(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
最終段以外の隣り合う2つのスイッチング素子の他端間に2つのスイッチング素子を直列接続し、その直列接続された2つのスイッチング素子にキャパシタを並列接続し、直列接続された2つのスイッチング素子の共通接続点に次段のスイッチング素子の一端を接続し、各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位に、出力段のスイッチング素子に並列接続されたキャパシタや、最終段以外の隣り合うスイッチング素子間に直列接続されたスイッチング素子に並列接続されたキャパシタの電圧を加算,減算した電位を出力端子から出力することを特徴とする請求項1〜5,7のうち何れかに記載のマルチレベル電力変換装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本願発明におけるマルチレベル電力変換装置の実施形態1〜17を
図1〜28に基づいて詳細に説明する。
【0031】
[実施形態1]
図29に示す従来技術における相電圧0を出力するパターンの例を、
図1に示す。
図29に示す従来技術においては、ダイオード素子Su9〜Su12を用いて、相電圧0を出力しているが、ほかの手段で相電圧0を出力することができれば、これらのダイオード素子Su9〜Su12は省略できる。
【0032】
本実施形態1は、
図2に示すように、新たなフライングキャパシタFC1u,FC1v,FC1wを各相に接続することにより、ダイオード素子Su9〜Su12,Sv9〜Sv12,Sw9〜Sw12を省略し、素子の数を低減したものである。
【0033】
以下、本実施形態1におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を
図2に基づいて説明する。本実施形態1におけるマルチレベル電力変換装置は、各相共通の直流電圧源DCC1,DCC2,フライングキャパシタFC1,FC2を備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。相モジュールは、U相において、スイッチング素子Su1〜Su8,キャパシタFC1uを備える。
【0034】
以下、具体的な回路構成をU相を例にとって説明する。直流電圧源(直流キャパシタまたは直流電源)DCC1,DCC2が直列に接続され、この直流電圧源DCC1,DCC2の共通接続点(中性点)を端子0としている。
【0035】
直流電圧源DCC1の負極端に各相共通のフライングキャパシタFC1の負極端が接続され、直流電圧源DCC2の正極端にフライングキャパシタFC2の正極端が接続される。
【0036】
各相の相モジュールには、フライングキャパシタFC1の正極端,負極端,フライングキャパシタFC2の正極端,負極端が入力端子として接続される。
【0037】
各入力端子にスイッチング素子Su1〜Su4の一端を接続し、隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の他端同士を接続する。隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の共通接続点にスイッチング素子Su5a,Su6aの一端を接続し、最終段のスイッチング素子Su5a,Su6aの他端間にスイッチング素子Su5b,Su6bを介して、出力段のスイッチング素子Su7,Su8を順次直列接続する。出力段のスイッチング素子Su7,Su8に対してキャパシタFC1uを並列に接続し、出力段のスイッチング素子Su7,Su8の共通接続点を出力端子Uとする。なお、スイッチング素子Su5b,Su6bは耐電圧のためにスイッチング素子Su5a,Su6aに直列接続されたものである。
【0038】
この相モジュールの各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位にキャパシタFC1uの電圧を加算,減算した電位を出力端子Uから出力することができる。
【0039】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0040】
このような回路構成において、直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を2E,フライングキャパシタFC1,FC2,キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧をEに制御することにより、出力端子U,V,Wから2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力できる。なお、相電圧の基準点は端子0とする。また、三相DC/AC変換器を考えると、使用するスイッチング素子は30個、ダイオード素子は0個となる。
【0041】
キャパシタFC1u,FC1v,FC1wを使用することによって、出力端子U,V,Wから0電圧を出力できるようになるため、従来技術(
図1)のダイオード素子Su9〜Su12,Sv9〜Sv12,Sw9〜Sw12を省略でき、
図29に示す従来の回路構成よりも使用するダイオード素子の数を12個低減することができる。
【0042】
したがって、
図29に示す回路構成と比べて、スイッチング素子数を変えずにダイオード素子数を0個に低減できる。
【0043】
U相の代表的なスイッチングパターンを表1、
図3に示す。表1のパターンでスイッチングすることにより、
図3に示した経路で2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力することが可能である。図中の○は導通中のスイッチング素子を表す。
【0045】
各フライングキャパシタの印加電圧について説明する。
図3の(2)、(3)のパターン時にフライングキャパシタFC2は充電される。また、
図3の(3)のパターン時にキャパシタFC1uは充電される。さらに
図3には示していないが、フライングキャパシタFC1が充電されるパターン,フライングキャパシタFC1,FC2およびキャパシタFC1uが放電されるパターンもある。これらの充放電を行うことで、相電圧を出力しつつ、フライングキャパシタFC1,FC2およびフライングキャパシタFC1uの電圧をEに制御することができる。
【0046】
なお、
図2に示す実施形態1において、各スイッチング素子の定常時の最大印加電圧はEである。これは、
図29に示す従来回路と同じ値である。
【0047】
以上示したように、本実施形態1によれば、多相のマルチレベル電力変換装置において、素子の数を減少させることができ、装置の低コスト化・小型化を図ることが可能となる。
【0048】
[実施形態2]
図4に実施形態2におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を示す。本実施形態2は実施形態1と回路構成は同一であるが、直流電圧源DCC1,DCC2とフライングキャパシタFC1,FC2,キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧比を変えたものである。なお、相電圧の基準点は端子0とする。
【0049】
本実施形態2では、直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を2.5E,フライングキャパシタFC1,FC2の電圧をE,キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧を2Eに制御することで出力端子U,V,Wから2.5E,1.5E,0.5E,−0.5E,−1.5E,−2.5Eの6レベルの相電圧を出力できる。各出力電圧別の動作例および電流経路を
図5に示す。
【0050】
このように、直流電圧源DCC1,DCC2とフライングキャパシタFC1,FC2,キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧比を変えることにより、実施形態1と比較して、レベル数を拡張することができる。その結果、スイッチング素子の個数を同一のまま、実施形態1と比べてレベル数を増加できるため、出力電圧・電流の高調波を抑制できる。
【0051】
[実施形態3]
図6に、本実施形態3におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を示す。本実施形態3におけるマルチレベル電力変換装置は、各相共通の直流電圧源DCC1〜DCC4を備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。相モジュールは、U相において、スイッチング素子Su1〜Su8,キャパシタFC1uを備える。
【0052】
以下、具体的な回路構成を、U相を例にとって説明する。直流電圧源(直流キャパシタまたは直流電源)DCC1〜DCC4が直列に接続され、直流電圧源DCC2,DCC3の共通接続点(中性点)を端子0としている。
【0053】
各相の相モジュールには、直流電圧源DCC1の正負極端,直流電圧源DCC4の正負極端が入力端子として接続される。
【0054】
各入力端子に第1スイッチング素子Su1〜Su4の一端を接続し、隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の他端同士を接続する。隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の共通接続点にスイッチング素子Su5a,Su6aの一端を接続し、最終段のスイッチング素子Su5a,Su6aの他端間にスイッチング素子Su5b,Su6bを介して、出力段のスイッチング素子Su7,Su8を順次直列接続する。出力段のスイッチング素子Su7,Su8に対してキャパシタFC1uを並列に接続し、出力段のスイッチング素子Su7,Su8の共通接続点を出力端子Uとする。
【0055】
この相モジュールの各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位にキャパシタFC1uの電圧を加算,減算した電位を出力端子Uから出力することができる。
【0056】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0057】
このような回路構成において、直流電圧源DCC1〜DCC4の電圧をE,キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧をEに制御することにより、出力端子U,V,Wから5レベルの相電圧を出力することができる。なお、相電圧の基準点は端子0とする。
【0058】
本実施形態3におけるマルチレベル電力変換装置によれば、実施形態1と同様に、フライングキャパシタFC1u,FC1v,FC1wを使用することによって、出力端子U,V,Wから0を出力できるようになるため、従来技術(
図18)のダイオード素子Su9〜Su12,Sv9〜Sv12,Sw9〜Sw12を省略でき、
図18に示す従来の回路構成よりも使用するダイオード素子の数を12個低減することができる。
【0059】
なお、各スイッチング素子の定常時の最大印加電圧は、実施形態1、実施形態2と同様にEである。
【0060】
また、実施形態2と同様に電圧比を変更することにより、レベル数を拡張することができる。例えば、直流電圧源DCC1,DCC4の電圧をE,DCC2,DCC3の電圧を1.5E,キャパシタFc1u,FC1v、FC1wの電圧を2Eに制御する場合、各出力端子U,V,Wから2.5E,1.5E,0.5E,−0.5E,−1.5E,2.5Eの6レベルの相電圧を出力できる。
【0061】
[実施形態4]
図7に、本実施形態4におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を示す。
【0062】
以下、本実施形態4におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を説明する。本実施形態4におけるマルチレベル電力変換装置は、各相共通の直流電圧源DCC1,DCC2,フライングキャパシタFC1,FC2を備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。相モジュールは、U相において、スイッチング素子Su1〜Su8,キャパシタFC1uを備える。
【0063】
以下、具体的な回路構成をU相を例にとって説明する。直流電圧源(直流キャパシタまたは直流電源)DCC1,DCC2が直列に接続され、この直流電圧源DCC1,DCC2の共通接続点(中性点)を端子0としている。
【0064】
各直流電圧源DCC1,DCC2の共通接続点にフライングキャパシタFC1の正極端,フライングキャパシタFC2の負極端が接続されている。
【0065】
相モジュールには、直流電圧源DCC1の負極端,フライングキャパシタFC1の負極端,直流電圧源DCC2の正極端,フライングキャパシタFC2の正極端が入力端子として接続される。
【0066】
各入力端子に第1スイッチング素子Su1〜Su4の一端を接続し、隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の他端同士を接続する。隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の共通接続点にスイッチング素子Su5a,Su6aの一端を接続し、最終段のスイッチング素子Su5a,Su6aの他端間にスイッチング素子Su5b,Su6bを介して、出力段のスイッチング素子Su7,Su8を順次直列接続する。出力段のスイッチング素子Su7,Su8に対してキャパシタFC1uを並列に接続し、出力段のスイッチング素子Su7,Su8の共通接続点を出力端子Uとする。
【0067】
この相モジュールの各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位にキャパシタFC1uの電圧を加算,減算した電位を出力端子Uから出力することができる。
【0068】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0069】
直流電圧源DCC1,DCC2を2E、フライングキャパシタFC1,FC2をE、キャパシタFC1u,FC1v,FC1wをEに制御することにより、出力端子U,V,Wから2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力できる。なお、相電圧の基準点は端子0とする。
【0070】
本実施形態4におけるマルチレベル電力変換装置によれば、実施形態1と同様に、キャパシタFC1u,FC1v,FC1wを使用することによって、出力端子U,V,Wから0を出力できるようになるため、従来技術(
図29)のダイオード素子Su9〜Su12,Sv9〜Sv12,Sw9〜Sw12を省略でき、
図29に示す従来の回路構成よりも使用するダイオード素子の数を12個低減することができる。
【0071】
なお、各スイッチング素子の定常時の最大印加電圧は、実施形態1、実施形態2と同様にEである。
【0072】
また、実施形態2と同様に電圧比を変更することにより、レベル数を拡張することができる。例えば、直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を2.5E,フライングキャパシタFC1,FC2の電圧を1.5E,キャパシタFc1u,FC1v、FC1wの電圧を2Eに制御する場合、2.5E,1.5E,0.5E,−0.5E,−1.5E,−2.5Eの6レベルの相電圧を出力できる。
【0073】
[実施形態5]
図8に、本実施形態5におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を示す。
【0074】
以下、本実施形態5におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を説明する。本実施形態5におけるマルチレベル電力変換装置は、実施形態1のマルチレベル電力変換装置における各相共通のフライングキャパシタFC1,FC2をそれぞれ2段にしたものである。すなわち、各相共通の直流電圧源DCC1,DCC2,フライングキャパシタFC1,FC2,FC3,FC4を備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。相モジュールは、U相において、スイッチング素子Su1〜Su12,フライングキャパシタFC1uを備える。
【0075】
以下、具体的な回路構成をU相を例にとって説明する。直流電圧源(直流キャパシタまたは直流電源)DCC1,DCC2が直列に接続され、この直流電圧源DCC1,DCC2の共通接続点(中性点)を端子0としている。
【0076】
直流電圧源DCC1の負極端に、フライングキャパシタFC1の負極端が接続される。フライングキャパシタFC1には、フライングキャパシタFC2が直列に接続される。
【0077】
直流電圧源DCC2の正極端に、フライングキャパシタFC4の正極端が接続される。フライングキャパシタFC4には、フライングキャパシタFC3が直列接続される。
【0078】
相モジュールには、フライングキャパシタFC1の正極端,負極端,フライングキャパシタFC2の正極端,フライングキャパシタFC3の負極端,フライングキャパシタFC4の正極端,負極端が入力端子として接続される。
【0079】
各入力端子にスイッチング素子Su1〜Su4,Su6,Su7の一端が接続され、隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の他端同士を接続する。隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の共通接続点にスイッチング素子Su5,Su8の一端を接続する。隣り合うスイッチング素子Su5とSu6,Su7とSu8の他端同士を接続し、隣り合うスイッチング素子Su5とSu6,Su7とSu8の共通接続点にスイッチング素子Su9a,Su10aの一端が接続される。最終段のスイッチング素子Su9a,Su10aの他端間に、スイッチング素子Su9b,Su10bを介して、出力段のスイッチング素子Su11,Su12を順次直列接続する。出力段のスイッチング素子Su11,Su12に対してキャパシタFC1uを並列に接続し、出力段のスイッチング素子Su11,Su12の共通接続点を出力端子Uとする。
【0080】
この相モジュールの各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位にキャパシタFC1uの電圧を加算,減算した電位を出力端子Uから出力することができる。
【0081】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0082】
直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を3.5E、フライングキャパシタFC1,FC2,FC3,FC4の電圧をE、キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧を2Eに制御することにより、出力端子U,V,Wから3.5E,2.5E,1,5E,0.5E,−0.5E,−1.5E,−2.5E,−3.5Eの8レベルの相電圧を出力できる。なお、相電圧の基準点は端子0とする。
【0083】
表2に本実施形態5における代表的なスイッチングパターンを示す。
【0085】
なお、各スイッチング素子の定常時の最大印加電圧は、実施形態1、実施形態2と同様にEである。
【0086】
本実施形態5は出力できる相電圧レベル数が増加するため、必要なスイッチング素子数は増加するが、実施形態1の各相共通のフライングキャパシタを多段化した構成なので、同じ相電圧レベル数の従来回路方式と比較して、スイッチング素子数を変えずにダイオード素子の数を低減できる。また、レベル数が増加することから、実施形態1〜3と比較して、出力電圧・電流の高調波を抑制でき高調波抑制フィルタを小型化できる。
【0087】
[実施形態6]
図9に、本実施形態6におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を示す。
【0088】
以下、本実施形態6におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を説明する。各相共通の直流電圧源DCC1,DCC2,フライングキャパシタFC1,FC2,FC3,FC4を備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。相モジュールは、U相において、スイッチング素子Su1〜Su12,キャパシタFC1uを備える。
【0089】
以下、具体的な回路構成をU相を例にとって説明する。直流電圧源(直流キャパシタまたは直流電源)DCC1,DCC2が直列に接続され、この直流電圧源DCC1,DCC2の共通接続点(中性点)を端子0としている。
【0090】
直流電圧源DCC1の負極端に、フライングキャパシタFC1の負極端が接続される。直流電圧源DCC1と直流電圧源DCC2の共通接続点にフライングキャパシタFC2の正極端とフライングキャパシタFC3の負極端が接続される。直流電圧源DCC2の正極端に、フライングキャパシタFC4の正極端が接続される。
【0091】
相モジュールには、フライングキャパシタFC1の正極端,負極端,フライングキャパシタFC2の負極端,フライングキャパシタFC3の正極端,フライングキャパシタFC4の正極端,負極端が入力端子として接続される。
【0092】
各入力端子にスイッチング素子Su1〜Su4,Su6,Su7の一端が接続され、隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の他端同士を接続する。隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の共通接続点にスイッチング素子Su5,Su8の一端を接続する。隣り合うスイッチング素子Su5とSu6,Su7とSu8の他端同士を接続し、隣り合うスイッチング素子Su5とSu6,Su7とSu8の共通接続点にスイッチング素子Su9a,Su10aの一端が接続される。最終段のスイッチング素子Su9a,Su10aの他端間に、スイッチング素子Su9b,Su10bを介して、出力段のスイッチング素子Su11,Su12を順次直列接続する。出力段のスイッチング素子Su11,Su12に対してキャパシタFC1uを並列に接続し、出力段のスイッチング素子Su11,Su12の共通接続点を出力端子Uとする。
【0093】
この相モジュールの各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位にキャパシタFC1uの電圧を加算,減算した電位を出力端子Uから出力することができる。
【0094】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0095】
直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を3.5E、フライングキャパシタFC1,FC4の電圧をE,FC2,FC3の電圧を1.5E、キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧を2Eに制御することにより、出力端子U,V,Wから3.5E,2.5E,1,5E,0.5E,−0.5E,−1.5E,−2.5E,−3.5Eの8レベルの相電圧を出力できる。なお、相電圧の基準点は端子0とする。
【0096】
本実施形態6は出力できるレベル数が増加するため、必要なスイッチング素子数は増加するが、実施形態1の各相共通のフライングキャパシタを多段化した構成であるので従来構成の
図29を同等のレベル数まで拡張した場合と比較すると、同様にスイッチング素子数を変えずにダイオード素子の数を低減できる。また、レベル数が増加することから、実施形態1〜3と比較すると、出力電圧・電流高調波を抑制でき、高調波抑制フィルタを小型化できる。
【0097】
[実施形態7]
図10に、本実施形態7におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を示す。
【0098】
以下、本実施形態7におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を説明する。本実施形態7におけるマルチレベル電力変換装置は、実施形態1のマルチレベル電力変換装置における各相共通のフライングキャパシタFC1,FC2をFC1,FC2,FC3,FC4の4段にしたものである。すなわち、各相共通の直流電圧源DCC1,DCC2,フライングキャパシタFC1,FC2,FC3,FC4を備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。相モジュールは、U相において、スイッチング素子Su1〜Su16,キャパシタFC1uを備える。
【0099】
以下、具体的な回路構成をU相を例にとって説明する。直流電圧源(直流キャパシタまたは直流電源)DCC1,DCC2が直列に接続され、この直流電圧源DCC1,DCC2の共通接続点(中性点)を端子0としている。
【0100】
直流電圧源DCC1の負極端にフライングキャパシタFC1の負極が接続され、直流電圧源DCC1の正極端にフライングキャパシタFC2の正極端が接続される。直流電圧源DCC2の負極端にフライングキャパシタFC3の負極端が接続され、直流電圧源DCC2の正極端に、フライングキャパシタFC4の正極端が接続される。
【0101】
相モジュールは、フライングキャパシタFC1〜FC4の正極端,負極端を入力端子とする。
【0102】
各入力端子に第1スイッチング素子Su1〜Su8の一端を接続し、隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4,Su5とSu6,Su7とSu8の他端同士を接続し、隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4,Su5とSu6,Su7とSu8の共通接続点にスイッチング素子Su9〜Su12の一端が接続される。隣り合うスイッチング素子Su9とSu10,Su11とSu12の他端同士を接続し、隣り合うスイッチング素子Su9とSu10,Su11とSu12の共通接続点にスイッチング素子Su13,Su14が接続される。最終段のスイッチング素子Su13,Su14の他端間に、出力段のスイッチング素子Su15,Su16を順次直列接続する。出力段のスイッチング素子Su15,Su16に対してキャパシタFC1uを並列に接続し、出力段のスイッチング素子Su15,Su16の共通接続点を出力端子Uとする。
【0103】
この相モジュールの各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位にキャパシタFC1uの電圧を加算,減算した電位を出力端子Uから出力することができる。
【0104】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0105】
直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を4E、フライングキャパシタFC1,FC2,FC3,FC4の電圧をE、キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧をEに制御することにより、出力端子U,V,Wから4E,3E,2E,1E,0,−1E,−2E,−3E,−4Eの9レベルの相電圧を出力できる。なお、相電圧の基準点は端子0とする。
【0106】
表3に本実施形態7における代表的なスイッチングパターンを示す。
【0108】
実施形態7は出力できるレベル数が増加するため、必要なスイッチング素子数は増加するが、実施形態1の各相共通のフライングキャパシタを多段化した構成であるので従来構成の
図29を同等のレベル数まで拡張した場合と比較すると、同様にスイッチング素子数を変えずにダイオード素子の数を低減できる。また、レベル数が増加することから、実施例1〜3と比較すると、出力電圧・電流高調波を抑制でき、高調波抑制フィルタを小型化できる。
【0109】
[実施形態8]
図11に、本実施形態8におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を示す。
【0110】
以下、本実施形態8におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を説明する。本実施形態8におけるマルチレベル電力変換装置は、実施形態7のマルチレベル電力変換装置におけるスイッチング素子Su9とSu10,Su11とSu12との間にスイッチング素子Su17,Su18,Su19,Su20を介挿し、スイッチング素子Su17,Su18に対してキャパシタFC3u,スイッチング素子Su19,Su20に対してキャパシタFC2uを並列に接続し、スイッチング素子Su17とSu18,Su19とSu20の共通接続点に次段のスイッチング素子Su13,Su14の一端を接続したものである。すなわち、本実施形態8は最終段のスイッチング素子以外にもスイッチング素子とキャパシタの並列接続回路を設けたものである。
【0111】
相モジュールにおいて、各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位にキャパシタFC1u,FC2u,FC3uの電圧を加算,減算した電位を出力端子から出力する。
【0112】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0113】
本実施形態8では、直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を5E、フライングキャパシタFC1,FC2,FC3,FC4の電圧をE、キャパシタFC1u,FC2u,FC3u,FC1v,FC2v,FC3v,FC1w,FC2w,FC3wの電圧をEに制御することで5E,4E,3E,2E,E,0,−E,−2E,−3E,−4E,−5Eの11レベルの相電圧を出力できる。なお、相電圧の基準点は端子0とする。U相の代表的なスイッチングパターンを表4に示す。
【0115】
本実施形態8は、実施形態7と同様にダイオード素子数が0である。
また、レベル数が増加することから、実施形態7と比較すると、出力電圧・電流高調波を抑制でき、高調波抑制フィルタを小型化できる。
【0116】
[実施形態9]
図12に本実施形態9におけるマルチレベル電力変換装置を示す。
【0117】
図12は、実施形態1のマルチレベル電力変換装置の一相分の回路を、M相N段に拡張したマルチレベル電力変換器装置である。段数N(N=1,2,3…)は、直流電圧源の直列数であり、直流電圧源DCC1〜DCCNは直列に接続されている。
【0118】
この直流電圧源DCC1〜DCCNの負極端にフライングキャパシタFC1,FC3,…,FC2N−1の負極端がそれぞれ接続され、直流電圧源DCC1〜DCCNの正極端にフライングキャパシタFC2,FC4,…,FC2Nの正極端が接続される。
【0119】
本実施形態9のマルチレベル電力変換装置に使用する相モジュールの構成例を
図13に示す。
図13(a)〜(d)に示すように、(a)〜(d)の全てにおいて、出力段のスイッチング素子に対して並列に各相のフライングキャパシタFCM0が設けられている。
図13(a),(b)は相モジュールの入力端子数が4の倍数、
図13(c),(d)は相モジュールの入力端子数が4の倍数以外の偶数の場合の構成例である。
図13(a)と
図13(b)との差異、および、
図13(c)と
図13(d)との差異は、出力段のスイッチング素子に対して並列接続されたキャパシタFCM0以外のキャパシタFCM1〜FCMNの有無である。
【0120】
本実施形態9の回路は、
図12に示すように、相モジュールの入力端子数は4Nで4の倍数であるため、
図13(a)または
図13(b)が選択される。相モジュールの各入力端子は、各相共通のフライングキャパシタFC1〜FCNの正負極端に接続される。
【0121】
また、相電圧のレベル数は、適用する相モジュールの種類および直流電圧源DCC1〜DCCN,各相共通のフライングキャパシタFC1〜FC2N,および相モジュール内の各キャパシタFCM0,FCM1〜FCMNの印加電圧による。
図13(b)の相モジュールを用いた場合では、
図12の直流電圧源DCC1〜DCCNの電圧を4E、フライングキャパシタFC1〜FC2Nおよび
図13(b)の相モジュールのフライングキャパシタFCM0の電圧をEに制御することにより、相電圧レベル数は(4N+1)となる。
【0122】
実施形態1は本実施形態9をN=1,M=3として、
図13の(b)の相モジュールを適用した場合、実施形態7は本実施形態9をN=2,N=3として、
図13(b)の相モジュールを適用し、
図12の直流電圧源DCC1〜DCCNの電圧を4E、フライングキャパシタFC1〜FC2Nの電圧をE、
図13の相モジュールのキャパシタFCM0の電圧をEに制御した場合である。実施形態2は、本実施形態9をN=1,M=3として、
図13(b)の相モジュールを適用し、
図12の直流電圧源DCC1〜DCCNの電圧を5E、フライングキャパシタFC1〜FC2Nの電圧をE、
図13の相モジュールのキャパシタFCM0の電圧を2Eに制御した場合である。実施形態8は本実施形態9をN=2,N=3として、
図13の(a)の相モジュールを適用した場合において、
図12の直流電圧源DCC1〜DCCNの電圧を5E、
図12のフライングキャパシタFC1〜FCNの電圧をE、
図13(a)の相モジュールのキャパシタFCM0,FCM1〜FCMNの電圧をEに制御した場合である。
【0123】
なお、直流電圧源DCC1〜DCCNは、各々において分割してもよい。
【0124】
[実施形態10]
図14に本実施形態10におけるマルチレベル電力変換装置を示す。
【0125】
本実施形態10におけるマルチレベル電力変換装置は、フライングキャパシタFC1〜FC2Nの接続構成が、実施形態9と異なっている。
【0126】
2Nは、直流電圧源の直列数であり、直流電圧源DCC1〜DCC2Nが直列に接続されている。また、フライングキャパシタFC1〜FC2Nの個数も2Nであり、各直流電圧源DCCn(n:奇数)とDCCn+1(n+1:偶数)の共通接続点に第1フライングキャパシタFC1,FC3,…,FCn−1の正極端が接続され、各直流電圧源DCCn(n:奇数)とDCCn+1(n+1:偶数)の共通接続点にフライングキャパシタFC2,FC4,…,FC2Nの負極端が接続される。
【0127】
したがって、本実施形態10では直流電圧源DCC1〜DCC2Nの直列数および各相共通のフライングキャパシタFCC1〜FCC2Nの個数は偶数となる。なお、M≧2である。
【0128】
相モジュールは、直流電圧源DCCn(n:奇数)の負極端,フライングキャパシタFCnの負極端,直流電圧源DCCn+1の正極端,フライングキャパシタFCn+1の正極端を入力端子とする。
【0129】
また、相電圧のレベル数は、適用する相モジュールの種類および直流電圧源DCC1〜DCCN,各相共通のフライングキャパシタFC1〜FC2N、および相モジュール内の各相のキャパシタの印加電圧による。
図14における直流電圧源DCC1〜DCC2Nの電圧を2E、各相共通のフライングキャパシタFC1〜FC2Nおよび
図13(b)に示す相モジュールのキャパシタFCM0の電圧をEに制御することにより、相電圧レベル数は(4N+1)となる。
【0130】
実施形態4は、本実施形態9をN=1,M=3とし、
図13(b)の相モジュールを選択し、
図14の直流電圧源DCC1〜DCCNの電圧を2E、フライングキャパシタFC1〜FC2Nの電圧をE、
図13の相モジュールのキャパシタFCM0の電圧をEに制御したものである。
【0131】
なお、直流電圧源DCC1〜DCC2Nは、各々において分割してもよい。
【0132】
[実施形態11]
図15に、本実施形態11におけるマルチレベル電力変換装置を示す。
【0133】
直流電圧源DCC1,DCC2が直列に接続されている。
【0134】
フライングキャパシタFC1〜FC4Nの接続構成が、実施形態9,10と異なっている。直流電圧源DCC1の負極端にフライングキャパシタFC1〜FCNの負極端が順次直列接続され、直流電圧源DCC1とDCC2の共通接続点にフライングキャパシタFC2N〜FCN+1の正極端が順次直列接続され、直流電圧源DCC1とDCC2の共通接続点にフライングキャパシタFC2N+1〜FC3Nの負極端が順次直列接続され、直流電圧源DCC2の正極端に、フライングキャパシタFC4N〜FC3N+1の正極端が順次直列接続される。
【0135】
相モジュールは、フライングキャパシタFC1の正極端,負極端,フライングキャパシタFC2〜FCNの正極端,フライングキャパシタFCN+1〜FC2Nの負極端,フライングキャパシタFC2N+1〜FC3Nの正極端,フライングキャパシタFC3N+1〜FC4N−1の負極端と、フライングキャパシタFC4Nの正極端,負極端を入力端子とする。
【0136】
4Nは、フライングキャパシタの個数である。したがって、本実施形態11ではフライングキャパシタFC1〜FC4Nの個数は4の倍数となる。なお、M≧2である。
【0137】
本実施形態11の場合、相モジュールの入力端子数4N+2が4の倍数とならない偶数であるため、
図13(c),(d)に示す相モジュールを適用する。
【0138】
また、出力相電圧のレベル数は、適用する相モジュールの種類および直流電圧源DCC1〜DCC2、各相共通のフライングキャパシタFC1〜FC4N、および相モジュール内の各キャパシタFCM0,FCM1〜FCMNの印加電圧による
実施形態6は、本実施形態11をN=1,M=3とし、
図13(d)の相モジュールを使用し、
図15の直流電圧源DCC1〜DCCNの電圧を3.5E、フライングキャパシタFC1、FC4Nの電圧をE、フライングキャパシタFC2N、FC2N+1の電圧を1.5E、
図13の相モジュールのキャパシタFCM0の電圧を2Eに制御した場合の例である。
【0139】
なお、直流電圧源DCC1〜DCC2は、各々において分割してもよい。
【0140】
[実施形態12]
図16に、本実施形態12におけるマルチレベル電力変換装置を示す。
【0141】
直流電圧源DCC1,DCC2が直列に接続されている。
【0142】
本実施形態12は、M相でフライングキャパシタFC1〜FC2Nを共通にしたM相N段マルチレベル変換装置である。実施形態9〜実施形態11とは、フライングキャパシタFC1〜FC2Nの接続構成が異なっている。
【0143】
直流電圧源DCC1の負極端に、フライングキャパシタFC1〜FCNの負極端が順次直列接続され、直流電圧源DCC2の正極端に、フライングキャパシタFC2N〜FCN+1の正極端が順次直列接続される。
【0144】
2Nは、フライングキャパシタFC1〜FC2Nの個数である。したがって、本構成ではフライングキャパシタFC1〜FC2Nの個数は偶数となる。なお、M≧2である。
【0145】
相モジュールは、フライングキャパシタFC1の正極端,負極端,フライングキャパシタFC2〜FCNの正極端,フライングキャパシタFCN+1〜FC2N−1の負極端,フライングキャパシタFC2Nの正極端,負極端を入力端子とする。
【0146】
本実施形態12の場合、相モジュールの入力端子数2N+2が4の倍数とならない場合がある。相モジュールの入力端子数2N+2が4の倍数の場合、
図13(a),(b)に示す相モジュールを適用し、相モジュールの入力端子数2N+2が4の倍数でない偶数の場合、
図13(c),(d)に示すような入力端子数が適合している相モジュールを適用する。
【0147】
また、相電圧のレベル数は、適用する相モジュールの種類および直流電圧源DCC1〜DCC2,フライングキャパシタFC1〜FC4N、および相モジュール内の各キャパシタの印加電圧による。
【0148】
実施形態5は、
図16をN=2、M=3とし、
図13(d)の相モジュールを使用し、
図15の直流電圧源DCC1〜DCCNの電圧を3.5E、フライングキャパシタFC1〜FC2Nの電圧をE、
図13の相モジュールのキャパシタFCM0の電圧を2Eに制御した場合の例である。
【0149】
なお、直流電圧源DCC1〜DCC2は、各々において分割してもよい。なお、直流電圧源DCC1とDCC2を1つの直流電圧源に統合してもよい。
【0150】
[実施形態13]
図17に、本実施形態13におけるマルチレベル電力変換装置を示す。
【0151】
図17は、M相共通の直流電圧源を(2N+2)個に分割したマルチレベル変換装置である(N=1,2,3,…)。すなわち、直流電圧源DCC1〜DCC2N+2が直列接続されている。
【0152】
相モジュールの各入力端子は、直流電圧源DCC1〜DCC2N+2と接続する。具体的には、直流電圧源DCC1,DCC2N+2の正極端,負極端,直流電圧源DCC2〜DCCNの正極端,直流電圧源DCCN+3〜DCC2N+1の負極端を入力端子とする。すなわち、直流電圧源同士の共通接続点の中で、直流電圧源DCCN+1とDCCN+2との接続点のみは相モジュールと接続しない。なお、M≧2である。
【0153】
本実施形態13の場合、相モジュールの入力端子数2N+2が4の倍数とならない場合がある。相モジュールの入力端子数2N+2が4の倍数の場合、
図13(a),(b)に示す相モジュールを適用し、相モジュールの入力端子数2N+2が4の倍数でない偶数の場合、
図13(c),(d)に示すような入力端子数が適合している相モジュールを適用する。
【0154】
また、相電圧のレベル数は、適用する相モジュールの種類および直流電圧源DCC1〜DCC2N+2、および相モジュール内の各キャパシタの印加電圧による。
【0155】
実施形態3は、
図17をN=1、M=3とし、
図13(b)の相モジュールを使用し、
図17の直流電圧源DCC1〜DCC2N+2の電圧をE、
図13の相モジュールのキャパシタFCM0の電圧をEに制御した場合の例である。
【0156】
なお、直流電圧源DCC1〜DCC2N+2は、各々分割してもよい。また、直流電圧源DCCN+1とDCCN+2を1つの直流電圧源に統合してもよい。
【0157】
[実施形態14]
実施形態14〜17におけるマルチレベル電力変換装置で用いる基本セルを
図18に示す。基本セルはフライングキャパシタFC1と半導体素子(例えば、IGBT)Sf1,Sf2,Sf3,Sf4とを備え、M相で共通化する。以上のように、各相共通の基本セルを設けることで、使用するスイッチング素子(半導体素子含む)数を低減することが可能となる。
【0158】
端子3は装置の直流電圧源(キャパシタまたは直流電源)の正極と接続し、端子1は装置の直流電圧源(キャパシタまたは直流電源)の負極と接続する。端子2は装置の相モジュールと接続する。相モジュールに関しては、後述する。
【0159】
図18の基本セルをN個直列に接続した構成が
図19である。ここで、N≧2とする。端子2N+1,2N−1には直流電圧源(キャパシタまたは直流電源)を接続する。端子2Nには相モジュールを接続する。
【0160】
図19の基本セルを使用した実施形態14におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を
図20に示す。
【0161】
以下、本実施形態14におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を
図20に基づいて説明する。本実施形態14におけるマルチレベル電力変換装置は、各相共通の直流電圧源DCC1,DCC2,第1,第2基本セル10a,10bを備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。
【0162】
以下、具体的な回路構成をU相を例にとって説明する。直流電圧源(直流キャパシタまたは直流電源)DCC1,DCC2が直列に接続され、この直流電圧源DCC1,DCC2の共通接続点(中性点)を端子0としている。
【0163】
第1,第2基本セル10a,10bは、各直流電圧源DCC1,DCC2の正極端に一端が接続された半導体素子Sf1a,Sf1bと、各直流電圧源DCC1,DCC2の負極端に一端が接続された半導体素子Sf2a,Sf2bと、半導体素子Sf1a,Sf1bの他端と、半導体素子Sf2a,Sf2bの他端との間に接続されたフライングキャパシタFC1,FC2と、半導体素子Sf1a,Sf1bとフライングキャパシタFC1,FC2の共通接続点と、半導体素子Sf2a,Sf2bとフライングキャパシタFC1,FC2の共通接続点と、の間に直列接続された半導体素子Sf3a,Sf4a,Sf3b,Sf4bと、を備えている。基本セル10a,10bは、半導体素子Sf1a,Sf1bとSf4a,Sf4b、または、Sf2a,Sf2bとSf3a,Sf3bをONすることにより、E,−Eレベルの電圧を相モジュールに出力する。
【0164】
各相の相モジュールには、半導体素子Sf2aの一端と、半導体素子Sf3a,Sf4aの共通接続点と、半導体素子Sf3b,Sf4bの共通接続点と、半導体素子Sf1bの一端と、が入力端子として接続される。
【0165】
各入力端子にスイッチング素子Su1〜Su4の一端を接続し、隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の他端同士を接続する。隣り合うスイッチング素子Su1とSu2,Su3とSu4の共通接続点にスイッチング素子Su5a,Su6aの一端を接続し、最終段のスイッチング素子Su5a,Su6aの他端間にスイッチング素子Su5b,Su6bを介して、出力段のスイッチング素子Su7,Su8を順次直列接続する。出力段のスイッチング素子Su7,Su8に対してキャパシタFC1uを並列に接続し、出力段のスイッチング素子Su7,Su8の共通接続点を出力端子Uとする。なお、スイッチング素子Su5b,Su6bは耐電圧のためにスイッチング素子Su5a,Su6aに直列接続されたものである。
【0166】
この相モジュールの各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位、または、前記入力端子のうち何れかの端子の電位にキャパシタFC1uの電圧を加算,減算した電位を出力端子Uから出力することができる。
【0167】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0168】
このような回路構成において、直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を2E,フライングキャパシタFC1,FC2,キャパシタFC1u,FC1v,FC1wの電圧をEに制御することにより、出力端子U,V,Wから2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力できる。 U相の代表的なスイッチングパターンを
図21に示す。図中の○は導通している半導体素子,スイッチング素子を表す。
図21に示した経路で2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力することが可能である。
【0169】
本実施形態14では、使用するスイッチング素子(半導体素子Sf1a〜Sf4a,Sf1b〜Sf4b含む)の数を38個に削減できる。(
図30の従来回路のスイッチング素子の数は48個であり、
図31の従来回路のスイッチング素子の数は44個である。)さらに、スイッチング素子を駆動するためのゲート駆動回路などを削減できるため、低コスト化を実現できる。
【0170】
また、基本セル10a,10bのスイッチング素子Sf3aとSf4a,Sf3bとSf4bの共通接続点の電圧レベルをE,−E(電圧基準点は各直流電圧源DCC1〜DCCNの負極端子とする)に限定することにより、充放電の自由度を確保できるため、制御の簡易化を図ることが可能となる。
【0171】
先行技術である
図31の回路はスイッチングパターンの中に、直流電圧源DCC1とフライングキャパシタFC1,直流電圧源DCC2とフライングキャパシタFC2を短絡してしまう組み合わせがあったが、本実施形態14の構成では短絡するパターンが存在しない。
【0172】
その理由について
図22を用いて説明する。図中の○は導通している素子を表す。各相共通の基本セル10a,10bは、
図22のように2パターンのスイッチングしか行わない。したがって、どのような電圧レベルを出力する場合でも半導体素子Sf1,Sf2を同時にONすることがないため、直流電圧源DCC1とフライングキャパシタFC1,直流電圧源DCC2とフライングキャパシタFC2の短絡が発生せずにフライングキャパシタFC1,FC2の接続パターンを切り換えることができる。電流に応じて接続パターンを切り換えることでフライングキャパシタFC1,FC2に流出入する電流を切り換え充放電が行えることから、フライングキャパシタFC1,FC2の充放電の自由度が確保できていることがわかる。
【0173】
[実施形態15]
本実施形態15におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を
図23に示す。以下、本実施形態15におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を
図23に基づいて説明する。本実施形態15におけるマルチレベル電力変換装置は、各相共通の直流電圧源DCC1,DCC2,第1,第2基本セル10a,10bを備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。
【0174】
以下、具体的な回路構成をU相を例にとって説明する。直流電圧源DCC1,DCC2と基本セル10a,10bとの接続については、実施形態14と同様である。
【0175】
各相の相モジュールには、半導体素子Sf2aの一端と、半導体素子Sf3a,Sf4aの共通接続点と、半導体素子Sf3b,Sf4bの共通接続点と、半導体素子Sf1bの一端と、半導体素子Sf1a,Sf2bの共通接続点と、が入力端子として接続される。
【0176】
前記相モジュールは、半導体素子Sf2aの一端にスイッチング素子Su1aの一端を接続、半導体素子Sf1bの一端にスイッチング素子Su1bを接続する。半導体素子Sf3a,Sf4aの共通接続点にスイッチング素子Su2aの一端を接続し、半導体素子Sf3b,Sf4bの共通接続点にスイッチング素子Su2bを接続する。
【0177】
スイッチング素子Su1aとSu2a,Su1bとSu2bの他端同士を接続し、スイッチング素子Su1aとSu2a,Su1bとSu2bの共通接続点にスイッチング素子Su3a,Su3bの一端を接続する。
【0178】
スイッチング素子Su3aの他端に、スイッチング素子Su4aを接続し、スイッチング素子Su3bの他端とスイッチング素子Su5aを接続する。ここで、スイッチング素子Su4a,Su4b,Su5b,Su5aを直列接続して直列回路を構成している。
【0179】
半導体素子Sf1aと半導体素子Sf2bの共通接続点に、ダイオードDu1aのカソードとダイオードDu2aのアノードを接続し、ダイオードDu1aとダイオードDu2aに対して並列にスイッチング素子Su4a,Su4b,Su5b,Su5aを直列接続した直列回路が接続される。なお、ダイオードDu1a,Du2a,スイッチング素子Su4a,Su5aには、耐電圧のために、ダイオードDu1b,Du2b,スイッチング素子Su4b,Su5bが直列接続される。
【0180】
スイッチング素子Su4b,Su5bの共通接続点を出力端子とし、各スイッチング素子を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位を出力端子から出力する。
【0181】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0182】
このような回路構成において、直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を2E,フライングキャパシタFC1,FC2の電圧をEに制御することにより、出力端子U,V,Wから2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力できる。U相の代表的なスイッチングパターンを
図24に示す。図中の○は導通している半導体素子,スイッチング素子を表す。
図24に示した経路で2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力することが可能である。
【0183】
本実施形態14では、使用するスイッチング素子(半導体素子を含む)の数を38個に削減できる。(
図30の従来回路のスイッチング素子の数は48個である。
図31の従来回路のスイッチング素子の数は44個である。)さらに、スイッチング素子を駆動するためのゲート駆動回路などを削減できるため、低コスト化を実現できる。
【0184】
また、基本セル10a,10bを使用し基本セル10a,10bから出力される電圧レベルをE,−Eに限定することにより、充放電の自由度を確保できるため、制御の簡易化を図ることが可能となる。
【0185】
また、
図33の回路と比較して共通部の損失低減が見込まれる。
【0186】
[実施形態16]
本実施形態16におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を
図25に示す。以下、本実施形態16におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を
図25に基づいて説明する。本実施形態16におけるマルチレベル電力変換装置は、各相共通の直流電圧源DCC1,DCC2,第1,第2基本セル10a,10bを備え、各相にそれぞれ設けられた相モジュールにより、電圧を選択して出力端子U,V,Wから出力する。
【0187】
以下、具体的な回路構成をU相を例にとって説明する。直流電圧源DCC1,DCC2と基本セル10a,10bとの接続については、実施形態14,15と同様である。
【0188】
各相の相モジュールには、半導体素子Sf2aの一端と、半導体素子Sf3a,Sf4aの共通接続点と、半導体素子Sf3b,Sf4bの共通接続点と、半導体素子Sf1bの一端と、半導体素子Sf1a,Sf2bの共通接続点と、が入力端子として接続される。
【0189】
前記相モジュールは、半導体素子Sf2aの一端にスイッチング素子Su1aの一端を接続し、半導体素子Sf1bの一端にスイッチング素子Su1bを接続する。半導体素子Sf3a,Sf4aの共通接続点にスイッチング素子Su2aの一端を接続し、半導体素子Sf3b,Sf4bの共通接続点にスイッチング素子Su2bを接続する。
【0190】
スイッチング素子Su1aとSu2a,Su1bとSu2bの他端同士を接続し、スイッチング素子Su1aとSu2a,Su1bとSu2bの共通接続点にスイッチング素子Su3a,Su3bの一端を接続する。
【0191】
半導体素子Sf1aと半導体素子Sf2bの共通接続点に双方向スイッチの一端を接続し、双方向スイッチの他端とスイッチング素子Su3a,Su3bの他端を接続する。本実施形態16では、スイッチング素子Su4,Su5を逆接続することにより、双方向スイッチが構成されている。スイッチング素子Su3a,Su3bと、双方向スイッチの共通接続点を出力端子とし、各スイッチング素子(半導体素子を含む)を選択的にON,OFF制御することにより、前記入力端子のうち何れかの端子の電位を出力端子から出力する。
【0192】
なお、V相,W相についても同様に構成される。
【0193】
このような回路構成において、直流電圧源DCC1,DCC2の電圧を2E,フライングキャパシタFC1,FC2の電圧をEに制御することにより、出力端子U,V,Wから2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力できる。U相の代表的なスイッチングパターンを
図26に示す。図中の○は導通している半導体素子,スイッチング素子を表す。
図26に示した経路で2E,E,0,−E,−2Eの5レベルの相電圧を出力することが可能である。
【0194】
本実施形態16では、使用するスイッチング素子(半導体素子を含む)の数を32個に削減できる。さらに、スイッチング素子を駆動するためのゲート駆動回路などを削減できるため、低コスト化を実現できる。
【0195】
また、基本セル10a,10bを使用し、基本セル10a,10bから出力される電圧レベルをE,−Eに限定することにより、充放電の自由度を確保できるため、制御の簡易化を図ることが可能となる。
【0196】
[実施形態17]
本実施形態17におけるマルチレベル電力変換装置の回路構成を
図27示す。この回路は、フライングキャパシタFC1〜FCNを三相で共通化している。
【0197】
図27のマルチレベル電力変換装置は、直流電圧源DCC1〜DCCNと、
図18の基本セルをN段に拡張した回路と、M相の相モジュールを用いてM相N段に構成している。なお、N≧2,M≧3である。また、実施形態14,15,16は
図27の回路においてN=2、M=3としたものである。
【0198】
各相共通のN個の直流電圧源DCC1〜DCCNを直列に接続する。直流電圧源DCC1〜DCCNの正極端に半導体素子Sf1a〜Sf1nの一端が接続され、直流電圧源DCC1〜DCCNの負極端に半導体素子Sf2a〜Sf2nの一端が接続される。基本セル10a〜10nの構成は実施形態14と同様である。
【0199】
基本セル10a〜10nの端子1,2,3,…,2N−1,2N,2N+1を相モジュールの入力端子とする。なお、端子3,端子2N−1は必ずしも各相モジュールに接続しなくてもよい。実施形態14は、
図27の端子3および端子2N−1を各相モジュールに接続していない例である。
【0200】
ここで、直流電圧源DCC1〜DCCNの電圧を2Eとし、フライングキャパシタFC1〜FCNの電圧をEに制御すると、2N+1レベルの相電圧を出力することができる。
【0202】
図28(b)は、端子1,2,2N,2N+1にスイッチング素子S1a,S2a,S2b,S1bの一端を接続し、隣り合う2つのスイッチング素子S1aとS2a,S2bとS1bの他端同士を接続し、他端同士を接続したスイッチング素子S1aとS2a,S2bとS1bの共通接続点にスイッチング素子S3a,S3bの一端を接続する。
【0203】
スイッチング素子S3aの他端に、スイッチング素子S4aとスイッチング素子S5aを直列接続した直列回路の一端を接続し、スイッチング素子S3bの他端に、スイッチング素子S4bとスイッチング素子S5bとを直列接続した直列回路を接続する。
【0204】
端子3,2N−1には、ダイオードD11,D1nのカソードとダイオードD21,D2nのアノードが接続される。ダイオードD11とD21,D1nとD2nには、並列にスイッチング素子S4aとS5aとを直列接続した直列回路,S4bとS5bとを直列接続した直列回路が接続される。スイッチング素子S4aとS5a,S4bとS5bの共通接続点にスイッチング素子S8,S7の一端が接続される。スイッチング素子S7,S8の他端同士を接続し、その共通接続点を出力端子とする。
【0205】
実施形態15では、端子3と端子2N−1を一つとし、スイッチング素子S4b,S5bの共通接続点を出力端子Uとしている。また、耐電圧化のために、ダイオードDu1aとDu1b,Du2aとDu2b,Su4aとSu4b,Su5aとSu5bを直列接続している。
【0206】
図28(c)は、端子1,2N+1にスイッチング素子S1a,S1bの一端を接続し、端子2,2Nにスイッチング素子S2a,S2bの一端を接続し、スイッチング素子S1aとS2a,S1bとS2bの他端同士を接続し、スイッチング素子S1aとS2a,S1bとS2bの共通接続点にスイッチング素子3a,3bの一端を接続する。
【0207】
また、端子3,2N−1に双方向スイッチの一端を接続し、双方向スイッチの他端とスイッチング素子S3a,S3bの他端を接続し、スイッチング素子S3a,S3bと、双方向スイッチの共通接続点を出力端子とする。なお、実施形態16では、端子3と2N−1を1つとしている。
【0208】
相モジュールは、その内部のスイッチング素子のON/OFF動作によって、入力端子1,2,…,2N+1のいずれかを出力端子OUTに選択接続する機能を持つ。
【0209】
また、
図27に示すように直流電圧源DCC1〜DCCNから各相の相モジュールへ入力するまでの回路群(すなわち、直流電圧源DCC1〜DCCNと基本セル10a〜10n)を、直流電圧群1〜Nとする。
図27において、1つの直流電圧群1〜Nから相モジュールへ入力される電圧レベルは、0,E,2Eの3レベルである。(電圧基準点は、直流電圧群の直流電圧源DCC1〜DCCNの負極端子とする。)
また、ある直流電圧群の電圧レベル2Eと、その1つ上段の直流電圧群の電圧レベル0は、相モジュールの出力端子から見ると同じ相電圧となる。直流電圧群がN段ある構成では、上記のように電圧レベルが重なる部位が(N−1)箇所ある。したがって、
図27において、出力端子OUT1〜OUTMには、(3N−(N−1))=(2N+1)レベルの電圧を出力できる。
【0210】
実施形態14は
図28(d)の相モジュール、実施形態15は
図28(b)の相モジュール、実施形態16は
図28(c)の相モジュールを使用した場合の例である。実施形態14〜16の直流電圧群数N=2なので、出力電圧のレベル数は5レベルとなっている。