(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行レンジに切り換えられた場合に油圧発生源の油圧に基づいた元圧を、走行レンジ圧として出力し、非走行レンジに切り換えられた場合に前記走行レンジ圧を非出力とするレンジ圧切換え部と、
前記レンジ圧切換え部から出力される前記走行レンジ圧が通過する第1油路と、
前記第1油路に接続され、前記非走行レンジから前記走行レンジに切り換えられた場合に摩擦係合要素の油圧サーボに前記走行レンジ圧を調圧しつつ供給して前記摩擦係合要素を係合し、前記走行レンジから前記非走行レンジに切り換えられた場合に前記油圧サーボから前記走行レンジ圧を調圧しつつ排出して前記摩擦係合要素を解放する第1ソレノイドバルブと、
前記第1油路の前記レンジ圧切換え部と前記第1ソレノイドバルブとの間に設けられた第1油路側オリフィスと、
前記第1油路の前記第1ソレノイドバルブと前記第1油路側オリフィスとの間に接続された第2油路と、
前記走行レンジから前記非走行レンジに切り換えられた際に、少なくとも前記非走行レンジで発生している油圧を出力し、この油圧を前記第2油路を介して前記第1ソレノイドバルブに供給可能な第2ソレノイドバルブと、
前記第2油路の前記第1油路との接続部と前記第2ソレノイドバルブとの間に、前記第2ソレノイドバルブから前記第1油路に向かう方向には油圧が供給され、当該方向と反対方向には油圧が供給されない第2油路側逆止弁と、を備えた、
ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
前記第2ソレノイドバルブは、少なくとも前記走行レンジから前記非走行レンジへの切り換えに伴って行われる前記第1ソレノイドバルブによる前記油圧サーボの油圧の排出が終了するまでは前記油圧を出力し、その後、前記油圧の出力を停止する、
ことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載の自動変速機の油圧制御装置。
前記第2ソレノイドバルブは、エンジンの出力軸と自動変速機構の入力軸との間の動力伝達経路に配置される流体伝動装置のロックアップクラッチの係合圧を調圧するロックアップ用ソレノイドバルブである、
ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の自動変速機の油圧制御装置。
供給された油圧を前記ロックアップクラッチに供給可能で、前記ロックアップクラッチを係合させる第1状態と、前記ロックアップクラッチを解放させる第2状態とに切り換え可能なロックアップ制御用バルブを有し、
前記ロックアップ用ソレノイドバルブは、前記ロックアップ制御用バルブが前記第2状態である際に、出力した油圧を前記第2油路を介して前記第1ソレノイドバルブに供給可能である、
ことを特徴とする、請求項5に記載の自動変速機の油圧制御装置。
複数の変速段の形成を油圧制御する変速制御回路に油圧を出力する出力位置と非出力とする非出力位置とに切り換え可能で、フェールの際に前記出力位置となるフェールセーフバルブと、
前進1速段、ニュートラル、後進1速段で係合される摩擦係合要素の油圧サーボに油圧を調圧して出力する第3ソレノイドバルブと、を有し、
前記フェールセーフバルブは、前記フェール用ソレノイドバルブから油圧が出力され、且つ、前記第3ソレノイドバルブからの油圧が非出力となった際に前記出力位置に、前記第3ソレノイドバルブから油圧が出力された際に前記非出力位置に、それぞれ位置し、
前記フェール用ソレノイドバルブは、前記フェールセーフバルブが前記非出力位置に位置する際に、出力した油圧を前記第2油路を介して前記第1ソレノイドバルブに供給可能である、
ことを特徴とする、請求項8に記載の自動変速機の油圧制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態を
図1ないし
図4に沿って説明する。まず、本自動変速機1の概略構成について
図1に沿って説明する。
図1に示すように、例えばFRタイプ(フロントエンジン・リヤドライブ)の車両に用いて好適な自動変速機1は、エンジン(E/G、駆動源)のクランクシャフト(出力軸)に接続し得る自動変速機1の入力軸11を有しており、該入力軸11の軸方向を中心としてトルクコンバータ(流体伝動装置)7と、変速機構(自動変速機構)2とを備え、エンジンから伝達される回転動力を変速自在になっている。なお、本実施の形態では、FRタイプの車両を適用しているが、これには限らず、例えばFFタイプ(フロントエンジン・フロントドライブ)の車両であってもよい。
【0010】
トルクコンバータ7は、エンジンの出力軸(入力軸11)と変速機構2の入力軸12との間の動力伝達経路に配置され、自動変速機1の入力軸11に接続されたポンプインペラ7aと、作動流体を介して該ポンプインペラ7aの回転が伝達されるタービンランナ7bとを有しており、該タービンランナ7bは、入力軸11と同軸上に配設された変速機構2の入力軸12に接続されている。また、トルクコンバータ7には、トルクコンバータ7の入出力回転をロックアップし得るロックアップクラッチ10が備えられており、このロックアップクラッチ10が係合されると、自動変速機1の入力軸11の回転が変速機構2の入力軸12に直接伝達される。
【0011】
変速機構2には、入力軸12(及び中間軸13)上において、プラネタリギヤDPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。プラネタリギヤDPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1に噛合するピニオンP1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP2を互いに噛合する形で有している所謂ダブルピニオンプラネタリギヤである。
【0012】
また、プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2(CR3)、及びリングギヤR3(R2)を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR3に噛合するロングピニオンP4と、該ロングピニオンP4及びサンギヤS3に噛合するショートピニオンP3とを互いに噛合する形で有している所謂ラビニヨ型プラネタリギヤである。
【0013】
プラネタリギヤDPのサンギヤS1は、例えばミッションケース3に一体的に固定されているボス部3bに接続されて回転が固定されている。ボス部3bは、オイルポンプボディ3aから延設されている。また、キャリヤCR1は、入力軸12に接続されて、該入力軸12の回転と同回転(以下、「入力回転」という。)になっていると共に、第4クラッチC−4に接続されている。更に、リングギヤR1は、固定されたサンギヤS1と入力回転するキャリヤCR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3に接続されている。尚、第1クラッチC−1は、他のクラッチやブレーキと共に伝達経路を形成している。
【0014】
プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、第1ブレーキB−1に接続されてミッションケース3に対して固定自在となっていると共に、第4クラッチC−4及び第3クラッチC−3に接続されて、第4クラッチC−4を介してキャリヤCR1の入力回転が、第3クラッチC−3を介してリングギヤR1の減速回転が、それぞれ入力自在となっている。また、サンギヤS3は、第1クラッチC−1に接続されており、リングギヤR1の減速回転が入力自在となっている。
【0015】
更に、キャリヤCR2は、中間軸13を介して入力軸12の回転が入力される第2クラッチC−2に接続されて、該第2クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及び第2ブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケース3に対して一方向の回転が規制されると共に、該第2ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、リングギヤR3は、不図示の駆動車輪に回転を出力する出力軸15に接続されている。
【0016】
以上のように構成された自動変速機1は、
図1のスケルトン図に示す各クラッチC−1〜クラッチC−4、ブレーキB−1及びブレーキB−2、ワンウェイクラッチF−1が、
図2の係合表に示す組み合わせで係脱されることにより、ドライブ(D)レンジ(ポジション)の前進1速段(1st)〜前進8速段(8th)、リバース(R)レンジの後進1速段(R)、パーキング(P)レンジ、ニュートラル(N)レンジがそれぞれ達成される。
【0017】
ついで、上述した自動変速機1の油圧制御装置20の構成について、特に、前進1速段を形成する第1クラッチC−1(摩擦係合要素)を制御する部分に着目して、
図3及び
図4に基づいて説明をする。なお、本実施形態においては、スプールの位置を説明するために、図中の右半分の位置を「右半位置」、左半分の位置を「左半位置」というものとする。
【0018】
図3に示すように、油圧制御装置20は、レンジ切換え装置21、リニアソレノイドバルブSL1、SLU、第1クラッチC−1の係合及び解放を行う油圧サーボ22、ソレノイドバルブSL、ロックアップリレーバルブ90などを備えている。レンジ切換え装置21(レンジ圧切換え部)は、第1、第2ソレノイドバルブRS1、RS2、第1ソレノイドバルブRS1によって切り換えられる第1切換えバルブ30、第2ソレノイドバルブRS2によって切り換えられる第2切換えバルブ40などによって構成されている。そして、運転者によって、非走行レンジであるパーキング(P)レンジ又はニュートラル(N)レンジ、走行レンジであるドライブ(D)レンジ及びリバース(R)レンジ等が選択されるシフトレバー(不図示)からのシフト信号に基づいて制御信号を発生させる制御部(ECU)100(
図1)からの制御信号に基づいて、第1、第2ソレノイドバルブRS1、RS2が制御される。なお、本実施形態に係るレンジ切換え装置21においては、上記説明したシフト信号及び制御信号が、電気信号を介して行われるシフトバイワイヤ方式によるものであり、従ってシフトレバーによってレンジの選択を行うように説明したが、例えばボタン操作によってレンジの選択を行うように構成することもできる。
【0019】
第1、第2ソレノイドバルブRS1、RS2は、エンジンにより回転駆動される不図示のオイルポンプ(油圧発生源)で発生された油圧に基づいたライン圧P
L(元圧)を調圧して制御圧を出力する。また、第1ソレノイドバルブRS1は、通電が遮断されたときに制御圧を出力しない、所謂ノーマルクローズからなり、第2ソレノイドバルブRS2は、通電が遮断されたときに制御圧を出力する、所謂ノーマルオープンからなる。
【0020】
第1切換えバルブ30は、図の左半位置である第1位置と図の右半位置である第2位置とに移動可能なスプール31と、スプール31を第1位置に付勢する付勢部材としてのスプリング32とを有している。また、第1切換えバルブ30は、入力ポートa、第1出力ポートb1、第2出力ポートb2、制御ポートe1、複数のドレーンポートEX1、EX2を有している。
【0021】
入力ポートaは、ライン圧P
Lが供給される。第1出力ポートb1は、スプール31の第1位置(左半位置)にて入力ポートaと連通し、かつ第2位置(右半位置)にて入力ポートaとの連通が遮断される。第2出力ポートb2は、スプール31の第1位置(左半位置)にて入力ポートaとの連通が遮断され、かつ第2位置(右半位置)にて入力ポートaと連通する。また、スプール31の第1位置にて、第2出力ポートb2とドレーンポートEX2とが連通して、第2出力ポートb2内の油がドレーンされる。また、スプール31の第2位置にて、第1出力ポートb1とドレーンポートEX1とが連通して、第1出力ポートb1内の油がドレーンされる。制御ポートe1は、第1ソレノイドバルブRS1から出力された制御圧が入力され、入力された制御圧がスプール31に作用する。
【0022】
第2切換えバルブ40は、図の左半位置である第1位置と図の右半位置である第2位置とに移動可能なスプール41と、スプール41を第1位置に付勢する付勢部材としてのスプリング42とを有している。また、第2切換えバルブ40は、第1入力ポートc1、第2入力ポートc2、第1出力ポートd1、第2出力ポートd2、制御ポートe2、ドレーンポートEX3を有している。
【0023】
第1入力ポートc1は、第1切換えバルブ30の第1出力ポートb1に接続され、第2入力ポートc2は、第1切換えバルブ30の第2出力ポートb2に接続される。第1出力ポートd1は、スプール41の第1位置(左半位置)にて第1入力ポートc1と連通し、かつ第2位置(右半位置)にて第1入力ポートc1との連通が遮断される。第2出力ポートd2は、スプール41の第1位置(左半位置)にて第2入力ポートc2との連通が遮断され、かつ第2位置(右半位置)にて第2入力ポートc2と連通する。また、スプール41の第1位置にて、第2出力ポートd2とドレーンポートEX3とが連通して、第2出力ポートd2内の油がドレーンされる。また、スプール41の第2位置にて、第1出力ポートd1とドレーンポートEX3とが連通して、第1出力ポートd1内の油がドレーンされる。制御ポートe2は、第2ソレノイドバルブRS2から出力された制御圧が入力され、入力された制御圧がスプール41に作用する。
【0024】
運転者が走行レンジであるDレンジに操作した場合、第1ソレノイドバルブRS1及び第2ソレノイドバルブRS2がそれぞれOFFとなることで、第1切換えバルブ30及び第2切換えバルブ40がそれぞれ第1位置(左半位置)に切り換わる。すると、第1切換えバルブ30の入力ポートaに供給されたライン圧P
Lは、調圧されて第1出力ポートb1から出力され、第2切換えバルブ40の第1入力ポートc1に供給される。そして、第2切換えバルブ40の第1出力ポートd1からDレンジ圧(走行レンジ圧)が出力される。
【0025】
一方、運転者がRレンジに操作した場合、第1ソレノイドバルブRS1及び第2ソレノイドバルブRS2がそれぞれONとなることで、第1切換えバルブ30及び第2切換えバルブ40がそれぞれ第2位置(右半位置)に切り換わる。すると、後述する第2実施形態の
図5に示すように、第1切換えバルブ30の入力ポートaに供給されたライン圧P
Lは、調圧されて第2出力ポートb2から出力され、第2切換えバルブ40の第2入力ポートc2に供給される。そして、第2切換えバルブ40の第2出力ポートd2からRレンジ圧が出力される。
【0026】
このように出力されるDレンジ圧又はRレンジ圧は、各クラッチやブレーキの油圧サーボにリニアソレノイドバルブなどを介して供給され、上述したような、Dレンジの前進1速段(1st)〜前進8速段(8th)、Rレンジの後進1速段(R)がそれぞれ達成される。
【0027】
また、運転者がDレンジから非走行レンジであるNレンジに操作した場合、第1ソレノイドバルブRS1がOFF、第2ソレノイドバルブRS2がONとなることで、第1切換えバルブ30が第1位置(左半位置)、第2切換えバルブ40が第2位置(右半位置)に切り換わる。すると、第1切換えバルブ30の入力ポートaに供給されたライン圧P
Lは、第1出力ポートb1から出力され、第2切換えバルブ40の第1入力ポートc1に供給される。ここで、第2切換えバルブ40は、第1入力ポートc1と第1出力ポートd1との連通が遮断されており、第1出力ポートd1とドレーンポートEX3とが連通しているため、後述するリニアソレノイドバルブSL1に供給されていたDレンジ圧が、第1出力ポートd1を介してドレーンポートEX3から排出され、Dレンジ圧が非出力とされる。
【0028】
また、運転者がDレンジから非走行レンジであるPレンジに操作した場合、第1ソレノイドバルブRS1がON、第2ソレノイドバルブRS2がOFFとなることで、第1切換えバルブ30が第2位置(右半位置)、第2切換えバルブ40が第1位置(左半位置)に切り換わる。すると、第1切換えバルブ30の入力ポートaに供給されたライン圧P
Lは、第2出力ポートb2から出力され、第2切換えバルブ40の第2入力ポートc2に供給される。ここで、第2切換えバルブ40は、第2入力ポートc2と第2出力ポートd2との連通が遮断されており、第1出力ポートd1と第1入力ポートc1とが連通している。また、第1入力ポートc1と接続される第1切換えバルブ30の第1出力ポートb1は、ドレーンポートEX1と連通している。このため、リニアソレノイドバルブSL1に供給されていたDレンジ圧が、第1出力ポートd1、第1入力ポートc1、第1出力ポートb1を介してドレーンポートEX1から排出され、Dレンジ圧が非出力とされる。
【0029】
なお、第1ソレノイドバルブRS1及び第2ソレノイドバルブRS2が、断線などによりオフフェールした場合、第1ソレノイドバルブRS1がノーマルクローズからなり、第2ソレノイドバルブRS2がノーマルオープンからなるため、レンジ切換え装置21はNレンジとなり、レンジ切換え装置21からDレンジ圧もRレンジ圧も出力されない。
【0030】
リニアソレノイドバルブSL1(第1ソレノイドバルブ)は、Dレンジ圧を入力する入力ポートSL1aと、通電された際にDレンジ圧を調圧して油圧サーボ22に出力する出力ポートSL1bと、ドレーンポートEX4とを有している。そして、Dレンジに切り換えられ、前進1速段ないし5速段の何れかを形成する場合に通電されて、油圧サーボ22にDレンジ圧を調圧しつつ供給して第1クラッチC−1を係合させる。一方、Nレンジ又はPレンジに切り換えられた場合に油圧サーボ22からDレンジ圧を調圧しつつドレーンポートEX4から排出して第1クラッチC−1を解放する。
【0031】
リニアソレノイドバルブSLU(第2ソレノイドバルブ、ロックアップ用ソレノイドバルブ)は、ライン圧P
Lを入力する入力ポートSLUaと、通電された際にライン圧P
Lを調圧して出力する出力ポートSLUbと、ドレーンポートEX6とを有している。出力ポートSLUbは、ロックアップリレーバルブ90(ロックアップ制御用バルブ)に接続されている。ロックアップリレーバルブ90は、ロックアップクラッチ10の入力ポート10aに接続され、ロックアップリレーバルブが動作することで、ロックアップクラッチの係合及び解放を行う。即ち、ロックアップリレーバルブ90は、入力ポート91と、出力ポート92、93とを備え、供給された油圧をロックアップクラッチ10に供給可能で、ロックアップクラッチ10を係合させる第1状態と、ロックアップクラッチ10を解放させる第2状態とに切り換え可能である。
【0032】
具体的には、ソレノイドバルブSLからの油圧の出力又は非出力により、供給された油圧をロックアップクラッチ10を係合させる係合圧として出力する第1状態(L−ON)と、供給された油圧をロックアップクラッチ10に対して非供給としてロックアップクラッチ10を解放させる第2状態(L−OFF)とに切り換え可能である。例えば、ロックアップリレーバルブ90は、ソレノイドバルブSLからの油圧が出力された場合に、入力ポート91と出力ポート92とが連通する第1状態に、ソレノイドバルブSLから油圧が非出力となった場合に、入力ポート91と出力ポート93とが連通する第2状態に切り換えられる。また、出力ポート92は、ロックアップクラッチ10の作動油室の入力ポート10aに接続されている。
【0033】
本実施形態では、リニアソレノイドバルブSLUの出力ポートSLUbとロックアップリレーバルブ90の入力ポート91とが接続されている。即ち、リニアソレノイドバルブSLUは、ロックアップリレーバルブ90に油圧を供給可能である。したがって、リニアソレノイドバルブSLUから出力されロックアップリレーバルブ90に供給された油圧は、ロックアップリレーバルブ90が第1状態である際には、ロックアップクラッチ10を係合させる係合圧として出力される。なお、
図3では、ロックアップクラッチ10を多板クラッチとしたが、ロックアップクラッチ10は、単板クラッチであっても良い。リニアソレノイドバルブSL1とリニアソレノイドバルブSLUとは、それぞれ、通電が遮断されたときに油圧を出力しない、所謂ノーマルクローズからなる。
【0034】
ここで、上述したようなレンジ切換え装置21とリニアソレノイドバルブSL1との間には、第1油路50aが配置されている。即ち、第1油路50aは、レンジ切換え装置21の第2切換えバルブ40の第2出力ポートd1と、リニアソレノイドバルブSL1の入力ポートSL1aにそれぞれ接続されている。このため、レンジ切換え装置21から出力されたDレンジ圧は、この第1油路50aを通過してリニアソレノイドバルブSL1に供給される。この第1油路50aには、第1油路側オリフィス53を設けている。また、レンジ切換え装置21とリニアソレノイドバルブSL1との間には、第1油路50aと並列に、第1油路側オリフィス53を迂回する迂回油路50b(第3油路)を有する。即ち、迂回油路50bは、第1油路側オリフィス53の両側で、その両端部をそれぞれ第1油路50aに接続している。この迂回油路50bには、レンジ切換え装置21からリニアソレノイドバルブSL1に向かう方向には油圧が供給され、当該方向と反対方向には油圧が供給されない第1油路側逆止弁52を設けている。
【0035】
このように、レンジ切換え装置21とリニアソレノイドバルブSL1との間に、第1油路側オリフィス53と第1油路側逆止弁52とを有する遅延機構51を設けることで、Dレンジ圧がリニアソレノイドバルブSL1に供給される場合よりも、Dレンジ圧がリニアソレノイドバルブSL1にから排出される場合の方が圧力変化を遅くするようにしている。これにより、レンジ切換え装置21からリニアソレノイドバルブSL1に油圧が供給される場合には、主として第1油路側逆止弁52がある迂回油路50bを介して油圧がリニアソレノイドバルブSL1側に供給される。一方、油圧がリニアソレノイドバルブSL1からレンジ切換え装置21に排出される場合には、第1油路側逆止弁52により迂回油路50bからは油圧が排出されず、第1油路50aから第1油路側オリフィス53により流量がしぼられて油圧がレンジ切換え装置21側に排出される。このように、この油圧が第1油路側オリフィス53を設けた第1油路50aを通ることで、油圧サーボ22内の油圧が急激に抜けることを防止できる。
【0036】
また、第1油路50aのリニアソレノイドバルブSL1と遅延機構51との間には、第2油路60が接続されている。また、第2油路60は、ロックアップリレーバルブ90を介してリニアソレノイドバルブSLUにも接続されている。即ち、第2油路60は、ロックアップリレーバルブ90の出力ポート93に接続され、ロックアップリレーバルブ90の入力ポート91は、リニアソレノイドバルブSLUの出力ポートSLUbに接続されている。これと共に、第2油路60は、接続部61により第1油路50aに接続されている。したがって、リニアソレノイドバルブSLUによりライン圧P
Lを調圧して出力された油圧は、ロックアップリレーバルブ90が第2状態である際に、第2油路60、接続部61、第1油路50aを介してリニアソレノイドバルブSL1に供給可能である。このため、リニアソレノイドバルブSLUから出力された油圧は、ロックアップリレーバルブ90が第1状態である際には、ロックアップクラッチ10の係合圧として出力され、ロックアップリレーバルブ90が第2状態である際には、第2油路60などを介してリニアソレノイドバルブSL1に供給される。なお、この油圧は、接続部61から第1油路50aを介してレンジ切換え装置21側にも供給されるが、接続部61とレンジ切換え装置21との間には上述したような遅延機構51があり、第1油路側オリフィス53により流量がしぼられるため、主としてリニアソレノイドバルブSL1に供給される。
【0037】
また、第2油路60の第1油路50aとの接続部61とリニアソレノイドバルブSLUとの間には、第2油路側オリフィス62及び第2油路側逆止弁63を、接続部61側から順に設けている。第2油路側逆止弁63は、リニアソレノイドバルブSLUから第1油路50aに向かう方向には油圧が供給され、当該方向と反対方向には油圧が供給されないように構成されている。したがって、リニアソレノイドバルブSLUから供給される油圧は、第2油路側逆止弁63及び第2油路側オリフィス62を介して第1油路50a側に供給される。このように第2油路側オリフィス62を介することで、第1油路50aに供給される油圧の変動を低減できる。また、第2油路側逆止弁63により第1油路50aから第2油路60に油が供給されることを防止できる。
【0038】
このように構成される油圧制御装置20は、例えば、車両の停止中に、DレンジからNレンジに切り換えられた際に、リニアソレノイドバルブSLUが油圧を出力し、この油圧を第2油路60を介してリニアソレノイドバルブSL1に供給可能である。即ち、リニアソレノイドバルブSLUに供給されるライン圧P
Lは、エンジンの駆動中も発生しているため、Nレンジ又はPレンジでも発生している。したがって、DレンジからNレンジに切り換えられた際に、制御部100(
図1)が、リニアソレノイドバルブSLUにこのライン圧P
Lを調圧して出力させる。ここで、例えば、車両を駐車する際などに、DレンジからNレンジ或いはNレンジからRレンジ、更にはこれらの逆方向にレンジを切り換える、所謂ガレージシフトを行うような低車速の場合、エンジン停止を懸念して、ロックアップクラッチ10を非係合とする。このため、ロックアップリレーバルブ90は第2状態となっており、リニアソレノイドバルブSLUから出力された油圧は、ロックアップリレーバルブ90を介して第2油路60に供給され、接続部61、第1油路50aを介してリニアソレノイドバルブSL1に供給される。
【0039】
また、リニアソレノイドバルブSLUは、少なくともDレンジからNレンジへの切り換えに伴って行われるリニアソレノイドバルブSL1による油圧サーボ22の油圧の排出が終了するまでは油圧を出力し、その後、この油圧の出力を停止する。本実施形態では、DレンジからNレンジに切り換えてから所定時間、リニアソレノイドバルブSLUからリニアソレノイドバルブSL1に油圧を供給するようにしている。この所定時間は、DレンジからNレンジに切り換えた場合に、リニアソレノイドバルブSL1が油圧サーボ22からDレンジ圧を調圧しつつドレーンポートEX4から排出させるまでの切り換え時間以上とする。
【0040】
即ち、リニアソレノイドバルブSL1は、DレンジからNレンジへの切り換えにより、入力ポートSL1aと出力ポートSL1bとの連通を徐々に遮断しつつ、出力ポートSL1bをドレーンポートEX4に徐々に連通させる切換え動作を行う。この際、レンジ切換え装置21からDレンジ圧が出力されなくなるため、何ら対策をしなければ、油圧サーボ22内の油圧が急激に抜けてクラッチC−1が急解放されてショックが生じてしまう。このため、本実施形態では、少なくともリニアソレノイドバルブSL1の切換え動作が完了するまでは、即ち、少なくとも、リニアソレノイドバルブSL1による入力ポートSL1aと出力ポートSL1bとの連通が遮断され、出力ポートSL1bとドレーンポートEX4との連通が完了するまでの間は、リニアソレノイドバルブSLUからリニアソレノイドバルブSL1に油圧を供給するようにして、油圧サーボ22内の油圧が急激に抜けてクラッチC−1が急解放されてショックが生じることを軽減している。そして、リニアソレノイドバルブSL1の切換え動作が完了したら、リニアソレノイドバルブSLUによる油圧の供給を停止する。
【0041】
このように、DレンジからNレンジに切り換えられた場合に、リニアソレノイドバルブSLUからリニアソレノイドバルブSL1に油圧を供給するようにすることで、
図4に示すように、油圧サーボ22内の油圧Paが徐々に低下する。即ち、Nレンジに切り換えた際に、リニアソレノイドバルブSLUがライン圧P
Lを調圧して油圧PbをリニアソレノイドバルブSL1に供給する。この結果、油圧サーボ22内の油圧Paを
図4のように徐々に低下させることができる。本実施形態では、
図4に示すように、リニアソレノイドバルブSL1の上述のような切換え動作が完了して油圧サーボ22内の油圧Paが抜けてから、リニアソレノイドバルブSLUからの油圧Pbの供給を停止している。
【0042】
なお、リニアソレノイドバルブSLUの油圧供給の停止タイミングは、上述のようなリニアソレノイドバルブSL1の切換え動作完了と同時でも良いし、一定時間経過後であっても良い。また、本実施形態では、時間によりリニアソレノイドバルブSLUによる油圧の供給停止を制御しているが、例えば、リニアソレノイドバルブSL1の切換え動作の完了を検知することで油圧の供給を停止するなど、他の方法によりリニアソレノイドバルブSLUの油圧の供給停止を制御するようにしても良い。
【0043】
以上説明したように、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図3及び
図5参照)、走行レンジ(Dレンジ又はRレンジ)に切り換えられた場合に油圧発生源の油圧に基づいた元圧を、走行レンジ圧として出力し、非走行レンジ(Nレンジ)に切り換えられた場合に前記走行レンジ圧を非出力とするレンジ圧切換え部(21)と、
前記レンジ圧切換え部(21)から出力される前記走行レンジ圧が通過する第1油路(50a、70a)と、
前記第1油路(50a、70a)に接続され、前記非走行レンジから前記走行レンジに切り換えられた場合に摩擦係合要素(C−1、C−3)の油圧サーボ(22、23)に前記走行レンジ圧を調圧しつつ供給して前記摩擦係合要素(C−1、C−3)を係合し、前記走行レンジから前記非走行レンジに切り換えられた場合に前記油圧サーボ(22、23)から前記走行レンジ圧を調圧しつつ排出して前記摩擦係合要素(C−1、C−3)を解放する第1ソレノイドバルブ(SL1、SL3)と、
前記第1油路(50a、70a)の前記レンジ圧切換え部(21)と前記第1ソレノイドバルブ(SL1、SL3)との間に設けられた第1油路側オリフィス(53、73)と、
前記第1油路(50a、70a)の前記第1ソレノイドバルブ(SL1、SL3)と前記第1油路側オリフィス(53、73)との間に接続された第2油路(60、80)と、
前記走行レンジから前記非走行レンジに切り換えられた際に、少なくとも前記非走行レンジで発生している油圧を出力し、この油圧を前記第2油路(60、80)を介して前記第1ソレノイドバルブ(SL1、SL3)に供給可能な第2ソレノイドバルブ(SLU、SR)と、
前記第2油路(60、80)の前記第1油路(50a、70a)との接続部(61、81)と前記第2ソレノイドバルブ(SLU、SR)との間に、前記第2ソレノイドバルブ(SLU、SR)から前記第1油路(50a、70a)に向かう方向には油圧が供給され、当該方向と反対方向には油圧が供給されない第2油路側逆止弁(63、83)とを備えたことを特徴とする。
【0044】
このように、本実施形態の油圧制御装置20によると、DレンジからNレンジに切り換えられた際に、リニアソレノイドバルブSLUにより油圧をリニアソレノイドバルブSL1に供給可能であるため、アキュムレータを設けることなく、DレンジからNレンジに切り換えられた際のショックを軽減できる。そして、このようなショックを軽減するためのアキュムレータを設ける必要がないため、装置の小型化を図れる。また、本実施形態の場合、ロックアップクラッチを係合させる既存のリニアソレノイドバルブSLUを共用してリニアソレノイドバルブSL1に油圧を供給するようにしているため、第2油路60を設けるだけで、新たにバルブを設ける必要がない。したがって、装置の大型化を抑制できると共に、低コストで上述したような油圧制御装置20を得られる。
【0045】
また、従来のようにアキュムレータを使用した構造の場合、NレンジからDレンジへの切り換え時の各クラッチやブレーキへの油圧充填の際に、アキュムレータを容積変化させるため、応答性に対して不利である。これに対して本実施形態の場合には、アキュムレータがないため、NレンジからDレンジへの切り換え時の各クラッチやブレーキへの油圧充填の応答性を向上させられる。
【0046】
また、リニアソレノイドバルブSLUからリニアソレノイドバルブSL1に油圧を供給する第2油路60は、リニアソレノイドバルブSL1と遅延機構51との間に接続するため、リニアソレノイドバルブSLUからの油圧を主としてリニアソレノイドバルブSL1に供給できる。
【0047】
また、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図3及び
図5参照)、前記接続部(61、81)と前記第2ソレノイドバルブ(SLU、SR)との間に第2油路側オリフィス(62、82)を設けたことを特徴とする。
【0048】
即ち、第2油路60の第1油路50との接続部61とリニアソレノイドバルブSLUとの間に第2油路側オリフィス62を設けているため、リニアソレノイドバルブSLUからリニアソレノイドバルブSL1に供給される油圧の変動を低減して油圧サーボ22の制御性を向上させられる。また、接続部61とリニアソレノイドバルブSLUとの間に第2油路側逆止弁63を設けているため、第1油路50から第2油路60に油が流れることを防止でき、レンジ切換え装置21からDレンジ圧が出力されている場合でも、このDレンジ圧が第1油路50から第2油路60を介してリニアソレノイドバルブSLUに作用することを防止できる。
【0049】
また、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図3及び
図5参照)、前記第1油路(50a、70a)と並列に、前記第1油路側オリフィス(53、73)を迂回する第3油路(50b、70b)をさらに有し、
前記第3油路(50b、70b)には、前記レンジ圧切換え部(21)から前記第1ソレノイドバルブ(SL1、SL3)に向かう方向には油圧が供給され、当該方向と反対方向には油圧が供給されない第1油路側逆止弁(52、72)を設けたことを特徴とする。
【0050】
これにより、レンジ切換え装置21から供給されるDレンジ圧が第1油路側逆止弁52を設けた迂回油路50bからリニアソレノイドバルブSL1に十分に供給されると共に、Dレンジ圧がリニアソレノイドバルブSL1からレンジ切換え装置21に排出される場合には、この油圧が第1油路側オリフィス53を設けた第1油路50aを通ることで、油圧サーボ22内の油圧が急激に抜けることを防止できる。
【0051】
また、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図3及び
図5参照)、前記第2ソレノイドバルブ(SLU、SR)は、少なくとも前記走行レンジから前記非走行レンジへの切り換えに伴って行われる前記第1ソレノイドバルブ(SL1、SL3)による前記油圧サーボ(22、23)の油圧の排出が終了するまでは前記油圧を出力し、その後、前記油圧の出力を停止することを特徴とする。これにより、DレンジからNレンジに切り換えられた際のショックをより軽減できる。
【0052】
また、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図3参照)、前記第2ソレノイドバルブ(SLU)は、エンジンの出力軸(11)と自動変速機構(2)の入力軸(12)との間の動力伝達経路に配置される流体伝動装置(7)のロックアップクラッチ(10)の係合圧を調圧するロックアップ用ソレノイドバルブであることを特徴とする。
【0053】
また、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図3参照)、供給された油圧を前記ロックアップクラッチ(10)に供給可能で、前記ロックアップクラッチ(10)を係合させる第1状態と、前記ロックアップクラッチ(10)を解放させる第2状態とに切り換え可能なロックアップ制御用バルブ(90)を有し、
前記ロックアップ用ソレノイドバルブ(SLU)は、前記ロックアップ制御用バルブ(90)が前記第2状態である際に、出力した油圧を前記第2油路を介して前記第1ソレノイドバルブ(SL1)に供給可能であることを特徴とする。
【0054】
更に、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図3参照)、前記ロックアップ用ソレノイドバルブ(SLU)は、前記ロックアップ制御用バルブ(90)に油圧を供給可能であり、
前記ロックアップ制御用バルブ(90)は、前記第1状態で、前記ロックアップ用ソレノイドバルブ(SLU)から供給された油圧を前記係合圧として出力し、前記第2状態で、前記ロックアップ用ソレノイドバルブ(SLU)から供給された油圧を前記第2油路(60)を介して前記第1ソレノイドバルブ(SL1)に供給可能であることを特徴とする。
【0055】
これにより、部品点数の増加を抑制できる。即ち、DレンジからNレンジに切り換えるような車速の場合、エンジン停止を懸念して、ロックアップクラッチ10を非係合とするため、リニアソレノイドバルブSLUはロックアップクラッチ10の係合のために使用されない。このため、リニアソレノイドバルブSLUを、DレンジからNレンジなどに切り換える際にリニアソレノイドバルブSL1に油圧を供給するバルブとしても使用でき、このようなバルブを専用に設ける場合に比べて部品点数の増加を抑制できる。
【0056】
また、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図3及び
図5参照)、前記第1ソレノイドバルブ(SL1、SL3)と前記第2ソレノイドバルブ(SLU、SR)とのうちの少なくとも一方は、ノーマルクローズからなることを特徴とする。このように、リニアソレノイドバルブSL1とリニアソレノイドバルブSLUとのうちの少なくとも一方をノーマルクローズとしているため、Nレンジに切り換えられた際にリニアソレノイドバルブSL1及びリニアソレノイドバルブSLUが非通電状態となった場合に、油圧が油圧サーボ22に供給されることを防止でき、Nレンジを達成できる。
【0057】
本実施形態では、リニアソレノイドバルブSL1及びリニアソレノイドバルブSLUは、何れもノーマルクローズとしているため、Nレンジに切り換えられた際に、断線などによりリニアソレノイドバルブSL1及びリニアソレノイドバルブSLUがオフフェールした場合に、油圧が油圧サーボ22に供給されることを防止でき、Nレンジを達成できる。なお、リニアソレノイドバルブSL1とリニアソレノイドバルブSLUとのうちの少なくとも一方がノーマルクローズであれば良い。即ち、リニアソレノイドバルブSL1がノーマルクローズであれば、オフフェール時には、他のバルブの状態に拘らず油圧サーボ22への油圧の供給が遮断され、Nレンジを達成できる。また、リニアソレノイドバルブSLUがノーマルクローズであれば、まず、オフフェールによりリニアソレノイドバルブSLUからの油圧の供給が遮断される。そして、レンジ切換え装置21がNレンジに切り換えられていればDレンジ圧がリニアソレノイドバルブSL1に供給されないため、油圧サーボ22に油圧が供給されなくなり、Nレンジを達成できる。なお、オールオフフェールした場合でも、上述したようにレンジ切換え装置21がNレンジとなり、レンジ切換え装置21からDレンジ圧が出力されず、Nレンジが達成される。
【0058】
なお、
図3に示した構成の場合、リニアソレノイドバルブSLUは、ロックアップリレーバルブ90を介してロックアップクラッチ10に直接油圧を供給している。但し、リニアソレノイドバルブSLUは、ロックアップクラッチ10の切り換えを行うロックアップコントロールバルブ(ロックアップ制御用バルブ)を制御するものであっても良い。例えば、2本の油路によりトルクコンバータ7及びロックアップクラッチ10を含む装置内に油圧を供給し、ロックアップコントロールバルブにより油圧の循環方向を切り換えることでロックアップクラッチ10の係合と解放とを行う構成がある。この構成では、ライン圧などの油圧がロックアップコントロールバルブにより調圧されて、2本の油路に供給される。そして、ロックアップコントロールバルブがリニアソレノイドバルブSLUにより制御されることで、油圧の循環方向の切り換えが行われる。具体的には、リニアソレノイドバルブSLUから油圧が出力された場合に、ロックアップコントロールバルブが第1状態に切り換わり、ロックアップクラッチ10を係合させる。一方、リニアソレノイドバルブSLUからの油圧が非出力となった場合に、ロックアップコントロールバルブが第2状態に切り換わり、ロックアップクラッチ10を解放させる。
【0059】
このような構成では、ロックアップクラッチ10の非係合時にロックアップコントロールバルブを他の油圧で切り換わらないようにロックしておけば、リニアソレノイドバルブSLUからの油圧をリニアソレノイドバルブSL1に供給できる。具体的には、リニアソレノイドバルブSLUからロックアップコントロールバルブに油圧が非出力となった場合に、ロックアップコントロールバルブがロックアップクラッチ10を解放させる状態(第2状態)に維持されるようにすれば、リニアソレノイドバルブSLUからの油圧をリニアソレノイドバルブSL1に供給できる。具体的な構成としては、例えば、ロックアップコントロールバルブに対して、リニアソレノイドバルブSLUからの油圧に対向するように他のソレノイドバルブから油圧を供給できるよう構成することができる。したがって、この場合でも、リニアソレノイドバルブSLUを、上述と同様に、DレンジからNレンジなどに切り換える際にリニアソレノイドバルブSL1に油圧を供給するバルブとしても使用できる。
【0060】
<第2の実施形態>
第2の実施形態を
図5に沿って説明する。本実施形態では、上述の第1の実施形態と異なり、走行レンジとしてのRレンジからNレンジに切り換えた場合に、後進1速段を形成する第3クラッチC−3のリニアソレノイドバルブSL3に、リニアソレノイドバルブSRから油圧を供給するようにしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、以下、同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略又は簡略にし、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0061】
本実施形態の油圧制御装置20Aは、レンジ切換え装置21、リニアソレノイドバルブSL3、SR、SLB2、第3クラッチC−3の係合及び解放を行う油圧サーボ23、第2ブレーキB−2の係合及び解放を行う油圧サーボ24、フェールセーフバルブ110などを備えている。また、複数の変速段の形成を油圧制御する変速制御回路120は、リニアソレノイドバルブSL3、SLB2などの各クラッチやブレーキの油圧サーボを制御する各種バルブなどを含む。なお、本実施形態では、前進1速段(1st)、ニュートラル(N)、後進1速段(R)で、第2ブレーキB−2が係合される。レンジ切換え装置21は、第1の実施形態と同様である。但し、運転者がRレンジから非走行レンジであるNレンジに操作した場合、レンジ切換え装置21は、以下のように動作する。
【0062】
まず、運転者がRレンジから非走行レンジであるNレンジに操作した場合、第1ソレノイドバルブRS1がOFF、第2ソレノイドバルブRS2がONとなることで、第1切換えバルブ30が第1位置(左半位置)、第2切換えバルブ40が第2位置(右半位置)に切り換わる。すると、第1切換えバルブ30の入力ポートaに供給されたライン圧P
Lは、第1出力ポートb1から出力され、第2切換えバルブ40の第1入力ポートc1に供給される。ここで、第2切換えバルブ40は、第1入力ポートc1と第1出力ポートd1との連通が遮断されており、第2入力ポートc2と第2出力ポートd2とが連通している。また、第2入力ポートc2と接続される第1切換えバルブ30の第2出力ポートb2は、ドレーンポートEX2と連通している。このため、第2出力ポートb2から供給されていたRレンジ圧が、第2出力ポートd2、第2入力ポートc2、第2出力ポートb2を介してドレーンポートEX2から排出され、Rレンジ圧が非出力とされる。
【0063】
次に、運転者がRレンジから非走行レンジであるPレンジに操作した場合、第1ソレノイドバルブRS1がON、第2ソレノイドバルブRS2がOFFとなることで、第1切換えバルブ30が第2位置(右半位置)、第2切換えバルブ40が第1位置(左半位置)に切り換わる。すると、第1切換えバルブ30の入力ポートaに供給されたライン圧P
Lは、第2出力ポートb2から出力され、第2切換えバルブ40の第2入力ポートc2に供給される。ここで、第2切換えバルブ40は、第2入力ポートc2と第2出力ポートd2との連通が遮断されており、第2出力ポートd2とドレーンポートEX3とが連通しているため、第2出力ポートb2から供給されていたRレンジ圧が、第2出力ポートd2を介してドレーンポートEX3から排出され、Rレンジ圧が非出力とされる。
【0064】
リニアソレノイドバルブSL3(第1ソレノイドバルブ)は、Dレンジ圧又はRレンジ圧を入力するSL3aと、通電された際にDレンジ圧又はRレンジ圧を調圧して油圧サーボ23に出力する出力ポートSL3bと、ドレーンポートEX5とを有している。そして、前進段又は後進段を形成する際にDレンジ圧又はRレンジ圧を調圧して油圧サーボ23に出力し、第3クラッチC−3を係合させる。第3クラッチC−3は、上述の
図2に示したように、前進3速段、7速段、後進1速段を形成する際に係合され、ニュートラルを形成する際に解放される。
【0065】
リニアソレノイドバルブSR(第2ソレノイドバルブ)は、フェール時に油圧を出力するフェール用ソレノイドバルブであり、モジュレータ圧P
modを入力する入力ポートSRaと、通電された際にモジュレータ圧P
modを調圧して出力する出力ポートSRbとを有している。出力ポートSRbは、不図示の各リレーバルブやコントロールバルブに接続され、リニアソレノイドバルブSRは、各バルブに信号圧を出力する。なお、モジュレータ圧P
modは、ライン圧P
Lを不図示のソレノイドモジュレータバルブにより、ライン圧P
Lが所定圧以上となると略々一定となるように調圧された油圧である。
【0066】
リニアソレノイドバルブSLB2(第3ソレノイドバルブ)は、Dレンジ圧又はRレンジ圧を調圧して第2ブレーキB−2の油圧サーボ24に出力する出力ポートSLB2bを有している。第2ブレーキB−2は、上述の
図2と異なり、前進1速段、ニュートラル、後進1速段を形成する際に係合される。リニアソレノイドバルブSRは、通電が遮断されたときに油圧を出力する、所謂ノーマルオープンからなる。また、リニアソレノイドバルブSL3、SLB2は、それぞれ、通電が遮断されたときに油圧を出力しない、所謂ノーマルクローズからなる。
【0067】
フェールセーフバルブ110は、変速制御回路120に油圧を出力する出力位置(
図5の左半位置)と非出力とする非出力位置(
図5の右半位置)とに切り換え可能で、フェールの際に出力位置となる。例えば、複数のリニアソレノイドバルブ又は全てのリニアソレノイドバルブがオフフェールとなり、フェールセーフバルブ110が出力位置になると、例えば、前進3速段などの前進段や後進段を形成可能となり、車両を縮退走行可能な状態とする。このようなフェールセーフバルブ110は、出力位置と非出力位置とに移動可能なスプール111と、スプール111を非出力位置に付勢する付勢部材としてのスプリング112とを有している。また、フェールセーフバルブ110は、入力ポート113a、114a、115a、116a、出力ポート114b、115bなどの各ポートを有している。
【0068】
入力ポート113aは、リニアソレノイドバルブSRの出力ポートSL3bに接続されている。入力ポート114aには前進レンジ圧P
Dが、入力ポート115aには後進レンジ圧P
Rが、それぞれ供給される。前進レンジ圧P
Dは、不図示の運転席に設けられたシフトレバーの操作に基づき、シフトポジションがDレンジにされると、不図示のマニュアルシフトバルブからライン圧を元圧として出力される油圧であり、後進レンジ圧P
Rは、シフトレバーの操作に基づき、シフトポジションがRレンジにされると、マニュアルシフトバルブからライン圧を元圧として出力される油圧である。入力ポート116aは、出力ポートSLB2bに接続されている。出力ポート114b、115bは、スプール111の左半位置にて、それぞれ入力ポート114a、115aと連通し、かつ右半位置にて入力ポート114a、115aとの連通が遮断される。
【0069】
このように構成されるフェールセーフバルブ110は、リニアソレノイドバルブSRから油圧が出力され、且つ、リニアソレノイドバルブSLB2からの油圧が非出力となった際に出力位置(左半位置)に位置する。即ち、リニアソレノイドバルブSRから油圧が出力され、リニアソレノイドバルブSLB2からの油圧が非出力になると、入力ポート113aに油圧が入力されると共に、入力ポート116aの油圧が非入力となる。すると、スプール111が、
図5の下方に移動して、左半位置となる。
【0070】
一方、リニアソレノイドバルブSLB2から油圧が出力された際には、リニアソレノイドバルブSRからの油圧の出力に拘らず、非出力位置(右半位置)に位置する。即ち、リニアソレノイドバルブSLB2から油圧が出力されると、入力ポート116aに油圧が入力され、更にスプリング112の付勢力により、仮に、入力ポート113aに油圧が入力されていても、スプール111が
図5の上方に移動して、右半位置となる。
【0071】
ここで、レンジ切換え装置21とリニアソレノイドバルブSL3との間には、第1油路70aが配置されている。即ち、第1油路70aは、レンジ切換え装置21の第2切換えバルブ40の第2出力ポートd1と、リニアソレノイドバルブSL3の入力ポートSL3aにそれぞれ接続されている。このため、レンジ切換え装置21から出力されたRレンジ圧は、この第1油路70aを通過してリニアソレノイドバルブSL3に供給される。この第1油路70aには、第1油路側オリフィス73を設けている。また、レンジ切換え装置21とリニアソレノイドバルブSL3との間には、第1油路70aと並列に、第1油路側オリフィス73を迂回する迂回油路70b(第3油路)を有する。即ち、迂回油路70bは、第1油路側オリフィス73の両側で、その両端部をそれぞれ第1油路70aに接続している。この迂回油路70bには、レンジ切換え装置21からリニアソレノイドバルブSL3に向かう方向には油圧が供給され、当該方向と反対方向には油圧が供給されない第1油路側逆止弁72を設けている。
【0072】
このように、レンジ切換え装置21とリニアソレノイドバルブSL3にとの間に、第1油路側オリフィス73と第1油路側逆止弁72とを有する遅延機構71を設けることで、Rレンジ圧がリニアソレノイドバルブSL3に供給される場合よりも、Rレンジ圧がリニアソレノイドバルブSL3にから排出される場合の方が圧力変化を遅くするようにしている。遅延機構71の動作は、第1の実施形態の遅延機構51と同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0073】
また、第1油路70aのリニアソレノイドバルブSL3と遅延機構71との間には、第2油路80が接続されている。また、第2油路80は、リニアソレノイドバルブSRにも接続されている。即ち、第2油路80は、リニアソレノイドバルブSRの出力ポートSRbに接続されると共に、接続部81により第1油路70aに接続されている。また、リニアソレノイドバルブSRの出力ポートSRbは、フェールセーフバルブ110の入力ポート113aにも接続されている。したがって、リニアソレノイドバルブSRによりモジュレータ圧P
modを調圧して出力された油圧は、フェールセーフバルブ110に供給可能であると共に、フェールセーフバルブ110が非出力位置に位置する際に、第2油路80、接続部81、第1油路70aを介してリニアソレノイドバルブSL3に供給可能である。
【0074】
また、第2油路80の第1油路70aとの接続部81とリニアソレノイドバルブSRとの間には、第2油路側オリフィス82及び第2油路側逆止弁83を、接続部81側から順に設けている。第2油路側逆止弁83は、リニアソレノイドバルブSRから第1油路70aに向かう方向には油圧が供給され、当該方向と反対方向には油圧が供給されないように構成されている。したがって、リニアソレノイドバルブSRから供給される油圧は、第2油路側逆止弁83及び第2油路側オリフィス82を介して第1油路70a側に供給される。これら第2油路側オリフィス82及び第2油路側逆止弁83の動作についても、第1実施形態の第2油路側オリフィス62及び第2油路側逆止弁63と同様である。
【0075】
このように構成される油圧制御装置20Aは、例えば、車両の停止中に、RレンジからNレンジに切り換えられた際に、リニアソレノイドバルブSRが油圧を出力し、この油圧を第2油路80を介してリニアソレノイドバルブSL3に供給可能である。即ち、リニアソレノイドバルブSRに供給されるモジュレータ圧P
modは、エンジンの駆動中も発生しているため、Nレンジでも発生している。したがって、RレンジからNレンジに切り換えられた際に、制御部100(
図1)が、リニアソレノイドバルブSRにこのモジュレータ圧P
modを調圧して出力させる。ここで、1st、N、Rの各レンジでは、第2ブレーキB−2が係合されている。即ち、第2ブレーキB−2の油圧サーボ24に油圧を出力するリニアソレノイドバルブSLB2は、油圧を出力している。このため、フェールセーフバルブ110の入力ポート116aには油圧が出力されており、フェールセーフバルブ110は、リニアソレノイドバルブSRから油圧が出力されていても、出力位置に切り換わらない。したがって、RレンジからNレンジに切り換えられた際に、リニアソレノイドバルブSRが油圧を出力しても、フェールセーフバルブ110が出力位置に切り換わることがない。言い換えれば、リニアソレノイドバルブSLB2から出力される油圧が、RレンジからNレンジに切り換えられた際に、リニアソレノイドバルブSRから出力される油圧の対向圧としてフェールセーフバルブ110に作用するため、フェールセーフバルブ110がオフフェールの際に切り換わる位置である出力位置に不用意に切り換わることを防止できる。これにより、出力された油圧が第2油路80、接続部81、第1油路70aを介してリニアソレノイドバルブSL3に供給される。
【0076】
また、リニアソレノイドバルブSRは、少なくともRレンジからNレンジへの切り換えに伴って行われるリニアソレノイドバルブSL3による油圧サーボ23の油圧の排出が終了するまでは油圧を出力し、その後、この油圧の出力を停止する。本実施形態では、RレンジからNレンジに切り換えてから所定時間、リニアソレノイドバルブSRからリニアソレノイドバルブSL3に油圧を供給するようにしている。この所定時間は、RレンジからNレンジに切り換えた場合に、リニアソレノイドバルブSL3が油圧サーボ23からRレンジ圧を調圧しつつドレーンポートEX5から排出させるまでの切り換え時間以上とする。このようなリニアソレノイドバルブSRのリニアソレノイドバルブSL3への油圧供給及び停止の動作は、第1の実施形態のリニアソレノイドバルブSLUのリニアソレノイドバルブSL1への油圧供給及び停止の動作と同様である。
【0077】
このように、本実施形態の油圧制御装置20Aによると、RレンジからNレンジに切り換えられた際に、リニアソレノイドバルブSRにより油圧をリニアソレノイドバルブSL3に供給可能であるため、アキュムレータを設けることなく、RレンジからNレンジに切り換えられた際のショックを軽減できる。
【0078】
また、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図5参照)、第2ソレノイドバルブ(SR)は、フェール時に油圧を出力するフェール用ソレノイドバルブであることを特徴とする。
【0079】
また、本自動変速機の油圧制御装置は(例えば
図5参照)、複数の変速段の形成を油圧制御する変速制御回路(120)に油圧を出力する出力位置と非出力とする非出力位置とに切り換え可能で、フェールの際に前記出力位置となるフェールセーフバルブ(110)と、
前進1速段、ニュートラル、後進1速段で係合される摩擦係合要素(B−2)の油圧サーボ(24)に油圧を調圧して出力する第3ソレノイドバルブ(SLB2)と、を有し、
前記フェールセーフバルブ(110)は、前記フェール用ソレノイドバルブ(SR)から油圧が出力され、且つ、前記第3ソレノイドバルブ(SLB2)からの油圧が非出力となった際に前記出力位置に、前記第3ソレノイドバルブ(SLB2)から油圧が出力された際に前記非出力位置に、それぞれ位置し、
前記フェール用ソレノイドバルブは、前記フェールセーフバルブが前記非出力位置に位置する際に、出力した油圧を前記第2油路を介して前記第1ソレノイドバルブに供給可能であることを特徴とする。これにより、フェールセーフバルブ110の不要な切り換わりの防止を、簡易な構成で実現できる。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様である。
【0080】
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、この技術を前進1速段(1st)〜前進8速段(8th)を達成する自動変速機に適用した例について説明したが、この技術は、例えば、前進6速段や前進9速段以上の変速段を達成できる自動変速機などの他の多段自動変速機、或いは、無段変速機(CVT)、更にはハイブリッド駆動装置等にも適用できる。また、上述の各実施形態では、DレンジからNレンジ、又は、RレンジからNレンジに切り換える場合について説明したが、DレンジからPレンジ、又は、RレンジからPレンジに切り換える場合にこの技術を適用しても良い。
【0081】
また、上述の各実施形態では、レンジ圧切換え部として、シフトバイワイヤ方式のレンジ切換え装置21をこの技術に適用した例について説明したが、レンジ圧切換え部は、例えばマニュアルシフトバルブのようなものであっても良い。また、Dレンジ又はRレンジからNレンジに切り換えた場合にショックを軽減するために制御する摩擦係合要素は、上述したような第1クラッチC−1、第3クラッチC−3以外であっても良い。例えば、1速段よりも大きい前進段の状態で、DレンジからNレンジなどに切り換える場合には、その前進段で係合している摩擦係合要素を上述の各実施形態と同様に制御する。
【0082】
更に、Dレンジ又はRレンジからNレンジに切り換える際に、このような摩擦係合要素を制御する第1ソレノイドバルブに第2ソレノイドバルブから供給する油圧は、上述したようなライン圧やモジュレータ圧以外であっても、必要な油圧を確保できればセカンダリ圧、潤滑圧などであっても良く、例えば、この技術をベルト式CVTに適用した場合には、ベルトの挟持圧を調圧して使用するようにしても良い。要は、少なくともNレンジのような非走行レンジで発生している油圧であれば良い。