(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の仮想ネットワークのそれぞれをネットワーク層レベルで識別する複数の識別子のそれぞれに、当該識別子にて識別される仮想ネットワークで伝送されるデータの属性値が対応づけられた対応情報を記憶する記憶部と、
前記対応情報に基づいて、物理ネットワークで接続された複数の通信装置のそれぞれに、前記識別子と、当該識別子にて識別される仮想ネットワークを使用するポリシーとを割り当てる制御部と、
を備える制御装置。
複数の仮想ネットワークのそれぞれをネットワーク層レベルで識別する複数の識別子のそれぞれに、当該識別子にて識別される仮想ネットワークで伝送されるデータの属性値が対応づけられた対応情報を記憶する記憶部から前記対応情報を読み出し、
前記記憶部から読み出した対応情報に基づいて、物理ネットワークで接続された複数の通信装置のそれぞれに、前記識別子と、当該識別子にて識別される仮想ネットワークを使用するポリシーとを割り当てる、制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、例示的な実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、同一の機能を有する構成要素については同じ符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の例示的な実施形態にかかる移動体通信システム1の構成図である。移動体通信システム1は、複数の基地局装置10−1〜10−nと、L3(Layer3)スイッチ20−1および20−2と、制御装置30とを有する。
【0013】
基地局装置10−1〜10−nは、携帯電話などの移動局と通信する通信装置である。
基地局装置10−1〜10−nのそれぞれは、移動局と通信するアンテナ部と、バックホール回線と接続する通信インタフェースとを有する。また、基地局装置10−1〜10−n基地局装置10−1〜10−nのそれぞれは、物理ネットワークであるバックホール回線を介してL3スイッチ20−1および20−2と接続される。なお、基地局装置10−1〜10−nを特に区別する必要がない場合には、単に、基地局装置10と称する。
【0014】
L3スイッチ20−1および20−2は、バックホール回線とEPC(Evolved Packet Core)ネットワークA〜Cとの間で通信を中継する通信装置である。EPCネットワークA〜Cのそれぞれは、オペレータが提供するコア回線である。
なお、L3スイッチ20−1および20−2を特に区別する必要がない場合には、単に、L3スイッチ20と称する。
【0015】
制御装置30は、VxLAN(Virtual eXtensible Local Area Network)の機能を用いて、仮想ネットワークを識別する識別子であるVNI(VxLAN Network Identifier)と、VNIにて識別される仮想ネットワークを使用するポリシーとを、バックホール回線に接続された通信装置である基地局装置10−1〜10−nとL3スイッチ20−1および20−2とに割り当てる。制御装置30は、VNIとポリシーとを各通信装置に割り当てることで、バックホール回線上で複数の仮想ネットワークを構築する。
【0016】
図2は、制御装置30の詳細な構成を示すブロック図である。
【0017】
制御装置30は、通信部31と、検知部32と、記憶部33と、制御部34とを有する。
【0018】
通信部31は、バックホール回線を介して、基地局装置10−1〜10−nと、L3スイッチ20−1および20−2とのそれぞれと接続する。
【0019】
検知部32は、通信部31を介して、バックホール回線の通信状況を検知する。
【0020】
記憶部33は、複数の仮想ネットワークのそれぞれを識別する識別子であるVNIと、当該VNIで識別される仮想ネットワークで伝送されるデータの属性値とが対応付けられている。
【0021】
図3は、制御装置30が用いる対応情報の一例を示す図である。
【0022】
図3が示す第1の対応情報は、VNI値と、データの属性値を示す情報として、データの送信元および宛先を示す情報とが対応づけられている。データの送信元および宛先を示す情報は、基地局を識別するeNB(evolved Node B)−ID(Identifier)と、EPCを識別するEPC―IDとを含む。
【0023】
制御部34は、記憶部33に第1の対応情報を記憶させ、記憶部33から第1の対応情報を読み出す。この第1の対応情報に基づき、制御部34は、基地局装置10−1〜10−nと、L3スイッチ20−1および20−2などの、物理ネットワークで接続された複数の通信装置のそれぞれに、VNIおよびVNIを使用するポリシーを割り当てる。これにより、基地局装置10−1〜10−nと、L3スイッチ20−1および20−2との間に、データの属性値毎に複数の仮想ネットワークが構築される。このため、各通信装置は、データの属性値毎に当該データを区別することができるようになる。各通信装置は、データの属性値毎にデータを区別することができる場合、データの属性値毎に、各データに異なる処理を行うことが可能になり、その結果、細やかなサービスを提供することができる。
【0024】
第1の対応情報に基づいてVNIおよびポリシーを割り当てた場合、EPCネットワーク毎に異なる仮想ネットワークが構成されることになる。EPCネットワークはオペレータ毎に異なるため、データは、オペレータ毎に異なる仮想ネットワークで伝送されることになる。したがって、基地局装置10−1〜10−nは、移動体通信システム1に複数のオペレータが存在する場合であっても、中継するデータがどのオペレータのユーザにより送受信されるものであるかを区別することができるようになる。
【0025】
より具体的には、eNB#2で識別される基地局装置10−2に割り当てられるポリシーは、以下のa)およびb)のポリシーを含む。
a)宛先アドレスが、EPC#Cで識別されるネットワークである場合、VNI値が2で識別される仮想ネットワークを使用する。
b)宛先アドレスが、EPC#Aで識別されるネットワークである場合、VNI値が100で識別される仮想ネットワークを使用する。
【0026】
また、L3スイッチ20−1および20−2には、
図3に示される第1の対応情報全てが、ポリシーとして割り当てられる。これにより、L3スイッチ20−1および20−2は、受信したデータのVNI値を参照することで、当該データの送信元および宛先を区別することが可能になる。
【0027】
また、制御部34は、検知部32が検知した通信状況に基づいて、仮想ネットワークのルート制御を行う。具体的には、制御部34は、通信状況に基づいて、各仮想ネットワークの優先度を変更する。また、制御部34は、通信状況に基づいて、VNIを割り当て直し、ネットワーク構成を変更する。これにより、各仮想ネットワークに割り当てられるリソースが変更される。
【0028】
以上説明したように、第1の例示的な実施形態によれば、制御装置30は、記憶部33と制御部34とを有する。記憶部33は、複数の仮想ネットワークのそれぞれをネットワーク層レベルで識別する複数の識別子であるVNIのそれぞれに、当該VNIにて識別される仮想ネットワークで伝送されるデータの属性値である宛先ネットワークを識別するEPC−IDが対応付けられた対応情報を記憶する。制御部34は、対応情報に基づいて、物理ネットワークであるバックホール回線で接続された複数の通信装置のそれぞれに、VNIと、当該VNIにて識別される仮想ネットワークを使用するポリシーとを割り当てる。これらの構成により、通信装置間では、データの属性値毎に異なる仮想ネットワークが構築される。このため、各通信装置が、データの属性値毎に、当該データを区別することができる。EPC−IDは、通信事業者毎に異なるため、各通信装置は、処理しているデータがどの通信事業者のユーザのものであるかを区別することが可能になり、その結果、細やかなサービスを提供することが可能になる。
【0029】
また、上記実施形態によれば、制御装置30は、各仮想ネットワークの状況を検知する検知部32をさらに備える。そして制御部34は、検知部32が検知した状況に基づいて、各仮想ネットワークのルート制御を行う。この構成により、データの属性値毎に、ルート制御が行われる。このため、各通信装置は、データの属性値毎に、より細かい単位で、ルート制御を行うことができる。その結果、より細やかなサービスを提供することが可能になる。
【0030】
また、上記実施形態によれば、対応情報は、データの属性値として、データの宛先および送信元の少なくともいずれかを示す情報を含む。この構成により、通信装置間では、データの宛先および送信元の少なくともいずれか毎に仮想ネットワークが構築される。このため、各通信装置は、データの宛先または送信元毎に、当該データを区別することができる。したがって、より確実に、細やかなサービスを提供することが可能になる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の例示的な実施形態にかかる移動体通信システム2の構成図である。
【0031】
移動体通信システム2は、基地局装置10と、L3スイッチ20と、制御装置30とを有する。第2の例示的な実施形態は、制御装置30が用いる対応情報が第1の実施形態と異なる。移動体通信システム2は、
図1に示した移動体通信システム1と同様に、複数の基地局装置および複数のL3スイッチを有してもよい。
図4では、簡単のため、基地局装置10とL3スイッチ20とをそれぞれ1つずつ示す。
【0032】
図5は、本実施形態において、制御装置30が用いる対応情報の一例を示す図である。
【0033】
図5が示す第2の対応情報は、VNI値と、データの属性値とが対応付けられている。
具体的には、第2の対応情報は、データの属性値として、eNB−IDと、データのサービス種別を示す情報とを含む。サービス種別を示す情報は、例えば、データの優先度を示す情報である。データの優先度を示す情報は、DSCP(Differentiated Services Code Point)値、およびQCI(QoS Class Identifier)である。DSCP値は、IP(Internet Protocol)ヘッダに割り当てられる、優先度を示す情報である。またQCIは、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される、ベアラ毎の優先度を示す情報である。ここでは、優先度を示す2種類の情報を用いたが、1種類のみが用いられてもよい。
【0034】
制御部34は、第2の対応情報に基づいて、基地局装置10およびL3スイッチ20にVNIおよび当該VNIを使用するポリシーを割り当てる。これにより、移動体通信システム2で送受信されるデータのサービス種別ごとに異なる、複数の仮想ネットワークが構成されることになる。また、
図4では省略したが、移動体通信システム2が複数の基地局装置10を含む場合、制御部34は、データが送受信される基地局装置10毎に、VNIを割り当てるため、基地局装置10毎に仮想ネットワークが構成されることになる。
【0035】
より具体的には、ENB−IDがeNB#1で識別される基地局装置に割り当てられるポリシーは、以下の1)〜3)のポリシーを含む。
図5では省略されているが、この基地局装置には、eNB#1と対応付けて記憶されているVNI値および属性値の対応関係をポリシーとして割り当てる
1)DSCP値がBest Effortであり、QCIがQCI#9である場合、VNI値が1で識別される仮想ネットワークを使用する。
2)DSCP値がAF(Assured Forwarding)#2であり、QCIがQCI#3である場合、VNI値が2で識別される仮想ネットワークを使用する。
3)DSCP値がEF(Expedited Forwarding)であり、QCIがQCI#1である場合、VNI値が100で識別される仮想ネットワークを使用する。
【0036】
また、本実施形態においても、制御部34は、検知部32が検知した通信状況に基づいて、ルート制御を行うことができる。このとき制御部34は、第2の対応情報に含まれる、データの優先度を示す情報に基づいて、ルート制御を行うこともできる。
【0037】
以上説明したように、第2の例示的な実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、各通信装置は、データの属性値毎に、異なる仮想ネットワークを用いてデータを伝送することが可能になり、その結果、細やかなサービスを提供することが可能になる。
【0038】
また、本実施形態によれば、対応情報は、データの属性値として、データの優先度を示す情報を含む。この構成により、通信装置間では、データの優先度毎に仮想ネットワークが構築される。このため、各通信装置は、データの優先度毎に、当該データを区別することができるようになり、その結果、より細やかなサービスを提供することが可能になる。
(第3の実施形態)
図6は、第3の例示的な実施形態にかかる移動体通信システム3の構成図である。
【0039】
移動体通信システム3は、アンテナ部11と、仮想基地局機能部12と、L3スイッチ20−1および20−2とを有する。
【0040】
アンテナ部11は、複数のアンテナ装置11−1〜11−nを含む。
【0041】
仮想基地局機能部12は、基地局装置の複数の機能を協働して仮想的に実現する複数のサーバ装置によって実現される。基地局装置の機能は、例えば、MAC(Medium Access Control)レイヤ機能、RLC(Radio Link Control)レイヤ機能、およびPDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤ機能を含む。また、基地局装置の機能は、RRC(Radio Resource Control)レイヤ機能、S1/X2−AP(Application Protocol)レイヤ機能、およびIP(Internet Protocol)レイヤ機能を含む。また、基地局装置の機能は、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)レイヤ機能、およびGTP−u(GPRS Tunneling Protocol for User plane)レイヤ機能を含む。
【0042】
図7〜
図9は、本実施形態において、制御装置30が用いる対応情報の一例を示す図である。
図7が示す第3の対応情報は、VNI値と、データの属性値としてデータが送受信されるアンテナ装置を識別するRF(Radio frequency)−IDとが対応付けられている。
【0043】
制御部34は、第3の対応情報を用いて、アンテナ部11および仮想基地局機能部12のそれぞれにVNIと、VNIを使用するポリシーとを割り当てる。
【0044】
具体的には、制御部34は、アンテナ部11の各アンテナ装置11−1〜nに対しては、各アンテナ装置11−1〜nを識別するRF−IDと対応付けられたVNIを割り当てる。そして制御部34は、各アンテナ装置11−1〜nに対して、当該アンテナ装置11−1〜nから送信するデータについては、割り当てられたVNIを使用するというポリシーを割り当てる。
【0045】
また制御部34は、仮想基地局機能部12を実現する複数のサーバ装置のうち、アンテナ部11からのデータを受け付ける機能を実現するサーバ装置に対しては、第3の対応情報に含まれる全てのVNIを割り当てる。そして制御部34は、サーバ装置に対して、各VNIと対応付けられたRF−IDの情報をポリシーとして割り当てる。これにより、アンテナ装置11−1〜11−nのそれぞれと、仮想基地局機能部12との間に仮想ネットワークが構築されることになる。そして、仮想基地局機能部12は、受信したデータが、アンテナ装置11−1〜11−nのうちどのアンテナ装置と送受信するデータであるかを区別することができるようになる。
【0046】
図8が示す第4の対応情報は、VNI値と、データの属性値として、データのサービス種別を示す情報とが対応付けられている。サービス種別を示す情報は、データの優先度を示し、具体的には、DSCP値である。
【0047】
制御部34は、第4の対応情報を用いて、仮想基地局機能部12を実現する複数のサーバ装置のそれぞれに対して、VNIおよびVNIを使用するポリシーを割り当てる。具体的には、制御部34は、各サーバ装置に対して、第4の対応情報に含まれる全てのVNIを割り当て、VNIを使用するポリシーとしてこれらのVNIに対応付けられたDSCP値を割り当てる。これにより、複数の仮想基地局機能部12間では、データのサービス種別ごとに、仮想ネットワークが構築されることになる。したがって、仮想基地局機能部12は、データのサービス種別を区別することができる。
【0048】
図9が示す第5の対応情報は、VNI値と、データの属性値として、データのサービス種別を示す情報とが対応付けられている。データのサービス種別を示す情報は、データの優先度を示す。具体的には、データの優先度を示す情報は、DSCP値およびQCIである。
【0049】
制御部34は、第5の対応情報を用いて、仮想基地局機能部12と、L3スイッチ20−1および20−2とにVNIとVNIを使用するポリシーを割り当てる。これにより、仮想基地局機能部12とL3スイッチ20−1および20−2のそれぞれとの間には、データのサービス種別毎に仮想ネットワークが構築されることになる。したがって、仮想基地局機能部12とL3スイッチ20−1および20−2とは、それぞれのデータのサービス種別を区別することができるようになる。
【0050】
なお、制御部34は、VNIを割り当てるために用いる対応情報を、各通信装置に対して予め定められたルールに基づいて決定している。例えば、アンテナ部11に対しては、第3の対応情報を用いるというルールが予め定められている。また、仮想基地局機能部12を実現するサーバ装置に対しては、アンテナ部11との通信には第3の対応情報を用い、他のサーバ装置との通信には第4の対応情報を用い、L3スイッチ20−1および2との通信には第5の対応情報を用いるというルールが定められている。また、L3スイッチ20−1および2に対しては、第5の対応情報を用いるというルールが定められている。
【0051】
以上説明したように、第3の例示的な実施形態でも、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、各通信装置は、データの属性値毎に、異なる仮想ネットワークが構築されるため、細やかなサービスを提供することが可能になる。また、各通信装置は、通信装置が構成する通信システムの通信状況を最適化することが可能になる。
【0052】
また、上記実施形態では、複数の通信装置は、基地局の機能を協働して仮想的に実現する複数のサーバ装置を含む。この構成により、制御部34は、複数のサーバ装置のそれぞれに対して、識別子を割り当てるため、基地局の機能を実現する複数のサーバ装置間に、データの属性値毎に、複数の仮想ネットワークが構築される。このため、各サーバ装置は、データの属性値毎にデータを区別することが可能になり、その結果、より細やかなサービスを提供することが可能になる。
【0053】
また、上記実施形態では、複数の通信装置は、アンテナ装置11−1〜nをさらに含む。この構成により、制御部34は、アンテナ装置11−1〜nとサーバ装置とのそれぞれに対して識別子を割り当てることになり、アンテナ装置11−1〜nとサーバ装置との間に、データの属性値毎に、複数の仮想ネットワークが構築される。したがって、各アンテナ装置11−1〜nとサーバ装置のそれぞれは、データの属性値毎に、当該データを区別することが可能になり、その結果、より細やかなサービスを提供することが可能になる。
【0054】
また、上記実施形態では、複数の通信装置は、物理ネットワークと他の物理ネットワークとの間を中継する中継装置であるL3スイッチ20−1および2を含む。この構成により、L3スイッチ20−1および2と他の通信装置との間に、データの属性値毎に、複数の仮想ネットワークが構築される。したがって、L3スイッチ20−1および2と通信装置とは、それぞれ、データの属性値毎に、当該データを区別することが可能になり、その結果、より細やかなサービスを提供することが可能になる。
(変形例)
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0055】
例えば、上記実施形態では、同じL2ネットワーク内で仮想ネットワークを構築することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、L3スイッチ20−1および20−2を超えて、複数のL2ネットワークにまたがって仮想ネットワークが構築されてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、制御装置30は、記憶部33が、対応情報を予め記憶していることとした。しかしながら、本発明はかかる例に限定されない。制御装置30は、通信部31を介して、外部のサーバ装置から対応情報を取得して、取得した対応情報を記憶部33に記憶してもよい。また、制御装置30は、移動体通信システム1〜3の管理者の操作に従って、対応情報を生成して、記憶部33に記憶してもよい。
【0057】
また、上記第3の実施形態では、制御部34は、アンテナ部11および仮想基地局機能部12の間と、仮想基地局機能部12の内部と、仮想基地局機能部12およびL3スイッチ20−1,2の間とで、それぞれ異なる対応情報を用いて、VNIを割り当てた。しかしながら、本発明はかかる例に限定されない。アンテナ部11および仮想基地局機能部12の間と、仮想基地局機能部12の内部と、仮想基地局機能部12およびL3スイッチ20−1,2の間との一部または全てにおいて、共通する対応情報が用いられてもよい。異なる対応情報が用いられる場合、より細かい単位で、データを区別して取り扱うことが可能になる。また、共通する対応情報が用いられる場合、対応情報の管理が簡単になる。
【0058】
また、上記第3の実施形態では、制御部34は、アンテナ部11および仮想基地局機能部12の間では、アンテナ装置11−1〜n毎にVNIを割り当てた。そして制御部34は、仮想基地局機能部12の内部と、仮想基地局機能部12およびL3スイッチ20−1,2の間では、データのサービス種別毎にVNIを割り当てた。しかしながら、本発明はかかる例に限定されない。VNIを割り当てる単位については、データの属性値に関する単位であればよい。
【0059】
また、上記の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載することが可能であるが、以下には限定されない。
【0060】
[付記1]
複数の仮想ネットワークのそれぞれをネットワーク層レベルで識別する複数の識別子のそれぞれに、当該識別子にて識別される仮想ネットワークで伝送されるデータの属性値が対応づけられた対応情報を記憶する記憶部と、
前記対応情報に基づいて、物理ネットワークで接続された複数の通信装置のそれぞれに、前記識別子と、当該識別子にて識別される仮想ネットワークを使用するポリシーとを割り当てる制御部と、
を備える制御装置。
【0061】
[付記2]
前記仮想ネットワークそれぞれの状況を検知する検知部、をさらに備え、
前記制御部は、前記検知部が検知した状況に基づいて、前記仮想ネットワークそれぞれのルート制御を行う、付記1に記載の制御装置。
【0062】
[付記3]
前記対応情報は、前記データの属性値として、当該データの宛先、送信元、および優先度の少なくとも1つを示す情報を含む、付記1または2に記載の制御装置。
【0063】
[付記4]
前記対応情報は、複数種類あり、
前記制御部は、前記複数種類の対応情報のうち、各通信装置に対して予め定められたルールを満たす対応情報に基づいて、前記識別子と前記ポリシーとを割り当てる、付記1ないし3のいずれか1項に記載の制御装置。
【0064】
[付記5]
前記複数の通信装置は、基地局の機能を協働して仮想的に実現する複数のサーバ装置を含む、付記1ないし4のいずれか1項に記載の制御装置。
【0065】
[付記6]
前記複数の通信装置は、アンテナ装置を含む、付記5に記載の制御装置。
【0066】
[付記7]
前記複数の通信装置は、前記物理ネットワークと他の物理ネットワークとの間を中継する中継装置を含む、付記1ないし6のいずれか1項に記載の制御装置。
【0067】
[付記8]
複数の仮想ネットワークのそれぞれをネットワーク層レベルで識別する複数の識別子のそれぞれに、当該識別子にて識別される仮想ネットワークで伝送されるデータの属性値が対応づけられた対応情報を記憶部に記憶させ、
前記記憶部から前記対応情報を読み出し、
前記記憶部から読み出した対応情報に基づいて、物理ネットワークで接続された複数の通信装置のそれぞれに、前記識別子と、当該識別子にて識別される仮想ネットワークを使用するポリシーとを割り当てる、制御方法。
【0068】
この出願は、2014年8月1日に出願された日本出願特願2014−157368を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。