(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光源ユニット支持体と前記光源ユニットとの連結部は、前記光源ユニットのランプ先端に近い端部と前記光源ユニットのランプ基端に近い端部との中央部分に位置する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のランプ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された照明装置をランプとして照明器具に取り付ける場合、光源部を回転させることで配光を変えると、ランプ外径およびランプ長さが大きく変化するので、照明器具に取り付けできない場合がある。また、特許文献1の構成は、構造が複雑であり、コストが高くなる。
【0008】
特許文献2に開示された照明装置をランプとして照明器具に取り付ける場合、LED発光板の傾斜角度を大きくするほど外周側へのLED発光板の張り出し量が大きくなってランプ外径が拡大するので、照明器具に取り付けできない場合がある。また、特許文献2の構成では、ランプ基端側に配光させることはできるが、ランプ先端側に配光させることができない。
【0009】
特許文献3に開示された照明装置をランプとして照明器具に取り付ける場合、メインパネルがあるためにランプ外径の大きさが過大になる。また、サブパネルの傾斜角度を大きくするほど外周側へのサブパネルの張り出し量が大きくなってランプ外径が拡大するので、照明器具に取り付けできない場合がある。
【0010】
特許文献4に開示された照明装置をランプとして照明器具に取り付ける場合、面状発光体の傾斜角度を大きくするほど外周側への面状発光体の張り出し量が大きくなってランプ外径が拡大するので、照明器具に取り付けできない場合がある。また、特許文献4の構成では、ランプ先端側に配光させることはできるが、ランプ基端側に配光させることができない。
【0011】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構造で、ランプの外寸を大きく変えることなく、ランプ先端側に配光させるかランプ基端側に配光させるかを選択することのできるランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るランプは、1または複数の発光素子を実装した光源基板を有する複数の光源ユニットと、他の器具に固定される基端部を有するランプ本体と、ランプ本体に取り付けられ、複数の光源ユニットを支持する光源ユニット支持体と、を備え、複数の光源ユニットは、ランプ中心軸の周りに、光源基板の発光素子がある面を外周側に向けて配置され、隣り合う光源ユニットの間には、空気が通過可能な隙間があり、光源ユニット支持体は、光源基板がランプ中心軸に対して傾斜するように光源ユニットを支持し、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを逆さまに反転可能であり、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを選択することにより、ランプ中心軸に対する光源基板の傾斜の向きが反転し、光源ユニットのランプ中心軸に垂直な方向の幅が光源ユニットの一端から他端に向かって狭くなるものである。
また、本発明に係るランプは、1または複数の発光素子を実装した光源基板を有する複数の光源ユニットと、他の器具に固定される基端部を有するランプ本体と、ランプ本体に取り付けられ、複数の光源ユニットを支持する光源ユニット支持体と、を備え、複数の光源ユニットは、ランプ中心軸の周りに、光源基板の発光素子がある面を外周側に向けて配置され、隣り合う光源ユニットの間には、空気が通過可能な隙間があり、光源ユニット支持体は、光源基板がランプ中心軸に対して傾斜するように光源ユニットを支持し、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを逆さまに反転可能であり、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを選択することにより、ランプ中心軸に対する光源基板の傾斜の向きが反転し、光源ユニットのランプ中心軸に垂直な方向の幅が光源ユニットの中央部分から両端に向かって狭くなるものである。
また、本発明に係るランプは、1または複数の発光素子を実装した光源基板を有する複数の光源ユニットと、他の器具に固定される基端部を有するランプ本体と、ランプ本体に取り付けられ、複数の光源ユニットを支持する光源ユニット支持体と、を備え、複数の光源ユニットは、ランプ中心軸の周りに、光源基板の発光素子がある面を外周側に向けて配置され、隣り合う光源ユニットの間には、空気が通過可能な隙間があり、光源ユニット支持体は、光源基板がランプ中心軸に対して傾斜するように光源ユニットを支持し、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを逆さまに反転可能であり、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを選択することにより、ランプ中心軸に対する光源基板の傾斜の向きが反転し、ランプ先端側にいくほど光源基板がランプ中心軸から離れるように光源ユニットが傾斜する場合に光源ユニットに対しランプ先端側に配置され、光源ユニットから発せられる光を反射させる反射体をさらに備えるものである。
また、本発明に係るランプは、1または複数の発光素子を実装した光源基板を有する複数の光源ユニットと、他の器具に固定される基端部を有するランプ本体と、ランプ本体に取り付けられ、複数の光源ユニットを支持する光源ユニット支持体と、を備え、複数の光源ユニットは、ランプ中心軸の周りに、光源基板の発光素子がある面を外周側に向けて配置され、隣り合う光源ユニットの間には、空気が通過可能な隙間があり、光源ユニット支持体は、光源基板がランプ中心軸に対して傾斜するように光源ユニットを支持し、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを逆さまに反転可能であり、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを選択することにより、ランプ中心軸に対する光源基板の傾斜の向きが反転し、ランプ先端側にいくほど光源基板がランプ中心軸に近づくように光源ユニットが傾斜する場合に光源ユニットに対しランプ基端側に配置され、光源ユニットから発せられる光を反射させる反射体をさらに備え、反射体は、ランプ中心軸を中心とするリング状をなし、複数の光源ユニットから発せられる光を反射させるものである。
また、本発明に係るランプは、1または複数の発光素子を実装した光源基板を有する複数の光源ユニットと、他の器具に固定される基端部を有するランプ本体と、ランプ本体に取り付けられ、複数の光源ユニットを支持する光源ユニット支持体と、を備え、複数の光源ユニットは、ランプ中心軸の周りに、光源基板の発光素子がある面を外周側に向けて配置され、隣り合う光源ユニットの間には、空気が通過可能な隙間があり、光源ユニット支持体は、光源基板がランプ中心軸に対して傾斜するように光源ユニットを支持し、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを逆さまに反転可能であり、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを選択することにより、ランプ中心軸に対する光源基板の傾斜の向きが反転し、ランプ本体および光源ユニット支持体の内部に、光源ユニットへ給電する給電線が通されているものである。
また、本発明に係るランプは、1または複数の発光素子を実装した光源基板を有する複数の光源ユニットと、他の器具に固定される基端部を有するランプ本体と、ランプ本体に取り付けられ、複数の光源ユニットを支持する光源ユニット支持体と、を備え、複数の光源ユニットは、ランプ中心軸の周りに、光源基板の発光素子がある面を外周側に向けて配置され、隣り合う光源ユニットの間には、空気が通過可能な隙間があり、光源ユニット支持体は、光源基板がランプ中心軸に対して傾斜するように光源ユニットを支持し、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを逆さまに反転可能であり、ランプ本体に対して光源ユニット支持体を取り付ける向きを選択することにより、ランプ中心軸に対する光源基板の傾斜の向きが反転し、ランプ本体は、光源ユニット支持体をランプ中心軸を中心に回転可能とする可動部を有するものである
。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の光源ユニットを支持する光源ユニット支持体をランプ本体に対して取り付ける向きを逆さまに反転可能としたことにより、簡単な構造で、ランプの外寸を大きく変えることなく、ランプ先端側に配光させるかランプ基端側に配光させるかを選択することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1のランプを示す斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態1のランプ1Aは、5個の光源ユニット2と、口金3aを一端に有するランプ本体3と、ランプ本体3に対して5個の光源ユニット2を支持する光源ユニット支持体4とを備える。以下の説明では、口金3aの中心を通る直線をランプ中心軸とする。また、ランプ1Aの口金3a側をランプ基端側とし、その反対側をランプ先端側とする。本実施の形態1のランプ1Aは、ランプ外寸(ランプ中心軸方向の全長、ランプ外径、ランプ先端からの有効発光領域長など)を一般的な250W級水銀ランプとほぼ等しくし、口金3aをねじ込み式のE39口金(直径39mm)とした構成例であるが、本発明がこのような仕様に限定されないことは言うまでもない。本実施の形態1のランプ1Aは、口金3aが他の照明器具等に固定されて使用される。本発明では、他の照明器具等に固定されるランプの基端部は、口金3aのような構成に限らず、いかなる構成でも良い。
【0017】
各々の光源ユニット2は、複数のLED光源2a(発光素子)を実装した光源基板2bを有する。本実施の形態1の光源ユニット2は、LED光源2aとして、1W〜数W級の面実装型小型LEDパッケージを用いている。5個の光源ユニット2は、ランプ中心軸の周りに、光源基板2bの表面側すなわちLED光源2aが設けられた側を外周側に向けた状態で配置されている。このように複数の光源ユニット2を配置することにより、ランプ1Aの全周囲への配光を確保することができる。なお、本発明では、光源ユニット2の個数は、5個に限らないが、最低3個とし、ランプ外寸仕様に適合する範囲で、6個以上としてもよい。また、これら複数の光源ユニット2は、ランプ中心軸の周りに等角度間隔に配置されることが望ましい。
【0018】
隣り合う光源ユニット2同士は接触しておらず、隣り合う光源ユニット2の間には、空気の流路となる隙間が設けられている。隣り合う光源ユニット2の間の隙間を空気が流れることにより、優れた放熱性が得られ、LED光源2aを低温化することができるので、LED光源2aの高効率化および長寿命化が図れる。
【0019】
各々の光源ユニット2の光源基板2bは、ランプ中心軸に対して傾斜している。本実施の形態1のランプ1Aでは、各々の光源ユニット2の光源基板2bとランプ中心軸とのなす角度θが5°〜30°であることが好ましい。そのような角度範囲にすることにより、ランプ外径を極端に大きくせずに、優れた配光特性が得られる。
図1の構成では、ランプ先端側にいくほど光源基板2bがランプ中心軸から離れるように、各々の光源ユニット2の光源基板2bが傾斜している。各々の光源ユニット2の光源基板2bがこのような向きに傾斜した状態を以下「第1態様」と称する。
【0020】
本実施の形態1における光源ユニット2および光源基板2bの形状は、ランプ先端に近い端部からランプ基端に近い端部までの長さが、それと直交する方向の長さに比べて、長い形状をなす。このように、光源ユニット2および光源基板2bをランプ中心軸の方向に長い形状にすることにより、光源ユニット2および光源基板2bの面積を大きく確保することができ、大光束化に有利となる。図示の構成では、光源ユニット2および光源基板2bの形状は、光源基板2bに垂直な方向から見て、略長方形である。光源基板2bは、有機材料基板、あるいはセラミック系基板でもよいが、アルミニウムまたは鉄などの金属系基板で構成することが好ましい。光源基板2bを金属系基板で構成することにより、放熱性を高めるとともに、振動への耐久性を向上することができる。また、光源基板2bの表面は、光損失を抑えるため、白色系塗料などで表面レジスト処理を行うことが好ましい。
【0021】
本実施の形態1の光源ユニット2は、光源基板2bの裏面側すなわちLED光源2aが設けられた面の反対側に設けられた放熱体2cと、光源基板2bの表面側を覆う透光性カバー2dとを更に備える。放熱体2cは、LED光源2aで発生した熱を空気へ放熱させる複数の放熱フィンを有する。放熱体2cの放熱フィンは、光源ユニット2の長手方向に沿って設けられている。光源ユニット2に放熱体2cを設けることにより、放熱効果を更に高め、LED光源2aをより低温化することができるので、LED光源2aを更に高効率化および長寿命化できる。
【0022】
透光性カバー2dは、透光性および防水防湿性を有する。透光性カバー2dは、光源基板2bの全体を覆う形に成形されている。すなわち、透光性カバー2dは、一つの光源ユニット2のすべてのLED光源2aを一括して覆うように構成されている。透光性カバー2dの構成材料は、耐湿性、耐水性、耐光性、耐震性などに優れた材料が望ましく、例えば、成形のし易さと耐環境性とに優れたポリカーボネート材料、黄変を確実に防止できるガラス材料などが望ましい。また、透光性カバー2dと放熱体2cとの接合部は、防水防湿性を有する構成とする。そのような構成としては、例えば、放熱体2cに透光性カバー2dの外周部が嵌合する取り付け溝(図示省略)を形成し、その嵌合部の周囲を例えばシリコーン系の防湿性樹脂でコーティングする構成が挙げられる。本実施の形態1のランプ1Aでは、透光性カバー2dを設け、その取り付け部の防水防湿性を確保したことにより、LED光源2aおよび光源基板2bを環境から確実に保護することができる。このため、ランプ1A全体としても優れた耐環境性を発揮し、屋外に設置される照明器具でもランプ1Aを好ましく使用することができる。
【0023】
また、透光性カバー2dに幾何学的な凹凸パターンを設けたり、先端側と基端側とで透光性カバー2dの形状またはカバー透過率を異ならせたりしてもよい。これらの構成により、各LED光源2aからの光線方向をカバー内面または外面で制御したり、各LED光源2aからカバーまでの距離を変えたりすることにより、光源基板2bからの配光を意図的に調整することが可能となる。また、本実施の形態1では、透光性カバー2dの形状を、光源基板2bの全体を覆う形状としているが、LED光源2aおよび光源基板2bを保護する機能(例えば防水性など)を損なわなければ、このような形状以外でも良い。
【0024】
ランプ本体3は、口金3aと同軸的に設けられた口金保持部3bおよび支軸3cを更に備える。口金保持部3bの一端側に口金3aが設けられ、口金保持部3bの他端側から支軸3cが突出している。口金保持部3bは、口金3aより外径の大きい略円筒状をなしている。支軸3cはランプ中心軸に沿って先端方向へ延びている。口金3aと口金保持部3bとの接続部は、耐熱性に優れた樹脂材料で形成することが好ましい。口金保持部3bおよび支軸3cは、金属材料、または放熱性に優れた樹脂材料などで形成することが好ましい。また、ランプ本体3は、光源ユニット支持体4をランプ中心軸を中心に回転可能とする可動部を有することが好ましい。例えば、ランプ本体3は、口金保持部3bに対して支軸3cが回転可能な可動部を有することが好ましい。このような可動部を設けることにより、ランプ1Aを照明器具等に取り付けた後に光源ユニット支持体4をランプ中心軸を中心に回転させることで複数の光源ユニット2の位置を微調整することができる。
【0025】
光源ユニット支持体4は、ランプ本体3の支軸3cの先端部分に取り付けられている。5個の光源ユニット2は、光源ユニット支持体4を介してランプ本体3の支軸3cに支持されている。光源ユニット支持体4は、支軸3cに固定される円盤状のハブ部4aと、ハブ部4aから放射状に突出する5本の腕部4bとを有する。それぞれの腕部4bに光源ユニット2が固定されている。
図2は、
図1に示すランプ1Aの5個の光源ユニット2のうちの4個を取り外した状態を示す斜視図である。
図2に示すように、光源ユニット2の裏面側の中央部分に設けられた接合面と、腕部4bの先端を折り曲げるように形成された接合面とを固定することにより、光源ユニット2が光源ユニット支持体4の腕部4bに固定される。光源ユニット2と光源ユニット支持体4との固定方法は、特に限定されないが、例えばネジ止め、差し込み、スライド、接着剤、あるいはそれらを複合させた方法により固定することができる。光源ユニット支持体4は、放熱性に優れた材料、あるいは熱伝導率の高い材料で形成することが好ましい。
【0026】
このようなランプ1Aによれば、隣り合う光源ユニット2の間に空気の流路となる隙間を設けたことにより、あらゆる方向からの空気の流れに対して、光源ユニット2間および光源ユニット2の裏面側を通る空気の流路が形成される。このため、ランプ1Aを、口金3aが上向きの状態で取り付ける場合、口金3aが下向きの状態で取り付ける場合、口金3aが横向きの状態で取り付ける場合、のいずれの場合にも、光源ユニット2の放熱性を良好にすることができる。すなわち、ランプ取り付け方向にかかわらず、優れた放熱性を確保でき、LED光源2aの温度上昇を抑え、ランプ発光効率を高め、LED光源2aの寿命を長くすることができる。特に、本実施の形態1では、上記構成により光源ユニット支持体4の体積を小さくできるので、空気の流路を広く確保することができ、放熱効率の向上とランプ1Aの軽量化とを同時に実現することができる。
【0027】
放熱体2c、支軸3c、光源ユニット支持体4などに対し、少なくともランプ1Aの自己放射光が照射される部分に、白色系の高反射塗料を塗るなどの処理をしても良い。これにより、ランプ1A内の光損失を極力抑えることができる。
【0028】
ランプ本体3の支軸3cに対して光源ユニット支持体4を取り付ける向きは、逆さまに反転可能である。
図3は、光源ユニット支持体4を取り付ける向きを
図1と逆さまに反転させたときの本実施の形態1のランプ1Aの斜視図である。
図4は、
図3に示すランプ1Aの5個の光源ユニット2のうちの4個を取り外した状態を示す斜視図である。
図3の構成では、ランプ先端側にいくほど光源基板2bがランプ中心軸に近づくように、各々の光源ユニット2の光源基板2bが傾斜している。各々の光源ユニット2の光源基板2bがこのような向きに傾斜した状態を以下「第2態様」と称する。
【0029】
図5は、ランプ本体3の支軸3cから光源ユニット支持体4を取り外した状態を示す斜視図である。
図5に示すように、支軸3cの先端部分は他の部分よりやや細くなっており、当該他の部分との間に段差が形成されている。光源ユニット支持体4のハブ部4aには、支軸3cの先端部分が挿入可能な穴4cが形成されている。光源ユニット支持体4をランプ本体3の支軸3cに取り付ける際、光源ユニット支持体4の穴4cに支軸3cの先端部分を挿入すると、上記段差によって光源ユニット支持体4が支軸3cに対し位置決めされる。光源ユニット支持体4を
図5の状態に対して裏返しにした状態でも、光源ユニット支持体4の穴4cに支軸3cの先端部分を挿入することで光源ユニット支持体4をランプ本体3の支軸3cに取り付け可能である。このようにして、ランプ本体3の支軸3cに対して光源ユニット支持体4を取り付ける向きを選択することにより、第1態様とするか第2態様とするかを選択可能、すなわちランプ中心軸に対する光源基板2bの傾斜の向きが反転可能である。ランプ本体3の支軸3cと光源ユニット支持体4との固定方法は、特に限定されないが、例えばネジ止め、支軸3cの先端部分に雄ねじを形成してナットを取り付ける方法、接着剤、あるいはそれらを複合させた方法などにより固定することができる。
【0030】
図6は、本実施の形態1における第1態様のランプ1Aおよびその取り付け対象となる照明器具の一例を示す図である。
図6に示す街路灯101,102は、支柱の上端に設けられた球形のグローブの内部にランプが設置されるものである。街路灯101のグローブは全体が透明であり、街路灯102のグローブは上半分が遮光されている。街路灯101,102に取り付けられるランプは、口金を下に向けた姿勢で固定される。第1態様のランプ1Aは、例えばこのような街路灯101,102に取り付けるランプとして好適に用いられる。なお、
図6は、街路灯101,102の縮尺に対してランプ1Aの縮尺を拡大して描いたものである。第1態様のランプ1Aでは、光源ユニット2から放射される光は、ランプ1Aの側方(外周側)へ向かう光成分を持ちつつ、ランプ基端側すなわち口金3a側へ傾斜して放射される。このため、上述した街路灯101,102のような照明器具で、ランプ1Aの口金3aを下に向けた姿勢で使用する際に、街路灯101,102の下側の明るさを十分に確保するとともに明るさのむらも防止することができる。また、第1態様のランプ1Aでは、口金3aと反対のランプ先端側への光の放射を抑制することができる。このため、街路灯101,102のような照明器具で第1態様のランプ1Aを使用した場合、街路灯101,102の上方へ向かう不要な光の放射を抑制することができるので、光エネルギーの無駄を少なくできるとともに光害を抑制できる。
【0031】
図7は、本実施の形態1における第2態様のランプ1Aおよびその取り付け対象となる照明器具の一例を示す図である。
図7に示す街路灯103は、支柱に吊るされた箱型のシェードの内側にランプが設置されるものである。街路灯103に取り付けられるランプは、口金を上に向けた姿勢で固定される。第2態様のランプ1Aは、例えばこのような街路灯103に取り付けるランプとして好適に用いられる。なお、
図7は、街路灯103の縮尺に対してランプ1Aの縮尺を拡大して描いたものである。第2態様のランプ1Aでは、光源ユニット2から放射される光は、ランプ1Aの側方(外周側)へ向かう光成分を持ちつつ、ランプ先端側すなわち口金3aと反対側へ傾斜して放射される。このため、上述した街路灯103のような照明器具で、ランプ1Aの口金3aを上に向けた姿勢で使用する際に、街路灯103の下側の明るさを十分に確保するとともに明るさのむらも防止することができる。また、第2態様のランプ1Aでは、ランプ基端側すなわち口金3a側への光の放射を抑制することができる。このため、街路灯103のような照明器具で第2態様のランプ1Aを使用した場合、街路灯103の上方へ向かう不要な光の放射を抑制することができるので、光エネルギーの無駄を少なくできるとともに光害を抑制できる。また、
図6および
図7に示すランプ1Aでは、ランプ本体3の口金保持部3bと支軸3cとの間に、ランプ中心軸に対し傾斜した傾斜面3dを設けている。傾斜面3dは、円錐面状または角錐面状をなす。傾斜面3dの表面は、例えば白色拡散塗装などの処理により、高反射状態とされる。ランプ本体3にこのような傾斜面3dを設けることにより、光反射損失を抑制することができ、より優れた配光が得られる。
【0032】
図8は、ランプの配光特性を相対的に説明する図(配光曲線図)である。
図8中の実線で示す配光曲線は、全方位配光であり、例えば従来の蛍光形水銀ランプのものであり、口金側を180°の位置としたものである。
図8中の破線は、本実施の形態1における第1態様のランプ1Aの配光曲線であり、口金3a側を0°の位置としたものである。
図8中の一点鎖線は、本実施の形態1における第2態様のランプ1Aの配光曲線であり、口金3a側を180°の位置としたものである。
【0033】
上述したように、ランプ1Aは、取り付け対象となる照明器具の構造などに応じて、第1態様か第2態様かを選択することで、より適切な配光状態が得られる。そして、ランプ1Aは、ランプ本体3に対する光源ユニット支持体4の取り付けの向きを選択することで第1態様とするか第2態様とするかを選択できる。このため、第1態様のランプ1Aと第2態様のランプ1Aとを共通の部品で製造できるので、コストを低減できる。また、第1態様と第2態様との間でランプ外寸(ランプ中心軸方向の全長、ランプ外径、ランプ先端からの有効発光領域長など)の変化を抑制できるので、第1態様と第2態様とのいずれを選択した場合でも照明器具への取り付けに不具合が生じることを確実に抑制できる。また、光源ユニット2の傾斜角度を変えるための回転軸のような可動部が不要であるので、簡単な構造で上記効果を達成できる。なお、ランプ本体3に対する光源ユニット支持体4の取り付けの向きの選択を製造時にのみ行う場合には、ランプ本体3と光源ユニット支持体4との固定方法は着脱可能でなくても良い。一方、ランプ本体3と光源ユニット支持体4との固定方法を着脱可能な方法とし、ランプ1Aを照明器具に取り付ける際に第1態様とするか第2態様とするかを選択可能にしても良い。
【0034】
本実施の形態1では、光源ユニット2のランプ先端に近い半分の形状と、光源ユニット2のランプ基端に近い半分の形状とが対称になっている。このため、第1態様と第2態様との間で光源ユニット2の向きが逆さまに変化しても、ランプの外観および外寸の大きな変化を確実に抑制できる。
【0035】
また、本実施の形態1では、光源ユニット支持体4と光源ユニット2との連結部が、光源ユニット2のランプ先端に近い端部と光源ユニット2のランプ基端に近い端部との中央部分に位置する。言い換えれば、光源ユニット支持体4と光源ユニット2との連結部が光源ユニット2の長手方向の中央部分に位置する。このため、第1態様と第2態様との間で光源ユニット2の向きが逆さまに変化しても、ランプ中心軸方向のランプ全長の変化をより小さく抑制することができる。
【0036】
また、本実施の形態1では、ランプ本体3に設けた支軸3cに光源ユニット支持体4を取り付ける構造としたことにより、光源ユニット2の放熱体2cの周囲を流れる空気の流路を大きく確保することができ、放熱性が向上する。ただし、本発明では、ランプ本体3および光源ユニット支持体4の形状および構造は、上述した構成に限定されるものではない。例えば、光源ユニット支持体4の形状を多角錐台のような形状とし、その複数の側面に光源ユニット2をそれぞれ固定する構造としても良い。
【0037】
図9および
図10は、光源ユニット2へ給電する給電線の配設方法の例を説明する斜視図である。
図9および
図10では、光源ユニット2および光源ユニット支持体4の形状が
図1から
図5とは異なるものとし、光源ユニット2は透光性カバー2dを取り外した状態とし、光源ユニット2を光源ユニット支持体4に取り付ける前の状態を表す。また、図面を簡略化するため、光源ユニット支持体4は、一つの光源ユニット2を支持する部分のみを示す。
図9に示すように、光源基板2bに設けられた接続端子2eには、LED光源2aに電力を供給する給電線2fが接続される。光源ユニット支持体4の腕部4bには、給電線2fを通すことのできる中空部4dが形成されている。ランプ本体3の支軸3cにも給電線2fを通すことのできる中空部が形成されている。光源ユニット支持体4の腕部4bの中空部4dは、ハブ部4aおよび支軸3cの側壁を貫通する穴につながり、支軸3cの中空部に連通する。
図10に示すように、給電線2fは、光源ユニット2の放熱体2cに形成された穴を通って光源ユニット2の裏面側に通される。そして、この給電線2fが光源ユニット支持体4の腕部4bの中空部4dを通り、更に支軸3cの中空部を通ってランプ本体3の内部に配設される。このようにして、口金3aに供給される電力をランプ本体3および光源ユニット支持体4の内部に配設された給電線2fにより光源ユニット2へ供給することができる。給電線2fをランプ本体3および光源ユニット支持体4の内部に配設することにより、給電線2fを確実に保護することができるので、ランプ1Aの耐候性が向上する。
【0038】
図11および
図12は、光源ユニット2の他の構成例を示す斜視図である。
図11に示す光源ユニット2は、ランプ中心軸に垂直な方向の光源ユニット2の幅、すなわち光源ユニット2の長手方向に垂直な方向の幅が、光源ユニット2の一端から他端に向かって狭くなる形状になっている。
図11に示す光源ユニット2は、幅の広い方の端部から幅の狭い方の端部に向かってランプ中心軸に近づくように傾斜して配置することが好ましい。そのように配置することにより、光源ユニット2とランプ中心軸との距離が近い位置で、光源ユニット2同士がスペース的に干渉することを抑制できる。
【0039】
図12に示す光源ユニット2は、ランプ中心軸に垂直な方向の光源ユニット2の幅、すなわち光源ユニット2の長手方向に垂直な方向の幅が、光源ユニット2の長手方向の中央部分から両端に向かって狭くなる形状になっている。
図12に示す光源ユニット2によれば、ランプ中心軸に対する傾斜の向きにかかわらず、光源ユニット2とランプ中心軸との距離が近い位置で、光源ユニット2同士がスペース的に干渉することを抑制できる。
【0040】
図13は、本実施の形態1の第1態様のランプ1Aに反射体5を取り付けた状態を示す斜視図である。
図13に示す構成では、第1態様のランプ1Aにおいて、光源ユニット2に対してランプ先端側に反射体5を配置している。
図13中の矢印で示すように、光源ユニット2から放射されたランプ先端側への成分を持つ光を反射体5で形成される反射面によって反射させ、ランプ基端側へ向きを変えることができる。これにより、第1態様のランプ1Aにおいて有用なランプ基端側への光量を増加させることができる。
【0041】
図14は、本実施の形態1の第2態様のランプ1Aに反射体5を取り付けた状態を示す斜視図である。
図14に示す構成では、第2態様のランプ1Aにおいて、光源ユニット2に対してランプ基端側に反射体5を配置している。
図14中の矢印で示すように、光源ユニット2から放射されたランプ基端側への成分を持つ光を反射体5で形成される反射面によって反射させ、ランプ先端側へ向きを変えることができる。これにより、第2態様のランプ1Aにおいて有用なランプ先端側への光量を増加させることができる。
【0042】
図13および
図14に示す例では、反射体5の形状をランプ中心軸を中心とするリング状としたことにより、複数の光源ユニット2に対する反射体5を一体化することができる。ただし、このような構成に限らず、各々の光源ユニット2に対して個別に反射体を設けても良い。また、反射体5の反射面は、鏡面材料または拡散材料で構成することが好ましく、所望のランプ配光に応じて選択する。
【0043】
また、本発明では、光源ユニット2の透光性カバー2dの一部の領域(配光を抑えたい側の領域)に、反射材料(例えば反射シート、反射性金属を蒸着するなど)を付加することで、反射体を形成する構成としてもよい。
【0044】
実施の形態2.
次に、
図15を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図15は、本発明の実施の形態2のランプ1Bの第1態様および第2態様を示す斜視図である。
図15に示す本実施の形態2のランプ1Bは、3個の光源ユニット2と、口金3aを有するランプ本体3と、ランプ本体3に対して3個の光源ユニット2を支持する光源ユニット支持体4とを備える。ただし、
図15では、ランプ本体3の一部および光源ユニット支持体4を省略する。3個の光源ユニット2は、ランプ中心軸の周りに等角度間隔に配置されている。
【0045】
本実施の形態2における光源ユニット2には、広い発光面を有する一つの発光素子2gが実装されている。発光素子2gとしては、例えば、数千〜数万lm/個の大光束のCOB(Chip on Board)型のLED光源を用いることができる。COB型のLED光源は、金属系基板もしくはセラミック基板等の放熱性基板に複数のLEDベアチップを直接に実装して樹脂封止する構成としたものである。また、発光素子2gとしては、有機EL(Electro−Luminescence)型の発光素子を用いることもできる。
【0046】
本実施の形態2における光源ユニット2は、光源ユニット2の長手方向に垂直な方向の幅が、光源ユニット2の一端から他端に向かって狭くなる形状になっている。また、光源ユニット2は、幅の広い方の端部から幅の狭い方の端部に向かってランプ中心軸に近づくように傾斜して配置されている。これにより、光源ユニット2とランプ中心軸との距離が近い位置で、光源ユニット2同士がスペース的に干渉することを抑制できる。
【0047】
実施の形態3.
次に、
図16を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態2との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図16は、本発明の実施の形態3のランプ1Cの第1態様および第2態様を示す斜視図である。
図16に示す本実施の形態3のランプ1Cは、4個の光源ユニット2を備え、それら4個の光源ユニット2がランプ中心軸の周りに等角度間隔に配置されている。本実施の形態3は、上記の点以外は実施の形態2と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
【0048】
実施の形態4.
次に、
図17を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態2との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図17は、本発明の実施の形態4のランプ1Dの第1態様および第2態様を示す斜視図である。
図17に示す本実施の形態4のランプ1Dは、5個の光源ユニット2を備え、それら5個の光源ユニット2がランプ中心軸の周りに等角度間隔に配置されている。本実施の形態4は、上記の点以外は実施の形態2と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
【0049】
実施の形態5.
次に、
図18および
図19を参照して、本発明の実施の形態5について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図18は、本発明の実施の形態5のランプ1Eの第1態様を示す斜視図である。
図19は、本発明の実施の形態5のランプ1Eの第2態様を示す斜視図である。これらの図に示す本実施の形態5のランプ1Eは、3個の光源ユニット2と、口金3aを有するランプ本体3と、ランプ本体3に対して3個の光源ユニット2を支持する光源ユニット支持体4とを備える。3個の光源ユニット2は、ランプ中心軸の周りに等角度間隔に配置されている。
図18および
図19では、図を簡略化するため、光源ユニット2および光源ユニット支持体4の構造を抽象化して示す。
【0050】
本実施の形態5では、ランプ中心軸に対する光源ユニット2の光源基板の傾斜角度を30°としている。また、光源ユニット支持体4は、ランプ本体3の支軸3cの長手方向の中央部分に取り付けられている。光源ユニット2は、ランプ中心軸に垂直な方向の光源ユニット2の幅、すなわち光源ユニット2の長手方向に垂直な方向の幅が、光源ユニット2の長手方向の中央部分から両端に向かって狭くなる形状になっている。すなわち、光源ユニット2は、ほぼ菱形の形状をなしている。このような構成により、本実施の形態5では、光源ユニット2とランプ中心軸との距離が近い位置から、光源ユニット2の長手方向の中央部分にかけて、隣り合う光源ユニット2間に過大な隙間ができることを抑制できる。その結果、光源ユニット2の個数が少ない場合でも、周方向に照明ムラが生ずることを抑制できる。また、光源ユニット2の長手方向の中央部分の幅が広いので、搭載する発光素子の個数または大きさを十分に確保できる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明における光源ユニットは、必要とするランプの配光形状、光束などに応じて、発光素子の配置、基板サイズなどを調整することが可能である。また、光源ユニットの光源基板は、必ずしも平面状でなくてもよく、例えば、所望の配光特性を得るように、フレキシブル基板などを利用し、個々の発光素子の実装部が連続的に段差を形成するような形態にしてもよい。ただし、フレキシブル基板は高価であるため、コストを低くする観点からは、上述した実施の形態のように、平面基板を用いるとともに、個々の発光素子の光軸が光源基板に垂直となるように実装し、容易に製造可能にすることが好ましい。また、本発明では、上述した複数の実施の形態の特徴を任意に組み合わせて実施しても良い。