(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1から
図35を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、
図2はパチンコ機10の遊技盤ユニット13の正面図であり、
図3はパチンコ機10の背面図である。
【0017】
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持される。
【0018】
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64、可変入賞装置65,650等の電気部品を有する遊技盤ユニット13(
図2参照)が正面側から着脱可能に装着される。この遊技盤ユニット13(ベース板60)の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤ユニット13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(
図4及び
図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤ユニット13の前面領域まで誘導する発射レール112a1(
図5参照)等が取り付けられている。
【0019】
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持される。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
【0020】
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤ユニット13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
【0021】
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(
図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(
図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(
図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
【0022】
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(
図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0023】
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤ユニット13(ベース板60)前面の貼着スペースK1(
図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされる。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0024】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設される。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0025】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成される。下皿50の右側には、球を遊技盤ユニット13(ベース板60)の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
【0026】
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵される。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤ユニット13(ベース板60)の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
【0027】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
【0028】
図2に示すように、遊技盤ユニット13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第一可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等、各種構造部品や電気部品を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(
図1参照)に着脱可能に取り付けられる。
【0029】
ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤ユニット13のベース板60にその前面側からタッピングネジ等により固定される。
【0030】
遊技盤ユニット13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(
図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に
図2を参照して、遊技盤ユニット13の構成について説明する。
【0031】
遊技盤ユニット13(ベース板60)の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤ユニット13(ベース板60)の前面外周が囲まれ、遊技盤ユニット13(ベース板60)とガラスユニット16(
図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤ユニット13(ベース板60)の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤ユニット13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【0032】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(
図4参照)から発射された球を遊技盤ユニット13(ベース板60)上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(
図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤ユニット13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(
図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
【0033】
遊技領域の正面視左側下部(
図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設される。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(
図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成される。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成される。
【0034】
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
【0035】
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意される。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
【0036】
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
【0037】
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
【0038】
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
【0039】
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
【0040】
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設される。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設される。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設される。
【0041】
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(
図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(
図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0042】
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
【0043】
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成される。
【0044】
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
【0045】
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
【0046】
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成される。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
【0047】
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設される。
【0048】
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
【0049】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設される。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤ユニット13(ベース板60)の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(
図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
【0050】
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設される。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤ユニット13(ベース板60)の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(
図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
【0051】
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
【0052】
第2入賞口640には電動役物640aが付随される。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
【0053】
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
【0054】
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定される。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
【0055】
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0056】
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0057】
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
【0058】
第1入賞口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。また、第1入賞口64の下方左側には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に他の入賞口63,64,640と同程度の大きさの円形形状からなる第2特定入賞口650aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖される特定入賞口65a,650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0059】
この特定入賞口65a,650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされる。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
【0060】
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
【0061】
第2可変入賞装置650は、具体的には、第2特定入賞口650aへ球を案内する案内路と、その案内路の第2特定入賞口650a側とは反対側となる開口部である開口651と、その開口651の開放および閉鎖を行うための駆動役物650bと、その駆動役物650bを開口651の下辺を軸に左右方向に開閉駆動するための小開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2特定入賞口650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には小開放口ソレノイドを駆動して駆動役物650bを右方に傾倒し、球が第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
【0062】
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65a,650aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
【0063】
遊技盤ユニット13(ベース板60)の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(
図1参照)を通じて視認することができる。
【0064】
遊技盤ユニット13(ベース板60)には、第1アウト口71及び第2アウト口72が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入賞しなかった球は、第1アウト口71又は第2アウト口72を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される一方、第2アウト口72は、第2特定入賞口650aの左側に配設される。即ち、第2アウト口72は、第2特定入賞口650aを挟んで第1アウト口71の反対側に配設される。
【0065】
よって、遊技領域を流下する球であって、第2特定入賞口650aよりも正面視右側(
図2右側)において遊技領域の下端(内レール61又は外縁部材73)に達した球は、内レール61又は外縁部材73の傾斜に沿って流下され、第1アウト口71を通って球排出路へ案内される一方、第2特定入賞口650aよりも正面視左側において遊技領域の下端(内レール61)に達した球は、内レール61の傾斜(湾曲)に沿って流下され、第2アウト口72を通って球排出路へ案内される。
【0066】
遊技盤ユニット13(ベース板60)には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されるとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設される。
【0067】
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化される。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化される。
【0068】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化される。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載される。
【0069】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納される。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0070】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着される。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0071】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(
図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0072】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(
図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
【0073】
次に、
図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0074】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載される。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵される。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
【0075】
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
【0076】
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0077】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0078】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続される。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0079】
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0080】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0081】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0082】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続される。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続される。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続される。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0083】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0084】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0085】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続される。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続される。その他装置228には、駆動モータ340,430,522,640,740,830が含まれる。
【0086】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
【0087】
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
【0088】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
【0089】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(
図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
【0090】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成される。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
【0091】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(
図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0092】
次いで、
図5から
図9を参照して、内枠12に対する遊技盤ユニット13の取付構造について説明する。上述したように、内枠12には、遊技盤ユニット13が正面側から着脱可能に配設される。この場合、内枠12における取付完了位置に遊技盤ユニット13が変位(配置)されることで、遊技盤ユニット13に設けられる遊技盤側コネクタ300Aと内枠12に設けられる内枠側コネクタ300Bとが接続される一方、内枠12における取付完了位置から遊技盤ユニット13が変位されるとで、遊技盤側コネクタ300Aと内枠側コネクタ300Bとの接続が解除される。
【0093】
まず、
図5から
図7を参照して、内枠12について説明する。
図5は、遊技盤ユニット13が取り外された状態における内枠12の斜視図であり、
図6は、遊技盤ユニット13が取り外された状態における内枠12の正面図である。
【0094】
図5及び
図6に示すように、内枠12は、遊技盤ユニット13(ベース板60)の周囲(端面)を囲む周壁部124と、その周壁部124から内枠12の内方へ向けて立設され遊技盤ユニット13におけるベース板60の背面に対向する背面板部125とからなる。周壁部124は、遊技盤ユニット13におけるベース板60の上下左右の各端面に対してそれぞれ対向する内壁面を有して形成され、全体として遊技盤ユニット13(ベース板60の端面)を囲む環状をなす。
【0095】
内枠12の周壁部124のうちの正面視左側(
図5及び
図6左側)に位置する壁部(即ち、前扉枠14(
図1参照)を回動可能に支持する側の壁部)には、遊技盤ユニット13(ベース板60)の前方(
図5紙面手前左側)への変位を規制する複数(本実施形態では2個)のストッパ部126が上下に離間して配設される。各ストッパ部126は、周壁部124の内壁面から内枠12の内方へ向けて突出され、遊技盤ユニット13におけるベース板60の前面に当接される。また、各ストッパ部126は、周壁部124の内壁面の幅内に収まるように形成され、前扉枠14側となる前方への突出が規制される。
【0096】
ストッパ部126は、遊技盤ユニット13の上端寄り及び下端寄りとなる位置に配置され、遊技盤ユニット13の変位を安定して規制することが可能とされる。この場合、遊技盤ユニット13の外レール62は、遊技盤ユニット13の回動基端側(
図2の正面視左側)へ向けて凸となる正面視円弧状に湾曲されるところ(
図2参照)、上端寄りのストッパ部126は外レール62の凸となる部分よりも上方に配置され、下端寄りのストッパ部126は外レール62の凸となる部分よりも下方に配置される。これにより、遊技盤ユニット13(ベース板60)の正面側であって外レール62の外方に形成されるデッドスペースを、各ストッパ部126の配置スペースとして利用できるので、ストッパ部126の配設に起因して外レール62の配置が圧迫されることを抑制し、その結果、遊技領域の大きさを最大限確保できる。
【0097】
また、内枠12の背面板部125には、各ストッパ部126に対応する位置に背面保持部127がそれぞれ配設される。各背面保持部127は、各ストッパ部126との間に所定間隔を隔てつつ、背面板部125の内壁面から内枠12の内方へ向けて突出され、遊技盤ユニット13におけるベース板60の背面に当接される。この場合、背面保持部127は、ストッパ部126に対応する位置(即ち、対面する位置)に配設されるので、これらストッパ部126及び背面保持部127の間で遊技盤ユニット13におけるベース板60を挟持して、その遊技盤ユニット13の変位を安定して規制することができる。
【0098】
このように、内枠12の周壁部124のうちの正面視左側(
図5及び
図6左側)に位置する壁部(即ち、前扉枠14(
図1参照)を回動可能に支持する側の壁部)には、遊技盤ユニット13におけるベース板60の正面視左側(
図2左側)の側部60aを挿入可能な挿入部128が、ストッパ部126と背面板部125及び背面保持部127との間に形成される。
【0099】
挿入部128は、前扉枠14(
図1参照)の回動先端側(
図5紙面右手前側)が開放された形状に形成されることで、かかる挿入部128へ遊技盤ユニット13(ベース板60の側部60a)を前扉枠14の回動先端側から挿入可能とされる。即ち、前扉枠14を全開にできない場合であっても、前扉枠14を所定の角度だけ開放し、その開放側(前扉枠14の回動先端側)から内枠12の挿入部128へ遊技盤ユニット13(ベース板60の側部60a)を挿入することができる。
【0100】
詳細には、ストッパ部126と背面板部125及び背面保持部127との間の対向間隔(隙間寸法)は、挿入部128の挿入奥側(周壁部124の内壁面側)では遊技盤ユニット13におけるベース板60の厚さ寸法と略同一に設定される一方、挿入手前側(挿入部128の入口部分側)では遊技盤ユニット13におけるベース板60の厚さ寸法よりも大きく設定される。これにより、遊技盤ユニット13(ベース板60)を挿入部128に対して斜め前方から挿入可能とすると共に、挿入部128に挿入された遊技盤ユニット13をその挿入部128を中心として回動可能とすることができる。
【0101】
即ち、ストッパ部126は、その先端側において遊技盤ユニット13(ベース板60の側部60a)と対向する背面に面取りが施され、背面保持部127との間の対向間隔が先端側へ向かうほど大きくなるように傾斜されることで、挿入部128の入口部分が拡張される。これにより、挿入部128の入口部分において、ストッパ部126と背面保持部127との間の対向間隔(隙間寸法)を大きくし、遊技盤ユニット13を斜めに挿入する際のストッパ部126と遊技盤ユニット13(ベース板60の側部60a)との引っ掛かりを抑制できる。また、挿入部128の入口部分を斜め前方に向けることにより、遊技盤ユニット13の挿入時にその遊技盤ユニット13が前扉枠14の後方への張出部分や内枠12の右側部分(
図5右側)等に干渉することを抑制できる。その結果、遊技盤ユニット13を内枠12に装着する際の作業性の向上を図ることができる。
【0102】
挿入部128(ストッパ部126)の下方(詳細には、周壁部124のうちの遊技盤ユニット13(ベース板60の底面60b)に対向する壁部における回動基端側の端部)には、挿入部128に挿入された遊技盤ユニット13(ベース板60)の底面を仮置き可能な第1仮置き部129が設けられる。第1仮置き部129は、上方を向く平坦面として形成され、挿入部128の直下に配設されることで、遊技盤ユニット13(ベース板60)の底面60bのうちの回動基部側に位置する第1底面60b1(
図8参照)を支持する。これにより、遊技盤ユニット13(ベース板60の側部60a)を挿入部128へ挿入する際の作業者の作業負担を減らすことができると共に、挿入後の遊技盤ユニット13の回動操作を容易とすることができる。
【0103】
第1仮置き部129の反対側(周壁部124のうちの遊技盤ユニット13(ベース板60の底面60b)に対向する壁部における回動先端側の端部)には、挿入部128に挿入された遊技盤ユニット13(ベース板60の底面60b)を仮置き可能な第2仮置き部702が設けられる(
図7参照)。第2仮置き部702は、上方を向く平坦面として形成され、ベース板60の底面60bのうちの回動先端側に位置する第2底面60b2(
図8参照)を支持する。
【0104】
第1仮置き部129は、第2仮置き部702に対し上方に位置し、これら第1仮置き部129及び第2仮置き部702の配置に対応して、遊技盤ユニット13におけるベース板60の底面60bは、第1底面60b1が第2底面60b2よりも上方に位置する階段状に形成される(
図7参照)。遊技盤ユニット13におけるベース板60の側部60aを挿入部128に挿入し回動させる際には、第1仮置き部129に遊技盤ユニット13(ベース板60)の第1底面60b1が仮置き(一時的に載置)されることで、遊技盤ユニット13の重量の少なくとも一部を内枠12に支持させることができる。これにより、遊技盤ユニット13を装着する際の作業者の作業負担を減らすことができると共に、遊技盤ユニット13の回動操作を容易とすることができる。
【0105】
一方、遊技盤ユニット13の回動動作における終期では、遊技盤ユニット13(ベース板60)の第2底面60b2が第2仮置き部702に仮置き(一時的に載置)されることで、内枠側コネクタ300B(第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900)に対する遊技盤側コネクタ300A(第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600)の高さ位置を位置決めすることができる。これにより、接続を開始する際に、両コネクタ300A,300Bが衝突して損傷することを抑制できると共に、接続を解除する際に、両コネクタ300A,300Bが無理な姿勢となり変形することで損傷を招くことを抑制できる。
【0106】
ここで、
図7を参照して、内枠側コネクタ300Bについて説明する。
図7は、内枠側コネクタ300Bの正面斜視図であり、内枠12から取り外された状態の内枠側コネクタ300Bが図示される。
【0107】
図7に示すように、内枠側コネクタ300Bは、箱状に形成される台座700と、その台座700に固着されるコネクタ用基板(図示せず)と、そのコネクタ用基板に搭載される第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900とを備える。コネクタ用基板は、一方の板面に第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900が搭載されると共に、他方の板面が半田面とされ、一方の板面(搭載面)を遊技機正面側(遊技盤ユニット13側、
図6紙面手前側)へ向けた姿勢で配設される。台座700には、上側部分に開口701が開口形成され、この台座700の開口701を介して、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)が遊技機前方(遊技盤ユニット13側)に露出した状態とされる。これにより、内枠側コネクタ300Bは、遊技盤ユニット13の遊技盤側コネクタ300Aと接続可能とされる。
【0108】
第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900は、一面側に接続口(受入口)を有する箱状のケース体810,910と、そのケース体810,910の上下の内壁面にそれぞれ幅方向(
図6左右方向)に沿って等間隔に列設されると共に導電性材料からなる複数の接点部材820,920とを備える。
【0109】
第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900は、その接続口(受入口)を遊技機斜め前方(内枠12に遊技盤ユニット13を取り付ける際の遊技盤ユニット13の回動先端側)へ向けた傾斜姿勢でそれぞれ配設される一方、それらの前後位置(
図6紙面垂直方向位置)は略同一の位置に設定される。これにより、内枠12に対する遊技盤ユニット13の回動動作に伴う遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの接続およびその解除をスムーズに行うことができると共に、両コネクタ300A,300Bに歪等が発生することを抑制でき、また、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の配設に要するスペース(占有空間)が上下および左右に拡がることを抑制できる。
【0110】
ケース体810,910には、幅方向に対向する左右の内壁面にガイド溝部830,930が凹設される。ガイド溝部830,930は、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の被ガイド部530を受け入れる断面コ字状の凹溝であり、直線状に延設される2本が所定間隔を隔てつつ平行に並設される。また、ガイド溝830,930の開口端には、内方へ向けて下降傾斜する傾斜面(案内面830a,930a)が形成され、ケース体810,910の上下の内壁面における開口端には、内方へ向けて下降傾斜すると共に案内面830a,930aに連なる傾斜面(案内面810a,910a)が形成される。
【0111】
よって、接続初期においては、被ガイド部530の先端(案内面530a,530b)を案内面810a,830a,910a,930aによりガイド溝部830,930へ向けて案内可能として、接続初期における被ガイド部530とガイド溝部830,930との間の位置ズレを許容できる。被ガイド部530の先端がガイド溝部830,930へ挿入された後は、被ガイド部530がガイド溝830,930の延設方向に沿って嵌入されることで、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900に対する第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の傾斜を矯正でき、両者の接点部材520,820を適切な状態で接触させることができる。
【0112】
なお、ガイド溝部830,930は、並設される2本の溝幅寸法が互いに異なる寸法値に設定される。これにより、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が正規の姿勢から上下反転された姿勢で第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900に接続されることを規制することができる。
【0113】
台座700の前面には、上述した第2仮置き部702が形成される。第2仮置き部702は、台座700の横幅に対して、その一部に部分的に形成されると共に、内枠12に遊技盤ユニット13を取り付ける際の遊技盤ユニット13の回動先端側(
図5及び
図6右側)に配設される。これにより、第1仮置き部129と第2仮置き部702との間の距離を大きくして、遊技盤ユニット13の安定した支持を可能としつつ、第2仮置き部702の占有空間を抑制でき、その分、第2仮置き部702の非形成領域を利用して、台座700の前面に他の部材を配設することができる。
【0114】
仮置き部702は、上述したように、遊技盤ユニット13の底面60(第2底面60b2)が載置可能に形成され、その遊技盤ユニット13を内枠12における取付完了位置へ変位させる際の案内面として機能する。即ち、遊技盤ユニット13を仮置き部702に載置した上でその仮置き部702に沿ってスライドさせることができる。これにより、比較的重量の嵩む遊技盤ユニット13を、内枠12における取付完了位置へ向けて正確に変位させやすくできるので、遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの接続を開始する際に、これら両コネクタ300A,300Bどうしが衝突して破損することを抑制できる。また、遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの接続が開始された後やその接続を解除する際には、遊技盤ユニット13を内枠12に対して一定の姿勢で変位させやすくすることができるので、遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの間に無理な力が作用して破損することを抑制できる。
【0115】
なお、第2仮置き部702が台座700の前面へ向けて張り出す張り出し寸法は、その第2仮置き部702に遊技盤ユニット13の底面60b(第2底面60b2)が載置され、かつ、遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの接続が解除された状態を形成可能な長さ寸法に設定される。よって、先に遊技盤ユニット13の底面60bを第2仮置き部702に載置し、その後、遊技盤ユニット13を第2仮置き部702に沿ってスライドさせ、遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの接続を行うことができる。また、遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの接続の解除が完了された際に、遊技盤ユニット13を第2仮置き部702に載置された状態で保持することができる。その結果、比較的重い遊技盤ユニット13の内枠12への取り付け及び取り外しの作業と、遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの接続および解除との作業性の向上を図ることができる。
【0116】
ここで、パチンコ機10は、遊技球の遊技領域でのスムーズな転動(流下)を考慮して、上端側を後方(背面側)へ位置させる傾斜姿勢(後方へ傾斜した姿勢)で設置される。この場合、第2仮置き部702は、パチンコ機10が設置された状態において水平な平坦面となるように、台座700の前面(遊技機前方)へ向けて下降傾斜する平坦面として形成される。この場合、パチンコ機10が設置された状態において、内枠12における取付完了位置へ向けて遊技盤ユニット13を変位させる際に、その取付完了位置へ向けて第2仮置き部702が下降傾斜されると、遊技盤ユニット13を回動操作する際に不用意に勢いがついて、両コネクタ300A,300Bを接続する際の衝撃が大きくなる一方、取付完了位置へ向けて第2仮置き部702が上昇傾斜されると、遊技盤ユニット13を回動操作する作業者の負荷が大きくなるところ、本字実施形態では、第2仮置き部702が水平とされることで、接続時の衝撃発生の抑制と作業者の負荷低減との両立を図ることができる。
【0117】
次いで、
図8及び
図9を参照して、遊技盤ユニット13について説明する。
図8は、遊技盤ユニット13の背面図であり、
図9は、
図8の矢印IX方向視における遊技盤ユニット13の底面図である。
【0118】
図8及び
図9に示すように、遊技盤ユニット13は、樹脂材料から形成されるカバー部材74がベース板60の背面に配設され、ベース板60の背面に配設される各種構造部品や電気部品がカバー部材74の内部空間に収容される。カバー部材74は、背面視において、ベース板60の外形よりも小さな外形に設定され、ベース板60の側部60aがカバー部材74の外縁よりも突出される。これにより、遊技盤ユニット13を内枠12に取り付ける際には、内枠12の挿入部128(ストッパ部126と背面板部125及び背面保持部127との間)にベース板60の側部60aが挿入可能とされる。
【0119】
また、ベース板60の背面のうちの取付面BEには、遊技盤側コネクタ300Aが配設される。遊技盤側コネクタ300Aは、上述したように、内枠12における取付完了位置へ遊技盤ユニット13が変位されることで、内枠12の内枠側コネクタ300Bに接続されると共に、内枠12における取付完了位置から遊技盤ユニット13が変位されることで、内枠12の内枠側コネクタ300Bとの接続が解除されるものであり、カバー部材74の下方(
図8下側)であって、側部60aと反対側(即ち、内枠12へ遊技盤ユニット13を取り付ける際の回動先端側、
図8左側)となる端部に配設される。
【0120】
遊技盤側コネクタ300Aは、箱状に形成される台座400と、その台座400に遊動可能な状態(接続の方向に直交する方向(矢印R−L及び矢印U−Dの方向、
図10及び
図11参照)への変位が許容された状態)で装着される第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600とを備える。
【0121】
台座400は、ベース板60の幅方向(
図8左右方向)において側部60aと反対側の端部(遊技盤ユニット13の回動先端側、
図8左側)に配設される。台座400には、第1開口421及び第2開口422が開口形成され、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600は、この台座400の第1開口421及び第2開口422を介して、遊技機後方(内枠12側)へ突出される。これにより、内枠12に対し遊技盤ユニット13を回動させる(取付完了位置へ変位させる)ことで、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の先端側が第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)にそれぞれ挿入され、遊技盤側コネクタ300Aは、内枠12の内枠側コネクタ300Bと接続可能とされる。
【0122】
第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600は、遊技機斜め後方(内枠12に遊技盤ユニット13を取り付ける際の遊技盤ユニット13の回動基端側、
図9右上側)へ向けた傾斜姿勢でそれぞれ配設される一方、それらの前後位置(
図9上下方向位置)は略同一の位置に設定される。これにより、内枠12に対する遊技盤ユニット13の回動動作に伴う遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bの接続およびその解除をスムーズに行うことができると共に、両コネクタ300A,300Bに歪等が発生することを抑制でき、また、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の配設に要するスペース(占有空間)が上下および左右に拡がることを抑制できる。
【0123】
ベース板60の背面には、配線保持部材75が配設される。配線保持部材75は、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の電気的接続線WHを保持するための部材であり、遊技盤側コネクタ300Aの上方(
図8上側)であって、遊技盤側コネクタ300Aよりもベース板60の背面側(
図9上側)へ突出する位置に配設される。
【0124】
配線保持部材75の底面(遊技盤側コネクタ300A側の面、
図8下側の面)には、開口75aが正面視横長の矩形状の開口として形成され、その開口75aに第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の電気的接続線WHが挿通される。電気的接続線WHは、開口75aの内周面に当接されることで保持される。これにより、電気的接続線WHを拘束して、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600までの電気的接続線WHの長さを一定に保つことができる。
【0125】
ベース板60は、上述したように、その底面60bが段差を有する階段状に形成される。詳細には、底面60bは、側部60a側(遊技盤ユニット13の回動先端側)に配設される第1底面60b1とその第1底面60b1に連設されると共に遊技盤側コネクタ300A側(遊技盤ユニット13の回動基端側)に配設される第2底面60b2とからなり、第1底面60b1が第2底面60b2よりも上方(
図8上側)に配置される。遊技盤ユニット13(ベース板60の側部60a)を内枠12の挿入部128(
図5参照)に挿入し回動させる際には、先に、底面60bのうちの第1底面60b1が第1仮置き部129(
図5参照)に仮置きされ、その状態から遊技盤ユニット13の回動(取付完了位置への変位)が更に進行されると、次いで、底面60bのうちの第2底面60b2が第2仮置き部702(
図7参照)に仮置きされ、その後、遊技盤側コネクタ300Aと内枠12の内枠側コネクタ300Bとの接続が開始される。
【0126】
この場合、本実施形態では、ベース板60の底面60bにおいて、第1底面60b1と第2底面60b2との間の高低差(
図8上下方向における高さ位置の差)は、内枠12における第1仮置き部129と第2仮置き部702との間の高低差(
図6上下方向における高さ位置の差)よりも大きく設定される。そのため、第1底面60b1が第1仮置き部129に仮置きされた状態から遊技盤ユニット13の回動(取付完了位置への変位)が更に進行されると、第2底面60b2が第2仮置き部702に乗り上げた状態となり、これに伴って、第1底面60b1が第1仮置き部129から離間される。
【0127】
即ち、内枠12の内枠側コネクタ300bにおける前方(正面)において、ベース板60の第2底面60b2と第2仮置き部702との接触が確保された後に、遊技盤ユニット13の遊技盤側コネクタ300Aと内枠12の内枠側コネクタ300Bとの接続を開始させることができる。よって、第1仮置き部129と第1底面60b1との間の関係(寸法公差)に影響を受けず、第2仮置き部702と第2底面60b2との間の関係(寸法公差)のみで両コネクタ300A,300Bの高さ位置を規定することができる。その結果、両コネクタ300A,300Bの接続が開始される際に、少なくとも遊技盤ユニット13(ベース板60)の回動先端側の内枠12に対する高さ方向位置(上下位置)のばらつきを抑制することができるので、その分、両コネクタ300A,300Bの接続を円滑に開始させることができる。
【0128】
次いで、
図10から
図24を参照して、遊技盤側コネクタ300Aの詳細構成について説明する。
図10は、遊技盤側コネクタ300Aの正面斜視図である。また、
図11(a)は、遊技盤側コネクタ300Aの正面図であり、
図11(b)は、
図11(a)の矢印XIb方向視における遊技盤側コネクタ300Aの側面図である。
【0129】
なお、
図10及び
図11において、矢印R−L、矢印U−D及び矢印L−Rは、互いに直交する方向を示しており、矢印R−Lは、台座400の第1正面板411及び第2正面板412に平行で且つ台座400の長手方向に平行な方向を示し、矢印U−Dは、台座400の第1正面板411及び第2正面板412に平行で且つ台座400の短手方向に平行な方向を示し、矢印F−Bは、台座400の第1正面板411及び第2正面板412に垂直な方向を示す。
図12以降の各図においても同様であるので、その説明は省略する。
【0130】
図10及び
図11に示すように、遊技盤側コネクタ300Aは、箱状に形成される台座400と、その台座400に保持される第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600とを備える。台座400は、第1正面板411及び第2正面板412の第1開口421及び第2開口422に第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600をそれぞれ挿通させることで、上述したように、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600を接続の方向(矢印F−B方向)に直交する方向(矢印R−L方向又は矢印U−D方向)に変位可能に保持する。ここで、
図12から
図14を参照して、台座400の詳細構成について説明する。
【0131】
図12は、台座400の正面斜視図であり、
図13(a)は、台座400の正面図であり、
図13(b)は、
図13(a)の矢印XIIIb方向視における台座400の側面図である。また、
図14(a)は、
図13(a)のXIVa−XIVa線における台座400の断面図であり、
図14(b)は、
図13(a)のXIVb−XIVb線における台座400の断面図である。なお、
図13(b)、
図14(a)及び
図14(b)では、遊技機ユニット13の背面であって遊技盤側コネクタ300Aが取り付けられる取付面BEが二点鎖線を用いて模式的図に図示される。
【0132】
図12から
図14に示すように、台座400は、遊技盤ユニット13(
図8及び
図9参照)の背面に所定間隔を隔てて対向配置される平板状の第1正面板411及び第2正面板412と、それら第1正面板411及び第2正面板412の間を接続する接続板413と、第1正面板411及び第2正面板412の正面視矩形の4辺のうちの互いに対向する短辺(
図13(a)の右側および左側の辺)にそれぞれ接続される短手側壁414,415及び4辺のうちの互いに対向する長辺(
図13(a)の上側および下側の辺)にそれぞれ接続される長手側壁
板416,417と、を備え、これら各部位が樹脂材料から一体に形成されることで、背面側(
図14(a)及び
図14(b)の下側)が開放された箱状に形成される。
【0133】
第1正面板411、第2正面板412、接続板413、短手側壁414,415及び長手側壁
板416,417は、互いに同一の板厚寸法に設定されると共に、これらの板厚寸法は、後述する第1基端側弾性片441などの各弾性片441,451,442,452の板厚寸法よりも大きくされる。このように、台座400の外殻を形成する部位の板厚寸法を全体に同一の板厚寸法に設定すると共に、基端が固定され先端が自由端となる片持ち片として形成される各弾性片441,451,442,452と外殻を形成する部位との間に板厚寸法の差を設けることで、成型金型内での素材の流動性が悪化しやすい各弾性片441,451,442,452における成型性を確保して、成型時の歩留まりの向上を図りつつ、外殻の剛性を確保して、各弾性片441,451,442,452や第1及び第2オスコネクタ500,600の弾性変形や変位を安定して保持することができる。
【0134】
第1正面板411及び第2正面板412は、矢印F−B方向に位置を異ならせつつ互いに平行に配設される。詳細には、第1正面板411及び第2正面板412は、台座400が遊技盤ユニット13の取付面BEに取り付けられた状態では(
図9参照)、ベース板60の側部60aへ向けて下降傾斜される一方、遊技盤ユニット13における前後位置(
図14(a)及び
図14(b)の上下方向位置)が略同一の位置となるように形成される。これにより、上述したように、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600を、遊技機斜め後方へ向けた傾斜姿勢でそれぞれ配設すると共に、それらの前後位置を略同一の位置に設定できる(
図9参照)。
【0135】
第1正面板411には、第1開口421が開口形成される。第1開口421は、第1オスコネクタ500を挿通するための開口であり(
図10参照)、正面視横長の矩形状に形成される中央開口421aの外縁に正面視横長の矩形状に形成される一対の基端側開口421b及び一対の先端側開口421cがそれぞれ連なることで1の開口として形状とされる。これにより、第1正面板411には、基端が長手側壁板416,417側に保持されると共に先端が第1開口421内に突出される一対の中間正面板411aと、基端が長手側壁板416,417及び短手側壁板414側に保持されると共に先端が第1開口421内に突出される一対の基端側正面板411b及び一対の先端側正面板411cとが形成される。
【0136】
第2正面板412には、第2開口422が開口形成される。第2開口422は、第2オスコネクタ600を挿通するための開口であり(
図10参照)、正面視横長の矩形状に形成される中央開口422aの外縁に正面視横長の矩形状に形成される一対の基端側開口422b及び一対の先端側開口422cがそれぞれ連なることで1の開口として形状とされる。これにより、第2正面板412には、基端が長手側壁板416,417側に保持されると共に先端が第2開口421内に突出される一対の中間正面板412aと、基端が長手側壁板416,417及び短手側壁板415側に保持されると共に先端が第2開口422内に突出される一対の基端側正面板412b及び一対の先端側正面板412cとが形成される。
【0137】
ここで、第2正面板412は、中間正面板412aの矢印R−L方向における長さ寸法が、第1正面板411における中間正面板411aの矢印R−L方向における長さ寸法よりも長くされる点を除き、第1正面板411と略同一に構成される。よって、これに伴い、第2開口422についても、中央開口422aの矢印R−L方向における長さ寸法が、第1開口421における中央開口421aの矢印R−L方向における長さ寸法よりも長くされる点を除き、第1開口421と略同一に構成される。
【0138】
第1正面板411及び第2正面板412の中間正面板411a,412aには、基端側開口421b,422bに接する外縁であってその外縁の正面(
図14(a)及び
図14(b)の上側)に、基端側開口421b,422bへ向かうに従って下降傾斜する傾斜面411a1,412a1が形成される。これにより、後述するように、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600を台座400に組み付ける際の作業性の向上を図ることができる。
【0139】
但し、第1正面板411の中間正面板411aに対し、傾斜面411a1の形成を省略しても良い。上述したように、第1開口421は、第2開口422に対し、矢印R−L方向における長さ寸法が短くされるので、基端側開口421b及び先端側開口421cの離間距離も短くされ、その分、傾斜面411a1が省略されたとしても、第1オスコネクタ500を台座400に組み付ける際の作業性を確保できるからである。一方、傾斜面411a1の形成を省略する(板厚寸法を一定とする)ことで、その分、中間正面板411aの剛性を高め、耐久性の向上を図ることができる。
【0140】
短手側壁板414,415及び長手側壁板416,417は、第1正面板411及び第2正面板412と反対側となる背面側(
図14(a)及び
図14(b)の下側)の端面が全体に面一に形成され、後述する基端側固定部431、中間固定部432及び先端側固定部433が遊技盤ユニット13に締結固定されることで、短手側壁板414,415及び長手側壁板416,417の背面側の端面が遊技盤ユニット13の取付面BEに密着される。これにより、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の変位または後述する第1基準側弾性片441などの各弾性片441,451,442,452の弾性変形に対する台座400の支持剛性を高めることができる。
【0141】
長手側壁板416には、第1正面板411及び第2正面板412と反対側となる背面側(
図14(a)及び
図14(b)の下側)の端面に切り欠き部416aが切り欠き形成される。切り欠き部416aは、遊技盤ユニット13の取付面BEとの間に、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の電気的接続線WHを通過させる通路を形成するための部位であり、正面視横長の矩形に形成される。
【0142】
台座400には、基端側固定部431、中間固定部432及び先端側固定部433が形成される。これら各固定部431〜433は、遊技盤ユニット13へ締結固定される部位であり、基部側固定部431及び先端側固定部433は、短手側壁板414及び長手側壁板416の外面にそれぞれ一体に配設される一方、中間固定部432は、第1正面板411及び第2正面板412の接続部分(即ち、接続板413)に一体に配設される。
【0143】
これら各固定部431〜433は、背面(
図14(a)及び
図14(b)の下側)が開放されており、その開放部分を介して、遊技盤ユニット13の背面から突出される突出部(図示せず)が各固定部431〜433の内部にそれぞれ挿入されると共に、それら挿入された突出部に各固定部431〜433の挿通孔に挿通された締結ねじが締結固定される。即ち、突出部に対して各固定部431〜433がそれぞれ締結ねじにより締結固定されるだけでなく、各固定部431〜433の内部に突出部が内嵌されて係合されるので、遊技盤ユニット13に対して台座400を強固に固定して、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の変位または後述する第1基準側弾性片441などの各弾性片441,451,442,452の弾性変形に対する台座400の支持剛性を高めることができる。
【0144】
各固定部431〜433の背面側(
図14(a)及び
図14(b)の下側)の端面は、短手側壁板414,415及び長手側壁板416,417の背面側の端面と面一に形成され、短手側壁板414,415及び長手側壁板416,417と共に、遊技盤ユニット13の取付面BEに密着される。これにより、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の変位または後述する第1基準側弾性片441などの各弾性片441,451,442,452の弾性変形に対する台座400の支持剛性を高めることができる。
【0145】
また、台座400には、第1開口421に対応して、第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451が形成されると共に、第2開口422に対応して、第2基端側弾性片442及び第2先端側弾性片452が形成される。第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451は、第1開口421に挿通される第1オスコネクタ500に対し、第2基端側弾性片442及び第2先端側弾性片452は、第2開口422に挿通される第2オスコネクタ600に対し、それらの位置決め及び初期位置への復帰のための付勢をそれぞれ行うための部位である(
図19参照)。
【0146】
第1基端側弾性片441は、側面視J字状に形成される弾性片であり、厚み寸法および幅寸法が基端から先端までの範囲にわたって略一定に形成される。詳細には、第1基端側弾性片441は、側面視円弧状に湾曲して形成され一端(第1基端側弾性片441の基端)を短手側壁板414の正面側(
図14(a)及び
図14(b)の上側)の端面に接続する湾曲部分441aと、その湾曲部分441aの他端に一端が接続され側面視直線状に形成されると共に短手側壁板414の内面に所定間隔を隔てつつ平行に対向配置される直線部分441bとを備える。
【0147】
第1先端側弾性片451は、側面視L字状に形成される弾性片であり、矢印R−L方向において第1基端側弾性片441と所定間隔を隔てつつ対向配置されると共に、厚み寸法および幅寸法が基端から先端までの範囲にわたって略一定に形成される。詳細には、第1先端側弾性片451は、中間固定部432の最も背面側(
図14(a)及び
図14(b)の下側)における外面に一端(第1先端側弾性片451の基端)が接続され第1基端側弾性片441へ向けて張り出す側面視直線状の張出部分451aと、その張出部分451aの他端に一端が接続され側面視直線状に形成されると共に中間固定部432の外面に所定間隔を隔てつつ平行に対向配置される直線部分451bと、その直線部分451bの他端から第1基端側弾性片441へ向けて側面視直線状に延設される延設部分451cとを備える。
【0148】
第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451は、互いの直線部分441b,451bが平行に対向配置される姿勢で形成され、それら直線部分441b,451bの対向間隔が第1オスコネクタ500の長手方向寸法よりも若干小さくされる。これにより、第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451の間に第1オスコネクタ500を挟み込むことができるので、かかる第1オスコネクタ500を矢印R−L方向における初期位置に位置決めすることができる。また、台座400に対して第1オスコネクタ500を矢印R−L方向へ変位させる外力が作用される場合には、第1基端側弾性片441又は第1先端側弾性片451が弾性変形することで、第1オスコネクタ500の変位を許容して、破損を防止できる一方、外力が解除された後は、第1基端側弾性片441又は第1先端側弾性片451の弾性回復力により第1オスコネクタ500を初期位置へ復帰させることができる(
図19から
図21参照)。
【0149】
第2基端側弾性片442及び第2先端側弾性片452は、それぞれ上述した第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451と実質的に同一に形成される。即ち、第2基端側弾性片442は、側面視J字状に形成される弾性片であり、厚み寸法および幅寸法が基端から先端までの範囲にわたって略一定に形成される。詳細には、第2基端側弾性片442は、側面視円弧状に湾曲して形成され一端(第2基端側弾性片442の基端)を中間固定部432の正面側(
図14(a)及び
図14(b)の上側)の端面に接続する湾曲部分442aと、その湾曲部分442aの他端に一端が接続され側面視直線状に形成されると共に中間固定部432の外面に所定間隔を隔てつつ平行に対向配置される直線部分442bとを備える。
【0150】
第2先端側弾性片452は、側面視L字状に形成される弾性片であり、矢印R−L方向において第2基端側弾性片442と所定間隔を隔てつつ対向配置されると共に、厚み寸法および幅寸法が基端から先端までの範囲にわたって略一定に形成される。詳細には、第2先端側弾性片452は、短手側壁板415の最も背面側(
図14(a)及び
図14(b)の下側)における内面に一端(第2先端側弾性片452の基端)が接続され第2基端側弾性片442へ向けて張り出す側面視直線状の張出部分452aと、その張出部分452aの他端に一端が接続され側面視直線状に形成されると共に短手側壁板415の内面に所定間隔を隔てつつ平行に対向配置される直線部分452bとを備える。
【0151】
ここで、第1先端側弾性片451の延設部分451cは、後述するように、第1正面板411の中間正面板411a及び基端側正面板411bと共に、第1オスコネクタ500に係合(当接)して、かかる第1オスコネクタ500が第1開口421から矢印F方向へ抜け出ることを規制するための部位である(
図19参照)。本実施形態では、第1先端側弾性片451には、直線部分451bの他端に延設部分451cが形成されるが、第2先端側弾性片452には、直線部分452bの他端への延設部分の形成が省略される。
【0152】
これは、本実施形態では、第2正面板412の中間正面板412aは、第1正面板411の中間正面板411aよりも、矢印R−L方向における長さ寸法が長くされるため、その分、第2オスコネクタ600との係合(当接)面積を確保でき、第2オスコネクタ600が第2開口422から矢印F方向へ抜け出ることを第2正面板412の中間正面板412a及び基端側正面板412bのみにより規制することができるからである。即ち、本実施形態によれば、第2先端側弾性片452への延設部分の形成を省略することができ、その分、第2先端側弾性片452の形状を簡素化して、成型時の歩留まりを高めることができると共に、素材量を軽減して、材料コストの削減を図ることができる。但し、第2先端側弾性片452に延設部分を設けても良い。
【0153】
第2基端側弾性片442及び第1先端側弾性片452は、互いの直線部分442b,452bが平行に対向配置される姿勢で形成され、それら直線部分442b,452bの対向間隔が第2オスコネクタ600の長手方向寸法よりも若干小さくされる。これにより、上述した第1オスコネクタ500の場合と同様に、第2基端側弾性片442及び第2先端側弾性片452の間に第2オスコネクタ600を挟み込むことができるので、かかる第2オスコネクタ600を矢印R−L方向における初期位置に位置決めすることができる。また、台座400に対して第2オスコネクタ600を矢印R−L方向へ変位させる外力が作用される場合には、第2基端側弾性片442又は第2先端側弾性片452が弾性変形することで、第2オスコネクタ600の変位を許容して、破損を防止できる一方、外力が解除された後は、第2基端側弾性片442又は第2先端側弾性片452の弾性回復力により第2オスコネクタ600を初期位置へ復帰させることができる(
図19から
図21参照)。
【0154】
図10及び
図11に戻って説明する。上述したように、台座400は、正面視横長の矩形状に形成され、台座400の長手方向に対し、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600がその長手方向を沿わせて一列に配設される。ここで、
図15から
図18を参照して、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の詳細構成について説明する。
【0155】
図15は、第1オスコネクタ500の正面斜視図である。
図16(a)は、第1オスコネクタ500の正面図であり、
図16(b)は、
図16(a)の矢印XVIb方向視における第1オスコネクタ500の側面図である。また、
図17(a)及び
図17(b)は、
図16(a)の矢印XVIIa方向視および矢印XVIIb方向視における第1オスコネクタ500の側面図である。なお、
図15から
図17では、第1オスコネクタ500の電気的接続線WHの図示が省略される。
【0156】
図15から
図17に示すように、第1オスコネクタ500は、正面視横長の矩形状に形成されるハウジング510と、そのハウジング510の上下(矢印U−D側)の外壁面に幅方向(矢印R−L方向)に沿って等間隔に列設されると共に導電性材料からなる複数の接点部材520とを備える。
【0157】
ハウジング510には、幅方向(矢印R−L)両側の側壁面から被ガイド部530が突設される。被ガイド部530は、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900のガイド溝部830に嵌入される断面コ字状の凸部であり、接続の方向(矢印F−B方向)に沿って直線状に延設される2本が所定間隔を隔てつつ平行に並設される。また、被ガイド部530の先端には、先端へ向けて下降傾斜する傾斜面(案内面530a及び案内面530b)が形成されることで、先細形状に形成される。
【0158】
よって、上述したように、接続初期においては、被ガイド部530の先端(案内面530a,530b)を第1メスコネクタ800の案内面810a,830aによりガイド溝部830へ向けて案内可能として、接続初期における被ガイド部530とガイド溝部830との間の位置ズレを許容できる。被ガイド部530の先端(案内面530a,530b)がガイド溝部830へ挿入された後(即ち、案内面810a,830aを通過した後)は、被ガイド部530がガイド溝830の延設方向に沿って嵌入されることで、第1メスコネクタ800に対する第1オスコネクタ500の傾斜を矯正でき、両者の接点部材820,520を適切な状態で接触させることができる。
【0159】
なお、被ガイド部530は、並設される2本の幅寸法が互いに異なる寸法値に設定される。これにより、上述したように、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が正規の姿勢から上下反転された姿勢で第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900に接続されることを規制することができる。
【0160】
ハウジング510の背面側(矢印B側)には、基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543からなる正面板の群と、その正面板の群よりも背面側に更に後退して配設される基端側背面板551、先端側背面板552及び側部背面板553からなる背面板の群とが形成される。
【0161】
第1オスコネクタ500の正面板の群は、第1オスコネクタ500が台座400に取り付けられた状態(即ち、第1開口421に挿通された状態)において、台座400の第1正面板411の正面側に配置される部位であり、台座400の第1正面板411に対して正面視において重なる部分を有して形成される(
図11参照)。よって、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800を接続する際に、第1オスコネクタ500の正面板の群を台座400の第1正面板411に当接させて、第1オスコネクタ500の台座400に対する背面方向(矢印B方向)への変位を規制することができる。これにより、第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800の接続口(受入口)内の所定位置まで確実に挿入させ、適正な接続状態を形成することができる。
【0162】
詳細には、基端側正面板541は、ハウジング510の上下(矢印U−D側)の外壁面からそれぞれ外方へ張り出す正面視矩形の一対の板状体として形成される。同様に、先端側正面板542は、ハウジング510の上下(矢印U−D側)の外壁面からそれぞれ外方へ張り出す正面視矩形の一対の板状体として形成され、基端側正面板541に対して、ハウジング510の長手方向(矢印R−L方向)に所定間隔を隔てて配設される。一方、側部正面板543は、ハウジング510の長手方向一側(矢印R側)の外壁面から外方へ張り出すと共にハウジング510の上下(矢印U−D方向)に所定間隔を隔てて配設される正面視矩形の一対の板状体として形成される。
【0163】
これら各正面板541,542,543は、それぞれ同一の厚み寸法(矢印F−B方向寸法)を有して形成され、互いに平行となる姿勢で配設されると共に、互いに同一の前後方向(矢印F−B方向)位置に配設される。即ち、各正面板541,542,543の背面(
図16(b)下側の面)が面一に配設されるので、かかる背面を台座400の第1正面板411の正面に均一に当接させることができる。これにより、荷重が一部に偏ることを抑制して、耐久性の向上を図ることができると共に、台座400に対して第1オスコネクタ500を接続の方向と直交する方向(矢印U−D方向または矢印R−L方向)へスムーズに変位させることができる。
【0164】
第1オスコネクタ500の背面板の群は、第1オスコネクタ500が台座400に取り付けられた状態(即ち、第1開口421に挿通された状態)において、台座400の第1正面板411の背面側(即ち、台座400の第1正面板411を挟んで第1オスコネクタ500の正面板の群の反対側)に配置される部位であり、台座400の第1正面板411に対して正面視において重なる部分を有して形成される(
図11参照)。よって、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800の接続を解除する際に、第1オスコネクタ500の背面板の群を台座400の第1正面板411及び第1先端側弾性片451の延設部分451cに当接させて、第1オスコネクタ500の台座400に対する正面方向(矢印F方向)への変位を規制することができる。これにより、第1オスコネクタ500が台座400の第1開口421から抜け出ることを抑制し、かかる第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800の接続口(受入口)から確実に抜き取ることができる。
【0165】
詳細には、基端側背面板551は、ハウジング510の長手方向他側(矢印L側)の外壁面から外方へ張り出す正面視矩形の板状体として形成される。先端側背面板552は、ハウジング510の上下(矢印U−D側)の外壁面からそれぞれ外方へ張り出す正面視矩形の一対の板状体として形成されると共に、正面視において、上述した基端側正面板541と先端側正面板542との対向間に配設される。また、側部背面板553は、ハウジング510の長手方向一側(矢印R側)の外壁面から外方へ張り出す正面視矩形の板状体として形成され、正面視において、上述した側部正面板543(一対の板状体)の対向間に配設される。
【0166】
これら各背面板551,552,553は、それぞれ同一の厚み寸法(矢印F−B方向寸法)を有して形成され、互いに平行となる姿勢で配設されると共に、互いに同一の前後方向(矢印F−B方向)位置に配設される。即ち、各背面板551,552,553の正面(
図16(b)上側の面)が面一に配設されるので、かかる正面を台座400の第1正面板411の背面に均一に当接させることができる。これにより、荷重が一部に偏ることを抑制して、耐久性の向上を図ることができると共に、台座400に対して第1オスコネクタ500を接続の方向と直交する方向(矢印U−D方向または矢印R−L方向)へスムーズに変位させることができる。
【0167】
なお、第1オスコネクタ500の正面板の群(各正面板541〜543)に対して背面板の群(各背面板551〜553)が背面側(矢印B方向)に後退する後退量(即ち、各正面板541〜543の背面と各背面板551〜553の正面との間の矢印F−B方向における間隔)は、台座400の第1正面板411の板厚寸法と略同一の値または第1正面板411の板厚寸法より若干大きな値に設定され、正面板の群と背面板の群との間に台座400の第1正面板411が挟装可能とされる。
【0168】
また、先端側背面板542は、ハウジング510の上下(矢印U−D側)の外壁面に接続される接続部542aと、その接続部542aから基端側背面板541と反対側へ向へてハウジング510の長手方向(矢印R−L方向)と平行に延設される延設部552bと、その延設部552bの延設先端からハウジング510の正面(矢印F方向)へ突設される係合部552cとからなる。
【0169】
先端側背面板542の係合部552bは、第1オスコネクタ500が台座400に取り付けられた状態(即ち、第1開口421に挿通された状態)において、台座400の第1開口421における先端側開口421c内に配置される。即ち、先端側背面板542の係合部552bは、その側面(
図16(a)及び
図16(b)右側の面)が台座400の第1開口421における先端側開口421cの内周面に対面される。よって、台座400に対して第1オスコネクタ500がその長手方向他側(矢印L方向)へ向けて変位される場合には、先端側背面板542の係合部542bが先端側開口421cの内周面に当接して係合されることで、第1オスコネクタ500の台座400に対する矢印L方向への変位を規制することができる(
図21参照)。
【0170】
なお、本実施形態では、係合部552bが延設部552bから突設される突設寸法は、台座400の第1正面板411の板厚寸法と略同一とされる。これにより、係合部552bの側面と台座400の先端側開口421cの内周面との係合面積を最大に確保しつつ、台座400に第1オスコネクタ500を組み付ける際に必要とされる先端側背面板542の弾性変形量(即ち、係合部542cの後退量)を抑制して、その組み付け性の向上を図ることができる。
【0171】
この場合、先端側背面板542は、接続部542aと係合部542cとの間に延設部542bが介設されるので、延設部542bを弾性変形させることで、係合部542cを前後(矢印F−B方向)に変位させることができる。これにより、台座400に第1オスコネクタ500を組み付ける際には、後述するように、延設部542bの弾性変形を利用して、係合部542cを、後方(矢印B方向)へ退避させつつ、台座400の先端側開口421c内に配置させることができる(
図24参照)。その結果、台座400への第1オスコネクタ500の組み付け性の向上が図られる。
【0172】
基部側正面壁541の背面および先端側正面壁542の背面には、基端側係合面561及び先端側係合面562がそれぞれ形成される。これら基端側係合面561及び先端側係合面562は、第1オスコネクタ500が台座400に取り付けられた状態(即ち、第1開口421に挿通された状態)において、台座400の第1開口421における基端側開口421b及び先端側開口421c内にそれぞれ配置される(
図11参照)。
【0173】
即ち、基端側係合面561は、先端側背面板542における係合部542cの側面(
図16(a)及び
図16(b)右側の面)に対向配置されると共に、台座400の第1開口421における基端側開口421bの内周面に対面される。また、先端側係合面562は、基端側係合部561と同じ方向を向いて配置され、台座400の第1開口421における先端側開口421cの内周面に対面される。
【0174】
これにより、台座400に対して第1オスコネクタ500がその長手方向一側(矢印R方向)へ向けて変位される場合には、基端側係合面561が基端側開口541bの内周面に、先端側係合面562が先端側開口541cの内周面に、それぞれ係合されることで、第1オスコネクタ500の台座400に対する矢印R方向への変位を規制することができる。即ち、基端側係合面561及び先端側係合面562が基端側開口541bの内周面および先端側開口541cの内周面にそれぞれ係合されるまで、第1オスコネクタ500の台座400に対する矢印R方向への変位が許容される。
【0175】
次いで、
図18を参照して、第2オスコネクタ600について説明する。
図18は、第2オスコネクタ600の正面斜視図である。なお、
図18では、第2オスコネクタ600の電気的接続線WHの図示が省略される。
【0176】
図18に示すように、第2オスコネクタ600は、正面視横長の矩形状に形成されるハウジング610と、そのハウジング610の上下(矢印U−D側)の外壁面に幅方向(矢印R−L方向)に沿って等間隔に列設されると共に導電性材料からなる複数の接点部材520とを備える。
【0177】
ここで、第2オスコネクタ600は、第1オスコネクタ500に対し、接点部材520の列設間隔が同一とされる一方、列設数が多くされる。そのため、第2オスコネクタ600のハウジング610は、第1オスコネクタ500のハウジング510よりも、その長手方向(矢印R−L方向)寸法が長くされる。この場合、第2オスコネクタ600は、その先端側背面板652における接続部652aの長さ寸法(矢印R−L方向寸法)を、第1オスコネクタ500の先端側背面板552における接続部652aの長さ寸法(矢印R−L方向寸法)よりも長くすることで、ハウジング610の長手方向寸法の拡大に対応される。
【0178】
このように、本実施形態では、先端側背面板652において、接続部652aの長さ寸法を延長することで、ハウジング610の長手方向寸法の拡大に対応するので、第2オスコネクタ600の背面板の群を台座400の正面板412に当接させて、第2オスコネクタ600の台座400に対する正面方向(矢印F方向)への変位を規制する際には、その規制に寄与する部位(接続部652a)の面積を効果的に確保できる。
【0179】
これにより、接点部材520の列設数が増加される分、解除の際の抵抗が大きくなる場合であっても、第2オスコネクタ600及び第2メスコネクタ900の接続を解除する際に、第2オスコネクタ600が台座400の第2開口422から抜け出ることを抑制でき、その結果、かかる第2オスコネクタ600を第2メスコネクタ900の接続口(受入口)から確実に抜き取ることができる。
【0180】
また、接続部652aの長さ寸法が延長されることで、上述の通り、規制に寄与する部位の面積を確保できるので、その分、側部背面板553に当接するための部分を先端側弾性片452に形成することを省略できる。即ち、第2先端側弾性片452では、第1先端側弾性片451で設けた延設部分451cを省略できる。これにより、先端側弾性片452の形状を簡素化して、成型性を高めることができ、その分、成型時の歩留まりの向上を図ることができる。同時に、このように、第2先端側弾性片452への延設部の形成が省略されることで、その分、長手方向(矢印R−L方向)寸法が比較的長くされる第2オスコネクタ600であっても、かかる第2オスコネクタ600を台座400(第2開口422)に組み付ける(挿通させる)際の作業性の向上を図ることができる。
【0181】
なお、第2オスコネクタ600は、ハウジング610及び先端側背面板652の接続部652aの構成(長手方向(矢印R−L方向)寸法)が、第1オスコネクタ500におけるハウジング510及び先端側背面板552の接続部552aと異なる点を除き、他の構成については、第1オスコネクタ500における各構成と同一であるので、同一の構成には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0182】
図10及び
図11に戻って説明する。遊技盤側コネクタ300Aでは、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の初期位置が規定可能に形成され、また、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が接続の方向と直交する方向(矢印U−D方向または矢印R−L方向)へ変位可能に形成されると共に、台座400に対する第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の接続の方向と直交する方向への変位が所定の範囲内で規制可能に形成される。
【0183】
この場合、本実施形態では、台座400に対する初期位置を規定する構造、台座400に対する変位を許容する構造、及び、その変位の許容範囲を所定範囲内に規制する構造が、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の両者において実質的に同一であるので、以下においては、第1オスコネクタ500における構造のみを説明して、第2オスコネクタ600における構造の説明は省略する。
【0184】
まず、台座400に対する第1オスコネクタ500の初期位置を規定する構造について説明する。なお、この説明においては、
図19を適宜参照する。
図19は、
図11(a)のXIX−XIX線における遊技盤側コネクタ300Aの断面図である。
図19では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の断面形状をその全体にハッチングを付して模式的に図示する。
【0185】
図10、
図11及び
図19に示すように、遊技盤側コネクタ300Aは、台座400に対して第1オスコネクタ500が組み付けられた状態(即ち、台座400の第1開口411に第1オスコネクタ500が挿通された状態)では、矢印R−L方向において、第1オスコネクタ500が第1基端側弾性片441と第1先端側弾性片451との対向間に挟装される。
【0186】
詳細には、第1オスコネクタ500は、基端側背面板551の側面を第1基端側弾性片441の直線部分441bに、側部背面板553の側面を第1先端側弾性片441の直線部分451bに、それぞれ当接させ、これら第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451を互いに離間する方向へ若干弾性変形させた状態で配設される。これにより、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印R−L方向における初期位置を規定できる。
【0187】
ここで、台座400に対する第1オスコネクタ500の接続の方向と直交する方向(矢印U−D方向または矢印R−L方向)への変位が許容される構造では、内枠12における取付完了位置に遊技盤ユニット13が配置された状態で、第1オスコネクタ500と第1メスコネクタ800との間に位置ばらつきがある場合でも、第1オスコネクタ500が台座400に対して接続の方向と直行する方向へ変位されることで、位置ばらつきを吸収することができ、その結果、第1オスコネクタ500と第1メスコネクタ800とを接続させることができる。
【0188】
しかしながら、このように、台座400に対する第1オスコネクタ500の接続の方向と直交する方向(矢印U−D方向または矢印R−L方向)への変位が許容されると、台座400に対する第1オスコネクタ500の配設位置が不安定となるため、内枠12における取付完了位置へ遊技盤ユニット13を変位させ、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800の接続を開始する際に、これら両コネクタ500,800どうしが衝突して破損する事態が発生しやすくなる。
【0189】
これに対し、本実施形態によれば、台座400に対する第1オスコネクタ500の配設位置を、第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451を利用して、矢印R−L方向における所定位置(初期位置)に位置決めできる。よって、内枠12における取付完了位置へ遊技盤ユニット13を変位させ、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800の接続を開始する際に、台座400に対して第1オスコネクタ500の配設位置が初期位置から矢印R−L方向へ不用意に変化する(位置ずれする)ことを抑制できる。その結果、台座400に対する第1オスコネクタ500の配設位置を安定させることができ、第1オスコネクタ500と第1メスコネクタ800との接続開始時に、これら両コネクタ500,800どうしが衝突して破損することを抑制できる。
【0190】
また、台座400に対して、第1オスコネクタ500を、第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451を介して弾性支持させることができるので、接続の際の衝撃や遊技盤ユニット13の回動時の遠心力を、各弾性片441,451による弾性支持により緩和して、台座400や第1オスコネクタ500の損傷を抑制できる。
【0191】
本実施形態では、一対の弾性片(第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451)の間に第1オスコネクタ500が配設されるので、台座400に対する第1オスコネクタ500の配設位置が変化することを矢印R方向および矢印L方向の両方向において抑制できる。その結果、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800が接続開始時に衝突して破損することをより確実に抑制できる。
【0192】
また、第1オスコネクタ500が矢印R方向または矢印L方向のいずれの方向へ変位される場合であっても、一対の弾性片(第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451)の弾性回復力を利用して、第1オスコネクタ500を初期位置へ復帰させることができる。
【0193】
特に、本実施形態では、一対の弾性片(第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451)が配設される方向(矢印R−L方向)が、遊技盤ユニット13の幅方向に沿う方向とされるので、前扉枠14を全開にできず、かかる前扉枠14を所定の角度だけ開放し、その開放側(前扉枠14の回動先端側)から内枠12の挿入部128へ遊技盤ユニット13(ベース板60の側部60a)を挿入すると共に、挿入部128に挿入されたベース板60の側部60aを中心として遊技盤ユニット13を回動して、第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800へ接続する場合に、これら両コネクタ500,800どうしが衝突して破損することを抑制しやすくすることができる。
【0194】
上述したように、第1オスコネクタ500の電気的接続線WHは、第1オスコネクタ500の背面から延出され、台座400における長手側壁部416の切り欠き部416a(
図10参照)に挿通された後、その切り欠き部416aから配線保持部材75へ向けて取り回され、その配線保持部材75の開口75aに挿通される(
図8及び
図9参照)。これにより、電気的接続線WHが切り欠き部416aの内周面および開口75aの内周面にそれぞれ当接されて保持されることで、かかる電気的接続線WHの姿勢を所定の姿勢に設定することができる。その結果、電気的接続線WHの姿勢保持力が第1コネクタ500に作用されることで、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印U−D方向における初期位置を規定できる。
【0195】
なお、本実施形態では、第1オスコネクタ500の矢印U−D方向における初期位置が、その第1オスコネクタ500の矢印U−D方向における可動範囲(即ち、矢印U−D方向における第1開口421の開口寸法)の中央に設定される。
【0196】
このように、本実施形態によれば、電気的接続線WHの姿勢保持力を利用することで、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印U−D方向における初期位置も位置決めすることができる。よって、内枠12における取付完了位置へ遊技盤ユニット13を変位させ、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800の接続を開始する際に、台座400に対して第1オスコネクタ500の配設位置が初期位置から不用意に変化する(位置ずれする)ことを矢印U−D方向においても抑制できる。その結果、第1オスコネクタ500と第1メスコネクタ800との接続開始時に、これら両コネクタ500,800どうしが衝突して破損することをより確実に抑制できる。
【0197】
また、電気的接続線WHの姿勢保持力を利用することで、部品点数を低減して、構造を簡素化することができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。即ち、矢印U−D方向においても、矢印R−L方向の場合と同様に、弾性変形可能な弾性片を設け、その弾性片により第1オスコネクタ500の初期位置を規定することも可能であるが、この場合には、弾性片を別途設ける必要があり、部品点数が増加して、構造の複雑化を招く。
【0198】
これに対し、本実施形態によれば、電気的接続線WHの姿勢保持力を利用して第1オスコネクタ500を初期位置に保持する構成なので、既存の部品を流用する(即ち、電気的接続線WHに電気的な信号線や電力供給線としての役割だけでなく、初期位置を規定するための機械的構造物としての役割も担わせる)ことができ、別途部品(弾性片)を設ける必要がない。これにより、構造を簡素化して、その分、製品コストの削減を図ることができる。なお、第1オスコネクタ500が台座400に対して変位される場合には、その変位を電気的接続線WHの姿勢変化で許容することができる。
【0199】
この場合、本実施形態では、台座400の長手側壁板416に切り欠き部416aを設け(
図10参照)、かかる切り欠き部416aの内周面を電気的接続線WHに当接させて保持するので(
図8参照)、第1オスコネクタ500により近い位置で電気的接続線WHを保持(切り欠き部416aを当接)することができる。これにより、電気的接続線WHの姿勢保持力を第1オスコネクタ500に効果的に作用させることが可能な姿勢に電気的接続線WHを設定することができ、その結果、第1オスコネクタ500を初期位置に正確に保持しやすくできる。なお、切り欠き部416aは、その内周面を電気的接続線WHに当接する構成であり、かかる電気的接続線WHの変形を許容するので、台座400に対して第1オスコネクタ500が変位される際に、その変位が阻害されることを抑制できる。
【0200】
また、配線保持部材75は、台座400の上方であって、台座400よりもベース板60の背面側へ突出する位置に配設されると共に、その開口75aを台座400の切り欠き部416aに対面させる姿勢で配設されるので(
図8及び
図9参照)、電気的接続線WHの姿勢を安定させることができ、第1オスコネクタ500の初期位置を適正な位置に保持しやすくできる。
【0201】
次いで、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印F−B方向(即ち、第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800に接続する方向およびその接続を解除する方向)への変位を規制する構造について説明する。
【0202】
図10、
図11及び
図19に示すように、遊技盤側コネクタ300Aは、台座400に第1オスコネクタ500が組み付けられた状態(即ち、台座400の第1開口411に第1オスコネクタ500が挿通された状態)では、第1オスコネクタ500の正面板の群(基板側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543)が、台座400の第1正面板411(中間正面板411a、基端側正面板411b及び先端側正面板411c)の正面側(矢印F側)に配置される。
【0203】
詳細には、第1オスコネクタ500における基端側正面板541は第1正面板411における中間正面板411aの正面側に、第1オスコネクタ500における先端側正面板542及び側部正面板543は第1正面板411における先端側正面板411bの正面側に、それぞれ正面視においてその一部を重ならせて配設される。
【0204】
よって、内枠12における取付完了位置へ遊技盤ユニット13を変位させ、第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800に接続する際には、第1オスコネクタ500の正面板の群を台座400の第1正面板411に当接させて、第1オスコネクタ500の台座400に対する背面方向(矢印B方向)への変位を規制することができる。これにより、第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800の接続口(受入口)内の所定位置まで確実に挿入させ、適正な接続状態を形成することができる。
【0205】
一方、遊技盤側コネクタ300Aは、第1オスコネクタ500の背面板の群(基板側背面板551、先端側背面板552及び側部背面板553)が、台座400の第1正面板411(中間正面板411a、基端側正面板411b及び先端側正面板411c)及び第1先端側弾性片452(延設部452c)の背面側(矢印B側)に配置される。
【0206】
詳細には、第1オスコネクタ500における基端側背面板551は第1正面板411における基端側正面板411bの背面側に、第1オスコネクタ500における先端側背面板552は第1正面板411における先端側正面板411bの背面側に、第1オスコネクタ500における側部背面板553は第1先端側弾性片452における延設部452cの背面側に、それぞれ正面視においてその一部を重ならせて配設される。
【0207】
よって、内枠12における取付完了位置から遊技盤ユニット13を変位させ、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800の接続を解除する際には、第1オスコネクタ500の背面板の群を台座400の第1正面板411及び第1先端側弾性片451の延設部分451cに当接させて、第1オスコネクタ500の台座400に対する正面方向(矢印F方向)への変位を規制することができる。これにより、第1オスコネクタ500が台座400の第1開口421から抜け出ることを抑制し、かかる第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800の接続口(受入口)から確実に抜き取ることができる。
【0208】
本実施形態では、上述したように、第1先端側弾性片451に延設部分451cを設け、この延設部分451cが第1オスコネクタ500の側部背面壁553を当接することで、正面方向(矢印F方向)への変位を規制することができる。よって、第1正面壁411の中間正面壁411a及び基端側正面壁411bのみを第1オスコネクタ500の背面板の群に当接させる場合と比較して、当接面積を大きくして、変位の規制をより確実に行うことができる。
【0209】
特に、本実施形態では、内枠12の挿入部128に挿入したベース板60の側部60aを中心として遊技盤ユニット13を取付完了位置から回動させることで、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800の接続を解除する(第1オスコネクタ500が第1メスコネクタ800から引き抜かれる)構造であるところ、その回動基端側(ベース板60の側部60a)に近い側となる第1オスコネクタ500は、第1メスコネクタ800との接続を解除する方向(矢印B方向)と、遊技盤ユニット13の回動に伴い自身が変位される方向との相違が、回動先端側に位置する第2オスコネクタ600と比較して大きくなる。その結果、第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800から抜き取る際の抵抗が大きくなることに起因して、第1オスコネクタ500が台座400の第1開口421から抜け出やすくなる。よって、第1先端側弾性片451に延設部分451cを設け、この延設部分451cを第1オスコネクタ500の側部背面壁553に当接させることによっても、正面方向(矢印F方向)への変位を規制する構造が特に有効となる。
【0210】
第1先端側弾性片451に延設部分451cを設けた場合であっても、かかる第1先端側弾性片451は、比較的大きな弾性変形が可能であると共に、第1オスコネクタ500から離間する方向への弾性変形が可能であるので、台座400に第1オスコネクタ500を組み付ける工程においては、第1先端側弾性片451を弾性変形させて延設部分451cを第1オスコネクタ500の取り付け領域から退避させておくことで、台座400への第1オスコネクタ500の組み付け作業が延設部分451cにより阻害されることを抑制できる。即ち、第1オスコネクタ500の矢印F方向への変位を規制するための部位を、第1先端側弾性片451に延設部分451cとして設けることで、かかる第1オスコネクタ500の変位を規制する能力を確保しつつ、台座400に第1オスコネクタ500を組み付ける際の作業性の向上を図ることができる。
【0211】
第1オスコネクタ500の正面板の群および背面板の群は、ハウジング510に基端が支持されると共にその基端から延設される先端が自由端とされる片持ち形状とされ、弾性変形しやすくされる。同様に、台座400の第1正面板411の各部(中間正面板411a、基端側正面板411b及び先端側正面板411c)は、短手側側壁414、長手側側壁416,417又は(及び)接続板413に連なる第1正面板411部分に基端が支持されると共にその基端から延設される先端が自由端とされる片持ち形状とされ、弾性変形しやすくされる。
【0212】
これにより、内枠12における取付完了位置へ遊技盤ユニット13を変位させ、第1オスコネクタ400を第1メスコネクタ800に接続する際には、その接続時の衝撃を、第1オスコネクタ500の正面板の群と台座400の第1正面板411の各部との弾性変形により吸収することができる。その結果、台座400の破損を抑制できる。
【0213】
また、第1オスコネクタ500の正面板の群と台座400の第1正面板411の各部との弾性変形により、接続の方向(矢印F方向)に対して第1オスコネクタ500を傾斜させることができるので、例えば、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800の間の位置ずれであって、台座400に対して第1オスコネクタ500が接続の方向と直交する方向(矢印R−L方向または矢印U−D方向)へ変位されるのみでは吸収できない位置ずれであっても、かかる位置ずれを第1オスコネクタ500の傾斜により吸収することができる。その結果、位置ずれによる歪の発生を抑制し、各部の破損を抑制できる。
【0214】
同様に、内枠12における取付完了位置から遊技盤ユニット13を変位させ、第1オスコネクタ400及び第1メスコネクタ800の接続を解除する際には、第1オスコネクタ500の背面板の群と台座400の第1正面板411の各部との弾性変形により、接続を解除する方向(矢印B方向)に対して第1オスコネクタ500を傾斜させることができるので、例えば、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800の接続を解除する方向(矢印B方向)と、内枠12における取付完了位置から遊技盤ユニット13が変位される方向とが一致されておらず(方向がずれていて)、台座400に対して第1オスコネクタ500が接続の方向と直交する方向(矢印R−L方向または矢印U−D方向)へ変位されるのみでは吸収できない場合であっても、かかる方向のずれを吸収することができる。その結果、位置ずれによる歪の発生を抑制し、各部の破損を抑制できる。
【0215】
特に、本実施形態では、
遊技盤側コネクタ300Aは、第1オスコネクタ500の正面板の群(基板側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543)及び基板側背面板551と、台座400の第1正面板411(中間正面板411a、基端側正面板411b及び先端側正面板411c)とが互いの角部(隅部)どうしを正面視において重ね合わせる構成なので、これら各部どうしが当接される場合の弾性変形を形成しやすくできる。その結果、上述した弾性変形を利用することによる奏する効果をより顕著に発揮させることができる。
【0216】
次いで、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印R−L方向および矢印U−D方向への変位を許容する構造およびその変位を所定の範囲に規制する構造について説明する。
【0217】
図20(a)は、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が矢印R方向へ変位された状態における遊技盤側コネクタ300Aの正面図であり、
図20(b)は、
図20(a)におけるXXb−XXb線における遊技盤側コネクタ300Aの断面図である。
図21(a)は、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が矢印L方向へ変位された状態における遊技盤側コネクタ300Aの正面図であり、
図21(b)は、
図21(a)におけるXXIb−XXIb線における遊技盤側コネクタ300Aの断面図である。
【0218】
図20に示すように、台座400に対して第1オスコネクタ500が初期位置(
図10、
図11及び
図19参照)から矢印R方向へ変位されると、台座400の第1先端側弾性片451が第1オスコネクタ500の側部背面板553の側面(
図20(a)及び
図20(b)左側の面)により矢印R方向へ押し込まれ、かかる第1先端側弾性片451が弾性変形されることで、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印R方向への変位が許容される。その後、台座400の第1先端側弾性片451が中間固定部432に当接され、それ以上の弾性変形が不可能とされることで、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印R方向への変位が規制される。即ち、第1オスコネクタ500は、台座400に対して、矢印R方向への可動範囲の終端に到達される。
【0219】
この場合、本実施形態では、台座400の第1先端側弾性片451が中間固定部432に当接されると、同時に、第1オスコネクタ500の基端側係合面561及び先端側係合面562が、台座400の基端側開口541bの内周面および先端側開口541cの内周面に、それぞれ係合される。これにより、変位を受け止める際に作用する荷重を、複数の当接部分のそれぞれに分散させることができるので、その分、各当接部分の破損を抑制して、その耐久性の向上を図ることができる。
【0220】
特に、本実施形態では、前扉枠14を所定の角度だけ開放し、その開放側(前扉枠14の回動先端側)から内枠12の挿入部128へ遊技盤ユニット13(ベース板60の側部60a)を挿入すると共に、その挿入部128に挿入したベース板60の側部60aを中心として遊技盤ユニット13を回動させることで、第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800に接続させるため、かかる接続動作において、第1オスコネクタ500が台座400に対して矢印R方向へ変位されやすい。そのため、かかる矢印R方向への第1オスコネクタ500の変位を複数の当接部分で受け止める構造(即ち、第1先端側弾性片451を中間固定部432に当接させるだけでなく、基端側係合面561及び先端側係合面562を台座400の基端側開口541bの内周面および先端側開口541cの内周面にもそれぞれ当接させる構造)が特に有効となる。
【0221】
図21に示すように、台座400に対して第1オスコネクタ500が初期位置(
図10、
図11及び
図19参照)から矢印L方向へ変位されると、台座400の第1基端側弾性片441が第1オスコネクタ500の基端側背面板551の側面(
図21(a)及び
図21(b)右側の面)により矢印L方向へ押し込まれ、かかる第1基端側弾性片441が弾性変形されることで、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印L方向への変位が許容される。その後、第1オスコネクタ500の先端側背面板552の係合部552cが、台座400の先端側開口541cの内周面に係合され、第1基端側弾性片441のそれ以上の弾性変形が不可能とされることで、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印L方向への変位が規制される。即ち、第1オスコネクタ500は、台座400に対して、矢印L方向への可動範囲の終端に到達される。
【0222】
この場合、本実施形態では、第1基端側弾性片441と台座400の短手側壁板414との間に隙間が残されており、第1基端側弾性片441が弾性変形可能な状態とされる。このように、台座400に対して第1オスコネクタ500が矢印L方向への可動範囲の終端に到達された状態において、第1基端側弾性片441が弾性変形可能な状態に設定することで、後述するように、台座400に第1オスコネクタ500を組み付ける際にその作業性の向上を図ることができる。
【0223】
上述した通り、本実施形態によれば、台座400に対し第1オスコネクタ500が矢印R方向または矢印L方向へ変位され、第1先端側弾性片451又は第1基端側弾性片441が弾性変形される場合に、第1オスコネクタ500の変位を所定の範囲内(所定量以下)に規制するストッパ手段が形成される。これにより、第1先端側弾性片451又は第1基端側弾性片441の弾性変形が過大となり破損することを抑制できる。
【0224】
この場合、ストッパ手段は、台座400の部位(基端側開口421b及び先端側開口421cの内周面、中間固定部432の外壁面)と第1オスコネクタ500の部位(基端側係合面561、先端側係合面562、先端側平面板552の係合部552c)とを利用して形成されるので、台座400に第1オスコネクタ500を組み付ける工程において作業者が不用意な組み付け作業を行った場合でも、ストッパ機能を発揮させ、第1先端側弾性片451又は第1基端側弾性片441の破損を抑制できる。
【0225】
例えば、台座400に形成されるストッパ手段を、台座400ではなく、台座400が配設される遊技盤ユニット13に形成し、その遊技盤ユニット13に形成したストッパ手段を、第1オスコネクタ500に形成されるストッパ手段に当接させ、第1オスコネクタ500の変位を規制する構成とすることも可能である。しかし、この場合には、遊技盤ユニット13に台座400及び第1オスコネクタ500の両者を装着した後でなければストッパ機能を発揮できず、台座400に第1オスコネクタ500を組み付ける工程においては、ストッパ機能を発揮させることができない。
【0226】
これに対し、本実施形態によれば、ストッパ手段が、台座400に形成される部位(基端側開口421b及び先端側開口421cの内周面、中間固定部432の外壁面)と第1オスコネクタ500に形成される部位(基端側係合面561、先端側係合面562、先端側平面板552の係合部552c)とからなるので、遊技盤ユニット13に装着する前であって、台座400に第1オスコネクタ500を組み付ける工程においても、両部位どうしを当接させて、ストッパ機能を発揮させることができる。その結果、組み付けの工程において作業者が不用意な組み立て作業を行った場合でも、第1先端側弾性片451又は第1基端側弾性片441の破損を抑制できる。
【0227】
ここで、第1先端側弾性片451は、中間固定部432に形成される。中間固定部432は、遊技盤ユニット13の取付面BEに締結ねじにより締結固定される部位であるので、第1先端側弾性片451の弾性変形に伴う荷重を、中間固定部431自身の剛性だけでなく、締結ねじを介して、遊技盤ユニット13の剛性も利用して支えることができる。また、上述したように、中間固定部432の内部には、遊技盤ユニット13の背面から突出される突出部が挿入(内嵌)される。よって、中間固定部432の内部に内嵌される突出部の剛性も利用することができる。その結果、台座400(特に、中間固定部432)の破損を抑制できる。
【0228】
特に、第1先端側弾性片451は、第1オスコネクタ500の矢印R方向への変位を規制する際に、中間固定部432に当接するため(
図20(b)参照)、第1先端側弾性片451の当接対象である中間固定部432が、締結ねじにより遊技盤ユニット13に締結固定される部位であることが有効となる。
【0229】
なお、中間固定部431には、第2基端側弾性片442も形成される。これにより、第1先端側弾性片451の場合と同様に、第2基端側弾性片442の弾性変形に伴う荷重を、中間固定部431自身の剛性だけでなく、締結ねじを介して、遊技盤ユニット13の剛性も利用して支えることができ、また、中間固定部432の内部に内嵌される突出部の剛性を利用して支えることもできる。その結果、台座400(特に、中間固定部432)の破損を抑制できる。
【0230】
この場合、中間固定部432は、締結ねじの座面から締結力を受ける受け面432aを備え、その中間固定部432の受け面432aに第2基端側弾性片442の基端(湾曲部分442aの一端)が連なるように形成されるので、第2基端側弾性片442の弾性変形に伴う荷重を、受け面432aを介して、締結ねじに伝達しやすくできる。その結果、締結ねじの剛性および遊技盤13(及び突出部)の剛性を効率的に利用することができる。
【0231】
一方、第1先端側弾性片451は、中間固定部432の背面側の端面(即ち、遊技盤ユニット13の取付面BEに取り付けられる面、
図19下側の面)に基端(張出部分451aの一端)が連なるように形成されるので、第1先端側弾性片451の弾性変形に伴う荷重を受けて、台座400が破損することを抑制できる。即ち、中間固定部432の背面側の端面は、遊技盤ユニット13の取付面BEに密着されるため、第1先端側弾性片451の弾性変形に伴う荷重を、中間固定部432自身の剛性だけでなく、遊技盤ユニット13の剛性も利用して支えることができ、その結果、台座400(特に、中間固定部432)の破損を抑制できる。
【0232】
なお、第2先端側弾性片452についても、第1先端側弾性片451の場合と同様に、台座400の短手側壁板415の背面側の端面(即ち、遊技盤ユニット13の取付面BEに取り付けられる面、
図19下側の面)に基端(張出部分452aの一端)が連なるように形成される。よって、短手側壁板415のように、薄板状に形成されて比較的剛性が弱い部位であっても、第2先端側弾性片452の弾性変形に伴う荷重を、短手側壁板415自身の剛性だけでなく、遊技盤ユニット13の剛性も利用して支えることができ、その結果、台座400(特に、短手側壁板415)が破損することを抑制できる。
【0233】
一方、第1基端側弾性片441は、台座400の短手側壁板414の正面側の端面(即ち、遊技盤ユニット13の取付面BEと反対側の面、
図19上側の面)に基端(湾曲部分441aの一端)が連なるように形成される。この場合、短手側壁板414には、第1基端側弾性片441が配設される側と反対側の外壁面に基端側固定部431が形成(接続)される(
図14(b)参照)。よって、薄板状に形成され比較的剛性が弱い部位である短手側壁板414の剛性を基端側固定部431の剛性により補強することができる。更に、基端側固定部431は、遊技盤ユニット13の取付面BEに締結ねじにより締結固定される部位であるので、第1基端側弾性片441の弾性変形に伴う荷重を、短手側壁板414自身の剛性だけでなく、締結ねじを介して、遊技盤ユニット13の剛性も利用して支えることができる。また、上述したように、基端側固定部431の内部には、遊技盤ユニット13の背面から突出される突出部が挿入(内嵌)される。よって、基端側固定部431の内部に内嵌される突出部の剛性も利用することができる。その結果、台座400(特に、短手側壁板414)の破損を抑制できる。
【0234】
図22(a)は、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が矢印U方向へ変位された状態における遊技盤側コネクタ300Aの正面図であり、
図22(b)は、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が矢印U方向へ変位された状態における遊技盤側コネクタ300Aの正面図である。
【0235】
図22(a)及び
図22(b)に示すように、第1オスコネクタ500は、台座400に対し、初期位置(
図10、
図11及び
図19参照)から矢印U方向および矢印D方向へ変位可能に形成される。
【0236】
即ち、第1オスコネクタ500のハウジング510は、その厚み寸法(矢印U−D方向寸法)が、台座400の第1開口421における中央開口421aの幅寸法(矢印U−D方向寸法)よりも小さくされ、また、第1オスコネクタ500の基端側正面壁541、先端側正面壁542、基端側背面壁551及び先端側背面壁552の張り出し寸法(矢印U−D方向寸法)が、台座400の第1開口421における基端側開口421b及び先端側開口421cの幅寸法(矢印U−D方向寸法)よりも小さくされる。
【0237】
よって、初期位置においては、第1開口421の内周面と第1オスコネクタ500の外壁面との間に矢印U−D方向における隙間が形成される(
図11(a)参照)。これにより、その隙間の分、第1オスコネクタ500は、台座400に対し、初期位置から矢印U方向および矢印D方向へ変位することが可能とされる。
【0238】
このように、第1オスコネクタ500は、矢印R−L方向の変位だけでなく、矢印U−D方向の変位も許容された状態で、台座400に配設される。即ち、第1オスコネクタ500を、接続の方向に直交する平面内において変位させることができる。これにより、台座400に対する第1オスコネクタ500の可動範囲を確保できるので、内枠12における取付完了位置に遊技盤ユニット13が変位された状態において、第1オスコネクタ500と第1メスコネクタ800との間に位置ばらつきがある場合であっても、その位置ばらつきを吸収して、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800を接続することができる。
【0239】
この場合、本実施形態では、第1オスコネクタ500の基端側背面板551及び側部背面板553の側面(第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451を矢印R−L方向へ押圧する側面)と、台座400の第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451の直線部分441b,451bの壁面(基端側背面板551及び側部背面板553により矢印R−L方向に押圧される壁面)とが、正面視(矢印F−B方向視)において、矢印U−D方向に平行な平坦面として形成される。
【0240】
これにより、台座400に対して第1オスコネクタ500が矢印U−D方向へ変位される場合には、その基端側背面板551及び側部背面板553を第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451に対して摺動させ、第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451が弾性変形することを不要とできる。即ち、第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451の形状を、矢印R−L方向および矢印U−D方向の両方向に弾性変形可能な形状とする必要がなく、矢印R−L方向に対してのみ弾性変形可能な形状とすることができる。その結果、第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451の形状を簡素化して、その成型性および耐久性の向上を図ることができる。
【0241】
次いで、
図23及び
図24を参照して、遊技盤側コネクタ300Aの組み立て方法について説明する。なお、上述したように、第1オスコネクタ500と第2オスコネクタ600とは、先端側背面板552,652における接続部552a,652aの長手方向寸法)が異なる点を除き、他の構成は同一である。よって、台座400へ組み付ける方法も両者において実質的に同一であるので、以下においては、第1オスコネクタ500を台座400に組み付ける方法のみを説明して、第2オスコネクタ600についての説明は省略する。
【0242】
図23及び
図24は、遊技盤側コネクタ300Aの組み立て工程を時系列で示す台座400及び第1オスコネクタ500の部分断面側面図である。なお、
図23及び
図24に図示される台座400の断面は、
図13(a)のXIVb−XIVb線における台座400の断面に対応する。即ち、
図23及び
図24に図示される台座400は、
図14(b)に図示される台座400の一部に対応する。
【0243】
図23(a)に示すように、遊技盤側コネクタ300Aの組み立ては、まず、台座400の背面(
図23(a)下側の面)に第1オスコネクタ500の正面を対面させ、かかる第1オスコネクタ500を矢印F方向へ押し上げることで、その第1オスコネクタ500の正面側(先端側)を台座400の第1開口421へ挿通させる。この場合、
図23(b)に示すように、第1オスコネクタ500の基端側正面板541を台座400の基端側開口421bに、第1オスコネクタ500の先端側正面板542を台座400の先端側開口421cに、それぞれ挿入する。
図23(b)に示すように、第1オスコネクタ500の基端側正面板541及び先端側正面板542が、台座400の基端側開口421b及び先端側開口421cにそれぞれ挿入されると、第1オスコネクタ500の先端側背面板552における係合部542cの突設先端が、台座400の中間正面板411aの背面(
図23(b)下側の面)に当接される。
【0244】
第1オスコネクタ500の先端側背面板552は、上述したように、ハウジング510の外壁面に接続部542aが接続され、その接続部542aからハウジング510の長手方向(矢印R−L方向)に沿って延設部552bが延設されると共に、その延設部552bの延設先端に係合部552cが突設されるので、
図24(a)に示すように、先端側背面板552の延設部542bを弾性変形させることで、第1オスコネクタ500を矢印F方向へ更に押し上げることができる。
【0245】
図24(a)に示すように、第1オスコネクタ500の先端側背面板552における接続部542aが台座400の中間正面板411aの背面(
図24(a)下側の面)に当接される位置まで第1オスコネクタ500が矢印F方向へ押し上げられると、第1オスコネクタ500の基端側正面板541及び先端側正面板542が、台座400の基端側開口421b及び先端側開口421cをそれぞれ通過して、台座400の第1正面板411の正面側(
図24(a)上側)に突出される。
【0246】
この場合、台座400の第1基端側弾性片441は、矢印F方向へ押し上げられた第1オスコネクタ500の基端側背面板551により押圧されて、弾性変形されることで、その直線部分441bが短手側壁板414側へ退避される。これにより、第1オスコネクタ500を、その基端側背面板551が基板側正面板411bに当接する位置まで矢印F方向へ移動させることが許容される。一方、弾性変形された第1基端側弾性片441は、直線部分441bが矢印L方向へ後退された姿勢となるため、その第1基端側弾性片441の弾性回復力を、第1オスコネクタ500を矢印R方向へ変位させる付勢力として作用させることができる。即ち、後述する第1オスコネクタ500を矢印R方向へ変位させる工程において(
図24(b)参照)、第1基端側弾性片441の弾性回復力を利用することができ、作業性の向上が図られる。
【0247】
第1オスコネクタ500が
図24(a)に示す位置まで矢印F方向に押し上げられ、その基端側正面板541及び先端側正面板542が台座400の第1正面板411の正面側(
図24(a)上側)に突出された後は、次いで、かかる第1オスコネクタ500を矢印R方向(即ち、台座400の第1正面板411に沿って)へ変位させる。
【0248】
これにより、
図24(b)に示すように、第1オスコネクタ500の基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543が、台座400の中間正面板411a及び先端側正面板411cの正面側に対向配置されると共に、第1オスコネクタ500の基端側背面板551、先端側背面板552及び側部背面板553が、台座400の基端側正面板411b及び中間正面板511aの背面側と先端側弾性片451の延設部分451cの背面側とに対向配置される。また、第1オスコネクタ500の先端側背面板552の弾性変形が回復して、その先端側平面板552の係合部552cが台座400の先端側開口442cに挿入される。これにより、台座400への第1オスコネクタ500の組み付け(遊技盤側コネクタ300Aの組み立て)が完了される。
【0249】
このように、本実施形態では、台座400の第1開口421へその台座400の背面側から第1オスコネクタ500を所定位置まで挿通する挿通工程(
図23(b)及び
図24(a)参照)と、その挿通工程により所定位置まで挿通された第1オスコネクタ500を台座400に対して挿入の方向(接続の方向)と直交する方向へ変位させる変位工程(
図24(b)参照)との二工程により、台座400への第1オスコネクタ500の組み付けを完了することができる。よって、組み付け工数を低減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0250】
台座400に対し第1オスコネクタ500を矢印F方向へ押し上げて所定位置まで挿通する挿通工程では、第1オスコネクタ500の基端側背面板551及び先端側背面板552が台座400の基端側正面板411b及び中間正面板411aの背面に当接される位置(即ち、それ以上の矢印F方向への押し上げができなくなる位置)まで第1オスコネクタ500を押し上げれば良く、第1オスコネクタ500の挿通位置(押し上げ位置)を制御する必要がない。これにより、作業を簡素化して、組み付け工数の低減を図ることができる。
【0251】
挿通工程の後、変位工程において、第1オスコネクタ500を台座400に対して挿入の方向(接続の方向)と直交する方向(矢印R方向)へ変位させることで、第1オスコネクタ500の先端側背面壁552における係合部552cを台座400の先端側開口421cに挿入させ、かかる係合部552cを先端側開口421cの内周面に係合可能な状態を形成できる。これにより、第1オスコネクタ500が変位工程における変位の方向(矢印R方向)と反対方向(矢印L)方向へ変位され、台座400から脱落する(抜け出る)ことを規制できる。
【0252】
一方で、台座400から第1オスコネクタ500を取り外すためには、係合部552cを押し下げると共に、この押し下げた状態を維持しつつ、第1オスコネクタ500を変位工程における変位の方向(矢印R方向)と反対方向(矢印L)方向へ変位させる必要がある。そのため、かかる取り外しの作業が煩雑となるので、例えば、台座400から第1オスコネクタ500を取り外し、他のコネクタを接続するという不正行為を抑制することができる。
【0253】
特に、本実施形態では、挿通工程における矢印F方向への第1オスコネクタ500の押し上げ操作と、変位工程における矢印R方向への第1オスコネクタ500の変位(スライド)操作との2操作のみで、先端側背面壁522(延設部522b)の弾性変形を利用して、係合部522cを先端側開口421cに挿入することができる。即ち、係合部522cを先端側開口421cに挿入するために、先端側背面壁522(係合部422c)に対する操作を別途行う必要がない。これにより、係合部522cと先端側開口421cの内周面との係合により台座400からの第1オスコネクタ500の脱落を規制可能としつつ、作業を簡素化して、組み付け工数の低減を図ることができる。
【0254】
上述したように、挿通工程において、基端側背面板551が基板側正面板411bに当接する位置まで矢印F方向へ押し上げられることを許容するべく(
図24(a)参照)、第1基端側弾性片441は第1先端側弾性片451よりも弾性変形可能量(即ち、直線部分441b,451bと短手側壁板414又は中間固定部432との間の隙間寸法)が大きくされる(
図14(a)参照)。この場合、本実施形態では、先端側開口421cの内周面に係合可能な係合部552cを備え、かかる係合部522c及び先端側開口421cが係合することで、第1オスコネクタ500の矢印L方向への最大変位量を規制できる。即ち、第1基端側弾性片441の弾性変形量が過大となることを規制でき、かかる第1基端側弾性片441が破損することを抑制できる(
図21参照)。
【0255】
ここで、係合部552cが先端側開口421cの内周面に係合されることで、台座400からの第1オスコネクタ500が脱落する(抜け出る)ことを抑制するところ、第1オスコネクタ500に矢印L方向へ(変位工程における変位の方向と反対の方向)へ大きな荷重が作用されると、その荷重が係合部522cに作用されることで、係合部522cと先端側開口421cの内周面との係合が解除される恐れがある。
【0256】
これに対し、本実施形態によれば、台座400に対して第1オスコネクタ500矢印L方向(変位工程における変位の方向と反対の方向)へ変位される場合には、基端側弾性片441を弾性変形させることができる(
図21参照)。これにより、基端側弾性片441の弾性回復力を、第1オスコネクタ500を矢印L方向へ押し戻す反発力として、第1オスコネクタ500へ作用させることができ、その分、係合部522cと先端側開口421cの内周面との係合が解除されることを抑制できる。
【0257】
なお、基端側弾性片441の剛性を先端側弾性片451の剛性よりも大きく設定しても良い。これにより、基端側弾性片441の弾性回復力を、第1オスコネクタ500を矢印L方向へ押し戻す反発力とする機能を高め、係合部522cと先端側開口421cの内周面との係合が解除されることをより確実に抑制できる。なお、基端側弾性片441を先端側弾性片451よりも剛性を高くする方法としては、その厚み寸法を厚くする、幅寸法を広くする、リブを立設する、これらを組み合わせるなどの方法が例示される。
【0258】
ここで、挿通工程の後、変位工程において第1オスコネクタ500を矢印R方向へ変位させるためには、第1オスコネクタ500の基端側正面板541及び先端側正面板542が台座400の基端側開口421b及び先端側開口421cの内周面に係止されないよう、
図24(a)に示すように、これら第1オスコネクタ500の基端側正面板541及び先端側正面板542を、台座400の第1正面板411の正面側(
図24(a)上側)に突出させておく必要がある。
【0259】
この場合、第1オスコネクタ500には、先端側背面板552及び第1基端側弾性片441の弾性回復力が、第1オスコネクタ500を矢印B方向へ押し下げる力として作用されると共に、その押し下げる力は基端側正面板541が形成される側(
図24(a)右側の部分)に偏って作用される(
図24(a)参照)。そのため、挿通工程において、第1オスコネクタ500を矢印F方向へ押し上げる際には、先端側正面板542に比べ、基端側正面板541側が矢印F方向へ押し上げ難くなる。
【0260】
これに対し、本実施形態によれば、中間正面板411には、基端側開口421bに接する外縁であってその外縁の正面(
図23(b)及び
図24(a)上側の面)に、基端側開口421bへ向かうに従って下降傾斜する傾斜面411a1が形成される。これにより、基端側正面板541側が矢印F方向へ十分に押し上げられておらず、第1正面板411の正面側への突出量が不十分な場合であっても、傾斜面411a1を利用して、基端側正面板541が台座400の基端側開口421bの内周面に係止され難くすることができ、その結果、変位工程において、第1オスコネクタ500を矢印R方向へ変位させることができる。
【0261】
次いで、
図25(a)を参照して、第2実施形態について説明する。
図25(a)は、第2実施形態における内枠12及び遊技盤ユニット13の側面模式図である。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0262】
図25(a)に示すように、第2実施形態における第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600は、台座400に対する矢印U−D方向における初期位置が、それら第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の矢印U−D方向における可動範囲の上端(矢印U方向の端部)に設定される。よって、上述した
図22(a)に示す状態が、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が第2実施形態における初期位置に配置された状態に対応する。
【0263】
ここで、遊技盤ユニット13には、異なる形態や重量の複数の電気部品が比較的限られたスペースに搭載されるため、均等に配置することが困難であり、その重心位置が遊技盤ユニット13の前面側または背面側に偏る傾向がある。そのため、内枠12における取付完了位置へ遊技盤ユニット13を変位させる際には、かかる遊技盤ユニット13が前面側または背面側(即ち、重心が位置する側)へ傾斜した姿勢となりやすい。
【0264】
例えば、遊技盤ユニット13が前面側へ傾斜した姿勢になると、その姿勢に対応して、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が下降傾斜され、それら第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の先端の高さ位置が、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)に対して下方(
図25(a)下側)へずれるため、遊技盤側コネクタ300Aを内枠側コネクタ300Bに接続する際の作業性が悪化する。
【0265】
これに対し、第2実施形態によれば、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の矢印U−D方向における初期位置が、矢印U−D方向における可動範囲の上端(矢印U方向の端部)に設定されるので、遊技盤ユニット13が前面側へ傾斜した姿勢となり、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が下降傾斜される場合でも、それら第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の先端の高さ位置を、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)の高さ位置に一致させることができる。その結果、遊技盤ユニット13を第2仮置き部702に沿って(即ち、頭24(a)の矢印S方向へ)スライドさせることで、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の先端を、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)に挿入することができ、遊技盤側コネクタ300Aを内枠側コネクタ300Bに接続する際の作業性の向上を図ることができる。
【0266】
次いで、
図25(b)を参照して、第3実施形態について説明する。
図25(b)は、第3実施形態における内枠12及び遊技盤ユニット13の側面模式図である。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0267】
図25(b)に示すように、第3実施形態における第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600は、台座400に対する矢印U−D方向における初期位置が、それら第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の矢印U−D方向における可動範囲の下端(矢印D方向の端部)に設定される。よって、上述した
図22(a)に示す状態が、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が第3実施形態における初期位置に配置された状態に対応する。
【0268】
即ち、第3実施形態で説明する初期位置は、上述した第2実施形態の場合とは逆に、重心位置が遊技盤ユニット13の背面側に偏っており、内枠12における取付完了位置へ遊技盤ユニット13を変位させる際に、背面側(即ち、重心が位置する側)へ傾斜した姿勢となる遊技盤ユニット13に対して有効となる。
【0269】
詳細には、第3実施形態では、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の矢印U−D方向における初期位置が、矢印U−D方向における可動範囲の下端(矢印D方向の端部)に設定され、その高さ位置が予め低くされているので、遊技盤ユニット13が背面側へ傾斜した姿勢となり、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が上昇傾斜される場合でも、その傾斜した姿勢において、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の先端の高さ位置を、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)の高さ位置に一致させることができる。その結果、遊技盤ユニット13を第2仮置き部702に沿って(即ち、
図24(b)の矢印S方向へ)スライドさせることで、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の先端を、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)に挿入することができ、遊技盤側コネクタ300Aを内枠側コネクタ300Bに接続する際の作業性の向上を図ることができる。
【0270】
次いで、
図26から
図28を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技盤ユニット13を、接続完了位置へ変位させる又は接続完了位置から変位させ、遊技盤側コネクタ300A及び内枠側コネクタ300Bを接続する又はその接続を解除する場合に、各接点部材520,820,920(列設方向両端に配置されアース線(GND)を連結する接点部材520,820,920を除く)における接続および解除がそれぞれ同じタイミングで行われる場合を説明したが、第4実施形態では、各接点部材4520,820,920の接続および解除が異なるタイミングで行われる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0271】
図26(a)は、第1メスコネクタ800の正面図であり、
図26(b)は、
図26(a)のXXVIb−XXVIb線における第1メスコネクタ800の断面図である。
図27(a)は、第4実施形態における第1オスコネクタ4500の正面図であり、
図27(b)は、
図27(a)の矢印XXVIIb方向視における第1オスコネクタ4500の側面図である。
【0272】
図26及び
図27に示すように、第1メスコネクタ800には、複数の接点部材820が、その長手方向を接続の方向(
図26(b)上下方向)に沿わせると共にケース体810の幅方向(
図26(b)左右方向)に所定間隔を隔てつつ列設される。同様に、第1オスコネクタ4500は、複数の接点部材4520が、その長手方向を接続の方向(
図27(b)上下方向、矢印F−D方向)に沿わせると共にハウジング510の幅方向(
図27(b)左右方向)に第1メスコネクタ800の各接点部材820と同じ間隔を隔てつつ列設される。
【0273】
なお、第1メスコネクタ800には、ケース体810の互いに対向する内壁面にそれぞれ15本ずつの接点部材820が配設されることで、合計30本の接点部材820が配設され、同様に、第1オスコネクタ4500には、ハウジング510の互いに対向する外壁面にそれぞれ15本ずつの接点部材4520が配設されることで、合計30本の接点部材4520が配設される。よって、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800には、第1オスコネクタ4500の接点部材4520と第1メスコネクタ800の接点820とからなる一対一組が30組形成される。
【0274】
また、第1メスコネクタ800は、ケース体810の一方の内壁面に配設される各接点部材820と他方の内壁面に配設される各接点部材820とが互いに向かい合う位置(側面視において互いに重なる位置)に配設され、同様に、第1オスコネクタ4500は、ハウジング510の一方の外壁面に配設される各接点部材4520と他方の外壁面に配設される各接点部材4520とが互いに向かい合う位置(
図27(b)に示す側面視において互いに重なる位置)に配設される。他の実施形態においても同様である。
【0275】
第1メスコネクタ800は、各接点部材820の一端(第1メスコネクタ800の接続口(受入口)側(
図26(b)下側)の一端)の配設位置が、矢印R−Lに沿って横一列とされ、接続の方向(
図26(b)上下方向)において、それぞれ同じ位置とされる。即ち、
図26(b)に示す断面視において、各接点部材820の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線が直線状をなすと共に、その直線(仮想線)がガイド溝830の延設方向(
図26(b)上下方向)に直交される。
【0276】
一方、第1オスコネクタ4500は、各接点部材4520の一端(第1オスコネクタ4500の接続方向先端側(
図27(b)上側)の一端)の配設位置がそれぞれ異なる位置とされ、列設方向一側(
図27(b)左側)に位置する接点部材4520ほど、列設方向他側(
図27(b)右側)に位置する接点部材4520よりも、延設長さが長くされる(一端が接続方向先端側に位置される)。即ち、
図27(b)に示す側面視において、各接点部材4520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線が直線状をなすと共に、その直線(仮想線)が矢印R−L方向に対して傾斜され、かつ、被ガイド部530の延設方向(接続の方向、
図27(b)上下方向)に対して非直角とされる。
【0277】
これにより、第4実施形態によれば、各接点部材4520,820の接続および解除のタイミングをそれぞれ異ならせることができる。即ち、上述したように、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800は、向い合う姿勢に配設されているので、遊技盤ユニット13が内枠12へ向けて直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿って変位されることで、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続が開始される。この場合、第1オスコネクタ4500は、各接点部材4520の接続方向先端側の一端の位置が接続方向に沿ってそれぞれ異なる位置に配置されるので、複数組の接点部材4520,820に対し、遊技盤ユニット13の幅方向一方側(挿入部128及び側部60aと反対側、
図28左側)に位置する組から順に接続させることができる。遊技盤ユニット13が取付完了位置に配置されると、複数組の接点部材4520,820のうちのすべての組が接続され、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続が完了される。
【0278】
一方、その接続状態から、遊技盤ユニット13が直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿いつつ内枠12から離間する方向へ向けて変位されることで、遊技盤ユニット13が取付完了位置から変位され、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続の解除が開始される。この解除の場合には、複数組の接点部材4520,820に対して、遊技盤ユニット13の幅方向他側(挿入部128及び側部60aに近い側、
図28右側)に位置する組から順に接続を解除させることができる。遊技盤ユニット13が取付完了位置から所定位置まで変位されると、複数組の接点部材4520,820のうちのすべての組の接続が解除され、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続の解除が完了される。
【0279】
このように、第4実施形態では、第1オスコネクタ4500の各接点部材4520に対し、その延設長さをそれぞれ異なる延設長さとすることで、複数組の接点部材4520,820における接続および解除のタイミングをそれぞれ異ならせることができる。即ち、ハウジング510やケース体810の形状などを変更する必要がなく、接点部材4520を除くすべての構成を、第1実施形態における構成と共通とすることができる。よって、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
【0280】
ここで、上述したように、例えば、ホールの店員が、遊技中に、前面枠14を開いて何らかの作業(例えば、不正行為の有無の確認など)を行おうとした際に、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位されると、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続が解除され、遊技に影響を与えるおそれがある。
【0281】
これに対し、本実施形態によれば、遊技盤ユニット13が取付完了位置から変位され、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続が解除される際には、複数組の接点部材4520,820のうちの列設方向一側(
図28左側)に位置する組ほど、列設方向他側(
図28右側)に位置する組よりも、その接続が解除されるタイミングを後とできる(遅くできる)。よって、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に少し変位されてしまったとしても、一部(列設方向一側、
図28左側)の接点部材4520,820の組において、その接続を維持できる可能性を確保できる。したがって、複数組の接点部材4520,820のうち、その接続が解除されることで遊技へ比較的大きな影響を与える電気的信号線または電力供給線については、列設方向一側(
図28左側)の接点部材4520,820を利用し、遊技への影響が比較的小さい電気的信号線または電力供給線については、列設方向他側(
図28右側)の接点部材4520,820を利用することで、遊技盤ユニット13の不用意な操作(変位)による遊技への影響を抑制できる。
【0282】
特に、第1オスコネクタ4500及び第2メスコネクタ800は、接続の方向に沿って直線状に延設される被ガイド部530及びガイド溝830を備え、複数組の接点部材4520,820は、被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向に沿って延設されるので、遊技盤ユニット13が取付完了位置から変位される際に、接点部材4520,820の各組において、それら一対の接点部材4520,820どうしを接続された状態に維持しやすくできる。
【0283】
ここで、接続の解除時は、上述のように、第1オスコネクタ4500が、第2メスコネクタ800に対して、直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿って移動されることが理想であるが、実際には、遊技盤ユニット13が、内枠12に対し、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、回動(変位)される操作が作業者により行われるの通常であり、この場合には、第1オスコネクタ4500も、第2メスコネクタ800に対して、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、円弧状の軌跡に沿って移動される。この態様について、
図28を参照して説明する。
【0284】
図28は、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続および解除の動作を説明するための模式図であり、
図26(b)に示す第1メスコネクタ800及び
図27(b)に示す第1オスコネクタ4500に対応する。即ち、
図28は、内枠12及び遊技盤ユニット13の底面方向視(矢印IX方向視、
図8参照)に対応する(
図9参照)。なお、
図28では、内枠12及び遊技盤ユニット13(ベース板60)を二点鎖線を用いて模式的に図示する。
【0285】
図28に示すように、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800は、遊技盤ユニット13の側部60aを内枠12の挿入部128に挿入し、内枠12に対して遊技盤ユニット13を回動させる際の回動先端側(
図28左側)において向い合う姿勢に配設される。即ち、第1メスコネクタ800(内枠側コネクタ300B)は、内枠12の幅方向において挿入部128と反対側の端部に配設されると共に(
図5参照)、第1オスコネクタ4500は、遊技盤ユニット13(ベース板60)の幅方向において側部60aと反対側の端部に配設される(
図9参照)。
【0286】
よって、側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12から離間する方向へ向けて回動(変位)されることで、遊技盤ユニット13が取付完了位置から変位され、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続の解除が開始される。そのため、回動先端側(
図28左側)に位置する接点部材4520,820の組ほど先に接続が解除されやすい。
【0287】
これに対し、第4実施形態では、かかる先に接続が解除されやすい位置の接点部材4520ほど、その延設長さが長くされている(接続方向先端側の一端の位置が第1メスコネクタ800側に位置する)ので、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位された場合に、先に接続が解除されやすい位置に配置される接点部材4520,820の組における接続が解除されるタイミングを遅らせることができ、その結果、その接続を維持できる可能性を確保できる。
【0288】
特に、遊技中に、ホールの店員が前面枠14を内枠12に対して隣の遊技者の邪魔とならない程度に少し開いた状態として作業を行う場合には、それら前面枠14と内枠12との間の開放部分から作業を行うこととなる。そのため、遊技盤ユニット13も、前面枠14と内枠12との間の開放部分から、側部60aと反対側の側縁のみを操作されやすい。よって、遊技盤ユニット13が不用意に変位される態様としては、挿入部128及び側部60aを回動の中心として回動される態様が顕著となるため、第1オスコネクタ4500も、第2メスコネクタ800に対して、直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿って移動される態様ではなく、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、円弧状の軌跡に沿って移動される態様のみとなりやすい。従って、本実施形態が特に有効となる。
【0289】
なお、複数組の接点部材4520,820のうち、その接続が解除されることで遊技へ比較的大きな影響を与える電気的信号線または電力供給線としては、主制御装置110と他の制御装置(例えば、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113など)との間または主制御装置110と第1の装置(例えば、電源装置115、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置371,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプなど)との間を接続する電気的接続線または電力供給線が例示され、遊技への影響が比較的小さい電気的信号線または電力供給線としては、他の制御装置(例えば、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113など)と第2の装置(例えば、払出モータ216、発射制御装置112、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22、表示制御装置114など)との間を接続する電気的接続線または電力供給線が例示される。
【0290】
次いで、
図29及び
図30を参照して、第5実施形態について説明する。第4実施形態では、接点部材4520の延設長さが、遊技盤ユニット13を回動させる際の回動先端側に位置するものほど長くされる場合を説明したが、第5実施形態における接点部材4520は、第4実施形態の場合とは逆に、回動基端側におけるものほど、接点部材4520の延設長さが長くされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0291】
図29(a)は、第5実施形態における第1オスコネクタ5500の正面図であり、
図29(b)は、
図29(a)の矢印XXIXb方向視における第1オスコネクタ5500の側面図である。
【0292】
図29に示すように、第1オスコネクタ5500は、各接点部材5520の一端(第1オスコネクタ5500の接続方向先端側(
図29(b)上側)の一端)の配設位置が、矢印R−Lに対して第4実施形態の場合とは逆方向に傾斜する配置とされ、接続の方向(
図29(b)上下方向)において、それぞれ異なる位置とされる。即ち、
図29(b)に示す側面視において、各接点部材5520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線が直線状をなすと共に、その直線(仮想線)が被ガイド部530の延設方向(接続の方向、
図29(b)上下方向)に対して、第4実施形態の場合とは逆方向に傾斜される。
【0293】
これにより、第5実施形態によれば、各接点部材5520,820の接続および解除のタイミングをそれぞれ異ならせることができる。即ち、第4実施形態において説明したように、遊技盤ユニット13が内枠12へ向けて直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿って変位されることで、第1オスコネクタ5500及び第1メスコネクタ800の接続が開始される。この場合、第1オスコネクタ5500は、各接点部材5520の接続方向先端側の一端の位置が接続方向に沿ってそれぞれ異なる位置に配置されるので、第4実施形態の場合とは逆に、複数組の接点部材5520,820に対し、遊技盤ユニット13の幅方向他側(挿入部128及び側部60aに近い側、
図30右側)に位置する組から順に接続させることができる。遊技盤ユニット13が取付完了位置に配置されると、複数組の接点部材5520,820のうちのすべての組が接続され、第1オスコネクタ5500及び第1メスコネクタ800の接続が完了される。
【0294】
一方、その接続状態から、遊技盤ユニット13が直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿いつつ内枠12から離間する方向へ向けて変位されることで、遊技盤ユニット13が取付完了位置から変位され、第1オスコネクタ5500及び第1メスコネクタ800の接続の解除が開始される。この解除の場合には、第4実施形態の場合とは逆に、複数組の接点部材5520,820に対して、遊技盤ユニット13の幅方向一側(挿入部128及び側部60aと反対側、
図30左側)に位置する組から順に接続を解除させることができる。遊技盤ユニット13が取付完了位置から所定位置まで変位されると、複数組の接点部材5520,820のうちのすべての組の接続が解除され、第1オスコネクタ5500及び第1メスコネクタ800の接続の解除が完了される。
【0295】
このように、第5実施形態においても、第1オスコネクタ5500の各接点部材5520に対し、その延設長さをそれぞれ異なる延設長さとすることで、複数組の接点部材5520,820における接続および解除のタイミングをそれぞれ異ならせることができる。即ち、ハウジング510やケース体810の形状などを変更する必要がなく、接点部材5520を除くすべての構成を、第1実施形態における構成と共通とすることができる。よって、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
【0296】
ここで、上述したように、例えば、ホールの店員が、遊技中に、前面枠14を開いて何らかの作業(例えば、不正行為の有無の確認など)を行おうとした際に、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位されると、第1オスコネクタ5500及び第1メスコネクタ800の接続が解除され、遊技に影響を与えるおそれがある。
【0297】
これに対し、本実施形態によれば、遊技盤ユニット13が取付完了位置から変位され、第1オスコネクタ5500及び第1メスコネクタ800の接続が解除される際には、複数組の接点部材5520,820のうちの列設方向他側(
図30右側)に位置する組ほど、列設方向一側(
図30左側)に位置する組よりも、その接続が解除されるタイミングを後とできる(遅くできる)。よって、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に少し変位されてしまったとしても、一部(列設方向他側、
図30右側)の接点部材5520,820の組において、その接続を維持できる可能性を確保できる。
【0298】
したがって、第4実施形態の場合とは逆に、複数組の接点部材5520,820のうち、その接続が解除されることで遊技へ比較的大きな影響を与える電気的信号線または電力供給線については、列設方向他側の接点部材5520,820を利用し、遊技への影響が比較的小さい電気的信号線または電力供給線については、列設方向一側の接点部材5520,820を利用することで、遊技盤ユニット13の不用意な操作(変位)による遊技への影響を抑制できる。
【0299】
なお、このように、第5実施形態では、複数組の接点部材5520,820における解除のタイミングを、第4実施形態の場合とは逆に、列設方向他側に位置するものを列設方向一側に位置するものよりも遅くすることができる。即ち、例えば、電気的信号線または電力供給線の取り回し(配線位置)を設計する際に、他の部材と干渉したり、配線スペースが確保できないなどの理由により、第4実施形態における第1オスコネクタ4500では、遊技へ比較的大きな影響を与える電気的信号線または電力供給線を、複数組の接点部材5520,820のうちの列設方向一側の組に接続できない場合がある。この場合には、第5実施形態を採用することで、列設方向他側の組に接続することができる。これにより、遊技へ比較的大きな影響を与える電気的信号線または電力供給線が解除されるタイミングを遅らせつつ、電気的信号線または電力供給線の設計の自由度を確保することができる。
【0300】
また、第1オスコネクタ5500及び第2メスコネクタ800は、接続の方向に沿って直線状に延設される被ガイド部530及びガイド溝830を備え、複数組の接点部材5520,820は、被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向に沿って延設されるので、第4実施形態の場合と同様に、遊技盤ユニット13が取付完了位置から変位される際に、接点部材5520,820の各組において、それら一対の接点部材5520,820どうしを接続された状態に維持しやすくできる。
【0301】
ここで、接続の解除時は、第4実施形態の場合と同様に、第1オスコネクタ5500が、第2メスコネクタ800に対して、直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿って移動されることが理想であるが、実際には、遊技盤ユニット13が、内枠12に対し、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、回動(変位)される操作が作業者により行われるのが通常であり、この場合には、第1オスコネクタ5500も、第2メスコネクタ800に対して、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、円弧状の軌跡に沿って移動される。この態様について、
図30を参照して説明する。
【0302】
図30は、第1オスコネクタ5500及び第1メスコネクタ800の接続および解除の動作を説明するための模式図であり、
図26(b)に示す第1メスコネクタ800及び
図29(b)に示す第1オスコネクタ5500に対応する。即ち、
図30は、内枠12及び遊技盤ユニット13の底面方向視(矢印IX方向視、
図8参照)に対応する(
図9参照)。なお、
図30では、内枠12及び遊技盤ユニット13(ベース板60)を二点鎖線を用いて模式的に図示する。
【0303】
図30に示すように、側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12から離間する方向へ向けて回動(変位)される態様では、第4実施形態で説明した通り、回動先端側(
図30左側)に位置する接点部材5520,820の組ほど先に接続が解除されやすい。
【0304】
言い換えれば、回動基端側(
図30右側)に位置する接点部材5520,820の組ほど接続が解除される順が後となりやすい。第5実施形態では、この回動に伴う特性と接点部材5520の配置順とを利用することで、複数組の接点部材5520,820のうちで接続が解除される順が後となりやすい位置(回動基端側)に配置される組に対し、その接続が解除されるタイミングを更に遅らせることができるように構成される。よって、本実施形態において、不用意に解除されることで遊技への影響が大きな重要な電気的信号線を回動基端側に配設することが、その接続が不用意に解除されることを抑制する形態として特に有効となる。
【0305】
即ち、遊技盤ユニット13が回動される態様では、遊技盤ユニット13の回転基端側(
図30右側)に配置される組(接点部材5520,820)ほどその接続の解除が最後となりやすいところ、かかる接続の解除が最後となりやすい位置の接点部材5520ほど、その延設長さが長くされている(接続方向先端側の一端の位置が第1メスコネクタ800側に位置する)ので、かかる回動基端側に配設される接点部材5520,820の組における接続が解除されるタイミングを更に遅くすることができる。即ち、もともと接続が解除されるタイミングの遅い接点部材5520,820の組に対して、接点部材5520,820の延設長さを長くすることで、かかる接点部材5520,820の組における接続が解除されるタイミングを更に遅くすることができる。
【0306】
これにより、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に少し変位されとしても、かかる回動基端側に位置する接点部材5520,820の組における接続が不用意に解除されることを更に発生し難くでき、その接続を維持できる可能性を更に確保しやすくできる。よって、本実施形態において、不用意に解除されることで遊技への影響が大きな重要な電気的信号線を回動基端側に配設することが、その接続が不用意に解除されることを抑制する形態として特に有効となる。
【0307】
なお、遊技中に、ホールの店員が前面枠14を内枠12に対して隣の遊技者の邪魔とならない程度に少し開いた状態として作業を行う場合には、第4実施形態の場合と同様に、遊技盤ユニット13は、挿入部128及び側部60aを回動の中心として回動される態様が顕著となるため、第1オスコネクタ5500も、第2メスコネクタ800に対して、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、円弧状の軌跡に沿って移動される態様のみとなりやすい。従って、本実施形態が特に有効となる。
【0308】
また、複数組の接点部材5520,820のうち、その接続が解除されることで遊技へ比較的大きな影響を与える電気的信号線または電力供給線、及び、遊技への影響が比較的小さい電気的信号線または電力供給線としては、第4実施形態における例示と同様であるので、その説明は省略する。
【0309】
ここで、第5実施形態においては、回動先端側(
図30左側、即ち、先に接続が解除されやすい側)には、他の制御装置(例えば、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113など)と第2の装置のうちの音声出力、表示手段または発光手段(例えば、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、表示制御装置114など)に関すものとの間を接続する電気的信号線または電力供給線を接続する接点部材5520,820の組を配設することが好ましい。遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位され、複数組の接点部材5520,820における接続の解除が一部の組で開始された場合に、遊技盤ユニット13の不用意な変位を早期に停止させやすくできる。
【0310】
即ち、遊技盤ユニット13の不用意な変位により先に接続の解除が開始される接点部材5520,820の組が、音声出力、表示手段または発光手段に関するものであるので、遊技中に、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位されると、遊技における音声出力、表示または発光が停止されるので、かかる音声出力、表示または発光が停止されることに基づいて、ホールの店員などの作業者に対して、遊技盤ユニット13を不用意に変位させていることを気付かせることができる。これにより、遊技盤ユニット13の不用意な変位を早期に停止させやすくでき、その結果、複数組の接点部材5520,820の接続がすべて解除されることを回避して、遊技への影響を抑制できる。
【0311】
次いで、
図31を参照して、第6実施形態について説明する。第4実施形態では、各接点部材4520の延設長さが幅方向(矢印R−L方向)に沿って連続的に変化する場合を説明したが、第6実施形態における各接点部材6520は、その延設長さが幅方向(矢印R−L方向)に沿って階段状に変化する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0312】
図31(a)は、第6実施形態における第1オスコネクタ6500の正面図であり、
図31(b)は、
図31(a)の矢印XXXIb方向視における第1オスコネクタ6500の側面図である。
【0313】
図31に示すように、第1オスコネクタ6500には、隣接する複数本(本実施形態では5本)の接点部材6520からなる群が複数群(3群)形成され、一の群においては、その群を構成する複数本(本実施形態では5本)の接点部材6520の一端(第1オスコネクタ6500の接続方向先端側(
図31(b)上側)の一端)の配設位置が、矢印R−Lに沿って横一列とされ、接続の方向(
図31(b)上下方向)において、それぞれ同じ位置とされる。
図31(b)に示す側面視において、各接点部材6520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線が直線状をなすと共に、その直線(仮想線)が被ガイド部530の延設方向(接続の方向、
図31(b)上下方向)に直交される。
【0314】
一方、群どうしを比較すると、各群は、他の群に対して、接点部材6520の一端(第1オスコネクタ6500の接続方向先端側(
図31(b)上側)の一端)の配設位置が、接続の方向(
図31(b)上下方向)において、それぞれ異なる位置とされる。具体的には、幅方向一側(接点部材6520の列設方向一側、
図31(b)左側)に位置する群ほど、幅方向他側(接点部材6520の列設方向他側、
図31(b)右側)に位置する群よりも、延設長さが長くされる。
【0315】
これにより、第6実施形態によれば、遊技盤ユニット13が直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿いつつ変位されることで、第1オスコネクタ6500及び第1メスコネクタ800(
図26参照)の接続および解除される場合には、一の群においては、その群を構成する複数本(本実施形態では5本)の接点部材6520を、接点部材820にそれぞれ同時に接続および解除することができる。このように、一の群の中において、各接点部材6520,820の電気的な接続または解除のタイミングが同時となることで、電気的に接続(導通)されている箇所と解除(切断)されている箇所とが混在せず、導通や切断のタイムラグ(タイミングの差)を発生させないので、遊技の制御を適切に行うことができる。
【0316】
ここで、上述したように、遊技盤ユニット13が、内枠12に対し、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、回動(変位)され操作が作業者により行われ、第1オスコネクタ4500が、第2メスコネクタ800に対して、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、円弧状の軌跡に沿って移動される場合には、複数の群のうちの回動先端側(幅方向一側、
図31(b)左側)に位置する群ほど、回動基端側(幅方向他側、
図31(b)右側)に位置する群よりも先に接続が解除されやすい。
【0317】
この場合、本実施形態では、複数の群のうちの回動先端側(幅方向一側、
図31(b)左側)に位置する群ほど、回動基端側(幅方向他側、
図31(b)右側)に位置する群よりも、その群を構成する接点部材6520の延設長さが長くされるので、回動基端側に位置する群の接続が解除されるタイミングを後とできる(遅くできる)。即ち、第4実施形態の場合と同様に、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に少し変位されてしまったとしても、一部(幅方向一側、
図31(b)左側)の群において、その接続を維持できる可能性を確保できる。したがって、複数組の接点部材6520,820のうち、その接続が解除されることで遊技へ比較的大きな影響を与える電気的信号線または電力供給線については、幅方向一側(
図31(b)左側)の群(接点部材6520,820)を利用し、遊技への影響が比較的小さい電気的信号線または電力供給線については、幅方向他側(
図31(b)右側)の群(接点部材6520,820)を利用することで、遊技盤ユニット13の不用意な操作(変位)による遊技への影響を抑制できる。
【0318】
なお、その接続が解除されることで遊技へ比較的大きな影響を与える電気的信号線または電力供給線、及び、遊技への影響が比較的小さい電気的信号線または電力供給線としては、第4実施形態における例示と同様であるので、その説明は省略する。
【0319】
次いで、
図32及び
図33を参照して、第7実施形態について説明する。第4実施形態では、ハウジング510の高さ寸法が接点部材4520の列設方向に沿って一定とされる場合を説明したが、第7実施形態におけるハウジング510は、その高さ寸法が接点部材7520の列設方向に沿って変化される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0320】
図32は、第7実施形態における第1オスコネクタ7500の正面斜視図である。
図33(a)は、第1オスコネクタ6500の正面図であり、
図33(b)は、
図33(a)の矢印XXXIIIb方向視における第1オスコネクタ7500の側面図である。
【0321】
図32及び
図33に示すように、第1オスコネクタ7500には、隣接する複数本(本実施形態では5本)の接点部材7520からなる第1の群と、残りの複数本(本実施形態では10本)の接点部材7520からなる第2の群とが形成され、一の群においては、その群を構成する複数本(本実施形態では5本または10本)の接点部材7520の一端(第1オスコネクタ7500の接続方向先端側(
図33(b)上側)の一端)の配設位置が、矢印R−Lに沿って横一列とされ、接続の方向(
図33(b)上下方向)において、それぞれ同じ位置とされる。即ち、
図33(b)に示す側面視において、各接点部材6520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線が直線状をなすと共に、その直線(仮想線)が被ガイド部530の延設方向(接続の方向、
図33(b)上下方向)に直交される。
【0322】
一方、群どうしを比較すると、第1の群は、第2の群に対して、接点部材6520の一端(第1オスコネクタ7500の接続方向先端側(
図33(b)上側)の一端)の配設位置が前方(矢印F側)に突出して配設される。即ち、第1の群は、第2の群よりも、接点部材7520の延設長さが長くされる。
【0323】
この場合、ハウジング510の高さ寸法(接点部材7520の延設方向(矢印F−B方向)における寸法、
図33(b)上下方向の寸法)は、第1の群に対応する部分が、第2の群に対応する部分よりも大きく(高く)される。このように、第7実施形態では、接点部材7520の延設長さに応じて、ハウジング510の高さ寸法を設定するので、ハウジング510の接点部材7520が配設されない部分(第2の群に対応する部分)については、無駄な素材が使用されることを抑制して、その分、材料コストの削減を図ることができる。一方、第1の群に対応する部分については、ハウジング510の高さ寸法が大きくされていることから、その分、接点部材7520の配設スペースを確保することができ、その分、かかる接点部材7520の延設長さを長くすることができる。その結果、上述したように、接続が解除されるタイミングをより遅らせることができる。
【0324】
次いで、
図34から
図38を参照して、第8実施形態について説明する。第1実施形態では、台座400の第1開口421へ第1オスコネクタ500を挿通する挿通工程と、その挿通工程による挿通の方向と直交する方向へ第1オスコネクタ500を台座400に対して変位させる変位工程との二工程により、台座400へ第1オスコネクタ500を組み付ける場合を説明したが、第8実施形態は、台座8400の第1開口8421へ第1オスコネクタ8500を挿通する挿通工程のみにより、台座8400へ第1オスコネクタ8500を組み付けることができ、変位工程を省略可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0325】
図34(a)は、第8実施形態における遊技盤側コネクタ8300Aの正面図であり、
図34(b)は、
図34(a)のXXXIVb−XXXIVb線における遊技盤側コネクタ8300Aの断面図である。
【0326】
図34に示すように、遊技盤側コネクタ8300Aは、箱状に形成される台座8400と、その台座8400に保持される第1オスコネクタ8500及び第2オスコネクタ8600とを備える。台座8400は、第1正面板8411及び第2正面板8412の第1開口8421及び第2開口8422に第1オスコネクタ8500及び第2オスコネクタ8600をそれぞれ挿通させることで、第1実施形態の場合と同様に、第1オスコネクタ8500及び第2オスコネクタ8600を接続の方向(矢印F−B方向)に直交する方向(矢印R−L方向又は矢印U−D方向)に変位可能に保持する。ここで、
図35を参照して、台座8400の詳細構成について説明する。
【0327】
図35(a)は、台座8400の正面図であり、
図35(b)は、
図35(a)のXXXVb−XXXVb線における台座8400の断面図である。なお、
図35(b)では、遊技機ユニット13の背面であって遊技盤側コネクタ8300Aが取り付けられる取付面BEが二点鎖線を用いて模式的図に図示される。
【0328】
ここで、第8実施形態における台座8400は、第1実施形態における台座400に対し、その台座400の第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451と第2基端側弾性片442及び第2先端側弾性片452とを(いずれも
図12から
図14参照)、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451と第2基端側弾性片8442及び第2先端側弾性片8452とに置き換えて構成される。また、第8実施形態における台座8400は、その基端側開口8421b,422bが、第1実施形態における台座400の基端側開口421b,422bを短手側壁板414側(矢印L側)へ延長(拡大)した開口として形成され、その分、台座8400の長手方向(矢印R−L方向、
図35(a)左右方向)における基端側正面板8411bの幅寸法(矢印R−L方向寸法)が小さくされる。なお、これらを除く他の構成は、第8実施形態における台座8400と第1実施形態における台座400とで同一である。よって、以下においては、異なる部分のみを説明し、同一の部分の説明は省略する。
【0329】
図35に示すように、台座8400には、第1開口8421に対応して、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451が形成されると共に、第2開口8422に対応して、第2基端側弾性片8442及び第2先端側弾性片8452が形成される。第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451は、第1開口8421に挿通される第1オスコネクタ8500に対し、第2基端側弾性片8442及び第2先端側弾性片8452は、第2開口422に挿通される第2オスコネクタ8600に対し、それらの位置決め及び初期位置への復帰のための付勢と台座8400に対する矢印F方向への変位の規制とをそれぞれ行うための部位である(
図34参照)。
【0330】
第1基端側弾性片8441は、側面視L字状に形成される弾性片であり、短手側壁板414の内壁面に一体に形成される。詳細には、第1基端側弾性片8441は、短手側壁板414の最も背面側(
図35(b)の下側)における内壁面に一端(第1基端側弾性片8441の基端)が接続され第1先端側弾性片8451(
図35(b)左側)へ向けて張り出す側面視直線状の張出部分8441aと、その張出部分8441aの他端に一端が接続され側面視直線状に形成されると共に短手側壁板414の内壁面に所定間隔を隔てつつ平行に対向配置される直線部分8441bと、その直線部分8441bの他端から第1先端側弾性片8451(
図35(b)左側)へ向けて延設される延設部分8441cとを備える。
【0331】
直線部分8441bの他端側の端面および延設部分8441cの正面(いずれも
図35(b)上側の面)は、第1先端側弾性片8451(
図35(b)左側)へ向けて下降傾斜する平坦面(以下「傾斜面SL1」と称す)として形成される。なお、張出部分8441a、直線部分8441b及び延設部分8441cは、その幅寸法(
図35(a)上下方向寸法)が全体にわたって略一定に形成される。また、張出部分8441a及び直線部分8441bの厚み寸法は、基端から先端までの範囲にわたって略一定に形成される。
【0332】
第1先端側弾性片8451は、上述した第1基端側弾性片8441と矢印R−L方向において所定間隔を隔てつつ対向配置されると共に側面視L字状に形成される弾性片であり、中間固定部432の外壁面に一体に形成される。詳細には、第1先端側弾性片8451は、中間固定部432の最も背面側(
図35(b)の下側)における外壁面に一端(第1先端側弾性片8441の基端)が接続され第1基端側弾性片8441(
図35(b)右側)へ向けて張り出す側面視直線状の張出部分8451aと、その張出部分8451aの他端に一端が接続され側面視直線状に形成されると共に中間固定部432の外壁面に所定間隔を隔てつつ平行に対向配置される直線部分8451bと、その直線部分8451bの他端から第1基端側弾性片8441(
図35(b)右側)へ向けて延設される延設部分8451cとを備える。
【0333】
直線部分8451bの他端側の端面および延設部分8451cの正面(いずれも
図35(b)上側の面)は、第1基端側壁板8451(
図35(b)右側)へ向けて下降傾斜する平坦面(以下「傾斜面SR1」と称す)として形成される。なお、張出部分8451a、直線部分8451b及び延設部分8451cは、その幅寸法(
図35(a)上下方向寸法)が全体にわたって略一定に形成される。また、張出部分8451a及び直線部分8451bの厚み寸法は、基端から先端までの範囲にわたって略一定に形成される。
【0334】
第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451は、互いの直線部分8441b,8451bが平行に対向配置される姿勢で形成され、それら直線部分8441b,8451bの対向間隔が第1オスコネクタ8500(ハウジング510)の長手方向寸法よりも若干小さくされる。これにより、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451の間に第1オスコネクタ8500を挟み込むことができるので、かかる第1オスコネクタ8500を矢印R−L方向における初期位置に位置決めすることができる。
【0335】
また、台座8400に対して第1オスコネクタ8500を矢印R−L方向へ変位させる外力が第1オスコネクタ8500に作用される場合には、第1基端側弾性片8441又は第1先端側弾性片8451が弾性変形することで、第1オスコネクタ8500の台座400に対する変位を許容して、破損を防止できる一方、外力が解除された後は、第1基端側弾性片8441又は第1先端側弾性片8451の弾性回復力により第1オスコネクタ8500を初期位置へ復帰させることができる(
図34参照)。
【0336】
さらに、直線部分8441b,8451bの対向面には、延設部分8441c,8451cが対向空間へ向けてそれぞれ延設されるので、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451の直線部分8441b,8451bの間に第1オスコネクタ8500を挟み込んだ状態では、延設部分8441c,8451cの背面(
図35(b)下側の面)を第1オスコネクタ8500(ハウジング510)の一部(基部側背面板551及び側部背面板553)の正面に配置できる(
図34(b)参照)。即ち、延設部分8441c,8451cを第1オスコネクタ8500に係合(当接)させて、第1オスコネクタ8500が第1開口8421から矢印F方向へ抜け出ることを規制することができる。
【0337】
第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451の板厚寸法は、第1実施形態の場合と同様に、第1正面板8411や短手側壁414,415などの台座800の外殻を形成する部位の板厚寸法よりも小さくされる。これにより、上述したように、成型金型内での素材の流動性が悪化しやすい各弾性片8441,8451における成型性を確保して、成型時の歩留まりの向上を図りつつ、外殻の剛性を確保して、各弾性片8441,8451や第1オスコネクタ8500の弾性変形や変位を安定して保持することができる。
【0338】
第2基端側弾性片8442は、張出部分8442a、直線部分8442b、張出部分8442c及び傾斜面SL2を備え、中間固定部432の外壁面に一体に形成される。第2先端側弾性片8452は、張出部分8452a、直線部分8452b、張出部分8452c及び傾斜面SR2を備え、短手壁板415の内壁面に一体に形成される。これら第2基端側弾性片8442及び第2先端側弾性片8452は、上述した第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451とそれぞれ実質的に同一の構成であるので、その説明は省略する。
【0339】
図34に戻って説明する。
図34に示すように、台座8400には、第1オスコネクタ8500及び第2オスコネクタ8600がその長手方向を台座8400の長手方向に沿わせて一列に配設される。ここで、
図36及び
図37を参照して、第1オスコネクタ8500の詳細構成について説明する。
【0340】
図36は、第1オスコネクタ8500の正面斜視図である。
図37(a)は、第1オスコネクタ8500の正面図であり、
図37(b)は、
図37(a)の矢印XXXVIIb方向視における第1オスコネクタ8500の側面図である。なお、
図36及び
図37では、第1オスコネクタ8500の電気的接続線WHの図示が省略される。
【0341】
図36及び
図37に示すように、第8実施形態における第1オスコネクタ8500は、第1実施形態における第1オスコネクタ500に対し、その第1オスコネクタ500の一対の先端側背面板552(
図15から
図17参照)を省略して構成される。即ち、かかる省略した部分(一対の先端側背面板552)を除く他の構成は、第8実施形態における第1オスコネクタ8500と第1実施形態における第1オスコネクタ500とで同一である。
【0342】
第8実施形態では、第1オスコネクタ8500から一対の先端側背面板552(
図15から
図17参照)が省略されることで、かかる第1オスコネクタ8500を、台座8400の第1正面板8411における正面側(
図34(a)紙面手前側)から第1開口8421へ挿通可能とされる。即ち、第1オスコネクタ8500のハウジング510は、一対の先端側背面板552が省略される部分における幅寸法(
図37(a)上下方向寸法)が、台座8400の中央開口421aの幅寸法(中間正面板8411aの間の隙間寸法、
図35(a)上下方向寸法)よりも小さくされる(
図34(a)参照)。
【0343】
なお、上述したように、台座8400は、第1開口8421における基端側開口8421b,422bの開口寸法が短手側壁板414側(矢印L側)へ延長(拡大)され、その分、基端側正面板8411bの短手側壁板414からの突出量が小さくされる。よって、第1オスコネクタ8500は、その基端側背面板551を、台座8400の基端側正面板8411bに干渉させることなく、第1正面板8411における正面側(
図34(a)紙面手前側)から第1開口8421へ挿通可能とされる。
【0344】
また、第8実施形態では、背面板の群が、基端側背面板551及び側部背面板553からなる。第1オスコネクタ8500は、これら基端側背面板551及び側部背面板553の正面が、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451の延設部分8441c,8451cの背面により係合(当接)されることで、台座8400に対して正面方向(矢印F方向)へ変位することが規制される。これにより、第1オスコネクタ8500が台座8400の第1開口8421から抜け出ることを抑制し、かかる第1オスコネクタ8500を第1メスコネクタ800(
図7参照)の接続口(受入口)から確実に抜き取ることができる。
【0345】
図34に戻って説明する。第2オスコネクタ8600は、第1実施形態における第2オスコネクタ600に対し、その第2オスコネクタ600の一対の先端側背面板552(
図18参照)を省略して構成される。即ち、かかる省略した部分(一対の先端側背面板552)を除く他の構成は、第8実施形態における第2オスコネクタ8600と第1実施形態における第2オスコネクタ600とで同一である。よって、その説明は省略する。
【0346】
第1オスコネクタ8500は、第1実施形態の場合と同様に、台座8400に対して、その初期位置が規定可能に形成され、また、台座8400に対する接続の方向と直交する方向(矢印U−D方向または矢印R−L方向)への変位が許容されると共に、台座8400に対する接続の方向と直交する方向への変位が所定の範囲内で規制される。これら初期位置を規定する構造、変位を許容する構造、及び、その変位の許容範囲を所定範囲内に規制する構造は、第1実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0347】
次いで、
図38を参照して、遊技盤側コネクタ8300Aの組み立て方法について説明する。なお、上述したように、第1オスコネクタ8500と第2オスコネクタ8600とは、実質的に同一の構成であり、よって、台座8400へ組み付ける方法も両者において実質的に同一であるので、以下においては、第1オスコネクタ8500を台座8400に組み付ける方法のみを説明して、第2オスコネクタ8600についての説明は省略する。
【0348】
図38は、遊技盤側コネクタ8300Aの組み立て工程を時系列で示す台座8400及び第1オスコネクタ8500の断面図である。なお、
図38に図示される台座8400及び第1オスコネクタ8500の断面は、
図34(a)のXXXIVb−XXXIVb線における断面に対応する。
【0349】
図38(a)に示すように、遊技盤側コネクタ8300Aの組み立ては、まず、台座8400における第1正面板8411の正面(
図38(a)上側の面)に第1オスコネクタ8500の背面を対面させ、台座8400に対して第1オスコネクタ8500を矢印B方向へ向けて押し下げる。これにより、第1オスコネクタ8500の基端側背面板551の背面が台座8400の第1基端側弾性片8441の傾斜面SL1に、第1オスコネクタ8500の側部背面板553の背面が台座8400の第1先端側弾性片8451の傾斜面SR1に、それぞれ当接される。
【0350】
図38(b)に示すように、台座8400に対して第1オスコネクタ8500を矢印B方向へ向けて更に押し下げると、第1オスコネクタ8500の基端側背面板551及び先端側背面板553の背面が、台座8400の第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451の傾斜面SL1,SR1上を摺動され、かかる摺動により、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451が互いに離間する方向(第1オスコネクタ8500からそれぞれ離間する方向)へ向けて弾性変形される。
【0351】
このように、本実施形態では、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451に傾斜面SL1,SR1を設け、それら両傾斜面SL1,SR1に第1オスコネクタ8500の基端側背面板551及び先端側背面板553を当接させることで、第1開口8421へ第1オスコネクタ8500を挿通する過程において第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451を互いに離間する方向へ弾性変形させることができる。即ち、例えば、組み付け作業者が第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451を手で押し広げるなど、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451を弾性変形させるための動作を別途行う必要がなく、第1オスコネクタ8500を台座8400に対して矢印B方向へ押し下げる動作のみで、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451に所定の弾性変形を付与することができる。
【0352】
よって、台座8400に第1オスコネクタ8500を組み付けるために必要な工程を、台座8400に対して第1オスコネクタ8500を一方向(矢印B方向)へ変位させる動作のみとすることができる。これにより、組み立て工程を簡素として、その分、組み立てコストの削減を図ることができる。
【0353】
図38(c)に示すように、台座8400に対する第1オスコネクタ8500の矢印B方向への押し下げ位置が所定位置に達すると、第1オスコネクタ8500の基端側背面板551及び先端側背面板553が、台座8400の第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451の傾斜面SL1,SR1を通過する。これにより、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451が、互いに近接する方向(第1オスコネクタ8500へ近づく方向)へ向けて弾性回復されて初期位置へ復帰される。
【0354】
即ち、台座8400の第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451における延設部分8441c,8451cの背面が、第1オスコネクタ8500の基端側背面板551及び側部背面板553の正面に対面され、これら延設部分8441c,8451cの背面と基端側背面板551及び側部背面板553の正面とが係合(当接)可能な状態とされる。これにより、台座8400への第1オスコネクタ8500の組み付け(遊技盤側コネクタ8300Aの組み立て)が完了される。
【0355】
このように、本実施形態では、台座8400の第1開口8421へ第1オスコネクタ8500を正面側から挿通する工程(挿通工程)を行うのみで、台座8400への第1オスコネクタ8500の組み付けを完了することができ、第1実施形態の場合のように、挿通工程により所定位置まで挿通された第1オスコネクタ8500を台座8400に対して挿入の方向(接続の方向)と直交する方向へ変位させる変位工程(
図24(b)参照)を行う必要がない。よって、組み付け工数を低減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0356】
この場合、台座8400に対し第1オスコネクタ8500を矢印B方向へ押し下げて所定位置に配置する際には、第1オスコネクタ8500の基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543の背面が台座8400の中間正面板411a及び先端側正面板411cの正面に当接される位置(即ち、それ以上の矢印B方向への押し下げができなくなる位置)まで第1オスコネクタ8500を押し下げれば良く、第1オスコネクタ8500の挿通位置(押し下げ位置)を制御する必要がない。これにより、作業を簡素化して、組み付け工数の低減を図ることができる。
【0357】
台座8400に第1オスコネクタ8500が組み付けられた状態では、台座8400に対する第1オスコネクタ8500の挿通の方向(矢印B方向)への変位は、第1実施形態の場合と同様に、台座8400の中間正面板411a及び先端側正面板411cに第1オスコネクタ8500の基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543が当接されることで規制可能とされる。一方、第8実施形態では、台座8400に対する第1オスコネクタ8500の挿通の方向と反対方向(第1開口8421から抜け出る方向、矢印F方向)への変位は、台座8400の第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451の延設部分8441c,8451cに第1オスコネクタ8500の基端側背面板551及び側部背面板553が当接することで規制可能とされる。
【0358】
よって、遊技盤ユニット13を取付完了位置へ変位させて、第1オスコネクタ8500及び第1メスコネクタ800を接続する際、及び、取付完了位置から遊技盤ユニット13を変位させて、第1オスコネクタ8500及び第1メスコネクタ800の接続を解除する際には、台座8400に対する第1オスコネクタ8500の接続の方向または解除の方向への変位を規制可能とでき、接続およびその接続の解除を確実に行うことができる。
【0359】
このように、第8実施形態では、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451が、台座8400の第1開口8421から第1オスコネクタ8500が抜け出ることを規制する手段と、台座8400に対する第1オスコネクタ8500の配設位置を位置決めする手段との2つの手段を兼用可能とされる。これにより、それぞれの手段を達成するための部材を別々に設ける必要がないので、部品点数を低減でき、その分、部品コストや組み立て工数の削減を図ることができる。
【0360】
更に、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451が、上述の2つの手段を兼用する場合に、これら第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451は、台座8400から第1オスコネクタ8500へ向けて張り出す張出部分8441a,8451aと、その張出部分8441a,8451aから第1オスコネクタ8500の挿通の方向にほぼ沿う方向へ延設される直線部分8441b,8451bと、その直線部分8441b,8451bの延設先端に形成され第1オスコネクタ8500の挿通の方向と反対方向(矢印F方向)への変位を規制する延設部分8441c,8451cとからなるため、上述の2つの手段に必要な機能を確実に発揮させることができる。
【0361】
特に、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451は、張出部分8441a,8451aの張り出し方向(
図38(a)左右方向)における長さ寸法に対して、直線部分8441b,8451bの延設方向(
図38(a)上下方向)における長さ寸法が大きくされるので、台座8400の短手側壁板414又は中間固定部432へ近接または離間する方向には、直線部分8441b,8451bの変形性を確保して、第1オスコネクタ8500の接続の方向と直交する方向(矢印R−L方向)への変位を許容しやすくできる。一方、直線部分8441b,8451bの延設方向(挿通の方向、矢印F−B方向)には、第1基端側弾性片8441及び第1先端側弾性片8451全体としての変形を抑制できる。これにより、延設部分8441c,8451cの背面と基端側背面板551及び側部背面板553の正面との係合(当接)が解除されることを抑制でき、その結果、第1オスコネクタ8500の挿通の方向と反対方向(矢印F方向)への変位を確実に規制することができる。
【0362】
次いで、
図39から
図43を参照して、第9実施形態について説明する。第8実施形態では、台座8400に対して第1オスコネクタ8500が、台座8400の正面側から組み付けられる(第1開口8421へ挿通される)場合を説明したが、第9実施形態における第1オスコネクタ9500は、台座8400の背面側から組み付けられる(第1開口8421へ挿通される)。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0363】
図39(a)は、第9実施形態における遊技盤側コネクタ9300Aの正面図であり、
図39(b)は、
図39(a)のXXXIXb−XXXIXb線における遊技盤側コネクタ9300Aの断面図である。
【0364】
図39に示すように、遊技盤側コネクタ9300Aは、箱状に形成される台座9400と、その台座9400に保持される第1オスコネクタ9500及び第2オスコネクタ9600とを備える。台座9400は、第1正面板411及び第2正面板412の第1開口421及び第2開口422に第1オスコネクタ9500及び第2オスコネクタ9600をそれぞれ挿通させることで、第1実施形態の場合と同様に、第1オスコネクタ9500及び第2オスコネクタ9600を接続の方向(矢印F−B方向)に直交する方向(矢印R−L方向又は矢印U−D方向)に変位可能に保持する。ここで、
図40を参照して、台座9400の詳細構成について説明する。
【0365】
図40(a)は、台座9400の正面図であり、
図40(b)は、
図40(a)のXXXXb−XXXXb線における台座9400の断面図である。なお、
図40(b)では、遊技機ユニット13の背面であって遊技盤側コネクタ9300Aが取り付けられる取付面BEが二点鎖線を用いて模式的図に図示される。
【0366】
ここで、第9実施形態における台座9400は、第1実施形態における台座400の第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451と第2基端側弾性片442及び第2先端側弾性片452とに対し(いずれも
図12から
図14参照)、延設部分9441c,9451c,9442c,9452cが追加されて構成される。即ち、かかる延設部分9441c,9451c,9442c,9452cの追加を除く他の構成は、第9実施形態における台座9400と第1実施形態における台座400とで同一である。よって、以下においては、異なる部分のみを説明し、同一の部分の説明は省略する。
【0367】
図40に示すように、第1基端側弾性片9441の直線部分441bには、第1先端側弾性片9451(
図40(b)左側)へ向けて延設される延設部分9441cが配設される。この延設部分9441cの背面および直線部分441bの下端面(いずれも
図40(b)下側の面)は、第1先端側弾性片9451(
図40(b)左側)へ向けて上昇傾斜する平坦面(以下「傾斜面SL1」と称す)として形成される。なお、延設部分9441cの幅寸法(
図40(a)上下方向寸法)は、湾曲部分441a及び直線部分441bの幅寸法と同一に形成される。
【0368】
第1先端側弾性片8451の直線部分451bには、第1基端側弾性片8441(
図35(b)右側)へ向けて延設されると共に、延設部分451cとの間に所定間隔を隔てた位置に、延設部分9451cが配設される。この延設部分9441cの背面(
図40(b)下側の面)は、第1基端側弾性片9441(
図40(b)右側)へ向けて上昇傾斜する平坦面(以下「傾斜面SR1」と称す)として形成される。延設部分451cと延設部分9451cとの間の対向間隔は、第1オスコネクタ9500の側部背面板553が挿入可能な寸法に設定される(
図39(b)参照)。なお、延設部分9451cの幅寸法(
図40(a)上下方向寸法)は、張出部分451a、直線部分451b及び延設部分451cの幅寸法と同一に形成される。
【0369】
第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451は、第1実施形態の場合と同様に、それらの間に挟み込んだ第1オスコネクタ9500を、矢印R−L方向における初期位置に位置決めできる。また、第1オスコネクタ9500の矢印R−L方向への変位を許容して、破損を防止できる一方、弾性回復力により第1オスコネクタ9500を初期位置へ復帰させることができる(
図39参照)。
【0370】
さらに、第9実施形態では、延設部分9441c,9451cの正面(
図40(b)上側の面)を第1オスコネクタ9500(ハウジング510)の一部(基部側背面板551及び側部背面板553)の背面に配置できる(
図39(b)参照)。即ち、延設部分9441c,9451cを第1オスコネクタ9500に係合(当接)させて、第1オスコネクタ9500が第1開口8421から矢印B方向へ抜け出ることを規制できる。
【0371】
第2基端側弾性片9442及び第2先端側弾性片9452には、延設部分9442c,9452cがそれぞれ配設される。これら第2基端側弾性片9442及び第2先端側弾性片9452は、上述した第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451とそれぞれ実質的に同一の構成であるので、その説明は省略する。
【0372】
図39に戻って説明する。
図39に示すように、台座9400には、第1オスコネクタ9500及び第2オスコネクタ9600がその長手方向を台座9400の長手方向に沿わせて一列に配設される。ここで、
図41及び
図42を参照して、第1オスコネクタ9500の詳細構成について説明する。
【0373】
図41は、第1オスコネクタ9500の正面斜視図である。
図42(a)は、第1オスコネクタ9500の正面図であり、
図42(b)は、
図42(a)の矢印XXXXIIb方向視における第1オスコネクタ9500の側面図である。なお、
図41及び
図42では、第1オスコネクタ9500の電気的接続線WHの図示が省略される。
【0374】
図41及び
図42に示すように、第9実施形態における第1オスコネクタ9500は、第1実施形態における第1オスコネクタ500に対し、その第1オスコネクタ500の正面板の群(一対の基端側正面板541、一対の先端側正面板542及び一対の側部正面板543)と基端側正面板551の背面から突設される突部とを省略して構成される(いずれも
図15から
図17参照)。即ち、かかる省略した部分(基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543と突部と)を除く他の構成は、第9実施形態における第1オスコネクタ9500と第1実施形態における第1オスコネクタ500とで同一である。
【0375】
第9実施形態では、第1オスコネクタ9500から一対の基端側正面板541及び一対の先端側正面板542(いずれも
図15から
図17参照)が省略されることで、かかる第1オスコネクタ9500を、台座9400の第1正面板411における背面側(
図39(b)下側)から第1開口421へ挿通可能とされる。即ち、第1オスコネクタ9500のハウジング510は、一対の基端側正面板541及び一対の先端側正面板542が省略される部分における幅寸法(
図42(a)上下方向寸法)が、台座9400の中央開口421aの幅寸法(先端側正面板411cの間の隙間寸法および中間正面板411aの間の隙間寸法、
図40(a)上下方向寸法)よりも小さくされる(
図39(a)参照)。
【0376】
また、第9実施形態では、背面板の群が、基端側背面板551、先端側背面板552及び側部背面板553からなる。第1オスコネクタ9500は、第1実施形態の場合と同様に、先端側背面板552の正面が中央正面板411aの背面に当接される一方、基端側背面板551及び側部背面板553の背面が、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451の延設部分9441c,9451cの正面により係合(当接)されることで、台座9400に対して背面方向(矢印B方向)へ変位することが規制される。これにより、第1オスコネクタ9500が台座9400の第1開口421から抜け出ることを抑制し、かかる第1オスコネクタ9500を第1メスコネクタ800(
図7参照)の接続口(受入口)へ確実に挿入させることができる。
【0377】
図39に戻って説明する。第2オスコネクタ9600は、第1実施形態における第2オスコネクタ600に対し、その第2オスコネクタ600の一対の基端側正面板542及び一対の先端側正面板552と基端側背面板551の背面から突設される突部を省略して構成される(いずれも
図18及び
図19参照)。即ち、かかる省略した部分(一対の基端側正面板542及び一対の先端側正面板552と基端側背面板551の背面から突設される突部)を除く他の構成は、第9実施形態における第2オスコネクタ9600と第1実施形態における第2オスコネクタ600とで同一である。よって、その説明は省略する。
【0378】
第1オスコネクタ9500は、第1実施形態の場合と同様に、台座9400に対して、その初期位置が規定可能に形成され、また、台座9400に対する接続の方向と直交する方向(矢印U−D方向または矢印R−L方向)への変位が許容されると共に、台座9400に対する接続の方向と直交する方向への変位が所定の範囲内で規制される。これら初期位置を規定する構造、変位を許容する構造、及び、その変位の許容範囲を所定範囲内に規制する構造は、第1実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0379】
次いで、
図43を参照して、遊技盤側コネクタ9300Aの組み立て方法について説明する。なお、上述したように、第1オスコネクタ9500と第2オスコネクタ9600とは、実質的に同一の構成であり、よって、台座9400へ組み付ける方法も両者において実質的に同一であるので、以下においては、第1オスコネクタ9500を台座9400に組み付ける方法のみを説明して、第2オスコネクタ9600についての説明は省略する。
【0380】
図43は、遊技盤側コネクタ9300Aの組み立て工程を時系列で示す台座9400及び第1オスコネクタ9500の断面図である。なお、
図43に図示される台座9400及び第1オスコネクタ9500の断面は、
図39(a)のXXXIXb−XXXIXb線における断面に対応する。
【0381】
図43(a)に示すように、第9実施形態における遊技盤側コネクタ9300Aの組み立ては、第8実施形態の場合とは逆に、台座9400における第1正面板411の背面(
図43(a)下側の面)に第1オスコネクタ9500の正面を対面させ、台座9400に対して第1オスコネクタ9500を矢印F方向へ向けて押し上げる。これにより、第1オスコネクタ9500の基端側背面板551の正面が台座9400の第1基端側弾性片9441の傾斜面SL1に、第1オスコネクタ9500の側部背面板553の正面が台座9400の第1先端側弾性片9451の傾斜面SR1に、それぞれ当接される。
【0382】
図43(b)に示すように、台座9400に対して第1オスコネクタ9500を矢印F方向へ向けて更に押し上げると、第1オスコネクタ9500の基端側背面板551及び先端側背面板553の正面が、台座9400の第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451の傾斜面SL1,SR1上を摺動され、かかる摺動により、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451が互いに離間する方向(第1オスコネクタ9500からそれぞれ離間する方向)へ向けて弾性変形される。
【0383】
このように、第9実施形態においても、第8実施形態の場合と同様に、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451に傾斜面SL1,SR1を設け、それら両傾斜面SL1,SR1に第1オスコネクタ9500の基端側背面板551及び先端側背面板553を当接させることで、第1開口421へ第1オスコネクタ9500を挿通する過程において第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451を互いに離間する方向へ弾性変形させることができる。即ち、例えば、組み付け作業者が第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451を手で押し広げるなど、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451を弾性変形させるための動作を別途行う必要がなく、第1オスコネクタ9500を台座9400に対して矢印F方向へ押し上げる動作のみで、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451に所定の弾性変形を付与することができる。
【0384】
よって、台座9400に第1オスコネクタ9500を組み付けるために必要な工程を、台座9400に対して第1オスコネクタ9500を一方向(矢印F方向)へ変位させる動作のみとすることができる。これにより、組み立て工程を簡素として、その分、組み立てコストの削減を図ることができる。
【0385】
図43(c)に示すように、台座9400に対する第1オスコネクタ9500の矢印F方向への押し上げ位置が所定位置に達すると、第1オスコネクタ9500の基端側背面板551及び先端側背面板553が、台座9400の第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451の傾斜面SL1,SR1を通過する。これにより、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451が、互いに近接する方向(第1オスコネクタ9500へ近づく方向)へ向けて弾性回復されて初期位置へ復帰される。
【0386】
即ち、台座9400の第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451における延設部分9441c,9451cの正面が、第1オスコネクタ9500の基端側背面板551及び側部背面板553の背面に対面され、これら延設部分9441c,9451cの正面と基端側背面板551及び側部背面板553の背面とが係合(当接)可能な状態とされる。これにより、台座9400への第1オスコネクタ9500の組み付け(遊技盤側コネクタ9300Aの組み立て)が完了される。
【0387】
このように、第9実施形態においても、第8実施形態の場合と同様に、台座9400の第1開口421へ第1オスコネクタ9500を背面側から挿通する工程(挿通工程)を行うのみで、台座9400への第1オスコネクタ9500の組み付けを完了することができ、第1実施形態の場合のように、挿通工程により所定位置まで挿通された第1オスコネクタ9500を台座9400に対して挿入の方向(接続の方向)と直交する方向へ変位させる変位工程(
図24(b)参照)を行う必要がない。よって、組み付け工数を低減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0388】
また、第9実施形態では、台座9400の背面側から第1オスコネクタ9500を挿通させる(即ち、第1オスコネクタ9500の正面側を台座9400の第1開口421へ挿通させる)構造なので、第8実施形態の場合のように、台座8400の第1開口421へ先に電気的接続線(図示せず)を挿通させておく必要がない。よって、この点においても、組み付け工数を低減して、製品コストの削減を図ることができる。
【0389】
この場合、台座9400に対し第1オスコネクタ9500を矢印F方向へ押し上げて所定位置に配置する際には、第1オスコネクタ9500の基端側背面板551、先端側背面板552及び側部背面板553の正面が、台座9400の基端側正面板411b及び中間正面板411aの背面と第1先端側弾性片9451の延設部分451cの背面とに当接される位置(即ち、それ以上の矢印F方向への押し上げができなくなる位置)まで第1オスコネクタ9500を押し上げれば良く、第1オスコネクタ9500の挿通位置(押し上げ位置)を制御する必要がない。これにより、作業を簡素化して、組み付け工数の低減を図ることができる。
【0390】
台座9400に第1オスコネクタ9500が組み付けられた状態では、台座9400に対する第1オスコネクタ9500の挿通の方向(矢印F方向)への変位は、第1実施形態の場合と同様に、台座9400の基端側正面板411b及び中間正面板411aの背面と第1先端側弾性片9451の延設部分451cの背面とに、第1オスコネクタ9500の基端側背面板551、先端側背面板552及び側部背面板553の正面が当接されることで規制可能とされる。一方、第9実施形態では、台座9400に対する第1オスコネクタ9500の挿通の方向と反対方向(第1開口8421から抜け出る方向、矢印B方向)への変位は、台座9400の第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451の延設部分9441c,9451cに、第1オスコネクタ9500の基端側背面板551及び側部背面板553が当接することで規制可能とされる。
【0391】
よって、遊技盤ユニット13を取付完了位置へ変位させて、第1オスコネクタ9500及び第1メスコネクタ800を接続する際、及び、取付完了位置から遊技盤ユニット13を変位させて、第1オスコネクタ9500及び第1メスコネクタ800の接続を解除する際には、台座9400に対する第1オスコネクタ9500の接続の方向または解除の方向への変位を規制可能とでき、接続およびその接続の解除を確実に行うことができる。
【0392】
このように、第9実施形態においても、第8実施形態の場合と同様に、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451が、台座9400の第1開口421から第1オスコネクタ9500が抜け出ることを規制する手段と、台座9400に対する第1オスコネクタ9500の配設位置を位置決めする手段との2つの手段を兼用可能とされる。これにより、それぞれの手段を達成するための部材を別々に設ける必要がないので、部品点数を低減でき、その分、部品コストや組み立て工数の削減を図ることができる。
【0393】
更に、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451が、上述の2つの手段を兼用する場合に、これら第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451は、台座9400から第1オスコネクタ9500へ向けて延びる(張り出す)湾曲部分441a及び張出部分451aと、それら湾曲部分441a及び張出部分451aから第1オスコネクタ9500の挿通の方向にほぼ沿う方向へ延設される直線部分441b,451bと、その直線部分441b,451bに形成され第1オスコネクタ9500の挿通の方向と反対方向(矢印B方向)への変位を規制する延設部分9441c,9451cとからなるため、上述の2つの手段に必要な機能を確実に発揮させることができる。
【0394】
特に、第1基端側弾性片9441は、湾曲部分441aが矢印F方向へ凸の円弧状に湾曲され、第1先端側弾性片9451は、張出部分8451aの張り出し方向(
図43(a)左右方向)における長さ寸法に対して、直線部分451bの延設方向(
図43(a)上下方向)における長さ寸法が大きくされるので、台座9400の短手側壁板414又は中間固定部432へ近接または離間する方向には、直線部分441b,451bの変形性を確保して、第1オスコネクタ9500の接続の方向と直交する方向(矢印R−L方向)への変位を許容しやすくできる。一方、直線部分441b,451bの延設方向(挿通の方向、矢印F−B方向)には、第1基端側弾性片9441及び第1先端側弾性片9451全体としての変形を抑制できる。これにより、延設部分9441c,9451cの正面と基端側背面板551及び側部背面板553の背面との係合(当接)が解除されることを抑制でき、その結果、第1オスコネクタ9500の挿通の方向と反対方向(矢印F方向)への変位を確実に規制することができる。
【0395】
次いで、
図44及び
図45を参照して、第10実施形態について説明する。第1実施形態では、第1オスコネクタ500の正面板の群(基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543)と背面板の群(基端側背面板551、先端側背面板552及び側部背面板553)との間の対向間隔が、台座400の第1正面板411の板厚寸法と略同等に設定される(即ち、正面板の群と背面板の群との間に第1正面板411がほぼ隙間のない状態で挟装され、台座400に対する第1オスコネクタ500の矢印F−B方向への変位が規制される)場合を説明した(
図24(b)参照)。
【0396】
これに対し、第10実施形態では、第1オスコネクタ500の正面板の群(基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543)と背面板の群(基端側背面板551、先端側背面板10552及び側部背面板10553)との間の対向間隔が、台座400の第1正面板411の板厚寸法よりも大きな寸法に設定され(即ち、正面板の群と背面板の群との間に第1正面板411が隙間を有する状態で挟装され)、その隙間の分、台座400に対する第1オスコネクタ10500の矢印F−B方向への変位が許容される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0397】
図44(a)は、第10実施形態における第1オスコネクタ10500の正面図であり、
図44(b)は、
図44(a)のXXXXIVb−XXXXIVb線における第1オスコネクタ10500の断面図である。なお、
図44(b)では、台座400の第1正面板411が二点鎖線を用いて模式的に図示されると共に、第1オスコネクタ10500の先端側背面板10552(接続部10552a及び延設部10552b)及び側部背面板10553の正面を連ねて形成される仮想平面(以下「傾斜面F」と称す)が破線を用いて模式的に図示される。
【0398】
なお、第10実施形態における第1オスコネクタ10500は、その先端側背面板10552及び側部背面板10553の配設位置が、第1実施形態における第1オスコネクタ500の先端側背面板552及び側部背面板553の配設位置よりも背面側(
図44(b)下側)に後退して配置される点のみが異なり、他の構成については、第1実施形態における第1オスコネクタ500と同一であるので、その説明は省略する。
【0399】
図44に示すように、先端側背面板10542は、ハウジング510の外壁面に接続される接続部10552aと、その接続部10552aから基端側背面板10551と反対側(矢印R方向)へ向けて延設される延設部10552bと、その延設部10552bの延設先端からハウジング510の正面(矢印F方向)へ向けて突設される係合部10552cとからなる。
【0400】
接続部10542a及び延設部10552bは、第1実施形態における接続部542a及び延設部552bの配設位置よりも背面側(矢印B側)に後退して配置されると共に(
図16参照)、基端側背面板551と反対側(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。また、側部背面板10553は、ハウジング510の背面(
図44(b)下側面)に配設され、基端側背面板551と反対側(矢印R方向)へ向けて下降傾斜しつつ、ハウジング510の一側(矢印R側)の外壁面から外方へ張り出される。
【0401】
そのため、接続部10542a及び延設部10552bの正面と台座400の第1正面板411の背面との間、及び、側部背面板10553の正面と台座400の第1正面板411の背面との間、即ち、傾斜面Fと第1正面板411との間には、
図44(b)に示すように、基端側背面板511と反対側へ向かうほど漸次間隔が大きくなる隙間が形成される。よって、この隙間の分、台座400に対する第1オスコネクタ10500の矢印F−B方向への変位を許容することができる(
図45参照)。また、第1オスコネクタ10500は、基端側背面板551側よりも側部背面板10553側ほど矢印F−B方向への許容変位が大きくされる。
【0402】
なお、先端側背面板10552の係合部10552cは、ハウジング510の正面(矢印F方向)へ向けて延設部10552bから突設される突設高さが、第1実施形態における係合部552b(
図16参照)の突設高さよりも大きくされる。よって、第1オスコネクタ10500が台座400に取り付けられると共に
図44(b)に示すように台座400に対して第1オスコネクタ10500が矢印B方向へ最大に変位された場合であっても、台座400の第1開口421における先端側開口421c内に係合部10552cを配置させることができ(
図45(a)参照)、これにより、第1オスコネクタ10500の台座400に対する矢印L方向への変位を規制することができる(
図21参照)。
【0403】
次いで、
図45を参照して、第1オスコネクタ10500の接続およびその接続の解除における動作について説明する。
図45(a)及び
図45(b)は、台座400の一部を断面視した状態における遊技盤側コネクタ10300Aの部分拡大側面図であり、
図45(a)は台座400に対して第1オスコネクタ10500が矢印B方向へ変位された状態が、
図45(b)は台座400に対して第1オスコネクタ10500が矢印F方向へ変位された状態が、それぞれ図示される。
【0404】
なお、
図45(a)及び
図45(b)に図示される台座400の断面は、
図13(a)のXIVb−XIVb線における台座400の断面に対応する。即ち、
図45(a)及び
図45(b)に図示される台座400は、
図14(b)に図示される台座400の一部に対応する。また、
図45(a)及び
図45(b)は、遊技盤ユニット13の底面方向視(矢印IX方向視、
図8参照)に対応する(
図9参照)。よって、遊技盤ユニット13の側部60aは
図45(a)及び
図45(b)における右側に位置される(
図28参照)。
【0405】
上述したように、第1オスコネクタ10500は、遊技盤ユニット13(ベース板60)の側部60aが内枠12の挿入部128に挿入され、それら側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12へ向けて回動(変位)されることで(
図28参照)、第1メスコネクタ800への接続が開始されると共に、遊技盤ユニット13が取付完了位置に配置されることで、第1オスコネクタ10500及び第1メスコネクタ800の接続が完了される。
【0406】
この場合、
図45(a)に示すように、第1オスコネクタ10500は、その正面板の群(基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543)の背面が、台座400の第1正面板411の各部(中央正面板411a及び先端側正面板411c)の正面に当接される。これにより、第1オスコネクタ10500と第1メスコネクタ600との接続時には、第1オスコネクタ10500が台座400に対して接続の方向(矢印F−B方向)へ変位することが規制できるので、第1オスコネクタ10500を第1メスコネクタ800に確実に押し込める(挿入できる)と共に、第1オスコネクタ10500の第1メスコネクタ800に対する相対的な姿勢(位置)を適正とできる。よって、両者の接続を確実に行うことができる。
【0407】
一方、第1オスコネクタ10500は、側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12から離間する方向へ向けて回動(変位)され、遊技盤ユニット13が取付完了位置から変位されることで、第1メスコネクタ800との接続の解除が開始されると共に、遊技盤ユニット13が取付完了位置から所定位置まで変位されることで、複数組の接点部材520,820のうちのすべての組の接続が解除され、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800の接続の解除が完了される(
図28参照)。
【0408】
この場合、
図45(b)に示すように、第1オスコネクタ10500は、その背面板の群(基端側背面板551、先端側背面板10552及び側部背面板10553)の正面が、台座400の第1正面板411の各部(中央正面板411a及び基端側正面板411b)の背面および第1先端側弾性片451の延設部分451cに当接される。これにより、第1オスコネクタ10500と第1メスコネクタ600との接続の解除時には、第1オスコネクタ10500が台座400に対して接続の方向(矢印F−B方向)へ変位することが規制できるので、第1オスコネクタ10500を第1メスコネクタ800から確実に抜き取ることができる。よって、両者の接続の解除を確実に行うことができる。
【0409】
ここで、上述したように、例えば、ホールの店員が、遊技中に、前面枠14を開いて何らかの作業(例えば、不正行為の有無の確認など)を行おうとした際に、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位されると、第1オスコネクタ10500及び第1メスコネクタ800の接続が解除され、遊技に影響を与えるおそれがある。
【0410】
これに対し、本実施形態では、第1オスコネクタ10500において、正面板の群(基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543)と背面板の群(基端側背面板551、先端側背面板10552及び側部背面板10553)との間の対向間隔が、台座400の第1正面板411の板厚寸法よりも大きな寸法に設定されることで、これら正面板の群および背面板の群と第1正面板411との間に隙間を形成しておくことができる(
図44参照)。
【0411】
よって、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位されたとしても、かかる変位が、上述した正面板の群および背面板の群と第1正面板411との間の隙間に相当する距離に達するまでの間(即ち、隙間が詰まるまでの間)は、第1オスコネクタ10500及び第1メスコネクタ800の接続の解除が開始されることを抑制できる。即ち、上述した隙間が詰まるまでの間は、遊技盤ユニット13と第1オスコネクタ10500とを切り離しておく(分離させておく)ことができ、かかる遊技盤ユニット13の変位が第1オスコネクタ10500に伝達されないようにすることができる。その結果、遊技への影響を抑制できる。
【0412】
即ち、遊技盤ユニット13の取付完了位置からの不用意な変位を起因とする接続の解除を抑制するためには、接点部材の延設長さを長くして、遊技盤ユニット13が多少変位されても、一対の接点部材どうしの接続(接触)が維持されるようにする態様も考えられる。しかしながら、接点部材5の延設長さを長くする態様では、かかる接点部材の材料コストが嵩むだけでなく、例えば、第1実施形態における場合を例に説明すると、接点部材520の長さ寸法の増大に伴い、第1オスコネクタ500(ハウジング510)の接続方向(矢印F−B方向)の長さ寸法も大きくなり、かかる第1オスコネクタ500の遊技盤ユニット13からの突出量が長くなる。これは、第1オスコネクタ500が大型化するだけでなく、接続時には、第1オスコネクタ500を第1メスコネクタ800へ挿入させる動作が困難になる一方、接続の解除時には、第1メスコネクタ800から第1オスコネクタ500を抜き取ることが困難になる。特に、挿入部128及び側部60aを中心として、遊技盤ユニット13を回動させることで、接続およびその接続の解除を行う場合には、第1メスコネクタ800に対する第1オスコネクタ500の相対的な変位が回動の成分を有することになるため、第1メスコネクタ800に対して第1オスコネクタ500を挿入できない及び抜き取れないという事態を招く。
【0413】
これに対し、本実施形態では、上述した隙間を有する状態で第1オスコネクタ10500を台座400に保持させる構造を採用し、かかる隙間を形成するための構造を、第1オスコネクタ1050と台座400とが重なる領域(即ち、台座400の内部空間)に設けるので、かかる台座400のデッドスペースとなる内部空間を有効に活用できる。よって、第1オスコネクタ10500を小型化できるだけでなく、第1オスコネクタ10500の遊技盤ユニット13からの突出量も短くでき、その結果、挿入部128及び側部60aを中心として、遊技盤ユニット13を回動させる場合であっても、接続およびその接続の解除を適正に行うことができる。
【0414】
ここで、接続の解除時は、第4及び第5実施形態において説明したように、第1オスコネクタ10500が、第2メスコネクタ800に対して、直線方向(被ガイド部530及びガイド溝830の延設方向)に沿って移動されることが理想であるが、実際には、遊技盤ユニット13が、内枠12に対し、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、回動(変位)されることから(
図28参照)、第1オスコネクタ10500も、第2メスコネクタ800に対して、挿入部128及び側部60aを回動の中心として、円弧状の軌跡に沿って移動される。そのため、上述したように、回動先端側(
図45左側)に位置する接点部材520,820の組ほど先に接続が解除されやすい。
【0415】
これに対し、第10実施形態では、かかる先に接続が解除されやすい回動先端側(
図45左側)ほど、上述した正面板の群および背面板の群と第1正面板411との間の隙間が大きくされているので、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位された場合に、先に接続が解除されやすい回動先端側に配置される接点部材520,820の組における接続が解除されるタイミングを遅らせることができ、その結果、その接続を維持できる可能性を確保できる。
【0416】
即ち、遊技盤ユニット13が内枠12に対して挿入部128及び側部60aを中心として回動され(
図28参照)、かかる遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位される場合には、
図45(a)に示す状態から台座400が矢印B方向へ変位されるところ、回動基端側(
図45右側)ほど上述した隙間が小さいことから、まず、台座400の第1正面板411(基端側正面板411b)の背面により第1オスコネクタ10500の基端側背面板551が矢印B方向へ押し下げられ、次いで、台座400の第1正面板411(中央側正面板411a)の背面により第1オスコネクタ10500の先端側背面板552が矢印B方向へ押し下げられ、最後に、台座400の第1先端側弾性片451(延設部分451c)の背面により第1オスコネクタ10500の側部背面板553が矢印B方向へ押し下げられる。これにより、先に接続が解除されやすい回動先端側(
図45左側)に配置される接点部材520,820の組における接続が解除されるタイミングを遅らせることができ、その結果、その接続を維持できる可能性を確保できる。
【0417】
次いで、
図46及び
図47を参照して、第11実施形態について説明する。第10実施形態では、台座400に対する第1オスコネクタ10500の矢印F−B方向への変位が許容される場合を説明したが、第11実施形態の第1オスコネクタ11500は、第10実施形態における構成に加え、台座400に対する第1オスコネクタ11500の矢印F−B方向における位置決め構造を更に備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0418】
図46(a)は、第11実施形態における第1オスコネクタ11500の正面図であり、
図46(b)は、
図46(a)のXXXXVIb−XXXXVIb線における第1オスコネクタ11500の断面図である。なお、
図46(b)では、台座400の第1正面板411が二点鎖線を用いて模式的に図示されると共に、第1オスコネクタ11500の先端側背面板10552(接続部10552a及び延設部10552b)及び側部背面板10553の正面を連ねて形成される仮想平面(以下「傾斜面F」と称す)が破線を用いて模式的に図示される。
【0419】
なお、第11実施形態における第1オスコネクタ11500は、第10実施形態における第1オスコネクタ10500に対し、位置決め突部10552b1が追加される点のみが異なり、他の構成については、第10実施形態における第1オスコネクタ10500と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0420】
図46(a)及び
図46(b)に示すように、第11実施形態の第1オスコネクタ11500は、位置決め突部10552b1を備える。位置決め突部10552b1は、台座400に対して第1オスコネクタ11500を矢印F−B方向に位置決めする役割を担う部位であり、先端側背面板10552における延設部10552bからハウジング510の正面(矢印F方向)へ向けて突設される。なお、位置決め突部10552b1は、側面視において突設先端が円弧状に湾曲される。これにより、台座400の第1正面板411との間の摺動抵抗を抑止して、先端側背面板10552(延設部10552b)の変形性を確保できる(
図47(b)参照)。
【0421】
位置決め突部10552b1の突設寸法は、
図46(b)に示すように、第1オスコネクタ11500が台座400の第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451により矢印R−L方向に位置決めされ(
図47(a)参照)、且つ、第1オスコネクタ11500の正面板の群(基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543)の背面が台座400の第1正面板411の正面に当接された状態において、位置決め突部10552b1の突設先端が第1正面板411の背面に当接するか、又は、位置決め突部10552b1の突設先端と第1正面板411の背面との間に若干の隙間が形成される寸法に設定される。
【0422】
これにより、第1オスコネクタ11500を、その正面板の群(基端側正面板541、先端側正面板542及び側部正面板543)の背面が台座400の第1正面板411の正面に当接された状態に維持することができる。即ち、かかる第1オスコネクタ11500を矢印F−B方向における初期位置に位置決めすることができる。また、台座400に対して第1オスコネクタ11500を矢印F−B方向へ変位させる外力が作用される場合には、先端側背面板10552(延設部10552b)が弾性変形することで、第1オスコネクタ11500の矢印F−B方向への変位を許容できる一方、外力が解除された後は、先端側背面板10552(延設部10552b)の弾性回復力により第1オスコネクタ11500を矢印F−B方向における初期位置へ復帰させることができる(
図47(a)及び
図47(b)参照)。
【0423】
次いで、このように構成された第1オスコネクタ11500の接続およびその接続の解除における動作について、
図47を参照して説明する。
図47(a)及び
図47(b)は、台座400の一部を断面視した状態における遊技盤側コネクタ11300Aの部分拡大側面図であり、
図47(a)は台座400に対して第1オスコネクタ11500が矢印B方向へ変位された状態(即ち、矢印F−B方向における初期位置に位置決めされた状態)が、
図47(b)は台座400に対して第1オスコネクタ11500が矢印F方向へ変位された状態が、それぞれ図示される。
【0424】
上述したように、遊技盤ユニット13が内枠12へ向けて回動(変位)されることで(
図28参照)、第1オスコネクタ11500と第1メスコネクタ800との接続が開始される。この場合、第1オスコネクタ11500の矢印F−B方向における配設位置を所定位置(初期位置)に位置決めできることで、第1オスコネクタ11500及び第1メスコネクタ800の接続が開始される前に、例えば、遊技盤ユニット13を変位させる際の振動などに起因して、台座400に対する第1オスコネクタ11500の配設位置が不用意に変化する(位置ずれする)ことを抑制できる。特に、第1オスコネクタ11500の矢印F−B方向における初期位置は、
図47(a)に示すように、取付完了位置(第2メスコネクタ800との接続が完了した状態)において第1オスコネクタ11500が台座400に対して位置すべき配設位置であるので、台座400に対する第1オスコネクタ11500の配設位置を、第1メスコネクタ800との接続を開始するのに適した位置に配置することができる。その結果、第1オスコネクタ11500と第1メスコネクタ800との接続開始時に、これら両コネクタ11500,800どうしが衝突して破損することを抑制することができる。
【0425】
一方、台座400に対する第1オスコネクタ11500の矢印F方向への変位は、
図47(b)に示すように、先端側背面板10552が弾性変形されることで、その矢印F方向への変位を確保することができる。即ち、第10実施形態の場合と同様に、遊技盤ユニット13が取付完了位置から不用意に変位された場合でも、第10実施形態で説明した隙間を利用して、回動先端側(
図47左側)に配置される接点部材520,820の組における接続が解除されるタイミングを遅らせることができ、その結果、その接続を維持できる可能性を確保できる。
【0426】
なお、上述した第10実施形態における第1オスコネクタ10500及び第11実施形態における第1オスコネクタ11500の台座400への組み付け方法は、第1実施形態における第1オスコネクタ500の台座400への組み付け方法と実質的に同一であるので、その説明を省略する(
図23及び
図24参照)。
【0427】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0428】
上記第2及び第3実施形態では、台座400に対する第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の初期位置を、上下方向(矢印U−D方向)における可動範囲の上端または下端に設定する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上下方向における可動範囲内の任意の位置に設定することができる。また、各実施形態では、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の初期位置が同一の位置に設定される場合を説明したが、これらの初期位置を互いに異なる位置に設定することは当然可能である。
【0429】
上記第2及び第3実施形態では、遊技盤ユニット13の重心位置がその正面側または背面側に偏っている場合を説明したが、このような重心位置の正面側または背面側への偏りが生じない遊技盤ユニット13に対しても、上記第2実施形態または第3実施形態を適用しても良い。重心位置の正面側または背面側への偏りが生じていない場合であっても、台座400と第1コネクタ500との間のがたつき(第1開口412の内周面と第1コネクタ500の外形との間の隙間)に起因して、台座400に対し第1コネクタ500が重力の作用により前傾姿勢(下降傾斜)又は電気的接続線WHの姿勢保持力により仰傾姿勢(上昇傾斜)となる場合があり、この場合に、初期位置を上方または下方に設定することが上記第2実施形態または第3実施形態の場合と同様に有効となる。
【0430】
詳細には、第3実施形態では、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の矢印U−D方向における初期位置が、矢印U−D方向における可動範囲の下端(矢印D方向の端部)に設定され、その高さ位置が予め低くされているので、遊技盤ユニット13が背面側へ傾斜した姿勢となり、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が上昇傾斜される場合でも、その傾斜した姿勢において、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の先端の高さ位置を、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)の高さ位置に一致させることができる。その結果、遊技盤ユニット13を第2仮置き部702に沿って(即ち、
図24(b)の矢印S方向へ)スライドさせることで、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の先端を、第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900の接続口(受入口)に挿入することができ、遊技盤側コネクタ300Aを内枠側コネクタ300Bに接続する際の作業性の向上を図ることができる。
【0431】
上記第4から第7実施形態では、第1オスコネクタ4500〜7500における接点部材520〜7520の配置を変更する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、第2オスコネクタ800における接点部材820の配置を変更しても良い。かかる配置を変更する態様としては、上記第4から第7実施形態で説明した形態、これら各形態どうしを組み合わせた形態などが例示される。
【0432】
上記第4及び第5実施形態では、各接点部材4520,5520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線が直線状をなす場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、仮想線が曲線状(矢印F方向または矢印B方向へ凸の円弧状)をなす形態でも良く、或いは、仮想線が曲線と直線とを組み合わせた形状をなす形態でも良い。他の各実施形態においても同様である。
【0433】
上記第6及び第7実施形態では、各群において、その群をなす接点部材6520,7520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線が直線状をなすと共に、その直線(仮想線)が矢印R−L方向に平行とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、仮想線(直線)が矢印R−L方向に対して傾斜する形態であっても良い。また、仮想線は、直線状をなす形態である必要はなく、例えば、一の群において、曲線状(矢印F方向または矢印B方向へ凸の円弧状)をなす形態でも良く、或いは、曲線と直線とを組み合わせた形状をなす形態でも良い。各群において、仮想線の形態が異なるものであっても良い。
【0434】
上記第4実施形態では、側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12から離間する方向へ向けて回動(変位)される場合に、複数組の接点部材4520,820における接続の解除がそれぞれ異なるタイミングで行われる(回動先端側(
図28左側)に位置する組ほど解除のタイミングが遅くされる)ように、各接点部材4520の延設長さ(接続方向先端側の一端の位置)がそれぞれ設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数組の接点部材4520,820の接続の解除がそれぞれ同一のタイミングで行われるように、各接点部材4520の延設長さ(接続方向先端側の一端の位置)をそれぞれ設定しても良い。
【0435】
具体的には、第1オスコネクタ4500において、列設方向一側(
図27(b)左側)に位置する接点部材4520ほど、列設方向他側(
図27(b)右側)に位置する接点部材4520よりも、延設長さを長くする(一端を接続方向先端側に位置させる)一方で、各接点部材4520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線(直線)と矢印R−L方向とのなす傾斜角度を、第4実施形態の場合における傾斜角度よりも小さな傾斜角度に設定し、かつ、被ガイド部530の延設方向(接続の方向、
図27(b)上下方向)に対して非直角とする。
【0436】
これにより、本変形形態によれば、遊技盤ユニット13の側部60aが内枠12の挿入部128に挿入され、これら側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12(取付完了位置)から離間する方向へ向けて回動(変位)される場合に、第1オスコネクタ4500及び第1メスコネクタ800における接続の解除を、複数組の接点部材4520,820のうちの全ての組において同一のタイミングで行わせることができる。その結果、複数組の接点部材4520,820において、電気的に接続(導通)されている組と解除(切断)されている組とが混在せず、導通や切断のタイムラグ(タイミングの差)を発生させないので、遊技の制御を適切に行うことができる。
【0437】
また、本変形形態によれば、電気的信号線または電力供給線の接続先を、複数組の接点部材4520,820のうちの全ての組から任意に選択できるので、設計の自由度を高めることができる。即ち、上述したように、遊技への影響が比較的大きな電気的信号線または電力供給線については、例えば、第4実施形態では、回動先端側(
図28左側)に位置する接点部材4520,820の組に接続する必要がある一方、第5実施形態では、回動基端側(
図30右側)に位置する接点部材5520,820の組に接続する必要がある。そのため、電気的信号線または電力供給線の接続先が制約され、設計の自由度が低い。例えば、電気的信号線または電力供給線を所定の接続先まで取り回すために、その長さ寸法を不必要に長くする必要が生じ、また、これに起因して、電気的信号線または電力供給線が複雑に交差された状態で配線する必要が生じる。
【0438】
これに対し、本変形形態によれば、複数組の接点部材4520,820のうちの全ての組において、その接続の解除が同一のタイミングで行われるので、電気的信号線または電力供給線の接続先が制約されない。即ち、遊技への影響が大きな電気的信号線または電力供給線であるか否かに関わらず、複数組の接点部材4520,820のうちのいずれの組も接続先として選択可能とされる。よって、例えば、それぞれの電気的信号線または電力供給線に適した接続先をそれぞれ選択することで、電気的信号線または電力供給線の長さ寸法を最適化できると共に、電気的信号線または電力供給線が複雑に交差されることを抑制し、整列状態で配線することができる。
【0439】
上記第6実施形態では、隣接する複数本の接点部材6520からなる群が複数群(3群)形成され、接点部材6520の列設方向一側(
図31(b)左側)に位置する群ほど、接点部材6520の列設方向他側(
図31(b)右側)に位置する群よりも、延設長さが長くされる(一端が接続方向前方側に位置される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これとは逆に、接点部材6520の列設方向他側(
図31(b)右側)に位置する群ほど、接点部材6520の列設方向一側(
図31(b)左側)に位置する群よりも、延設長さが長くされる(一端が接続方向前方側に位置される)ように構成しても良い。これにより、技盤ユニット13の側部60aが内枠12の挿入部128に挿入され、これら側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12(取付完了位置)から離間する方向へ向けて回動(変位)される場合に、列設方向他側(
図31(b)右側)に位置にする群における接続の解除が行われるタイミングを他の群における接続の解除と比較して遅らせることができる。即ち、第5実施形態における場合と同様の効果を奏することができる。
【0440】
上記第7実施形態では、第1オスコネクタ7500の長手方向(矢印R−L方向)端部(
図33(b)左側)の一部の延設長さが長くする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1オスコネクタ7500の長手方向中央部分の延設長さを長くしても良い。
【0441】
上記第10及び第11実施形態では、上述した隙間(正面板の群の背面と背面板の群の正面との間の間隔)が、遊技盤ユニット13が回動される際の回転基端側よりも回転先端側で大きくされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上述した隙間を、遊技盤ユニット13が回動される際の回転基端側が回転先端側よりも大きくなるように形成しても良い。これにより、複数組の接点部材520,820のうちで接続が解除される順が後となりやすい位置(回動基端側)に配置される組に対し、その接続が解除されるタイミングを更に遅らせることができる。
【0442】
上記第10及び第11実施形態では、上述した隙間(正面板の群の背面と背面板の群の正面との間の間隔)が、遊技盤ユニット13が回動される際の回転基端側よりも回転先端側で大きくされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上述した隙間を、遊技盤ユニット13が回動される際の回転基端側および回転先端側で同一となるよに形成しても良い。即ち、矢印R−L方向に沿って隙間を均等としても良い。これによっても、第10及び第11実施形態における効果と同様の効果を奏する。なお、上述した隙間は、上記各実施形態または変形例のいずれにおいても、少なくとも最大の隙間が接点部材520の幅寸法よりも大きいことが好ましい。
【0443】
上記第10及び第11実施形態では、側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12から離間する方向へ向けて回動(変位)される場合に、複数組の接点部材520,820における接続の解除がそれぞれ異なるタイミングで行われる(回動先端側(
図44左側)に位置する組ほど解除のタイミングが遅くされる)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数組の接点部材520,820の接続の解除がそれぞれ同一のタイミングで行われるように、各接点部材520の延設長さ(接続方向先端側の一端の位置)をそれぞれ設定しても良い。
【0444】
具体的には、第1オスコネクタ10500において、各接点部材520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線が直線状をなすと共に、その直線(仮想線)を矢印R−L方向に平行とする、或いは、列設方向一側(
図44左側)に位置する接点部材520ほど、列設方向他側(
図44右側)に位置する接点部材520よりも、延設長さを長くし(一端を接続方向先端側に位置させ)、各接点部材520の一端をそれぞれ通過して形成される仮想線(直線)を矢印R−L方向に対して傾斜させ、かつ、被ガイド部530の延設方向(接続の方向、
図44上下方向)に対して非直角とする。
【0445】
これにより、本変形形態によれば、遊技盤ユニット13の側部60aが内枠12の挿入部128に挿入され、これら側部60a及び挿入部128を回動の中心として、遊技盤ユニット13が内枠12(取付完了位置)から離間する方向へ向けて回動(変位)される場合に、第1オスコネクタ10500及び第1メスコネクタ800における接続の解除を、複数組の接点部材520,820のうちの全ての組において同一のタイミングで行わせることができる。その結果、複数組の接点部材520,820において、電気的に接続(導通)されている組と解除(切断)されている組とが混在せず、導通や切断のタイムラグ(タイミングの差)を発生させないので、遊技の制御を適切に行うことができる。
【0446】
また、本変形形態によれば、電気的信号線または電力供給線の接続先を、複数組の接点部材520,820のうちの全ての組から任意に選択できるので、設計の自由度を高めることができる。即ち、上述したように、遊技への影響が比較的大きな電気的信号線または電力供給線については、例えば、第10実施形態では、回動先端側(
図44左側)に位置する接点部材520,820の組に接続する必要がある。そのため、電気的信号線または電力供給線の接続先が制約され、設計の自由度が低い。例えば、電気的信号線または電力供給線を所定の接続先まで取り回すために、その長さ寸法を不必要に長くする必要が生じ、また、これに起因して、電気的信号線または電力供給線が複雑に交差された状態で配線する必要が生じる。
【0447】
これに対し、本変形形態によれば、複数組の接点部材520,820のうちの全ての組において、その接続の解除が同一のタイミングで行われるので、電気的信号線または電力供給線の接続先が制約されない。即ち、遊技への影響が大きな電気的信号線または電力供給線であるか否かに関わらず、複数組の接点部材520,820のうちのいずれの組も接続先として選択可能とされる。よって、例えば、それぞれの電気的信号線または電力供給線に適した接続先をそれぞれ選択することで、電気的信号線または電力供給線の長さ寸法を最適化できると共に、電気的信号線または電力供給線が複雑に交差されることを抑制し、整列状態で配線することができる。
【0448】
上記第11実施形態では、位置決め突部11522b1を先端側背面板10522に一体に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、先端側背面板10522と別体とすることは当然可能である。例えば、弾性部材(コイルスプリング、板バネ、ゴム状弾性体など)が例示される。
【0449】
上記各実施形態では、ガイド部830及び被ガイド部530を設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら各部530,830を省略することは当然可能である。
【0450】
上記各実施形態では、台座400に対する第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の上下方向(矢印U−D方向)における初期位置を、電気的接続線WHの姿勢保持力を利用して設定する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、左右方向(矢印R−L方向)における初期位置を設定する一対の弾性片(例えば、第1基端側弾性片441及び第1先端側弾性片451)を流用して、上下方向(矢印U−D方向)における初期位置も設定するように構成しても良い。
【0451】
この場合には、上下方向の両側に弾性片を設ける必要はなく、例えば、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600の下側のみに弾性片を設ける構成とすることが好ましい。これにより、自重による下方への移動のみを弾性爪により規制することで、部品点数を削減しつつ、上下方向における初期位置を設定できるからである。
【0452】
また、弾性片は台座に設ける必要はなく、遊技盤ユニット13に設けても良く、第1オスコネクタ500又は第2オスコネクタ600に設けても良い。
【0453】
上記各実施形態では、台座400における長手側壁部416の切り欠き部416a(
図10参照)と、配線保持部材75の開口75a(
図8及び
図9参照)との間で保持される場合を説明したが、これら両保持位置の間に更に電気的接続線WHを保持する保持手段を配設しても良い。この保持手段を更に設けることで、電気的接続線WHの姿勢を所定の姿勢に設定しやすくでき、第1オスコネクタ500等の初期位置をより正確に規定できると共に、
電気的
接続線WHの長さが冗長である場合に、その長さを調整することができる。
【0454】
上記各実施形態では、先端側背面板552,652に係合部552cが形成される場合を説明したが、係合部552cの形成を省略しても良い。第1基端側弾性片441に基端側背面板551が当接されているので、係合部552cの形成が省略されても、基端側背面板551の矢印R方向への弾性回復力を利用して、台座400からの第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が矢印L方向へ脱落する(抜け出る)ことを抑制できるからである。
【0455】
なお、この場合には、先端側背面板552において、延設部552bを省略すると共に、その省略により形成されるスペースの分、接続部552c,652cを大型化することが好ましい。その分、中間正面板411aとの当接面積を拡大して、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が台座400の第1開口8421及び第2開口422から矢印F方向に抜け出ることを抑制できるからである。
【0456】
上記各実施形態では、遊技盤側コネクタ300Aが可動式のコネクタ(即ち、台座400に対して第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600が変位可能とされるコネクタ)として、内枠側コネクタ300Bが固定式のコネクタ(即ち、台座700に対して第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900が固定される)として、それぞれ構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、各実施形態の場合とは逆に、遊技盤側コネクタ300Aを固定式のコネクタとして、内枠側コネクタ300Bを可動式のコネクタとして構成しても良い。或いは、両者を可動式のコネクタとして構成しても良い。
【0457】
上記各実施形態では、台座400に第1基端側弾性片441などの各弾性片441,451,442,452を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら各弾性片441,451,442,452のうちの一部または全部を第1オスコネクタ500又は第2オスコネクタ600のハウジング510,610に形成しても良い。
【0458】
上記各実施形態では、遊技盤ユニット13におけるベース板60の側部60aを内枠12の挿入部128に挿入し、遊技盤ユニット13を接続完了位置へ変位(回動)させることで、遊技盤側コネクタ300A(第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600)を内枠側コネクタ300B(第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900)に接続すると共に、遊技盤ユニット13を接続完了位置から変位(回動)させることで、遊技盤側コネクタ300A(第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600)と内枠側コネクタ300B(第1メスコネクタ800及び第2メスコネクタ900)との接続を解除する。かかる接続または解除の動作において、上記各実施形態では、第1オスコネクタ500の複数の接点部材520が第1メスコネクタ800の複数の接点部材820にそれぞれ同時に接続されると共にそれぞれ同時に接続が解除される場合を説明した。このように、各接点部材520,820の電気的な接続または解除のタイミングが同時となることで、電気的に接続(導通)されている箇所と解除(切断)されている箇所とが混在せず、導通や切断のタイムラグ(タイミングの差)を発生させないので、遊技の制御を適切に行うことができる。なお、第2オスコネクタ600及び第2メスコネクタ900の接続および解除においても同様である。よって、以下においても、第1オスコネクタ500及び第2コネクタ800を例に説明する。
【0459】
一方で、各接点部材520,820の電気的な接続または解除のタイミングを異ならせても良い。例えば、第1オスコネクタ500の複数の接点部材520が第1メスコネクタ800の複数の接点部材820に対してその列設方向一側に位置するものから順に接続または解除が進行するように構成しても良い。「順に」は、接点部材520,820の対が一組ずつ接続または解除されるものであっても良く、接点部材520,820の対が複数組ずつ接続または解除されるものであっても良い。
【0460】
例えば、複数の接点部材520,820のうちの先に解除されるものを所定の接点部材520、820に設定しておくことで、前面枠14を遊技中に開放して作業者(例えば、ホールの担当者)が作業を行う必要が生じた場合に、その作業者が遊技盤ユニット13を不用意に変位させ、第1オスコネクタ500及び第1メスコネクタ800においてその一部の接点部材520,820が解除されてしまった場合でも、遊技に与える影響を最小限に抑制できる。具体的には、例えば、解除の順序が先とされるものとして、ランプなどの発光手段やスピーカなどの音声出力装置などの信号線または電力供給を設定しておく形態が例示される。この例示の場合によれば、一部の接点部材520,820が解除されたとしても、ランプの発光や音声の出力が停止される程度として、例えば、保留球や払出球の数、抽選結果などに関する情報の伝達が途中で寸断されるなど、遊技に重大な影響を与えることを抑制できる。
【0461】
なお、解除の順序が後とされるものとしては、例えば、主制御基板と各装置(例えば、払出制御装置111、音声乱舞制御装置113、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプなど)との間を接続する電気的信号線または電力供給線が例示され、解除の順が先とされるものとしては、例えば、払出制御装置111と各装置(例えば、払出モータ216、発射制御装置112など)との間を接続する電気的信号線または電力供給線や、音声ランプ制御装置113と各装置(例えば、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22、表示制御装置114など)との間を接続する電気的信号線または電力供給線が例示される。
【0462】
具体的構成としては、上記各実施形態では、ハウジング510(又はケース体810)における複数の接点部材520(又は接点部材820)の先端位置が矢印R−L方向に添って横一列に配置される場合を説明したが、これに代えて、ハウジング510(又はケース体810)における複数の接点部材520(又は接点部材820)の先端位置が矢印R−L方向に添って傾斜する直線上に配置するものが例示される。
【0463】
或いは、上記各実施形態では、台座400の第1正面板411に対しハウジング510を直立させる(矢印F−B方向に沿って立設される)場合を説明したが、これに代えて、台座400の第1正面板411に対しハウジング510を傾斜させることで、各接点部材520,820が列設方向一側に位置するものから順に接続または解除されるようにしても良い。
【0464】
上記各実施形態では、台座400が別体に形成され遊技盤ユニット13(ベース板60)の背面に締結固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、台座400が遊技盤ユニット13(ベース板60)の背面に一体に形成されても良い。
【0465】
上記各実施形態では、台座400に変位可能に取り付けられる対象が、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1オスコネクタ500及び第2オスコネクタ600に代えて、他の構成部材を取付対象としても良い。他の構成部材としては、例えば、装飾部材が例示される。装飾部材は、LEDなどの発光手段が配設されていても良い。これによれば、装飾部材の取り付けを容易に行うことを可能として、取り付けコストの削減を図ることができると共に、変位可能であることから、遊技中の振動などに起因して装飾部材に振動や揺れを発生させ、演出効果を高めることができる。
【0466】
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0467】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0468】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【0469】
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【0470】
電気部品が搭載される遊技ユニットと、その遊技ユニットを支持する支持部材とを備える遊技機において、前記遊技ユニットの前記支持部材に対面する側に配設されるユニット側コネクタと、前記支持部材の前記遊技ユニットに対面する側に配設され、前記支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタと接続されると共に、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持側コネクタと、を備え、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方は、前記接続の方向と直交する方向への変位が許容されるコネクタと、前記コネクタを前記接続の方向と直交する方向において位置決めする位置決め手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
【0471】
遊技機A1によれば、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットが変位されると、遊技ユニットのユニット側コネクタが支持部材の支持側コネクタに接続される一方、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位されると、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとの接続が解除される。
【0472】
ここで、ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方が、接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持される遊技機が知られている(特開2013−81818号)。これによれば、支持部材における取付完了位置において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの間に位置ばらつきがある場合でも、コネクタが接続の方向と直行する方向へ変位されることで、位置ばらつきを吸収することができ、その結果、支持部材における取付完了地位において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を可能とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機のように、コネクタの変位が許容されると、コネクタの配設位置が不安定となり、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損するおそれがあるという問題点があった。
【0473】
これに対し、遊技機A1によれば、コネクタの配設位置を位置決め手段により所定位置(初期位置)に位置決めできるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、台座に対してコネクタの配設位置が不用意に変化することを抑制できる。その結果、台座に対するコネクタの配設位置を安定させ、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続開始時に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。
【0474】
前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方は、前記遊技ユニットまたは支持部材に配設されると共に前記コネクタを前記接続の方向と直交する方向への変位を許容した状態で保持する台座と、前記台座またはコネクタの一方に形成されると共に、前記台座に対して前記コネクタが前記接続の方向と直交する方向へ変位される場合に前記台座またはコネクタの他方に当接して弾性変形される弾性片と、を備えることを特徴とする遊技機A2。
【0475】
遊技機A2によれば、台座に対するコネクタの配設位置を弾性片により所定位置(初期位置)に位置決めできるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、台座に対してコネクタの配設位置が不用意に変化することを抑制できる。その結果、台座に対するコネクタの配設位置を安定させ、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続開始時に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。
【0476】
遊技機A2において、前記弾性片は、前記接続の方向と直交する方向のうちの第1の方向に沿って一対が配設されると共に、それら一対の弾性片の間に前記コネクタが配設されることを特徴とする遊技機A3。
【0477】
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、一対の弾性片の間にコネクタが配設されるので、台座に対するコネクタの第1の方向における配設位置を一対の弾性片により両方向から所定位置(初期位置)に位置決めでき、台座に対してコネクタの配設位置が変化することを第1の方向における両方向で抑制できる。その結果、台座に対するコネクタの配設位置が更に安定するので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することをより確実に抑制することができる。また、コネクタが第1の方向における一方または他方のいずれの方向へ変位される場合であっても、弾性片の弾性回復力を利用して、コネクタを所定位置(初期位置)へ復帰させることができる。
【0478】
遊技機A3において、前記コネクタは、前記第1の方向に直交する第2の方向への変位が許容された状態で前記台座に保持されることを特徴とする遊技機A4。
【0479】
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、コネクタは、第1の方向に直交する第2の方向への変位が許容された状態で台座に保持されるので、台座に対するコネクタの可動範囲を確保できる。その結果、支持部材における取付完了位置において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの間に位置ばらつきがある場合に、台座に対するコネクタの変位による位置ばらつきを吸収可能な範囲を確保して、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を可能とすることができる。
【0480】
遊技機A4において、前記台座に対して前記コネクタが前記第2の方向へ変位される場合には、前記第1の方向に沿って配設される弾性片が弾性変形されないことを特徴とする遊技機A5。
【0481】
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、台座に対してコネクタが第2の方向へ変位される場合には、第1の方向に沿って配設される一対の弾性片が弾性変形されないので、かかる一対の弾性片の形状を、第1の方向および第2の方向の両方向への変位に対して弾性変形可能な形状とする必要がなく、第1の方向への変位に対してのみ弾性変形可能な形状とすることができる。その結果、一対の弾性片の形状を簡素化して、その成型性および耐久性の向上を図ることができる。
【0482】
遊技機A2からA5のいずれかにおいて、前記弾性片を弾性変形させる方向へ前記コネクタが前記台座に対して変位される場合に、その変位を所定量以下に規制するストッパ手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
【0483】
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかにおいて、弾性片を弾性変形させる方向へコネクタが台座に対して変位される場合には、その変位を所定量以下にストッパ手段によって規制できるので、弾性片が過大に弾性変形して破損することを未然に抑制できる。
【0484】
遊技機A6において、前記ストッパ手段は、前記台座に形成される台座側ストッパ手段と、前記コネクタに形成されるコネクタ側ストッパ手段とを備え、前記弾性片を弾性変形させる方向へ前記コネクタが前記台座に対して変位される場合には、前記台座側ストッパ手段にコネクタ側ストッパ手段が当接されることで、前記変位が所定量以下に規制されることを特徴とする遊技機A7。
【0485】
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、ストッパ手段は、台座側ストッパ手段が台座に形成されると共に、コネクタ側ストッパ手段がコネクタに形成されるので、台座およびコネクタを組み立てる組立工程において作業者が不用意な組み立て作業を行った場合でも、弾性片の破損を抑制できる。
【0486】
例えば、コネクタ側ストッパ手段に当接する部位を、台座ではなく、台座が配設される遊技ユニットまたは支持ユニットに形成することも可能である。しかし、この場合には、遊技ユニットまたは支持ユニットに対して台座およびコネクタの両者を装着した後でなければストッパ機能を発揮できず、台座およびコネクタを組み立てる組立工程においては、ストッパ機能を発揮させることができない。
【0487】
これに対し、遊技機A7によれば、ストッパ手段が、台座に形成される部位(台座側ストッパ手段)とコネクタに形成される部位(コネクタ側ストッパ手段)とからなるので、台座およびコネクタを組み立てる組立工程においても、両部位(台座側ストッパ手段およびコネクタ側ストッパ手段)どうしを当接させ、ストッパ機能を発揮させることができる。その結果、組立工程において作業者が不用意な組み立て作業を行った場合でも、弾性片の破損を抑制できる。
【0488】
遊技機A3において、前記支持部材の前面に配設されると共に幅方向一方の側縁が前記支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され前記幅方向一方の側縁を中心に回転されることで前記支持部材に対して開閉される前面側部材を備え、前記第1の方向が前記支持部材の幅方向に沿う方向とされることを特徴とする遊技機A8。
【0489】
遊技機A8によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、第1の方向が支持部材の幅方向に沿う方向とされるので、支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットを変位させる動作として、例えば、支持部材に対して前面側部材を少し開いた状態で、それら前面側部材と支持部材との間の開放部分から遊技ユニットの幅方向一方の側縁を挿入し、その挿入した遊技ユニットの幅方向一方の側縁を支持部材の幅方向一方の側縁に配置すると共に、幅方向一方の側縁を中心として遊技ユニットを支部部材へ向けて回転させる動作を採用する場合に、台座に対するコネクタの配設位置を、一対の弾性片により支持部材の幅方向における所定位置(初期位置)に位置決めしておくことができる。その結果、上記動作によって、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制しやすくすることができる。
【0490】
なお、支持部材の幅方向とは、遊技機を正面視した際の左右方向を意味する。
【0491】
遊技機A2からA8のいずれかにおいて、前記台座は、前記支持部材または遊技ユニットに締結ねじにより締結固定される被締結部を備え、その被締結部に前記弾性片が形成されることを特徴とする遊技機A9。
【0492】
遊技機A9によれば、遊技機A2からA8の奏する効果に加え、台座は、支持部材または遊技ユニットに締結ねじにより締結固定される被締結部を備え、その被締結部に弾性片が形成されるので、弾性片が比較的大きく弾性変形された際に台座が破損することを抑制できる。即ち、被締結部は、支持部材または遊技ユニットに締結ねじに締結固定されるため、弾性片が比較的大きく弾性変形される場合には、その弾性変形に伴う荷重を、被締結部だけでなく、支持部材または遊技ユニットの剛性も利用して支えることができ、その結果、台座の破損を抑制できる。
【0493】
遊技機A9において、前記被締結部は、前記締結ねじの座面から締結力を受ける受け面を備え、その被締結部の受け面に前記弾性片の基端が接続されることを特徴とする遊技機A10。
【0494】
遊技機A10によれば、遊技機A9において、被締結部は、締結ねじの座面から締結力を受ける受け面を備え、その被締結部の受け面に弾性片の基端が接続されるので、弾性片が比較的大きく弾性変形された際に台座が破損することを抑制できる。即ち、弾性片が比較的大きく弾性変形される場合には、その弾性変形に伴う荷重を、被締結部だけでなく、締結ねじの剛性も利用して支えることができ、その結果、台座の破損を抑制できる。
【0495】
遊技機A2からA10のいずれかにおいて、前記台座は、前記支持部材または遊技ユニットに取り付けられる際にその支持部材または遊技ユニットに当接される取付面を備え、その取付面に前記弾性片が接続されることを特徴とする遊技機A11。
【0496】
遊技機A11によれば、遊技機A2からA10の奏する効果に加え、台座は、支持部材または遊技ユニットに取り付けられる際にその支持部材または遊技ユニットに当接される取付面を備え、その取付面に前記弾性片が接続されるので、弾性片が比較的大きく弾性変形された際に台座が破損することを抑制できる。即ち、取付面は、支持部材または遊技ユニットへの台座の取付時にその支持部材または遊技ユニットに当接される部位であるため、弾性片が比較的大きく弾性変形される場合には、その弾性変形に伴う荷重を、取付面だけでなく、支持部材または遊技ユニットの剛性も利用して支えることができ、その結果、台座の破損を抑制できる。
【0497】
遊技機A2からA11のいずれかにおいて、前記台座は、正面視矩形の正面壁と、その正面壁の4辺にそれぞれ連設される複数の側壁と、それら複数の側壁のうちの1の側壁に配設され前記支持部材または遊技ユニットに締結ねじにより締結固定される被締結部とを備え、前記複数枚の側壁のうちの前記被締結部が配設される側壁に前記弾性片が形成されることを特徴とする遊技機A12。
【0498】
遊技機A12によれば、遊技機A2からA11の奏する効果に加え、台座は、正面視矩形の正面壁と、その正面壁の4辺にそれぞれ連設される複数の側壁と、それら複数の側壁のうちの1の側壁に配設され支持部材または遊技ユニットに締結ねじにより締結固定される被締結部とを備え、複数枚の側壁のうちの被締結部が配設される側壁に弾性片が形成されるので、弾性片が比較的大きく弾性変形された際に台座が破損することを抑制できる。即ち、台座の複数の側壁は、比較的剛性が弱い部位であるところ、これら複数の側壁のうちの弾性片が形成される側壁には、被締結部が配設されるので、弾性片が比較的大きく弾性変形される場合には、その弾性変形に伴う荷重を、側壁だけでなく、被締結部を介して、支持部材または遊技ユニットの剛性も利用して支えることができ、その結果、台座の破損を抑制できる。
【0499】
遊技機A2からA12のいずれかにおいて、前記台座は、前記接続の方向への前記コネクタの変位を規制する接続側規制部を備え、その接続側規制部が片持ち形状とされることを特徴とする遊技機A13。
【0500】
遊技機A13によれば、遊技機A2からA12のいずれかの奏する効果に加え、台座は、接続の方向へのコネクタの変位を規制する接続側規制部を備え、その接続側規制部が片持ち形状とされるので、かかる接続側規制部を弾性変形させやすくできる。これにより、支持側コネクタ及びユニット側コネクタが接続される際の衝撃を、接続側規制部の弾性変形により吸収することができ、その結果、台座の破損を抑制できる。また、接続側規制部の弾性変形により、台座(接続の方向に直交する平面)に対してコネクタを傾斜させることができるので、例えば、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの間の位置ずれであって、台座に対してコネクタが接続の方向と直交する方向へ変位されるのみでは吸収できない位置ずれであっても、かかる位置ずれを接続側規制部の弾性変形を利用して吸収可能とできる。
【0501】
遊技機A2からA13のいずれかにおいて、前記台座は、前記解除の方向への前記コネクタの変位を規制する解除側規制部を備え、その解除側規制部が片持ち形状とされることを特徴とする遊技機A14。
【0502】
遊技機A14によれば、遊技機A2からA13のいずれかの奏する効果に加え、台座は、解除の方向へのコネクタの変位を規制する解除側規制部を備え、その解除側規制部が片持ち形状とされるので、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続が解除される際にコネクタを解除側規制部により保持して、両コネクタの接続を確実に解除させることができる。
【0503】
この場合、接続側規制部が弾性変形することにより、台座に対してコネクタを接続方向に対して傾斜させることができるので、例えば、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの解除の方向と支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位される方向とが一致されておらず(方向がずれていて)、台座に対してコネクタが接続の方向と直交する方向へ変位されるのみでは吸収できない場合であっても、かかる方向のずれを吸収可能とできる。
【0504】
遊技機A2からA14のいずれかにおいて、前記弾性片は、その延設先端に形成され前記解除の方向への前記コネクタの変位を規制する解除側規制部を備えることを特徴とする遊技機A15。
【0505】
遊技機A15によれば、遊技機A2からA14のいずれかの奏する効果に加え、弾性片は、その延設先端に形成され、解除の方向へのコネクタの変位を規制する解除側規制部を備えるので、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続が解除される際にコネクタを解除側規制部により保持して、両コネクタの接続を確実に解除させることができる。
【0506】
一方で、弾性片は、比較的大きく弾性変形が可能なので、台座およびコネクタを組み立てる組立工程においては、弾性片を弾性変形させ解除側規制部を退避させておくことで、台座およびコネクタの組み立て作業が解除側規制部に阻害されることを抑制できる。その結果、弾性片の延設先端に解除側規制部が形成されている場合であっても、台座およびコネクタを組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
【0507】
更に、弾性片が弾性変形することにより、台座に対してコネクタを接続方向に対して傾斜させることができるので、例えば、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの解除の方向と支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位される方向とが一致されておらず(方向がずれていて)、台座に対してコネクタが接続の方向と直交する方向へ変位されるのみでは吸収できない場合であっても、かかる方向のずれを吸収可能とできる。
【0508】
遊技機A2からA15のいずれかにおいて、前記支持部材は、前記遊技ユニットの底面が載置可能に形成されると共に前記遊技ユニットを前記支持部材における取付完了位置へ向けて案内する案内面部材を備えることを特徴とする遊技機A16。
【0509】
遊技機A16によれば、遊技機A2からA15のいずれかの奏する効果に加え、支持部材は、遊技ユニットの底面が載置可能に形成されると共に遊技ユニットを支持部材における取付完了位置へ向けて案内する案内面部材を備えるので、遊技ユニットを案内面部材に載置した上でその案内面部材に沿ってスライド移動させることができる。これにより、比較的重量の嵩む遊技ユニットを前記支持部材における取付完了位置へ向けて正確に変位させやすくなるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。また、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続動作中およびその接続の解除動作中には、遊技ユニットを支持部材に対して一定の姿勢で変位させやすくすることができるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの間に無理な力が作用して破損することを抑制できる。
【0510】
遊技機A16において、前記支持部材の案内面部材に前記遊技ユニットの底面が載置され、且つ、前記支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続が解除された状態を形成可能とされることを特徴とする遊技機A17。
【0511】
遊技機A17によれば、遊技機A16の奏する効果に加え、支持部材の案内面部材に遊技ユニットの底面が載置され、且つ、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続が解除された状態を形成可能とされるので、先に遊技ユニットを支持部材の案内面部材に載置し、その後、遊技ユニットを案内面部材に沿ってスライド移動させて、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続を行うことができると共に、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続を解除した際には遊技ユニットを案内面部材に載置された状態とすることができる。その結果、比較的重い遊技ユニットの支持部材への取り付け及び取り外しと、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続および解除との作業性の向上を図ることができる。
【0512】
電気部品が搭載される遊技ユニットと、その遊技ユニットを支持する支持部材とを備える遊技機において、前記遊技ユニットの前記支持部材に対面する側に配設されるユニット側コネクタと、前記支持部材の前記遊技ユニットに対面する側に配設され、前記支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタと接続されると共に、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持側コネクタと、を備え、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方は、前記遊技ユニットまたは支持部材に配設される台座と、その台座に前記接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持されるコネクタと、を備え、そのコネクタの上下方向における初期位置が、前記変位が許容される範囲における上下方向中央よりも上方または下方に設定されることを特徴とする遊技機B1。
【0513】
遊技機B1によれば、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットが変位されると、遊技ユニットのユニット側コネクタが支持部材の支持側コネクタに接続される一方、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位されると、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとの接続が解除される。
【0514】
ここで、ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方が、遊技ユニットまたは支持部材に配設される台座と、その台座に接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持されるコネクタと、を備える遊技機が知られている(特開2013−81818号)。これによれば、支持部材における取付完了位置において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの間に位置ばらつきがある場合でも、コネクタが台座に対して接続の方向と直行する方向へ変位されることで、位置ばらつきを吸収することができ、その結果、支持部材における取付完了地位において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を可能とすることができる。この場合、遊技ユニットには、異なる形態の電気部品を複数搭載するため、均等に配置することが困難であり、遊技ユニットの重心は、その遊技ユニットの前面側または背面側に偏って位置する傾向がある。そのため、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットを変位させる際には、かかる遊技ユニットが前面側または背面側(即ち、重心が位置する側)へ傾斜した姿勢となりやすい。このように遊技ユニットが前面側または背面側へ傾斜した姿勢になると、その姿勢に対応して、ユニット側コネクタが上昇傾斜または下降傾斜されるため、ユニット側コネクタと支持側コネクタとを接続させる際の作業性が悪いという問題点があった。
【0515】
これに対し、遊技機B1によれば、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットを変位させる際に、その遊技ユニットが前面側または背面側へ傾斜した姿勢となり、ユニット側コネクタが上昇傾斜または下降傾斜される場合でも、コネクタの上下方向における初期位置が、変位が許容される範囲における上下方向中央よりも上方または下方に設定されるので、その分、両コネクタの接続先端における上下方向位置を同じ位置としやすくできる。その結果、ユニット側コネクタと支持側コネクタとを接続させる際の作業性の向上を図ることができる。
【0516】
遊技機B1において、前記コネクタから延設される電気的接続線を備え、その電気的接続線の姿勢保持力がコネクタに作用されることで、前記コネクタの上下方向における初期位置が、前記変位が許容される範囲における上下方向中央よりも上方または下方に設定されることを特徴とする遊技機B2。
【0517】
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、電気的接続線の姿勢保持力がコネクタに作用されることで、コネクタの上下方向における初期位置が上方または下方に設定されるので、部品点数を低減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。即ち、弾性変形可能な弾性片を台座またはコネクタの一方に設け、その弾性片によりコネクタの初期位置を設定することも可能であるが、この場合には、弾性片を別途設ける必要があり、部品点数が増加する。これに対し、遊技機B2では、電気的接続線の姿勢保持力を利用してコネクタを初期位置に保持する構成なので、既存の部品を流用することができ、別途部品を設ける必要がない。また、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続の動作において、コネクタが台座に対して変位される場合には、その変位を電気的接続線の姿勢変化で許容することができる。
【0518】
なお、電気的接続線の姿勢保持力とは、電気的接続線が所定の姿勢(初期姿勢)を維持しようとする力(所定の姿勢に復帰しようとする力)を意味する。例えば、電気的接続線が所定の姿勢(初期姿勢)から変形された姿勢で配置されると、電気的接続線が所定の姿勢(初期姿勢)に復帰しようとする力(姿勢保持力)が発生し、その力(姿勢保持力)がコネクタに作用される。また、電気的接続線としては、例えば、信号線や電力供給線などが例示される。電気的接続線は、信号線または電力供給線の一方のみから形成されても良く、或いは、両方を含んで形成されても良い。
【0519】
遊技機B2において、前記台座は、前記電気的接続線に当接する当接部を備えることを特徴とする遊技機B3。
【0520】
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、電気的接続線に当接する当接部を台座が備えるので、コネクタにより近い位置で電気的接続線に当接部を当接させることができる。これにより、電気的接続線の姿勢保持力をコネクタに効果的に作用させることが可能な姿勢に電気的接続線を変形させることができ、その結果、コネクタの初期位置を適正な位置に保持しやすくできる。また、コネクタに近い位置となる当接部は、電気的接続線に当接する構成であり、かかる電気的接続線の変形を許容するので、台座に対してコネクタが変位される際に、その変位が阻害されることを抑制できる。
【0521】
遊技機B2又はB3において、前記遊技ユニットまたは支持部材は、前記電気的接続線を保持する保持部を備えることを特徴とする遊技機B4。
【0522】
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、電気的接続線を保持する保持部を遊技ユニットまたは支持部材が備えるので、かかる保持部により電気的接続線を拘束することで、コネクタまでの電気的接続線の長さを一定に保つことができる。その結果、電気的接続線の姿勢を安定させることができるので、コネクタの初期位置を適正な位置に保持しやすくできる。
【0523】
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記支持部材は、前記遊技ユニットの底面が載置可能に形成されると共に前記遊技ユニットを前記支持部材における取付完了位置へ向けて案内する案内面部材を備えることを特徴とする遊技機B5。
【0524】
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、支持部材は、遊技ユニットの底面が載置可能に形成されると共に遊技ユニットを支持部材における取付完了位置へ向けて案内する案内面部材を備えるので、遊技ユニットを案内面部材に載置した上でその案内面部材に沿ってスライド移動させることができる。これにより、比較的重量の嵩む遊技ユニットを前記支持部材における取付完了位置へ向けて正確に変位させやすくなるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。また、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続動作中およびその接続の解除動作中には、遊技ユニットを支持部材に対して一定の姿勢で変位させやすくすることができるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの間に無理な力が作用して破損することを抑制できる。
【0525】
遊技機B5において、前記支持部材の案内面部材に前記遊技ユニットの底面が載置され、且つ、前記支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続が解除された状態を形成可能とされることを特徴とする遊技機B6。
【0526】
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、支持部材の案内面部材に遊技ユニットの底面が載置され、且つ、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続が解除された状態を形成可能とされるので、先に遊技ユニットを支持部材の案内面部材に載置し、その後、遊技ユニットを案内面部材に沿ってスライド移動させて、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続を行うことができると共に、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続を解除した際には遊技ユニットを案内面部材に載置された状態とすることができる。その結果、比較的重い遊技ユニットの支持部材への取り付け及び取り外しと、支持側コネクタ及びユニット側コネクタの接続および解除との作業性の向上を図ることができる。
【0527】
電気部品が搭載される遊技ユニットと、その遊技ユニットを支持する支持部材とを備える遊技機において、前記遊技ユニットの前記支持部材に対面する側に配設されるユニット側コネクタと、前記支持部材の前記遊技ユニットに対面する側に配設され、前記支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタと接続されると共に、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持側コネクタと、を備え、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方は、前記遊技ユニットまたは支持部材に配設される台座と、その台座に前記接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持されるコネクタと、を備え、前記台座は、開口を有する正面壁を備え、前記コネクタは、前記正面壁の開口に挿通可能に形成される本体部と、その本体部から張り出す第1壁部と、その第1壁部から前記接続の方向に離間して位置すると共に前記本体部から張り出す第2壁部と、を備え、前記台座の正面壁の正面または背面から前記コネクタの本体部および第1壁部が前記正面壁の開口に挿通された後、前記台座に対して前記コネクタが前記接続の方向と直交する方向へ変位されることで組み立てられ、前記正面壁の正面に前記第1壁部または第2壁部の一方が配設されると共に、前記正面壁の背面に前記第1壁部または第2壁部の他方が配設されることを特徴とする遊技機C1。
【0528】
遊技機C1によれば、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットが変位されると、遊技ユニットのユニット側コネクタが支持部材の支持側コネクタに接続される一方、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位されると、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとの接続が解除される。
【0529】
ここで、ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方が、遊技ユニットまたは支持部材に配設される台座と、その台座に接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持されるコネクタと、を備える遊技機が知られている(特開2013−81818号)。これによれば、支持部材における取付完了位置において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの間に位置ばらつきがある場合でも、コネクタが台座に対して接続の方向と直行する方向へ変位されることで、位置ばらつきを吸収することができ、その結果、支持部材における取付完了地位において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を可能とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機のように、台座に対してコネクタが接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態とするためには、構造が複雑化して、組み立てコストが嵩むという問題点があった。
【0530】
これに対し、遊技機C1によれば、コネクタは、正面壁の開口に挿通可能に形成される本体部から第1壁部および第2壁部を張り出させるので、台座の正面壁の正面または背面からコネクタの本体部および第1壁部を前記正面壁の開口に挿通した後、台座に対してコネクタを接続の方向と直交する方向へ変位させることで、台座およびコネクタの組み立てを完了することができ、その分、組み立てコストの削減を図ることができる。
【0531】
この場合、台座の正面壁の正面および背面にはコネクタ(本体部)の第1壁部または第2壁部の一方および他方が配設されるので、支持部材における取付完了位置へ向けて又は取付完了位置から遊技ユニットを変位させる際には、台座の正面または背面と第1壁部または第2壁部の一方または背面との当接により台座に対するコネクタ(本体部)の接続の方向または解除の方向への変位を規制できるので、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続およびその解除を確実に行うことができる。
【0532】
遊技機C1において、前記台座またはコネクタの一方に形成されると共に、前記台座に対して前記コネクタが前記接続の方向と直交する方向であって第1の方向へ変位される場合に前記台座またはコネクタの他方に当接して弾性変形される弾性片を備え、
前記台座およびコネクタを組み立てる際に、前記台座に対して前記コネクタを前記接続の方向と直交する方向へ変位させる方向が前記第1の方向と反対方向となる第2の方向とされることを特徴とする遊技機C2。
【0533】
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、台座に対してコネクタが接続の方向と直行する方向であって第1の方向へ変位される場合に台座またはコネクタの他方に当接して弾性変形される弾性片を備えるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続開始時に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。
【0534】
即ち、台座に対するコネクタの変位が許容されると、台座に対するコネクタの配設位置が不安定となり、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損するおそれがあるという問題点があった。
【0535】
これに対し、遊技機C2によれば、台座に対するコネクタの配設位置を弾性片により所定位置(初期位置)に位置決めできるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、台座に対してコネクタの配設位置が不用意に変化することを抑制できる。その結果、台座に対するコネクタの配設位置を安定させ、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続開始時に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。
【0536】
この場合、台座およびコネクタを組み立てる際に、台座に対してコネクタを接続の方向と直交する方向へ変位させる方向が第1の方向と反対方向となる第2の方向とされるので、台座に対してコネクタ(本体部)が組み立て時の方向と反対の方向となる第1の方向へ変位される場合には、弾性片を弾性変形させ、かかる弾性片の弾性回復力を、コネクタ(本体部)を第1の方向と反対方向となる第2の方向へ押し戻す反発力としてコネクタ(本体部)へ作用させることができる。これにより、台座の正面壁における開口からコネクタ(本体部)が脱落することを抑制できる。
【0537】
即ち、遊技機C2によれば、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続開始時における衝突を抑制するための手段と、台座からコネクタが脱落することを抑制するための手段との両者を弾性片に兼用させることができる。
【0538】
遊技機C1又はC2において、前記コネクタは、先端に係合部を有し弾性変形可能に形成される弾性係合片を備え、台座およびコネクタを組み立てるために、前記台座の正面壁の正面または背面から前記コネクタの本体部および第1壁部が前記正面壁の開口に挿通され、前記台座に対して前記コネクタが前記接続の方向と直交する方向へ変位される際には、前記弾性係合片の係合部が前記正面壁の正面または背面に押圧され前記弾性係合片が弾性変形されると共に、前記台座に対して所定位置まで前記コネクタが前記接続の方向と直交する方向へ変位されることで、前記弾性係合片が弾性回復され、前記弾性係合片の係合部が前記正面壁の開口の内縁に係止可能とされることを特徴とする遊技機C3。
【0539】
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、前記台座およびコネクタを組み立てるために、台座の正面壁の正面または背面からコネクタの本体部および第1壁部が正面壁の開口に挿通され、台座に対してコネクタが接続の方向と直交する方向へ変位される際には、弾性係合片の係合部が正面壁の正面または背面に押圧され弾性係合片が弾性変形されると共に、台座に対する所定位置までコネクタが接続の方向と直交する方向へ変位されることで、弾性係合片が弾性回復され、弾性係合片の係合部が正面壁の開口の内縁に係止可能とされるので、弾性係合片に対する操作を別途行う必要がなく、台座に対してコネクタ(本体部)を変位させるのみで、弾性係合片の係合部が正面壁の開口の内縁に係止させ、抜け止めとすることができる。これにより、台座およびコネクタの構造および組み立ての工程の簡素化を図りつつ、台座の正面壁における開口からコネクタ(本体部)が脱落することを確実に抑制できる。
【0540】
遊技機C3において、前記台座またはコネクタの一方に形成されると共に、前記台座に対して前記コネクタが前記接続の方向と直交する方向であって第1の方向へ変位される場合に前記台座またはコネクタの他方に当接して弾性変形される弾性片を備え、前記台座およびコネクタを組み立てる際に、前記台座に対して前記コネクタを前記接続の方向と直交する方向へ変位させる方向が前記第1の方向と反対方向となる第2の方向とされることを特徴とする遊技機C4。
【0541】
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、台座に対してコネクタが第1の方向へ変位される場合に台座またはコネクタの他方に当接して弾性変形される弾性片を備え、台座およびコネクタを組み立てるために、台座に対してコネクタを変位させる方向が第1の方向と反対方向となる第2の方向とされるので、弾性係合片の係合部による抜け止め効果を、弾性片の弾性力を利用して、確実に維持することができる。
【0542】
即ち、台座に対してコネクタ(本体部)が組み立て時の方向と反対の方向となる第1の方向へ変位されると、弾性係合片の係合部が正面壁の開口の内縁に係止され、抜け止めとして機能することで、台座の正面壁における開口からコネクタ(本体部)が脱落することを抑制するところ、コネクタ(本体部)へ第1の方向へ大きな荷重が作用されると、その荷重が弾性係合片に作用され、かかる弾性係合片が弾性変形されることで、弾性係合片の係合部と正面壁の開口の内縁との係止が解除される恐れがある。
【0543】
これに対し、遊技機C4によれば、台座に対してコネクタ(本体部)が組み立て時の方向と反対の方向となる第1の方向へ変位される場合には、弾性片を弾性変形させることができるので、かかる弾性片の弾性回復力を、コネクタ(本体部)を第1の方向と反対方向となる第2の方向へ押し戻す反発力としてコネクタ(本体部)へ作用させることができる。これにより、弾性係合片に作用される第1の方向への荷重を軽減して、かかる弾性係合片が弾性変形されることを抑制できるので、その分、弾性係合片の係合部と正面壁の開口の内縁との係止が解除され難くすることができる。その結果、弾性片の弾性力を利用できる分、弾性係合片の係合部による抜け止め効果を高めることができる。
【0544】
なお、台座に対するコネクタの変位が許容されると、台座に対するコネクタの配設位置が不安定となり、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損するおそれがあるという問題点があった。
【0545】
これに対し、遊技機C4によれば、台座に対するコネクタの配設位置を弾性片により所定位置(初期位置)に位置決めできるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、台座に対してコネクタの配設位置が不用意に変化することを抑制できる。その結果、台座に対するコネクタの配設位置を安定させ、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続開始時に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。
【0546】
遊技機C2において、前記弾性片は、その延設先端に形成され前記接続の方向または解除の方向への前記コネクタの変位を規制する規制部を備えることを特徴とする遊技機C5。
【0547】
遊技機C5によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、弾性片は、その延設先端に形成され、接続の方向または解除の方向へのコネクタの変位を規制する規制部を備えるので、支持側コネクタ及びユニット側コネクタを接続する際またはその接続を解除する際にコネクタを解除側規制部により保持して、両コネクタの接続および接続の解除を確実に実行することができる。
【0548】
一方で、弾性片は、比較的大きく弾性変形が可能なので、台座およびコネクタを組み立てる組み立て工程においては、弾性片を弾性変形させ規制部を退避させておくことで、台座およびコネクタの組み立て作業が規制部に阻害されることを抑制できる。その結果、弾性片の延設先端に規制部が形成されている場合であっても、台座およびコネクタを組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
【0549】
特に、遊技機C5によれば、台座の正面壁の正面または背面からコネクタの本体部および第1壁部を前記正面壁の開口に挿通し、台座に対してコネクタを接続の方向と直交する方向へ変位させることで、台座およびコネクタを組み立てる構造であるが故に、第1壁部または第2壁部とそれらに当接して接続の方向または解除の方向への変位を規制するための正面壁(即ち、開口が非形成とされる部位)との両者の面積を十分に確保することが困難である。この場合、弾性片の先端を利用して規制部が形成されることで、その分、上記変位を規制するための面積を拡大することができ、その結果、支持側コネクタ及びユニット側コネクタを接続する際またはその接続を解除する際にコネクタを確実に保持して、両コネクタの接続および接続の解除の信頼性を高めることができる。
【0550】
遊技機C3又はC4において、前記弾性係合片は、その基部が前記第1壁部または第2壁部に接続されると共に、前記台座およびコネクタを組み立てる際に前記台座に対して前記コネクタを前記接続の方向と直交する方向へ変位させる方向と平行に延設されることを特徴とする遊技機C6。
【0551】
遊技機C6によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、弾性係合片は、その基部が第1壁部または第2壁部に接続されると共に、台座およびコネクタを組み立てる際に台座に対してコネクタを接続の方向と直交する方向へ変位させる方向と平行に延設されるので、弾性係合片の延設長さを効率的に確保することができる。その結果、台座およびコネクタの大型化を抑制しつつ、弾性係合片の変形性の向上に伴い、台座およびコネクタの組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0552】
電気部品が搭載される遊技ユニットと、その遊技ユニットを支持する支持部材とを備える遊技機において、前記遊技ユニットの前記支持部材に対面する側に配設されるユニット側コネクタと、前記支持部材の前記遊技ユニットに対面する側に配設され、前記支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタと接続されると共に、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持側コネクタと、を備え、前記ユニット側コネクタおよび支持側コネクタは、それらユニット側コネクタ及び支持側コネクタのそれぞれに配設される一対一組の接点を複数組備え、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位され、前記ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が解除される際には、前記複数組の接点のうちの少なくとも一の組における接続の解除が、他の組における接続の解除よりも後に行われることを特徴とする遊技機D1。
【0553】
ここで、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットが変位されることで、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとが接続される一方、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位されることで、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとの接続が解除される遊技機が知られている(特開2013−81818号)。また、支持部材の前面には、前面側部材(前面枠)が配設されており、前面側部材は、幅方向一方の側縁が支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され、その軸支部分を中心に回転されることで、支持部材に対して開閉可能とされる。この場合、上述した遊技機では、例えば、遊技中に前面側部材を開いて作業を行おうとした際に、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位されると、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が解除され、遊技に影響を与えるおそれがあるという問題点があった。
【0554】
これに対し、遊技機D1によれば、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が解除される際には、複数組の接点のうちの少なくとも一の組における接続の解除を、他の組における接続の解除よりも後とできる。よって、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が少し解除されてしまったとしても、一の組における接続を維持できる可能性を確保できる。その結果、複数組の接点のうちの少なくとも一の組における接続を維持できることで、その分、遊技への影響を抑制できる。
【0555】
遊技機D1において、前記一の組における一対の接点のうちの一方の接点の一端は、前記他の組における一対の接点のうちの一方の接点の一端よりも接続方向先端側に位置されることを特徴とする遊技機D2。
【0556】
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、一の組における一対の接点のうちの一方の接点の一端は、他の組における一対の接点のうちの一方の接点の一端よりも接続方向先端側に位置されるので、遊技ユニットが取付完了位置から変位される際に、一の組における接点の接続が解除されるタイミングを、他の組における接点のタイミングよりも遅らせることができる。この場合、遊技機D2によれば、一の組における接点の延設長さを他の組における接点の延設長さよりも長くするか、一の組における接点を他の組における接点よりも接続方向先端側に配設すれば良く、複雑な構造を採用する必要がない。よって、構造の簡素化を図ることができる。
【0557】
遊技機D2において、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの一方は、直線状に延設されるガイド溝を備えると共に、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの他方は、前記ガイド溝に沿って案内される被ガイド部を備え、前記複数組の接点は、前記ガイド溝の延設方向に沿って延設されることを特徴とする遊技機D3。
【0558】
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、ガイド溝が直線状に延設され、そのガイド溝の延設方向に沿って被ガイド部が案内されることで、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの解除が進行されるところ、複数組の接点は、ガイド溝の延設方向に沿って延設されるので、遊技ユニットが取付完了位置から変位される際に、一の組における接点を接続された状態に維持しやすくでき、その結果、かかる一の組における接点の接続が解除されるタイミングを、他の組における接点のタイミングよりも確実に遅らせることができる。
【0559】
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記支持部材の前面に配設されると共に幅方向一方の側縁が前記支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され前記幅方向一方の側縁を中心に回転されることで前記支持部材に対して開閉される前面側部材を備え、前記一の組における接点が少なくとも前記複数組の接点の列設方向中央よりも前記支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側に配設されることを特徴とする遊技機D4。
【0560】
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から変位される際に、複数組の接点のうちで先に接続が解除されやすい位置に配置される組(一の組)の接続が解除されるタイミングを極力遅らせることができる。
【0561】
即ち、例えば、遊技中に、支持部材に対して前面側部材を隣の遊技者の邪魔とならない程度に少し開いた状態として作業を行う場合、それら前面側部材と支持部材との間の開放部分から作業を行うこととなる。そのため、開放部分から遊技ユニットも操作されることから、作業者が遊技ユニットを不用意に変位させる態様としては、開放部分側となる遊技ユニットの幅方向他方の側縁を支部部材へ向けて変位させ、開放部分の奥側となる遊技ユニットの幅方向一方の側縁(支持部材の幅方向一方の側縁側)を中心として遊技ユニットが回転動作される態様となる。
【0562】
このように遊技ユニットが回転動作される態様では、複数組の接点は、遊技ユニットの回転先端側(支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側)に配置されるものほど先に接続が解除されやすくなるところ、かかる先に接続が解除されやすい位置には一の組が配置されるので、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に少し変位されとしても、先に接続が解除されやすい位置に配置される組(一の組)における接続が解除されるタイミングを遅らせることができ、その結果、一の組における接続を維持できる可能性を確保できる。
【0563】
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記支持部材の前面に配設されると共に幅方向一方の側縁が前記支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され前記幅方向一方の側縁を中心に回転されることで前記支持部材に対して開閉される前面側部材を備え、前記一の組における接点が少なくとも前記複数組の接点の列設方向中央よりも前記支持部材の幅方向一方の側縁に近い側に配設されることを特徴とする遊技機D5。
【0564】
遊技機D5によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から変位される際に、複数組の接点のうちで接続の解除が最後となりやすい位置に配置される組(一の組)の接続が解除されるタイミングを更に遅らせることができるので、かかる一の組の接続が不用意に解除されることを更に発生し難くできる。よって、不用意に解除されることで遊技への影響が大きな重要な信号線に対して本構成が特に有効となる。
【0565】
即ち、例えば、遊技中に、支持部材に対して前面側部材を遊技中に隣の遊技者の邪魔とならない程度に少し開いた状態で作業を行う場合、それら前面側部材と支持部材との間の開放部分から作業を行うこととなる。そのため、開放部分から遊技ユニットも操作されることから、作業者が遊技ユニットを不用意に変位させる態様としては、開放部分側となる遊技ユニットの幅方向他方の側縁を支部部材へ向けて変位させ、開放部分の奥側となる遊技ユニットの幅方向一方の側縁(支持部材の幅方向一方の側縁側)を中心として遊技ユニットが回転動作される態様となる。
【0566】
このように遊技ユニットが回転動作される態様では、複数組の接点は、遊技ユニットの回転基端側(支持部材の幅方向一方の側縁に近い側)に配置されるものほど接続の解除が最後となりやすいところ、かかる接続の解除が最後となりやすい位置に一の組が配置されることで、かかる位置に配置される接点(一の組)の接続が解除されるタイミングを更に遅らせることができる。即ち、もともと接続が解除されるタイミングの遅い部位に対して、一の組を設定することで、かかる部位の接続が解除されるタイミングを更に遅くすることができる。
【0567】
これにより、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に少し変位されとしても、かかる一の組の接続が不用意に解除されることを更に発生し難くでき、その接続を維持できる可能性を更に確保しやすくできる。よって、不用意に解除されることで遊技への影響が大きな重要な信号線に対して本構成が特に有効となる。
【0568】
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの指示に従った制御を行う副制御手段と、その副制御手段に接続される副側装置と、前記主制御装置に接続される主側装置と、を備え、前記一の組における接点により連結される電気的接続線は、前記主制御手段と副制御手段との間または前記主制御手段と主側装置との間を接続する電気的接続線であり、前記他の組における接点により連結される電気的接続線は、前記副制御手段と副側装置との間を接続する電気的接続線であることを特徴とする遊技機D6。
【0569】
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5の奏する効果に加え、一の組における接点により連結される電気的接続線は、主制御手段と副制御手段との間または主制御手段と主側装置との間を接続する電気的接続線であり、他の組における接点により連結される電気的接続線は、副制御手段と副側装置との間を接続する電気的接続線であるので、接続が解除されると遊技への影響が比較的大きな部位となる接点(一の組)の接続が解除されるタイミングを、接続が解除されたとしても遊技への影響が比較的小さな部位となる接点(他の組)の接続が解除されるタイミングよりも遅らせることができる。これにより、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位された場合の遊技への影響を抑制できる。
【0570】
遊技機D6において、前記副側装置が音声出力、表示手段または発光手段に関するものであることを特徴とする遊技機D7。
【0571】
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が複数組の接点の一部で開始された場合に、遊技ユニットの不用意な変位を早期に停止させやすくできる。その結果、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が完全に解除されることを回避して、遊技への影響を抑制できる。
【0572】
即ち、他の組における接点により連結される電気的接続線が、副制御手段と副側装置との間を接続する電気的接続線であり、その副側装置が、音声出力、表示または発光に関するものであるので、遊技中に、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が一部で開始されることで、先に他の組における接点の接続が解除されると、遊技における音声出力、表示または発光が停止されるので、かかる音声出力、表示または発光が停止されることに基づいて、作業者に対して、遊技ユニットを不用意に変位させていることを気付かせることができる。これにより、遊技ユニットの不用意な変位を早期に停止させやすくでき、その結果、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が完全に解除されることを回避して、遊技への影響を抑制できる。
【0573】
電気部品が搭載される遊技ユニットと、その遊技ユニットを支持する支持部材とを備える遊技機において、前記遊技ユニットの前記支持部材に対面する側に配設されるユニット側コネクタと、前記支持部材の前記遊技ユニットに対面する側に配設され、前記支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタと接続されると共に、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持側コネクタと、を備え、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方は、前記遊技ユニットまたは支持部材に配設される台座と、その台座に前記接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持されるコネクタと、を備え、前記コネクタは、本体部と、その本体部から張り出す壁部と、を備え、前記台座は、前記コネクタの本体部が挿通可能に形成される開口を有する正面壁と、その正面壁の開口に前記コネクタの本体部が挿通される過程において弾性変形される弾性片と、を備え、前記台座の正面壁の正面または背面から前記コネクタの本体部が前記台座の弾性片を弾性変形させつつ前記正面壁の開口に挿通されると共に、前記コネクタの本体部が所定位置に達して前記弾性片が弾性回復されることで、前記台座とコネクタとの組み立てが完了され、前記コネクタの前記挿通の方向への変位が、前記台座の正面壁に前記コネクタの壁部が当接されることで規制可能とされると共に、前記コネクタの前記挿通の方向と反対方向への変位が、前記台座の弾性片に前記コネクタの本体部または壁部が当接されることで規制可能とされることを特徴とする遊技機E1。
【0574】
ここで、ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方が、遊技ユニットまたは支持部材に配設される台座と、その台座に接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持されるコネクタと、を備える遊技機が知られている(特開2013−81818号)。これによれば、支持部材における取付完了位置において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの間に位置ばらつきがある場合でも、コネクタが台座に対して接続の方向と直行する方向へ変位されることで、位置ばらつきを吸収することができ、その結果、支持部材における取付完了地位において、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を可能とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機のように、台座に対してコネクタが接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態とするためには、構造が複雑化して、組み立てコストが嵩むという問題点があった。
【0575】
これに対し、遊技機E1によれば、コネクタが、本体部と、その本体部から張り出される壁部とを備えて形成されると共に、台座が、コネクタの本体部を挿通可能な開口を有する正面壁と、その正面壁にコネクタの本体部が挿通される際に弾性変形される弾性片とを備えて形成されるので、コネクタの本体部を、台座の正面壁の正面または背面から正面壁の開口に挿通すれば、その挿通の過程において弾性片を弾性変形させることができると共に、台座に対するコネクタの挿通位置が所定位置に達すれば、弾性片が弾性回復され、台座とコネクタとの組み立てを完了することができる。即ち、台座に対してコネクタを組み付けるための動作を、コネクタを一方向へ挿通させる動作のみとすることができるので、台座とコネクタとの組み立て工程を簡素とできる。よって、その分、組み立てコストの削減を図ることができる。
【0576】
この場合、コネクタの挿通の方向への変位は、台座の正面壁にコネクタの壁部が当接されることで規制可能とされ、コネクタの挿通の方向と反対方向への変位は、台座の弾性片にコネクタの本体部または壁部が当接されることで規制可能とされるので、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットを変位させる際、及び、取付完了位置から遊技ユニットを変位させる際には、台座に対するコネクタ(本体部)の接続の方向または解除の方向への変位を規制できるので、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続およびその接続の解除を確実に行うことができる。
【0577】
遊技機E1において、前記台座に対して前記コネクタを前記接続の方向と直交する方向に位置決めする位置決め手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
【0578】
ここで、上述した遊技機(特開2013−81818号)、即ち、ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方が、接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持される遊技機では、コネクタの配設位置が不安定となり、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損するおそれがあるという問題点があった。
【0579】
これに対し、遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、コネクタの接続の方向に直交する方向における配設位置を位置決め手段により所定位置(初期位置)に位置決めできるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、台座に対してコネクタの配設位置が不用意に変化することを抑制できる。その結果、台座に対するコネクタの配設位置を安定させ、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続開始時に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。
【0580】
遊技機E2において、前記台座の弾性片は、前記台座に対して前記コネクタが前記接続の方向と直交する方向へ変位される場合に前記コネクタに当接にして弾性変形可能とされることで、前記位置決め手段として形成されることを特徴とする遊技機E3。
【0581】
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、台座の弾性片が、台座に対してコネクタが接続の方向と直交する方向へ変位される場合にコネクタに当接にして弾性変形可能に形成されるので、台座に対するコネクタの配設位置を弾性片により所定位置(初期位置)に位置決めできる。即ち、台座に対するコネクタの接続の方向または解除の方向への変位を規制する手段と、台座に対するコネクタの接続の方向と直交する方向における配設位置を位置決めする手段(即ち、位置決め手段)との2つの手段を台座の弾性片に兼用させることができる。これにより、それぞれの手段を別々に設ける必要がないので、部品点数を低減でき、その分、部品コストや組み立て工数の削減を図ることができる。
【0582】
遊技機E3において、前記弾性片は、前記台座の内壁部から前記コネクタへ向けて張り出す張出部分と、その張出部分の張り出し先端から前記コネクタの前記挿通の方向に沿って延設され前記コネクタの前記接続の方向と直交する方向への変位に伴って前記台座の内壁部に近接または離間する方向へ向けて弾性変形される直線部分と、その直線部分の延設先端に形成され前記コネクタの本体部または壁部に当接されることで前記コネクタの前記挿通の方向と反対方向への変位を規制する延設部分と、を備えることを特徴とする遊技機E4。
【0583】
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、弾性片が、台座の内壁部からコネクタへ向けて張り出す張出部分と、その張出部分の張り出し先端からコネクタの挿通の方向に沿って延設される直線部分と、その直線部分の延設先端に形成され延設部分とからなるので、直線部分が台座の内壁部に近接または離間する方向へ向けて弾性変形することで、コネクタの接続方向と直交する方向における配設位置を位置決めすることができると共に、延設部分がコネクタの本体部または壁部に当接されることで、コネクタの挿通の方向と反対方向への変位を規制することができる。
即ち、台座に対するコネクタの接続の方向または解除の方向への変位を規制する手段と、台座に対するコネクタの接続の方向と直交する方向における配設位置を位置決めする手段(即ち、位置決め手段)との2つの手段を台座の弾性片が兼用する場合に、これら変位の規制の機能および位置決めの機能を弾性片に確実に発揮させることができる。
【0584】
遊技機E4において、前記弾性片は、前記張出部分の張り出し方向における長さ寸法に対して、前記直線部分の延設方向における長さ寸法が大きくされることを特徴とする遊技機E5。
【0585】
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、前記張出部分の張り出し方向における長さ寸法に対して、前記直線部分の延設方向における長さ寸法が大きくされるので、台座の内壁面へ近接または離間する方向には、直線部分の変形性を確保することができ、コネクタの接続の方向と直交する方向への変位を許容しやすくできる一方、直線部分の延設方向(即ち、コネクタの挿通の方向に沿う方向)には、弾性片全体としての変形を抑制することができるので、コネクタの本体部または壁部と規制部との当接が解除されることを抑制でき、その結果、コネクタの挿通の方向と反対方向への変位を延設部分により確実に規制することができる。
【0586】
遊技機E3からE5のいずれかにおいて、前記弾性片は、前記接続の方向と直交する方向のうちの第1の方向に沿って一対が配設されると共に、それら一対の弾性片の間に前記コネクタが配設されることを特徴とする遊技機E6。
【0587】
遊技機E6によれば、遊技機E3からE5のいずれかの奏する効果に加え、一対の弾性片の間にコネクタが配設されるので、台座に対するコネクタの第1の方向における配設位置を一対の弾性片により両方向から所定位置(初期位置)に位置決めでき、台座に対してコネクタの配設位置が変化することを第1の方向における両方向で抑制できる。その結果、台座に対するコネクタの配設位置が更に安定するので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することをより確実に抑制することができる。
【0588】
また、台座に対するコネクタの挿通の方向と反対方向への変位を一対の弾性片によりコネクタの両側2か所で規制できるので、かかるコネクタの挿通の方向と反対方向への変位を確実に規制できる。即ち、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットを変位させる際、又は、取付完了位置から遊技ユニットを変位させる際には、台座に対するコネクタ(本体部)の接続の方向または解除の方向への変位をコネクタの両側の2か所で規制できるので、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続またはその接続の解除を確実に行うことができる。
【0589】
遊技機E1からE6のいずれかにおいて、前記弾性片は、前記コネクタの挿通の方向に沿って傾斜する傾斜面を備え、その傾斜面に前記コネクタが当接されることで、前記正面壁の開口に前記コネクタの本体部が挿通される過程において前記弾性片が弾性変形されることを特徴とする遊技機E7。
【0590】
遊技機E7によれば、遊技機E1からE6の奏する効果に加え、弾性片が、コネクタの挿通の方向に沿って傾斜する傾斜面を備え、その傾斜面にコネクタが当接されることで、正面壁の開口にコネクタの本体部が挿通される過程において弾性片が弾性変形されるので、かかる弾性片を弾性変形させるための動作を別途行う必要がなく、台座の開口へコネクタを挿通させる動作に伴って、弾性片を弾性変形させることができる。よって、台座に対してコネクタを組み付ける(開口へ挿通させる)動作と同時に弾性片を弾性変形させることができるので、台座とコネクタとの組み立てるために必要な工程を、台座に対してコネクタを一方向へ挿通させる動作のみとすることができる。これにより、台座とコネクタとの組み立て工程を簡素として、その分、組み立てコストの削減を図ることができる。
【0591】
電気部品が搭載される遊技ユニットと、その遊技ユニットを支持する支持部材とを備える遊技機において、前記遊技ユニットの前記支持部材に対面する側に配設されるユニット側コネクタと、前記支持部材の前記遊技ユニットに対面する側に配設され、前記支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタと接続されると共に、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持側コネクタと、を備え、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方は、前記遊技ユニットまたは支持部材に配設される台座と、その台座に前記接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持されるコネクタと、前記台座に対して前記コネクタが前記接続時に前記接続の方向に沿って変位することを規制する接続側規制手段と、前記台座に対して前記コネクタが前記接続の解除時に前記接続の方向に沿って変位することを規制する解除側規制手段と、を備え、前記接続側規制手段による規制位置と前記解除側規制手段による規制位置との間に所定の隙間が形成されていることを特徴とする遊技機F1。
【0592】
ここで、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットが変位されることで、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとが接続される一方、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位されることで、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとの接続が解除される遊技機が知られている(特開2013−81818号)。また、支持部材の前面には、前面側部材(前面枠)が配設されており、前面側部材は、幅方向一方の側縁が支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され、その軸支部分を中心に回転されることで、支持部材に対して開閉可能とされる。この場合、上述した遊技機では、例えば、遊技中に前面側部材を開いて作業を行おうとした際に、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位されると、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が解除され、遊技に影響を与えるおそれがあるという問題点があった。
【0593】
これに対し、遊技機F1によれば、接続側規制手段による規制位置と解除側規制手段による規制位置との間に所定の隙間が形成されているので、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが不用意に変位されたとしても、その変位が両規制手段による規制位置の間の隙間に相当する距離に達するまでの間(即ち、隙間が詰まるまでの間)は、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が開始されることを抑制できる。その結果、複数組の接点における接続を維持して、遊技への影響を抑制できる。
【0594】
遊技機F1において、前記ユニット側コネクタおよび支持側コネクタは、それらユニット側コネクタ及び支持側コネクタのそれぞれに配設される一対一組の接点を複数組備え、前記接続側規制手段による規制位置と前記解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間は、前記複数組の接点の列設方向一側における隙間が、前記複数組の接点の列設方向他側における隙間よりも大きくされることを特徴とする遊技機F2。
【0595】
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、接続側規制手段による規制位置と解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間は、複数組の接点の列設方向一側における隙間が、複数組の接点の列設方向他側における隙間よりも大きくされるので、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位された際には、複数組の接点の列設方向一側に配設される接点における接続の解除を、複数組の接点の列設方向他側に配設される接点における接続の解除よりも後とできる。よって、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が少し解除されてしまったとしても、複数組の接点の列設方向一側に配設される接点における接続を維持できる可能性を確保できる。その結果、複数組の接点のうちの少なくとも複数組の接点の列設方向一側に配設される接点における接続を維持できることで、その分、遊技への影響を抑制できる。
【0596】
遊技機F1又はF2において、前記支持部材の前面に配設されると共に幅方向一方の側縁が前記支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され前記幅方向一方の側縁を中心に回転されることで前記支持部材に対して開閉される前面側部材を備え、前記複数組の接点の列設方向が前記支持部材の幅方向に沿って配設されると共に、前記接続側規制手段による規制位置と前記解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間は、前記支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側における隙間が、前記支持部材の幅方向一方の側縁に近い側における隙間よりも大きくされることを特徴とする遊技機F3。
【0597】
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から変位される際に、複数組の接点のうちで先に接続が解除されやすい位置(支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側)に配置される接点の接続が解除されるタイミングを極力遅らせることができる。
【0598】
即ち、例えば、遊技中に、支持部材に対して前面側部材を遊技中に隣の遊技者の邪魔とならない程度に少し開いた状態で作業を行う場合、それら前面側部材と支持部材との間の開放部分から作業を行うこととなる。そのため、開放部分から遊技ユニットも操作されることから、作業者が遊技ユニットを不用意に変位させる態様としては、開放部分側となる遊技ユニットの幅方向他方の側縁を支部部材へ向けて変位させ、開放部分の奥側となる遊技ユニットの幅方向一方の側縁(支持部材の幅方向一方の側縁に近い側)を中心として遊技ユニットが回転動作される態様となる。
【0599】
このように遊技ユニットが回転動作される態様では、複数組の接点は、遊技ユニットの回転先端側(支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側)に配置されるものほど先に接続が解除されやすくなるところ、かかる先に接続が解除されやすい側は、接続側規制手段による規制位置と解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間が大きくされるので、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に少し変位されとしても、先に接続が解除されやすい側における接続が解除されるタイミングを遅らせることができ、その結果、接続を維持できる可能性を確保できる。
【0600】
遊技機F1又はF2において、前記支持部材の前面に配設されると共に幅方向一方の側縁が前記支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され前記幅方向一方の側縁を中心に回転されることで前記支持部材に対して開閉される前面側部材を備え、前記複数組の接点の列設方向が前記支持部材の幅方向に沿って配設されると共に、前記接続側規制手段による規制位置と前記解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間は、前記支持部材の幅方向一方の側縁に近い側における隙間が、前記支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側における隙間よりも大きくされることを特徴とする遊技機F4。
【0601】
遊技機F4によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から変位される際に、複数組の接点のうちで接続の解除が最後となりやすい位置(支持部材の幅方向一方の側縁に近い側)に配置される接点の接続が解除されるタイミングを更に遅らせることができるので、かかる接点の接続が不用意に解除されることを更に発生し難くできる。よって、不用意に解除されることで遊技への影響が大きな重要な信号線に対して本構成が特に有効となる。
【0602】
即ち、例えば、遊技中に、支持部材に対して前面側部材を遊技中に隣の遊技者の邪魔とならない程度に少し開いた状態で作業を行う場合、それら前面側部材と支持部材との間の開放部分から作業を行うこととなる。そのため、開放部分から遊技ユニットも操作されることから、作業者が遊技ユニットを不用意に変位させる態様としては、開放部分側となる遊技ユニットの幅方向他方の側縁を支部部材へ向けて変位させ、開放部分の奥側となる遊技ユニットの幅方向一方の側縁(支持部材の幅方向一方の側縁に近い側)を中心として遊技ユニットが回転動作される態様となる。
【0603】
このように遊技ユニットが回転動作される態様では、複数組の接点は、遊技ユニットの回転基端側(支持部材の幅方向一方の側縁に近い側)に配置されるものほど接続の解除が最後となりやすいところ、かかる接続の解除が最後となりやすい側は、接続側規制手段による規制位置と解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間が大きくされるので、接続が解除されるタイミングを更に遅らせることができる。即ち、もともと接続が解除されるタイミングの遅い側に対して、隙間を大きく設定することで、その接続が解除されるタイミングを更に遅くすることができる。
【0604】
これにより、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に少し変位されとしても、もともと接続が解除され難い側での接続が解除されることを更に発生し難くでき、その接続を維持できる可能性を更に確保しやすくできる。よって、不用意に解除されることで遊技への影響が大きな重要な信号線に対して本構成が特に有効となる。
【0605】
遊技機F2において、遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの指示に従った制御を行う副制御手段と、その副制御手段に接続される副側装置と、前記主制御装置に接続される主側装置と、を備え、複数組の接点の列設方向中央よりも少なくとも前記列設方向一側における接点により連結される電気的接続線は、前記主制御手段と副制御手段との間または前記主制御手段と主側装置との間を接続する電気的接続線であり、複数組の接点の列設方向中央よりも少なくとも前記列設方向他側における接点により連結される電気的接続線は、前記副制御手段と副側装置との間を接続する電気的接続線であることを特徴とする遊技機F5。
【0606】
遊技機F5によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、複数組の接点の列設方向中央よりも少なくとも列設方向一側(隙間が大きくされる側)における接点により連結される電気的接続線は、主制御手段と副制御手段との間または主制御手段と主側装置との間を接続する電気的接続線であり、複数組の接点の列設方向中央よりも少なくとも列設方向他側(隙間が小さくされる側)における接点により連結される電気的接続線は、副制御手段と副側装置との間を接続する電気的接続線であるので、接続が解除されると遊技への影響が比較的大きな部位となる接点(列設方向一側)の接続が解除されるタイミングを、接続が解除されたとしても遊技への影響が比較的小さな部位となる接点(列設方向他側)の接続が解除されるタイミングよりも遅らせることができる。これにより、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位された場合の遊技への影響を抑制できる。
【0607】
遊技機F5において、前記副側装置が音声出力、表示手段または発光手段に関するものであることを特徴とする遊技機F6。
【0608】
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が複数組の接点の一部で開始された場合に、遊技ユニットの不用意な変位を早期に停止させやすくできる。その結果、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が完全に解除されることを回避して、遊技への影響を抑制できる。
【0609】
即ち、複数組の接点の列設方向中央よりも少なくとも列設方向他側(隙間が小さくされる側)における接点により連結される電気的接続線が、副制御手段と副側装置との間を接続する電気的接続線であり、その副側装置が、音声出力、表示または発光に関するものであるので、遊技中に、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が一部で開始されることで、先に、複数組の接点の列設方向中央よりも少なくとも列設方向他側(隙間が小さくされる側)における接点の接続が解除されると、遊技における音声出力、表示または発光が停止されるので、かかる音声出力、表示または発光が停止されることに基づいて、作業者に対して、遊技ユニットを不用意に変位させていることを気付かせることができる。これにより、遊技ユニットの不用意な変位を早期に停止させやすくでき、その結果、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が完全に解除されることを回避して、遊技への影響を抑制できる。
【0610】
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記接続の方向に沿って弾性変形可能に形成され、前記接続の方向における前記コネクタの前記台座に対する配設位置を、前記接続側規制手段により前記コネクタの変位が規制される位置に位置決めする位置決め突部を備えることを特徴とする遊技機F7。
【0611】
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、コネクタの接続の方向における配設位置を位置決め突部により所定位置(初期位置)に位置決めできるので、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続を開始する際に、台座に対してコネクタの配設位置が不用意に変化することを抑制できる。特に、位置決め突部により設定される初期位置が、接続側規制手段によりコネクタの変位が規制される位置であるので、台座に対するコネクタの配設位置を相手のコネクタとの接続を開始するのに適した位置に配置することができる。その結果、ユニット側コネクタと支持側コネクタとの接続開始時に、これら両コネクタどうしが衝突して破損することを抑制することができる。
【0612】
電気部品が搭載される遊技ユニットと、その遊技ユニットを支持する支持部材とを備える遊技機において、前記遊技ユニットの前記支持部材に対面する側に配設されるユニット側コネクタと、前記支持部材の前記遊技ユニットに対面する側に配設され、前記支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタと接続されると共に、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持側コネクタと、を備え、前記ユニット側コネクタおよび支持側コネクタは、それらユニット側コネクタ及び支持側コネクタのそれぞれに配設される一対一組の接点を複数組備え、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位され、前記ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が行われる場合には、かかる接続の解除が前記複数組の接点において同時に行われることを特徴とする遊技機G1。
【0613】
ここで、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットが変位されることで、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとが接続される一方、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位されることで、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとの接続が解除される遊技機が知られている(特開2013−81818号)。また、支持部材の前面には、前面側部材(前面枠)が配設されており、前面側部材は、幅方向一方の側縁が支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され、その軸支部分を中心に回転されることで、支持部材に対して開閉可能とされる。この場合、上述した遊技機では、例えば、遊技中に前面側部材を開いて作業を行おうとした際に、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位されると、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が、複数組の接点のうちの一部の組において解除され、遊技に影響を与えるおそれがあるという問題点があった。
【0614】
これに対し、遊技機G1によれば、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が行われる場合には、かかる接続の解除が複数組の接点において同時に行われるので、複数組の接点において、電気的に接続(導通)されている組と解除(切断)されている組とが混在せず、導通や切断のタイムラグ(タイミングの差)を発生させないので、遊技への影響を抑制することができる。
【0615】
遊技機G1において、前記複数組の接点は、前記一対の接点のうちの一方の接点の一端が、前記接続方向に沿ってそれぞれ異なる位置に配置されることを特徴とする遊技機G2。
【0616】
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、複数組の接点は、一対の接点のうちの一方の接点の一端が、接続方向に沿ってそれぞれ異なる位置に配置されるので、遊技ユニットが取付完了位置から変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が行われる場合には、かかる接続の解除を複数組の接点において同時に行わせることができる。この場合、遊技機D2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、各接点の延設長さをそれぞれ異なる延設長さに設定するか、各接点の配設位置をそれぞれ接続の方向に沿ってずらしておけば良く、複雑な構造を採用する必要がない。よって、構造の簡素化を図ることができる。
【0617】
遊技機G2において、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの一方は、直線状に延設されるガイド溝を備えると共に、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの他方は、前記ガイド溝に沿って案内される被ガイド部を備え、前記複数組の接点は、前記ガイド溝の延設方向に沿って延設されることを特徴とする遊技機G3。
【0618】
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、ガイド溝が直線状に延設され、そのガイド溝の延設方向に沿って被ガイド部が案内されることで、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの解除が進行されるところ、複数組の接点は、ガイド溝の延設方向に沿って延設されるので、遊技ユニットが取付完了位置から変位される際に、一の組における接点を接続された状態に維持しやすくでき、その結果、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が行われる場合に、かかる接続の解除を複数組の接点において同時に行わせやすくできる。
【0619】
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、前記支持部材の前面に配設されると共に幅方向一方の側縁が前記支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され前記幅方向一方の側縁を中心に回転されることで前記支持部材に対して開閉される前面側部材を備え、前記複数組の接点は、前記一対の接点のうちの一方の接点の一端が、前記支持部材の幅方向一方の側縁から離間するものほど前記接続方向先端側に配置されることを特徴とする遊技機G4。
【0620】
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が行われる場合には、かかる接続の解除を複数組の接点において同時に行わせることができる。
【0621】
即ち、例えば、遊技中に、支持部材に対して前面側部材を隣の遊技者の邪魔とならない程度に少し開いた状態として作業を行う場合、それら前面側部材と支持部材との間の開放部分から作業を行うこととなる。そのため、開放部分から遊技ユニットも操作されることから、作業者が遊技ユニットを不用意に変位させる態様としては、開放部分側となる遊技ユニットの幅方向他方の側縁を支部部材へ向けて変位させ、開放部分の奥側となる遊技ユニットの幅方向一方の側縁(支持部材の幅方向一方の側縁側)を中心として遊技ユニットが回転動作される態様となる。
【0622】
このように遊技ユニットが回転動作される態様では、複数組の接点は、遊技ユニットの回転先端側(支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側)に配置されるものほど先に接続が解除されやすくなるところ、一対の接点のうちの一方の接点の一端は、支持部材の幅方向一方の側縁から離間するものほど接続方向先端側に配置されるので、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が行われる場合には、かかる接続の解除を複数組の接点において同時に行わせやすくすることができる。
【0623】
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記遊技ユニットの幅方向一方の側縁が前記支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され、前記複数組の接点は、前記一対の接点のうちの一方の接点の一端が、前記遊技ユニットの幅方向一方の側縁から離間するものほど前記接続方向先端側に配置されることを特徴とする遊技機G5。
【0624】
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が行われる場合には、かかる接続の解除を複数組の接点において同時に行わせることができる。即ち、遊技ユニットの幅方向一方の側縁が支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支されるので、複数組の接点は、遊技ユニットの回転先端側(遊技ユニットおよび支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側)に配置されるものほど先に接続が解除されやすくなるところ、一対の接点のうちの一方の接点の一端は、遊技ユニット(支持部材)の幅方向一方の側縁から離間するものほど接続方向先端側に配置されるので、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が行われる場合には、かかる接続の解除を複数組の接点において同時に行わせやすくすることができる。
【0625】
なお、遊技機G4又はG5において、一対の接点のうちの一方の接点の一端を、接続の方向に沿ってそれぞれ位置をずらして配置する場合に、それぞれの接点の一端を通過して形成される仮想線は、直線状であっても良く、曲線状であっても良く、或いは、直線および曲線を組み合わせた形状であっても良い。
【0626】
遊技機A1からA17,B1からB6,C1からC6,D1からD7,E1からE7,F1からF7,G1からG5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0627】
遊技機A1からA17,B1からB6,C1からC6,D1からD7,E1からE7,F1からF7,G1からG5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示される識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0628】
遊技機A1からA17,B1からB6,C1からC6,D1からD7,E1からE7,F1からF7,G1からG5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成される遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、支持部材における取付完了位置へ向けて遊技ユニットが変位されることで、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとが接続される一方、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位されることで、遊技ユニットのユニット側コネクタと支持部材の支持側コネクタとの接続が解除される遊技機が知られている(特開2013−81818号公報)。
支持部材の前面には、前面側部材(前面枠)が配設されており、前面側部材は、幅方向一方の側縁が支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され、その軸支部分を中心に回転されることで、支持部材に対して開閉可能とされる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、遊技中に前面側部材を開いて作業を行おうとした際に、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位されると、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が解除され、遊技に影響を与えるおそれがあるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位された場合に、遊技に影響を与えることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、電気部品が搭載される遊技ユニットと、その遊技ユニットを支持する支持部材とを備えるものであり、前記遊技ユニットの前記支持部材に対面する側に配設されるユニット側コネクタと、前記支持部材の前記遊技ユニットに対面する側に配設され、前記支持部材における取付完了位置へ向けて前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタと接続されると共に、前記支持部材における取付完了位置から前記遊技ユニットが変位されることで前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持側コネクタと、を備え、前記ユニット側コネクタ又は支持側コネクタの少なくとも一方は、前記遊技ユニットまたは支持部材に配設される台座と、その台座に前記接続の方向と直交する方向への変位が許容された状態で保持されるコネクタと、前記台座に対して前記コネクタが前記接続時に前記接続の方向に沿って変位することを規制する接続側規制手段と、前記台座に対して前記コネクタが前記接続の解除時に前記接続の方向に沿って変位することを規制する解除側規制手段と、を備え、前記接続側規制手段による規制位置と前記解除側規制手段による規制位置との間に所定の隙間が形成されている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記ユニット側コネクタおよび支持側コネクタは、それらユニット側コネクタ及び支持側コネクタのそれぞれに配設される一対一組の接点を複数組備え、前記接続側規制手段による規制位置と前記解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間は、前記複数組の接点の列設方向一側における隙間が、前記複数組の接点の列設方向他側における隙間よりも大きくされる。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記支持部材の前面に配設されると共に幅方向一方の側縁が前記支持部材の幅方向一方の側縁に回転可能に軸支され前記幅方向一方の側縁を中心に回転されることで前記支持部材に対して開閉される前面側部材を備え、前記複数組の接点の列設方向が前記支持部材の幅方向に沿って配設されると共に、前記接続側規制手段による規制位置と前記解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間は、前記支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側における隙間が、前記支持部材の幅方向一方の側縁に近い側における隙間よりも大きくされる。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、接続側規制手段による規制位置と解除側規制手段による規制位置との間に所定の隙間が形成されているので、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが不用意に変位されたとしても、その変位が両規制手段による規制位置の間の隙間に相当する距離に達するまでの間(即ち、隙間が詰まるまでの間)は、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続の解除が開始されることを抑制できる。その結果、複数組の接点における接続を維持して、遊技への影響を抑制できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、接続側規制手段による規制位置と解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間は、複数組の接点の列設方向一側における隙間が、複数組の接点の列設方向他側における隙間よりも大きくされるので、支持部材における取付完了位置から遊技ユニットが変位された際には、複数組の接点の列設方向一側に配設される接点における接続の解除を、複数組の接点の列設方向他側に配設される接点における接続の解除よりも後とできる。よって、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に変位され、ユニット側コネクタ及び支持側コネクタの接続が少し解除されてしまったとしても、複数組の接点の列設方向一側に配設される接点における接続を維持できる可能性を確保できる。その結果、複数組の接点のうちの少なくとも複数組の接点の列設方向一側に配設される接点における接続を維持できることで、その分、遊技への影響を抑制できる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技ユニットが取付完了位置から変位される際に、複数組の接点のうちで先に接続が解除されやすい位置(支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側)に配置される接点の接続が解除されるタイミングを極力遅らせることができる。
即ち、例えば、遊技中に、支持部材に対して前面側部材を遊技中に隣の遊技者の邪魔とならない程度に少し開いた状態で作業を行う場合、それら前面側部材と支持部材との間の開放部分から作業を行うこととなる。そのため、開放部分から遊技ユニットも操作されることから、作業者が遊技ユニットを不用意に変位させる態様としては、開放部分側となる遊技ユニットの幅方向他方の側縁を支部部材へ向けて変位させ、開放部分の奥側となる遊技ユニットの幅方向一方の側縁(支持部材の幅方向一方の側縁に近い側)を中心として遊技ユニットが回転動作される態様となる。
このように遊技ユニットが回転動作される態様では、複数組の接点は、遊技ユニットの回転先端側(支持部材の幅方向一方の側縁から遠い側)に配置されるものほど先に接続が解除されやすくなるところ、かかる先に接続が解除されやすい側は、接続側規制手段による規制位置と解除側規制手段による規制位置との間に形成される所定の隙間が大きくされるので、遊技ユニットが取付完了位置から不用意に少し変位されとしても、先に接続が解除されやすい側における接続が解除されるタイミングを遅らせることができ、その結果、接続を維持できる可能性を確保できる。