較器Tonの出力がLowレベルに反転する。これにより、バッファ回路BFからの出力は方形波となり、バッファ回路BFからの出力をカップリングコンデンサC4によってコンデンサカップリングすると、元の波形の面積を上下に分割したプラス電圧とマイナス電圧とに変換される。従って、ターンオフ時に急峻なマイナス電圧が第2のスイッチング素子Q2のゲート端子に印加されるため、第2のスイッチング素子Q2を急速にオフさせ、オフ状態に維持することができる。すなわち、カップリングコンデンサC2は、バッファ回路BFから出力されたパルス信号をコモン電位からマイナスの波形に変換し、変換したパルス信号を第2のスイッチング素子Q2のゲート端子に出力するパルス信号変換回路として機能する。なお、プラス電圧は第2のスイッチング素子Q2のゲート耐圧オーバーとなるが、ツェナーダイオードZD2の順方向電圧VFで電圧クランプされるため、第2のスイッチング素子Q2の破壊に至ることがなく、第2のスイッチング素子Q2をオンさせることができる。
【0034】
なお、LED駆動回路10bにおいて、第1のスイッチング素子Q1と第2のスイッチング素子Q2とがカスコード接続されているため、第1のスイッチング素子Q1は高耐圧、第2のスイッチング素子Q2は低耐圧素子とすることで、第2のスイッチング素子Q2のオンオフ制御により第1のスイッチング素子Q1で耐圧を持たせている。従って、動作上、第2のスイッチング素子Q2は低耐圧のSiMOSFET等に置き換えることもできる。
【0035】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、平均値検出回路によって検出したリアクトル電流の平均値に基づいて決定されるデュティ比のパルス信号を出力するパルス発生回路(比較器Ton)と、パルス発生回路から出力されたパルス信号をコモン電位からマイナスの波形に変換し、変換したパルス信号を第2のスイッチング素子Q2のゲート端子に出力するパルス信号変換回路(カップリングコンデンサC4)とを備えている。
この構成により、ノーマリーオンタイプのワイドバンドギャップ半導体をスイッチング素子Q1、Q2として用いて、他励制御を行うことができ、スイッチング特性を悪化させることなく、発振周波数を高周波化することができる。
【0036】
さらに、第2の実施の形態によれば、第2のスイッチング素子Q2のソース端子(出力端子)の電位に応じて、第2のスイッチング素子Q2をオフ動作させる自己バイアス回路(ツェナーダイオードZD2、抵抗R2)を備えている。
この構成により、電源起動時の無制御動作を自己バイアス回路によって防止することができ、制御回路Taが動作するまでは、第2のスイッチング素子Q2をノーマリーオフタイプの半導体素子として扱うことができる。
【0037】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態のLED駆動回路10cは、図4を参照すると、第2の実施の形態のLED駆動回路10bからハイサイド側の第1のスイッチング素子Q1と、巻線AWと、コンデンサC3とが取り除かれ、第2のスイッチング素子Q2のみを制御回路Tbによってオンオフ制御することで直流出力を生成している。このように、第2のスイッチング素子Q2を他励式で制御することで、他のスイッチング素子や定電流回路を第2のスイッチング素子Q2と直列に接続する必要がないため、回路構成を簡略化させることができる。
【0038】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0039】
10a LED駆動回路(第1の実施の形態)
10b LED駆動回路(第2の実施の形態)
10c LED駆動回路(第3の実施の形態)
BF バッファ回路
C1 バイパスコンデンサ
C2 出力コンデンサ
C3、C4 カップリングコンデンサ
Ccomp コンデンサ
D1 回生ダイオード
D2、D3、D4 ダイオード
L リアクトル
LD LEDアレイ
OP オペアンプ
OTA トランスコンダクタンスアンプ
OSC 三角波発振器
Q1 スイッチング素子(第1のスイッチング素子)
Q2 スイッチング素子(第2のスイッチング素子)
R1、R2、R3 抵抗
Rs 電流検出抵抗
Ta 制御回路(第1の実施の形態)
Tb 制御回路(第2、第3の実施の形態)
Ton 比較器
ZD1、ZD2 ツェナーダイオード
図1
図2
図3
図4
図5