特許第6206600号(P6206600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6206600移動体無線通信装置、ネットワーク装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6206600
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】移動体無線通信装置、ネットワーク装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20170925BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20170925BHJP
【FI】
   H04W52/02 111
   H04W8/24
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-549893(P2016-549893)
(86)(22)【出願日】2014年10月28日
(65)【公表番号】特表2016-535558(P2016-535558A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】JP2014079379
(87)【国際公開番号】WO2015064765
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年4月26日
(31)【優先権主張番号】1319226.5
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ハネジ ハヤト
(72)【発明者】
【氏名】イアネフ イスクレン
(72)【発明者】
【氏名】レイヤー ヤニック
【審査官】 大濱 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−520102(JP,A)
【文献】 特開2013−176063(JP,A)
【文献】 特開2002−7002(JP,A)
【文献】 特開2010−251984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体無線通信ネットワーク内の動作のための移動体無線通信装置であって、
複数の可能な省電力モードの一つを用いるように構成され、
前記複数の可能な省電力モードの少なくとも一つを使用するための前記移動体無線通信装置の優先度の優先指示を含む、前記ネットワークへの非アクセス層又はアクセス層シグナリングを送信するように構成され、
前記優先指示に応じて、前記ネットワークが前記移動体無線通信装置によって用いられる前記優先指示によって示される省電力モードの少なくとも一つの選択された省電力モードの確認を返信するように構成され、
前記移動体無線通信装置は、さらに、前記確認を受信するように構成され、確認された省電力モードの動作を開始する。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体無線通信装置であって、
前記優先指示は、優先度の順に前記複数の省電力モードを順位付けするように構成されている。
【請求項3】
請求項1に記載の移動体無線通信装置であって、
任意の一又はそれ以上のアタッチリクエスト、トラッキングエリア更新リクエスト又はルーティングエリア更新リクエスト内の少なくとも一つの省電力モードの前記優先指示を含むように構成されている。
【請求項4】
請求項1に記載の移動体無線通信装置であって、
前記優先指示を含むシグナリングは、さらに、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ
値を含む非アクセス層シグナリングを備えるように構成されている。
【請求項5】
請求項1に記載の移動体無線通信装置であって、
非アクセス層シグナリングを介して前記確認が受信されるように構成されている。
【請求項6】
請求項1に記載の移動体無線通信装置であって、
省電力状態に入る前のアクティブタイムを確認するアクティブタイマ値を開始するように構成されている。
【請求項7】
請求項1に記載の移動体無線通信装置であって、
いつ前記移動体無線通信ネットワークが省電力状態から出るかを決定する役割を果たす、周期更新タイマ値を始動させるよう構成されている。
【請求項8】
請求項1に記載の移動体無線通信装置であって、
前記移動体無線通信装置がその省電力状態から離れるのに続いて、ルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストを発行するように構成されている。
【請求項9】
移動体無線通信ネットワーク環境内で移動体無線通信装置と通信するための移動体無線通信ネットワーク装置であって、
前記移動体無線通信装置によって用いられる、複数の可能な省電力モードのいずれかを決定するように構成され、
前記移動体無線通信ネットワーク装置は、
前記複数の可能な省電力モードの少なくとも一つを用いるための前記移動体無線通信装置の優先度の優先指示を含む、前記移動体無線通信装置からの非アクセス層又はアクセス層シグナリングを受信するように構成され、
前記優先指示に応じて、前記移動体無線通信ネットワーク装置は、前記移動体無線通信装置によって用いられる前記優先指示によって示される省電力モードの少なくとも一つの選択された省電力モードの確認を返信するよう構成されている。
【請求項10】
請求項9に記載の移動体無線通信ネットワーク装置であって、
前記移動体無線通信ネットワーク装置は、前記優先指示の内容及び、少なくとも一つのネットワーク考慮事項に基づいて、省電力モードを選択するように構成されている。
【請求項11】
請求項10に記載の移動体無線通信ネットワーク装置であって、
前記移動体無線通信ネットワーク装置は、前記移動体無線通信装置のサブスクリプション情報、性能情報、リソース情報の少なくとも一つを含むネットワーク考慮事項に基づいて省電力モードを選択するように構成されている。
【請求項12】
請求項9に記載の移動体無線通信ネットワーク装置であって、
前記優先指示は、優先度の順で前記複数の省電力モードを順位付けするように構成されている。
【請求項13】
請求項12に記載の移動体無線通信ネットワーク装置であって、
前記移動体無線通信ネットワーク装置は、既定のネットワーク考慮事項を確認して、最高ランクの省電力モードを選択するように構成されている。
【請求項14】
移動体無線通信ネットワーク環境内で動作するための移動体無線通信装置の制御方法であって、
複数の可能な省電力モードの一つを用いるように構成され、
前記複数の可能な省電力モードの少なくとも一つを用いるための前記移動体無線通信装置の優先度の優先指示を含む、前記ネットワークへの非アクセス層シグナル又はアクセス層シグナルを送信するステップと、
前記優先指示に応じて、前記ネットワークが前記移動体無線通信装置によって用いられる前記優先指示によって示される省電力モードの少なくとも一つの選択された省電力モードの確認を返信し、
さらに、前記ネットワークからの前記確認を受信し、前記移動体無線通信装置において確認された前記省電力モードの動作を開始するステップと、
を含む。
【請求項15】
移動体無線通信ネットワーク装置を含む移動体通信ネットワーク環境内で動作する移動体無線通信装置との通信を制御する方法であって、
方法は、
複数の可能な省電力モードのいずれが、前記移動体無線通信装置によって用いられるかを決定するステップを含み、
前記複数の可能な省電力モードの少なくとも一つを用いるための前記移動体無線通信装置の優先度の優先指示を含む、前記移動体無線通信装置からの非アクセス層シグナル又はアクセス層シグナルを受信するステップを含み、
前記優先指示に応じて、前記ネットワークが用いられる前記優先指示によって示される省電力モードの少なくとも一つの選択された省電力モードを前記移動体無線通信装置に確認する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力モードを採用するように構成された移動体無線通信装置、省電力モードに関連して、該移動体無線通信装置と通信するように構成された移動体無線通信ネットワーク装置、及び関連するネットワークシステム、動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力消費は、バッテリ電源を使用するモバイル端末、また外部電源を使用するモバイル端末にとって重要な特徴である。その重要性は、例えば、マシン型通信(Machine Type Communication:MTC)装置の急増や、より一層厳しい状況や環境における装置の展開などの、装置群の継続的な成長とともに増大する。例えば、バッテリ電源で動作するリモートセンサのような、マシンツーマシン(M2M)を用いた場合、大規模な装置群のためのバッテリの現場交換(又は、再充電)にかかる大幅なコストへの影響が存在し、バッテリの再充電又は交換が想定されていない場合、バッテリの寿命は装置の寿命を決定しうる。
【0003】
移動体通信のための、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)内の議論は、このような問題に関連する数多くの検討、作業項目をもたらした。3GPPサービス及びシステムアスペクト(SA2)(アーキテクチャ)グループは、MTCの作業項目内の、省エネ及びバッテリの消費電力最適化(user equipment power consumption optimisation:UEPCOP)のための、UE(user equipment)消費電力の最適化を議論した。主要な研究目的は以下のように特定される。
【0004】
・技術仕様書TS22.368の第7.1.1に規定されたサービス要求に従う低UE消費電力
具体的には、3GPP SA2はすでに、技術報告書TR23.887においてUE消費電力適正化のためのいくつかの提案を特定している。
【0005】
技術報告書TR23.887のセクション7.1.3.3において概説された一つの提案は、その消費電力を低減するために、移動端末によって実施される省電力モード/状態(Power Saving Mode/State:PSM)の適用に関連する。説明されたこのモードは電源オフモードに類似しているが、移動端末はネットワークに登録されたままであり、再接続又はパケットデータネットワーク(Packet Data Network:PDN)接続を再確立する必要がない。PSMの移動端末は、直ちにモバイル着信(Mobile Terminating:MT)サービスに到達できない。しかし、このようなPSMの端末は、データ転送又はシグナリングのようなモバイル発信(Mobile Originated:MO)イベントの後のアクティブ時間の期間、例えば、定期的なトラッキングエリア更新/ルーティングエリア更新(TAU/RAU)処理の後に、MTサービスを利用可能にすることができる。
【0006】
移動端末がPSMを用いる場合、接続及びTAU処理の間に、アクティブ時間値に対するリクエスト、周期的なTAU/RAUタイマ値に対するリクエストがなされる。モバイル管理エンティティ/サービングGPRSサポートノード(Mobile Management Entity/Serving GPRS Support Node:MME/SGSN)のような移動端末及びネットワーク装置は、移動端末が接続モードからアイドルモードへ移行しているときに、ネットワークによって割り当てられているアクティブ時間値を持つアクティブタイマを起動する。アクティブタイマが終了すると、移動端末はそのアクセス層の機能を停止し、PSMに入る。PSMでは、アクセス層の機能が停止されるために、移動端末は、全てのアイドルモード処理を停止するが、周期的なTAU/RAUタイマを実行し続ける。移動端末は、規定通りに周期的なTAU/RAU処理を実行するために周期的なTAU/RAUタイマが終了する前に、アクセス層の機能及びアイドルモード処理を再開するように構成されうる。さらに、移動端末は、例えば、MO通信のために、PSM中の任意の時間に、アイドルモード処理及びアクセス層の機能を再開しうる。
【0007】
アクティブタイマ値が終了すると、MME/SGSNは、移動端末がPSMに入り、呼び出し(ページング)ができない状態であることを決定しうる。
【0008】
PSMでは、移動端末はアイドルモードであり、MME/SGSNはあたかも登録されたかのように移動端末を扱うが、到達できない。PSM中は、移動端末のアクセス層の機能は停止であると考えられる。
【0009】
代替的な省電力シナリオは、技術報告書TR23.887のセクション7.1.3.4で議論され、アタッチ/デタッチ処理とに基づいている。
【0010】
この提案は、移動端末が通信するためにネットワークにアタッチし、通信セッションの後に、移動端末の電力を節約する期間の間、移動端末がネットワークからデタッチし、その3GPPモデム(MT)の電源を切る機能に基づいている。しかしながら、移動端末は、周期的にアタッチ及びデタッチ処理を実行する。
【0011】
2つの特定の例が説明されており、最初はネットワークアシストパワーセービング(Network Assisted Power Saving:NAPS)を含み、TR23.887のセクション7.1.3.4.3.2に概説されている。
【0012】
要約すると、多くの移動端末(例えば、ベンダーマシン、電気メータ、気象センサなどのためのMTCデバイス)は、デバイスとアプリケーションサーバが一定の間隔のみ(例えば、一日一回又は週に一回など)で通信を行う、予期された/予定された通信パターンを示す。移動端末がこれらの機会の間にデタッチする場合、ネットワークリソースの使用量の低減に加えて、エネルギーを節約する可能性がある。サービスとして、オペレータは、マシンツーマシン(M2M)サービスプロバイダに、このような定期的な通信を単純化する可能性を提供することができる。どのくらいの頻度で通信が発生する必要があるかという合意に基づき、オペレータは、携帯端末の定期的なアタッチ/デタッチを支援するために、任意的に移動端末における情報をネットワークにおいて事前に設定することができる。NAPS提案は、このようなシナリオのために、既存のネットワーク開始デタッチ処理を強化するためのメカニズムを提供する。また、この機能は、移動端末が(ユーザ機器(UE)省電力アクティブタイマとして識別される)アタッチされた残りの時間を提案することを可能にし、ネットワークが新たなタイマ(UE省電力ウェイクアップタイマー)を有する移動端末を提供することを可能にする。タイマが終了したとき、移動端末はネットワークに再度アタッチすることができる。移動端末のデタッチ及び再アタッチがネットワークコントロールを介して実行されるため、移動端末が再アタッチを実行しようとするときのネットワークコントロールを維持しながら、移動端末がバッテリ省電力化とネットワークシグナリング最適化の両方を達成しようとすることが可能である。
【0013】
TR23.887のセクション7.1.3.4.3.3でインプリシットデタッチと称される第2の例は、明示的なシグナリングなしで、ネットワークと移動端末の両方における、アタッチ状態からデタッチ状態への同時(coordinated)(すなわち、同期(synchronize))遷移に基づく。インプリシットデタッチは、例えば、時間の順でありうる、UEでの周期的なTAU/RAU期間、ネットワークにおける到達可能タイマ+デタッチタイマである、一般に生じるような、長いアイドル状態の期間を回避するために、通信が完了した後すぐに実行される。
【0014】
一般的に、デタッチ状態への調整されたインプリシット遷移を確保するために、ネットワーク内及び移動端末内の2つの主要なパラメータの構成は、第1に特定されたある「インプリシットデタッチ時間」、第2にこのインプリシットデタッチタイマがスタートするときの「イベント/ポイント」を要求する。「インプリシットデタッチ時間」の用語は、特定のイベント(スタートポイント)から移動端末及びネットワークが暗黙的にデタッチ状態に遷移するまでの継続時間を指す。
【0015】
ネットワークとのインプリシットデタッチ調整のため、及び、移動端末がインプリシットデタッチのために構成されているとき、移動端末は、(例えば、NASシグナリングにおける)ネットワークへ、そのインプリシットデタッチ機能構成を示す必要がある、又は、MMEは、移動端末のインプリシットデタッチ機能構成を(例えば、サービス機能サーバ(SCS)からM2Mサービス機能層により与えられる)そのサブスクリプション情報から取得することができる。
【0016】
このような構成では、インプリシットデタッチ時間は、ネットワークと移動端末との間で交換されるか、時間制御通信の場合「許可時間間隔」又は「通信ウィンドウ」の値をとるか、又は定期的TAUタイマの値をとる。
【0017】
後者の場合、ネットワークは、サブスクリプション情報又は構成を考慮することによって、定期的TAUタイマを割り当てる。
【0018】
従って、移動端末の省電力化と最適化のための様々なソリューションが、TR23.887で提案されており、各ソリューションは、その固有の特性を有しており、特定の動作シナリオに適している。
【0019】
例えば、セクション7.1.3.3の省電力モード/状態は、まれな通信ニーズの、動かない、又は、移動するUEのための長いバッテリ寿命を可能にする。UEはアタッチされ続けるが、UEは次の定期的なTA/RAが更新されるまで、アクティブタイマの終了後に到達可能ではない。しかし、UEは、UEが起動し、ネットワークにコンタクトした後のアクティブ時間にアクティブのままであるときに配信されうる、SMSメッセージを介して到達されうる。
【0020】
しかしながら、省電力モード/状態は、交換にアップリンク又はダウンリンクデータがない場合でも、定期的な更新でネットワークのポーリングに起因するシグナリング負荷を追加することができる。これは、省電力状態/モードを、例えば、一日に一回又はさらに一層まれに(すなわち、ユーティリティメータ、電子健康機器などのように)、移動端末が非常にまれに送信する必要があるシナリオに適していないものにする。
【0021】
セクション7.1.3.4のアタッチ/デタッチソリューションは、デタッチされた移動端末のデタッチを含み、システム(例えば、RAU/TAU)にシグナリング負荷を発生させない。また、SGSN/MMEは、移動端末のコンテキストを保持する必要はない。これは、多くのネットワークリソース開放する働きをする。また、インプリシットデタッチアプローチでは、エクスプリシットデタッチシグナリングの必要性がないように、さらなるシグナリングの節約が行われる。
【0022】
アタッチ/デタッチアプローチが、移動端末が非常にまれに通信するMTCシナリオに適していることは明らかであり、(例えば、ユーティリティメータ等のような)ページングに耐える。確かに、これは、「MTCデバイスが、オペレータポリシー及びMTCアプリケーション要件に応じて、通信していないときに、ネットワークにアタッチを維持してもしなくてもよい」と言及されている、技術仕様書TS22.368のセクション7.1.1で認識されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】第3世代パートナーシッププロジェクト 技術仕様書TS22.368
【非特許文献2】第3世代パートナーシッププロジェクト サービス及びシステムアスペクト 技術報告書TR23.887
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
従って、省電力処理は様々な利点を提供し、様々な特性を示すが、それ自体は潜在的な問題や動作上の制限を引き起こす。本発明は、既知の装置、システム及び方法に対する利点を有する、移動体、ネットワーク端末装置、関連するネットワークシステム及び動作方法を提供することに努める。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一態様によれば、移動体無線通信ネットワーク内の動作のための移動体無線通信装置が提供される。移動体無線通信装置は、複数の可能な省電力モードの一つを用いるように構成され、少なくとも一つの前記複数の可能な省電力モードの指示を含む、前記ネットワークへの非アクセス層又はアクセス層シグナリングを送信するように構成され、指示に応じて、前記ネットワークが前記移動体無線通信装置によって用いられる前記省電力モードの確認を返信するように構成され、前記移動体無線通信装置は、さらに、前記確認を受信するように構成され、確認された前記省電力モードの動作を開始する。
【0026】
上記概説したような既知の移動端末の省電力ソリューションは有益であり、それらは多かれ少なかれ特定の使用例に適用可能である。しかし、携帯移動端末がこのような省電力ソリューションを最大限に活用することを可能にするために、本発明は、有利に、携帯移動端末の優先及びネットワークの考慮事項(すなわち、サブスクリプション、リソース、性能)に基づいて、携帯移動端末の省電力モード制御を可能にする。
【0027】
移動無線通信装置が独自の特性及び/又は新たなネットワーク考慮に最適な省電力モードを用いるように構成されうる限りにおいて、本発明が有利であることが判明した。
【0028】
特に、本発明は、前記指示が好ましい省電力モードの指示を含むように構成されている。
【0029】
有利には、非アクセス層シグナリングが用いられ、任意の一又はそれ以上のアタッチリクエスト、トラッキングエリア更新リクエスト又はルーティングエリア更新リクエストを備える。
【0030】
有利には、非アクセス層シグナリングはまた、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ値を含む非アクセス層シグナリングを含みうる。
【0031】
さらに、移動体無線通信装置は、非アクセス層シグナリングを介して前記確認が受信されるように構成されうる。
【0032】
さらに、移動体無線通信装置によって受信される非アクセス層シグナリングは、一又はそれ以上のアタッチアクセプトメッセージ、ルーティングエリア更新アクセプトメッセージ又はトラッキングエリア更新アクセプトメッセージを備えうる。
【0033】
さらに、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ値の確認もまた、ネットワークから受信され、確認された省電力モードを含む非アクセス層シグナリング内に含まれうる。
【0034】
好ましくは、ネットワークからの確認された省電力モードの受信の後に、移動体無線通信装置は、アイドルモードに入るように構成されうる。
【0035】
好ましくは、移動体無線通信装置は、省電力状態に入る前のアクティブタイムを確認するアクティブタイマ値を開始するように構成されうる。
【0036】
さらに、移動体無線通信装置は、いつ前記移動体無線通信ネットワークが省電力状態から出るかを決定する役割を果たす、周期更新タイマ値を始動させるよう構成されうる。
【0037】
好ましくは、移動体無線通信装置がその省電力状態から離れるのに続いて、移動体無線通信装置は、ルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストを発行するように構成されうる。
【0038】
また、更なるルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストは、前記ネットワークによる後の選択のための、複数の可能な省電力モードの少なくとも一つの指示を含みうる。
【0039】
他の構成によれば、前記少なくとも一つの可能な省電力モードは、デタッチ手順、好ましくはインプリシットデタッチ手順を備える。
【0040】
有利には、移動体無線通信装置は、ネットワークからインプリシットデタッチをする前に、アクティブタイマを開始するように構成されうる。
【0041】
さらなるオプションとして、デタッチ手順は、移動体無線通信装置がネットワークにデタッチリクエストを送信する前にアクティブタイマ期間を開始するように構成されるエクスプリシットデタッチ手順を備えうる。
【0042】
特に、可能な省電力モードの前記指示が、複数の省電力モードの指示、及び、少なくとも一つの好ましい省電力モードを識別する優先指示を含みうる。
【0043】
本発明の他の態様によれば、移動体無線通信ネットワーク環境内で移動体無線通信装置と通信するための移動体無線通信ネットワーク装置が提供され、前記移動体無線通信装置によって用いられる、複数の可能な省電力モードのいずれかを決定するように構成される。前記移動体無線通信ネットワーク装置は、少なくとも一つの前記複数の可能な省電力モードの指示を含む、前記移動体無線通信装置からの非アクセス層又はアクセス層シグナリングを受信するように構成され、前記指示に応じて、前記移動体無線通信ネットワーク装置は、前記移動体無線通信装置によって用いられる前記省電力モードの確認を返信するよう構成されている。
【0044】
本発明は、移動無線通信ネットワーク装置が独自の特性及び/又は新たなネットワーク考慮に最適な省電力モードの使用を制御するように構成されうる限りにおいて、本発明が有利であることが判明した。
【0045】
特に、本発明は、前記指示が好ましい省電力モードの指示の形で供給されるように構成されている。
【0046】
有利には、移動体無線通信装置からの非アクセス層シグナリングは、任意の一又はそれ以上のアタッチリクエスト、トラッキングエリア更新リクエスト又はルーティングエリア更新リクエストを備えうる。
【0047】
有利には、非アクセス層シグナリングは、さらに、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ値を含みうる。
【0048】
さらに、前記移動体無線通信ネットワーク装置によって返信される前記確認は、非アクセス層シグナリングを備えうる。
【0049】
さらに、前記確認を含む非アクセス層シグナリングは、一又はそれ以上のアタッチアクセプトメッセージ、ルーティングエリア更新アクセプトメッセージ又はトラッキングエリア更新アクセプトメッセージを備えうる。
【0050】
さらに、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ値の確認もまた、移動体無線通信ネットワークデバイスで受信、送信される非アクセス層シグナリング内に含まれうる。
【0051】
好ましくは、移動体無線通信装置がその省電力状態から離れるのに続いて、移動体無線通信ネットワーク装置は、ルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストを発行するように構成されうる。
【0052】
好ましくは、更なるルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストは、前記ネットワークによる後の選択のための、複数の可能な省電力モードの少なくとも一つの指示を含みうる。
【0053】
他の構成によれば、前記少なくとも一つの可能な省電力モードは、デタッチ手順、好ましくはインプリシットデタッチ手順を備える。
【0054】
本発明の他の態様によれば、上記概説した移動体無線通信装置及び移動体無線通信ネットワーク装置を用いる、移動体無線通信システムが提供される。
【0055】
本発明のさらなる態様によれば、移動体無線通信ネットワーク環境内で動作するための移動体無線通信装置の制御方法が提供され、複数の可能な省電力モードの一つを用いるように構成される。少なくとも一つの前記複数の可能な省電力モードの指示を含む、前記ネットワークへの非アクセス層シグナル又はアクセス層シグナルを送信するステップと、指示に応じて、前記ネットワークが前記移動体無線通信装置によって用いられる前記省電力モードの確認を返信し、さらに、前記ネットワークからの前記確認を受信し、前記移動体無線通信装置において確認された前記省電力モードの動作を開始するステップとを含む。
【0056】
上記のように、本発明は、移動無線通信装置が独自の特性及び/又は新たなネットワーク考慮に最適な省電力モードを用いるように構成されうる限りにおいて、本発明が有利であることが判明した。
特に、本発明の方法は、前記支持が好ましい省電力モードの指示を備えるように構成されている。
【0057】
有利には、方法は、任意の一又はそれ以上のアタッチリクエスト、トラッキングエリア更新リクエスト又はルーティングエリア更新リクエストを含む非アクセス層シグナリングを用いることができる。
【0058】
有利には、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ値が、非アクセス層シグナリング内に含まれうる。
【0059】
さらに、方法は、移動体無線通信装置が非アクセス層シグナリングを介して前記確認を受信するステップを含みうる。
【0060】
また、非アクセス層シグナリングは、任意の一又はそれ以上のアタッチアクセプトメッセージ、ルーティングエリア更新アクセプトメッセージ又はトラッキングエリア更新アクセプトメッセージを備えうる。
【0061】
方法は、前記ネットワークから受信され、確認された省電力モードを含む前記非アクアセス層シグナリング内に、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ値の確認を含みうる。
【0062】
ネットワークからの確認された省電力モードの受信の後に、方法は、移動体無線通信装置がアイドルモードに入ることを含みうる。
【0063】
方法は、移動体無線通信装置が、省電力状態に入る前のアクティブタイムを確認するアクティブタイマ値を開始するステップを含みうる。
【0064】
さらに、周期更新タイマ値が始動され、いつ移動体無線通信ネットワークが省電力状態から出るかを決定する役割を果たしうる。
【0065】
好ましくは、移動体無線通信装置がその省電力状態から離れるのに続いて、方法は、移動体無線通信装置がルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストを発行するステップを含みうる。特に、更なるルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストが、前記ネットワークによる後の選択のための、複数の可能な省電力モードの少なくとも一つの指示を含みうる。


【0066】
さらに、方法は、ネットワークからインプリシットデタッチをする前に、アクティブタイマを開始するステップを含みうる。
【0067】
さらなるオプションとして、デタッチ手順は、エクスプリシットデタッチ手順を備えうる。方法は、移動体無線通信装置がネットワークにデタッチリクエストを送信する前にアクティブタイマ期間を開始するステップを含みうる。
【0068】
本発明の更なる態様によれば、移動体無線通信ネットワーク装置を含む移動体通信ネットワーク環境内で動作する移動体無線通信装置との通信を制御する方法が提供される。方法は、複数の可能な省電力モードのいずれが、前記移動体無線通信装置によって用いられるかを決定するステップを含み、少なくとも一つの前記複数の可能な省電力モードの指示を含む、前記移動体無線通信装置からの非アクセス層シグナル又はアクセス層シグナルを受信するステップを含み、前記指示に応じて、前記ネットワークが用いられる前記省電力モードを前記移動体無線通信装置に確認する。
【0069】
特に、本発明の方法は、前記指示が好ましい省電力モードの指示を備えるように構成される。
【0070】
この方法では、非アクセス層シグナリングは、任意の一又はそれ以上のアタッチリクエスト、トラッキングエリア更新リクエスト又はルーティングエリア更新リクエストを備えうる。
【0071】
有利には、非アクセス層シグナリングはまた、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ値を含みうる。
【0072】
さらに、ネットワークから返信された確認は、非アクセス層シグナリングを備える。
【0073】
確認を含む非アクセス層シグナリングは、任意の一又はそれ以上のアタッチアクセプトメッセージ、ルーティングエリア更新アクセプトメッセージ又はトラッキングエリア更新アクセプトメッセージを備えうる。
【0074】
さらに、周期更新タイマ及び/又はアクティブタイマ値は、移動体無線通信ネットワーク装置で受信、送信される非アクセス層シグナリングに含まれうる。
【0075】
移動体無線通信装置がその省電力状態から離れるのに続いて、方法は、ネットワークがルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストを発行するステップを含みうる。好ましくは、方法において、更なるルーティングエリア更新リクエスト又はトラッキングエリア更新リクエストが、ネットワークによる後の選択のための、複数の可能な省電力モードの少なくとも一つの指示を含みうる。
【0076】
方法は、さらに、デタッチ手順、好ましくはインプリシットデタッチで準の適用を制御しうる。
【0077】
さらなるオプションとして、デタッチ手順は、移動体無線通信装置がネットワークによる受信のためのデタッチリクエストを送信する前にアクティブタイマ期間を開始するように構成される、エクスプリシットデタッチ手順を備えうる。
【0078】
理解されるように、本発明はまた、移動体無線通信ネットワーク内のシグナリングを制御する方法を提供し、上記概説したように移動体無線通信装置と移動体無線ネットワーク装置の制御を含む。
【0079】
また、理解されるように、本発明は、上述のTR23.887の省電力モードの一つを適用することができるように、移動端末における省電力モードを制御するメカニズムを提供しうる。これは、有利に、移動端末の省電力モードの選択を統一し、制御することを可能にし、また、特定の移動端末の状況に最適な、ネットワークによって許容され、利用可能な省電力モードの選択を可能にすることができる。
【0080】
さらに議論されるように、新たなパラメータが、アタッチ又はRA/TA更新手順の間に移動端末によって用いられうる。移動端末は、アタッチリクエストメッセージ又はRA/TA更新リクエストメッセージ内の新たなパラメータ「UE省電力モード優先」における、その省電力モードの優先を示すことができる。UE省電力モード優先を伝達する、他の既存の又は新たな(特定の)NAS又はASメッセージの使用は排除されない。
【0081】
新たなパラメータはまた、ネットワーク(MME/SGSN)で用いられ、アタッチ手順又はRA/TA手順中の移動端末に送信することができる。ネットワーク(MME/SGSN)は、次に、後者の優先(移送端末から受信したUE省電力モード優先)に基づいて、サブスクリプション権及び/又は他のネットワーク考慮事項に関して、与えられた移動端末の省電力モードを決定することができる。そして、ネットワーク(MME/SGSN)は、アタッチアクセプト又はRA/TA更新アクセプトメッセージ内に、確認された「省電力モード」を移動端末へ送る。移動端末に省電力モードパラメータを送る、他の既存の又は新たな(特定の)NAS又はASメッセージの使用は排除されない。携帯端末でのアクティブタイマが終了すると、移動端末はこの「省電力モード」パラメータで定義された省電力モードに入る。
【発明の効果】
【0082】
上記のように、移動無線通信装置が独自の特性及び/又は新たなネットワーク考慮に最適な省電力モードを用いるように構成されうる限りにおいて、本発明が有利であることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1図1は、本発明の一態様に係る、省電力モードの制御のための、移動体無線通信装置と移動体無線通信ネットワークとの間に発生するシグナリングを説明するシグナリング図である。
図2図2は、本発明の他の態様に係る、省電力モードの制御のための、移動体無線通信装置と移動体無線通信ネットワークとの間に発生するシグナリングを説明するシグナリング図である。
図3図3は、本発明の他の態様に係る、省電力モードの制御のための、移動体無線通信装置と移動体無線通信ネットワークとの間に発生するシグナリングを説明するシグナリング図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に従って動作するように構成された移動無線通信装置の模式図である。
図5図5は、本発明の一態様に従って動作するように構成された移動無線通信ネットワーク装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下、添付の図面を参照して、単なる一例として、本発明について説明する。
【0085】
図1〜3を参照すると、移動体無線通信装置、すなわち、ユーザ機器(UE)デバイス10のような移動端末と、図1〜3の図示された実施の形態において、モバイル管理エンティティ/サービングGPRSサポートノード12として模式的に表わされているネットワークとの間の、シグナリング交換が示されている。
【0086】
図1〜3によって表わされている3つの例のそれぞれによれば、本発明に係る省電力の特徴は、第1に、UE10からネットワークデバイス12に送信されたアタッチ/RAU/TAUリクエスト信号14に関連して発生し、周期更新タイマ及びアクティブタイマ情報の包含に加えて、移動端末が利用可能な複数の可能な省電力モードの少なくとも一つの識別を含む。このような指示は、アタッチ/RAU/TAUリクエスト14に含まれる特定のパラメータのために提供され、移動端末省電力モードの優先パタメータを含むものとして特徴づけられる。
【0087】
継続的なアタッチ/RAU/TAU処理の一部として、アクセプトメッセージ16がネットワークデバイス12からUE10に返信され、周期更新タイマ及びアクティブタイマのデータの確認に加えて、UE10による使用のために、ネットワークデバイス12によって識別される省電力モードの確認を含む。
【0088】
アタッチ/RAU/TAUアクセプト信号16の受信に続いて、UE10はアイドルモード18に入る。
【0089】
そのアイドルモードに入るのに続いて、UE10の動作は、用いられるべき確認された省電力モードに応じて継続する。それぞれ図1、2及び3を参照して、3つの例が更に詳細に説明される。
【0090】
最初に図1を参照すると、上記のように、アタッチ/RAU/TAU処理の間、UE10は、その好ましい、周期更新タイマ値、アクティブタイマ値、及び、アタッチリクエスト又はアタッチ/RAU/TAUリクエストメッセージ14におけるUE省電力モード優先を特定する。「UE省電力モード優先」パラメータは、移動UE10、すなわち、省電力状態、インプリシットデタッチ、エクスプリシットデタッチ、又は他の好ましい省電力モードに好ましい、省電力モードを定義する。
【0091】
ネットワークデバイス(MME/SGSN)12は、周期更新タイマ値、アクティブタイマ値、アクセプトリクエスト又はRAU/TAUアクセプトメッセージ16における省電力モードを確認する。メッセージ16に含まれる「省電力モード」パラメータは、UE10とMME/SGSN12によって表わされているようなネットワークの両方によって展開される省電力モードを定義する。ネットワークは、アクティブタイマ値を移動体到達可能タイマ値に設定する。
【0092】
UE10がアイドルモード18に入るとき、それは周期更新タイマ20、アクティブタイマ22をスタートでき、ネットワークは、移動体到達可能性タイマ24をスタートできる。アクティブタイマ22の期間が終了したとき、UE10は、(上述の、TR23.887.s7.1.3.3から知られているように)省電力状態26に入る。省電力状態26では、UE10は、そのアクセス層機能を停止し、また、全てのアイドルモード処理を停止するが、周期TAU/RAUタイマ20を実行し続ける。
【0093】
移動体到達可能性タイマ24が終了したとき、ネットワーク(MME/SGSN)12はインプリシットデタッチタイマ28をスタートさせ、その省電力状態30に入る。省電力状態30では、ネットワーク12はUE10を呼び出さない。
【0094】
UE10側の周期更新タイマ20が終了したとき、UE10はRAU/TAUリクエスト32を始動させ、省電力状態26から出る。RAU/TAUリクエスト32内では、UE10は、再度、同じ省電力モード又は異なるものである、UE省電力モード優先パラメータの省電力モードのためのその優先を示すことができる。
【0095】
図2を参照すると、他の例が示されており、UE10は、前述のリクエスト14及びアクセプト16シグナリングの後にアイドルモード18に入り、アクティブタイマ34をスタートさせ、ネットワーク12は、移動体到達可能性タイマ36をスタートさせる。UE10は、黙示的にデタッチされ、ネットワーク(SGSN/MME)12はまた、アクティブタイマ34と同じ継続時間を有する移動体到達可能性タイマ36の終了時に、黙示的にUE10をデタッチ40する。このように、TR23.887、s7.1.3.4.3.3に説明されているようなインプリシットデタッチ省電力モードに応じて、UE10は、黙示的にネットワークデバイス12からデタッチされる。
【0096】
図3を参照すると、さらなる例が示されており、UE10は、、リクエスト14及びアクセプト16のシグナリング交換の後に再びアイドルモード18に入り、アクティブタイマ42をスタートさせ、ネットワーク12は、移動体到達可能性タイマ43をスタートさせる。アクティブタイマ42の終了時に、移動端末は、例えば、技術仕様書TS24.301及びTS24.008に開示された開始デタッチ処理に従って、エクスプリシットデタッチ44のリクエストを始動させる。例えば、このような説明された利点において、デタッチ処理は、デタッチリクエストメッセージを送信することにより、UEによって起動され、メッセージに含まれるデタッチ型IEは、デタッチが「スイッチオフ」か否かに起因することを示す。デタッチ型IEはまた、デタッチがEPSサービスのみのためか、非EPSサービスのみのためか、又は両方のためかを示す。
【0097】
上述したように、図4は、図1〜3で特定されたUE10のような移動体無線通信装置の模式図であり、例えば、メモリ機能52及びユーザインタフェイス54に接続された制御回路50に、順に、動作可能に接続された送信/受信回路48、これに動作可能に接続されたアンテナ46のような、標準的な移動体無線通信装置の機能を備えている。模式的に示されるように、制御回路50は、スリープモード開始機能58を送信する、スリープモード処理機能56を含む。このような機能は、図1〜3の無関係の一又はそれ以上に従って動作するように構成されうる。スリープモード処理機能56は、メモリ機能52に格納されうる、可能な複数のスリープモード機能の一つを、好ましいスリープモードとして識別するよう動作する、又は、優先順位をつけて複数のスリープモードを示す。
【0098】
それが単一のスリープモードを参照するか、スリープモードのランク付けされた順序を参照するかに関わらず、このような処理は、制御回路50によって、UE10からネットワーク12に、送信/受信回路48、アンテナ46を介して送信されるように構成される。UE10からのシグナリングにおいて提案された、理想的に好ましい、省電力モードかを確認する役割を果たす、UE10へのシグナリングが、実際に開始され、適用される。このような指示は、アンテナ46及び送信/受信回路48によって受信され、そして、UE10がUEデバイス10処理及びネットワーク考慮に与えられた適切なスリープモードに従って動作することができるように、制御回路50のスリープモード開始機能58内で開始される。
【0099】
ここで、図5を参照すると、同様な模式図であるが、図1〜3の実施の形態に関連して、議論され、図示された、SGSN/MME12のような、移動体無線通信ネットワーク装置が示される。
【0100】
ネットワーク装置は、順に、メモリ機能66に接続されたコントローラ64、これに動作可能に接続された送受信回路62、これに好ましく接続されたインタフェイス60の機能を含む。
【0101】
理解されるように、コントローラ64は、図4のもののように、UE10で採用するのに好ましい、一以上の省電力モードを示すように、また、有利には、ネットワーク考慮に基づいて決定されるように、構成されている。好ましい省電力モードのいずれかはUE10によって用いられ、UE10内の適切な省電力モードを開始するように、コントロール機能64の制御の下で、適切な制御シグナリングを返信する。省電力モードは、UE10の好ましいモードとして示されたものからなるか、UE10によって示された好ましいモードのランキング順位からの選択からなりうることが理解される。
【0102】
3G無線アクセス技術に関連して説明したが、本発明は、2G儀旧を含む他のRATsにも同様に適用可能であることが、理解されるべきである。このように、3Gへの上記の参照は、2Gへの参照を含みうる。結果的にRAU/TAUメッセージへの参照は、選択的にLA更新メッセージを参照することができ、SGSN/MMEへの参照は、MSC装置への参照を含むことができることが理解される。本発明は、特に、移動体無線通信装置とネットワーク内の省電力制御の新たなメカニズムを提供するのに有利であり、UE移動端末とネットワークの増加した/改善された省電力オプションを可能にする。また、特定の移動端末の状況及び要件により適した省電力モードを可能にし、さらに、動的制御と、移動端末が移送しているとき、すなわち、非定常のときの省電力モードの変更を可能にする。
【0103】
本発明は例示的な実施の形態を参照して説明されたが、本発明は上記の例示的な実施の形態に限定されない。当業者に明らかな様々な改良が、発明の範囲内で本発明の構成及び詳細に対して行われうる。
【0104】
この出願は、2013年10月31日に出願された英国特許出願第1319226.5に基づき、その優先権の利益を主張し、その開示は参照によりその全てをここに取り込まれる。
【符号の説明】
【0105】
10 UE
12 ネットワークデバイス
14 アタッチ/RAU/TAUリクエスト信号
16 アクセプトメッセージ
18 アイドルモード
20 周期更新タイマ
22 アクティブタイマ
24 移動体到達可能性タイマ
26 省電力状態
28 インプリシットデタッチタイマ
30 省電力状態
32 RAU/TAUリクエスト
34 アクティブタイマ
36 移動体到達可能性タイマ
38 デタッチ状態
40 デタッチ
42 アクティブタイマ
43 移動体到達可能性タイマ
44 エクスプリシットデタッチ
46 アンテナ
48 送信/受信回路
50 制御回路
52 メモリ機能
54 ユーザインタフェイス
56 スリープモード処理機能
58 スリープモード開始機能
60 インタフェイス
62 送受信回路
64 コントローラ
66 メモリ機能
図1
図2
図3
図4
図5