特許第6206027号(P6206027)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6206027ハーフトーン型位相シフトマスクの監視方法およびハーフトーン型位相シフトマスク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206027
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ハーフトーン型位相シフトマスクの監視方法およびハーフトーン型位相シフトマスク
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/32 20120101AFI20170925BHJP
   G03F 1/44 20120101ALI20170925BHJP
【FI】
   G03F1/32
   G03F1/44
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-192944(P2013-192944)
(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公開番号】特開2015-60036(P2015-60036A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】308014341
【氏名又は名称】富士通セミコンダクター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】徳丸 裕一
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 康之
【審査官】 植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−202469(JP,A)
【文献】 特開平06−308712(JP,A)
【文献】 特開2001−100392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 1/00〜1/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に被露光膜を形成する工程と、
透明基板と、前記透明基板上に形成されたハーフトーン膜と、前記ハーフトーン膜上の一部に形成された遮光膜とを有し、前記ハーフトーン膜に前記遮光膜から離隔して形成された第1の開口パターンと、前記ハーフトーン膜及び前記遮光膜に形成され第2の開口パターンとを有するマスクを用いて露光処理を行い、前記第1の開口パターン及び前記第2の開口パターンのそれぞれに対応する第1の転写パターン及び第2の転写パターンを前記被露光膜に形成する工程と、
前記第1の転写パターンの幅及び前記第2の転写パターンの幅を測定する工程と、を有し、
前記形成する工程および前記測定する工程を複数の前記半導体基板に対して行って得られる前記測定の結果から導出された、前記露光処理の回数に応じた変化量を監視し、前記変化量に基づき前記マスクを用いた露光処理を許可するか否かの判断を行う工程を有する位相シフトマスクの監視方法。
【請求項2】
前記変化量が、前記第1の転写パターンの幅と前記第2の転写パターンの幅との寸法差の変化量であり、
前記判断を行う工程は、前記寸法差の変化量が基準値を超えた場合に前記マスクを用いた前記露光処理を許可しないと判断する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの監視方法。
【請求項3】
前記マスクは、第1の方向に延在し前記遮光膜から離隔した平行な第1の2辺と、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在し前記遮光膜に接する平行な第2の辺と、前記第2の方向に延在し前記遮光膜から離隔した平行な第3の2辺と、前記第1の方向に延在して前記遮光膜に接する平行な第4の2辺と、前記第1の2辺に両端が接する第1の開口パターンと、前記第2の2辺に両端が接する第2の開口パターンと、前記第2の3辺に両端が接する第3の開口パターンと、前記第4の2辺に両端が接する第4の開口パターンとを有する、前記ハーフトーン膜および前記遮光膜に形成された開口部を有し、
前記形成する工程は、前記マスクを用いて露光処理を行い、前記第1の転写パターン、前記第2の転写パターン、前記第3の開口パターンに対応する第3の転写パターン及び前記第4の開口パターンに対応する第4の転写パターンを前記被露光膜に形成する工程を有し、
前記測定する工程は、前記第2の方向における前記第1の転写パターンの第1の幅と、前記第1の方向における前記第2の転写パターンの第2の幅と、前記第1の方向における前記第3の転写パターンの第3の幅と、前記第2の方向における前記第4の転写パターンの第4の幅とを測定する工程を有し、
前記変化量は、前記第1の幅と前記第4の幅との寸法差の第1の変化量および前記第3の幅と前記第2の幅との寸法差の第2の変化量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相シフトマスクの監視方法。
【請求項4】
前記マスクは、前記遮光膜及び前記ハーフトーン膜中に開口部を有し、
前記第1の開口パターン及び前記第2の開口パターンは、前記開口部の一部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位相シフトマスクの監視方法。
【請求項5】
透明基板と、
前記透明基板上に形成されたハーフトーン膜と、
前記ハーフトーン膜上の一部に形成された遮光膜と、
第1の方向に延在して平行に位置し、前記遮光膜から離隔する第1の2辺と、前記第1の方向と直交する第2の方向に延在して平行に位置し、前記遮光膜に接する第2の2辺と、前記第1の2辺と前記第2の2辺とにより囲われた領域とを有し、前記ハーフトーン膜および前記遮光膜に形成された開口部と、
を有することを特徴とする位相シフトマスク。
【請求項6】
透明基板と、
前記透明基板上に形成されたハーフトーン膜と、
前記ハーフトーン膜上の一部に形成された遮光膜と、
第1の方向に延在して平行に位置し、前記遮光膜から離隔する第1の2辺と、前記第1の方向と直交する第2の方向に延在して平行に位置し、前記遮光膜に接する第2の2辺と、を有し、前記ハーフトーン膜および前記遮光膜に形成された開口部とを有し、
記開口部は、
前記第1の2辺が位置する第1の開口パターンと、
前記第2の2辺が位置する第2の開口パターンと、
前記第2の方向に延在して平行に位置し、前記遮光膜から離隔する第3の2辺が位置する第3の開口パターンと、
前記第1の方向に延在して平行に位置し、前記遮光膜に接する第4の2辺が位置する第4の開口パターンと、
を有することを特徴とする位相シフトマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハーフトーン型位相シフトマスクの監視方法およびハーフトーン型位相シフトマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィーで形成可能なレジストパターンの最小線幅は、露光波長に依存する。ハーフトーン型位相シフトマスクによれば、この最小線幅を大幅に小さくすることができる。
【0003】
ハーフトーン型位相シフトマスクに露光光を繰り返し照射すると、位相シフト膜の幅が徐々に増加する。するとレジスト膜に転写されるパターンの幅は、やがて目標値から乖離するようになる。このようなハーフトーン型位相シフトマスクを用いて集積回路を形成すると、歩留まりが低くなる。
【0004】
位相シフト膜幅の増加は、ハーフトーン型位相シフトマスクに露光光を照射する際の雰囲気から水分を徹底的に除去することで抑制できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Y. Sakamoto et al., “Study and improvement approach to 193-nm radiation damage of attenuated phase-shift mask”, Proc. of SPIE Vol. 7823 (Photomask Technology 2010), 782324-1, 2010.
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−100392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
水分を徹底的に取り除いた超ドライ雰囲気(例えば、水分濃度1ppm以下の雰囲気)下での露光は、複雑で高価な露光装置を用いて行われる。
【0008】
このような露光装置を用いなくても、歩留まりが低下する前にハーフトーン型位相シフトマスクを新しいものに交換すれば、集積回路の歩留まり低下を回避することができる。
【0009】
しかし、位相シフト膜はペリクルで覆われているので、位相シフト膜幅の変化を監視することは容易でない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題を解決するために、本マスクの一観点によれば、半導体基板上に被露光膜を形成する工程と、透明基板と前記透明基板上に形成されたハーフトーン膜と前記ハーフトーン膜上の一部に形成された遮光膜とを有し前記ハーフトーン膜に前記遮光膜から離隔して形成された第1の開口パターンと前記ハーフトーン膜及び前記遮光膜に形成され第2の開口パターンとを有するマスクを用いて露光処理を行い前記第1の開口パターン及び前記第2の開口パターンのそれぞれに対応する第1の転写パターン及び第2の転写パターンを前記被露光膜に形成する工程と、前記第1の転写パターンの幅及び前記第2の転写パターンの幅を測定する工程とを有し、前記形成する工程および前記測定する工程を複数の前記半導体基板に対して行って得られる前記測定の結果から導出された、前記露光処理の回数に応じた変化量を監視し前記変化量に基づき前記マスクを用いた前記露光処理を許可するか否かの判断を行う工程を有する位相シフトマスクの監視方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
開示の監視方法によれば、位相シフト膜の幅の変化を容易に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態1のハーフトーン型位相シフトマスクの平面図である。
図2図2は、モニタパターンを説明する図である。
図3図3は、マスクパターン監視方法のフローチャートである。
図4図4は、マスクパターンの転写工程を説明する図である。
図5図5は、モニタパターンが転写されたレジスト膜の平面図である。
図6図6は、露光光に曝されたハーフトーン型位相シフトマスクの断面図である。
図7図7は、レジスト膜開口のサイズ変化を示す図である。
図8図8は、ハーフトーン型位相シフトマスクの製造法を説明する工程断面図である。
図9図9は、ハーフトーン型位相シフトマスクの製造法を説明する工程断面図である。
図10図10は、実施の形態2のモニタパターンを説明する図である。
図11図11は、実施の形態2のモニタパターンの変形例を説明する図である。
図12図12は、実施の形態2のモニタパターンの別の変形例を説明する図である。
図13図13は、実施の形態2のモニタパターンの別の変形例を説明する図である。
図14図14は、実施の形態3のモニタパターンを説明する図である。
図15図15は、実施の形態4のモニタパターンを説明する図である。
図16図16は、寸法管理装置の構成図である。
図17図17は、実施の形態4のモニタパターンの変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。尚、図面が異なっても対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0014】
(実施の形態1)
(1)ハーフトーン型位相シフトマスク
図1は、実施の形態1のハーフトーン型位相シフトマスク2の平面図である。
【0015】
図1に示すように、ハーフトーン型位相シフトマスク2は、集積回路に対応する回路パターン4と、モニタパターン6とを有するマスクである。ハーフトーン型位相シフトマスク2はさらに、回路パターン4とモニタパターン6とを囲む遮光帯8とを有している。
【0016】
モニタパターン6は好ましくは、図1に示すように、回路パターン4の周囲に配置される。具体的にはモニタパターン6は、回路パターン4を囲むスクライブライン領域に配置される。
【0017】
図2は、モニタパターン6を説明する図である。図2(a)は、モニタパターン6の平面図である。図2(b)は、図2(a)のIIB-IIB線に沿った断面図である。
【0018】
ハーフトーン型位相シフトマスク2は、図2(b)に示すように、透明基板10と透明基板10上に配置されたハーフトーン膜12と、ハーフトーン膜12の透明基板10とは反対側の面の一部に配置された酸化抑制膜14とを有している。
【0019】
ハーフトーン膜12は、水分を含む雰囲気中(水分濃度1ppm以上の雰囲気、例えば湿度40%〜50%の雰囲気)で露光光に曝されると酸化される半透明膜である。ハーフトーン膜12は例えば、窒化モリブデンシリサイド(MoSiN)膜または酸窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)膜である。ハーフトーン膜12には、集積回路に対応する回路パターン4とモニタパターン6とが設けられている。
【0020】
酸化抑制膜14は、配置された領域の上記酸化を抑制する保護膜である。酸化抑制膜14は、例えば厚さ50nm〜80nmのクロム(Cr)膜(例えば、遮光膜)である。
【0021】
ハーフトーン膜12が曝される露光光は例えば、フッ化アルゴン・エキシマレーザが発生する波長192〜194nm(例えば、193nm)のレーザ光である。
【0022】
モニタパターン6は、図2(a)に示すように、ハーフトーン膜12に設けられた第1の開口16aと第2の開口16bとを有する開口パターン(開口のパターン)である。
【0023】
図2(a)に示すように、第1の開口16aは、平面視においてハーフトーン膜12上の酸化抑制膜14から離隔した領域である。一方、第2の開口16bは、平面視においてハーフトーン膜12上の酸化抑制膜14に接する領域である。
【0024】
したがってモニタパターン6は平面視において、第1の両端18aがハーフトーン膜12に接するとともに酸化抑制膜14から離隔している第1の矩形領域20a(第1の開口パターン)を有している。
【0025】
モニタパターン6は更に平面視において、第2の両端18bがハーフトーン膜12上の酸化抑制膜14に接する第2の矩形領域20b(第2の開口パターン)を有している。
【0026】
以上のようにモニタパターン6は、ハーフトーン膜12に酸化抑制膜14(例えば、遮光膜)から離隔して形成された第1の開口パターンと、ハーフトーン膜12及び酸化抑制膜14(例えば、遮光膜)に形成された第2の開口パターンとを有している。
【0027】
第1の両端18aの間隔は好ましくは、回路パターン4の最小線幅Wminの0.5倍以上1.8倍以下である。さらに好ましくは、第1の両端18aの間隔は、上記マスク最小線幅(=Wmin)の0.8倍以上1.5倍以下である。
【0028】
同様に、第2の両端18bの間隔は好ましくは、上記マスク最小線幅(=Wmin)の0.5倍以上1.8倍以下である。さらに好ましくは、第2の両端18bの間隔は、上記マスク最小線幅(=Wmin)の0.8倍以上1.5倍以下である。これにより、最小線幅Wminの変化の検出が容易になる。
【0029】
ハーフトーン膜12は、露光光を減衰させると共にその位相を略180°シフトさせる半透明膜である。ハーフトーン膜12の透過率(露光光の透過率)は、好まし5〜8%である。さらに好ましくは、ハーフトーン膜12の透過率は6〜7%である。ハーフトーン膜12は、露光光の位相を好ましくは175°〜185°シフトさせる。ハーフトーン膜12の厚さは、好ましくは68nm〜72nmである。なお、ハーフトーン膜の膜厚は、露光に用いる光源の種類によっては上記以外の膜厚も選択し得る。
【0030】
(2)マスクパターン監視方法
図3は、実施の形態1のマスクパターン監視方法のフローチャートである。
【0031】
―レジスト膜の形成工程(S2)―
まず、半導体基板(ウエハ)上にフォトレジスト膜(被露光膜)を形成する。
【0032】
―マスクパターンの転写工程(S4)―
回路パターン4とモニタパターン6とを有するマスクパターン2(図1参照)を、レジスト膜に転写する。図4は、マスクパターンの転写工程(S4)を説明する図である。
【0033】
まず、上述したハーフトーン型位相シフトマスク2と半導体基板26とを露光装置(例えば、スキャナー)に装着する。図4に示すように、ハーフトーン型位相シフトマスク2には、ペリクル24が枠22を介して取り付けられている。このペリクル24により、回路パターン4およびモニタパターン6は保護されている。
【0034】
半導体基板26は、未加工のウエハまたは集積回路が途中まで形成されたウエハである。半導体基板26には、例えばポジ型のレジスト膜28が塗布されている。
【0035】
次に、ハーフトーン型位相シフトマスク2を介して、レジスト膜28に露光光30を照射する。この時、ハーフトーン膜12は露光光30に曝される。マスクパターン25は、例えば投影レンズ32により1/4に縮小されてレジスト膜28に投影される。
【0036】
その後、レジスト膜28を現像する。上記露光光30の照射と現像により、レジスト膜28にマスクパターンが転写される。この時、モニタパターン6に含まれる第1の矩形領域20a(第1の開口パターン)および第2の矩形領域20b(第2の開口パターン)が、モニタパターン6の一部としてレジスト膜28に転写される。この時、第1の矩形領域20a(第1の開口パターン)が転写されて、レジスト膜28に第1の転写パターンが形成される。さらに、第2の矩形領域20b(第2の開口パターン)が転写されて、レジスト膜28に第2の転写パターンが形成される。
【0037】
露光光30は例えば、フッ化アルゴン・エキシマレーザが発生するレーザ光である。このレーザ光のピーク波長は、192〜194nm(例えば、193nm)である。露光光30は、遮光帯8で囲われたショット領域全体に照射される。
【0038】
マスクパターンの転写は好ましくは、同一ロット内の各レジスト膜28に対して連続的に行われる。
【0039】
―転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)―
次に、レジスト膜28に転写されたモニタパターンのサイズを測定する。
【0040】
図5は、モニタパターン6が転写されたレジスト膜28の平面図である。レジスト膜28に転写されたモニタパターン6は、第1の矩形領域20a(第1の開口パターン)が転写された第1のレジスト膜開口36a(第1の転写パターン)と、第2の矩形領域20b(第2の開口パターン)が転写された第2のレジスト膜開口36b(第2の転写パターン)とを有する開口パターンである。
【0041】
転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)では、第1のレジスト膜開口36a(第1の転写パターン)の第1の幅W1と第2のレジスト膜開口36b(第2の転写パターン)の第2の幅W2とを、例えば測長走査型電子顕微鏡(Critical Dimension Scanning Electron Microscope)により測定する。
【0042】
第1の幅W1は、第1のレジスト膜開口36a(第1の転写パターン)の辺のうち第1の両端18a(図2(a)参照)に対応する2辺38の間隔である。
【0043】
第2の幅W2は、第2のレジスト膜開口36b(第2の転写パターン)の辺のうち第2の両端18b(図2(a)参照)に対応する2辺39の間隔である。
【0044】
第1の幅W1および第2の幅W2の測定は例えば、同一ロット内の全ての半導体基板26で行われる。第1の幅W1および第2の幅W2の測定は、同一ロット内の複数の半導体基板26のうちの一部で行ってもよい。
【0045】
―判断工程(S8〜S14)―
次に、露光光30の次の照射を許可するか否かを判断する。この判断は例えば、ハーフトーン型位相シフトマスク2を介してレジスト膜28に露光光30を照射した回数(以下、照射回数と呼ぶ)の増加に伴う第1の幅W1の変化量ΔW1と、照射回数の増加に伴う第2の幅W2の変化量ΔW2とに基づいて行われる。
【0046】
図6は、露光光30に曝されたハーフトーン型位相シフトマスク2の断面図である。
【0047】
未使用のハーフトーン型位相シフトマスク2では、ハーフトーン膜12は殆ど酸化されていない。しかし、水分を含む雰囲気中で露光光に繰り返し曝されると、図6に示すように、ハーフトーン膜12(例えば、窒化モリブデンシリサイド膜)は徐々に酸化されて表面に、酸化膜40(例えば、酸化モリブデンシリサイド膜)が形成される。
【0048】
酸化膜40は、ハーフトーン膜12の上面だけでなく側面にも形成される。したがって、酸化膜40がハーフトーン膜12の側面に成長すると、ハーフトーン膜12に設けられた開口パターンの幅は徐々に狭くなる。
【0049】
したがって、露光光の照射回数の増加に伴って回路パターン4内の位相シフタ(ハーフトーン膜)の幅は徐々に増加し、やがて、レジスト膜28に転写される回路パターン4(例えば、ホールパターン)の幅が目標値から乖離する。このようなハーフトーン型位相シフトマスクを用いて集積回路を形成すると、歩留まりが低くなる。
【0050】
モニタパターン6の幅(第1の開口16aおよび第2の開口16bの幅)が測定可能であれば、測定したモニタパターン6の幅に基づいて、次の露光を行うか否かを判断することが可能である。しかし図4に示すように、モニタパターン6はペリクル24によって覆われている。このため、モニタパターン6の幅を測定して、次の露光を行うか否かを判断することは容易ではない。そこで実施の形態1では、レジスト膜28に転写されたモニタパターンの幅に基づいて、ハーフトーン膜12の幅を監視する。
【0051】
ハーフトーン膜12の上面に酸化抑制膜14が配置されると、酸化抑制膜14で覆われた上面だけでなく酸化抑制膜14に接する側面の酸化も抑制される。このため、図6に示すように酸化抑制膜14に接していない側面の第1の酸化膜44より、酸化抑制膜14に接している側面の第2の酸化膜42は薄くなる。
【0052】
ハーフトーン膜12の酸化が進むほど、第1の酸化膜44の厚さt1と第2の酸化膜42の厚さt2との差Δt(=t1−t2)は大きくなる。したがって、この膜厚差Δt(以下、側面酸化膜厚差と呼ぶ)から、第1の酸化膜44がどの程度成長したかを推定することができる。
【0053】
酸化抑制膜14に接していない側面の第1の酸化膜44が成長すると、第1の開口16aに対応する第1のレジスト膜開口36a(図5参照)の第1の幅W1が小さくなる。すなわち第1の酸化膜44の厚さt1は、第1のレジスト膜開口36aの幅W1の第1の変化量ΔW1に対応している。一方、第2の酸化膜42の厚さt2は、第2の開口16bに対応する第2のレジスト膜開口36bの幅W2の第2の変化量ΔW2に対応している。
【0054】
したがって、側面酸化膜厚差Δt(=t1−t2)が大きくなるほど、第1の変化量ΔW1と第2の変化量ΔW2の差ΔCD(=ΔW2−ΔW1)も大きくなる。したがって、第1の変化量ΔW1と第2の変化量ΔW2との差ΔCDを測定すれば、側面酸化膜厚差Δtがどの程度大きくなったかが分かる。
【0055】
上述したように、側面酸化膜厚差Δtが分かれば、ハーフトーン膜側面の第1の酸化膜44がどの程度成長したか分かる。したがって、第1の変化量ΔW1と第2の変化量ΔW2の差ΔCDを測定すれば、ハーフトーン膜側面における第1の酸化膜44の成長を監視することができる。
【0056】
図7は、レジスト膜開口36a,36bのサイズ変化を示す図である。縦軸は、レジスト膜開口36a,36bの幅の変化量ΔW1, ΔW2である。横軸は、露光光30の照射回数である。縦軸は、レジスト膜開口36a,36bの幅W1,W2であってもよい。横軸は、ハーフトーン型位相シフトマスク2に照射された照射光の累積照射量であってもよい。
【0057】
図7には、第1のレジスト膜開口36a(図5参照)の幅の第1の変化量ΔW1の一例が示されている。第1の変化量ΔW1は、例えばモニタパターン6が最初に転写されたレジスト膜28における第1のレジスト膜開口36aの幅W10を基準とする、第1のレジスト膜開口36aの第1の幅W1の第1の変化量(=W1−W10)である。
【0058】
図7には更に、第2のレジスト膜開口36b(図5参照)の幅の第2の変化量ΔW2の一例が示されている。第2の変化量ΔW2は、例えばモニタパターン6が最初に転写されたレジスト膜28における第2のレジスト膜開口36bの幅W20を基準とする、第2のレジスト膜開口36bの第2の幅W2の変化量(=W2−W20)である。
【0059】
上述したように、ハーフトーン型位相シフトマスク2を介したレジスト膜28への露光光30の照射(レジスト膜28の露光)が繰り返されると、回路パターンの幅は徐々に変化する。そこで、転写された回路パターンの幅が一定に保たれるよう、露光光30の強度が適時調整される。この調整により、回路パターンがハーフトーン膜に設けられた開口パターンの場合、露光光30の強度は徐々に増加する。
【0060】
モニタパターン6の第1の開口16a(図2参照)および回路パターンはどちらも、酸化抑制膜14から離隔している。したがって、第1の開口16aの幅D1(図2参照)の変化量ΔD1は、回路パターンを形成する開口の幅の変化量と略同じになる。
【0061】
このため、レジスト膜に転写される回路パターンの幅が略一定になるように露光光30の強度が調整されると、第1のレジスト膜開口36a(転写された第1の開口16a)の幅W1も略一定に保たれる。したがって、第1のレジスト膜開口36aの幅W1の第1の変化量ΔW1は、図7に示すように略ゼロになる。
【0062】
酸化抑制膜14に接している第2の開口16b(図2参照)の幅の変化量は、酸化抑制膜14から離隔している第1の開口16aの変化量より少ない。このため転写される回路パターンの幅が一定に保たれるように露光光30の強度を徐々に増加させると、図7に示すように、第2のレジスト膜開口36bの幅W2の変化量ΔW2は徐々に増加する。
【0063】
第2の変化量ΔW2と第1の変化量ΔW1の乖離ΔCD(=ΔW2−ΔW1)は、側面酸化膜厚差Δt(=t1−t2)が大きくなるほど増加する。上述したように、ハーフトーン膜12の酸化が進むほど、側面酸化膜厚差Δt(=t1−t2)は大きくなる。したがって、ΔCDを測定すれば、ハーフトーン膜12の側面における酸化膜44の成長を監視することができる。すなわち、位相シフト膜(位相シフタ)の幅の変化を容易に監視することができる。
【0064】
そこで、判断工程(S10)では、図7に示すような第1の変化量ΔW1と第2の変化量ΔW2との乖離傾向に基づいて、ハーフトーン型位相シフトマスク2を介したレジスト膜28への露光光30の次の露光処理を許可する否かを判断する。
【0065】
具体的には例えば、上記乖離傾向に基づいて第1の開口16aの幅D1の変化量ΔD1が許容値を超えていると判断される場合にはマスク2の使用を禁止し(S14)、露光光30の次の露光処理(S4)は行わない。一方、上記変化量ΔD1が許容値以下と判断される場合にはマスク2の許可し(S12)、次の露光処理(S4)を行う。
【0066】
すなわち、モニタパターン6における第1の開口16aの幅D1の変化量ΔD1が許容値を超えている状態で次の露光処理が行われないように、次の露光処理を許可するか否かを判断する。
【0067】
許容値は、例えば転写された回路パターンの最小線幅(レジストパターンの最小線幅)とその目標値との偏差に許される幅(以下、管理幅と呼ぶ)の値である。例えば、最小線幅の目標値が65nmの場合、その管理幅は±10nmである。
【0068】
具体的には例えば、ΔCDが管理幅(基準値)の0.8倍以下であれば、本ハーフトーン型位相シフトマスク2を用いた別の半導体基板26への露光光30の照射(S4)を許可するものと判断する。一方、ΔCDが管理幅の0.8倍より大きい場合には、ハーフトーン膜12の酸化が進行したものとして、本ハーフトーン型位相シフトマスク2を用いた露光光30の照射(S4)を許可しないものと判断する。
【0069】
以上の例では、第1のレジスト膜開口36aの幅W1の変化量ΔW1と第2のレジスト膜開口36bの幅W2の変化量ΔW2に基づいて、次の露光処理を許可するか否かを判断する。一方、図3のフローチャートに示す方法では、第1のレジスト膜開口36aの幅W1と第2のレジスト膜開口36aの幅W2の変化量ΔWに基づいて、次の露光処理を許可するか否かを判断する。
【0070】
具体的には先ず、第1のレジスト膜開口36a(第1の開口パターン)の第1の幅W1と第2のレジスト膜開口36b(第2の開口パターン)の第2の幅W2との寸法差ΔW(=W2−W1)を算出する(ステップS8)。
【0071】
次に、寸法差ΔWの変化量と基準値(例えば、管理幅の0.8倍)とを比較する(S10)。寸法差ΔWの変化量が基準値以下の場合には、マスク2の次の使用を許可する(S10及びS12)。すなわち、次の露光処理(S4)を許可すると判断する。
【0072】
寸法差ΔWの変化量が基準値を超える場合には、マスク2の次の使用を禁止する(S10及びS14)。すなわち、次の露光処理(S14)を許可しないと判断する。
【0073】
寸法差ΔWの初期値は、モニタパターン6が最初に転写されたレジスト膜28における寸法差ΔW0(=W20−W10)である。したがって寸法差ΔWの変化量は、第1のレジスト膜開口36aの幅W1の変化量ΔW1(=W1−W10)と第2のレジスト膜開口36bの幅W2の変化量ΔW2(=(W2−W20))の乖離ΔCD(=ΔW2−ΔW1)に一致する。
【0074】
以上のように判断工程では、レジスト膜の形成工程(S2)〜転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)を複数の半導体基板26に対して行って得られる寸法測定(S6)の結果から露光処理の回数に応じた変化量(ΔW1、ΔW2、ΔCDなど)を導出する。そして導出した変化量に基づいて、次の露光処理(S4)を許可するか否かを判断する。
【0075】
転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)と判断工程(S8〜S14)は好ましくは、一ロット分のパターン転写が終わるごとに行われる。しかし、転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)と判断工程(S8〜S14)を行うタイミングは適宜、選択することができる。例えば、ハーフトーン型位相シフトマスク2の使用回数が少ない間は、転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)と判断工程(S8〜S14)は行わずに、レジスト膜の形成工程(S2)とマスクパターンの転写工程(S4)だけを繰り返しもよい。ただし、最初に転写されたモニタパターンに対しては転写モニタパターンの寸法測定(S6)を行い、第1のレジスト膜開口36aの幅W1および第2のレジスト膜開口36bの幅W2の初期値を記録する。
【0076】
一方、ハーフトーン型位相シフトマスク2の使用回数が多くなった場合には、一ロット分のパターン転写が終わるごとに転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)と判断工程(S8〜S14)とを行うことが好ましい。
【0077】
図7に示す範囲では、第1の変化量ΔW1は略零に保たれている。しかし、照射回数が増加して行くとやがて、露光量をどのように調整しても第1の変化量ΔW1が減少し始める。このような場合、転写された回路パターンの幅を一定に保つことは困難である。
【0078】
このような状態でレジスト膜に回路パターン4を転写すると、集積回路の歩留まりが低くなる。判断工程(S8〜S14)では、このような状態で回路パターン4をレジスト膜に転写しないように、次の露光の可否を判断する。
【0079】
なお、図7に示す各プロットは例えば、同一レジストマスク上に転写された複数のモニタパターン6で測定されるレジスト膜開口の幅に基づいて算出(例えば、平均化処理)される。
【0080】
ところで上述したように、判断工程(S8〜S14)で露光光30の照射を行うと判断した場合には、使用中のハーフトーン型位相シフトマスク2のパターン(回路パターンおよびモニタパターン)を、次のロットのレジスト膜28に転写する。一方、露光光30の照射を行わないと判断した場合には、使用中のハーフトーン型位相シフトマスク2の使用を終了する。そして、使用を終了したハーフトーン型位相シフトマスク2と同じパターンが設けられた新しいハーフトーン型位相シフトマスクを介して、次のロットのレジスト膜に露光光を照射する。
【0081】
マスクパターンの転写工程(S4)によりレジスト膜28にマスクパターンが転写された半導体基板26には、次の工程(例えば、エッチング)が加えられる。ただし、例えばレジスト膜28に転写された回路パターンの最小線幅とその目標値との偏差が管理幅を越えている場合には、次の工程には進まない。そして、レジスト膜28に転写された回路パターンの最小線幅が目標値に一致するように、露光光30の強度を調整する。
【0082】
図3に示すマスクパターンの監視方法のうち判断工程(S8〜S14)は、寸法管理装置により自動化することができる。図16は、寸法管理装置60の構成図である。寸法管理装置60は、例えばコンピュータである。
【0083】
図16に示すように、寸法管理装置60は、演算部62と記憶部64と入力部66と表示部68と通信部70とを有する。演算部62は例えば、CPU(Central Processing Unit)である。記憶部64は例えば、主記憶部と補助記憶部とを有する。主記憶部は例えば、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)である。補助記憶部は例えば、HD(Hard Disk)を格納したHDD(Hard Disk Drive)である。入力部66は例えば、キーボード及び/又はマウスである。表示部68は例えば、液晶ディスプレイ及び/又はプリンタである。
【0084】
演算部62は、寸法管理装置60の各ハードウエア64〜68を制御すると共に演算を実行する。演算部60は例えば、補助記憶装置(例えば、HD)に記録されたプログラムを主記憶装置(例えば、RAM)にロードし、ロードしたプログラムを実行する。主記憶装置(例えば、RAM)にはプログラム以外にも、演算途中のデータが一時的に記録される。
【0085】
補助記憶装置(例えば、HD)には、判断工程(S8〜S14)を演算部62に実行させる管理プログラムが記録されている。
【0086】
通信部70は、測定装置74(例えば、CD−SEM)から測定データを受信する。
【0087】
バス72には、演算部62と記憶部64と入力部66と表示部68と通信部70とが接続されている。これらハードウエアの間のデータの受け渡しは、バス72を介して行われる。
【0088】
演算部62はマスク管理プログラムが起動され入力部66にデータ取得の指令が入力されると、通信部70を介して寸法測定の結果(第1の幅W1および第2幅W2)を取得する。その後演算部62は、取得した結果に基づいて寸法差ΔW(=W2−W1)を算出する(S8)。演算部62は、算出した寸法差ΔWを露光処理の回数と共に補助記憶装置に記録する。
【0089】
演算部62は、寸法差の初期値ΔW0を補助記憶装置から読み出し、寸法差の変化量(=ΔW−ΔW0)を算出する。演算部62は、算出した寸法差の変化量に基づいてマスク2の使用を許可するか否かを判断する(S10)。
【0090】
判断の結果マスク2の使用を許可する場合、演算部62は表示装置68に、例えば「許可」等のメッセイジを表示させる(S12)。マスクの使用を禁止する場合、演算部62は表示装置68に、例えば「禁止」等のメッセイジを表示させる(S14)。
【0091】
(3)製造方法
図8及び9は、ハーフトーン型位相シフトマスク2の製造法を説明する工程断面図である。図8及び9には、モニタパターン6の近傍が示されている。
【0092】
まず、図8(a)に示すように、ハーフトーン膜50(例えば、窒化モリブデンシリサイド膜)と、酸化抑制膜52(例えば、Cr膜すなわち遮光膜)とが積層された透明基板10(例えば、石英板)を用意する。その後、酸化抑制膜52の上に、モニタパターン6の第1の開口16aおよび第2の開口16bと回路パターン4とに対応する開口46が設けられたレジスト膜48を形成する。
【0093】
このレジスト膜48を介して、図8(b)に示すように、酸化抑制膜52を選択的にドライエッチングする。さらにレジスト膜48を介して、図8(c)に示すように、ハーフトーン膜50を選択的にドライエッチングする。これにより、回路パターン4とモニタパターン6とが設けられたハーフトーン膜12を形成する。その後、レジスト膜48を除去する。
【0094】
次に、図9(a)に示すように、モニタパターン6の第2の開口16bに接する酸化抑制膜14(図2(a)参照)および遮光帯8(図1参照)に対応するパターンを有するレジスト膜54を、ドライエッチングされた酸化抑制膜52の上に形成する。
【0095】
このレジスト膜54を介して、図9(b)に示すように、酸化抑制膜52を再度選択的にドライエッチングする。これにより、モニタパターン6の酸化抑制膜14と遮光帯8が形成される。その後、図9(c)に示すように、レジスト膜54を除去する。
【0096】
最後に、例えばAl枠を介してペリクル(図示せず)を透明基板10に取り付ける。
【0097】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1に類似している。したがって、実施の形態1と共通する部分の説明は、省略または簡単にする。
【0098】
(1)ハーフトーン型位相シフトマスク
図10は、実施の形態2のモニタパターン106を説明する図である。図10(a)は、モニタパターン106の平面図である。図10(b)は、モニタパターン106が転写されたレジスト膜128の平面図である。
【0099】
実施の形態1のモニタパターン6は回路パターン4とともに、連続した1枚のハーフトーン膜12に設けられる。一方、実施の形態2では、モニタパターン106が設けられたハーフトーン膜112と、回路パターン4が設けられたハーフトーン膜(図示せず)とは分離している。回路パターン4が設けられたハーフトーン膜は、モニタパターン106が設けられたハーフトーン膜112の周囲に延在してこのハーフトーン膜112と間に、透明な枠(図示せず)を形成している。レジスト膜にはモニタパターン106とともにこの枠も転写されるので、レジスト膜に転写されたモニタパターンの発見は容易である。
【0100】
実施の形態1のモニタパターン6は、図2(a)に示すように、ハーフトーン膜12に設けられた複数の開口16a,16bを有する。一方、実施の形態2のモニタパターン106は、図10(a)に示すように、ハーフトーン膜12に設けられた環濠状の開口116を一つ有している。
【0101】
モニタパターン106はこの開口116内に、第1の両端18がハーフトーン膜112に接するとともに酸化抑制膜14から離隔している第1の矩形領域20a(第1の開口パターン)を有している。モニタパターン106は更に開口116内に、第2の両端18bがハーフトーン膜112上の酸化抑制膜14に接している第2の矩形領域20b(第2の開口パターン)を有している。
【0102】
(2)マスクパターン監視方法
―マスクパターンの転写工程(S4)―
実施の形態2の監視方法ではまず、モニタパターン106と回路パターンをレジスト膜に転写する。図10(b)は、モニタパターン106が転写されたレジスト膜128の平面図である。レジスト膜128には、モニタパターン106とともに第1の矩形領域20aと第2の矩形領域20bが転写される。
【0103】
図10(a)に示すように、モニタパターン106の開口部は一つである。したがって、モニタパターン106を省面積化することができる。
【0104】
―転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)―
次に、転写された第1の転写領域160aの第1の幅W1(図10(b)参照)と、転写された第2の転写領域160b(図10(b)参照)の第2の幅W2とを測定する。
【0105】
―判断工程(S8〜14)―
次に、照射回数の増加に伴う第1の幅W1の変化量と照射回数の増加に伴う第2の幅W2の変化量とに基づいて、露光光30の次の照射(S4)を行うか否かを判断する。
【0106】
実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、位相シフト膜(位相シフタ)の幅の変化を容易に監視することができる。
【0107】
(3)変形例
図11は、モニタパターン106の変形例106M1を説明する図である。
【0108】
図11(a)は、変形例106M1の平面図である。図11(b)は、変形例106M1が転写されたレジスト膜128の平面図である。変形例106M1では、酸化抑制膜14の配置位置が図10(a)のモニタパターン106と異なっている。その他の点は、図10のモニタパターン106と略同じである。
【0109】
図11(a)に示すように、モニタパターン106M1の開口部は一つである。したがって、モニタパターン106M1を省面積化することができる。
【0110】
図12は、モニタパターン106の別の変形例106M2を説明する図である。
【0111】
図12(a)は、変形例106M2の平面図である。図12(b)は、変形例106M2が転写されたレジスト膜128の平面図である。図12(a)に示すように、変形例106M2は矩形状の開口116を一つだけ有する。変形例106M2では、第1の矩形領域20aは、第2の矩形領域20bに重なっている。なお、第1の幅W1と第2の幅W2は異なっていてもよい。
【0112】
図12(a)に示すように、モニタパターン106M2の開口部は一つである。したがって、モニタパターン106M2を省面積化することができる。
【0113】
図13は、実施の形態2のモニタパターン106の別の変形例106M3を説明する図である。
【0114】
図13(a)は、変形例106M3の平面図である。図13(b)は、変形例106M3が転写されたレジスト膜128の平面図である。図13(a)に示すように、変形例106M3は十字状の領域を有する開口パターン(開口部)である。
【0115】
変形例106M3は、回路パターンが設けられたハーフトーン膜(図示せず)により囲われている。変形例106M3は、この図示されていないハーフトーン膜とハーフトーン膜112の間に設けられた開口パターンである。
【0116】
図13の変形例に対応する位相シフトマスクは、変形例106M3(モニタパターン)に対応し、ハーフトーン膜112および酸化抑制膜14(遮光膜)に形成された開口部を有している。
【0117】
この開口部は、第1の方向(図13では横方向)に延在し酸化抑制膜14(遮光膜)から離隔した平行な第1の2辺80aを有している。上記開口部は更に、第1の方向(横方向)に直交する第2の方向(縦方向)に延在し酸化抑制膜14(遮光膜)に接する平行な第2の辺80bを有している。上記開口部は更に、第2の方向(縦方向)に延在し酸化抑制膜14(遮光膜)から離隔した平行な第3の2辺80cを有している。上記開口部は更に、第1の方向(横方向)に延在して酸化抑制膜14(遮光膜)に接する平行な第4の2辺80dを有している。
【0118】
上記開口部は更に、第1の2辺80aに両端が接する第1の矩形領域20a(第1の開口パターン)を有している。上記開口部は更に、第2の2辺80bに両端が接する第2の矩形領域20b(第2の開口パターン)を有している。上記開口部は更に、第2の3辺80cに両端が接する第3の矩形領域20c(第3の開口パターン)を有している。上記開口部は更に、第4の2辺80dに両端が接する第4の矩形領域20d(第4の開口パターン)とを有している。
【0119】
マスクパターンの転写工程(S4)では、マスク106M3を用いて露光処理を行う。これにより、第1の矩形パターン20a(第1の開口パターン)に対応する第1の転写パターンおよび第2の矩形パターン20b(第2の開口パターン)に対応する第2の転写パターンがレジスト膜28に転写される。さらに第3の矩形パターン20c(第3の開口パターン)に対応する第3の転写パターン及び第4の矩形パターン20d(第4の開口パターン)に対応する第4の転写パターンがレジスト膜28に形成される。
【0120】
転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)では、第2の方向(縦方向)における第1の転写パターンの第1の幅W1と、第1の方向(横方向)における第2の転写パターンの第2の幅W2とを測定する。さらに、第1の方向(横方向)における第3の転写パターンの第3の幅W3と、第2の方向(縦方向)における第4の転写パターンの第4の幅W4とを測定する。
【0121】
判断工程(S8〜S14)では、第1の幅W1と第4の幅W4との寸法差の第1の変化量および第3の幅W3と第2の幅W2との寸法差の第2の変化量に基づいて、次の露光処置を許可するか否かを判断する。
【0122】
第1の変化量は、第2の方向(縦方向)のパターン幅の変化に対応している。一方、第2の変化量は、第1の方向(横方向)のパターン幅の変化に対応している。したがって、図13(a)の変形例によれば、第1の方向(横方向)および第2の方向(縦方向)の両方でパターン幅の変化を監視することができる。このため、監視の精度が向上する。
【0123】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1に類似している。したがって、実施の形態1と共通する部分の説明は、省略または簡単にする。
【0124】
図14は、実施の形態3のモニタパターン206を説明する図である。図14(a)は、モニタパターン206の平面図である。図14(b)は、モニタパターン206が転写されたレジスト膜228の平面図である。
【0125】
図2(a)に示すように、実施の形態1の第1の開口16aおよび第2の開口16bは矩形である。一方、実施の形態3の第1の開口216aは、図14(a)に示すように平行四辺形である。第1の開口216aは、第1の矩形領域20a(第1の開口パターン)を含んでいる。同様に、第2の開口216bは平行四辺形である。さらに第2の開口216bは、第2の矩形領域20b(第2の開口パターン)を含んでいる。
【0126】
したがって図14(b)に示すように、第1の開口216a(図14(a)参照)が転写された第1のレジスト膜開口236aは平行四辺形である。この第1のレジスト膜開口236aは、第1の矩形領域20aが転写された第1の転写領域60a(第1の転写パターン)を含んでいる。同様に、第2の開口216bが転写された第2のレジスト膜開口236bは、第2の矩形領域20bが転写された第2の転写領域60b(第2の転写パターン)を含んでいる。
【0127】
第1のレジスト膜開口236aの第1の幅W1の測定は、図14(b)に示すように、矩形状の第1の転写領域60a内に設けられる複数の測長線56に沿って行われる。複数の測長線56に沿って測定された複数の幅が平均されて、第1のレジスト膜開口236aの第1の幅W1として算出される。
【0128】
したがって、第1の矩形領域20a(図14(a)参照)の横幅が高さに比べ狭すぎると測長線56を十分に設けることができない。すると、第1の幅W1の測定精度が低くなる。第2のレジスト膜開口236bの第2の幅W2の測定も、同様である。
【0129】
実施の形態3では、第1の矩形領域20aの第1の両端18aの長さLは、第1の両端18aの間隔Dの0.5倍以上(好ましくは、1倍以上)である。同様に、第2の矩形領域20bの第2の両端18bの長さは、第2の両端18bの間隔の0.5倍以上(好ましくは、1倍以上)である。
【0130】
したがって、実施の形態3によれば、第1のレジスト膜開口236aの第1の幅W1を正確に測定することができる。同様に、第2のレジスト膜開口236bの第2の幅W2を正確に測定することができる。
【0131】
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態1に類似している。したがって、実施の形態1と共通する部分の説明は、省略または簡単にする。
【0132】
(1)ハーフトーン型位相シフトマスク
図15は、実施の形態4のモニタパターン306を説明する図である。図15(a)は、モニタパターン306の平面図である。図15(b)は、モニタパターン306が転写されたレジスト膜328の平面図である。
【0133】
実施の形態4のレジスト膜328は、ネガ型のレジスト膜である。ネガ型のレジスト膜は、露光光が照射された箇所が現像液に対して難溶化し、現像液により除去されずパターンとして残るレジスト膜である。
【0134】
実施の形態4のハーフトーン312膜は、透明基板上に配置され、集積回路に対応する回路パターン(図示せず)とモニタパターン306とを形成する。
【0135】
モニタパターン306は、図15(a)に示すように、ハーフトーン膜312で形成された第1の孤立膜370aと、ハーフトーン膜312で形成された第2の孤立膜370bとを有している。
【0136】
第1の孤立膜370aは、第1の両端318aが第1の孤立膜370aの外縁に接するとともに酸化抑制膜14から離隔している第1の矩形領域320aを有している。
【0137】
図15(a)の第1の孤立膜370aは矩形である。このため、第1の孤立膜370aと第1の矩形領域320aは一致している。しかし、第1の孤立膜370aは矩形でなくてもよい。この場合、第1の孤立膜370aと第1の矩形領域320aは一致しない。
【0138】
第2の孤立膜370bは、第2の両端318bが第2の孤立膜370bの外縁に接するとともに酸化抑制膜14で覆われた第2の矩形領域320bを有している。図15(a)では、第2の孤立膜370bは矩形である。しかし、第2の孤立膜370bは、矩形でなくてもよい。
【0139】
図17は、実施の形態4のモニタパターンの変形例を説明する図である。図15(a)に示す例では、第1の孤立膜370aと第2の孤立膜370bは分離している。しかし図17(a)に示すように、第1の孤立膜370aと第2の孤立膜370bは接していてもよい。
【0140】
したがって、実施の形態2のモニタパターン306は、1または複数の孤立したハーフトーン膜312を有するパターンである。モニタパターン306は更に、平面視において、孤立した上記ハーフトーン膜312の外縁に接するとともに酸化抑制膜14から離隔した第1の両端318aを有する第1の矩形領域320を備えている。モニタパターン306は更に、平面視において、第2の両端318bが孤立した上記ハーフトーン膜312の外縁に接するとともに酸化抑制膜14で覆われた第2の矩形領域320bを備えている。
【0141】
(2)マスクパターン監視方法
―マスクパターンの転写工程(S4)―
まず、ハーフトーン型位相シフトマスク306を介してネガ型のレジスト膜に露光光を照射して、回路パターン(図示せず)とモニタパターン306をレジスト膜に転写する。この時、モニタパターン306に含まれる第1の矩形領域320aと第2の矩形領域320bが、レジスト膜328に転写される。
【0142】
モニタパターン306はネガ型のレジスト膜に転写される。したがって、第1の矩形領域320aと第2の矩形領域320bは、図15(b)に示すように、開口領域372として転写される。
【0143】
―転写モニタパターンの寸法測定工程(S6)および判断工程(S8〜S14)―
図15(b)に示すように、モニタパターン306が転写されたレジスト膜328は、実施の形態1のモニタパターン6が転写されたレジスト膜28と略同じ形状を有している。
【0144】
したがって、実施の形態4の寸法測定工程(S8〜S14)は、実施の形態1の寸法測定工程(S6)と略同じである。判断工程(S8〜S14)についても、同様である。図7(b)には、図17(a)のモニタパターンをレジスト膜に転写した開口パターンが示されている。
【0145】
実施の形態4によれば、ネガ型レジスト膜にパターンを形成するハーフトーン型位相シフトマスクの監視が容易になる。
【0146】
以上の例では図5に示すように、レジスト膜に開口パターンを設けて、位相シフタの幅変化を監視する。しかし、孤立したレジスト膜のパターンを形成して、位相シフタの幅変化を監視してもよい。
【0147】
例えば、実施の形態4のモニタパターン306をポジ型レジスト膜に転写して、レジスト膜の孤立パターンを形成し、その幅の変化を監視してもよい。
【0148】
以上の例では、酸化抑制膜はCr膜である。しかし、酸化抑制膜はCr膜以外の膜であってもよい。例えば、酸化抑制膜はW膜やTa膜であってもよい。
【0149】
以上の例では、モニタパターンの第1の矩形領域の幅と第2の矩形領域の幅は同じである。しかし、第1の矩形領域の幅と第2の矩形領域の幅は異なっていてもよい。
【0150】
以上の実施の形態1〜4に関し、更に以下の付記を開示する。
【0151】
(付記1)
半導体基板上に被露光膜を形成する工程と、
透明基板と、前記透明基板上に形成されたハーフトーン膜と、前記ハーフトーン膜上の一部に形成された遮光膜とを有し、前記ハーフトーン膜に前記遮光膜から離隔して形成された第1の開口パターンと、前記ハーフトーン膜及び前記遮光膜に形成され第2の開口パターンとを有するマスクを用いて露光処理を行い、前記第1の開口パターン及び前記第2の開口パターンのそれぞれに対応する第1の転写パターン及び第2の転写パターンを前記被露光膜に形成する工程と、
前記第1の転写パターンの幅及び前記第2の転写パターンの幅を測定する工程と、を有し、
前記形成する工程および前記測定する工程を複数の前記半導体基板に対して行って得られる前記測定の結果から導出された、前記露光処理の回数に応じた変化量を監視し、前記変化量に基づき前記マスクを用いた前記露光処理を許可するか否かの判断を行う工程を有する位相シフトマスクの監視方法。
【0152】
(付記2)
前記変化量が、前記第1の転写パターンの幅と前記第2の転写パターンの幅との寸法差の変化量であり、
前記判断を行う工程は、前記寸法差の変化量が基準値を超えた場合に前記マスクを用いた前記露光処理を許可しないと判断する工程を有することを特徴とする付記1に記載の位相シフトマスクの監視方法。
【0153】
(付記3)
前記マスクは、第1の方向に延在し前記遮光膜から離隔した平行な第1の2辺と、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在し前記遮光膜に接する平行な第2の辺と、前記第2の方向に延在し前記遮光膜から離隔した平行な第3の2辺と、前記第1の方向に延在して前記遮光膜に接する平行な第4の2辺と、前記第1の2辺に両端が接する第1の開口パターンと、前記第2の2辺に両端が接する第2の開口パターンと、前記第2の3辺に両端が接する第3の開口パターンと、前記第4の2辺に両端が接する第4の開口パターンとを有する、前記ハーフトーン膜および前記遮光膜に形成された開口部を有し、
前記形成する工程は、前記マスクを用いて露光処理を行い、前記第1の転写パターン、前記第2の転写パターン、前記第3の開口パターンに対応する第3の転写パターン及び前記第4の開口パターンに対応する第4の転写パターンを前記被露光膜に形成する工程を有し、
前記測定する工程は、前記第2の方向における前記第1の転写パターンの第1の幅と、前記第1の方向における前記第2の転写パターンの第2の幅と、前記第1の方向における前記第3の転写パターンの第3の幅と、前記第2の方向における前記第4の転写パターンの第4の幅とを測定する工程を有し、
前記変化量は、前記第1の幅と前記第4の幅との寸法差の第1の変化量および前記第3の幅と前記第2の幅との寸法差の第2の変化量であることを特徴とする付記1又は2に記載の位相シフトマスクの監視方法。
【0154】
(付記4)
前記マスクは、前記遮光膜及び前記ハーフトーン膜中に開口部を有し、
前記第1の開口パターン及び前記第2の開口パターンは、前記開口部の一部であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載の位相シフトマスクの監視方法。
【0155】
(付記5)
透明基板と、
前記透明基板上に形成されたハーフトーン膜と、
前記ハーフトーン膜上の一部に形成された遮光膜と、
第1の方向に延在して平行に位置し、前記遮光膜から離隔する第1の2辺と、前記第1の方向と直交する第2の方向に延在して平行に位置し、前記遮光膜に接する第2の2辺と、を有し、前記ハーフトーン膜および前記遮光膜に形成された開口部と、
を有することを特徴とする位相シフトマスク。
【0156】
(付記6)
前記開口部は、
前記第1の2辺が位置する第1の開口パターンと、
前記第2の2辺が位置する第2の開口パターンと、
前記第2の方向に延在して平行に位置し前記遮光膜から離隔する第3の2辺が位置する第3の開口パターンと、
前記第1の方向に延在して平行に位置し前記遮光膜に接する第4の2辺が位置する第4の開口パターンと、
を有することを特徴とする請求項5に記載の位相シフトマスク。
【0157】
(付記7)
透明基板上に配置され集積回路に対応する回路パターンとモニタパターンとを形成し水分を含む雰囲気中で露光光に曝されると酸化されるハーフトーン膜と、
前記ハーフトーン膜の前記透明基板とは反対側の面に配置されて配置された領域の前記ハーフトーン膜の前記酸化を抑制する酸化抑制膜とを有し、
前記モニタパターンは、1または複数の孤立した前記ハーフトーン膜を有するパターンであって、第1の両端が孤立した前記ハーフトーン膜の外縁に接するとともに前記酸化抑制膜から離隔している第1の矩形領域と、第2の両端が孤立した前記ハーフトーン膜の外縁に接するとともに前記酸化抑制膜で覆われた第2の矩形領域とを有することを
特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
【0158】
(付記8)
付記7に記載のハーフトーン型位相シフトマスクにおいて、
前記モニタパターンは、前記第1の矩形領域を有し前記ハーフトーン膜で形成された第1の孤立膜と、前記第2の矩形領域を有し前記ハーフトーン膜で形成された第2の孤立膜とを備えていることを
特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
【符号の説明】
【0159】
2・・・ハーフトーン型位相シフトマスク
4・・・回路パターン
6,206,306・・・モニタパターン
10・・・透明基板
12,112,312・・・ハーフトーン膜
14・・・酸化抑制膜
16a,216a・・・第1の開口
16b,216b・・・第2の開口
18a,318a・・・第1の両端
18b,318b・・・第2の両端
20a,320a・・・第1の矩形領域
20b,320b・・・第2の矩形領域
36a・・・第1のレジスト膜開口
36b・・・第2のレジスト膜開口
42,44・・・酸化膜
112・・・ハーフトーン膜
370a・・・第1の孤立膜
370b・・・第2の孤立膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17