特許第6206134号(P6206134)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000002
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000003
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000004
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000005
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000006
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000007
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000008
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000009
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000010
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000011
  • 特許6206134-印刷システムおよびプログラム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206134
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】印刷システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20170925BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   G06F3/12 302
   G06F3/12 343
   G06F3/12 387
   B41J29/38 Z
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-245755(P2013-245755)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2015-103205(P2015-103205A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽我 和浩
【審査官】 佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−232836(JP,A)
【文献】 特開2006−134110(JP,A)
【文献】 特開2013−210781(JP,A)
【文献】 特開平10−254912(JP,A)
【文献】 特開2013−210783(JP,A)
【文献】 特開2010−113557(JP,A)
【文献】 特開2002−150010(JP,A)
【文献】 特開2011−107826(JP,A)
【文献】 特開2002−056013(JP,A)
【文献】 特開2008−282100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09− 3/12
B41J 29/00−29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象者に関する印刷対象者情報と、前記印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを特定する情報である特定情報とを取得する印刷対象取得手段と、
それぞれが複数の商品やサービスに関して複数の投稿者が投稿した投稿情報と前記投稿者に関する投稿者情報とを含む複数のデータベースのうちいずれかを、前記印刷対象者情報と前記複数のデータベースにそれぞれ含まれる前記投稿者情報とに基づいて選択するデータベース選択手段と、
前記特定情報に基づいて、前記選択されたデータベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する投稿情報選択手段と、
前記印刷対象者を示す画像と前記特定情報および前記選択された投稿情報が示す画像とを印刷手段が印刷するよう制御する印刷制御手段と、
を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
記投稿情報選択手段は、前記特定情報と前記印刷対象者情報とに基づいて、前記データベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記投稿情報選択手段は、前記特定情報に基づいて前記データベースから予め定められたキーワードを含まない投稿情報のうちいずれかを選択する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記データベース選択手段は、投稿者の多さを示す情報と、前記印刷対象者情報とに基づいて、前記複数のデータベースのうちいずれかを選択する、
ことを特徴とする請求項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記投稿情報選択手段は、前記複数の投稿情報の文字列の長さと、選択された投稿情報が印刷される領域の大きさとに基づいて、前記データベースから前記複数の投稿情報のうちいずれかを選択する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の印刷システム。
【請求項6】
印刷対象者に関する印刷対象者情報と、前記印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを特定する情報である特定情報とを取得する印刷対象取得手段、
それぞれが複数の商品やサービスに関して複数の投稿者が投稿した投稿情報と前記投稿者に関する投稿者情報とを含む複数のデータベースのうちいずれかを、前記印刷対象者情報と前記複数のデータベースにそれぞれ含まれる前記投稿者情報とに基づいて選択するデータベース選択手段、
前記特定情報に基づいて、前記選択されたデータベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する投稿情報選択手段、
前記印刷対象者を示す画像と前記特定情報および前記選択された投稿情報が示す画像とを印刷手段が印刷するよう制御する印刷制御手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項7】
印刷対象者に関する印刷対象者情報と、前記印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを特定する情報である特定情報とを取得する印刷対象取得手段と、
前記特定情報に基づいて、複数の商品またはサービスに関して複数の投稿者が投稿した複数の投稿情報を含むデータベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する投稿情報選択手段と、
前記印刷対象者を示す画像と前記特定情報および前記選択された投稿情報が示す画像とを印刷手段が印刷するよう制御する印刷制御手段と、
を含み、
前記投稿情報選択手段は、前記複数の投稿情報の文字列の長さと、選択された投稿情報が印刷される領域の大きさとに基づいて、前記データベースから前記複数の投稿情報のうちいずれかを選択する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
印刷対象者に関する印刷対象者情報と、前記印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを特定する情報である特定情報とを取得する印刷対象取得手段、
前記特定情報に基づいて、複数の商品またはサービスに関して複数の投稿者が投稿した複数の投稿情報を含むデータベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する投稿情報選択手段、
前記印刷対象者を示す画像と前記特定情報および前記選択された投稿情報が示す画像とを印刷手段が印刷するよう制御する印刷制御手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記投稿情報選択手段は、前記複数の投稿情報の文字列の長さと、選択された投稿情報が印刷される領域の大きさとに基づいて、前記データベースから前記複数の投稿情報のうちいずれかを選択する、
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、例えば請求書の発行などで、予め決められた様式に対して住所や名前、請求額などの可変の情報を印刷するバリアブル印刷技術が用いられている。バリアブル印刷技術を用いて、請求書に広告を印刷することも行われている。
【0003】
特許文献1には、SNSサイトにおいてユーザの端末装置に、そのユーザに関連する関連者IDを有するユーザが評判情報を残したコンテンツや、その中でそのユーザの現在位置から予め決められた範囲内の所在地情報を含むコンテンツを表示させることが記載されている。特許文献2には、インターネット上のWebサイトにある記事を検索キーワードに基づいて検索し、またその記事の文章を解析して消費者の行動を示す情報を取得することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−191979号公報
【特許文献2】特開2011−107826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、単に商品やサービスの定型的な広告を印刷する場合よりもその商品やサービスに関する広告の訴求力を大きくする印刷システムやプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は印刷システムであって、印刷対象となる印刷対象者の属性を示す印刷対象者情報と、前記印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを特定する情報である特定情報とを取得する印刷対象取得手段と、前記特定情報に基づいて、複数の商品またはサービスに関して複数の投稿者が投稿した複数の投稿情報を含むデータベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する投稿情報選択手段と、前記印刷対象者を示す画像と前記特定情報および前記選択された投稿情報が示す画像とを印刷手段が印刷するよう制御する印刷制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は請求項1に記載の発明において、前記データベースは、前記複数の投稿者の属性を示す投稿者情報をさらに含み、前記投稿情報選択手段は、前記特定情報と前記印刷対象者情報とに基づいて、前記データベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する、ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は請求項1または2に記載の発明において、前記投稿情報選択手段は、前記特定情報に基づいて前記データベースから予め定められたキーワードを含まない投稿情報のうちいずれかを選択する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は請求項1から3のいずれかに記載の発明において、それぞれが複数の商品やサービスに関して複数の投稿者が投稿した投稿情報と前記複数の投稿者の属性を示す投稿者情報とを含む複数のデータベースのうちいずれかを、前記複数のデータベースに含まれる投稿者情報と前記印刷対象者情報とに基づいて選択するデータベース選択手段をさらに含み、前記投稿情報選択手段は、前記選択されたデータベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は請求項4に記載の発明において、前記データベース選択手段は、それぞれの属性を有する投稿者の多さを示す情報と、前記印刷対象者情報とに基づいて、前記複数のデータベースのうちいずれかを選択する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は請求項1から5のいずれかに記載の発明において、前記投稿情報選択手段は、前記複数の投稿情報の文字列の長さと、選択された投稿情報が印刷される領域の大きさとに基づいて、前記データベースから前記複数の投稿情報のうちいずれかを選択する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、印刷対象となる印刷対象者の属性を示す印刷対象者情報と、前記印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを特定する情報である特定情報とを取得する印刷対象取得手段、前記特定情報に基づいて、複数の商品またはサービスに関して複数の投稿者が投稿した複数の投稿情報を含むデータベースから前記複数の投稿情報のいずれかを選択する投稿情報選択手段、前記印刷対象者を示す画像と前記特定情報および前記選択された投稿情報が示す画像とを印刷手段が印刷するよう制御する印刷制御手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,7に記載の発明によれば、単に商品やサービスの定型的な広告を印刷する場合よりも、その商品やサービスに関する広告の訴求力を大きくすることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、印刷対象者に応じて投稿情報を選択しない場合より印刷対象者に対する広告の訴求力をより大きくすることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、印刷対象者に見せるのに適切ではない表現を含む投稿情報が印刷されてしまうことを防ぐことができる。
【0016】
請求項4,5に記載の発明によれば、本構成を有さない場合よりも印刷対象者に対する広告の訴求力を大きくすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、投稿情報を印刷する領域の大きさに収まる投稿情報を印刷対象者に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態にかかる印刷システムの機器構成の一例を示す図である。
図2】プリントサーバ、クライアント装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態にかかる印刷システムの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】印刷システムで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
図5】バリアブルデータの一例を示した図である。
図6】データベース選択部および投稿情報選択部の処理の一例を示す図である。
図7】データベース選択部および投稿情報選択部の処理の一例を示す図である。
図8】印刷対象者との関連度を算出する処理の一例を示す図である。
図9】各データベースの順位を決定する処理の一例を説明する図である。
図10】印刷制御部における印刷内容の一例を表した図である。
図11】変形例において各データベースの順位を決定する処理の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0020】
本実施形態にかかる印刷システムは、印刷物の対象とされる印刷対象者(例えば印刷物の受取人)の情報と、印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを示す画像と、商品またはサービスに関するユーザの投稿とを印刷するためのものである。また、本実施形態にかかる印刷システムは、複数の印刷物に共通する様式(テンプレート)に対し、印刷対象者ごとに異なる商品やサービスに関する印刷内容を順次差し替えながら印刷を行う。このような印刷方式のことをバリアブル印刷という。バリアブル印刷は、複数の印刷対象者に対する請求書やクレジットカードの利用明細などの印刷に用いられる。
【0021】
[1.印刷システムの構成]
図1は、本実施形態にかかる印刷システムの機器構成の一例を示す図である。同図に示すように、印刷システム1は、サーバコンピュータなどにより構成されたプリントサーバ2と、パーソナルコンピュータなどにより構成されたクライアント装置3と、印刷装置であるプリンタ4とを含んでいる。プリントサーバ2とプリンタ4とはバスやネットワークを介して接続され、相互にデータの授受が可能である。なお、印刷システム1を構成するクライアント装置3、プリンタ4のそれぞれの台数は複数であってもよいし、プリントサーバ2がプリンタ4を含んで構成されるようにしてもよい。
【0022】
SNSサーバ5は、サーバコンピュータなどにより構成される。SNSサーバ5は、例えば利用者同士の交流を促進するコミュニティ型の会員制のSNS(Social Networking Service)や、コメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているブログ、電子掲示板などのサービスを提供するサーバである。このような各種サービスを提供するため、SNSサーバ5は、利用者から発信された投稿(メッセージ)を示す投稿情報や、利用者(投稿者)の属性を示す情報(以降、投稿者情報とも呼ぶ)などを管理する。本実施形態では、SNSサーバ5はサービスやコミュニティの種類に応じて複数存在する。
【0023】
また、プリントサーバ2と、クライアント装置3と、複数のSNSサーバ5とは、インターネットなどのデータ通信可能なネットワーク6に接続され、各装置がそれぞれ遠隔地に設置されるものであっても相互にデータの授受が可能である。なお、プリントサーバ2とクライアント装置3とはローカルエリアネットワークにより接続されるものであってもよく、この場合、プリントサーバ2とクライアント装置3とは、一つの企業内、建物内などの限られた地域に設置される。
【0024】
本実施形態において、クライアント装置3は、印刷システム1の利用者からの操作を受付けて、印刷対象者の氏名や住所、請求金額などを示す印刷対象者の情報(以降、印刷対象者情報とも呼ぶ)と、印刷対象者に提案する商品やサービスを特定する情報(以降、商品特定情報とも呼ぶ)とをプリントサーバ2に送信する。すると、プリントサーバ2は、上記送信された商品情報の商品やサービスに関する第三者からの投稿を示す投稿情報を複数のSNSサーバ5のうちいずれかから取得し、印刷対象者情報と商品情報により示される画像と投稿情報とを含む印刷ジョブをプリンタ4に送信して、プリンタ4に印刷処理を実行させる。
【0025】
例えば、印刷システム1が印刷対象者に送付する請求書を印刷する場合、印刷対象者情報は、請求書の受取人である印刷対象者の氏名や住所、請求金額に関する情報を含み、商品特定情報は、商品名やサービス名を含み、プリントサーバ2は、印刷対象者の氏名、住所、請求金額と、印刷対象者に対する広告として、印刷対象者に提案する商品の画像と、この商品に対する感想などの投稿とをプリンタ4に印刷させる。
【0026】
図2は、プリントサーバ2、クライアント装置3、SNSサーバ5のハードウェア構成の一例を示す図である。プリントサーバ2、クライアント装置3、SNSサーバ5のそれぞれは、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、入出力部14とを含んで構成される。
【0027】
制御部11は、記憶部12に格納されているプログラムに従って動作する。また制御部11は通信部13、入出力部14を制御する。なお、上記プログラムは、インターネットなどを介して提供されるものであってもよいし、フラッシュメモリやDVD−ROMなどのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
【0028】
記憶部12は、RAMやフラッシュメモリなどのメモリ素子やハードディスクドライブによって構成されている。記憶部12は、上記プログラムを格納する。また、記憶部12は、各部から入力される情報や演算結果を格納する。
【0029】
通信部13は、他の装置と通信する機能を実現するものであり、例えば有線LANの通信用集積回路やコネクタ、無線LANの集積回路やアンテナなどにより構成されている。通信部13は、制御部11の制御に基づいて、他の装置から受信した情報を制御部11や記憶部12に入力し、他の装置にデータを送信する。
【0030】
入出力部14は、表示出力デバイスを制御するビデオコントローラや、入力デバイスからのデータを取得するコントローラなどにより構成される。入力デバイスとしては、キーボード、マウス、タッチパネルなどがある。入出力部14は、制御部11の制御に基づいて、表示出力デバイスに表示データを出力し、入力デバイスをユーザが操作することにより入力されるデータを取得する。表示出力デバイスは、例えば外部に接続されるディスプレイ装置である。
【0031】
[2.印刷システムにおいて実現される機能群]
図3は、印刷システム1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、クライアント装置3には、機能的に印刷対象情報生成部20と、印刷対象情報送信部21とが含まれている。プリントサーバ2には、機能的に印刷対象情報取得部22と、データベース選択部23と、投稿情報選択部24と、印刷制御部25とが含まれている。これらの機能は、例えば制御部11が記憶部12に格納されたプログラムを実行し、制御部11が通信部13を制御することによって実現される。
【0032】
また、クライアント装置3には、機能的には個人情報格納部30と、商品情報格納部31とが含まれている。プリントサーバ2には、データベース情報格納部32と、禁止キーワード格納部33と、フォームデータ格納部34と、商品画像格納部35とが含まれている。SNSサーバ5は、機能的にはデータベース40を含んでいる。これらの機能は、主に記憶部12により実現される。なお、個人情報格納部30と、商品情報格納部31と、データベース情報格納部32と、禁止キーワード格納部33と、フォームデータ格納部34と、商品画像格納部35とは、クライアント装置3やプリントサーバ2に含まれる以外にも、バスやネットワークを介して接続される他の機器(記憶装置や情報処理装置など)により実現されるようにしてもよい。
【0033】
[3.印刷システムで実行される処理]
図4は、印刷システム1で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。以下ではシーケンス図に従って、印刷システム1が実現する機能について説明する。
【0034】
[3−1.印刷対象者情報と商品特定情報の生成]
印刷対象情報生成部20は、主にクライアント装置3の制御部11により実現される。印刷対象情報生成部20は、印刷対象となる印刷対象者の属性を示す印刷対象者情報と、この印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを特定する情報である商品特定情報とを生成する(ステップS101)。
【0035】
印刷対象情報生成部20は、例えば複数の印刷対象者情報および商品特定情報が格納されたデータ(以降、バリアブルデータとも呼ぶ)を生成する。図5は、バリアブルデータの一例を示した図である。図5に示すように、バリアブルデータには、印刷対象者情報として、例えば印刷対象者の氏名、住所、性別、年齢と、印刷対象者のお気に入りのURLやSNSのコミュニティを特定する情報を示す利用SNSなどの情報が含まれる。また、バリアブルデータには、商品特定情報として、例えば商品名やサービス名などの情報が含まれる。
【0036】
ここで、個人情報格納部30には、印刷対象者の各種個人情報(氏名、住所、性別、利用SNSの情報)が予め格納されている。なお、個人情報格納部30には、個人情報として、例えば印刷対象者の職業や趣味、家族構成、商品などの購入に対する請求金額、クレジットカードの利用明細などの情報が格納されていてもよい。印刷対象情報生成部20は、印刷対象者についての個人情報の一部を含む印刷対象者情報(バリアブルデータ)を生成する。
【0037】
また、商品情報格納部31には、商品やサービスを特定する情報として、例えば商品名や商品の型番、サービス名、提供元などの情報が予め格納されている。なお、商品情報格納部31には、商品やサービスに関する複数種類の情報を一意に識別するID(以降、商品IDとも呼ぶ)が格納されていてもよい。印刷対象情報生成部20は、印刷対象者に提案する商品またはサービスについて、これらを特定する情報の一部を含む商品特定情報(バリアブルデータ)を生成する。
【0038】
なお、印刷対象情報生成部20は、ユーザによる入力操作を受け付けて印刷対象者情報および商品特定情報を取得するようにしてもよい。印刷対象情報生成部20は、例えば印刷対象者の情報と、印刷対象者に提示する商品またはサービスの入力を要請する入力画面をクライアント装置3の入出力部14に表示させ、入力画面に対して入力された入力情報を取得することにより、バリアブルデータを生成する。
【0039】
また、個人情報格納部30は、印刷対象者の購買記録を含んでいてもよい。この場合、印刷対象情報生成部20は購買記録に基づいて、いわゆるレコメンド技術により印刷対象者に提案する商品またはサービスの商品特定情報を取得するようにしてもよい。印刷対象情報生成部20は、例えば最新パソコンを購入したことを示す購買記録を有する印刷対象者について、パソコンの周辺機器であるプリンタに関する商品特定情報を生成する。
【0040】
[3−2.印刷対象者情報と商品特定情報の送信]
印刷対象情報送信部21は、主にクライアント装置3の制御部11と通信部13とにより実現される。印刷対象情報送信部21は、印刷対象情報生成部20により生成された印刷対象者情報と商品特定情報とをプリントサーバ2に送信する(ステップS102)。印刷対象情報送信部21は、例えば生成されたバリアブルデータをプリントサーバ2に送信する。
【0041】
[3−3.印刷対象者情報と商品特定情報の取得]
印刷対象情報取得部22は、主にプリントサーバ2の制御部11と通信部13とにより実現される。印刷対象情報取得部22は、印刷対象となる印刷対象者の属性を示す印刷対象者情報と、この印刷対象者に対して提案する商品またはサービスを特定する情報である商品特定情報とを取得する(ステップS201)。本実施形態では、印刷対象情報取得部22はクライアント装置3から送信されたバリアブルデータを受信することにより、バリアブルデータに含まれる印刷対象者情報と商品特定情報とを取得する。
【0042】
印刷対象情報取得部22は、複数の印刷対象者情報と商品特定情報の中からプリンタ4に印刷させる印刷対象者情報および商品特定情報を選択する。まず、印刷対象情報取得部22は1番目の印刷対象者情報および商品特定情報(バリアブルデータにおける1番目のレコード)を選択する(ステップS202)。また、ここで選択された情報に対する印刷処理が完了した場合、印刷対象情報取得部22はこの次の印刷対象者情報および商品特定情報を選択する(ステップS206)。
【0043】
[3−4.データベースおよび投稿情報の選択]
データベース選択部23および投稿情報選択部24は、主にプリントサーバ2の制御部11と通信部13とにより実現される。データベース選択部23は、それぞれが複数の商品やサービスに関して複数の投稿者が投稿した投稿情報と複数の投稿者の属性を示す投稿者情報とを含む複数のデータベース40のうちいずれかを選択し、投稿情報選択部24は、選択されたデータベース40から複数の投稿情報の投稿情報のいずれかを選択する(ステップS203)。
【0044】
本実施形態では、互いに異なるデータベース40は互いに異なるSNSサーバ5により実現される。また、データベース40のそれぞれには、複数の投稿情報と、複数の投稿者情報とが格納されている。投稿情報は、SNSサーバ5において提供されるサービスの利用者(投稿者)から配信された投稿を示す情報であり、投稿内容を示す文字列を含んでいる。投稿情報には、例えば商品やサービスに対する投稿者の感想などが含まれる。
【0045】
また、投稿情報には、投稿された日時や、投稿の対象とされる商品またはサービスを特定する情報(例えば、商品やサービスを特定する名称などの文字列や商品IDなど)が含まれていてもよい。また、投稿情報には、投稿情報に対する第三者からの評価を示す投稿評価情報が含まれていてもよい。ここでの投稿評価情報は、例えば第三者により肯定評価の操作(例えば「いいね!」ボタンの押下など)が行われた回数や投稿情報を対象とした投稿(返信)の数、第三者がその投稿を引用して再投稿した回数などを示した情報である。
【0046】
また、投稿者情報は、投稿情報を発信したSNSサーバ5の利用者(投稿者)の属性を示す情報であり、例えば投稿者の名前、住所、年齢などを示す情報である。投稿者情報は、投稿情報に関連付けられた状態でデータベース40に格納されている。
【0047】
また、SNSサーバ5は、検索条件の文字列(キーワード)や商品IDを受付けて、これらを含む(または一致する)投稿情報や投稿者情報をデータベース40から検索する検索機能を有する。検索機能は、例えばネットワーク6を経由して呼び出されるAPI(Application Program Interface)として実現される。
【0048】
図6および図7は、データベース選択部23および投稿情報選択部24の処理の一例を示す図である。
【0049】
[3−4−1.データベースの選択]
データベース選択部23は、複数のデータベース40のうちいずれかを、複数のデータベース40に含まれる投稿者情報と印刷対象者情報とに基づいて選択する。具体的には、データベース選択部23は、それぞれの属性を有する投稿者の多さを示す情報と、印刷対象者情報とに基づいて、複数のデータベース40のうちいずれかを選択する。
【0050】
データベース選択部23は、複数のデータベース40のそれぞれについて算出した評価値(総合評価)に基づいて、複数のデータベース40のうち何れかを選択する。ここで、データベース情報格納部32には、複数のデータベース40の格納場所を示す情報(例えば、URLやSNSのコミュニティ名など)が予め格納されている。上記複数のデータベース40は、このデータベース情報格納部32に格納された情報に基づいて特定される。なお、このように特定された複数のデータベース40の中からランダムに一部のデータベース40が特定されるようにしてもよい。
【0051】
データベース40の総合評価は、例えばデータベース40の鮮度、投稿情報の評価、信頼度、倫理度、印刷対象者との関連度などといった要素から計算される。以下では、上記データベース40の鮮度などを算出する方法について説明する。
【0052】
[鮮度の算出]
データベース選択部23は、データベース40の鮮度を算出する(ステップS301)。データベース40の鮮度とは、印刷対象情報取得部22により選択された商品特定情報の商品またはサービスに対する議論が盛んに、かつ、タイムリーに行われているかを示した情報である。具体的には、データベース40の鮮度は、複数の投稿情報のそれぞれが投稿された日時と、選択された商品特定情報が含まれる投稿情報の数とに基づいて算出される。
【0053】
データベース選択部23は、現在から予め定められた過去の期間内(例えば最近1週間以内)に投稿された投稿情報のうち、選択された商品特定情報の商品名などを投稿内容に含む投稿情報(または、商品特定情報の商品IDを含む投稿情報)をデータベース40から検索し、検索により見つかった投稿情報の数から各データベース40の鮮度を算出する。他にも、現在からの期間ごとに定められた係数(例えば、現在に近いほど高い値が設定される係数)と、当該期間内に投稿された投稿情報のうち商品名などで検索された投稿情報の数とを掛けた値の期間ごとの累計に基づいて、データベース40の鮮度が算出されるようにしてもよい。
【0054】
[投稿情報の評価の算出]
データベース選択部23は、データベース40の投稿情報の評価を算出する(ステップS302)。データベース40の投稿情報の評価は、データベース40の各投稿情報に含まれる投稿評価情報に基づいて算出される。例えば投稿情報の投稿に対し肯定評価された回数や投稿に対する返信の数、第三者がその投稿を引用して再投稿した回数などが多いほど、データベース40の投稿情報の評価には高い値が算出される。
【0055】
[信頼度の算出]
データベース選択部23は、データベース40の信頼度を算出する(ステップS303)。例えば同一の投稿者により同様の投稿が繰り返されている場合、データベース40の信頼度には低い値が算出される。データベース選択部23は、投稿者が一致する投稿情報をデータベース40から検索し、検索により見つかった投稿情報のうち、投稿内容が一致する投稿情報の数に基づいてデータベース40の信頼度を算出する。
【0056】
データベース選択部23は、投稿者および投稿内容が一致する投稿情報の数が多いほど、データベース40の信頼度が低くなるよう計算する。データベース選択部23は、上記一致する投稿者情報の数の範囲に応じて予め定められた値をデータベース40の信頼度として設定するようにしてもよいし、上記一致する投稿者情報の数を規定値から引いたりすることでデータベース40の信頼度を算出するようにしてもよい。
【0057】
なお、データベース選択部23は、投稿者が一致する投稿情報のうち、投稿内容を示す文字列の一致部分が閾値以上の文字数や行数、割合で存在する投稿情報の数に基づいて、データベース40の信頼度を算出するようにしてもよい。
【0058】
[倫理度の算出]
データベース選択部23は、データベース40の倫理度を算出する(ステップS304)。例えば印刷対象者に見せるのに不適切な内容を示した文字列である禁止キーワードがデータベース40に多量に含まれる場合、データベース40の倫理度には低い値が算出される。ここで、禁止キーワード格納部33には、一又は複数の禁止キーワードが予め格納されている。データベース選択部23は、この禁止キーワード格納部33に格納された禁止キーワードをデータベース40から検索し、検索により見つかった禁止キーワードの数(または、禁止キーワードを投稿内容に含む投稿情報の数)に基づいて、データベース40の倫理度を算出する。
【0059】
データベース選択部23は、禁止キーワードの数や禁止キーワードを含む投稿者情報の数が多いほど、データベース40の倫理度が低くなるよう計算する。データベース選択部23は、上記の数の範囲に応じて予め定められた値をデータベース40の倫理度として設定するようにしてもよいし、上記の数を規定値から引いたりすることでデータベース40の倫理度を算出するようにしてもよい。
【0060】
[印刷対象者との関連度の算出]
データベース選択部23は、複数のデータベース40に含まれる投稿者情報と印刷対象者情報とに基づいて、データベース40の印刷対象者との関連度を算出する(ステップS305)。具体的には、データベース選択部23は、複数のデータベース40に含まれるそれぞれの属性を有する投稿者の多さを示す情報と、印刷対象者情報とに基づいて、データベース40の印刷対象者との関連度を算出する。
【0061】
ここで、それぞれの属性を有する投稿者の多さとは、年齢や性別、住所などに応じた投稿者の数であり、例えば、ある属性において印刷対象者と一致する投稿者の数や、ある属性において印刷対象者と同一のカテゴリに分類される投稿者の数を示す。なお、それぞれの属性を有する投稿者の多さは、データベース40における全投稿者数に対する上記特定の属性を有する投稿者の数との割合を示すものであってもよい。また、それぞれの属性を有する投稿者の多さを示す情報は、各データベース40において属性別に集計された集計データとして、予めSNSサーバ5の記憶部12に記憶されていてもよい。
【0062】
本実施形態では、データベース選択部23は、投稿者の年齢、性別、住所からデータベース40の関連度を算出する。図8は、印刷対象者との関連度を算出する処理(ステップS305の処理の詳細)の一例を示す図である。
【0063】
データベース選択部23は、印刷対象者の年齢に応じた投稿者情報の多さから、年齢のスコアを算出する(ステップS401)。具体的には、投稿者は年齢により20代、30代などのカテゴリに予め分類されており、データベース選択部23は、印刷対象者と同じカテゴリに属する投稿者の数に応じて年齢のスコアを算出する。例えば印刷対象者が20代の場合、データベース選択部23は、投稿者の年代ごとに集計された集計データから20代の投稿者の数を調べて年齢のスコアを算出する。他にも、データベース選択部23は、データベース40に含まれるうち、20代であることを示す投稿者情報の数を集計して、年齢のスコアを算出するようにしてもよい。
【0064】
また、データベース選択部23は、印刷対象者との年齢差が閾値以内の投稿者の数から年齢のスコアを算出するようにしてもよい。
【0065】
データベース選択部23は、印刷対象者の性別に応じた投稿者の多さから、性別のスコアを算出する(ステップS402)。データベース選択部23は、例えば選択された印刷対象者情報の性別が一致する投稿者の数から性別のスコアを算出する。
【0066】
データベース選択部23は、印刷対象者の住所に応じた投稿者の多さから、住所のスコアを算出する(ステップS403)。データベース選択部23は、例えば印刷対象者の住所のうち、少なくとも一部分が一致する投稿者の数から住所のスコアを算出する。なお、データベース選択部23は、住所の一致の度合に応じて設定された重要度を、該当する投稿者の数に乗じて住所のスコアを算出するようにしてもよい。例えば、国が一致する投稿者の数と、都道府県まで一致する投稿者の数に「2」を掛けた値と、市町村まで一致する投稿者の数に「3」を掛けた値とをそれぞれ合計した値から、住所のスコアが算出されるようにしてもよい。
【0067】
また、データベース選択部23は、データベース40が印刷対象者の利用SNS(例えば、URLやSNSのコミュニティ名などの情報)に対応するか否かに基づいて、利用スコアを算出する(ステップS404)。ここで、利用SNSがデータベース40を示す場合には、データベース40の利用スコアには規定値が設定され、利用SNSがデータベース40を示さない場合には、データベース40の利用スコアには上記規定値よりも小さい値(例えば「0」など)が設定される。
【0068】
なお、ステップS401〜ステップS404のそれぞれは省略可能であり、データベース選択部23は、年齢、性別、住所に限らず、職業や趣味などといった投稿者の属性にかかるスコアを算出するようにしてもよい。また、データベース選択部23は、印刷対象者と年齢(年代)や性別などが異なる投稿者の数に基づいて、年齢や性別などのスコアを算出するようにしてもよい。
【0069】
データベース選択部23は、投稿者ごとの各種属性のスコアを合計した値(本実施形態においては、年齢のスコア、性別のスコア、住所のスコア、利用スコアを合計した値)に基づいて、印刷対象者との関連度を算出する(ステップS405)。
【0070】
上記のように、データベース選択部23は、複数のデータベース40について、鮮度、投稿情報の評価、信頼度、倫理度、印刷対象者との関連度を算出する(ステップS301〜S305)。なお、データベース選択部23は上記に挙げたうちのいずれかを算出するものであってもよい。
【0071】
データベース選択部23は、複数のデータベース40についての総合評価を算出し(ステップS306)、各データベース40の順位を決定する(ステップS307)。図9は、データベース選択部23が各データベース40の順位を決定する処理の一例を説明する図である。図9に示すように、データベース選択部23は、データベース40の鮮度などについて算出された値と、それぞれに設定された重要度とを掛けた値の累計から、データベース40の総合評価を算出する。データベース選択部23は、各データベース40の総合評価に基づいて(例えば、総合評価の値が大きい順に)、各データベース40の順位を決定する。
【0072】
データベース選択部23は、順位が最も高い(順位が「1」の)データベース40を選択する(ステップS308)。
【0073】
[3−4−2.投稿情報の選択]
投稿情報選択部24は、商品特定情報に基づいて、データベース40から複数の投稿情報のいずれかを選択する。本実施形態では、投稿情報選択部24は、データベース選択部23により選択されたデータベース40から、複数の投稿情報のいずれかを選択する。
【0074】
投稿情報選択部24は、印刷対象情報取得部22により選択された商品特定情報の商品名や商品IDなどを含むことを検索条件として、データベース選択部23により選択されたデータベース40から投稿情報を検索する(ステップS311)。検索条件を満たす投稿情報があれば(ステップS312のY)、この投稿情報について選択するか否かが判定される。
【0075】
投稿情報選択部24は、商品特定情報と印刷対象者情報とに基づいて、データベース40から複数の投稿情報のいずれかを選択する。具体的には、投稿情報選択部24は、検索により見つかった投稿情報に関連付けられた投稿者情報を取得し、この投稿者情報について、印刷対象情報取得部22により選択された印刷対象者に関する条件を満たすか否かを判定する(ステップS313)。ここでは、投稿者の属性と印刷対象者の属性とが比較されることにより判定が行われる。
【0076】
投稿情報選択部24は、例えば投稿者情報が印刷対象者の年齢に関する条件を満たすか否かを判定する。具体的には、投稿者の年齢と印刷対象者の年齢とが予め定められた判定条件を満たすか否かを判定する。ここでの判定条件は、年齢が一致するか、各年齢が同年代を示すのであるか、年齢差が閾値以下であるかなどのうちのいずれであってもよい。
【0077】
投稿情報選択部24は、例えば投稿者情報が印刷対象者の住所に関する条件を満たすか否かを判定する。具体的には、投稿者の住所と印刷対象者の住所とを調べ、少なくとも一部が一致するのであれば、住所の条件を満たすと判定する。ここでの判定条件は、国が一致するか、都道府県までが一致するか、市町村までが一致するかなどのうち、いずれとしてもよい。
【0078】
また、投稿情報選択部24は、印刷対象者の年齢および住所の条件を投稿者情報が満たす場合に、投稿情報を選択するようにしてもよいし、年齢または住所のいずれかの条件を投稿者情報が満たす場合に、投稿情報を選択するようにしてもよい。また、投稿情報選択部24は、印刷対象者の属性として、性別や職業、家族構成などに関する条件を投稿者情報が満たす投稿情報を選択するようにしてもよい。また、投稿情報選択部24は、印刷対象者の属性に関する条件を投稿者情報が満たさない場合(例えば、投稿者の属性と印刷対象者の属性とが一致しない場合など)に、投稿情報を選択するようにしてもよい。
【0079】
投稿情報選択部24は、商品特定情報に基づいてデータベース40から予め定められたキーワードを含まない投稿情報のうちいずれかを選択する。具体的には、投稿情報選択部24は、禁止キーワード格納部33に予め格納された禁止キーワードが投稿情報に含まれていないかを判定する(ステップS314)。
【0080】
なお、ステップS311における投稿情報の検索処理において、禁止キーワードを含まないことを検索条件として、データベース40から投稿情報を検索するようにしてもよい。この場合、ステップS314の処理は省略可能である。
【0081】
投稿情報選択部24は、複数の投稿情報の文字列の長さと、選択された投稿情報が印刷される領域の大きさとに基づいて、データベース40から複数の投稿情報のうちいずれかを選択する。具体的には、投稿情報選択部24は、投稿情報の投稿内容を示す文字列の長さの累計が、投稿情報を印刷するための印刷領域内に配置できるか否かを判定する(ステップS315)。
【0082】
ここで、フォームデータ格納部34には、バリアブル印刷における複数の印刷物に共通する様式(テンプレート)を示したフォームデータが予め格納されている。フォームデータは、例えばダイレクトメールにおける用紙設定やフォント設定、罫線、差出人、共通する文字列や画像などの情報を含んでいる。また、フォームデータは、複数の印刷物ごとに異なる画像や文章が出力される領域に関する情報を含んでいる。
【0083】
ステップS315において、投稿情報選択部24は、このフォームデータ格納部34に格納された中からフォームデータを取得する。なお、印刷対象情報生成部20がフォームデータを指定するフォーム指定情報を含むバリアブルデータを生成し、投稿情報選択部24がバリアブルデータに含まれるフォーム指定情報に指定されるフォームデータを取得するようにしてもよい。
【0084】
投稿情報選択部24は、判定される投稿情報の文字列と、これまでに既に選択された投稿情報の文字列との長さとの累計が、印刷領域内に配置できるか否かを、公知の技術を用いて判定する。例えば、印刷領域には、配置可能な文字列の範囲(例えば、文字数の範囲や、一行当たりの文字数および行数の範囲など)が設定されており、投稿情報選択部24は、各投稿情報の文字列の長さの累計が、印刷領域に出力可能な文字数の範囲に収まるか否かを判定する。
【0085】
投稿情報や投稿者情報が上記に説明した判定条件を全て満たす場合(ステップS313のY、かつステップS314のY、かつステップS315のY)、投稿情報選択部24は、この投稿情報を印刷の対象として選択する(ステップS316)。
【0086】
投稿情報選択部24は、印刷領域における空白領域の大きさが閾値を下回るか否かを判定する(ステップS317)。ここでの空白領域とは、印刷領域のうち文字を含まない領域である。投稿情報選択部24は、印刷領域の大きさと、これまでに選択された投稿情報に含まれる文字列の長さの累計とに基づいて、空白領域の大きさを計算する。
【0087】
空白領域の大きさが閾値を下回る場合(ステップS317のY)、十分な長さの投稿内容を示す一又は複数の投稿情報が選択されたため、ここでデータベース選択部23および投稿情報選択部24によるステップS203の処理を終了する。また、空白領域の大きさが閾値を下回る場合(ステップS317のN)、もしくは、投稿情報が上記説明した条件を満たさない場合(ステップS313のN、またはステップS314のN、またはステップS315のN)、投稿情報選択部24はデータベース40から投稿情報を再度検索し(ステップS311)、投稿情報の判定、選択処理を繰り返す。
【0088】
ステップS311における検索により投稿情報が見つからなかった場合(ステップS312のN)、データベース選択部23は次の順位のデータベース40を選択し(ステップS322)、投稿情報選択部24は、この選択されたデータベース40から投稿情報を検索し、条件を満たす投稿情報を選択する。データベース選択部23および投稿情報選択部24は、最終的に十分な長さの投稿内容が得られるまで、データベース40の選択処理と、投稿情報の選択処理とを繰り返す。
【0089】
なお、ステップS321で次の順位のデータベース40が存在しない場合(ステップS321のN)、データベース40からの投稿情報の検索、選択が継続不能であるため、データベース選択部23および投稿情報選択部24によるステップS203の処理を終了する。
【0090】
[3−5.印刷処理]
印刷制御部25は、主にクライアント装置3の制御部11と通信部13とにより実現される。印刷制御部25は、印刷対象者を示す画像と商品特定情報および選択された投稿情報が示す画像とをプリンタ4が印刷するよう制御する(ステップS204)。本実施形態では、印刷制御部25は、複数の印刷物の固定の様式(テンプレート)を示したフォームデータに対し、印刷対象情報取得部22により選択された印刷対象者情報および商品特定情報と、この商品特定情報により特定される画像データと、投稿情報選択部24により選択された投稿者情報と、を順次差し替えて印刷させる印刷制御処理を実行する。
【0091】
図10は、印刷制御部25における印刷内容の一例を表した図である。図10に示すように、印刷内容には、印刷対象者情報を出力する印刷対象者情報出力欄51と、商品特定情報により特定される画像データを出力する広告欄52と、投稿情報を出力する広告コメント欄53とが含まれている。
【0092】
印刷対象者情報出力欄51には、印刷対象者の情報として、例えば印刷対象者の氏名や住所などが印刷される。また、印刷対象者情報出力欄51には、印刷の用途に応じて商品などの購入に対する請求金額やクレジットカードの利用明細などの情報が印刷されるようにしてもよい。
【0093】
広告欄52には、商品特定情報により特定される画像データが印刷される。ここで、商品画像格納部35には、商品またはサービスを表した複数の画像データが、商品やサービスを特定する情報(例えば、商品名や商品IDなど)に関連付けられた状態で予め格納されている。印刷制御部25は、商品画像格納部35に格納された中から、商品特定情報に関連付けられた画像データを取得して、この画像データが広告欄52に印刷されるように制御する。なお、広告欄52には上記画像データの他にも、商品特定情報に含まれる商品名やサービス名などが印刷されるようにしてもよい。
【0094】
広告コメント欄53には、投稿情報選択部24により選択された投稿情報に含まれる投稿内容の文字列が印刷される。広告コメント欄53に印刷される投稿情報は、広告欄52に印刷される商品またはサービスに関するものである。また、投稿情報は、印刷対象者に応じて選択されたものであって、かつ、禁止キーワードを含まず、広告コメント欄53の領域内に収まる長さとなるように選択されたものである。
【0095】
その後、プリントサーバ2は、全ての印刷対象者に対する印刷が完了するまで、データベース40および投稿情報の選択処理と、印刷処理とを繰り返す。換言すると、プリントサーバ2はバリアブルデータの全てのレコードに対しての印刷処理を実行する。具体的には、印刷対象情報取得部22は、直前に選択された印刷対象者情報および商品特定情報が最後の情報であるかを確認し、最後の情報ではない場合(ステップS205のN)、未選択の印刷対象者情報および商品特定情報(バリアブルデータにおける次のレコード)を選択し、データベース40および投稿情報の選択処理(ステップS203)と、印刷処理(ステップS204)とを繰り返す。直前に選択された印刷対象者情報および商品特定情報が最後の情報である場合(ステップS205のY)、プリントサーバ2による一連の処理を終了する。
【0096】
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、これに限定するものではない。また、フロー図については、実施形態の機能を実現するアルゴリズムの一例を示すものであり、これに限定されることなく同様の機能を実現するアルゴリズムを用いてもよい。
【0097】
[4.変形例]
以下、本発明の実施形態を変形した一例(変形例)について説明する。
【0098】
(1)実施形態の例においては、データベース選択部23がデータベース40の鮮度などといった要素と、これらに設定された重要度とを掛けた値の累計(総合評価)から各データベース40の順位を決定し、順位の高い順にデータベース40を選択する場合について説明した。データベース選択部23は、複数のデータベース40のうちいずれかを、印刷対象者に提案する商品またはサービスの分類に基づいて選択するようにしてもよい。具体的には、印刷対象者に提案する商品またはサービスの分類に応じて、データベース40の鮮度などといった要素に対する重要度が設定されるようにしてもよい。
【0099】
図11は、変形例(1)において各データベース40の順位を決定する処理の一例を説明する図である。図11に示すように、データベース選択部23は、データベース40の鮮度などといった要素と、商品特定情報により示される商品やサービスの分類に応じた重要度とを掛けて、これらの累計から総合評価を算出し、各データベース40の順位を算出する。
【0100】
ここで、商品情報格納部31には、商品やサービスの分類を示す情報(以降、商品分類情報とも呼ぶ)が、商品名や商品IDなどの情報に関連付けられた状態で予め格納されている。また、印刷対象情報生成部20は、商品特定情報とともに商品分類情報を(バリアブルデータに含めて)生成し、印刷対象情報送信部21は、商品分類情報をプリントサーバ2に送信する。データベース選択部23は、商品分類情報により示される商品やサービスの分類に応じて、データベース40の鮮度などに対する重要度を決定する。データベース選択部23は、決定した重要度に基づいて、各データベース40の総合評価および順位を決定し、最も順位の高いデータベース40を選択する。
【0101】
このように、変形例(1)の印刷システム1では、複数のデータベース40のうちいずれかが、印刷対象者に提案する商品またはサービスの分類に基づいて選択される。
【0102】
(2)実施形態の例においては、印刷システム1が、プリントサーバ2、クライアント装置3、プリンタ4により構成される場合について説明した。印刷システム1は、例えばクライアント装置3を含まず、プリントサーバ2と、プリンタ4とにより構成されるようにしてもよい。この場合、プリントサーバ2は、機能的には印刷対象情報生成部20と、個人情報格納部30と、商品情報格納部31とを含むものになる。なお、印刷対象情報取得部22は、印刷対象情報生成部20により生成された印刷対象者情報および商品特定情報(バリアブルデータ)を受信せず、これらの情報を単に取得するものであってよい。
【符号の説明】
【0103】
1 印刷システム、2 プリントサーバ、3 クライアント装置、4 プリンタ、5 SNSサーバ、6 ネットワーク、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、14 入出力部、20 印刷対象情報生成部、21 印刷対象情報送信部、22 印刷対象情報取得部、23 データベース選択部、24 投稿情報選択部、25 印刷制御部、30 個人情報格納部、31 商品情報格納部、32 データベース情報格納部、33 禁止キーワード格納部、34 フォームデータ格納部、35 商品画像格納部、40 データベース、51 印刷対象者情報出力欄、52 広告欄、53 広告コメント欄。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11