特許第6206170号(P6206170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206170
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】小束処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   G07D9/00 401E
【請求項の数】8
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-267501(P2013-267501)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-125477(P2015-125477A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛
(72)【発明者】
【氏名】久保 亮太
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 正幸
(72)【発明者】
【氏名】竹川 信吾
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−135437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定枚数の媒体が帯で結束された小束を外部から受け入れると共に外部へ排出する小束入出口と、
前記小束を収納する小束収納庫と、
積層された前記小束のうち最上位に位置する最上位小束の前記小束収納庫から前記小束入出口の方向へ向かう繰出搬送方向側の側面に摺動しつつ下降し当該側面の上端から略下端に沿って当接して、前記小束入出口から前記小束収納庫の方向へ向かう収納搬送方向へスライドさせるよう押す収納搬送可動ピッカアームを有する収納搬送ピッカ部と、前記最上位小束の前記収納搬送方向側の側面に摺動しつつ下降し当該側面の上端から略下端に沿って当接して前記繰出搬送方向へスライドさせるよう押す繰出搬送可動ピッカアームを有する繰出搬送ピッカ部とを有し、前記小束入出口と前記小束収納庫との間で前記小束を搬送する収納繰出部と
を有する小束処理装置。
【請求項2】
前記収納搬送ピッカ部は、前記最上位小束の前記繰出搬送方向側に当接する少なくとも2個の前記収納搬送可動ピッカアームを有し、
前記繰出搬送ピッカ部は、前記最上位小束の前記収納搬送方向側に当接する少なくとも2個の前記繰出搬送可動ピッカアームを有する
請求項に記載の小束処理装置。
【請求項3】
前記収納搬送可動ピッカアーム及び前記繰出搬送可動ピッカアームは、前記小束において前記帯により結束されていない非結束箇所側に当接する
請求項に記載の小束処理装置。
【請求項4】
所定枚数の媒体が帯で結束された小束を外部から受け入れると共に外部へ排出する小束入出口と、
前記小束を収納する小束収納庫と、
積層された前記小束のうち最上位に位置する最上位小束を、前記小束入出口から前記小束収納庫の方向へ向かう収納搬送方向へスライドさせると共に、前記小束収納庫から前記小束入出口の方向へ向かう繰出搬送方向へスライドさせ、前記小束入出口と前記小束収納庫との間で前記小束を搬送する収納繰出部と
前記小束が載置された昇降機構部を上下方向に移動させて前記小束収納庫と前記小束入出口との間で前記小束を移動させる昇降部と
を有し、
前記収納繰出部は、
前記小束を把持して前記昇降機構部と前記小束収納庫との間を搬送する小束ハンド部と、
前記小束ハンド部に把持された前記小束を前記小束収納庫へ押し込む小束プッシャ部と
により構成されている
小束処理装置。
【請求項5】
前記収納繰出部は、前記小束を前記収納搬送方向へスライドさせる収納搬送ピッカ部と、前記繰出搬送方向へスライドさせる繰出搬送ピッカ部と
を有する
請求項4に記載の小束処理装置。
【請求項6】
前記収納搬送ピッカ部は、前記昇降機構部に載置された小束を前記収納搬送方向へスライドさせる
請求項に記載の小束処理装置。
【請求項7】
前記小束ハンド部は、
前記最上位小束の前記繰出搬送方向側の側面に摺動しつつ下降し当該側面の上端から略下端に沿って当接して前記収納搬送方向へ押す収納搬送可動ピッカアームを有する前記収納搬送ピッカ部と、
前記収納搬送方向に向かって上方向に下端が傾斜したスライドアーム傾斜部が形成され前記繰出搬送方向側に付勢されたスライドアームと、
軸を中心に回動し前記スライドアーム傾斜部に向かってリンクポストが付勢され、前記収納搬送可動ピッカアームに接続された中間リンクと
を有し、
前記昇降機構部から前記小束ハンド部が離隔する際、前記スライドアームが前記中間リンクに対し前記繰出搬送方向側へ移動し前記スライドアーム傾斜部の下側面を前記リンクポストが摺動することにより、前記収納搬送可動ピッカアームが下降する
請求項に記載の小束処理装置。
【請求項8】
前記小束プッシャ部は、前記繰出搬送方向に向かって下方向に上端が傾斜した傾斜部が形成されたカムプレートを有し、
前記小束ハンド部は、
前記最上位小束の前記収納搬送方向側の側面に摺動しつつ下降し当該側面の上端から略下端に沿って当接して前記繰出搬送方向へ押す繰出搬送可動ピッカアームを有する前記繰出搬送ピッカ部と、
前記カムプレートの上側に当接し下方向に付勢されたカムポストを有し、
前記小束プッシャ部から前記小束ハンド部が分離する際、前記傾斜部の上側面を前記カムポストが摺動することにより、前記繰出搬送可動ピッカアームが下降する
請求項に記載の小束処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小束処理装置に関し、例えば紙幣を所定枚数単位で施封して収納及び出金する施封小束支払機に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、出納システムは、金融機関内等に設置されており、例えば紙幣を入出する紙幣入出金機や紙幣を所定枚数ごとに施封する施封小束支払機等、紙幣や硬貨の取引に関する種々の処理を行う複数種類の装置の組み合わせにより構成されている。
【0003】
施封小束支払機は、紙幣を所定枚数(例えば100枚)単位で紙帯により施封して、これを紙幣小束として小束金庫に収納したり、出金したりできるようになされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような施封小束支払機としては、オペレータが紙幣小束の補充等を行う保守作業時には、小束金庫が設けられたユニットを当該オペレータが引き出すことにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−157759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような施封小束支払機は、施封された紙幣小束を出金はするものの、紙幣小束を外部からオペレータが入金する場合、ユニットを引き出して小束金庫に直接当該紙幣小束を装填する必要があり、オペレータに煩雑な作業を要してしまっていた。
【0007】
本発明は以上の点を考慮したもので、機能性を高め得る小束処理装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の小束処理装置においては、所定枚数の媒体が帯で結束された小束を外部から受け入れると共に外部へ排出する小束入出口と、小束を収納する小束収納庫と、積層された小束のうち最上位に位置する最上位小束の小束収納庫から小束入出口の方向へ向かう繰出搬送方向側の側面に摺動しつつ下降し当該側面の上端から略下端に沿って当接して、小束入出口から小束収納庫の方向へ向かう収納搬送方向へスライドさせるよう押す収納搬送可動ピッカアームを有する収納搬送ピッカ部と、最上位小束の収納搬送方向側の側面に摺動しつつ下降し当該側面の上端から略下端に沿って当接して繰出搬送方向へスライドさせるよう押す繰出搬送可動ピッカアームを有する繰出搬送ピッカ部とを有し、小束入出口と小束収納庫との間で小束を搬送する収納繰出部とを設けるようにした。
【0009】
この小束処理装置は、小束収納庫の最上位の小束を小束入出口へ向けて形状を崩さず搬送できると共に、小束入出口から取り込んだ小束のうち最上位の小束を小束収納庫へ向けて形状を崩さず搬送できるため、小束入出口から小束を取り込んで小束収納庫に収納できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小束収納庫の最上位の小束を小束入出口へ向けて形状を崩さず搬送できると共に、小束入出口から取り込んだ小束のうち最上位の小束を小束収納庫へ向けて形状を崩さず搬送できるため、小束入出口から小束を取り込んで小束収納庫に収納できる。かくして本発明は、機能性を高め得る小束処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】出納システムの全体構成を示す斜視図である。
図2】施封小束支払機の内部構成を示す右側面図である。
図3】引出状態の施封小束支払機の内部構成を示す右側面図である。
図4】施封された状態の紙幣小束を示す斜視図である。
図5】分離状態における収納繰出部の構成を示す略線図である。
図6】結合状態における収納繰出部の構成を示す略線図である。
図7】固定ピッカ機構の構成(1)を示す右側面図である。
図8】固定ピッカ機構の構成(2)を示す右側面図である。
図9】プレスガイド及びプッシャ部次段ストッパの構成(1)を示す斜視図である。
図10】プレスガイド及びプッシャ部次段ストッパの構成(2)を示す右側面図である。
図11】プレスガイド及びプッシャ部次段ストッパの構成(3)を示す右側面図である。
図12】プレスガイド及びプッシャ部次段ストッパの構成(4)を示す右側面図である。
図13】プレスガイド及びプッシャ部次段ストッパの構成(5)を示す右側面図である。
図14】プレスガイド及びプッシャ部次段ストッパの構成(6)を示す右側面図である。
図15】可動ピッカ機構の構成(1)を示す分解斜視図である。
図16】可動ピッカ機構の構成(2)を示す斜視図である。
図17】紙幣小束の繰出時における可動ピッカ部の動き(1)を示す右側面図である。
図18】紙幣小束の繰出時における可動ピッカ部の動き(2)を示す右側面図である。
図19】紙幣小束の繰出時における可動ピッカ部の動き(3)を示す右側面図である。
図20】紙幣小束の収納時における可動ピッカ部の動き(1)を示す右側面図である。
図21】紙幣小束の収納時における可動ピッカ部の動き(2)を示す右側面図である。
図22】紙幣小束の収納時における可動ピッカ部の動き(3)を示す右側面図である。
図23】紙幣小束の繰出時の様子(1)を示す右側面図である。
図24】紙幣小束の繰出時の様子(2)を示す右側面図である。
図25】紙幣小束の繰出時の様子(3)を示す右側面図である。
図26】紙幣小束の収納時の様子(1)を示す右側面図である。
図27】紙幣小束の収納時の様子(2)を示す右側面図である。
図28】紙幣小束の収納時の様子(3)を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
[1.実施の形態]
[1−1.出納システムの構成]
図1において、出納システム1は、例えば金融機関の営業店において図示しない接客用カウンタの後方に設置され、金銭に関する入金や出金等の各種処理を総合的に実行するようになされている。
【0014】
出納システム1は、紙幣入出金機2、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、新券支払機5、棒金支払機6、硬貨入出金機7、認証プリンタ8、現金外ポスト9、制御装置12及び操作表示部13を有している。
【0015】
紙幣入出金機2は、紙幣を1枚単位で入出金する。施封小束支払機3は、金種別の紙幣を所定枚数(例えば100枚)毎に施封して紙幣小束にした状態で収納し、また当該紙幣小束を出金する。
【0016】
紙幣補充回収機4は、例えば金融機関の営業店、小売店や公共施設等に設置される現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine、図示せず)に着脱可能で、当該現金自動預払機で行われる取引用の紙幣を収納する補充回収カセットに紙幣を補充し、また補充回収カセットから紙幣を回収する。
【0017】
新券支払機5は、紙幣補充回収機4の上側に組み込まれて一体化されており、各金種の新券(新札)を出金する。棒金支払機6は、金種別の一定枚数毎に棒状に重ねて包まれた硬貨(いわゆる棒金)を出金する。硬貨入出金機7は、硬貨を1枚単位で入出金する。
【0018】
認証プリンタ8は、紙幣補充回収機4に載置され、紙幣入出金機2や施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、新券支払機5、棒金支払機6及び硬貨入出金機7で行われる入金や出金等の処理内容を認証して所定の帳票等に印字し排出する。現金外ポスト9は、硬貨入出金機7に載置されており、現金以外の小切手や定期預金証書等の有価証券を取り込んで入金処理する。
【0019】
操作表示部13はディスプレイ10とキーボード11とにより構成されている。ディスプレイ10は、正面を前方向に向けて紙幣入出金機2に載置されており、入金や出金等の各種処理に関する種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、金種等を入力するタッチパネルとが一体化されている。キーボード11は、紙幣入出金機2におけるディスプレイ10の前に載置されており、入金や出金等の各種処理に関する種々の情報や指示等を入力する。制御装置12は、出納システム1全体を統括制御する。
【0020】
出納システム1は、これら各種装置の少なくとも一部については比較的自由に配置することができるものの、例えば、棒金支払機6、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、紙幣入出金機2、制御装置12及び硬貨入出金機7が、各々の正面を同一方向に向け互いに隣接するよう横一列に配置されている。
【0021】
以下の説明では、出納システム1における棒金支払機6、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、紙幣入出金機2、制御装置12及び硬貨入出金機7各々の正面が向く方向を前方向と定義し、その反対を後方向と定義して、さらに当該出納システム1の前側に対峙したときの左右方向及び上下方向をそれぞれ定義する。
【0022】
出納システム1では、右方向に沿って順次隣接させるようにして配置された施封小束支払機3、紙幣補充回収機4及び紙幣入出金機2が、紙幣を左方向及び右方向に搬送する装置間搬送部(図示せず)によって接続されている。
【0023】
これにより出納システム1は、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4及び紙幣入出金機2の間で、施封や補充、回収等の各種処理に用いる紙幣を装置間搬送部を介して適宜搬送して受け渡すことができる。
【0024】
[1−2.施封小束支払機の内部構成]
図2に示すように、施封小束支払機3は、箱状の施封小束支払機筐体14を中心に構成されており、当該施封小束支払機筐体14の前面に入出金口23が設けられている。
【0025】
施封小束支払機筐体14の内部には、上側に配置された上部ユニット16と、下側に配置された下部ユニット17とが設けられている。上部ユニット16には、主に制御部18、装置間搬送部19、集積部20、紙幣クランプ移動部21、施封部22及び入出金口23が設けられている。下部ユニット17には、主に昇降部24、オーバーフロー庫27、収納繰出部34(小束ハンド部28及び小束プッシャ部29)、認識部30及び小束金庫31(31a〜31d)が設けられている。
【0026】
この施封小束支払機3は、紙幣の長辺が左右方向に沿った状態で紙幣小束を搬送すると共に、小束金庫31、オーバーフロー庫27及び昇降機構部25に収納する。
【0027】
施封小束支払機筐体14は、前側に内部空間と外部とを連通させる連通孔が形成されており、当該内部空間内に下部ユニット17を収納している。下部ユニット17はスライドレール(図示せず)を介して施封小束支払機筐体14に取り付けられており、当該施封小束支払機筐体14に対し前方向又は後方向へ直線的に且つ円滑に移動する。
【0028】
下部ユニット17の前面には、当該下部ユニット17が施封小束支払機筐体14内部に収納された際に当該施封小束支払機筐体14の連通孔を閉鎖する前面壁15が形成されている。すなわち施封小束支払機3は、オペレータとの間で現金に関する取引を行う取引動作時には、図2に示したように下部ユニット17を施封小束支払機筐体14内部に収納することにより、内部に保有している紙幣等を保護する。一方施封小束支払機3は、オペレータが紙幣小束の補充・回収等を行う保守作業時には、図3に示すように施封小束支払機筐体14内部から下部ユニット17を引き出させることにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせる。
【0029】
また施封小束支払機筐体14には、下部ユニット17が当該施封小束支払機筐体14に収納されているか又は引き出されているかを検出する下部ユニットセンサ(図示せず)が設けられ、検出結果を制御部18へ供給する。
【0030】
装置間搬送部19は、施封小束支払機3内の上側後端に配置され、紙幣補充回収機4又は紙幣入出金機2(図1)から搬送された紙幣を受け取り、集積部20(20a又は20b)へ1枚ずつ搬送する。
【0031】
集積部20は、装置間搬送部19の前方に配置され、装置間搬送部19から搬送された紙幣を金種毎に分類計数すると共に、当該紙幣を100枚ずつ集積させる。
【0032】
紙幣クランプ移動部21は、装置間搬送部19と集積部20との間に配置され、当該集積部20に集積された100枚の紙幣を施封部22まで搬送する。
【0033】
施封部22は、紙幣クランプ移動部21の前方下側に配置され、当該紙幣クランプ移動部21により搬送された100枚の紙幣の束を紙幣小束Tとして紙帯で施封し、昇降部24に搬送する。
【0034】
施封部22は、図4に示すように、紙幣小束Tの長手方向の一端側寄り(すなわち紙幣を正面から見て左寄り)の所定箇所に、短手方向と平行に紙帯Sを巻回することで、紙幣小束Tを施封する。以下では、紙幣小束Tにおいて紙帯Sで巻回された位置を施封箇所Pbとも呼び、紙幣小束Tにおいて紙帯Sで巻回されていない位置を非施封箇所Pfとも呼ぶ。
【0035】
具体的に紙幣小束Tは、官封券の場合、上下方向の厚さが約10mm、長手方向の長さが150mm〜160mm、左端から紙帯Sまでの長さが約30mm、紙帯Sの左右方向の幅が約20mmとなっている。
【0036】
昇降部24は、施封小束支払機3内の前端に設けられ、施封小束支払機筐体14の底板近傍を下端として入出金口23の近傍まで上方に延在する昇降路26と、当該昇降路26内を上下方向に移動する昇降機構部25とにより構成されている。昇降路26は、前後左右が壁面で囲まれており、前側の壁において平面形状の昇降路内壁面33が形成されている。
【0037】
また昇降路26には、昇降機構部25に載置された最上位の紙幣小束Tを小束ハンド部28が把持可能な高さに位置しているか否かを検出する昇降路小束位置検出部(図示しない)が設けられている。以下では最上位の紙幣小束Tを最上位紙幣小束Ttとも呼ぶ。この昇降路小束位置検出部は、昇降路26に取り付けられた光学センサである昇降路小束位置検出センサと、昇降路26内に回動可能に取り付けられ、紙幣小束に接触していない場合昇降路小束位置検出センサの光軸を遮らない一方、小束ハンド部28が把持可能な高さに最上位紙幣小束が位置している場合当該最上位紙幣小束に接触し昇降路小束位置検出センサの光軸を遮る昇降路小束位置検出レバーとにより構成されている。
【0038】
また昇降路26には、小束ハンド部28が最上位紙幣小束を昇降機構部25から小束金庫31へ向かう方向である収納搬送方向Diへスライド移動させる際に2段目の紙幣小束Tの後方向への移動を抑える図示しない昇降路次段ストッパが設けられている。以下では、上から2段目の紙幣小束Tを次段紙幣小束Tsとも呼ぶ。
【0039】
この昇降路26の上端側には入出金口23が設けられ、当該入出金口23は、オペレータが入金する紙幣小束Tが投入されると共に、オペレータへ出金する紙幣小束Tを排出する。また入出金口23は、入出金口シャッタ(図示せず)を駆動することにより開放又は閉塞する。施封小束支払機3においては、紙帯Sが左寄りとなる状態で紙幣小束Tが入出金口23に投入されるように設定されている。
【0040】
昇降機構部25は、施封された紙幣小束Tが上側に載置された状態で昇降機構駆動部(図示せず)により昇降路26内を上下方向に移動することにより、紙幣小束Tを入出金口23と小束金庫31の上方前側との間で移動させる。この昇降機構部25は、昇降機構駆動部に加えて、所謂パンタグラフによっても上下方向に移動するようになされている。
【0041】
オペレータと紙幣小束Tの入出金を行う際、昇降機構部25は、昇降路26の上端に近接する位置まで移動し入出金ポジションとなる。この入出金ポジションにおいて、オペレータは例えば5束分の紙幣小束Tを一度に昇降機構部25に載置できる。ここで、施封小束支払機筐体14内部において上部ユニット16、昇降部24及び昇降機構駆動部等を配置する際のスペースの制約上、入出金口23からは5束までの紙幣小束Tを一度に昇降機構部25に載置可能に設定されている。
【0042】
またオペレータは、入出金口23から紙幣小束Tを入金する以外にも、図3に示したように下部ユニット17を施封小束支払機筐体14から引き出し、昇降機構部25に例えば20束分の紙幣小束Tを直接載置することにより紙幣小束Tを入金する昇降部小束装填処理を行うこともできる。
【0043】
特に、昇降機構部25が昇降路26の下端に位置しパンタグラフを畳んだ退避ポジションにおいては、昇降機構部25の上側には大きな空間が形成されるため、オペレータは、入出金ポジションよりも多くの紙幣小束Tを一度に昇降機構部25に載置できる。具体的に昇降部24は、小束ハンド部28が昇降路26に入り込む位置から、退避ポジションにある昇降機構部25の上面までの上下方向の長さに収まるだけの紙幣小束Tを保持可能となっている。
【0044】
このように昇降機構部25は、多くの紙幣小束Tを載置させることができ、小束金庫31a〜31dのうち、少なくとも1つの小束金庫31に収納された紙幣小束Tを全て保持可能となっている。
【0045】
さらに昇降部24より後方下側に、上部ユニット16と所定の間隔を空けるようにして、4個の小束金庫31(31a〜31d)が前後方向に並んで配置されている。小束金庫31(31a〜31d)は、例えば金種毎に用意され、内壁により囲まれた内部空間に、それぞれ指定された金種の紙幣小束Tを例えば20束ずつ収納する。小束金庫31には、当該小束金庫31の内部空間を外部に対し遮断又は開放する小束金庫シャッタ(図示せず)が設けられている。本実施の形態においては、1万円札が100枚ずつ施封された万券小束を小束金庫31a及び31bが、千円札が100枚ずつ施封された千券小束を小束金庫31c及び31dがそれぞれ収納する。
【0046】
また小束金庫31には、当該小束金庫31内において上下方向に移動する在高センサ(図示せず)が設けられ、紙幣小束Tの紙帯Sの側面に光を照射してその反射光を読み取ることにより束数を計数し、計数結果を制御部18へ供給する。
【0047】
さらに小束金庫31には、小束金庫シャッタの開閉状態を検知する小束金庫シャッタセンサ(図示せず)が設けられ、当該小束金庫シャッタの開閉状態の検出結果を制御部18へ供給する。
【0048】
またこの施封小束支払機3においては、オペレータが手動で小束金庫31に紙幣小束Tを直接装填する手動装填が可能となっている。手動装填を行う際、オペレータは、下部ユニット17を施封小束支払機筐体14から引き出し、紙幣小束Tを装填する対象の小束金庫31の小束金庫シャッタを開いて紙幣小束Tを装填する。
【0049】
オーバーフロー庫27は、昇降部24と小束金庫31aとの間に配置されている。オーバーフロー庫27は、内壁により囲まれた内部空間を有し、小束金庫31からの出金時や精査時に認識部30(後述する)において金種を識別できなかった紙幣小束Tや、入金時に小束金庫31が満杯で収納できなかった紙幣小束T等を収納する。オーバーフロー庫27には、当該オーバーフロー庫27の内部空間を外部に対し遮断又は開放するオーバーフロー庫シャッタ(図示せず)が設けられている。
【0050】
このオーバーフロー庫27は、内壁の前後方向の間隔が紙幣小束Tの前後方向(短手方向)の幅よりも狭く形成されており、紙幣小束Tにおける紙幣の面に沿う面方向を水平ではなく斜めに傾けて積層堆積させて収納する。
【0051】
収納繰出部34は、小束ハンド部28及び小束プッシャ部29により構成され、上部ユニット16と小束金庫31との間の通路32内を前後方向に移動するように構成されている。収納繰出部34は、小束ハンド部28が前側、小束プッシャ部29が後側となる位置関係を維持しながら通路32内を移動する。
【0052】
小束ハンド部28は、昇降機構部25と小束金庫31との間で紙幣小束Tを把持して移動させる。また小束ハンド部28は、昇降機構部25又は小束金庫31からオーバーフロー庫27へも紙幣小束Tを移動させる。
【0053】
実際上、入金処理時においては、入金する金種に対応する小束金庫31の上には、小束プッシャ部29が位置しており、小束ハンド部28が金種に対応する小束金庫31の上まで移動すると、小束ハンド部28と小束プッシャ部29とが一体化する。このように小束ハンド部28と小束プッシャ部29とが一体化した状態を結合状態とも呼ぶ。続いて小束プッシャ部29は、小束ハンド部28から小束金庫31へ紙幣小束Tを押し込む。
【0054】
一方出金処理においては、結合状態の小束ハンド部28及び小束プッシャ部29は、出金する金種に対応する小束金庫31の上に位置し、小束プッシャ部29は、小束金庫31に対し、当該小束金庫31内に収納された紙幣小束Tを上方へ押し上げさせる。
【0055】
そして小束ハンド部28は、小束金庫31から受け取った紙幣小束Tを挟持したまま、通路32内を昇降機構部25まで移動する。このとき、小束ハンド部28は、小束プッシャ部29から分離した分離状態となる。
【0056】
小束プッシャ部29には、紙幣小束Tの金種の識別、束数の計数、紙幣小束Tが正常に施封されているか否かの施封状態の検出を行う認識部30が設けられている。認識部30は、小束ハンド部28により把持された紙幣小束Tが当該認識部30を通過する際に当該紙幣小束Tの金種の識別、束数の計数、施封状態の検出を行い、識別結果、計数結果及び検出結果を認識結果として制御部18に供給する。
【0057】
制御部18は、装置間搬送部19の下側に配置されている。制御部18は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、上述の各部を制御して、紙幣小束Tの施封処理、入金処理、出金処理、昇降部小束装填処理、在高確認処理、精査処理等を行うようになされている。また制御部18は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになされている。
【0058】
[1−3.収納繰出部の構成]
図5及び図6に示すように収納繰出部34は、互いに分離及び結合可能な小束ハンド部28と小束プッシャ部29とにより構成されている。
【0059】
小束ハンド部28は、略コ字形状のハンド部筐体35を有している。このハンド部筐体35は、下端部の中央から後端までが紙幣小束Tのサイズに合わせて切り欠かれた切欠部36が形成されており、当該切欠部36に紙幣小束Tが収まるようになされている。
【0060】
この切欠部36の上側には、最上位紙幣小束Ttの施封箇所Pb側(長手方向の左側)に当接する固定ピッカ機構37と、非施封箇所Pf側(長手方向の右側)に当接する可動ピッカ機構38とが、紙幣小束Tの長手方向の長さよりも若干短い間隔を隔てて左右方向に対向して設けられている。
【0061】
固定ピッカ機構37は、最上位紙幣小束Ttの施封箇所Pb側の前側面側に当接する前側固定ピッカ部39と、後側面側に当接する後側固定ピッカ部40とを有している。可動ピッカ機構38は、最上位紙幣小束Ttの非施封箇所Pf側の前側面側に当接する前側可動ピッカ部41と、後側面側に当接する後側可動ピッカ部42とを有している。以下では、前側固定ピッカ部39及び前側可動ピッカ部41をまとめて前側ピッカ部43とも呼び、後側固定ピッカ部40及び後側可動ピッカ部42をまとめて後側ピッカ部44とも呼ぶ。
【0062】
図7及び図8に示すように固定ピッカ機構37は、所定の厚みを有する金属板が板金加工された形状を有し、ハンド部筐体35に固定され水平方向に延びる金属板である小束上面押さえプレート45における前端が下方向へ直角に曲げられ前側ピッカアーム46となり、後端が下方向へ直角に曲げられ後側ピッカアーム47となっている。この前側ピッカアーム46及び後側ピッカアーム47は、上下方向の長さが紙幣小束の厚さよりもやや短く形成されている。また小束上面押さえプレート45は、右端部の左右方向の中央部において左方向に向かって切り欠かれた切欠48が形成されている。
【0063】
固定ピッカ機構37の上側には、小束ハンド部28が把持可能な高さに最上位紙幣小束Ttが位置しているかを検出する小束位置検出部50が設けられている。この小束位置検出部50は、小束位置検出センサ51、レバー支点52及び小束位置検出レバー53により構成されている。小束位置検出センサ51は、光学センサであり、ハンド部筐体35に取り付けられている。小束位置検出レバー53は、金属板が板金加工された形状を有し、レバー支点52を中心にハンド部筐体35に対し回動可能に取り付けられている。
【0064】
小束ハンド部28が把持可能な高さに最上位紙幣小束Ttが位置していない場合、小束位置検出レバー53は、最上位紙幣小束Ttに接触していない状態となり、このとき図7に示すように小束上面押さえプレート45の切欠48から一部が下方へ突出することにより図7中時計回りに回動し、小束位置検出センサ51の光軸を遮らない状態となる。一方小束ハンド部28が把持可能な高さに最上位紙幣小束Ttが位置している場合、最上位紙幣小束Ttは小束上面押さえプレート45に接触した状態となり、このとき図8に示すように小束位置検出レバー53は、当該最上位紙幣小束Ttの上面に接触して図8中反時計回りに回動し、小束位置検出センサ51の光軸を遮る状態となる。
【0065】
またハンド部筐体35には、図示せぬ駆動機構により回動軸54(図5)を中心に回動可能なL字形状のクランプアーム55が、可動ピッカ機構38と固定ピッカ機構37との間隔よりも若干長い間隔を隔てて左右方向に対向して設けられている。
【0066】
さらにハンド部筐体35の内部には、切欠部36の上方に、小束プッシャ部29の一部分を収納する小束プッシャ部収納領域56が設けられている。この小束プッシャ部収納領域56は、下方の切欠部36と繋がっている。
【0067】
この小束ハンド部28は、小束金庫31(図2)の入出口の外まで上昇した紙幣小束Tを、後側ピッカ部44により前方へスライドさせて移動させる。また小束ハンド部28は、切欠部36に紙幣小束Tを収めるようにして、後側可動ピッカ部42及び後側固定ピッカ部40とクランプアーム55との間に紙幣小束Tを挟み込むことで、紙幣小束Tを後側ピッカ部44とクランプアーム55とで挟持する。
【0068】
また小束ハンド部28は、昇降機構部25に載置された紙幣小束Tを、前側ピッカ部43により後方へスライドさせて移動させる。そして小束ハンド部28は、切欠部36に紙幣小束Tを収めるようにして、前側可動ピッカ部41及び前側固定ピッカ部39とクランプアーム55との間に紙幣小束Tを挟み込むことで、紙幣小束Tを前側ピッカ部43とクランプアーム55とで挟持する。
【0069】
一方小束プッシャ部29は、小束ハンド部28の小束プッシャ部収納領域56に一部分が収まるプッシャ部筐体57を有している。このプッシャ部筐体57の下端部の後側には図示せぬ駆動機構により駆動され紙幣小束Tを押圧する押込プレート58が設けられている。
【0070】
この小束プッシャ部29は、小束ハンド部28の後側から、小束プッシャ部収納領域56内に嵌脱自在に形成されている。
【0071】
また、小束プッシャ部29が、紙幣小束Tを挟持している状態の小束ハンド部28と一体化すると、このとき小束ハンド部28に挟持されている紙幣小束Tの上方に押込プレート58が位置することになる。この状態で小束プッシャ部29は、押込プレート58により紙幣小束Tの上面を押圧し、紙幣小束Tを下方に押し出す。このとき、小束ハンド部28のクランプアーム55は、押込プレート58の妨げとならないように退避する。
【0072】
また小束ハンド部28の後側固定ピッカ部40及び後側可動ピッカ部42は、押込プレート58の左右方向の外側に位置することにより、小束金庫31から紙幣小束Tを繰り出す際、押込プレート58の妨げとならないように配置されている。
【0073】
プッシャ部筐体57の左右端部からは、当該プッシャ部筐体57に対し図示しない駆動機構により上下方向に移動可能に形成されたアーム59が前方向に延設しており、当該アームの前端に円筒形状のアームシャフト60が左右方向に沿って取り付けられている。
【0074】
図9及び図10に示すようにアームシャフト60には、結合状態において小束ハンド部28が最上位紙幣小束Ttを移動させる際に次段紙幣小束Tsの前方向への移動を抑えるプッシャ部次段ストッパ61(61R及び61L)が設けられている。
【0075】
プッシャ部次段ストッパ61は、側面視略三角形状の板状の部材であるストッパ板62が左右方向に1cm程度の距離を隔ててストッパ結合部63により結合されたプッシャ部次段ストッパ61R及び61Lが、紙幣小束Tの長手方向の長さよりも若干短い間隔を隔てて左右方向に対向して設けられている。ストッパ板62には、ほぼ鉛直方向に沿う平面形状の後端面である小束移動抑止面64と、後方に傾く平面形状の前端面である小束ガイド面65とが形成されている。またプッシャ部次段ストッパ61は右側面視においてアーム59を中心として回動可能に形成されており、図示しない付勢手段により図10中反時計回りに付勢され、所定位置で係止されている。
【0076】
プッシャ部次段ストッパ61Rとプッシャ部次段ストッパ61Lとの左右方向の内側においてアームシャフト60に固定され後方へ延設するプレスガイド支持部材66には、プレスガイド67R及び67Lが設けられている。プレスガイド67(プレスガイド67R及び67L)は、右側面視においてプレスガイド支持部材66に対し回動可能に形成されており、図示しない付勢手段により反時計回りに付勢され、所定位置で係止されている。プレスガイド67は、側面視略三角形状の部材であるプレスガイド部68と、当該プレスガイド部68の後方上端からストッパ板62同士の間を後方へ延びて下方へ湾曲し当該プレスガイド部68に対し回動する板状の中間ガイド部69とから構成されている。プレスガイド部68には、後方に傾く平面形状の前端面である小束ガイド面70が形成されている。
【0077】
出金処理時に小束金庫31から紙幣小束を繰り出す繰出時において小束ハンド部28が最上位紙幣小束Ttを前方へ移動させる際、図11に示すように、最上位紙幣小束Ttの前方への移動に伴い、次段紙幣小束Tsも前方へ移動しようとするが、プッシャ部次段ストッパ61の小束移動抑止面64が当該次段紙幣小束Tsの前側面に当接することにより、前方向への移動を抑止する。これにより小束ハンド部28は、最上位紙幣小束Ttのみを確実に前方向へスライドさせることができる。
【0078】
またこのときプレスガイド67の中間ガイド部69の後端部がプレスガイド部68の後端面よりも後方において下方に向かって湾曲しているため、最上位紙幣小束Ttは、プレスガイド部68の後端面よりも先に中間ガイド部69の上面に当接し、当該中間ガイド部69の上面に沿って移動する。このため小束ハンド部28は、最上位紙幣小束Ttの前側面をプレスガイド部68の後端面に引っ掛けることなく前方へ移動させることができる。
【0079】
一方入金処理時に紙幣小束を小束金庫31に収納する収納時において小束ハンド部28が紙幣小束Tを後方へ移動させる際、図12に示すようにアーム59が下降することにより、紙幣小束Tがプレスガイド67に到達する前は当該プレスガイド67と認識部30との上下方向の空間を広く保つ。
【0080】
続いて紙幣小束Tが後方へ移動すると、特に紙幣小束Tが官封券よりも上下方向に膨らんでいる場合、図13に示すように当該紙幣小束Tがプレスガイド67及びプッシャ部次段ストッパ61に当接することにより当該プレスガイド67及びプッシャ部次段ストッパ61が図13中時計回りに回動し、紙幣小束Tの移動経路から退避する。
【0081】
続いて紙幣小束Tが認識部30まで到達すると、図14に示すようにアーム59が上昇することにより、回動したプレスガイド67の小束ガイド面70と回動したプッシャ部次段ストッパ61の小束ガイド面65とで紙幣小束Tを認識部30へ接触させ、当該認識部30と紙幣小束Tの上面との間を所定の距離に保つ。これにより認識部30は、紙幣小束Tを正確に認識できる。
【0082】
一方小束プッシャ部29(図5)には、小束ハンド部28の後側可動ピッカ部42に穿設されたカムプレート孔71に結合状態において遊挿するカムプレート72が前方向に向かって設けられている。
【0083】
カムプレート72は、垂直方向に延びる板状でなり、後方から前方に向かって上端が前後方向に沿って直線状に延びると共に、前端部分には前方に向かって下方向に直線状に傾斜するよう先細りに形成された傾斜部73が設けられている。
【0084】
[1−4.可動ピッカ部の構成]
図15図16及び図17に示すように可動ピッカ機構38は主に、当接部材74、繰出搬送可動ピッカアームとしての後側スライドピッカアーム75、収納搬送可動ピッカアームとしての前側スライドピッカアーム76、中間リンク77及びスライドアーム78により構成されている。なお図15図17乃至図28とにおいては、コイルスプリング89、コイルスプリング100及びコイルスプリング111は図示せず省略する。
【0085】
当接部材74は所定の厚みを有する金属板が板金加工された形状を有し、水平方向に延びる金属板である押当板79の左端が上方向へ直角に曲げられ取付板80となっている。この当接部材74は、ハンド部筐体35(図5及び図6)に対し固定されている。
【0086】
取付板80の後端からは、円筒形状でなる後側アーム摺動ポスト81が、上下方向に所定の間隔を空けて右側に向かって突設している。また取付板80の前端からは、上側において円筒形状でなる前側リンク摺動ポスト82が右側に向かって突設し、当該前側リンク摺動ポスト82の前側下方において、円筒形状でなる前側リンク回動ポスト83が、前側リンク摺動ポスト82と所定の間隔を空けて右側に向かって突設している。
【0087】
[1−4−1.後側可動ピッカ部の構成]
後側可動ピッカ部42は、主に当接部材74と後側スライドピッカアーム75とにより構成されている。
【0088】
後側スライドピッカアーム75は、所定の厚みを有する金属板が板金加工された形状を有し、垂直方向に延びる後側ピッカ板84の左端が前方に向かって直角に曲がり、後側摺動板85となっている。
【0089】
後側摺動板85には、当接部材74における後側アーム摺動ポスト81の外径よりも僅かに大きい前後方向の幅を有する後側摺動溝86が上下方向に延びるよう穿設され、当該後側摺動溝86には後側アーム摺動ポスト81が摺動可能に嵌り込んでいる。これにより後側スライドピッカアーム75は、当接部材74に対し上下方向に移動可能に構成されている。
【0090】
当接部材74に穿設された下側スプリング孔87と、後側スライドピッカアーム75に穿設された上側スプリング孔88とには、引張バネでなるコイルスプリング89の上端と下端とがそれぞれ掛止している。このため後側スライドピッカアーム75は、当接部材74に対しコイルスプリング89により下方向へ付勢されている。
【0091】
後側ピッカ板84のほぼ中央部分には、小束プッシャ部29に設けられたカムプレート72が挿脱可能なカムプレート孔71が穿設されている。
【0092】
また後側ピッカ板84の右端の上部は後方に向かって直角に折り曲げられ、背面視においてカムプレート孔71の上端付近を左右方向に横切るように、円筒形状でなるポストに回動自在なローラが取り付けられたカムポスト90が左側に向かって突設している。
【0093】
後側ピッカ板84におけるカムプレート孔71の下側は、小束金庫31から紙幣小束Tを取り出す際に最上位紙幣小束Ttの後側面に当接する板状の後側繰出部91となっている。また、後側ピッカ板84の下端は後方から上方に向かって側面視U字形状に曲げられ、後側当接部92が形成されている。
【0094】
かかる構成において、結合状態(図6)においては、図17に示すように、小束プッシャ部29に設けられたカムプレート72がカムプレート孔71に入り込んでいる。このときカムプレート72は、コイルスプリング89(図16)による下方向への付勢力に逆らって後側スライドピッカアーム75を上側に持ち上げた状態となっている。また当接部材74の後側アーム摺動ポスト81は、後側スライドピッカアーム75の後側摺動溝86のほぼ下端部に位置している。この結合状態において、後側スライドピッカアーム75はコイルスプリング89により下方向へ付勢されているため、カムポスト90には、カムプレート72の上側面に押し付けられる力が発生する。
【0095】
結合状態から分離状態に移行する際、小束ハンド部28の当接部材74は、小束プッシャ部29のカムプレート72に対し前方へ移動していく。このとき、図18に示すように、下方向に付勢されているカムポスト90がカムプレート72の傾斜部73の上側面に沿って徐々に下方向へ移動していく。このため後側スライドピッカアーム75は、当接部材74に対し徐々に下方向に移動する。
【0096】
さらに小束ハンド部28が小束プッシャ部29から前方へ離隔していくと、図19に示すように、カムポスト90はカムプレート72の傾斜部73から離れる。このとき後側可動ピッカ部42は、後側スライドピッカアーム75の下方への移動が止まるリミッタ状態となる。
【0097】
[1−4−2.前側可動ピッカ部の構成]
前側可動ピッカ部41は、主に当接部材74、前側スライドピッカアーム76、中間リンク77及びスライドアーム78により構成されている。
【0098】
ハンド部筐体35の右側板であるハンド部筐体右側板35R(図5)における、スライドアーム78と対向する位置には、円筒形状でなるハンド部筐体レールポスト93(図16)が、前後方向に所定の間隔を空けて左側に向かって突設している。
【0099】
スライドアーム78は所定の厚みを有する金属板が板金加工された側面視略L字形状であり、押当板79の右側において前後方向に延設するよう配置されている。スライドアーム78には、ほぼ鉛直方向に沿い昇降路内壁面33(図2)と前後方向に対向するスライドアーム当接面94と、後述するリンクポスト104と前後方向に対向し前方から後方へ向かうに連れて上方へ傾斜するスライドアーム傾斜部95と、当該スライドアーム傾斜部95の下端から前方へ水平に延びるスライドアーム水平部96とが形成されている。またスライドアーム78には、スライドアーム溝97が前後方向に延びるよう穿設され、当該スライドアーム溝97にはハンド部筐体レールポスト93が摺動可能に嵌り込んでいる。これによりスライドアーム78は、ハンド部筐体35及び当接部材74に対し前後方向に移動可能に構成されている。
【0100】
スライドアーム78の後方下端部に穿設された後側アームスプリング孔98と、ハンド部筐体35のハンド部筐体右側板35R(図5)においてスライドアーム78の後側アームスプリング孔98の前方に穿設された前側アームスプリング孔99とには、引張バネでなるコイルスプリング100(図16)の後端と前端とがそれぞれ掛止している。このためスライドアーム78は、ハンド部筐体35及び当接部材74に対しコイルスプリング100により前方向へ付勢されている。
【0101】
中間リンク77は、所定の厚みを有する金属板が板金加工され、前方が開口するコ字形状であり、左右方向に延びる金属板であるリンク接続板101における左端が前方向へ直角に曲げられリンク左側板102となり、右端が前方向へ直角に曲げられリンク右側板103となっている。
【0102】
リンク右側板103には、スライドアーム78のスライドアーム傾斜部95と前後方向に対向する位置に、円筒形状でなるポストに回動自在なローラが取り付けられたリンクポスト104が右側に向かってスライドアーム傾斜部95を横切るように突設している。
【0103】
ハンド部筐体右側板35R(図5)における、中間リンク77と対向する位置には、円筒形状でなるハンド部筐体リンクポスト105(図16)が左側に向かって突設している。
【0104】
リンク右側板103におけるリンクポスト104の前方下側でありハンド部筐体右側板35Rのハンド部筐体リンクポスト105と対向する位置には、円形状のリンク右側孔106が穿設している。リンク右側孔106には、ハンド部筐体右側板35Rのハンド部筐体リンクポスト105に対し摺動して回動可能に嵌り込んでいる。このため中間リンク77は、ハンド部筐体35に対し回動可能に構成されている。
【0105】
リンク右側孔106の下側に穿設された下側リンクスプリング孔109と、ハンド部筐体35(図5)の前側板であるハンド部筐体前側板35Fにおいてリンク右側板103の下側リンクスプリング孔109の前方に穿設された上側リンクスプリング孔110とには、引張バネでなるコイルスプリング111の下端と上端とがそれぞれ掛止している。このため中間リンク77は、ハンド部筐体リンクポスト105を軸として図17中反時計回りに付勢されている。
【0106】
リンク左側板102における、リンク右側板103のリンク右側孔106及び取付板80の前側リンク回動ポスト83と左右方向に対向する位置には、円形状のリンク左側孔107が穿設している。リンク左側孔107は、前側リンク回動ポスト83の外径よりも僅かに大きい内径を有し、当該前側リンク回動ポスト83に対し摺動して回動可能に嵌り込んでいる。このため中間リンク77は、前側リンク回動ポスト83及びハンド部筐体リンクポスト105を軸としてハンド部筐体35及び取付板80に対し回動可能に構成されている。
【0107】
またリンク左側板102におけるリンク左側孔107の前側には、前側スライドピッカアーム76の前側アーム回動ポスト116(後述する)の外径よりも僅かに大きい上下方向の幅を有するリンク切欠108が前端においてコ字形状に穿設されている。
【0108】
前側スライドピッカアーム76は、所定の厚みを有する金属板が板金加工された形状を有し、垂直方向に延びる前側ピッカ板112の左端が後方に向かって直角に曲がり、前側摺動板113となっている。
【0109】
前側摺動板113には、当接部材74における前側リンク摺動ポスト82の外径よりも僅かに大きい前後方向の幅を有する前側上方摺動溝114が上下方向に延びるよう穿設され、当該前側上方摺動溝114には前側リンク摺動ポスト82が上下に摺動可能に嵌り込んでいる。また前側摺動板113には、当接部材74における前側リンク回動ポスト83の外径よりも僅かに大きい前後方向の幅を有する前側下方摺動溝115が前側上方摺動溝114の前側下方において上下方向に延びるよう穿設され、当該前側下方摺動溝115には前側リンク回動ポスト83が上下に摺動可能に嵌り込んでいる。
【0110】
また前側摺動板113における前側下方摺動溝115の前方には、リンク左側板102のリンク切欠108の上下方向の幅よりも僅かに小さい外径を有する円筒形状でなる前側アーム回動ポスト116が右側に向かって突設し、当該リンク切欠108に嵌り込んでいる。
【0111】
これにより前側スライドピッカアーム76は、中間リンク77の回動に伴い当接部材74に対し上下方向に移動可能に構成されている。
【0112】
前側ピッカ板112における下部分は、昇降機構部25から紙幣小束Tを取り出す際に最上位紙幣小束Ttの前側面に当接する板状の前側繰出部117となっている。また、前側ピッカ板112の下端は前方に向かって直角に曲げられて側面視L字形状となり、前側当接部118が形成されている。
【0113】
かかる構成において、小束ハンド部28が昇降路内壁面33(図2)に当接した図20に示す当接状態においては、スライドアーム78がコイルスプリング100(図16)による前方向への付勢力に逆らって後方へ移動しており、中間リンク77のリンクポスト104がスライドアーム水平部96に当接している。このとき中間リンク77は、コイルスプリング111(図16)による反時計回りの付勢力に逆らって前側リンク回動ポスト83及びハンド部筐体リンクポスト105を軸として図20中時計回りに回動し、リンク切欠108により前側アーム回動ポスト116を上方へ移動させることにより、前側スライドピッカアーム76を上側に持ち上げた状態となっている。
【0114】
この当接状態において、中間リンク77はコイルスプリング111(図16)により前側リンク回動ポスト83及びハンド部筐体リンクポスト105を軸として図20中反時計回りへ付勢されているため、スライドアーム78のスライドアーム水平部96には、リンクポスト104から上方向に押し付けられる力が発生する。
【0115】
当接状態から、小束ハンド部28が昇降路内壁面33(図2)から後方へ離隔する離隔状態に移行する際、図21に示すようにスライドアーム78は、コイルスプリング100(図16)の付勢力により前方向へスライド移動していく。このとき、上方向に付勢されているリンクポスト104がスライドアーム水平部96からスライドアーム傾斜部95へ移動し、コイルスプリング111の付勢力で当該スライドアーム傾斜部95に沿って徐々に上方向へ移動していくことにより、中間リンク77が図21中反時計回りに回動する。これにより中間リンク77は、リンク切欠108により前側アーム回動ポスト116を当接部材74に対し徐々に下方へ移動させる。
【0116】
さらに小束ハンド部28が昇降路26から後方へ離隔していくと、図22に示すように、リンクポスト104はスライドアーム78のスライドアーム傾斜部95から離れる。このとき前側可動ピッカ部41は、前側スライドピッカアーム76の下方への移動が止まるリミッタ状態となる。
【0117】
[1−5.小束金庫からの搬送動作]
小束金庫31から紙幣小束Tを、当該小束金庫31から昇降機構部25へ向かう方向である繰出搬送方向Doへ取り出す際、施封小束支払機3は、小束ハンド部28を移動させ、昇降ステージを小束ハンド部28の小束上面押さえプレート45(図7)へ向かって紙幣小束Tを押し付けることにより、紙幣小束Tの上下方向への膨らみを抑え、変形を矯正する。
【0118】
続いて施封小束支払機3は、図23に示すように、後側可動ピッカ部42の後側スライドピッカアーム75における後側繰出部91と後側固定ピッカ部40(図7)とを最上位紙幣小束Ttの後側面に当接させる。この状態において、小束プッシャ部29のプッシャ部次段ストッパ61が次段紙幣小束Tsの前側面に当接することにより、当該次段紙幣小束Tsの前方への移動を抑止する。
【0119】
続いて施封小束支払機3は、小束ハンド部28を前方へ移動させることにより、最上位紙幣小束Ttを前方へ押して移動させる。このときカムポスト90がカムプレート72の傾斜部73を徐々に前方へ移動することにより、後側スライドピッカアーム75が最上位紙幣小束Ttの後側面に触れながら降下し、次段紙幣小束Tsに近づいていく。
【0120】
カムポスト90がカムプレート72から外れると、後側スライドピッカアーム75がさらに下方へ移動し、図24に示すように後側当接部92の下面が次段紙幣小束Tsの上面に当接することにより、後側スライドピッカアーム75の下方向への移動が止まる。
【0121】
実際上後側可動ピッカ部42は、施封小束支払機3において取り扱われる様々な状態の紙幣小束Tの厚みのばらつきを考慮し、リミッタ状態になる前に、次段紙幣小束Tsの上面に当接するように設計されている。
【0122】
続いて施封小束支払機3は、次段紙幣小束Tsの上面に後側当接部92を当接させたまま後側可動ピッカ部42をさらに前方へ移動させることにより、最上位紙幣小束Ttを前方へ移動させる。
【0123】
その後小束ハンド部28は、図25に示すように、次段紙幣小束Tsよりも紙幣小束Tの短手方向の長さの半分程が前方へ飛び出した状態において、後側ピッカアーム47(図7)及び後側スライドピッカアーム75とクランプアーム55とで最上位紙幣小束Ttを挟持し前方向へ移動することにより、当該最上位紙幣小束Ttを小束金庫31から取り出す。
【0124】
このように施封小束支払機3は、最上位紙幣小束Ttの厚みに対応させて後側スライドピッカアーム75を次段紙幣小束Tsの上面まで下降させ、最上位紙幣小束Ttの後側面の上端から下端に沿って連続的に後側繰出部91を当接させつつ押し出すようにした。
【0125】
これにより小束ハンド部28は、小束金庫31から最上位紙幣小束Ttを押し出して分離する際において、最上位紙幣小束Ttに段差を発生させず、形状を崩さないようにすることができる。
【0126】
[1−6.昇降機構部からの搬送動作]
昇降機構部25から紙幣小束Tを収納搬送方向Diへ取り出す際、施封小束支払機3は、小束ハンド部28を移動させ、図26に示すように、前側可動ピッカ部41の前側スライドピッカアーム76における前側繰出部117と前側固定ピッカ部39(図7)とを最上位紙幣小束Ttの前側面に当接させる。この状態において、昇降路26の昇降路次段ストッパが次段紙幣小束Tsの後側面に当接することにより、当該次段紙幣小束Tsの後方への移動を抑止する。
【0127】
続いて施封小束支払機3は、小束ハンド部28を後方へ移動させることにより、最上位紙幣小束Ttを後方へ押して移動させる。このときリンクポスト104がスライドアーム78のスライドアーム傾斜部95を徐々に後方へ移動することにより、前側スライドピッカアーム76が最上位紙幣小束Ttの前側面に触れながら降下し、次段紙幣小束Tsに近づいていく。
【0128】
リンクポスト104がスライドアーム傾斜部95から外れると、前側スライドピッカアーム76がさらに下方へ移動し、図27に示すように前側当接部118の下面が次段紙幣小束Tsの上面に当接することにより、前側スライドピッカアーム76の下方向への移動が止まる。
【0129】
続いて施封小束支払機3は、次段紙幣小束Tsの上面に前側当接部118を当接させたまま前側可動ピッカ部41をさらに後方へ移動させることにより、最上位紙幣小束Ttを後方へ移動させる。
【0130】
その後小束ハンド部28は、図28に示すように、次段紙幣小束Tsよりも紙幣小束Tの短手方向の長さの半分程が後方へ飛び出した状態において、前側ピッカアーム46(図7)及び前側スライドピッカアーム76とクランプアーム55とで最上位紙幣小束Ttを挟持し後方向へ移動することにより、最上位紙幣小束Ttを昇降機構部25から取り出す。
【0131】
このように施封小束支払機3は、最上位紙幣小束Ttの厚みに対応させて前側スライドピッカアーム76を次段紙幣小束Tsの上面まで下降させ、最上位紙幣小束Ttの前側面の上端から下端に沿って連続的に前側繰出部117を当接させつつ押し出すようにした。
【0132】
これにより小束ハンド部28は、昇降機構部25から最上位紙幣小束Ttを押し出して分離する際において、最上位紙幣小束Ttに段差を発生させず、形状を崩さないようにすることができる。
【0133】
[1−7.入金処理]
オペレータが操作表示部13を操作することにより入金処理を選択すると、施封小束支払機3は、入出金口23まで昇降機構部25を移動させて入出金口シャッタを開き、オペレータからの紙幣小束Tの受け渡しを待機する。
【0134】
オペレータが昇降機構部25に紙幣小束Tを載置すると、施封小束支払機3は、入出金口シャッタを閉じる。昇降機構部25は、紙幣小束Tを受け取ると、小束ハンド部28及び小束プッシャ部29の通路32の手前まで昇降路26内を降りていき、昇降機構部25に載置された紙幣小束Tのうちの最上位紙幣小束Ttを小束ハンド部28が把持できる位置まで移動する。昇降機構部25が通路32の手前まで移動すると、通路32の前端に移動してきた小束ハンド部28は、昇降機構部25に載置された紙幣小束Tのうち最上位紙幣小束Ttを把持する。
【0135】
このとき小束金庫31aの上には小束プッシャ部29が位置しており、小束ハンド部28が昇降機構部25から受け取った紙幣小束Tを把持したまま、小束金庫31aの上まで通路32内を後方(収納搬送方向Di)へ移動すると、小束ハンド部28と小束プッシャ部29とが一体化する。このとき認識部30は、下側を通過した紙幣小束Tの金種の識別、束数の計数、施封状態の検出を行い、認識結果を制御部18に供給する。
【0136】
ここで、入金された紙幣小束Tの金種が認識部30において識別できなかった場合や、紙帯が正しく施封されていない場合や、識別された金種に対応する小束金庫31が満杯の場合、制御部18は、紙幣小束Tが入金リジェクト紙幣小束であると判別する。このとき施封小束支払機3は、小束プッシャ部29を小束金庫31aの上に位置させたまま小束ハンド部28により昇降機構部25まで紙幣小束Tを運んで載置し当該昇降機構部25を入出金口23まで昇降路26内を上昇させ、入出金口シャッタを開くことにより、紙幣小束Tをオペレータに返却する。オペレータは、返却された紙幣小束Tの汚れや損傷、施封の状態を確認して小束や施封に問題がある場合は所定の処置をして再度入金する。
【0137】
一方、入金された紙幣小束Tの金種が認識部30において識別でき、且つ紙帯が正しく施封されており、且つ識別された金種に対応する小束金庫31が満杯でない場合、制御部18は、紙幣小束Tが正常紙幣小束であると判別する。このとき、一体化した小束ハンド部28及び小束プッシャ部29は、認識部30が識別した金種に対応する小束金庫31の上へ移動し、小束プッシャ部29が、小束ハンド部28に把持された紙幣小束Tを下方の小束金庫31へと押し出す。この結果、この紙幣小束Tが小束金庫31内の昇降ステージ(図示せず)上に積み重なるようにして収納される。
【0138】
小束金庫31の昇降ステージは、バネ等の付勢部材により上方に付勢されており、この昇降ステージと、小束金庫31の上端の入出口付近に設けられたストッパとで、昇降ステージ上に積み重ねられた紙幣小束Tを上下方向に挟み込んで保持する。
【0139】
小束ハンド部28は、昇降機構部25に載置された紙幣小束Tがなくなるまで上述した動作を繰り返すことにより、入金された紙幣小束Tを小束金庫31へ収納する。このときも小束プッシャ部29は、小束金庫31aへ移動して待機し、小束ハンド部28のみが、昇降機構部25と小束金庫31との間を移動する。
【0140】
昇降機構部25に載置された紙幣小束Tがなくなると、施封小束支払機3は、追加して入金する紙幣小束Tが存在するか否かをオペレータに問い合わせ、追加する紙幣小束Tが存在すると選択された場合は上述した動作を繰り返し昇降機構部25に載置された紙幣小束Tを小束金庫31に収納することにより入金処理を終了する。
【0141】
このように施封小束支払機3は、入金された紙幣小束Tの金種及び束数を判別して金種毎に設定された小束金庫31に収納することにより、小束金庫31a〜31dに収納する紙幣小束Tの金種及び束数を確定する。
【0142】
因みに施封小束支払機3は、入出金口23から入金された紙幣小束Tを小束金庫31に収納する以外にも、施封部22によって施封された紙幣小束Tを小束金庫31に収納することも可能となっている。この場合施封小束支払機3は、施封部22まで昇降機構部25を移動させて当該施封部22から昇降機構部25へ紙幣小束Tを受け渡し、上述した入金処理と同様の動作を行う。
【0143】
[1−8.昇降部小束装填処理]
一方、昇降部小束装填処理を行う際、オペレータは、図3に示したように施封小束支払機筐体14から下部ユニット17を引き出す。このとき図示しない昇降機構駆動部は、昇降機構部25を退避ポジションまで下降させる。下部ユニット17が引き出されたことを下部ユニットセンサにより検出すると、制御部18は、小束金庫31a〜31dの小束金庫シャッタを閉鎖することにより、小束金庫31a〜31dに紙幣小束Tが装填されることや、小束金庫31a〜31dから紙幣小束Tが取り出されることを防止する。
【0144】
続いてオペレータは、昇降機構部25に上方から例えば20束分の紙幣小束Tを直接載置し、下部ユニット17を押し込んで施封小束支払機筐体14内部に収納させる。下部ユニット17が収納されたことを下部ユニットセンサにより検出すると、制御部18は、小束金庫31a〜31dの小束金庫シャッタを開放することにより、小束金庫31a〜31dに対する紙幣小束Tの収納及び繰出を可能な状態とする。
【0145】
その後施封小束支払機3は、上述した入金処理とほぼ同様の動作を行う。このときも施封小束支払機3は、昇降機構部25に載置された紙幣小束Tが正常紙幣小束であった場合は小束金庫31に収納する一方、入金リジェクト紙幣小束であった場合はオーバーフロー庫27に収納する。
【0146】
このように施封小束支払機3は、昇降部小束装填処理時、オペレータが昇降機構部25に載置した紙幣小束Tを、金種毎に設定された小束金庫31に収納することにより、オペレータが外部から持ってきた大量の紙幣小束Tを一度に装填でき、オペレータの装填作業を軽減できる。
【0147】
[1−9.出金処理]
また、オペレータが操作表示部13を操作することにより出金処理を選択すると、まず、昇降機構部25が通路32の手前まで昇降路26内を移動する。
【0148】
ここで、小束ハンド部28及び小束プッシャ部29がオペレータにより指定された金種の小束金庫31(31a〜31d)の上まで移動する。このとき小束プッシャ部29は、小束ハンド部28内と一体化する。小束プッシャ部29は、押込プレート(図示せず)を下方まで伸ばして、下方の小束金庫31の昇降ステージ上に積み重ねられている紙幣小束Tを押し下げる。
【0149】
小束金庫31は、小束プッシャ部29により紙幣小束Tが下方に押し下げられると、入出口付近に設けられたストッパが外れる仕組みになっている。ストッパが外れると、昇降ステージ上に積み重ねられている紙幣小束Tは、当該昇降ステージと小束プッシャ部29の押込プレート58との間で保持されながら当該昇降ステージと共に上昇する。
【0150】
そして昇降ステージ上に積み重ねられている紙幣小束Tのうち最上位紙幣小束Ttが小束金庫31の入出口の外まで上昇すると、小束ハンド部28は、この最上位紙幣小束Ttを前方(繰出搬送方向Do)へスライドするよう移動させた後に把持する。
【0151】
そして小束ハンド部28は、小束金庫31から受け取った紙幣小束Tを把持したまま、小束プッシャ部29から分離する。このとき認識部30は、下側を通過した紙幣小束Tの金種の識別、束数の計数、施封状態の検出を行い、認識結果を制御部18に供給する。
【0152】
出金しようとしている紙幣小束Tの金種が認識部30において識別でき、且つ指定された金種の紙幣小束であり、且つ紙帯が正しく施封されている場合、制御部18は、紙幣小束Tが正常紙幣小束であると判別する。このとき小束ハンド部28は、通路32内を昇降機構部25の昇降路26まで移動する。
【0153】
小束ハンド部28は、昇降路26まで移動すると、このとき把持している紙幣小束Tを離し、昇降機構部25に載置する。指定された束数の紙幣小束Tが載置されると、昇降機構部25が入出金口23まで昇降路26内を上昇し、入出金口シャッタが開くことにより、紙幣小束Tがオペレータに受け渡される。
【0154】
一方、出金しようとしている紙幣小束Tの金種が認識部30において識別できなかった場合や、指定された金種の紙幣小束ではない場合や、紙帯が正しく施封されていない場合、制御部18は、紙幣小束Tが出金リジェクト紙幣小束であると判別する。このとき施封小束支払機3は、小束ハンド部28によりオーバーフロー庫27まで紙幣小束Tを運び、オーバーフロー庫シャッタを開いて当該オーバーフロー庫27に紙幣小束Tを収納する。
【0155】
このように施封小束支払機3は、出金処理時、金種毎に設定された小束金庫31から紙幣小束Tを繰り出して出金する。
【0156】
[1−10.効果]
以上の構成において施封小束支払機3は、繰出搬送ピッカ部としての後側ピッカ部44により小束金庫31から入出金口23へ向けてほぼ繰出搬送方向Doへ最上位紙幣小束をスライドさせてから移動させると共に、収納搬送ピッカ部としての前側ピッカ部43により昇降機構部25から小束金庫31へ向けてほぼ収納搬送方向Diへ最上位紙幣小束をスライドさせてから移動させるようにした。
【0157】
また紙幣小束Tは、施封箇所Pbにおいては紙帯Sが巻回されているため形状が崩れにくいものの、非施封箇所Pfにおいては紙帯Sが巻回されていないため束ずれが発生しやすく形状が崩れやすい傾向にある。
【0158】
これに対し施封小束支払機3は、紙幣小束の非施封箇所Pf側に、前側可動ピッカ部41又は後側可動ピッカ部42を当接させるようにした。

これにより施封小束支払機3は、最上位紙幣小束の非施封箇所Pf側の側面における上端から下端に亘って前側スライドピッカアーム76又は後側スライドピッカアーム75を当接させることができ、予め位置が固定された前側ピッカアーム46又は後側ピッカアーム47を非施封箇所Pf側の側面における上端から下端のやや上側までに当接させる場合と比べて、最上位紙幣小束をスライドさせる際に当該最上位紙幣小束の非施封箇所Pf側の形状が崩れることを防止できる。
【0159】
また施封小束支払機3は、紙幣小束の施封箇所Pb側に、前側可動ピッカ部41及び後側可動ピッカ部42を当接させるようにした。これにより施封小束支払機3は、非施封箇所Pf側よりは形状が崩れにくい紙幣小束の施封箇所Pb側にまで可動するピッカアームを当接させることは行わないため、紙幣小束の非施封箇所Pf側と施封箇所Pb側との両方に可動するピッカアームを当接させる場合よりも、前側ピッカ部43及び後側ピッカ部44の構成を簡素化すると共に、サイズの大型化を抑制できる。
【0160】
さらに施封小束支払機3は、後側可動ピッカ部42において結合状態から分離状態へ移行する際の小束ハンド部28及び小束プッシャ部29の動きを利用して、カムプレート72の傾斜部73がカムポスト90に当接することにより後側スライドピッカアーム75を上下移動させると共に、前側可動ピッカ部41において当接状態から離隔状態へ移行する際の小束ハンド部28の動きを利用して、スライドアーム78のスライドアーム傾斜部95がリンクポスト104に当接することにより前側スライドピッカアーム76を上下移動させるようにした。これにより施封小束支払機3は、前側可動ピッカ部41又は後側可動ピッカ部42にモータ等の駆動機構を設けて前側スライドピッカアーム76又は後側スライドピッカアーム75を上下移動させる場合と比べて構成を簡素化できる。
【0161】
ところで、後側当接部92を仮に前側当接部118と同様に側面視L字形状とした場合、小束金庫31の昇降ステージが小束ハンド部28の小束上面押さえプレート45へ向かって紙幣小束を押し付けるため、L字形状の部分の下端面と次段紙幣小束の上面との摩擦力により、後側スライドピッカアームの前方への移動に伴い、次段紙幣小束の上層部分を前方へ移動させてしまい、当該次段紙幣小束を変形させてしまう可能性があった。
【0162】
これに対し施封小束支払機3は、後側当接部92を側面視U字形状に形成したため、U字形状の部分の下端面の面積をL字形状の場合よりも小さくし、後側当接部92の下端面と次段紙幣小束の上面との摩擦力を、L字形状の部分の下端面と次段紙幣小束の上面との摩擦力よりも小さくでき、後側当接部92の移動に伴う当該次段紙幣小束の変形を防ぐことができる。
【0163】
また、昇降機構部25から最上位紙幣小束を収納搬送方向Diに向かってスライドさせる際は、昇降機構部25に載置された紙幣小束は上方へ押し付けられていないため、前側当接部118の下端面と次段紙幣小束との間の摩擦力は、後側当接部92を仮に側面視L字形状とした場合におけるL字形状の部分の下端面と次段紙幣小束の上面との摩擦力よりも小さくなるため、前側スライドピッカアーム76が後方へ移動しても、次段紙幣小束の上層部分を前方へ移動させる可能性は低い。
【0164】
このように施封小束支払機3は、前側当接部118は側面視L字形状としても、次段紙幣小束の形状を崩すことなく最上位紙幣小束をスライドさせることができるため、前側当接部118を後側当接部92と同様に側面視U字形状とする場合と比べて、後側ピッカ板84の下端を曲げる際の加工難易度を下げることができる。
【0165】
以上の構成によれば施封小束支払機3は、所定枚数の紙幣が紙帯で結束された紙幣小束を外部から受け入れると共に外部へ排出する入出金口23と、紙幣小束を収納する小束金庫31と、積層された紙幣小束のうちの最上位紙幣小束を、入出金口23から小束金庫31の方向へほぼ向かう収納搬送方向Diへ摺動させてスライドさせると共に、小束金庫31から入出金口23の方向へほぼ向かう繰出搬送方向Doへ摺動させてスライドさせ、入出金口23と小束金庫31との間で紙幣小束を搬送する収納繰出部34とを設けるようにした。
【0166】
これにより施封小束支払機3は、出金する際小束金庫31の最上位紙幣小束を入出金口23へ向けて形状を崩さず搬送できると共に、入金する際昇降機構部の最上位紙幣小束を小束金庫31へ向けて形状を崩さず搬送できるため、入出金口23から収納小束を取り込んで小束金庫31に収納できる。
【0167】
[2.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、紙幣小束の施封箇所Pb側に、前側固定ピッカ部39及び後側固定ピッカ部40を当接させるようにした。本発明はこれに限らず、紙幣小束の施封箇所Pb側に、可動するピッカ部を当接させても良い。この場合、構成は複雑化するが、紙幣小束の施封箇所Pb側の形状の崩れをより一層防止できる。
【0168】
また上述した実施の形態においては、前側当接部118を側面視L字形状とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、前側当接部118を後側当接部92のように側面視U字形状としても良い。
【0169】
さらに上述した実施の形態においては、金属板を板金加工で曲面形状に曲げることにより後側当接部92及び前側当接部118を形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、成型部品により後側当接部92及び前側当接部118を形成しても良い。
【0170】
さらに前側ピッカアーム46、後側ピッカアーム47、前側スライドピッカアーム76及び後側スライドピッカアーム75の形状は上述したものに限らず、側面視I字形状等、種々の形状であって良い。要は、最上位紙幣小束の側面に当接しながら移動することにより、次段紙幣小束から最上位紙幣小束をスライドさせながら分離できれば良い。
【0171】
さらに上述した実施の形態においては、後側可動ピッカ部42においてカムプレート72がカムポスト90に当接することにより後側スライドピッカアーム75を上下移動させ、前側可動ピッカ部41においてスライドアーム傾斜部95がリンクポスト104に当接することにより前側スライドピッカアーム76を上下移動させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば後側可動ピッカ部42に所定の可動リンクを設け、当該可動リンクが小束プッシャ部29に当接することにより後側スライドピッカアームを上下移動させたり、昇降路内壁面33に所定のカムプレートを、前側可動ピッカ部41に所定のカムポストをそれぞれ設け、当該カムプレートがカムポストに当接することにより前側スライドピッカアーム76を上下移動させたりして良い。
【0172】
さらに前側スライドピッカアーム76及び後側スライドピッカアーム75を上下移動させる機構は上述したものに限らず、例えば前側可動ピッカ部41及び後側可動ピッカ部42にモータ等の駆動機構を設けることにより前側スライドピッカアーム76及び後側スライドピッカアーム75を上下移動させても良い。また、紙幣小束Tの側面を撮影して得た画像から、最上位紙幣小束Ttと次段紙幣小束Tsとの境界位置を検出し、当該境界位置まで前側スライドピッカアーム76及び後側スライドピッカアーム75を下降させるようにしても良い。
【0173】
さらに昇降路26に設けられた図示しない昇降路小束位置検出部と、小束ハンド部28に設けられた小束位置検出部50とは、他の種々の構成でも良い。要は小束ハンド部28が把持可能な高さに最上位紙幣小束Ttが位置しているかを検出できれば良い。
【0174】
さらに上述した実施の形態においては、金融機関等において紙幣を取り扱う出納システム1における小束としての紙幣小束を取り扱う施封小束支払機3において本発明を適用する場合について述べた。
【0175】
本発明はこれに限らず、例えば商品券、金券、小切手、チケット、入場券、カード、宝くじ、証書や証券等のような薄い紙状の媒体の小束を取り扱う種々の装置に適用しても良く、或いは現金自動預払機のような紙幣を扱う他の装置内において適用しても良い。また、複数枚の紙葉状の紙幣が施封された媒体に限らず、例えば1枚以上の紙葉状の媒体を取り扱う種々の装置に適用しても良い。
【0176】
さらに上述した実施の形態においては、小束入出口としての入出金口23と、小束収納庫としての小束金庫31と、収納繰出部としての収納繰出部34とによって、小束処理装置としての施封小束支払機3を構成する場合について述べた。
【0177】
本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる小束入出口と、小束収納庫と、収納繰出部とによって小束処理装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0178】
本発明は、出納システム等に組み込まれた、小束を収納及び出金する小束処理装置で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0179】
1……出納システム、2……紙幣入出金機、3……施封小束支払機、4……紙幣補充回収機、5……新券支払機、6……棒金支払機、7……硬貨入出金機、8……認証プリンタ、9……現金外ポスト、10……ディスプレイ、11……キーボード、12……制御装置、13……操作表示部、14……施封小束支払機筐体、15……前面壁、16……上部ユニット、17……下部ユニット、18……制御部、19……装置間搬送部、20……集積部、21……紙幣クランプ移動部、22……施封部、23……入出金口、24……昇降部、25……昇降機構部、26……昇降路、27……オーバーフロー庫、28……小束ハンド部、29……小束プッシャ部、30……認識部、31……小束金庫、32……通路、33……昇降路内壁面、34……収納繰出部、35……ハンド部筐体、35R……ハンド部筐体右側板、35F……ハンド部筐体前側板、36……切欠部、37……固定ピッカ機構、38……可動ピッカ機構、39……前側固定ピッカ部、40……後側固定ピッカ部、41……前側可動ピッカ部、42……後側可動ピッカ部、43……前側ピッカ部、44……後側ピッカ部、45……小束上面押さえプレート、46……前側ピッカアーム、47……後側ピッカアーム、48……切欠、50……小束位置検出部、51……小束位置検出センサ、52……レバー支点、53……小束位置検出レバー、54……回動軸、55……クランプアーム、56……小束プッシャ部収納領域、57……プッシャ部筐体、58……押込プレート、59……アーム、60……アームシャフト、61……プッシャ部次段ストッパ、62……ストッパ板、63……ストッパ結合部、64……小束移動抑止面、65……小束ガイド面、66……プレスガイド支持部材、67……プレスガイド、68……プレスガイド部、69……中間ガイド部、70……小束ガイド面、71……カムプレート孔、72……カムプレート、73……傾斜部、74……当接部材、75……後側スライドピッカアーム、76……前側スライドピッカアーム、77……中間リンク、78……スライドアーム、79……押当板、80……取付板、81……後側アーム摺動ポスト、82……前側リンク摺動ポスト、83……前側リンク回動ポスト、84……後側ピッカ板、85……後側摺動板、86……後側摺動溝、87……下側スプリング孔、88……上側スプリング孔、89……コイルスプリング、90……カムポスト、91……後側繰出部、92……後側当接部、93……ハンド部筐体レールポスト、94……スライドアーム当接面、95……スライドアーム傾斜部、96……スライドアーム水平部、97……スライドアーム溝、98……後側アームスプリング孔、99……前側アームスプリング孔、100……コイルスプリング、101……リンク接続板、102……リンク左側板、103……リンク右側板、104……リンクポスト、105……ハンド部筐体リンクポスト、106……リンク右側孔、107……リンク左側孔、108……リンク切欠、109……下側リンクスプリング孔、110……上側リンクスプリング孔、111……コイルスプリング、112……前側ピッカ板、113……前側摺動板、114……前側上方摺動溝、115……前側下方摺動溝、116……前側アーム回動ポスト、117……前側繰出部、118……前側当接部、T……紙幣小束、Tt……最上位紙幣小束、Ts……次段紙幣小束、S……紙帯、Di……収納搬送方向、Do……繰出搬送方向、Pb……施封箇所、Pf……非施封箇所、T……紙幣小束。
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