特許第6206062号(P6206062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 市光工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6206062-車両用灯具 図000002
  • 特許6206062-車両用灯具 図000003
  • 特許6206062-車両用灯具 図000004
  • 特許6206062-車両用灯具 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206062
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20170925BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170925BHJP
【FI】
   F21S8/10 150
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-210461(P2013-210461)
(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公開番号】特開2015-76200(P2015-76200A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】大久保 泰宏
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−119173(JP,A)
【文献】 特開2009−009890(JP,A)
【文献】 特開2012−104267(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光を放射する半導体レーザーと、
前記半導体レーザーと離れて配置されていて、前記半導体レーザーからの前記レーザー光を複数の色の蛍光として発光させる蛍光体と、
前記蛍光体からの複数の色の前記蛍光を混色して白色光とする混色部材と、
前記混色部材からの前記白色光を所定の配光パターンで外部に照射する光学部材と、
を備え
前記半導体レーザーは、近紫外レーザー光を放射する半導体レーザーであり、
前記蛍光体は、前記半導体レーザーからの前記近紫外レーザー光を赤色光および緑色光および青色光として発光させるものであり、
前記蛍光体の表面を直交する2本の直線により4つの領域に分割し、対角に位置する2つの領域に、前記赤色光を発光させる蛍光物質をそれぞれ配置し、残りの領域に緑色光を発光させる蛍光物質と、青色光を発光させる蛍光物質とをそれぞれ配置した、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記混色部材は、前記蛍光体からの複数の色の前記蛍光が入射する入射面と、前記白色光が出射する出射面と、前記入射面と前記出射面との間の中実状の部分の混色部と、から構成されていて、前記混色部の前記入射面と前記出射面との間は、複数の色の前記蛍光の50%以上が1回以上内部全反射する長さを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記蛍光体は、前記半導体レーザーからの前記レーザー光を複数の色の前記蛍光として前記混色部材の前記入射面に反射させる反射型の蛍光体である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体レーザーからの青色レーザー光を蛍光体を介して白色光として照射する車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用灯具について説明する。
【0003】
特許文献1の車両用灯具は、半導体レーザー光源と、蛍光体と、反射面と、を備えるものである。半導体レーザー光源から青色光を蛍光体に照射すると、蛍光体が励起されて黄色の光を発し、その青色光と黄色光とが混色されて白色光となり、白色光が反射面で反射されて所定の配光パターンとして車両前方に照射される。特許文献1の車両用灯具は、蛍光体の表面で正反射された青色光を反射面で左右方向に広く拡散させるので、青色を薄めることができ、配光パターンの色むらを抑制することができる。
【0004】
特許文献2の車両用灯具は、半導体発光素子と、蛍光体と、投影レンズと、を備えるものである。半導体発光素子から青色光を蛍光体に照射すると、蛍光体が励起されて黄色の光を発し、その青色光と黄色光とが混色されて白色光となり、白色光が投影レンズを透過して所定の配光パターンとして車両前方に照射される。特許文献2の車両用灯具は、蛍光体の表面で正反射された青色光を投影レンズの拡散部で拡散させるので、青色を薄めることができ、配光パターンの色むらを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−243538号公報
【特許文献2】特開2012−119173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1の車両用灯具は、反射面で青色光を拡散させて青色を薄めるものであるから、反射面を備えない車両用灯具には適用できない。しかも、青色光を拡散させるので、設計通りの配光パターンを形成するのが難しい。また、特許文献2の車両用灯具は、投影レンズの拡散部で青色光を拡散させて青色を薄めるものであるから、投影レンズを備えない車両用灯具には適用できない。しかも、青色光を拡散させるので、設計通りの配光パターンを形成するのが難しい。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用灯具では、反射面や投影レンズなどの特定の光学部材を備えない車両用灯具には適用できず、しかも、設計通りの配光パターンを形成するのが難しい、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、レーザー光を放射する半導体レーザーと、半導体レーザーと離れて配置されていて、半導体レーザーからのレーザー光を複数の色の蛍光として発光させる蛍光体と、蛍光体からの複数の色の蛍光を混色して白色光とする混色部材と、混色部材からの白色光を所定の配光パターンで外部に照射する光学部材と、を備え、半導体レーザーは、近紫外レーザー光を放射する半導体レーザーであり、蛍光体は、半導体レーザーからの近紫外レーザー光を赤色光および緑色光および青色光として発光させるものであり、蛍光体の表面を直交する2本の直線により4つの領域に分割し、対角に位置する2つの領域に、赤色光を発光させる蛍光物質をそれぞれ配置し、残りの領域に緑色光を発光させる蛍光物質と、青色光を発光させる蛍光物質とをそれぞれ配置した、ことを特徴とする。
【0009】
この発明は、混色部材が、蛍光体からの複数の色の蛍光が入射する入射面と、白色光が出射する出射面と、入射面と出射面との間の中実状の部分の混色部と、から構成されていて、混色部の入射面と出射面との間が、複数の色の蛍光の50%以上が1回以上内部全反射する長さを有する、ことを特徴とする。
【0010】
この発明は、蛍光体が、半導体レーザーからのレーザー光を複数の色の蛍光として混色部材の入射面に反射させる反射型の蛍光体である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明の車両用灯具は、混色部材により、蛍光体からの複数の色の蛍光を混色して白色光とするものであるから、混色部材を備えている車両用灯具であれば、反射面や投影レンズなどの特定の光学部品を備えていない車両用灯具であっても、適用することができる。しかも、光学部品で複数の色の蛍光を混色して白色光として色むらをなくすものではなく、混色部材で複数の色の蛍光を混色して白色光として色むらをなくすものであるから、設計通りの配光パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を示す要部の概略説明図である。
図2図2は、蛍光体と混色部材とを示す概略説明図である。
図3図3は、投影レンズからスクリーンに投影された光の投影像を示す説明図である。
図4図4は、混色部材の混色作用を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)の1例について図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図3図4において、符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。なお、図3(A)、図4(B)は、混色部材3を介してスクリーンに投影された光の投影図を示し、図3(B)、図4(C)は、蛍光体2、200から直接スクリーンに投影された光の投影図を示す。図4(A)は、蛍光体200を光の反射方向と反対方向から見た蛍光体200の正面図である。
【0015】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用灯具の構成について説明する。前記車両用灯具は、車両(図示せず)の前部の左右両側あるいは後部の左右両側に搭載されている。前記車両用灯具は、白色光を所定の配光パターンとして車両の外部に照射するものである。前記車両用灯具としては、たとえば、ロービーム用ヘッドランプ、ハイビーム用ヘッドランプ、フォグランプ、ロービームハイビーム切替用ヘッドランプ、デイタイムランニングランプ、クリアランスランプ、バックアップランプなどである。
【0016】
前記車両用灯具は、図1に示すように、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、半導体レーザー1と、蛍光体2と、混色部材(インテグレータ、プライマリオプティク)3と、光学部材としての投影レンズ4と、取付部材(図示せず)と、を備えるものである。
【0017】
前記半導体レーザー1および前記蛍光体2および前記混色部材3および前記投影レンズ4は、ランプユニットを構成する。前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズは、灯室(図示せず)を画成する。前記ランプユニットは、前記灯室内に配置されていて、かつ、前記取付部材を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。なお、前記灯室内には、前記ランプユニット以外のランプユニットが配置されている場合がある。
【0018】
前記半導体レーザー(ダイオードレーザー、レーザーダイオード、LD)1は、この例では、近紫外レーザー光L1を前記蛍光体2の表面に放射する半導体レーザーである。前記半導体レーザー1と前記蛍光体2とは、離れて配置されている。
【0019】
前記蛍光体2は、前記半導体レーザー1からの前記近紫外レーザー光L1を複数の色の蛍光L2、この例では、赤色光および緑色光および青色光として発光させる蛍光体である。前記蛍光体2は、前記半導体レーザー1からの前記近紫外レーザー光L1を、表面で複数の色の前記蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)として反射させる反射型の蛍光体である。前記蛍光体2の表面は、四角形形状をなす。前記蛍光体2の表面は、前記半導体レーザー1からの前記近紫外レーザー光L1を、エネルギー分布(ランバーシアン)20で、複数の色の前記蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)として反射させる。
【0020】
前記蛍光体2は、微粒子状の蛍光物質の触媒が透明樹脂などの担体に固定(担持)されてなるものである。前記触媒としての微粒子状の前記蛍光物質は、前記近紫外レーザー光L1(励起光)により、励起されて赤色光(蛍光L2)を発光させる蛍光物質と、励起されて緑色光(蛍光L2)を発光させる蛍光物質と、励起されて青色光(蛍光L2)を発光させる蛍光物質と、からなる。
【0021】
前記混色部材3は、前記蛍光体2からの複数の色の前記蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)を混色して白色光L3とするものである。前記混色部材3は、この例では、アクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂からなる。前記混色部材3は、図2に示すように、前記蛍光体2からの複数の色の前記蛍光L2が入射する入射面30と、前記白色光L3が出射する出射面31と、前記入射面30と前記出射面31との間の中実状(ソリッド状)の部分の混色部32と、から構成されている。
【0022】
前記入射面30は、前記蛍光体2の表面に倣って、四角形形状をなす。前記出射面31は、前記入射面30とほぼ同様の四角形形状をなす。この結果、前記混色部材3は、中実状の四角柱形状をなす。前記混色部32の前記入射面30と前記出射面31との間は、複数の色の前記蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)の50%以上が1回以上内部全反射する長さLを有する。
【0023】
前記投影レンズ4は、前記混色部材3の前記出射面31からの前記白色光L3を照射光L4として所定の配光パターン(たとえば、ロービーム用配光パターン、ハイビーム用配光パターン、フォグランプ用配光パターン、デイタイムランニングランプ用配光パターン、クリアランスランプ用配光パターン、バックアップランプ用配光パターン)で車両の外部に光軸Zに沿って照射する光学部材である。
【0024】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0025】
半導体レーザー1から近紫外レーザー光L1を蛍光体2の表面に向けて放射する。すると、近紫外レーザー光L1は、蛍光体2の表面で反射する。このとき、近紫外レーザー光L1により、蛍光体2の蛍光物質は、励起されて赤色光および緑色光および青色光の蛍光L2を発光させる。
【0026】
その蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)は、混色部材3の入射面30から混色部32中に入射する。混色部32中に入射した蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)のうち少なくとも50%は、混色部32の側面において、1回以上内部全反射する。これにより、蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)は、混色されて白色光L3となり、混色部材3の出射面31から出射する。
【0027】
混色部材3から出射した白色光L3は、投影レンズ4を透過する。このとき、白色光L3は、配光制御されて、照射光L4として所定の配光パターンで車両の外部に照射される。
【0028】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0029】
この実施形態にかかる車両用灯具は、混色部材3により、蛍光体2からの複数の色の蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)を混色して白色光L3とするものであるから、混色部材3を備えている車両用灯具であれば、反射面や投影レンズなどの特定の光学部品を備えていない車両用灯具であっても、適用することができる。しかも、光学部品で複数の色の蛍光を混色して白色光として色むらをなくすものではなく、混色部材3で複数の色の蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)を混色して白色光L3として色むらをなくすものであるから、設計通りの配光パターンを形成することができる。
【0030】
特に、この実施形態にかかる車両用灯具は、混色部材3により蛍光体2からの複数の色の蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)を混色して白色光L3とするものであるから、図3(A)、図4(B)に示す光の投影像(混色部材3の出射面31の像)PIAのように、色むらがない白色光L3が得られる。
【0031】
ここで、混色部材3を使用しない場合について説明する。この場合は、図3(B)に示す光の投影像(蛍光体2の表面の像)PIBのように、色むらが出る。すなわち、近紫外レーザー光L1(励起光)により、励起されて赤色光(蛍光L2)を発光させる蛍光物質からの赤色光Rと、励起されて緑色光(蛍光L2)を発光させる蛍光物質からの緑色光Gと、励起されて青色光(蛍光L2)を発光させる蛍光物質からの青色光Bとが、それぞれ混色されずに、微粒子状の蛍光物質の小円のまま蛍光体2の表面から投影レンズ4を透過して車両の外部に照射される。
【0032】
以下、図4を参照してさらに詳細に説明する。すなわち、図4(A)に示すように、蛍光体200の表面を、スクリーンの左右の水平線HL−HRおよびスクリーンの上下の垂直線VU−VDに沿って、上下左右に4つに分割する。その蛍光体2の表面の上左側の部分と下右側の部分とに、近紫外レーザー光L1(励起光)により励起されて赤色光(蛍光L2)を発光させる四角形の蛍光物質2Rを配置する。また、蛍光体2の表面の下左側の部分に、近紫外レーザー光L1(励起光)により励起されて緑色光(蛍光L2)を発光させる四角形の蛍光物質2Gを配置する。さらに、蛍光体2の表面の上右側の部分に、近紫外レーザー光L1(励起光)により励起されて青色光(蛍光L2)を発光させる四角形の蛍光物質2Bを配置する。
【0033】
図1に示す蛍光体2の代わりに、図4(A)に示す蛍光体200の表面に近紫外レーザー光L1(励起光)を照射させる。すると、混色部材3が無い場合には、図4(C)に示すように、上左側の部分および下右側の部分の赤色光Rと、下左側の部分の緑色光Gと、上右側の部分の青色光Bとが、それぞれ混色されずに、蛍光物質2R、2G、2Bの四角形のまま蛍光体200の表面から照射される。
【0034】
これに対して、この実施形態にかかる車両用灯具は、混色部材3を使用するので、図4(B)に示すように、上左側の部分および下右側の部分の赤色光Rと、下左側の部分の緑色光Gと、上右側の部分の青色光Bとが、混色部材3においてそれぞれ混色されて、白色光L3として照射される。
【0035】
また、前記の色むらは、蛍光体2の表面が小さくなるほど顕著に現れる。これは、蛍光体2の表面が小さくなると、蛍光物質の量が相対的に少なくなり、その結果、蛍光物質で発光する複数の色の蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)の混色現象が少なくなるからである。このように、色むらは、半導体レーザー1を使用して蛍光体2を小型化することができる効果と相反して発生する。
【0036】
ところが、この実施形態にかかる車両用灯具は、混色部材3を使用することにより、色むらをなくすことができるので、半導体レーザー1を使用して蛍光体2を小型化することができる。
【0037】
この実施形態にかかる車両用灯具は、中実状(ソリッド状)の混色部32からなる混色部材3を使用するので、中空状(トンネル状)の混色部からなる混色部材と比較して、光損失が極めて少ない。すなわち、中空状の混色部材の場合は、光が反射する毎に光の反射損失が発生して、光が反射する回数分、光の反射損失が累積される。これに対して、中実状の混色部材3の場合は、光の透過損失だけであって、光の反射損失がないので、中空状の混色部材と比較して、蛍光体2からの蛍光L2を効率良く白色光L3として混色することができる。
【0038】
この実施形態にかかる車両用灯具は、混色部材3の混色部32の入射面30と出射面31との間が、複数の色の蛍光L2(赤色光および緑色光および青色光)の50%以上が1回以上内部全反射する長さLを有する。このために、複数の色の蛍光L2を確実に白色光L3に混色することができる。
【0039】
この実施形態にかかる車両用灯具は、蛍光体2が半導体レーザー1からの近紫外レーザー光L1を表面で複数の色の蛍光L2として反射させる反射型の蛍光体である。このために、透過型の蛍光体と比較して、半導体レーザー1からの近紫外レーザー光L1が蛍光体2から外部に露光する場合がない。
【0040】
この実施形態にかかる車両用灯具は、半導体レーザー1が近紫外レーザー光L1を放射する半導体レーザーであり、蛍光体2が半導体レーザー1からの近紫外レーザー光L1を赤色光および緑色光および青色光として発光させる蛍光体である。このために、高出力(高光度、高照度、高光量)の白色光L3が確実に得られる。
【0041】
(実施形態以外の例の説明)
この実施形態においては、1個の半導体レーザー1を使用するものである。ところが、この発明においては、1個の蛍光体2に対して複数個の半導体レーザー1を、蛍光体2から離して配置して使用しても良い。
【0042】
また、この実施形態においては、混色部材3が中実状の四角柱形状をなしていて、混色部材3の入射面30および出射面31および蛍光体2の表面が四角形形状をなしているものである。ところが、この発明においては、混色部材3が中実状の四角柱形状以外の形状をなしていても良いし、また、混色部材3の入射面30および出射面31および蛍光体2の表面が四角形形状以外の形状をなしていても良い。
【0043】
さらに、この実施形態においては、蛍光体2が半導体レーザー1からの近紫外レーザー光L1を表面で複数の色の蛍光L2として反射させる反射型の蛍光体である。ところが、この発明においては、蛍光体として半導体レーザー1からの近紫外レーザー光L1を透過させる透過型の蛍光体であっても良い。
【0044】
さらにまた、この実施形態においては、近紫外レーザー光L1を放射する半導体レーザー1を使用するものである。ところが、この発明においては、半導体レーザーとして、近紫外レーザー光L1を放射する半導体レーザー1以外の半導体レーザー、たとえば、青色レーザー光を放射する半導体レーザーを使用しても良い。この場合、蛍光体としては、青色レーザー光により励起されて黄色光を発光させる発光物質を含む蛍光体、あるいは、青色レーザー光により励起されて赤色光および緑色光を発光させる発光物質を含む蛍光体を使用する。
【0045】
さらにまた、この実施形態においては、光学部材として投影レンズ4を使用するものである。ところが、この発明においては、光学部材として投影レンズ4以外のもの、たとえば、反射面、プロジェクタなどを使用しても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 半導体レーザー
2、200 蛍光体
20 エネルギー分布(ランバーシアン)
3 混色部材
30 入射面
31 出射面
32 混色部
4 投影レンズ
L 混色部の長さ
L1 近紫外レーザー光
L2 蛍光
L3 白色光
L4 照射光
R 赤色光
G 緑色光
B 青色光
2R 赤色光を発する蛍光物質
2G 緑色光を発する蛍光物質
2B 青色光を発する蛍光物質
PIA、PIB 光の投影像
HL−HR スクリーンの左右の水平線
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
Z 光軸
図1
図2
図3
図4