特許第6206479号(P6206479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6206479衛星電波受信装置、電波時計、情報取得方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206479
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】衛星電波受信装置、電波時計、情報取得方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G04R 20/06 20130101AFI20170925BHJP
   G04G 5/00 20130101ALI20170925BHJP
   G01S 19/30 20100101ALI20170925BHJP
   G01S 19/37 20100101ALI20170925BHJP
   G01S 19/14 20100101ALI20170925BHJP
   G04C 9/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   G04R20/06
   G04G5/00 J
   G01S19/30
   G01S19/37
   G01S19/14
   G04C9/00 301D
【請求項の数】18
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-251029(P2015-251029)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2017-116367(P2017-116367A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2016年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松江 剛志
【審査官】 濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−220877(JP,A)
【文献】 特開2010−197189(JP,A)
【文献】 特開2013−057525(JP,A)
【文献】 特開2009−188772(JP,A)
【文献】 特開平10−282210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04R 20/06
G04G 5/00
G01S 19/00−19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星から送信される符号信号を含む電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された電波に含まれる符号信号をなす複数の符号の配列及び当該配列の受信タイミングを同定する取得手段と、
を備え、
前記複数の符号は、前記符号信号により示される内容に従って定められる各符号の値が所定数の符号からなる符号ブロックごとに所定の条件に該当する場合にそれぞれ反転されており、
前記取得手段は、
前記受信手段により受信される電波に係る衛星の種別及び受信タイミングに応じて前記符号信号により示されると想定される内容に従って前記反転を考慮せずに定められる想定符号を含む照合符号列を生成し、
受信された電波から複数の符号を各々受信符号として同定し、
同定された前記受信符号の受信タイミングに対して予め設定されたずれ幅内の前記想定符号と、前記受信符号とを各々照合し、
照合された前記受信符号と前記想定符号との一致又は不一致を示す照合結果に係る情報を前記ずれ幅内におけるずれ量ごとに複数の前記受信符号について保持し、
前記符号ブロックごとに一致及び不一致の何れか数が多い方を合致として判定して、複数の前記符号ブロックにおける前記合致の数を前記ずれ量ごとに積算した値に応じた積算合致数を算出し、
当該積算合致数が所定の合致条件を満たすずれ量を合致ずれ量として同定する
ことを特徴とする衛星電波受信装置。
【請求項2】
前記取得手段は、
前記ずれ量ごとに前記照合を行った回数を計数した積算照合数を算出し、
所定の基準照合数以上の前記積算照合数と等しい前記積算合致数が得られることを前記合致条件に含み、
当該合致条件を満たす前記積算合致数が得られた前記ずれ量を前記合致ずれ量として同定する
ことを特徴とする請求項1記載の衛星電波受信装置。
【請求項3】
前記基準照合数は、前記想定符号と前記受信符号とが当該基準照合数続けて合致する合致確率が予め定められた基準値未満となるように定められることを特徴とする請求項2記載の衛星電波受信装置。
【請求項4】
前記合致確率は、前記想定符号と前記受信符号とが合致する確率を全て1/2として求められることを特徴とする請求項3記載の衛星電波受信装置。
【請求項5】
前記取得手段は、
前記ずれ量ごとに前記照合を行った回数を計数した積算照合数を算出し、
前記積算照合数に比して最大の前記積算合致数が得られた前記ずれ量における前記積算照合数に対する前記最大の積算合致数の第1出現確率が、二番目に大きい前記積算合致数が得られた前記ずれ量における前記積算照合数に対する前記二番目に大きい積算合致数の第2出現確率に比して、所定の基準比率以下となることを前記合致条件に含み、
当該合致条件を満たす前記最大の積算合致数が得られた前記ずれ量を前記合致ずれ量として同定する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
【請求項6】
前記第1出現確率及び前記第2出現確率は、前記受信符号の各値が何れも1/2の確率で出現するものとして求められる値とされることを特徴とする請求項5記載の衛星電波受信装置。
【請求項7】
前記合致ずれ量の同定は、一又は複数の前記符号ブロックに応じた単位符号数の受信符号が同定されて前記想定符号と照合されるごとに行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の衛星電波受信装置。
【請求項8】
前記単位符号数は、前記衛星に応じた信号送信フォーマットにおける所定の一周期に応じた符号数であることを特徴とする請求項7記載の衛星電波受信装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記積算照合数と前記積算合致数との関係が所定の下限基準を満たさないずれ量を前記合致ずれ量の候補から除外し、当該ずれ量における前記積算照合数の計数と前記積算合致数の算出のうち少なくとも一方を中止することを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
【請求項10】
前記取得手段は、前記積算照合数と前記積算合致数との関係が所定の下限基準を満たさないずれ量を前記合致ずれ量の候補から除外し、前記合致ずれ量の候補から除外されていないずれ量が一つだけとなった場合には、当該一つのずれ量を前記合致ずれ量として同定することを特徴とする請求項5〜9の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
【請求項11】
前記取得手段は、所定のタイミングで前記衛星からの電波の受信強度に係る信号指標値を取得し、当該信号指標値に応じて前記合致条件を変更することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
【請求項12】
前記取得手段は、所定の上限照合時間内に前記合致条件を満たす前記積算合致数が得られなかった場合には、前記合致条件を変更することを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
【請求項13】
前記取得手段は、
前記照合符号列の各符号が前記想定符号であるか否かを識別する識別情報を生成し、
当該識別情報を参照して前記受信符号と前記想定符号とを照合する
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
【請求項14】
前記取得手段は、
前記受信符号が各々同定されるごとに、当該受信符号に対して前記ずれ幅内の前記想定符号と照合を行い、
前記ずれ量の各々について、前記符号ブロック内の前記想定符号の全てが前記受信符号と照合されるごとに、前記合致の判定及び前記積算合致数の算出を行う
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載の衛星電波受信装置と、
日時を計数する計時手段と、
前記計時手段の計数する日時に基づく表示を行う表示手段と、
制御手段と、
を備え、
前記取得手段は、前記計時手段の計数する日時に基づいて想定される前記受信タイミングと、前記合致ずれ量とに基づいて現在日時を取得し、
前記制御手段は、前記取得手段により取得された現在日時により前記計時手段が計数する日時を修正する
ことを特徴とする電波時計。
【請求項16】
前記取得手段は、前記計時手段が計数する日時と、前記制御手段により日時が修正されたタイミングからの経過時間とに基づいて、前記ずれ幅を設定することを特徴とする請求項15記載の電波時計。
【請求項17】
衛星から送信される符号信号を含む電波を受信する受信手段により受信された電波に含まれる符号信号をなす複数の符号の配列及び当該配列の受信タイミングのずれ量を同定する情報取得方法であって、
前記符号信号をなす複数の符号は、当該符号信号により示される内容に従って定められる各符号の値が所定数の符号からなる符号ブロックごとに所定の条件に該当する場合にそれぞれ反転されており、
前記受信手段により受信される電波の種別及び受信タイミングに応じて前記符号信号により示されると想定される内容に従って前記反転を考慮せずに定められる想定符号を含む照合符号列を生成する照合符号列生成ステップ、
受信された電波から複数の符号を各々受信符号として同定する符号同定ステップ、
同定された前記受信符号の想定受信タイミングに対して予め設定されたずれ幅内の前記想定符号と、前記受信符号とを各々照合する照合ステップ、
照合された前記受信符号と前記想定符号との一致又は不一致に係る照合結果を前記ずれ幅内におけるずれ量ごとに複数の前記受信符号について保持する結果保持ステップ、
前記符号ブロックごとに一致及び不一致の何れか数が多い方を合致として判定して、複数の前記符号ブロックにおける前記合致の数を前記ずれ量ごとに積算した積算合致数を算出する合致判定ステップ、
当該積算合致数が所定の合致条件を満たすずれ量を合致ずれ量として同定するずれ量同定ステップ、
を含むことを特徴とする情報取得方法。
【請求項18】
衛星から送信される符号信号を含む電波を受信する受信手段を備えるコンピュータを、
前記受信手段により受信された電波に含まれる符号信号をなす複数の符号の配列及び当該配列の受信タイミングを同定する取得手段として機能させるプログラムであって、
前記符号信号をなす複数の符号は、当該符号信号により示される内容に従って定められる各符号の値が所定数の符号からなる符号ブロックごとに所定の条件に該当する場合にそれぞれ反転されており、
前記取得手段は、
前記受信手段により受信される電波の種別及び受信タイミングに応じて前記符号信号により示されると想定される内容に従って前記反転を考慮せずに定められる想定符号を含む照合符号列を生成し、
受信された電波から複数の符号を各々受信符号として同定し、
同定された前記受信符号の想定受信タイミングに対して予め設定されたずれ幅内の前記想定符号と、前記受信符号とを各々照合し、
照合された前記受信符号と前記想定符号との一致又は不一致に係る照合結果を前記ずれ幅内におけるずれ量ごとに複数の前記受信符号について保持し、
前記符号ブロックごとに一致及び不一致の何れか数が多い方を合致として判定して、複数の前記符号ブロックにおける前記合致の数を前記ずれ量ごとに積算した積算合致数を算出し、
当該積算合致数が所定の合致条件を満たすずれ量を合致ずれ量として同定する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、測位衛星からの電波を受信する衛星電波受信装置、電波時計、情報取得方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GNSS(Global Navigation Satellite System)に係るナビゲーション衛星(測位衛星)からの電波を受信して日時情報を取得することで、計数する日時を正確に保つ機能を有する電子時計(電波時計)がある。この電波時計では、ユーザの手動操作を必要とせず、また、世界の各地で計数、表示する日時を正確に保つことが出来る。
【0003】
しかしながら、衛星電波の受信に係る負荷は、電子時計における日時の計数や表示に係る負荷と比較して非常に大きく、衛星電波の受信への対応は、バッテリの大型化、及びこれに伴う電子時計のサイズの大型化や重量増加に繋がるという問題がある。そこで、従来、衛星電波の受信に係る電力消費を低減させるための種々の技術が開発されている。
【0004】
このような電力消費を低減させる技術の一つとして、電波受信時間の短縮がある。特許文献1には、GPS衛星から送信される信号のフォーマット(航法メッセージ)に従って日時情報を含む所定の部分の送信タイミングに合わせて受信し、不要な情報が送信されている間受信を一時停止させる技術について開示されている。このとき、日時の誤同定を避けるために、上記所定の部分を含むブロックに対応するパリティデータが取得されて受信データの整合が確認されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−36748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、受信された各符号を同定してから必要な時刻情報を解読し、更にパリティチェックなどの照合動作を行うと、結局、電波受信中の処理の負荷が大きくなり、また、メモリ容量や電力消費量の増大に繋がりやすいという課題がある。
【0007】
この発明の目的は、不要な処理負荷や電力消費を抑制しつつ正確に時刻に係る情報を取得することの出来る衛星電波受信装置、電波時計、情報取得方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、
衛星から送信される符号信号を含む電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された電波に含まれる符号信号をなす複数の符号の配列及び当該配列の受信タイミングを同定する取得手段と、
を備え、
前記複数の符号は、前記符号信号により示される内容に従って定められる各符号の値が所定数の符号からなる符号ブロックごとに所定の条件に該当する場合にそれぞれ反転されており、
前記取得手段は、
前記受信手段により受信される電波に係る衛星の種別及び受信タイミングに応じて前記符号信号により示されると想定される内容に従って前記反転を考慮せずに定められる想定符号を含む照合符号列を生成し、
受信された電波から複数の符号を各々受信符号として同定し、
同定された前記受信符号の受信タイミングに対して予め設定されたずれ幅内の前記想定符号と、前記受信符号とを各々照合し、
照合された前記受信符号と前記想定符号との一致又は不一致を示す照合結果に係る情報を前記ずれ幅内におけるずれ量ごとに複数の前記受信符号について保持し、
前記符号ブロックごとに一致及び不一致の何れか数が多い方を合致として判定して、複数の前記符号ブロックにおける前記合致の数を前記ずれ量ごとに積算した値に応じた積算合致数を算出し、
当該積算合致数が所定の合致条件を満たすずれ量を合致ずれ量として同定する
ことを特徴とする衛星電波受信装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従うと、不要な処理負荷や電力消費を抑制しつつ正確に時刻に係る情報を取得することが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の電子時計の機能構成を示すブロック図である。
図2】GPS衛星から送信されている航法メッセージのフォーマットを説明する図である。
図3】符号の照合について説明する図である。
図4】符号の照合について説明する図である。
図5】日時取得処理のフローチャートである。
図6】日時情報受信処理のフローチャートである。
図7】日時情報受信処理で呼び出されるパターン照合処理のフローチャートである。
図8】日時情報受信処理で呼び出される信頼性判定処理のフローチャートである。
図9】日時情報受信処理の変形例1で呼び出される信頼性判定処理のフローチャートである。
図10】日時情報受信処理の変形例2を示すフローチャートである。
図11】日時情報受信処理の変形例2で呼び出されるパターン照合処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電波時計の実施形態である電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
この電子時計1は、少なくとも米国のGPS(Global Positioning System)に係る測位衛星(以下、GPS衛星と記す)からの電波を受信して信号を復調し、日時情報の取得や測位を行うことが可能な電波時計である。
電子時計1は、制御手段としてのホストCPU41(Central Processing Unit)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)と、発振回路44と、分周回路45と、計時手段としての計時回路46と、表示手段としての表示部47と、表示ドライバ48と、操作部49と、電力供給部50と、衛星電波受信装置としての衛星電波受信処理部60と、アンテナANなどを備える。
【0013】
ホストCPU41は、各種演算処理を行い、電子時計1の全体動作を統括制御するプロセッサ(制御手段)である。ホストCPU41は、ROM42から制御プログラムを読み出し、RAM43にロードして日時の表示や各種機能に係る演算制御や表示などの各種動作処理を行う。また、ホストCPU41は、衛星電波受信処理部60を動作させて測位衛星からの電波を受信させ、受信内容に基づいて求められた日時情報や位置情報を取得する。
【0014】
ROM42は、マスクROMや書き換え可能な不揮発性メモリなどであり、制御プログラムや初期設定データが記憶されている。制御プログラムの中には、測位衛星から各種情報を取得するための各種処理の制御に係るプログラム421が含まれる。
【0015】
RAM43は、SRAMやDRAMなどの揮発性のメモリであり、ホストCPU41に作業用のメモリ空間を提供して一時データを記憶すると共に、各種設定データを記憶する。各種設定データには、日時の計数、表示におけるタイムゾーンの選択に係るホーム都市設定や、夏時間の適用可否に係る設定が含まれる。RAM43に記憶される各種設定データの一部又は全部は、不揮発性メモリに記憶されても良い。
【0016】
発振回路44は、予め定められた所定の周波数信号を生成して出力する。この発振回路44には、例えば、水晶発振器が用いられている。
【0017】
分周回路45は、発振回路44から入力された周波数信号を計時回路46やホストCPU41が利用する周波数の信号に分周して出力する。この出力信号の周波数は、ホストCPU41による設定に基づいて変更されることが可能であっても良い。
【0018】
計時回路46は、分周回路45から入力された所定の周波数信号(クロック信号)の入力回数を計数して初期値に加算することで現在の日時を計数する。計時回路46としては、ソフトウェア的にRAMに記憶させる値を変化させるものであっても良いし、或いは、専用のカウンタ回路を備えていても良い。計時回路46の計数する日時は、所定のタイミングからの累積時間、UTC日時(協定世界時)、又は予め設定されたホーム都市の日時(地方時)などのうち何れであっても良い。また、この計時回路46が計数する日時は、必ずしも年月日、時分秒の形式で保持される必要がない。分周回路45から計時回路46に入力されるクロック信号と、正確な時間経過との間における1日当たりのずれの大きさ(歩度)は、動作環境、例えば温度によって変化し、通常では、±0.5秒以内である。
【0019】
表示部47は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイなどの表示画面を備え、ドットマトリクス方式及びセグメント方式の何れか又はこれらの組み合わせにより日時や各種機能に係るデジタル表示動作を行う。
表示ドライバ48は、表示画面の種別に応じた駆動信号をホストCPU41からの制御信号に基づいて表示部47に出力して、表示画面上に表示を行わせる。
【0020】
操作部49は、ユーザからの入力操作を受け付けて、当該入力操作に応じた電気信号を入力信号としてホストCPU41に出力する。この操作部49には、例えば、押しボタンスイッチやりゅうずスイッチが含まれる。
或いは、操作部49としてタッチセンサが表示部47の表示画面に重ねて設けられ、当該タッチセンサによるユーザの接触動作に係る接触位置や接触態様の検出に応じた操作信号を出力するタッチパネルとして表示画面を機能させても良い。
【0021】
電力供給部50は、バッテリを備え、電子時計1の動作に係る電力を所定の電圧で各部に供給する。電力供給部50のバッテリとしては、ここでは、ソーラパネルと二次電池が用いられている。ソーラパネルは、入射した光により起電力を生じてホストCPU41などの各部に電力供給を行うと共に、余剰電力が生じた場合には、当該電力を二次電池に蓄電する。一方、ソーラパネルへの外部からの入射光量により発電可能な電力が消費電力に対して不足している場合には、二次電池から電力が供給される。或いは、バッテリとしてボタン型などの一次電池が用いられても良い。
【0022】
衛星電波受信処理部60は、アンテナANを介して測位衛星からの電波に同調して各測位衛星に固有のC/Aコード(疑似ランダムノイズ)を同定、捕捉することで当該電波を受信し、測位衛星が送信する航法メッセージを復調、解読して必要な情報を取得する。衛星電波受信処理部60は、取得手段(プロセッサ)としてのモジュールCPU61と、メモリ62と、記憶部63と、受信手段としてのRF部64と、ベースバンド変換部65と、捕捉追尾部66などを備える。
【0023】
モジュールCPU61は、ホストCPU41からの制御信号や設定データの入力に応じて衛星電波受信処理部60の動作を制御するプロセッサである。モジュールCPU61は、記憶部63から必要なプログラムや設定データを読み出して、RF部64、ベースバンド変換部65及び捕捉追尾部66を動作させ、受信された各測位衛星からの電波を受信、復調させて日時情報を取得する。このモジュールCPU61は、受信した電波を復号して日時情報を取得する他、復号せずに、復調された受信符号を予測されて予め生成される比較照合用の符号列(照合符号列)と順次比較照合して一致検出を行い、想定される受信日時(受信タイミング)とのずれ量を同定する照合符号列生成手段、符号同定手段、照合手段、結果保持手段、合致判定手段及びずれ量同定手段として機能させることが出来る。
【0024】
メモリ62は、衛星電波受信処理部60におけるモジュールCPU61に作業用のメモリ空間を提供するRAMである。また、メモリ62には、受信された符号列との比較照合用に生成された符号列データが一時記憶される。
記憶部63は、GPS測位に係る各種設定データや測位及び日時情報取得の履歴を記憶する。記憶部63には、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの各種不揮発性メモリが用いられる。記憶部63に記憶されるデータには、各測位衛星の精密軌道情報(エフェメリス)、予測軌道情報(アルマナック)や前回の測位日時及び位置が含まれる。また、記憶部63には、世界各地のタイムゾーンや夏時間の実施情報に係るデータが時差テーブルとして記憶されている。測位が行われると、この時差テーブルが参照されて、得られた現在位置における標準時間での協定世界時(UTC)からの時差や夏時間実施情報などの地方時情報が特定される。
また、記憶部63には、測位を行ってこの地方時情報を特定するためのプログラムや、日時情報を受信して取得するためのプログラム631が記憶されており、モジュールCPU61により読み出されて実行される。
【0025】
RF部64は、L1帯(GPS衛星では、1.57542GHz)の衛星電波を受信して測位衛星から送信される信号(符号信号)を選択的に通過、増幅させ、中間周波数信号に変換する。RF部64には、LNA(低雑音増幅器)、BPF(帯域通過フィルタ)、局部発振器やミキサなどが含まれる。
【0026】
ベースバンド変換部65は、RF部64で得られた中間周波数信号に対して各測位衛星のC/Aコードを適用してベースバンド信号、即ち、航法メッセージ(所定のフォーマット)に係る符号列(受信符号列、複数の符号の配列)を取得する。
捕捉追尾部66は、RF部64で得られた中間周波数信号に対して各測位衛星の各位相でのC/Aコードとの間で各々相関値を算出してそのピークを特定することで、受信されている電波に含まれるC/Aコードの種別と当該C/Aコードの位相とを同定する。また、捕捉追尾部66は、同定されたC/Aコードとその位相により当該C/Aコードに対応する測位衛星から送られている航法メッセージの符号列を継続的に取得するために、ベースバンド変換部65に対して位相情報のフィードバックなどを行い、受信電波を復調して各符号(受信符号)を同定する。
モジュールCPU61に加えて、メモリ62、記憶部63、ベースバンド変換部65、及び捕捉追尾部66を取得手段に含むことが出来る。
【0027】
この衛星電波受信処理部60は、電力供給部50から直接電力が供給され、そのオンオフがホストCPU41の制御信号により切り替えられる。即ち、衛星電波受信処理部60は、測位衛星からの電波受信及び日時取得や測位に係る算出動作が行われている期間以外には、常時動作しているホストCPU41などとは別個に電源がオフされる。
【0028】
次に、GPS衛星から送信される航法メッセージのフォーマットについて説明する。
GNSSでは、複数の測位衛星を複数の軌道上に分散配置させ、観測地点から同時に複数の異なる測位衛星の送信電波を受信可能とすることで、当該受信可能な測位衛星から送信されている当該測位衛星の現在位置に係る情報や日時情報を4機以上の測位衛星(地表面であるとの仮定の上では3機)から取得して、これらの取得データと、取得タイミングのずれ、即ち、各測位衛星からの伝播時間(距離)の差と、に基づいて三次元空間における観測地点の位置座標及び日時を決定することが出来る。また、1機の測位衛星からの日時情報が取得されることで、当該測位衛星からの伝播時間の誤差範囲(100msec未満程度)で現在日時を取得することが出来る。
【0029】
測位衛星からは、日時に係る情報と、衛星の位置に係る情報と、衛星の健康状態などのステータス情報などを示す符号列(航法メッセージ)がC/Aコード(疑似ランダムノイズ)により位相変調されることでスペクトラム拡散されて送信されている。これらの信号送信フォーマット(航法メッセージのフォーマット)は、測位システムごとに定められている。
【0030】
図2は、GPS衛星から送信されている航法メッセージのフォーマットを説明する図である。
GPSでは、各GPS衛星からそれぞれ30秒単位のフレームデータが合計25ページ送信されることで、12.5分周期で全てのデータが出力されている。GPSでは、GPS衛星ごとに固有のC/Aコードが用いられており、このC/Aコードは、1.023MHzで1023個の符号(チップ)が配列されて1msec周期で繰り返されている。このチップの先頭は、GPS衛星の内部時計と同期しているので、GPS衛星ごとにこの位相のずれを検出することで、伝播時間、即ち、GPS衛星から現在位置までの距離に応じた位相ずれ(疑似距離)が検出される。
【0031】
各フレームデータは、5つのサブフレーム(各6秒)で構成されている。更に、各サブフレームは10個のワード(各0.6秒、順番にWORD1〜WORD10)によって構成されている。各ワードは、それぞれ30ビット長である。即ち、GPS衛星からは、毎秒50ビットの符号が送信されている。
WORD1とWORD2のデータフォーマットは、全てのサブフレームで同一である。WORD1には、8ビットの固定符号列であるプリアンブル(Preamble)に続き、14ビットのテレメトリメッセージ(TLM Message)が含まれ、その後ろに1ビットのIntegrity status flagと1ビットの予備ビットを挟んで、6ビットのパリティデータが配される。WORD2は、週内経過時間を示す17ビットのTOW−Count(Zカウントともいう)に続き、Alert flagとAnti-spoof flagがそれぞれ1ビットずつで示されている。それから、サブフレームの番号(周期番号)を示すサブフレームID(Subframe-ID)が3ビットで示され、パリティデータの整合用2ビットを挟んで6ビットのパリティデータが配列される。
【0032】
WORD3以降のデータは、サブフレームによって異なる。サブフレーム1のWORD3には、先頭に10ビットのWN(週番号)が含まれる。サブフレーム2、3には、主に、エフェメリス(精密軌道情報)が含まれ、サブフレーム4の一部及びサブフレーム5では、アルマナック(予測軌道情報)が送信されている。
【0033】
ここで、GPS衛星で計数されている日時(GPS日時)は、うるう秒の実施によるずれを含んでいない。従って、GPS日時とUTC日時との間には、ずれが存在するので、GPS衛星からの電波受信により取得された日時は、UTC日時に換算されて出力される必要がある。また、計時回路46の計数する日時に基づいてGPS衛星からの電波受信タイミングを制御したり、受信される日時を推測したりする場合には、当該計時回路46の日時をGPS日時に換算して用いる必要がある。
【0034】
次に、本実施形態の電子時計1における日時情報の取得動作について説明する。
測位衛星から送信されるTOW−Count、サブフレームIDや、サブフレーム1におけるWNは、航法メッセージのフォーマット(信号送信フォーマット、衛星の種別)及び現在の日時に基づいて符号配列や受信タイミングが想定され得る。本実施形態の電子時計1では、このような想定可能な符号(想定符号)を含む照合符号列を予め生成しておき、受信された符号の計時回路46の計数する日時に基づく受信タイミング(想定受信タイミング)に対して当該計時回路46の誤差に応じたずれ幅内で照合符号列の位置をずらして当該照合符号列内の想定符号と順次比較照合する。そして、複数の受信符号と想定符号とが合致するずれ量と、当該照合符号列(想定符号)の内容とに応じた正確な日時に係る情報(日時情報)を取得する。
【0035】
想定符号には、上述のように日時に応じて変化する符号に加え、例えば、プリアンブルや予備ビットのように送信周期によらず一定の符号が含まれ得る。また、Alert flagやAnti-spoof flagのように、通常では「0」であり、「1」の場合には利用が好ましくない符号は、予測が可能な訳ではないが、「0」であると想定して想定符号に加えられても良い。
【0036】
更に、直近の一又は複数回の衛星電波の受信の際に受信された符号配列とその受信日時を記憶部63に記憶させておき、当該記憶された符号配列のうち、航法メッセージにおける符号位置に応じて前回の受信からの変化が完全には予測出来ないが、前回の受信からの経過時間が短い場合には通常当該経過時間内に変化がしないと判断可能なもの、例えば、WORD1のテレメトリメッセージをなす各符号を想定符号として利用しても良く、或いは、想定符号は、テレメトリメッセージの一部又は全部と上述の固定符号列や送信周期に応じて変化する符号列とを組み合わせたものであっても良い。想定符号に含め得るか否かの判断は、単純に前回の受信からの経過時間だけで行われる場合に限られず、複数回の受信で一度も変化していないか否かなどの条件が追加されても良い。
同様に、アルマナックデータなどの測位衛星の軌道に係るデータが取得されていて、次の更新までの時間が経過していない場合には、当該軌道に係るデータも想定符号に含めることが出来る。
【0037】
各ワードの25〜30ビット目に配列されるパリティデータは、前のワードにおける29ビット目又は30ビット目のパリティ符号と、同一のワードにおける1〜24ビット目のうちそれぞれ必要なビットデータに基づいて算出される。本実施形態の電子時計1では、前のワードにおける29ビット目及び30ビット目のパリティ符号を想定するのが困難であり、従って、これらパリティデータは、想定符号に含まれない。
【0038】
想定符号は、照合符号列内で全て連続している必要はなく、複数の異なる符号列部分に分割されていて良い。例えば、想定符号は、WORD1の25〜30ビット目のパリティビットを挟んでWORD1の23、24ビット目である予備ビットと、WORD2の1〜17ビット目であるTOW−Countとにより定められて良い。照合符号列における想定符号と想定不可とされる符号とは、ここでは、各符号にそれぞれ対応して想定可否フラグ(識別情報)を設定することで識別可能とされる。この想定可否フラグの配列は、照合符号列の生成時に併せて生成されれば良い。
【0039】
ここで、照合符号列の各想定符号と受信符号との照合に際し、実際にGPS衛星から送信されている情報に応じた符号列は、ワード(符号ブロック)ごとに一つ前のワードの末尾(30ビット目)の符号(反転符号)であるパリティデータに応じて(所定の条件で)1〜24ビット目の符号が反転され得る。即ち、反転符号が「0」であった場合、次のワードの1〜24ビット目の符号は、送信情報に応じてそのまま非反転で送信されるのに対し、この反転符号が「1」であった場合、次のワードの1〜24ビット目の符号は、送信情報に応じた符号列が全て反転されたものとなる。従って、反転を考慮しない想定符号と、反転されていない各受信符号とが全て正確に比較照合されると、照合結果は完全一致となり、反転を考慮しない想定符号と、反転された各受信符号とが全て正確に比較照合されると、照合結果は完全不一致となる。
【0040】
受信符号の受信タイミングには、計時回路46が計数する日時に基づいて想定されるタイミングと、当該計時回路46が計数する日時のずれの分だけ位相(符号数)のずれが生じる。上述のように、計時回路46の歩度は、0.5秒/日(1/48[sec/h])であるので、直近の日時修正からの経過時間tp[h]に応じて計時回路46の計数する日時の正確な日時からのずれ幅最大値dt(最大ずれ幅の半分)がdt=tp/48と見積もられる。即ち、正確な日時tcは、計時回路46の計数する日時tに対してt−dt≦tc≦t+dtの範囲であると推測される。
【0041】
本実施形態の電子時計1では、計時回路46の計数する日時t(想定受信タイミング)に取得された受信符号r(t)に対して、t−dt≦tc≦t+dtの範囲内にあると想定される各想定符号を上述の反転を考慮せずにそれぞれ照合させ、複数の日時tに対して得られた照合結果をこの正確な日時tcの想定範囲内における相対位置に応じた配列の各要素にそれぞれ積算することで、最も合致(一致/不一致)するタイミングを特定する。
【0042】
図3及び図4は、本実施形態の電子時計1における符号の照合について説明する図である。
図3(a)に示すように、前回の計時回路46の日時修正から6日(144時間)が経過した後に、当該計時回路46の計数する日時でUTC時刻におけるある時分の03秒に受信を開始する場合、正確な日時tcの秒値は、00秒から06秒の間(ずれ幅最大値dt=3.0sec)と推測される。この日時の秒値は、UTC日時とGPS日時との差が17秒の場合、GPS日時で17秒から23秒の間となる。更に、GPS衛星からの電波が捕捉されて符号の取得が開始されるまでに、受信開始から2秒を要する場合、符号の取得開始は、GPS日時の秒値で19秒から25秒の間となる。この場合、生成される照合符号列は、GPS日時の秒値で19秒から25秒を含み、更に、最も遅い25秒から1サブフレーム分にあたる6秒間(送信周期)経過した31秒まで含ませることが出来る。また、照合符号列の生成後、19秒より前の符号は不要であるので、19秒の符号を先頭とする照合符号列のみ記憶保持させることが出来る。このとき、19.00秒から始まる先頭の符号を含むワードは、18.60秒から始まるので、この先頭の符号は、当該ワードの21ビット目となる。先頭の符号のワード内位置は、オフセット値qとして記憶される。
【0043】
図3(b)に示すように、計時回路46が計数する日時t0(ここでは、秒値が22秒)での受信符号r(t0)が先ず取得されると、照合符号列において日時t0−dt(ここでは、19秒)に対応する想定可否フラグp(0)から日時t0+dt(ここでは、25秒)に対応する想定可否フラグp(100dt)までの301個の想定可否フラグp(i)が参照され、照合符号列cにおいて符号c(i)の想定が「可」である、即ち、想定符号であることを示す(例えば、p(i)=1である)符号c(i)と受信符号r(t0)とがそれぞれ比較される。この配列番号iが正確な日時の想定範囲内(即ち、ずれ幅内)における相対位置(ずれ量に対応する値)を表す。
【0044】
想定可否フラグp(i)が符号c(i)を想定可能であることを示していて、照合が行われた場合には、照合数N(i)に1が加算される。ここでは、上述のように、想定可能の場合にp(i)=1、想定不可の場合にp(i)=0として、照合数N(i)にこのp(i)を加算しても良い。また、照合の結果、一致していたものについては、一致又は不一致を示す照合結果に係る情報としての一致数E(i)に1が加算されて保持される。
【0045】
上記の処理動作は、新たに受信された符号が1つ同定されるごとに繰り返される。上述のように、GPS衛星からは、毎秒50ビットの符号が送信されるので、間隔ε=20[msec]でこの処理動作が繰り返されることになる。或いは、20msecごとに1つずつ受信符号が同定される場合に限られず、例えば、1msecごとに符号種別を同定することで、1つの符号の受信期間に20回符号種別rs(t0−0)〜rs(t0−19)が取得されても良い。この場合でも当該20個の符号種別と比較される照合符号列cの符号c(i)は一つで良い。受信強度が低下した場合などには、これら20個の符号種別中で同定結果がばらつくことがあり得る。この場合、当該20個の符号種別が同一となる確率は1/2より大きく、例えば、符号誤り率(BER)などに依存する。
【0046】
上述のように、測位衛星からの信号では、ワード単位(30ビットごと)で符号の反転又は非反転が定められて送信されているので、復調された符号列は、当該ワード単位で照合符号列cの各想定符号との一致又は不一致が変化する。即ち、複数のワードに跨って単純に想定符号と受信符号との一致数E(i)を積算すると、符号の反転が生じるごとに符号の一致部分の数と不一致部分の数とが混在して、合致する位相を適切に求めることが出来ない。
【0047】
そこで、電子時計1では、照合符号列cにおけるワード単位で(符号ブロックごとに)想定符号と受信符号との照合数及び一致数を計数し、当該一致数及び不一致数のうち大きい方を合致した数として定め(合致判定)、当該大きい方の値に応じた値である合致度数F(i)(積算合致数)に換算する。そして、この合致度数F(i)を複数のワードについて積算していくことで、各ずれ量(位相)についての合致度合を求め、合致するずれ量として尤もらしい(所定の合致条件を満たす)照合符号列cのずれ量(合致ずれ量)を決定する。ここでは、合致度数F(i)は、以下の数式(1)により求められる。
F(i)=|N(i)−2×E(i)| … (1)
【0048】
即ち、合致度数F(i)は、照合数N(i)個の符号が完全一致(E(i)=N(i))又は完全不一致(E(i)=0)の場合に照合数N(i)と等しくなって最大値をとり、一致数と不一致数とが半数ずつ(E(i)=N(i)/2)の場合に最小値「0」となる。合致度数F(i)は、同様に一致と不一致とを均等に扱う値であれば、この数式(1)によるものに限られない。
【0049】
ワード単位の各符号の一致数E(i)が合致度数F(i)に換算されて加算されると共に、照合数N(i)は、累積照合数T(i)(積算照合数)に加算される。一致数E(i)と照合数N(i)は、次のワード単位の照合について、各々「0」に初期化されて用いられる。
【0050】
即ち、この電子時計1のメモリ62には、一致数E(i)、照合数N(i)、合致度数F(i)、及び累積照合数T(i)の配列がそれぞれ電子時計1で想定する最大のずれ幅に応じた数割り当てられる。最大のずれ幅としては、例えば、上述のように、±3秒とすることが出来、この場合の配列数は、各々301個となる。
【0051】
図4(a)に示すように、最初に同定された受信符号r(t0)から経過時間εk後の受信符号r(t0+εk)は、k+1個目の受信符号であり、正確な日時の想定範囲は、(t0+εk−dt)≦tc≦(t0+εk+dt)である。そして、この範囲に応じた照合符号列の符号c(k)〜c(100dt+k)における想定符号が想定可否フラグp(k)〜p(100dt+k)に基づいて受信符号r(t0+εk)と比較照合される。これらの符号c(k)〜c(100dt+k)と受信符号r(t0+εk)との照合有無及び照合結果は、照合数N(0)〜N(100dt)及び一致数E(0)〜E(100dt)に積算される。また、符号c(k)〜c(100dt+k)のうちワードの末尾に当たるものと対応する照合数N及び一致数Eは、それぞれ累積照合数T及び合致度数Fに積算、換算されて初期化される。
【0052】
ワードの末尾は、上述のオフセット値qに基づいて判別され得る。即ち、配列番号i、符号の同定回数に係るカウント数k及びオフセット値qの和が整数値jについて、以下の数式(2)の関係を満たす配列番号iの位置が各ワードの末尾である。
i+q+k=30×j … (2)
このように、照合数N(i)と一致数E(i)は、受信符号が同定されて照合が行われるごとに毎回30個おきに累積照合数T(i)及び合致度数F(i)への積算が行われ、この積算の行われる位置が1つずつずれていくことになる。
【0053】
図4(b)に示すように、例えば、各符号に同期して20msecごとに受信符号を一つずつ同定する場合、配列番号i=10に関し、1つ目のワードに対して22の想定符号があり、そのうち10個が一致すると、N(10)=22、E(10)=10が計数される。これらは、当該ワードについての全ての想定符号との照合が終了すると、換算、積算されて、F(10)=2、T(10)=22に引き渡され、E(10)、N(10)は初期化される。
【0054】
そして、次のワードについて、改めて例えば16個の想定符号に対してE(10)=9、N(10)=16が計数されると、このN(10)の値がT(10)に加算されて、T(10)=38となり、また、E(10)が換算された合致度数である2がF(10)に加算されて、F(10)=4となる。このように、一致数E(10)が照合数N(10)の半分程度の場合、合致度数F(10)は、累積照合数T(10)に比して小さい値となる。
【0055】
一方で、配列番号i=200に関し、1つ目のワードに対して22個の想定符号があり、その全てが一致すると、N(200)=22、E(200)=22が計数される。そして、換算、加算されて、F(200)=22、T(200)=22とされた後、E(200)、N(200)が初期化される。
【0056】
次のワードについて、22個の想定符号があり、そのうち1つのみが一致すると、N(200)=22、E(200)=1が計数される。この場合、E(200)が換算された合致度数は20となるので、この値が合致度数F(200)に加算されて、F(200)=42となる。また、N(200)=44となる。このように、一致数E(200)が照合数(200)と等しいか、或いは、「0」に近い場合には、合致度数F(200)は、累積照合数T(200)に近い値となる。
【0057】
同様に、図4(c)に示すように、各符号に対して符号種別が20回1msecごとに判別される場合、計数される照合数N(10)、N(200)及び累積照合数T(10)、T(200)は20倍になる。一致数E(10)、E(200)は同様に計数され、また、合致度数F(10)、F(200)も同様に計算されるので、ここでは、2つ目のワードに係る照合が終了した時点で、T(10)=760に対してF(10)=46となり、一方で、T(200)=880に対してF(200)=876となる。
【0058】
このようにして得られた累積照合数T(i)のうち、ある累積照合数T(i1)に対して、対応する合致度数F(i1)が累積照合数T(i1)と等しく又は十分に近い値となり、当該配列番号i1に対応して位相ずれされた照合符号列cと受信符号とが一致する確率が、他の符号列の符号の誤同定により偶然生じる確率(合致確率)や、他の配列番号i2に対応して位相ずれされた照合符号列cと受信符号とが一致する確率と比較して十分に大きくなることで、照合符号列cと受信符号とが一致するタイミングが同定される。電子時計1の寿命、例えば、10〜20年、及び、この照合動作の実施頻度、例えば、日に1回を考慮し、また、各二値符号における「0」、「1」の出現確率(受信符号と合致する確率と等しい)が全てそれぞれ1/2であると単純化すると、実用上誤同定が生じる確率を十分に低くする、例えば、合致確率を所定の基準値、ここでは、10−8未満とするために必要な想定符号の数(累積照合数、基準照合数)は、27である。なお、この確率は、ユーザによる設定操作などにより直接又は間接的に(例えば、「厳しく」、「普通」、「緩く」などの表現に対応付けられて各々異なる基準値が設定されても良い)上下させることが可能であっても良い。
【0059】
図5は、本実施形態の電子時計1における日時取得処理のホストCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この日時取得処理は、ユーザによる操作部49への実行命令の入力操作が検出されるか、又は予め定められた受信時刻や受信タイミングなどの条件が満たされた場合に起動される。
【0060】
日時取得処理が開始されると、ホストCPU41は、衛星電波受信処理部60を起動する(ステップS101)。また、ホストCPU41は、衛星電波受信処理部60に対し、初期データとして取得対象が日時情報であることを示す設定及び計時回路46の計数する日時の情報を送信する(ステップS102)。この日時情報には、前回計時回路46の日時を修正してからの経過時間に基づくずれの最大値の情報が含まれる。それから、衛星電波受信処理部60からのデータ出力を待ち受ける。なお、この待ち受け中に、ホストCPU41は、表示部47に受信中である旨を示す表示を行わせても良い。
【0061】
ホストCPU41は、衛星電波受信処理部60からの信号を待ち受けて、日時データを取得する(ステップS103)。それから、ホストCPU41は、衛星電波受信処理部60を停止させると共に(ステップS104)、計時回路46の計数する日時を修正する(ステップS105)。また、ホストCPU41は、RAM43に記憶された受信履歴を更新する(ステップS106)。そして、ホストCPU41は、日時取得処理を終了する。
【0062】
図6は、本実施形態の電子時計1における日時情報受信処理のモジュールCPU61による制御手順を示すフローチャートである。
この日時情報受信処理は、ホストCPU41により衛星電波受信処理部60が起動され、ホストCPU41からステップS102の処理で出力された取得対象情報が日時情報である場合に起動される。
【0063】
日時情報受信処理が起動されると、モジュールCPU61は、メモリ領域の確保や割り当てなどの初期設定や動作チェックを行う(ステップS201)。モジュールCPU61は、ホストCPU41からステップS102の処理で出力された日時情報を取得して、取得されたUTC日時をGPS日時に換算し、また、誤差情報に基づいて正確な日時の範囲を推測する(ステップS202)。
【0064】
モジュールCPU61は、推測された正確な日時の範囲で受信されると想定される符号を全て含む範囲の想定可否フラグp(i)の配列及び照合符号列cを生成し、照合符号列cのオフセット値qを定める(ステップS203;照合符号列生成ステップ)。また、このとき、モジュールCPU61は、照合数N(i)、累積照合数T(i)、一致数E(i)及び合致度数F(i)のメモリ割り当て及び初期化動作を行う。モジュールCPU61は、GPS衛星からの電波受信を開始して(ステップS204)、受信可能なGPS衛星からの電波を捕捉する(ステップS205)。モジュールCPU61は、各GPS衛星のC/Aコードに対してそれぞれ受信電波から得られた信号の位相をずらしながら適用して逆スペクトラム拡散を試みることで、何れか一又は所定数以下のGPS衛星からの信号を検出、捕捉する。
【0065】
GPS衛星からの信号が捕捉されると、モジュールCPU61は、当該GPS衛星を捕捉された位相で追尾しながら受信データの各符号の同定を開始する(ステップS206)。また、モジュールCPU61は、カウント数kに初期値「0」を設定する。モジュールCPU61は、ステップS203の処理で照合符号列c及び想定可否フラグp(i)が生成されたタイミングと当該符号の同定が実際に開始されたタイミングとのずれに基づいて、照合符号列c、想定可否フラグp(i)の配列及びオフセット値qの補正を行う(ステップS207)。
【0066】
モジュールCPU61は、1つの符号が同定されるごとに当該符号を取得し、カウント数kに1を加算する(ステップS208;符号同定ステップ)。モジュールCPU61は、パターン照合処理を呼び出して実行し(ステップS209)、次いで、ずれ量同定ステップとしての信頼性判定処理を呼び出して実行する(ステップS210)。モジュールCPU61は、ステップS210の処理で得られた判定結果により、信頼性がOKであるか否かを判別する(ステップS211)。OKではないと判別された場合には(ステップS211で“NO”)、モジュールCPU61は、GPS衛星からの電波受信を開始してからタイムアウト時間が経過したか否かを判別する(ステップS212)。経過したと判別された場合には(ステップS212で“YES”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS216に移行する。経過していないと判別された場合には(ステップS212で“NO”)、モジュールCPU61は、必要に応じて照合符号列cの符号c(i)及び想定可否フラグp(i)を追加生成する(ステップS213)。ここでいう必要に応じてとは、当初生成された符号列長内、例えば、秒値が19秒から31秒までの12秒間のデータでは、信頼性OKの判定が得られないと見込まれる場合、又は当該データで信頼性OKの判定が得られなかった場合である。
【0067】
このとき、不要となった照合符号列cの符号データ部分及び対応する想定可否フラグp(i)を消去することが出来る。また、配列番号を必要以上に大きくしないために、消去された符号の数に応じて残りの、及び追加された符号c(i)とこれらに対応する想定可否フラグp(i)の配列番号iを前に詰めても良い。この場合、併せてオフセット値q及びカウント数kが各々補正される。それから、モジュールCPU61の処理は、ステップS208に戻る。
【0068】
ステップS211の判別処理で、信頼性OKであると判別された場合には(ステップS211で“YES”)、モジュールCPU61は、信頼性OKと判別された符号配列のタイミングと照合符号列が示す日時とに基づいて正確なGPS日時を取得し、更に、当該取得されたGPS日時をUTC日時に変換して、そのタイミングを設定する(ステップS214)。モジュールCPU61は、設定されたタイミングに合わせて日時情報をホストCPU41に出力する(ステップS215)。それから、モジュールCPU61の処理は、ステップS216に移行する。
【0069】
ステップS216の処理に移行すると、モジュールCPU61は、GPS衛星からの電波受信を終了する(ステップS216)。そして、モジュールCPU61は、日時情報受信処理を終了する。
【0070】
図7は、日時情報受信処理のステップS209で呼び出されるパターン照合処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0071】
パターン照合処理が呼び出されると、モジュールCPU61は、配列番号iを初期値である「0」に設定する(ステップS801)。
【0072】
モジュールCPU61は、想定可否フラグp(i+k)を参照して、符号c(i+k)が想定可能な符号であるか否かを判別する(ステップS802)。想定可能ではないと判別された場合には(ステップS802で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS806に移行する。
【0073】
符号c(i)が想定符号であると判別された場合(ステップS802で“YES”)、モジュールCPU61は、照合数N(i)に想定可否フラグp(i+k)、即ち、「1」を加算し(ステップS803)、取得されている受信符号rと符号c(i+k)とが等しいか否かを判別する(ステップS804;照合ステップ)。等しくないと判別された場合には(ステップS804で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS806に移行する。
【0074】
受信符号rと符号c(i+k)とが等しいと判別された場合には(ステップS804で“YES”)、モジュールCPU61は、一致数E(i)に「1」を加算する(ステップS805)。それから、モジュールCPU61の処理は、ステップS806に移行する。
ステップS802、S805の処理が結果保持ステップを構成する。
【0075】
ステップS806の処理に移行すると、モジュールCPU61は、配列番号i、カウント数k及びオフセット値qの合計値を30で除したときの剰余(mod)が「0」であるか否か、即ち、i+k+qの値が30の倍数であるか否かを判別する(ステップS806)。この判別処理は、例えば、i+k+qを30で除したときの剰余が「0」であるか否かにより行われる。30の倍数であると判別された場合には(ステップS806で“YES”)、モジュールCPU61は、一致数E(i)を合致度数Fに換算し(合致判定を行う)、当該合致度数Fを現在設定されている合致度数F(i)に加算する。また、モジュールCPU61は、照合数N(i)を累積照合数T(i)に加算する(ステップS807;合致判定ステップ)。それから、モジュールCPU61の処理は、ステップS808に移行する。30の倍数ではないと判別された場合には(ステップS806で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS808に移行する。
【0076】
ステップS808の処理に移行すると、モジュールCPU61は、配列番号iが100dt以上であるか否かを判別する(ステップS808)。即ち、モジュールCPU61は、符号c(k)から符号c(100dt+k)までの想定範囲内における全ての想定符号と受信符号rとの比較照合が行われたか否かを判別する。配列番号iが100dt以上ではない、即ち、想定範囲内に比較照合が行われていない想定符号があると判別された場合には(ステップS808で“NO”)、モジュールCPU61は、配列番号iに「1」を加算する(ステップS809)。それから、モジュールCPU61は、処理をステップS802に戻す。配列番号iが100dt以上である、即ち、想定範囲内の全ての想定符号と受信符号rとの比較照合が行われたと判別された場合には(ステップS808で“YES”)、モジュールCPU61は、パターン照合処理を終了して処理を日時情報受信処理に戻す。
【0077】
図8は、日時情報受信処理のステップS210で呼び出される信頼性判定処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0078】
信頼性判定処理が呼び出されると、モジュールCPU61は、合致度数F(i)の中で最大のものを最大合致度数Fmaxとして抽出する(ステップS901)。モジュールCPU61は、最大合致度数Fmaxが基準合致度数Fthより大きいか否かを判別する(ステップS902)。基準合致度数Fthより大きくないと判別された場合には(ステップS902で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS906に移行する。
【0079】
最大合致度数Fmaxが基準合致度数Fthより大きいと判別された場合(ステップS902で“YES”)、モジュールCPU61は、当該最大合致度数Fmaxが得られた合致度数F(i)の配列番号iに対応する累積照合数T(i)を取得する(ステップS903)。モジュールCPU61は、最大合致度数Fmaxと取得された累積照合数T(i)とが等しいか否かを判別する(ステップS904)。等しいと判別された場合には(ステップS904で“YES”)、モジュールCPU61は、信頼性OKであるとして(ステップS908)、信頼性判定処理を終了し、処理を日時情報受信処理に戻す。
【0080】
最大合致度数Fmaxと累積照合数T(i)とが等しくないと判別された場合には(ステップS904で“NO”)、モジュールCPU61は、当該最大合致度数Fmaxが得られた合致度数F(i)とこれに対応する累積照合数T(i)とをリセットして「0」に戻し、それから、処理をステップS906に移行させる。
【0081】
ステップS902又はステップS905の処理からステップS906の処理に移行すると、モジュールCPU61は、カウント数kを300(即ち、1サブフレーム分の符号数)で除した剰余が「0」であるか否かを判別する(ステップS906)。「0」であると判別された場合には(ステップS906で“YES”)、モジュールCPU61は、全ての配列番号iに対する累積照合数T(i)及び合致度数F(i)を初期化して「0」に戻す(ステップS907)。それから、モジュールCPU61は、信頼性NGであるとする(ステップS909)。そして、モジュールCPU61は、信頼性判定処理を終了し、処理を日時情報受信処理に戻す。「0」でないと判別された場合には(ステップS906で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS909に移行する。
【0082】
なお、上述のように、合致度数F(i)は、ワード単位でしか同定されないので、よりリアルタイムに判定を行うために、暫定合致度数Ft(i)=F(i)+|N(i)−2×E(i)|を毎回上書き更新で算出し、暫定合致度数Ft(i)の中で最大のものが基準合致度数Fth以上であり、且つT(i)+N(i)と等しいか否か判別しても良い。但し、この場合には、N(i)=1の場合に加算値|N(i)−2×E(i)|を算出しないことが望ましい。
【0083】
[変形例1]
次に、電子時計1で実行される日時情報受信処理の変形例1について説明する。
本変形例の日時情報受信処理では、照合符号列と受信符号rとの照合の際に、完全に合致する場合だけではなく、少数のエラーを含む不完全な合致であっても誤同定の確率が十分に抑えられる範囲で信頼性OKとすることで、測位衛星からの電波の受信強度が低く、S/N比(SNR)が低い場合であっても日時情報を取得可能とする。
【0084】
この電子時計1では、不完全な合致である場合に誤同定の確率が低く抑えられると判定する条件は、受信符号rの配列に対する各ずれ量(位相ずれ)を伴う照合符号列内の想定符号との非合致数の最小値(即ち、累積照合数に比した積算合致数の最大値)に係る出現確率(第1出現確率)と、二番目に小さい非合致数(即ち、二番目に大きい積算合致数)に係る出現確率(第2出現確率)とに基づいて定められる。各符号における「0」と「1」の出現確率をそれぞれ1/2とすると、出現確率Pは、累積照合数T及び合致度数Fを一致数Eに戻した値、即ち、確率上不一致数と等価な値である非合致数Eb=(T−F)/2により、P=Eb/2で表すことが出来る。例えば、44ビットの想定符号と照合された受信符号に3ビットの非合致(41ビットの合致)を含む受信符号列の出現確率は、44/244=7.53×10−10である。また、28ビットの想定符号と照合された受信符号に1ビットの非合致(27ビットの合致)を含む受信符号列の出現確率は、28/228=1.04×10−7である。
【0085】
ここで、上述のように、最小非合致数に係る出現確率のみを基準として誤同定の可能性を排除しても良い。しかしながら、不完全な合致の場合には、実際の受信符号列中で偶然に照合符号列cに類似した符号列が出現する可能性も増加するので、このような類似符号列の出現が排除出来る追加の条件設定がなされることがより好ましい。例えば、TOW−Countの略全ての符号が「0」の場合や「1」の場合に、これらの符号列を想定符号として用いると、照合符号列cと受信符号列とが僅かな位相ずれの場合に、これらの符号「0」、「1」が連続している部分の多くでは符号が合致する。また、TOW−Countなどが周期的な符号列の場合(例えば、「0」と「1」が交互に配列されている場合など)に、当該周期の位相ずれやその半周期の位相ずれでは、やはり多くの符号が合致する。従って、この場合には、通常の位相ずれの状態と比較して、非合致数が小さくなり、ノイズ(電波受信強度)などによっては誤同定が生じる確率が上昇する。従って、このような場合には、より好ましい想定符号の配列となるタイミングまで電波受信の開始を保留して待機したり、このような好ましくない想定可能な符号を想定符号に含めないこととしたりすることが出来る。
【0086】
先ず、計時回路46の歩度に基づいて見積もられた日時の最大ずれ量に応じて設定された照合符号列cの位相ずれの想定範囲内でそれぞれサブフレーム1周期分の長さ(300ビット)に亘って想定符号と受信符号との照合が各々なされる。それから、当該位相ずれ設定範囲内で最大の合致度数である最大合致度数Fmaxと二番目に大きい合致度数である次点合致度数Fmax2とを抽出し、これらと、これらに対応する最大合致累積照合数Tmax及び次点合致累積照合数Tmax2とを用いて、最小非合致数Ebmin=(Tmax−Fmax)/2、及び、次点非合致数Ebmin2=(Tmax2−Fmax2)/2を算出する。
【0087】
次いで、最小非合致数Ebminに係る出現確率P1の次点非合致数Ebmin2に係る出現確率P2に対する割合(確率比)を危険度Pdとして算出する。この危険度Pd=P1/P2が所定の基準値(基準比率)以下である場合に、誤同定の確率が十分に小さいと判断される。
危険度Pdと比較される基準値Pm(基準比)は、上記実施形態と同様に、製品寿命及び電波受信頻度、即ち製品寿命内の想定受信回数と、製品に要求される精度とに応じて適切に定められれば良く、ここでは、例えば、Pm=10−8とされる。
なお、危険度Pdの算出に際し、各出現確率P1、P2を算出する必要はない。また、累積照合数T(i)が大きくなって危険度Pdの算出式が複雑になり、負荷が大きくなったり計算時間が長くなったりする場合には、適宜近似式を用いて危険度Pdを近似値で算出しても良い。近似式としては、例えば、直線近似やスターリングの公式が好ましく用いられる。
【0088】
本実施形態の電子時計1では、符号の同定開始時(所定のタイミング)におけるSNR(受信強度に係る信号指標値)に応じて受信状態が良好な場合には上述の完全な合致による信頼性判定を行い、受信状態が良好ではない場合には、この不完全な合致を考慮した誤同定回避に係る信頼性の判定を行う。また、完全な合致に基づく信頼性判定で所定時間(上限照合時間)、例えば、1サブフレーム分の6秒が経過しても信頼性OKとならない場合には、不完全な合致を考慮した誤同定回避に係る信頼性の判定に移行し、1サブフレーム分(航法メッセージの所定の一周期)のデータ(10ワード、300ビット(単位符号数))のデータが取得されるごとに当該信頼性の判定を行う。
【0089】
この変形例1の日時情報受信処理では、図6に示した日時情報受信処理で呼び出される信頼性判定処理の内容のみが上記実施の形態における日時情報受信処理と異なるので、以下、信頼性判定処理の内容についてのみ説明する。
【0090】
図9は、本変形例の日時情報受信処理で呼び出される信頼性判定処理のモジュールCPU61による制御手順を示すフローチャートである。
この信頼性判定処理は、上記実施形態の日時情報受信処理で呼び出される図8の信頼性判定処理と比較して、ステップS905〜S907の処理が削除され、また、ステップS911、S912、S921〜S926の処理が追加された点を除いて同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0091】
この信頼性判定処理が呼び出されると、モジュールCPU61は、初回の符号同定時付近における受信電波のSNRが所定の強度基準値Sth未満であるか否かを判別する(ステップS911)。SNRが強度基準値未満であると判別された場合には(ステップS911で“YES”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS921に移行する。
【0092】
SNRが強度基準値Sth未満ではないと判別された場合には(ステップS911で“NO”)、カウント数kが300未満であるか否かを判別する(ステップS912)。300未満ではないと判別された場合には(ステップS912で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS921に移行する。
カウント数kが300未満であると判別された場合には、モジュールCPU61の処理は、ステップS901に移行する。その後、ステップS904の判別処理で、最大合致度数Fmaxが対応する累積照合数T(i)と等しくないと判別された場合には(ステップS904で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS909に移行する。
【0093】
ステップS911、S912の判別処理からステップS921の処理に分岐すると、モジュールCPU61は、カウント数kを300で除した剰余が0であるか否かを判別する(ステップS921)。0ではないと判別された場合には(ステップS921で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS909に移行する。
【0094】
剰余が0であると判別された場合には(ステップS921で“YES”)、モジュールCPU61は、各配列番号iについて、それぞれ、残っている一致数E(i)及び照合数N(i)をそれぞれ合致度数F(i)及び累積照合数T(i)に算入する(ステップS922)。モジュールCPU61は、F(i)/T(i)が最大となる最大合致度数Fmax及び最大合致累積照合数Tmaxを抽出し、また、二番目に大きくなる次点合致度数Fmax2及び次点合致累積照合数Tmax2を抽出する(ステップS923)。なお、累積照合数T(i)が配列番号iについて同一となる場合には、単純に合致度数F(i)の大小に応じて最大合致度数Fmax及び次点合致度数Fmax2が抽出されてもよい。モジュールCPU61は、これら抽出された値を用いて最小非合致数Ebmin及び次点非合致数Ebmin2を算出する(ステップS924)。モジュールCPU61は、次点非合致数Ebmin2の出現確率P2に対する最小非合致数Ebminの出現確率P1の比を危険度Pdとして算出する(ステップS925)。
【0095】
モジュールCPU61は、危険度Pdの常用対数log(Pd)が−8以下であるか否か、即ち、危険度Pdが10−8以下であるか否かを判別する(ステップS926)。−8以下であると判別された場合には(ステップS926で“YES”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS908に移行する。−8以下ではないと判別された場合には(ステップS926で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS909に移行する。
【0096】
[変形例2]
次に、電子時計1で実行される日時情報受信処理の変形例2について説明する。
本変形例の日時情報受信処理では、多数の非合致を含む位相ずれ(ずれ量)については、途中でタイミングの一致する位相ずれの候補から除外して処理を省略する。
【0097】
この変形例2の電子時計1では、メモリ62に各パラメータとして一致数E(i)、照合数N(i)、合致度数F(i)、累積照合数T(i)に加えて候補フラグX(i)が記憶される。この候補フラグX(i)は、ここでは、受信符号rの配列と、配列番号iに対応する位相ずれ(タイミングずれ)を伴う照合符号列cとが位相(符号)の一致する候補に含まれる場合に「0」、含まれない場合に「1」に設定される二値フラグである。候補フラグX(i)の初期値は、何れも「0」であり、候補から外される際に「1」に変更されていく。
【0098】
上述のように、合致度数F(i)の最も大きいものに応じたタイミングが受信符号rの配列との合致候補になるので、合致度数F(i)が累積照合数T(i)に対して十分に小さくなり、タイムアウト時間内に同定され得る符号数に対し、最大合致度数Fmaxや次点合致度数Fmax2になり得ない又はなっても信頼性判定でOKとなり得ないような合致度数F(i)については、候補から除外することが出来る。このような条件(累積照合数T(i)と合致度数F(i)との関係に係る下限基準)としては、例えば、累積照合数T(i)に対する合致度数F(i)の比率の下限基準値未満や、累積照合数T(i)と合致度数F(i)の差分値の上限値以上などが挙げられる。例えば、所定の基準数Tth以上の累積照合数T(i)においてF(i)/T(i)<0.2の場合や、T(i)−F(i)≧20の場合などに、候補フラグX(i)を「1」に変更して、以降の照合及びパラメータの更新を中止させる。
なお、候補から外す条件を緩くすると(候補に残す条件を厳しくすると)、処理負荷が低減される一方、しばしば次点合致度数Fmax2が不正確になりやすいので、危険度Pdの算出精度が低下する。但し、一の配列番号iに係るパラメータ以外全てのものが候補から外れた場合には、危険度Pdによる信頼性判定を行わず、消去法により、当該一の配列番号iに係る位相ずれのタイミングを合致タイミングとして同定しても良い。
【0099】
図10は、電子時計1で実行される日時情報受信処理の変形例2を示すフローチャートである。また、図11は、この日時情報受信処理の変形例2で呼び出されるパターン照合処理のフローチャートである。
この日時情報受信処理は、上述の実施形態の日時情報受信処理にステップS221、S222の処理が追加され、また、ステップS209におけるパターン照合処理の内容にステップS821〜S823の処理が追加された点を除き同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
ステップS209のパターン照合処理が呼び出され、図11に示すように、ステップS801の処理で配列番号iの値が初期化されると、モジュールCPU61は、候補フラグX(i)が0であるか否かを判別する(ステップS821)。0であると判別された場合には(ステップS821で“YES”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS802に移行する。0ではない、即ち、1であると判別された場合には、モジュールCPU61の処理は、ステップS808に移行する。
【0101】
ステップS807の処理で、合致度数F(i)及び累積照合数T(i)が算出され、一致数E(i)及び照合数N(i)が初期化されると、モジュールCPU61は、累積照合数T(i)に対する合致度数F(i)の比が下限基準値Rth未満であるか否かを判別する(ステップS822)。この判別処理は、累積照合数T(i)が所定の基準数Tth以上の場合にのみ実行することとしても良い。
【0102】
下限基準値Rth未満であると判別された場合には(ステップS822で“YES”)、モジュールCPU61は、候補フラグX(i)を1とする(ステップS823)。それから、モジュールCPU61の処理は、ステップS808に移行する。下限基準値Rth未満ではないと判別された場合には(ステップS822で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS808に移行する。
【0103】
パターン照合処理を終了して、日時情報受信処理に戻ると、図10に示すように、モジュールCPU61は、候補フラグX(i)のうち、「0」であるものが残り1つであるか否かを判別する(ステップS221)。残り1つではないと判別された場合には(ステップS221で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS210に移行する。残り1つであると判別された場合には(ステップS221で“YES”)、当該残り1つの候補フラグX(i)に対応する位相ずれで一致するものとして、モジュールCPU61の処理は、ステップS214の処理に移行する。
【0104】
また、ステップS211の判別処理で、信頼性OKではないと判別された場合には(ステップS211で“NO”)、モジュールCPU61は、全ての候補フラグX(i)が1であるか否かを判別する(ステップS222)。全ての候補フラグX(i)が1であると判別された場合には(ステップS222で“YES”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS216に移行する。何れかの候補フラグX(i)が1ではないと判別された場合には(ステップS222で“NO”)、モジュールCPU61の処理は、ステップS212に移行する。
【0105】
なお、信頼性判定処理において最大合致度数Fmax及び次点合致度数Fmax2を抽出する際、候補フラグX(i)が1の配列番号iに係る合致度数F(i)を含めても含めなくても良い。候補フラグX(i)が1となった以降、合致度数F(i)は増加しないので、当該合致度数F(i)が最大合致度数Fmax及び次点合致度数Fmax2として新たに選択されることはない。従って、候補フラグX(i)を参照して抽出対象に含むか否かを判断するのと、候補フラグX(i)を参照せずに一律に抽出対象に含むのとで、処理負荷の軽くなる方が選択されれば良い。
【0106】
以上のように、本実施形態の電子時計1が備える衛星電波受信処理部60は、衛星から送信される符号信号を含む電波を受信するRF部64と、RF部64により受信された電波に含まれる符号信号をなす複数の符号の配列及び当該配列の受信タイミングを同定する取得手段としてのモジュールCPU61、メモリ62、記憶部63、ベースバンド変換部65及び捕捉追尾部66などを備え、複数の符号は、符号信号により示される内容に従って定められる各符号の値が30個の符号からなるワードごとに当該ワードの前のワードにおけるパリティデータに従ってそれぞれ反転されており、取得手段は、照合符号列生成手段として、RF部64により受信される電波に係る測位衛星の種別及び受信タイミングに応じて符号信号により示されると想定される内容に従って反転を考慮せずに定められる想定符号を含む照合符号列を生成し、符号同定手段として、受信された電波から複数の符号を各々受信符号として同定し、照合手段として、同定された前記受信符号の受信タイミングに対して予め設定されたずれ幅内の前記想定符号と、前記受信符号とを各々照合し、結果保持手段として、照合された受信符号と想定符号との一致又は不一致に係る照合結果に係る情報をずれ幅内におけるずれ量ごとに複数の受信符号について保持し、合致判定手段として、符号ブロックごとに一致及び不一致の何れか数が多い方を合致として判定して、複数のワードにおける合致の数をずれ量ごとに積算した値に応じた合致度数F(i)を算出し、ずれ量同定手段として、合致度数F(i)が所定の合致条件を満たすずれ量を合致ずれ量として同定する。
このように、照合符号列の各想定符号では、符号の反転を考慮せず、ワードごとに想定符号と受信符号との一致数と不一致数のうち多い方が合致と判断することで、当該合致部分については適切に合致数を計数することが出来、また、合致しない部分では通常、一致数と不一致数が略同数となるので、当該合致数の見積もりを甘くしない範囲で大きくずらさない。従って、複数のワードに跨って生成される照合符号列を反転パターンの組み合わせに応じて多数記憶保持及び各々照合する必要がなく、メモリ容量や処理量を低減させながら効率良く適切な受信時間、処理負荷及び電力消費で正確な日時と想定された日時とのずれ量を同定することが出来る。
【0107】
また、取得手段(ずれ量同定手段)は、ずれ量、即ち、配列番号iごとに、照合を行った回数を計数した累積照合数T(i)を算出し、基準合致度数Fth以上の累積照合数T(i)と等しい合致度数F(i)が得られることを合致条件に含み、当該合致条件を満たす合致度数F(i)が得られたずれ量(配列番号i)を合致ずれ量として同定する。
このように、基準合致度数Fth以上の受信符号rが想定符号と完全合致するずれ量に係る配列番号iを特定することで、複数のワードに亘って存する想定符号との照合結果を容易且つ適切に用いることが出来、これにより、ずれ量の誤認の可能性を低減しながら正しいずれ量を同定することが出来る。
【0108】
また、基準合致度数Fthは、想定符号と受信符号rとが当該基準合致度数Fthと等しい照合回数で続けて合致する合致確率が予め定められた基準値(例えば、10−8)未満となるように定められる。このように、確率的に基準合致度数Fthを定めることで、電子時計1に要求される所望の精度に応じた適切な正確さで受信符号rと想定符号とが完全合致するずれ量を同定することが出来る。
【0109】
また、合致確率は、想定符号と受信符号rとが合致する確率を全て1/2として求められることで、容易な計算による平均的な確率に基づいて適切な正確さで合致ずれ量を同定することが出来る。
【0110】
また、取得手段は、照合手段として、ずれ量ごとに照合を行った回数を計数した累積照合数T(i)を算出し、ずれ量同定手段として、累積照合数T(i)に比して最大の合致度数F(i)(最大合致度数Fmax)が得られたずれ量(配列番号i)における累積照合数T(i)(最大合致累積照合数Tmax)に対する最大合致度数Fmax(つまり、最小非合致数Ebmin)の出現確率P1が、二番目に大きい合致度数F(i)、即ち、次点合致度数Fmax2が得られたずれ量(配列番号i)における累積照合数T(i)である次点合致累積照合数Tmax2に対する次点合致度数Fmax2(つまり、次点非合致数Ebmin2)の出現確率P2に比して、所定の基準値Pm以下となることを合致条件に含み、当該合致条件を満たす最大合致度数Fmaxが得られたずれ量(配列番号i)を合致ずれ量として同定する。
このように、電波受信強度の不足などにより受信符号rと想定符号とが完全に合致しない場合であっても、確率的に他のずれ量を伴う照合符号列cの想定符号との合致と誤認される可能性が十分に低下した場合に、適切に正しいと判断される合致ずれ量を同定することが出来る。従って、必要以上に受信時間を長期化させない。また、電波受信強度が低く受信時間が延びてワード数が増えた場合でも、照合符号列cのパターンが増えないので、多大な記憶容量を必要としたり、中途で不要なパターンを整理したりする処理を必要としたりしない。
【0111】
また、出現確率P1及び出現確率P2は、受信符号rの各値「0」、「1」が何れも1/2の確率で出現するものとして求められるので、容易な計算により平均的に適切な確率に基づいて誤同定の可能性を必要な精度で排除することが出来る。
【0112】
また、合致ずれ量の同定は、1サブフレーム、即ち、10ワード300ビットを単位符号数として、受信符号rが同定されて想定符号と照合されるごとに行われる。これにより、各ずれ量について、それぞれワードごとに適切に合致判定がなされる。
【0113】
また、単位符号数は、GPS衛星の航法メッセージのフォーマットにおける1サブフレーム分300ビットとされることで、ワードごとに異なる想定符号数の影響を受けずに均一な累積照合数T(i)でずれ量の同定を行うことが出来る。
【0114】
また、取得手段は、累積照合数T(i)と合致度数F(i)との関係、例えば、F(i)/T(i)が所定の下限基準、ここでは、0.2以上、を満たさないずれ量を合致ずれ量の候補から除外し、当該ずれ量における累積照合数T(i)の計数と合致度数F(i)の算出のうち少なくとも一方を中止する。
これにより、明らかに合致ずれ量に該当しない配列番号iに係る処理の分だけ負荷を低減することが出来るので、電力消費を低減させ、また、処理を高速化することが出来る。
【0115】
また、取得手段は、累積照合数T(i)と合致度数F(i)との関係が上述の所定の下限基準を満たさないずれ量を合致ずれ量の候補から除外し、合致ずれ量の候補から除外されていないずれ量が一つだけとなった場合には、当該一つのずれ量を合致ずれ量として同定する。このように、消去法により合致ずれ量に該当するものが一つになった場合には、上述の手法で確率的に十分なデータが取得される前であっても速やかに合致ずれ量を同定することが可能になり、処理の軽減と高速化を図ることが出来る。なお、受信電波強度が低く、そもそも合致ずれ量の同定が困難な場合には、この手法の利用を行わないように受信電波強度などで基準値を設けても良い。
【0116】
また、取得手段は、最初の受信符号の同定タイミング付近で測位衛星からの電波の受信強度に係るSNRを取得し、当該SNRに応じて合致条件を変更する。即ち、当初から完全一致による合致ずれ量の同定が難しい場合には、初めから完全一致に係る処理を省略して処理を軽減させることが出来る。また、その他、基準合致度数Fthや基準値Pmを変更しても良い。
【0117】
また、取得手段は、所定時間、ここでは、1サブフレームの6秒内に合致条件を満たす合致度数F(i)が得られなかった場合には、合致条件を変更する。このように、完全一致による合致ずれ量の同定に失敗した場合、同様の処理を繰りかえさずに、それまでに取得されたデータに基づいて速やかに不完全一致に係る信頼性判定により合致ずれ量の同定に切り替えることで、電波受信時間や処理時間の不要な延長や消費電力の増加を避けることが出来る。また、この場合にも、基準合致度数Fthや基準値Pmを変更しても良い。
【0118】
また、取得手段は、照合符号列cの各符号c(i)が想定符号であるか否かを識別する想定可否フラグp(i)を生成し、照合手段として、この想定可否フラグp(i)を参照して受信符号rと想定符号とを照合する。
このように、想定可否フラグp(i)を各々設けておくことで、照合符号列c内の想定符号を容易に判別して照合を行うことが出来るので、処理が容易になる。
【0119】
また、取得手段は、受信符号rが各々同定されるごとに、当該受信符号に対してずれ幅内の想定符号と照合を行い、ずれ量の各々について、ワード内の想定符号の全てが受信符号rと照合されるごとに、合致の判定及び合致度数F(i)の算出を行うので、必要以上に処理を集中させたり遅らせたりさせず、可能な範囲でリアルタイム且つ分散して処理を行うことにより、効率良く速やかに合致ずれ量の同定を行うことが出来る。
【0120】
また、本実施形態の電子時計1は、上述の衛星電波受信処理部60と、日時を計数する計時回路46と、計時回路46の計数する日時に基づく表示を行う表示部47と、ホストCPU41と、を備え、取得手段は、計時回路46の計数する日時に基づいて想定される受信タイミングと、合致ずれ量とに基づいて現在日時を取得し、ホストCPU41は、取得手段により取得された現在日時により計時回路46が計数する日時を修正する。
このように、効率良く取得された日時情報に応じて計時回路46の計数する日時を容易且つ適切に正確な日時に保つことが出来る。
【0121】
また、取得手段は、計時回路46が計数する日時と、ホストCPU41により日時が修正されたタイミングからの経過時間とに基づいて、ずれ幅を設定する。従って、電子時計1では、容易なずれ幅設定で適切なずれ幅に応じた量の処理を行うことで、不要に負荷をかけずに日時情報を取得することが出来る。
【0122】
また、上述のような時刻に係る情報取得方法を用いることで、効率良く適切な受信時間、処理負荷及び電力消費で正確な日時と想定された日時とのずれ量を同定することが出来る。
【0123】
また、衛星電波受信処理部60において、日時情報受信処理を含むプログラム631を用いて時刻情報取得に係る制御動作を行うことで、電波受信及び時刻情報取得に係る処理内容を容易に管理し、メモリ容量や処理量を低減させながら効率良く適切な受信時間、処理負荷及び電力消費で正確な日時と想定された日時とのずれ量を同定することが出来る。
【0124】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、受信符号rが一つずつ同定されるごとにずれ幅内の想定符号と照合がなされたが、1ワード分の想定符号に対応する複数の受信符号について一括して照合及び合致判定がなされても良い。
【0125】
また、上記実施の形態では、前回の日時修正からの経過時間に応じてずれ幅の設定を行ったが、温度条件など日時の誤差に影響し得る他のパラメータを考慮対象に含めても良い。
【0126】
また、上記実施の形態では、完全合致、不完全合致時の確率的な誤同定排除、及び消去法を例に挙げてこれらの組み合わせにより合致ずれ量の同定を行ったが、他の要素を考慮しても良い。例えば、不完全合致時に非合致と見なされた符号が示す内容、例えば、異常報知用のフラグなどに応じて、確率的には問題のない場合であっても合致ずれ量の同定処理を終了させず継続させたり、やり直したりさせても良い。また、確率的な条件に応じた符号数とせず、単純に1サブフレーム分の想定符号と受信符号とが完全に合致した場合に合致ずれ量を同定するとした場合でも、本発明を適用することが出来る。
【0127】
また、上記実施の形態では、完全合致と不完全合致とで処理を別個に行ったが、不完全合致の判定に完全合致の判定を含んでも良い。この場合、基準合致度数Fth以上の符号の照合がなされて合致度数F(i)と累積照合数T(i)とが等しくなる最大合致度数Fmaxがあるにも拘わらず、次点合致度数Fmax2も大きいために確率的に合致条件がなかなか満たされない場合には、出現確率P1=0として、合致ずれ量を同定して処理を途中で終了させても良い。
【0128】
また、上記実施の形態では、符号の出現確率を単純に1/2としたが、これに限られない。例えば、実際に同定された各符号数を反映しても良いし、照合符号列の生成範囲などに応じて値が変化するように定められていても良い。
【0129】
また、上記実施の形態では、不完全合致に係る合致ずれ量の同定では、1サブフレーム分の受信、符号同定ごとに処理が行われることとしたが、ずれ幅内の各ずれ量で各々必要な符号数が各々照合され、合致判定が可能となっていれば、その段階で処理が進められても良い。また、ずれ量と受信時間とに応じて半端となった部分、即ち、照合される照合符号列がワードの途中からであったり途中であったりする符号同定開始時及び終了時の部分については、それぞれ、合致判定を行わないこととしたり、或いは、終了時の部分については、各ずれ量についてワードの末尾まで照合されるまで各々照合を続けても良い。
【0130】
また、上記実施の形態では、初回の符号同定時辺りでのSNRに応じて合致判定の基準や手法を変更したが、符号同定の途中でもSNRが低下した場合などに、適宜これらの基準や手法を切り替えても良い。また、SNRではなく、受信強度自体を基準としても良い。また、間接的に、1msecごとに取得された符号種別の判定の20msec間におけるばらつき具合などに応じて基準や手法を変更しても良い。
【0131】
また、上記実施の形態では、合致ずれ量の検出結果を計時回路46の計数する日時の修正に用いることとしたが、これに限られるものではない。また、衛星電波受信処理部60は、時計としての機能を主とする電波時計に設けられる場合に限られず、他の電子機器に搭載されても良い。また、衛星電波受信処理部60をなすユニットが単独で取引されても良い。
また、衛星電波受信処理部60が正確な日時をホストCPU41に出力する場合に限られず、ずれ時間情報のみをホストCPU41に出力して、ホストCPU41に計時回路46の日時を当該ずれ時間分変更させても良い。
また、日時情報全てを取得する場合に限られず、例えば、時刻情報だけであっても良い。
【0132】
また、プロセッサとしてのモジュールCPU61が日時情報受信処理で実行制御する各動作は、プログラム631に基づくソフトウェア制御動作に限られず、その一部又は全部が専用のロジック(デジタル)回路やアナログ電子回路などを用いた専用ハードウェアにより行われても良い。例えば、符号の同定動作は、モジュールCPU61の制御を介さず捕捉追尾部66で行われて良い。
また、上記実施の形態では、取得手段としてのモジュールCPU61の機能動作と制御手段としてのホストCPU41の機能動作とを分離して説明したが、同一のCPUが統括制御しても良い。
【0133】
また、上記実施の形態では、GPS衛星からの電波受信に応じた照合符号列cの生成と照合及び合致判定とを行ったが、他の測位システムに係る測位衛星、例えば、ロシアのGLONASS、欧州のGalileoや日本のみちびきなどについても、所定数のビットごとに符号の反転が生じ得るフォーマットで符号信号が送信されているものについては、同様に本発明を有効に適用することが出来る。
【0134】
また、以上の説明では、本発明に係るモジュールCPU61の処理動作に係る日時情報受信処理などの動作処理プログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として不揮発性メモリからなる記憶部63を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)や、CD−ROMやDV
Dディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、動作の内容や手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0136】
[付記]
<請求項1>
衛星から送信される符号信号を含む電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された電波に含まれる符号信号をなす複数の符号の配列及び当該配列の受信タイミングを同定する取得手段と、
を備え、
前記複数の符号は、前記符号信号により示される内容に従って定められる各符号の値が所定数の符号からなる符号ブロックごとに所定の条件に該当する場合にそれぞれ反転されており、
前記取得手段は、
前記受信手段により受信される電波に係る衛星の種別及び受信タイミングに応じて前記符号信号により示されると想定される内容に従って前記反転を考慮せずに定められる想定符号を含む照合符号列を生成し、
受信された電波から複数の符号を各々受信符号として同定し、
同定された前記受信符号の受信タイミングに対して予め設定されたずれ幅内の前記想定符号と、前記受信符号とを各々照合し、
照合された前記受信符号と前記想定符号との一致又は不一致を示す照合結果に係る情報を前記ずれ幅内におけるずれ量ごとに複数の前記受信符号について保持し、
前記符号ブロックごとに一致及び不一致の何れか数が多い方を合致として判定して、複数の前記符号ブロックにおける前記合致の数を前記ずれ量ごとに積算した値に応じた積算合致数を算出し、
当該積算合致数が所定の合致条件を満たすずれ量を合致ずれ量として同定する
ことを特徴とする衛星電波受信装置。
<請求項2>
前記取得手段は、
前記ずれ量ごとに前記照合を行った回数を計数した積算照合数を算出し、
所定の基準照合数以上の前記積算照合数と等しい前記積算合致数が得られることを前記合致条件に含み、
当該合致条件を満たす前記積算合致数が得られた前記ずれ量を前記合致ずれ量として同定する
ことを特徴とする請求項1記載の衛星電波受信装置。
<請求項3>
前記基準照合数は、前記想定符号と前記受信符号とが当該基準照合数続けて合致する合致確率が予め定められた基準値未満となるように定められることを特徴とする請求項2記載の衛星電波受信装置。
<請求項4>
前記合致確率は、前記想定符号と前記受信符号とが合致する確率を全て1/2として求められることを特徴とする請求項3記載の衛星電波受信装置。
<請求項5>
前記取得手段は、
前記ずれ量ごとに前記照合を行った回数を計数した積算照合数を算出し、
前記積算照合数に比して最大の前記積算合致数が得られた前記ずれ量における前記積算照合数に対する前記最大の積算合致数の第1出現確率が、二番目に大きい前記積算合致数が得られた前記ずれ量における前記積算照合数に対する前記二番目に大きい積算合致数の第2出現確率に比して、所定の基準比率以下となることを前記合致条件に含み、
当該合致条件を満たす前記最大の積算合致数が得られた前記ずれ量を前記合致ずれ量として同定する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
<請求項6>
前記第1出現確率及び前記第2出現確率は、前記受信符号の各値が何れも1/2の確率で出現するものとして求められる値とされることを特徴とする請求項5記載の衛星電波受信装置。
<請求項7>
前記合致ずれ量の同定は、一又は複数の前記符号ブロックに応じた単位符号数の受信符号が同定されて前記想定符号と照合されるごとに行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の衛星電波受信装置。
<請求項8>
前記単位符号数は、前記衛星に応じた信号送信フォーマットにおける所定の一周期に応じた符号数であることを特徴とする請求項7記載の衛星電波受信装置。
<請求項9>
前記取得手段は、前記積算照合数と前記積算合致数との関係が所定の下限基準を満たさないずれ量を前記合致ずれ量の候補から除外し、当該ずれ量における前記積算照合数の計数と前記積算合致数の算出のうち少なくとも一方を中止することを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
<請求項10>
前記取得手段は、前記積算照合数と前記積算合致数との関係が所定の下限基準を満たさないずれ量を前記合致ずれ量の候補から除外し、前記合致ずれ量の候補から除外されていないずれ量が一つだけとなった場合には、当該一つのずれ量を前記合致ずれ量として同定することを特徴とする請求項5〜9の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
<請求項11>
前記取得手段は、所定のタイミングで前記衛星からの電波の受信強度に係る信号指標値を取得し、当該信号指標値に応じて前記合致条件を変更することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
<請求項12>
前記取得手段は、所定の上限照合時間内に前記合致条件を満たす前記積算合致数が得られなかった場合には、前記合致条件を変更することを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
<請求項13>
前記取得手段は、
前記照合符号列の各符号が前記想定符号であるか否かを識別する識別情報を生成し、
当該識別情報を参照して前記受信符号と前記想定符号とを照合する
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
<請求項14>
前記取得手段は、
前記受信符号が各々同定されるごとに、当該受信符号に対して前記ずれ幅内の前記想定符号と照合を行い、
前記ずれ量の各々について、前記符号ブロック内の前記想定符号の全てが前記受信符号と照合されるごとに、前記合致の判定及び前記積算合致数の算出を行う
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の衛星電波受信装置。
<請求項15>
請求項1〜14の何れか一項に記載の衛星電波受信装置と、
日時を計数する計時手段と、
前記計時手段の計数する日時に基づく表示を行う表示手段と、
制御手段と、
を備え、
前記取得手段は、前記計時手段の計数する日時に基づいて想定される前記受信タイミングと、前記合致ずれ量とに基づいて現在日時を取得し、
前記制御手段は、前記取得手段により取得された現在日時により前記計時手段が計数する日時を修正する
ことを特徴とする電波時計。
<請求項16>
前記取得手段は、前記計時手段が計数する日時と、前記制御手段により日時が修正されたタイミングからの経過時間とに基づいて、前記ずれ幅を設定することを特徴とする請求項15記載の電波時計。
<請求項17>
衛星から送信される符号信号を含む電波を受信する受信手段により受信された電波に含まれる符号信号をなす複数の符号の配列及び当該配列の受信タイミングのずれ量を同定する情報取得方法であって、
前記符号信号をなす複数の符号は、当該符号信号により示される内容に従って定められる各符号の値が所定数の符号からなる符号ブロックごとに所定の条件に該当する場合にそれぞれ反転されており、
前記受信手段により受信される電波の種別及び受信タイミングに応じて前記符号信号により示されると想定される内容に従って前記反転を考慮せずに定められる想定符号を含む照合符号列を生成する照合符号列生成ステップ、
受信された電波から複数の符号を各々受信符号として同定する符号同定ステップ、
同定された前記受信符号の想定受信タイミングに対して予め設定されたずれ幅内の前記想定符号と、前記受信符号とを各々照合する照合ステップ、
照合された前記受信符号と前記想定符号との一致又は不一致に係る照合結果を前記ずれ幅内におけるずれ量ごとに複数の前記受信符号について保持する結果保持ステップ、
前記符号ブロックごとに一致及び不一致の何れか数が多い方を合致として判定して、複数の前記符号ブロックにおける前記合致の数を前記ずれ量ごとに積算した積算合致数を算出する合致判定ステップ、
当該積算合致数が所定の合致条件を満たすずれ量を合致ずれ量として同定するずれ量同定ステップ、
を含むことを特徴とする情報取得方法。
<請求項18>
衛星から送信される符号信号を含む電波を受信する受信手段を備えるコンピュータを、
前記受信手段により受信された電波に含まれる符号信号をなす複数の符号の配列及び当該配列の受信タイミングを同定する取得手段として機能させるプログラムであって、
前記符号信号をなす複数の符号は、当該符号信号により示される内容に従って定められる各符号の値が所定数の符号からなる符号ブロックごとに所定の条件に該当する場合にそれぞれ反転されており、
前記取得手段は、
前記受信手段により受信される電波の種別及び受信タイミングに応じて前記符号信号により示されると想定される内容に従って前記反転を考慮せずに定められる想定符号を含む照合符号列を生成し、
受信された電波から複数の符号を各々受信符号として同定し、
同定された前記受信符号の想定受信タイミングに対して予め設定されたずれ幅内の前記想定符号と、前記受信符号とを各々照合し、
照合された前記受信符号と前記想定符号との一致又は不一致に係る照合結果を前記ずれ幅内におけるずれ量ごとに複数の前記受信符号について保持し、
前記符号ブロックごとに一致及び不一致の何れか数が多い方を合致として判定して、複数の前記符号ブロックにおける前記合致の数を前記ずれ量ごとに積算した積算合致数を算出し、
当該積算合致数が所定の合致条件を満たすずれ量を合致ずれ量として同定する
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0137】
1 電子時計
41 ホストCPU
42 ROM
421 プログラム
43 RAM
44 発振回路
45 分周回路
46 計時回路
47 表示部
48 表示ドライバ
49 操作部
50 電力供給部
60 衛星電波受信処理部
61 モジュールCPU
62 メモリ
63 記憶部
631 プログラム
64 RF部
65 ベースバンド変換部
66 捕捉追尾部
AN アンテナ
E 一致数
Ebmin 最小非合致数
Ebmin2 次点非合致数
F 合致度数
Fmax 最大合致度数
Fmax2 次点合致度数
k カウント数
N 照合数
p 想定可否フラグ
P1 出現確率
P2 出現確率
Pd 危険度
q オフセット値
r 受信符号
T 累積照合数
Tmax 最大合致累積照合数
Tmax2 次点合致累積照合数
X 候補フラグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11