(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定のパネル面に行方向及び列方向に並列配置された複数の空間光変調素子毎における近傍位置それぞれに設けられた調整光反射部材に、外部の光源から調整光を入射するステップと、
前記調整光反射部材において前記調整光を反射させることにより、前記空間光変調素子毎における近傍位置それぞれに設けられた副次的反射面に前記調整光を入射するステップと、
前記副次的反射面において前記調整光を反射させることにより、前記調整光反射部材に前記調整光を入射する第1反射ステップと、
前記調整光反射部材において、前記第1反射ステップにおいて入射された前記調整光を反射させる第2反射ステップと、
前記第2反射ステップにより反射された前記調整光に基づいて、前記空間光変調素子の光学面に垂直な光軸周りの回転による前記空間光変調素子の傾きを調整するステップと
を有することを特徴とする傾き調整方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の3行3列に空間光変調素子を並列配置した光学機器の構成では、表示面に垂直な側面方向の空間を利用して回転による傾き調整を行う場合、真ん中の1個の空間光変調素子は傾き調整する際の基準の設定ができない問題がある。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、複数の空間光変調素子の密集した並列配置に対応し、各空間光変調素子の光学面に垂直な光軸周りの傾き調整を、周囲を他の空間光変調素子に囲まれた内側の空間光変調素子も含めて調整し得る傾き調整機構を備えた光学機器と方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の傾き調整機構を備えた光学機器は、所定のパネル面に行方向及び列方向に並列配置された複数の空間光変調素子(10)
と、前記空間光変調素子毎にその近傍位置にそれぞれ設けられた調整光反射部材
(112)と、前記空間光変調素子毎にその近傍位置にそれぞれ設けられた副次的反射面(113)と、前記空間光変調素子毎に設けられた、前記空間光変調素子の光学面に垂直な光軸周りの回転による前記空間光変調素子の傾きを調整する傾き調整機構部(40,108,110)とを有し、前記調整光反射部材(112)は、入射した調整
光を前記副次的反射面に反射するように配置され、前記副次的反射面(113)は、隣接する他の空間光変調素子の前記調整光反射部材で反射されて入射する反射調整光を前記調整光反射部材に反射するように配置されることを特徴とする。
また、本発明の傾き調整方法は、所定のパネル面に行方向及び列方向に並列配置された複数の空間光変調素子毎における近傍位置それぞれに設けられた調整光反射部材に、外部の光源から調整光を入射するステップと、前記調整光反射部材において前記調整光を反射させることにより、
前記空間光変調素子毎における近傍位置それぞれに設けられた副次的反射
面に前記調整光を入射するステップと、前記副次的反射
面において前記調整光を反射させることにより、前記調整光反射部材に前記調整光を入射する第1反射ステップと、前記調整光反射部材において、
前記第1反射ステップにおいて入射された前記調整光を反射させる第2反射ステップと、前記第2反射ステップにより反射された前記調整光に基づいて、前記空間光変調素子の光学面に垂直な光軸周りの回転による前記空間光変調素子の傾きを調整するステップとを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、密集して並列配置された複数の空間光変調素子の各光軸周りの傾き調整を、周囲を他の空間光変調素子に囲まれた内側の空間光変調素子も含めて調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明になる傾き調整機構を備えた光学機器を構成要素として含む光学表示システムの一例のシステム構成図を示す。同図において、光学表示システム1は、サーバー部2、本発明の傾き調整機構を備えた光学機器3、光学系4から構成されており、合成像5を表示する。サーバー部2は表示すべき画像の映像信号を出力する。
【0013】
傾き調整機構を備えた光学機器3は、後述するように、その光学面に複数の空間光変調素子が3行3列、あるいは4行4列のように並列に配置されており、サーバー部2から供給された映像信号に応じて複数の空間光変調素子からそれぞれ光信号を出力する。光学系4は傾き調整機構を備えた光学機器3の複数の空間光変調素子からの複数の光出力を所望の形に合成して大きな合成像5を表示する。
【0014】
次に、本発明の傾き調整機構を備えた光学機器の一実施形態の構成について説明する。
【0015】
図2は、本発明の傾き調整機構を備えた光学機器の一実施形態の概略外観斜視図を示す。同図に示す本実施形態の光学機器3は
図1に示した光学機器3に相当し、外形が大略直方体形状の筐体30の前面パネルであるベース面31に、空間光変調素子の一例としての反射型液晶表示素子(Liquid Crystal on Silicon:以下、LCOSという)10が16個、4行4列に並列配置されている。LCOS10はその駆動端子がFPC(フレキシブルプリント回路)基板を介して筐体30内に実装されているLCOS駆動用の回路基板に接続されている。
【0016】
ベース面31は、筐体30の底板32に対して垂直に設けられており、また、
図1に示した光学系4の光軸を垂線とするように光学系4に対して正対するように配置されている。また、ベース面31の16個のLCOS10が並列配置されている領域の上側の領域のほぼ中央部に角度調整用基準反射部材25が取り付けられている。
【0017】
底板32は、その一部がベース面31よりも前方に突き出ており、その突き出ている底板位置で、16個のLCOS10のうち最下行の4個のLCOS10にそれぞれ対応する位置に、4個の傾き調整用基準反射部材20が設けられている。傾き調整用基準反射部材20は、最下段のLCOSの光軸に垂直な平面内での回転による傾きを調整する際に用いる。具体的には光学系の光軸に平行な調整光を調整光反射部材(112)で傾き調整用基準反射部材に反射し、傾き調整用基準反射部材20からの戻り光により傾き測定装置で調整するために用いる。
【0018】
一方、筐体30の上面33には16個のLCOS10の角度調整を個別に行う調整ノブ40が配置されている。調整ノブ40は、1個のLCOS10に対して、素子光学面であるベース面31に垂直な光軸の倒れ方向の傾きであるパン方向の傾きとチルト方向の傾きの計2方向の傾き角を別々に調整する2軸のアオリ調整用の2個と、素子光学面内の回転による傾き(θ傾き)調整用の1軸の1個とが設けられる。従って、ここではLCOS10は16個あるので、調整ノブ40は全部で48個設けられている。
【0019】
次に、LCOS10を調整機構に実装した空間光変調素子ユニットの構成について
図3、
図4及び
図5と共に説明する。
【0020】
図3は、空間光変調素子ユニットの一実施形態の光学系側斜め上方から見た外観斜視図、
図4は、空間光変調素子ユニットの一実施形態のユニットベースを透過した状態の装置内部側斜め上方から見た外観斜視図、
図5は、空間光変調素子ユニットの一実施形態のユニットベースを透過した状態の斜め下方から見た外観斜視図を示す。
図3〜
図5中、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0021】
図3〜
図5の外観斜視図に示す空間光変調素子ユニット100は、各LCOS10毎に筐体30に実装されており、LCOS10の光学面10−2に垂直な光軸に対するLCOSの傾きを、パン方向及びチルト方向にそれぞれ調整するアオリ調整と、光軸周りの回転に関して傾きを調整するθ傾き調整との機能を備える。LCOS10は光源から光学面10−2に入射するレーザー光を反射させて画像表示を行うため、光学系の一部としてLCOS10の光学面10−2側には図示しないレーザー光を入射させるハーフミラーが設けてあり、LCOS搭載側から再生像を見ながらアオリ調整を行うことはできない。
【0022】
次に、
図3、
図4及び
図5を用いて空間光変調素子ユニット100の構成を具体的に説明する。
【0023】
図3に示すように素子保持部材101は、LCOS10の光学面10−2の長辺と短辺に平行なLCOS外形とそれぞれ合わせるようにして位置決めして、LCOS10を筐体30の表面がベース面31である筐体部分(以下、これをユニットベースという)に取付けている。素子保持部材101はパン回転軸12でパン方向に回転自在にパンベース部材102に係合されている。図示しない付勢手段が、素子保持部材101をユニットベースに付勢する方向に設けられており、素子保持部材101に取付けた素子保持部材押圧部103をユニットベースに螺合されたパン調整ねじ104の凸量によって支持高さを変えてパン方向の角度変位を得る構造である。保持部材101の下側端部には45°反射面112が設けられ、それに対向する上側端部には副次的基準反射面113が設けられている。45°反射面112は、本発明の調整光反射部材を構成している。副次的基準反射面113はベース面31と垂直であり、ベース面31はLCOS10の光学面と平行である。
【0024】
パンベース部材102はチルト回転軸14でチルト方向に回転自在にチルトベース部材105に係合されており、図示しない付勢手段がパンベース部材102をベース面側に押し付ける方向に設けられており、チルトベース部材105及びパンベース部材102に取付けたパンベース部材押圧部106をユニットベースに螺合されたチルト調整ねじ107の凸量によって支持高さを変えてチルト方向の角度変位を得る構造である。
【0025】
パン調整ねじ104、チルト調整ねじ107、θ傾き調整ねじ108は筐体内部で一端をフレキシブルシャフトに接続されており、これらフレキシブルシャフトの他端は筐体上面33に取付けられた操作ノブ40に接続されている。このようにして、上面の操作ノブ33を回す事により調整が可能となる。
【0026】
チルトベース部材105は光学面の中心と一致させた位置に基準ピン109が形成されている。基準ピン109をユニットベース上の対応穴に差し込まれる。ユニットベースにはθ傾き調整用押圧部材110が固定されており、ユニットベースの穴を通して、ユニットベース裏面側に出ている部分を、ユニットベース裏面に取付けてあるブラケット111に螺合したθ傾き調整ねじ108の進退によりチルトベース部材105を、基準ピン109を中心とした回転により傾きを調整する。
【0027】
図6は、調整ねじを遠隔操作するフレキシブルシャフトの接続を示す。
図6に示すようにベース面31に螺合された調整ネジ104、107または108と、上面33に設けた操作用ノブ40とを繋ぐ部材がフレキシブルシャフト35である。フレキシブルシャフト35は可撓性回転軸としての性質を持ち、直線でなく撓んだ状態で一端に与えた回転を他端に伝える事ができる。内部は芯線の周りに鋼線を巻き付けた層が複数重なっており、本実施形態で用いるフレキシブルシャフト35は、重なりあった鋼線の巻き層は各層毎に反対周りに巻くようにしてあり、左右両回転方向に対応できる。外部は絶縁用の被覆で覆ってあり、回路基板等電気部品間の狭いスペースでもショート等の心配無く安心して使えるようにしてある。
【0028】
フレキシブルシャフト35は大トルク或いは高回転の伝達にも対応できる。フレキシブルシャフト35は、それ自体の腰が強く、適切な曲げ半径の確保と同時に、取り付け面に対してフレキシブルシャフトの腰の強さに負けない強度が必要である。フレキシブルシャフト35を接続した調整ネジ104、107、108をパンベース部材等に直接取付けると、フレキシブルシャフトの反力で角度が変わってしまい、反力に負けない付勢を行なうと操作性と操作に連れて角度変更する追従性が悪くなる。従って、本実施形態では中間支持体に直接取り付けずに、フレキシブルシャフト35の腰の強さの影響を受けないベース面31に取り付ける構造をとり、フレキシブルシャフトの反力はベース面31で遮断し、調整ねじの凸量の変化のみ伝えられるようにしたので、密集実装された調整用ネジ40の操作が可能になっている。
【0029】
図7は、調整ねじの動作説明図を示す。
図7(B)は同図(A)のa方向から見た図を示す。
図7(A)、(B)に示すように、ベース面31の内側の調整ねじ104の一端と上面の操作用ノブ40とをフレキシブルシャフト35で繋いで操作用ノブ40の回転を伝える。LCOS間の配置を狭めて狭ピッチ配置を実現するため、操作部は筐体30の裏面に設けてあり、裏面側にもLCOSを駆動する図示しない回路基板を実装するため直接操作を行なう空間が無く、遠隔操作を行う必要がある。
【0030】
このように、アオリ調整部はLCOS10を固定した水平方向及び垂直方向の支持体がそれぞれ回転軸を介して連結されており、連結された支持体の一端をベース面に螺合されネジ部が突き出す調整用ネジ104、107の突出量を変化させる作用により、支持体の傾きを変更する構造である。
【0031】
次に、調整方法について説明する。調整は光学系無しの状態で各LCOSの向きを揃えて更にθ傾きが無い状態にする粗調整と、粗調整後に行う光学系を取付けて合成像を確認しながら光学系に合わせて調整を行う微調整で構成される。
【0032】
粗調整は、アオリ調整とθ傾き調整とからなり、アオリ調整を行ってからθ傾き調整を行う。アオリ調整は、光源からのレーザー光を対象物に照射して対象物から反射された反射光を、コリメータレンズを介して受光素子で受け、その受光位置の変位により対象物の角度を得る市販の傾き測定装置を利用する。
【0033】
まず、前述の傾き測定装置により
図1のベース面31上に設けた基準となる角度調整用基準反射部材25の角度を測定し、角度調整用基準反射部材25と同じアオリ角度になるように16個のLCOS10の傾きを調整する。
【0034】
次に、同じ傾き測定装置を、基準となる角度調整用基準反射部材25に正対するように設置し、その状態を維持したまま、
図2に示した底板32に設けられた傾き調整用基準反射部材20に近接離間した位置にある最下段のLCOS10を実装する保持部材101上に設けた
図3に示す45°反射面112に、
図8に示すように傾き測定装置50からレーザー光を照射する。
【0035】
図9は、傾き測定装置50を用いて光学機器3に向かってLCOS10のθ傾きを調整する状態を示す。傾き測定装置50から出射されたレーザー光は光路51を経て45°反射面112に入射して反射し、その反射光が傾き調整用基準反射部材20で反射した後元の45°反射面112で再び反射され、光路52を経て傾き測定装置50に戻ってくる。このとき、角度調整用基準反射部材25の場合と同様に反射光を受光できるように、θ傾きの調整を行える調整用ノブ40を回して調整することにより、保持部材101が傾き調整用基準反射部材20に平行な状態に調整できる。
【0036】
最下段のLCOSの傾きを角度調整用基準反射部材20を用いて調整しておけば、最下段のLCOS保持部材の45°反射面112の反対側に設けた垂直な反射面である副次的基準反射面113が底板32と略平行な状態になるので、今度は、一行上の位置にあるLCOS保持部材のθ調整が同様に可能になる。
【0037】
なお、本実施形態では迷光抑止のため、LCOS保持部材101の45°反射面112に対向する場所にだけそれぞれ基準となる反射面を設けたが、一体で必要な領域をカバーする反射面としても良い。更に、底板32上に設けた傾き調整用基準反射部材20とベース面31上に設けた角度調整用基準反射部材25とは垂直な位置関係となるように装置組立の段階に合わせ込んである。
【0038】
上記の傾き調整後の保持部材101の光軸に垂直な副次的基準反射面113は、隣接する一行上のLCOSの保持部材の45°反射面112に対して傾き調整用基準反射部材20と同じ働きが可能になる。すなわち、
図9に示すように、一行上のLCOSのθ傾き調整のため、1行分の高さだけ高く位置調整された傾き測定装置50から出射されたレーザー光(調整光)は光路51‘を経て1行上のLCOS保持部材の45°反射面112に入射して反射し、その反射光が副次的基準反射面113で反射した後元の45°反射面112で再び反射され、光路52’を経て傾き測定装置50に戻ってくる。このとき、角度調整用基準反射部材25の場合と同様に反射光を受光できるように、θ傾きの調整を行える調整用ノブ40を回して反射光の光路が傾き測定装置50から出射されたレーザー光の光路と一致するように調整することにより、保持部材101が傾き調整用基準反射部材20に平行な状態に調整できる。
【0039】
図10は、θ傾きの調整の順番の一例を示す図である。まず、並列配置されたLCOS10のうち最下行の最も底板32に近く、かつ、左端の第一列のLCOS10を含む空間光変調素子ユニット100
1に対して前述した傾き測定装置50を用いたθ傾き調整が行われる。このとき、空間光変調素子ユニット100
1が傾いていると、傾き測定装置50から出射されたレーザー光(調整光)の光路53と、空間光変調素子ユニット100
1の45°反射面で反射されて傾き測定装置に戻ってくる反射光の光路54とが大きくずれる。そこで、この反射光の光路54が入射するレーザー光の光路53と一致するようにθ傾きの調整を行える調整用ノブ40を回して調整する。
【0040】
続いて、並列配置されたLCOS10のうち下から二番目で、かつ、第一列のLCOS10を含む空間光変調素子ユニット100
2に対して前述した傾き測定装置50を用いたθ傾き調整が行われる。空間光変調素子ユニット100
2のθ傾き調整が終了すると、続いて、並列配置されたLCOS10のうち下から三番目で、かつ、第一列のLCOS10を含む空間光変調素子ユニット100
3に対して前述した傾き測定装置50を用いたθ傾き調整が行われる。続いて、並列配置されたLCOS10のうち最上位行で、かつ、第一列のLCOS10を含む空間光変調素子ユニット100
4に対して前述した傾き測定装置50を用いたθ傾き調整が行われる。
【0041】
なお、
図9とともに説明したように、θ傾き調整毎に調整対象の空間光変調素子ユニットの位置に対応した高さ位置に傾き測定装置が移動される。また、空間光変調素子ユニット100
2〜100
4のθ傾き調整時にはその下の行の空間光変調素子ユニットの副次的基準反射面113を傾き調整用基準反射部材20と同様に扱う。
【0042】
このようにして、同じ列に配置された4個の空間光変調素子ユニット100
1〜100
4をひとまとまりとして、下から順にθ傾き調整が行われ、それらのθ傾き調整が終了すると、今度は次の第2列の4個の空間光変調素子ユニット100
5〜100
8に対して、下から順番にθ傾き調整が行われる。以下同様にして、最後の列の4個の空間光変調素子ユニットまで順番にθ傾き調整が行われる。なお、一旦調整が終わった後は迷光防止のためマスク部材を光路にいれて反射を防止する。
【0043】
このように、本実施形態によれば、基準となる傾き調整用基準反射部材20に近い側の空間光変調素子ユニットから順次LCOSの光軸周りの傾き調整(θ傾き調整)を行うことにより、並列配置された複数のLCOSのうち周囲を他のLCOSに囲まれた内側に配置されたLCOSのθ傾き調整も可能になる。更に非接触で調整を行えるので、着脱等によるずれが無く、安定的な調整を行える。更に、本実施形態によれば、複数の並列配置全体にわたってLCOS保持部材は同一形状のものを利用できるので、部品管理が容易になり、またコストダウンも見込める。
【0044】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、例えば、基準となる角度調整用基準反射部材25は、筐体30のベース面31以外の側面や上面側に設けてもよく、LCOS保持部材の対応する位置に45°反射面とその反対側に垂直な反射面を設けられれば、同様にθ傾き調整を行う事が可能である。
以上のようにして粗調整を行い、後に光学系4を接続し、合成像を見ながら微調整を行なう事で調整を完了する。