(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサは、前記認識部によって異常であると認識された補充紙幣を検出した場合、当該補充紙幣が前記第二の搬送区間の停止時において前記第一の搬送区間に到達しない位置に配置された、
請求項6に記載の紙幣処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットまたは数字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0025】
まず、一般的な紙幣処理装置90について説明する。
図1は、一般的な紙幣処理装置90の要部構成図である。まず、
図1を参照しながら、一般的な紙幣処理装置90の構成について説明する。例えば、紙幣処理装置90は、金融機関の受付窓口員などのオペレータによる操作に基づいて金銭の取引を実行する操作型端末であってよい。また、例えば、この紙幣処理装置90は、金融機関の営業店などに設置される。
【0026】
図1に示すように、紙幣処理装置90は、入金口101、出金口102、搬送路103、認識部104、一時収納部105、紙幣カセット106〜110、リジェクト庫111およびブレード112、113を有する。なお、以下においては、説明の簡便さのため、スロットA〜Eに装着される紙幣カセット106〜110を紙幣カセットA〜Eと記載し、スロットFに装着されるリジェクト庫111をリジェクト庫Fと記載する場合もある。
【0027】
入金口101は、オペレータによって紙幣が投入される投入口である。入金口101には、開口部を開閉するシャッター(不図示)が設けられてよい。また、入金口101は、束で投入された紙幣を一枚ずつ分離して搬送路103に繰り出す分離機能を有していてよい。なお、入金口101は、搬送路103側に傾くことや、オペレータによる取り出し口側に傾くことが可能な可動式であってもよい。
【0028】
出金口102は、オペレータが受け取る紙幣が排出される排出口である。出金口102には、開口部を開閉するシャッター(不図示)が設けられてよい。また、出金口102は、排出する紙幣を集積する集積機能を有していてよい。なお、出金口102は、搬送路103側に傾くことや、オペレータによる取り出し口側に傾くことが可能な可動式であってもよい。なお、本実施形態においては、入金口101と出金口102とが別個に設けられる例を主に説明するが、同一空間に紙幣を出入りさせる入出金口であってもよい。
【0029】
搬送路103は、紙幣を搬送する機能を有している。紙幣の搬送には、対向して当接する複数のローラの間に紙幣を挟んで送出する機構が用いられてよい。搬送路103は、駆動モータ(不図示)によって駆動され得る。駆動モータ(不図示)は、例えば、DCサーボモータまたはパルスモータによって構成されており、かかるモータが回転することにより搬送路103を駆動する。
【0030】
駆動モータ(不図示)は、紙幣処理装置90の全体の動作を制御する制御部(不図示)の制御に従って、搬送路103が紙幣を目的の搬送先に搬送するように搬送路103を駆動する。搬送路103は、複数の搬送区間に分割され、複数の搬送区間がそれぞれの駆動モータによって駆動されてもよい。ブレード112、113は、搬送路103の分岐部分に配置されており、制御部(不図示)の制御に従って紙幣の搬送方向を制御する。例えば、ブレード112,113は、ロータリー式ソレノイドを直結させて回転する手法を用いて紙幣の搬送方向を制御してもよい。
【0031】
認識部104は、1枚ずつ搬送される紙幣の認識を行う。認識部104は、双方向から搬送される紙幣の認識を行うことができる。具体的には、認識部104は、搬送路103によって搬送された紙幣の金種、真偽、正損および走行状態などを鑑別し、搬送される紙幣に対して、正常判定または異常判定を行う。異常判定は、真偽、正損(汚損、損壊、外形異常等)、走行異常(スキュー紙幣、重走等)といった要因に基づいて行われる。また、異常紙幣は、出金紙幣として取り扱えない二千円札および五千円札を含んでもよいし、外国紙幣を含んでもよい。
【0032】
一時収納部105は、紙幣の分離と収納の両方の機能を有する。例えば、一時収納部105は、入金時に入金口101から分離されて認識部104により正常と認識された紙幣を一時的に収納する。一時収納部105に収納された紙幣は、取引が成立した場合(例えば、入金した紙幣の口座計上が確定した場合)などに繰り出され、認識部104に搬送される。認識部104を経て紙幣カセットA〜Dなどに搬送される。なお、一時収納部105の収納形式は、紙幣を順次重ねて集積する集積式であってもよいし、紙幣を順次巻いて収納するドラム式であってもよい。
【0033】
紙幣カセット(第一の紙幣カセット)A〜Dは、紙幣を金種毎に収納可能であり、紙幣の収納および分離の両方の機能を有する。紙幣カセットA〜Dには、同一金種の紙幣を収納する紙幣カセットが存在してもよい。例えば、紙幣カセットA、Cが一万円札を収納可能であり、紙幣カセットB、Dが千円札を収納可能であってもよい。また、紙幣カセットA〜Dは、紙幣処理装置10に対して着脱可能な構造になっていてもよいし、紙幣処理装置10に対して着脱不可能なスタッカー(紙幣スタッカーA〜D)であってもよい。なお、少なくとも紙幣カセットA〜Dのうちの何れか一つが第一の紙幣カセットとして紙幣処理装置10に備えられていればよい。
【0034】
紙幣カセット(第二の紙幣カセット)Eは、紙幣を収納する収納機能および1枚ずつ繰り出す分離機能を有する。例えば、紙幣カセットEは、回収時に各紙幣カセットA〜Dから分離された紙幣を収納することができる。また、紙幣カセットEは、補充時に収納している紙幣を繰り出し、紙幣カセットA〜Dに紙幣を補充することができる。このように、紙幣カセットEは、複数の用途に利用され得る。
【0035】
リジェクト庫Fは、紙幣を収納する収納機能を有する。例えば、リジェクト庫Fは、認識部104によって異常であると認識された紙幣(異常紙幣)を収納する機能を有している。
【0036】
以上、
図1を参照しながら、一般的な紙幣処理装置90の基本的な機能について説明した。続いて、
図2〜
図7を参照しながら、一般的な紙幣処理装置90における取引ごとの紙幣の流れについて説明する。取引には、入金、収納、出金、補充、回収などが含まれ得る。なお、
図2以降の図において、正常紙幣の流れは、実線矢印によって示されており、異常紙幣の流れは、破線矢印によって示されている。
【0037】
図2は、一般的な紙幣処理装置90の入金時における紙幣の流れを示す図である。
図2に示すように、入金時においては、オペレータによって入金口101に投入された紙幣が方向D1に沿って搬送路103によって認識部104に搬送される。認識部104によって異常であると認識された紙幣は、方向D1に沿って出金口102に搬送される。
【0038】
一方、認識部104によって正常であると認識された紙幣は、方向D1に沿って一時収納部105に搬送され、一時収納部105によって一時的に収納される。入金動作が終わると、紙幣処理装置90を制御する上位システム(不図示)によって入金金額が表示される。入金金額をオペレータが確認すると、上位システム(不図示)の指示に従って、紙幣処理装置90の動作が入金動作から収納動作に移行される。
【0039】
図3は、一般的な紙幣処理装置90の収納時における紙幣の流れを示す図である。
図3に示すように、収納時においては、一時収納部105に収納された紙幣が方向D1に沿って搬送路103によって認識部104に搬送される。認識部104によって異常であると認識された紙幣は、方向D1に沿ってリジェクト庫Fに搬送される。一方、認識部104によって正常であると認識された紙幣は、方向D1に沿って紙幣カセットA〜Dに搬送され、紙幣カセットA〜Dによって収納される。
【0040】
図4は、一般的な紙幣処理装置90の出金時における紙幣の流れを示す図である。
図4に示すように、出金時においては、紙幣カセットA〜Dから分離された紙幣が方向D2に沿って搬送路103によって認識部104に搬送される。認識部104によって異常であると認識された紙幣は、方向D2に沿ってリジェクト庫Fに搬送される。一方、認識部104によって正常であると認識された紙幣は、方向D2に沿って出金口102に搬送される。
【0041】
図5は、一般的な紙幣処理装置90の補充時における紙幣の流れ(正常であると認識された補充紙幣が一時収納部105に収納されるまでの流れ)を示す図である。
図5に示すように、補充時においては、紙幣カセットEから分離された補充紙幣が方向D2に沿って搬送路103によって認識部104に搬送される。認識部104によって異常であると認識された紙幣は、方向D2に沿ってリジェクト庫Fに搬送される。一方、認識部104によって正常であると認識された紙幣は、方向D2に沿って一時収納部105に搬送される。
【0042】
図6は、一般的な紙幣処理装置90の補充時における紙幣の流れ(正常であると認識された補充紙幣が一時収納部105に収納されてからの流れ)を示す図である。
図6に示すように、正常であると認識された補充紙幣は、一時収納部105から繰り出されて、方向D1に沿って搬送路103によって認識部104に搬送される。認識部104によって異常であると認識された補充紙幣は、方向D1に沿ってリジェクト庫Fに搬送される。一方、認識部104によって正常であると認識された補充紙幣は、方向D1に沿って紙幣カセットA〜Dに搬送される。
【0043】
図7は、一般的な紙幣処理装置90の回収時における紙幣の流れを示す図である。
図7に示すように、
図7に示すように、回収時においては、紙幣カセットA〜Dから分離された紙幣が方向D2に沿って搬送路103によって認識部104に搬送される。認識部104によって異常であると認識された紙幣は、方向D2に沿ってリジェクト庫Fに搬送される。一方、認識部104によって正常であると認識された紙幣は、方向D2に沿って紙幣カセットEに搬送される。
【0044】
以上、
図2〜
図7を参照しながら、一般的な紙幣処理装置90における取引ごとの紙幣の流れについて説明した。ここで、
図5および
図6を参照しながら説明したように、補充時においては、紙幣カセットEから分離された補充紙幣が方向D2に沿って搬送路103によって認識部104に搬送される。認識部104によって異常であると認識された紙幣は、方向D2に沿ってリジェクト庫Fに搬送され得る。しかし、認識部104によって正常であると認識された紙幣は、方向D2に沿って一時収納部105に搬送されてしまう。
【0045】
一時収納部105に補充紙幣が搬送されれば、補充紙幣が一時収納部105に留まる時間を要してしまう。また、紙幣カセットEから分離された補充紙幣が一時収納部105に搬送される第一段階と一時収納部105から繰り出された補充紙幣が紙幣カセットA〜Dに戻ってくる第二段階とが補充動作に必要となるため、補充紙幣が往復する時間を要してしまう。特に、一時収納部105は、紙幣の集積可能な枚数が紙幣カセットA〜Dよりも少ない場合があり、このような場合には、一時収納部105によって集積可能な枚数ずつの補充動作を繰り返す必要が生じてしまうため、これらの時間はさらに長くなり得る。
【0046】
図8は、補充紙幣を方向D1に沿って搬送した場合について説明するための図である。
図8に示すように、本実施形態においては、紙幣カセットEから分離された補充紙幣を方向D1に沿って搬送する手法を採用する。かかる手法を採用すれば、方向D1に沿って認識部104に搬送され、認識部104によって正常であると認識された補充紙幣は、方向D1に沿って一時収納部105を経由せずに紙幣カセットA〜Dに搬送され得る。そのため、紙幣の補充に要する時間を低減させることが可能となる。その結果、補充紙幣以外の紙幣の搬送を妨げてしまう可能性も低減され得る。
【0047】
しかし、紙幣カセットEから分離された補充紙幣を方向D1に沿って搬送する手法を採用した場合には、複数の補充紙幣同士が衝突してしまう可能性がある。例えば、
図8に示すように、認識部104によって異常であると認識された補充紙幣をリジェクト庫Fに搬送しようとすると、その補充紙幣が紙幣カセットEから後に分離された他の補充紙幣と衝突してしまう可能性がある。そこで、後に説明するように、紙幣カセットEは、認識部104によって補充紙幣が異常であると認識された場合には、補充紙幣の分離を停止するとよい。
【0048】
なお、本明細書においては、紙幣カセットA〜Eがループ状の搬送路103に対して放射状に接続されるように並べられ、出金時の搬送方向である方向D2に沿って紙幣カセットA〜E、認識部104およびリジェクト庫Fが順に配置されている例を主に説明する。かかる例によれば、紙幣カセットA〜Eから分離されて方向D2に沿って認識部104に搬送された紙幣が、認識部104によって異常であると認識された場合、当該紙幣をリジェクト庫Fに直接搬送することができるという利点が享受され得る。
【0049】
続いて、本発明の実施形態に係る紙幣処理装置10について詳細に説明する。なお、本発明の実施形態に係る紙幣処理装置10の構成要素のうち、一般的な紙幣処理装置90と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明は省略する。
図9は、本発明の実施形態に係る紙幣処理装置10の要部構成図である。
図9を参照しながら、本発明の実施形態に係る紙幣処理装置10の構成について説明する。
【0050】
本実施形態において、搬送路103は、紙幣カセットEから分離されて方向D1に沿って搬送された補充紙幣が認識部104によって正常であると認識された場合、当該補充紙幣を方向D1に沿って紙幣カセットBに搬送する。搬送先は紙幣カセットBに限定されず、紙幣カセットA、C、Dであってもよい。一方、搬送路103は、方向D1に沿って搬送された補充紙幣が認識部104によって異常であると認識された場合、当該補充紙幣を方向D1または方向D2に沿ってリジェクト庫Fに搬送する。
【0051】
例えば、搬送路103は、認識部104によって補充紙幣が異常であると認識された場合、当該補充紙幣よりも前に認識された先行紙幣を方向D1に沿って紙幣カセットBに搬送し、当該補充紙幣を方向D1または方向D2に沿ってリジェクト庫Fに搬送すればよい。かかる機能を実現するための一例として、
図9に示すように、搬送路103は、第一の搬送区間115と第二の搬送区間116とを有している。なお、リジェクト庫Fへの補充紙幣の搬送は、後に説明するように方向D1がより望ましい。
【0052】
第一の搬送区間115は、搬送路103のうち、少なくとも紙幣カセットA〜Dそれぞれに紙幣を振り分けるブレード112を含む区間に相当する。また、第二の搬送区間116は、搬送路103のうち、第一の搬送区間115以外の区間に相当する。搬送路103は駆動モータにより起動されたり停止されたりするが、第一の搬送区間115と第二の搬送区間116とは別の駆動モータにより駆動され得る(第一の搬送区間115は第一の駆動モータ(不図示)により駆動され、第二の搬送区間116は第二の駆動モータ(不図示)により駆動される。)。
【0053】
また、本実施形態において、紙幣処理装置10は、搬送される紙幣を検出可能なセンサ114を備えている。センサ114の種類は、紙幣を検出することが可能なセンサであれば特に限定されないが、例えば、フォトカプラであってもよい。かかる場合、紙幣による遮光を検出することによって、搬送される紙幣を検出することが可能である。
【0054】
搬送路103は、認識部104によって異常であると認識された補充紙幣がセンサ114によって検出された場合、第一の搬送区間115により先行紙幣を方向D1に沿って紙幣カセットBに搬送するとともに第二の搬送区間116が停止される。また、搬送路103は、第一の搬送区間115により先行紙幣を方向D1に沿って紙幣カセットBに搬送し終わると、第二の駆動モータにより第二の搬送区間116が再起動されて補充紙幣を方向D1または方向D2に沿ってリジェクト庫Fに搬送する。
【0055】
したがって、センサ114は、認識部104によって補充紙幣が正常であるか否かが認識された後に当該補充紙幣を検出可能な位置(例えば、
図9において認識部104から長さL1だけ離れた位置)に配置されるとよい。また、センサ114は、認識部104によって異常であると認識された補充紙幣を検出した場合、当該補充紙幣が第二の搬送区間116の停止時において第一の搬送区間115に到達しない位置(例えば、
図9において第一の搬送区間115まで長さL2だけ離れた位置)に配置されるとよい。
【0056】
なお、紙幣カセットEは、認識部104によって補充紙幣が異常であると認識された場合、収納している補充紙幣の分離を停止するとよい。そうすれば、複数の補充紙幣同士が衝突してしまう可能性が低減され得る。また、紙幣カセットEは、搬送路103によって少なくとも補充紙幣がリジェクト庫Fに搬送し終わると、収納している補充紙幣の分離を再開してよい。
【0057】
以上、本発明の実施形態に係る紙幣処理装置10の構成について説明した。続いて、
図10〜
図17を参照しながら、本発明の実施形態に係る紙幣処理装置10による補充動作の一例について詳細に説明する。なお、
図10〜
図17は、本発明の実施形態に係る紙幣処理装置10による補充動作の一例を示したに過ぎないため、本発明の実施形態に係る紙幣処理装置10による補充動作は、
図10〜
図17に示した例に限定されない。
【0058】
図10は、方向D1に沿って搬送された補充紙幣が認識部104によって異常であると認識される場合について説明するための図である。
図10を参照すると、紙幣カセットEによって分離された補充紙幣P1〜P7が、方向D1に沿って順次に搬送されている。補充紙幣P1〜P3は、認識部104によって正常であると認識されて紙幣カセットBに搬送されている。しかし、補充紙幣P4は、認識部104によって異常であると認識されたとする。
【0059】
図11は、補充紙幣の分離が停止される場合について説明するための図である。
図10に示したように、補充紙幣P4が認識部104によって異常であると認識された場合、
図11に示したように、紙幣カセットEは補充紙幣の分離を停止する。これによって、紙幣カセットEからの補充紙幣の繰り出しが停止されるため、複数の補充紙幣同士が衝突する可能性を低減することが可能となる。
【0060】
図12は、異常紙幣P4がセンサ114によって検出される場合について説明するための図である。
図10に示したように、補充紙幣P4が認識部104によって異常であると認識された後、
図12に示したように、異常紙幣P4がセンサ114に到達すると、センサ114によって異常紙幣P4が検出される。なお、
図12を参照すると、正常であると認識された補充紙幣P1は、紙幣カセットBに収納されている。
【0061】
図13は、第二の搬送区間116が停止される場合について説明するための図である。
図12に示したように、異常紙幣P4がセンサ114によって検出されると、
図13に示すように、第二の搬送区間116が停止される。これにより、第二の搬送区間116に存在する紙幣(異常紙幣P4および後続紙幣P5〜P7)は、一時的に第二の搬送区間116に留まることとなる。なお、
図13を参照すると、正常であると認識された補充紙幣P2は、紙幣カセットBに収納されている。
【0062】
図14は、第一の搬送区間115により先行紙幣P3を方向D1に沿って紙幣カセットBに搬送する場合について説明するための図である。
図13に示したように、第二の搬送区間116が停止されたとしても、第一の搬送区間115は停止されない。そのため、
図14に示すように、第一の搬送区間115に存在する先行紙幣P3は、紙幣カセットBに搬送され、紙幣カセットBに収納される。
【0063】
図15は、第二の搬送区間116が再起動される場合について説明するための図である。
図14に示したように、第一の搬送区間115に存在する先行紙幣P3が紙幣カセットBに搬送し終わると、
図15に示したように、第二の搬送区間116が再起動される。これにより、第二の搬送区間116に存在する異常紙幣P4および後続紙幣P5〜P7は、方向D1に搬送される。このとき、異常紙幣P4および後続紙幣P5〜P7の搬送先がリジェクト庫Fとなるように、紙幣カセットBの入口のブレード112およびリジェクト庫Fの入口のブレード113が制御される。
【0064】
図16は、異常紙幣P4と後続紙幣P5〜P7とを方向D1に沿ってリジェクト庫Fに搬送する場合について説明するための図である。
図15に示したように、ブレード112およびブレード113が制御され、第二の搬送区間116に存在する異常紙幣P4および後続紙幣P5〜P7が方向D1に搬送されると、異常紙幣P4および後続紙幣P5〜P7がリジェクト庫Fに搬送される。
【0065】
なお、第二の搬送区間116に存在する異常紙幣P4および後続紙幣P5〜P7は、方向D2に搬送されてもよいが、方向D1に搬送されるのがより好ましい。搬送方向が方向D2の場合には、異常紙幣P4および後続紙幣P5〜P7は認識部104を経由せずに方向D2に沿ってリジェクト庫Fに搬送されるが、搬送方向が方向D1の場合には、認識部104によって正常であると認識された後続紙幣が方向D1に沿って紙幣カセットBに搬送され得るからである。
【0066】
図17は、紙幣カセットEからの補充紙幣の分離が再開される場合について説明するための図である。
図16に示したように、異常紙幣P4と後続紙幣P5〜P7とは、リジェクト庫Fに搬送されると、
図17に示したように、リジェクト庫Fによって順に収納される。搬送路103によって異常紙幣P4および後続紙幣P5〜P7がリジェクト庫Fに搬送し終わると、紙幣カセットEは、複数の補充紙幣同士が衝突する可能性がなくなるため、補充紙幣の分離を再開してよい。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0068】
例えば、紙幣処理装置10の動作全体を制御するための制御部は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、紙幣処理装置10に内蔵されたCPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。