(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アーム部材が、前記操作部材の回転中心線とは異なる向きに延びる回転中心線の回りに回転可能な部材であって、該アーム部材が前記端面の凹凸に応じて回転して前記押ボタンをオンオフするものであることを特徴とする請求項1記載の設定ダイヤル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はコストが低減された設定ダイヤル及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1は、
突出方向に付勢された押ボタンを備え、該押ボタンのオンオフを検出する押ボタンスイッチと、
回転中心線を取り巻く周面と該回転中心線が貫く端面とを有し、該周面にユーザによる回転操作を受ける操作部が形成され、該端面に前記押ボタンに作用させる凹凸が形成された操作部材と、
前記押ボタンスイッチの前記押ボタンと前記操作部材の前記端面との間に延び、該操作部材の回転操作による該端面の凹凸の変化に応じて該押ボタンをオンオフするアーム部材とを有し
、
前記押ボタンスイッチが前記押ボタンを複数備え、
前記アーム部材が、該押ボタンに対応して複数備えられ、
前記操作部材が、前記端面に、該操作部材の回転操作に応じた該操作部材の姿勢を該複数本のアーム部材を介して前記押ボタンスイッチに伝える凹凸を有することを特徴とする設定ダイヤルである。
【0006】
請求項2は、前記アーム部材が、前記操作部材の回転中心線とは異なる向きに延びる回転中心線の回りに回転可能な部材であって、該アーム部材が前記端面の凹凸に応じて回転して前記押ボタンをオンオフするものであることを特徴とする請求項1記載の設定ダイヤルである。
【0008】
請求項
3は、前記操作部材が、前記周面に、該操作部材の回転操作による姿勢に応じた標識が描かれた表示部を有することを特徴とする請求項1
または2に記載の設定ダイヤルである。
【0009】
請求項
4は、
用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部での画像形成に用いる用紙のサイズを設定する、請求項1から
3のうちいずれか1項記載の設定ダイヤルとを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の設定ダイヤルおよび請求項
4の画像形成装置によれば、ロータリスイッチを用いる場合と比べコストの低減が図られる。
また、請求項1の設定ダイヤルおよび請求項4の画像形成装置によれば、押しボタン1つのみの場合と比べ、操作部材の姿勢を細かく分けた設定が可能である。
【0011】
請求項
2の設定ダイヤルによれば、直動のアーム部材を備えた場合と比べ、押しボタンスイッチと操作部材の相互のレイアウトの自由度が高まる。
【0013】
請求項
3の設定ダイヤルによれば、表示部を有さない場合と比べ操作部材の姿勢が容易に視認できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態としてのプリンタの外観斜視図である。
【0017】
このプリンタ1には、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部装置から画像信号が入力され、このプリンタ1では、その入力された画像信号に基づく画像が形成される。
【0018】
このプリンタ1の下部には、引出し式の用紙トレイ2が備えられている。
【0019】
このプリンタ1は、用紙トレイ2に積まれた用紙を1枚ずつ取り出し、その用紙上に画像を形成して、上面にある排紙台3上に排出する。
【0020】
このプリンタ1の前面右下には、電源スイッチ4と、用紙サイズ設定ダイヤル5が備えられている。この用紙設定ダイヤル5は、このプリンタ1での画像形成に使用される用紙のサイズ(縦横の向きを含む)を設定する部材である。この用紙設定ダイヤル5は、本発明の設定ダイヤルの一実施形態に相当する。
【0021】
図2は、
図1に示す円Rの部分の拡大図である。
【0022】
この用紙設定ダイヤル5は、ユーザにより回転操作される操作部511aと、その操作部511aの回転操作による姿勢に応じた表示を視認させる表示部511bとを有する操作部材51を備えている。この用紙設定ダイヤル5の詳細説明は後に譲り、
図1に戻ってプリンタ1の説明を続ける。
【0023】
用紙トレイ2の上部には上端側が開く手差しトレイ6が備えられている。この手差しトレイ6は用紙トレイ10に積まれている用紙以外の用紙を臨時に使う場合に、その用紙が載せられるトレイである。この手差しトレイ6を開けてそこに用紙を載せると、このプリンタ1は、用紙2に積まれている用紙に代わり手差しトレイ6に載せられた用紙を取り込んで、その用紙上に画像を形成して排紙トレイ3上に排出する。
【0024】
図3は、
図1に外観を示すプリンタの概略構成図である。
【0025】
図1を参照して説明した通り、このプリンタ1には、下部に引出し式の用紙トレイ2と、その上に開閉式の手差しトレイ6が備えられており、プリンタ1の上面には排紙トレイ3が設けられている。用紙トレイ2あるいは手差しトレイ6からピックアップロール6a,6bにより、用紙が1枚ずつ取り出されて搬送経路81上を矢印A方向に進み、排紙トレイ3上に排出される。
【0026】
このプリンタ1には、画像形成エンジン9が備えられている。この画像形成エンジン9は、矢印B方向に回転するドラム形状の感光体91を有し、その周りには帯電器92、露光器93、現像器94、転写ロール95、およびクリーナ96が備えられている。
【0027】
帯電器92は、感光体91の表面を一様に帯電する。
【0028】
露光器93は、画像信号に基づいて変調された露光光931で感光体91上を繰り返し走査して、感光体91上に静電潜像を形成する。
【0029】
現像器94には、トナーを含む現像剤が収容されており、その現像剤が現像ロール941により感光体91に対面した位置に運ばれて感光体91上の静電潜像がトナーで現像される。この現像により感光体91上に形成されたトナー像は、転写ロール95の作用により、搬送経路81上を搬送されてきた用紙上に転写される。
【0030】
トナー像の転写を受けた用紙は、定着器10による加熱および加圧を受けて用紙上のトナー像がその用紙上に定着され、これにより、用紙上に定着トナー像からなる画像が形成される。定着トナー像からなる画像が形成された用紙は、排紙ロール11により排紙トレイ3上に排出される。
【0031】
転写ロール95の作用によりトナー像を転写した後の感光体91は、クリーナ96により、残存トナー等が除去される。
【0032】
図4,
図5は、用紙サイズ設定ダイヤル5の、それぞれ別々の方向から眺めたときの外観斜視図である。
【0033】
この用紙サイズ設定ダイヤル5には、操作部材51、アーム部材52および押ボタンスイッチ53が備えられている。
【0034】
図6は、
図4,
図5に示す用紙サイズ設定ダイヤルを構成する操作部材の外観斜視図である。
【0035】
この操作部材51は、回転中心線Lを取り巻く周面511と回転中心線Lが貫く端面512とを有する。そしてこの周面511には、ユーザによる回転操作を受ける操作部511aと、用紙サイズが記録された表示部511bとを有する。
【0036】
操作部材51の操作部511は、ユーザによる回転操作が可能なように、プリンタ1の筐体の外に突出している(
図1,
図2参照)。また、表示部511bには、様々な用紙サイズが記録されていて、操作部511aの操作による操作部材51の姿勢に応じた用紙サイズの表示がプリンタ1の筐体の窓から視認されるようになっている。
【0037】
図2に示す例では、この操作部材51は、「用紙サイズA4の縦向き」が視認される姿勢となっている。
【0038】
また、この操作部材51の端面512には、周回方向に変化する斜面や凹部や凸部からなる凹凸が形成されている。この凹凸は、アーム部材52を介して押ボタンスイッチ53に作用する凹凸である。この端面512の凸部には溝512aが形成され、また周縁部分一箇所に窪み512bが形成されている。これらの作用については後述する。
【0039】
図4,
図5に戻ってこの用紙サイズ設定ダイヤルの構造についてさらに説明を続ける。
【0040】
押ボタンスイッチ53は、
図5に示されているように、複数(ここに示す例では4つ)の押ボタン31を備えている。これらの押ボタン531は、それぞれが突出方向に付勢されており、押されると引込み方向に動き、押ボタンの押下を止めると付勢力により突出する。この押ボタンスイッチ53は、それら4つの押ボタン531の押下、突出によるオンオフを検出するスイッチである。
【0041】
それら4つの押ボタン531のうちの3つの押ボタン531aは、用紙サイズ検出用であり、残りの1つの押ボタン531bは、用紙トレイ2(
図1,
図3参照)の抜き差しの検出用である。
【0042】
また、アーム部材54は、押ボタン531の数(4個)と同数(4本)備えられている。これら4本のアーム部材53は、それぞれ回転中心線Mの周りに回転可能な部材である。これら4本のアーム部材によるそれぞれ回転中心線Mの回りに回転可能な部材である。この回転中心線Mは、操作部材51の回転中心線Lとは向きが90°異なっている。これら4本のアーム部材52のうちの3本のアーム部材52aは、3つの押ボタン531aにそれぞれ対応しており、対応する押ボタン531aをオンオフする役割を担っている。すなわち、これら3本のアーム部材52aは、操作部材51の回転操作による端面512の凹凸の変化に応じて回転中心線Mを中心に回転して、その凹凸の変化に応じて対応する押ボタン531aをオンオフする。押ボタンスイッチ53は、それら3つの押ボタン531aのオンオフに応じて、
図1,
図3に示すプリンタ1まで使用される用紙サイズを検出する。
【0043】
また、4本のアーム部材52のうちの残りの1本のアーム部材52bだけ他の3本と比べ形状が異なっている。このアーム部材52bは、用紙トレイ2(
図1,
図3参照)の抜き差しに応じて回転中心線Mを中心に回転して、用紙トレイ2の抜き差し検出用の押ボタン531bをオンオフするアーム部材である。
【0044】
これら
図4,
図5に示す例では、用紙サイズ検出用の3本のアーム部材52aのうちの2本のアーム部材52aは、操作部材51の端面512の凸部により押されて、対応する押ボタン531aを押下した状態にある。このとき、アーム部材52aの先端が端面512の凸部に形成されている溝512aに入り込んでいる。これにより、操作部材51の操作部511aを、回転操作するユーザに、クリック感が与えられる。
【0045】
また、
図4,
図5に示す例では、3本のアーム部材52aうちの隅にある1本のアーム部材52aは、操作部材51の端面512の凹部512aに入り込んでいる。このため、隅にある1本のアーム部材52aに対応する押ボタン531aにはその押ボタン531aを押し下げる力は働かず、押ボタンスイッチ53内の付勢力により押ボタン531aが突出している。これら3つの押ボタン531aのオンオフの組合せにより、例えば「A4縦」という用紙サイズが検出される。
【0046】
図7は、操作部材を
図4,
図5とは別の姿勢に回転させたときの用紙サイズ設定ダイヤルの斜視図である。
【0047】
また
図8は、用紙サイズ設定ダイヤルを支持部材で支持した状態を示す斜視図である。
【0048】
さらに
図9は、
図8に示す矢印X−Xに沿う断面図である。
【0049】
図7は、用紙サイズ検出用の3本のアーム52aが3本とも、操作部材51の端面512の凹部に入り込んでいる。操作部材51がこの姿勢にあるときは、アーム部材52aでクリック感を働かせることはできない。そこで、支持部材54には、操作部材51がこの姿勢にあるときに操作部材51の端面512に設けられている窪み512bに入り込む突部541が設けられていて、その空部541が窪み511に入り込むことによりクリックを形成している。
【0050】
また、
図9に示すように、この支持部材54には、ポール542が形成されており、このポール542がアーム部材52に入り込んでそのアーム部材52の回転軸となっている。
【0051】
図10,
図11は、
図1に示すプリンタの、用紙トレイ挿入箇所の一部分と用紙トレイの一部分の断面図である。
【0052】
用紙トレイ2は、プリンタ1に、
図10に示す矢印Z方向に差し込まれる。これら
図10,
図11には、用紙サイズ設定ダイヤル5、特に用紙トレイ抜き差し検出用のアーム部材52bが示されている。
【0053】
このアーム部材52bは、用紙トレイ2が差し込まれていない、
図10に示す状態では、押ボタン531に押されて用紙トレイ2が差し込まれるときの用紙トレイ2の通路に突出している。
【0054】
この用紙トレイ2がプリンタ1に差し込まれると、アーム部材52bは用紙トレイ2に設けられている突起部21により押されて回転し、押ボタン531bを押し込む。これにより、用紙トレイが差し込まれたことが検出される。
【0055】
本実施形態の用紙サイズ設定スイッチ5は、例えばロータリエンコーダを使用した従来の用紙サイズ設定スイッチ(例えば前掲の特許文献1参照)と比べ、単純な押ボタンスイッチとその他いくつかの成形品で済み、大幅なコスト削減が図られている。また本実施形態の用紙サイズ設定スイッチ5は、用紙トレイ2の抜き差しの検出も兼ねており、この点でもコストの低減が図られている。
【0056】
尚ここでは、本発明の設定ダイヤルの一例として用紙サイズ設定ダイヤルについて説明したが、本発明の設定ダイヤルは用紙サイズの設定のほか例えば画像濃度の設定など様々な変数の設定に適用することができる。
【0057】
またここでは、本発明の設定ダイヤルの一例としての用紙設定ダイヤルを
図1に示すプリンタに採用した例について説明したが、本発明は
図1に示すタイプのプリンタに限られるものではなく、用紙上に画像を形成する様々なタイプの画像形成装置に適用することができる。
【0058】
さらには、本発明の設定ダイヤルは、画像形成装置への適用に限られるものではなく、様々な装置における様々な設定に適用可能である。