【文献】
ドラゴンクエストIII,週刊ファミ通,日本,株式会社エンターブレイン,2011年 9月15日,第26巻第40号,第88頁
【文献】
ドラクエ3のゾーマって光の玉使わなくても倒せるのでしょうか?,Yahoo!知恵袋,2012年 6月 2日,[online], 2017年4月13日検索,URL,https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1388375958
【文献】
ドラゴンリーグ,アプリFan,日本,株式会社コスミック出版,2012年 9月 1日,Vol.4,第76頁,『「モンスター招き鈴」フィールドに最大10体のモンスターを呼び寄せる』
【文献】
有限会社スタジオエム,不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ オフィシャルコンプリートガイド,日本,株式会社エンターブレイン,2010年 5月11日,初版,第343頁,『「魔物呼びの腕輪」モンスターがフロアに自然発生するターンが早まる』
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態におけるネットワークゲーム(以下、「ゲームX」とよぶ)においては、1以上のプレイヤが、複数のプレイヤキャラクタからなる「チーム」を編成し、次々と襲来する敵キャラクタを迎え撃つ。ゲームXに参加するためには、ゲームサーバにプレイヤ登録をする必要がある。
【0014】
図1は、ゲームシステム100のハードウェア構成図である。
ゲームシステム100においては、ゲームサーバ102に対して、複数のゲーム端末104a、104b、104c・・・104n(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「ゲーム端末104」と総称する)がインターネット106を介して接続される。本実施形態におけるゲーム端末104は、スマートフォンを想定している。ゲーム端末104は、携帯型のゲーム専用機であってもよいし、ラップトップPCなどの汎用コンピュータであってもよい。ゲーム端末104とインターネット106とは無線で接続されるが、有線で接続されてもよい。ゲームのプレイヤにはプレイヤIDとよばれる一意のIDがあらかじめ付与されている。ゲームサーバ102は、各ゲーム端末104にゲームを提供する。
【0015】
図2は、ゲームシステム100の機能ブロック図である。
上述のように、ゲームシステム100は、ゲームサーバ102とゲーム端末104とを含む。ゲーム端末104およびゲームサーバ102の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0016】
ゲームサーバ102は、ウェブサーバを含む構成であってもよいし、ゲーム端末104は、携帯型の通信端末と、これにインストールされたウェブブラウザを含む構成であってもよい。
【0017】
(ゲームサーバ102)
ゲームサーバ102は、通信部110、データ処理部112およびデータ格納部114を含む。
通信部110は、インターネット106を介してゲーム端末104との通信処理を担当する。データ格納部114は各種データを格納する。データ処理部112は、通信部110により取得されたデータおよびデータ格納部114に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部112は、通信部110およびデータ格納部114のインタフェースとしても機能する。
【0018】
データ処理部112は、プレイヤ管理部122およびゲーム制御部116を含む。
【0019】
プレイヤ管理部122は、プレイヤ登録部124およびチーム編成部126を含む。
プレイヤ登録部124は、ゲーム端末104から通信部110を介してプレイヤ登録を受け付ける。プレイヤ登録部124は、プレイヤ登録がリクエストされると、プレイヤにプレイヤIDを付与し、データ格納部114に登録する。ゲームXのゲームモジュールをゲーム端末104にインストールするときプレイヤ登録が自動的にリクエストされる。
【0020】
チーム編成部126は、プレイヤの要求に応じて、複数のプレイヤキャラクタからなるチームを編成する(詳細後述)。
【0021】
ゲーム制御部116は、ゲーム端末104のゲーム制御部146と連携してゲームの進行を制御する。
【0022】
データ格納部114は、ゲームデータ格納部118およびプレイランク格納部120を含む。
ゲームデータ格納部118は、ゲームプログラムのほか、各プレイヤのプレイ状態を示す情報を格納する。プレイ状態とは、たとえば、プレイヤキャラクタのレベルや装備、保有するアイテム、スキルに関する情報などである。
プレイランク格納部120は、プレイヤのプレイランクを格納する。
【0023】
ゲーム制御部116は、対戦決定部128およびクリア判定部130を含む。
ゲーム制御部116は、プレイヤキャラクタのキャラクタ属性に応じて、敵キャラクタと対戦するときの勝敗判定を行う。ここでいうキャラクタ属性とは、体力や攻撃力、防御力、敏捷性、移動速度、攻撃可能範囲、技の種類、装備、所持品など、敵キャラクタとの対戦に影響するパラメータの総称である。
【0024】
対戦決定部128は、複数のプレイヤキャラクタからなるチームと対戦する敵キャラクタを決定する(詳細後述)。
【0025】
クリア判定部130は、プレイヤが、バトルステージのクリア条件や、クエストの達成条件を満たしたか否かを判定する。
【0026】
(ゲーム端末104)
ゲーム端末104は、ユーザインタフェース部148、通信部140、データ処理部142およびデータ格納部144を含む。
ユーザインタフェース部148は、タッチパネルを介してプレイヤからの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。通信部140は、インターネット106を介してゲームサーバ102や他のゲーム端末104との通信処理を担当する。データ格納部144は各種データを格納する。データ処理部142は、ユーザインタフェース部148や通信部140により取得されたデータ、データ格納部144に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部142は、ユーザインタフェース部148、通信部140およびデータ格納部144のインタフェースとしても機能する。
【0027】
データ処理部142は、ゲーム制御部146を含む。
ゲーム制御部146は、ゲームサーバ102と連携してゲームの進行を制御する。ゲーム端末104のゲーム制御部146は、ゲームサーバ102からゲーム制御部116の機能の一部としてダウンロードされるソフトウェアモジュールとして形成されてもよい。
【0028】
通信部140は、ゲームサーバ102から各種ゲーム情報を取得し、データ処理部142はユーザインタフェース部148にゲーム画面を表示させる。また、ユーザインタフェース部148はプレイヤによる各種入力を検出し、データ処理部142は入力情報をゲームサーバ102に通信部140を介して通知する。この入力情報に応じて、ゲームサーバ102のゲーム制御部116はゲーム端末104のゲーム制御部146と連携してゲームの進行を制御する。
【0029】
データ格納部144は、ゲームデータ格納部150を含む。
ゲームデータ格納部150は、ゲームプログラムを格納する。
【0030】
ユーザインタフェース部148は、プレイヤからの入力を受け付ける入力部152と、プレイヤに対して画像や音声等の各種情報を出力する出力部154を含む。入力部152は、主として、画面に対するプレイヤのタッチ操作を入力として検出する。
【0031】
ゲームXは、チーム対戦ゲームである。プレイヤは、複数のプレイヤキャラクタからなるチーム(以下、「味方チーム」とよぶ)を編成し、NPC(Non Player Character)で構成される敵キャラクタの集団(以下、「敵チーム」とよぶ)と、次々と対戦する。
【0032】
味方チームは、複数のプレイヤキャラクタから構成されていればよい。味方チームを構成するすべてのキャラクタを1人で操作したいプレイヤは、自身が保有するキャラクタのみで味方チームを編成できる。一方、他のプレイヤと共闘したいプレイヤは、他のプレイヤが操作するキャラクタと味方チームを組むこともできる。
【0033】
プレイヤは、ゲームXへのプレイヤ登録時またはゲーム再開時に、味方チームを編成できる。味方チームを編成したいプレイヤは、ゲーム端末104の入力部152を介して、ゲームサーバ102にチーム編成の指示(以下、「チーム編成指示」とよぶ)を送る。チーム編成部126は、通信部140からチーム編成指示を受信すると、プレイヤが指定したプレイヤキャラクタをマッチングし、味方チームを編成する。複数のプレイヤのプレイヤキャラクタにより味方チームを編成する場合は、チーム編成部126は、チーム編成処理を行う時点でチーム編成指示を受け付けているプレイヤが指定したプレイヤキャラクタ同士を能力値に基づいてマッチングし、味方チームを編成する。
【0034】
図3は、通常のステージにおける対戦を示す画面図である。
ゲームXにおける対戦は、ステージごとに展開する。このステージを、「バトルステージ」とよぶ。味方チーム204は、バトルステージにおいて、敵チーム208と、区画されたフィールド200上で対戦する。敵チーム208は、フィールド200の左手から、4グループに分かれて襲来する。プレイヤは、味方チーム204を構成するプレイヤキャラクタ202を操作して、襲来する敵チーム208と1グループごとに対戦する。
【0035】
対戦において、プレイヤキャラクタ202は、素手や剣などによる近距離攻撃と、弓弩や銃砲などによる遠距離攻撃とを敵キャラクタ206に対して行うことができる。近距離攻撃は、プレイヤキャラクタ202が敵キャラクタ206と隣接しているときに行える攻撃である。一方、遠距離攻撃は、武器や技の射程圏内に敵キャラクタ206がいる場合に行える攻撃である。プレイヤは、敵キャラクタ206との位置関係に応じて、これらの攻撃をプレイヤキャラクタ202に適宜指示できる。また、プレイヤは、操作するプレイヤキャラクタ202が敵キャラクタ206から攻撃された場合、プレイヤキャラクタ202に防御を指示できる。
【0036】
プレイヤキャラクタ202および敵キャラクタ206には、それぞれ体力値が設定されており、攻撃を受けると体力値が減少する。体力値が0になると、力尽きて死亡する。味方チーム204を構成するキャラクタがすべて死亡すると、チームは全滅する。
【0037】
味方チーム204が全滅するか、フィールド200の右手後方にあるコテージ210が破壊されると、ゲームオーバーとなる。コテージ210には耐久値が設定されており、敵キャラクタ206の攻撃を受けると耐久値が減少する。耐久値が0になると、コテージ210が破壊される。
【0038】
プレイヤキャラクタ202は、敵キャラクタ206の攻撃により体力値が減少しても、一定時間、コテージ210に収容されると回復する。また、体力値が0になり死亡しても、コテージ210に収容されると蘇生する。
【0039】
味方チーム204が、敵チームを構成する1グループ目の敵キャラクタ206を全滅させると、すぐに2グループ目の敵キャラクタ206が襲来する。味方チーム204が、2グループ目、3グループ目と、敵キャラクタ206を次々に撃破すると、4グループ目には、特別な敵キャラクタ(以下、「ボスキャラクタ」とよぶ)を含む敵キャラクタ206が襲来する。以下、バトルステージにおいてボスキャラクタを倒すことを目的とした一連のゲームのことを「クエスト」とよぶ。味方チーム204がボスキャラクタを撃破すると、ボスキャラクタ以外の敵キャラクタ206(以下、「通常敵」ともよぶ)が残っていようともクエストのクリアとなる。ボスキャラクタは、クエスト(ミッション)のクリア条件となる特別な敵キャラクタ206であり、通常敵はボスキャラクタの衛兵にすぎず、クエストのクリア条件ではない。
【0040】
プレイヤは、クエストをクリアすると、対戦での貢献度に応じた経験値を獲得する。経験値が所定の値に達すると、プレイヤの技量を示す指標値であるプレイランクが向上する。また、プレイヤがバトルステージをクリアすると、対戦での貢献度に応じてプレイヤキャラクタ202の能力が向上したり、プレイヤキャラクタ202が新たな技を習得する。プレイヤキャラクタ206の熟練度として、プレイヤキャラクタ206ごとに「レベル」が設定される。プレイランクはプレイヤの熟練度を示し、レベルはキャラクタの強さを示す。
【0041】
クエストをクリアすると、ゲームXのストーリーが進行し、ほどなくして次のクエストに突入し、新たなバトルステージが展開される。次のクエストでは、敵キャラクタ206(ボスキャラクタと通常敵)が強化されており、このクエストもクリアすると、対戦での貢献度に応じてより多くの経験値を獲得できる。ここでいう「貢献度」とは、敵キャラクタ206の撃破数、味方のキャラクタの体力値を回復した回数など、チーム戦にとって有用な行為を指標化したものである。
【0042】
プレイヤは、ストーリーの進行にしたがってクエストを次々とクリアしていく。最終クエストまですべてクリアすると、ゲームXが完了する。
【0043】
図4は、プレイヤのデータを格納するデータベースの模式図である。
ゲームXには、さまざまなキャラクタが用意されている。プレイヤは、複数のキャラクタを保有する。プレイヤが保有するキャラクタには、ゲームの開始時に選択したキャラクタと、ゲームが進行する過程で入手したキャラクタとがある。プレイヤは、保有する複数のキャラクタからプレイヤキャラクタ202を選択する。
【0044】
プレイヤは、プレイランクとよばれるゲームXの熟練度を示す指標を有する。プレイランクの上限値は99である。
図4では、P1のプレイランクは85であり、P2のプレイランクは90である。これより、P2がP1よりも上級プレイヤであることがわかる。
【0045】
ゲームXには、特効カードとよばれるカードがある。特効カードは、クエストをクリアしたり、後述する特別なクエストを達成すると、報酬として入手できる。特効カードを保有するプレイヤは、カードの種類や枚数に応じて、さまざまな恩恵を一定期間受けることができる。特効カードの効果としては、プレイヤキャラクタ202の防御力の向上や、特別な技の習得などが挙げられる。特効カードは、一定期間後に効果が喪失すると、自動的に消失する。ゲームのプレイ時間が長い上級者ほど多くのクエストをクリアしているため、多くの特効カードを保有していることが多い。いいかえれば、特効カードを多く保有しているプレイヤは上級者であることが多い。
【0046】
ゲームXには、更に、レイドボス(Raid Boss)とよばれる通常のボスキャラクタとは異なる敵キャラクタを掃討する特別なクエスト(以下、「レイドボス掃討クエスト」とよぶ)も用意される。プレイランクの合計値が250以上の味方チームは、レイドボス掃討クエストに挑戦できる。プレイヤは、プレイランクの合計値が250以上の味方チームに属していれば、レイドボス掃討クエストに何度でも挑戦できる。レイドボス掃討クエストは、挑戦してもよいし、しなくてもよい。また、何度でも挑戦できる。以上をまとめると、敵キャラクタは、クエストのクリア条件となるボスキャラクタとクリア条件とはならない通常敵があり、レイドボス掃討クエストのボスキャラクタを特にレイドボスとよぶ。レイドボスはボスキャラクタの一種であり、レイドボス掃討クエストのクリア条件である。
【0047】
敵チーム208が、フィールド200の左手から、4グループに分かれて襲来する点は、レイドボス掃討クエストでも同様である。味方チーム204が3グループ目まで敵キャラクタ206を順に撃破すると、4グループ目にレイドボスが出現する。出現するレイドボス302の種類は、クエストの内容に応じて、対戦決定部128によりランダムに決定される。レイドボスもボスキャラクタの一種であるから、レイドボスを倒すことができれば通常敵が残っていてもレイドボス掃討クエストはクリアとなる。
【0048】
図5は、レイドボスとの対戦を示す画面図である。
レイドボス302は、攻守両面できわめて能力の高い、強大な敵キャラクタ206である。多彩な攻撃手段をもつうえに、体力値が莫大なため、攻略は至難である。
【0049】
レイドボス302は、腕を試したいプレイヤにとって、好適な対戦相手である。また、プレイヤは、レイドボス302との対戦を通じて、他のプレイヤに腕前をアピールできる。レイドボス302との対戦は、ゲーム中、最も盛り上がる場面のひとつである。
【0050】
レイドボス掃討クエストは、クリアすると次のステージに移行する通常のクエストとは異なる単体・独立のクエストである。本実施形態においては、レイドボス掃討クエストは一種類のみであるとする。クリア判定部130は、味方チーム204を構成する1以上のプレイヤキャラクタ202が生存した状態で、レイドボス302の体力値が0になったことを検知すると、ゲーム制御部116に、レイドボス掃討クエストのクリアを通知する。ゲーム制御部116は、クエストクリアの通知を受けると、レイドボス掃討クエストを終了し、味方チーム204に参加した各プレイヤのゲーム端末104にクエストの終了を通知する。
【0051】
プレイヤは、通常のクエストをクリアしたとき、所定の確率にて、キャラクタや特効カードといった報酬を入手できる。レイドボス掃討クエストをクリアしたときには、より高い確率にてキャラクタや特効カード、アイテムを取得できる。クエストのクリアは、特効カードの主な入手手段である。
【0052】
対戦決定部128は、レイドボス掃討クエストに挑戦するプレイヤが、特効カードを保有している場合、保有する特効カードの枚数分だけ、レイドボス302の出現数を増加させる。たとえば、プレイランクの合計値が250のときにレイドボス掃討クエストに参加した場合(ケース1)、レイドボス掃討クエストに登場するレイドボス302は1体であっても強敵である。しかし、プレイランクの合計値が400のときに同じレイドボス掃討クエストに参加した場合(ケース2)、プレイヤキャラクタも成長しているため、かつては強敵だったレイドボス302はそれほどの強敵ではなくなっている。ケース2においては、ケース1のときよりも、プレイヤは多くの特効カードを集めている可能性が高い。本実施形態においては、特効カードが多いほどレイドボス302の数が多くなる。このため、ケース2においては「かつては強敵だったレイドボス302をより簡単に倒せるようになったことによる成長の実感」と「レイドボス302が増加することによるレイドボス戦の歯応え」を両立させることができる。
【0053】
レイドボス302の出現数が増加すると、撃破したときに得られる報酬も増え、味方チーム204に属するプレイヤひとりひとりに分配される報酬も多くなる。さらに、プレイヤは、レイドボス302の出現数が多いほど、他のプレイヤにたくさんのレイドボス302を薙ぎ払う姿を見せることでその技量をアピールしやすくなる。特効カードを1枚でも多く保有してレイドボス302の出現数を増加させ、そのうえで味方チーム204全員で力を合わせてレイドボス302を撃破することが、レイドボス掃討クエストのゲーム性を支えている。
【0054】
なお、対戦決定部128は、レイドボス掃討クエストに限らず、通常のクエストにおいてもボスキャラクタを特効カードの枚数に応じて増加させる。たとえば、クエストQ1に登場するボスキャラクタB1は、クエストQ1に初めてチャレンジするプレイヤにとっては強敵である。このプレイヤがボスキャラクタB1を倒すと、プレイヤキャラクタが成長する。プレイヤがクエストQ1の次のクエストQ2,Q3・・・とクリアしていくと、プレイヤキャラクタはいっそう強くなり、もはやかつて戦ったボスキャラクタB1は強敵ではなくなる。このころには、プレイヤは多くの特効カードを手に入れていると考えられる。成長後のプレイヤは、ボスキャラクタB1が所有するアイテムを手に入れるため、クエストQ1に再チャレンジすることもできる。このとき、対戦決定部128は、特効カードの枚数に応じてボスキャラクタB1の数を増やす。プレイヤは、かつては脅威だったボスキャラクタB1を簡単に倒すことができるようになるものの、ボスキャラクタB1の数を増加させることでクエストQ1における敵味方の戦力バランスを維持している。すなわち、ボスキャラクタB1を強化するのではなく、ボスキャラクタB1を増加することでゲームバランスを保っている。
【0055】
以下においては、ボスキャラクタのうち、レイドボス302(特別なボスキャラクタ)を対象として説明するが、通常のボスキャラクタとの対戦であっても同様である。
【0056】
図6は、プレイヤが特効カードを保有している場合の処理のシーケンス図である。
入力部152は、レイドボス掃討クエストへの挑戦の申し込みを検知すると、通信部140を介して、ゲーム制御部116に送信する(S10)。ゲーム制御部116が申し込みを受信すると、対戦決定部128は、味方チーム204と対戦させるレイドボス302を決定する(S12)。このとき、対戦決定部128は、味方チーム204に属するプレイヤが保有する特効カードの枚数を集計し(S14)、特効カードの合計枚数だけ、出現させるレイドボス302の数を増加させる(S16)。ゲーム制御部116は、通信部110を介して味方チーム204に属する各プレイヤのゲーム端末104に結果を通知する(S18)。
【0057】
図4のP1〜P4が味方チーム204に属する場合、P1とP3がそれぞれ1枚ずつ特効カードを保有している。したがって、味方チーム204に属するプレイヤが保有する特効カードの合計枚数は2枚となる。対戦決定部128は、上述したように特効カードの枚数に応じてレイドボス302の数を増加させる。これは、特効カードを多く保有するプレイヤは上級者であるため、レイドボス302の数を増やすことで対戦を拮抗させるためである。いいかえれば、レイドボス302を強化して対戦を拮抗させるのではなく、レイドボス302の数を増やすことで対戦を拮抗させている。また、特効カードを多く保有するほど、多数のレイドボス302を討伐する機会に恵まれるため、レイドボス302を倒すことで多くの報酬を得やすくなる。特効カードの枚数のほか、プレイランクに基づいてレイドボス302の数を増加させてもよいし、プレイヤの操作に応じてレイドボス302の数を増加させてもよい(後述)。
【0058】
図7は、レイドボスの出現数が増加したときの画面図である。
上記の例では、味方チーム204に属するプレイヤが保有する特効カードの合計枚数が2枚のため、レイドボス302の出現数が2体上乗せされて、3体となる。レイドボス302は、プレイランクに対応しても増加する。
【0059】
ゲームXでは、プレイヤがレイドボス掃討クエストに挑戦する際に、味方チーム204にプレイランクが80以上のプレイヤ(以下、「強者」とよぶ)が含まれているとき、レイドボス302の出現数が更に増加する。たとえば、特効カードの合計枚数が2枚で、プレイランクが80以上の強者が二人含まれているとき、レイドボス302の数は合計5体となる。したがって、プレイヤは自らのプレイランクを80以上にするだけでなく、強者を味方チームに誘うことでも、レイドボス302の出現数を増加させることができる。
【0060】
図8は、プレイランクに基づいてレイドボスの数を増加させる処理のシーケンス図である。
ここでは特効カード等による上乗せはないものとして説明する。入力部152は、レイドボス掃討クエストへの挑戦の申し込みを検知すると、通信部140を介して、ゲーム制御部116に送信する(S10)。ゲーム制御部116が申し込みを受信すると、対戦決定部128は、味方チーム204と対戦させるレイドボス302を決定する(S12)。このとき、対戦決定部128は、味方チーム204に属するプレイヤのプレイランクをチェックして、強者の人数を集計し(S14)、強者の人数分だけ、出現させるレイドボス302の数を増加させる(S16)。ゲーム制御部116は、通信部110を介して味方チーム204に属する各プレイヤのゲーム端末104に結果を通知する(S18)。
【0061】
図4のP1〜P4が味方チーム204に属する場合、P1とP2のプレイランクがそれぞれ85、90である。したがって、強者の合計人数は2人となる。この場合も、レイドボス302の出現数が2体上乗せされて、3体となる。
【0062】
ゲームXでは、対戦中のプレイヤの操作結果に応じても、レイドボス302の出現数が増加する。プレイヤが、レイドボス302が出現直後の2秒間に14回、レイドボス302の頭部をタップすると、レイドボス302がもう1体増える。より手ごわい敵キャラクタ206と対戦したい上級プレイヤや、レイドボス302を撃破すると得られる報酬を増やしたいプレイヤは、上記のタップ操作をすることで、レイドボス302の出現数を増加できる。このようなタップ操作は、隠しコマンドであってもよい。以下、レイドボス302を増加させる契機となる操作のとことを「特定操作」とよぶことにする。特定操作は、クエストの開始や終了後ではなく、対戦の実行中に検出される操作である。
【0063】
図9は、対戦中にタップ操作が検出された場合の処理のシーケンス図である。
入力部152が、レイドボス302が出現直後の2秒間に、レイドボス302の頭部へのタップを検出する(S10)と、ゲーム制御部146は、タップの回数が14回に達したかをチェックする(S12)。タップ回数が14回に達した場合、ゲーム制御部146は、通信部140を介して、対戦決定部128にレイドボス302の出現数の増加を要求する(S14)。対戦決定部128は、増加の要求を受け付けると、出現させるレイドボス302の数を1体増加させる(S16)。ゲーム制御部116は、通信部110を介して味方チーム204に属する各プレイヤのゲーム端末104に結果を通知する(S18)。
【0064】
なお、タップが検出されなかった場合や、検出されたタップの回数が14回未満の場合は、レイドボス302の出現数は変化しない。また、味方チーム204に属する複数のプレイヤが、レイドボス302が出現直後の2秒間に、レイドボス302の頭部に14回タップした場合、増加するレイドボス302の数は1体である。
【0065】
以上、実施形態に基づいてゲームシステム100を説明した。
本実施形態では、プレイヤが保有する特効カードの枚数や、強者の人数分だけ、レイドボス302の出現数が増加した。特効カードを多く保有するプレイヤは、能力の高い上級プレイヤであることが多い。プレイヤの能力が向上するにつれて、レイドボス302の能力も向上する場合、プレイヤは強くなった実感を抱きにくい。しかし、本実施形態においては、レイドボス302の能力が変化せずに出現数が増加する。プレイヤが成長するにつれて、以前は攻略が至難だったレイドボス302が相対的に弱体化するが、出現数が増えるため、プレイヤに、かつての強敵をなぎ払う機会を付与することとなり、プレイヤキャラクタが強くなったという実感を抱かせやすくなる。
【0066】
また、本実施形態では、レイドボス掃討クエストに挑戦するプレイヤが特効カードを保有する場合に、保有する特効カードの枚数分だけ、レイドボス302の出現数が増加した。ここで、レイドボス302の出現数が永続的に増加すると、ゲームバランスが崩れかねない。しかし、特効カードの効果は一定期間に限られるため、プレイヤにプレイヤキャラクタが強くなったという実感を抱かせることができるとともに、ゲームバランスを崩しにくくすることができる。
【0067】
さらに、本実施形態では、プレイヤが、レイドボス302が出現直後の2秒間に14回、レイドボス302の頭部をタップすると、レイドボス302がもう1体増えた。本実施形態によれば、プレイヤがレイドボス302の出現数を増やしたいときに増加させることができる。これにより、プレイヤはプレイヤキャラクタが強くなったという実感を得たいタイミングで、レイドボス302の出現数を増加させることができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0069】
複数のゲーム端末104と1つのゲームサーバ102によりゲームシステム100が構成されるとして説明したが、ゲーム端末104の機能の一部はゲームサーバ102により実現されてもよいし、ゲームサーバ102の機能の一部がゲーム端末104に割り当てられてもよい。また、ゲームサーバ102やゲーム端末104以外の第3の装置が、機能の一部を担ってもよい。
【0070】
図2において説明したゲーム端末104およびゲームサーバ102の各機能の集合体であるゲームシステム100は大局的には1つの「情報処理装置」として把握することも可能である。1つまたは複数のハードウェアに対して、本発明を実現するために必要な複数の機能をどのように配分するかは、各ハードウェアの処理能力やゲームシステム100に求められる仕様等に鑑みて決定されればよい。
【0071】
本実施形態においては、プレイヤが特効カードを保有していたり、プレイヤがレイドボス302の頭部を14回タップすると、レイドボス302の出現数が増加した。出現数を増加させるべき敵キャラクタ206は、クエストのクリア条件となる存在であればよい。クエストのクリア条件となっていない通常敵は、クエストのクリア条件となっているボスキャラクタを守り、援護する存在である。プレイヤは、クエストのクリア条件に関わるボスキャラクタを倒すことを目的あるいは楽しみとしてクエストにチャレンジするのであって、ボスキャラクタとの対戦を阻害する通常敵は邪魔な存在である。したがって、通常敵を無闇に増やすことはクエスト本来の興趣を減殺してしまう可能性がある。これに対して、本来のターゲットであるボスキャラクタ(強敵)が増える方が、プレイヤの挑戦意欲を喚起しやすい。
【0072】
本実施形態においては、レイドボス掃討クエストに挑戦するプレイヤが、所定の特効カードを保有している場合、保有する特効カードの枚数分だけ、レイドボス302の出現数が増加した。レイドボス302の出現数を増加させるアイテムは、特効カードでなくてもよい。武器や防具といった装備品や、回復薬など、レイドボス302の出現数を増加させるアイテムの種類は、設計者が任意に設定できる。たとえば、プレイヤが対戦中に回復薬を使用するとレイドボス302が増加する場合、プレイヤキャラクタ202の体力値を回復させるという代償としてレイドボス302の増加を招く、というトレードオフを生じさせることでゲームの戦略性をいっそう高めることができる。
【0073】
レイドボス302の出現数を増加させる要素は、アイテムでなくてもよい。たとえば味方チームを構成するプレイヤキャラクタ202に神主や巫女、祈祷師といった聖属性のキャラクタが含まれていた場合、その人数分だけレイドボス302の出現数が増加してもよい。レイドボス302の出現数を増加させる要素は、プレイヤが保有しうるゲーム要素であれば、設計者が任意に設定可能である。味方チーム204に聖属性のプレイヤキャラクタ202が含まれているとその人数分だけレイドボス302の出現数が増加する場合、聖属性のプレイヤキャラクタ202を味方チーム204に編成すべきか否かを判断する機会が提供されるため、新たなゲーム性を付加できる。たとえば、レイドボス302の数を増やしたいときには聖属性のプレイヤキャラクタ202を操作するプレイヤをチームに誘ってもよい。
【0074】
本実施形態では、プレイヤが保有する特効カードの枚数や、強者の人数分だけ、レイドボス302の出現数が増加した。しかし、レイドボス302の出現数の変化は、増加に限らなくてもよい。減少してもよい。たとえば、プレイヤが保有する特効カードの枚数分だけ、レイドボス302の出現数が減少する場合、レイドボス掃討クエストの攻略難易度を低減させたいプレイヤに対して、特効カードを入手するインセンティブを付与できる。
【0075】
本実施形態においては、強者(プレイランク80以上のプレイヤ)の合計人数分だけ、レイドボス302の出現数が増加した。しかし、レイドボス302の出現数を変化させるプレイランクは、80以上でなくともよい。40以上でもよいし、5の倍数でもよいし、素数でもよい。特定のプレイランクのプレイヤの合計人数分だけレイドボス302の出現数が変化してもよい。味方チーム204に属するプレイヤのプレイランクが上がるたびに、レイドボスの出現数が増加してもよい。味方チーム204中のプレイヤのプレイランクを条件として、レイドボス302の出現数が変化すればよい。レイドボス302の出現数を変化させるプレイランクは、設計者が任意に設定可能である。
【0076】
味方チーム204中のプレイヤのプレイランクと、レイドボス302の出現数の変化とをどのように関連させるかは、設計者が任意に設計可能である。プレイランクの値と、増加するレイドボス302の数とを1対1対応させてもよい。たとえば、プレイランクが10増えるごとにレイドボス302が1体追加されてもよい。この場合、プレイランクが90のプレイヤは、レイドボス302を9体(=10×9)増加させることができる。
【0077】
レイドボス302の出現数を変化させる指標は、プレイランクでなくてもよい。たとえば、経験値でもよい。プレイヤに紐付けられた他の指標であればよい。経験値のほか、プレイヤの性別や年齢、累計プレイ時間、居住地に応じてレイドボス302(ボスキャラクタ)の数を変化させてもよいし、特定日時(たとえば、キャンペーン期間)においてレイドボス302の数を変化させてもよい。
【0078】
レイドボス302の出現数を変化させる指標は、プレイヤではなく、キャラクタに紐付けられたものでもよい。たとえば、味方チーム中のキャラクタのレベルが40以上のプレイヤキャラクタ202の数だけ、レイドボス302の出現数が増加してもよい。
【0079】
本実施形態では、プレイヤのプレイランクに基づいて、レイドボス302の出現数が増加した。変形例として、味方チーム204に属するプレイヤ間のプレイランクの差の値だけ、レイドボス302の出現数が増加してもよい。たとえば、味方チーム中にプレイランクが99のプレイヤと、プレイランクが1のプレイヤとがいる場合に、レイドボス302の出現数が98体増加してもよい。味方チームに含まれるプレイヤのうち、最高のプレイランクと最低のプレイランクの差に応じてレイドボス302の数を増加してもよいし、味方チームのプレイランクの平均値が大きいほどレイドボスの302の数を増加させてもよい。本変形例によれば、やり応えをもとめたり、初級プレイヤから一目置かれたい上級プレイヤが、初級プレイヤを味方チームに誘う動機が生まれる。また、初級プレイヤも、上級プレイヤとともにプレイすることで、上級プレイヤに援護されながらレイドボス302戦を楽しめたり、上級プレイヤのプレイを間近にみることで成長しやすくなる。
【0080】
所定のプレイランク以上の上級プレイヤが、所定のプレイランク以下の初級プレイヤと組んだ場合に、出現するレイドボス302の種類が変わってもよい。たとえばレイドボス302が、体力値が大きく攻撃力が低い種類に変われば、初級プレイヤでもレイドボス302との長時間の戦闘を楽しみやすくなる。
【0081】
レイドボス302の種類によって、その増加する数が異なってもよい。たとえば、プレイヤが特効カードを5枚保有している場合に、ある種類のレイドボス302なら5体増加し、別の種類のレイドボス302なら1体増加し、また別の種類のレイドボス302なら25体増加するとしてもよい。レイドボス302の種類ごとの増加数は、設計者が任意に設計可能である。
【0082】
本実施形態においては、プレイヤが、レイドボス302が出現直後の2秒間に、14回、レイドボス302の頭部をタップすると、レイドボス302がもう1体増えた。しかし、タップを受け付ける期間やタップの回数、タップする位置といった入力条件は、設計者が任意に設定可能である。入力条件は、入力部152が検出可能であればよい。
【0083】
レイドボス302の出現数を増加させる特定操作の種類は、タップでなくてもよい。フリックでもスワイプでもよいし、「636」のようなコマンド入力でもよい。特定操作の種類は、対戦中の操作であれば、設計者が任意に設定可能である。
【0084】
特定操作は、レイドボス302の出現直後のタップ連打でなくともよい。たとえば、対戦中にプレイヤキャラクタ204に必殺技を使わせるためのコマンド入力であってもよいし、プレイヤキャラクタ204に回復魔法を使用させるための操作でもよい。レイドボス302の出現数を増加させる操作の内容は、対戦中に、入力部152に検出可能であれば、設計者が任意に設定可能である。
【0085】
入力部152は、入力の有無ではなく、タイミングを検出してもよい。たとえば対戦中にBGMに合わせてリズミカルに攻撃を繰り出すと、レイドボス302が増加してもよい。この場合、他のプレイヤに高い技量を見せ付けたい上級プレイヤに、強さをアピールする機会に加えて、高等テクニックを効果的に披露する機会も付与できる。
【0086】
特定操作に応じて、レイドボス302の出現数が必ず増加しなくてもよい。たとえば、入力部152が特定操作を検出した場合に、50%の確率でレイドボス302が増加してもよい。入力部152が特定操作を検出した場合にレイドボス302が増加する確率は、設計者が任意に設定可能である。
【0087】
本実施形態では、プレイヤの保有する特効カードの枚数や、プレイランクに基づいて、レイドボス302の出現数が増加した。変形例として、プレイヤが所定の条件を満たす場合に、出現するレイドボス302の種類や、追加されるレイドボス302の種類が変わってもよい。出現するレイドボス302の種類が変わる場合、プレイヤに、苦手なレイドボス302と対戦せずに、クエストを達成する機会を付与できる。また、追加されるレイドボス302の種類が変わる場合、プレイヤに、より強いレイドボス302を追加させて「神」アピールをする機会を付与できる。レイドボス302の種類が変わる場合、変化のパターンは、設計者が任意に設定可能である。
【0088】
敵キャラクタ206、特に、ボスキャラクタを倒すと、所定の確率にてアイテムPが提供される。この確率が1%であるときには、アイテムPを取得するのは至難である。しかし、プレイランク等の各種条件によりボスキャラクタの数が増えると、アイテムPを取得できる可能性が高くなる。
【0089】
プレイランク等の各種増加条件が成立しても、ボスキャラクタの数が増えるとは限らないとしてもよい。たとえば、プレイランクが20を超えるとボスキャラクタは20%の確率で1体追加され、プレイランクが30を超えるとボスキャラクタは30%の確率で1体追加されるとしてもよい。特効カードや特定操作時においても、所定の確率にてボスキャラクタが増加するとしてもよい。このような制御方法によれば、ボスキャラクタが非常に多くなること、たとえば、ボスキャラクタの数が10体を超えることは確率設定によっては非常に稀になる。このため、ボスキャラクタの数が非常に増加したときには、そのような稀な事象を他のプレイヤにアピールする意欲が喚起されやすくなる。
【0090】
上級者は下級者に足を引っ張られることを嫌い、上級者同士でチームを編成したがることが多い。このため、下級者は下級者同士でチームを組まざるを得ないことがある。この場合、下級者はゲームXのおもしろさを理解できないままゲームXからすぐに離れてしまう可能性がある。下級者が上級者と同じチームになれば、上級者の使用するプレイヤキャラクタ202の装備やレベル、戦い方などを見ることができるので、下級者でもゲームXの魅力を理解しやすくなる。上級者と下級者のプレイランクの差が大きいほど、ボスキャラクタの数が多くなるとすれば、ボスキャラクタを掃討したい上級者にとって、下級者をチームに受け入れるメリットが生じる。また、上級者にとっては物足りないが、下級者でも善戦ができる程度のボスキャラクタが増える場合には、上級者は多数のボスキャラクタを薙ぎ払う爽快感を感じることができるし、下級者でもボスキャラクタとの戦いにおいてチームに貢献しやすくなる。特に、上級者は、下級者が苦戦するボスキャラクタをなぎ倒すことにより、下級者に対して自らの技量やプレイヤキャラクタ202の優秀性を見せつけることができる。自らが育成したプレイヤキャラクタ202の強さを誇示する機会を提供することにより、プレイヤキャラクタ202の育成意欲をいっそう喚起しやすくなる。
【0091】
本実施形態においては、ボスキャラクタ(レイドボス302も含む)の強さは変化せず、その数が特効カードの枚数、プレイランク、対戦中の特定操作等の各種増加条件に応じて増加するとして説明した。変形例として、ボスキャラクタの数だけでなく強さも変化してもよい。このような態様によれば、たとえば、プレイランクがアップするほど、より強くてより多数のボスキャラクタが出現するため、ゲームXの難易度を高めやすくなる。
【0092】
以上をまとめると、ボスキャラクタの数、強さ、種類をさまざまな条件に応じて変化させてもよい。その条件としては、特効カードなどのアイテムの所有または使用、プレイランク、キャラクタのレベル、対戦中に実行される各種の特殊操作などが考えられる。また、所定の確率にて通常敵E1が出現し、通常敵E1が出現したときにはボスキャラクタが増えるとしてもよい。
【0093】
本実施形態においては、チーム対戦ゲームを対象として説明したが、チーム対戦ゲームに限らず、シューティングゲームやリズムゲームなど他のタイプのゲームにも同様に本発明を応用可能である。
【0094】
本実施形態においては、スマートフォン用のゲームを対象として説明した。しかし、ゲームシステム100は、家庭用ゲーム機やパーソナルコンピュータなどにより実現されてもよい。アーケードゲームであってもよいし、アーケードゲームと連携したゲームでもよい。
【0095】
本発明は、ゲームに限らず、ユーザが所定の条件を満たすか、サービスの利用中に所定の操作結果が検出された場合に、目的達成条件となる要素の数を変化させるアプリケーションソフトウェアに対して広く応用可能である。たとえば、購入品目を「買い物かご」に入れて最初の2秒間に「購入」ボタンを14回連打すると、購入品目を無料でもう1つ追加するECサイトや、購買者が保有するクーポンの枚数分だけ購入品目を無料で追加するECサイトへの応用も考えられる。
【解決手段】クエストに挑戦するプレイヤが、特効カードとよばれるカードを保有していると、その枚数に応じて、撃破がクエストの達成条件である重要な敵キャラクタの出現数が増加する。入力部152は、レイドボス掃討クエストへの挑戦の申し込みを検知すると、通信部140を介して、ゲーム制御部116に送信する。ゲーム制御部116が申し込みを受信すると、対戦決定部128は、味方チームと対戦させるレイドボス302を決定する。このとき、対戦決定部128は、味方チームに属するプレイヤが保有する特効カードの合計枚数をチェックして、特効カードの枚数分だけ、レイドボス302の出現数を増加させる。