特許第6206269号(P6206269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206269
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】画像の読取装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20170925BHJP
   H04N 1/028 20060101ALI20170925BHJP
   H04N 1/48 20060101ALI20170925BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   H04N1/04 101
   H04N1/04 D
   H04N1/028 Z
   H04N1/46 A
   G06T1/00 430G
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-53196(P2014-53196)
(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公開番号】特開2015-177406(P2015-177406A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】田井 慎一
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−152466(JP,A)
【文献】 特開2000−013564(JP,A)
【文献】 特開平11−234528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024− 1/207
H04N 1/46 − 1/64
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が記録された原稿に向けて光を照射する光源部であって、第1の色の光を照射する第1の光源部材と、前記第1の色とは異なる第2の色の光を照射する第2の光源部材と、前記第1の色および第2の色とは異なる第3の色の光を照射する第3の光源部材と、を有する前記光源部と、
原稿に対して予め設定された第1の方向に沿って相対的に移動して、原稿を読み取る読取部であって、前記原稿から反射された光を受光する受光素子が前記第1の方向に交差する第2の方向に沿った光を受光するように、並べて配置された前記読取部と、
前記各光源部材の発光を制御する光源制御手段であって、予め設定された時間間隔で出力される基準信号に基づいて、前記第1の色、第2の色、第3の色を順に繰り返し発光させると共に、前記第1の色の発光は、前記第2の色の発光開始時期に近づけ、且つ、第3の色の発光は、前記第2の色の発光終了時期に近づけるように制御する前記光源制御手段と、
を備え
前記第2の色の発光期間は前記第1の色および前記第3の色の各発光期間よりも長く設定され、
前記第1および前記第3の色の発光強度は、前記第2の色の発光強度よりも強くする
ことを特徴とする画像の読取装置。
【請求項2】
前記第1の色と前記第2の色との時間的なズレに基づいて、前記第2の色の位置における前記第1の色の補間処理を行うと共に、前記第3の色と前記第2の色との時間的なズレに基づいて、前記第2の色の位置における前記第3の色の補間処理を行う補間処理手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像の読取装置。
【請求項3】
媒体から画像を読み取る請求項1または2に記載の画像の読取装置と、
前記画像の読取装置に読み取られた画像に基づいて、媒体に画像を記録する画像の記録部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の読取装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像の記録された媒体、いわゆる、原稿を読み取る画像の読取装置について、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2006−304200号公報には、コンタクトイメージセンサ(101)を原稿に沿って副走査方向に移動させる際に、1ライン毎に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色のLED(102)を切り替えて点灯させて、各色の光を照射し、原稿からの反射光をモノクロイメージセンサ(104)で読み取る構成が記載されている。特許文献1に記載の構成では、R,G,Bの各LED(102)は、基準となるパルス信号がオンになると切り替わった次のLEDが点灯され、プリスキャンを行ってR、G,Bの各色に設定されたデータを記憶する時間が経過すると消灯されるように構成されている。すなわち、点灯時期は共通であるが、点灯時間は異なる制御が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−304200号公報(「0005」、「0011」、「0016」、「0019」、図5図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、読み取られた各単色の画像の間での色ズレを低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像の読取装置は、
画像が記録された原稿に向けて光を照射する光源部であって、第1の色の光を照射する第1の光源部材と、前記第1の色とは異なる第2の色の光を照射する第2の光源部材と、前記第1の色および第2の色とは異なる第3の色の光を照射する第3の光源部材と、を有する前記光源部と、
原稿に対して予め設定された第1の方向に沿って相対的に移動して、原稿を読み取る読取部であって、前記原稿から反射された光を受光する受光素子が前記第1の方向に交差する第2の方向に沿った光を受光するように、並べて配置された前記読取部と、
前記各光源部材の発光を制御する光源制御手段であって、予め設定された時間間隔で出力される基準信号に基づいて、前記第1の色、第2の色、第3の色を順に繰り返し発光させると共に、前記第1の色の発光は、前記第2の色の発光開始時期に近づけ、且つ、第3の色の発光は、前記第2の色の発光終了時期に近づけるように制御する前記光源制御手段と、
を備え
前記第2の色の発光期間は前記第1の色および前記第3の色の各発光期間よりも長く設定され、
前記第1および前記第3の色の発光強度は、前記第2の色の発光強度よりも強くする
ことを特徴とする画像の読取装置。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像の読取装置において、
前記第1の色と前記第2の色との時間的なズレに基づいて、前記第2の色の位置における前記第1の色の補間処理を行うと共に、前記第3の色と前記第2の色との時間的なズレに基づいて、前記第2の色の位置における前記第3の色の補間処理を行う補間処理手段、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記技術的課題を解決するために、請求項3に記載の発明の画像形成装置は、
媒体から画像を読み取る請求項1または2に記載の画像の読取装置と、
前記画像の読取装置に読み取られた画像に基づいて、媒体に画像を記録する画像の記録部と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,に記載の発明によれば、同じ間隔で異なる単色を発光するよりも、異なる単色で読み取った画像から多色の画像を作成する際に、各単色の画像間での色のずれを抑制することができる。
請求項1に記載の発明によれば、位置的な補正を多くする色と少ない色とを同じ長さで発光する場合よりも、多色の画像を作成する際に、各単色間での色のずれを抑制する事ができる。
請求項1の発明によれば、発光長さを異ならせ且つ光の強度を異ならせない場合に比べて、各色間での出力を同じにすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、補間処理を行わない場合に比べて、色ズレを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2図2は実施例1の画像の記録部の要部説明図である。
図3図3は実施例1の画像の読取装置と開閉部材の斜視図である。
図4図4は実施例1の画像の読取装置の説明図である。
図5図5は実施例1の光源部の要部説明図である。
図6図6は実施例1の光源制御のタイムチャートの説明図である。
図7図7は実施例1の読取画像の補正処理の説明図である。
図8図8は従来の画像の読取の説明図であり、図8Aは従来の光制御のタイムチャート、図8Bは原稿画像の一例としての黒い線状の画像、図8C図8Bの原稿画像を読み取った場合の各光の説明図、図8D図8Bの原稿画像の読取画像の説明図、図8Eは従来の補間処理の第1の例の説明図、図8Fは従来の補間処理の第2の例の説明図である。
図9図9は実施例1の画像の読取の説明図であり、図8Cに対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、記録部の一例であって、画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1を有する。プリンタ部U1の上部には、読取部の一例であって、画像の読取装置の一例としてのスキャナ部U2が支持されている。スキャナ部U2の上部には、原稿の搬送装置の一例としてのオートフィーダU3が支持されている。実施例1のスキャナ部U2には、入力部の一例としてのユーザインタフェースU0が支持されている。前記ユーザインタフェースU0は、操作者が入力をして、複写機Uの操作が可能である。
【0015】
オートフィーダU3の上部には、媒体の収容容器の一例としての原稿トレイTG1が配置されている。原稿トレイTG1には、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容可能である。原稿トレイTG1の下方には、原稿の排出部の一例としての原稿の排紙トレイTG2が形成されている。原稿トレイTG1と原稿の排紙トレイTG2との間には、原稿の搬送路U3aに沿って、原稿の搬送ロールU3bが配置されている。
【0016】
スキャナ部U2の上面には、透明な原稿台の一例としてのプラテンガラスPGが配置されている。実施例1のスキャナ部U2には、プラテンガラスPGの下方に、読取部の一例としての読取ユニットU2aが配置されている。実施例1の読取ユニットU2aは、プラテンガラスPGの下面に沿って、副走査方向の一例としての左右方向に移動可能に支持されている。読取ユニットU2aは、通常時は、図1の実線で示す初期位置に停止している。なお、読取ユニットU2aは、画像処理部GSに電気的に接続されている。
【0017】
図2は実施例1の画像の記録部の要部説明図である。
画像処理部GSは、プリンタ部U1の書込回路DLに電気的に接続されている。書込回路DLは、潜像の形成装置の一例としての露光装置ROSに電気的に接続されている。
実施例1の露光装置ROSは、書込光の一例としてのY,M,C,Kの各色に対応したレーザービームLy,Lm,Lc,Lkを出力可能に構成されている。露光装置ROSは、書込回路DLから入力された信号に応じたレーザービームLy〜Lkを出力可能に構成されている。
図1において、露光装置ROSの上方には、像保持体の一例としての感光体PRy,PRm,PRc,PRkが配置されている。図1図2において、各感光体PRy〜PRkにレーザービームLy〜Lkが照射される領域により、書込領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kが構成されている。
【0018】
各感光体PRy,PRm,PRc,PRkの回転方向に対して、書込領域Q1y〜Q1kの上流側には、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkが配置されている。実施例1の帯電ロールCRy〜CRkは、感光体PRy〜PRkに接触して従動回転可能に支持されている。
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、書込領域Q1y〜Q1kの下流側には、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkが配置されている。各感光体PRy〜PRkと各現像装置Gy〜Gkとが対向する領域により、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kが構成されている。
【0019】
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、現像装置Gy〜Gkの下流側には、1次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kが配置されている。各感光体PRy〜PRkと各1次転写ロールT1y〜T1kとが対向する領域により、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kが構成されている。
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、1次転写ロールT1y〜T1kの下流側には、像保持体の清掃器の一例としての感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
【0020】
前記Y色の感光体PRy、帯電ロールCRy、Y色のレーザービームLyを出力する露光装置ROS、現像装置Gy、1次転写ロールT1y、感光体クリーナCLyにより、可視像の一例としてのトナー像を形成する実施例1のY色の可視像の形成装置の一例としてのY色の作像部Uyが構成されている。同様に、各感光体PRm,PRc,PRk、帯電ロールCRm,CRc,CRk、露光装置ROS、現像装置Gm,Gc,Gk、1次転写ロールT1m,T1c,T1k、感光体クリーナCLm,CLc,CLkにより、前記M,C,K色の作像部Um,Uc,Ukが構成されている。
【0021】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBを有する。中間転写ベルトBは、無端帯状の部材により構成されている。
実施例1の中間転写ベルトBは、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRdと、張架部材の一例としてのテンションロールRtと、片寄りを補正する部材の一例としてのウォーキングロールRwと、従動部材の一例としてのアイドラロールRfと、2次転写領域の対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、により回転可能に支持されている。
【0022】
前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに対向する位置には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。実施例1では、バックアップロールT2aは接地され、2次転写ロールT2bには電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより、実施例1の2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが接触する領域により2次転写領域Q4が構成されている。
中間転写ベルトBの回転方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、中間転写体の清掃器の一例として、ベルトクリーナCLbが配置されている。
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、作像部Uy〜Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像の記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0023】
図1において、作像部Uy〜Ukの下方には、案内部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが3段設けられている。各ガイドレールGRには、媒体の収容部の一例としての給紙トレイTR1〜TR3が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR3には、媒体の一例としての記録シートSが収容される。
給紙トレイTR1〜TR3の右上方には、取出部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されている。記録シートSの搬送方向に対して、ピックアップロールRpの下流側には、捌き部材の一例としての捌きロールRsが配置されている。記録シートSの搬送方向に対して、捌きロールRsの下流側には、媒体の搬送路の一例として、上方に延びる給紙路SH1が形成されている。給紙路SH1には、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaが配置されている。
【0024】
給紙路SH1には、2次転写領域Q4の上流側に、搬送時期の調節部材の一例としてのレジロールRrが配置されている。
シートSの搬送方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱用の定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧用の定着部材の一例としての加圧ロールFpと、を有する。加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域により定着領域Q5が構成されている。
定着装置Fの上方には、搬送路の一例としての排紙路SH2が配置されている。プリンタ部U1の上面には、媒体の排出部の一例としての排紙トレイTRhが形成されている。排紙路SH2は、排紙トレイTRhに向けて延びる。排紙路SH2の下流端には、媒体の搬送部材の一例としての排紙ロールRhが配置されている。
【0025】
(画像形成動作の説明)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う場合には、読取ユニットU2aが初期位置から左右方向に移動して、プラテンガラスPG上の原稿Giが、露光されながら走査される。また、前記オートフィーダU3を使用して自動的に原稿Giを搬送して複写を行う場合には、読取ユニットU2aは、初期位置から、図1の破線で示す原稿の読み取り位置に移動して停止する。そして、原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、プラテンガラスPG上の原稿の読み取り位置に順次搬送されて通過し、原稿排紙トレイTG2に排出される。したがって、プラテンガラスPG上の読み取り位置を順次通過する各原稿Giは、停止した読取ユニットU2aに露光されて走査される。なお、原稿Giからの反射光は、読取ユニットU2aで受光される。前記読取ユニットU2aは、受光された原稿Giの反射光を電気信号に変換する。
【0026】
画像処理部GSは、読取ユニットU2aから出力された電気信号が入力される。画像処理部GSは、読取ユニットU2aが読み取ったR,G,Bの色の画像の電気信号を、潜像形成用のイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換する。画像処理部GSは、変換後の画像情報をプリンタ部U1の書込回路DLに出力する。なお、画像処理部GSは、画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報を書込回路DLに出力する。
書込回路DLは、入力された画像情報に応じた制御信号を、露光装置ROSに出力する。露光装置ROSは、制御信号に応じたレーザービームLy〜Lkを出力する。
【0027】
各感光体PRy〜PRkは、画像形成が開始されると回転駆動する。帯電ロールCRy〜CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。したがって、感光体PRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。帯電された感光体PRy〜PRkは、書込領域Q1y〜Q1kにおいて、レーザービームLy〜Lkにより、表面に静電潜像が形成される。感光体PRy〜PRkの静電潜像は、現像領域Q2y〜Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkにより可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0028】
現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて、1次転写ロールT1y〜T1kには、電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、各感光体PRy〜PRk上のトナー像は、1次転写ロールT1y〜T1kにより、中間転写ベルトBに転写される。なお、多色のトナー像の場合、上流側の1次転写領域で中間転写ベルトBに転写されたトナー像に重ねて、下流側のトナー像が転写される。
1次転写後の感光体PRy〜PRkの残留物、付着物は、感光体クリーナCLy〜CLkにより清掃される。清掃された感光体PRy〜PRk表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより再帯電される。
1次転写領域Q3y〜Q3kで1次転写ロールT1y〜T1kにより中間転写ベルトB上に転写された単色または多色のトナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
【0029】
画像が記録されるシートSは、使用される給紙トレイTR1〜TR3のピックアップロールRpにより、取り出される。ピックアップロールRpで取り出されたシートSは、複数枚のシートSが重ねて取り出された場合、捌きロールRsにより1枚ずつに分離される。捌きロールRsで分離されたシートSは、搬送ロールRaにより給紙路SH1を搬送される。給紙路SH1を搬送されたシートSは、レジロールRrに送られる。
レジロールRrは、中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期を合わせて、シートSを2次転写領域Q4に搬送する。2次転写ロールT2bには、電源回路Eによりトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。したがって、中間転写ベルトB上のトナー像は、中間転写ベルトBからシートSに転写される。
【0030】
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、表面に付着した付着物等がベルトクリーナCLbにより清掃される。
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着領域Q5を通過する際に加熱定着される。
画像が定着された記録シートSは、排紙路SH2を搬送される。排紙路SH2を搬送されたシートSは、排紙ロールRhにより排紙トレイTRhに排出される。
【0031】
(画像の読取装置の説明)
図3は実施例1の画像の読取装置と開閉部材の斜視図である。
図3において、画像の読取装置の一例としてのスキャナ部U2は、筐体の一例としてのケース1を有する。前記ケース1の上面には、開口の一例としてのガラスの支持口1aが形成されている。前記ガラスの支持口1aは左右方向に長い長方形状に形成されている。前記ガラスの支持口1aの左部には、前後方向に延びる板状の仕切り部2が形成されている。前記仕切り部2は、ガラスの支持口1を、右側の手動の読取口1a1と、左端側の自動の読取口1a2と、に仕切っている。よって、各読取口1a1,1a2は、長方形状に構成されている。
【0032】
図4は実施例1の画像の読取装置の説明図である。
図3図4において、手動の読取口1a1には、第1の原稿台の一例としての読取ガラス3が支持されている。実施例1の読取ガラス3は、透明な平板状のガラスで形成されている。前記読取ガラス3には、画像の記録された媒体、いわゆる、原稿Giが支持される。なお、前記読取ガラス3は、予め設定された読取可能な最大の原稿の大きさに基づいて形成されている。実施例1では、読取可能な最大の原稿の大きさ、すなわち、読取可能な最大の原稿のサイズは、一例として、規格化されたサイズのA3が設定されている。すなわち、実施例1の読取ガラス3は、左右方向がA3サイズの長辺に対応し、且つ、前後方向がA3サイズの短辺に対応する大きさに形成されている。
【0033】
前記読取ガラス3の後方には、左右方向に延びる板状の後側の揃え部4が支持されている。前記後側の揃え部4は読取ガラス3の後端に沿って配置されている。前記後側の揃え部4は、読取ガラス3の上面に対して上方に段差を有する状態で配置されている。よって、後側の揃え部4には、原稿Giの後端の縁を接触させて、原稿Giの後端の位置を揃えることが可能になっている。また、前記読取ガラス3の左方、すなわち、仕切り部2の右部には、前後方向に延びる板状の左側の揃え部6が支持されている。前記左側の揃え部6は、読取ガラス3の左端に沿って配置されている。前記左側の揃え部6は、読取ガラス3の上面に対して上方に段差を有する板状に形成されている。よって、左側の揃え部6には、原稿Giの左端の縁を接触させて、原稿Giの左端の位置を揃えることが可能になっている。
【0034】
図3図4において、前記自動の読取口1a2には、第2の原稿台の一例としての読取ガラス11が支持されている。実施例1の読取ガラス11は、透明な平板状のガラスで形成されている。なお、前記読取ガラス11の前後方向の長さは、予め設定された読取可能な最大の原稿の大きさに基づいて形成されている。実施例1では、前記読取ガラス11の前後方向の長さは、A3サイズの短辺の長さに対応して形成されている。前記読取ガラス3と前記読取ガラス11とにより、実施例1の支持面の一例としてのプラテンガラスPGが構成されている。
前記読取ガラス11の右方、すなわち、仕切り部2の左部には、原稿の案内部材の一例として、前後方向に延びる原稿のガイド12が支持されている。前記原稿のガイド12は、左端の高さが読取ガラス11の上面よりも低く設定され且つ右側に進むに連れて上方に傾斜する形状に形成されている。
【0035】
図1図4において、プラテンガラスPGの下方には、読取ユニットU2aが配置されている。
前記読取ユニットU2aは、読取部材の一例としてのCIS(Contact Image Sensor)ユニット21と、CISユニット21を支持する移動部の一例としてのキャリッジ22とを有する。
CISユニット21は、第2の方向の一例としての主走査方向に延びている。なお、実施例1では、主走査方向は、前後方向に対応している。CISユニット21は、内部に、光源部の一例としてのランプ21aが支持されている。ランプ21aは、読取ガラス3の上面の原稿Giに向けて読み取り用の光、いわゆる照明光を照射する。
【0036】
CISユニット21の内部には、原稿Giで反射された照明光を受光して画像を読み取る受光部21bが支持されている。受光部21bで受光した光は、基板21cで電気信号に処理されて画像処理部GSに送られる。なお、CISに関しては、従来公知であり、例えば、特開2007−13309号公報や特開2012−151568号公報に記載されているような種々の構成を採用可能である。
実施例1のCISユニット21は、前後両端に、上方に突出する接触部21dが4カ所設けられている。接触部21dは、上面が弧状に形成されており、接触部21dが読取ガラス3の下面に接触しながら移動する場合でも、摩擦抵抗が少なくなるように構成されている。
【0037】
CISユニット21は、キャリッジ22に対して上下方向に移動可能に支持されており、CISユニット21は、押し付け部材の一例としてのバネ24で上方に付勢されている。したがって、バネ24で押されたCISユニット21は、接触部21dが読取ガラス3の下面に押し当てられた状態で保持される。すなわち、CISユニット21のランプ21aや受光部21bと、読取ガラス3の上面の原稿Giとの距離が、予め設定された間隔に保持される。
実施例1のキャリッジ22は、図示しないユニットの案内部材の一例としてのガイドシャフトにより第1の方向の一例としての副走査方向に移動可能に支持されている。また、キャリッジ22には、図示しないユニットの移動部材の一例としてのベルトが接続されており、ベルトの正逆回転により副走査方向に移動される。よって、実施例1の読取ユニットU2aは、プラテンガラスPGの下方に配置された複数のセンサの検知信号に基づいて、移動する。オートフィーダU3で搬送される原稿Giを読み取る場合は、図1の実線で示す位置に読取ユニットU2aが移動し、読取ガラス3の上面に支持された原稿Giを読み取る場合は、図1の破線で示す読取開始位置から右方に読取ユニットU2aが移動する。
【0038】
図5は実施例1の光源部の要部説明図である。
実施例1のランプ21aは、第1の光源部材の一例としての赤色LED31と、第2の光源部材の一例としての緑色LED32と、第3の光源部材の一例としての青色LED33と、を有する。赤色LED31は、第1の色の光の一例としての赤色光を照射する。緑色LED32は、第2の色の光の一例としての緑色光を照射する。青色LED33は、第3の色の光の一例としての青色光を照射する。各LED31〜33から照射された光は、光導体の一例としてのライドガイド34を介して、主走査方向に沿ってライン状に原稿Giに照射される。
原稿Giからの反射光は、レンズ36を介して、受光部21bで受光される。実施例1の受光部21bは、受光素子が主走査方向に1列に並んで配置された1ラインセンサにより構成されている。
【0039】
図6は実施例1の光源制御のタイムチャートの説明図である。
図5において、各LED31〜33には、それぞれ駆動回路41,42,43が接続されている。各駆動回路41〜43は、制御部Cの光源制御手段C1により制御される。光源制御手段C1は、基準信号生成手段の一例としての基準パルス生成手段C1aと、第1の光制御手段C1bと、第2の光制御手段C1cと、第3の光制御手段C1dと、を有する。前記光源制御手段C1は、各LED31〜33の発光を制御する。実施例1の光源制御手段C1は、基準信号の一例としてのパルス信号に基づいて、赤色LED31、緑色LED32、青色LED33を順に繰り返し発光させる。
基準パルス生成手段C1aは、基準信号の一例としての基準パルスを生成させる。図6において、実施例1の基準パルス生成手段C1aは、予め設定された時間間隔t1をあけて基準信号の一例としてのパルス信号46を生成する。
【0040】
第1の光制御手段C1bは、駆動回路41を介して赤色LED31を制御して、赤色光の照射を制御する。実施例1の第1の光制御手段C1bは、赤色光を照射する場合、すなわち、前回青色光が照射された後にパルス信号が生成されると、パルス信号から予め設定された第1の待機時間taが経過した後の発光開始時期T1に、赤色LED31を制御して、赤色光を照射する。なお、第1の待機時間taは、赤色光の照射期間が、次の緑色光の照射期間に、できるだけ近づけるように、パルスの間隔t1と、赤色光の照射期間tbに基づいて、できるだけ大きな値が設定されている。また、実施例1の第1の光制御手段C1bは、従来に比べて、単位時間当たりの発光量、発光強度を増大させると共に、照射期間tbを短くしている。一例として、従来、光量に関係するLEDの電流値が300mAで、50μsの期間照射していたのに対して、実施例1では、500mA、30μsに設定されている。したがって、実施例1では、受光部21bで受光する総光量(=電流値×期間)は、従来と同様となるように設定されている。
【0041】
第2の光制御手段C1cは、駆動回路42を介して緑色LED32を制御して、緑色光の照射を制御する。実施例1の第2の光制御手段C1cは、緑色光を照射する場合、すなわち、前回赤色光が照射された後にパルス信号が生成されると、パルス信号から予め設定された第2の待機時間tcが経過した後の発光開始時期T3に、緑色LED32を制御して、緑色光を照射する。なお、第2の待機時間tcは、緑色光の照射期間が、前の赤色光の照射期間tbに、できるだけ近づけるように、できるだけ小さな値が設定されている。また、実施例1の第2の光制御手段C1cは、前の赤色光や次の青色光の照射期間に近づけるために、照射期間tdができるだけ長く設定されている。そして、実施例1の第2の光制御手段C1cでは、照射期間tdが長くなることに応じて、受光部21bでの総受光量が、受光部21bの性能上の容量を超えないようにするために、照射時の光量、すなわち、LED32へ供給される電流値が、従来に比べて、減少されている。
【0042】
一例として、実施例1では、電流値が100mA、照射期間tdが150μsに設定されている。したがって、実施例1では、受光部21bで受光する総光量(=電流値×期間)は、赤色光や従来の構成と同様となるように設定されている。なお、照射期間tdは、緑色光の期間の中心が、赤色光と青色光の中央となるように設定されている。すなわち、実施例1では、緑色光が照射される期間tdが、赤色光側または青色光側のどちらかに偏らないように設定されている。よって、実施例1では、赤色光の発光終了時期T2から緑色光の発光開始時期T3までの時間と、緑色光の発光終了時期T4から青色光の発光開始時期T5までの時間とが一致するように設定されている。
【0043】
第3の光制御手段C1dは、駆動回路43を介して青色LED33を制御して、青色光の照射を制御する。実施例1の第3の光制御手段C1dは、青色光を照射する場合、すなわち、前回緑色光が照射された後にパルス信号が生成されると、パルス信号から予め設定された第3の待機時間teが経過した後の発光開始時期T5に、青色LED33を制御して、青色光を照射する。なお、第3の待機時間teは、青色光の照射開始時期T5が、前の緑色光の照射終了時期T4に、できるだけ近づけるように、できるだけ小さな値が設定されている。また、実施例1の第3の光制御手段C1dは、赤色光の場合と同様に、従来に比べて、光量を増大させると共に、照射期間tfを短くしている。実施例1では、一例として、赤色光と同様に、青色光も、電流値が500mA、照射期間tfが30μsに設定されている。
【0044】
図7は実施例1の読取画像の補正処理の説明図である。
読取手段C2は、補間処理手段C2aを有し、受光部21bの受光結果に基づいて、原稿Giの画像を読み取る。実施例1の読取手段C2の補間処理手段C2aは、読み取られたR,G,Bの各画像に基づいて、読み取られた位置のずれを補間する処理に相当する補正処理を行う。図7において、実施例1では、一例として、R:赤色、B:青色の画像については、G:緑色の画像の位置に対して、読み取った画像の80%を割付、R,Bの画像を読み取った位置に20%を割り付ける処理を行う。なお、緑色の画像については、この処理を行わない。
【0045】
(実施例1の画像の読取装置の機能)
前記構成を備えた実施例1のスキャナ部U2では、原稿Giの画像が読み取られる場合には、原稿Giが読取ユニットU2aに対して、副走査方向に相対的に移動しながら、画像が読み取られる。このとき、原稿Giの主走査方向の1列、1ラインに対して、R,G,Bの光が順に照射されて、1ライン分の画像が読み取られる。
【0046】
図8は従来の画像の読取の説明図であり、図8Aは従来の光制御のタイムチャート、図8Bは原稿画像の一例としての黒い線状の画像、図8C図8Bの原稿画像を読み取った場合の各光の説明図、図8D図8Bの原稿画像の読取画像の説明図、図8Eは従来の補間処理の第1の例の説明図、図8Fは従来の補間処理の第2の例の説明図である。
従来の画像の読取装置では、白色光を照射して、R,G,Bの3ライン分の受光素子、いわゆる3ラインセンサを使用して画像を読み取る構成も存在する。しかしながら、センサの構成が高いため、低コスト化のために1ラインセンサを使用することも行われている。従来の1ラインセンサを使用する場合には、図8に示すように、パルス信号を基準として、R,G,Bの光を同じタイミングで照射していた。
【0047】
このような構成では、図8Bに示すような黒色の線を読み取る場合に、図8Cに示すように、R,G,Bの読取信号の位置ズレが存在する。よって、これらが合成されると、図8Dに示すように、フルカラーの読取画像には、黒の線の副走査方向の両側に赤と青の細い筋が発生し、いわゆる色ズレが発生する。これを低減するために、R,G,Bの読取画像が合成される前に、補正処理を行うことがある。
なお、色のずれには、色の位置的なずれや、色のボケ具合のずれなど、がある。ここで、例えば、色の位置的なずれを抑制するために、補正をすることが考えられるが、元々の位置ずれ量が多い場合には、その位置のずれの影響を抑制するために、前後の画素の寄与率を上げることが考えられる。その場合は、各色間で、前後の画素の寄与率を変える必要があるため、色のボケ具合のずれが発生してしまう。またこのボケ具合が異なる事でも、新たな色ずれが発生する場合もある。以下に、具体的に説明する。
【0048】
図8Eにおいて、Rの読取値は、Gの読取が行われている位置では、存在しないため、読取が行われていないGの位置に、Rの読取値を割り付ける処理、いわゆる補間処理が行われることがある。このとき、従来の構成では、Rの中心の位置01とGの中心の位置02が離れているため、Rの読取値の全てをGの位置に割り付けると、Rの位置の画像が存在した場合に、却って位置ズレが発生してしまうため、一部はRの位置01に割り付ける必要がある。よって、結果として、Gの位置02に割り付けられる割合が減ってしまい、解像力が減ってしまう(色がぼけてしまう)。特に、Gの読取値との間で解像力の差(色のボケ具合のズレ)が大きくなってしまう。Bに関しても、Gの読取値との間で解像力の差が大きくなる問題がある。
【0049】
図8Eに示す補正処理では、RとBの画像をGに合わせるために、結果として、RとBの画像がボケてしまい、Gのみボケていない状態となる。この状態では、やはり、図8Dに示すようなエッジ部の色付きが発生する。これに対して、図8Fに示すように、Gの画像もRとBに合わせてぼかすために、Gの読取値もR,Bの位置01,03に割り付ける処理も考えられる。しかしながら、図8Fに示す処理では、解像力の差は減るが、Gの解像力も低下しており、全体の解像力が低下してしまう(全体として色がぼけてしまう)問題がある。
特許文献1に記載の技術のように、R,G,Bの色毎に、照射期間を変更する構成ではR,G,Bの中心位置01〜03が、図8Aに示す場合よりも近づく。しかしながら、パルス信号に対して、LEDが照射を開始する時期は固定であり、近づけられる程度には限界がある。
【0050】
図9は実施例1の画像の読取の説明図であり、図8Cに対応する図である。
これらに対して、実施例1では、R,G,Bの順で発光する場合に、パルス信号に対して、R色、B色が発光を開始する時期が、G色に、できるだけ近づけられている。よって、R色,B色の読取の中心51,53が、G色の読取の中心52に近づいている。また、実施例1では、R色、B色の発光量も、G色に対して大きくなっている。よって、発光量が従来と同一の場合に比べて、さらに、G色に近づけることが可能になっている。したがって、実施例1では、従来に比べて、R,G,Bの色ズレが少なくなり、読取画像の画質の低下を低減することができる。
特に、例えば、通常600dpiで読み取る設定が200dpiに変更される場合のように、1ラインの読取周期が長くなる場合、従来のR,G,Bの間隔が長い構成では、色ズレ量が拡大する恐れがある。これに対して、実施例1では、R,G,Bの間隔が従来に比べて狭く、色ズレ量を抑制可能である。
【0051】
また、実施例1では、R色,G色,B色の読取の中心位置51〜53が近づいており、R色,B色について補間処理を行う場合に、図7に示すように、従来に比べて、多くの割合を割り付けることが可能になる。よって、R色,G色,B色の解像力の差を少なくすることができる。また、全体としての解像力も、従来に比べて、向上させることが可能である。
さらに、実施例1では、G色の発光強度が、R色、B色の発光強度よりも弱く設定されている。よって、図9に示すG色の発光強度の分布の形状は、R色やB色の強度分布の形状に比べて、山がなだらかな形状となる。R色、B色について、補間処理後は、強度分布の形状は、山がなだらかになり、結果としてG色の強度分布の形状とほぼ同じ形状なる。よって、G色の発光強度がR色、B色よりも弱くない場合に比べて、色ずれが抑制される。
【0052】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機Uを例示したが、これに限定されず、FAX、あるいは、FAXや、プリンタ、複写機などの複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。また、前記実施例において、画像の読取装置の一例としてスキャナ部U2を例示し、複写機Uに備えられた構成を例示したが、これに限定されず、本願発明は、スキャナ単体の構成にも適用可能である。
【0053】
(H02)前記実施例において、R,G,Bの色の照射順は、R,G,Bの順に限定されず、任意の順番に変更可能である。
(H03)前記実施例において、R,Bの発光量を大きくし、Gの発光量を小さくする構成とすることが望ましいが、これに限定されない。R,Bの発光量を、従来と同様にしたり、Gと同様にすることも可能である。また、Gの発光量も従来と同様にすることも可能である。
(H04)前記実施例において、R,Bの発光期間tb,tfは、同一にすることが望ましいが、LEDの発光開始までのタイムラグや発光が安定する間での時間等の特性や個体差等に応じて、変更することも可能である。Gの発光期間tdについても同様である。また、R,Bの発光期間tb,tfは、Gの発光期間tdよりも短く設定することが望ましいが、同一にすることも可能である。
【0054】
(H05)前記実施例において、補間処理については、実施例に例示した処理に限定されず、設計や仕様、要求される画質等に応じて、任意に変更可能である。また、補間処理を行うことが望ましいが、行わない構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0055】
21a…光源部、
31…第1の光源部材、
32…第2の光源部材、
33…第3の光源部材、
46…基準信号、
B…第3の色、
G…第2の色、
Gi…原稿、
t1…時間間隔、
T3…第2の色の発光開始時期、
T4…第2の色の発光終了時期、
tb…第1の色の発光期間、
td…第2の色の発光期間、
tf…第3の色の発光期間、
C1…光源制御手段、
C2a…補間処理手段、
R…第1の色、
S…媒体、
U…画像形成装置、
U2…画像の読取装置、
U2a…読取部、
Uy〜Uk+T1+T2+B…画像の記録部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9