(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(契約認証情報切替制御:通信品質および閾値の比較結果に基づいて契約認証情報を切り替える例)
2.第2の実施の形態(契約認証情報切替制御:契約認証情報の切り替え前後の比較結果に基づいて契約認証情報を切り替える例)
3.第3の実施の形態(契約認証情報切替制御:複数の通信事業者に関する通信品質の比較結果に基づいて契約認証情報を切り替える例)
4.第4の実施の形態(契約認証情報切替制御:無線通信装置において記憶されている通信品質を用いて契約認証情報を切り替える例)
5.第5の実施の形態(契約認証情報切替制御:無線通信装置以外の他の装置の制御に基づいて、無線通信装置における契約認証情報を切り替える例)
【0028】
<1.第1の実施の形態>
[通信システムの構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
【0029】
通信システム100は、公衆回線網110と、第1通信制御装置120と、第2通信制御装置130と、基地局121、131と、情報処理装置140と、無線通信装置200とを備える。なお、無線通信装置200は、例えば、携帯電話装置(例えば、通話機能およびデータ通信機能を備える携帯電話装置やスマートフォン)、無線通信機能を備えるデータ通信装置(例えば、パーソナルコンピュータ)等である。また、無線通信装置200は、請求の範囲に記載の情報処理装置および無線通信装置の一例である。
【0030】
公衆回線網110は、電話網、インターネット等の公衆回線網である。また、公衆回線網110と、第1通信制御装置120、第2通信制御装置130とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
【0031】
基地局121は、第1通信事業者が運用する基地局であり、第1通信事業者に係る契約認証情報を保持する無線通信装置と、第1通信制御装置120とを無線回線を介して接続する移動体通信基地局(NodeB、または、eNodeB)である。
【0032】
ここで、契約認証情報は、通信事業者が管理する無線通信網への接続に必要な情報であり、例えば、認証や課金に関する契約者情報等を含む。また、契約認証情報は、例えば、電話の加入者(Subscriber)情報と、認証鍵(Authentication)の情報とを含む。例えば、契約認証情報は、USIM(Universal Subscriber Identity Module)である。
【0033】
また、例えば、無線通信装置200に有効な契約認証情報が設定されている場合は、無線通信を利用して所定のネットワーク(例えば、公衆回線網)に接続するための接続権(書き換え可能な接続権)が設定されている場合として把握することができる。すなわち、接続権は、基地局を運営する通信事業者に係る契約認証情報に基づいて、その基地局に接続するための権利である。
【0034】
例えば、無線通信装置200を所有するユーザが、第1通信事業者との間で無線接続サービスの契約を行い、第1通信事業者に係る有効な契約認証情報を無線通信装置200に設定することにより、第1通信事業者が運用する基地局121を利用することができる。同様に、無線通信装置200を所有するユーザが、第2通信事業者との間で無線接続サービスの契約を行い、第2通信事業者に係る有効な契約認証情報を無線通信装置200に設定することにより、第2通信事業者が運用する基地局131を利用することができる。
【0035】
なお、本技術の実施の形態では、契約認証情報としてUSIMを用いる例を示すが、これに限定されるわけではなく、他の契約認証情報を用いるようにしてもよい。例えば、ソフトウェア的にダウンロード可能なSIM(例えば、ソフトウェアダウンローダブルSIM(Software Downloadable SIM(Subscriber Identity Module)))を用いるようにしてもよい。なお、ソフトウェア的にダウンロード可能なSIMは、例えば、MCIM(Machine Communication Identity Module)である。また、書き換え可能なSIMを用いるようにしてもよい。
【0036】
基地局131は、第2通信事業者が運用する基地局であり、第2通信事業者に係る契約認証情報を保持する無線通信装置と、第2通信制御装置130とを無線回線を介して接続する移動体通信基地局(NodeB、または、eNodeB)である。なお、第1通信事業者および第2通信事業者は、無線接続サービスを提供する移動体通信事業者である。
【0037】
また、
図1では、基地局121の電波が届く範囲(無線通信可能な範囲)をセル122とし、基地局131の電波が届く範囲(無線通信可能な範囲)をセル132として模式的に示す。
【0038】
なお、本技術の実施の形態において、基地局は、その基地局そのものと、その基地局により特定されるセルとの双方の意味を含むものとする。例えば、本技術の実施の形態において、基地局を利用する契約は、その基地局により特定されるセルを利用する契約の意味も含むものとする。
【0039】
また、
図1では、説明の容易のため、通信事業者として、第1通信事業者および第2通信事業者のみを示すが、3以上の通信事業者が存在する場合についても同様に適用することができる。また、
図1では、説明の容易のため、各通信事業者が運用する基地局として、基地局121、131のみを示すが、各通信事業者が運用する基地局が2以上の場合についても同様に適用することができる。
【0040】
第1通信制御装置120は、無線接続サービスを提供する第1通信事業者により管理される通信制御装置であり、基地局121を介して接続される無線通信装置の認証制御を行う。そして、第1通信制御装置120は、認証された無線通信装置をゲートウェイ(図示せず)を介して公衆回線網110に接続する。
【0041】
第2通信制御装置130は、無線接続サービスを提供する第2通信事業者により管理される通信制御装置であり、基地局131を介して接続される無線通信装置の認証制御を行う。そして、第2通信制御装置130は、認証された無線通信装置をゲートウェイ(図示せず)を介して公衆回線網110に接続する。
【0042】
ここで、第1通信制御装置120は、基地局121を介して接続される無線通信装置のうち、特定の場合を除き、第1通信事業者に係る契約認証情報を保持する無線通信装置のみを認証する。また、第2通信制御装置130についても同様に、基地局131を介して接続される無線通信装置のうち、特定の場合を除き、第2通信事業者に係る契約認証情報を保持する無線通信装置のみを認証する。なお、特定の場合は、例えば、緊急用途で発呼する場合(例えば、警察や消防署等に発呼する場合)である。
【0043】
また、第1通信制御装置120は、基地局121を介して無線通信装置200から送信される各種情報を情報処理装置140に出力し、情報処理装置140から出力される各種情報を基地局121を介して無線通信装置200に送信する。同様に、第2通信制御装置130は、基地局131を介して無線通信装置200から送信される各種情報を情報処理装置140に出力し、情報処理装置140から出力される各種情報を基地局131を介して無線通信装置200に送信する。
【0044】
情報処理装置140は、各種通信サービスを行う事業者が運営する情報処理装置である。また、情報処理装置140は、無線通信装置200からの契約認証情報の送信要求に応じて、その送信要求に対応する契約認証情報を無線通信装置200に提供する。ここで、各種通信サービスを行う事業者は、無線接続サービスを提供する通信事業者、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)(いわゆる、仮想通信事業者と称される事業形態の事業者)等が想定される。なお、情報処理装置140については、
図7を参照して詳細に説明する。
【0045】
ここで、無線通信装置200が基地局121に接続されている場合に、基地局121との無線通信に関する品質(通信品質)が悪くなることも想定する。この場合に、例えば、無線通信装置200が接続可能な基地局131に関する通信品質が良好である場合には、無線通信装置200を基地局131に接続することにより適切な通信サービスを利用することができると想定される。そこで、本技術の第1の実施の形態では、無線通信装置200において最適となる基地局(通信事業者)を選択して、この基地局(通信事業者)を介して所望の通信サービスを利用する例を示す。
【0046】
[無線通信装置の構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200の機能構成例を示すブロック図である。
【0047】
無線通信装置200は、操作受付部210と、無線通信部220と、通信品質検出部230と、通信品質判定部240と、契約認証情報切替制御部250と、契約認証情報記憶部260と、表示制御部270と、表示部280とを備える。
【0048】
操作受付部210は、ユーザにより操作された操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた信号を、契約認証情報切替制御部250に出力する。操作受付部210は、例えば、数字キーやアルファベットキー等の各種キーを備える。また、操作受付部210および表示部280は、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。例えば、操作受付部210は、表示部280に表示されている複数の無線通信サービスのうちから1つの無線通信サービスを選択する選択操作(切替操作)を受け付ける。なお、この選択操作については、
図3、
図4を参照して詳細に説明する。
【0049】
無線通信部220は、通信事業者(例えば、
図1に示す第1通信事業者、第2通信事業者)が運用する基地局との間で各種情報(例えば、音声データや画像データ)の送受信を、無線通信を利用して行うものである。例えば、無線通信部220は、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報(有効な契約認証情報)に基づいて、3Gネットワークを使用して無線通信を行う。
【0050】
通信品質検出部230は、基地局から送信される電波を受信し、受信した電波から固定または可変の周期で通信品質を検出するものであり、検出された通信品質に関する情報(通信品質情報)を通信品質判定部240および表示制御部270に出力する。
【0051】
ここで、通信品質を検出する検出方法について説明する。例えば、受信した電波に含まれるパイロット信号、リファレンス信号、または、ビーコン信号の強さを通信品質として用いることができる。また、雑音成分、干渉成分との比(すなわち、S/N(Signal to Noise Ratio)、または、SIR(Signal to Interference Ratio))を通信品質として用いるようにしてもよい。なお、SIRは、雑音成分と干渉成分を分離した定義であるSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)として算出されてもよい。また、これらを通信品質として用いる場合には、通信品質検出部230は、基地局から送信される電波から、これらの値を通信品質として取得する。
【0052】
また、混雑度の大小を通信品質として用いるようにしてもよい。例えば、受信信号強度RSSI(Received Signal Strength Indicator)に対するパイロット信号、リファレンス信号、または、ビーコン信号の強さの割合に基づいて混雑度を検出することができる。この場合には、その混雑度の大小を通信品質として用いることができる。
【0053】
ここで、パイロット信号、リファレンス信号、または、ビーコン信号の強さとして、3GPPで定義しているRSCP(Received Signal Code Power)を用いることができる。同様に、RSRP(Reference Signal Received Power)を用いることができる。すなわち、Ec/Io(Energy per Chip-to-Interference power spectral density)に基づいて混雑度を検出して、混雑度の大小を通信品質として用いることができる。同様に、Ec/No(Energy per Chip-to-Noise power spectral density)に基づいて混雑度を検出して、混雑度の大小を通信品質として用いることができる。同様に、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に基づいて混雑度を検出して、混雑度の大小を通信品質として用いることができる。
【0054】
ここで、Ec/Io、Ec/Noは、次の式1に示すように定義される。また、RSRQは、次の式2に示すように定義される。
Ec/Io=Ec/No=RSCP/RSSI … 式1
RSRQ=RSRP/RSSI … 式2
【0055】
また、周辺セルからのパイロット信号、リファレンス信号、または、ビーコン信号の強さに基づいて干渉電力成分を算出して、この干渉電力成分を用いて混雑度を求めるようにしてもよい。または、信号対雑音電力比に基づいて干渉電力成分を算出して、この干渉電力成分を用いて混雑度を求めるようにしてもよい。すなわち、そのように算出された干渉電力成分および混雑度を分離して扱えるように、Ec/Io、Ec/NoまたはRSRQの値からその干渉電力成分の影響を取り除いたものを混雑度として扱うようにしてもよい。
【0056】
ここで、式1、式2を用いて算出される値、または、これらに比例する値を通信品質として用いるようにしてもよい。また、干渉電力成分および混雑度からSNR(Signal to Noise Ratio)、または、SIR(Signal to Interference Ratio)を算出して、このSNRまたはSIRの値を通信品質として用いるようにしてもよい。例えば、混雑度(kcong)を次の式3に示すように定義する。ただし、αは任意の値である。例えば、パイロット信号の拡散率SF(Spreading Factor)の値をαとするようにしてもよい。
kcong=√{RSSI/(α・RSCP)}=√[1/{α(Ec/Io)}] … 式3
【0057】
ここで、例えば、ユーザが多くのデータをダウンロードする場合を想定する。この場合には、符号分割多重接続方式でのHS−DSCH(High-Speed Downlink Shared Channel)チャンネルに配分される電力が増える。または、直交周波数分割多元接続方式でのリソース・ブロックに配分される電力が増える。すなわち、RSCPの電力に対してRSSIの電力が増える。このため、式3の値は、混雑度を表現していると捕えることができる。なお、混雑度の計算式は、式3に限定されず、混雑度を把握するという要旨を逸脱しない範囲でさまざまな改変が可能である。また、符号分割多重接続方式でのパイロット信号のSNRは、次の式4に示すように近似することが可能である。
SNR=RSCP/{(RSSI−RSCP)/SF}=1/{(RSSI/SF・RSCP)−(1/SF)}=1/{kcong
2−(1/SF)} … 式4
【0058】
なお、通信品質の比較の際には、通信サービスの理論的な最大レートの違いを加味するようにしてもよい。
【0059】
このように、通信品質検出部230は、無線通信装置200が存在する位置における無線通信の通信品質を取得する。この場合に、例えば、通信品質検出部230は、パイロット信号、リファレンス信号またはビーコン信号の強度に係る数値と、受信信号強度とに基づいて算出された値を通信品質として取得することができる。また、通信品質検出部230は、Ec/No、Ec/IoまたはSIRに係る数値に基づいて算出された値を通信品質として取得することができる。
【0060】
ここで、混雑度に関する情報が基地局を介して他の装置(例えば、情報処理装置140)から提供される場合には、無線通信部220が受信した信号に含まれる混雑度に関する情報を通信品質として用いるようにしてもよい。また、混雑度に関する情報が基地局から送信される制御信号に含まれる場合には、無線通信部220が受信した信号に含まれる制御信号から混雑度に関する情報を取得して通信品質として用いるようにしてもよい。また、通信品質検出部230は、無線通信部220が用いるCQI(Chanel Quality Indicator)、または、DRC(Data Rate Control)を通信品質として用いるようにしてもよい。このように、現在選択されている無線通信網に係る通信品質を、無線通信を利用して無線通信装置200に提供することができる。
【0061】
このように、通信品質検出部230は、CQIまたはDRCに係る数値に基づいて算出された値を通信品質として取得することができる。また、通信品質検出部230は、基地局を介して他の装置から提供される情報に含まれる通信品質を取得することができる。
【0062】
このように、本技術の実施の形態では、無線通信部220により検出される無線通信に係る情報に基づいて、通信品質を算出することができる。なお、本技術の実施の形態では、通信品質は混雑度を含むものとする。また、通信品質検出部230は、請求の範囲に記載の取得部の一例である。
【0063】
通信品質判定部240は、通信品質検出部230により検出された通信品質について判定を行うものであり、判定結果を契約認証情報切替制御部250に出力する。例えば、通信品質判定部240は、通信品質検出部230により検出された通信品質について、少なくとも2段階(例えば、現在の通信事業者が提供する通信品質が所望の品質を満たすか否か)の判定を行う。この2段階の判定は、例えば、通信品質検出部230により検出された通信品質について、5段階(5:良、1:悪)に判定した後に、2以下の通信品質と3以上の通信品質に判定することも含む。また、通信品質の判定には、通信品質検出部230により検出された通信品質を任意の時間(例えば、10分程度)で平均した値を用いるようにしてもよい。
【0064】
契約認証情報切替制御部250は、通信品質判定部240による判定結果に基づいて、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報を切り替えるための制御を行うものである。例えば、契約認証情報切替制御部250は、現在の通信事業者が提供する通信品質が所望の品質を満たさない旨の判定結果が通信品質判定部240から出力された場合には、契約認証情報記憶部260における契約認証情報を切り替えるための制御を行う。また、契約認証情報切替制御部250は、契約認証情報を切り替えた場合には、その旨を表示制御部270に通知してもよい。
【0065】
このように、通信品質判定部240は、通信品質検出部230により取得された通信品質に基づいて、無線通信を利用して無線通信装置200が基地局に接続するための契約認証情報の切り替えを行う。すなわち、契約認証情報の切り替えにより接続権の切り替えが行われる。具体的には、通信品質判定部240は、例えば、現在の契約認証情報に基づく無線通信の通信品質が所定条件を満たす場合には、その契約認証情報から他の契約認証情報への切り替えを行う。例えば、通信品質判定部240は、契約認証情報に基づく無線通信の通信品質が閾値(例えば、5段階のうちの「3」)を基準として悪い場合に、所定条件を満たすと判断する。なお、本技術の実施の形態において、契約認証情報の切り替えは、通信事業者の切り替えと、接続権の切り替えとの双方の意味を含むものとする。また、契約認証情報切替制御部250は、請求の範囲に記載の制御部の一例である。
【0066】
契約認証情報記憶部260は、契約認証情報を記憶するメモリである。例えば、契約認証情報切替制御部250による制御(契約認証情報を切り替えるための制御)に基づいて、契約認証情報記憶部260における契約認証情報の切り替えが行われる。
【0067】
例えば、複数のUSIMカードを装着可能なUSIMカード装着部により契約認証情報記憶部260を構成する場合を想定する。この場合には、契約認証情報切替制御部250は、そのUSIMカード装着部に装着されている複数のUSIMカードのうち、現在有効となっているUSIMカードを無効とし、他のUSIMカードを有効とするための制御を行う。これにより、契約認証情報を切り替えることができる。
【0068】
このように、複数のUSIMカードを装着可能なUSIMカード装着部を設けることにより、複数の無線通信網の中から動的に最良の無線通信網(通信事業者)を選択することが可能な無線通信装置200を提供することができる。
【0069】
また、例えば、ソフト的に複数の契約認証情報が格納される専用メモリにより契約認証情報記憶部260を構成する場合を想定する。この場合には、契約認証情報切替制御部250は、そのメモリに格納されている複数の契約認証情報のうち、現在有効となっている契約認証情報を無効とし、他の1つを有効とするための制御を行う。これにより、契約認証情報を切り替えることができる。ここで、ソフト的に切り替えるという方法は、データの上書き等を含む表現であるものとする。例えば、契約認証情報が固定的に書き込まれている専用メモリではなく、契約認証情報の有効化処理および無効化処理が可能なメモリを用いることができる。また、切替対象となる契約認証情報は、無線通信部220を介して、他の情報処理装置(例えば、契約認証情報に係る通信事業者が運営するサーバ)からダウンロードしたものを用いるようにしてもよい。
【0070】
なお、USIMの有効化処理および無効化処理については、3GPP(Third Generation Partnership Project)に規定されている有効化処理および無効化処理により行うことができる。これらの各処理は、例えば、携帯電話装置の販売ショップで行われている。
【0071】
また、契約認証情報切替制御部250は、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報の切り替え制御とともに、この切り替えに応じて、無線通信部220における搬送波周波数または無線通信方式を切り替える制御を行う。すなわち、切り替え後の契約認証情報に対応する搬送波周波数または無線通信方式に自動で切り替えることができる。このように、契約認証情報切替制御部250は、無線通信部220における搬送波周波数および無線通信方式のうちの少なくとも1つの設定を、契約認証情報の切り替えに応じて変更するための制御を行うことができる。例えば、通信事業者Aおよび通信事業者Bが、HSPA(High Speed Packet Access)とLTE(Long Term Evolution)による通信サービスを提供している場合を考える。ここで、通信事業者AのHSPAサービスから通信事業者BのHSPAサービスに切り替える際には、契約認証情報の切り替えに合わせて、通信事業者Aの搬送波周波数から通信事業者Bの搬送波周波数へと切り替える必要がある。また、通信事業者AのHSPAサービスから通信事業者BのLTEサービスに切り替える際には、契約認証情報の切り替えに合わせて、搬送波周波数の切り替えと、通信方式の切り替えとを行う必要がある。すなわち、通信事業者AのHSPAサービスから通信事業者BのLTEサービスに切り替える際には、契約認証情報の切り替えに合わせて、通信事業者Aの搬送波周波数から通信事業者Bの搬送波周波数への切り替えを行う。また、契約認証情報の切り替えに合わせて、HSPAからLTEへの通信方式の切り替えを行う。なお、通信方式の変更には、占有帯域幅の変更、FDD(Frequency Division Duplex)とTDD(Time Division Duplex)の複信方式の変更等を広く含む。また、通信方式の変更には、TDDの場合にはアップリンクとダウンリンクのフレーム当たりの割合の変更等を広く含む。また、通信方式は、HSPAとLTEに限定されるわけではなく、これら以外についても適用可能である。例えば、通信方式には、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA(Code Division Multiple Access)2000等が含まれる。また、通信方式には、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等が含まれる。また、通信方式には、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSPA+(High Speed Packet Access Plus)、LTE−Advanced等が含まれる。
【0072】
ここで、通信品質検出部230、通信品質判定部240および契約認証情報切替制御部250における各処理は、無線通信装置200が待ち受け状態となっている時にのみ行うようにしてもよい。例えば、通信品質として混雑度を用いる場合には、受信信号強度RSSIと異なり、混雑度は動的に変化するため、同一地点に滞留していたとしても、通信品質は動的に変化する。このため、無線通信装置200が同一地点にいる場合でも、通信品質が所望の品質を満たしていないと判断される度に契約認証情報の切り替えを行う。これにより、無線通信装置200は、ユーザが常に最適な無線通信サービス(通信事業者)を利用することができる状態で待ち受けることが可能となる。
【0073】
表示制御部270は、通信品質検出部230により検出された通信品質に関する情報(通信品質情報)と、契約認証情報切替制御部250により切り替えられた通信事業者に関する情報(通信事業者情報)とを関連付けて表示部280に表示させるものである。ここで、通信品質情報は、通信品質に関する数値だけでなく、通信品質に対応する通信事業者の名称、通信システムの名称等を含むようにしてもよい。
【0074】
表示部280は、表示制御部270の制御に基づいて各種情報を表示する表示部である。なお、表示部280として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。また、上述したように、操作受付部210および表示部280は、タッチパネルを用いて一体で構成することができる。
【0075】
このように、通信品質情報および通信事業者情報を表示部280に表示させることにより、ユーザは複数の無線通信網の通信品質を容易に把握することができるとともに、現在選択されている無線通信網の通信品質を容易に把握することができる。
【0076】
[通信品質情報および通信事業者情報の表示例]
図3および
図4は、本技術の第1の実施の形態における表示部280に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0077】
図3には、ユーザ操作に基づいて通信事業者の切替操作を行う場合における表示例を示す。
図3のaには、通信事業者ボタン301、302の下側に各通信事業者に関する通信品質を5段階で評価した数値(評価値)(1乃至5)を表示する表示画面300を示す。また、
図3のbには、通信事業者ボタン301、302の下側に各通信事業者に関する通信品質として実効通信速度の数値を表示する表示画面305を示す。
【0078】
なお、各通信事業者に関する通信品質として、通信品質検出部230により検出された通信品質が表示される。
【0079】
通信事業者ボタン301、302は、ユーザが切り替えを希望する通信事業者を選択するためのボタンである。また、通信事業者ボタン301、302のうち、現在設定されている通信事業者の通信事業者ボタンについては、他のボタンと比較して視覚的な差異を与えるようにしてもよい。
図3では、現在設定されている通信事業者の通信事業者ボタンの輪郭を太線にするとともに、その下側に表示される通信品質情報の表示サイズを大きくして視覚的な差異を与える例を示す。
【0080】
図4には、通信事業者(契約認証情報)の切り替えが行われた際における表示遷移例を示す。
図4のaには、通信事業者(契約認証情報)の切り替えが行われる前の表示例(表示画面300)を示し、
図4のbには、通信事業者(契約認証情報)の切り替えが行われた直後の表示例(表示画面310)を示す。
【0081】
例えば、
図4のaに示す表示画面300における通信事業者ボタン302をユーザが押下することにより、第2通信事業者に係る契約認証情報に切り替えるための切替操作が操作受付部210により受け付けられる。ここで、表示部280がタッチパネルでない場合には、その切替操作を特定のキー入力により受け付けるようにしてもよい。
【0082】
また、例えば、
図4のaに示すように、現在設定されている第1通信事業者が提供する通信品質が閾値(例えば、3)未満である場合には、通信品質判定部240が、その旨の判定結果を契約認証情報切替制御部250に出力する。この場合には、契約認証情報切替制御部250が、第1通信事業者に係る契約認証情報から第2通信事業者に係る契約認証情報に切り替えるための制御を行う。
【0083】
このように、ユーザ操作に基づく手動切替、または、検出された通信品質に基づく自動切替により、契約認証情報の切替処理が行われる。この切替処理が行われた後に、
図4のbに示す表示画面310が表示される。
【0084】
図4のbに示すように、契約認証情報の切替処理により、新たに設定された契約認証情報に係る通信事業者について、他の通信事業者とは異なる表示態様(例えば、色彩的または視覚的効果)とすることができる。例えば、新たに設定された通信事業者の通信事業者ボタン302の輪郭を太線とするとともに、その下側に表示される通信品質情報の表示サイズを大きくして視覚的な差異を与えることができる。さらに、矢印311等の標識を表示させることにより、新たに設定された通信事業者を容易に把握することができる。なお、契約認証情報の切り替えが行われた瞬間、または、その切り替えが行われてから一定期間(例えば、1分〜5分程度)内に、「通信事業者が切り替わりました」等の文字による通知を行うようにしてもよい。また、音声出力による通知や、振動による通知等を随時行うようにしてもよい。
【0085】
このように、本技術の第1の実施の形態では、複数の無線通信網に係る通信品質を表示することができるため、ユーザは、最良な無線通信網(通信事業者)を容易に把握することができる。また、契約認証情報の切り替えを手動で行うことができるため、ユーザは所望の契約認証情報への切り替えを容易に行うことができる。
【0086】
なお、
図3および
図4に示す例では、2つの契約認証情報を切替対象とする例を示すが、切替対象となる契約認証情報の数は、2に限定されるわけではなく、3以上とするようにしてもよい。また、
図3および
図4に示す例では、2つの通信事業者のみを表示する例を示すが、切替対象となる契約認証情報の数が3以上である場合には、切替対象となる通信事業者全てを表示するようにしてもよい。また、これらのうちの一部(例えば、通信品質がよい上位の通信事業者)のみを表示させ、他の通信事業者については、ユーザ操作(例えば、スクロール操作)に基づいて表示させるようにしてもよい。
【0087】
また、
図3および
図4に示す例では、通信事業者に関する情報として、通信事業者の名称を表示する例を示すが、他の情報を表示するようにしてもよい。例えば、通信事業者に関する情報として、通信事業者の略称、ロゴ、通信システムの名称、通信サービスの名称、通信サービスの略称を表示することができる。また、これらの全部または一部を組み合わせて表示するようにしてもよい。
【0088】
また、
図3および
図4に示す例では、通信品質に関する情報として、5段階で評価した数値(評価値)、または、実効通信速度の数値を表示する例を示すが、他の情報を表示するようにしてもよい。例えば、5段階で評価した数値(評価値)、または、実効通信速度の数値について、メータ表示やアイコン表示等を行うようにしてもよい。また、これらを色の違いで表現するようにしてもよい。
【0089】
[無線通信装置の動作例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200による契約認証情報切替処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0090】
無線通信装置200の電源が投入されると、契約認証情報切替制御部250は、契約認証情報の切替操作が操作受付部210により受け付けられたか否かを判断する(ステップS901)。そして、その切替操作が受け付けられた場合には、ステップS904に進む。一方、その切替操作が受け付けられていない場合には(ステップS901)、通信品質検出部230は、通信品質の検出処理を行う(ステップS902)。なお、ステップS902は、請求の範囲に記載の取得手順の一例である。
【0091】
続いて、通信品質判定部240は、通信品質検出部230により検出された通信品質が閾値未満であるか否かを判断し(ステップS903)、通信品質が閾値未満でない場合には、ステップS901に戻る。一方、通信品質が閾値未満である場合には(ステップS903)、契約認証情報切替制御部250は、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報を切り替えるための制御を行う(ステップS904)。すなわち、通信品質が閾値未満となっている通信事業者に係る契約認証情報から、他の契約認証情報への契約認証情報切替処理が行われる。ここで、例えば、通信品質として5段階の評価値を用いる場合には、閾値を「3」とすることができる。なお、ステップS903、S904は、請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
【0092】
続いて、無線通信装置200の電源をオフする電源オフ操作が行われたか否かが判断され(ステップS905)、電源オフ操作が行われた場合には、契約認証情報切替処理の動作を終了し、電源オフ操作が行われていない場合には、ステップS901に戻る。
【0093】
このように、契約認証情報切替制御部250は、通信品質検出部230により取得された通信品質に基づいて、契約認証情報の切り替えを行う。ただし、契約認証情報切替制御部250は、接契約認証情報の切替操作が受け付けられた場合には、通信品質にかかわらず、その切替操作に応じた契約認証情報の切り替えを行う。
【0094】
[通信圏外時における動作例]
ここで、無線通信装置200の通信状態が通信圏外となることも想定される。このような場合には、通信品質の程度にかかわらず、他の契約認証情報の切り替えを行うようにしてもよい。ただし、例えば、複数の通信事業者の何れについても、無線通信装置200の通信状態が通信圏外となる場所が存在することも想定される。このような場所に無線通信装置200が存在する場合には、契約認証情報の切り替えが頻繁に行われることが想定される。しかしながら、このような場所に無線通信装置200が存在する間は、契約認証情報の切り替えを頻繁に行ったとしても、通信圏外が解消されず、契約認証情報の切り替えの無限ループとなるおそれがある。
【0095】
そこで、以下では、無線通信装置200の通信状態が通信圏外である場合には、通信品質の程度にかかわらず、他の契約認証情報の切り替えを行う例を示す。ただし、通信圏外の状態が継続するような場合には、契約認証情報の切り替えの無限ループを回避するため、通信サービスが回復するまでの間、通信圏外であるか否かのモニタリングを継続するものとする。
【0096】
図6は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200による契約認証情報切替処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、
図6は、
図5の変形例であるため、
図5と共通する部分については、同一の符号を付して、その説明の一部を省略する。
【0097】
契約認証情報切替制御部250は、無線通信部220からの情報に基づいて、無線通信装置200の通信状態が通信圏外となっているか否かを判断する(ステップS906)。そして、通信圏外となっていない場合には(ステップS906)、ステップS903に進む。
【0098】
また、通信圏外となっている場合には(ステップS906)、契約認証情報切替制御部250は、現在の通信事業者の通信サービスが通信圏外である旨の情報(圏外情報)を保持する(ステップS907)。続いて、契約認証情報切替制御部250は、保持されている圏外情報に基づいて、無線通信装置200の通信状態が、前回も通信圏外であったか否かを判断する(ステップS908)。
【0099】
そして、前回は通信圏外でなかった場合には(ステップS908)、ステップS904に進む。一方、前回も通信圏外であった場合には(ステップS908)、契約認証情報の切り替えの無限ループを回避するため、ステップS906に戻る。これにより、通信サービスが回復するまでの間、通信圏外であるか否かのモニタリングが継続されることになる。
【0100】
このように、契約認証情報切替制御部250は、無線通信装置200が存在する位置が通信圏外となっている場合には、通信品質検出部230により検出された通信品質にかかわらず、契約認証情報の切り替えを行う。ただし、契約認証情報切替制御部250は、通信圏外の状態が所定時間継続している場合には、通信圏外の状態が解除されるまでの間、契約認証情報の切り替えを行わない。
【0101】
なお、
図6に示す例では、通信品質の検出処理後に、通信圏外であるか否かを判断する例を示したが、通信品質の検出処理の前、または、通信品質の検出処理時に、通信圏外であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0102】
また、
図6に示す例では、通信圏外の状態が継続する場合には、通信サービスが回復するまでの間、通信圏外であるか否かのモニタリングを継続する例を示した。ただし、通信圏外が継続する場合には、所定時間(例えば、10分)が経過するまでの間、通信品質の検出処理や通信圏外であるか否かのモニタリングを停止させるようにしてもよい。
【0103】
なお、ユーザ操作や位置情報(例えば、都市部であるか、山間部であるかの情報)等により、通信圏外が継続する場合でも、契約認証情報の切り替えを行うように設定を変更するようにしてもよい。
【0104】
[契約認証情報を外部から取得する例]
図7は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200および情報処理装置140の機能構成例を示すブロック図である。なお、無線通信装置200は、
図2と同様である。
【0105】
情報処理装置140は、通信部141および契約認証情報記憶部142を備える。
【0106】
通信部141は、通信事業者(例えば、
図1に示す第1通信事業者、第2通信事業者)が運用する基地局を介して、無線通信装置200との間で各種情報の送受信を行うものである。
【0107】
契約認証情報記憶部142は、無線通信装置200に提供するための1または複数の通信事業者に係る契約認証情報を記憶するものである。
【0108】
例えば、契約認証情報切替制御部250は、契約認証情報を切り替えるため、契約認証情報の送信要求を、無線通信を利用して情報処理装置140に送信するための制御を行う。また、情報処理装置140の通信部141は、無線通信装置200からの送信要求を受信した場合には、その送信要求に対応する契約認証情報を契約認証情報記憶部142から取得する。そして、情報処理装置140の通信部141は、その取得された契約認証情報を無線通信装置200に送信する。
【0109】
無線通信装置200が情報処理装置140からの契約認証情報を受信した場合には、契約認証情報切替制御部250は、その契約認証情報を無線通信部220を介して取得し、契約認証情報記憶部260に記憶させる。
【0110】
このように、基地局との接続に必要な契約認証情報を外部の装置(情報処理装置140)から取得することができ、ソフト的に契約認証情報を書き替え可能な無線通信装置200を提供することができる。
【0111】
このように、本技術の第1の実施の形態では、無線通信装置が存在する位置の通信品質に基づいて、動的に最良となる無線通信網(通信事業者)を選択して、その契約認証情報を自動的に切り替えることができる。また、待ち受け時に、1または複数の無線通信網の通信品質をモニタリングすることにより、接続する際に最適な無線通信網(通信事業者)の選択を容易に行うことができる。また、搬送波周波数、通信方式が異なる無線通信網間においても、動的に最良となる無線通信網(通信事業者)の選択を自動的に行うことができる。
【0112】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、通信品質および閾値の比較結果に基づいて契約認証情報(接続権)を切り替える例を示した。しかしながら、契約認証情報(接続権)の切り替え後の通信品質よりも、契約認証情報(接続権)の切り替え前の通信品質がよいことも想定される。この場合には、元の契約認証情報(接続権)に戻すことが好ましい。
【0113】
そこで、本技術の第2の実施の形態では、契約認証情報(接続権)の切り替え前後の比較結果に基づいて契約認証情報(接続権)を切り替える例を示す。なお、本技術の第2の実施の形態における無線通信装置は、
図2等に示す無線通信装置200の一部を変形したものである。このため、無線通信装置200と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0114】
[無線通信装置の構成例]
図8は、本技術の第2の実施の形態における無線通信装置400の機能構成例を示すブロック図である。
【0115】
無線通信装置400は、通信品質保持部410と、通信品質判定部420と、契約認証情報切替制御部430とを備える。
【0116】
通信品質保持部410は、契約認証情報切替制御部430からの契約認証情報切替指示の制御信号に応じて、契約認証情報の切替時またはその直前において取得された通信品質に関する情報(通信品質情報)を保持するものである。また、通信品質保持部410は、保持されている通信品質情報を通信品質判定部420に供給する。なお、任意の時間(例えば、10分程度)の平均値を通信品質判定部420が使用することができるように、通信品質保持部410は、任意の時間分の通信品質を保持するようにしてもよい。また、通信品質保持部410は、請求の範囲に記載の保持部の一例である。
【0117】
通信品質判定部420は、通信品質検出部230により検出された通信品質と、通信品質保持部410に保存されている通信品質とを比較することにより通信品質の判定を行うものであり、その判定結果を契約認証情報切替制御部430に出力する。ここで、比較対象となる通信品質については、それぞれ任意の時間(例えば、10分程度)で平均した値を用いるようにしてもよい。
【0118】
契約認証情報切替制御部430は、通信品質判定部240による判定結果に基づいて、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報を切り替えるための制御を行うものである。また、契約認証情報切替制御部430は、契約認証情報を切り替える場合には、契約認証情報切替指示の制御信号を通信品質保持部410に出力する。ここで、例えば、契約認証情報の切り替え後の通信品質が、契約認証情報の切り替え前の通信品質よりも劣化している旨の判定結果が通信品質判定部420から出力された場合を想定する。この場合には、契約認証情報切替制御部430は、切り替え前の契約認証情報の設定に戻すための制御を行う。
【0119】
このように、契約認証情報切替制御部430は、契約認証情報の切替時またはその直前において取得された通信品質を通信品質保持部410に保持させる。そして、契約認証情報切替制御部430は、その切り替え後には、その切り替え後に取得された通信品質と、通信品質保持部410に保持された通信品質との比較結果に基づいて、契約認証情報の切り替えを行うか否かを判断する。
【0120】
[通信品質情報および通信事業者情報の表示例]
図9および
図10は、本技術の第2の実施の形態における表示部280に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0121】
図9のaには、通信事業者ボタン301、302の下側に各通信事業者に関する通信品質の評価値(1乃至5)を表示する表示画面300を示す。なお、表示画面300は、評価値以外は、
図3と同様である。
【0122】
ここで、
図9のaに示す例では、現在設定されている通信事業者は「第1通信事業者」であり、その通信品質の評価値は5段階の「3」であるものとする。また、他の通信事業者は「第2通信事業者」であり、その通信品質の評価値は5段階の「3」であるものとする。
【0123】
ここで、契約認証情報の設定を切り替えるため、
図9のaに示す状態で表示画面300における通信事業者ボタン301をユーザが押下すると、契約認証情報の切替処理が行われる。このように、契約認証情報の切替処理が行われた場合には、契約認証情報切替制御部430は、その切替操作時における第1通信事業者の通信品質に関する情報(通信品質情報)を通信品質保持部410に保持させる。また、
図9のbに示すように、その切替操作時における第1通信事業者の通信品質に関する情報(通信品質情報)は、その切替操作後にも表示画面320に表示される。
【0124】
また、切り替え後の第2通信事業者の通信品質については、新たに計測が開始される。このため、表示画面320には、その旨(例えば、「通信品質を計測中」)が表示される。
【0125】
ここで、切り替え後の第2通信事業者の通信品質に関する検出処理が終了して、その検出により求められた通信品質の評価値が、その切替操作時における第1通信事業者の通信品質よりも低い場合(例えば、5段階の「2」である場合)を想定する。この場合には、切替操作時における第1通信事業者の通信品質「3」と、切り替え後の第2通信事業者の通信品質「2」との比較により、新たな契約認証情報の切り替えにより通信品質が劣化したと判断することができる。すなわち、通信品質判定部420は、切替操作時における第1通信事業者の通信品質「3」と、切り替え後の第2通信事業者の通信品質「2」とを比較する。そして、通信品質判定部420は、新たな契約認証情報の切り替えにより通信品質が劣化したと判定し、この旨の判定結果を契約認証情報切替制御部430に出力する。その判定結果を受け付けると、契約認証情報切替制御部430は、切替前の契約認証情報の設定に戻すため、契約認証情報の切替制御を行う。すなわち、第2通信事業者から第1通信事業者への契約認証情報の切替処理が行われる。これにより、
図10に示す表示画面330が表示される。
【0126】
ここで、第2通信事業者から第1通信事業者への契約認証情報の切替処理が行われた場合についても同様に、契約認証情報の切替時における第2通信事業者の通信品質に関する情報が通信品質保持部410に保持される。また、その通信品質「2」が表示画面330に表示される。なお、以降についても同様に、各処理が継続して行われる。
【0127】
[無線通信装置の動作例]
図11は、本技術の第2の実施の形態における無線通信装置400による契約認証情報切替処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0128】
無線通信装置400の電源が投入されると、契約認証情報切替制御部430は、契約認証情報の切替操作が操作受付部210により受け付けられたか否かを判断する(ステップS911)。そして、その切替操作が受け付けられた場合には、ステップS914に進む。一方、その切替操作が受け付けられていない場合には(ステップS911)、通信品質検出部230は、通信品質の検出処理を行う(ステップS912)。
【0129】
続いて、通信品質判定部420は、通信品質検出部230により検出された通信品質が閾値未満であるか否かを判断する(ステップS913)。そして、通信品質が閾値未満である場合には(ステップS913)、契約認証情報切替制御部430は、通信品質検出部230により検出された通信品質を通信品質保持部410に保持させる(ステップS914)。
【0130】
続いて、契約認証情報切替制御部430は、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報を切り替えるための制御を行う(ステップS915)。すなわち、通信品質が閾値未満となっている通信事業者に係る契約認証情報から、他の契約認証情報への契約認証情報切替処理が行われる。続いて、無線通信装置400の電源をオフする電源オフ操作が行われたか否かが判断され(ステップS916)、電源オフ操作が行われた場合には、契約認証情報切替処理の動作を終了し、電源オフ操作が行われていない場合には、ステップS911に戻る。
【0131】
また、通信品質が閾値未満でない場合には(ステップS913)、通信品質判定部420は、通信品質検出部230により検出された通信品質が、通信品質保持部410に保持されている通信品質よりも悪いか否かを判断する(ステップS917)。通信品質検出部230により検出された通信品質が、通信品質保持部410に保持されている通信品質よりも悪くない場合(すなわち、同程度以上)には(ステップS917)、ステップS911に戻る。
【0132】
また、検出された通信品質が、保持されている通信品質よりも悪い場合には(ステップS917)、契約認証情報切替制御部430は、通信品質検出部230により検出された通信品質を通信品質保持部410に保持させる(ステップS914)。
【0133】
このように、新たに切り替えた無線通信網の通信品質が、切り替える前の通信品質よりも劣っていた場合には、自動で元の無線通信網に切り替えることができる。これにより、常に最良の無線通信網(通信事業者)を設定することができる。
【0134】
[3以上の契約認証情報の選択例]
以上では、2つの契約認証情報を切り替える例を示した。ただし、3以上の契約認証情報を切り替える場合についても本技術の実施の形態を適用することができる。そこで、以下では、3以上の契約認証情報を切り替える例を示す。
【0135】
図12は、本技術の第2の実施の形態における契約認証情報切替制御部430による通信事業者の選択例を模式的に示す図である。
図12では、4の通信事業者(第1乃至第4通信事業者)に係る契約認証情報を切り替える例を示す。
【0136】
図12に示すように、4の通信事業者に係る契約認証情報を切り替える場合には、所定規則に基づいて決定される順序で切り替えることができる。例えば、第1通信事業者の次は、第2通信事業者が選択され、第2通信事業者の次は、第3通信事業者が選択される。同様に、第3通信事業者の次は、第4通信事業者が選択され、第4通信事業者の次は、第1通信事業者が選択される。このように選択された通信事業者に係る契約認証情報に順次切り替えられる。
【0137】
なお、4の通信事業者に係る契約認証情報を切り替える際に用いられる順序は、ユーザ操作等により予め設定しておくようにしてもよく、過去の統計データに基づいて自動で設定するようにしてもよい。例えば、過去1週間の各通信事業者の通信品質の平均値を算出して、この平均値の高低に基づいて順序を自動で設定することができる。例えば、平均値が最も高い通信事業者を1番とし、平均値が最も低い通信事業者を4番とするように設定することができる。
【0138】
[無線通信装置の動作例]
図13は、本技術の第2の実施の形態における無線通信装置400による契約認証情報切替処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、
図13は、
図11の変形例であるため、
図11と共通する部分については、同一の符号を付して、その説明の一部を省略する。また、
図13では、3以上の契約認証情報を切り替える場合における処理手順の一例を示す。
【0139】
通信品質が閾値未満である場合には(ステップS913)、次の通信事業者が選択され(ステップS921)、契約認証情報切替制御部430は、通信品質検出部230により検出された通信品質を通信品質保持部410に保持させる(ステップS914)。
【0140】
また、検出された通信品質が、保持されている通信品質よりも悪い場合には(ステップS917)、契約認証情報切替制御部430は、通信品質検出部230により検出された通信品質を通信品質保持部410に保持させる(ステップS914)。この場合には、新たに設定された契約認証情報から、通信品質保持部410に通信品質が保持されている通信事業者に係る契約認証情報への契約認証情報切替処理が行われる。すなわち、切り替え後の通信品質が、直前の通信事業者の通信品質よりも悪い場合には、元の状態に戻すようにする。
【0141】
<3.第3の実施の形態>
本技術の第1および第2の実施の形態では、通信品質および閾値の比較結果や、契約認証情報(接続権)の切り替え前後の比較結果に基づいて契約認証情報(接続権)を切り替える例を示した。ここで、複数の通信事業者に関する通信品質を定期的または不定期に測定しておき、これらの比較結果に基づいて契約認証情報(接続権)を切り替えることも考えられる。
【0142】
そこで、本技術の第3の実施の形態では、複数の通信事業者に関する通信品質の比較結果に基づいて契約認証情報(接続権)を切り替える例(複数の通信事業者に関する通信品質を交互にモニタリングする例)を示す。なお、本技術の第3の実施の形態における無線通信装置は、
図2等に示す無線通信装置200の一部を変形したものである。このため、無線通信装置200と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0143】
[無線通信装置の構成例]
図14は、本技術の第3の実施の形態における無線通信装置500の機能構成例を示すブロック図である。
【0144】
無線通信装置500は、通信品質検出部510と、通信品質保持部520と、通信品質判定部530と、切替周期設定部540と、契約認証情報切替制御部550と、通信品質判定指示部560とを備える。
【0145】
通信品質検出部510は、基地局から送信される電波を受信し、受信した電波から固定または可変の周期で通信品質を検出するものであり、検出された通信品質に関する情報(通信品質情報)を通信事業者毎に通信品質保持部520に保持させる。
【0146】
通信品質保持部520は、通信品質検出部510により検出された通信品質情報を通信事業者毎に保持するものであり、保持されている通信品質情報を通信品質判定部530に供給する。なお、任意の時間(例えば、10分程度)の平均値を通信品質判定部530が使用することができるように、通信品質保持部520は、任意の時間分の通信品質を保持するようにしてもよい。
【0147】
通信品質判定部530は、通信品質を判定するための指示が通信品質判定指示部560から出力された場合に、通信品質保持部520に保持されている通信事業者毎の通信品質を比較することにより通信品質の判定を行うものである。そして、通信品質判定部530は、その判定結果を契約認証情報切替制御部550に出力する。例えば、通信品質判定部530は、通信品質保持部520に保持されている通信品質のうちから、最も通信品質が良い通信事業者を選択し、その選択された通信事業者を含む判定結果を契約認証情報切替制御部550に出力する。
【0148】
切替周期設定部540は、契約認証情報記憶部260における契約認証情報を切り替えるための周期(固定または可変の周期)を設定するものである。切替周期設定部540により設定された周期に従って、契約認証情報切替制御部550は、契約認証情報記憶部260における契約認証情報を切り替える。ここで、切替周期設定部540により設定された周期として、例えば、通信品質を測定するために必要となる程度の時間(例えば、10分程度)が設定される。
【0149】
契約認証情報切替制御部550は、切替周期設定部540により設定された周期に従って、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報を切り替えるための制御を行うものである。また、契約認証情報切替制御部550は、通信品質判定部530による判定結果に基づいて、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報を切り替えるための制御を行う。例えば、契約認証情報切替制御部550は、最も良い通信品質として選択された通信事業者を含む判定結果が通信品質判定部530から出力された場合には、その選択された通信事業者に係る契約認証情報に切り替えるための制御を行う。また、契約認証情報切替制御部550は、切り替え後の契約認証情報に基づく通信サービスが受けられるように、無線通信部220に対して無線通信方式、搬送波周波数等の設定変更を指示する。
【0150】
通信品質判定指示部560は、通信品質判定部530に通信品質の判定を指示するものである。ここで、通信品質判定指示部560が通信品質の判定を指示するタイミングは、例えば、ユーザが現在最適な通信事業者を知るための特定の入力操作を行ったタイミング、または、無線通信装置200が無線通信を開始するタイミング等である。
【0151】
なお、この例では、図示および説明を省略するが、本技術の第1および第2の実施の形態と同様に、通信品質検出部510により検出された通信品質を表示部に表示させるようにしてもよい。
【0152】
[無線通信装置の動作例]
図15は、本技術の第3の実施の形態における無線通信装置500による契約認証情報切替処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0153】
無線通信装置500の電源が投入されると、切替周期設定部540は、契約認証情報記憶部260における契約認証情報を切り替えるための周期(固定または可変の周期)を設定する(ステップS931)。
【0154】
続いて、通信品質検出部510は、現在設定されている通信事業者に関する通信品質の検出処理を行う(ステップS932)。続いて、通信品質検出部510は、現在設定されている通信事業者と、検出された通信品質とを関連付けて通信品質保持部520に保持させる(ステップS933)。この場合に、通信品質保持部520には、最新の通信品質のみを保持させるようにしてもよく、過去の一定期間内の通信品質を履歴情報として保持させるようにしてもよい。
【0155】
続いて、契約認証情報切替制御部550は、切替周期設定部540により設定された周期に基づいて、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報を切り替えるための制御を行う(ステップS934)。すなわち、所定規則に基づいて決定される順序に従って、現在設定されている通信事業者に係る契約認証情報から、他の契約認証情報への契約認証情報切替処理が行われる。
【0156】
続いて、通信品質判定部530は、通信品質の判定指示があるか否かを判断し(ステップS935)、通信品質の判定指示がない場合には、ステップS932に戻る。一方、通信品質の判定指示がある場合には(ステップS935)、通信品質判定部530は、通信品質保持部520に保持されている通信品質のうちから、最も通信品質が良い通信事業者を選択する(ステップS936)。
【0157】
続いて、契約認証情報切替制御部550は、通信品質判定部530により選択された通信事業者が、現在設定されている通信事業者と同一であるか否かを判断し(ステップS937)、同一である場合には、ステップS932に戻る。一方、同一でない場合には(ステップS937)、契約認証情報切替制御部550は、通信品質判定部530により選択された通信事業者に係る契約認証情報に切り替えるための制御を行う(ステップS938)。すなわち、現在設定されている契約認証情報から、通信品質判定部530により選択された通信事業者に係る契約認証情報への契約認証情報切替処理が行われる。続いて、無線通信装置500の電源をオフする電源オフ操作が行われたか否かが判断され(ステップS939)、電源オフ操作が行われた場合には、契約認証情報切替処理の動作を終了し、電源オフ操作が行われていない場合には、ステップS932に戻る。
【0158】
このように、通信品質検出部510は、複数の通信事業者に関する通信品質を通信事業者毎に順次取得する。そして、契約認証情報切替制御部550は、その取得された通信品質のうちの所定条件を満たす通信品質に係る通信事業者(契約認証情報)への切り替えを行う。なお、所定条件を満たす通信品質は、複数の通信事業者に関する通信品質のうちの最も良い通信品質とすることができる。
【0159】
このように、本技術の第3の実施の形態では、待ち受け時には、複数の通信事業者の通信品質を交互にモニタリングし、実際に無線通信を開始する際には、最適な通信事業者を選択することができる。
【0160】
<4.第4の実施の形態>
本技術の第1乃至第3の実施の形態では、通信事業者に関する通信品質を無線通信装置において検出して用いる例を示した。しかしながら、複数の通信事業者に関する通信品質および位置の関係を無線通信装置に予め記憶しておき、これらを用いて契約認証情報(接続権)を切り替えることも考えられる。
【0161】
そこで、本技術の第4の実施の形態では、無線通信装置において記憶されている通信品質を用いて契約認証情報(接続権)を切り替える例を示す。なお、本技術の第4の実施の形態における無線通信装置は、
図2等に示す無線通信装置200の一部を変形したものである。このため、無線通信装置200と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0162】
[無線通信装置の構成例]
図16は、本技術の第4の実施の形態における無線通信装置600の機能構成例を示すブロック図である。この例では、位置情報を用いて通信事業者を切り替える例を示す。
【0163】
無線通信装置600は、位置情報取得部610と、通信品質情報記憶部620と、通信品質取得部630と、通信品質判定部640と、契約認証情報切替制御部650とを備える。
【0164】
位置情報取得部610は、無線通信装置600が存在する位置(在圏する位置)に関する情報(位置情報)を取得するものであり、取得された位置情報を通信品質取得部630に出力する。位置情報取得部610は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号を受信して緯度、経度、高度を算出するGPS受信機により実現される。また、位置情報取得部610は、基地局、または、アクセスポイントの識別情報に対応する位置に関する情報(位置情報)を他の情報処理装置(例えば、契約認証情報に係る通信事業者が運営するサーバ)から取得するようにしてもよい。
【0165】
通信品質情報記憶部620は、複数の通信事業者に関する通信品質と位置情報とを関連付けて記憶するものであり、記憶されている通信品質を通信品質取得部630に供給する。なお、通信品質情報記憶部620に記憶されているデータベースは、予め記憶させておくようにしてもよく、無線通信部220を介して他の情報処理装置(例えば、契約認証情報に係る通信事業者が運営するサーバ)から取得して随時更新するようにしてもよい。
【0166】
通信品質取得部630は、位置情報取得部610により取得された位置情報に基づいて、この位置情報に関連付けられている通信品質(複数の通信事業者に関する通信品質)を通信品質情報記憶部620から取得するものである。すなわち、通信品質取得部630は、無線通信装置600が存在する位置に関連付けて記憶されている通信品質を取得する。そして、通信品質取得部630は、取得された通信品質を通信品質判定部640に出力する。
【0167】
通信品質判定部640は、通信品質取得部630により取得された通信品質(無線通信装置600が存在するエリアにおける複数の通信事業者に関する通信品質)を比較することにより通信品質の判定を行うものである。そして、通信品質判定部640は、その判定結果を契約認証情報切替制御部650に出力する。例えば、通信品質判定部640は、通信品質取得部630により取得された通信品質のうちから、最も通信品質が良い通信事業者を選択し、その選択された通信事業者を含む判定結果を契約認証情報切替制御部650に出力する。
【0168】
契約認証情報切替制御部650は、通信品質判定部640による判定結果に基づいて、契約認証情報記憶部260に記憶されている契約認証情報を切り替えるための制御を行う。例えば、契約認証情報切替制御部650は、最も良い通信品質として選択された通信事業者を含む判定結果が通信品質判定部640から出力された場合には、その選択された通信事業者に係る契約認証情報に切り替えるための制御を行う。また、契約認証情報切替制御部650は、切り替え後の契約認証情報に基づく通信サービスが受けられるように、無線通信部220に対して無線通信方式、搬送波周波数等の設定変更を指示する。
【0169】
[通信品質情報記憶部の記憶内容例]
図17は、本技術の第4の実施の形態における通信品質情報記憶部620に記憶されているデータベースの一例を示す図である。
図17では、3つの通信事業者(第1通信事業者、第2通信事業者、第3通信事業者)の通信品質を記憶する例を示す。
【0170】
通信品質情報記憶部620には、各通信事業者(第1通信事業者、第2通信事業者、第3通信事業者)の通信品質623が緯度621および経度622毎に記憶されている。ここで、通信品質については、
図17に示すように5段階に分類して記憶するようにしてもよく、2段階以上の任意の段階に分類して記憶するようにしてもよい。
【0171】
また、通信品質として、受信信号強度、信号電力対干渉電力比、Ec/No、Ec/Io等の数値を記憶するようにしてもよい。同様に、通信品質として、RSCP、RSRP、RSRQ等の数値を記憶するようにしてもよい。また、通信事業者の数は、3に限定されるわけではなく、2、または、4以上とするようにしてもよい。また、位置情報は、緯度および経度に限定されるわけではなく、緯度および経路に基づいて、均等または不均等に分割されたエリアを設定して位置情報として用いるようにしてもよい。
【0172】
[無線通信装置の動作例]
図18は、本技術の第4の実施の形態における無線通信装置600による契約認証情報切替処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0173】
無線通信装置600の電源が投入されると、契約認証情報切替制御部650は、契約認証情報の切替操作が操作受付部210により受け付けられたか否かを判断する(ステップS941)。そして、その切替操作が受け付けられた場合には、ステップS946に進む。一方、その切替操作が受け付けられていない場合には(ステップS941)、位置情報取得部610は、無線通信装置600が存在する位置(在圏する位置)に関する情報(位置情報)を取得する(ステップS942)。なお、位置情報の取得については、固定または可変の周期で行うようにすることができる。
【0174】
続いて、通信品質取得部630は、位置情報取得部610により取得された位置情報に関連付けられている通信品質を通信品質情報記憶部620から取得する(ステップS943)。例えば、位置情報取得部610により取得された位置情報が、緯度「34.600」、経度「135.015」である場合には、
図17に示す点線の矩形625内の各通信事業者に関する通信品質(4、3、3)が取得される。
【0175】
続いて、通信品質判定部640は、通信品質取得部630により取得された通信品質のうちから、最も通信品質が良い通信事業者を選択する(ステップS944)。例えば、
図17に示す点線の矩形625内の各通信事業者に関する通信品質(第1通信事業者「4」、第2通信事業者「3」、第3通信事業者「3」)が取得された場合には、最も通信品質が良い第1通信事業者が選択される。
【0176】
続いて、契約認証情報切替制御部650は、通信品質判定部640により選択された通信事業者が、現在設定されている通信事業者と同一であるか否かを判断し(ステップS945)、同一である場合には、ステップS941に戻る。一方、同一でない場合には(ステップS945)、契約認証情報切替制御部650は、通信品質判定部640により選択された通信事業者に係る契約認証情報に切り替えるための制御を行う(ステップS946)。すなわち、現在設定されている契約認証情報から、通信品質判定部640により選択された通信事業者に係る契約認証情報への契約認証情報切替処理が行われる。続いて、無線通信装置600の電源をオフする電源オフ操作が行われたか否かが判断され(ステップS947)、電源オフ操作が行われた場合には、契約認証情報切替処理の動作を終了し、電源オフ操作が行われていない場合には、ステップS941に戻る。
【0177】
[位置情報および時間情報を用いて通信事業者を切り替える例]
以上では、位置情報に基づいて無線通信装置が存在するエリアの通信品質を取得する例を示した。ここで、同一のエリアであっても時間帯が異なる場合には、通信品質が異なることも想定される。例えば、繁華街や住宅地の昼間の時間帯と深夜の時間帯とでは、通信品質が異なることが想定される。そこで、以下では、位置情報および時間情報に基づいて無線通信装置が存在するエリアの通信品質を取得する例を示す。
【0178】
[無線通信装置の構成例]
図19は、本技術の第4の実施の形態における無線通信装置660の機能構成例を示すブロック図である。なお、無線通信装置660は、
図16に示す無線通信装置600の変形であるため、無線通信装置600と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0179】
無線通信装置660は、時間情報取得部670と、通信品質情報記憶部680と、通信品質取得部690とを備える。
【0180】
時間情報取得部670は、現在の時刻に関する情報(時間情報)を取得するものであり、取得された時間情報を通信品質取得部690に出力する。
【0181】
通信品質情報記憶部680は、複数の通信事業者に関する通信品質と、位置情報および時間情報とを関連付けて記憶するものであり、記憶されている通信品質を通信品質取得部690に供給する。なお、通信品質情報記憶部680に記憶されているデータベースは、予め記憶させておくようにしてもよく、無線通信部220を介して他の情報処理装置(例えば、契約認証情報に係る通信事業者が運営するサーバ)から取得して随時更新するようにしてもよい。
【0182】
通信品質取得部690は、位置情報取得部610により取得された位置情報と、時間情報取得部670により取得された時間情報とに基づいて、これらに関連付けられている通信品質を通信品質情報記憶部680から取得するものである。すなわち、通信品質取得部690は、無線通信装置660が存在する位置および現在時刻に関連付けて記憶されている通信品質を取得する。そして、通信品質取得部690は、取得された通信品質を通信品質判定部640に出力する。
【0183】
[通信品質情報記憶部の記憶内容例]
図20は、本技術の第4の実施の形態における通信品質情報記憶部680に記憶されているデータベースの一例を示す図である。
図20では、3つの通信事業者(第1通信事業者、第2通信事業者、第3通信事業者)の通信品質を記憶する例を示す。なお、
図20は、
図17の変形であるため、
図17と共通する部分については説明の一部を省略する。
【0184】
通信品質情報記憶部680には、緯度および経度毎に分類して記憶されている各通信事業者(第1通信事業者、第2通信事業者、第3通信事業者)の通信品質が、所定の時間帯(例えば、6:00〜9:00、9:00〜12:00、…)毎に記憶されている。なお、
図20では、時間帯681、682に関する通信品質のみを示し、他の時間帯に関する通信品質の図示を省略する。
【0185】
[無線通信装置の動作例]
図21は、本技術の第4の実施の形態における無線通信装置660による契約認証情報切替処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、
図21は、
図18の変形例であるため、
図18と共通する部分については、同一の符号を付して、その説明の一部を省略する。
【0186】
時間情報取得部670は、時間情報(現在の時刻)を取得する(ステップS951)。
【0187】
また、通信品質取得部690は、時間情報取得部670により取得された時間情報と、位置情報取得部610により取得された位置情報とに関連付けられている通信品質を通信品質情報記憶部680から取得する(ステップS952)。例えば、時間情報取得部670により取得された時間情報が「7:15」であり、位置情報取得部610により取得された位置情報が、緯度「34.600」、経度「135.015」である場合を想定する。この場合には、
図20に示す点線の矩形685内の各通信事業者に関する通信品質(4、3、3)が取得される。
【0188】
なお、時間情報取得処理(ステップS951)および位置情報取得処理(ステップS942)については、順序を逆にしてよく、同時に行うようにしてもよい。
【0189】
このように、本技術の第4の実施の形態によれば、複数の通信事業者に関する通信品質および位置の関係を無線通信装置に予め記憶しておき、これらを用いて契約認証情報(接続権)を切り替えることができる。
【0190】
<5.第5の実施の形態>
本技術の第1乃至第4の実施の形態では、無線通信装置が契約認証情報(接続権)の切替タイミングを判断する例を示した。ここで、契約認証情報(接続権)の切替タイミングについては、無線通信装置以外の他の装置において判断するようにしてもよい。
【0191】
そこで、本技術の第5の実施の形態では、無線通信装置以外の他の装置(情報処理装置)の制御に基づいて、無線通信装置における契約認証情報(接続権)を切り替える例を示す。
【0192】
[通信システムの構成例]
図22は、本技術の第5の実施の形態における通信システム700の機能構成例を示すブロック図である。
【0193】
通信システム700は、無線通信装置710および情報処理装置720を備える。なお、無線通信装置710は、
図1に示す無線通信装置200の変形例であり、情報処理装置720は、
図1に示す情報処理装置140の変形例である。また、無線通信装置710および情報処理装置720は、通信制御装置および基地局を介して接続されるが、説明の容易のため、
図22では、これらの図示を省略する。
【0194】
無線通信装置710は、通信品質検出部711と、位置情報取得部712と、無線通信部713と、契約認証情報切替制御部714と、契約認証情報記憶部715とを備える。なお、これらについては、本技術の第1乃至第4の実施の形態における同一名称の各部に対応する。このため、以下では、本技術の第1乃至第4の実施の形態とは異なる点について主に説明し、他の説明を省略する。
【0195】
通信品質検出部711は、通信品質を検出して無線通信部713に出力する。また、位置情報取得部712は、無線通信装置710が存在する位置に関する情報(位置情報)を取得して無線通信部713に出力する。
【0196】
無線通信部713は、通信品質検出部711により検出された通信品質に関する情報(通信品質情報)と、位置情報取得部712により取得された位置情報とを関連付けて情報処理装置720に送信する。この送信は、無線通信を利用して行われる。また、この送信は、例えば、固定または可変の周期で行われる。
【0197】
情報処理装置720は、通信部721と、通信品質情報記憶部722と、位置情報取得部723と、通信品質判定部724と、契約認証情報切替制御部725とを備える。
【0198】
通信部721は、複数の無線通信装置(無線通信装置710を含む)から送信される位置情報および通信品質情報を受信し、この受信した位置情報および通信品質情報を通信品質情報記憶部722に記憶させる。また、通信部721は、契約認証情報切替制御部725の制御に基づいて、契約認証情報の切替指示を無線通信装置710に送信する。
【0199】
通信品質情報記憶部722は、複数の無線通信装置(無線通信装置710を含む)から送信される位置情報および通信品質情報を、位置情報毎に分類して記憶するものであり、記憶されている各情報を通信品質判定部724に供給する。例えば、同一の位置(または、同一エリア)において検出された通信品質情報が、複数の無線通信装置から送信された場合には、これらの通信品質情報について所定の演算(例えば、平均値の算出)を行い、この演算結果が、その位置に関連付けて記憶される。
【0200】
位置情報取得部723は、複数の無線通信装置(無線通信装置710を含む)から送信される位置情報を取得して無線通信装置毎に管理するものであり、管理されている位置情報を通信品質判定部724に供給する。
【0201】
通信品質判定部724は、位置情報取得部723により取得された位置情報に基づいて、通信品質情報記憶部722に記憶されている通信品質情報を参照し、その位置情報に対応する無線通信装置における契約認証情報の切り替えの要否を判定する。
【0202】
例えば、通信品質判定部724は、位置情報取得部723により取得された位置情報に関連付けて通信品質情報記憶部722に記憶されている通信品質情報を取得し、この通信品質情報が所定条件を満たすか否かを無線通信装置毎に判定する。例えば、その通信品質が閾値未満であるか否かが判定され、その通信品質が閾値以上である場合には、無線通信装置における契約認証情報の切り替えは不要であると判定される。一方、その通信品質が閾値未満である場合には、無線通信装置における契約認証情報の切り替えは必要であると判定される。そして、通信品質判定部724は、その判定の結果を契約認証情報切替制御部725に出力する。
【0203】
契約認証情報切替制御部725は、通信品質判定部724から出力された判定結果に基づいて、無線通信装置における契約認証情報を切り替えるための制御を行うものである。例えば、契約認証情報切替制御部725は、無線通信装置における契約認証情報の切り替えは必要である旨の判定結果が通信品質判定部724から出力された場合には、その無線通信装置に契約認証情報の切替指示を、通信部721を介して送信する。
【0204】
無線通信部713が契約認証情報の切替指示を受信した場合には、その切替指示を契約認証情報切替制御部714に出力する。そして、契約認証情報切替制御部714は、その切替指示に対応する契約認証情報に切り替えるための制御を行う。なお、無線通信装置710は、切替指示に対応する契約認証情報に切り替えるための制御に応じて、必要であれば、搬送波周波数、無線通信方式のうち、少なくとも1つを切り替える制御を行うようにしてもよい。
【0205】
[通信例]
図23は、本技術の第5の実施の形態における通信システム700を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図23では、位置情報および通信品質情報の送信と、通信品質判定処理とが、固定または可変の周期で行われる例を示す。なお、無線通信装置710および情報処理装置720は、基地局および通信制御装置を介して接続されるが、説明の容易のため、
図23では、基地局および通信制御装置の図示を省略する。
【0206】
無線通信装置710は、固定または可変の周期で位置情報および通信品質情報を取得する(801)。なお、これらの取得タイミングについては、同時とするようにしてもよく、別々とするようにしてもよい。
【0207】
続いて、無線通信装置710は、取得された位置情報および通信品質情報を関連付けて、固定または可変の周期で情報処理装置720に送信する(802、803)。
【0208】
同様に、無線通信装置710は、位置情報および通信品質情報の取得(805)と、位置情報および通信品質情報の送信(806、807)とを行う。また、これ以降についても同様に、位置情報および通信品質情報の取得と、位置情報および通信品質情報の送信とが行われる。
【0209】
情報処理装置720は、位置情報および通信品質情報を受信した場合には、受信した位置情報および通信品質情報を、位置情報毎に分類して通信品質情報記憶部722に記憶させる(804、808)。
【0210】
また、情報処理装置720の通信品質判定部724は、受信した位置情報に基づいて、その位置情報について通信品質の判定を行う(809)。この判定は、固定または可変の周期で行われる。そして、その判定の結果、契約認証情報の切り替えが必要であると判定された場合には、契約認証情報切替制御部725は、契約認証情報の切替指示を無線通信装置710に送信する(810、811)。
【0211】
無線通信装置710が契約認証情報の切替指示を受信した場合には(811)、契約認証情報切替制御部714は、その切替指示に対応する契約認証情報に切り替えるための制御を行う(812)。すなわち、その切替指示に対応する通信事業者に関する通信サービスを受けることができるように、契約認証情報が設定される。この設定が終了すると、無線通信装置710は、契約認証情報の切替完了通知を情報処理装置720に送信する(813、814)。
【0212】
このように、無線通信部713は、無線通信装置710が存在する位置における無線通信の通信品質を情報処理装置720に送信する。また、契約認証情報切替制御部714は、情報処理装置720からの契約認証情報の切替要求に基づいて、契約認証情報の切り替えを行う。また、契約認証情報切替制御部725は、無線通信装置710から送信された通信品質に基づいて、契約認証情報の切替要求を無線通信装置710に送信する。
【0213】
このように、本技術の第5の実施の形態では、無線通信装置以外の他の装置(情報処理装置720)の制御に基づいて、無線通信装置710における契約認証情報(接続権)を切り替えることができる。すなわち、情報処理装置720が行うことが可能な各処理(通信品質の取得、契約認証情報(接続権)の切り替え制御)については、情報処理装置720側で行うことができる。また、ネットワーク上に存在する情報処理システムが行うことが可能な各処理(通信品質の取得、契約認証情報(接続権)の切り替え制御)については、その情報処理システムが行うようにしてもよい。なお、ネットワーク上に存在する情報処理システムは、1または複数の装置により構成されるシステムであり、クラウドコンピューティングが想定される。
【0214】
ここで、現在の国内の携帯電話サービスにおいては、ユーザは各通信事業者と契約を行い、基本的には、契約した通信事業者の携帯電話網の利用のみが許されている。一方、海外では、複数の通信事業者とそれぞれ契約を行い、複数のUSIMを1つの無線通信装置に挿入して、地域に応じてユーザがUSIMを切り替えて使うことが行われている。そこで、同一地域においても、通信事業者、通信方式の種類にかからず、受信可能な複数の無線通信網を動的に選択して利用することができるようにすることが好ましい。この場合には、ユーザが利用可能な複数の無線通信網の中から1つの無線通信網を容易に選択することが重要となる。特に、ユーザが局所的に集中することによって生じるトラフィックの混雑は動的に発生するため、アンテナバーに代表される受信信号強度RSSIをモニターするだけでは難しい。
【0215】
そこで、本技術の実施の形態では、複数の無線通信サービスを利用することができる環境に存在する無線通信装置において、最適な無線通信サービスを選択して設定するようにする。すなわち、通信品質(例えば、基地局の混雑度)に基づいて契約認証情報を適切に切り替えることができる。また、複数の無線通信網を常にウォッチングして切替を制御することにより、最適な無線通信網をユーザに容易に提供することができる。
【0216】
例えば、トラフィックの状況によって動的に変化する基地局の混雑度を検出し、ある一定の品質以下になった場合には、契約認証情報を切り替えて、他の通信事業者の無線通信網の品質をモニターする。また、例えば、切り替えた後に、切り替え前よりも通信品質が劣化しているような場合には、元の契約認証情報の設定に戻す。一方、切り替え前よりも通信品質が劣化していない場合には、一定の通信品質以下になるまでの間、その契約認証情報の設定を保持する等の制御を行う。これらの処理を待ち受け時に継続して行うことにより、ユーザは、無線通信を開始する際に、最良の無線通信網での通信が可能となる。
【0217】
なお、他の携帯型の無線通信装置(例えば、データ通信専用端末装置)や、固定型の無線通信装置(例えば、自動販売機のデータ収集を目的とする無線通信装置)に本技術の実施の形態を適用することができる。
【0218】
また、本技術の実施の形態では、検出された通信品質に関する情報(通信品質情報)と、通信事業者に関する情報(通信事業者情報)とを関連付けて表示部280に表示させる例を示した。ただし、例えば、通信品質情報および通信事業者情報を関連付けて無線通信装置の音声出力部(例えば、スピーカ)から出力させるようにしてもよい。また、無線通信装置に接続される電子機器(例えば、外部音声出力装置、外部表示装置)において、通信品質情報および通信事業者情報を出力させるようにしてもよい。この場合には、無線通信装置から電子機器に通信品質情報および通信事業者情報を送信してその電子機器から第3情報等を出力させる。
【0219】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0220】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、ハードディスク、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)等を用いることができる。また、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
【0221】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
無線通信装置が存在する位置における無線通信の通信品質を取得する取得部と、
前記取得された通信品質に基づいて、無線通信を利用して前記無線通信装置が基地局に接続するための接続権の切り替えを行う制御部と
を具備する情報処理装置。
(2)
前記制御部は、前記接続権に基づく無線通信の通信品質が所定条件を満たす場合には、当該接続権から他の接続権への切り替えを行う前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、前記接続権に基づく無線通信の通信品質が閾値を基準として悪い場合に前記所定条件を満たすと判断する前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記取得部は、複数の前記接続権に関する前記通信品質を前記接続権毎に順次取得し、
前記制御部は、前記取得された通信品質のうちの所定条件を満たす通信品質に係る接続権への切り替えを行う
前記(1)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、前記無線通信装置が存在する位置が通信圏外となっている場合には、前記取得された通信品質にかかわらず前記接続権の切り替えを行う前記(1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記通信圏外の状態が所定時間継続している場合には、前記通信圏外の状態が解除されるまでの間、前記接続権の切り替えを行わない前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、前記基地局との間で無線通信を行う無線通信部における搬送波周波数および無線通信方式のうちの少なくとも1つの設定を、前記接続権の切替に応じて変更する前記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記制御部は、前記接続権の切替時またはその直前において取得された通信品質を保持部に保持させ、当該切り替え後には、当該切り替え後に取得された通信品質と、前記保持部に保持された通信品質との比較結果に基づいて前記接続権の切り替えを行うか否かを判断する前記(1)に記載の情報処理装置。
(9)
前記取得部は、パイロット信号、リファレンス信号またはビーコン信号の強度に係る数値と受信信号強度とに基づいて算出された値を前記通信品質として取得する前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)
前記取得部は、Ec/No(Energy per Chip-to-Noise power spectral density)、Ec/Io(Energy per Chip-to-Interference power spectral density)またはSIR(Signal-to-Interference Ratio)に係る数値に基づいて算出された値を前記通信品質として取得する前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(11)
前記取得部は、CQI(Channel Quality Indicator)またはDRC(Data Rate Control)に係る数値に基づいて算出された値を前記通信品質として取得する前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(12)
前記取得部は、前記基地局を介して他の情報処理装置から提供される情報に含まれる前記通信品質を取得する前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)
前記取得部は、前記無線通信装置が存在する位置に関連付けて記憶されている通信品質、または、前記無線通信装置が存在する位置および現在時刻に関連付けて記憶されている通信品質を取得する前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)
前記取得部による取得処理と、前記制御部による切替処理とが待ち受け時に実行される前記(1)から(13)のいずれかに記載の情報処理装置。
(15)
前記取得された通信品質と当該通信品質を提供する通信事業者に関する情報とを関連付けて表示部に表示させる表示制御部をさらに具備する前記(1)から(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(16)
前記制御部は、前記接続権の切り替えを行うためのユーザ操作が受け付けられた場合には、前記取得された通信品質にかかわらず、前記ユーザ操作に応じた前記接続権の切り替えを行う前記(1)から(15)のいずれかに記載の情報処理装置。
(17)
前記接続権は、前記基地局を運営する通信事業者に係る契約認証情報に基づいて当該基地局に接続する権利であり、
前記制御部は、前記契約認証情報の切り替えを行うことにより前記接続権の切り替えを行う
前記(1)から(16)のいずれかに記載の情報処理装置。
(18)
無線通信装置が存在する位置における無線通信の通信品質を情報処理装置に送信する無線通信部と、前記情報処理装置からの切替要求に基づいて、無線通信を利用して基地局に接続するための接続権の切り替えを行う制御部とを具備する無線通信装置と、
前記無線通信装置から送信された通信品質に基づいて、前記接続権の切り替えを行うための前記切替要求を前記無線通信装置に送信する情報処理装置と
を具備する通信システム。
(19)
無線通信装置が存在する位置における無線通信の通信品質を取得する取得手順と、
前記取得された通信品質に基づいて、無線通信を利用して前記無線通信装置が基地局に接続するための接続権の切り替えを行う制御手順と
を具備する情報処理方法。
(20)
無線通信装置が存在する位置における無線通信の通信品質を取得する取得手順と、
前記取得された通信品質に基づいて、無線通信を利用して前記無線通信装置が基地局に接続するための接続権の切り替えを行う制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。