(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
データを記憶する記憶手段を有するスレーブ装置と、シリアル通信を介して前記スレーブ装置の前記記憶手段にアクセスするマスター装置とを備えるデータ処理装置であって、
前記スレーブ装置は、前記記憶手段におけるアドレスが不連続な記憶領域を示す記憶領域情報を記憶し、前記マスター装置から前記記憶手段にアクセスする要求を受信すると、
前記記憶領域情報に基づいて前記記憶手段におけるアドレスが不連続な記憶領域に対する連続的なアクセス処理を実行し、
前記記憶手段は、前記スレーブ装置に備えられたメインメモリーであり、
前記記憶領域情報は、前記メインメモリーとは別に設けられた補助メモリーに記憶され、
前記スレーブ装置は、前記マスター装置から前記記憶手段にアクセスする要求を受信した場合には、前記記憶領域情報に記憶される、前記メインメモリーにおけるアドレスが不連続な記憶領域のアドレス差分値が登録された差分値テーブル及び書き込みあるいは読み出し動作に関するフラグに基づいて前記記憶手段におけるアドレスが不連続な複数の記憶領域にアクセスするのか、アドレスが連続した複数の記憶領域にアクセスするのか判断することを特徴とするデータ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る複合機Aは、電子写真方式に基づいて記録紙に画像を形成する画像形成装置であり、
図1に示すように、操作表示部1、画像読取部2、画像データ記憶部3、画像形成部4、通信部5及び演算制御部6を備える。なお、
図1における実線矢印は、データの流れ示し、点線矢印は、制御信号や検出信号の流れを示す。
【0014】
操作表示部1は、
図2に示すように、操作表示制御部11(スレーブ装置)、ハードウェアキーである操作キー12及びソフトウェアキーや各種画像を表示するタッチパネル13を備えており、ユーザーと複合機Aとを関係付けるマンマシンインターフェイスとして機能する。
操作表示制御部11は、演算制御部6による制御の下で、上記操作キー12及びタッチパネル13を制御する制御装置である。このような操作表示制御部11は、後述する演算制御部6のCPU(Central Processing Unit)63とI2Cバスを介して接続されており、
図3に示すように、メインメモリー71、補助メモリー72及び書き込み/読み出し制御回路73を備える。
【0015】
メインメモリー71は、演算制御部6のCPU63からの送信データに基づいて書き込み/読み出し制御回路73により制御され、動作に関する各種設定情報等のデータの書き込みあるいは読み出しを行う。
補助メモリー72は、メインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域のアドレス差分値が登録された差分値テーブル(記憶領域情報)や書き込みあるいは読み出し動作に関するフラグ等を記憶する。なお、補助メモリー72は、差分値テーブルや上述したフラグについては、外部からの指示に基づいて予め記憶する。
書き込み/読み出し制御回路73は、CPU63との間でデータを送受信してメインメモリー71におけるデータの書き込みあるいは読み出しを制御する。
【0016】
このような書き込み/読み出し制御回路73と、CPU63との間では、
図4に示す順番にデータを送受信して、ライトデータの書き込みやリードデータの読み出しを行う。例えば、CPU63は、1つのライトデータをメインメモリー71に書き込む場合(
図4に示すシングルアクセスの書き込みの場合)、開始条件(スタートコンディションS)、スレーブアドレス、書き込み指令(ライトW)を書き込み/読み出し制御回路73に送信し、その後、書き込み/読み出し制御回路73からの受信応答(アクノリッジA)を受信する。なお、スレーブアドレスとは、操作制御部13や後述する画像読取制御部23及び画像形成制御部58等の各スレーブ装置に割り当てられたスレーブ装置各々を識別するためのアドレスである。
【0017】
次に、CPU63は、メインメモリー71における書き込み先である記憶領域のアドレス上位を書き込み/読み出し制御回路73に送信し、その後、書き込み/読み出し制御回路73からの受信応答(アクノリッジA)を受信すると、メインメモリー71における書き込み先である記憶領域のアドレス下位を書き込み/読み出し制御回路73に送信する。なお、上述したアドレス上位及びアドレス下位は、書き込み先であるメインメモリー71の記憶領域を示している。
【0018】
そして、CPU63は、書き込み/読み出し制御回路73からの受信応答(アクノリッジA)を受信すると、ライトデータを書き込み/読み出し制御回路73に送信して、書き込み/読み出し制御回路73からメインメモリー71の記憶領域への書き込み完了応答(アクノリッジA)を受信すると、終了条件(ストップコンディション)を書き込み/読み出し制御回路73に送信する。このようにして、CPU63は、メインメモリー71にライトデータの書き込みを行わせる。また、CPU63は、1つのリードデータをメインメモリー71から読み出す場合には、
図4におけるシングルアクセスの読み出し示すように、書き込み/読み出し制御回路73との間でデータを送受信する。
【0019】
一方、CPU63は、複数のライトデータをメインメモリー71におけるアドレスが連続する記憶領域に連続的に書き込む場合(
図4に示すシーケンシャルアクセスの書き込みの場合)、シングルアクセスの書き込みとライトデータを送信するまでは同じであるが、ライトデータを書き込み/読み出し制御回路73に送信して、書き込み/読み出し制御回路73からメインメモリー71の記憶領域への書き込み完了応答(アクノリッジA)を受信すると、続きのライトデータを書き込み/読み出し制御回路73に送信する。CPU63は、ライトデータを書き込み/読み出し制御回路73に送信する処理を複数回繰り返すことで、メインメモリー71におけるアドレスが連続する記憶領域に連続的にライトデータを書き込ませる。
【0020】
また、CPU63は、複数のリードデータをメインメモリー71におけるアドレスが連続する記憶領域から連続的に読み出す場合には、
図4におけるシーケンシャルアクセスの読み出しに示すように、書き込み/読み出し制御回路73との間でデータを送受信する。なお、シーケンシャルアクセスにおいて、アドレス上位及びアドレス下位は、書き込み先あるいは読み出し先の基準となるメインメモリー71の最初の記憶領域を示している。
【0021】
さらに、CPU63は、メインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域に連続的に書き込みあるいはアドレスが不連続な記憶領域から読み出し、つまりアドレスが不連続な記憶領域に連続的にアクセスすることが可能である。詳細については後述するが、書き込み/読み出し制御回路73は、補助メモリー72に記憶されるフラグ基づいて上述のメインメモリー71におけるアドレスが連続した複数の記憶領域にアクセスするのかあるいはアドレスが不連続な複数の記憶領域に連続的にアクセスするのか判断し、アドレスが不連続な複数の記憶領域に連続的にアクセスする場合には、補助メモリー72に記憶される差分値テーブルに基づいてメインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域に対する連続的なアクセス処理を実行する。なお、この際、CPU63と、書き込み/読み出し制御回路73との間で送受信されるデータについては、
図4に示すシーケンシャルアクセスと同様である。
【0022】
操作キー12は、ハードウェアキーとして操作表示部1に物理的に備えられたものであり、例えば、電源キー、スタートキー、ストップ/クリアキー及びテンキー(数値入力キー)等がある。操作キー12では、ユーザーによって上述した各キーが押下されると、各キーから操作信号を操作表示制御部11に出力する。
【0023】
タッチパネル13は、周知のように表示パネルの表示面に抵抗膜方式等の透明な面状押圧センサーを設けたものであり、操作表示制御部11から入力される表示信号に基づいて表示パネルに表示した操作ボタンをユーザーの指等によって押圧されると、面状押圧センサーが押圧位置(押圧座標)を示す操作信号を操作表示制御部11に出力するものである。
【0024】
画像読取部2は、
図2に示すようにADF(Automatic document feeder:自動原稿送り装置)21、フラットベット読取部22及び画像読取制御部23(スレーブ装置)から構成されており、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて画像読取制御部23によりADF21及びフラットベット読取部22を制御し、ADF21により給紙される原稿またはユーザーによりフラットベット読取部22上に載置された原稿の表面画像(原稿画像)を読み取って原稿画像データに変換し、この原稿画像データを画像データ記憶部3に出力する。
【0025】
上記画像読取制御部23は、操作表示制御部11と同様に、演算制御部6のCPU63とI2Cバスを介して接続され、マスター装置であるCPU63に対するスレーブ装置であり、
図3に示すように、メインメモリー71、補助メモリー72及び書き込み/読み出し制御回路73を備える。
【0026】
画像データ記憶部3は、半導体メモリーまたはハードディスク装置等であり、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて上記原稿画像データ、通信部5が外部のクライアントコンピューターから受信するプリント画像データあるいは通信部5が外部のファクシミリ装置から受信するファクシミリ画像データを記憶すると共に、これら画像データを演算制御部6から入力される制御信号に基づいて読み出して画像形成部4に出力する。
【0027】
画像形成部4は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて、給紙カセット45から取り出した記録紙Pに画像データ記憶部3から読み出した画像データに基づくトナー画像を画像形成するものである。この画像形成部4は、
図2及び
図5に示すように、ベルトローラー41、中間転写ベルト42、トナーの各色(Y,M,C,K)に対応する4つの画像形成ユニット43Y,43C,43M,43K、1次転写ローラー44Y,44C,44M,44K、給紙カセット45、ピックアップローラー46、搬送ローラー47、レジストローラー48、2次転写ローラー49、分離除電部50、定着ローラー51、排紙ローラー52、排紙トレイ53、反転ローラー54、分岐ガイド55、3対の反転紙搬送ローラー56、記録紙センサー57及画像形成制御部58(スレーブ装置)を備えている。
【0028】
ベルトローラー41は、図示するように、離間して配設された3つのローラー、つまり駆動ローラー41a、従動ローラー41b及びテンションローラー41cからなる。すなわち、駆動ローラー41aと従動ローラー41bとは水平方向に一定距離を空けて配置され、テンションローラー41cは、このような駆動ローラー41aと従動ローラー41bとの間かつ若干上方に変位した位置に配置されている。中間転写ベルト42は、このようなベルトローラー41(駆動ローラー41a、従動ローラー41b、テンションローラー41c)に架け渡された無端ベルトであり、駆動ローラー41aによって矢印で示す方向に走行する。
【0029】
すなわち、中間転写ベルト42は、駆動ローラー41aと従動ローラー41bとの間においては水平方向に走行する。また、上述した駆動ローラー41aは、駆動力を発生するモーターが軸結合されたローラーであり、モーターの動力によって中間転写ベルト42を矢印方向に走行させる。上記従動ローラー41bは、自由回転するように設けられたフリーローラーであり、中間転写ベルト42を駆動ローラー41aの動力に従って案内する。また、上記テンションローラー41cは、回転軸が可動可能に設けられ、所定の付整力で中間転写ベルト42を押圧することにより一定のテンション(張力)を中間転写ベルト42に付与するローラーである。
【0030】
画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kは、図示するように、上述した中間転写ベルト42の水平走行部位に所定間隔を空けて設けられている。これら画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kのうち、画像形成ユニット43Yは、イエロー(Y)のトナー画像を形成するユニットであり、従動ローラー41bに最も近い位置に設けられている。画像形成ユニット43Cは、シアン(C)のトナー画像を形成するユニットであり、上記画像形成ユニット43Yの次に従動ローラー41bに近い位置に設けられている。画像形成ユニット43Mは、マゼンダ(M)のトナー画像を形成するユニットであり、上記画像形成ユニット43Cの次に従動ローラー41bに近い位置に設けられている。画像形成ユニット43Kは、ブラック(K)のトナー画像を形成するユニットであり、駆動ローラー41aに最も近い位置に設けられている。
【0031】
このような画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kは、各々に感光体ドラムay,ac,am,ak、帯電部by,bc,bm,bk、レーザースキャニングユニットcy,cc,cm,ck、現像ユニットdy,dc,dm,dk及びクリーナーey,ec,em,ekを構成要素としている。
【0032】
すなわち、画像形成ユニット43Yは、感光体ドラムay、帯電部by、レーザースキャニングユニットcy、現像ユニットdy及びクリーナーeyから構成され、画像形成ユニット43Cは、感光体ドラムac、帯電部bc、レーザースキャニングユニットcc、現像ユニットdc及びクリーナーecから構成され、画像形成ユニット43Mは、感光体ドラムam、帯電部bm、レーザースキャニングユニットcm、現像ユニットdm及びクリーナーemから構成され、画像形成ユニット43Kは、感光体ドラムak、帯電部bk、レーザースキャニングユニットck、現像ユニットdk及びクリーナーekから構成されている。
【0033】
各感光体ドラムay,ac,am,akは、周面が所定の感光体材料(例えばアモルファスシリコン)で形成された円筒部材である。各帯電部by,bc,bm,bkは、各感光体ドラムay,ac,am,akの周面(感光面)を均一に帯電させるものである。各レーザースキャニングユニットcy,cc,cm,ckは、帯電状態の上記感光面にレーザー光を照射することにより、感光面に静電潜像を形成するものである。
【0034】
各現像ユニットdy,dc,dm,dkは、内部に所定の量のトナー(正極性トナー)を収容すると共に当該トナーを感光面に供給することにより当該感光面に形成された静電潜像をトナー画像として現像する。各クリーナーey,ec,em,ekは、トナー画像の転写後の感光面に残留するトナー(残留トナー)を掻き落として除去するものである。
【0035】
1次転写ローラー44Y,44C,44M,44Kは、図示するように画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kに対応して4つ設けられており、各々に中間転写ベルト42を挟んだ状態で各画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kの感光体ドラムay,ac,am,akに対向配置されている。また、各1次転写ローラー44Y,44C,44M,44Kには負極性の1次転写バイアス(高電圧)が印加されており、各1次転写ローラー44Y,44C,44M,44Kは、この1次転写バイアスの作用によって各画像形成ユニット43Y,43C,43M,43Kの感光体ドラムay,ac,am,akにそれぞれ形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト42に転写(1次転写)させる。
【0036】
給紙カセット45は、A4サイズやB5サイズ等、所定形状の記録紙Pを複数枚重ねた状態で収容する容器である。ピックアップローラー46は、給紙カセット45の上部において記録紙Pに圧接するように設けられ、給紙カセット45内の記録紙Pを1枚づつ取り出して搬送ローラー47に送り出すローラーである。搬送ローラー47は、ピックアップローラー46から給紙された記録紙Pをレジストローラー48に向けて搬送するローラーである。レジストローラー48は、搬送ローラー47から供給された記録紙Pを所定のタイミングで2次転写ローラー49に供給するローラーである。
【0037】
2次転写ローラー49は、中間転写ベルト42を挟んで駆動ローラー41aに対向配置されたローラーであり、中間転写ベルト42上のトナー画像を記録紙Pに転写(2次転写)させるものである。この2次転写ローラー49には、負極性の2次転写バイアス(高電圧)が印加されており、2次転写ローラー49は、この2次転写バイアスの作用によって中間転写ベルト42上のトナー画像を記録紙Pに転写(2次転写)させる。
【0038】
分離除電部50は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて記録紙Pに向けて正極性の除電バイアスを供給する。この除電バイアスは、記録紙Pの帯電を中和して無帯電状態にするためのものであり、記録紙Pの2次転写ローラー49からの分離を良好にするものである。分離除電部50は、ステンレスからなる鋸歯状電極を有し、この鋸歯状電極の先端から電界が形成され記録紙Pが除電される。
【0039】
定着ローラー51は、内部にヒータを備えた加熱ローラー51aと、当該加熱ローラー51aに圧接する加圧ローラー51bとから構成されている。この定着ローラー51は、加熱ローラー51aと加圧ローラー51bとで各色のトナー画像が転写された記録紙Pを挟み込むことにより記録紙Pを加熱及び加圧して、各色のトナー画像を記録紙P上に定着させる。加熱ローラー51a及び加圧ローラー51bは、記録紙Pと接触する接触面(表面)が摩擦により負極性に帯電するフッ素系材料によって形成されている。すなわち、加熱ローラー51a及び加圧ローラー51bは、その表面が記録紙Pとの摩擦により負極性に帯電する。
【0040】
排紙ローラー52は、定着ローラー51から搬送されると共に分岐ガイド55により案内された記録紙Pを排紙トレイ53に向けて搬送するローラーである。排紙トレイ53は、排紙ローラー52から供給された記録紙Pを収容・保持する収容部である。反転ローラー54は、定着ローラー51から搬送されると共に分岐ガイド55により案内された記録紙Pをスイッチバック搬送するためのローラーである。つまり、反転ローラー54は、正転することにより定着ローラー51から供給された記録紙Pを挟み込み、当該挟みこんだ状態で逆転することにより記録紙Pを反転紙搬送ローラー56に向けて搬送する。
【0041】
分岐ガイド55は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて定着ローラー51から排出された記録紙Pの搬送先を排紙ローラー52または反転ローラー54に択一的に切り替える。つまり、分岐ガイド55は、記録紙Pを排紙トレイ53に排紙する場合には、第1の姿勢(図示する点線の姿勢)とすることにより記録紙Pの搬送先を排紙ローラー52とし、一方、第2の姿勢(図示する実線の姿勢)とすることにより記録紙Pの搬送先を反転ローラー54に切り替える。
【0042】
反転紙搬送ローラー56は、反転ローラー54から供給された記録紙Pをレジストローラー48に向けて搬送するための搬送経路(反転経路)に設けられたローラーである。この反転紙搬送ローラー56は、図示するように、反転経路において離間した3箇所に設けられている。記録紙センサー57は、定着ローラー51と分岐ガイド55との間に配置され、定着ローラー51を通過した記録紙Pの枚数を検出し、当該枚数を示す検出信号を演算制御部6に出力する。
【0043】
ここで、記録紙Pの表面と裏面とにトナー画像を形成する両面画像形成においては、上記反転ローラー54、分岐ガイド55及び反転紙搬送ローラー56が機能することにより、表面の画像形成において定着ローラー51を通過した記録紙Pが表面と裏面とが反転した状態でレジストローラー48に再度供給され、記録紙Pの裏面の画像形成が行われる。
【0044】
画像形成制御部58は、演算制御部6による制御の下で、上記ベルトローラー41〜記録紙センサー57を制御する制御装置である。このような画像形成制御部58は、操作表示制御部11と同様に、演算制御部6のCPU63とI2Cバスを介して接続され、マスター装置であるCPU63に対するスレーブ装置であり、
図3に示すように、メインメモリー71、補助メモリー72及び書き込み/読み出し制御回路73を備える。
【0045】
通信部5は、演算制御部6から入力される制御信号に基づいて電話回線を介して外部の複合機Aあるいはファクシミリ装置、またLAN(Local Area Network)を介してクライアントコンピューター等と通信を行うものである。すなわち、この通信部5は、イーサネット(登録商標)等のLAN規格に準拠した通信機能と、G3等のファクシミリ規格に準拠した通信機能とを兼ね備えたものである。
【0046】
演算制御部6は、
図2に示すように、ROM(Read Only Memory)61、RAM(Random Access Memory)62及びCPU63を備えており、上記ROM61に記憶された演算制御プログラムに基づいて各種の演算処理を行うと共に各部と通信を行うことにより複合機Aの全体動作を制御する。
【0047】
ROM61は、CPU63で実行される演算制御プログラム及びその他のデータを記憶する不揮発性メモリーである。
RAM62は、CPU63が演算制御プログラムを実行して各種動作を行う際に、データの一時保存先となるワーキングエリアとして用いられる揮発性メモリーである。
【0048】
CPU63は、ROM61に記憶されている演算制御プログラムに基づき、操作表示部1が受け付ける操作指示及び通信部5が外部のクライアントコンピューター等から受信する各種指示に応じて複合機Aの全体動作を制御する。詳細については後述するが、CPU63は、マスター装置であり、各種の制御処理の一環として、スレーブ装置である操作制御部13、画像読取制御部23及び画像形成制御部58におけるメモリー71へのデータの書き込みあるいはメモリー71からのデータの読み出しを要求する。
【0049】
次に、このように構成された複合機Aの動作について
図6を参照して説明する。
ユーザーは、例えば、画像形成における各種設定のデフォルト動作とは異なる画像形成を望む場合、タッチパネル13に表示される操作ボタンを操作して設定を変更する。
【0050】
ここで、CPU63は、ROM61に記憶される演算制御プログラムに従って、タッチパネル13が受け付けた操作指示に基づき画像形成における設定情報を画像形成制御部58に登録する。すなわち、マスター装置であるCPU63は、スレーブ装置である画像形成制御部58に設定情報を書き込ませる。
【0051】
具体的には、CPU63は、
図4におけるシーケンシャルアクセスの書き込みに示されるデータと同じ構成で、設定情報に関する複数のライトデータを画像形成制御部58に送信する。一方、画像形成制御部58において、書き込み/読み出し制御回路73は、補助メモリー72に記憶されるフラグに基づいてメインメモリー71におけるアドレスが連続した複数の記憶領域にライトデータを連続的に書き込むのかあるいはアドレスが不連続な複数の記憶領域にライトデータを連続的に書き込むのか判断する。
【0052】
書き込み/読み出し制御回路73は、メインメモリー71におけるアドレスが連続した複数の記憶領域にライトデータを連続的に書き込む場合には、CPU63から通知されたアドレス上位及びアドレス下位によって示されるメインメモリー71における記憶領域からアドレスの順番で1つずつ書き込み先である記憶領域を切り替えてライトデータを連続的に書き込む処理を行う。
【0053】
一方、書き込み/読み出し制御回路73は、メインメモリー71におけるアドレスが不連続な複数の記憶領域にライトデータを連続的に書き込む場合には、補助メモリー72に記憶される差分値テーブルに基づいてメインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域に対するライトデータの連続的な書き込み処理を行う。つまり、書き込み/読み出し制御回路73は、CPU63から通知されたアドレス上位及びアドレス下位によって示されるメインメモリー71の記憶領域を基準として、差分値テーブルに登録されているアドレス差分値の分離れた記憶領域にライトデータを順番に書き込む処理を実行する。例えば、
図6に示すように、アドレス上位及びアドレス下位によってメインメモリー71における「0100h」の記憶領域が示される場合、差分値テーブルの最初のデータが「0」であるので、最初のライトデータ0を「0100h」の記憶領域に書き込む。
【0054】
次には、差分値テーブルの2番目のデータが「3」であるので、「0100h」に「3」を加算した「0103h」の記憶領域に2番目のライトデータ1を書き込む。続いて、差分値テーブルの3番目のデータが「2」であるので、「0103h」に「2」を加算した「0105h」の記憶領域に3番目のライトデータ1を書き込む。このように書き込み/読み出し制御回路73は、書き込み先であるメインメモリー71の記憶領域を切り替えてライトデータを連続的に書き込む処理を行う。上記処理については、画像形成制御部58以外のスレーブ装置である操作制御部13及び画像読取制御部23についても同様である。
【0055】
一方、CPU63は、メインメモリー71における複数の記憶領域から連続的にリードデータを読み出す場合には、
図4におけるシーケンシャルアクセスの読み出しに示されるデータと同じ構成で、画像形成制御部58とデータを送受信する。この際も、画像形成制御部58において、書き込み/読み出し制御回路73は、補助メモリー72に記憶されるフラグに基づいてメインメモリー71におけるアドレスが連続した複数の記憶領域からリードデータを連続的に読み出すのかあるいはアドレスが不連続な複数の記憶領域にリードデータを連続的に読み出すのか判断する。
【0056】
書き込み/読み出し制御回路73は、メインメモリー71におけるアドレスが不連続な複数の記憶領域からリードデータを連続的に読み出す場合には、書き込み時と同様に、補助メモリー72に記憶される差分値テーブルに基づいてメインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域に対するリードデータの連続的な読み出し処理を行う。書き込み/読み出し制御回路73は、このようにして読み出し先であるメインメモリー71のアドレスが不連続な記憶領域からリードデータの連続的な読み出し処理を実現する。
【0057】
このような本実施形態によれば、スレーブ装置である操作制御部13、画像読取制御部23及び画像形成制御部58において、メインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域のアドレス差分値が登録された差分値テーブルを記憶し、マスター装置であるCPU63からメインメモリー71にアクセスする要求を受信すると、差分値テーブルに基づいてメインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域に対する連続的なアクセス処理を実行することで、マスター装置であるCPU63によるスレーブ装置のメインメモリー71へのアクセスに要する時間を増加させることなく、インメモリー71におけるアドレスが不連続な複数の記憶領域にマスター装置であるCPU63が連続的にアクセスできる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、補助メモリー72に記憶される差分値テーブルに基づいてメインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域に対する連続的なアクセス処理を実行しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図7に示すように、メインメモリー71におけるアドレスが不連続な記憶領域のアドレスが登録されているアドレステーブル(記憶領域情報)に基づいてアクセス先であるメインメモリー71のおけるアドレスが不連続な記憶領域を切り替えて連続的にアクセス処理を行うようにしてもよい。
【0059】
(2)上記実施形態は、I2Cバスを用いてシリアル通信を行うものに、本発明を適用したものであるが、本発明はこれに限定されない。I2Cバス以外のバスを用いてシリアル通信を行うものに本発明を適用するようにしてもよい。
(3)上記実施形態は、画像形成装置の1つである複合機Aに本発明を適用したものであるが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、パーソナルコンピュータ及び携帯端末等のシリアル通信を用いてデータ処理を行うあらゆる機器に、本発明を適用することができる。