(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のナビゲーションシステムにおいて、利用者(運転者)は、自らの(若しくは、同乗者の)要望に沿って目的地を設定していた。例えば、スケートをしたいという要望を持っている場合には、近傍のスケートリンク等を探して、目的地に設定することになる。なお、最初に設定した目的地が、設備や料金等の条件を満たさないような場合には、別の目的地を探すことになる。
このように、利用者の要望が明確であれば、妥当な目的地を設定することができるものの、利用者の要望が漠然としている場合(例えば、何かスポーツをしたいという要望を持っている場合)には、あれこれ試行錯誤を繰り返しつつ、目的地を設定しなければならなかった。この他にも、たまたま利用者に余暇が発生し、これといった要望を持たない場合には、目的地の設定が全く行えないこともあった。
【0005】
なお、上述した特許文献1のナビゲーションシステムにおいて、共有したお気に入り地点の情報から目的地を設定可能としている。
しかしながら、特許文献1のナビゲーションシステムでは、利用者がその都度「お気に入り」に登録する必要があった。つまり、わざわざ煩雑な操作を利用者が行わないと、情報の共有ができなかった。そのため、煩雑な操作を行わない利用者も多く、共有される情報の絶対量が不足しがちとなり、特許文献1のナビゲーションシステムでも、目的地の設定にあまり役立たないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、利用者の煩雑な操作を不要とし、目的地を的確に提案することのできるナビゲーションシステム、支援サーバ、通信端末、目的地提案方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るナビゲーションシステムは、
支援サーバと複数の通信端末とがネットワークを介して接続されたナビゲーションシステムであって、
前記支援サーバは、
前記各通信端末から送信された停車位置を含む停車情報をそれぞれ受信する停車情報受信部と、
受信した前記各停車情報から、
各車の停車位置を互いの距離によって判定し、近似している場合はひとつの候補位置に停車しているものとみなして集計した候補情報を生成して蓄積するデータベースと、
前記通信端末から送信された現在位置を含む要求情報に応答し、前記現在位置を基準として前記候補位置が所定範囲内に含まれる前記候補情報を前記データベースから検索する検索部と、
検索した前記候補情報を要求元の前記通信端末に送信する候補情報送信部と、を備え、
前記各通信端末は、
自車の停車位置を検出する検出部と、
検出した前記停車位置を含む停車情報を生成して、前記支援サーバに送信する停車情報送信部と、
目的地の提案が利用者から要求されると、現在位置を含む要求情報を生成して、前記支援サーバに送信する要求情報送信部と、
送信した前記要求情報に応答して前記支援サーバから送信される前記候補情報を受信する候補情報受信部と、
受信した前記候補情報の量に基づいて、前記候補位置を示すシンボルの表示形態を変化させ、地図画像に合成して表示する表示部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0008】
前記検出部は、前記停車位置における停車時間を更に検出し、
前記停車情報送信部は、検出した前記停車位置及び前記停車時間を含む停車情報を生成して、前記支援サーバに送信し、
前記データベースは、受信した前記各停車情報から集計した、件数、候補位置、及び、平均停車時間を含む候補情報を生成して蓄積し、
前記表示部は、受信した前記候補情報に基づいて、前記シンボルの大きさ及び色の濃度を、前記件数及び前記平均停車時間に応じて変化させ、地図画像に合成して表示してもよい。
【0009】
前記表示部は、円形の前記シンボルの大きさを前記件数に応じて変化させ、前記シンボルの色の濃度を前記平均停車時間に応じて変化させ、地図画像に合成して表示してもよい。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る支援サーバは、
複数の通信端末とネットワークを介して接続された支援サーバであって、
前記各通信端末から送信された停車情報であり、
自車の停車位置を含む停車情報をそれぞれ受信する停車情報受信部と、
受信した前記各停車情報から、
各車の停車位置を互いの距離によって判定し、近似している場合はひとつの候補位置に停車しているものとみなして集計した候補情報を生成して蓄積するデータベースと、
前記通信端末から送信された現在位置を含む要求情報に応答し、前記現在位置を基準と
して前記候補位置が所定範囲内に含まれる前記候補情報を前記データベースから検索する
検索部と、
検索した前記候補情報を要求元の前記通信端末に送信する候補情報送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る通信端末は、
支援サーバとネットワークを介して接続された通信端末であって、
自車の停車位置を検出する検出部と、
検出した前記停車位置を含む停車情報を生成して、前記支援サーバに送信する停車情報送信部と、
現在位置を含む要求情報を生成して、前記支援サーバに送信する要求情報送信部と、
送信した前記要求情報に応答して前記支援サーバから送信される
各車の停車位置を互いの距離によって判定し、近似している場合はひとつの候補位置に停車しているものとみなして集計した候補情報を受信する候補情報受信部と、
受信した前記候補情報の量に基づいて、前記候補位置を示すシンボルの表示形態を変化させ、地図画像に合成して表示する表示部と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る目的地提案方法は、
支援サーバと複数の通信端末とがネットワークを介して接続されたナビゲーションシステムにおける目的地提案方法であって、
前記各通信端末にて
自車の停車位置を検出する検出ステップと、
検出した前記停車位置を含む停車情報を生成して、前記各通信端末から前記支援サーバに送信する停車情報送信ステップと、
前記支援サーバにて前記各通信端末から送信された停車位置を含む停車情報をそれぞれ受信する停車情報受信ステップと、
前記支援サーバにて受信した前記各停車情報から、
各車の停車位置を互いの距離によって判定し、近似している場合はひとつの候補位置に停車しているものとみなして集計した候補情報を生成してデータベースに蓄積する蓄積ステップと、
前記通信端末にて目的地の提案が利用者から要求されると、現在位置を含む要求情報を生成して、前記支援サーバに送信する要求情報送信ステップと、
前記支援サーバにて前記通信端末から送信された現在位置を含む要求情報に応答し、前記現在位置を基準として前記候補位置が所定範囲内に含まれる前記候補情報を前記データベースから検索する検索ステップと、
検索した前記候補情報を前記支援サーバから要求元の前記通信端末に送信する候補情報送信ステップと、
前記通信端末にて送信した前記要求情報に応答して前記支援サーバから送信される前記候補情報を受信する候補情報受信ステップと、
前記通信端末にて受信した前記候補情報の量に基づいて、前記候補位置を示すシンボルの表示形態を変化させ、地図画像に合成して表示部に表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係るプログラムは、
支援サーバとネットワークを介して接続され通信端末が備えるコンピュータを、
自車の停車位置を検出する検出部、
検出した前記停車位置を含む停車情報を生成して、
各車の停車位置を互いの距離によって判定し、近似している場合はひとつの候補位置に停車しているものとみなして集計した候補情報を蓄積させるために、前記支援サーバに送信する停車情報送信部、
目的地の提案が利用者から要求されると、現在位置を含む要求情報を生成して、前記支援サーバに送信する要求情報送信部、
送信した前記要求情報に応答して前記支援サーバから送信される前記候補情報を受信する候補情報受信部、
受信した前記候補情報の量に基づいて、前記候補位置を示すシンボルの表示形態を変化させ、地図画像に合成して表示させる表示部、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者の煩雑な操作を不要とし、目的地を的確に提案することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステムについて、以下図面を参照して説明する。このナビゲーションシステムは、支援サーバと複数の車載装置とがネットワークを介して接続されたシステムである。
【0017】
図1は、ナビゲーションシステムの構成例を示すブロック図である。
図示するように、ナビゲーションシステムは、支援サーバ10、車載装置20、及び、通信端末30とを含んで構成されている。また、支援サーバ10と通信端末30(車載装置20)とは、移動体無線通信網等のネットワーク90を介して、通信可能に接続されている。
なお、
図1においては、説明を容易にするために、車載装置20及び通信端末30をそれぞれ1つだけ描画したブロック図としているが、実際には、各利用者(各車両)に応じて車載装置20及び通信端末30がそれぞれの構成に含まれるものとする。
【0018】
支援サーバ10は、汎用のコンピュータ等からなり、通信部11と、処理制御部12と、データベース13とを含んで構成されている。
【0019】
通信部11は、モデム等からなり、ネットワーク90を介して、通信端末30(より詳細には車載装置20)と通信可能となっている。
例えば、通信部11は、車載装置20(より詳細には各車載装置20)から送信された停車情報を受信する。停車情報とは、利用者の車両(つまり、車載装置20を搭載した車両)が停車(駐車)した際に、車載装置20から自動的に送信される情報であり、一例として、停車位置(座標)及び停車時間(分)が含まれている。
また、通信部11は、車載装置20から、目的地の提案を要求するための要求情報を受信し、これに応答して、目的地の候補を示す候補情報(より詳細には、後述する足跡位置情報)を送信する。
【0020】
処理制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、支援サーバ10全体を制御する。
例えば、処理制御部12は、通信部11が受信した各停車情報から、近傍の停車位置同士を1つの候補位置にまとめて集計した候補情報を生成して、データベース13に蓄積する。
具体的に処理制御部12は、
図2に示すように、受信した停車情報のうち、停車位置の近い停車情報があれば1つの候補位置にまとめて集計した足跡位置情報を生成する。
すなわち、停車情報Ta〜Tcは、互いの座標の値が近似していることから停車位置が近いと判別して1つの候補位置に3件とカウントした足跡位置情報Kaが生成される。なお、図中の他の停車情報は、それぞれ停車位置が離れているため、そのまま候補位置に1件とカウントした足跡位置情報が生成される。
処理制御部12は、このような足跡位置情報をデータベース13に蓄積する。
【0021】
また、処理制御部12は、通信部11が要求情報を受信した際に、この要求情報に含まれる現在位置(目的地の提案を要求する車両の現在位置)を基準として、候補位置が所定範囲内に含まれる足跡位置情報(候補情報)をデータベース13から検索する。
処理制御部12は、検索した足跡位置情報を、通信部11を通じて供給した車載装置20に送信する。
【0022】
図1に戻って、データベース13は、足跡位置情報を記憶する。つまり、データベース13は、上述した
図2に示すような足跡位置情報を検索可能に記憶する。
【0023】
一方、車載装置20は、利用者(運転者)の車両に搭載され、自車位置を地図画像に重畳して表示したり、利用者が目的地を容易に選択できるように、目的地の候補をより分かり易く表示する。
具体的に車載装置20は、GPSユニット21と、車速センサ22と、シフトセンサ23と、ハンドブレーキセンサ24と、ハードディスク25と、演算処理部26と、端末通信ドライバ27と、操作部28と、表示部29とを含んで構成されている。
【0024】
GPS(Global Positioning System)ユニット21は、複数のGPS衛星から送られる信号を受信し、自車位置(自車の現在位置)を計測する。そして、計測した自車位置を示す位置情報を演算処理部26に供給する。
【0025】
車速センサ22は、例えば、変速機の出力軸や従動輪の回転に応じたパルス信号を計測して、車両の速度を検出する。そして、検出した速度の情報を演算処理部26に供給する。
【0026】
シフトセンサ23は、シフトレバーの位置を検出する。例えば、オートマティック車の場合では、パーキングレンジ(P)、リバースレンジ(R)、ニュートラルレンジ(N)、及び、ドライブレンジ(D)等の何れかに、シフトレバーが位置しているかを検出する。そして、検出したシフトレバーの位置の情報を演算処理部26に供給する。
【0027】
ハンドブレーキセンサ24は、ハンドブレーキ(パーキングブレーキ)が引かれているかどうか(ブレーキ状態かどうか)を検出する。そして、検出した状態を演算処理部26に供給する。
【0028】
ハードディスク25は、地図情報(道路情報)や各種の画像といった表示や経路探索に必要な情報を記憶している。この画像には、候補位置を示すシンボル(一例として、円形シンボル)等も含まれている。そして、演算処理部26からの要求に応じて、必要な情報を読み出して演算処理部26に供給する。
【0029】
演算処理部26は、例えば、CPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、内蔵タイマ等から構成され、このROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、車載装置20全体を制御する。
具体的に演算処理部26は、車速センサ22、シフトセンサ23、及び、ハンドブレーキセンサ24から供給された情報(検出された情報)に従って、自車が停車(駐車)状態であるかどうかを判別する。一例として、車速センサ22から得られた速度がゼロ、シフトセンサ23から得られたシフトレバー位置がパーキング、及び、ハンドブレーキセンサ24から得られた状態がブレーキ状態の場合(若しくは、何れかの組み合わせの場合)に、演算処理部26は、自車が停車状態であると判別する。なお、停車状態を判別する手法は、これに限られず、適宜変更可能である。例えば、イグニッションキーの位置やエンジンの回転の有無等から、自車の停車状態を判別してもよい。
このように、自車の停車状態を判別すると、演算処理部26は、GPSユニット21が計測した自車位置を停車位置として記憶する。また同時に、停車時間の計時も開始する。この計時は、停車状態が解除される(自車が停車状態でなくなる)まで維持される。
そして、停車状態が解除され、停車時間の計時を終えると、演算処理部26は、停車情報を生成して、通信端末30を通じて支援サーバ10へ送信する。つまり、検出した停車位置及び停車時間を含む停車情報を生成して、支援サーバ10へ送信する。
なお、停車時間が所定の基準時間(一例として、5分間)よりも短い場合には、停車情報を送信しないようにしてもよい。
この他にも、利用者の自宅位置が車載装置20に登録されていれば、停車位置がその自宅位置の近傍である場合には、自宅の駐車場等であると判別して、停車情報を送信しないようにしてもよい。
更に、車載装置20が交通情報(渋滞情報)を取得できるのであれば、停車位置が渋滞区間上であれば、渋滞による停車であると判別して、停車情報を送信しないようにしてもよい。
【0030】
また、演算処理部26は、利用者より操作部28が操作され、目的地の提案が要求されると、要求情報を生成して、通信端末30を通じて支援サーバ10へ送信する。例えば、目的地を選ぶに際して、これといった要望を持たない利用者が、目的地の提案を要求した場合に、演算処理部26は、GPSユニット21が計測した現在位置(自車位置)を含んだ要求情報を生成して、支援サーバ10へ送信する。
そして、この要求情報に応答して、支援サーバ10から候補情報が送られると、演算処理部26は、この候補情報に従って、地図画像上の候補位置に所定のシンボルを合成して表示部29に表示する。例えば、演算処理部26は、
図3に示すように、候補位置にシンボルSaやシンボルSbを合成する。なお、一例として、演算処理部26は、円形のシンボルの大きさを、候補位置の件数(カウント数)に応じて変化させ、また、シンボルの色の濃度(濃さ/透明度)を候補位置の平均停車時間に応じて変化させている。つまり、候補位置の件数が多いほど円の半径を大きくし、また、候補位置の平均停車時間が長いほどシンボルの色を濃くして合成する。すなわち、
図3の場合では、シンボルSaの候補位置が、件数がそれほど多くなく、停車時間も短いことが視覚的に表現されており、一方、シンボルSbの候補位置が、件数が多く、停車時間も長いことが視覚的に表現されている。
なお、シンボルの形状は、円形に限らず適宜変更可能である。また、シンボルの色の濃度を変化させる代わりに、色の輝度等を変化させてもよい。
【0031】
図1に戻って、端末通信ドライバ27は、通信端末30との間で、所定規格のコネクタ(ケーブル)を通じて、通信に必要な情報を送受信する。なお、車載機器20と通信端末30とが所定の無線通信規格にて接続されている場合には、端末通信ドライバ27は、その無線通信規格に沿って、通信端末30との間で、通信に必要な情報を送受信する。
【0032】
操作部28は、例えば、表示部29の前面に配置されたタッチパネル等からなり、利用者からの操作内容(指示入力等)を受け付ける。なお、操作部28は、赤外線リモコン等であってもよい。
【0033】
表示部29は、例えば、液晶ディスプレイ等からなり、地図画像(道路画像)等を表示する。
具体的に表示部29は、利用者により目的地の提案が要求され、支援サーバ10から候補情報が送られると、上述した
図3に示すような候補位置にシンボルSa,Sb等を合成した地図画像を表示する。
【0034】
通信端末30は、例えば、携帯電話やデータ通信端末等からなり、ネットワーク90を介して支援サーバ10と通信接続し、支援サーバ10と車載装置20との間で必要な情報を送受信する。
具体的に通信端末30は、車載装置20より生成された停車情報を支援サーバ10に送信する。また、通信端末30は、車載装置20より生成された要求情報を支援サーバ10に送信し、応答して支援サーバ10にて検索された候補情報を受信する。
【0035】
すなわち、このような構成のナビゲーションシステムでは、
図4に示すように、各車載装置20から支援サーバ10に停車情報が自動的に送信される。そして、支援サーバ10は、受信した各停車情報から、近傍の停車位置同士を1つの候補位置にまとめて集計した候補情報(足跡位置情報)を生成して蓄積する。
一方、目的地の提案を要求する要求情報が車載装置20から支援サーバ10に送信されると、支援サーバ10は、要求情報に含まれる自車の現在位置を基準として、候補位置が所定範囲内に含まれる候補情報を検索し、車載装置20に送信する。そして、候補情報を受信した車載装置20は、この候補情報に従って、地図画像上の候補位置にシンボルを合成して表示する。
【0036】
以下、ナビゲーションシステムの具体的な動作について、図面を参照して説明する。
最初に、車載装置20が停車情報を自動的に支援サーバ10へ送信する停車情報送信処理について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
まず、車載装置20は、各センサの情報を取得する(ステップS101)。
すなわち、車速センサ22、シフトセンサ23、及び、ハンドブレーキセンサ24から各情報を取得する。
【0038】
車載装置20は、自車が停車状態であるか否かを判別する(ステップS102)。
例えば、車速センサ22から得られた速度がゼロ、シフトセンサ23から得られたシフトレバー位置がパーキング、及び、ハンドブレーキセンサ24から得られた状態がブレーキ状態の場合(若しくは、何れかの組み合わせの場合)に、演算処理部26は、自車が停車状態であると判別する。
車載装置20は、自車が停車状態でないと判別すると(ステップS102;No)、上述したステップS101に処理を戻す。
【0039】
一方、自車が停車状態であると判別した場合(ステップS102;Yes)に、車載装置20は、停車位置を記憶し、停車時間の計時を開始する(ステップS103)。
すなわち、演算処理部26は、GPSユニット21が計測した自車位置を停車位置として記憶する。また同時に、停車時間の計時も開始する。
【0040】
車載装置20は、再び各センサの情報を取得する(ステップS104)。
そして、停車状態が解除されたかどうかを判別する(ステップS105)。
すなわち、車速センサ22、シフトセンサ23、及び、ハンドブレーキセンサ24から供給された情報から、停車状態が解除された(自車が走行状態になった)か否かを判別する。
車載装置20は、停車状態が解除されていないと判別すると(ステップS105;No)、上述したステップS104に処理を戻す。
【0041】
一方、停止状態が解除されたと判別した場合(ステップS105;Yes)に、車載装置20は、停車時間の計時を終了し、停車情報を生成する(ステップS106)。
すなわち、演算処理部26は、検出した(記憶していた)停車位置及び、計時した停車時間を含む停車情報を生成する。
【0042】
そして、車載装置20は、生成した停車情報を支援サーバ10に送信する(ステップS107)。
つまり、検出した停車位置及び停車時間を含む停車情報が車載装置20にて生成され、自動的に支援サーバ10へ送信される。なお、停車時間が所定の基準時間よりも短い場合には、停車情報を送信しないようにしてもよい。
【0043】
このような停車情報送信処理により、各車載装置20から支援サーバ10に停車情報が自動的に送信される。そして、支援サーバ10は、受信した各停車情報から、近傍の停車位置同士を1つの候補位置にまとめて集計した候補情報(足跡位置情報)を生成して蓄積する。
【0044】
次に、車載装置20が目的地の提案を要求する要求処理と、支援サーバ10が候補情報を応答する応答処理について、
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
まず、車載装置20は、利用者の操作に従って、目的地の提案要求を取得する(ステップS201)。
例えば、目的地を選ぶに際して、これといった要望を持たない利用者が、操作部28から目的地の提案を要求すると、演算処理部26は、その提案要求を取得する。
【0046】
車載装置20は、現在位置を取得し、要求情報を生成する(ステップS202)。
すなわち、演算処理部26は、GPSユニット21が計測した現在位置(自車位置)を含んだ要求情報を生成する。
【0047】
車載装置20は、生成した要求情報を支援サーバ10に送信する(ステップS203)。
そして、車載装置20は、支援サーバ10からの応答を待機する(ステップS204;No)。
【0048】
対して、支援サーバ10は、要求情報の受信を待機する(ステップS301;No)。つまり、何れかの車載装置20から送られる要求情報を待ち続ける。
【0049】
支援サーバ10は、車載装置20から送られた要求情報を受信すると(ステップS301;Yes)、要求情報に含まれる現在位置を基準に、候補情報を検索する(ステップS302)。
すなわち、処理制御部12は、現在位置を基準として、候補位置が所定範囲内に含まれる候補情報(足跡位置情報)をデータベース13から検索する。
【0050】
支援サーバ10は、検索した候補情報を要求元の車載装置20に送信する(ステップS303)。
【0051】
車載装置20の処理に戻って、支援サーバ10からの応答を判別すると(ステップS204;Yes)、車載装置20は、受信した候補情報に従って、候補位置のシンボルを生成し地図画像に合成する(ステップS205)。
すなわち、演算処理部26は、受信した候補情報に従って、地図画像上の候補位置に所定のシンボルを合成して表示部29に表示する。例えば、演算処理部26は、上述した
図3に示すように、候補位置にシンボルSaやシンボルSbを合成する。なお、一例として、演算処理部26は、円形のシンボルの大きさを、候補位置の件数(カウント数)に応じて変化させ、また、シンボルの色の濃度(濃さ/透明度)を候補位置の平均停車時間に応じて変化させている。すなわち、
図3の場合では、シンボルSaの候補位置が、件数がそれほど多くなく、停車時間も短いことが視覚的に表現されており、一方、シンボルSbの
候補位置が、件数が多く、停車時間も長いことが視覚的に表現されている。
なお、シンボルの形状は、円形に限らず適宜変更可能である。また、シンボルの色の濃度を変化させる代わりに、色の輝度等を変化させてもよい。
【0052】
このような要求処理及び、応答処理により、目的地の提案を要求する要求情報が車載装置20から支援サーバ10に送信されると、支援サーバ10は、要求情報に含まれる自車の現在位置を基準として、候補位置が所定範囲内に含まれる候補情報を検索し、車載装置20に送信する。そして、候補情報を受信した車載装置20は、この候補情報に従って、地図画像上の候補位置にシンボルを合成して表示する。
合成されるシンボルは、
図3のように、候補位置の件数(カウント数)に応じて大きさが異なり、かつ、候補位置の平均停車時間に応じて色の濃さが異なっている。
そのため、利用者は、表示されるシンボルの表示形態から、候補位置の件数の多さや、停車時間の長さを視覚的に一目で把握することができる。
この結果、利用者の煩雑な操作を不要とし、目的地を的確に提案することができる。
すなわち、各利用者が車両でちょっと立ち寄った際に、自動的に足跡位置情報として登録され、そのような足跡位置情報から検索された候補位置が提案されることになる。つまり、停車時間が長く、また、件数が多ければ、何かおもしろい場所なのではと考えられ、利用者は、ガイドブックに載っていないような優良地点を見つけやすくなる。
【0053】
上記の実施形態では、車載装置20を使用して、停車情報を支援サーバ10に送信したり、要求情報に応答した候補情報によるシンボルを表示する場合について説明したが、車載装置20を用いずに、通信端末30だけを使用して、停車情報を支援サーバ10に送信したり、要求情報に応答した候補情報によるシンボルを通信端末30に表示するようにしてもよい。
【0054】
例えば、通信端末30にGPS機能等が付加されていれば、所定単位時間あたりの現在位置の変化等から速度を求め、順次記憶するようにしておく。なお、GPS機能が無くとも、近傍に存在する複数の無線基地局の位置情報から、通信端末30の現在位置(最終的には速度)を求めるようにしてもよい。
そして、通信端末30は、順次記憶した速度(所定数分の速度値)の移動平均の変化等から、車両での移動から利用者の徒歩での移動へ切り替わったことを検出する。なお、この検出手法は、一例であり、他の手法により、車両での移動から徒歩での移動への切り替わりを検出してもよい。
車両での移動から徒歩での移動への切り替わりを検出すると、通信端末30は、その検出時点の位置情報を停車位置として記憶し、同時に停車時間の計時も開始する。なお、速度の記憶もそのまま続ける。
その後、通信端末30は、順次記憶した速度の移動平均の変化等から、今度は逆に、徒歩での移動から車両での移動へ切り替わったことを検出する。
徒歩での移動から車両での移動への切り替わりを検出すると、通信端末30は、停車時間の計時を終了し、停車位置及び停車時間を含む停車情報を生成して、支援サーバ10に送信する。
支援サーバ10は、上記と同様に、各通信端末30から同様に送られる各停車情報から、近傍の停車位置同士を1つの候補位置にまとめて集計した候補情報(足跡位置情報)を生成して蓄積する。
【0055】
そして、目的地を選ぶに際して、これといった要望を持たない利用者が、車内等から通信端末30を操作して目的地の提案を要求すると、通信端末30は、現在位置を含む要求情報を生成し、支援サーバ10に送信する。支援サーバ10は、要求情報に含まれる現在位置を基準として、候補位置が所定範囲内に含まれる候補情報を検索し、通信端末30に送信する。そして、候補情報を受信し通信端末30は、この候補情報に従って、地図画像上の候補位置にシンボルを合成して表示する。
合成されるシンボルは、上述した
図3のように、候補位置の件数(カウント数)に応じて大きさが異なり、かつ、候補位置の平均停車時間に応じて色の濃さが異なっている。
そのため、利用者は、表示されるシンボルの表示形態から、候補位置の件数の多さや、停車時間の長さを視覚的に一目で把握することができる。
この結果、利用者の煩雑な操作を不要とし、目的地を的確に提案することができる。
【0056】
以上説明したように、本発明によれば、利用者の煩雑な操作を不要とし、目的地を的確に提案することができる。